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ふたつの道が交差する(作者 唐揚げ
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#ブルーアルカディア  #ザエル帝国との戦い 


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#ブルーアルカディア
#ザエル帝国との戦い


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●ブルーアルカディア:飛空艇『エルウィング号』
 轟音、そして衝撃。
 船内は大きく揺れ、甲板に立つ勇士たちは必死で持ちこたえた。
『左舷に被弾! 今のはかなりまずいッス、リーダー!』
「ンなこた今の衝撃でわかってる、急いで消火しろ! ンでバラスト調整!」
 40がらみの髭面の男が、伝声管にがなり立てる。
 彼の名はカリム。この飛空艇の、そして勇士たちの頭目である。

 勇士たちが追っているのは、飛空艇とドラゴンを混ぜ合わせたような奇妙な魔獣だ。
 その周囲にはさらに複数の小型飛空艇が並走し、砲撃でこちらを攻撃している。
 ならば魔獣と飛空艇群は連携しているのかと言えば、それは否。
 飛空艇群の攻撃は、魔獣と勇士たち、それぞれに向いているのである。
「ザエル帝国の野郎ども、獣を手に負えねえならこっちに任せりゃいいもんを……!」
 カリムは煙草を湿気った煙草を吐き捨てると、忌々しげに唸った。
「余所者にゃあ獲物は譲らねえってわけだ。強欲な連中ですよ、まったく」
「だったら勇士の意地を見せてやらねえとなぁ……全速前進! 突っ込むぞ!」
『正気ですかリーダー!? 落とされますよ!』
「そこをなんとかするのがお前ら操舵手の仕事だろうが! 怯むな!!」
 伝声管の蓋を乱暴に閉じると、カリムは愛用の天使核マスケットを握りしめた。
「絶対に狩ってやるぜ、『ガレオンドラゴン』……!」
 勇猛果敢に加速する飛空艇を、容赦なき砲撃弾幕が襲う――!

●グリモアベース:予知者、ムルヘルベル・アーキロギア
「……と、ここまでがワガハイの見た予知の光景だ」
 少年めいたグリモア猟兵は言った。
「かの新たな世界には、魔獣や屍人帝国に戦いを挑む『勇士』たちがいる。
 このままでは、その『勇士』である飛空艇の面々は討ち死にしてしまうであろう。
 グリモアの力でオヌシらを船内あるいは周辺空域に転移させるので、
 彼らを支援し、そのまま彼らの目的である魔獣を討ち取ってほしいのだ」
 勇士たちを支援すれば、いずれ始まるだろう大きな戦いの力となるはず。
 オブリビオンが幅を利かせるこの世界で、抵抗勢力を失うのはあまりに惜しい。

 そこで、猟兵の中から『ザエル帝国』という名前について質問が挙がった。
「うん? ……そうか、かの屍人帝国の名を耳にしたことがある、と。
 ワガハイが関与した事件ではないゆえ、ワガハイ自身に知識はないが、
 どうやらすでに他の予知に関わった屍人帝国であるようだな。なるほど」
 然り――この帝国の名が、猟兵の間に挙がることは初めてではない。
 ある平和な島に攻め入り、たったひとりの少女を狙って殺戮を目論んだ帝国。
 歴史から遺失した魔術を操る、強大な魔導国家……それがザエル帝国だ。
「予知を見る限り、魔獣はもともとその帝国の所有物……兵器だったようだな。
 勇士たちが敗北し魔獣を捕獲されてしまえば、ろくなことにはなるまい。
 まずは魔獣の周辺を取り囲む飛空艇群を、空中戦闘で殲滅すべきであろう」
 魔獣・勇士・そしてザエル帝国の三つ巴の戦いだ。戦況は混迷必至。
 いかに対空砲火を乗り越え、飛空艇群を叩き落とすかが、緒戦の鍵を握る。

「勇士たちがオヌシらを警戒することはないだろうが、まあ驚かれはするはずだ。
 しかし死線をくぐり抜ければ、彼らはオヌシらのことを信用するであろうよ。
 もっとも交流は戦いのあとにすべきであろうが……友誼を深めるのも悪くない」
 魔獣の討滅に成功すれば、彼らはきっとどこかの街に着陸するだろう。
 酒場で卓を囲んで勝利の祝杯を上げれば、それはもう仲間も同然だ。
 魔獣の解体も行われるだろうし、素材を融通してもらえるはずだと彼は語る。
「相手は屍人帝国を手間取らせるほどの魔獣だ、あまり油断するでないぞ。
 勇士たちを生き延びさせるのも重要だが、オヌシら自身も無事で帰るようにな」
 そう言って、ムルヘルベルはグリモアの力を起動させた。
 転移した先は青い空、あるいは弾幕に揺れる飛空艇の甲板上だ……!





第3章 日常 『勇士の酒場』

POW魔獣料理を注文してみる。
SPD店主や客と交流。
WIZ依頼の張り紙などを見て情報収集。
👑5 🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 狩りが終われば、始まるのは盛大な宴会だ。
 収穫と生還を祝い、次の冒険と戦いのために心身を癒やす、大事な儀式である。
 宴は盛大であればあるほど、人が多ければ多いほどいい。
 恩人である猟兵を、勇士たちは喜んで歓迎し、むしろそうさせてくれと言った。

 というわけで、エルウィング号がやってきたのは近くにある浮島の港街だ。
 もちろんガレオンドラゴンの死体は、飛空艇で牽引され一緒に運ばれてきた。
 獲物の解体も、宴を盛り上げる大事なショーなのである。
「タイミングがよかったぜ。今はちょうど、あちこちから商人が来てるみたいだ。
 あんたたちがその気なら、獲得物をすぐに換金することも出来るだろうぜ」
 カリムは猟兵たちにそう言った。
「それじゃあ美味い酒と飯でも食いながら、分け前の相談といこうや!
 もちろん渋るつもりはねえよ、なにせあんたたちは命の恩人なんだからな!」
 そうだろうお前ら、とメンバーに呼びかけると、元気な歓声が返ってきた。
 中には、もう酒場から酒樽を持ってきてじゃぶじゃぶジョッキを突っ込んでいる気の早い者もいる。
 食材の持ち込みは大歓迎されるだろうし、ガレオンドラゴンの肉を捌いてみせるなんてのも場を大きく盛り上げることだろう。
 ちなみにこの街の特産品は、新鮮な魚介類のようだ。
 ザエル帝国が生み出したガレオンドラゴンは、体内に複数の天使核を有している。
 よほど欲張らない限り、取り合いになることもないだろう。

 金使いのいい旅人は、街の住民にとっても喜ばしい上客だ。
 街全体がお祭り騒ぎになるなか、エルウィング号をじっと見つめる一組の若者がいた。
「ドラゴンを狩るなんてすごいなあ、あの勇士の人たち……」
 旅装に身を包んだ少年の名は、ラシッド。
 先ごろ、猟兵たちによって窮地を救われ、故あって旅立った勇士志望の若者だ。
「……狩りをしたのは、勇士だけじゃないみたい」
 そんなラシッドに、フードを目深に被った同行者が言った。
 注意深く観察しないと気付かないが、外套の下に隠された素顔はあどけない少女である。
 しかも彼女がエンジェルで、他に類を見ない特徴を有することなど、それと知って捜してでもいない限り余人には察せないだろう。

 少女の名はアルピナ。
 ラシッドの住む島に堕ちてきた、ザエル帝国に追われる謎めいた存在だ。
 彼女もまた、猟兵たちにその命を救われ、少年とともに旅立ったのである。
「え? ……あ!」
 この狩りに参加した猟兵の中には、ふたりと面識ある者もいる。
 ラシッドはその存在に気づき、小さく声を漏らした。
 ここに、ふたつの道が交差した瞬間である。


 3章では、以下のNPCと交流することが出来ます。
 基本的にどのNPCも呼べば出てきますので、絡みたい場合はプレイング内に名前をご記入ください。

 ・カリム
 勇士たちを取りまとめ、『エルウィング号』の実質的な長として動いている。
 しかし、なんらかの信念により、「船長」という呼び名は好まないようだ。

 ・ラシッド&アルピナ
 前作「ひとりの少女が堕ちてきて」に出てきたNPC。
 現在は勇士となるため、受け入れてくれる飛空艇を捜している。
(猟兵全体に恩義を感じているため、前作に参加してなくても問題ありません)

 ・ムルヘルベル
 グリモアで来た。(酒を飲みに)


 プレイングはだいたい15日ごろから採用を始めます。
ヴィクティム・ウィンターミュート
ようムルヘルベル
ちょいと飲んでいかねえか?なに、お前と緩く喋んのも久しいからな
酒?あーいいよ、俺は飲まんが気を遣わなくていい 好きにしな
俺は飯がありゃいいし
とりあえず、美味いもんは片っ端から持ってきな!

ん、あのラッキーボーイとガールに挨拶?別にいらねーだろ
俺は前回『居なかった』からな
若人は若人で楽しめばいいさ

お前、最近はどうなんだよ
予知で忙しいのは知ってるが、ちゃんと休めてんのか?愛すべきミスター・ジョンソンには健やかに生きてもらわねーとな まあまあ飲め飲め

俺の方はぼちぼちだ 
特に変わりも無いよ 気まぐれに働いて、気まぐれに馬鹿をやるだけ
変わんないのが良いんだよ
……そう、このままが一番だ


●戦い終わって膝突き合わせ
「ようムルヘルベル。ちょいと飲んでいかねえか?」
「む? ヴィクティムではないか。藪から棒にどうした」
 戦勝会にそれとなく紛れていた賢者は、ヴィクティム・ウィンターミュートの出し抜けな言葉に小首をかしげた。
 ムルヘルベルにとって、ヴィクティムは頼れる猟兵であり大事な友人のひとり。
 誘いを断ろうはずもない、が……彼の側からこの手の誘いをかけることが、なんとなく珍しく思えたのだ。
「いや何、お前と緩く喋んのも久しいだろ?」
「まあ、たしかにそうさな。ではご相伴に預かるとしようか」
 そう言って、ふたりは手近な卓に腰を落ち着けた。
 ムルヘルベルは酒を給仕に頼もう……として、ヴィクティムをちらりと見る。
「あ? ああ、気にすんなよ。俺は飯がありゃいいんだ」
「そうか。オヌシもそろそろ飲めるようになるであろう、それを楽しみにしておこう」
「年寄りくさいこと言いやがって」
 ヴィクティムは苦笑しつつ、手当たりしだいに飯を注文した。
 その健啖ぶりに賢者は目を丸くすることになるが、それはさておくとしよう。

「そういえばヴィクティムよ」
「ん?」
「あのふたりには挨拶しないでよいのか? オヌシはたしか……」
「ああ、いいのさ」
 ラシッドとアルピナのことを話題に出され、ヴィクティムは肩をすくめる。
「俺はあの時『居なかった』。そういうことになってるんだ」
「……オヌシらしいな。端役としての手際は相変わらず、か」
「そういうことさ。それよりも、だ」
 ヴィクティムは空にした皿をかちゃりとディッシュタワーに積み上げた。
「お前、最近はどうなんだよ? むしろそっちが気になるぜ」
「ワガハイか? どう、と言われてもな……」
「ちゃんと休めてんのか? 愛すべき依頼人(ミスター・ジョンソン)には健やかに生きてもらわねーと困るぜ」
「そう言うなら、オヌシこそ自分を省みろという話だぞ? まったく」
 今度はムルヘルベルが苦笑する番だ。
「何、案ずることはない。オヌシにそう言葉をかけてもらえるだけで十分だ。
 ……というよりも、こうしていつも通りであれるのはオヌシらのおかげゆえな」
 ムルヘルベルは微笑んだ。
「ワガハイの呼びかけに応じ、災厄を取り除き、こうして語らってくれる。
 そうした営みこそが、人を人たらしめるものだ。そうは思わぬか?」
「同感だな。俺のほうもぼちぼちさ。気まぐれに働いて、気まぐれに馬鹿をやる。
 変わらないのがいいんだよ……ああ、このままが一番だ。なによりってやつさ」
 ムルヘルベルは、どこか遠くを見るようなヴィクティムの顔を、しばし何も言わずに眺めていた。
 変わらずにいられる……それは、退屈に思えるがとても大事なことだ。
 死線に身を置く猟兵ならばこそ、日常の大切さを忘れてはならない。
 そんな箴言めいたことを言おうとして、ムルヘルベルは無粋だな、と頭を振った。
「では、オヌシのそのいつも通りの話をもう少し聞かせてもらおうか?」
「あ? 別に語って聞かせるようなこたないぜ」
「そうでもないさ。オヌシにとっては他愛ないことでもワガハイにとっては別だ」
 ムルヘルベルはジョッキを揺らしてみせた。
「友人の近況報告というのは、そういうものであるぞ?」
「……やれやれ。相変わらずお人好しなこって」
 ヴィクティムは肩をすくめ、分厚いステーキを一口で頬張った。
 それからしばし、ふたりは平和な日常について言葉を交わしあったそうな。
大成功 🔵🔵🔵