夏バテにはかまぼこがいい
●グリモアベースにて
「だから、かまぼこ作るの!」
ヘザー・デストリュクシオン(白猫兎の破壊者・f16748)が何故か水着姿で拳を握りしめて言う。
意味がわからないと集まった猟兵たちにツッコミを入れられて彼女は説明を始めた。
「妹がね、この暑さで夏バテになっちゃったみたいなの。食べる量が、いつもより少なくて……」
そこで夏バテに効くものを調べたところかまぼこがいいとわかったのだ。
タンパク質とビタミンB1を取ると疲労回復や胃腸の働きが促進されて夏バテが改善されるのだという。そしてかまぼこは高たんぱくな食品なのでかまぼこをビタミンB1を豊富に含むうなぎで作ればきっと夏バテを治せると考えたのだ。
「ちょうど水着コンテストの会場の、カクリヨファンタズムのビーチが開いてるから、そこでかまぼこ作るの! 妖怪の料理人さんが教えてくれるって!」
必要な調理器具などもその料理人が用意してくれているので身一つで行っても大丈夫だ。
なお現地では妖怪親分たちが妖怪花火を用意してくれている。花火を見ながらかまぼこを作ることができる言う訳である。
「なんかね、作ってる間に1、2時間寝かせないといけないんだって。かまぼこって寝るのね! その間に打ち上げ花火に打ち上げられたらいいと思うの!」
何でも妖怪花火に乗って一緒に打ち上げられることができるらしい。その他花火で空中に生じる模様の上で空中散歩を楽しんだりもできるとのこと。
もちろんかまぼこだけに集中してもいいし花火だけを楽しむのもいいだろう。猟兵たちは普段戦いの中に身を置いている。たまには骨休めも必要だ。
「じゅんびできたら、みんなでビーチに行くの!」
ヘザーのように誰かに食べさせるためにかまぼこを作ってもいいし自分で食べてもいい。すべては猟兵の自由である。だって今日は年に一度の夏休みなのだから。
彌厘
暑いですね。そろそろ蒸発しそうです。
普通に花火を楽しむ夏休みはきっと誰かが出しているだろうからと、こんな感じになりました。かまぼこ、作りませんか?
このシナリオは1章で完結する期間限定の特別シナリオです。
断章はありませんので、オープニング公開直後からプレイング受け付けます。
公序良俗に反すること以外は何やっても大丈夫です。ネタでもシリアスでもほのぼのでもどんとこい!心情があると泣いて喜びます。
ちなみにお誘いがあればヘザーも登場しますが(アリスは夏バテでダウン中なので来ません)、特になければ描写外でものすごく真剣にかまぼこ作ってると思います。
それでは、素敵なプレイングをお待ちしています!
第1章 日常
『猟兵達の夏休み2021』
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POW : 妖怪花火で空へGO!
SPD : 妖怪花火の上で空中散歩
WIZ : 静かに花火を楽しもう
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
陽殿蘇・燐
かまぼこ作り、楽しそうじゃないの。
ところでこれ、生配信とかして大丈夫かしら?大丈夫なら生配信。不可ならば後日、『こういうことをした』っていう報告動画にしようと思って。
許可を取るのは大事よ?とくに生はね。
ああもちろん、生配信の場合は料理人の顔出し許可の可不可も確認するわ。
というわけで、かまぼこ作りよ。故郷(キマフュ)だとコンコンコンですぐに出てくるから、新鮮なのよね。
ここで知っておけば、故郷のそれを利用して作れるわね。
かなり真面目よ。教えてもらって学んでいるのはこちらなんだから、当然よね?
花火はそっちのけで、かまぼこ作りに集中。本当、こうしてると時間外早く過ぎるわね?
※チートなので、上手くできる
稷沈・リプス
自称:人間な男
かまぼこ作りを体験するって、なかなかないっすよね。
なら、せっかくなんで体験するっすよ!できたのは自分兼ね呼び出す隼(なんでも食べる)用に。
…で、寝かせる行程って大切っすからね。
その間は花火楽しむっす。もちろん、上空に花火と共に打ち上がるっすよ。
おお、模様の上を歩くってこういうことっすか。案外、丈夫なんすね。
隼呼び出して、そばにいさせて、一緒に散歩っすよ!
隼も、こういう景色見るの初めてっすからね…とことん楽しまないとっす。
にしても、花火って本当に不思議っすね…俺がいても暗くならないんすから。
※ちなみに過去、クッキー作りにハマってたことあります
●配信者と自称人間の夏休み
カクリヨファンタズムのビーチに最初にやって来たのは陽殿蘇・燐(元悪女NPC・f33567)と稷沈・リプス(明を食らう者・f27495)の二人だった。
「かまぼこ作り、楽しそうじゃないの」
「うん。かまぼこ作りを体験するって、なかなかないっすよね。なら、せっかくなんで体験するっすよ!」
「ところでおじい様」
燐は赤鬼の老人に声をかけた。
彼がかまぼこ作りを教えてくれる料理人である。
「はいはい、何ですか?」
「これ、生配信とかして大丈夫かしら? おじい様の顔出しがだめなら私しか映らないようにするし、生配信自体がだめなら後日『こういうことをした』っていう報告動画にしようと思って」
動画配信者である燐にとって配信許可を取るのはとても大事なことである。
「あんれまぁ、それは何だか恥ずかしいねぇ。でも皆にかまぼこ好きになってほしいしねぇ。いいですよ、美味しいかまぼこ作って自慢しましょうね」
「ええ、有難う」
「よろしくお願いするっす!」
ビーチに用意された調理台の前に二人が立つとかまぼこ料理教室が始まった。
「まずはうなぎを三枚に下ろして、身をみじん切りにして下さいね」
みじん切りはともかく三枚に下ろすのはなかなかに難しい。料理が特別に得意というわけではない二人は赤鬼に丁寧に教えてもらい何とか最初の工程をクリアした。
「次は身を水にさらしてかき混ぜて、水を捨てて下さい。これを二、三回やってくださいね。それが終わったら身をさらしで包んでぎゅーっと絞って水気を切って下さい」
なお絞りすぎると練りが悪くなるので気を付けなければならない。
「絞ったらフードプロセッサーに身と調味料を入れてすりつぶしますよ」
味付けで塩と味醂を入れて身を繋ぎ合わせるために片栗粉と卵白を加えて混ぜる。
「すりつぶしたら身を板に乗せて、ヘラで成形します」
赤鬼の手本を見ながら二人も成形していく。よく売り場で見かける半円形が出来上がった。
「お二人とも大変お上手ですね。そうしたらこれを一、二時間寝かせて蒸せば出来上がりですよ」
「へぇ、意外と簡単っすね」
「そうね。故郷のキマイラフューチャーでも作れそうだわ。おじい様、かまぼこを寝かせている間にお話を伺ってもよろしいかしら?」
「はい、構いませんよ」
真剣な様子の燐にリプスが思わず言う。
「真面目っすね」
「当然よ。教えてもらって学んでいるのはこちらなんだから」
「俺はせっかくなんで花火も楽しんでくるっす」
燐と赤鬼に見送られてリプスは妖怪花火の打ち上げ会場にやって来た。
「うわぁ、でかいロケット花火っすね」
本当にロケットの形をした見上げる程大きな花火が大量に並んでいた。
花火師の中年の青鬼が気さくに話しかけてくる。
「おっ! 兄ちゃん打ち上がるかい?」
「もちろん、お願いするっす!」
リプスは両手両足を使ってロケットにしがみつく。数秒の後花火と一緒に夜空へと打ち上げられた。
そしてパァンという音と共にロケットが弾ける。
空に放り出されるかと思ったが足元に広がる火の花の上に着地していた。
「おお、模様の上を歩くってこういうことっすか。案外、丈夫なんすね」
リプスはそこで三メートルを超える巨大な白銀の隼を召喚した。それにまたがり空中散歩としゃれこむ。
(「にしても、花火って本当に不思議っすね……。俺がいても暗くならないんすから」)
リプスは人間を自称しているが蝕を司る呪われた神なのだ。太陽は日食させ月は月食させてしまう。けれども花火の光は消えない。
感慨深く思いながら時間まで花火を楽しんだ。
リプスが隼を連れて調理場へと戻ると燐も赤鬼との話を終えた所だった。
「貴重なお話、有難う。とても勉強になったわ」
「いえいえ。それじゃあ、かまぼこを仕上げましょうか」
かまぼこを蒸し器に入れて蒸していく。この時お湯はあまり沸騰させないようにするのが美味しく作るコツなのだという。
待つこと約十五分。
「これで完成です。日持ちさせたい場合は出来立てを冷水で一気に冷ますといいですよ。すぐに食べるなら、熱々の内に食べるのが一番美味しいです」
「なるほど!」
リプスはホカホカのかまぼこを半分に切って隼に差し出した。
「いただきます!」
二人と一羽はそろってかまぼこをパクリ。
「うん、美味しいっす!」
「美味しいわ! それに、魚の生臭さもほとんど感じない」
「隼も喜んでるっすよ」
「それはよかったですねぇ」
微笑む赤鬼に見守られて燐とリプスは自分で作ったかまぼこを大満足で味わったのだった。
大成功
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リダン・ムグルエギ(サポート)
「やーよ面倒臭い。アタシの仕事(デザイン)はもう終わってるの
「お、今の映えるわね!ヒュー
キマフュ特有のノリの服飾師
戦闘では
見た人の五感を狂わす「催眠模様」の入り衣装を作って配る事で
仲間の防御底上げと敵の妨害を実施
調査系では
コネや口コミ等でブームを作って周囲を動かし、その結果待ちだったりと
「依頼で描写される前の時点で自分のやるべき仕事を終えている」事が多い純支援キャラ
依頼本編では戦いの様子等を撮影・配信したり
キャーキャー逃げたり
合いの手を入れてたりしてます
単独戦闘には不向き
ミシンや針、布等も所持
その場で他依頼参加者に合わせ衣装アレンジも
MSのセンスで自由にハチャメチャに動かしてOK
エロだけは厳禁
カシム・ディーン(サポート)
口調
基本丁寧なですます口調
一人称
僕
二人称
呼び捨て、君、あなた、お前(敵には
女好きの盗賊少年だが
サポート参加の場合では基本戦闘やそれ以外の補助をメインとした立ち回りに従事する
本当はもう少し楽しい事をしたいんですけどね
【情報収集】
戦う場所や敵について
その他有用な情報を集め仲間に伝え
戦闘
【属性攻撃・迷彩】で光属性を全身に纏い消
基本攻撃は【盗み攻撃】で敵の武装の強奪による無力化
敵集団には一度【溜め攻撃】で魔力を収束させウィザードミサイル
単体相手にはシーブズギャンビットで服を脱ぎつつ猛攻を仕掛ける
一人で行動はせずにメイン参加者と息を合わせて攻撃を行う
今日の僕は盗賊として少し頑張ってみるとしますよ
月影・左京(サポート)
アドリブ・連携・苦戦描写・UC詠唱改変・その他OK!
「はわっ!?……大丈夫。私も手伝うから♪」
一人称:私
口調:女性的でラフ(〜よね、なの?、あら〜等)
口癖:はわっ!?
性格:おっとりのんびり。「わぁ!頼りにな……る、の?(笑)」な印象
基本戦法:【忍び足】で敵の死角に入りメイスによる【気絶攻撃】を【2回攻撃】。【鎧砕き】も狙う。
敵の攻撃は【聞き耳】を立てて【第六感】も使い、【見切り】ます。
※不意打ちを受けた時など、「はわーっ!?」と叫ぶ傾向あり。
指定したUCを何でも使用。
但し負傷した猟兵がいれば戦況次第で攻撃より【祈り】の力と【医術】及び【救助活動】で治療。
後はお任せします。よろしくお願いします。
●ドタバタ夏休み
「かまぼこを作って、夫に食べさせてあげようと思うの」
月影・左京(夫婦ゲーマーのはわっ担当・f06388)の言葉にかまぼこ作りを教えてくれる赤鬼は穏やかに微笑んだ。
「それは素敵ですね。きっと旦那様もお喜びになるでしょう」
「はい、彼のために頑張るわ!」
左京は気合十分に拳を天に突き上げた。
すると近くにあったボウルに手が当たる。その勢いでボウルは宙を舞うと彼女の頭にスポッとはまった。
「はわーっ!?」
おっとりのんびりな性格の彼女はかなりのドジなのだった。
一方カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は花火会場に来ていた。
「夏休みということは羽目を外してもいいということ。それはつまり、ナンパOKってことですよね!」
女好きなカシムは女性を見かけるや否や横滑りしながら砂埃を上げて駆け寄る。片膝をつき左手を自分の胸に当て右手を女性へと差し出した。
「ヤギのお姉さん、僕と花火デートしませんか?」
声をかけられたヤギのキマイラのリダン・ムグルエギ(宇宙山羊のデザイナー・f03694)はにっこり笑った。
「丁度よかった! あなた打ち上げ花火に打ち上げられてきてよ」
「えっ?」
「いやー、花火だけだと意外と普通っていうか。あんまり動画映えしなくて。花火と一緒に人が打ち上がったら映えるかなって思ったのよ」
「ええっ?」
「というわけで、いってらっしゃーい!」
「ええー!?」
気づけばカシムは妖怪花火と共に夜空に打ち上がっていた。
「おお、いいねいいね! 映えてるわよ!」
その後もリダンはカメラ片手に角度がどうとかポーズを取れとかカシムに注文を付けた。そのおかげで彼は何度も打ち上げられたのだった。
「ちょ、ちょっと待ってください! まだ動画撮るんですか? 僕疲れたんですけど……!」
「ん? ……そうね、アタシもお腹減ったわ。かまぼこ余ってないかしらね」
「かまぼこ。そういえば、作ってるんでしたっけ」
二人がビーチに作られた調理場へと向かうと左京と赤鬼に歓迎された。
「よかった! かまぼこ作りすぎちゃって困ってたの」
「とても二人で食べ切れる量ではなかったので、お二人もたくさん食べて下さいねぇ」
言われて見てみれば皿の上にいびつな形のかまぼこが見上げる程の山となっている。
「ちょっと多すぎじゃない!?」
「うっかり分量を間違ってしまって……」
「うっかりってレベルじゃないですよ!?」
「しかも変な形ばっかりだし」
砕けてしまっている物もあれば何故かまん丸な物まである。
「味は美味しいから大丈夫よ。ほら!」
左京にかまぼこを差し出されリダンとカシムは顔を見合わせた。恐る恐る受け取り口に運ぶ。
「……確かに美味しいわ」
「見た目はアレですけど、味はちゃんとかまぼこですね」
そんなわけで三人と赤鬼はかまぼこをモリモリ食べた。しかしそれでも食べ切ることができない。
赤鬼が苦しそうにお腹をなでつつ言う。
「残りは花火師の方々に食べてもらいましょう」
「有難う。そうしてもらえると助かるわ」
左京は比較的綺麗な形のかまぼこを夫へのお土産として包んだ。
「いい画も撮れたしお腹もいっぱいになったし、いい服が作れそうな気がするわ!」
リダンはすっかり服飾師の顔になって一足先に帰っていった。
「……デートは!?」
さすがに人妻の左京をナンパする気にはならないカシム。
そんな彼を慰めるように頭上に火の花が咲く。
「……まあ、楽しかったしいいか」
カシムはため息を吐きつつ笑って夜空を眺めた。
こうして猟兵たちの夏休みは花火で締めくくられたのだった。
成功
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