花舞(作者 ふじもりみきや
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#カクリヨファンタズム  #お祭り2021  #夏休み 


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「ごきげんよう皆様。……ほんっと、暑い日が続くわね」
 花降・かなた(雨上がりに見た幻・f12235)は優雅に微笑もう……として一瞬でその意気込みも崩壊したようであった。
 暑くて困るわよね。と若干据わって顔で目を細めつつも、でも、と彼女は小さく呟く。
「暑いなら暑いときの遊びをすればいいじゃない。元を取りましょ元を。……というわけで、遊びに行くお誘いです」
 と、そんな彼女が言いながらもほんの少し、天を仰ぐ。それから、
「水着コンテストの会場だったビーチに、妖怪親分達が、妖怪花火を用意してくれるんですって」
 さて、妖怪花火とは何であろうか。
 その怪しげな単語に、かなたは話を続ける。
「この妖怪花火、妖怪ってだけあって、猟兵も一緒に乗って打ち上げられたり出来るんだって。ちょっとした空中浮遊ね」
 尚、そのまま人は落ちるというよりゆっくりと降下していくイメージだと彼女は言う。下は海であるから、怪我の心配はないだろう。
「だから、ちょっとした空中散歩を楽しむことができるみたい。花火にはどうにも形があるみたいだから、新たにあがった花火を足がけに、ずっと落ちることもなく上へ上へと飛んでいくこともできるみたいだわ」
 尚、触れられた花火はちょっとした足場程度の強度しか持たず、触れれば崩れるというが、それだけでも猟兵にとっては足場としては充分だろう。
「ああ……そういえば」
 そして、彼女は言う。丁度自分たちが遊びに行くあたりは、花火が消えるときに音が発生するというのだ。
「風鈴みたいな……氷細工が割れるみたいな……音はいろいろあるんだけれども、兎に角そんな感じよ。しゃらん、とか、ちりん、とか、そういう感じの涼しげな色んな音が、消えるときに鳴るわ」
 なので、いろんな花火に触れて自分だけの音楽を奏でるのも楽しいかもしれない、とかなたは言う。
「あ、何もしなくても花火は水面に落ちて消えるから、その時も音が鳴るわよ。それを見ながら海やビーチで遊ぶのも、いいんじゃないかしら」
 もちろん、花火に全く触れずに遊ぶのでも大丈夫、とかなたは言う。
「定番といえば、ビーチバレーかしら。ひたすら海で泳ぐのも、楽しそうね。海の家も出てると思うし……」
 何かお勧めあるかしら。とかなたは少し考えた後で、
「花火氷菓子とかどうかしら。ソーダ飴みたいな味がする、見た目もソーダ飴なんだけれども、口に入れた瞬間冷たくて、そしてばちっとするの」
 まさに花火みたいにね。とかなたはそんなことを言う。
「何をしてもいいと思うの。折角こんなに暑いんだもの、この暑さの元を取りましょう。ええ。暑苦しい分だけ楽しまないと」
 折角だから、遊びつくしたいわよね。と。
 かなたはそう言って、話を締めくくった。


ふじもりみきや
いつもお世話になり、ありがとうございます。
ふじもりみきやです。
夏!ですね。
そういうわけで今回は夏シナリオ。一章のみです。
海で出来そうなことなら大体なんでもできます。
ここに書いてないことでも、ビーチで出来て他人に迷惑が掛からないなら何やってもオッケー。
後妖怪花火と花火氷菓子があります。
細かいことはだいたいかなたが述べたとおりです。
のんびりするのもいいし、全力ではしゃぐのも大歓迎です。お好きなように。

NPCはかなたが同行します。声をかけていただいたらなんだって一緒に遊びたいと思います。
割と勝負事なんかしかけられたら、クールに対応しようとして数秒で熱くなります。食べ物の好き嫌いはありません。

それでは、良い夏の一日を。
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第1章 日常 『猟兵達の夏休み2021』

POW妖怪花火で空へGO!
SPD妖怪花火の上で空中散歩
WIZ静かに花火を楽しもう
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


ジュジュ・ブランロジエ
【空】
アドリブ歓迎
水着描写お任せ
『』はメボンゴの台詞

呼び方
コノさん、常盤さん、さつまさん
『コノちゃ、トッキー、たぬちゃ』

花火を足場に上へ移動しながら観賞
色んな音がして楽しいね
後で花火氷菓子食べようよ

わーい!いつもは私が一番低いけど今は一番高ーい!
笑顔でみんなに手を振る
『コノちゃとトッキーはいつも大きいけどたぬちゃは時々小さいよね』
タヌキツネ姿は小さくて可愛いね

すぐ足場が消えてふよふよ落ちる
短い夢であった!
また花火上を跳ぶ

常盤さんの翼かっこいいね!
あっ、コノさんいいな〜
『メボンゴも飛びた〜い』
少し操り難くなるかも
『メボンゴ、飛ばない』
ありがとうと手を取る
『たぬちゃ紳士!』

わ!本当だー!
『綺麗!』


神埜・常盤
【空】

去年の水着で

花火と共に打ち上げられるなんて
滅多にない経験だよねェ

素足で踏み締める花火の足場は
何だか不思議な感触で
陸の人たちからすると
僕らも花火の一部に見えるのかなァ

はは、今宵はジュジュ君と
メボンゴ君が一番高いねェ

足場が消えれば
未だ夜の帳に遺る花火へ飛び移ろうか
氷が割れるような響きが心地好く
興が乗ってついつい
背に蝙蝠の翼を顕現させたり

ふふ、僕には此れがあるからなァ
消えゆく足場は君たちに譲るよ
皆が奏でる調べに悠然と耳を傾けるのも
粋な楽しみ方だろう?

おや、今度は僕が
止まり木になってしまったなァ
はは、大人ふたり捕まるのは
キャパオーバァと言うやつだなァ
なに、さつま君になら何時でも
触らせてあげるさ


コノハ・ライゼ
【空】

花火de打ち上がり!
アトラクションみたいで面白いねぇ

花の上駆け軽やかに空の散歩
あらジュジュちゃん達は流石ねぇ
アナタ達も煌めく花びらみたい

足元で鳴っては消える涼しげな音は
成る程砂糖菓子か薄氷のよう
コレならオレでも綺麗な音楽奏でれるかな

氷菓子イイね、ナンて余所見したらふわりと宙へ
不思議な浮遊感に首巡らせば、すぐそこに素敵な翼
あ~ジンノずるぅい!と
乗り損ねた足場の代わりにその腕掴んで落下停止

んふふ、早い者勝ちヨ
意地悪い笑顔向けるも、近くに花火が上がればまたひょいと戻って涼音奏でる
ふふ、また落ちたらヨロシクねぇ

上がる歓声に同じ方を見て、納得と笑む
目でも耳でも、触れても楽しめて
ホント贅沢な夜だコト


火狸・さつま
【空】

こヤーん!!!(たーまやー!)
人姿ながらも思いっ切り狐鳴きしつつ勢い良く打ち上げられるもすぐに落下
あ、あしば、はやく…!!
上手く花火に躱されて周囲キョロキョロ

わわ、ジュジュ、上手、だね!高い!
ふぉおと見上げ
上がってきた花火足場に音を奏でる

綺麗な音……
優しく落ち着いた声でしみじみと言ったそばから
……かき氷食べたくなる、ね???

ふぉお!常盤かっくいい!!
はね、さわりたい!!!
ちたぱたしっぽふりふりぴょんぴょこ近寄れば先越され
あっ!コノ、ずるいー!
周囲ぐるぐる空中浮遊で飛び回る
じゃ、俺と飛ぶ?
可愛い淑女達、お手をどうぞ?なんて手を差し出す

あ!ほらほら!ジュジュ、メボちゃんみてみて!
良い景色!!


「わーい! いつもは私が一番低いけど今は一番高ーい!」
 しゃらん、しゃららんと涼やかな音を立てて天をかけるのはジュジュ・ブランロジエ(白薔薇の人形遣い・f01079)だ。
『今日のメボンゴは花火の妖精ちゃん!』
 相棒のメボンゴと絶好調で上に行く。途中優雅に手を振ることも忘れない。
「はは、今宵はジュジュ君とメボンゴ君が一番高いねェ」
「あらほんと。ジュジュちゃん達は流石ねぇ。アナタ達も煌めく花びらみたい」
 その後を埜・常盤(宵色ガイヤルド・f04783)とコノハ・ライゼ(空々・f03130)が階段を登るように花火を足場にしながら追いかけて行く。ふふん、とジュジュとメボンゴは得意げな決めポーズを取り、
『トップアイドルメボンゴ、今、輝きの頂点へ……!』
「あら、花火の妖精ちゃんじゃなかったの?」
『! アイドル花火妖精界の頂点へ……!』
「あはは、花火の世界にもいろいろあるんだねェ」
 コノハの指摘に思わずそう返すメボンゴ。そしてそれに笑う常盤。しかし……、
「こヤーん!!!(たーまやー!)」
 今、そのアイドル花火妖精界に一匹の狸が華々しくデビューする!
「はっ!!」
「あら」
「おや?」
 ひときわ高い花火として打ち上げられたのは火狸・さつま(タヌキツネ・f03797)だ。アイドルさつまは見事に弧を描きジュジュとメボンゴの更に上へと飛びあがりそして煌めいた。
「あ、あしば、はやく……!!」
 しかし本人はそれどころではない。次に掴もうとした花火にうまくかわされて絶賛落下中なのだ。慌ててきょろきょろするさつま。
「後ろだよ。後ろちょっと下がったところが足場になるねェ」
 常盤がすかさず声を上げる。
「よ、し!」
 てしっ。とうまい具合に足場を作るさつまに、
「よかったー」
『コノちゃとトッキーはいつも大きいけどたぬちゃは時々小さいよね』
 ほっとしたジュジュがそのまま自分の崩れる足元を蹴って、さらに高く飛ぶ。
 しゃらららん、という音と共に変わらず二人が頂点へ戻ると、
「わわ、ジュジュ、上手、だね! 高い!」
 顔を上げて歓声を上げるさつまに、またジュジュは謎のポーズをするのであった。
「……っと」
 それを和む目で見ていたコノハであったが、己の足元がおろそかになっているのに気が付いて、ふわっ。とまた地面をける。
「アトラクションみたいで面白いねぇ」
 花の上を駆け軽やかに空の散歩する。鳴っては消える涼しげな音に、
「コレならオレでも綺麗な音楽奏でれるかな」
 ちょっとダンスみたいで楽しいかもしれないなんて思ってしまう。
「砂糖菓子か薄氷のようのようなダンスだけど……」
「? コノさんダンス踊るんですか?」
『わくわく』
「いや……」
「! コノ、の、ダンス!」
「いいねェ。花火の上のダンスなんて風情だねェ」
「いや、やらないからね?? みんなノリ良すぎヨ」
 即座に返ってくる彼らの言葉に、コノハは思わず声をあげて笑った。
「はい! でしたら美味しい新作氷菓子を希望します!」
「……それは、ここで売ってるお菓子の話じゃないわね?」
『コノちゃの新作甘~いお菓子!』
「! ね、ね、ね……かき氷食べたくなる、ね???」
「そうね。氷菓子イイね。とりあえず今日は後でかき氷食べることで手を打ちましょ」
 はいはいはい。と両手を上げるジュジュとメボンゴに、
 さっきまで「綺麗な音……ダンス、いい、かも……」なんてしみじみ風情のある花火音楽に耳を傾けていたさつまが一瞬で食い気に走ったことを言う。コノハが笑ってそう言って締めくくった。
「ふふ。花火と共に打ち上げられるなんて、滅多にない経験だからみんなはしゃいでるねェ」
 ある意味通常運転だけどねェ。なんて、言いながらも常盤は笑う。笑いながらも、崩れる足元にふわりとまた音を立てて別の花火へと移動した。
「陸の人たちからすると、僕らも花火の一部に見えるのかなァ」
 特に痛みもなければ暑さもない。ただ、涼しげな音だけがするのは不思議な感覚である。
「ふっ。なんか常盤さんが大人なこと言ってる……」
『出来る人たちは花火に乗ってても違うのねー。メボンゴもかっこいい台詞言いたいわ! 花火アイドル妖精にふさわしく!』
「決め台詞? そうだねえ……」
「ジュジュ、ジュジュ、落ちて、る!」
 考えている間に落下していくジュジュ。
「はっ……。短い夢であった!」
 さつまが声をかけて、慌てて再び飛び上がるジュジュであったという。

「ん~」
 そんな爽やかな音色に、美しい色どりにと、心地よい景色を楽しんでいれば、
「ふふ、僕には此れがあるからなァ。消えゆく足場は君たちに譲るよ」
 不意に常盤が興に乗ったのか、背中に蝙蝠の翼を顕現させた。
「皆が奏でる調べに悠然と耳を傾けるのも、粋な楽しみ方だろう?」
 別に移動し続けるのが面倒になったわけでは、断じてない。
「あ~ジンノずるぅい!」
 コノハが声を上げる。その言葉に、ぴん! とさつまが耳を立てた。
「ふぉお! 常盤かっくいい!! はね、さわりたい!!!」
「先手必勝よ」
 とたた、と走り出したさつまより先に、とうっ! とコノハが足場代わりに常盤の腕をつかむ。
「おや、今度は僕が止まり木になってしまったなァ」
「あっ! コノ、ずるいー!」
「んふふ、早い者勝ちヨ」
 先を越されたコノハは空中浮遊でぐるぐると二人の間を回る。素知らぬ顔でコノハはそんなことを言って意地悪な笑顔を浮かべている。
「あっ、コノさんいいな〜。常盤さんの翼かっこいいね!」
 ちょっと出遅れたジュジュがそんな声を上げるので常盤は笑った。
「はは、大人ふたり捕まるのはキャパオーバァと言うやつだなァ。……なに、さつま君になら何時でも触らせてあげるさ」
「! 約、束!」
「ああ、約束だとも」
「あらあら仲良しさんねぇ。……よっと」
 ひょい、と次の足場に飛び移るコノハ。ちょっと意地悪したかったのかもしれない。
「ふふ、また落ちたらヨロシクねぇ」
「メボンゴ、あれが悪女というものだよ……」
『アクジョ……!』
 最後にウィンクするコノハにジュジュが思わずそんなことを呟いた。
『メボンゴも飛びた〜い』
「うぅん……。少し操り難くなるかも」
『……メボンゴ、飛ばない』
 空飛ぶ常盤とさつまにあこがれるように両手を合わせるメボンゴであったが、現実を知ると耳を垂れる。そんな様子を見ていたさつまが、
「じゃ、俺と飛ぶ?」
 可愛い淑女達、お手をどうぞ? なんて手を差し出した。
『たぬちゃ紳士!』
「きゅん……っ!」
 わざわざ口に出したジュジュに思わず常盤が噴出したがジュジュは知らないふりをしてその手を取る。
 そうしてさつまとジュジュとメボンゴは急上昇。いろんな花火よりもさらに高く、高く飛んでいく。
「あ! ほらほら! ジュジュ、メボちゃんみてみて! 良い景色!!」
「わ! 本当だー!」
『綺麗!』
 眼下に広がる花火たちはどれも美しく、思わず三人で常盤とコノハに向かって手を振る。
「いいねェ。とっても楽しそうだ」
 言われて常盤とコノハも地上に目を向けると、色鮮やかな花火と美しい音が彼らの目にも飛び込んできて、
「そうね。……ふふ……ホント贅沢な夜だコト」
 音にコノハの呟きが溶けていくのであった……。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

西條・東
【柴と雀】
『オスカー!あれが妖怪花火ってやつかな?』
指をさして早足で近寄るぜ!
『ん~…なぁ、ちょっとだけ空飛びにいこうぜ?』
花火の上をぴょんぴょん飛びながら上へと目指すぜ!!目指せ一番高いところだ!
危ない?平気平気!

『すっげぇ~高いな!…オスカーは楽しい?』
俺達が動物になった時、空を飛んでるオスカーが嬉しそうに見えたから提案したけど…喜んでるかな?
『へへ、どういたしまして!うん、
今日は満足するまで飛んでようぜ!』


オスカー・ローレスト
【柴と雀】

ハナビ……
た、多分……?
あまり見た事ないから、断言できない、けど……

と、飛びにって、東?
えっ……い、一番高いところって……あ、危ないんじゃ……落ちても大丈夫とは、聞いてるけども……あっ、ま、待って東……!

(怖がりつつも上からみる海やらなにやら見て)
……わぁ……
海自体、まだまだ俺にとっては見慣れないもの、なんだけど……でも空から見るのは、初めてだから……こう、見えるんだね……高すぎる場所にいる怖さとか、忘れるくらい見惚れちゃう、かも……

東……あの時の事、ずっと覚えててくれてる、ね……
うん、この景色、見れてよかった……あ、ありがとう、東……

ぴ?!
こ、これ以上……? あ、待っ……!


 西條・東(生まれながらの災厄・f25402)は砂浜を走る。空では大きい音がして、ぱっと鮮やかな花が散る。
「オスカー!あれが妖怪花火ってやつかな?」
 上空に咲いた鮮やかなその色に指をさし、東は肩越しに振り返った。その後ろを慌てて追いかけるのは、オスカー・ローレスト(小さくとも奮う者・f19434)だ。頭上から響くそのあまりに大きい音に、ぶるりとオスカーは身をお震わせる。
「ハナビ……。た、多分……? あまり見た事ないから、断言できない、けど……」
 見たことはない。けれども大きな音と美しい色どりは聞いていた情報と一致する。だから花火なのだろう。……と思っている間にも、ドン、と音が響いてもう一発。
「……! けど……けど。ちょっと、近すぎ」
「ん~…なぁ、ちょっとだけ空飛びにいこうぜ?」
 ちょっと近すぎない? 花火ってもうちょっと離れて穏やかに危険のないところで見るもんじゃない? この音、めっちゃ怖いよ? すごく鳴ってるよ?
 そう言いかけたオスカーだったがしかし、東の余りに当たり前にて爽やかな提案に思わず足を止めて硬直する。
「と、飛びにって、東?」
 今。なんといったのだろうか。
「そう、飛べるんだって! 飛びに行こうぜ」
 繰り返す東。いや、繰り返して欲しかったわけじゃない。慌ててオスカーは両手を軽く上げる。
「えっ……い、一番高いところって……あ、危ないんじゃ……」
「危ない? 平気平気! 落ちても大丈夫だとは言ってたし、ほら!」
 屈託のない笑顔で、東は花火のてっぺんを指さした。
「あんなに高いの! 登らなきゃ損だって! 目指せ一番高いところだ! ぴょんぴょん飛んでってやるぜー!!」
「いや……いや! 落ちても大丈夫とは、聞いてるけども……あっ、ま、待って東……!」
 いこう! と躊躇いなく走りだす東の背中は、オスカーが付いてこないかもしれないなんて考えてもいない。
 そんな彼にオスカーは意を決して走り出す。
 すぐ近くで、花火の上がる大きな音がしていた。

「すっげぇ~高いな!」
 そうして花火を登る。まるで見えない階段を上るみたいに。
 登るたびに涼やかな音が鳴り、
「……わぁ……」
 オスカーもまた、見おろす海の景色や港の景色、そして足元に広がる色とりどりの花火に思わず声を上げた。
「……オスカーは楽しい?」
「え……?」
 だから、ふいに言われた東の言葉に、オスカーは瞬きをする。その視線に、東は少し照れたように笑った。
「俺達が動物になった時、空を飛んでるオスカーが嬉しそうに見えたから……」
 だから、今回東はここまで来ようと提案したのだ。
 喜んでるかな? と、オスカーの顔を覗き込む東に、
「東……あの時の事、ずっと覚えててくれてる、ね……」
 思わず漏らした言葉に、当たり前だろ、とごくごく当然のことのように東は笑う。
「……」
 それで改めてオスカーは海に目を向けた。
「海自体、まだまだ俺にとっては見慣れないもの、なんだけど……でも空から見るのは、初めてだから……こう、見えるんだね……高すぎる場所にいる怖さとか、忘れるくらい見惚れちゃう、かも……」
 なるべく思っていることを漏らさないように、正確にオスカーは口に出す。
 語られる言葉を東は嬉しそうに聞いている。
「うん。だから……うん、この景色、見れてよかった……あ、ありがとう、東……」
 そうして、最後に言われた言葉に、
「へへ、どういたしまして!」
 東も満面の笑みを浮かべた。
「……とても、楽しい……」
 その笑顔に、思わずオスカーも笑顔になってそう言いかけた……時、
「うん、今日は満足するまで飛んでようぜ!」
「ぴ?!」
 また笑顔で屈託なく言い切る東に、オスカーはまた思わず声を上げる。
「ほらほら、あっちだオスカー!」
「こ、これ以上……? あ、待っ……!」
 相変わらずためらうことなく先に飛び出していく東。オスカーが一緒に行くことを信じて疑っていない。
 オスカーは言葉に詰まった後、慌てて追いかける。
 大きな音はもう、怖くはなかった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

シキ・ジルモント
類(f13398)

暑さの和らぐ海辺に、軽装も相俟って少し気を抜いて
『夢』の中で出会い別れた幼い友を心の片隅に
あいつが望んだものを、類と共に見に行く

故郷に花火は無かったから今でも物珍しい
慣れている類も妖怪花火は別だろうか
波音に耳を傾けつつ、華やかな空に目を奪われる

未知の世界を拓く冒険を共に
まるであの夢の続きのようで
…ああ、悪く無いな

氷菓子に驚く類にそうかと自然に応え、遅れて呼び方に気付く
そう呼ばれて悪い気はしないが、ひとまず自分も氷菓子を口に運び…刺激に驚き耳と尾が逆立つ

氷菓子の味、潮風の香り、花火が映る海の光景と落ちた花火の音、足元の砂の感触…
あいつの分までと、隣の類の姿と共に記憶に焼き付ける


冴島・類
シキさん(f09107)

太陽が姿を隠したら
夏でも、幾らか過ごしやすいですねえ
海に行きたいと言っていた小さな友
あの子に見せたい景色を、共に眺めに

浜辺でのんびり波の音を聞いて
月の光だけでも綺麗なんだろうけど…
今夜は空が賑やか
エンパイアでは夏の風物詩も
貴方は物珍しいみたい?
でも妖怪花火ってのは僕も新鮮ですよ

それに、この飴玉も
花火氷菓子を手に
世は広くまだ知らないものばかり
戦いだけではい、こういう冒険は良いですね

口に放り込めば、ぱちりひやり
これすごいですよ!シキ君
吃驚のままこぼれてしまった呼び方に
口押さえ、笑って誤魔化す
彼の尾と耳が雄弁に驚きを語っていて

楽しい気持ちと共に
シキさんと見た景色を、焼き付けて


 寄せては返す、波の音。
 遠い遠いかなたまで、広がり続けるその景色。
 す、と息を吸い込めば、塩の香りがその鼻に届き、
「ああ……」
 それは海だった。まごうことなく、海だった。
 白い砂浜も、繰り返し押し寄せる波も。
 陽が落ちて見えづらくはあるけれども、果てまで続く水平線も……。
「……太陽が姿を隠したら、夏でも、幾らか過ごしやすいですねえ」
 言葉もない。シキ・ジルモント(人狼のガンナー・f09107)は静かに、ただ静かにその果てを見る。
 軽装も相まって、少し気を抜いて。声をかけた冴島・類(公孫樹・f13398)に、小さく頷いた。
 『彼』が行きたいといっていたもの。『彼』に見せたかったもの。
 互いに口には出さないけれども、心の中で思う顔は同じだった。

「ほんとうは、浜辺でのんびり波の音を聞いて、月の光だけでも綺麗なんだろうけど……」
 どれだけ、そうしていただろうか。口を開いたのは、やっぱり類であった。優しい笑顔で、天を仰ぐ。
「なんだか、今夜は空が賑やかだね」
「ああ……そうだな」
 類の言葉に、こくりとシキは頷く。そう、本来なら静かなはずの海は今、無数の花火に彩られて賑やかな様相を呈していた。
「貴方は物珍しいみたい? こういうの」
「ああ。類は珍しくないのか?」
「そう……だね」
 言われて、うーんと類は腕を組んで首を傾げる。
「花火はエンパイアでは、夏の風物詩だからね」
「なるほど。……故郷に花火は無かったから今でも物珍しい」
 そう言いながらも、シキは目を細める。よく見れば花火の上にはいろんな人が歩いていて、触れるたびに不思議な音を奏でていた。
「……あれは」
「そうだね……あれは、ちょっとエンパイアにはないかな」
「だったら、花火に慣れている類も妖怪花火は別だろうか?」
「そう……ですね。妖怪花火ってのは僕も新鮮ですよ」
 初めて見るという類の言葉に、そうか。とシキは頷いた。その言葉に、
「それに、この飴玉も……」
 小さく呟いて、類は花火氷菓子を手に取る。
「世は広くまだ知らないものばかり。戦いだけでない、こういう冒険は良いですね」
「冒険……そう、冒険か」
「はい。冒険。はじめての花火も、初めての氷菓子も。何だって、冒険です」
「……」
 類の笑顔に、シキは息をつく。
 まるで、あの夢の続きのようにと。
 言いかけては口を閉ざし。
「……ああ、悪く無いな」
 と、一つ頷いた。
「ええ。とても悪くない。……と、いうわけで」
 そりゃ、と類は花火氷菓子を己の口の中に投げ入れた。
「!!」
 ばちり、と弾ける口の中。ひんやりクールに痺れる感じに、
「……これすごいですよ! シキ君」
 思わず驚きのまま叫んでしまった。目を見開いて、ほらほら、と類は謎のジェスチャーを取る。口の中で弾けていて、なんだかとっても冷たくて、ちょっと噛むとバチバチ感が強くなって。なんていうか、そう。冒険である。口の中が大冒険である。
「……あ」
 と、テンション高く主張してしまって、思わず口を押さえて笑ってごまかす類であった。
「……そうか」
 驚く顔に、自然にシキはそう答えて。
「……」
 それから、遅れて呼び方に気付いた。
「…………」
 何とも言えずにうれしい気持ちで、ひとまずはシキも自分の氷菓子を口に運び……、
「……」
 ぶわっとした刺激に無言。
 無言で、驚き耳と尾を逆立てていた。
「……ふ」
 それが何より雄弁に彼の心を語っていて、思わず類はほんの少し、吹き出す。
「……」
 頬を掻くシキ。悪い気は……しなかった。

 海を視界に焼き付ける。
 氷菓子の味、潮風の香り、花火が映る海の光景と落ちた花火の音、足元の砂の感触……。
「あいつの分までと、言うのは傲慢だろうか」
「彼は……きっと喜ぶと思うよ」
「そうか……そうだな」
 そういうやつだったな。と。
 夢の話を口に出したのは、それだけ。
 それだけでも、なんとなく通じ合うものがあって。
「……」
 すぐそばで、だれかもう一人の声が聞こえた気がする。
 それもまた……きっと夢の、話なのだろう。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

ベル・ルヴェール
アヤカ(f01194)

アヤカ!海だ!
僕は海が大好きだ!昨年はじめてみたんだ。
青色としょっぱい水が不思議だったなー。
花火氷菓子を食べないか?

食べたらパチパチする。パチパチとはどんなパチパチなんだろう。
他にも食べ物が気になった。海の家には色んな食べ物があるな。
ヤキソバ。麺だ。ソースだ。あれは絶対に美味しい。
アヤカは何を食べるんだ?
イカ焼きはさっきから良い匂いのするやつだな。
手始めにヤキソバを食べてデザートに花火氷菓子を食べよう。

……アヤカ!ソーダ飴なのにパチパチするぞ!冷たい!
不思議な氷菓子だな!僕は興奮をしてしまった。ヤキソバもおいしかったけど花火氷菓子もおいしい。
パチパチがくせになるな!


浮世・綾華
ベル(f18504)

ふ。嗚呼、海だなー
確かに、海の水はなんでしょっぱいんだろうな
青く見えるのは、青い空を映してるからかしら

いいな。俺も気になってた
食べたら冷たくて、バチっとするんだろ

確かに飴だけじゃ腹は膨れなさそーだもんな
海の家なら、俺は去年UDCでちょっと手伝った
焼きそばは間違いない。俺は――どーしよっかな
あ、イカ焼き。これにしよっと

花火が良く見える場所に座り空を見上げる
風鈴のような音が心地よく、目を閉じようとすれば
ベルの興奮したような声に笑った
俺も食べよ――…!
ほんと、口の中で花火が弾けてるみてぇ
これ、日持ちするんかしら
だいじょーぶそうならさ、土産にでも買って帰ろうぜ


「アヤカ! 海だ!」
「ふ。嗚呼、海だなー」
 ベル・ルヴェール(灼熱の衣・f18504)の言葉に浮世・綾華(千日紅・f01194)も頷いた。寄せては返す波。遠くでは花火の音が聞こえてきている。まさしく夏、という風情であった。
「僕は海が大好きだ! 昨年はじめてみたんだ」
 大きくては手がなくて。こんなに水があるというのも驚いたし、さらにそれに味があったのにも驚いたのだとベルは言う。
「青色としょっぱい水が不思議だったなー」
「あー。確かに、海の水はなんでしょっぱいんだろうな。……青く見えるのは、青い空を映してるからかしら」
 言われてみれば不思議なものだと、ベルの言葉に綾華は腕を組んで首を傾げる。
 しばしの沈黙。寄せては返す波の音と、花火が撃ちあがり、そして血って行く涼やかな音だけが周囲を支配する。
「……うん」
 そして徐にベルは顔を上げる。
「花火氷菓子を食べないか?」
 取りあえず考えてもわからないことを考えても仕方がない。雄大な自然の神秘はさておき、ベルは手近な食欲を優先することにする。その割り切った表情に、綾華も笑って頷いた。
「いいな。俺も気になってた。食べたら冷たくて、バチっとするんだろ?」
「そう。食べたらパチパチする。パチパチとはどんなパチパチなんだろう」
「パチパチってのは……そう……多分、パチパチだよ」
 何となく想像はつく。ただ、なんとなくだけだ。なんて、若干小難しい顔で綾華が言って、うん。とベルも頷く。これは食べてみなければわからないだろう、と結論付けて……、
「てなるとあそこだな。海の家」
「海の……家!」
 綾華が指し示した海の家に、ベルは好奇心を隠し切れない表情で頷いた。

 そして……、
「色んな食べ物があるな。これは……迷うな。だが、飴以外にも何か食べてもいいだろう……!」
 海の家の前でやはり悩みこむベルに、綾華もちょっと首を傾げて考えこむ。
「確かに飴だけじゃ腹は膨れなさそーだもんな……」
 考えていると、ベルがふと一つのメニューに目を留める。
「アヤカ、ヤキソバ。麺だ。ソースだ。あれは絶対に美味しい」
「ああ。海の家なら、俺は去年UDCでちょっと手伝った。焼きそばは間違いない」
「おお……! では、それだな! アヤカは何を食べるんだ?」
 いそいそと焼きそばを注文するベルに、綾華は引き続き少し考えこみながらも、
「俺は――どーしよっかな。……あ、イカ焼き。これにしよっと」
「イカ焼きはさっきから良い匂いのするやつだな」
「そうそう」
 イカ焼きを手にするのだった。そして、
「あとはデザートに花火氷菓子を食べよう」
 忘れちゃいけないデザートである。
 そうして買い物を済ませれば、二人はまた砂浜の……花火と海がよく見える場所に移動するのであった。

 うち上りは、ドォンという花火特有の太鼓のような音だ。
 けれども水面に落ちるときは、何とも繊細な風鈴のような音がする。
「……」
 不思議で心地いい。座り、食事をして、思わず目を閉じようとした綾華であったが……、
「……アヤカ! ソーダ飴なのにパチパチするぞ! 冷たい!」
 デザートを口に入れたベルの声に、ぱっちりと目を開けて笑った。
「お。そうだったそうだった。俺も食べよ――……!」
「不思議な氷菓子だな! 僕は興奮をしてしまった。ヤキソバもおいしかったけど花火氷菓子もおいしい」
 ぼりぼりぼり。と飴だけど口に入れてかみ砕いてみる。そうするとバチバチ感が増す。
「パチパチがくせになるな!」
 あんまり派手にやるとちょっと痛痒いようなそんな感じ。興奮して声を上げるベルに綾華は頷く。
「ほんと、口の中で花火が弾けてるみてぇ」
 ソーダ味で夏らしくていい感じ。ふと、綾華は思いつく。
「これ、日持ちするんかしら。だいじょーぶそうならさ、土産にでも買って帰ろうぜ」
「土産……いいな!! それはいいだろうな!!」
 もの的には普通の飴だから、それなりに日持ちはするだろう。
 綾華の提案にベルも楽しげに笑う。きっと暑い夏を過ごすためのいいアイテムになるだろうし、みんな驚くに違いない……。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

緋翠・華乃音
ヴェレーノ・マリス(f33134)と共に



濃紺と藍紫の空は更なる彩りを待ち侘びるカンヴァスのよう。
彼女の声に引かれて指差す先を眺めれば、
期待に違わず幾つもの光の大輪が咲き誇り始めている。

……綺麗だな。

思えばもっと相応しい表現があるような気もするけれど、
するりと落ちた言葉はやけに素直な音色をしていた。

ああ、君が望むなら構わないよ。
気ままな散歩と行こうか。

その手を取って、光に乗ると宵の空へ一直線。
この背に羽根は無いけれど、まるで空を飛ぶようだ。

……落ちないように気を付けて。

繋がったままの手を、ほんの少し近寄せて。
その紫の瞳に映る花火の色を見てもう一度思った。

まったく本当に、綺麗だな――と。


ヴェレーノ・マリス
華乃音様(f03169)と

華乃音様、見てくださいな
花束のように花火が宵の空に咲いていますわ

美しく咲き花火を指さし
隣に添う彼へ声をかける

あら?あの妖怪様に乗って空にゆけるのですね
共に舞い上がりますか?
打ち上げられて、宵の空のお散歩も楽しそう

ふわり柔らかに微笑み
彼へと手を差し出す

宵の空をお散歩する事はあまりしたことがないので
胸が躍りますわね
よければ、私の胸の高鳴りに付き合ってくださいませ

渡り歩く空の散歩
蝶の様に少女の様に彼の手を引いて行く
楽しいですね、笑いかけた時
繋がった手が少し寄せられる
きょとんと彼を仰げば
降り注ぐは何方への称賛か

たおやかに微笑し彼の星彩の瞳と視線を交えて

ええ、本当に美しい宵空


 ドォン、と最初の音は太古のような響きを持って。ヴェレーノ・マリス(Gift・f33134)がゆったりと傘を傾けて顔を上げると、夜空にたくさんの光の粒が飛び散った。
「華乃音様、見てくださいな。花束のように花火が宵の空に咲いていますわ」
 そっと指をさす。その指先を追いかけるのは緋翠・華乃音(終奏の蝶・f03169)であった。
「ああ……」
 濃紺と藍紫の空は更なる彩りを待ち侘びるカンヴァスのよう。
 そして期待に違わず幾つもの光の大輪が咲き誇り始めているその光景に、。
「……綺麗だな」
 思わず。
 華乃音の口から、そんな言葉が漏れた。
 するりと落ちた言葉はやけに素直な音色をしていて、華乃音としてはそれは思えばもっと相応しい表現があるような気もしたけれども、かとか言ってこれ以上にない表現のような気もした。
 そんな華乃音を、ちらりとヴェレーノは見つめる。なんとなく嬉しそうな顔で花火に目を戻した……その時、
「あら?」
 ふと目を細めて、首を傾げる。
「あの妖怪様に乗って空にゆけるのですね。……共に舞い上がりますか?」
「空へ……?」
 ヴェレーノの発見に、華乃音が思わず聞き返してよくよく花火を見つめれば、なるほど確かに花火とともに空へと上がる姿がある。
「打ち上げられて、宵の空のお散歩も楽しそう。ね、ね、参りましょう?」
「ああ、君が望むなら構わないよ。気ままな散歩と行こうか」
 歌うように強請るヴェレーノに、華乃音もこっくり頷いた。その頷きにヴェレーノも柔らかく微笑んだ、華乃音の方へと手を差し出す。
「それでは……お手をどうぞ? 宵の空をお散歩する事はあまりしたことがないので、胸が躍りますわね」
 よければ、私の胸の高鳴りに付き合ってくださいませ、と。
 本当に愛らしく笑うヴェレーノに、華乃音もそっと微笑んでその手を取った。

 光に乗ると、宵の空まで一直線だった。
「すごいな……この背に羽根は無いけれど、まるで空を飛ぶようだ」
「ええ。何とも早い旅路でしたわ」
 一瞬であった。眼下に広がる花火たち。彼らがとん、と花火に乗れば、涼やかな音を立てて輝き、そして少しずつ壊れて消えていく。
「……落ちないように気を付けて」
「ええ。ありがとうございます」
 花から、花へ。
 まるで空を渡り歩く蝶のようにヴェレーノは華乃音の手を引いて歩く。
「楽しいですね」
「ああ……」
 そうしてヴェレーノが笑い掛けると、華乃音はそっとヴェレーノの手を引いた。
「?」
「いや」
 きょとん、としたヴェレーノの表情に、華乃音は瞬きをする。特に理由などなかったが、いつの間にかその手を引いていた、なんて、言ってしまったら叱られるだろうか、なんて思いながら、
「その紫の瞳に映る花火の色を見てもう一度思った。綺麗だな――と」
 と。
 するりと口から出た言葉に、逆に華乃音自身も少し、驚いた。……そういうことだったのかと。
 それもまた、自然と口をついて出た言葉だったのだ。
 それは、花火を指しての言葉なのか、それとも……、
「あら……」
 つたわるだろうか、と。そんな思いで声に出した華乃音であった。が、華乃音の言葉にヴェレーノは思わず驚いたような声を出して、
「……ええ、本当に美しい宵空」
 そうして、たおやかに微笑し華乃音の星彩の瞳と視線を交えたので。
「ああ……」
 その微笑みに、華乃音はそう答える。小さく頷いて、
 まったく本当に、綺麗だな――と。
 そんなことを、思いながら握りしめた手に力を込めた……。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

都槻・綾
風鈴の音、硝子の響き
透き通っていて綺麗な音色ね

風には色彩が無いけれど
微風にも
嵐にも
風が奏でる音は色付いている

そんな
普段は意識しない日常の中に
沢山の音楽が遊んでいるのだ、と思うと
何だか胸の弾む想いがしてくる

薄氷を割り行くように
とん、ととん、
花火から花火を軽やかに飛んで跳ねて
音に親しもう

真冬の道で
ついつい氷を割りながら歩いてしまうときみたいだなんて
真逆の季節の今、
おんなじ遊びをしている己が何だか可笑しい

爪先で軽やかに蹴れば
星々の瞬きのようにしゃららと可憐
踵で弾めば
遠雷の如く威厳に満ちて

即興の音楽会の心地良さに、いつしか夢心地
ふかり欠伸は気の抜けた証拠

途端に海へ落ちた身の
飛沫の音もまた愉快に違いない


 都槻・綾(絲遊・f01786)は花火から花火へ。ふわりと飛ぶように駆けていく。
「風鈴の音、硝子の響き……透き通っていて綺麗な音色ね」
 音は様々だ。けれどもどれも統一されている。風鈴の音。氷の割れる音。さらさらと硝子が流れるような音。
「風には色彩が無いけれど……」
 微風にも、嵐にも。風が奏でる音は色付いていると、綾は思っている。
 そんな、普段は意識しない日常の中に、今回のように沢山の音楽が遊んでいるのだ、と思うと、何だか胸の弾む想いがしてくるのだ。
「不思議ね……。この音は一体どうやって、奏でられているのかしら」
 花火から花火へと跳ぶ。別段色によって違うわけでも、何か法則性があるわけでもない。
 けれどもその薄氷を割るような音は、とん、ととん、とリズムを奏でているとどことなく歌のようなものが出来上がっていて、
「……」
 花火から花火を軽やかに飛んで跳ねて、音に親しもう。そう思うに十分なものであった。
 それにこの気分は、そう。
「真冬の道で、ついつい氷を割りながら歩いてしまうときみたいだなんて……」
 真逆の季節の今、おんなじ遊びをしている己が何だか可笑しいな。なんて思ったりもするのだ……。

 遠くで誰かの歓声が聞こえる。
 誰かが花火を割っている。
 それと同時に爪先で軽やかに火の花を蹴れば、星々の瞬きのようにしゃららと可憐な音がする。
 踵で弾めば、遠雷の如く威厳に満ちていく。
 そんな音楽祭が楽しくて。
 即興の音楽会をいつまでもいつまでも、夢心地で奏でていたものだけど、
「……」
 ふわ、と。
 いったいどれほど奏でていたのか。欠伸がこぼれ出て、綾は己がもうずいぶん、長い間そうしていたことに気が付いた。
「……あ」
 体が傾く。足場が崩れ去り、体は一直線に海へと落ちていく。
 ドボン、という音がその演奏会の最後の音。
 それまた愉快に違いないと思いながら水面に綾が顔を出すと、
 視界いっぱい、鮮やかな火の花が広がっていた。
大成功 🔵🔵🔵

クーナ・セラフィン
…花火の上を飛べるってメルヘン…かな?
きっとそう、うん。
夏の海でそれを楽しめるなら最高だろうにゃー。
さー今年の冒険スタイルな水着で思いきり楽しんじゃおうか。

まずは花火を足場にどれだけ落ちないか翔剣士らしくチャレンジ。
消える足場を次々渡るのは中々楽しいにゃー。
慣れてきたらかなたさん(f12235)に勝負を挑んでみる。
え、突然?そこは気にしにゃーい。
時間区切ってその時点でより高い所にいる方が勝ちとかそんな勝負。
妨害はまあ、お互い怪我しない程度にで。足場先に触って崩したりとかの。
必死に飛び移り渡って音立てて、ふと気づけば海も遠く。
…ゆっくり降りるのも中々乙だと思わないかにゃー?

※アドリブ絡み等お任せ


 空には花火。色とりどりの火の花が、空に散っては消えていく。
 その上を歩く人がいる。賑やかな声で何とも微笑ましくて、
「……花火の上を飛べるってメルヘン……かな?」
 クーナ・セラフィン(雪華の騎士猫・f10280)はそうつぶやいた。きっとそう、うん。と言いながら、
「夏の海でそれを楽しめるなら最高だろうにゃー」
 と、いうことでクーナは心に決めた。さー今年の冒険スタイルな水着で思いきり楽しんじゃおうか。というところである。
「だったら目指すのは……」
 まずは撃うあがってみよう。話はそれからだという事で……、

 どぉん、という音がして、花火はうちあがっていく。
 打ち上げの時は普通の音なんだな、とクーナは思った。
「それじゃあ……」
 まずは花火を足場にどれだけ落ちないか翔剣士らしくチャレンジするのがいいだろう。
 せいやと花火に飛び乗れば、しゃらららん、と涼やかな音がして足場は消えていく。
 鈴のような音にも、氷が割れるような音にも聞こえてなかなか風情があるだろう。
「消える足場を次々渡るのは中々楽しいにゃー」
 何度か試してみると、それなりに楽しい。そこまで時間がシビアではないので、周囲を見る余裕もある。
 何度か上り下りをして、動作を慣らす。ならしてから……、
「かなたさん、勝負しない? え、突然? そこは気にしにゃーい」
「えっと……ごきげんよう? 勝負ですか?」
 かなたに勝負を持ちかけることにした。のんびり花火の上を歩いていたかなたは足を止め、首を傾げて尋ねるので、
「時間区切ってその時点でより高い所にいる方が勝ちとかそんな勝負にゃ。妨害はまあ、お互い怪我しない程度にで……。足場先に触って崩したりとかの。どうかにゃ?」
 少し考えこむ。考えこんだのちに、かなたは頷いた。
「そうね。まあ……構いませんよ」
 と、言いつつふわりと花火から花火へと移動する。
「よしきたにゃ!」
 それでクーナも花火から花火へと飛び移った。
 美しい音がする。二人はどんどん上昇して行く。
「……ゆっくり降りるのも中々乙だと思わないかにゃー?」
 気が付けば海も遠くなっていた。このまま落ちたら多分、きっと、痛くなくとも結構怖い。クーナの言葉に、かなたそうね、と微笑むのであった。
大成功 🔵🔵🔵

ラピタ・カンパネルラ
【仄か】
すごく楽しみ!うんうん、花火といえば、大砲みたいな音だもの…
、?(もしかして)(ぼくのこと?)
……僕そんなに綺麗な音立てられた?
ふ、ふ、はにかみ笑み
じゃあ少し
大きい声で笑ってみるね

花火を駆け上がり、あたり中きらっきらの光
太陽のかけらの中みたい
しゃらしゃらの音、夢中で駆けあがろう、カロンの事もわざと置いてっちゃおう、心臓が高鳴って止まらない
こっち
こっち
光の嵐に笑いながら君を呼んで
ぱっと飛んだら手を伸ばす
火花と一緒に海に飛び込もう。
カロン、こっち。言葉にもせずに強請る、一緒におちようよ
ああやっぱり
繋いだ手が一番あたたかい

ーーぷは!
あはは、綺麗だったあ
ねえカロン、もっかい行きたい


大紋・狩人
【仄か】
花火と一緒に打ち上がるなんて楽しそう!
特等席のお花見で、演奏会だ
炎の花から涼しい音って不思議だよな
(ラピタを見)
そうでもないか
……うん
声も、好きだから
(はにかむ)

溢れんばかりの極彩を駆ける、駆ける
きらきら、花火に輝くきみの青灰
ラピタ待って、笑い、走り、悪戯げに遊ぶ姿にみとれてた
きみの赤が行き先を捉えていて、それが無性に嬉しい
そっちだね
見失ってないよ
追いかけてる間も
ずうっと
手を繋いでるみたいだ

火の花を纏ってラピタが跳ぶ
思考より先、浮遊感
伸ばした手を空中で握る、おちていくなら、二人で
言葉がなくともそうしたかった

ざばり
はーー……あははっ!
ね、綺麗で楽しかった!
勿論、ラピタ
僕もそう思ってたとこ


「花火と一緒に打ち上がるなんて楽しそう!」
 大紋・狩人(黒鉛・f19359)の言葉に、ラピタ・カンパネルラ(薄荷・f19451)も大いに頷く。
「だよね。すごく楽しみ!」
 そんなおしゃべりをしながらも、二人は花火打ち上げ会場に向かう。ドン、という花火特有のうち上がりと、そして散るときは涼やかな音を立てるその花火は、ものすごく鮮やかな輝きと共に咲いては消え咲いては消えてしていく。……自分がそれと一緒に打ち上げられるなんて、なんだかちょっと、不思議な感じだ。
「特等席のお花見で、演奏会だ。炎の花から涼しい音って不思議だよな」
「うんうん、花火といえば、大砲みたいな音だもの……」
 そういいかけて、ラピタはうん? と首を傾げた。狩人がラピタを見ながら、「そうでもないか」みたいに言ったからだ。
「……」
「……? もしかして」
「……うん」
 ぼくのこと? という前に、狩人が白状する。
「声も、好きだから」
 はにかむような言葉に、ラピタはちょっと言葉に詰まって。
「……僕そんなに綺麗な音立てられた?」
 と、言った声にこくりと狩人が頷くので、
「……」
 ふ、ふ、はにかみ笑み
「じゃあ少し、大きい声で笑ってみるね」
 と、そんなことを言って。狩人は嬉しそうに笑った。
「……うん」

 空は光にあふれていた。次から次に打ちあがる、色とりどりの花火、花火、花火。
 触れては消える、儚いもの。あふれるぐらい、沢山あるもの。
 その中をラピタは走る。笑いながらきらっきらの光を走る。
「ね、太陽のかけらの中みたい」
 そんなことを言いながら、階段を登るみたいに花火を蹴った。しゃらしゃらと奏でる音は、ラピタの気持ちをはねさせる。
「……」
 狩人はその後を追いかける。花火に輝くラピタの姿を、その背中を、捉えて。踊る髪にかかる花火の色が……、
「ねえ」
「!」
 突然、ラピタが振り返って。狩人の心臓が止まりそうになる。いつの間にか見とれていた。
「カロンの事もわざと置いてっちゃおうかなっ」
「ええ……」
「ふふっ。なんだか心臓が高鳴って、止まらないんだよ!」
 走る、走る、走る。
 まるで月までかかる階段を駆け上がるように。
「ラピタ待って」
「カロン、こっちこっち」
「うん、そっちだね」
 光の嵐の中、笑いながらラピタは狩人の名前を呼ぶ。
「ほら!!」
 てっぺんだ。とラピタが叫ぶ。
 花火の一番てっぺんまで。狩人は迷わずついてきた。きみの赤が行き先を捉えていて、それが無性に嬉しいから。目を離す余裕なんてなかった。
「迷わなかったかい?」
「勿論。ラピタの姿はいちども見失ってないよ」
 ふふ、といたずら者っぽく笑うラピタに、狩人も微笑んで答える。
「追いかけてる間も、ずうっと手を繋いでるみたいだ」
「ええ……」
 何とも照れるその言葉に、はにかむように笑いながら。……笑ったところで、
 二人の足元の花が崩れた。
「……」
「……」
 顔を見合わせる。
 互いに、無言だった。
 ラピタが手をあげる。言葉すらないそのただほんの少しの動作が、
 一緒におちようよ、と。そういっていた。
「……」
 だから、狩人も無言でその手を取った。考えるより先に手が動いた。
 二人して手を繋いで。空中へ投げ出される。
 数多の花火を突き破り、様々な音を立てながら二人落ちていく。
「……」
 ああやっぱり、繋いだ手が一番あたたかい……と。
 ラピタが声に出す、その前に。

 どぼん! と。
 二人して見事海の中へと落下した。

「ーーぷは!」
 ラピタが顔を上げる。手を繋いだまま水面から顔を出し、大きく息を吐いた。
「はーー……あははっ!」
 応えるように、狩人も思わず笑う。顔を見合わせて笑いあいながら、
「あはは、綺麗だったあ」
「ね、綺麗で楽しかった!」
 二人して空を見上げた。
 空を彩る数多の炎の花はいまだ終わることを知らないように輝いていて、
「……ねえカロン、もっかい行きたい」
 その炎を見ながらまた本当に楽しそうにラピタが言うので、
「勿論、ラピタ。……僕もそう思ってたとこ」
 狩人もまた、笑ってつないだままの手を引いた……。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

灰神楽・綾
【不死蝶】
おーい梓ー、スイカ割りしようよー(立派なスイカを抱え
ほら、夏だし、海だし

去年の夏休みもスイカ割りやったけど
あの時は俺が目隠ししてスイカ割る側だったじゃん
だから今回は俺が指示する側やってみたいんだよね
というわけで、はい、目隠ししてー棒持ってー

あ、それと、焔と零が応援ということで
スイカのすぐそばをウロウロしているから
可愛い愛竜たちを棒で叩くなんて過ちが起きないように気を付けてね
梓の実力ならいけるいける

もうちょっと右ー
そこからだと焔に当たっちゃうよー
あっ、ストップストップ、零が移動してきた
(綺麗に割れたスイカを見て)おぉ~、お見事

最後は皆で花火を眺めながら
美味しくスイカをいただきましたとさ


乱獅子・梓
【不死蝶】
ふーむ、何してもいいとなると逆に悩むな
花火氷菓子舐めながらボーッと
花火を眺めるなんてのも案外悪くない
綾、お前は何がやりたい?
……なんで?<スイカ割り

俺が許可を出す前にあれよあれよという間に綾に目隠しをされ
スイカ叩き用の棒を持たされ準備万端状態に
なんでこういう時、異様に手際がいいんだこいつは…

発想が鬼畜過ぎないかお前!?
焔と零が応援してくれるのは嬉しいが危険極まりない
こうなったら全神経を研ぎ澄まして
的確にスイカを叩き割るしか無い…!

クッ、焔と零の可愛い鳴き声が
やたら耳に入ってきて集中出来ない…!
よーし、ここで…こら零!離れていなさい!
そこだ!(ばーん)
フッ、ミッションコンプリート!


「ふーむ……」
 告白しよう。乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)は……、
「何してもいいとなると逆に悩むな……」
 なんかこう、逆に途方に暮れていた!!
 徐に花火氷菓子を口に入れる。ばちっとした刺激がこれはこれで素晴らしい。ばちっとした刺激を与えられながらも頭の中はぼーっとしている。いやいっそ、
「花火氷菓子舐めながらボーッと花火を眺めるなんてのも、案外悪くない……?」
 アリかも。これはこれで大人のだらしない夏休み感がしていいかも。
 だってほら。泳ぐって程でもないし、花火で空飛ぶほどの浪漫があるわけでもないし。一緒に来たのが可愛い女の子ならともかくあれだし。あれがあれであれだから……、
「……綾、お前は何がやりたい?」
 そうあれ。まあ折角なので梓はあれこと灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)を振り返る。どうせろくでもない提案しかしないだろう、というその心持が若干梓の表情に現れていた。果たして綾は……、
「おーい梓ー、スイカ割りしようよー」
「……なんで?」
 立派なスイカを抱えて手を振っていた。
「ほら、夏だし、海だし」
「だからってスイカって……」
「去年の夏休みもスイカ割りやったけど、あの時は俺が目隠ししてスイカ割る側だったじゃん。だから今回は俺が指示する側やってみたいんだよね。というわけで、はい、目隠ししてー棒持ってー」
 一瞬だった。怒涛だった。あっという間だった。梓が一言発する間に向こうは三言位発していた。
 許可も拒否も提案もない。あれよあれよあれよという間に目隠しされ、スイカ叩き用の棒を持たされ、ぐるぐる回され、
「なんでこういう時、異様に手際がいいんだこいつは……」
「あ、それと、焔と零が応援ということで、スイカのすぐそばをウロウロしているから。可愛い愛竜たちを棒で叩くなんて過ちが起きないように気を付けてね」
「!?」
「梓の実力ならいけるいける」
 やっぱり綾の提案はろくでもない。その認識を再確認した梓であった。
「発想が鬼畜過ぎないかお前!?」
「いやいや。可愛い二人が梓を応援したいのは、ごく自然なことだろう?」
「それはうれしいけど! 危険極まりないだろう! 綾と違って焔も零もたたけば痛いんだぞ!」
「いや、俺だって叩かれれば痛いよ?」
 心外だ、みたいな声音をしているが、その心外が梓にとっては心外だ。ちなみに目隠しされているので顔は見えないが、絶対笑ってるの決まってる。
「くっそ、こうなったら全神経を研ぎ澄まして的確にスイカを叩き割るしか無い……!」
「うんうん、愛だね愛」
「覚えてろよ綾!!」
 でも結局付き合うのは、梓の人の好さの表れだと思う綾なのであった。

「もうちょっと右ー」
「右……ここか!?」
「そこからだと焔に当たっちゃうよー」
「!!」
「キュー(いいのよ、私のことは気にせず打って! 敵を倒して! 的な焔さんの鳴き声)」
「クッ、焔と零の可愛い鳴き声がやたら耳に入ってきて集中出来ない……!」
 そうしてあっちにへろり、こっちにへろりと右往左往する梓が出来上がる。
「よーし、ここで……」
「あっ、ストップストップ、零が移動してきた」
「ガウ(こっちだよ、こっちこっち、と言いたげな零さんの鳴き声)」
「こら零! 離れていなさい!」
 まけない。
 尚、()の中はただの梓の想像である。
「お、その辺でいいと思う」
「よし、そこだ! 焔、零! 見てろよ俺の愛の力―!!」
 ばーん!!
 乾坤一擲、全力で棒を振り下ろす梓に、
「おぉ~、お見事」
 かぽーん、とスイカも愛を持って梓に応えた。すなわちキレイに真っ二つである。
「フッ、ミッションコンプリート!」
「キュー」「ガウ」
 ハイタッチする梓、焔、零。
「じゃ、俺は先にスイカ貰っておくねー」
 そしてさっさとスイカを手に取る綾である。
「……うん、夏だねー」
「おい、ちょま……全部食べるなよ!!」
 慌ててスイカに手をかける梓。今年の夏も、きっと楽しいことになるだろう……!
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

ポク・ョゥョゥ
かなたたんっていうのー?
ぽくだよーぱんだなのー
あがめよー(はじめましてー)
一緒にあそぼー

花火でお空いけるのー?すごーいねー
海に潜るのも好きだけど~お空も泳いでみたいのー
そだー。ぽくねー水着あるんだー
へんしーんでパンダから今年の人魚水着になるよー
よーし、ぽよんと花火に乗って星空遊泳だ~

花火きれいだねー飛び込んじゃえー
かなたたん足場だいじょーぶー?
おちそーなったら~ぽくの尾に乗っていいよー
白竜のぱくもお助けするから安心だよー
ゆっくり降りよーね~

えへへーぽくと遊んでくれてありがとうなのー
お腹すいたな~
おいしーものもたべにいこー
海の家ごはんいっぱい食べよー
勿論デザートも忘れないよ~

次は海で泳ぎたいね~


「かなたたんっていうのー?」
「そうよ。私の名前を知っているなんて、あなた、見所あるわね!」
 ポク・ョゥョゥ(よろしくなの〜・f12425)とかなたの出会いは、だいたいそんな感じであった。パンダっぽい形を取ったポクに、かなたはうんうん、と何だかそこで得意げに頷く。
「そして、あなたは?」
「ぽくだよーぱんだなのー。あがめよー」
 はじめましてー。的に言うポクに、なるほどなるほどとかなたはその言葉を聞き納得した後、
「私も、あがめてよろしくてよ!(訳:初めまして)」
「わーいあがめよー」
「おっほっほ、その言葉とっても素敵ね!」
「一緒にあそぼー」
「ええ……参りましょう。いざ、夏の海へ!!」
 なんか妙に意気投合した二人であった。

 そんな間もあちこちで花火が上がっている。花火の上を歩くのはなかなかの人気で、あっちこっち空へと昇っている人がいる。
「花火でお空いけるのー? すごーいねー」
「そうね。改めて考えてみれば疑似的に空を飛ぶのですもの……」
「海に潜るのも好きだけど~お空も泳いでみたいのー」
「よし。……行きましょう!」
 細かいことを考えるのはやめた!
 行きましょう、と拳を握りしめるかなたに、行こう~。とポクは笑う。……笑ってから、
「そだー。ぽくねー水着あるんだー。へんしーん」
 せいやっ
 と、何やらポクが唱えると同時にぽわんとポクの姿が変わる。
「ほらほら、人魚ー」
「まあ、かわいらしい」
「あがめよー?」
「ええ。あがめてよろしくてよ!」
 ぽよよよよん。とそのまま花火に乗るつっ込み不在。
「ほら、お手をどうぞ人魚様」
「わ~い。花火に乗って星空遊泳だ~」
 その手を取ってかなたも空中を駆ける。
「かなたたん足場だいじょーぶー? おちそーなったら~ぽくの尾に乗っていいよー」
「あら。それは落ちそうでなくても乗っちゃうわよ?」
「いいよー」
「それでは……えいっ」
「ぱくもお助けするよー」
 白竜のぱくも一緒に空を泳ぐ。花火は生まれては消えていき、消えるたびに音を立てる。
「花火きれいだねー飛び込んじゃえー」
「ひゃー!」
 飛び込むと、しゃららららららららん。と連続してきれいな音が鳴る。
「きれー」
「いっそ清々しいわね。……あっ。ポクさん次はあれにしましょう」
「わーい。突入ー」
 しゃららららららららん。
 ゆっくりゆっくり降りながら、二人してそんなやり取りを繰り返す。

「えへへーぽくと遊んでくれてありがとうなのー」
 そうして地上についたら、とんとかなたはポクの尾から降りた。
「こちらこそ。とても素敵な飛行だったわ」
「ほんと? わーいわー……」
「?」
「……お腹すいたな~」
「ふっ」
 言ったはなからお腹空くポクに、かなたは笑った。
「ねえねえ、おいしーものもたべにいこー。海の家ごはんいっぱい食べよー」
「あら。よろしくてよ。もちろんこれは、ポクさんの奢りよね??」
「おごり??」
「だってデートですもの!」
「そっか~。勿論デザートも忘れないよ~」
 相変わらず話がつながるような繋がらないようなつっ込み不在。でも二人とも楽しそうで。ご機嫌で今度は海の家を目指す。
「次は海で泳ぎたいね~」
「食べたら少し泳ぎましょうか。私、こう見えて泳ぎは普通よ!」
「ポクもふつうよ~」
 わーい。って笑いながら。
 歩く姿はなんだか姉弟のようだった。
大成功 🔵🔵🔵

瀬名・カデル
【花雪】
景雪とアーシェと一緒に海へ来たんだよ!

ここは花火でいっぱい遊べるみたいだね、
花火氷菓子なんていうものがあるんだ!
どんな感じなんだろうね、買って一口お試し♪(ぱく)
ひゃあ冷たい!すごいよ景雪!

用意した花火で遊ぼう!
ボクはねー、色んな色が見れる花火が好きかな?
わ、これ噴水花火っていうみたいだよ!
(火をつけてぶわー)わぁ~キラキラだね!

あ、このお魚さん知ってるよ、金魚っていうんだよね!
え、花火って水でもつくのかな!?
(泳ぐ姿を見て)わぁ~すごいねー…!
アーシェもね、とっても嬉しそうだよ!目がキラキラしているもん!

花火氷菓子を楽しみつつ、水面から聞こえてくる音や花火もいーっぱい堪能したいね!


叶・景雪
【花雪】
難しい漢字は平仮名使用
名前以外カタカナはNG

手もちのようかい花火とか準備をして…
あ、かでるお姉さん、海の家で花火氷菓子もかっていこうね!
口の中でぱちってするんだって!って、あ、ぼくもぼくもーー!(あーんで花火氷菓子待ち)わわっ、冷たくてはじけたよ!?(きらきらと顔を見合わせ

ろうそくに火をつけてばけつ用意したら、準備はばっちり!
かでるお姉さんはどんな花火がすき?(色々と差し出し

(盛り上がってきたらじゃーん!と水中金魚花火を掲げ)
水の上をおよぐ金魚さん花火なんだって!
火をつけてから水を入れたばけつに浮かべると…
すごーい!本当に水の上をはしってるね!
あーしぇお姉さんもきらきら花火は好き?


「ふっふっふ」
「ふっふっふ」
 二人。なんだか怪しげな笑いが漏れているがあまり気にしてはいけない。
「こちらがてもちの!」
「ようかい花火―!」
 ばばーん! と、花火を掲げるのは瀬名・カデル(無垢なる聖者・f14401)と叶・景雪(氷刃の・f03754)であった。
「あ、かでるお姉さん、海の家で花火氷菓子もかっていこうね!」
「へええええ。花火氷菓子なんていうものがあるんだ!」
 うっきうきで景雪とカデルは二人して露店に向かう。露店にはたくさんの飴が並んでいる。
「どんな感じなんだろうね……」
 実はこれ、飴のように見えてこれで、氷菓子である。カデルはとりあえず色とりどりのものを一瓶買う。でもどう見ても見た目飴。しげしげと眺めるカデルの隣で景雪がその瓶を覗き込み、
「口の中でぱちってするんだって!」
「なるほど! じゃあ一口お試し♪」
 即断即決、早かった。一瞬でカデルは氷菓子のひとつを口に入れると、
「って、あ、ぼくもぼくもーー!」
「ひゃあ冷たい! すごいよ景雪!」
「むー!!」
「はいはい、あーん!」
「あーん」
 ひょいっ。
「わわっ、冷たくてはじけたよ!?」
「でしょう?? すっごいすっごい、冷たいね!!」
「うんうん、おいしー!!」
 頬っぺたに両手を当てて幸せそうにする二人。
 顔を見合わせてうん、うん、と頷く。
 雨のようであるがさすがに氷菓子。暫くして口の中へ溶けて行けば、
「それじゃあ次は花火で遊ぼう―!!」
「うん、花火いこうー!」
 あっちだー!
 と。砂浜に向かって走り出す二人であった。

 用意するのは蝋燭にバケツ。
 そしてたーくさんの花火。
「準備はばっちり!」
「おっけー!」
 ばっちりばっちりー! と二人で謎のポーズを取ってから、
「準備体操しよう、景雪! アーシェ!」
「じゅんびたいそう!」
 準備体操もしたりする。いやほら、海だし。
「かでるお姉さんはどんな花火がすき?」
 程よく準備してから、景雪は花火を並べだす。あれ、これ、それ。様々な種類を準備した。その様子に、カデルは腕を組んでんー。と考えこむ。
「ボクはねー、色んな色が見れる花火が好きかな?」
「いろんないろ! じゃあ、これかな?」
 じゃーん、と取り出した手持ち花火に、カデルは両手を組んで、
「じゃあ、それにする!」
「うん!! じゃあ、ぼくはね……」
 あれこれ言いあって、花火を取る。光があふれれば、
「ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
「かでるお姉さん、すごいすごい!!」
 なんてはしゃいだ声をあげたり、
「わ、これ噴水花火っていうみたいだよ! つけてみよう!」
「うん、つけるつける!」
 ぶわーっと広がる花火を二人で眺めたり、
「わぁ~キラキラだね!」
「すごいね。すごく、まぶしいよ!!」
 ふわわわわ。と二人して感動したり。
 そんなあれこれを繰り広げ、花火もそろそろ中盤になったころには……、
「ねえ、お姉さんこれみて、これ!!!」
「うん? なーに?」
「じゃーん!」
 ドン、と徐に景雪が取り出したのは水中金魚花火である。紙で出来た魚の付いた花火であるが……、
「あ、このお魚さん知ってるよ、金魚っていうんだよね!」
「そうそう! 水の上をおよぐ金魚さん花火なんだって!」
「え、花火って水でもつくのかな!?」
 景雪の言葉に思わず目を丸くするカデル。ふふん、と景雪は何処か得意げだ。
「まかせて! 火をつけてから水を入れたばけつに浮かべると……」
「わー。わー!! 消えちゃう消えちゃう」
「じゃーん!! きえないよ!!」
 ほら! と得意げに景雪はバケツを示した。それからちょろ、と、自分でバケツを覗き込んで」
「……すごーい! 本当に水の上をはしってるね!」
 思わず声を上げたのである。消えないことは知っているが、見るのは初めて感が出ている。バケツの上で金魚たちは踊り、不思議な色の泡が上がる。これがきっと花火だろう。
「わぁ~すごいねー……!」
 カデルもまた水の中を覗き込んで、感心したような声を上げた。
「……あーしぇお姉さんもきらきら花火は好き?」
 カデルが喜べば、景雪も嬉しい。思わずそう聞く景雪に、カデルはぱっと顔を上げる。
「好きだよ! アーシェもね、とっても嬉しそうだよ! 目がキラキラしているもん!」
「わあ……!」
 その笑顔に、思わず景雪も笑う。
「いっぱい花火しよ!」
「うん! 氷菓子もいーっぱい食べよう!!」
「うん!!」
 二人して歓声をあげながら、次の花火に手を取る。
 二人の夏はまだ、始まったばかりだ。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

尾宮・リオ
サラ先輩(f29603)と

花火、確かに綺麗ですね
空中からだと
一層近くに感じられそうです
行きましょうか、と穏やかに笑った

サラ先輩の後を追い掛け登る
足場が消えていく瞬間
ちりんちりん、と鳴る音が
どこか切なく響き目を細めて

やがて辿り着いた最上で
星へ手を伸ばす彼女の姿が見えた気がした
でも、ゆるゆると舞うように落ちていく身体

サラ先輩、さっきはどうしたんですか?
海の中で揺蕩いながら問い掛ける
星に届く夢、叶う日がくると良いですね

僕の夢ですか?
手伝ってくださるのは有り難いですが
自分ひとりで叶えるべき夢なので
応援の気持ちだけ頂いておきますね

(これ以上、何かをしてもらっても、
 僕が気持ちに応えることはないから──)


片羽・サラ
【リオくん(f29616)と】

リオくんに片思い中
振られてもまだ諦めない

わぁ…すごい!夜空も花火も綺麗!
空中散歩しようよ、リオくん!

お星様の形の花火に足をかけ、ひとつずつひとつずつ上に登っていく
ちりんちりんと音がして消える
わぁ、綺麗!
空の星に手を伸ばすけど、掴むことは出来ない
寂しそうに笑いながら、最上からゆるゆると海に落ちる

夢を叶えたくて
いつかお星様に手が届く夢叶うかなあ
さっきは近かったね
(リオくんに振り向いて欲しい夢は届かなさそうだけど、それより)

リオくんには夢あるかな?
あるなら、それが叶うと僕は嬉しいよ
大好きな人の願いなら、僕は叶える手伝いもしたいな

わかった
応援してるね!
(力になりたいのにな


「わぁ……すごい! 夜空も花火も綺麗!」
 そんな片羽・サラ(星空蝶々・f29603)の言葉から今日の夜は始まる。
 無邪気なサラの言葉に、尾宮・リオ(凍て蝶・f29616)もまた空を見上げる。
「花火、確かに綺麗ですね。空中からだと、一層近くに感じられそうです……」
「ね、ね、空中散歩しようよ、リオくん!」
 ほらほら、上、上がれるみたいだよ、と。指をさす更にリオはほんの少し、迷うような仕草を見せた後で、
「……そうですね。行きましょうか」
 と、穏やかに笑うのであった。

 夜空一杯に広がる花火。あちらにもこちらにも、ぽんと打ちあがっては消えていく。
 それに乗れるという不思議。お星様の形の花火に足をかけ、ひとつずつひとつずつ、サラはどんどん、上へと目指す。
「ほら。こっちこっち、リオくん!」
 花火は待っていてくれない。触れるとちりんちりんと音がして消えていく。
「わぁ、綺麗!」
 消える瞬間のその姿が何とも言えず可愛らしくて、サラははしゃいだ声を上げた。
「……」
 リオはそれを追いかけながら、見上げて。
 消えていく音に耳を澄ませる。
 涼やかで……どこか儚くて潔く消えていくその姿が、
 なんだか切ない気がして目を細めた。
「ね、空の星に手を伸ばしても、掴むことは出来ないんだね」
 くるりと。
 そんなリオの言葉を察したのか、サラが振り返って微笑む。
「ほら」
 星へと手を伸ばす皿を視界に収めたと、そうリオが思った瞬間、サラの足元が崩れた。
「……」
 跳べば、別の花に移ることもできただろうに。
 サラはそれをせずにゆるゆると海に落ちていく。
 その顔は、どこか寂しそうに笑っている風に、見えた。

「サラ先輩、さっきはどうしたんですか?」
 ざざん、ざんと。
 最後はみんな、海の中だ。
 花火は砂糖菓子のように溶けて、おしまい。
 海に揺られながら二人、暫くはそうして空の花を眺めていたのだけれど。
 沈黙を破ったには、リオの方であった。
「……夢を叶えたくて」
「夢」
「いつかお星様に手が届く夢」
 叶うかなあ。と、サラは言った。それは答えのようで、答えになっていなかった。
 けれどもリオは、それ以上は言わなかった。
「……星に届く夢、叶う日がくると良いですね」
 ……それは、
 サラの気持ちを知っていて、それでも応えられないといったリオの、やっぱり間接的な「応えられない」というメッセージだったのかもしれない。
「……さっきは近かったね」
 ポツン、というつぶやきに返事はない。聞こえたのかもわからない。サラは目を細める。そして、
(リオくんに振り向いて欲しい夢は届かなさそうだけど、それより)
 一呼吸、置いて、
「リオくんには夢あるかな?」
 代わりに、そんなことを口にした。
「僕の夢ですか?」
「うん。あるなら、それが叶うと僕は嬉しいよ。……大好きな人の願いなら、僕は叶える手伝いもしたいな」
 サラの申し出に、リオは息を詰める。
「……手伝ってくださるのは有り難いですが、自分ひとりで叶えるべき夢なので。応援の気持ちだけ頂いておきますね」
「…………、わかった。応援してるね!」
 リオの、答えに。
 サラは一瞬、息を止めてそう答える。
(力になりたいのにな)
(これ以上、何かをしてもらっても、僕が気持ちに応えることはないから──)
 想いは、重ならない。
 二人で並んで空を見つめる。
 花火はたくさんたくさん打ちあがって、たくさんたくさん重なって……そして綺麗な音を残して消えていく。
「……」
「……」
 まるで砕け散った花火が落ちてくるのは、星が降るみたいだとリオは思った。
 それは……すぐに消えてしまうもの。けれども、人の心にはいつまでも残るもの。
(……だからこそ……)
 難しいのかもしれないと。
 声に出さずとも、二人は思うのかもしれなかった……。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

月詠・黎
🌕望月

此の妖怪花火は色が鳴るのか
職人次第で変わるとは妖怪も人の世も似ておる
ユエ、上へ参ろう
新たに作られる模様の路を辿り辿りて空の上

ひとつ咲いた空の華に触れたなら
しゃらと儚き音を残して消える

幾つか触れてみて
此れは奏でが紡げそうじゃな
ユエ、共に奏でてみぬか?
涼し気な夜の奏でを
そうして憶えて口遊むのも樂しき物やもしれぬ

しゃら、ら
ちりん、りん
ぽろん…
色々な音を確認しながら指先で繋ぐ音
交互に触れて友との合奏
あんさんぶる…と謂うのだったか?
ぎこちない音が自然な音へ成って之くのが
噫――樂しいのう
唇から零れ出る程に樂しく
奏でが歌う、唄う、詠う

響く奏と煌めく耀の前に巫女も神も居はしない
夏夜を樂しむ友ふたりだけ


月守・ユエ
🌕望月

色が音に…?
音が鳴る、奏でられる
その現象に心が強く惹かれるのは音を紡ぐ者としての性か
うん、早く行ってみよ!
模様を辿り、最初の一音
彼が鳴らすは美しき奏
儚くも心響く色

やる!やりたいっ
鳴らしていく音を口遊む…絶対楽しいよ!
僕達だけの曲を作ろ
誰も作った事ない夏夜の曲を!

ぽろん…ぽろろん
しゃーん…しゃん
描く奏では2人の心の煌きを表現し夜空の何処までも響く
ふふっ、そう!これが、あんさんぶる!
ぎこちない音も全部拾って1つの曲にする
詠う、唄う、謳うの
彼の咲みや楽しく思う心がずっと続くように

楽しいね、とっても!
まだまだ終わらないよ♪
いっそ疲れる迄、さぁ次も

此処には神も巫女もいない
在るのは夏を楽しむ友と友


 不思議な響きだと、月詠・黎(月華宵奇譚・f30331)は目を細める。
「此の妖怪花火は色が鳴るのか……」
 しゃらん、しゃらららん。りん、りんと。
 奏でる音はとても軽やかなのに、その視界には巨大な花火が映るのだから面白い。
「職人次第で変わるとは妖怪も人の世も似ておる……」
「色が音に……? なんだかすごいね。どの花も音が違う!」
 その隣で胸を躍らせているのは、月守・ユエ(皓月・f05601)だ。奏でられるその色合いに強く惹かれるのは、音を紡ぐ者としての性だろうか。
「……ユエ、上へ参ろう」
 そんなユエの表情を知ってか知らずか、静かに黎が言うと、ユエはぱぁっ、とその表情を輝かせる。
「うん、早く行ってみよ!」
 ほら、とユエが手を差し出して、黎はその手を取った。

 空中に咲くのは色とりどりの花だ。
 一つとして同じ模様がない世界で、黎はそっと、一つ花に足を延ばす。
 しゃらん。
「……!」
 ぐ、と叫びだしたいのを堪えて、ユエはその隣に足をのせる。
 しゃらららん。
 同じ花火に乗れば、儚くも心響く色がユエの胸をとらえた。
「儚き音を残して消えるのだな……」
「……うん」
 同じことを思っていたのか、黎がそういうので、ユエも小さく頷いた。
 足元はすぐに消えていく。だから次の花火に移る。
 音を立てて崩れる足場は、綺麗で、そして音があるのに静かで儚くて、
「……此れは奏でが紡げそうじゃな」
 一つ、二つ。花から花へ。舞うように足で触れれば奏でられる音に黎は小さく呟く。
「ユエ、共に奏でてみぬか?」
 ふと黎が口に出したのは、ユエが本当に真剣にその音を聞いていたからだ。
「涼し気な夜の奏でを。そうして憶えて口遊むのも樂しき物やもしれぬ」
 一つ、また一つ。触れるたびに出る音を聞きながら、黎がそう提案すると、またユエが顔を上げて笑顔になる。
「やる! やりたいっ! 鳴らしていく音を口遊む……絶対楽しいよ!」
 両手を広げて、広げた途端にその手に花火が飛び込んでくる。触れた瞬間音を立てて砕けるそれに、
「僕達だけの曲を作ろ……。誰も作った事ない夏夜の曲を!」
 ユエの音楽が広がるのを、黎は何とも言えぬ優しい目でひとつ、頷いた。

 ――しゃら、ら。
 ――ちりん、りん。
 ――ぽろん……。
 黎の音と、
 ――ぽろん……ぽろろん。
 ――しゃーん……しゃん。
 ユエの奏でる音がまじりあう。
 足先で、指先で。
 複雑に奏でるその曲に楽譜はない。
 音を確認しながら、二人で触れて語り合うように言葉を紡いでいく。
「こういうものを、あんさんぶる……と謂うのだったか?」
 楽しげに言われた黎の言葉に、ふふっ、とユエが笑う。
「そう! これが、あんさんぶる! ぎこちない音も全部拾って1つの曲にするもの」
 ぎこちないながらもふたりの音は夜空に煌めいていく。何度も何度も繰り返して、美しい歌になっていく。
(詠う、唄う、謳うの。……彼の咲みや楽しく思う心がずっと続くように)
 それが何とも楽しくて。ユエは嬉しそうに一つ、頷くのであった。
「噫――樂しいのう」
 そんなユエの言葉を知ってか知らずか、黎の唇から言葉が零れ落ちる。
「……楽しいね、とっても!」
 奏でが歌う、唄う、詠う。その言葉にユエも同意する。触れては消える、その楽器は、
「まだまだ終わらないよ♪ いっそ疲れる迄、さぁ次も。たくさん……行けるところまで、行こうよ」
 今宵いつまでも続くだろう。上機嫌なユエの言葉に、ああ、と黎は頷いた。
「――樂しいのう」
 もう一度。その言葉が口に出た。
 此処には神も巫女もいない……。在るのは夏を楽しむ友と友、だけで。
 夏夜を樂しむ友、ふたりだけで……。
「……うん。ずぅっと、続けてこうよ!」
 ずっと……ずっと。
 一緒に歌おう。この祭りが終わるまで。
 そんなユエの言葉に、黎も笑って頷いた……。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

朱雀・慧華
【三華】
21水着+★ローラーシューズ

智夢、妖怪さん達の前に水着で出るのが恥ずかしいんだってー
素肌見せた事ないからって
似合ってるのにね

三人一緒が難しそうなら
私は自力で飛べない智夢を支えて

ほら、着いたよ智夢ー
目つぶってたらもったいないよー
ね、綺麗でしょ

いいじゃん、空のお散歩!
私が手引っ張ってあげるよ?
あ、それとも…一緒に座ってゆっくり見る?
えへへ、神様にお任せあれ☆

【指定UC】を発動してから花火を蹴り
★シューズで虹を描きながら空を舞う
花火の上に作られる具現化した虹の橋

ね、これなら暫くは落ちないよ

綺麗な音だねー
縁側でせんぷーきかけて猫と遊びながらプリン食べて涼みたい気分
え、好きだから? えへへ♪


栗花落・澪
【三華】
21水着

楽しそう、行こ行こ!
って…どうしたの百鬼さん?

それなら僕達に隠れて行けばいいよ
…僕の身長で隠しきれれば(遠い目

全員は難しい場合僕が一人で
気軽に女性の身体に触れるわけにはね

火花の上を身軽に歩いて合流
折角だから空の散歩でもする?

え、朱雀さんそんな事できるの?
わぁ、虹に乗れるなんてすごーい!
えへへ、素敵なコラボレーションだね

ご機嫌に虹に乗ってから振り返り
花火の足場が消える前にと百鬼さんに手を差し出し
ね、一緒にいこ

百鬼さんを真ん中に虹に座り
打ち上がり続ける花火の鑑賞会

大きい破裂音じゃないのが新鮮だね
目にも耳にも、心地いい

なんでプリン?
あはは、なるほど
いいね、花火の後は皆でプリン食べよ


百鬼・智夢
【三華】
21水着

ふぇ、あ、あの…人が、その……
ご、ごめんなさい…ありがとうございます……

仲のいい子達とは少しは話せるようになったけど
そうじゃない人とは、まだ、怖くて
…今回は恥ずかしいの方が強いですが…!

慧華ちゃんにしがみつきながら空へ

ふぇ…ぁ……

慧華ちゃんの声で恐る恐る目を開き
視界に広がる景色に思わず言葉を失い
はい……こんな景色、初めて見ました…

でっ、でも、その…
私そんなに、運動神経が…

座って…?

最初は慧華ちゃんの言葉に首を傾げるが
虹の橋ができたら驚いて
澪君の手を恐る恐る取り

…神様って、凄いんですね
えぇ、涼やかで綺麗な音です
なんだか風鈴のようにも…
え、プリン?
ふふっ…帰りに買いに行きますか?


「そーれ、海だー!」
「海だー、……?」
 わーい。と朱雀・慧華(純真天使・f17361)が声をあげて、それに栗花落・澪(泡沫の花・f03165)が言葉を続かせた。
「それで……これ、何、なのかな?」
「えーっと、楽しいの掛け声?」
 澪の言葉に慧華はうーん? と首を傾げながら言う。そのあまりに当然と言いたげな物言いに、そんなものなのだ、と澪も軽く頷いた。
「それじゃ、定番の(?)掛け声もしたことだし、花火になりに行こうよ!」
 ふんす、と両手を組んで言う慧華に、澪も、
「楽しそう、行こ行こ!」
 ぐっ。と拳を固める。固めたところで……、
「って……どうしたの百鬼さん?」
 ちょっと離れたところで小さくなって全力でテディベアを抱きしめている百鬼・智夢(慈愛の巫女・f20354)の姿を見つけ、驚いたように声を上げた。
「ふぇ、あ、あの…人が、その……。ご、ごめんなさい…ありがとうございます……ごめんなさい……」
「??」
 何やらふるふると声をあげている智夢に、澪は首を傾げる。慧華が、
「智夢、妖怪さん達の前に水着で出るのが恥ずかしいんだってー。素肌見せた事ないからって。似合ってるのにね」
 と、ちょっと微笑みながら経緯を説明する。可愛いのに。と評された智夢の水着はオレンジのチェック柄でかわいらしい。
「なる……ほど?」
 ちなみに慧華と澪も白い水着姿ではあるが、全く持って二人は気にしない。気にしている素振りのない二人に、
「仲のいい子達とは少しは話せるようになったけど、そうじゃない人とは、まだ、怖くて。……今回は恥ずかしいの方が強いですが……! その、至近距離で見られたりすると、ちょっと、ちょっと……!」
 ぷるぷるぷるぷるぷる。
 全力で震えながら言う智夢に、なるほど。と澪は腕を組み考えこむ。そうしてぽん、と手を打って、
「それなら僕達に隠れて行けばいいよ」
 いいことを思いついた。という表情で笑った。……笑った、後、
「……僕の身長で隠しきれれば」
 己の身長がいくつだったかを思い出し、若干遠い目になる澪であった。自分で言ってて自分でダメージ受けた。そんな澪にまあまあ、と
慧華はひらりと手を振る、
「とりあえずその作戦で、いってみよー!」
「は、はい……っ」
 任せろ任せろ、と三人して花火打ち上げ会場に向かう。
 詳細を訪ねてみると、別に三人一緒に飛ばすのは問題ないのだけれども、ぴったり引っ付いてないと勢いでばらけるかもよ、とのことであった。
「ぴったり……。なるほど、なら気軽に女性の身体に触れるわけにはね」
「りょーかい。じゃあ、私は飛べるし、飛びながら智夢を支えるよ」
「うぅ……よろしくおねがいします……ありがとうごさいます……ごめんなさい……」
「いいのいいの。あと、ごめんなさいもいらないんだよ!」
 大丈夫! と、震えながら謝る智夢に慧華は笑顔を向ける。頼もしい姿であった。

 そして……。
 ドォン、と、最初は花火と同じ音がした。
 体を打ち上げられる感覚は、ジェットコースターのようでちょっと違う不思議な感触だ。このままてっぺんまで登って一直線に降下してしまうのか。と、そんな恐怖に狩られて智夢はぎゅううううううっと慧華にしがみついた……。その時、
「ほら、着いたよ智夢ー。目つぶってたらもったいないよー」
 待っても、落ちていく感触は来なかった。代わりに聞こえてきたのは慧華の明るくて優しい声。
「ふぇ……」
 恐る恐る目を開くと、ぱっと目に空と海の青くて暗い色がとびこんできた。
「ぁ……」
 そして、無数とも言える光の粒。色とりどりの花が、その空の中に所狭しと咲いていて、自分たちがその真っただ中にいることにようやく智夢は気が付いた。
「ね、綺麗でしょ」
 慧華がウィンクする。智夢はこくこくと頷く。
「はい……こんな景色、初めて見ました……」
「おーい」
「あ。澪―。ずいぶん飛ばされちゃったね」
「本当だよねー。結構遠かった」
 えいえいえい。と花火と花火の上を身軽に歩いて澪が二人へ近づいてくる。慧華が軽く手を振ってそれを出迎える。
「いらっしゃい澪ー」
「お邪魔するよー。折角だから空の散歩でもする?」
「いいじゃん、空のお散歩!」
 合流すれば、澪の提案に慧華が嬉しそうな声を上げる。その言葉に、智夢は何度か瞬きをした。
「でっ、でも、その……私そんなに、運動神経が……」
 先ほどから智夢の視線の先では、澪が気軽に花火と花火の間を渡り歩いている。歩くたびに素敵な音が鳴るのはいいけれども、自分だと、もごもごしている間に落下してしまいそうで、怖い。
「私が手引っ張ってあげるよ? あ、それとも……一緒に座ってゆっくり見る?」
 そんな智夢に慧華は手を引くと言いかけて……そして思いついたかのように声を上げる。「座って……?」と、怪訝そうに首を傾げる智夢
に、
「えへへ、神様にお任せあれ☆」
 えいやと慧華はポーズを決めた。何するんだろう、と興味津々で覗き込む澪に手を振りながら、
「やっぱり遊ぶときは、皆で一緒に、楽しくだよね!」
 えいえいえい。と空を染み込ませた様な七種の絵具となったシューズを走らせる。空中を蹴りだして舞うように描き出すのは虹の橋だ。虹の橋は即座に物質として具現化し、即席のベンチのようになる。座っても立っても落ちない強度。
「ね、これなら暫くは落ちないよ」
 どうでしょう! なんて得意げに声を上げる慧華に、
「わ、わ……っ」
「え、朱雀さんそんな事できるの?」
 智夢と澪もまた感心したような声を上げるので、さらに慧華は得意げに言った。
「ふっふっふ。ただできるだけじゃない……。これ、乗れるんだよ!」
「わぁ、虹に乗れるなんてすごーい!」
 乗れる。という言葉を聞いて、ためらうことなく飛び乗る澪。
「えへへ、素敵なコラボレーションだね」
 きらきら輝く花火に美しい虹の橋がかかる。ご機嫌でそれに飛び乗って、それから澪は、
「ね、百鬼さん、一緒にいこ」
 花火の足場が消えてしまう前に、と、手を差し出した。
「……ぁ……」
 驚いて、それをひたすら見つめていた智夢は、澪の言葉に我に返る。
「……神様って、凄いんですね……」
 恐る恐る。その手を取って虹へと飛び乗る智夢に、慧華はうんうん、と満足げに頷いた。
「だって神様だからね! すごいんだよ!」
 上機嫌な慧華の言葉に、それでようやく、智夢も少し緊張が解けたように微笑んだ。

「あ。あの花火きれい」
「おっ。どれどれ?」
「! 慧華ちゃん、そんなに身を乗り出したら、落ち……っ」
 そうして虹に座って三人で、花火の鑑賞会となる。
 彼らを包み込むように、沢山の花火が打ちあがり、弾けてそして消えていく。
 消えるときには様々な音が起きて、それがまた何とも言えずに涼しげだ。
「綺麗な音だねー」
 しみじみ慧華は声を上げる。その言葉に智夢もこっくり、と頷いた。
「ね。涼やかで綺麗な音です。なんだか風鈴のようにも……」
「大きい破裂音じゃないのが新鮮だね。目にも耳にも、心地いい」
 ふんふん―。と、澪も足でリズムをとりながら息をつく。一定間隔で様々な音を奏でる花火は、なんだか音楽のようで聞いているだけで気持ちが癒されるようだ。
 そう。まるで…………、
「縁側でせんぷーきかけて猫と遊びながらプリン食べて涼みたい気分……」
 うっとり……みたいな口調でやけに具体的で庶民的な希望を呈する慧華である。今そういうビジュアルが思い浮かんだ。そんなことを言う慧華に、
「え、プリン?」
「なんでプリン?」
 すかさず突っ込む智夢と澪。二人同時の言葉に慧華は「いや、そんな照れますなぁ」みたいな顔で頭を掻いた。
「え、好きだから? えへへ♪」
「あはは、なるほど」
 割と直球の理由だった。慧華の言葉に、
「ふふっ……帰りに買いに行きますか?」
 智夢は楽し気に提案する。もう、怖さなんて何処かへ飛んでしまったかのような彼女の言葉に、
「いいね、花火の後は皆でプリン食べよ」
 慧華はぐっ、と親指を立てて頷くのであった。
「わーい、楽しみだよー!」
 そして歓声。応えるように、花火が三人の足元で咲いて涼やかな音を立て散っていった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

唐草・魅華音
【風祈】
かなたさんと一緒に

ふむふむ、これがかなたさんお勧めの氷菓子ですか。
……本当に花火みたいに色とりどり揃っていますね。これで味は一緒というのが不思議な気がしますが(ぱくり)
……!?思ったより、はじけてきて少しびっくりしました。確かにこの感覚は続けて味わってみたくなりそうですね。
……?エグゼさん、どうしました?何かついてます?

花火を皆さんと眺めて。
はじける時の大きな音と、消える瞬間のはかなげな音。
ああ、なるほど、歌ですか。確かにかみ合わないはずの音が独特の雰囲気を生み出してる感じ、納得です。
そういえば、形が残っているらしいですから、こちらに降り注いだら、手に取り眺めたりできるでしょうかね?


ルクル・クルルク
【風祈】
かなたちゃんも一緒に遊びましょう

花火氷菓子は、ルクルは爽やかミントグリーンのものをぱくっと……ぴゃっ!?(冷たくてバチッとして耳がぴーん!)
び、びっくりしました……でも、蒼ちゃんが仰るように、この刺激が癖になりそうかも、です
色が違うと、味も違うのでしょうか?


花火の音に耳を傾けて
風情、風情……そ、そうですねエグゼくん、風情がありますよね
ルクルにもわかりますとも(わかってる風を装うコメント)

しゃらら、りーん
まるで花火が歌っているみたいですね
ふむ、形が残るのでしたら手に取れるかもしれませんね
ぁ、魅華音ちゃん、こっちに降ってきそうですよ
夏の思い出を増やそうと、ぴょんと跳ねて手を伸ばしてみたり


エグゼ・シナバーローズ
【風祈】
他者は名を呼び捨て
かなたも遊ぼうぜ!

まず花火氷菓子を買う
へー、いろんな色があるんだな
一色じゃなくて複数詰め合わせのものを選ぶ
同行者の髪の色と見比べてにんまり(そーいえばピンク髪率高けーな!)
やー、別に?同じ色で綺麗だなって思っただけだぜー?
口に放り込んでマジで冷たくて、ばちっと弾けてびくっとする
ちょっとびびっただけだし!
シェア?いいぜ!

消える花火の音を聞き、おー、風情だなーとわかってる風なコメント
あがった瞬間はもちろん綺麗なんだけど、消える儚い様子も良くて、そこで可憐な音がするわけだからさ
なるほど、歌か…マジに風情なコメントいただいたぜ
僅かな時間でも手に取れたら貴重な体験だと感じそうだ


神宮時・蒼
【風祈】
*花降様もご一緒に

花火氷菓子、何とも、素敵な、響きの、お名前、ですね
ぱちぱち、弾ける、氷
い、痛くは、ない、のでしょうか
恐る恐る口に含めば、何とも不思議な、清涼感溢れる刺激
こういうの、癖に、なる、と言う、のでしょうか
お味も、違ったり、する、のでしょうか
良ければ、おひとつ、食べて、みます?
氷菓子、と言うのは初めてですが、ひんやり美味しい
あ、食べ過ぎは、おなかに優しくない
そういうものなのですね

氷菓子を食べながら、打ち上がる花火をぼんやりと眺めます
しゃらり、りーん、と澄んだ音が心地良い
花火の欠片、掴めたりしないでしょうか
素敵な夏の一時、皆様と、ご一緒出来て
忘れられない、想い出になりそうです


「ふむふむ、これがかなたさんお勧めの氷菓子ですか……」
「そうよー。まあまあまあ食べてみなさいな」
 ふむふむ、と唐草・魅華音(戦場の咲き響く華・f03360)がじっと飴を見つめていると、かなたがすすす、と寄ってきて声を上げた。何か若干悪代官みたいなポーズをしてた。
 この飴、飴のように見えて花火氷菓子という見るからに怪しげな名前の付いた物である。……というほどではないが、かなたはびっくりする皆の顔が見たい。
「お勧めはその真っ赤な見るからに辛そうなやつよ。見た目を裏切らないわ」
「いや、見た目を裏切らないならそれ明らかに危ない奴じゃねえか」
 すかさず突っ込んだのはエグゼ・シナバーローズ(4色使いの転校生・f10628)であった。エグゼの手の中にある飴の瓶にはいろんな色の飴が詰まっている。
「ていうか、いろんな色があるんだな。思わずいろんな色の積み合わせ買っちゃったけど……」
 ころころ。瓶を転がしながらエグゼはそんなことを言う。ふと周囲を見回せば、
「……」
 何となくピンク髪が多い。ピンクの飴は……とみると、ちゃんと入っていた。
「……?エグゼさん、どうしました? 何かついてます?」
 思わず笑ってしまったエグゼに首を傾げたる魅華音。不思議そうなその顔に、
「やー、別に? 同じ色で綺麗だなって思っただけだぜー?」
「なるほど……?」
 エグゼは答え、魅華音はわかってるのかわかっていないのか首を傾げた。……その間にも、
「これが……伝説、の、花火氷菓子」
 神宮時・蒼(追懐の花雨・f03681)が真剣な目で己の飴に目を落とす。何が伝説かというと隣のかなたが適当なことを言っただけだが本人は至って真剣にそれを見る。きらきら黄色い雨は海の中の星のようで、
「花火氷菓子、何とも、素敵な、響きの、お名前、ですね」
「……」
「な、なんだか、花降様が、とっても、怪しい感じで、笑って、おります。ぱちぱち、弾ける、氷……、い、痛くは、ない、のでしょうか」
「大丈夫、痛くないよ。イタクナイヨー」
「なるほどかなたちゃんが言うなら痛くないのでしょうね。えいっ」
「やめてルクルさん。その信頼は、なんか、痛いわ……!」
 浄化される! と騒ぐかなたをよそにルクル・クルルク(時計ウサギの死霊術士・f31003)がぽいっ、と躊躇うことなくミントグリーンの花火氷菓子を口の中に入れて、
「……ぴゃっ!?」
「!?」
 冷たくてばちっとした。思わず耳がピーンと立つルクルにびく、と蒼が恐る恐る食べようとしていた手を止める。
「だ、大丈夫です。ちょっと、び、びっくりしました……」
「!!」
 隣で同じように口の中に飴を放り込んだエグゼが、思わずびくっとしていて、
「!」
「だ。大丈夫、大丈夫だ!! ちょっとびびっただけだし!」
 思わずそちらを見る蒼に、び、とエグゼは片手を挙げてそう主張した。そして、
「……!? 思ったより、はじけてきて少しびっくりしました」
 淡々と魅華音もそれを口に入れて頷いている。反応はなかなかになかなかでなかなかである。……それで蒼も、
「……えい」
 意を決して……というほどではないが、蒼も慎重に、だが大胆に、ポイと飴を口にする。
「……!」
「大丈夫……ですか? 蒼ちゃん」
「はい、意外と……」
 ちょっと心配そうに声をかけるルクルに、蒼は頷く。何とも不思議な、清涼感溢れる刺激に夏を感じさせられます。なんて、若干レビュー風に感想を述べてみたりもした。
「こういうの、癖に、なる、と言う、のでしょうか」
「なるほど……蒼ちゃんが仰るように、この刺激が癖になりそうかも、です」
 蒼の言葉に成る程、とルクルがもう一つ飴に手を伸ばして、
「確かにこの感覚は続けて味わってみたくなりそうですね」
 なるほど……。と魅華音はすでにもう一つ口に入れてぼりぼりとかみ砕いていたりもしていた。
「割と噛むと刺激が強くなって楽しいです」
「おっ。そりゃ試してみるしかないな……!」
 魅華音の言葉にエグゼも驚いたようにもう一つ、飴に手を伸ばす。そして、
「色が違うと、味も違うのでしょうか?」
「お味も、違ったり、する、のでしょうか」
 ルクルと蒼が述べた言葉に、一同顔を見合わせた。
「確か瓶によって違ったと思うけど……」
 出してる海の家とか、その辺で違いがあるかもと、かなたが見解を述べる。それから、
「皆さんはばらばらに買ったの?」
「ああ……バラバラ、です、ね」
「ルクルはあっちの海の家、ですよ」
「私はあそこの露天商から……。同じ味でした……」
 魅華音が呟く。若干落ち込んでいるかと思いきや、
「……ですが、色は本当の花火みたいに色とりどり揃っていますね。これで味は一緒というのが不思議な気がしますが」
 逆に興味をそそられたらしく、己の飴が入った瓶をひっくり返したり振ったりしている。それに、
「良ければ、おひとつ、食べて、みます? 氷菓子、と言うのは初めてですが、ひんやり美味しいから……」
「もちろん、頂きましょう」
「シェア? いいぜ!」
 魅華音の言葉にエグゼが続く。
「あ、もちろん、ルクルも、シェアです!」
 はいはい、と片手を挙げるルクル。
 みんなして食べ逢えば、ほんのり味が違ったり、少し形が違っていたり。
「あ、食べ過ぎは、おなかに優しくない……そういうものなのですね」
「でも、それでも食べちゃうのがこう、悪いことしてる感じがして楽しいのよね~」
 かなたが蒼をそそのかしたり、して。
「! 悪いことするのは楽しいのですか?」
「ルクルさん、今日のかなたさんは悪いほうのかなたさんですから、聞いてはいけませんよ」
「魅華音さん、そんな熱い視線を向けないで……」
「いや。あれは思いっきりダメな大人を見る目だと思うぞ、かなた……」
 ツッコミが追い付かんわ。みたいな顔をするエグゼに、一同が顔を見合わせて、思わず、笑ったりした。

 そして。
 シャリシャリバチバチしながら浜辺に腰を下ろしてみんなして花火を眺める。
 打ち上げられるときはドン、で、ついで花が咲くと同時にいつもと違う音が出る。
「おー、風情だなー」
 エグゼが砂浜に足を投げ出しながら、きりり、とした顔でそんなことを言ってみる。ちょっと通ぶってみたかった。みたいな顔であったが、
「風情、風情……そ、そうですねエグゼくん、風情がありますよね」
 ルクルがはい、と頷いて得意げな顔をする。
「ルクルにもわかりますとも」
 なんかもうわかってない感満載だったりしたが、
「そうよね……これが美、ってものよね。儚いはかわいい。可愛いはヒロイン。ヒロインは私……はっ、つまり」
「かなたさん帰ってきましょう」
「はい」
 しょうもないかなたの言葉にさっと魅華音がツッコミを入れる。それを聞きながらルクルはふと、
「しゃらら、りーん。……ああ。まるで花火が歌っているみたいですね」
「なるほど、歌か……マジに風情なコメントいただいたぜ」
 めっちゃわかるぐらいわかってるふりをしていたのに、案外風情な言葉が出てきてエグゼが感心したような声を上げる。
「あがった瞬間はもちろん綺麗なんだけど、消える儚い様子も良くて、そこで可憐な音がするわけだからさ。確かに、そういう歌、っていう感じがするな」
「ああ、なるほど、歌ですか。確かにかみ合わないはずの音が独特の雰囲気を生み出してる感じ、納得です。はじける時の大きな音と、消える瞬間のはかなげな音……」
 わかります。と、魅華音もそっと目を伏せてその音を聞き入り……、
「もう、みんなそんな雅なこと言わないで……」
 ついていけないかなたが、雅を解さずふぅ、と不貞腐れたふりをしたりしていた(もちろん、ふりであった)。
「……」
 なるほど。と。蒼はそんな彼らと共に氷菓子を食べながら、打ち上がる花火をぼんやりと眺めている。
 しゃらり、りーん、と澄んだ音が心地良く、歌といえば確かに歌で……、
「花火の欠片、掴めたりしないでしょうか」
 ふ、と蒼はそんなことを言った。魅華音は瞬きをして、む、と考える。
「そういえば、形が残っているらしいですから、こちらに降り注いだら……、手に取り眺めたりできるでしょうかね?」
 そうしたらこの不思議花火を科学的に解明できるかもしれない、なんてちょっとしか思ってない。
 なんだか俄然やる気を出した魅華音に、ルクルが笑った。
「ふむ、形が残るのでしたら手に取れるかもしれませんね。……ぁ」
 そのとき。
 少し強めの風が吹いて、花火が流れる。ルクルが目を見開いて天を指さす。
「魅華音ちゃん、こっちに降ってきそうですよ」
「よーし」
「全員起立―!」
 腰を浮かせかけたエグゼに、かなたがすかさず掛け声をかける。そうして皆で立ち上がると、
「ルクル、行きますよー」
「まあ、私だって、跳べますとも」
「ふっふっふ。いやいや私がヒロイン力を発してこう、バシッとね」
「僭越、ながら、力添え、させて、いただきます。この瞬間、皆様と、ご一緒出来て忘れられない、想い出になりそうです」
「たしかになー! ……お、みんな、今だ! ちょっとでも、手に、取れたら……っ」
 ぴょんっ!!
 全員でジャンプして、舞い落ちる光の粒に手を伸ばす。
 触れた瞬間、花火は涼やかな音を立てて消えていくだろう。
 けれども……きっと思い出は、ずっと、消えずに残っている……。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

ネロ・ヴェスナー
【黒灯】
花火、少シダケ見タコトアルヨ
灯里モ楽シミ?花火、キット綺麗ダヨネ

空を見上げて、そわそわとしていたが
ボ、ボク達ガ、花火……!?

ア、アワワ……ハワワ……アワー!!
空と灯里を交互に見ておろおろしていたがそのまま空へ

ス、スゴ、カッタ……花火ニ、ナッチャッタ……
撫でられながら逆立った毛が大人しくなっていく
デモ、デモ……スゴク、綺麗ダッタ……!
花火ッテ、コンナ遊ビ方モアルンダネ

ウン、モット遊ボ……!
勇気を振り絞って花火を踏んで綺麗な音に耳を揺らす
ぴょこぴょこと跳んで
花火、綺麗ナ音……トッテモ、楽シイ……!

デモ下リルノハ、マダチョット怖イ
灯里、チョットズツ下リテイコウネ
約束ダヨ?


月舘・灯里
【黒灯】
花火になるのははじめてなのです
ネロにいさまもはじめてなら
きっと、びっくりでどっきりで……
でも、わくわくするとおもうのですよ

だって、あかりもわくわくでどきどきでそわそわなのです!

ネロにいさまと花火になるです!
打ち上げの音やいきおいに
ネロにいさまがぶわってしてるです(ぶわっ!)

すごかったですね、にいさま

そう言いながら、ぶわっとしてる毛をなでなで

はい、きれいなのですよ!
もうすこしお空をのぼりましょう?にいさま

ぽーんととんで、花火を踏んで
足元から聞こえる音に耳を澄ませて

風鈴のような音なのですよ、にいさま
花火もお空もとてもきれいで
とてもすてきなお散歩なのです

戻る時は、ゆっくりゆっくり戻りましょう


 ネロ・ヴェスナー(愉快な仲間のバロックメイカー・f26933)の目が、輝いていた!
「花火、少シダケ見タコトアルヨ」
 アルヨアルヨ。ぴょんぴょん楽しみでたまらないという風に飛び回るネロ。尻尾をぶんぶん揺らしながら、
「灯里モ楽シミ? 花火、キット綺麗ダヨネ」
「はい!!」
 そう問いかけると、月舘・灯里(つきあかり・f24054)も元気でそう返事をした。
「花火になるのははじめてなのです。花火に……あかりが花火に……」
「ボ、ボク達ガ、花火……!?
 花火になる。
 どういうこっちゃろうという感じであるが、二人とも至って大真面目である。天を見上げて、美しく輝く花火を二人で見つめ、ネロは若干そわそわしていたが……、
「花火ニナル!」
 ふんす! とネロはめっちゃやる気を出した。
「僕モ花火ニナル! ハジメテ! キラッキラ!」
「は、はいっ。ネロにいさまもはじめてなら、きっと、びっくりでどっきりで……でも、わくわくするとおもうのですよ!!」
 そのやる気が伝線したように、ぐッ!! と灯里も拳を握りしめて、
「だって、あかりもわくわくでどきどきでそわそわなのです!」
「ドキドキソワソワ! イイカンジ!」
「はい。いざ、出陣なのです……!」
 意を決して、花火に向かって走れ!
 きらっきらしたノリで花火を目指す二人はそして……、


「ア、アワワ……ハワワ……アワー!!」
「いざ!! ネロにいさまとあかりの花火ですー!!!!」
 ですー。ですー。ですー。と、声を余韻のように響かせながら、
 二人は大空へと打ち上げられた。
「ネロにいさまがぶわってしてるです!」
 ぶわっ! と何やら部わっ、のポーズを空中でとる灯里。
「ソ、ソンナ。花火デビュゥナノニ、ブワッテ……」
 キャッ。恥ずかしい。なんて……言う間もなく。
 足場確保していない二人はどぼーん!! と見事安全に水中に落下した。
「ぷはー。すごかったですね、にいさま」
「ス、スゴ、カッタ……花火ニ、ナッチャッタ……」
 砂浜まで泳ぐと、ぶわっとなっている毛を撫でながら灯里は何やらしんみりとつぶやいてネロの毛を撫でる。
 ちょっと衝撃が強かった。二人して息を整えている。そして……、
「デモ、デモ……スゴク、綺麗ダッタ……!」
「はい、きれいなのですよ!」
「ボクタチ、キレイナ花火ニナレテタカナ……」
「はい、きっとっ!」
 一息つくとテンションが上がってくる。きゃあきゃあ、と二人して、お互いの健闘を称えあう。
「花火ッテ、コンナ遊ビ方モアルンダネ」
「ですね!!」
 いや、なかなかない遊び方だとは思う。だがここにつっ込みは不在なので、なるほどなるほど、と二人頷きながら、
「もうすこしお空をのぼりましょう? にいさま」
「ウン、モット遊ボ……!」
 もう一回! と気合を入れなおすのであった。

 今度は、ゆっくり降りる。
 ぽーんととんで、花火を踏んで、灯里はさっき二人で話し合ったことを思い出していた。今度はゆっくり降りて、足元から聞こえる音に耳を澄ませて……、
「風鈴のような音なのですよ、にいさま」
 そうして、そっと隣のネロに笑い掛ける。ネロも勇気をもって花火を踏んで、その音に心地よさそうに耳を揺らしていた。
「花火もお空もとてもきれいで、とてもすてきなお散歩なのです」
「ウン……。花火、綺麗ナ音……トッテモ、楽シイ……!」
 ぴょこぴょこ跳んで、違う花火を踏むたびにに違う音が鳴る。
 それは一つの楽器のようで、ネロの尻尾が楽しそうにまた揺れた。
「デモ下リルノハ、マダチョット怖イ」
 触れては消えていく花火。ずっとそのままでいるわけにはいかないだろうと。そんな音を楽しみながらも、ネロはそっと灯里の服の裾を軽く掻く
「灯里、チョットズツ下リテイコウネ」
 その、ほんのちょっとためらいがちなネロの言葉に思わず灯里も微笑んだ。
「戻る時は、ゆっくりゆっくり戻りましょう」
「約束ダヨ?」
「はい、もちろんっ」
 明るい言葉で灯里が頷くと、ネロの耳が本当に嬉しそうに音に合わせて揺れるのであった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2021年08月05日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵