妖怪花火、海から見るか、宙から見るか(作者 しべりあ
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#カクリヨファンタズム  #お祭り2021  #夏休み 


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●それとも貴方が花火になるか
 数多の猟兵たちが花火咲き誇る陰謀の渦(?)に巻き込まれる中、とある噂話がまことしやかにささやかれ始める。
 この浜辺のどこかにあるという伝説の花火スポット。
 そこにたどり着くことが出来た者は、『なんかこう、すごいことになる』と。
 とてもふわふわした噂だが、そこは何が起こっても不思議ではない世界筆頭のカクリヨファンタズム。
 猟兵たちは見果てぬ夢を追いかけて、大海原へと漕ぎ出した。
 時はまさに大花火時代!!

●妖怪たちが夏を刺激する
「ということじゃ」
 クルクルとグリモアを高速回転させて遊んでいるウルフシャ・オーゲツは、久々に猟兵たちの前に顔を見せたかと思えばいつも通りによくわからない事を言い出していた。
「あー、つまりじゃな、その『スポット』とやらに行くと何やらすごい事が起こるらしい、むっちゃ気になる。でも自分で探すにはめんど……もとい、広すぎるじゃろ? そこでちょっと力を借りようと思ってのぅ!」
 夏休みのちょっとした冒険というやつじゃな、と笑顔を浮かべて嘯きながら、彼女は話を続ける。
「問題としてはその『スポット』というのが『花火を打ち上げるスポット』なのか『花火に打ち上げられるスポット』なのか、はたまた『花火を見上げるスポット』なのかが不明瞭という点でな」
 更に言えば、それが1か所だけである、という話でもないらしい。
「というわけで、適当に楽しんで面白い事が起こったら教えてくれい!」
 転送は任せろー、バリバリー……。そんな声を背中に受け、君たちは気が付けば砂浜に立っていた。

 さあ、冒険の始まりだ!


しべりあ
 どうも皆さん、気が付けば半年ほど経過していました。どういう事なんだ……?
 しょしんしゃのしべりあです。

 ウォーミングアップもかけて夏休みを満喫してみようと思います。
 今回は適当に『こんなすごい事が起こる』と描写していただきましたらなんかすごい事が起こります。
 花火を目くらましに突如海の幸のフルコースが強制的に口に飛び込んできたり、水着だけが燃える花火が急に襲い掛かってきたり、生足魅惑のマーメイドがローリングソバットしてきたり、花火を見ているだけで飲んでもないのに急に酔っぱらい始め目が覚めた時には記憶がなかったりするかもしれません。
 そんなひと夏の過ち……もとい、冒険に貴方も出かけてみませんか?
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第1章 日常 『猟兵達の夏休み2021』

POW妖怪花火で空へGO!
SPD妖怪花火の上で空中散歩
WIZ静かに花火を楽しもう
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


アリス・フォーサイス
花火を打ち上げたと思ったら、花火に打ち上げられていた。何を言ってるのかわからないと思うけど、ぼくも何が起きたのかわからない。

面白そうだと思って、花火スポットを探していたんだ。そこが特別だってことは見てわかった。花火玉と発射台があったから、以前、花火職人さんに教えられたとおり発射してみたら、自分が打ち上げられていた。

花火を見にきたね妖怪さんたちがすごく小さく見える。花火ってこういう気持ちだったんだね。


●あの花火はきっと全てがぼくだから
 ヒューーーーーールルルルルルルル……。

 花火が打ちあがり、風を切る音が響き渡る。
 それをこんなにも身近に感じられる経験はそうそうないだろう。
 と、現在進行形で空に打ち上げられながら、アリス・フォーサイス(f01022)はどうしてこうなったのかを思い返す。
「何かすごい事の起こるスポットかぁ、なんだか面白そうだね」
 そんなことを呟きながら、あちこち回り、花火スポットを探し回っていたあの時、アリスは何かに惹き寄せられるかのように、その場にたどり着いた。
 誰もいない場所に、堂々と鎮座していたのは花火玉と発射台。
 不思議と誰も近寄ろうとしないその場所が、何かしらの特別な場所である、と察したのは当然の事だろう。
 そして、その場に球と台があるのなら、打ち上げたくなるのは自然な流れである。
 幸いなことに以前、花火職人から打ち上げ方を教わっていたこともあり、アリスは滞りなく花火を発射することが出来た。
 そう、全ては教えられたとおりにやった。
 以前はそれで問題なく打ち上げられたのだ。

 しかし気が付いた時には打ちあがっていたのは自分だった。

 打ち上がっていく最中、風を感じながら地上を見下ろす。
 数多の猟兵や妖怪たちがものすごく小さくなっていき、それでもこちらを見上げているのがしっかりと分かった。
「花火って、こういう気持ちだったんだね」
 老若男女、種族も問わず、皆が空を、花火を、つまりは自分を見つめているという不思議な感覚。
 そんな気持ちのまま盛大に打ちあがった花火は、少女の笑顔を思わせる朗らかなものだったという。

●しかし花火は繰り返す
 アリスは目を覚ます。
 さっきのは夢だったのだろうか。自分が花火になって打ち上げられるような、妙な夢だった。

 ヒューーーーーールルルルルルルル……。

 いや、まて、夢ではない。
 今もまた自分は打ち上げられているではないか。
 もしやこの花火大会が終わるまで自分は延々と打ち上げられるのだろうか。
 終わったとしても無事に戻れるかどうかも分からない。
「もしかして……」
 アリスの脳裏に一つの仮説が宿る。
 これは、もしかすると、ループ脱出系の物語ではないか、と。
 つまり求められているのは、一瞬ともいえる花火の中で、いかにこの状況を打開するかということ。
「ちょっと変わった味付けだけど……いいね、やってみようか」
 花火の数だけ繰り返される、アリスの戦いが、始まる。
大成功 🔵🔵🔵

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
成程、楽しそうですぅ。

折角ですから、『お食事』に関連する場所を探してみましょう。
【饒僕】を発動『僕』の皆さんを召喚、該当する場所を[情報収集]していただきますねぇ。

そして見つけたのが『花火を見ながらお食事を楽しめる場所』なのですが。
美味しくて種類も豊富、且つ文字通り山の様な量が有る代わり『全員で此処にある品を全て食べ切らないと出られない』ですかぁ?
まあ、私からすれば全く問題の無い量ですし、[大食い]を得手とする『僕』達もいますので、全て食べ尽くしてしまいましょう。
他の迷い込んだ方々を帰してからお代わり、も有りですかねぇ?
後は、グリモア猟兵さんへの御土産が欲しいのですが。


●やがて神と称えられ、お供え物としてお土産を大量に持たされたそうな
「こっちから美味しそうな気配(におい)を感じるんですねぇ?」
 数多の小動物たちに連れられて少女がやってくる姿は、それだけでどこか、物語の中に迷い込んだような不思議な感覚を覚えさせる。
 その小動物が夢ヶ枝・るこる(f10980)自らの僕であろうと他の者は知る由もないし、知っていたとしてもその光景が神秘的な物を感じさせるのは間違いない。
 彼女が生来持っている神聖な気配も関係しているのだろうか。
「成程、楽しそうですぅ」
 そう言ってほほ笑むるこる。
 その視線の先には比喩でもなんでもなく山となっている、豪勢でかつ食欲をくすぐってくる美味しそうな料理が鎮座していた。
 山は一つではなく無数に存在している。
 よく見ればその山の一つ一つに1人、挑戦者であろう者が倒れ伏していた。
 おそらく、あの山一つが一人前の食事、という事なのだろう。
 その会場の背景には妖怪花火が燦然と輝いているのだが、倒れ伏している敗北者たちはその光景を目にすることもかなわずにうめき声を上げるのみだ。
「厳しいなら程よく食べれば……あら?」
「も、もう食えない、ここから出してくれええええええ」
「な、なぁ、あんた、手伝ってくれよ……おれはもう、無理なんだ……」
「おれも、もう、だめ……」
「かゆい……うま……」
 ここは山を『すべて』食べきらないとここから出ることはできない。
 そう、『すべて』。
 それは、自分以外の者に用意された山も含まれる。
 誰かを助けに入りたくともまずは自分のノルマを完遂させなければ入ることもできない。
 奇跡の不思議パワーで常に美味しい状態に維持される料理であろうとも、その量は暴力的である。彼ら彼女らがここから脱出するには1年や2年では済まないだろう。
 さらに言えば新しい挑戦者が来た時点で新しい山が追加されるのでおかわりもばっちりである。
「お嬢ちゃん、わるいことは言わねぇ、近寄っちゃ……」
 まだかろうじて目に光の残っている挑戦者がるこるへと声をかける。それは、せめてもの犠牲者を減らそうという心遣いか、もうこれ以上おかわりを増やさないでくれと言う儚い願いか。
 だが、るこるはどこ吹く風と言わんばかりににその場に立ち、自らに課せられることとなる山の発生を見届ける。
「まあ、私からすれば全く問題の無い量ですし……」
「ひょっ?」
 文字通りに見上げる量の料理の山へとるこるの微笑む姿に、挑戦者は困惑する。
 すべてを分かった上で、この少女はここに立ったという事実。
 そして、その上での、笑み。
「見ろよあの余裕の笑顔……」
「アイツは……やるかもしれねぇ……!!」
 救世主の到来を待ち望んでいた屍たちは、花火よりも何よりも、るこるへと視線を向け始める。
「それではみなさん、いただきますぅ」
 手を合わせたるこる、そしてその周りに鎮座するのは小動物の姿であろうと一匹で山を平気で制圧できる戦闘力をもった僕たち。
 こうして長き戦いが始まり、やがて。

 ――るこるたちは、伝説になった。
大成功 🔵🔵🔵

秋山・軍犬
まずは、凄い事が起こる花火スポットについて
現地住民の、酒も飲んでないのにほろ酔い気分で
強制的に口に飛び込んでくる海の幸のフルコース
を堪能しつつ、襲い来る水着だけが燃える花火を
ローリングソバットで迎撃してる
生足魅惑のマーメイドさんに話を聞いてみた

彼女が語ってくれたのは
妖怪花火が夜空に大輪の花を咲かせた時に
呼応して、まりで花の海の様に咲きこぼれるという
妖花【幽世千輪菊】の伝説(花火スポット)

その姿は花火の如く鮮烈で美しく
また、食せば 荒ぶる魂を鎮め癒す
霊薬にすらなるという…つまり食材

見果てぬ夢(食材)を追いかけて
大花火時代へと漕ぎ出した軍犬の
冒険の行く末は~…お任せプレイング!

※アドリブ歓迎


●仙人でなければ耐えることのできない過酷な道のり
「ところで、モゴッ! ききたい、モゴゴッ! ことがっ!?」
 口を開けば飛び込んでくる海の幸フルコース。
 味はいい、命の危機も感じない絶妙な飛込具体。
 しかし会話もまた、絶妙に困難。
 そんな状態にも決して折れることのない我らが秋山・軍犬(f06631)は、酒の提供を一切されてないはずの酔拳使いの原住民たちとの戦い(ききこみ)を繰り広げていた。
 予測不可能な動きから繰り出されるその拳と共に叩き込まれる海の幸。
 これこそが噂の正体だったのだろうか。
「あんたにゃあ負けたぜ……ヒック……行きな、この先に答えがあるぜ……ヒック」
 そう悩みながら続いた戦いの果て、倒れ伏した酔いどれの言葉に従い着いた先。
 そこいたのは水着を燃やそうと粘着質に襲い掛かってくる花火を華麗に蹴り飛ばして軌道を変え、男だらけの砂浜をアッー!な状態にして満足そうな笑顔を浮かべている生足がまぶしいマーメイドのお姉さんであった。
 確かに人々を引き付けてやまない魅力はあふれていそうだが、それと同時にどことなく腐っている気配もまたあふれているのはたぶん気のせいである。
「あら……貴方……いいわね?」
 どこか底冷えのする笑顔を浮かべているが気のせいである。
「あんたなら、凄い事が起こる花火スポットについて……!?」
 話の途中であろうとも容赦なく撃ち込まれてくる花火。すんでのところで回避する軍犬だったが、しかし、その回避した花火をまたしても華麗に蹴り飛ばすマーメイド。
 だが、事前に見ていた技を回避できないのは闘士としては当然のことであり、猟兵である軍犬としても同じことである。
「チッ……いいわ。あなたから感じる強い仙人力(せんにんちから)……それがあればもしかするかもしれないしね。……教えてあげる」
「どういうテストっすか……」
 軍犬の疑問に全く答えないまま、彼女は語った。


●キミは交友を結んでもいいし、打倒して戦利品として持ち帰ってもいい、それに種を植えたらまた生えてくるだろう
「えーっと、妖怪花火が夜空に大輪の花を咲かせた時に呼応して、まるで花の海の様に咲きこぼれるって妖花【幽世千輪菊】……だったっすか?」
 妖花【幽世千輪菊】。
 それは花火のように鮮やかで、食せばたちまちにあらゆる病どころか荒ぶる魂すらも鎮め癒す、とされた霊薬にもなるという伝説の植物。
 良薬は口に苦しとはいうものの、その味を知るものはおらず、もしそうだったとしても料理のレパートリーに苦みとは少なからず存在するからおおむね問題ない。
 それどころか、ものすごくおいしいかもしれない。
 だが、その場所へとたどり着くための道は険しく、様々な戦いを切り抜ける必要があった。
 他の猟兵も戦っていた山のように襲い来る料理をすべて平らげなければ先に進むことのできないエリアや、いちゃつくカップルをゴールインさせなければ出られない罠。
 未来を読んで攻撃してくるどこかで見たような白い騎士的な何かだとか、妙な構えを取っているときに攻撃すると全て倍にして叩き返してくる大魔王だとかが出てきたときにはもうだめかと思った。
 でも、それでも、今目の前には確かに聞いた通りの光景が広がっていたのだ
「それでも、自分は、たどり着い……」
「ククク……よく来たな」
「!?」
 確かに、声が聞こえた。
 後ろから? 右? それとも左……いや。
「まさか……」
「そう、私が、妖花【幽世千輪菊】……」
 なんと しょうめん に たたずんで いた はな が しゃべりだし かまえ を とっている !
「ここまでたどり着くものは少なからず存在していた、だが、その悉くは私の養分になってきた。猟兵であろうとそれは例外ではない!」
 妖花の足元に転がる骨はその残滓だろうか。
 ……何かどこかで見たような褐色ピンクな猟兵が首だけ出して埋められているような気もするが気のせいだろう。
「さぁ、果たしてこの花火が終わるまで、貴方は楽しませてくれるかしら!」
「いい度胸っすね。最高級の食材を前にしたフードファイターの……、そして超級料理人の力を、みせてやるっすよ!」
 黄金に輝き数多の宝貝を展開し、共に戦ってきた仲間や強敵たちと共に、軍犬は最後の戦いに挑む。

 全てが終わった時、花火の輝く空を背景に立っていたのは、ボロボロとなりながら拳を空に突き上げて立つ、一人のフードファイターだったという。
大成功 🔵🔵🔵

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

ううむ、『なんかすごいスポット』見つからん。
ならば自分で作ればいいじゃない♪というわけで模倣結界術☆
ま、せっかくだし『まぼろし橋』でも再現して『あの子』の幻影と花火の上でしっぽりしましょ♡
『あの日』いらい私がエミュり続けてる『あの子』、異母姉のアリス・ロックハート。勿論エミュってるので趣味嗜好は今の私と同じよ♡とういかほぼあの子に仕込まれたものだしね、ヤることは当然いつものアレでございます♡大丈夫大丈夫、倫理結界術も展開してるから♪
『   』
『あの子』がかつての私の名で呼びかけてくる。懐かしく……もないわね、大祓百鬼夜行の『まぼろし橋』が元だし。


●せかいのはじまり
 アリス・セカンドカラー(f05202)は悩んでいた。
 『なんかすごいスポット』が見つからないのだ。
 いや、あちこちでものすごい奇跡が巻き起こっている気はするのだが、それがアリス自身の求めている『なんかすごい事』ではなかったのかもしれない。
「ならば自分で作ればいいじゃない♪」
 つまりは、最終的にこうなることは確定的に明らかだったのだろう。
「せっかくだから、あれも、これも、あとあっちも……」
 多重に展開されていく数多の結界は、外部から隔絶常人が簡単に入り込むことのできないセキュリティとなり、『なんかすごいスポット』としての必要条件を着実にクリアしていく。
 そう、『なんかすごいスポット』とはもとからあるものではなく、花火があげられるたびに何者かによって生み出されるものだったのだ。
 発生条件こそいくつもあるが、その条件が何かしらの原因で重なった結果、発生する不可思議現象。
 それは、状況を生み出した本人すら予想できない方向に暴走をはじめる。
 だが、その暴走すらもが他に漏れないというのも必要条件なのだから始末に悪かった。

●りそうのくに
 そこは不思議な場所だった。
 地面は本来立てるはずもない雲としか言えないモノでできており、常にふわふわとした、どこか思考にもやがかかっているような感覚が付きまとう。
 ……いや、違う。
 本来ならばこここそが人々の住まう理想の場所なのだ。
 今までいた場所は幻であり、こここそが真に住まうべき場所。
 自分を縛っていた常識を脱ぎ捨てて、思ったままの自分にされる……なることのできる世界。
「……あれ、ここまでするつもりじゃなかったんだけど」
 アリス・セカンドカラーはいつしか隣に立っていた異母姉、アリス・ロックハートと共に首を傾げる。
 すでにそこには、彼女の世界の住人たちが思うがままに過ごす光景が広がっていた。
 そう、アリスたちの仕込みをこれでもかと受けた住民が思うがままに、である。

 やばかった。

 とても公共の電波どころか裏の電波にすら乗せることもできない光景であった。
 幸いというべきか、アリスたちの趣味嗜好と一致した存在しかいないこともあり、ある意味神話的な美しさがある……のかもしれない。
 取り込まれるとすべてがアリスたちの趣味嗜好に一致した存在になってしまう、という事実に気が付く者がいれば恐怖を覚える者もいただろうが、気が付いた時には手遅れである。
「……まぁ、いいわよね♪」
 アリスたちもまた、二人きりとなれる場所で花火を背景に楽しむことにした。
 邪魔者が入る事のない、この世界で。

 ありとあらゆる世界の、絶望した迷い人が最後にたどり着くと言われる幻の理想郷。
 全ての悩みから解放され、永遠に続くというその場所を、正体も始まりもどこにあるかも、知る者はいない。

 だが、それは確かに存在しているのだ。
大成功 🔵🔵🔵

アクアヴィーテ・ワイズメル
【POW】
またピンクいのがペタマックスなのです
あれで重力に縛られないなら、人類は革新できる希望があるのです

ところで……私の隠れ里はまだか

まあ、花火は綺麗なんで大丈夫なのです
まさか、花火だと思ってたら曳光弾だったなんて、この前のロボロボワールドでも起きないのです

……起きないよね?

まあ、実弾ならサイコキネシスでぎゅいんと曲げれば無問題ですが
このサイコキネシスがあれば、あのペタマックスを遠くから揉みしだくこともできそうです

重みで潰されそうなんで、やりませんが

死因:生乳100%による圧死

そんな理由では昇天できないのです
魂が永遠に、重力の陥穽に縛られるのです

見上げたら刻が見える
と思ったら下乳だった絶望感


●刻を越えて
 花火が輝き、空の特等席を満喫する者が居れば、地上で食との戦いの果て、暁に沈む者もいる中。
「またピンクいのがペタマックスなのです」
 重力に縛られているはずなのにそれを感じさせない『何か』に理不尽を覚えてもなお、人類になにかしらの希望を感じながら、アクアヴィーテ・ワイズメルはそこにいた。
 何を言っているかわからないかもしれないが、多分これを真に理解できるのは新人類的な何かなのだろう。
「……私の隠れ里はまだか」
 そんな何かしらに覚醒しているかもしれない彼女の力をもってしても、いまだに故郷である隠れ里に戻ることはできていなかった。
 確かに、隠れ里は隠れているから隠れ里であろう。
 しかし、そこは確かに彼女の生まれ育った故郷の筈である。
 いくらなんでも帰れるはずなのだ。
 ここまでくると、長老か何かがアクアヴィーテを監視しながら隠れ里を移動しているのではないかという疑心暗鬼にすら囚われそうになってくる。
「まあ、花火は綺麗なんで大丈夫なのです」
 この切換の早さも彼女の特性なのだろう。
 いや、だからこそいつの間にか妙なことに巻き込まれ、延々と里への道から逸れて行き辿り着けていないという説もあるのだが。
 現に、今もまた、妙に光を放つ花火の様な砲弾が彼女の元へと飛んできているのである。
「あんなもの当たったら、下手をしなくでも大事故なのです」
 高速で迫ってきた花火(?)を、やすやす、ヒラリと躱す姿は立派に歴戦の猟兵である。
 突然花火職人に何かあったのか、予想された回避後の爆発の影響を考え身構える……が、いつまでたってもその気配がしない。
「……まさか」
 曳光弾。
 対空射撃等に用いられる『狙いを定めるため』に発射される花火によく似た成分にて構成されるという特殊弾。
 存在としては結構前からあるらしいが、だからと言ってこのカクリヨファンタズムで使われるようなものではたぶんきっとない。
 だが、もし、仮にそうだとしたら。

 ヒュールルルルルル……。

 次が、本命。
「そんなこと、起きるわけ……」

 ヒュールルルルルル……。
 ヒュールルルルルル……。
 ヒュールルルルルル……。

 目の前に迫ってくる連続打ち上げ妖怪花火。
 この花火が執拗に狙ってくるという現象が『何かすごい事の起きるスポット』による影響なのだという事を、アクアヴィーテが考察も理解もする暇を与えない程の連射であった。
 大丈夫、安心安全の妖怪花火だよ!
 ……という謎の笑顔のマスコットキャラクターが脳裏にサムズアップしてくるが、火薬の塊が突撃してきているのに安心も安全もできるわけがない。
 ギュインギュインと迫りくる花火を上へ上へを投げ飛ばす……もとい、サイコキネシスによって方向を捻じ曲げ、本来あるべき、空へと輝く花火へと修正していく。
 その光景は、全く関係のない観客たちからすれば、特殊な軌道を描いた見事な花火だ。
 演出の一環として喜ばれていたと当の本人が知ったなら、ものすごく渋い顔を浮かべた事だろう。
「ようやく……おわった……のです……」
 怒涛の連続攻撃が途切れ、若干息を切らせながら安堵の息をつくアクアヴィーテ。

 フーシャアアアアアアアア……。

「ええい、まだ終わらぬの……で……す?」

 最後に飛んできたものは花火ではなかった。
 いや、ならば何だったのだと言われたら……なんだったのだろう。
 頭をよぎる『死因:生乳100%による圧死』という謎ワード。
 それが目の前に高速で迫ってくる暴力(どこかみおぼえのあるぴんくいかっしょくのむだちちぺたまっくす)により実現されようとしていた。
「そんな理由では昇天できないのです」
 花火が如くの突撃してきたその対象に狙いを定め、再度発動するサイコキネシス。
「魂が永遠に、重力の陥穽に縛られるのです」
 あんな死因はいやだ、それだけは絶対に避ける。
 そんな強い意思を受けてか、いつも以上の力を見せた奇跡は、凶器が彼女へと触れる前に静止させることに成功したのだ。
 ほぅ、と安堵のため息をつき、何気なしに空を見上げようとする。
 眼前に広がるのは果てしない空……でも刻……でもなく。
「下……乳……?」
 勢いは殺した。
 しかし、すでに目を回していた暴力は既にその身を支えることもかなわない。
 絶望感漂うアクアヴィーテへ、倒れて行く暴力。
 ――死因:生乳100%による圧死。
 妙にゆっくりに感じる時間の中、またしても、その言葉が頭をよぎり、やがて、アクアヴィーテは……。


●夏休みは不思議がいっぱい
 時には戦い、時には食べ、時には花火となり、時には世界となって、時には重力にひかれ。
 猟兵たちの夏休みは過ぎ去っていく。
 この後も、数多の戦いが彼らを待ち受けているだろう。
 だがこうした平和な日常があるからこそ、彼らは戦い続けるのだろう。

 ※平和には個人差があります。
大成功 🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2021年08月01日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵