5
ハロー・エブリワン・レッツ・アクト

#アルダワ魔法学園 #猟書家の侵攻 #猟書家 #ドクター・パラケルスス #ミレナリィドール

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アルダワ魔法学園
🔒
#猟書家の侵攻
🔒
#猟書家
🔒
#ドクター・パラケルスス
🔒
#ミレナリィドール


0




●レベル1には戻らないのでご安心下さい
 採掘に採掘を重ね、やがて捨て置かれた廃坑は、ある者が見ればただ無駄に長いだけの穴であるし、またある者が見ればちょっと危なくも、ワクワクが勝るダンジョンであるし、また別の者が見れば、人の手を逃れた未知の宝が眠る宝石箱であった。
「よーし、今日は、昨日印をつけたところからもっと奥に行こー!」
「何があるのかな? 楽しみだね!」
 家が近所で仲のいい男の子と女の子――二人は運が良くも悪くもミレナリィドールだった。軽やかな駆け音立てて柵の間を潜り抜け、廃坑の中へ入っていったその時に。
 彼らより一足早く、眠る宝を見つけた者がいた。研磨の状態が悪く、途中で放り捨てられた宝石一つ。
 一つで十分。彼女が欲しいのは巨万の富ではない。宝石という悪の土壌。そこへ植え込まれる災魔の卵はあっと言う間に宝石を災魔へ変えて、廃坑はおろか外の外まで、街一つを満たし尽くす催眠ガスを吐き出させた。
「うふふ……では、探しにいきましょう。舞台に踊る民衆を」
 魔術師、ディエトラ・カルロタは踵を返し、民を求める。踊らぬ民は機械仕掛けに。悪夢の次章は着々と綴られていた。

●アルダワ魔法学園・13thラウンド
「ダンジョン探索にいきましょう! ただの廃坑な気がしますけど、ダンジョンと思えばダンジョンなんです!」
 ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)は間の空いたグリモア猟兵業に精を出すべく、声を大きく張り上げていた。夏休みだなんだと騒がしいグリモアベースも、待ってくれないオブリビオン相手の声はそこかしこで上がっている。
「『アルダワ魔法学園』の猟書家絡みの事件が発生しました! 催眠ガスで人々を眠らせて、機械化手術を施そうとする例のやつです! 事件を起こしたのは『歌と踊りの魔術師』ディエトラ・カルロタというオブリビオンで、今まさに街に繰り出そうとしています!」
 今、この街は路上で深い眠りについている者達がそこら中に横たわっている。ディエトラが持つ災魔化した宝石が原因だ。ディエトラが次に目論むのは住人の機械化。それが何に繋がっていくか――あまり深く追求されてはいないのかもしれないが、命無き機械となった者達が新たな厄災を齎すことは想像に難くない。
「というわけなので、皆さんには催眠ガスの出所である廃坑に向かってもらって、ディエトラを探して倒していただきたいんです。ですがディエトラは、人がなかなか寄り付かなさそうな場所で事件を引き起こすという注意深いオブリビオンで、廃坑にも自身に有利になるような魔術を仕掛けています。その効果は『何かになりきることでパワーアップする』という――歌と踊りの魔術師ならではのものですね。ですから、皆さんも! 何でもいいから何かに『なりきって』、廃坑、もといダンジョンを突破していきましょう!」


沙雪海都
 沙雪海都(さゆきかいと)です。
 随分と暑くなりましたね。アイスが美味しい季節です。

●フラグメント詳細
 第1章:冒険『イェーガーの不思議なダンジョン』
 何かになりきりながら進むと何だか力が湧いてくる気がします。
 ボスと戦う際にも役に立つかもしれません。

 廃坑内にはOPに登場したミレナリィドールの二人が迷い込んでいる模様。
 接触は必須ではありませんが、二人は何度かこの廃坑を探検しているようなので、皆さんよりは内部構造に詳しいかと思います。
 猟兵との接触が全くなければ、二人は廃坑奥地で繰り広げられている戦いに全く気付くことなく、彼らの冒険を終えて外に出てくるでしょう。

 第2章:ボス戦『『歌と踊りの魔術師』ディエトラ・カルロタ』
 上手いことやればディエトラと出会えるかと思います。
 ダンジョンと言うからには大部屋もあるでしょう。
 彼女もまあ……何かになりきるんじゃないんですかね。
112




第1章 冒険 『イェーガーの不思議なダンジョン』

POW   :    剣士、勇者、アスリート……力強い存在に「なりきり」ます

SPD   :    魔法使い、医者、学者……頭脳や技能が必要な存在に「なりきり」ます

WIZ   :    幽霊、フェアリー、喋る犬……おとぎ話に出てくるような存在に「なりきり」ます

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

サカマキ・ダブルナイン
【SPD】
全く、敵も不思議な術を使う奴じゃな……それじゃあ巫女から学者へとジョブチェンジと行くのじゃ!
獣耳用メガネをかけて、学士服を着て準備OK。
わらわの知恵で不埒な猟書家を捩じ伏せてくれようぞ!!

さて、廃坑中には二人のドールが迷いこんどるそうじゃな……まずは合流を目指すとするかの。
中が暗かろうが問題なし、99式カメラアイは【暗視】機能付きじゃ!
隠れながら進んでいる訳ではない筈、話し声や足音、足跡から二人の道筋を辿ってみるのじゃ。ロボ学者らしく頭脳フル稼働で追いかけてやるぞよ!

わらわは別世界の技術で大分弄られとるが、元は同族じゃ。合流できたら色々話して交流しつつ、探索を手伝ってもらいたいのー。



●其れはもふもふ学の権威であった
 歌や踊りに一匙の縁もないごつごつとした廃坑が、演者を招く礎となっている。摩訶不思議、奇想天外、骸の広がる海原から染み出した一滴の魔術にサカマキ・ダブルナイン(ロボ巫女きつねのお通りじゃ!!!・f31088)は眩暈を覚えそうになる。
「全く、敵も不思議な術を使う奴じゃな……」
 ダンジョン化した廃坑に一つ足を踏み入れる。体感は木陰のように涼しくも、苔むした土臭さが不快感を上塗りして相殺する。
 結果、快とも不快とも言い難い微妙な雰囲気が内部を支配していた。
 サカマキは悩ましそうに耳を立て伏せしながら、準備したアクセサリの座り具合を確かめている。
「……じゃが、術の効果がわらわにも効くなら好都合――巫女から学者へとジョブチェンジといくのじゃ!」
 聞いていなければ素通りしてしまうに違いなかった魔術を前に、サカマキは獣耳に合わせた特徴的なつるを持つメガネをすちゃりと装着。衣装は予め学士服を着込み、これで気分は天才学者。数式公式化学式、何でもござれと息巻けば、魔術がそろりと触れてくる。
「ぉお? 不思議と知恵が回るような気がしてきたのじゃ! 二人のドールは隠密にあらぬ故、やはり合流が得と見た! わらわの知恵も合わせて、猟書家の模倣者なぞ捻じ伏せてくれようぞ!」
 揺れ動いていた天秤が解の導きと同時にかたんと傾き落ちた。ドールに利在り。サカマキは廃坑深部へ向け、足早に進みだした。

 外部からの光は乱反射を重ねて早々と減衰した。人並みの受容体では最早暗黒の空洞も、サカマキが持つ99式カメラアイの暗視能力が適度に視界を確保する。
 分岐の多い廃坑内でのドール探し、アテは彼ら自身が発しているはず。話し声、足音、足跡――なんでもいい。存在証明のためにサカマキはスペックリミット、頭脳フル稼働で五感情報を解析する。
 すると、ぴくりと存在の波形イメージが振れた――かと思えば、間もなく描写限界を突き抜けていった。
「ぅぬう!?」
 灼けついた白色の世界にキンキンと音がハウリングする。膨大な情報量にサカマキは堪らず声を上げていた。つまみを捻るが如く全感度を絞っていくと、すぐに真実が見えてくる。
 暗視状態では殴りつけてくるような光の束も、普通に見ればありふれたランタンの灯。子供でも片手で持てる程度の小ぢんまりとした代物に驚かされることになろうとは。
「え!? 誰!?」
 甲高い音波は幼き声。サカマキとは別の理由で慌てふためく少年と少女の姿があった。その表情は例えるならば、秘密基地を暴かれてしまった時のよう。
 曲がり角での鉢合わせは両者にとって少々不運だったようだが、サカマキは軽く咳払いして気を取り直すと、
「ある時はもふもふロボ巫女きつね、ある時は頭脳明晰ロボ学士きつね、しかしてその実体は――わらわこそ、サカマキ・ダブルナインっっ!! ……まあ、早い話、おぬしらと同族じゃ。わらわは大分弄られとるがの」
「悪い人じゃ、ないみたい……?」
 ちょっと突っ走ったサカマキの名乗りに、少女のほうは冷静だった。身構える少年もややあって警戒を解く。ランタンの灯でじっくり照らし、問題なし、との結論を腑に落とすと、サカマキへ声を掛けてきた。
「ねぇ、何でここにいるの?」
「一言で言えば『冒険』じゃな。おぬしらと同じようなものじゃが……生憎、ここには怖い怖いボスも潜んでおる。一筋縄ではいかぬ故……ここは是非とも、おぬしらの力を貸してもらいたいのじゃ」
「わたしたちの……?」
「そうじゃ。わらわとてこの中は初めて……ならばおぬしらのほうが詳しかろう。道案内の手間賃には、わらわが相対した異世界奇譚の数々を披露しようぞ」
「異世界!? 何それ! 聞きたい聞きたい!」
 少年は少年らしく食いつきのいい反応だ。ランタンの灯を早速奥に向け、サカマキへ期待の笑みを向ける。
「頼もしいのぅ。ならば、最初の話は――」
 少年少女に招かれてサカマキはさらに廃坑の奥へ。道中、論文のように綴られるサカマキの体験談にドキドキとワクワクを覚えながら、二人のミレナリィドールはサカマキを正しく連れ歩むのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

城田・紗希
なるほど、つまり学生になりきれば…(自分の服を見て少し思案)
……(刀と杖を、レプリカクラフトの外装で一本の杖に偽装)
これであとは、適当な布をマントにすれば魔法使いっぽいよね?(あっさり方向転換した)
「ふぇっふぇっふぇ、そこのお婆さん、美味しそうな毒リンゴはいかがかね?」っと(白雪姫がうろ覚え)

さて、布を探すついでに魔力探知的なあれこれで、正解ルート探そうかな?
道に詳しいっていうミレナリィドールの人は…まぁ、出会えればラッキー?
この分岐は……右だっ!(ただの勘)



●いや自分で毒リンゴって言ってるやん! しかも相手婆さんやん!
 何でもいい、とは自由度が大きいように見えて実は丸投げなので、言われた側は困りもの。
 そこで城田・紗希(人間の探索者・f01927)はまず自分の服装をじっと眺めた。
 ありふれた学生服――セーラー服のような気もする。
「なるほど、つまり学生になりきれば……」
 学生、学生――ここはアルダワ魔法学園。ならばと手にした刀と杖を、レプリカクラフトで作り出した偽装外装でガチガチに固めて1本の大きな杖にした。
 石突がずんと地を叩く。得物二本の重量感は古の産物のようにも思えた。
「これであとは、適当な布をマントにすれば魔法使いっぽいよね?」
 学生と言えば杖であり、杖と言えば魔法使い。つまり三段論法的に紗希の目標は魔法使いへとスライドしていた。紗希は手に余る極太の杖を3本目の足として、ごつごつ地面を突き歩きながら、
「ふぇっふぇっふぇ、そこのお婆さん、美味しそうな毒リンゴはいかがかね?」
 うろ覚えの台詞を口ずさみ、左手で毒リンゴを差し出す仕草で雰囲気作り。レプリカクラフトで作り出すことはできなくもないが、仕掛け罠以外は雑な作りにしかならないため見送った。
 婆(?)が婆(?)に毒リンゴを差し出すという空気感は独特極まりないもので、廃坑は俄かに田舎道と化す。あーでもない、こーでもないと朧げな記憶を語り継ぎ、やがて日が暮れていく。それが推定婆の1日――ともかく、小道具と演技でなりきりを演じた紗希の眼前に、魔術がネオンの明かりとなって輝き始めていた。
「布、まだ見つかってないけど……探すついでに、魔力探知的なあれこれで正解ルート探そうかな? とりあえず光ってるのが凄く怪しそうだから……」
 紗希もそれなりに魔術はかじっている。廃坑に広がった魔術は上流から下流へ。その源泉を突き止めるべく、流れを遡るように紗希は進む。作った杖は片手で持っているのが重くなり、両手での抱え込みに持ち替えた。そうしてタッタカ走る様は、なるほど、元気な婆(?)だった。
 先に廃坑へ入ったというミレナリィドールの話を思い出す。出会えればラッキー程度に考えていたが、今や紗希のなりきりに反応した魔術が道案内をしてくれているので、会えずとも正しい道は選べそうだ。
「この分岐は……右だっ!」
 どうしても道順が分からなかったら勘に頼るつもりだった。しかしながら、適当に言い飛ばした方向からは魔力の光が伺える。紗希はずんずん奥へと駆けて、廃坑ダンジョンを突破していくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アウル・トールフォレスト(サポート)
(基本好きにお任せします)
「今日はどんなところに行けるのかな?」

楽観的で感情豊か、夢見る乙女な性格の少女
年相応に無邪気であり、根本が人でない故に残酷

神出鬼没に出現し、気まぐれに歩き回り、楽しげに爪を振るう
猟兵の役割は理解し依頼も一応遵守しようとするが、それはそれとして楽しそう、面白そうで物事を判断し、それを優先して行動する

バイオモンスターの特徴として、肉体は植物の性質を持つ

戦闘では怪力の発揮や身体の巨大化、鋭い爪での引き裂き、捕食等の野性味溢れる攻撃スタイル
理力の扱いも得意で、体表で自生する蔓や苔植物を操り、防御や隠密に罠等サポートも行わせる



●L・I・O・N、ライオン!
 廃坑は歓楽街とは違う。幅はせいぜい二人か三人がすれ違えるだけあればよく、高さも少し飛び抜けた背丈の者が窮屈しない程度なら全く問題はない。
 アルダワ魔法学園における廃坑とは人基準であり、バイオモンスター故の超身長を持つアウル・トールフォレスト(高き森の怪物・f16860)にとっては少々窮屈な場所だった。
「今日はこんなところに遊びに来ちゃったけど……あぅ、引っかかる……」
 廃坑の通路を断面で見ると、およそドーム状だ。人とは大雑把に見れば三角形の体型のため問題ないが、アウルには頭から左右に伸びる角がある。ただ立つだけでもままならないのに、加えて頭はできるだけ低く保っておかなければならないのは難儀だった。
 結果、先へ進むにはべたりと手足を地に付けての四つん這いが最も良い、との結論に至り、アウルはゆっくりと這って廃坑内を進む。
 いつもは何もかも見下ろすばかりで、地表を間近に見ることなどほとんどなかったアウル。そんな彼女には、窮屈な場所も却って発見の宝庫だった。
「ちぃさぁい。……えいっ」
 壁か天井が崩れたか、地面には無数の岩石の破片が転がる。普段なら気付くことなく粉微塵にしてしまうそれをしげしげと眺め、指でピンと弾いてみた。弾丸のようにライナー性に打ち上がり、カーブした壁にべごんとめり込んだ。
 シューティングゲームよろしく地面の破片を打ち出しながら、アウルはなお進んでいく。催眠ガスが湧き出す根源を見つけよ、とのグリモア猟兵の話は聞いてはいたが、それはそれとしてアウルは今という瞬間を楽しんでいる。
「なんだか……ライオンになったみたい。がおー、がおー」
 百獣の王、などとも言われる四つ足の頂点。今のアウルの姿勢はそれに近い。試しに吼えてみると声が廃坑内に反響し、どこまでも届いていく。
 まさに頂点に立った気分で、ライオンになりきりのしのし進む。すると廃坑に仕掛けられた魔術が反応し、アウルの目の前の通路をがらんごろんと崩して形を変えた。
「んぅ~? こっちなのかな?」
 不思議と招かれている感じがして、アウルは新たに作り出された通路へと進んでいく。地に付けた手元、足元にもわもわと広がってくる催眠ガスは、敵がすぐそこに迫っているという証だった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『『歌と踊りの魔術師』ディエトラ・カルロタ』

POW   :    F.C.~フェローチェ・リヴェルベロ~
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【対象の隙を突きぶつけた魔導書の角】から排出する。失敗すると被害は2倍。
SPD   :    P.M.~プレスティッシモ・ムニツィオーネ~
レベル分の1秒で【高速詠唱による異なる属性の魔法連弾】を発射できる。
WIZ   :    I.F.~イッルジオーネ・フィーネ~
【攻撃を躱しながら描かれた束縛用魔法陣】が命中した対象に対し、高威力高命中の【全方位展開させた魔法陣から魔法の集中砲火】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠幻武・極です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●廃坑のプリマ・ドンナ
 そこはクリスマスツリーの電飾のように飾られた部屋だった。廃坑であることを忘れてしまうほどに煌びやか。
 舞台を整えたのはディエトラ・カルロタ。もちろん、プリマ・ドンナも彼女である。
「猟兵を招いた覚えはないですが……仕方ありませんね。私の歌と踊りに酔いしれるといいでしょう」
 魔導書からは数多の光が零れ落ちる。綴られる物語の結末は如何に――。
イネス・オルティス(サポート)
『この鎧は一族伝統のもの、恥ずかしくなんて……』

アックス&ウィザーズ辺境のどこかにある隠れ里に住む一族の女戦士
〔一族伝統の鎧〕のビキニアーマーを愛用し主に〔巨獣槍〕という槍を使う
”ダッシュ”で近づき”なぎ払い”、”串刺し”等をよく行う

ボン・キュ・ボンのナイススタイルで、ビキニアーマーを普段使いしているため
無意識に周りを”誘惑”している事があるが本人は気づいていない
また”恥ずかしさ耐性”があるためか自分の格好より任務の達成を優先する傾向がある

アドリブ・絡み・可 ””内技能
描写はセクシーレベルまで
キャバリアには乗りません



●貶める権利は誰にもない
 一族の伝統衣装は一際人の目を引くもの。そう言った意味では、イネス・オルティス(隠れ里の女戦士・f06902)の姿は舞台映えするのかもしれない。
 しかし廃坑内にいる聴衆と言えば、猟兵をこの場所まで連れてきたミレナリィドールの二人くらいなもので、子供にイネスの伝統衣装の美は理解できるはずもなく。
「わ、かっこいー!」
 ただイネスの身のこなしの鮮やかさを「かっこいい」という子供らしい言葉で形容していた。
「随分と破廉恥な……」
「破廉恥? どこが、どういう風に破廉恥なのか、教えてもらいたいものね」
 巨獣槍を振り回してイネスがディエトラを追い回す。互いの得物の大きさには月とスッポンほどの差があるが、鍛え上げられたイネスの腕力が得物の取り回しの差を埋めている。
「言っても無駄だと思いますよ? 恥ずかしさは欠片も無いようですし」
「……えぇ、この衣装は格式高いもの。今、伝統の鎧は伝説の鎧へ進化する――!」
 一族の伝統を汚すことは許さない。精霊信仰、そして一族を支えてきた勇者達への畏敬の念がイネスに更なる力を与えた。絶妙なバランスで釣り合ったビキニアーマーはイネスの超高速の突進にもピタリと密着、動きを支える。
「伝統だか伝説だか知りませんけど、そんなもの――プリマ・ドンナである私には!」
 ディエトラは足を止めて全身をぶらんと脱力させる。イネスの薙ぎ払いに対し全くの無抵抗を貫く――フェローチェ・リヴェルベロ。伝統も伝説も無効化してしまう絶対の対抗策だ。
 弧を引き裂く穂先がディエトラの体を貫通したかに見えたが、それが現実となるかはディエトラ次第。脱力状態からくいっと左手だけ動かして、閉じた魔導書をイネスにぶつけにいった。
 魔力の欠片は箒星の尾のように。打つべき場所はどこにでもありそうなビキニアーマー、露出した腹の脇を狙う。大振りの薙ぎ払いを繰り出したイネスの隙を突いた格好となったが。
「短絡的過ぎるわよ。腹部なんて、真っ先に防御を固めているに決まっているでしょう」
 魔導書の角はオーラ防御に阻まれてイネスの体に到達できない。斬撃を吐き出して無効化を真実のものとするはずだったが、姿勢を取り戻したイネスは槍の柄で魔導書を払うと、ディエトラの腹を石突で突き飛ばしながら距離を取った。
 これでディエトラの当てが外れる――と同時に斬撃がディエトラの胴体を斜に深々と斬り裂いた。
「ああぁっ――!!」
 半分ほど抉られてしまったか――それはディエトラがイネスの攻撃を無効化し損ねた代償でもある。腹から流れ落ちる血の滝を押さえながら、ディエトラは痛みを堪えて下唇を噛んでいた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミリアリア・アーデルハイム
「魔法剣士」になりきり
淡く光るルーンソード(身長からして明らかに長い)を携え、引きずりながら、ディエトラさんの前に出てそれらしい口上を述べます。

この災厄の元凶は君なのか?
何故罪なき人々をこの様な目に遭わせるのだ・・・って
(視線を追って)
今、ちびっこいのに剣長過ぎじゃない?って思ったでしょう。思いましたよね!?

屏氷万里鏡を展開
ルーンソードを構えて走り出すフリで箒に飛び乗りフェイントを掛けつつ先制を狙います
箒ブースト【ロケット頭突き】

くっ、痛い・・・
頭と心が・・・
女優さんとか、身長羨ましいっ。



●歌と踊りの魔術師はプロポーションも大事
 戦場となる部屋の脇、いつでも逃げられるように通路付近に控えたミレナリィドールの横を悠然と抜けていく者がいた。
 しかしそれは姿勢だけ。ずるずる、がこんと地面に傷跡をつけながら淡い光を帯びたルーンソードを引きずる様はちょっと残念ではあるも、ミリアリア・アーデルハイム(永劫炉の使徒・f32606)本人は自信を持って胸を張り歩く。
「この災厄の元凶は君なのか? 何故罪なき人々をこの様な目に遭わせるのだ?」
 ミリアリアは傷を負うディエトラの前に立ち、問う。互いの信念に対する問答は譲れない戦いの序章として定番だ。
「えぇ、そうですよ……全ては、歌い踊る私を全ての聴衆が見惚れる、最高の舞台を作り出すため……」
 ディエトラも演じ、それに答える――が、その視線はどこかふらふらと泳いでいる。主にミリアリアの頭から足、そして携えるルーンソードへと。
 これまで幾度となく受けてきた類の視線だ。ミリアリアは即座に気付く。
「今、ちびっこいのに剣長過ぎじゃない? って思ったでしょう。思いましたよね!?」
「それは……あなたの、思い過ごしよ……」
 ディエトラはミリアリアと視線を合わせようとしない。目は口程に物を言う、とはまさにこのことか。
「やはりあなたも……敵でした!」
 猟兵とオブリビオンなのだから当然の関係なのだが、ミリアリアの言葉にはそれ以上の恨みつらみのようなものが籠められていた。無数の氷の欠片――屏氷万里鏡を握り締めると、戦場全体へ行き渡らせるように撒き散らす。
「――覚悟!」
 親の仇でも取ろうかという意気で、ミリアリアは床にミミズのような傷をつけてきたルーンソードの先端を持ち上げる。如何にも大振りになりそうなミリアリアの動きにディエトラはコンコンと爪先を鳴らし、ステップの準備。宙を漂う氷の欠片が気になるところだが、動線を選べば束縛用魔法陣を描くのも難しくはない、と見込んでいた。
 ミリアリアはルーンソードを構え、そのまま一歩踏み出す――かに見えた。しかし前傾から背後に隠し持っていた箒を宙に据えると素早く飛び乗り、散らした氷片の間をジグザグに縫う不規則な軌道で飛翔しディエトラに突っ込んだ。
 ルーンソードは大きすぎる囮だった。虚を突かれたディエトラは対応を変えざるを得ないが、フェイントを絡めて突進してくるミリアリアの飛翔は読みづらい。右へ逃げるか、左へ逃げるか、それも氷片漂う中を掻い潜りながら。
 ディエトラは左を選ぶ。後方、遠ざかる方向に少しばかり広い空間があり、その場を魔法陣の起点にしようとしていた。ミリアリアと交錯する一瞬のタイミングを僅かでも遅らせるために地を蹴り氷片の隙間を抜けて。
 だが、先制を目論むミリアリアは更に大胆な行動に出る。氷片をお構いなしに突き破ってきたのだ。箒を水平に揺らしてフェイントは維持しながら、最長の逃げを見せるディエトラを最短の一撃で打ち抜くために。
『チビって言う奴は 絶対許しませんし!』
 ミリアリアはぐいっと前に身を乗り出して箒諸共、特攻態勢のロケット頭突きを繰り出した。ここで一つ確認しておくべきは――ディエトラは一応、チビとは一言も言っていない。
「な――ぐみゅ!?」
 ディエトラの喉元に、ミリアリアのほとんど身を投げ出したような頭突きが炸裂し互いを吹き飛ばした。ディエトラは宙に打ち出されて放物線を描き、ミリアリアは水平状態から滑るように落下して、箒を抱きしめながら地面を転がる。
「くっ、痛い……頭と、心が……」
 反動は凄まじいものだが、それだけディエトラには大打撃を与えている。放物線の頂点から落ちてきたディエトラは地面でバウンドを重ね、うつ伏せに倒れて止まった。
 そしてミリアリアは知ってしまったのだ。それまで遠近感で誤魔化していた、ディエトラとの本当の身長差。
「女優さんとか、身長羨ましいっ……!」
 床の上で握る拳は、力では絶対に覆せない悔しさを滲ませていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

城田・紗希
ふぇっふぇっふぇ、ラプンツェルよ、12時になる前にこの毒リンゴを食べるんじゃ(色々混じりつつ、何も持ってないけど差し出すジェスチャー)

さて、魔法使いっぽさも演出したし。
攻撃をしてこないなら、こっちから行くよー(ウィザードミサイルの全力掃射&集中砲火)

…あれ、「12時になる前に、打出の小槌できびだんごを増やす」だっけ?
まぁ些細な問題だよね?(殺気とか魔力探知的な感じで回避したり、火種が消えたら二回攻撃で再生成して掃射したり、臨機応変に戦おうと)



●とにかく足して、割ってみた
「――ゲホッ! ゲホッ! ……くっ…………」
 呼吸困難と共に襲い来る激痛は、骨格に大きな損傷を受けたことを意味していた。描けなかった魔法陣は星屑と散って零れ落ちた。魔導書は運悪く開いてしまったページがぐしゃと地面に潰れてしまっている。
「ふぇっふぇっふぇ、ラプンツェルよ、12時になる前にこの毒リンゴを食べるんじゃ」
 紗希が演じるのは最早マーブル色をした謎の老婆だ。差し出すのは空の毒リンゴ。ディエトラが仕掛けた魔術は彼女が消滅するまで半永久的に。紗希の演技にその魔力も高められていく。
「そんな、紛い物……演じているなど、私は――!!」
 ディエトラは怒りと共に立ち上がろうとするが、体が意志に追いつかずくらりと頭をふらつかせてしまう。出血も酷く、朦朧感が背中にじわりと圧し掛かってくる。
「さて、魔法使いっぽさも演出したし……攻撃はしてこないかな? なら、こっちから行くよー」
 まるで友人と遊ぶ約束でもするかのような軽いノリで、紗希は宙を烈火の海に変える。猟兵としての冒険の中で鍛え上げられたウィザード・ミサイルはもう500本に到達しようかという灼熱の矢束だった。
 ディエトラという的はそれを受け止めるには小さすぎた。太陽の核を思わせる煌々とした輝きに紗希は全力の魔法を込めて射ち飛ばす。小魚が巨大な魚影を成すように、ウィザード・ミサイルは一本の巨大矢へと変貌していた。
 ディエトラは細足に力を籠めようとするが、思うように動いてくれない。恐ろしいまでの熱量が軽々しく放たれ、それに抗いきれない自分が悔しく、歯噛みする。
「イッルジオーネ――ッ!」
 ディエトラは喉を絞り上げて無理矢理声を出す。直撃は確実に死。しかし半身も回避できるか怪しいのが現実だ。崩れ落ちそうになる体――敢えて崩れ落ちてみてはどうか、とディエトラは咄嗟の判断で重力に身を任せた。
 付け焼刃の回避術だ。効果など微塵も期待していなかった。右の視界が紅炎に溶け、五感が半分以上焼却される苦痛が一気に脳天まで駆け上がってくる。
「アアァアァッ!!」
 それでも悲鳴を上げられるくらいに体は残った。衣装の燃えカスはどこでどうやってくっついているのかわからないが、人前に立てるか立てないか、という際どいラインで持ちこたえている。
 躱しきれなかったが、躱す意志は見せた。描く魔法陣は完全とは言い難いが、ディエトラは膝立ちの状態から、自らが存在したという証拠を刻むが如く魔法陣を左手の指で弾き出す。円盤となって飛んでいく魔法陣には、小型ながらも当たれば束縛する程度の魔力は籠められていた。
「……あれ、『12時になる前に、打出の小槌できびだんごを増やす』だっけ? まぁ、些細な問題だよね? あれよりは」
 見えている、感じている。紗希は掴みどころのない態度を見せながらも要点は押さえ、魔力のリソースを敵の魔力探知用に回していた。
 魔法陣はUFOめいたふらつきを見せながら飛来する。不規則な動きを紗希はぎりぎりまで引き付け、そして横っ飛びを見せた。宙に残った足を掠めるかどうか危ういところだったが、魔法陣は目標を捕らえられずに霧散する。
 次弾装填は見込めそうにない。ディエトラが黒焦げた右腕に残る感覚を動かすと、炭化した指がぼろりと落ちた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サカマキ・ダブルナイン
二人とも、案内ありがとうの。流石は廃坑探検の先達じゃ!

……ディエトラと言ったな、変わった術を使いおる。
お陰様で学者の真似事じゃ、悪くはなかったがの。
おぬしは何になりきるんじゃ?それとも既になりきっておるのかのぅ……答えは戦で聞くとしようぞ。

学者ならば、冷静に一手先を読んでこそ。驚かれるかもしれぬが、手加減出来る相手でもなかろう……二人は下がっておるんじゃぞ。

「炎熱狐」起動……感情プログラム停止、『99式未来演算』開始。
魔法弾の連射を予測完了……タイミングを合わせ「狐乱丸」による【なぎ払い】を実行、防御を試みます。
狐乱丸は故障の可能性あり。反撃では「狐雷球」による近接【属性攻撃】を実行します。



●ハロー、そして、グッドバイ
「二人とも、案内ありがとうの。流石は廃坑探検の先達じゃ!」
「へへっ、サカマキの姉ちゃんも、頑張れよな!!」
「ぅむ? 姉ちゃんとな? ……まぁ、なんじゃ……こそばゆいのぅ。これ、クライマックスも近いからの、二人はこのまま下がっておるんじゃぞ」
「勝ってね! 絶対!」
 案内役を立派に務めたミレナリィドールの二人はぶんぶんと両手を振ってサカマキを送り出す。調子を上げるエールのおまけ付きで、サカマキは舞台に幕を下ろすべくディエトラの前に立ち塞がった。
 今のディエトラはプリマ・ドンナを名乗るには酷く醜く。何を思いそこに存在しているのか、サカマキには量り兼ねるところだった。
「……ディエトラと言ったな、変わった術を使いおる。お陰様で学者の真似事じゃ、悪くはなかったがの」
「……っ」
 サカマキもまた、ディエトラの魔術を逆手に取った者の一人。忌々しく睨みつける隻眼にディエトラは残された魂を燃やす。
「おぬしは何になりきるんじゃ? それとも既になりきっておるのかのぅ……答えは戦で聞くとしようぞ」
 後方に控えた二人とまた笑顔を交わすのは、きっと催眠ガスも何もかも、悪夢の果てに消えてから――それまでサカマキは少しおやすみ。
 そしてハロー、ダブルナイン。
「『炎熱狐』起動……感情プログラム停止、『99式未来演算』開始」
 熱く冷えきった思考が目の前の一瞬から無限に伸びる未来の全てを演算する。その始まりは、燃え残った奥歯を噛み砕いたディエトラの一矢だ。
「私は……修羅になる……プレスティッシモッ――ムニツィィオーネッ!!」
 収束した魔力は全てが異なる元素を含み、別種の輝きを成す。ディエトラという固定砲台から放たれた魔法連弾が刹那を切り裂いていく中、学者の役を演じる者は演算結果を行動にて論証する。
「魔法弾の連射を予測完了……『狐乱丸』による『なぎ払い』を実行します」
 微細な高速振動により切れ味を増した薙刀を起動させて挑むは極彩色の世界。連なりながら演出されるグラデーションの連弾が包み込むように迫ってくる。
 3次元を立体交差する輝線には感情を震わせる煌めきもあっただろうが――無に徹した薙刀の一振りは容赦なく連弾を斬り裂いていく。3次元上の点の連なりであれば、数式にて捕らえられぬこと無し。全てが演算の上に処理されて、残滓は宙に枯れていった。
「狐乱丸の継続使用による故障確率、26%――反撃手段は『狐雷球』に移行します」
 僅かな隙も見せぬ盤石さ。薙刀を下ろした手に派手な電撃が溜め込まれる。
 ディエトラは定数――如何な振る舞いの前にも動く余地はない。バリバリと迸る雷は不意にデルタを作り上げて。
 引いて、押す。単純明快な動作による両掌のスタンピングから流し込まれた強烈な電撃が、ディエトラの残った体を強制的に分解する。パッ、パッと電気火花を散らすのに合わせて隻眼はぶるりと揺れ動き、
「わた、し、が……おわ――」
 命とも言うべき声もやがて失われ、ディエトラは無次元の彼方、骸の海へと流されていく。

 廃坑が晴れ渡る。そしてサカマキ、グッドモーニング。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年08月02日


挿絵イラスト