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お菓子な城のおかしな自分

#アルダワ魔法学園 #猟書家 #猟書家の侵攻 #ヴァルサリッサ・アフトクラトラス #ファーストダンジョン #ダンジョンメーカー

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 究極の地下迷宮アルダワの終着点にしてはじまりの地に、何者かの靴音が響く。
 そしてその音は、中央に鎮座している謎の箱の前に人影が現れた所で収まった。
「これが例の大魔王を封印し、この迷宮を作り出した『ダンジョンメーカー』か……。大層な代物の割にろくに誰も守ってないのね?」
 自分が踏破した道のりこそが最大の警備であり障害であったとは露ほども思っていない影は懐から一個の卵を取り出す。
「さあ起動しなさいダンジョンメーカー! この私、ヴァルサリッサ・アフトクラトラスに相応しい、新たな迷宮を作りなさい!」
 影……ヴァルサリッサが卵を埋め込んだ瞬間、ダンジョンメーカーが平常に動いた時には発してなかった不気味な光を放つ。
 しかし周囲の壁や天井、床はいつものように動きだし、新たな迷宮を形成し始めた。
「ふふふ、超魔王たる私に相応しい迷宮はどんな姿なのかしら?」
 ヴァルサリッサの高らかな笑い声は複雑に組み合わされる壁に覆われ、遮られた。

「皆様、ダンジョンメーカーが猟書家の手に堕ちました」
 開口一番、ルウ・アイゼルネ(滑り込む仲介役・f11945)は集まった猟兵達に向けて爆弾発言を投じた。
 ダンジョンメーカーとは、究極の地下迷宮アルダワを造りあげた「最初の魔法装置」と言われている代物である。
 その機能は、強大な災魔を1体強制的に召喚し、その周りに「迷宮」を作ってしまうというもの……というのはアルダワ魔王戦争に関わったほとんどの猟兵が知っていることだろう。
「今までは我々や生徒の元で起動させていたので災魔を1体召喚するだけに留まっていましたが、これが猟書家の手に堕ちたということは、あちらは大量の災魔を卵を使うことなく呼び出すことが出来るようになってしまった……ということであります。このままだと学生達が止められない実力の軍勢がアルダワから飛び出てくることになります」
 下手人の名は「ヴァルサリッサ・アフトクラトラス」。大魔王を超えた「超魔王」を名乗る、稀代の女魔術師だという。
 そしてヴァルサリッサが作り出したダンジョンに巣食う災魔の名は「シャドウミラー」。姿を映した相手の偽物を作り出す邪悪な鏡である。
 作り出された偽物は見た目こそ本物と瓜二つであるが、その内面は歪められオブリビオンとして人に仇なす存在となっている。
 また本物よりも何か一つ優れている面があり、かつて偽物と正面から何の策もなく戦った生徒が押し切られ殺された事例もあるという。
「似たような事例でアリスラビリンスの闘技場が思い浮かびますが、あちらは昨日の自分を繰り出してきたのに対し、シャドウミラーは『今の自分よりも強い自分』を出してくる……という点が違いでしょう。そのため、例えば偽物の前で変身しても相手も同じ姿に同時に変身してしまうため、結果的に差がつき続けることになってしまいます」
 しかしそんなとんでもない相手に対してもアルダワの学生達は勝ってきたし、一部の猟兵の中には対峙した経験がある者もいる。彼らから対抗策を聞くのは1つの手であろう。
「次に問題の迷宮についてですが、端的に言えば『お菓子の城』です」
 落とし穴の底に広がる熱せられた水飴の沼や、食欲をそそられる匂いを発する巨大なチョコレートの壁、噛み終わったばかりのガムのトリモチに天井から叩きつけられる大量の飴玉など、ファンシーな見た目とは裏腹に肉体・精神的にキツそうな物が勢揃いだという。
「それらを乗り越えてヴァルサリッサの元にたどり着いても、油断は出来ません。相手は大魔王を超えた『超魔王』を自称する凄腕の魔術師。調べによりますと我々の運命を歪めたり、二度と同じ攻撃は食らわなかったりするそうで……と中々の苦戦が予想されます。決めるなら一撃でいった方が良いかもしれません」
 そう告げたルウはタブレットを置いて、猟兵達を正面に見据えた。
「それでは皆様、アルダワの平和のために本日もよろしくお願いいたします!」


平岡祐樹
 猟書家最前線はヒーローズアースですが、撃ち漏らしがでないよう、別世界を潰しに行きます。お疲れ様です、平岡祐樹です。

 お菓子の城のトラップは、例に出した通り当然ながらお菓子が使われております。どのようなトラップをどのように突破するかは皆様の自由です。プレイングにどしどしお書きください。

 今案件にはシナリオボーナス「学生達と協力する」がございます。
 一般の学生達は戦闘力でこそ猟兵に及びませんが、迷宮の地理に詳しく、探索の経験も豊富なので、今回の探索できっと助けになってくれるでしょう。
 上記に基づく策が指定されていると有利になることがありますのでご一考くださいませ。
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第1章 ボス戦 『シャドウミラー』

POW   :    力の影
【鏡に映した相手を歪め力を強化した偽物】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD   :    素早さの影
【鏡に映した相手を歪め素早さを強化した偽物】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    知性の影
【鏡に映した相手を歪め知性を強化した偽物】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠マリアンネ・アーベントロートです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

烏丸・都留
SPD
アドリブ可
要共闘
※見当違い、共闘無理なら流して下さい。

自身の装備群を多数拡縮召喚し味方支援強化。

「あなたと私の違いってわかるかしら?
味方がいること意外に、ある装備の前ではその違いは致命ね。」


「対オブリビオン戦略呪操機 朧蟲。
これはそちら側に類する力を捕食弱体化させる。

アイテール/エレボスを冠する加護系装備。
私では無い、そちら側のあなたに加護を与えてくれるのかしら?」

加護系UC:味方も含めた回避強化。


「あと本体の器物って何処にあるのかしら?
在るとしても、それが維持できる場所に有るの?
無い場合、あなたの能力は今が最大? 私の力は時が経つほど強化される……

悪いけど、あなたを倒して先へ行くわ!」


ミルケン・ピーチ(サポート)
『ミルケンピーチ、参上!』

常識的だけどやられ属性の17歳の桃姫、無邪気で元気な6歳のぺしぇ、体育会系褐色ギャルのアカリの三人のボディの内依頼に合わせた誰かで出撃
口調は
『桃姫:私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?』
『ぺしぇ:自分の名前、くん、ちゃん、だよ』
『アカリ:あたし、相手の名前+ちゃん、~っす、~っすよ、~っすね、~っすか?』
マスクのミルケンはほぼ喋りません

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません

公序良俗に反する行動はそういう依頼でない限りしません
後はお任せ、よろしくお願いします!



 烏丸・都留(ヤドリガミの傭兵メディック・f12904)は目の前に広がる光景に思わず舌打ちした。
 なぜなら目の前に立つ自分と瓜二つの存在が、同じだけの武器を自分の前に展開して見せたのだ。さらにアイテール、エレボスを冠する装備もしっかりと加護を与えている。
「ねぇ、あなたと私の違いってわかるかしら?」
「ええ、分かるわ。あなたは私に比べて鈍臭いわ」
 都留からの問いかけに、偽物は巨大なメイスを叩きつけてきた。
 水晶体も激しくぶつかり合い乱反射して輝く中、その近くでミルケン・ピーチ(魔法少女ミルケンピーチ・f15261)の1人、アカリ・ゴールドも激しい肉弾戦を繰り広げていた。
「ほらほらあたし! 倒れずとも少しくらいやり返してみたっていいんすよ!」
 自分と全く同じ戦い方をしてくる相手だがその手数は圧倒的に多く、自分が1出そうとする間に10出してくるような錯覚さえ覚えてしまう。
 その差を埋めるべく展開された都留のユニットのバフ効果までも鏡に模倣され、差は差のまま維持されていた。
「ああもう、ぺしぇちゃんや桃姫ちゃんがいなくて良かったっすよ!」
「なんでっすか! いようがいまいが同じ結果になるだけっすよー?」
 中々隙を見出すことが出来ず、水飴の床に足を取られかけつつもアカリは偽物の攻撃を凌いでいた。
 だが守り続けることは精神にかなりの負担がかかる。音を上げかけたアカリは蹴りを加えることで強引に距離を取って叫んだ。
「くっそぉ……『家来になっていきましょう、サーバントオブザピーチ!』」
「それもあるわね。でも、それだけじゃない」
 防戦一方になりつつも都留は重い一撃を必死に避けながら口を開いた。
「私はヤドリガミの猟兵、あなたはヤドリガミのオブリビオン。ある装備の前ではその違いは致命ね」
 対オブリビオン戦略呪操機「朧蟲」。
 これはオブリビオン側に類する力を捕食・弱体化させる機構を持っている。もし相手が全く同じ形でしかコピー出来ないのであれば。
「あと本体の器物って何処にあるのかしら? 在るとしても、それが維持できる場所に有るの? 無い場合、あなたの能力は今が最大?」
「それは、あなた自身がよく分かっているんじゃないの?」
「そうね。私の力は時が経つほど強化される……悪いけど、あなたを倒して先へ行くわ!」
 実際は相手の容器に穴が開いており、溜まることが無いだけなのだがわざわざ教える道理は無い。相手が自分の言葉で気づき、朧蟲を引っ込めたら面倒くさいことこの上ないからだ。
 一方で腕を雉の羽へ変え、空中戦へと移行していたアカリはユニットの間を抜け続けることで偽者に攻撃の機会を与えず距離を保っていた。
 そんな中、本物に弾かれて飛んできた偽物のユニットと正面衝突して偽者の勢いが鈍る。
「隙ありっす!」
 その隙を逃さず反転したアカリは自らの足も雉に変えると偽物の頭を鋭利な爪でしっかり握りしめ、全体重をかけて地面に叩きつけた。
 その瞬間、偽物の体にヒビが入り崩れ落ちる。息を吐いて振り返ると、ウエハースの壁にかけられていた黒い鏡が都留のメイスによって粉々に砕かれていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ギャレット・ディマージオ(サポート)
●設定等
ダークセイヴァー出身の冷静沈着な黒騎士です。
オブリビオンに滅ぼされた都市で自分だけが生き残った過去を悔い、人々を守ることを重視して行動します。

●戦闘において
「及ばずながら、手助けさせて貰おう」
「貴様の相手は、この私だ!」
「なんと強力なユーベルコードだ……! (解説) 直撃すれば一たまりも無いぞ!」

・牽制攻撃
・敵の攻撃から他の猟兵や一般人を守る
・敵の攻撃を回避してカウンター
・ついでに敵の強さを解説する
など、防御的・補助的な行動を得意とします。

メイン武器は「黒剣」です。

他は全てお任せします。
別の猟兵との交流や連携等も自由に行ってください。
どうぞよろしくお願いします。


エリカ・グランドール(サポート)
 サイボーグのシャーマン×電脳魔術士のエリカ・グランドールです。
 戦闘はあまり得意ではありませんが、周囲の状況を観察して違和感のある箇所を発見したり、敵の弱点を推測して隙を作り出すといった行動で皆さんをサポートしたいです。

※セリフ例
「今、何か光りました。ここに何かあるのでは……」
「あの敵の動きには規則性があるわ。うまく狙う事が出来れば……」

 冷静沈着と言う程ではありませんが、ビックリする事はあまりありません。
 あと、笑いのツボが良くわかっておらず「今の、どこがおもしろかったのでしょうか?」と、真面目に聞き返す事もあるようです。

 ユーベルコードは、エレクトロレギオンを好んで使います。



 甘ったるい匂いが充満するダンジョン内で液体が蹴られる音が響き続ける。
「ぐっ……」
「ようやく捉えたぞ? 私の攻撃をどれだけ耐えれるか、試してもらうぞオリジナルよ」
 防御の構えごと叩きつけられた重い一撃にギャレット・ディマージオ(人間の黒騎士・f02429)の口から苦悶の声が漏れた。その視線の先には自分と姿形が全く同じ黒い鎧の騎士が口角を上げていた。
 ギャレットの得意な戦法は敵の攻撃を回避してからのカウンターで、防御的・補助的な行動が主である。しかし目の前の偽物は割と強引にでも押してくる戦法を取ってきていた。
 だがギャレット自身、このような戦い方を全くしないわけではない。
 例えば……守るべき相手が近くにおり、動けない時にはこうせざるを得ない。
 つまり「本当に思考まで模倣してるなら」ヴァルサリッサかシャドウミラー本体が近くにいる……と察せられるのだが、それを叩きにいくには中々骨が折れる相手が目の前に立ち塞がっていた。
 一方でエリカ・グランドール(サイボーグのシャーマン・f02103)は頬についたチョコを拭い、正面に佇む自分の偽物を見つめていた。
「力が強いとのことでしたが、あくまで馬力のみで弾の威力は据え置きのようですね」
 相手はルウが言っていた通り自分よりも力が強く、正面からの殴り合いでは押し切られてしまった。
 ただトドメまでは刺そうとしてこなかった。おそらくオリジナルを殺してしまうと今の体を維持できなくなってしまうからだろう。
「私を倒してしまえば鏡を守る分身がいなくなってしまいますからね。敵が他にもいる以上当然の判断でしょう」
 そんなことを考えているエリカの背後へ音もなく黒い鞭のような刃が襲いかかっていた。
「待て。貴様の相手は、この私だ!」
 しかしその先端がエリカの背中を抉る前に、ギャレットの放った鞭がそれを弾く。
 すでに刃を交わし、圧倒していた偽物は手元に戻ってきた鞭からギャレットに視線を移し、鼻から息を吐いた。
「まだ諦めないのか。我ながら諦めが悪いな」
「オブリビオン相手に諦める気はさらさらないのでな……!」
 ギャレット同士の再びの鍔迫り合いが起こる中、エリカは冷静に学園生からの情報を思い返していた。
 学園生達が導き出した解決方法は無理せずこの場から逃げ出すこと。相手の思考回路はあくまで自分と同じ。「戦う」と決めたら戦い、「戦わない」と選べば見逃すのだ。
 しかしそれではこの奥に潜むヴァルサリッサの元へは永遠に辿り着けなくなってしまうという問題もあった。
「どのような方かは知りませんが、性格が悪いことは何となく予想がつきますね……」
 周囲のお菓子のようには甘くいかない相手にエリカの眉間に皺が寄る。そしておもむろに立ち止まるとギャレット達に向けて弾丸を放った。
 すると明後日の方向から飛んできた別の弾幕と衝突し、溶けたチョコレートの床に沈んでいった。
「狙いも同じ、と。こうなったら先に本体たる鏡を見つけることが先決でしょうか……」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

吉柳・祥華(サポート)
『妾の存在意義とは何ぞや?何ゆえに此処に在るのかぇ?』

旧き時代に祀られていた龍の化身で在ったが
護るべき国と民は既に無いのに何故…自身が現世の『神』として顕現したのかを思案と模索する戦巫女

物腰は柔らかく絶えず微笑を湛える優美な女性であるが
過去の出来事から人(他人)に対しては意外に辛辣…
優美に微笑を浮かべるが実は目が笑っていない

ユーベルは指定した物をどれでも使用
その辺はMSの采配に任せます(意外な使い方とか参考になるから)

基本、他の猟兵に迷惑をかける行為はしないが
必要なら悪乗りはする流れ(他の猟兵と同意と言う設定で)
まぁ…流石に依頼の成功の為と言えど公序良俗に反する行動はNG

連携アドリブ等はお任せ



「お菓子のダンジョンとは懐かしいのぉ。あの時は作る側じゃったが」
 扇子で口元を隠しながら吉柳・祥華(吉祥龍彩華・f17147)は笑みを浮かべる。
「そうじゃな。持ち込みが禁止されておったり、現地であった者と即席で歩みを合わせて家を作ったり……」
 記憶までも模倣した偽物はアリスラビリンスの戦争で訪れたお菓子の国のことを思い出し、同調して頷く。
 すると突如湧いて出た荊棘の檻が偽物の周りを囲い込んだ。
「き、貴様、今はまだ昔話をするだけではなかったのか!?」
 檻がどんどんその範囲を狭め偽物の可動区域を少なくしていく中、祥華の体内に封じられた瘴気が形を成して荊棘に覆われた怨龍となる。
 偽物へ這い寄るその姿を見た偽物が慌てながら抗議するのを、右から左に聞き流しながら祥華は氷柱のように天井から生えていた棒状の菓子をへし折り、口に運んだ。
 程よい塩味に祥華の顔が綻ぶ。対して龍に体を貪られている偽物は悲鳴混じりに呼びかけていた。
「どうなんじゃ、その氷柱の味は!? 妾にも教えてはくれぬか!?」
 質問口調なのは答えた瞬間に【怨龍檻獄】を仕返そうという算段なのは余裕で想像がつく。故に祥華は常に口の中に菓子を入れることで無視をし続けた。
 そしてポテトチップスの簾をめくり、隠れていたシャドウミラーの姿を露わにする。
「なあ、少しくらい、答えてくれたって良いのではないか!?」
「そうじゃな。騙したような形になって申し訳ないとは思うとるよ」
 祥華は鏡面を叩き割ると同時に、最初で最後の答えを返した。

成功 🔵​🔵​🔴​

ハンナ・レドウィッチ(サポート)
ふふん、どうやら大天才邪竜神様の手助けが必要なようね。
不要と言われても助けに行くから、安心して崇め奉りなさい!

超自信過剰なオラトリオの自爆魔法使い。UC大召喚を使用しない間(使用予定無し)、UCの成功率が下がる(お任せ)為、よく自爆して気絶します。
棒術に長け、マイケルくんでの接近戦が得意ですが見た目は若くてもお婆ちゃんなので腰に来ると戦闘不能に。
UCは選択した物を自爆を何故か恐れず強気で使用し、成功すると小躍りして喜びます。

接近戦ではマイケルくんで攻防一体の戦闘を行い、他猟兵と積極的に連携。
隙を見て、あるいは調子に乗ってUCを使用します。
アレンジその他全てお任せ致します!



「ふふん、こんなに苦戦してるだなんてどうやら大天才邪竜神様の手助けが必要なようね。不要と言われても助けに行くから、安心して崇め奉りなさい!」
 そう胸を張りながら猟兵達の前で豪語したハンナ・レドウィッチ(天災級自爆魔法使い・f31001)を偽物は鼻で笑っていた。
「苦戦するに決まってるじゃない。……だってハンナちゃんの相手はこの大天才邪竜様なんだから!」
「ふっ。ただの模倣しか出来ない鏡が偉そうな口を聞いているわね? その考えが間違ってる、ってことを今ここで教えてあげるわ!」
 そう言い放つハンナに応じるように偽物も杖を構える。
「『この大天才邪竜神様にかかれば、ただのウィザード・ミサイルもトンでもない力を出せるんだから!』見てなさい!」
 そして展開されるは何百発もの炎の矢。
「さあ、私の前で偉そうなことを言ってしまったことを後悔しなさい!」
 同じ言葉を叫びながらハンナとその偽物は矢を放った。
 しかし僅か5m程度しか飛ばない矢は互いの体に触れる前に暴発し、周囲の壁をハンナごと吹き飛ばしていく。そして一発一発の範囲は短くともそれが何百発、しかも通常の2倍となれば被害範囲もとんでもないこととなる。
 結果、ダンジョンメーカーが作り出したお菓子の城の一部はシャドウミラー本体も壁も罠もまとめて全部吹き飛ばされ、完全な更地と化した。
「派手にやったわね……あんたら正気なの?」
 突然の爆風によって直通路が出来た玉座の間に座っていたヴァルサリッサは頬に手を当てながら苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『ヴァルサリッサ・アフトクラトラス』

POW   :    不滅進化~超魔王には同じ手は通じない~
【受けた攻撃の属性に耐性を持つドレス姿】に変身する。変身の度に自身の【攻撃に付与される属性】の数と身長が2倍になり、負傷が回復する。
SPD   :    運命逆転~弱者は超魔王に抗う事すらできない~
【運命操作の魔力】を解放し、戦場の敵全員の【プレイングボーナス】を奪って不幸を与え、自身に「奪った総量に応じた幸運」を付与する。
WIZ   :    創世魔術~超魔王の意に従い世界は作り変えられる~
【ダンジョンメーカーの光】を降らせる事で、戦場全体が【敵の最も苦手な物で埋め尽くされた戦場】と同じ環境に変化する。[敵の最も苦手な物で埋め尽くされた戦場]に適応した者の行動成功率が上昇する。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠幻武・極です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ニノン・トラゲット(サポート)
『容赦なんてしませんから!』
『アレ、試してみちゃいますね!』
未知とロマンとお祭りごとを愛してやまない、アルダワ魔法学園のいち学生です。
学生かつ魔法使いではありますが、どちらかと言えば猪突猛進でちょっと脳筋っぽいタイプ、「まとめてぶっ飛ばせばなんとかなります!」の心で広範囲への攻撃魔法を好んでぶっ放します。
一人称はひらがな表記の「わたし」、口調は誰に対しても「です、ます、ですよね?」といった感じのあまり堅苦しくない丁寧語です。
基本的にはいつも前向きで、ネガティブなことやセンチメンタルっぽいことはあまり口にしません。
その他の部分はマスターさんにお任せします!


ニクロム・チタノ
ちょっとおなかを空かせて来たのにお菓子ないじゃない?
悪堕ちしてからずっと空腹なんだナニかタベナキャ・・・あ、キミ食べてもいい?
許しておなかペコペコなんだ、ガブッ
うん、美味しいそんなに怒らないで代わりにボクの猛毒ヘドロをプレゼントするからついでにヒラヒラしてるドレスも食べちゃう、キズが治ってもヘドロの猛毒は強烈に身体に残ってキミを蝕んでいくよ巨大化してもね?
ボクのヘドロ細胞も活性化してきたし毒素もどんどん強くなるよ、どっちが先に倒れるか勝負しようか
もう反抗の加護はないボクは一匹のヘドロ怪人さ


クリミネル・ルプス(サポート)
関西弁の元気な肉体武闘派人狼。
人狼の身体能力と鍛えた格闘技で戦う。
痛み等の耐性用いての潰し合い上等。
体内に蓄積させた糖原物質を使用した搦め手も使う。
周囲(空間、物質)の匂いからの状況把握推察も可能。

基本は『生き残る事』だが、オブリビオンは許さない姿勢。
特に命や尊厳を踏み躙る系統には本性(真の姿など)が出る。
【ネタ、絡み、合わせなど歓迎です】
【肌の露出やエッチな事には羞恥心はあまり無い。彼氏持ちで一線は超えさせない】

・真の姿時
身体能力の向上と体の変化。
戦闘思考が先立ち、やや、残忍(確実にトドメ刺す)



「あなたがヴァルサリッサさんですね! そのダンジョンメーカーは返していただきます!」
「ウチらが来たのに椅子に座って余裕そうやねぇ! 」
 小柄なニノン・トラゲット(ケットシーの精霊術士・f02473)の背を守るようにクリミネル・ルプス(人狼のバーバリアン・f02572)が啖呵を切る。
 しかしヴァルサリッサは澄ました顔で座り続けていた。
「弱い犬ほどよく吠えると言うでしょう? 超魔王たる私が焦るわけがないじゃない」
「弱い犬かは戦ってから判断しぃやー?」
「ええ、さっきハンナさんが証明してくれました。まとめてぶっ飛ばせばなんとかなります!」
 そう叫んでニノンはヴァルサリッサを指差す。すると先程の爆発で天井に開いたばかりの穴から大量の光線が降り注いだ。
 視界が白い光に包まれ、玉座が砕け散る音が響く。
 強引に立ち上がらせられたヴァルサリッサの背後に音もなくクリミネルが忍び寄る。
 そしてヴァルサリッサの左足に自分の左足をからめるようにフックさせ、右腕の下を経由して自分の左腕を首の後ろに巻きつけた。
「コブラ、ツイストォ!」
 そして背筋を伸ばさせるように自分の体も伸び上がさせ、両手をクラッチさせる。完全に入った極め技にヴァルサリッサの顔がついに強張る。
「なかなか、やるわね……でも、私にも味方はいるのよ!」
 不気味に脈動していたダンジョンメーカーから光が放たれる。すると辺りが一気に高温となって玉座の周りにあった菓子類が溶け出す。
 さらに小柄だった体が巨大化していき、極められていた部位を守るようにドレスが変形し出す。
 噴き出した汗による滑り、体格差の逆転、そして服による締めの弛みが重なってクリミネルの拘束は解かれた。
「いつまでくっついているの、暑苦しいのよ!」
 力任せに振り払われたクリミネルは宙で回転し着地する。その隣にニノンが駆け寄る。
「っちゃー……あのまま落とせれば最高だったんやけど……」
「どうしましょう、もう一回目眩しに一発撃ちますか」
「あれぇ? ちょっとおなかを空かせて来たのにお菓子ないじゃない?」
 突然の悪臭と声に2人は咄嗟に鼻を隠し、振り返る。するとそこには青黒い肌から緑色の汗を流すニクロム・チタノ(反抗者・f32208)が体をふらつかせながら玉座の間に入ってきていた。
「反抗者じゃないよ、悪堕ち反抗怪人だよ……えへへ……」
「に、ニクロムさん……?」
 呂律が回っておらず、明らかに見た目も様子もおかしいニクロムを2人は呼び止められず見送る。
「ずっと空腹なんだナニかタベナキャ……あ、キミ食べてもいい?」
「何を言っているのこの子……」
「許してもうおなかペコペコなんだ」
 初対面ながら異様さだけは分かった様子でヴァルサリッサも口元を隠しながら後退る。その右脚に歩み寄ったニクロムは何の躊躇もなく噛み付いた。
「がっ!?」
「うん、美味しいそんなに怒らないで代わりにボクの猛毒ヘドロをプレゼントするから」
 そう言っている間にもニクロムの体から流れる緑色の汗が濃さと粘性を増していく。
「キズが治ってもヘドロの猛毒は強烈に身体に残ってキミを蝕んでいくよ巨大化してもね? ボクのヘドロ細胞も活性化してきたし毒素もどんどん強くなるよ、どっちが先に倒れるか勝負しようか」
 ヒラヒラしてるドレスごと食い破る小さな歯によってついた噛み跡に同じ色の唾が流し込まれる。その毒にヴァルサリッサは体の異変を感じ取った。
 鼻が潰れ、右脚の肉が腐って動かなくなるような感覚。あらゆる物に耐性を持てるとしても、その前に壊れてしまった物を戻す術はない。
「こんの、汚らしいっ……! さっさと離れなさい!」
「汚らしい? そうだねもう反抗の加護はないボクは一匹のヘドロ怪人さあははははははは」
 狂ったように笑うニクロムとの対話を諦めたヴァルサリッサは手に持った杖で思いっきりダンジョンメーカーを叩く。
 すると玉座の間全てを洗い流すような大量の水流が流れ込んできた。
「汚物は汚物らしく流れてなさい!」
 自滅覚悟の凄まじい圧を前にニクロムは耐え切れずヴァルサリッサのふくらはぎから口を離し、勢い良く流される。
 何も掴まるアテがなく、アルダワの奥深くへ引きずり込まれることを覚悟したニクロムへ大声がかけられた。
「ニクロ……いや、明日香はん!」
 そして温かい手が、洗い流されて一時的に清潔となった腕を強い力で掴んで強引に吊り上げた。
「危なかったわ、急カーブしてこっちに来なかったらどうしようもなかったで」
 水が引き、持ち前の怪力でしがみついていた天井から飛び降りたクリミネルの手から明日香は滑り落ち、その場に座り込む。
「そうですよ、真っ直ぐ流されたはずなのに急にグーンって曲がって! きっとチタノ? 神様のおかげですよ、まだご加護は残ってるんですよきっと!」
「……う、うっ、うわぁぁぁぁぁ」
 興奮混じりのニノンの言葉を聞いて子供のように泣きじゃくり出した明日香を前に、2人の頭の中からヴァルサリッサの存在は完全に抜け落ちたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

西院鬼・織久(サポート)
※過度なギャグ、性的な要素のあるシナリオはNG

【行動】
オブリビオン狩が最優先
口調等ステータス参照

五感と第六感+野生の勘で状況を把握し敵行動を予測
罠や逃走する敵の追跡などは戦闘知識の応用で対処する

「闇器」を場面に応じて使い分ける
武器は怨念の炎(呪詛+生命力吸収)を纏い継続ダメージ付与

先制攻撃を仕掛け狭い場所でも縦横無尽に動き回り死角から攻撃
殺気を抑え暗殺を行う事もできるが、大抵は特攻紛いの攻撃特化

集団にはUCやなぎ払いを範囲攻撃に広げるか、単体を夜砥やUCで拘束して振り回して周囲をなぎ払うなどで攻撃

敵の攻撃は残像などのフェイントや武器受けで受け流しカウンターを行う等全ての行動を攻撃に繋げる



 噛まれた右足を引きずるヴァルサリッサを見て、西院鬼・織久(西院鬼一門・f10350)は呟く。
「なるほど、耐性はつけても傷や状態異常がすぐに治るわけではないと。……それは良かった」
「何が良いのよ!」
 ヴァルサリッサはその言葉を聞き逃さず、顔を歪ませながらも大声で怒鳴る。すると殺意と狂気で爛々と光る瞳はその姿を中心に捉えた。
「殺した側から治られてしまえば、永遠に殺し続ければならんからな」
 ダンジョンメーカーから発せられる光で伸びた影がヴァルサリッサのそばで突然爆発する。
『何人たりとも死の影より逃れる事能わず』
 そしてそれによって起きた砂埃で視界が遮られている間に一気に距離を詰めた織久は怨念の満ちた炎を纏った黒い大鎌で切りかかった。
 空気を切り裂く音に反応したのか、刃と杖が交錯し激しく削り合う。
 だが突然地面から伸びた黒い腕が防御の構えを強引に崩すとガラ空きになった腹部を深々と抉った。
「うっ、ぐうっ……!」
 傷口はすぐに焼き固められ、必要以上の血は出てこない。しかしそれには大きな痛みが伴った。
「まだまだ我等の攻勢は止みません。超魔王とやらがどれだけしぶといか、見せていただきましょう」
 そう言って織久は黒い物体がこびりついた自分の腕を引き上げる。するとヴァルサリッサの腕を拘束する物体が連動するように地面に沈み、脇腹を地面に叩きつけた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ティー・アラベリア(サポート)
家庭用人形ティー・アラベリア。ご用命を受け参上致しました!
あの敵はどんな攻撃をしてくるのかな?どんな弱点があるのかな?
とっても、とーっても楽しみですね!

・基本行動
他の猟兵をサポートするように行動します。
魔導波探信儀(偵察・第六感・地形利用)で敵を分析し、92式魔杖(制圧射撃・砲撃)を用いた火力支援で他の猟兵が攻撃・防御する隙を作り出します。
必要に応じて90式魔杖(貫通攻撃・スナイパー)を使用した対装甲戦闘、95式魔杖(対空戦闘・一斉発射・誘導弾)を使用した対空戦闘も実施します。

・UC使用
火力が必要な場合:砲撃妖精突撃射撃
弱点を探す必要がある場合:斥候型妖精召喚

※アドリブ・連携歓迎です※



「さしずめ、俎板の上の鯉ならぬ超魔王といった所でしょうか! 殴り放しというのもまた乙な物でございます♪」
 愉しげに笑うティー・アラベリア(ご家庭用奉仕人形・f30348)の言葉に地べたに這いつくばらされたヴァルサリッサは歯を食いしばらせる。するとダンジョンメーカーから眩い光が放たれ、拘束していた影を消し飛ばした。
 即座に立ち上がって距離を取ろうとするヴァルサリッサに向け、ティーは92式魔杖の先を向けて号令をかける。
「目眩しは奉仕人形には通用しませんよ♪ 『砲撃妖精躍進射撃!すべての火力を前方に!すべての敵を灰燼に!』」
 500体をゆうに超える魔導砲撃妖精達の先頭が光線砲弾の雨霰を叩きつける。ダンジョンメーカーによって降らされた雨によってその一部は防がれたが微々たる物。
 そもそも大柄な体格かつ毒で弱った脚で辺りを埋め尽くさんばかりの弾幕を避け切ることは厳しかった。
「ボクの苦手な物として雨を選んだのは当たりですよ、お召し物や玄関が濡れますし洗濯物も干せないですから! でも、戦いとはまた話が別なのをお忘れなきよう!」
 そう言ってティーは90式魔杖から魔法の弾を放つ。高出力の魔力を一点に照射し、爆縮を発生させて相手の体を破砕させることに特化した一発はヴァルサリッサの左肩を粉砕した。

成功 🔵​🔵​🔴​

四十物・寧々(サポート)
サポートプレイングです。

ひとつの肉体に複数の人格を有し、人格ごとに別々の特性を修得でき、人格を切り替える事で様々な状況に対応できます。(多重人格者の種族説明より抜粋)

そのため、口調は「現在の状況に対応できる人格」です。
シナリオ進行に必要な内容など、喋らせたいことを喋らせて下さい。

使用するユーベルコードの指定はありません。
「成功」の結果で書けそうなものを一つステータス画面からお選び下さい。

多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。

あとはお任せ致します。
宜しくお願い致します。



「知ってますか? RPGの魔王も大魔王も、最期は勇者にやられる物なんですよ」
 左肩を押さえながら片膝をついたヴァルサリッサに向けて言い放つ四十物・寧々(あいもの・ねね・f28377)の後ろに立っているよく似た風貌の2人も口を開く。
「なあ、放っておいたらどんどん強くなるんやろ? さっさとドデカイ一発カマして終わらせようや」
「で、でも、一応『超』魔王さんですし、辞世の一句ぐらい詠ませてあげては……」
「最期? 終わらせよう? 辞世の一句? ふざけんじゃないわよ! この私が、やられ放しで終わるわけが……!」
「やりますよ、私」
「ほいきた!」
 激昂しながら言い返してきたヴァルサリッサを適当にあしらい、怒りの寧々は持っていたボンボンを思いっきり握り潰す。するとポンポンはエアバッグのように巨大化し、拳の中から飛び出した。
「よっしゃ悲しみの! 逃げんじゃ、ないでぇ!」
 それが先端についた紐を手元で豪快に振り回し、悲しみの寧々に向けて投じる。
「なんで私を一々経由しないとダメなんですかぁ!」
 悲しみの寧々が綺麗に上へ跳ね返し、ポンポンは宙を舞う。そこに助走をつけてから跳んだ寧々の掌が叩きつけられた。
『これで終わりです! これが私のユーベルコード、【スリー寧々アタック】!』
 3人の寧々の力が込められたことでポンポンはさらに膨張し、ヴァルサリッサへ迫る。ヴァルサリッサは思いつく限りの短めの詠唱で済む魔法を次々に放ったがポンポンが壊れることはなく、無惨に潰された。
 怒りの寧々がポンポンを引きずり退かす。しかしその下にヴァルサリッサの姿は無かった。
「逃げられましたか……」
 だがこれで邪魔は入らない。寧々はダンジョンメーカーを解放すべく、指を動かし始めた。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年08月19日


挿絵イラスト