猟書家~デュエリストブレイドのルール覚えたってよ
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「ハーッハッハッハ!」
猟書家幹部『忌火起・レッカ』の高笑いが響く。
ここはキマイラフューチャー、デュエルスペース。自慢のデッキを片手に、カードゲーマーたちが鎬を削りあう熱い空間。
本日はこのデュエルスペースで『デュエリストブレイド』の大規模な大会が開催されている。
「ミャー!? 毎ターンカードを引いても優先権を得る前にカードを捨てさせられた上にカードを捨てた時の能力もカードを墓地に置いた時の能力も打ち消されてデッキから直接手札に入るカードもカードを持っていないときの特殊ルールも使わせてもらえないなんてー!?」
完全に動きを封じられたキマイラのゴッドペインターが、レッカに敗れる。
「よし、こいつを連れていけ」
デュエルの敗者を、大会スタッフの怪人たちが取り囲む。
「や、やだにゃ!? デュエリストブレイドルール図書館で朝から晩までルールを叩き込まれつつカードイラストを描き続けるなんてゼッタイやだにゃ!?」
「フッ、ここではデュエルの勝者こそが絶対。貴様に拒否権などない!」
「ミャー!?」
ゴッドペインターは怪人たちに引きずられ、トレンディで煌びやかな胡散臭い建物『デュエリストブレイドルール図書館』に連れ込まれてしまう。
「よくしゃべる対戦相手だった……」
レッカは対戦の終わったデッキを纏め、よくシャッフルする。そして――。
「さて、状況はわかったな? 次の相手は誰だ! たとえ誰も名乗りを上げなくてもデュエリストブレイド大会進行特別ルールによって俺から一番近い奴が次の対戦相手になるんだがな!」
レッカはカード突きつけ、新たなゴッドペインターをデュエルスペースに引きずり込む。
闇のデュエルは、まだ始まったばかり――。
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「キマイラフューチャーでの『デュエリストブレイド』の普及はあんまり進んでないらしいです」
グリモアベースでカードを広げつつ、フェアリーのグリモア傭兵ネミ・ミミーニーズ(f00595)がうんうん唸っていた。
『デュエリストブレイド』とは。
カクリヨファンタズムの新し親分の発明した、めちゃくちゃ複雑だけど超絶面白いTCG(トレーディングカードゲーム)です。
それがなぜか猟書家『忌火起・レッカ』が持ち出して、キマイラフューチャーで流行らせようとしているらしい。
敵がいるのはキマイラフューチャーのとある広場。その隣に、めちゃくちゃ複雑で膨大なデュエリストブレイドのルールが全て収められているという『デュエリストブレイドルール図書館』を建立し。カードゲームに負けたゴッドペインターを誘拐しているのだ。
「攫ったゴッドペインターに闇のカードを描かせて、最終的になんかこー猟書家の世界になるらしいわ」
カードゲームとはいえ猟書家の計画。理論は不明だが世界の危機には違いない。
今回の敵。猟書家幹部『忌火起・レッカ』、及び配下の怪人たちが扱うのは、カードゲーム的に言うとコントロールデッキと呼ばれるもの。どっしりと構えて相手の動きに対応し、ゲームの流れを支配して勝利を目指すスローテンポなデッキだ。
「えーと、相手はルールの複雑なデュエリストブレイドでの長期戦の構えなので……、ルール方面でもごちゃごちゃ言ってくるつもりみたいね。相手はわかってるつもりで自分に有利そうなこと言ってくるけど、ルールは膨大なのでタブンきっと抜け道はあるわ!」
無策で戦うと厄介だが、相手がコントロールデッキだとわかっていれば事前に対策を積んだデッキを用意すればいい。ルール方面に関しても、レッカが知っている以上にデュエリストブレイドのルールは複雑怪奇なので堂々と構えていればルールの方から猟兵に味方してくれることだろう。
「デッキがない人には貸出用のデッキもあるわよ!」
デッキをお任せというとなんだかすごいデッキを貸してもらえるらしい。
それと、現地にいるゴッドペインターの協力を得てカードを強化してもらうことも出来る。
「だいたいそんなところね! それじゃーよろしく頼むわよ!」
ネミは貸し出し用のデッキを振り回しつつ、猟兵たちを送り出した。
背腹かえる
プレイングボーナス(全章共通)……ゴッドペインターに応援される(猟兵のカードにすごい絵を描いて貰えれば、何故か強化されます。理屈は謎ですが、そういうものらしいです)。
●ご挨拶
背腹かえるです、よろしくお願いします。
これは幹部シナリオです。このシナリオは2フラグメントで完結し、「猟書家の侵略」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
キマイラフューチャー猟書家戦。フラグメントは集団戦、ボス戦。
今回の敵は、新し親分の発明した、めちゃくちゃ複雑だけど超絶面白いTCG「デュエリストブレイド」で武装しています(TCG=トレーディングカードゲームの略)。
挑戦者にも全員「自分の思い通りのデッキ(64枚ぐらいのカードの束)」が与えられるので、TCG勝負で戦いましょう。ルールはめちゃくちゃ複雑なので、逆に「思いつくようなルールは全部存在する」ものと思ってください。ユーベルコードによるイカサマもOKです。
第1章、集団戦『包容力三人衆』。
集団戦ですが基本は1対1のデュエルになります。
包容力、こと対応力のあるカードを後出ししてなんとかしようとします。
第2章、ボス戦『忌火起・レッカ』。
なぜかデュエリストブレイド普及に勤しむ猟書家幹部です。
ルールブック片手に長期戦の構えを見せています。
1章、2章共にゴッドペインターに協力を要請することができます。
キマイラのゴッドペインターがなんかいっぱいいます。
第1章 集団戦
『包容力三人衆』
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POW : バケツ怪人・ウェポン
【バケツ兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 釜怪人・ジェノサイド
【釜攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : 金魚鉢怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【金魚鉢】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
無理やりデュエルに巻き込まれてしまったキマイラのゴッドペインターの少年。何とか頑張ってカードゲーム怪人の相手を務めている。
「ようやく条件が揃ったにゃ! このモンスターで一気に攻め――」
いろいろ大変なこともあったけど、相棒さえ場に出ればあとは1回攻撃が通るだけで勝利に――、なるはずであった。
「待て! モンスターを場に出すことを許可した覚えはない!」
少年の相棒召喚に割り込み。金魚鉢怪人がカードを掲げ、頭部の金魚鉢から飛び出した金魚たちが、キマイラの使おうとしたモンスターカードを奪い取る。
「お前が場に出そうとしたモンスターは全て我が金魚ちゃんの餌になるのだ!」
持ち主の手を離れたモンスターカードに、多数の金魚が集い。彼の相棒はモンスターになることがないまま、金魚たちのお腹に収まってしまう。
「みゃ、みゃーの最強モンスターがー!?」
「どれほど強力なモンスターでも場に出なければ意味はない! さあ、次はなんだ? 手札が尽きたならそのまま投了するか!?」
「と、投了は……! 強制労働はいやにゃ!?」
敗北後の恐ろしい生活を想像して、手が震える。だが、震える少年の手にはこの状況を打開できるだけの攻め手はない。
猟兵たち、早く来てくれ……!
ロア・メギドレクス
ゆくぞ。ゲットオン!デュエル・ザ・ブレイド!
スターティングアバターオープン!幼王竜ベビーレックス!
なに?アバターを知らぬのか?
アバターはプレイヤーの分身として場に立つ特殊なカードであり、アバターを対象にした効果以外は受けぬのだ。「モンスターを破壊する」効果では破壊できぬぞ。「アバターを破壊する」と書いてないからな
さあ、詰めだ。余はアバターを古代暴君ネロスレックスへとグロウアップする!
攻撃時能力!相手の場のパワー5000以下のモンスターを全て破壊する!
更に常在能力を発揮だ。余のターン中、相手はカードの能力を発動する際、自身のモンスターを1体破壊しなければ発動できない
頭を垂れよ。抵抗はゆるさぬ
「ゆくぞ。ゲットオン! デュエル・ザ・ブレイド!」
怪人たちによる理不尽なデュエルが続く空間に、ロア・メギドレクス(獄竜暴君・f00398)が乗り込む。
突然の挑戦者、その宣言により。デュエルフィールドが起動する。現在のプレイヤーであるバケツ怪人と、乗り込んできたロアを中心に、決闘の舞台が浮かび上がる。
ここに、怪人と猟兵のデュエルが開幕する!
「ふ、既にデッキのセットも終えているか。ようやく骨のある奴が来たようだな」
バケツ怪人がデッキをセットし、悠長に最初の手札を準備している間に――。
「本来なら挨拶から始めたいところだがな。既に観客を待たせておるのでな」
ロアはデッキとは別に用意していた、とあるカードを手に取る。
「スターティングアバターオープン! 幼王竜ベビーレックス!」
デュエル開始と共に――、否。デュエル開始に先立ち、ロアは1枚のカードをオープン!
「何を勝手にモンスターを出している! そんなことは――」
バケツ怪人は相手のカードを妨害しようと、魔法カードを使おうとする。だが、『モンスターカード』を妨害するためのカードたちは、『幼王竜ベビーレックス』に効果を発揮することはなかった。
「なに? アバターを知らぬのか?」
慌てふためくバケツ怪人に対し、ロアは王の余裕をもって現状を説明してやる。ユーベルコード【王は此処に在りて】はもう始まっている!
『アバターカード』とは。
アバターはプレイヤーの分身として場に立つ特殊なカードタイプ。ゲーム開始時に場に出た状態でデュエルを開始します。
アバターを対象にした効果以外は受けつけないなど、いくつもの特殊なルールによってサポートされています。
アバターカード『幼王竜ベビーレックス』。現れた幼竜王はロアの隣へと舞い降り、プレイヤーと共に並び立つ。
「さあ、汝のターンだ。アバターに対処するカードを用意するがいい」
「何を偉そうに! こっちにだってアバターに対処するカードくらい……!」
バケツ怪人は手持ちのカードを見る。今の手札に、アバターを直接攻撃するカードはない。何とか時間を稼いで対策カードを引かなくては。
「まずは魔法カード使用! 戦場にバケツを並べてターン終了だ!」
「……」
腕を組んだまま、ロアは並べられたバケツを軽く視線を送る。
「わざわざ1ターンくれてやったというのに、それだけとはな……」
「それだけ、だと? いくらアバターとはいえ攻撃は1回。この数のバケツをそう簡単には!」
守りは万全のはず。それなのに、このプレッシャーはなんだ……?
「さあ、詰めだ。余はアバターを古代暴君ネロスレックスへとグロウアップする!」
『幼王竜ベビーレックス』が光に包まれる。唖然とするバケツ怪人の前に、恐るべき進化アバター『古代暴君ネロスレックス』が顕現する!
「このまま攻撃に移らせてもらおう。ネロスレックス攻撃時能力! 相手の場のパワー5000以下のモンスターを全て破壊する!」
「ばかな!?」
攻撃前の暴君の1歩。その1歩で地面が割れ、戦場を覆いつくしていたバケツたちが全て地の底へと消えてゆく。だが、バケツ怪人は諦めない。
「まだ終わりではない! この魔法カードでダメージを無効化する!」
バケツ怪人が速攻魔法を発動しようとする。そんな怪人に対し、ロアは『古代暴君ネロスレックス』の常在能力を悠々と読み上げる。
「余のターン中、相手はカードの能力を発動する際、自身のモンスターを1体破壊しなければ発動できない」
「なん……だと?」
アバターの能力による追加コストの課税。並べたモンスターことバケツの群れは、先ほど消えてしまった。では――。
「今の俺にできることは……!」
ネロスレックスがゆっくりと口を開く。暴君の怒りを鎮める手段など、あるはずもない!
「頭を垂れよ。抵抗はゆるさぬ」
「うおおおおーー!?」
怪人がバケツの頭を垂れ、王の眼下に小さな水溜まりが広がったのだった。
大成功
🔵🔵🔵
惑草・挧々槞
新し親分さんとお話する機会がこの前あってね。
なのでデュエリストブレイドのルール完全に理解した。(※気のせい)
私のデッキは光単。
UCを具現化した『ダメージを受けた際、それをダメージ一発あたりカウンターを一個置く処理に置換する(但し、カウンターが九個置かれると敗北する)』カードと、『これが場に存在する限り、全プレイヤーはカウンターを置けなくなる』カード等を用いるロックデッキよ。
互いに長期戦覚悟の様相だけれど、親分さんに「そんなもん使っとると友情の概念こわれるで?」とお墨付き(?)を貰ったこの構築なら競り勝てる筈。
呪文を無効化する系のカードを神絵師さんに描いて貰えば更に強化出来そうね。
※アドリブ歓迎
自慢の光単デッキを握り、惑草・挧々槞(浮萍・f30734)が独特の表情でデュエルスペースにやってきた。
「新し親分さんとお話する機会がこの前あってね。なのでデュエリストブレイドのルール完全に理解した」
そう。挧々槞はルールを完全に理解していた。
なんかあったらワイちゃんがビビッと電波送るから。と、新し親分に言われたことだけは、はっきりと覚えている。前後にもっと長い話があった気がするけど。
「まずはこちらから……。この魔法カードを置かせてもらうわね」
挧々槞は、自らのユーベルコード【好奇心は猫を殺すが猫は九つの命を持つ】の力を宿した永続魔法カードを場に出す。カードから追加の命、即ち様々な姿をした8匹の猫が飛び出し、挧々槞に寄り添う。
『ダメージを受けた際、それをダメージ1発あたりカウンターを1個置く処理に置換する(但し、カウンターが9個置かれると敗北する)』
挧々槞と呼び出された猫たちは一蓮托生だが、彼らがいる限り挧々槞だけがデュエルに敗北することはないのだ。
「ほう、ダメージを9回まで肩代わりするカードか。いいだろう」
打ち消すことも出来たが、こちらに被害を与えるカードではないためバケツ怪人は猫のカードの設置を許してしまう。
どんなに大きなダメージでも、1回なら1個のカウンターとして延命するカード。最終的にはこちらの時間稼ぎ用のバケツの群れで一斉攻撃すれば――。
「通った? ならもう1つ魔法カードを置くわね」
「ああ、いいぞ。その間にこちらはバケツの……、もう1つ?」
バケツ怪人は、挧々槞が追加で置いたカードを確認する。
『これが場に存在する限り、全プレイヤーはカウンターを置けなくなる』
「んん……?」
バケツ怪人は、通してしまったカードの効果を改めて確認する。
『ダメージを受けた際、それをダメージ1発あたりカウンターを1個置く処理に置換する(但し、カウンターが9個置かれると敗北する)』
『これが場に存在する限り、全プレイヤーはカウンターを置けなくなる』
この2つを合わせると――。ダメージがカウンターに置き換えられるが、猫のカードの上にカウンターが置けない。ダメージだけが永遠に無効化され続ける。
「待て! そんなもの出してはならん!」
「出してはならんって、もう宣言通ったし?」
「……そうだった」
通してしまったものは、仕方ない。バケツ怪人は奇跡に賭けて、殴ってみる。
猫は猫だけど2足歩行で屈強なライオン人間が、挧々槞のダメージを肩代わりする。彼は一撃を受け止めて消える――、はずだった。不思議な力で現世に引き留められ、続くダメージも次々と肩代わりさせられる。
「おいやめろ! 可哀そうだろ!」
「ダメージはちゃんと無効化されてるから大丈夫でしょ」
「そういう問題じゃない! 見守ってるキマイラさんが不安になる絵面だろう!」
「……、ちょっと1ターン黙ってて」
挧々槞は魔法カードを使い、1ターンの間バケツ怪人の発言とカードの使用を禁止する。
「さて、そのバケツも禁止ね」
挧々槞は更に追加のカードをセットし、バケツ怪人の勝ち手段を制限する。
着々とロックを進める挧々槞に、不思議な声が聞こえる。
「挧々槞ちゃん。デュエルに勝つのも大事やけど、動画映えも大事やで?」
「親分……」
今のデュエルは、ロックして膠着したまま。これが友達とのデュエルなら、リアルファイト特別ルールの導入を宣言されるところだろう。
「しかとムネに響いたぜ……。神絵師さん、呪文を無効化する系のカードをお願い。派手で動画映えする感じで」
突然のカード制作依頼。ゴッドペインターは手早く派手なカードを描いて、挧々槞に渡す。
「この派手なロックカードで決める! 対象は、敵プレイヤーよ!」
特製の魔法カードから、圧倒的な光が溢れ出す。
「プレイヤー本人をロックだと! やめろぉーー!?」
あらゆる行動を封じられたバケツ怪人は、投了すら許されない永遠の領域に飲み込まれ。
デュエルの表舞台から消え去った。
大成功
🔵🔵🔵
巨海・蔵人
◼️準備
テレビウムドローンに都合の悪い特殊ルールブックを図書館に配備してもらって、
中の人達にも配信開始、見てもらうよ
◼️皆で楽しく正しいTCG講座
はい、愉快なバイオモンスター蔵人君だよ。
今日は今話題のデュエブ、
その非公式大会にお邪魔しまーす。
特別協賛はバズリトレンディさん、
是非ともデュエブの楽しみ方やルールをこれでも勉強してね
◼️勝負
今回の教材は、特殊ルール集友達と喧嘩になりそうな時編。
あ、話してる間に負けちゃったね。
じゃぁ、はい飴ちゃん。
無茶言う子には飴ちゃんで手打ち、遊びは楽しく。
じゃぁ、今回用に特殊ルールを強制発動するカード行くね。
夕方お母さんが呼びに来たらごっこも終わりでちゃんと帰る事
デュエルスペースにて熱い戦いが行われている中。
「はい、愉快なバイオモンスター蔵人君だよ」
巨海・蔵人(おおきなおおきなうたうたい・f25425)は、デュエルスペースの片隅で配信の準備を進めていた。
隣接するデュエリストブレイドルール図書館から、今回の配信に使うルールブックをいくつか拝借し、カメラを回す。
「はい、今日はこれから僕の生配信。皆の『イイね』が力になる愉快なバイオモンスター、蔵人君。イイねと応援、よろしくおねがいしまーす」
「今日は今話題のデュエブ、その非公式大会にお邪魔しまーす」
蔵人の背後、デュエルスペースでは今なお猟兵と怪人のデュエルが続いている。
そんな光景を画面に映したあと、カメラは蔵人の方へと向き直り。
「特別協賛はバズリトレンディさん、是非ともデュエブの楽しみ方やルールをこれでも勉強してね」
ポップでトレンディな新し親分のマスコットと共に、蔵人のデュエリストブレイドルール講座が始まる――、というところで。
「む、貴様何をしている!」
マイペースに配信していた蔵人が、金魚鉢怪人に見つかり、デュエルスペースへと強制的に引き込まれてしまう!
「おおっと、怪人に見つかってしまったよ。折角だから、実戦を交えながらルールの解説をしていこうね」
「さて、まずは対戦を始める前に挨拶だよ。対戦よろしくお願いします」
「今から死にゆく貴様にも手向けは必要だな! 金魚ちゃんの泡に抱かれて息絶えるがいい!」
「デュエブではかっこいい挨拶をした方が先行になれるよ。みんなもとっておきの決め台詞を用意しておこうね」
2人の挨拶が終わったところで、ジャッジから蔵人の先行が言い渡される。
「お……俺の金魚ちゃんがこんな配信に負けるというのか……!」
先行を取られただけで、ひどくショックを受ける金魚鉢怪人。そんなことは気にせず、蔵人は自分のペースで配信を進める。
「今回の教材は――」
「だが貴様は『ターン開始の宣言』を怠った! 俺のターン!」
「特殊ルール集――」
「貴様の場に『死の飢えの金魚ちゃん』を召喚する! こいつがいる限り貴様の使うカードは全て金魚ちゃんの餌になる!」
「友達と喧嘩に――」
「さらに追加の金魚ちゃんを召喚する! 貴様がカードを使わない限りこの金魚ちゃんが敵プレイヤーをもぐもぐしてゲームエンドだ!」
「なりそうな時編」
もぐもぐ。
蔵人が配信のコーナー名を読み上げ終わった時には、金魚ちゃんに頭を齧られてデュエルに敗北していた。
「あ、話してる間に負けちゃったね。じゃぁ、はい飴ちゃん」
負けたにもかかわらず、マイペースに飴ちゃんを取り出す蔵人。飢えた金魚ちゃんが、飴ちゃんを受け取って大人しくなる。
「ふんっ! 今更金魚ちゃんを手懐けたところで貴様の負けは変わらん!」
「じゃぁ、今回用に特殊ルールを強制発動するカード行くね」
負けを宣告されたはず蔵人が、カードの使用を宣言する。
「まさか貴様……! 『敗北』を『受諾』しなければ終わらないことを知っているな!」
デュエルスペースは、まだ解除されていない。そう、まだデュエルは終わっていないのだ。それもそのはず。ゲーム敗北後にも使えるカードがあるのがデュエリストブレイド。最後の確認を行うまで、決して終わりではないのだ!
「夕方お母さんが呼びに来たらごっこも終わりでちゃんと帰る事」
蔵人は、カードとしては聞きなれない言葉を宣言する。
「何……? 何が起こるのだ……?」
未知のカードに、後ずさる金魚鉢怪人。その心に、誰かの呼ぶ声が響く。
不味い。その声を、聴いてはならぬ!
その声を聴いたら……、帰らなくてはならなくなる!
帰っては……。デュエルスペースを離れれば強制的に負けになってしまう!
勝っていたはずの金魚鉢怪人が、その勝利が確定する前にデュエルスペースを離れてしまう。
「母者……! 夕飯までには帰ります……!」
哀愁の漂う背中に金魚ちゃんを連れ、夕日の中に消えてゆく――。
対戦相手消失! 勝者、巨海・蔵人!
勝った! 動画企画成就!
【プロジェクト・うぃっしゅ】、完!
大成功
🔵🔵🔵
ティエル・ティエリエル
うりゃりゃりゃりゃー!キマイラさん達をいじめるなんて許さないぞー☆
はっ、急いできたからデッキを持ってくるの忘れちゃったや!
急いで用意しなきゃと思ったら、どこからともなくお任せデッキがぽいっと渡される。
デッキの内容を確認して……ふむふむ、なるほど!
つまり、がーんとやってどーんってやればいいんだね♪
でも、切り札にゴッドペインターさんに【ライオンライド】をカード化してもらうね♪
ふふーん、これがあれば完璧だ!ぷりんせすおぶでゅえりすとの力を見せつけちゃうぞ☆
※アドリブや他の方との連携も大歓迎です
「うりゃりゃりゃりゃー!」
ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)が、小さなライオンに跨ってデュエリストブレイド大会に乗り込んできた!
「キマイラさん達をいじめるなんて許さないぞー☆」
突然のライオンの突撃。対戦準備中の怪人たちが吹き飛ばされ、広場は一時騒然となる。
「くっ! 侵入者だ!」
「デュエルスペース起動!」
先制攻撃で浮足立った怪人たち。だが即座にデュエルスペースを展開することで、ティエルをカードゲームのルールで拘束する。
「やや? ややや……?」
大暴れしていたティエルの動きが、ピタッと静かになる。
「やってくれたな……! 何でもありのデュエリストブレイド、デュエルが始まる前の不意打ちももちろん認められている! だが――」
「デュエルスペースが展開された! ここからは本当のデュエリストブレイドだ!」
カードを持たぬ侵入者が止まったのを確認すると。釜怪人が所定の位置に移動し、デッキを用意する。
それに対しティエルは――。
「はっ、急いできたからデッキを持ってくるの忘れちゃったや!」
……、デッキがなかった。ここはデュエルフィールド。どれほどの鋭さを誇るレイピアも、勇猛果敢なライオンも、カードでなければ意味を為さない。
「デッキを持たずにデュエルスペースに迷い込んだ凡骨め。だがデュエリストブレイドは0枚デッキの登録も認められている! そのまま何もせずカードの海に溺れるがいい!」
「ちょっと待ってて! デッキデッキ……」
慌ててデッキを用意しようとしたところ。コツンッ、といい音を立てて何かにおでこをぶつけてしまう。
「いたたた……。ハッ! これはデュエリストブレイドのデッキ!」
どこからとなく、ティエルのおでこにぶつけってきたデッキを、急いで拾い上げる。
デッキの中身は……。ふむふむ、なるほど!
「つまり、がーんとやってどーんってやればいいんだね♪」
何も考えずに相手がゴメンナサイというまで雑にカードを叩きつけ続ければいいんです。強いカードは強いため!
「デュエルスペースを緊急展開したせいで時空を超えて貸し出しデッキが紛れ込んでしまったか。運のいい奴め」
いろいろありましたが、デュエルスタートです!
「ようし! まずはこのお猿さんでパンチだー☆」
ティエルは、最初に出せるモンスターでささっと攻撃を仕掛ける。
「いきなり攻撃か! だがそんな攻撃はこの魔法カードで――」
「えーと……。『打ち消します』だよ♪」
釜怪人のプレイしようとしたカードが無効化され。お猿さんはそのまま、釜怪人の頭を引っ叩く。そして、釜の中にあった炊き込みご飯をせっせと盗んで、もぐもぐ。
もぐもぐ……。
「ご飯を食べて元気いっぱいだよ♪ このままライオンくんを召喚だー☆」
勢いに乗ったティエルは、次から次へとカードをプレイしてゆく。
「何を勝手なことを! そんなことは――」
釜怪人が再び、ティエルの妨害をしようとカードを使おうとした瞬間。お猿さんがそのカードを掠め取ってしまう。
「これが妨害カードなんだね! じゃあこのカードで動きを封じてる間に装備品を出して、と」
ティエルは装備のカードを使い、その手に『風鳴りのレイピア』を構える。
「更にさっきのライオンくんに乗って、と」
カードとして【ライオンライド】を使用し、再びライオンくんに跨る。そう、デュエル開始前のティエル完成だ!
「ふふーん、これがあれば完璧だ! ぷりんせすおぶでゅえりすとの力を見せつけちゃうぞ☆」
ライオンくんに搭乗したティエルが、レイピアを構えて突撃。その姿を見た釜怪人が、固まる。
「な……ッ!」
その光景自体は、最初と一緒。しかしデュエルスペースでカードの加護を得たティエルは――。
本物か……?
本物の、プリンセスオブデュエリストだというのか?
先ほどはカードがなかったが故に、わからなかった。
だが……、今のあの姿は!
左手にデッキ、右手にブレイド。
神の戦車を駆る、あの姿は……!
真の『プリンセスオブデュエリスト』を止められる者は、いない!
大成功
🔵🔵🔵
アリス・フォーサイス
へえ、デュエリストブレイドのルール、詳しいんだね。じゃあ、ルール全ありでやっても大丈夫だね。
宇宙フィールドに宇宙ダコを召喚。宇宙フィールドは宇宙耐性のあるカードしか使えないよ。さらに天変地異で地上フィールドを破壊。10ターン。地上フィールドは使えないよ。
じゃあ、そのトラップカードにメンコチャレンジするよ。ひっくり返れば無効ね(イノセントスマイルでひっくり返ってもらうことは容易)。あ、ちなみにぼくのカードは魔法で床にはりつけてるから無理だと言っておくよ。
よし、そろった。エイリアンの繁殖。エイリアン属性のユニットを毎ターン倍に。さらにエイリアンの逆襲でエイリアンのパワーも倍だよ。
「へえ、デュエリストブレイドのルール、詳しいんだね」
アリス・フォーサイス(好奇心豊かな情報妖精・f01022)は、大暴れする怪人にそう声をかけた。
「じゃあ、ルール全ありでやっても大丈夫だね」
ルール全あり。アリスは確かに、そう言った。
●レギュレーション補足
デュエリストブレイドのルールとカードはあまりにも膨大であるため、通常はルールやカードの一部のみを用いてデュエルするのが一般的である。
その中にあって、ルール全あり。正式名称『XYZレギュレーション』。あらゆる物というあらゆるモノが使用可能な、後がないと恐れられる究極のレギュレーション。
怪人たちの間に、緊張が走る。
XYZ、本気か? やるのか、初心者みたいな俺らで?
この世の終わりを見るような顔で、怪人たちがデュエルスペースに踏み込む。それを迎え撃つのは、恐れ知らずなドヤ顔のアリス。
「まずは、宇宙フィールドに宇宙ダコを召喚」
サラリと始めましたが、XYZレギュレーションなのでフィールドルールが適用されます。フィールドに適性がないカードはそのフィールドで使用出来なかったり、フィールド毎とに特殊ルールがあったりします。
「先行でフィールドを確定させたか。ならこちらはグレート金魚ちゃんバイクで!」
金魚鉢怪人は宇宙進出を諦め、地上を固める。
「さらに天変地異で地上フィールドを破壊」
「地上フィールドの使用不可……! グレート金魚バイクで宇宙へ飛び立つしかない!」
魔法カードの力で、無理やり宇宙フィールドへと乗り込む金魚鉢怪人。カードの消費は激しい。だが同じ宇宙に辿り着けば、フィールドありのルールでもいつも通りの戦法を使用可能だ。
「宇宙フィールドにありったけどトラップカードをセットする! これで――」
「じゃあ、そのトラップカードにメンコチャレンジするよ」
怪人のトラップカードの説明など、最後まで聞くまでもない。アリスの宣言。全てのカードを無力化する、恐るべき特殊ルール!
●メンコチャレンジとは
いつでも宣言可能な特殊な処理の1つである。(メンコチャレンジの宣言には、特定のカードを必要としない)
メンコチャレンジ中に裏返しになったカードは、直ちにあなたの所有物となる。あなたはそのカードを、『表向きにしてあなたのコントロール下で戦場に残す』か、『裏向きのままゲームから追放する』か、を選ぶ。
ただし、メンコチャレンジ中は相手も同様のことが可能である。即ち、裏向きになったあなたのカードは、直ちに相手の所有物となる。
カードの能力など関係ない。カードの大きさと形状だけがモノを言う修羅の世界。それがメンコチャレンジなのだ。
「最初から! これが目的か! 俺は重力の影響が少ない宇宙フィールドに誘われていた!」
「というわけで、いくよー!」
アリスはカードを握る手に、ユーベルコードの力を籠める。キラリと輝く笑顔から【神の寵児】の波動が溢れ出す。
アリスちゃん尊い。全宇宙が泣いた。アリスちゃんの笑顔に、全てのカードたちが立ち上がって拍手喝采!
「みんなありがとー」
アリスも皆の声援に応える。再びカードがフィールドに置かれた時には、その悉くがアリスの所有物となっていた。
「よし、そろった」
アリスは仲間になってくれたカードに、『エイリアンの繁殖』のカードを使う。
「宇宙フィールドにいる全てのエイリアン属性のユニットを毎ターン倍に、だと……」
「それだけじゃないよ」
『エイリアンの逆襲』でエイリアンのパワーも倍。エイリアンが隊列を組むことでスコアも倍に。あとアリスちゃんの笑顔で元気も倍に。ルール全ありなのでなんだか知らないけどとにかく倍に。
極限まで高められた宇宙エネルギーが、小さな太陽となる。その圧倒的な熱量の前に、金魚鉢の水が干上がり、溶けたガラスが炎に包まれる。
「宇宙の全てが、敵に回った……! この宇宙に、俺の存在する場所はないというのかー!」
怪人の断末魔の叫びが、超新星爆発、新たな銀河の誕生へと飲み込まれた。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『忌火起・レッカ』
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POW : 来たぜ……オレの切り札がァッ!
無敵の【時と場合に応じた特殊効果付きのモンスター】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD : テメェ自身が放った呪文で自滅しなァ!
対象のユーベルコードに対し【その効果対象を別のものに変更する速攻魔法】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
WIZ : 時間を稼ぎやがれ、《爆弾人形(マネボム)》共ッ!
戦闘力のない、レベル×1体の【召喚者自身への攻撃を捨て身で守る爆弾人形】を召喚する。応援や助言、技能「【かばう】、【時間稼ぎ】、【捨て身の一撃】」を使った支援をしてくれる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠惑草・挧々槞」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「ゴッドペインタ共め……。デュエルスペースを解除した瞬間に働きませんだのカードくらいコンコンコンしろなどと……」
結局、『デュエリストブレイドルール図書館強制労働ルーム』を常にデュエルスペースにし続けることで奴らTCGの力の元で従え続けるしかない。
「そんなことを続けてはこちらの身が持たん。一日のデュエルスペースの展開上限を決めて、週に数回の休日を――」
何やら疲れた様子で、妙にトレンディで賑やかな建物から出てきた猟書家『忌火起・レッカ』。
「さて、次に働かせるゴッドペインターは確保できているんだろうな?」
彼の目に飛び込んできた光景。荒れ果てたデュエルスペース。逃げ出したゴッドペインター。いなくなった配下の怪人たち。
間違いない。
「来たな猟兵!」
レッカが1枚のカードを掲げ、デュエルスペースを展開する。レッカのデッキから、運命の波動が溢れている。毎ターン都合のいい状況に合わせ都合のいいカードを引き続ける。そういう運命の力だ。
「さあ、運命を味方につけた俺をやれる奴はいるか!」
今こそカードを手に己の運命を切り開くのだ!
城田・紗希
なんだろう、マネボム相手にウィザードミサイルしか撃ってない気がする。
でも気にせず、○ッシュデュエルで勝負!
…あれ?「脱出ゲーム」「脱臭剤」「○ッシュデュエル」「ダイヤグラム」…まぁいっか。(深く考えない
まずはモンスターを2体召喚、からのコストにして女王蜂と女王蟻を召喚!
(それなりのターンデュエルしてから)
そろそろ盤面も温まったかな…。速攻魔法『突然の乱入者』!…そこの人、レッカに仕返しするチャンスだよ(一般人をデュエル相手に追加)
そして更に、同じカードを2枚発動!(一般人と、変装した自分も入れる)
そしてトドメに、千本ナイフ!
「あー、それ私が使うやつ!じゃぁ代わりにブラックホール!」
(やかましい
「脱出ゲームで勝負!」
城田・紗希(人間の探索者・f01927)が、勢いに任せて何となく叫んでいた。
そんな感じの響きだった気がしたけど、正しい名前は、えーと……。
「……まぁいっか」
とりあえず目の前の猟書家を倒して帰りに美味しいもの食べればいいのだ。
「まずはモンスターを2体召喚」
細かいことはよくわからないが、とにかくモンスターを召喚する紗希。
「召喚は許してやろう! だが、その召喚で場に出たモンスターに対応してマネボム突撃が発動!!」
相手のモンスターに行動など許さない。紗希のモンスターを即座に破壊するため、マネボムの能力が誘発する。
「――からのコストにして」
マネボムに破壊される前に、紗希は出したばかりのモンスターをコストとして消費してしまう。
「『女王蜂』と『女王蟻』を召喚!」
「チッ、コストとして消費することで攻撃を躱したか。だが、その女王蜂も場に出たことには変わりない!」
先ほどと同様に、今度は女王蜂に向けてマネボムが突撃してゆく。
「なんの、『ウィザードミサイル』!」
同じ効果の2度目なら、対処は出来る。紗希はマネボムに魔法カードをぶつけ、強引に打ち消してしまう。
その後も、一進一退の攻防を繰り返し。
「……あれ? なんだろう、マネボム相手にウィザードミサイルしか撃ってない気がする」
イマイチな手応えを覚え、紗希は手持ちのカードを眺める。ウィザードミサイルしか撃ってないけどウィザードミサイル便利だから仕方ないね。
「マネボムにウィザードミサイルで。ウィザードミサイル当てたので手札が1枚ウィザードミサイルになるね」
「またそれか! だが何度繰り返しても俺のマネボムは突破出来ん!」
相手もマネボムばっかりだし。
そろそろ盤面も温まったかな……。
マネボムとウィザードミサイルの打ち消し合いに、奇妙な慣れが発生した頃。
紗希は遂に本命のカードを発動した。
「速攻魔法『突然の乱入者』!」
「乱入者、だと……? 特殊召喚か?」
何が起こるのか、と警戒するレッカを一旦放置し。レッカに負けて捕まっていたゴッドペインターの1人に、声をかける。
「……そこの人、レッカに仕返しするチャンスだよ」
紗希はゴッドペインターに、自分のデッキと手札と場のカードをいくつか渡して強引にデュエルに参加させる。
「おい待て! デュエルは1対1で行うものだぞ!」
レッカはジャッジに助けを求める。だが、ジャッジのジェスチャーは『カードの効果が優先です』という残酷な物。
「1人で戦うより2人の方がいいし?」
畳みかけるように、紗希は更に『突然の乱入者』を2枚使う。紗希と、一般ゴッドペインター2人に、更に【ドッペルゲンガー】で増えた紗希がデュエルに加わる。1体1の神聖なデュエルだと思っていたものは、一瞬で4対1の一方的な展開になってしまったのだ。
「一体どうなってる!? まあいい! 雑魚が何人集まったところで俺の敵じゃ――」
「ターン開始。カードを引いてモンスターを召喚」
「ターン開始にゃ。カードを引いて――」
「ターン開始わん。カードを――」
「脱臭剤」
「だーーお前らーー! って、変な奴が混ざってる!?」
プレイヤーの人数差でどんどん追い込まれてゆくレッカ。そして誰だ今の?
「いけるにゃ! トドメに『千本ナイフ』!」
「あー、それ私が使うやつ!」
トドメ用のカードを貸し出してしまった紗希本人は、代わりのカードを探す。
「じゃぁ代わりに『ブラックホール』!」
「場にいる女王蜂で攻撃するわん!」
「ダイヤグラム」
レッカに多数のナイフが突き刺さってブラックホールに吸い込まれつつ女王蜂されてダイヤグラム!
「最後についてきてるお前は何なんだーー!?」
深く考えない方がいいと思います。
多方面からカードを使われ続け。
なんだかよくわからないうちに、レッカは1試合で4連敗することになったという。
大成功
🔵🔵🔵
巨海・蔵人
◼️仕込
夕暮れお母さんとUCのカードをお願いするね
◼️開戦
あ、大丈夫かな?
疲れきった編集さんみたいになってるけど。
作家って生き物は無理強いしても出来ないし、
最強のカードに絶対勝てるゲームとか、
何の為にやってるのかわからなくなるよね、
遊びは楽しく、今回はそんな魅力を伝えていくよ。
今回のルールは特別協賛バズリトレンディさんが今用意してくれたバラエティルール。
これ?ルール指定専用カードだよ。
僕のでも君のでもないから手出し不要ね、
僕は雰囲気カード夕暮れお母さんを設置。高まる期待、カレーの香りをセット、でカレーを作るね(実際に)
カード破壊すると夕飯が貧相になるよ、ハンバーグも追加で、最後に皆の力でコンボ
「あ、大丈夫かな? 疲れきった編集さんみたいになってるけど」
巨海・蔵人(おおきなおおきなうたうたい・f25425)は、何やら草臥れた様子のレッカを心配する。
連日のルール勉強に、デュエル、そして攫ったゴッドペインターの相手。中々あの猟書家も多忙な様子。
「作家って生き物は無理強いしても出来ないし、最強のカードに絶対勝てるゲームとか、何の為にやってるのかわからなくなるよね」
ゴッドペインターが無理をする様子や、疲れ切った状態でデュエルするレッカを配信しても、いいねは伸び悩むことになる。
「遊びは楽しく、今回はそんな魅力を伝えていくよ」
蔵人式の、楽しいデュエリストブレイドが始まろうとしていた。
「今回のルールは特別協賛バズリトレンディさんが今用意してくれたバラエティルール」
蔵人の指示の元、デュエルスペースの中央に『雰囲気カード』は設置される。
「おい待て、デュエルが始まってもいないのに試合開始前カード以外のものを――」
「これ? ルール指定専用カードだよ」
「るーるしていせんようかーど」
レッカは、蔵人の言った言葉をそのまま復唱してしまう。デュエリストブレイドのルールは覚えたはずなのに、また突然知らないカードとルールが出てきた。
デュエルスペースの中央に浮かぶのは、雰囲気カード『夕暮れお母さん』。これは誰のものでもないカードによる、特殊な処理。蔵人もレッカもこのカードには従わなくてはならない。
変わりゆくデュエルフィールド。沈みゆく夕日、楽しくデュエリストブレイドしていた時間は終わりを告げ。どこかの家からは食欲を刺激するカレーの香りが漂ってくる。
「不味い、落ち着け俺! ビビってる場合じゃない! 対策カードを用意して落ち着くんだ!」
まだデュエルは始まっていない。レッカは大慌てで今の雰囲気に対応出来そうなカードを探し、デッキに詰め込む。というか、雰囲気カードってなんだ!?
デュエリストブレイドの膨大なルールの中には、デュエル以外のルールも当然サポートされています。
例えば、運営が夕飯と言えば、選手たちはデュエルを中断して食事休憩をとる必要があります。
一方の蔵人は、カードの雰囲気に合わせ、のんびりと夕飯の支度を始める。
大きな寸胴鍋に手頃な大きさに切った具材を入れて火にかけ。その様子を【プロジェクト・うぃっしゅ】で配信する。
「愉快なバイオモンスター、蔵人君のお料理教室。今日はカレーを作るね」
「ままままてどういうことだ? デュエルスペースだぞ? デュエリストブレイドだぞ? カードが全てを決める空間だぞ……?」
レッカは恐る恐る蔵人に声をかける。
「そうだね。でも夕飯の時間だからね。そうだ、カレーを煮込んでる間にハンバーグも作ろうか」
カードゲームが支配するはずの世界で、カードではない食材で本物の料理が進んでゆく。
「え……えと。そのカレー鍋破壊出来ますか?」
一応用意していた妨害カードを使う許可を求めるレッカ。
「カード破壊すると夕飯が貧相になるよ」
「あ、はい」
カードゲーム的ではなさそうな返事に、そのまま引き下がってしまうレッカ。
どうしよう? 対策はないしお腹は空いてきたし……。
デュエルの開始をソワソワしながら待つレッカの前で。お料理タイム終了の鐘が鳴る。
みんなの大好きなカレーに、ジューシーなハンバーグを載せて。
「はい、完成だよ。蔵人君特製『ハンバーグカレー』だよ。みんなの分もあるからね」
「わーい♪」
待ってました、とばかりに。お腹を空かせたキマイラたちが、蔵人君ママの待つデュエルスペースに乱入してくる。
「お前らー!? 勝手にデュエルスペースに入って!?」
「まだデュエルが始まってないから大丈夫にゃー」
腹ペコキマイラの群れに流され、レッカも夕飯の卓に収められてしまう。
「最後に皆の力でコンボ完成だよ」
ハンバーグカレーの前に、みんなで一斉にスプーンを構え――。
「「いただきまーす!」」
「何なんだ!? デュエルは!? デュエルはどうなったー!?」
レッカの悲鳴が、大会の合間の食事休憩に木霊したという。
しばし、カレータイムです。
夕暮れお母さん休憩が終わったら、大会を再開します。
大成功
🔵🔵🔵
火土金水・明
(戦う前に切り札である【コキュートス・ブリザード】のカードを、ゴッドペインターさんに描いてもらいます。)
「私の戦い方は普通ですよ。カードの神様の存在は信じますけど。」
(一番のタイミングで)【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【継続ダメージ】と【属性攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【コキュートス・ブリザード】を【範囲攻撃】にして、『忌火起・レッカ』と召喚された者達を纏めて攻撃します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「私の役目は少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。
「私の戦い方は普通ですよ。カードの神様の存在は信じますけど」
火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)は、いつもの調子でデュエルスペースでの戦いに挑む。
明が持ち込んだのは、魔法カードのみで固めた火力デッキ。日頃から魔法を使う明にとっては普通の戦い方。だがカードゲームとしては、使い捨ての魔法カードのみで戦い続けるのは非常に繊細な判断を要求されるピーキーなデッキだ。
「まずは、火属性の魔法カードを」
デュエル開始。普通と豪語する明がやることは1つ。魔法カードで敵プレイヤーを直接狙う。
「いきなりか! 正面から仕掛けて通ると思うなよ!」
レッカの前にマネボムが立ちはだかる。そして魔法攻撃を受け止め、消える。
「防がれましたか。でも直接の属性攻撃を防いでも、墓地から継続ダメージを与える効果がありますよ」
妨害されるのは百も承知。だが単純な妨害だけでは、明の魔法は止まらない。
「なら墓地のカードもまとめて吹き飛ばしてやる!」
「おや、でしたら墓地にカードがないときに強化されるこちらの魔法で」
「強化されたところで打ち消せば問題ない!」
「では、フェイントで一度手札に戻してもう一度使いましょう」
手札から、山札から、墓地から、そして再び手札から。あらゆる領域から様々な効果の魔法カードを用いて多角的に攻める。
その魔法攻撃の嵐を、レッカも得意の妨害カードで丁寧に捌いてゆく。
攻めるカードがなくなるのが早いか。妨害カードをすり抜ける魔法が出るのが先か。ギャラリーが見守る中、激しい攻防が続く。
だが、両者とも。無策でカードを浪費しているわけではない。明の動きに違和感を覚え、レッカが新たな動きをみせる。
「わかってるぜ。お前が切り札のカードを使うタイミングをずっと伺ってるのをな!」
「よく見ていますね」
明は確かにずっと持っていた、ゴッドペインターによって強化された【コキュートス・ブリザード】のカードを。直撃させれば一撃でデュエルを終わらせられる明の得意魔法。だが、相手が妨害を構えている状況ではこのカードを使えない。ここまでの攻防は全て、相手の妨害の隙を狙うための腹の探り合いだったのだ。
「手札に持ったまま、ずっと使ってないカードが1枚ある! よく見ていればバレバレだぜ! 使わず抱えていれば安全だと思ったか!」
レッカは特殊なマネボムを、明の手札の数だけ召喚する。狙うのは、明の手札。
「手札破壊ですか。手札を直接狙われては仕方ありませんね」
マネボムが明の手札に当たり、爆発する。温存していた手札が全て、墓地に置かれてしまう。
「これでお前の手札はなくなった。こっちのターンは終わりだ。さあ、新しくカードを引きな!」
「では、私のターンです。新しいカードを山札の上から引いて、使わせていただきます」
明の周囲に、無数の氷の矢が出現する。これは、まさか――?
「コキュートス・ブリザード!? 馬鹿な!? 今捨てさせたはず……? ハッ!?」
レッカは、先ほど墓地に置かれたカードを確かめる。そこに明の切り札は、ない。代わりに置かれていたのは――。
「残像!? 手札を引いて、同じだけ山札の上に戻す……。それじゃあ!?」
「そう。切り一旦戻して、改めて今引いたカードを使わせていただきます」
手札を捨てさせることに全力になってしまった。今、あの切り札を止める手段は、ない。
レッカのライフがなくなるまで、氷の矢が降り注ぐ!
大成功
🔵🔵🔵
アリス・フォーサイス
運命の波動とコントロールデッキは相性良さそうだね。なら、こちらも能力(ちから)を使わせてもらうよ。
アナロジーメタモルフォーゼで山札の一番上のカードを好きなカードに変えて引くよ。
まずはマナブースト。キャンセルの数が同数以上にして、確実に通していくよ。そして、落とし子。これはカード効果によって破壊されない。これをつかって先にとどめをさすよ。
「運命の波動とコントロールデッキは相性良さそうだね」
アリス・フォーサイス(好奇心豊かな情報妖精・f01022)
コントロールデッキ。相手を妨害しながらの長期戦を狙うデッキ。長く戦うと、当然カードを何度も引くことになる。カード使う判断と共に、使うべきカードを引き込む運命の力も必要とされるのだ。
そんな運命の波動を味方につけるため――。
「なら、こちらも能力(ちから)を使わせてもらうよ」
思いっきりユーベルコードを使うつもりのようです。
Q.これは不正ではないのですか?
A.まだ誰も山札の一番上のカードを見ていないでしょう? 毎ターン都合のいいカードを引くくらい良くあることです。大丈夫です。
Q.でもユーベルコード使ってますよね?
A.ワイちゃんもカード作るときにユーベルコード使ったし大丈夫大丈夫。
デュエル開始合わせ、アリスは【類推的手法による物質変換】を発動する。この力があれば、アリスの触れたものをアリスの都合のいいものに変えることが出来る。今回書き換えるものは、山札のカード。そう、毎ターン都合のいいカードを引くためにユーベルコードを使うのだ。
アリスは最初の手札を見て、山札の上から足りないカードをドローする。
「まずはマナブースト」
強力なカードを使うための下準備として、使えるコストを増加される作戦だ。
「悠長に準備か? そんなこと許すと思うなよ! このターンに追加で増えたコストを消滅させる!」
「妨害には妨害で。そのカードはキャンセルだよ」
レッカの妨害カードに妨害を重ね、アリスは強引に展開してゆく。
「チッ、妨害対策も準備していたか。仕方ない、ここはこのままターンエンドだ」
レッカは残っている自分の手札を見て、アリスの展開を一旦通す。何でもかんでも妨害していてはそのうちカードが足りなくなってしまうからだ。
ここは展開を許し、この後の展開に備えよう。
コストを増加させてから強力なカードを狙うデッキ『ランプデッキ』には、弱点がある。
コストの増加のためにカードを使うが故に、後半に使えるカードがどうしても少なくなるのだ。
勝負は最後の最後だ。そこまでカードを温存して、一気に決める!
それから数ターン。地道に展開するアリスと、妨害を行うレッカの間で腹の探り合いが続いた。
「そろそろいいかな?」
アリスの元には、十分なコストと手札が溜まった。レッカはというと、手札は多いがこの状況で使えないカードが溜まっている様子だ。運命の波動、いや、ユーベルコードによるドロー操作の影響は、確実に出ている。
頃合いだ。ここから、攻めにいくとしよう。
「よし、落とし子をだすよー」
アリスの場に、巨大な何者かが現れる。
「そいつは……」
それが纏う空気の異常さに、レッカが後ずさる。
「これはカードの効果によって破壊されない」
破壊されない。そう、レッカが温存していたモンスターを破壊するカードが使えない。待ち構えていたはずなのに、一気に不利になったレッカ。
「わかっているさ、そいつに普通のカードは効かない! だがッ!」
レッカもこのままでは終われない。あいつは破壊以外の効果まで無効化するわけじゃない。レッカには破壊不可能な落とし子を止める魔法だってある。
「そうはさせないよ」
切り札を出したアリスは、山札のカードをマナブーストから妨害カードへと作り変える。
「くっ、マズい……!」
対処困難な落とし子に、呪文のバックアップ。一度こうなってしまうと、抜け出すことは困難だ。
広いデュエルスペースを、異形の落とし子が滑るように進む。腕とも舌ともわからぬ何かが伸び、レッカのカードに触れる。レッカのカードだったものが分解され、この世のモノとは思えない未知の何かに再構成されてしまう。見慣れたはずのカードなのに、そこには未知の言語が刻まれており――。
「う、うわーーー!?」
落とし子の攻撃をモロに受け、レッカの意識とデッキが崩れてゆく――。
再びレッカが意識を取り戻した時には、デュエル敗北からだいぶ時間が過ぎていたという。
大成功
🔵🔵🔵
ティエル・ティエリエル
ふふーん、ボクの手に入れた速攻動物さんデッキに勝てるかな!
先行!ボクのターンどろー!(デュエリストブレイドルール、先行と言った方が先行なのだ!)
わんこカードを召喚していきなりダイレクトアタックだ♪
その後は一進一退の戦いが続くけど、あわわ、山札からドローを禁止されちゃったよ!?
むむむー、でも禁止されたのは山札からだけだね!
それならこれだ!最初に召喚したわんこがいた地面に手を置いてどろーー!
ここ掘れわんわんの効果で新しくコンコンしてカードをゲットだよ♪
取り出したカードはグレートパンダラーZ!
ようし、キマイラさん達に書いてもらってた【妖精姫と空飛ぶ大熊猫ロボ】で強化して一気に決めるぞ☆
「ふふーん、ボクの手に入れた速攻動物さんデッキに勝てるかな!」
小さな体に人間サイズのデッキを抱えて、ティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)が胸を張る。
今度のティエルは一味違う。ちゃんとデッキも持ってきたのだ。
「ようしいくぞー先行! ボクのターンどろー!」
ティエルはデュエルスペースに踏み込むなりいきなり襲い掛かる。
「いきなり過ぎるぞ! まだこちらはデッキの準備も……ッ!」
デュエリストブレイドでは先に先行を宣言して動き出してしまえば先行になれるのだ。その時、相手がデュエル開始の準備を整えていなければ不意打ちも成功、1ターン先に好き放題してもいい!
「わんこカードを召喚していきなりダイレクトアタックだ♪」
前の試合の片づけが終わらないレッカの腕に、わんこが噛みつく。
「だー!? まだ準備してるんだから腕にしがみつくな!」
「もう一度ボクのターン! わんこ追加だー♪」
わんこの不意打ちに成功したので。改めて先行のターンでわんこを突撃させる。
「だー!?」
ようやくデュエルを開始したレッカが、自身を攻撃しているモンスター、両腕にしがみつくわんこをトラップカードで追い払う。
「今度はくまさんだぞー☆」
カードから飛び出したくまが、強烈な右ストレートでレッカの顔面にダイレクトアタックを決める!
「うおおおー!? そいつは落とし穴に落ちろー!」
攻撃し終わったくまさんの足元の地面が開き、そのまま地面に飲み込まれて行ってしまう。
「好き勝手やりやがって! でもこっちが守りの態勢に入ればそんな小粒な動物程度!」
レッカを守るよう、いくつもの罠カードが浮かぶ、
不意打ちからの速攻を仕掛けたティエル。相手の防御が整ってしまうと押し切るのは厳しくなる。
攻めの勢いが衰えたところで、レッカが反撃の動きに出る。
「ようやく大人しくなってきたようだな! ならば……、このカードで動きを封じてやる!」
レッカは、妨害用の強力な魔法カードを発動する。その効果は――。
「あわわ、山札からドローを禁止されちゃったよ!?」
ティエルの山札が、レッカの魔法で凍り付いてしまう。大変だ。このままではかき氷は食べられてもカードを引くことは出来ない!
「むむむー……」
身動きが取れずに悩むティエル。そのスカートの裾を、最初に召喚したわんこが引っ張る。
「ん? 何々? 禁止されたのは山札だけ? なるほど!」
ティエルは封じられた山札を離れ、デュエルスペースの中央に降り立つ。
「ここだね。ようし♪」
ティエルはわんこの教えてくれたところを、コンコンコン……。すると、わんこの特殊能力が発動! 地面が割れ、その下からせり上がってくるのは――。
「グレートパンダラーZ!」
ティエル専用のスーパーロボット、グレートパンダラーZの登場だ。
「地面の下からパンダロボだと!? いや待てここはデュエルスペースだ! カード以外の兵器は禁止だぞ!」
カードのわんこの効果から出てきたものなので、カードです。
「カードだった!?」
カードの確認をしてしまったことで、対応が遅れたレッカ。そのチャンスに、ティエルは一気に攻撃を仕掛ける。
「みんないくぞー☆」
召喚されていた動物たちと一緒にティエルはパンダラーZに乗り込む。みんなの力で出力倍増、【妖精姫と空飛ぶ大熊猫ロボ】発進だ!
「くっ……。だがカードであるならカードで対処出来るはずだ!」
レッカは手持ちのカードを見る。あのパンダロボを止めるには――。プレイヤーが中にいるのでプレイヤーに効果があるカード必要。モンスターが大量に乗り込んだので複数のモンスターに対処するカード。ロボだから……装備に対処するカード?
「か、カードが足りない!?」
「いっけーー☆」
ティエルと動物たちが、一斉に攻撃ボタンを押す。パンダラーZのあちこちにある発射口が開き、全方位にパンダミサイルが発射される!
レッカと大量のトラップが、白黒のきのこ雲で消し飛ばされた。
大成功
🔵🔵🔵
惑草・挧々槞
見るからに悪堕ちした風の外見ねえ。
映えも意識したいし《酷映放送》狙いで。
何とかして一発近接攻撃を当て、彼の過去の記憶をビデオにして抜き取ったら[妖怪テレビデオ]で再生。近場にモニターがあれば中継して貰いましょう。
お願い、目を覚まして!悪道に堕ちる前の貴方はもっとこう──純真無垢に目を輝かせたりしていたはずよ!
という感じで、彼の黒歴史的シーンを晒して動揺を誘うわ。コントロールデッキはプレイミスが命取り。ジャッジキル出来れば最良。
ついでに、その詳らかにした過去の光景を神絵師さんに描いて頂きましょうか。(黒)歴史的瞬間を挿絵にした超美麗カードとして販促に使わせて貰うから、貴方は大人しく滅んでなさい。
「見るからに悪堕ちした風の外見ねえ」
惑草・挧々槞(浮萍・f30734)は、相対した猟書家の姿を見てそう囁いた。
猟書家『忌火起・レッカ』は、一見普通のカードゲーマーに見える。だが、彼がカードゲームをしている姿を見れば、誰もが彼は普通ではないと感じることだろう。
黒を基調とした服装。悪役として作った表情。派手でやかましい立ち振る舞い。レッカの全身から、悪の道に進んだ者である要素を随所に感じる。
そんな悪堕ちカードゲーマーとの勝負に相応しいデュエルは、というと。
「映えも意識したいし――」
挧々槞は、【酷映放送】によって相手を追い詰めることを狙う。ただ、このユーベルコードの発動には、近接攻撃が必要。カードゲームが支配するこの空間で、いきなり殴りかかるわけにはいかない。自然に相手に接触するタイミングは、ここだ。
「対戦よろしくお願いします」
デュエル開始の挨拶として、右手を差し出す挧々槞。
「おう! これをお前の最期のデュエルにしてやる!」
強気な宣言とともに、握手に応じるレッカ。差し出された右手を握ったその時――。
これは……。
脳裏浮かぶ、躯の海に消えたはずの記憶。
これは、昔の俺だ。
弱いカードを弱いとも気づかず。ただの一度すら勝てなかった俺だ。
俺はそんな自分を捨てた!
今の俺は、勝利のために最強を追い求める真のデュエリストになったのだ!
「お願い、目を覚まして! 悪道に堕ちる前の貴方はもっとこう──純真無垢に目を輝かせたりしていたはずよ!」
声……?
これは……! 間違いない、ユーベルコードによる攻撃を受けているッ!
挧々槞による記憶への攻撃から意識を取り戻し、カードを握るレッカ。
「お前は……、俺の記憶じゃない! 勝てない過去の自分は捨てたッ! 俺はッ、どんな手段を使ってでも勝つッ!」
レッカが意識を失っていたのは、どのくらいだったのだろうか。現実世界では、レッカの過去のデュエル風景が配信画面に流されていた。
「いきなり心理戦とはな! だがそんなことをしたところでデュエルには何の影響もない!」
そうだ。いくら過去の映像を配信されたところで、デュエルの流れが変わるわけじゃない。
「デュエル開始だ! マネボム! 奴が展開している撮影機材を――」
「貴方……」
挧々槞は、マネボムをばら撒こうとしたレッカの手元を指さす。
「……それ、マネボムじゃないよ?」
「なッ!」
レッカが使おうとしていたカードは、マネボムではない。
ミス……。
カード宣言と手持ちのカードの勘違い。初歩的で、致命的なミス。
この俺が、動揺しているのか?
しかもこのカードは……、オレの切り札。
いつも見ていたこいつを間違えるなどとッ!
俺は、そんなこともわからなくなっていたのかッ!
「ジャッジー、彼の手札チェックしてー?」
挧々槞は、ミスしたレッカに追い打ちをかける。
手札に持っているカードと使用するつもりのカードを間違えただけなら、1度目は『警告』で済む。だが、もし持ってもいないカードを宣言していたなら。悪質な不正として、ジャッジから『デュエルロス』と『退場』を言い渡されかねない。
「俺は……」
レッカが後ずさる。
「俺は……ッ!」
レッカは、握っていた手札を投げ捨てた。カメラが、舞い散るカードをスローモーションで撮影している。その中に、レッカの宣言した『マネボム』のカードは、ない。
負けるのか。
どんな手段を使っても勝つと決めたこの俺が!
しかも、負ける理由がッ! こんな初歩的なミスッ!
「負けたら……。負けたら何も残らないだろッ!」
レッカは叫んだ。名勝負の末に負けたなら、絵にもなっただろう。だが、今配信されたュエルの決着は――。
「本当に、何にもならないじゃないかッ!」
失意と共に崩れ落ちるレッカの手には、もう何も握られていない。
「そんなことはないよ」
挧々槞に従い、レッカに捕まっていたゴッドペインターたちが集まってくる。
「ついでに、その詳らかにした過去の光景を神絵師さんに描いて頂きましょうか」
過去のレッカの名場面が、次々にイラストとして形になる。
「歴史的瞬間を挿絵にした超美麗カードとして販促に使わせて貰うから、貴方は大人しく滅んでなさい」
「やめてくれッ! 俺は、本当の俺はッ!」
「言わなくても、わかってる」
レッカの前に、1枚のカードが舞い落ちる。先ほど間違えて使おうとしたカードだ。対して強くもないカード。それなのに、強いと信じてデッキに入れ、切り札にしていた。何度やっても、何度やっても、その切り札が活躍することはなかった。負け続けた。でも、その時は本当に楽しくて――、純真無垢に目を輝かせたカードゲーム少年だった。
全てのデュエルが終わり、デュエルスペースが消える。
普通の広場に戻ったそこに残されていたもの。レッカが使っていたカード。レッカが使わなかったカード。そして、『忌火起・レッカ』の思い出を閉じ込めたカードたち。
挧々槞は、残されたカードを拾い集める。
このカードは、どうしようか。予定通り販促に使うか、それとも――。
大成功
🔵🔵🔵
最終結果:成功
完成日:2021年08月18日
宿敵
『忌火起・レッカ』
を撃破!
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