正義は殴って勝つんだぞ☆(作者 沙雪海都
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●1番、メイシーちゃん殴ります☆
 番人が最期に目にしたのは、煌びやかな流れ星。
「えいっ!」
 振るわれたステッキが番人の側頭部から抉るように命中し、絶命させる。正義の魔法少女・メイシーは蟻を踏み潰すが如く、あっけなく番人を屠っていた。
「この私に殺されたんだから本望よね☆ じゃあ、さっさとスナーク化して暴れてくるんだぞ☆」
 メイシーは従えた雑魚集団、ザ・ダフニアンズへ不死の怪物の力を分け与え、引き締まった肉体に猛禽類の翼を授けた。彼らは翼を広げると、両手を白鳥の首のように高々と伸ばして空に舞う。
 神々が恐れる不死の怪物の開放。スナークの禍を引き起こすには十分な力だった。

●ヒーローズアース・13thラウンド
「正義を騙る不届き者を倒しに行きましょう!」
 ヒーローズアースという世界は正義と悪の概念が殊の外複雑であるが、此度のオブリビオンの行動は誰がどう見ても悪である。ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)は休む間もなくグリモアベースへ繰り出していた。
「ヒーローズアースの『センターオブジアース』にて、不死の怪物を見張る番人がオブリビオンに襲われる悪夢を見てしまいました! ここまではすでに起こってしまったことなのでどうしようもありませんが、不死の怪物の力を身に付ける――いわゆる『スナーク化』したオブリビオンをこのまま放置すると、神々の間でスナークという恐怖の代名詞が固定化し、さらなる超生物を生み出してしまう危険性があります!」
 悪夢は夢だからこそ、現実にしてはいけない。それがロザリアの持論だ。猟兵達が訪れることのできる世界は一定の期間を置きながら増加の一途を辿るが、捨て置ける世界など一つもない。危険は小さな芽の内に摘んでおかねばならぬのだ。
「現場には他の神々も駆けつけて一応は食い止めているようですが、長くは持たない気がします! ですから急ぎ皆さんにも現場へ向かってもらって、オブリビオン討伐をお願いしたいです! それで、倒すべきオブリビオンですが、まずは『ザ・ダフニアンズ』という集団がそこら中を飛び回っているはずなので、彼らを倒していきましょう! スナーク化の影響で翼を持って、能力も上がっていますから注意が必要ですね!」
 それこそ、1体がボス級の力を持つほどに。スナーク化とはそれほどに厄介な現象だ。しかし、現場の神々はその弱点を知っており、弱点を的確に突くことができれば勝機はある。
「ザ・ダフニアンズをスナーク化させたのが『正義の魔法少女・メイシー』になりますね! 本当は私が直接出向きたいところですが、見てしまった以上、導き手の役目を果たさなければなりません……ここは皆さんに託します! 宜しくお願いします!」


沙雪海都
 沙雪海都(さゆきかいと)です。
 涼しげな敵を用意しました。

●フラグメント詳細
 第1章:集団戦『ザ・ダフニアンズ』
 スナーク化により猛禽類っぽい翼を背中に生やしています。そのため空中飛行が可能になりました。
 まー翼が増えて強くなるなら弱点も翼じゃろ、ってことで翼を狙い撃ちすればいいのではないですかね。この話は周りの神々から聞くことができます。

 第2章:ボス戦『正義の魔法少女・メイシー』
 魔法少女ではありますが割と近接にも強いやつです。
 お、殴り魔か? 普通に魔法も使うバランスタイプな気がします。
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第1章 集団戦 『ザ・ダフニアンズ』

POW ●ダフニアン・ランペイジ
【分体達による一斉突撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD ●ダフニアン・フォーメーション
【本体の攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【分体達によるコンビネーション攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ ●ダフニアン・アンブッシュ
【あちこちの物陰に潜ませた分体】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【不意打ち】で攻撃する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


シュワルベ・ポストボーテ
ハイ! 呼ばれて飛び出たのですよっ!
翼をさずけられたってミジ、ダフニアンはダフニアン!
ほんものの鳥にはかなわないのですっ!
くらうのですっ、シュワルベ・アターーックべふぅぅぅ
き、筋肉のヨロイとか卑怯なのですっ!

こうなったら、作戦はひとつ。
にげるのですっ!!

逃げ惑いながら戦場全体に強い磁場で迷路をつくって、敵をまくのですっ。
なんか途中同士討ちがあったような気がしますが気のせいですねっ?
あちこちから出てくるダフニアンは手強いですがっ、
飛んでくる攻撃をかわして壁にぶつけ、
そのまま攻撃のパワーを別のダフニアンにぶつけるですっ!
あそーれ、木っ端☆


●逃げるが勝ちの方程式
 ダフニアンズが空を飛ぶ。ただの敵ならいざ知らず、こいつらは海パン一丁のスイムスタイル。空を筋骨隆々の肉体が埋め尽くす様は圧巻であり、地獄であった。
「ハイ! 呼ばれて飛び出たのですよっ!」
 そんなところへ颯爽と現れた影。鳥か!? 飛行機か!? 鳥だった。最初に答えが出ていた。シュワルベ・ポストボーテ(愉快な仲間のソーシャルディーヴァ・f30877)が翼を得たダフニアンズに対抗して空中戦を仕掛けようとしていた。
「翼をさずけられたってミジ……ダフニアンはダフニアン! ほんものの鳥にはかなわないのですっ!」
 ダフニアンズの背に生えた翼は、やはり本来の生物が持つものより機動力は劣る。それでも数の暴力に知恵を合わせ、数多のダフニアンズが木々の陰からシュワルベの隙を伺っていた。
「くらうのですっ、シュワルベ・アターーック――べふぅぅぅ!?」
 シュワルベの翼を目一杯に広げての滑空体当たり攻撃は、物陰から飛び出してきたダフニアンズの盛り上がった筋肉に阻まれ、十分な威力を発揮できていなかった。筋肉の壁も然ることながら、やはり翼を得たことによる純粋な肉体強化が厚い壁となりシュワルベの翼を弾いている。
「き、筋肉のヨロイとか卑怯なのですっ! こうなったら、作戦はひとつ。逃げるのですっ!!」
 尻尾を巻いて逃げ出すか――否、これは第二の手段。逃げながら構築していくのは強磁界の迷路だ。ダフニアンズを迷い込ませ、敵を撒く。
 シュワルベの複雑な飛行軌跡がそのまま迷路構造を成した。ダフニアンズも大きな翼をばっさばっさと羽ばたかせて追うが、速度に勝るシュワルベはあっと言う間にダフニアンズを迷い込ませる迷路を完成させていた。
 強磁界は不可視であるが、ダフニアンズは磁石に引き寄せられるような違和感を覚えていた。特に突貫工事でくっついただけの翼は磁界の流れにぐいぐいと引っ張られて千切れそうだ。
 迷路を作り終え、ダフニアンズの前にこれ見よがしにホバリングするシュワルベ。双方の間には何も無いように見えるが、実際は幾重にも強磁界が広がり、迷路の内と外に分かれている。
 ダフニアンズの思考はそれこそミジンコ並だった。見えていれば突っ込むのが定め。群れているように見えてその間にも強磁界の壁があって本当は分断されているのだが、その彼らが翼を一つ大きく動かして、前傾姿勢で体当たりをぶちかましてくる。
 だがシュワルベには届かない。迷路の出口は一つであり、それが一直線に続いていることなどありえないのだ。曲がり道の壁に次々ぶつかっていくダフニアンズには、まるでプレゼント交換をしているように仲間達からの攻撃のお届け物が次々に返ってきた。
「いやー高みの見物とはまさにこのことですっ! あそーれ、木っ端☆」
 シュワルベの攻撃は通らずとも、自ら、そして仲間達からの攻撃ならどうか。強磁界の壁を通して返ってくる攻撃は当然、翼を得たことによる強化を打ち破るだけの強化が施されている。同士討ちによる撃破――シュワルベもよく考えたものだ。
 お返しを食らったダフニアンズの肉体はぐしゃりと拉げ、翼を動かす力を失い落下していく。蚊取り線香ならぬダフニアンズ取り迷路は見事に空中戦を制したのだった。
大成功 🔵🔵🔵

大空・彼方(サポート)
《アドリブ、連携、苦戦描写、UC詠唱変更、その他何でも歓迎です》
「はじめまして。今回バックアップに回る舞姫です。未熟者ではありますがなんなりとご用命ください。」
UDC組織に所属する新人猟兵。戦闘経験は豊富。
一人称:私
口調:敬語で機械的
性格はクールでマイペース。そしてドがつく程の面倒くさがり。一見、常識人で冷静沈着に見えるが、どこか天然なところがある。獲物は日本刀。
前衛であれば未来視を用いて舞うように敵の攻撃を引き付けながら隙を伺う。
後衛では異界召喚により援護と回復役をこなす。
UCは指定した物をどれでも使用可能。基本的に情報を収集し、慎重に行動。命令や指示には忠実に従い他の猟兵をサポートします。


シャーロット・ゴッドチャイルド(サポート)
ダークセイヴァ―の貧しい農村に生まれた聖なる力を宿した女の子です。暗い過去を背負った子ですが、いつも周りに気を使っていて笑顔を絶やしません。

ホーリー・ボルト~光の精霊の力で、光属性の魔法の矢を放ちます。
エレメンタル・ファンタジア~炎の精霊を呼び出し、炎の竜巻を巻き起こす。予想以上の威力のため、制御するのがやっと。
絶望の福音~10秒後の未来を予測する。
生まれながらの光~左の手のひらにある聖痕から他者を癒す。

「私は笑うって決めたの・・・じゃなきゃ、前に進めないもん!」

エロやグロに巻き込まれなければ大体のことは大丈夫です。


●筋肉の夏
「何なの? この気色悪い群れ」
「……それには、私も同意せざるを得ませんね……」
 シャーロット・ゴッドチャイルド(絶望の福音・f23202)が何か苦い物を口にしてしまったかのように顔をしかめる横で、大空・彼方(眠れる神の巫女・f33087)が閉口し目を伏せる。
 飛び交う筋肉。そこに美しさは欠片もなく。まるで罰ゲームを受けているような気分だった。
「さっさと片付けようよ。なんだか、見ているだけでイライラしてくるもん」
「了解です。私はバックアップに回るほうが自分に合っていると思いますので……未熟者ではありますがなんなりとご用命ください」
「なら、シャーロットが攻撃に回るね。早速だけど、どうにかしてあいつらの動きを止められないかな? 翼が弱点だってさっき聞いたけど、飛ばれたままだと厄介だよね?」
「動きを止める……手段はありますが、性質としては回復に近いです。それで大丈夫でしょうか?」
「動きが止まれば何でもいいよ。その隙にシャーロットが翼を吹き飛ばすから。回復だって、ダメージを与える前なら効果が出ないんじゃないかな?」
「なるほど……では、そのように」
 役割を手早く決め、シャーロットと彼方はダフニアンズの群れに向かう。弱点と共にある情報は、先の猟兵が示したダフニアンズの攻撃手段。物陰に潜み、機を伺う仲間達がそこかしこにいる。
「シャーロット・ゴッドチャイルドの名に於いて、光の精霊に命ずる――」
 役割上、前に出たシャーロットだが、その攻撃手段は後衛に近い。詠唱を始め、自らの魔力を高めていく中、攻撃の準備行動を察知したダフニアンズがそれを阻止すべく飛び掛かってきた。
 1体見つけたら30体はいると思え。それくらいに、ダフニアンズが物陰に潜ませた分体は多かった。空が筋肉で覆い尽くされようとしている。
『――眠りなさい。幸せな夢を見せてあげる』
 シャーロットの後方に控えた彼方が詠唱し放つのは、緋色の混沌。夜闇の雰囲気を帯びたそれはガス状に広がりを見せ、筋肉を盛り上げて両手を広げて突っ込んでくるダフニアンズを包み込んでいく。
 ばさばさと動いていたダフニアンズの翼が固まる。そして蚊取り線香の煙に巻かれた蚊のようにぼとりぼとりと地面に落ちて動かなくなってしまった。
 まさに眠りに「落ちた」のだ。彼方が放つ混沌は、対象を眠らせ「回復」するもの。しかし今の場合、ダフニアンズへは一切攻撃を加えていないため回復に意味はなく、ただ催眠だけが効果を発揮する。
 地面に横たわるダフニアンズがおおよそ一直線上、一番多く巻き込める方向へシャーロットは向き直ると、
「……いっけぇ!!」
 彼方が時間を稼ぐ間続いていた詠唱の分だけ威力を増した光属性のエネルギーの濁流が、意識の無いダフニアンズを一気に押し流していく。ダフニアンズと翼の融合は濁流の勢いに呑まれてあっと言う間に引き剥がされ、弱体化したダフニアンズは莫大なエネルギーに耐えられず砂のように崩れて消えていった。
「お見事です」
「元が元だもん、こんなものだよね。さ、次に行こう?」
 一仕事終えたシャーロットが指で示す先にはまだまだダフニアンズが溢れてくる。彼方はシャーロットに引き連れられる格好で、引き続き気色悪い筋肉の群れの掃除に当たるのだった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

黒木・摩那
夏ですね。
夏になると出るんですよね。変なのが。
神の国にもいるんですねー。

変態は駆逐しないとダメ!

ここはヨーヨー『エクリプス』で戦います。
ヨーヨーの外周から刃を出します。さらにUC【偃月招雷】で電撃を付与すれば準備OK。
あとは飛び交うダフニアンズの翼を狙って、ヨーヨーで切り裂いていきます。

しびれたり飛べなくなって、地上に落ちて来たら、トドメは【功夫】のキックで【ジャンプ】空中迎撃ですね。

スマートグラス『ガリレオ』の警戒センサーと【第六感】の前では不意打ちは逆効果。むしろカウンターで撃退します。


●ミジンコも湧くし変態も湧くし、あーヤダヤダ
 曰く、夏とは往々にして羽目を外しやすい季節。暑さで気が狂ってしまったのか――可能性こそあれど、確証を得るには至らない。
「夏ですね。夏になると出るんですよね。変なのが。神の国にもいるんですねー」
 黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)が引き攣った半笑いを浮かべる。あーあ、今年もこの季節がやってきたか、とでも言いたげだ。
「シュウウウゥゥーー!!」
 筋肉の群れ、ダフニアンズは奇声を発しながら空を飛ぶ。人、これを変態と呼ぶ。
「変態は駆逐しないとダメ!」
 当然の道理であった。摩那は使い慣れたヨーヨー「エクリプス」を取ると、外周に刃を出して殺傷力を強化し、
「ウロボロス起動――」
 バチリと弾ける雷は摩那のサイキックエナジーが齎したもの。電撃の効果でヨーヨーは更に破壊力を上げる。
「さて、弱点は翼というお話でした……あれだけ大きな翼が強化と同時に弱点になるなんて、お粗末な話ですねー」
 猛禽の翼であるが故、そしてダフニアンズの体が極限まで絞られている故、翼は背から生えていようが狙いやすい的になっていた。
 摩那はダッシュを決めて飛び交うダフニアンズに向かっていく傍ら、スマートグラス『ガリレオ』を起動。警戒センサーに自身の第六感的人為予知を合わせ、不意打ちを企むダフニアンズの分体に備えていた。
 蒸し暑い熱源にスマートグラスは一気にレッドゾーンの警戒を放つ。それに合わせて摩那がヨーヨーを飛ばしてみれば、丁度いいタイミングでダフニアンズの分体が飛び出して、
「ジュウウウゥゥゥ!?」
 筋肉を斬り裂かれて通電したダフニアンズの分体はばたりと倒れてしまう。それを皮切りに他の分体やらダフニアンズやら、とにかく目一杯の筋肉達が腕をクロスに重ねて突っ込んできた。
「はいはい、出てきてくれると非常に有難いです」
 摩那は功夫仕込みの身のこなしでダフニアンズのクロスチョップタックルをひょいひょいと回避していく。そしてヨーヨーは円形に飛ばすことで広範囲を狙い、ダフニアンズの翼を切り裂きにかかっていた。
 ヨーヨーのワイヤーがしなる。回転刃はダフニアンズの飛行速度に追いつくと、ザクッと一思いに翼の根元を切り飛ばしていった。翼を失ったことに加え、電撃で自由を失ったダフニアンズ目掛けて摩那は猛然と突っ込むと、
「せぃやぁーーーっ!!」
 ジャンプ、からの綺麗な空中三角蹴りを放っていった。重力に逆らう推進力を得た飛び蹴りは落下するダフニアンズの腹筋に鋭く突き刺さり、ピンボールの要領で筋肉を弾き飛ばす。
 運動エネルギーを全てダフニアンズにぶつけた摩那はすたりと垂直に着地する。見回せばダフニアンズの数も減り、新たな湧きもなくなっている。
「そろそろお相手も弾切れの様子。ここらで決着をつけるとしますか」
 摩那は残るダフニアンズを駆逐すべく、ヨーヨーをまた空高く投げ飛ばした。
大成功 🔵🔵🔵

夜鳥・藍
ダフニアン……月桂樹(ダフネ)と関係があるんでしょうか?見た感じそのように感じないのですが。
でも今は目の前の敵を何とかするのが先ですね。スナーク化というものがどのようなものかはわかりませんが、できる事をするだけです。

神器鳴神を複製し、推定弱点であろうと聞いた翼めがけて放ちます。
相手の攻撃は第六感と全力で回避します。先んじてこちらの攻撃で翼を落としておけば相手の機動力も落ちるでしょうし、より回避しやすくなると思います。
本体の攻撃が当たらなければ追撃も当たらないでしょう。多分。
というかどうにもあまり近づきたくない相手です。せめてもう少し服を着て欲しいです。


●単数・複数問題は気にしない、気にしない
「ダフニアン……月桂樹(ダフネ)と関係があるんでしょうか? ……見た感じそのように感じないのですが」
 名前の由来はあれば気になるもの。夜鳥・藍(宙の瞳・f32891)は思考するが、筋肉が海パンとマスクをつけただけの謎生物が月桂樹という神秘とどうしても結びつかない。それぞれの点から伸びる線はぐちゃぐちゃ絡まってしまい、先が何処へ行ったかわからなくなってしまった。
 ダフニアンズ――その名の由来はマスクにあった。その形はミジンコ――つまり"Daphnia"だ。
 藍がその答えに辿り着くのはもう少し先のお話。今は目の前の敵を何とかするのが先、と思い直し、一旦疑問を振り払った。
 スナーク化、それは神々の時代に討伐した不死の怪物の一部をオブリビオンに融合させるという禁忌。本来は神が番人として不死の怪物を見張っているはずなのだが、幹部猟書家「アズマ」が出現してからは時折こうして、アズマ亡き今でも番人が襲われるという事件が起こる。
 猟兵達がすべきはスナーク化したオブリビオン集団を倒し、そして番人を殺め、不死の怪物を解放したオブリビオンを倒すこと。たとえお近づきになりたくない相手であっても、彼らを倒し進まなければ事件の解決には至らないのだ。
「せめてもう少し服を着てほしいです……ああ、来ないでください……」
 来るなと言われると来てしまうのが悪役の性。ダフニアンズはフォーメーションを組みながら藍の元へ殺到してきた。第一陣は本体が、指先をぴしっと伸ばしたチョップ攻撃を繰り出してくる。
「ちょっ……ふぅぅっ!?」
 触るとなんだかヌメヌメしそうな気がして、藍は繰り出されるチョップに身を屈めて全力で回避する。なんかヤバイと思ったら脱出の一手。突き出される手刀を右に左に逃げていき、どうにかこうにか接触を防ぐ。
「やはり翼を落とすのが先決……響け!」
 藍は用心深く、二つ、三つと後方に跳んでダフニアンズの追撃から逃れると、神器、鳴神を複製して宙にずらりと並べた。複製体111本は、すでに数を減らしつつあるダフニアンズを根こそぎ射ち落とすには十分すぎる数だった。
 ミサイルが如く発射された神器は完全個人プレーのダフニアンズを的確に狙っていく。ダフニアンズは斬らせまいと体を捻って神器の軌道から逃れようとするが、反対方向から回り込んできた神器で挟み撃ちにされて逃げ場を失う。半月を描くように真上から振り下ろされた神器はざくりと翼を根元から斬り落とし、また念力で別のダフニアンズへと向かっていった。
 翼のないミジンコはただのミジンコだ。筋肉はあれどかつての力は出せず、神器の操り手である藍を狙おうと突っ込んでくるも足は遅く。際どかった回避行動も今は悠々と避けられる。
「本体の攻撃がこの程度になれば、分体も恐れる必要はないですね」
 戦場を跳び回りながら操る神器に余裕が出てきた。最終段階、本体を討ち取るべく藍は念力で神器を振り回す。それらは全て複製体。本体は決して汚れることのないようにきちんと取り置いてある。
 弱体化した――本来の、とも言うべきダフニアンズの筋肉はスパスパと斬れていく。豆腐でももう少し抵抗がありそうな気がした。筋肉が倒れ、並び、積み上がっていく様は――見目良いものではないのだが。
「最後は……全部使っておきましょうか」
 111本総出動で、翼を刈られたダフニアンズを串刺しにする。ぽーんと頭が飛んでいきそうな、かのゲームを思わせる様に変わり果てたダフニアンズが転がると同時に、複製した神器は役目を終えて消滅した。
大成功 🔵🔵🔵


第2章 ボス戦 『正義の魔法少女・メイシー』

POW ●これが私の最強魔法☆
無敵の【光属性の無数の魔法の矢】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD ●やらしー目で見てんじゃねぇぞ☆
【魔法のステッキ】による素早い一撃を放つ。また、【衣装を脱ぐ】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ ●あんたも私のファンになっちゃえ☆
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【魔法少女のことが大好きなオタク】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は津上・未有です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●2番、メイシーちゃん出撃します☆
「えー! 全部やられちゃったのー!? ちょっとショックー……でも、所詮はミジンコだし、しょーがないっかぁ」
 戦場の異変を感じ、メイシーがやってきた頃には猟兵が全てのダフニアンズを倒してしまっていた。そこらの弱小オブリビオンを適当にひっ掴まえてスナーク化したものとは言え、一応はメイシーが手掛けたものである。落ち込みはするが、切り替えも早かった。
「あなた達がやったんでしょー? これ。もう、私もちょっと、プンプンだぞ☆ だーかーらー、このステッキの星屑にしてあげちゃう! 感謝するんだぞ☆」
夜鳥・藍
ミジンコだったんですね。
でも翼はあってもなくてもミジンコはミジンコだと思うのですが。
しかしながらこの方、きっと養殖ですね。天然の方はこういういい方しませんから。
きっとこのように装いこちらの神経を逆撫でさせ、冷静さを失わせるのを手段としているのではないでしょうか。
先程のミジンコさん達とは違った意味で近づきたくないタイプですね。

青月を掲げマヒ攻撃を乗せた雷公天絶陣を放ちます。
姿を変えられた方々がいればダメージより感電・マヒを優先させて動けないようにしてしまいましょう。
メイシーさんだけであれば雷を収束し、ダメージもバッドステータスも集中させます。
何となく衣服をみてると雷を通しやすそうな感じですし。


●怒ると負けよ、の睨み合い
「……なるほど、彼らはミジンコだったんですね」
 藍はメイシーの登場でようやく事実を知る。言われてみれば、なそのマスク。しかしミジンコは所詮ミジンコ。翼の有無は関係しないのでは、と疑問を投げかけたくなるところだったが、如何せんメイシーの立ち居振る舞いが胡散臭い。
(しかしながらこの方、きっと養殖ですね。天然の方はこういう言い方しませんから。こちらの神経を逆撫でして逆上させる――それがこの方のやり口なら、先程のミジンコさん達とは違った意味で近づきたくないタイプですね)
 藍は口を噤んだままメイシーを観察、分析する。戦いとは心理戦に依るところも大きい。藪蛇にならぬよう応対は控え、静かに青月を抜いた。
「あ、やる気なんだー。だったらー……ほらほら、起きて起きてー!」
 藍の応戦の構えを見たメイシーはきゅぴんとウインクしながら魔法のステッキを頭上に掲げ、円を描くように振り回した。星型の魔石から溢れ出すベール状の魔力が戦場を包み込むと、命尽きていたはずのダフニアンズがぴくぴく震えて動き始める。
 まさにゾンビのダフニアンズ。立ち上がると足を肩幅まで開いて、両腕をやたら機敏に右へ左へと振り回す謎の踊りを見せていた。
「皆、もう、りーっぱな私のファンになってるぞ☆ だーかーら、私が今、一番してほしいこと、わかるよね?」
 メイシーは高く突き上げたステッキをそのまま藍に向けて倒してきた。その動きがスイッチとなり、有象無象だったダフニアンズが一致団結したメイシーのファンへと変貌する。
「また、近づきたくないものが増えました……来ないで、と言っても来るのでしょう。えぇ、わかっていますから――ここは」
 案の定、操り人形状態のダフニアンズは諸手を振り回し、土煙を巻き上げながら突進してきた。威力よりも恐怖感が勝る映像相手に藍は青月を眼前、垂直に掲げる。青白い光を帯びた刃に走る雷。切っ先より天を衝くほどに激しさを増す様は雷公の猛りが如く。
 飛翔する雷光がダフニアンズ蠢く大地を打った。まるで大鎚で殴りつけたような爆裂音。一瞬のうちにダフニアンズの躍動は硬直し、棒切れが如くばたりばたりと倒れ伏す。
 土煙は次第に晴れて、そこはメイシーの独壇場。尤も、取り巻きは全て雷に打たれ、動かなくなってしまっただけなのだが。
「あーもう、つーかーえーなーいーっ!!」
 一度ならず二度までも。思い通りに動かない下僕にメイシーは地団駄を踏む。
「……勝負あり、のようですね」
 塗装が剥がれて暴かれる真の顔。藍はダフニアンズを封じた戦果以上の勝利を悟るのだった。
大成功 🔵🔵🔵

リーズ・リヴィエール(サポート)
 時計ウサギの力持ち×ゴッドハンド、18歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、敵には「女性的(私、あなた、呼び捨て、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
エッチな描写もNGです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


●物理的魔法特攻
 坊主憎けりゃ袈裟まで憎い。元より見た目が気に入っていたわけではないが、ミジンコマスクが癪に障る。メイシーはズカズカと猟兵達の元へ歩み寄りながら、倒れているミジンコをぐしゃりと踏んだ。
「やっぱり私がいかなくちゃ☆ 見せてあげる、私の最強魔法☆」
 忘れかけていた者もいよう。メイシーは正義を冠する魔法少女であった。今まさに自らその名を踏み躙った気もするが、膨大な魔力に偽りはない。
「最強魔法……面白そうですね、受けて立ちましょう」
 リーズ・リヴィエール(時計ウサギの力持ち・f24468)は魔法と対の存在として扱われることが多い物理攻撃を得意とする。物理と魔法、どちらに軍配が上がるかはその時々。
 今まさに、一つの雌雄が決しようとしていた。
「飛んじゃえ☆ インフィニット・ライトアロー!」
 ぽぽぽぽ、とメイシーの周囲に生まれた無数の光が一瞬で伸びて矢に変わり、流星雨の如く空を流れてリーズの頭上へ降り注いできた。目が眩みそうな光量だが、目を伏せて躱しきれるほどリーズは魔法に長けていない。相手をよく見て身を跳ねる。それが物理の伝統的な回避手段だった。
 時計ウサギの種族に恥じぬ身のこなし。光の矢に射抜かれて一面ミミズの出口のように細かく穴だらけになる中を、チカチカ痛む双眸は決して閉じることなく跳ね回る。光とは速き存在の最上級であるが、それを超える存在を証明したのは紛れもなくリーズの物理。
 左右失わずメイシーとの位置関係を常に一定に保つ。根気を比べる作業だが、短気は損気。メイシーが音を上げるのが早かった。
「なんで当たらないわけー!?」
 光の矢が外れるわけがない――自信は同時に慢心だった。そこへほんの一匙の疑念を混ぜればあら不思議。光は音にも追い抜かれる。
 リーズは流動する光の矢を把握して、崩れかけの地面をタタタタッと軽やかに踏み越える。メイシーがさらに光を装填しようともう遅い。スライディングからメイシーの左足首を掴み取ると、穴ぼこの地を蹴り跳び上がってメイシーの天地を入れ替えた。
「ひゃぅ――」
「魔法とは、軽いものですね」
 ぶん、とメイシーの体を高く振り上げたリーズは重力に合わせてそのまま地面へと叩きつけた。メイシー自身の光の矢でスカスカになった大地はリーズの破壊力を受け止めきれずに大きく陥没し、その反作用は当然メイシーへと襲い掛かった。
「ぁが――っ」
 弾力のある体はリーズの手を離れて大きく弾み、削られた皮膚、圧迫された肉が赤黒く滲む。視界に褐色の隕石が乱れ飛び、ギザついた地面へ叩きつけられメイシーはしばしの遊泳を終える。
 まさに、物理が魔法を超えた瞬間であった。
成功 🔵🔵🔴

黒木・摩那
自分で正義の魔法少女とか言っちゃってますね……
正義を自分で言うのは後ろめたいからって、言いますよ、

相手が正義を全面に押し立ててくるならば、こちらはそれを利用させてもらいましょう。
引き続きヨーヨー『エクリプス』で戦います。
メイシーには近寄ってこないように、ヨーヨーで牽制。
周辺の壁や床にヨーヨーを叩きつけて、部材をばらまきます。

いい感じに集まってきたところでUC【墨花破蕾】で部材を黒蟻に変換。蟻たちをメイシーに向けて襲わせます。

まんまと罠にハマってくれたようね(高笑い)。


●魔法少女は掌上の道化
「自分で正義の魔法少女とか言っちゃってますね……正義を自分で言うのは後ろめたいから、って言いますよ」
 聞かれもしていないことを先回りして言う墓穴。メイシーはその典型、と摩那はバッサリ斬り捨てた。
「うっさい、ぞ……っ」
 仮面はとうの昔に砕かれていると言うのに。メイシーは未練がましく顔に貼り付けようとしている。だがかつて振りまいていた金色は翳るばかりで。
「まあ、正義正義と押し立ててくるならば、こちらはそれを利用させてもらうだけなんですけど」
 メイシーが振り回した正義の力は今、メイシー自身の足元を掬っている。ダメージと足場の悪さで姿勢を保てていないメイシーに、摩那は容赦なく牙を向ける。
 相棒とも言うべきヨーヨーをこの場に於いても投げ回す。ワイヤーとの擦過音がけたたましく響く中、地面へと叩きつけられたヨーヨーは回転力に任せて地を這い、半熟な地面を容易に砕き飛ばしていった。
 されるがままに浮き上がった破片群へ摩那は力を行使する。
『地に潜みし精霊よ。物に宿りて我に従え。姿さずけよ』
 角張った欠片が潰れて黒ずみ丸みを帯びる。そうして作られた黒い一山は狂暴と邪悪を併せ持つ蟻の群れだ。一旦凹んで平坦な陣を作った後、ふらつくメイシーへと殺到する。
「ぃい――守るんだ、ぞ……守れ……守れよぉ!!」
 魔力を電波の如く飛ばしても、肝心のアンテナがショートしているダフニアンズの骸はぴくりとも動かない。肉壁にもならないなんて無能にも程がある――しかしこれはメイシーが自ら招いた禍だ。
 足元から這い上がられて走る悪寒をすぐさま激痛が吹き飛ばす。強靭な顎から繰り出されたかみつきが皮膚の一片も逃さぬと食い込んで、流し込まれる蟻酸が体組織を焼いていた。
「ひぎいぃぃぃっっ!!?」
 蟻達はメイシーの体を登りながら露出の広いほうへぶわっと広がりを見せ、メイシーはこの世の地獄を泣き叫び喚き倒したくなるほどに味わう。
「まんまと罠にハマってくれたようね。ぉおーっほっほっ」
 あらゆる状況を加味して仕掛けられた摩那の攻撃は、読んで字の如く「蟻地獄」。もがけばもがくほどハマっていく様を女王様気分で眺めて、仰々しい高笑いを上げるのだった。
大成功 🔵🔵🔵

カシム・ディーン
おいメルシー
僕は面倒だから
お前に全てを任せる
「わーい☆魔法少女対決してみたかったよ☆」
UC発動
全魔力・全精力
生命力八割
熱源六割を代償にメルクリウス(以後メルシー)に任せ
気絶は絶対にせず見守

存分にやれ
「ラジャったよご主人サマ☆悪の魔法少女メルシーがヤっちゃうぞ♥」
以後メルシー
主は神々に護衛を任せ

【情報収集・視力・戦闘知識】
「ご主人サマの力を借りるよ☆」
戦い方の癖と動きを分析し見据え

【属性攻撃・念動力・弾幕】
杖型砲撃兵装より念動光弾と火炎弾の弾幕展開
「メルシーのステッキで焼いちゃうぞ☆」

UC神速戦闘機構発動
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
超高速での鎌剣での蹂躙
メイちゃんのステッキも盗んじゃうぞ☆


●正義の敗北
「おいメルシー」
 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)からぶっきらぼうな声が掛かり、傍らの銀髪少女は首をこてんと傾ける。
 界導神機『メルクリウス』――それが少女の本来の名だが、大仰な名より愛称のほうが今の彼女にはよく似合っている。
「僕は面倒だから。お前に全てを任せる」
「わーい☆ 魔法少女対決してみたかったよ☆ ご主人サマ、魔力をまわしてね♪」
「ああ……万物の根源よ……我が力……我が気熱……我が魔力を以て我が神機に原初の力を示せ……!」
 低く諳んじたまじないがカシムとメルシーの橋渡しとなる。魔力・生命力・精力・熱源という4つの代償を、それぞれ10割、8割、10割、6割の配分で混合し、メルシーの燃料としてくべた。
 今のカシムは最低限生きるためだけの骨格を残した抜け殻のようなものだ。感情もほとんど無に近いが、メルシーの活躍を網膜に焼き付けておく意志だけは離さない。
「存分に……やれ」
「ラジャったよご主人サマ☆ 悪の魔法少女メルシーがヤっちゃうぞ♥」
 相手が正義を名乗るなら、反対に悪を名乗っておくのが魔法少女のお約束。奇遇にもメルシーという愛称は、正義の魔法少女・メイシーと1字違いだ。
「は、あ……? ふざ……っけんじゃねぇぞっ!」
 プライドだけ高くて正義を名乗り、虚仮にされれば怒り出す。メイシーの正義は水鳥の羽より軽そうだが、知ったこっちゃないとメイシーは体に残る魔力をかき集めて光を作った。
 一度破られたような気がしたが、それは夢、悪い夢、と自己中心的に解釈してメイシーは力を取り戻す。細長く伸びた筒状の光はやがて矢となり、散弾の如く放たれた。
「ご主人サマの力を借りるよ☆」
 投げつけられたように見えて、どこか愛のある力の欠片。猟兵たるカシムの視力、情報収集力、戦闘知識が備わったメルシーは光を見極めんとする。
 魔法の矢に敵は無し。しかし使い手がズタボロの雑巾で、照準が細かく狂っているのがメルシーには見て取れた。RBS万能魔術砲撃兵装『カドゥケウス』を手にメルシーは光の矢の雨をするりするりと抜けていく。
 癖無し、動き無し、と言うよりそもそもメイシーは動くだけの力を残していない。ただただ物量のみで押し切ろうとしている魔法少女の端くれだ。韋駄天の素早さから繰り出されるはずだったステッキの一撃はおそらくもう日の目を見ない。
 メルシーは光矢弾幕のパターンを読み、前進速度を上げていく。学んでしまえば片手間でも避けられそうで、メルシーはカドゥケウスを空に掲げる。
「メルシーのステッキで焼いちゃうぞ☆」
 充填した魔力を反撃に、お株を奪う弾幕攻撃。悪を名乗ってメイシーの神経を毛羽立たせ、光弾を放って粗の際立った感情を思い切り殴りつけた。火炎弾をおまけにつけて、弾幕の共演を生み出して。
 メイシーの光の矢が光弾と火炎弾の二重奏に焼かれ撃ち落とされていく。ちらりと脳裏に不信が過ったが最後、メイシーが勝るものはなくなった。
「ど、う、して……よぉ……!」
「さぁ? しーらないっ☆」
 メイシーの精神構造などメルシーが知るはずもない。そして光の矢が排除されて整った舞台上、メルシーはBX鎌剣『ハルペー』にドレスアップ。ぎゅんと時が置き去りにされるほどに加速して、メイシーへありったけの斬撃を見舞った。
「ぁぐ――ぎ――きぃ――!!」
 斬撃を浴びる度に錆びた扉のような呻きを上げるメイシー。幾多の攻撃でズタボロまで落とされた体はいよいよ粉微塵まで墜落していく。ツインテールが散り、リボンが散り、それでも何の意地か手放そうとしないステッキにハルペーが伸びた。
「メイちゃんのステッキも盗んじゃうぞ☆」
 離さないので腕も胴体も丸ごと切断。宙に浮いて所有権の無くなったステッキをメルシーはジャンプしてキャッチする。
 くっついていた腕はすぐに光の屑になった。下を見れば、地面に落ちていく恨めしげな顔と目が合った。
「ぎぃ……あ……ぁ……」
 言葉が出ない分を目で訴えるが、メルシーは知らんぷり。そしてメイシーは消滅した腕の後を追って、やはり光の屑と散っていくのだった。
大成功 🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2021年08月04日
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