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ふたつの道が交差する

#ブルーアルカディア #ザエル帝国との戦い

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#ブルーアルカディア
#ザエル帝国との戦い


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●ブルーアルカディア:飛空艇『エルウィング号』
 轟音、そして衝撃。
 船内は大きく揺れ、甲板に立つ勇士たちは必死で持ちこたえた。
『左舷に被弾! 今のはかなりまずいッス、リーダー!』
「ンなこた今の衝撃でわかってる、急いで消火しろ! ンでバラスト調整!」
 40がらみの髭面の男が、伝声管にがなり立てる。
 彼の名はカリム。この飛空艇の、そして勇士たちの頭目である。

 勇士たちが追っているのは、飛空艇とドラゴンを混ぜ合わせたような奇妙な魔獣だ。
 その周囲にはさらに複数の小型飛空艇が並走し、砲撃でこちらを攻撃している。
 ならば魔獣と飛空艇群は連携しているのかと言えば、それは否。
 飛空艇群の攻撃は、魔獣と勇士たち、それぞれに向いているのである。
「ザエル帝国の野郎ども、獣を手に負えねえならこっちに任せりゃいいもんを……!」
 カリムは煙草を湿気った煙草を吐き捨てると、忌々しげに唸った。
「余所者にゃあ獲物は譲らねえってわけだ。強欲な連中ですよ、まったく」
「だったら勇士の意地を見せてやらねえとなぁ……全速前進! 突っ込むぞ!」
『正気ですかリーダー!? 落とされますよ!』
「そこをなんとかするのがお前ら操舵手の仕事だろうが! 怯むな!!」
 伝声管の蓋を乱暴に閉じると、カリムは愛用の天使核マスケットを握りしめた。
「絶対に狩ってやるぜ、『ガレオンドラゴン』……!」
 勇猛果敢に加速する飛空艇を、容赦なき砲撃弾幕が襲う――!

●グリモアベース:予知者、ムルヘルベル・アーキロギア
「……と、ここまでがワガハイの見た予知の光景だ」
 少年めいたグリモア猟兵は言った。
「かの新たな世界には、魔獣や屍人帝国に戦いを挑む『勇士』たちがいる。
 このままでは、その『勇士』である飛空艇の面々は討ち死にしてしまうであろう。
 グリモアの力でオヌシらを船内あるいは周辺空域に転移させるので、
 彼らを支援し、そのまま彼らの目的である魔獣を討ち取ってほしいのだ」
 勇士たちを支援すれば、いずれ始まるだろう大きな戦いの力となるはず。
 オブリビオンが幅を利かせるこの世界で、抵抗勢力を失うのはあまりに惜しい。

 そこで、猟兵の中から『ザエル帝国』という名前について質問が挙がった。
「うん? ……そうか、かの屍人帝国の名を耳にしたことがある、と。
 ワガハイが関与した事件ではないゆえ、ワガハイ自身に知識はないが、
 どうやらすでに他の予知に関わった屍人帝国であるようだな。なるほど」
 然り――この帝国の名が、猟兵の間に挙がることは初めてではない。
 ある平和な島に攻め入り、たったひとりの少女を狙って殺戮を目論んだ帝国。
 歴史から遺失した魔術を操る、強大な魔導国家……それがザエル帝国だ。
「予知を見る限り、魔獣はもともとその帝国の所有物……兵器だったようだな。
 勇士たちが敗北し魔獣を捕獲されてしまえば、ろくなことにはなるまい。
 まずは魔獣の周辺を取り囲む飛空艇群を、空中戦闘で殲滅すべきであろう」
 魔獣・勇士・そしてザエル帝国の三つ巴の戦いだ。戦況は混迷必至。
 いかに対空砲火を乗り越え、飛空艇群を叩き落とすかが、緒戦の鍵を握る。

「勇士たちがオヌシらを警戒することはないだろうが、まあ驚かれはするはずだ。
 しかし死線をくぐり抜ければ、彼らはオヌシらのことを信用するであろうよ。
 もっとも交流は戦いのあとにすべきであろうが……友誼を深めるのも悪くない」
 魔獣の討滅に成功すれば、彼らはきっとどこかの街に着陸するだろう。
 酒場で卓を囲んで勝利の祝杯を上げれば、それはもう仲間も同然だ。
 魔獣の解体も行われるだろうし、素材を融通してもらえるはずだと彼は語る。
「相手は屍人帝国を手間取らせるほどの魔獣だ、あまり油断するでないぞ。
 勇士たちを生き延びさせるのも重要だが、オヌシら自身も無事で帰るようにな」
 そう言って、ムルヘルベルはグリモアの力を起動させた。
 転移した先は青い空、あるいは弾幕に揺れる飛空艇の甲板上だ……!


唐揚げ
 本シナリオは続き物の第二弾となりますが、前作の把握は不要です。
 知っておきたい方は、タグの「#ザエル帝国との戦い」からどうぞ。
 前作で登場したふたりは、無事に冒険が終われば3章で登場予定です。

 あ、あと、一応3章は日常なので、ムルヘルベルも呼び出せます。
 希望があればただ酒を飲みに出てくると思いますので、よしなにお願いします。

●プレイング受付期間
 7/29 08:30前後まで。
(期限の関係で再送をお願いする場合がありますが、その時はお知らせします)
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第1章 冒険 『対空戦闘』

POW   :    総員白兵戦闘用意! 強制接舷して敵飛空艇と白兵戦だ!

SPD   :    総員砲雷撃戦用意! 備え付けの火器で敵飛空艇を叩き落せ!

WIZ   :    総員対魔術戦闘用意! 魔法でこの困難を切り抜けろ!

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 砲撃(ファイア)!
 砲撃(ファイア)!!
 砲撃(ファイア)!!!

『もうダメだリーダー、艇が墜ちちまう!』
「持たせろ!! ビビって速度を落としたらそこでおしまいだ!!」
 無茶苦茶な命令に思えたが、事実としてこれが最適解だった。
 ザエル帝国の擁する飛空艇の砲撃は、そこらの飛空艇の砲弾とはわけが違う。
 砲塔周辺に魔法陣が浮かび上がり、なんらかの属性を宿した砲弾が撃ち出される。
 砲弾の速度、威力、質量、被害……どれをとっても魔術的な強化がされていた。
 エルウィング号は帆を張って加速する。臆すれば死、あるのみ!

「おいリーダー! 大変だ!」
「あぁ!? お前らも泣き言抜かすつもりか! だったら飛び降りろ!」
「違う! 急に人が出てきたんだ!」
「は? 何を――」
 カリムは見た。グリモアの光から飛び出した超常の戦士たちを。
 それは彼らにとってこの上ない援軍であり、敵にとっては忌々しい存在だ。
 猟兵という超戦力が、いま、空の戦いを蹂躙する!
月凪・ハルマ
いやちょっ、いきなり空中に放り出されんの!?
(【天津太刀風】発動)

◆SPD

いやはや全く、唐突なのにも程がある
おまけに愚痴を言ってる暇も無いってか!
(視界内に帝国の飛空艇を収め、風刃を放ちつつ)

さて、ここは以前に得た飛空艇の知識も活かすべきだな
(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=35892 3章より)

敵の艇の天使核の位置や動力に関する箇所などを
【メカニック】【世界知識】で判別
【武器改造】で爆破機能を付与した手裏剣、及び
UCによる風刃(【2回攻撃】)で効率的に敵の艇を沈めていこう

守りについては基本的に【迷彩】で姿を隠しつつ、
【見切り】【第六感】で回避



●空の世界で
 転移の光が消えた瞬間、月凪・ハルマは飛空艇の中ではなく外にいた!
「いやはやまったく、唐突なのにもほどがある……!」
 おまけに飛来するのは無数の砲弾。ハルマは帽子を抑えつつ苦笑した。
「愚痴を言ってる暇もないってか……っと!」
 器用にも空中でぐるりと回転した瞬間、無数の風の刃が吹き荒れた。
 見えない刃は飛来する砲弾を真っ二つにし、空中に爆炎を咲き誇らせる。
「あの敵の飛空艇、見たことない造りだな……」
 すでにこのブルーアルカディアで冒険を終えていたハルマには、飛空艇に関する基礎的な知識が宿っている。
 それに照らし合わせてみると、ザエル帝国とやらの艇はひどく奇妙だ。
 だが、おおよその骨格は変わらない。つまりどこを突けばいいのかも同じ!

「足場にさせてもらうよ!」
 エルウィング号の船体側面を蹴り、ハルマは砲弾を斬り捨てながら距離を詰める。
 近づけば近づくほど弾幕は過酷になり、彼の接近を阻んだ。
「ここまで近づければ、わざわざ甲板に降りるまでもない……!」
 ハルマは弾幕の隙間を縫うように、爆破機能を付与した手裏剣を投擲。
 ゆるいカーブを描いた手裏剣が敵の船体後方に突き刺さり――KA-BOOM!!
「見えた、あそこだ!」
 爆発で開いた穴に、ハルマは槍めいて尖らせた風の刃、いや弾丸を放った。
 一秒後、内部を切り裂かれた敵の飛空艇は爆散! 風圧が彼を吹き飛ばす!
「効率的に行かせてもらいますかね、っと」
 飛散した飛空艇の残骸は、ハルマにとって身を隠すのに最適な障害物だ。
 空の蒼に少年の姿は溶けるように消えて、敵の認識からも消え去った。
 ここからが本番だ。死角から狩るのは空の世界でも変わらない――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳴宮・匡
先々のための投資だっていうなら、一枚噛むのも悪くないか
空の上ならお前の出番かな
……頼むぜ、ノーチェ

【夜凪の翼】で飛行形態になったノーチェの背から敵飛空艇を狙撃するよ
相手の射角に入らない下方から狙えればなおいいか

まずは敵攻撃を無力化するところからだ
魔術的な強化程度なら“影”で封殺できる
命中軌道にある砲弾の迎撃が最優先
何方向から、いくら撃ってくれても構わないぜ
……弾の無駄だろうけど

脅威が払えているなら、飛空艇そのものを墜としにいくよ
巧く動力部を撃ち抜ければそれでいいし
難しければ、先に砲塔を誘爆させて機能不全にするのも考慮する
いずれにせよ、一隻たりと逃がすつもりはないよ――碌なことにならないしな



●竜の背に乗って
 ごうごうと強い風が、鳴宮・匡の短い黒髪を乱暴に撫で付ける。
「空の上ならお前の出番だな……頼むぜ、ノーチェ」
 匡に、空を自由に舞い飛ぶような翼や異能はない。
 その代わりに彼を背中に乗せて飛翔するのは、影の蛇竜『ノーチェ』だ。

 夜凪の翼は弾幕を器用に避け、同時に蒼の中でも雲を利用し上手く姿を隠す。
 ザエル帝国は、この自在に飛翔する蛇竜をどうしても撃ち落とせずにいた。
「一気に下に回り込むぜ。船体の真下なら射角に入らない」
 匡が目と耳でタイミングを測り、手でノーチェの背を叩いて伝える。
 蛇竜は彼の信頼に応え、猛禽めいた鋭い滑空で敵飛空艇群の真下を取った!
「あの飛空艇を落とされたら、困るんだよな」
 匡が最優先したのは、敵飛空艇の船体ではなく砲塔である。
 魔術的な強化が施されているようだが、漆黒の"影"はそんなものを許さない。
 本来であれば弾かれるはずの弾丸は、一撃で砲塔を破壊し、爆発!
「敵はどこから撃ってきている!?」
「おそらく下方と思われます! 陣形を再編成しようにも動きが疾く……!」
「ならばアンカーを射出しろ! 直接仕留めるのだ!」
 敵飛空艇の船体下部のスリットが開いた瞬間、匡は意図を察した。
「ノーチェ、今度は上だ。弾幕の隙を突くぜ」
 蛇竜は高く鳴き、垂直に飛翔して巨大な錨をギリギリで回避する。
 敵が狙いを定めるより速く、匡の弾丸が砲口に入り込み、砲台爆発!
「くそっ、なんという手練だ……!」
 歯噛みする飛空艇船長は、魔導レンズ越しに死神の目を見た。
 まるでレンズから飛び出したかのように、魔弾は彼の額を正確に射抜く。

 長を失いコントロール不能に陥った飛空艇を見下ろし、匡は呟いた。
「一隻たりとも逃すつもりはないよ――ろくなことにならないしな」
 奴らの死神が此処にいる。終わりという名の狩人が。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エアリーネ・シルベンスタイン
…ここが「ブルーアルカディア」……あの天使の言っていた「天上界」なんでしょうか…?
気になることも多いですけど、今はお仕事ですね……

それにしても……
なんで「天上界」なのに飛行手段とか用意してなかったんでしょうね私……
仕方がないので甲板の所々に『ちびエアリーネ』を配置、私はそれらを見通せる場所に陣取ります…
ただの人形か何かと思いました…?これは「登録者の魔法を“これ”を起点として発動できる」魔法具です

後はひたすらに《多重詠唱・高速詠唱》で毎回、必要な場所にいる『ちび』から属性を変えての【エレメンタリー・ミサイル】を放って迎撃しますよ……


……はぁ……空を飛ぶ手段、考えないといけないですね……



●新たなる世界
「ここが、ブルーアルカディア……」
 どこまでも広がる蒼い空。
 地上の代わりに眼下にわだかまるは、底の見えない白い雲海。
 エアリーネ・シルベンスタインは、新たな世界の景色に圧倒されていた。

 ……が、彼女が呆然としていたのは、実はそれだけではない。
「なんで「天上界」なのに、飛行手段用意してこなかったんでしょう、私……」
 そう、エアリーネは、残念ながら飛行することが出来ないのである。
 周囲では怒号と砲声がひっきりなしに響き、彼女の髪を爆風がなびかせた。
「仕方ありません、ここで固定砲台として頑張りましょうか……ちびたち」
 まるでエアリーネを小さく縮めたような人形たちが、てこてこと八方に散る。
 これはただの人形ではなく、エアリーネの魔法を中継するアンテナのようなもの。
 そしてエアリーネの得意技は――多重詠唱による魔法の矢の飽和攻撃!

「飛空艇に何が通じるかわかりませんから……手当たりしだいにいきますよ」
 炎、雷、氷、大地、あるいは光や闇。
 この世の万物を司る属性魔力を宿した魔法の矢が、弾丸めいて飛翔する。
 その数はざっと400を超える。点ではなく面を圧する弾幕だ。
 空中で敵飛空艇群の砲弾と接触した魔法の矢は、カラフルな爆炎に変わる。
 蒼い空に赤や黄色や茶色の炎が燃えるさまは、どこか花火のようでもあった。
 もっともこれは花火なんて平和なものではない、危険な命の取り合いだが。
「屍人帝国、天使核、魔獣……気になることも多いですけど、今はお仕事です」
 エアリーネはちびエアリーネを使って死角を潰し、エルウィング号を防衛する。
 この艇から繋がる縁が、世界に秘められた謎を解く鍵になると信じて。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レイシャン・ラディスティ
こんにちはー、助けに来ましたー
さぁ、いきましょう、サーちゃんー

氷海龍のサーちゃんに乗って飛翔
そして【嵐は冷たく鋭く】を使いますねー
徐々に強くなる氷の刃は、いずれ帝国の船をボロボロにするぐらいつよくなるでしょうー

砲弾はサーちゃんに頑張って避けてもらいますねー
エルウィング号さんも…うん…頑張って避けてくださいー
そのうち氷の刃も砲弾を返り討ちにできるぐらい強くなると思いますのでー、それまでの辛抱ですー


ヴィクトリア・ノウェム
むぅ…またあの連中です?
まあいいです。ぶっ飛ばしてまた慰謝料をせしめるです

丁度新しい天使核でばか両親作のぽんこつが一つ動かせるようになったです
いくですよ、エル・セプス。
外装形態に変形、そして……
『エンジェリックドライブ』出力全開、です

そのまま推力全開で突っ込んで「敵飛空艇と白兵戦」です。
思いっきり加速してドーンと外装パンチ(UC)、です
後は手近なやつに『ファング』を打ち込んで、怪力でぐるんぐるんぶん回して盾代わりにしたり他のやつにぶつけてやるです

む。弾幕が邪魔です。
ならこっちも『A.F.C.』をチャージしてからの集束砲撃で、その弾ごと貫通させてやる、です

※アドリブ歓迎、です


雪丸・鳳花
ハッハッハ!
ボクが来たからにはもう大丈夫だ!
怪しい者ではないよ!
キミたち勇士の友となる者さ!
さあ!ボクのステージをとくとご覧あれ!

ザエル帝国の諸君!
ボクと一緒にダンスをしよう!
光るジェットブーツで踊るような空中戦を!
オーラ防御を纏い、敵に囲まれないように気を配りながら、いくつかの小型飛空挺を引き付けよう
フェイントを織り交ぜながら砲撃を見切りつつ、敵よりも上空を目指すよ
太陽の真下に隠れて敵が一瞬でもボクを見失った時が好機!
上空からUCで急襲!
敵に反撃の余地を与えないため、ジャンプで次の小型飛空挺に間合いを詰めて畳み掛けるようにUCの攻撃だ!

ボクのステージはお楽しみいただけたかい?

アドリブ共闘歓迎


エミリア・ジェフティー
空の上かぁ
お天道様に睨まれた私達の世界じゃ想像もできない場所ですね
…だからこそ有益なデータを取れる可能性がある、か
はぁ、本国も無粋な要求をしてくるもので
程々にお仕事して目一杯空を楽しむ為にも、まずは邪魔者を蹴散らしましょう

セシャートに搭乗し高高度へ転移後、即座に索敵を開始
最寄りの敵飛空艇へ向けて降下します
対空砲火は全開にしたサイキックパワーで受け止め、飛空艇の上へ着地
降下中にスキャンした動力部の位置へ、受け止めた砲弾を念動力で発射して破壊
墜落しきる前に他の敵飛空艇へ跳躍して同じ要領で撃破していきましょう
八艘飛びって言うんでしたっけ、こういうの
ふふん、八艘どころか十艘でも百艘でもドンと来いですよ


ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!

―――意志持つ飛空艇、自称”世界一の運び屋”ミレニアムドラゴン号の供述

Oops!
この、いきなり宙に投げ出される転移ってやつの感覚は飛空艇の俺にしても今一慣れない
だがあのグリモアってのはいいな、高く売れそうだ
え、なに?ピンクのガキがまた何か言ってやがる…
「総員砲雷撃戦用意! 備え付けの火器で敵飛空艇を叩き落せーーッ!!」
今はおめえしか乗ってねえし備え付けの火器なんかねえよ!
あるとしたら商品の砲弾くらい…
●UC神知使用(投擲、貫通攻撃、誘導弾、飛空艇操作をレベル1050)に
投げるのか、それ…

よおお前ら!分け前よこせば助けてやるぜ?
へへ、商談成立だ!
さぁ火の中に飛び込むぞ!



●空戦、加熱
「くそっ、何がどうなってやがるんだ……!」
 エルウィング号の船長、カリムは必死に甲板にしがみつく。
 突然光とともに現れた謎の存在――つまり猟兵の参戦で、戦いは加熱していた。
 ザエル帝国にとって、どうやら彼らは望まれざる来訪者であるらしい。
 こちらに味方してくれるのはありがたいが、その正体がまったく掴めない……。
『よおお前ら! 分前よこせば助けてやるぜ?』
 そんな時、エルウィング号の甲板に声が響いた。
「誰だ!?」
『俺だよ俺様だ――"世界一の運び屋"ミレニアムドラゴン号さまよ!』
 驚くべきことに、その声は頭上を飛ぶ飛空艇そのものから響いていた。
「喋る飛空艇だぁ!?」
『さあどうする、取引するかしないか! まずそれを考えな!』
「……仕方ねえ、助けてくれんなら分前でもなんでもやるさ!」
 カリムの言葉に、ミレニアムドラゴン号は愉快げに笑った。
『へへ、商談成立だ! さあ火の中へ飛び込むぞ、ガキ!』
「いいねー! 総員砲雷撃戦用意だよ!」
 と、ミレニアムドラゴン号の「所有者」であるロニ・グィーが叫んだ。
『今はおめえしか乗ってねえし備え付けの火器もねえよ!
 あのガキどもがいりゃあまだ……いや待てよ? あいつら近くの島にいるんじゃ』
 KRAAAAASH!! ミレニアムドラゴン号の思考を、弾幕が遮る!
「お? 砲弾あるじゃーん! よし、これ投げちゃおー!」
『おい、それは商品だぞ!? ていうか投げるのか!?』
 ロニは軽々と砲弾を抱え上げ、神の力で投擲――KRA-TOOOOM!!
「いえーいナイスヒットー! さあどんどんいっちゃおー!」
 それで当ててみせるのが、ロニの恐ろしいところである。

 もちろん、エルウィング号を防衛する猟兵はロニだけではない。
「新手の飛空艇からの攻撃を確認しました!」
「ええい、あのボロ船から落とせ! アンカー射出用意――!?」
 ザエル帝国の飛空艇が、がくんと揺れる。
「何が起きた!?」
「甲板に巨大な人型兵器が着地してきました!」
「なんだとぉ!?」
 然り、甲板に降り立ったのは、エミリア・ジェフティーが駆るキャバリア『セシャート』だ。
「本国も無粋な要求してくるもので……ま、ほどほどに仕事をしましょうか」
 エミリアはサイキックパワーで一種の力場を展開し、甲板に集まった敵兵による攻撃を防御。
 同時にセシャートの演算能力で着地した敵飛空艇の構造を一瞬でスキャンし、跳躍と同時に受け止めた弾丸を敵飛空艇めがけ叩きつける。
 KA-BOOOM……セシャートの搭載火器は一切使わない、エコロジーな戦い方だ。
「目一杯空を楽しむためですからね、恨みはないですが蹴散らさせてもらいます!」
 エミリアは同じように別の飛空艇に着地し、他の飛空艇からの砲撃をサイキックパワーで受け止め、敵飛空艇に叩きつける。
 データを集めつつ、敵の砲撃を利用し、さらに敵の戦力も削る。
 まさしく一石三鳥、無双のごとき活躍ぶりだ。
「八艘飛びっていうんでしたっけ? こういうの。まあ私とセシャートなら、八艘どころか十艘でも百艘でもどんとこいですけれどね!」
 KRAASH! KA-BOOOM!! 着地、スキャン、砲撃、爆散!
 セシャートは何もしない。敵の武力が、敵を撃ち落とすのだ。

「ええいちょこまかと、あの妙な機動兵器を落とせーッ!」
 すると当然、敵はセシャートに狙いを定めて集中砲火を浴びせる。
 それはつまり弾幕が薄くなるということであり、猟兵にとっては格好のチャンスだ。
「ザエル帝国……またあの連中ですか。面倒な奴らです」
 飛空艇を『纏う』という特異なスタイルの可変型飛空艇パイロット、ヴィクトリア・ノウェムが呟いた。
 彼女は敵である『ザエル帝国』と交戦経験があり、それなりに手を焼かされている。
「ちょうど新しい天使核で、ばか両親作のぽんこつが一つ動かせるようになったです。さあ、いくですよエル・セプス――『エンジェリックドライブ』出力全開、です」
 ヴィクトリアの背中に巨大な光の翼めいたエネルギー体が出現し、力強く羽ばたいた。
 すると彼女が纏う外装形態のエル・セプスに膨大なエネルギーが満ち、ロケットめいて猛スピードで加速する。
 ロニとエミリアの活躍で薄くなった弾幕を、亜音速で突っ切るエル・セプス!
「こ、こちらに急速で接近する物体あり!」
「ロケットナイトか!? いや、なんだあれは……!?」
 敵がヴィクトリアを認識したようだが、もう遅い。
 対空砲火がエル・セプスの道を遮ろうとするが、光の翼のもたらすスピードはそれをたやすく突き抜け――SMAAASH!!
「「「うわああああっ!?」」」
 敵飛空艇のブリッジが大きく揺れる! エル・セプスのパンチが炸裂したのだ!
「思ったよりも脆いのです」
 ヴィクトリアは飛空艇をぶち抜いてまっすぐ飛翔、落ちていく敵飛空艇には目もくれず別の船に『ケルベロスファング』を撃ち込んだ。
「このまま他のやつにぶつけて……やるですっ!」
 そしてハンマー投げの選手めいて、エル・セプスの力で飛空艇をぶん回す!
 乗組員の悲鳴が空にこだまするが、容赦してやるほどヴィクトリアは甘くない。
 制御不能になった敵飛空艇を別の飛空艇に投げつけ、ダメ押しに『A.F.C.』による集束砲撃を叩き込む――盛大な爆発!
「商売の邪魔するな、です」
 ヴィクトリアの狙いは、あくまで暴れまわるガレオンドラゴンに向いていた。

 混迷を深める戦場……そこに、ごうごうと冷たく鋭い暴風が吹き荒れる。
「なんだ? 乱流域に突っ込んだか!?」
「いえ、違います……これはおそらく、大規模な魔術によるものです!」
 敵オペレーターの分析通りだ。荒れ狂う嵐は、レイシャン・ラディスティの乗る氷海龍(アイスサーペント)『サーちゃん』によるものである。
「く、風が強すぎる……帆をたため! 風に逆らうなよッ!」
 強烈な氷嵐は、敵飛空艇はおろかエルウィング号にすら牙を剥いた。
 操舵手に指示を出すカリムは、嵐の中を悠々と飛ぶ竜とその背に乗る深海人の少女――つまりレイシャンの姿を目撃する。
「こんにちはー、助けに来ましたー」
「そ、そいつはありがたいが……この嵐はなんとかならねえのか!?」
「うーん、サーちゃんの力は範囲が広いですからねー、頑張って避けてくださいー」
「おいおいマジかよ!?」
 というカリムの言葉はナチュラルにスルーして、ゆるゆると飛翔するレイシャン。
 サーペントの咆哮が轟くと嵐はいよいよミキサーじみて鋭い氷の刃を生み出し、風で制御不能になった敵飛空艇のマストを、あるいは船体そのものを雹めいて貫いてしまう!
「さあどんどん強くなりますよー、耐えられますかー?」
 レイシャンののほほんとした物言いと裏腹に、『サーちゃん』の生み出す嵐は勢いを増していた。もはや敵飛空艇は大混乱である。
 弾幕など維持できるわけもなく、苦し紛れの砲撃をも氷の刃は跳ね返していた。
「それー、ぐさぐさぐるぐるー」
 海を支配するサーペントの力は、空の世界でも健在、ということか。
「お、おのれ……魔術障壁を強めろ、なんとしても反撃を……」
「ハッハッハ! そこまでだよザエル帝国の諸君!」
 体勢を立て直そうとする敵飛空艇の前に、後光を背負った少女がくるりと舞い踊った。
「ここからはボクのステージだ! 一緒にダンスをしようじゃないかっ!」
 雪丸・鳳花は華麗に空を舞いながら、挑発的に言ってみせる。
 なおも激しくなる氷の嵐すら、彼女にとっては少々派手なステージも同然。
 氷の刃を踏みしめ、フィギュアスケーターめいて回転し光を振りまく!
「わあー、サーちゃんの嵐の中でダンスだなんてステキですねー」
「お褒めの言葉ありがとう! さあ、ボクの剣閃を躱せるかなっ!?」
 レイシャンの声援を受けた鳳花は、さらにひときわ強く輝いた。
 ハイカラさんの放つ後光が、敵飛空艇の乗組員の視界を奪う。
「うっ!? ど、どこだ……!?」
「――ここだよっ!」
 敵飛空艇直上! 猛禽めいて急降下した鳳花の斬撃が飛空艇を切り裂く!
 都合四度の舞踏斬撃により、敵飛空艇は竜骨ごとバラバラになってしまった。
 これぞ『閃光乱舞』。一瞬でも気を抜けば即座に命を奪われるダンス・マカブルだ!
「すげえ……なんなんだありゃあ……!」
「安心したまえ勇士諸君! ボクたちはキミたちの友となるものさ!」
 落ちゆく飛空艇の残骸を蹴り、鳳花はさらに高く飛び上がる。
 唖然とするカリムたちにファンサービスめいて呼びかけ、鳳花はニヒルに笑った。
「おひねり代わりの砲弾おかわり、いってみよー!」
『砲弾はおひねりみたいに投げるもんじゃねーだろ!』
 ロニの弾幕(物理)は、鳳花にとっての足場でもありカバーリング用の障害物にもなる。
 爆発する砲弾をたん、たたんっ、と軽やかに蹴り、上へ上へ!
「この調子でどんどん叩き落としていきましょう!」
 エミリアの駆るセシャートが、鳳花とクロスするように飛空艇から飛空艇を飛んだ。
「だからどうか見ていてくれたまえ――ボクの、いいや! ボクらのステージを!」
「……別に役者になったつもりはないですが、仕事が楽になるならそれでもいい、です」
 ヴィクトリアの操るエル・セプスの生み出す飛行機雲は、光のなかを縫うように飛ぶ流星のようでもある。
 勇士たちは、空の戦場を自在に飛び回る猟兵たちの戦いを見ているしかなかった。
 それほどまでに、彼ら彼女らの戦いぶりは圧倒的であり、そして美しかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

クラリス・クレスト
空を自在に駆けて、人々を守る勇士か
ボクはそれに憧れを懐けるような“ヒト”ではないけど――

……なんて感傷は後回し
まずは彼らを助けてあげないと

耳飾りに触れて、息を吐く

大丈夫、やれるよ
さあ行こう、ブルーバード

そんなに大勢で大挙してくるなんて
優しいね、ボクに足場を提供してくれるんだ?
初速はメインブースターの最大瞬間推力で確保
後は――敵飛空艇を「足場」にして加速していくよ

何もお前たちを残しておく必要はないよね?
敵飛空艇を「蹴って」離脱と同時、“ガーンディーヴァ”で集中砲火
次の「足場」へ渡って、同じことの繰り返しだ
そんな鈍い砲弾なんて追いつかせないよ
空の上で、ボクを捉えられると思わないで
全部――墜とす!


フェルト・フィルファーデン
もう、またなのね?ところ構わず火種を放り込まないでほしいのだけれど……
なんて、言って聞くような相手でもないものね。手早く片付けましょうか。


まずは勇士の皆様の安全を確保しましょうか。
UCで創り出した炎の壁を船の周囲に配置。敵の砲弾を防ぎましょう。
これで堕とされる事はほぼなくなるはず。この隙に離れてちょうだい!

さあ、ここからは攻撃に転じるわ。
残りの炎を全て重ねて大きな炎の壁を作り、その壁で敵船体を断ち切るように貫きましょう。


この前も含め、ところ構わず蛮行を働いた罰よ。さあ、悔い改めなさい!


鷲生・嵯泉
無謀と勇猛とは異なるもの
余り人の事を云えた義理では無いが、だからこそ見える目も在る
彼の飛空艇乗り達……死なせる訳には行くまい

騰蛇、彼方の阻害をせぬ様、一定距離を保って飛空艇と並走飛行だ
船体に此れ以上被害が及べば本当に墜ちる
其の前に此方で砲弾を処理するとしよう
魔法陣より撃ち出されるならば予兆は掴み易い
砲頭が現れる瞬間を見計らい、騰蛇の炎を乗せた衝撃波を叩き付け
先に炸裂させる事で砲塔ごと潰してくれる

しかし……先の連中といい、何を考えているのやら
己等で御す事も叶わぬ魔獣共に手を出しては此の体たらく
愚かと一言で済ませる事も叶おうが
更なる悪行を企んでいるのがあの手の連中の常ではある
――油断は出来んな


ヴィクティム・ウィンターミュート
ハァーイ、ちょいとばかしお邪魔するぜ
誰だって顔してるみてーだが、生憎丁寧に自己紹介をしてやれる時間は無い
言った通りにやってくれるだけでいいのさ
それだけで、結末はお前らの勝ちになる
このまま展望のない戦いをするより、ずっとマシだと思わないか?

この飛空艇に残ってる武装はどれくらいある?全部フル稼働で頼む
あぁーそれと、いらねえスクラップでいいから何かくれ
『タネと仕掛け』が必要なのさ、マジックにはな

よーし、指示したタイミング、方向にぶっ放せ
当たるかどうかはどうでもいい、『俺が』当てる
さぁ派手に行こうぜ──『Reflect』
あらゆる飛翔体は俺の思い描く弾道をなぞるのさ
この程度の演算、労働の内にも入らねえな


ルヴトー・シフトマン
委細承知しました それでは、殲滅といきましょう
…この飛空艇、天狼で動くのはどうなんでしょう
重さで落としてしまうわけにもいきませんし…具合を確かめ終えるまでは、あるものでやりくりしますか
ここの武装、一つ借ります 単発の威力が一番大きいのどれですか?それでいいです

キャバリアに乗れないから弱い
そんなことでは群れの長は務まらない
喧嘩だろうが戦争だろうが、強く在らねばならない
──『集中』しろ
2秒先の位置を【見切り】、弾を置いておくだけでいい
構造上撃ち抜かれたくないのは当然、動力源たる核でしょう?
ならば一射でそれを砕けば、最も効率が良い
国父曰く、「狩る時は最短最速が至高である」
徹底的に落としてやりましょう



 降り注ぐ砲撃の中を、縫うように飛翔する一機のキャバリア。
「空を自在に駆けて、人々を護る勇士――か」
『ブルーバード』のパイロット……クラリス・クレストは後方のエルウィング号を振り返った。
 キャバリアの部品(のう)として設計されたクラリスは、勇士たちに憧れという感情を抱くことは出来ない。
 抱いたとして、彼女はいずれ『忘れ』てしまうだろう。

 だがそんな感傷は、後回しにすべきだ。
「行くよ、ブルーバード。まずは彼らを助ける……!」
 青い鳥の名を与えられたキャバリアは、曲芸的な機動力で弾幕を躱す。
 空を飛ぶ――そのために設計されたマシンにとって、この世界は庭も同然だ。
「そんなに大勢で退去してくるなんて、優しいね。ボクに足場を提供してくれるんだ?」
 弾幕を抜け、敵飛空艇甲板を蹴り、跳躍してさらに加速!

 敵の砲撃は自然とブルーバードに集中し、後続の猟兵……つまり、式神『騰蛇』の背に乗る鷲生・嵯泉を手助けした。
「無謀と勇猛は異なるもの……どうやらあれの乗り手はわきまえているようだ」
 嵯泉は隻眼を細めて呟き、自らに飛来する砲弾を愛刀で真っ二つに斬る。
 他方からくる砲弾は、騰蛇の炎が衝撃波とともに迸り迎撃してくれるのだ。
「この空であえてお前たちに挑む勇士とやら、死なせるわけには行かんな。
 己らこそが空の支配者とばかりにふんぞり返る残骸は、そもそも気に入らん」
 言いつつも、嵯泉はザエル帝国の行いについて思索を巡らせていた。
 先のブランシュ島における戦いと言い、奴らは魔獣を制御出来ていない。
 いやそれどころか、どうやら「制御できない魔獣をあえて生み出している」。
 単なる考えなしの莫迦と切って捨てるには、妙なところが多かった。
(――油断は出来んな)
 底知れぬ帝国の不気味さを認識しつつも、嵯泉、そして彼の先を征くクラリスは血路を拓く。
 奴らの行いがどうあれ、ここで倒すことは奴らの力を削ぐことに繋がるはず!

「す、すげえ……あの弾幕のなかを突き進むとは」
 そんなふたりの勇猛果敢な突撃は、勇士たちの士気を大きく高めた。
 唖然としていたカリムだが、すぐに我に返り部下たちに指示を出す。
「俺たちもこのまま突っ込むぞ! 遅れを取るわけにはいかねえ!」
『しかしリーダー、今のこの船の武装じゃ火力不足ですよ!?』
「見てるだけじゃあ勇士の名が泣くだろうが! ……しかし、そうか……」
 これまでの猛攻により、エルウィング号は各所にダメージを受けていた。
 士気だけでは戦いは決せない。突っ込んだところで足手まといになってしまっては……。

「――大丈夫よ!」
 そんな彼らの暗澹とした雰囲気を、フェルト・フィルファーデンの明るい声が吹き飛ばした。
「武装のことは任せておいて。わたしの電脳魔術で直せるかもしれないわ」
「そんなことが出来んのかよ、お嬢ちゃん。大したもんだなあんたらは」
「電脳魔術ってんなら、俺が一枚噛まないわけにはいかねぇよなあ?」
 新たに転移した猟兵――ヴィクティム・ウィンターミュートがにやりと笑う。
「修復と攻撃を並行していくぜ。自己紹介の時間はないからあとにさせてくれ。
 そして悪いが、俺の指示に従ってもらう。代わりに勝利をくれてやるよ」
 ヴィクティムは物言いたげなカリムにシニカルな笑みを見せた。
「このまま展望のない戦いをするより、ずっとマシだと思わないか?」
「……仕方ねえ、手段は選んじゃいられねえさ。力を貸してもらおうじゃねえか」
「いい判断だ。で、防御のほうは任せていいんだよな、フェルト?」
 ヴィクティムが視線を向けると、フェルトは自信に満ちた笑顔で頷く。
「ええ、わたしの生み出す炎の壁で、この飛空艇を絶対に守り抜いてみせるわ」
「そいつは上々。ならあんたらは……そうだな、まず武装をフル稼働させてくれ。
 次に、いらねえスクラップでいいから何かくれ。俺の「マジック」を見せてやる」
「よくわからないが……ぶっ壊された船の資材なら好きに使ってくれ」
「オーライ、それじゃあさっそく仕込みを始めるとしよう」
 云うなりヴィクティムはひらりとマントを翻し、手品めいて姿を消した。
 ステルス機能を使って船内に移動しただけなのだが、これも彼の「仕込み」の一部だ。
 敵を欺くにはまず味方から――底知れない仕掛け人であることを、まず勇士たちに認識させるというテクニックである。

「よし、全砲門に弾丸を込めろ! こうなったら一蓮托生だ!」
「すみません、俺からもひとつお願いが」
 せわしなく動き始めた勇士たちのもとに、ルヴトー・シフトマンが現れた。
 本来であれば彼は、愛機『天狼』を駆ってこそ最大の能力を発揮するが……。
 天狼はブルーバードほど飛行戦闘に秀でているわけではない。
 かといってエルウィング号を足場にして、この船が無事でいられるかが不安材料だった。
 そのためまずは、様子見を兼ねて生身で戦うことにしたようだ。
 なにより――ルヴトーは、生身であろうと決して非力平凡などではない。
「武装のひとつを俺に貸してもらえませんか。単発の威力がなるべく大きいものを使いたいです」
「あん? 兄ちゃんは砲撃手ってわけには見えないが……」
「ええ、特別砲撃に強いわけではないです。けど、俺にはこの「眼」があります」
 ルヴトーの瞳は、非常時にあってわずか先の未来を映す。
 そして彼の特異な集中力を合わせれば、空の敵など停止しているも同然だ。
「……生身だから戦えないというのでは、群れの長は務まりませんからね」
 その言葉は、勇士たちを率いるカリムの心に響いたらしい。
「なるほど、あんたも「率いる者」か。ならそこの一番デカい砲台を使いな!」
「ありがとうございます」
 ルヴトーはカリムに無法者なりの礼をすると、砲門に立った。
 周りでは勇士たちが、突撃に備えて慌ただしく配置につく声が聞こえる。
「よし、行くぞ――突撃ィッ!」
 カリムの鬨の声とともに、エルウィング号は弾幕の只中へと吶喊!
「あちらが火種を放り込んでくるなら、わたしの炎で焼き尽くしてあげるわ!」
 フェルトの電脳魔術が炎の防壁を生み出し、敵の魔法弾を焼灼する。
 はたから見れば、エルウィングは燃えながら飛翔する不死鳥のように見えただろう。
「――ほう、あちらも突っ込んできたか。なるほど言うだけはある」
「来た……! よし、ブルーバード、こっちで敵の目を惹きつけるよ!」
 先を征く嵯泉とクラリスが敵の陣形をかき乱し、エルウィング号への攻撃を妨害する。
 まるでノアの起こした奇跡めいて、ザエル帝国の飛空艇群は左右に別れた。
 一度敵を受け入れることで、瞬時に陣形を再形成し飲み込む手はずなのだろう――しかし!

「こっちで砲撃のタイミングと方向を指示する。照準合わせはいい、ぶっ放せ!」
 ヴィクティムの声が伝声管から響き、砲撃手たちはそのとおりに動いた。
 ドウン! と撃ち出された砲弾は、敵飛空艇群とはまったく違う方向に飛ぶ。
「ハ! 奴らめ、耄碌したか? そんな砲撃が当たるわけが――」
 飛空艇を指揮するザエル帝国の士官が、ブリッジで嘲りの笑みを浮かべた。
「当たるさ――いいや、『俺が』当てるんだがな」
 見よ! 明後日の方角に飛んだ砲弾の前に白い「壁」が出現した!
 ヴィクティムがスクラップを媒介に生み出した、あらゆる飛び道具を反射する障壁『Reflect』である。
 まるでピンボールめいて砲弾は跳ね返り、敵の死角から飛空艇を直撃!
「おお……!」
 勇士たちはこの魔法じみた「マジック」に、驚愕の声をあげた。
(――配置は視えた。なら、ありがたく利用させてもらうッ!)
 ルヴトーは単発式の砲弾を構え、トリガーを引いた。
 ヴィクティムが「当てさせる」ために配置した障壁を、ルヴトーは『先駆け』の力で「当てる」ために利用したのである。激しく跳ね返る砲弾が、敵の巨大飛空艇を一撃で撃破!
「兄ちゃん、やるな!」
「国父曰く、"狩る時は最短最速が至高である"です。徹底的に落としてやりましょう」
「いい言葉だ。よし、撃て撃て撃てぇ!」
 カリムはニヤリと笑い、さらなる砲撃の指示を出した。
 鳴り響く砲声――ただしそれは敵のものではなく、エルウィング号から放たれる轟音だ!
「どれだけ巨大な飛空艇だろうと、動力部たる「核」を貫けばいいはずだ。
 そして――クラリスさん、こいつを足場に利用してください……!」
 ルヴトーの砲弾は、飛空艇を落としつつもブルーバードの「加速」のための足場でもあった。
 先駆けの力と彼自身の経験により、どうすればクラリスが戦いやすいかがわかっていたのだ。
「これは……もしかしてルヴトーさんの援護? これならッ!」
 クラリスは言葉なくして彼の存在と意図を読み、砲弾を蹴って加速!
 すれ違った飛空艇は直後に爆散し、雲海の下へと堕ちていく。
「これなら攻撃に転じてよさそうね……所構わず蛮行を働いた罰を受けなさい!」
 フェルトは防御用に展開していた炎の壁を、攻性結界として転用。
 炎の壁を巨大な刃めいて利用し、接近してきた飛空艇を「切断」する!
「騰蛇、遠慮はいらん。すべて焼き尽くせ」
 嵯泉もまた剣を振るいながら飛翔し、式神の炎ですべてを塵に帰した。
 蒼い空を赤い炎が斬り裂き、オブリビオンの飛空艇を叩き落としていく!
「ハッハー! これが「圧勝」ってモンだ。どうだい、俺のシナリオは」
 ヴィクティムは甲板上に"再出現"し、カリムに語りかけた。
「この程度の演算、労働の内にも入らねえ。そしてこれが俺たちの「仕事」だ。
 気張れよ"リーダー"、あんたらはこのシナリオの参加者であり最高の観客だぜ」
「……とんでもねえ奴らが味方についちまったようだな!」
 カリムは猟兵たちの戦いぶりに冷や汗をかきながら不敵に笑った。
 豪放なる勇士たちをすら驚嘆させるもの。それが世界を超える者――猟兵!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

黎・嶺依
【黒幇】
鉄火場のごとき喧騒じゃのう

このままではわらわが吹き飛ばされかねん
霞月、手を出せ。わらわを繋ぎ止める任を与える

地仙扇を扇いで、飛や骸燐に仙力を授けて空を飛べるようにしてやろう
船から脱落しそうな者にも同様に、仙力で救助を行う
人間を助けるのは気が進まぬが、見殺しにするのは本位ではない
わらわの仙力とて有限じゃが、多少ならば助けてやれるじゃろうて


尸・骸燐
【黒幇】
うぇーい、大騒ぎー

うーん、今回前線メンバー少ないんだね、
じゃぁ私ががんばって前突っ込むよ。

老大(嶺依)から飛行支援もらって、船の方に乗り込んでばっさばっさ行くよ。
壊せそうだったら【怪力】で船もどんどん壊していくよ
落としたほうが早いもんね

あ、ちょうどよく飛が飛んでるじゃん、
ちょっと疲れたら背中で休ませてもらおうっと

まぁ敵も似たようなものが多いだろうから【破綻百出】でどんどん突っ込むよ、いえーい


黎・霞月
【黒幇】

……うわ、既に修羅場じゃァん……
やだァ、と眉を顰めながら、即座に自分と嶺小姐の周りに結界を張る
ってかさァ、嶺小姐、こンだけ風圧出てたら飛ばされねェ?結界張ったから風圧も落ち着いたとは思うけどォ……平気ィ?
はいはァい、お手をどうぞー

今日は前のめり組少ねェからなァ、男共居ねェし
ってワケで、骸燐、張り切って行ってらァ
おいでェ、我(オレ)の可愛い飛
あの砲弾と船、尽く撃ち落としておいで
必要があれば骸燐にも你(キミ)の背を貸してやると良いよ、赦す

船への被害は防げる範囲、結界で防いでやるよォ
我らは船がなくても飛べるけどさァ、乗ってる奴らはそうはいかないもんねェ


楯・祭
【黒幇】
あぁ…この空の上から落ちたら死ねるのでしょうか?
あぁ、あたしが必要なのですね?あたしも強くはないのですが…必要とあらばいくらでも身代わりとなりましょう

白兵戦ですか?えぇ、不運にも攻撃はあたしに当たるでしょう。
砲撃戦ですか?えぇ、不幸にも標的はあたしに向くでしょう。
魔法戦ですか?えぇ、不祥にも呪術はあたしに吸い寄せられるでしょう

あたしは人代、全ての不はあたしが請け負います。近くにいるだけで…敵の皆さんを巻き込んでしまうかもしれませんね



●空を舞う屍人たち
 砲弾が炸裂し、破片が蒼い空に飛び散る。
 剣呑な戦場を、尸・骸燐と『飛』はひょいひょいと軽々飛んでいた。
「今回は前線メンバー少ないもんねぇ、頑張ろうねぇ飛ぃ」
 グォウ、と白額虎は鳴き、直後骸燐と飛は左右に飛び別れて砲弾を躱した。
 後ろを振り返れば、彼女らに飛行能力を与えた黎・嶺依が、黎・霞月に手を掴まれて風圧を耐えているのが見える。
 船――つまりエルウィング号へのダメージは、霞月の結界で防がれている。
「あれ? そういえば祭はどうしたのかな?」
 骸燐がそう言った直後、視界の先で一隻の飛空艇が爆発した。
 当然、骸燐も飛も攻撃はしていない。であればその理由は、一つだろう。
「ああ、もう先行ってるんだねぇ。"不運"だなぁ」
 どうやらあの飛空艇は、仲間の砲撃が"不運"にも当たってしまったらしい。
 これだけ激しい弾幕だ、そういうこともあっておかしくはない。
 が、しかし、ザエル帝国の優れた砲撃手が同士討ちなど滅多にすることではない。

 ――つまりこの不運は、楯・祭によって引き起こされた「意図しない必然」である。
「あぁ……この空の上から堕ちたら死ねるのでしょうか?」
 女僵尸は悲しげに言い、落ちゆく飛空艇と運命をともにしようか思案する。
 しかし嶺依からくだされた命令は、「人間を護るために敵を倒せ」だ。
「あぁ、あたしはまだ死ねません……そのかわりこの身で不を請け負いましょう」
 嶺依から与えられた飛行能力で浮かび上がり、祭は次の船へと飛び移る。
「なんだ、この女は!? 叩き落とせ!」
 甲板に展開していた敵兵士が、サーベルを振るって祭りを斬ろうとした。
 ざくりと斬撃が祭の身体を斬る――だが死人ゆえに血は出ない。
「ぐわっ!?」
「な!」
 それどころか勢い余った斬撃は、別の兵士にぐっさりと刺さってしまった。
「す、すまん! わざとやったわけでは……」
「どうぞ、斬りたければ斬ってください。撃ちたければ撃ってください。
 あたしは強くもなんともありません。殺したいのであれば、どうぞ――」
「わけのわからない女め……撃て!」
 天使核ピストルが火を噴く! BBLAMNN!
 弾丸は祭を貫いた――だがその時、別の飛空艇がちょうど近づいていた。
「ぐふっ」
 別の飛空艇の甲板にいた兵士たちが、流れ弾を浴びて死んだ。
「あぁ、やはり巻き込んでしまいました……あたしは人代……」
「なんだこの女は、疫病神か何かだとでも――」
 KRA-TOOOM!! 味方の弾幕が飛空艇に命中! 兵士たちは倒れ伏す!
「ああ、ああ――役目は果たせます。ですがあたしはとても悲しい……」
 祭は不運を引き寄せる。それは周囲の者にとっても凶運となる。
 彼女が存在すること自体が、敵にとっての最悪となるのだ。

「祭も働いてンねェ……ところで嶺小姐、平気ィ?」
「問題ない。汝も結界をぬかるでないぞ」
「はァいはい、我に限ってそれはねェってばァ。安心しなァ」
 エルウィング号の甲板上、霞月は涼しげに言った。
 嶺依は地仙扇を扇いで、エルウィング号が進むための風を起こす。
「人間を助けるのは気が進まぬのじゃがな……」
「"かといって見殺しにするのは本意ではない"でしょォ?」
「わらわの台詞を先取りするではない。わかっているなら霞月よ、もう少しきびきび働くべきじゃぞ?」
「いやァ、それこそ我そォいうキャラじゃないしィ」
「まったく……」
 街を影より護る黒幇は、正義の味方などではない。
 嶺依は人間愛など持たないし、関係ない人間がどうなろうと関与はすまい。

 しかし彼女らはここにいる。
「いっくよぉ飛、タイミング合わせてねぇ!」
 嶺依の命を受けた者たちはよく働き、仕事をこなす。
 骸燐は飛の背から飛び立つと青龍偃月刀を振るい、嵐のごとき斬撃を起こした。
 甲板上に展開した兵士どもを血煙に変え、飛が飛空艇の核を雷で穿つ。
 まさしく無双。ザエル帝国も不運なものだ――またしても彼女らはここへ来た。
「うぇーい、大騒ぎー。どんどん行こー」
 殺人を、戦闘を、闘争を躊躇せぬ凶人の群れ。いやさ人ならざる者ども。
 不運が、刃が、雷が、あるいは扇の起こす凶風が奴らに終わりをもたらす。
「今回も分前たっぷり貰わないとねェ、そのために我来たンだしィ」
 霞月は、最初から敵ではなくガレオンドラゴンのほうしか見ていなかった。
 彼らは情では人を助けない。勇士たちに思うところもない。
 だからこそ、奴らは強い――屍人帝国など鎧袖一触してしまうほどに。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ベル・プリンシパル
前にブランシュ島を襲った連中だね…性懲りもなく好き放題やってくれちゃって!
でも俺たちが来たからにはここまでだよ!
そういうわけだから…もう大丈夫だよ、先輩達!

自分の翼で飛翔して、早速空中戦を開始
アーチャーゴーグルを掛けて、今日の俺は狙撃モード
敵の飛空艇自体を撃墜するのは他の勇士…じゃなかった、猟兵に任せて、俺はこっちの飛空艇を守る!

アルテミス、詠唱開始!ゲイルブーツも出力最大!
風の魔力を身に纏って身軽になり、高速の空中機動で射撃ポジションを確保
狙うはこっちの飛空艇へ直撃コースを取ってる砲弾
斬撃波を伴った魔力の矢で、施された強化術式ごと砲弾を切り裂いて迎撃していく
この飛空艇には触れさせないからね!



「ザエル帝国……あのブランシュ島を襲った連中か!」
 ベル・プリンシパルは無数の飛空艇を睨み、拳を握りしめた。
「性懲りもなく好き放題やってこれちゃって、でも俺たちが来たからにはここまでだ!」
「坊主、もしかしてお前さん勇士か!」
「見習いだけどね! 敵は任せて突っ込んじゃって、先輩たち!」
 ベルはカリムにそう言うと空に跳び上がり、敵に戦いを挑んだ!

 ばさりと自らの翼をはためかせ、ベルは蒼い空を貫くように飛翔する。
 アーチャーゴーグルが強烈な風圧から、鷹の目のごとき彼の双眸を護ってくれた。
「アルテミス、詠唱開始! このまま砲弾を撃ち落とすよ!」
 ベルの仕事は専守防衛……つまり、エルウィング号に飛んでくる砲弾を撃ち落とすことだ。
 敵に狙いを定められないよう、ゲイルブーツの出力を最大にして飛び回る。
 同時に優れた動体視力で狙いをつけ――砲弾めがけて魔力の矢を放つ!
 アルテミスの自動詠唱で風の魔力を付与された矢は、ごうごうと吹き荒れる風をものともせずにまっすぐ飛び、飛来する魔法弾を相殺。
 空に花火めいたカラフルな爆炎が咲き誇り、ベルはその勢いでさらに上へ。
「あのエンジェルが邪魔だ! 撃ち落せ!」
 敵飛空艇のブリッジでは、指揮官が苛立たしげに部下に檄を飛ばしていた。
 だが砲塔が狙いを定めるよりも先に、ベルは変幻自在の軌道で敵を欺く。
「ざーんねん、そう簡単には堕ちないよ!」
 シュパッ――新たに放たれた魔力の矢は、砲弾を貫いて飛空艇の甲板を直撃。
 甚大なダメージを受けた敵飛空艇は、黒煙をあげながら傾いていった。
「今日は調子いいなあ! よし、この調子で行くぞっ!」
 護るべきものがあるとき、勇士はひときわ強くなれる。
 欲望のために戦う勇士もいるが、ベルはそういう少年だった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シャーロット・クリームアイス
勇士さんたちに、帝国のみなさん、そして魔獣
三つ巴……というには、ちょっとばかりパワーバランスが偏っているご様子
でしたら、わたしたちの出番。そのシーソーを逆側にへし折って差し上げます!

緊急時に船内を騒がせるのもいけません、わたしたち(わたしとサメたち)は船外を飛びます
なにせ少々、“大物”を使いますから――

さて、この状況を難しくしているのは、ずばり帝国の方々……とくにその砲撃能力のようですね?
ザエル帝国とグリードオーシャン、ひとつ技術力勝負といきましょう!
(UC:召喚体で砲戦の攻防を支援します)

勇士さんたちの船体にも、鮫魔術的な強化とか要ります?



●戦場の天秤を破壊する

 ――オオオオオ……!!

「! ガレオンドラゴンが動くぞ、面舵一杯!」
 ガラガラガラ、と音を立てて、エルウィング号が回避軌道に入った。
 直後、飛空艇があった場所を、巨大なドラゴンの尾が薙ぎ払う。
 巻き込まれた敵飛空艇が、何隻か黒煙をあげて墜ちていった。
「三つ巴というには、ちょっとばかりパワーバランスが偏っていますね……!」
 甲板に転移したシャーロット・クリームアイスは、急旋回による衝撃をかろうじてこらえる。
 このまま船にいては埒が明かない。彼女は甲板を蹴って空へ飛んだ!
「おい、お嬢ちゃん!?」
「わたしのことはご心配なく! 少々大物を使います!」
 驚くカリムに対し、シャーロットは謎めいて言った。
 そんな彼女の隣に現れたのは……巨大な、サメ!?
「なんだありゃあ!?」
「もしかしてこの空だと、サメっていないんですかね? まあ置いときましょう!」
 唖然とする勇士たちをさておいて、シャーロットは召喚した超巨大魚『リードシクティス・プロブレマティカス』の霊をけしかける。
「ザエル帝国とグリードオーシャン、ひとつ技術力勝負といきましょうか!」
 超巨大魚の霊は空を海めいて泳ぎ飛空艇に突撃……するかと思ったら、いきなり怪獣めいて強烈な熱線を吐いた!
「おい、魚が火ぃ噴いたぞ!?」
「そりゃ熱線ぐらい出しますよ、なにせ超古代文明の力の産物ですから!」
 シャーロットは勇士に自信満々に云うが、何もかもが間違っている。
 しかしトンチキさはさておいて、超巨大魚霊の攻撃と防御力は勇士たちにとって心強い味方となった!
「あの魚の影に隠れる形で飛ぶんだ、砲撃で叩き落としてやる!」
「その意気です! ところでその船にも鮫魔術的な強化とか要ります?」
「いやそいつは勘弁してくれ! なんとなくだが制御不能になる気がする!」
「そうですか……」
 ちょっぴりしょんぼりするシャーロットだった。鮫は熱線を吐いていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ロク・ザイオン
★レグルス

いさなとりは、海の華だ。
(海で働く森番、大物追いの船への好感度が高い)
…それに。
また、ザエル帝国。
(あれはきっと、竜のいのちを更に歪めるのだろう
もとより屍人の地から来る魔だとしても)
……あいつら、嫌いだ。

弾はジャックに任せる。
ひとは、任せろ。

────ああァァアアア!!!
(どうせ驚かれるなら「惨喝」
敵を怯ませ散らし、【地形利用、ダッシュ、ジャンプ】で船を飛び渡り追い落とそう)
……今の声で怯まない「海の男」がいるなら。
共に戦おう。

おれたちは、レグルス。
世界を守る猟兵だ。


ジャガーノート・ジャック
★レグルス

(ザザッ)
成る程、大物獲りは海の者の得意分野――君の領分でもある、と。

(二人揃って空域を逆さまに自由落下しつつ)

……あの二人を追っていた国の名前だな。
(恐らくこの世界でも困難は待ち受けていよう――が、新たな出会いの歓びもきっとあるだろう。)

――仕事の時間だ。
《此は為し難きを知りつつもこころ昂らせ挑む戦いである》
イエス
肯定。

コピー
了解、其方は任せた。
(ロクを連れ超速飛行し、適当な飛空艇にロクを投下弾のように落としつつ)

此方は任せろ――
"Thunderbird"起動。(高速飛空しつつ、レイルガンと雷電とで敵弾幕を的諸共落とす。)

友軍に告ぐ。
我らは獅子星、レグルス。
空の世界を守りに来た。



●その背にはいつも護るべきものがある
「――ああァァアアア!!!」
 突如として、蒼い空に恐るべき歪んだ咆哮が響いた。
 敵はそれを恐れた。
 だが勇士たちは、恐怖ではなく畏れを抱いた。

 ……なぜならその咆哮(こえ)に、彼らへの敵意はなかったからだ。
 咆哮というものは、えてして戦いを避けるためか、あるいは戦いに備えてのものである。
 たとえば狼は、吠えることで敵を萎縮させて散らす。無駄な戦いを避ける。
 原始的な部族であれば、ウォークライによって己を鼓舞する。
 叫びというのは戦いと不可分なのである――だがその女の声は違った。

 擦り切れて、煤けて、歪んでいるのに、勇士たちにとっては優しげにさえ聞こえた。
 それもそのはずだろう――声のあるじは、護るために来たのだから。
「な、なんだったんだあの声、いった……」
「全速前進だ。進め!」
「リーダー!?」
「いいから進め!!」
 カリムは伝声管に吠えた。
「あれは「鬨の声」だ! ここで怖気づいてたら勇士は名乗れねえぞ!!」
 否応なくエルウィング号は進む。
 咆哮(ウォークライ)に怯むどころか、彼らは前へと進んだ!

「……来るんだな」
 敵飛空艇甲板上。
 並み居る兵士を叩きのめしたロク・ザイオンは、にこりと笑った。
 彼女は森番であり、同時に海の者でもある。
「いさなとりは、海の華だ。空の世界でも、同じだな」
 一方で、次々に現れる兵士に向ける視線は――刃めいて鋭い。
「お前たちは、嫌いだ」
 BLAMN!! 応報の天使核ピストルの弾丸を、ロクは逆手抜刀で斬り捨てた。
 そして野火の如くに駆け出し、兵士を斬る。斬る! 斬る!!
「ジャック! 弾は頼んだぞ!!」

《――了解(コピー)》
 風の向こうから、相棒の声が届いた。
 ロクの頭上を音速で駆け抜ける黒い風、あれこそが怪鳥(サンダーバード)。
 ドウドウドウ――弾幕を蜘蛛の巣めいて広がる雷電がことごとく撃ち落とす!
《――その程度で我々を落とせるとでも?》
 ジャガーノート・ジャックの軌跡に砂嵐が雷雲めいて立ち込める。
 それはじわじわと蒼い空を侵食し、爆導索めいて稲妻を迸らせた。
 超音速で飛行する黒い風を、ザエル帝国は捉えることが出来ない!
 これは為し難きを知りつつも、昂ぶらせ挑む戦いである。
 勇ましき戦士たちを守り、同時に仲間(とも)として肩を並べる戦場である。
 ゆえにこそ怪鳥は勇ましく空を切り裂く――まさしく勇士(エース)として。
《――友軍に告ぐ》
 KRAAACK!! 稲妻が飛空艇を叩き落とし、燃える炎がその次へ飛び渡った。
「リーダー! あの黒い怪鳥から通信が!」
「友軍、ね……嬉しいこと言ってくれるぜ」
 カリムは苦笑し、ジャックからの通信に応じる。
《――我らは獅子星(レグルス)。空の世界を守りに来た》
「勇ましい名前だな! 俺らも見てるばかりじゃない、援護するぜ!」
《――心得た。敵の弾幕を迎撃し、貴船の活路を拓く。オーヴァ》
 ギュガガガガ! と、意思を持つかのように的確な稲妻が弾幕を斬り裂いた。
 エルウィング号は稲妻が起こした風を帆に受け、さらに力強く前に進む。
「砲撃を続けろ! 勇士の名折れにだけはなるなよ!」
「「「アイアイサー!」」」
 ドウドウドウ――DOOOOM!! 今度はこちらが弾幕を貼る番だ!

「"海の男"たち、か」
 ロクはぎゃりり! と甲板を斬り裂き、炎を起こす。
 周囲には無数の敵と銃口、だが負ける気はしない。
 相棒が空を舞い、後ろからは護るべき者たちが続いている。
 星の海と同じだ。ならばここは、己の森であり海であり空である。
「貴様は何者だ、目的を言え!」
「おれたちは、レグルス。世界を護る猟兵だ」
 兵士の誰何に答え、ロクは疾風となった。血と鋼と屍とが飛び散る。
 燃え盛る炎は流星の軌跡の如く。これより此処は、最強のふたりの狩場となる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

七那原・望
元々所有物だった魔獣を勇士共々抹殺ですか。情報を知られないようにと。
制御も出来ないくせに馬鹿みたいに作るだけ作って無駄に後処理に追われて。
元々頭の悪い帝国だったのでしょうね。

まずはエルウィング号に乗り込みアマービレでねこさんをいっぱい呼びます。
ねこさん達にお願いしてわたしと飛空艇に多重詠唱全力魔法のオーラ防御結界術を張ってもらうのです。

準備が出来たら果実変性・ウィッシーズスカイを発動し限界を超える速度で空中戦を。
第六感と野生の勘で敵の位置や攻撃を見切り、全力魔法やセプテットの零距離射撃で小型飛空艇を各個撃破します。
狙えるならエンジン部など、飛行において致命的な箇所を重点的に狙いましょう。



 エルウィング号に転移した七那原・望は、まず『共達・アマービレ』を振るった。
 タクトの力で彼女の"ともだち"――つまり魔法猫たちがやにゃと登場する。
「ねこさんたち、この飛空艇に魔法の結界を張って守ってください」
 ねこたちはにゃー、と可愛らしい鳴き声をあげ、猫の言葉で魔力を高めた。
 すると望とエルウィング号を包むように、半透明のバリアが形成される。
 直後、ザエル帝国の飛空艇から放たれた魔法弾が、結界を直撃。
 ……だが無傷! ねこたちの魔力で形成された結界は生半可では傷つかない。

「これで準備完了です。さあ行きますよ……ウィッシーズスカイ!」
 呪文を唱えると望の姿は白い戦闘装束に変わり、どこからともなく『奏空・スケルツァンド』が飛んできた。
 望は長い髪をなびかせてスケルツァンドにひらりと飛び乗り、蒼い空に羽ばたく。
 敵飛空艇群の弾幕を彼女が襲うが、スケルツァンドの機動力なら回避は容易だ。
 ねこたちのバリアもあるため、望が魔法弾で撃ち落とされることはない。
「自分たちで使い切れない兵器を作り出すような頭の悪い連中には、お仕置きが必要ですね」
『銃奏・セプテット』を構えトリガーを引くと、魔力砲撃が飛空艇に炸裂。
 爆発する敵飛空艇を貫き、まるで鷹のようにスケルツァンドは飛翔する。
「一網打尽にしてあげます!」
 セプテットが7つの銃に分離、望の周りを飛びながら弾幕を展開する。
 的確に急所を狙った射撃で、敵の飛空艇は次々と撃墜されるばかり。
 ザエル帝国の烏合の衆を、望は優れた技術と魔力で圧倒していく……!

成功 🔵​🔵​🔴​

秋山・軍犬
猟兵だから警戒されないおかげで迅速に
作業には入れるっす
という訳で『夜』 頼んだっす!

夜「新たな世界の竜肉には私も興味津々である!」

ゆえに張り切ってゆくのであーるッ!
先ずは、傷ついたエルウィング号の
破損個所を結界術で補強して応急処置
更に船体全体に結界術を張り防護

これでも私の結界術はUC級
いかに相手の砲撃に魔術的な強化がされていても
もはやこの船は生半可な事では落とせんのであーるッ!

そして、この船に対空武装があるなら
使用する砲弾などに結界術による強化コーテイングを
施し、攻撃性能を強化しておくのであーる!
勇士諸君、頑張るのであーる!

おっと、船長殿!
大切な船に勝手に手を加えた事
緊急時故に許すのであーる!



「くそっ、援護はありがたいがさすがに船体にガタがきてるな……!」
「どうやらお困りのようっすね、勇士殿!」
 毒づくカリムの前に現れたのは、秋山・軍犬だ。
「あんたも援護に来てくれたのか?」
「もちろんっす。壊れたこの船のことなら任せておいてほしいっすよ……夜!」
 と軍犬が名を呼ぶと、彼と友情を結んだ闇の精霊少女、『夜』が虚空から出現。
「大切なのは根性、友情、罪なお夜食! 私が闇の精霊……の、亜種!
 お夜食の精霊にして超級料理塾一号生! 星月・夜であーるッ!!!!」
「……なあ、本当に大丈夫なのか任せて」
「心配ないっすよ。応急処置ならお手の物っす」
 軍犬が自信満々に言うと、さっそく夜は結界術を展開。
 あちこちに生まれた破損箇所を魔力で覆い、エルウィング号の不調を一時的にだが抑えてみせた。
「これでも私の結界術はユーベルコード級、生半可なことでは落とせないのであーる!!」
「とまあこんな感じっす。負傷した船員がいたら自分が手当するっすよ!」
「驚いたな……こいつは助かるぜ。しかしいいのか、こんな後方支援みたいなこと任せちまって」
 カリムの言葉に、軍犬はグッとサムズアップした。
「これもすべて、この世界のドラゴンの肉を食べるためっすから!」
「……もしかして目当ては、ガレオンドラゴンの肉か?」
「そういうことっす。お代は肉を分けてもらえば十分っすよ!」
「私も興味津々である! さあ勇士諸君、頑張るのであーる!」
 軍犬と夜という頼りになる猟兵たちの援護を背中に受け、勇士たちは奮起した。
 特殊な力で強化されたエルウィングは、弾幕の中を悠々と翔んでいく。
 目指す先は、竜肉――もとい、ターゲットであるガレオンドラゴンだ!

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ガレオンドラゴン』

POW   :    属性変換
【ドラゴンの牙】が命中した敵から剥ぎ取った部位を喰らう事で、敵の弱点に対応した形状の【部位を持つ『属性ドラゴン』】に変身する。
SPD   :    ガレオンブレス
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【口】から【ブレス砲撃】を放つ。
WIZ   :    飛竜式艦載砲
【飛空艇部分の艦載砲】を向けた対象に、【砲撃】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

仇死原・アンナ(サポート)
鉄塊剣『錆色の乙女』,妖刀『アサエモン・サーベル』、戦闘用処刑道具『赤錆びた拷問器具』、『鎖の鞭』等装備してる物を使います

UCは指定した物をどれでも使用

普段の口調は(私、あなた、呼び捨て、ね、よ、なの、なの?)
戦闘中は(ワタシ、お前、呼び捨て、言い捨て)

処刑人として敵と戦います
同行者がいれば協力
メインは鉄塊剣で攻撃
鉄塊剣の使用が不向きな相手・場所では刀剣をメインにして相手をします。
拷問具や鞭を使い敵の行動を阻害、鉄塊剣や刀剣で敵を攻撃します。影朧にはできる限り説得しますが説得不能と判断すれば容赦なく屠ります
キャバリアを操縦したり生身でも戦います



●汝は竜、罪ありき
『AAARGH――!!』
 蒼い空を悠々と征くは、ガレオンドラゴン。
 飛空艇がオブリビオン化した、火力と機動力を併せ持つ巨大魔獣だ。
「まるでこの空を我がものだと言わんばかりだな……」
 勇士たちの飛空艇に転移した仇死原・アンナは、その巨躯を睨みつけた。
 たとえ相手が山より巨大な怪物であろうと、処刑人のなすべきは一つ。
 すなわち……その刃と信念を以て、罪を裁き応報をもたらすことだけだ。

「リーダー! 向こうの艦砲がこっちに向けられてるっす!」
「いよいよこっちを脅威とみなしたってわけか……!」
 同船のリーダー、カリムは仲間の報告に顔をしかめた。
 それはすなわち、今の状態では艦砲射撃を避けられないことを示す。
 ガレオンドラゴンの身体に生えた砲塔が火を噴く。万事休すか――否!
「その程度の攻撃で、私の処刑を阻めると思うな……!」
 飛空艇に飛来した砲撃は、アンナの鉄塊剣による薙ぎ払いで爆散した。
 空中に爆炎が花開き、薫香めいた黒い煙を斬り裂いて処刑人が跳躍する!
『!?』
「狩るのはお前ではなく、私たちのほうだッ!」
 ぶおん!! と、『錆色の乙女』が咆哮めいた風切り音をあげる。
 すると次弾を装填していた砲身がいくつも両断され、爆発!
『AAARGH!?』
「この程度で終わると思うな……!」
 ガレオンドラゴンの巨体に着地したアンナは、妖刀を引き抜く。
 逆手に握りしめたそれを無造作に突き刺す。強靭な鱗もやすやすと貫通!
「すげえな……ドラゴン相手に取り付いてやがる」
 巨獣をも苦しませる処刑人の戦いぶりに、勇士たちは息を呑んだ。
 炎獄の執行人は、そこがどこであろうと罪人を裁くために戦うのだ……!

成功 🔵​🔵​🔴​

ユーリィ・ミニットマン(サポート)
招集に応じ馳せ参じた。魔獣狩人のユーリィだ、宜しく頼む。
相手は魔獣か?それともそれ以外か?
いずれにせよ、全力を以てこの狩りに臨もう。

オレの主な武器は、鋸鉈に散弾銃──一般的な狩人の装備だな。何方も射程は短いが、補う為の狩道具もある。
例えば、この小型天使核を内蔵した変形式の罠は浮遊させることが出来る。飛ぶ相手に対しては空中機雷の形として運用することが多いな。

それに、攻撃が届かないなら近づけばいいだけの話さ。そうだろう、皆?
……紹介が遅れたが、この群狼たちはオレの仲間、家族とも呼べる存在だ。共に狩場を駆け、狩猟を行う。
つまり、オレは獣と共に魔獣を狩る狩人だということだ。覚えておいて貰えると助かる。



●ドラゴン・ハント
「「「うわああああっ!!」」」
 飛空艇『エルウィング号』が大きく揺れ、勇士たちは慄いた。
 船体すれすれを迸るのは、ガレオンドラゴンが吐いた猛烈なブレスだ。
「くそっ、あのブレスだ……いや砲撃か? とにかくあれがヤバい!」
 リーダーであるカリムは、仲間に指示を出しつつドラゴンを睨む。
 飛空艇が竜化したガレオンドラゴンのブレスは、それ自体が巨大な砲塔。
 今の一撃はかろうじて避けられたが、直撃すれば飛空艇など木っ端微塵である。
 そしてガレオンドラゴンは、早くも「次弾」を装填している……!

 だが、その時。突如として爆発音!
「なんだ!?」
 カリムたちの攻撃ではない。ドラゴンは疾すぎて狙いを絞れないからだ。
 その答えは、甲板にいつのまにか立っていた男によるものだった。
「オレが仕掛けておいた罠にかかったようだ。……自己紹介が遅れたな」
 20ごろと思しき男は、カリムたちに向き直り実直そうな声音で言った。
「招集に応じ馳せ参じた、魔獣狩人のユーリィ・ミニットマンだ。よろしく頼む」
「魔獣狩人? しかし罠なんて、いつのまに……」
「これだ」
 ユーリィが見せたのは、小型天使核を内蔵した変形式の罠である。
「奴は攻撃に夢中だったからな、転移と同時に付近の宙域にばらまいておいた。
 オレの装備は射程が短いが、ああいう魔獣相手の備えは用意してあるんだ」
 さらに爆発音が連鎖し、ガレオンドラゴンは全身を炎に包まれた。
 ユーリィは悶え苦しむ竜に向き直ると、手に持っていた罠を思い切り投擲。
 罠は空中で変形し、大きく開けられた口に放り込まれ……爆発した!
「たとえ空の上だろうと、オレ"たち"の狩場であることには変わらない」
 そう言うユーリィの周囲には、鋭い毛並みの狼の群れがはべっている。
「獣とともに魔獣を狩る。それが、オレの狩猟方法だ。覚えておいてくれ」
 爆風に髪をなびかせ、ユーリィは勇士たちを振り返った。
 そのかんばせには、熟練の魔獣狩人としての自負と誇りが満ち満ちている。

成功 🔵​🔵​🔴​

レパル・リオン(サポート)
こんにちは!あたしはレパル!またの名を『魔法猟兵イェーガー・レパル』よ!よろしくね!

お祭りとかイベントとか友達と遊んだりとか、とにかく楽しい事大好き!

あたしが戦うのは、怪人(オブリビオン)から人々と平和を守るため!そのためなら、ケガをしたってかまわないわ!
(強敵相手だと少し怯えるが、表には出さないように努める)

得意なのは肉弾戦!ダッシュで切り込んだり、ジャンプやオーラ防御でよけたり、激痛耐性でガマンしたり、怪力パンチ&キックでぶっ飛ばしたりするわ!
ユーベルコードに怪人の弱点属性を組み合わせてパワーアップさせたりもするわよ!

頭を使うのは苦手かな。でも、パワーとスピードでなんとかするわ!


秋山・軍犬
さて、肉と素材の為にもう一働きするっす
という訳で船長、そっちも気張るっすよ!

【指定UC】でガレオンドラゴンに空中戦を仕掛け
スカイアートガンで牽制、できれば
相手の目を狙い視界を低下させる

そして、回避盾な感じに飛空艇への攻撃を可能な限り散らしつつ
相手の死角っぽい背中の甲版部分に取りつき
いけそうなら、そのまま攻撃開始

飛空艇が混じってるドラゴンとは言え
食材になるならば、何をどうすれば効率的に
狩れるか、自分なら見切れるはず
見切って見せる!(料理+見切り)

ほら、もしかすると飛空艇の木造部品っぽい
所だって、お肉を焼く良い炭になるかも
そう考えると、こう野生の勘っぽいやつが
こう、冴えわたって来ませんかねッ!?


ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!

―――意志持つ飛空艇、自称”世界一の目利き”ミレニアムドラゴン号の鑑定

ほう、見事なガレオンドラゴンだ
ありゃあなかなかの大物だ!血眼になって追うのも分かるぜ
肉やらの素材もさることながら、天使核が手に入れば間違いなく一財産だうへへ

●UC『神罰』使用。巨大な球体をドーーンッ!!
おいコラガキィ!やめろぉ!そんなもんで潰したら価値が!価値が!
「えー?」って顔すんな!
ぐっ、頭(かしら)や牙はそこそこ良い値がするんだが…
攻撃はてめえの勘【第六感】で避けろ!
そんで頭だ!頭を叩け!そうすりゃ仕留められなくても動きが鈍る!
クソッ!こんなガキのお守りをなんで俺一人でしなくちゃなんねえんだ!


月凪・ハルマ
お次はドラゴンか。前に戦ったのと違って
今回は完全な空中戦だし、どうするかなぁ

……よし、たまには囮でもやるか

◆SPD

カリムさんらにそんな提案をした後、
エルウイング号の船首から勢いをつけて飛び出す
同時にドラゴンの気を引くために、毎度お馴染み
【武器改造】による爆破手裏剣を連続投擲

その後はUCも使っていないので落ちるだけ
当然ドラゴンからも狙われるだろう

敵の攻撃を【見切り】【武器受け】【第六感】で回避しつつ、
爆裂煙幕弾を投げつけたりしながら大きな隙を誘う

いよいよヤバそうなら【大神降臨】発動
カリムさんに座標を合わせて跳べば、エルウイング号への復帰完了
後は隙を逃さず攻撃を仕掛けるよう、勇士達を促せば十分だ



●勇士と猟兵、共同作戦開始
 ドウ、ドウドウドウ! と、耳をつんざく砲音が青空に木霊する。
 それはガレオンドラゴンの身体に生えた、無数の砲台が生み出す交響曲だ。
 生物でありながら兵器の特徴を併せ持つ……オブリビオンらしい歪みである。
「弾幕が厚すぎて、これ以上船を近づけられねえ……!」
 勇士たちのリーダー・カリムは、己の力不足に歯噛みした。
 突如現れた「猟兵」なる助っ人たちに、何の恩義も返せないというのか。
 仮にも「勇士」とあだ名される者として、それは我慢ならなかった。

「無茶はいけないよー! そういう仕事はこっちでやるからさー!」
 強引に近づこうとした飛空艇エルウィング号の進路を、何かが塞いだ。
 同時に聞こえてきた声は、ロニ・グィーのものである。
 進路を塞いだのは、エルウィング号と同じ飛空艇だ。
「というわけでごーごー! 当たらなければどうということはなーい!」
『おいコラガキィ! 舵を握ってるわけでもねえのに無責任なこと言うな!』
 と、ロニの脳天気な指示に飛空艇そのものが応えた。
 なんと彼の乗る飛空艇は、世にも珍しい「意思を持つ飛空艇」なのである。
 その銘を、ミレニアムドラゴン号。自称、"世界一の目利き"らしい。
「いいじゃん! あのドラゴン、狩れれば一財産になる大物なんでしょ?」
『それはまあそうだがよ、だからってこの弾幕を突っ切るのはホネだぜ!』
「骨ないじゃん飛空艇なんだし」
『竜骨があるだろバカ野郎! ああくそ、こっちに狙いをつけてきやがった!』
 ミレニアムドラゴン号は、空を泳ぐようにきりきり舞いで飛行する。
 爆炎が船体すれすれで花開き、蒼い空を邪悪な赤で染め上げた。

 ミレニアムドラゴン号が盾めいて間に入ったが、状況は変わっていない。
 ガレオンドラゴンの砲塔は無数にあり、しかも狙いは思った以上に正確だ。
「囮が必要だな……カリムさん、ギリギリまで船を近づけられないですか」
 そんな状況を見かねて、静観していた月凪・ハルマが声を上げた。
「おい、まさか装備もなしに空に飛び出すつもりか?」
「大丈夫、考えがあるんです。普段ならむしろ隠れて不意をつくんですけどね」
 ハルマの言葉通り、彼の得手は気配を消しての不意打ちである。
 もちろんハルマには翼はなく、飛行可能な装備も今はない。
 それでも、彼の言葉には、勇士を納得させる自負めいたものがあった。
「……そこまで言うなら、わかったぜ。しかし……」
「ここが気張りどころっすよ、船長。いや、"リーダー"のほうが適当っすか?」
 なおも言いよどむカリムに、今度は秋山・軍犬が檄を飛ばす。
「空中戦なら自分もそこそこ覚えがあるっす。肉と素材のために一働きっすよ!
 こっちはこっちで奴の視界を潰すから、安心して任せてほしいっす!」
 そう言って、軍犬はスカイアートガンを取り出した。
 空中に絵を残留させられるこのブキなら、ガレオンドラゴンの目にさえ命中させられれば視界を奪うことが出来る。
 もちろん、生半なことではない。失敗すれば、おそらく砲撃の雨を浴びる。
 ……と懸念を口にしようとして、カリムは首を振った。
「ああ、そうだな。勇士なんて呼ばれてるくせに、怖気づいちまったみたいだ。
 よし野郎ども、気合を入れろ! 面舵一杯、腹ァくくって飛び込むぞッ!」
 カリムの言葉に、意気消沈していた勇士たちは野太い声で応えた。
 ぐん、とエルウィング号が揺れ、砲火の中へと自殺行為めいて突っ込む!
「その意気っすよ、リーダー! さあ、それじゃあ自分らも働く番っす!」
「俺としては、そこまで素材が欲しいわけでもないんだけどなぁ」
 フードファイターらしくやる気満々の軍犬をよそに、ハルマは肩をすくめた。
 ともあれふたりは甲板の上を駆け出し、船首をカタパルトのように蹴る。
 まずはハルマが、続いて少し時間を置いて軍犬が、左右それぞれに跳んだ!

 ところで、そんな危険な弾幕のど真ん中のロニはというと。
「いえーい! たーのしー!」
 操舵の必要もないからって、完全にアトラクション気分だった。
 なにせ彼は神である。色々と感覚がブッ飛んでいるらしい。
『はしゃいでんじゃねー!! 必死で避けてるこっちの身にもなれ!!』
「え? じゃあ頭でも潰せばいい?」
『馬鹿野郎! そんなことしたらせっかくの価値がだなぁ!』
「はいどーん!!」
『話聞けや!!!!』
 ミレニアムドラゴン号の言葉もむなしく、ロニは超巨大球体を召喚。
『神罰』の一撃が、ガレオンドラゴンの巨体を純粋な質量で叩きのめす!
『AAARGH……!!』
 シンプルな物理攻撃に、さしものガレオンドラゴンもダメージを免れない。
 へし折られた砲台がいくつも誘爆を起こす。巨体が折れ曲がった!
「あ、狙いズレた」
『頭を叩けっつってんだろ!? くそ、すぐに復帰してくるぞ!』
 ミレニアムドラゴン号の言葉通り、ガレオンドラゴンは即座に体勢を取り戻す。
 ザエル帝国謹製の生物兵器は、どうやら神罰の一撃にさえ耐えるらしい。
 今度こそ無数の砲塔が飛空艇に狙いを定める――と、その時だ!
「そうはさせないわ! カミカゼキーーーック!!」
 グリモアの転移術式による光が空に生まれ、さらに溌剌とした少女の声。
 光の中から矢のごとく飛び出したのは、魔法猟兵ことレパル・リオン!
 レパルは勢いそのままに、空中に浮かぶ球体を蹴って加速、獅子の頭に変じた片足でガレオンドラゴンに強烈な一撃を叩き込んだ!
『AAARGH!!』
 レパルがひらりとドラゴンの巨体を蹴って宙返りすると、蹴り込んだ箇所が盛大に爆発。二重の衝撃が、今度こそガレオンドラゴンを大きくふっとばした。
「遅れたけれど、いいタイミングで参戦できたみたいね!
 魔法猟兵イェーガー・レパルは、たとえ空の上でも恐れはしないのよ!」
 球体の上に着地したレパルは、ビシッと見得を切り言ってのけた。
「わお、ヒーローじゃーん!」
「大丈夫だったかしら……って、全然大丈夫そうね」
 脳天気なロニが身を乗り出して拍手すると、照れくさそうに頭をかく。
 だが、ガレオンドラゴンの怒りの咆哮が響くと、レパルはすぐに表情を引き締めて身構えた。
「まだまだ元気みたいね……って、ところでこれ足場にしてよかったかしら!?」
「全然問題なーい! まあ自由落下するけど」
「えっ!?」
 レパルは気づく。たしかにこの球体、重力に従って落ちている!
「あっぶな!? そういうことは早く言ってほしいわ! とうっ!!」
 しかし、魔法猟兵は伊達ではない。空中ジャンプだってお手の物だ。
 問題は……跳躍した瞬間は、無数の砲撃に対して無防備ということだが!
 ドウ、ドウドウドウ……! ジグザグに跳ぶレパルを砲撃が追う!

「くっ、しつこいわね!」
 歯噛みするレパルの頬すれすれを、何かが駆け抜けていった。
 それが回転する鋼鉄の星……手裏剣だと気付いたのは着弾寸前である。
 直後、さきほどのミレニアムドラゴン号の返礼めいて、エルウィング号の船体が躍り出た!
「狙うならこっちを狙え、ドラゴン!」
 手裏剣を投げつけたのは、船首を蹴ったハルマである。
 しかもその手裏剣は、着弾と同時に爆発! 改造を施した爆破手裏剣だ!
『GRRRR……!!』
 爆破手裏剣そのもののダメージは、奴にとって大したことはない。
 しかし翼も持たぬ小さき者の投げつけるそれは、竜の本能を大きく刺激した。
「そう、俺は空も飛べない脆弱な獲物だ。狙わないでいられないだろ」
 ハルマは帽子のつばを片手でおさえ、不敵に笑った。
 ガレオンドラゴンがその意図を理解した瞬間、視界をカラフルなペイントが覆ってしまう。軍犬の援護射撃だ!
「ブルズアイっす! よそ見してる獲物なら当てるのは楽勝っすよ!」
 軍犬は自信たっぷりに言うと、そのまま竜の背中に回り込み着地。
 すると彼の身体は黄金に輝き始めた。「食材」を前にしたことで、フードファイターとしての矜持が刺激され、秘められた力が目覚めたようだ。
「むむ! この木造部分っぽいとこもいい炭になりそうっすね! おりゃあ!!」
『AAARGH!?』
 べきん! と、軍犬は力任せにガレオンドラゴンの「部品」を剥ぎ取る!
 外からの攻撃とは比較にならない苦痛に、竜は無様に泣き叫んで苦悶した!
『ああああ! バラすのはいいが壊すなよ! 価値がなくなったら大変だぞ!
 狙うなら頭だ! 頭を叩け! けど牙もいい値になるから砕いたりするなよ!』
「この飛空艇注文多いわね!?」
 横から喚き立てるミレニアムドラゴン号に、レパルは目を剥いた。
「そうだよねー、強欲だしさー」
『お守りされてるガキが偉そうなこと言うんじゃね―よ!?』
 というやりとりも、ドラゴンには関係ない。
 目が見えないガレオンドラゴンは、無差別な砲撃で周囲を薙ぎ払う。
「っと、ここで落とされたら面目丸潰れだな……!」
 ハルマの隣に巨大な黒狼が現れ、直後、ひとりと一匹は姿を消した。
 そしてハルマが降り立ったのは、「味方」の眼前――つまり、勇士たちの船、エルウィング号の甲板である。
「さあ、今が総攻撃のチャンスですよ。カリムさん」
「……ははっ! 大したもんだな、お前らは!」
 ハルマの言葉にカリムはニッと笑い、愛銃を構えた。
 そして勇士たちの砲撃が、これまでの鬱憤晴らしとばかりにガレオンドラゴンに降り注ぐ……!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

フェルト・フィルファーデン
さあ、あとは本命を落とすのみ……というかこちらにもいるのね、ドラゴンって。関係あったりするのかしら……
何にせよ、ドラゴンの名を冠している以上、油断は禁物。全力で行かせてもらうわよ!

其方が高速で空を飛ぶなら、こちらもそれ以上の速度で飛ぶだけよ!
UCの力で高速で空を舞い、付かず離れずの距離で隙を伺うわ。
狙うは敵がブレスを吐く瞬間。すれ違うようにブレスを躱し、そのまま攻撃に転じましょう!
護身剣よ!その光の刃で竜を斬り伏せる力を!!
【空中戦x見切りx薙ぎ払い】

ふふっ、これでもドラゴンとは何度も戦ってきたもの。そう簡単に、負けるつもりは無いのよ……!



●ドラゴン狩りのプロフェッショナル
 ガレオンドラゴンの巨体が空気を斬り裂き、真空めいた極低気圧を生む。
 空白に風がなだれ込むと、すさまじい乱気流が荒れ狂い飛空艇を襲った!
「「「うわあああっ!?」」」
 さしものエルウィング号の勇士たちでさえ、慌てふためくほどの暴風だ。
 彼らは見守るしかない――竜に追従するフェルト・フィルファーデンの戦いを。
「こちらにもいるのね、ドラゴンって……何か関係があるのかしら」
 フェルトの脳裏に、かのブックドミネーターと大天使の言葉がよぎる。
 アックスアンドウィザーズにあるという「天上界」と、この世界はいかにも関係がありそうなものだ。
 しかし残念ながら、呑気に思索に耽る暇はない!
「護身剣よ、わたしに力を……どの世界であれ、ドラゴンには敗けないわ!」
 フェルトの携える護身剣が浅葱色の光を放ち、剣閃を煌めかせた。
 ガレオンドラゴンの身体のあちこちから撃ち出された砲弾が両断され、炸裂。
 爆炎を斬り裂いて、フェルトの小さな……しかし勇敢な姿が飛び出す!
『AAARGH!!』
 ドラゴンは吠えた。その声音には苛立ち、怒り、そして恐怖がある。
 あの小さきものは、なんだ? なぜこちらの攻撃をこうも受け付けない?
 巨大であり有利であるはずのガレオンドラゴンは、本能で感じ取っていた。
 かの帝竜をも滅ぼした、フェルトの底知れない意思の力を。

 ゆえにガレオンドラゴンは、一撃で勝負を決めようと口蓋を開いた。
 せり出した砲口に禍々しいエネルギーが満ちる――しかし、好機!
「希望の光を束ねて重ね、竜を斬り伏せる……もらったわ!」
 巨大なるものと小さきものがすれ違い、そして閃光!
 流星めいた真一文字の剣閃が迸ると、ドラゴンの顔面が爆炎に包まれた。
「ブレスの瞬間に斬撃を叩き込んだってのか! 無茶しやがる……!」
 カリムは舌を巻いた。フェルトの技量もさることながら、その度胸に。
 勇士という呼び名は、自分たちよりも彼女のほうがふさわしいだろうとすら思ったほどだ。

 しかしこれも、フェルトにとっては慣れたもの。
「ふふっ、これでもドラゴンとは、何度も戦ってきたの。そして、いずれも倒してきたんだから……!」
 フェルトはまさしく、ドラゴン狩りのプロフェッショナルなのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

鷲生・嵯泉
さて……損傷を負った彼等の現状では
単独で狩るには些か荷が勝るのは否めまい
だが良い“猟犬”がいるならば話は別だろう

此方で奴の動きを止めた瞬間を見計らい
最大火力を叩き込むよう、頭目に提案
受け入れるなら、火力準備の完了を報せる合図を確認しておく

騰蛇、もう一働きして貰うぞ
あの図体だが単純な速度勝負を挑むのは流石に分が悪い
狙い易いよう止めてやるには、小回りを活かす方が有効か
“獣”の目が炎を追い易い様に、火勢を上げて引き付け
必ず飛行艇が奴の視界から外れるよう位置取り、躱す動きは最小限に
追い縋る鼻っ柱には牽制の衝撃波を喰らわしてくれよう

合図が来たなら退路を断つ位置へと全速で移動
墜ちろ、空にお前の居場所は無い



●あるべき領分
「こちらで奴の動きを止める。そこに一斉攻撃を叩き込めるか」
 鷲生・嵯泉はカリムら勇士を隻眼で見つめ、問うた。
「……ああ。望むところだ。ここまで来て見てるだけってのもむず痒いぜ」
「いいだろう」
 嵯泉は手短に合図の確認をした。いちいち意志を問い直す必要も暇もない。
 彼らとて、勇士と呼ばれる者たち。自らこの世界での戦いを選んだのだ。
 そんな彼らが是と応えるならば、それで十分なのである。
「騰蛇、もう一働きして貰うぞ」
 かくして"猟犬"は、再び空へと飛翔した。

 炎を纏った騰蛇の飛行速度は、音速をたやすく超える。
 しかし、飛翔に関してはガレオンドラゴンに軍配が上がることを、嵯泉は決して見くびることなく認めていた。
 ゆえに活かすべきは、速度ではなく小回り。
「己より小さきものが回りを飛び回って我慢できるような手合ではあるまい」
 ……という嵯泉の読みは正しかった。
 ドラゴンとは驕り高ぶるもの。強大であるがゆえに慢心するものだ。
 嵯泉が少し陽動をかければ、奴はあっさりとそれに乗って砲塔を向けた。
 無数の砲撃も、最速に至った騰蛇の機動力ならば躱すのは容易い!
『AAAARGH!!』
「己を空の覇者と思い込んでいるのだろうが、それは否だ」
 真横をつんざいた砲撃に慄きさえせず、嵯泉は言った。
「――お前は、狩られるのを待つただの"獣"だ。あるべき領分を弁えろ」
 ひゅん、と振るわれた剣が衝撃波を生み出し、ドラゴンの鼻っ柱を叩きのめす!
『GRRR!?』
 ガレオンドラゴンが怯んだ瞬間、嵯泉はエルウィング号に視線を滑らせた。
 同時に響く号砲――準備が整ったという勇士たちの合図だ!
「その身で思い知れ。この空に、お前の居場所はないということを」
 嵯泉は素早く竜の退路を断ち、翼に剣戟を叩き込んだ。
 逃げ場とそのための力を奪われたガレオンドラゴンに、勇士たちの怒りの総攻撃が叩き込まれる!
 響き渡る咆哮は、誇り高く強大なる怪物の勝鬨ではなく……狩られ息絶える瞬間が近いことを悟った、哀れなけだものの悲鳴だった!

成功 🔵​🔵​🔴​

エアリーネ・シルベンスタイン
……ドラゴン化した船…そういえば、かの帝竜ヴァルギリオスにも確かそういう力が有りましたよね…何か関係があるんでしょうか……

と、考えてる場合じゃないですね…
…できるのは『ちびエアリーネ』を複数配置して《多重・高速詠唱》の【エレメンタリー・ミサイル】弾幕ぐらいですが…

っと…!
落し切れない分を『不確定名:?ロッド』での《炎属性》の《結界術》で、それでも足りなければ《ブレス攻撃》で《焼却》します…!
お気になさらず…この船が墜ちたら私も真っ逆さまですので……

(……そういえば、このロッドもどこか竜っぽい意匠なんですよね…
黙って持ち出した品ですけど、これは、何処から回収した物なんでしょうか…)
※アドリブ◎



●竜の力
 天使核の底知れぬ力は、人を乗せて運ぶ船を竜に変貌させてしまう。
 その姿に、エアリーネ・シルベンスタインは帝竜ヴァルギリオスを想起した。
(帝竜と天使核、天上界とこの世界……何か関係が……?)
 深まる謎にエアリーネは思考を巡らせかけ、そこで我に返る。
「っと、考えてる場合じゃないですね……!」
 咄嗟にちびエアリーネを配置し、術式を多重・高速詠唱。
 ギリギリのところで生み出された魔法の矢が、飛来する砲弾をかろうじて相殺!
 もしも余計な考えに頭を巡らせていたら、彼女はエルウィング号ごと空の露と消えていただろう。
「危ないところでした、油断なりませんね……」
「いや、まだだ! 野郎、まだ撃ってくるぞ!」
「!」
 カリムの言葉に、エアリーネは緩みかけていた緊張を引き締める。
 防御の隙を狙った、狡猾な時間差砲撃だ。伊達にドラゴンではないということか!
(詠唱は間に合わない、となれば……)
 エアリーネは咄嗟に、懐から一振りのロッドを取り出し掲げた。
 竜めいた意匠を持つそれは、天に突き出されると不穏な輝きを放つ!

 すると、エルウィング号を包むように燃え盛る結界が構築された。
 遅れて弾幕が飛来し、灼熱の結界にぶつかって次々に爆裂する!
「あ、あぶねえ……! 二度も助けられちまったな」
「お気になさらず、この船が堕ちたら私もまっさかさまですので……」
 エアリーネはカリムに答えつつ、名も知らぬロッドを訝しんだ。
(この力……思った以上です。そもそもこれはどこから回収したものなんでしょうか……)
 家を飛び出す折に持ち出したゆえ、エアリーネはこの遺物の来歴を知らない。
 秘められたその力は、対峙するドラゴンの誇るそれとよく似ていた。
 特徴的な意匠は、頼もしげであると同時に不気味でもある……。

成功 🔵​🔵​🔴​

レイシャン・ラディスティ
ガレオンドラゴンさんですかー
空ならサーちゃんだって得意ですからー、負けませんよー
普通の空ならともかくー、冷たい空ならばサーちゃんのほうが上ですー

氷海龍のサーちゃんに乗って飛翔戦闘
【嵐は冷たく鋭く】を使いますねー
段々と強くなる氷の刃は、いずれガレオンドラゴンさんの船体や竜鱗も砕くでしょうー
この前別の場所で戦ったガレオンドラゴンさん、結構速かったのでー
油断せずに逃げ回って追いつかれても紙一重で躱しますー
…サーちゃんが頑張りますー!

勇士の人にはガレオンドラゴンさんに牽制程度でもいいので砲撃しておいてほしいですー



●水が岩を穿つならば
 ガレオンドラゴンは非常に気性が荒く、その上プライドが高い。
 この個体が際立ってそうなのもあるが、もとよりドラゴンとは驕り高ぶるもの。
 空は己の住処であり狩場、他のすべては獲物であり弱者であり邪魔者だ。
 その庭をちょこまか飛び回る存在を、奴が許せるはずもなかった。

 しかし、それはいささか驕りすぎていたと言わざるを得まい。
 レイシャン・ラディスティの乗る「サーちゃん」……いやさ、氷竜帝へと変貌した凍れる竜は、ガレオンドラゴンが認識している以上に強かった!
『AAARGH!!』
 ガレオンドラゴンは巨体をうねらせ、直接体当たりを仕掛けた。
「サーちゃんー、頑張ってくださいー」
 いささか気の抜けるレイシャンの応援だが、効果はあったらしい。
 氷竜帝は軽やかに体当たりを躱し、続く砲撃もゆうゆうと泳ぐように避けた。
 すると飛翔した軌跡が、きらきらと白く輝いているではないか。
 ただの煌きではない……凍れる竜の生み出す、氷刃の嵐の前触れだ!
「この前別の場所で戦ったガレオンドラゴンさん、けっこう速かったですからねー、油断はしませんよー」
 レイシャンのゆるりとした声は、空気さえも切り裂く極低温の嵐にかき消された。
 ミキサーじみた氷の刃が、ガレオンドラゴンを包み込み、そして切り裂く!
『……!!』
 苦悶の咆哮が、渦巻く嵐のなかにこだました。
 だが、氷竜帝に慈悲はない。その気性もまたブリザードのごとし。
 水が岩を穿つならば、氷は竜の鱗さえも砕いてみせるだろう。
 己の分というものを思い知らせるかのように、嵐はなおも強まり続ける。
 そこに勇士たちの援護砲撃が加われば、いよいよドラゴンとてかたなしだ。
「この空はー、あなただけのものではないんですよー」
 レイシャンはゆるりとしたいつもどおりの声で、はっきりと告げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルヴトー・シフトマン
クラリスさん(f30400)と

よし、天狼には乗れそうだ
やっぱりここ一番って時には、愛機が一番やりやすい
クラリスさんに通信を入れよう
「空は任せた。奴のブレスは脅威だけど、俺がどうにかできる。俺の知覚でそれを誘ってほしい 出来るよね」

クラリスが空を舞う間、俺はただそれを見る
2秒の先駆け、未来を見る【見切り】
奴の切り札たるブレスをいつ発動させるか、見極めよう
──クラリスさん!2秒後に来る!スイッチ!

ブースターをフルスロットル、空中へ跳躍
放たれたブレスを、「掴んだ」
これを待っていたぞ…お前に返してやる
これが俺の『怒涛』、万物を投げ返す業
堕ちろ、この空はお前が居て良い場所じゃない
──お疲れ、クラリスさん


クラリス・クレスト
ルヴトーさん(f31792)と

足場も減って、単独戦闘は厳しいところ
ルヴトーさんからの通信は、是非もない
「もちろん、出来るに決まってるでしょ。任せといて!」

――起動、[CODE:Overed Boost]
まずは鼻先まで急加速して、切り返して側方へ
視界に入るか入らないかの位置を動きつつ
相手が攻撃の予備動作に入るなら、視界や射線を遮ってやる
お前ほど大きくはないけど、大きくないなりにやりようはあるんだ
最悪、硬くて頑強な身体は足場にもなる

こちらに気を取られてくれたら上々
合図で位置を入れ替えて――うん、仕上げは任せたよ!

終わったらちゃんとキャッチしてあげよう
空戦仕様じゃなさそうだしね
こちらこそ、お疲れ様!



●騎兵、空に躍る
 ルヴトー・シフトマンは2秒先の空を視る。
 愛機・天狼の慣れ親しんだ視界に広がるのは、晴れ渡った青空。
 牧歌的風景に狂い躍るは、傲慢なる竜と蒼い鳥――クラリス・クレストの機体。
 天狼は機動力の高い機体だが、あそこまでの空中戦を繰り広げることは出来ない。
 そもそも、クロムキャバリアにおいて空中戦を想定すること自体がイレギュラーなのである。
 なぜなら、あの世界の空は閉ざされたもの、見上げるだけの牢獄も同然。
 ガレオンドラゴンを翻弄するブルーバードの動きは、いつも以上に自由ではつらつとしているように見えた。
「"任せといて"……か」
 ルヴトーは空中戦には加われない。だが彼は笑っていた。

 ――空は任せた。奴のブレスは脅威だけど、俺がどうにかできる。俺の知覚でそれを誘ってほしい……出来るよね。

 ルヴトーの通信に答えた、クラリスの声を思い出す。

 ――もちろん、出来るに決まってるでしょ。任せといて!

 彼女の力量を疑ってなどいない。むしろ心から信頼しているからこそ任せた。
 それでもその戦いぶりは、思わず微笑んでしまうくらいに見事なものだった。

 一方、当のクラリスはといえば。
「お前ほど大きくはないけど、大きくないなりにやりようはあるんだ……!」
 ガレオンドラゴンの巨体を足場に逆利用し、鼻先まで加速しては急転回。
 無数の砲撃を、あるいは尾や翼による打ち払いを躱し、竜を翻弄する。
 ガレオンドラゴンは苛立っていた。クラリスの存在自体が奴への挑発だ。
 強大なる竜と同じように、いやさそれ以上に自由に舞うモノなど、居ていいはずがない!
「――って、考えてるんでしょ?」
 渾身のブレスを急加速で躱し、ブルーバードはガレオンドラゴンの背後に居た。
 ルヴトーからの合図が、未来に起こるはずの攻撃を彼女に伝えていたのだ。
「「……スイッチ!」」
 ふたりの声が揃う。ブルーバードとすれ違うのは気高き狼の騎兵。
 ガレオンドラゴンは、目の前に飛び出してきた見慣れぬ鋼に面食らった。
「これを待っていたぞ」
 その掌に渦巻くのは、他ならぬドラゴンが吐き出した力の奔流……!
「お前に返してやる――吹っ飛べェ!!」
 球状に凝縮されたブレスのエネルギーが、天狼から投げつけられた。
 着弾と同時に膨大な破壊力が溢れ出し、傲慢なる竜を盛大に吹っ飛ばす!
「クラリスさん、ナイスタイミング!」
 そのまま自由落下していく天狼を、ブルーバードが間一髪掴み上げる。
 すでにそれを見ていたルヴトーは、驚いたふうもなくサムズアップする。
 映像回線を開くまでもない――お互いが笑っていることは、彼らにははっきりとわかっていたから。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

鳴宮・匡
……ノーチェ、あれと並走できる?
できるって? そう、なら心強い

上空、エルウィング号とは反対側から敵を追走
これならこちらへ標的が向いている間、向こうは攻撃に専念できる
敵の動きは目と耳で捉え、予備動作が見えた時点でノーチェに回避を指示
噛みつかれてもかわいそうだしな

まずは翼から削いでいくよ
面倒なのはあの巨体で飛空艇にそのままぶつかられることだ
速度は出来る限り落とさせておきたい

竜の翼と、飛空艇の飛行用の機構を重点的に狙う
動力部が生きているなら、そこを探り当てて狙うのも考慮したほうがいいな
“影”で精製した武器で、特に基部を重点的に狙う
一撃で墜とせやしないだろう、根気強く同じ部位を狙っていくよ


ヴィクティム・ウィンターミュート
ハッハー!ウィズワームが来やがったぜ
オイオイ、空から見下ろしてんなよ
ストリートの警句じゃ手を出すなんて言われるが、テメェはそれに相応しい存在かな?見せてみろよ、この世界の竜の強さをな

まずは攻撃を釣らなきゃ始まらねえな
【投擲】でナイフを投げ、右腕の仕込みクロスボウも撃ち込む
狙いは、目だ…いやでも視界に入るようにな
鬱陶しいだろうなぁ、俺はテメェを【挑発】してんだぜ
ついでにこの艇の武装も使おうか ほらほら、目がつぶれちまうぜ?

──そろそろ来るかな
セット、レディー…『Balmung』
贈り物をどうも、お返しは早めにする主義でね
変換、増幅、添加…ボルトにエネルギーを込めて、ぶち込む
なんだ、大したことねえな



●ドラゴンには――
「ったく、ウィズワームってのはどいつもこいつも変わりゃしねえな!
 どこぞの大統領どのが聞いたら、情けなくて泣き出しちまうだろうぜ」
 ヴィクティム・ウィンターミュートは肩をすくめた。
 ドラゴンというのは、どんな世界でも必ずといっていいほど驕っている。
 だからこそやりやすく、そして愚かしい。彼の皮肉もむべなるかな。
 ヴィクティムはドラゴンを恐れない――慣れた相手であるし、なにより。
「テメェはストリートの警句にふさわしい存在かね? いや、そうは思えないな。
 ……後ろを見てみろよ。お前の首を狙う死神が、すぐそこにいるんだぜ」
 ヴィクティムは、大きく顎を開いたガレオンドラゴンに言い放った。
 その口蓋からブレスが放たれようとした瞬間……ドラゴンの背中で大爆発!
『AAAARGH!?』
 翼を何かで攻撃されたガレオンドラゴンは、苦痛に悶えた。
 巨体を支える翼膜が爆熱で焼けただれ、ドラゴンは大きく姿勢を崩す。
 ヴィクティムはすべて理解していた。だからわざと挑発してみせたのだ。
 この程度の連携ならば、ニューロンをリンクさせる必要すらない。

 はたして、何が起きたか。
 その答えは、ノーチェの背に乗る鳴宮・匡を見れば一目瞭然であろう。
「あの巨体で飛空艇にぶつかられたら、さすがに面倒だからな」
 匡が銃器のマガジン部分に手をかざすと、"影"がずるりとスライドに滑り込んだ。
 ガレオンドラゴンの背中に命中したのは、"影"から生成された漆黒の弾丸だ。
 無論、弾丸そのものがあれほどの炸裂力を持っているわけではない。
 飛空艇だった部品に残っていた、わずかな爆発物を狙い撃ったのである。
 鱗と鋼材に守られているゆえに、通常であれば突かれることなどない弱点を。
 匡の目があれば、針の穴ほどの隙間を穿つのは赤子の手をひねるより容易い。
『AAARGH!!』
 竜は怒り狂い、体勢を取り戻しながら全身の砲塔をめちゃくちゃに撃った。
「ノーチェ、無理はしなくていい。船にはヴィクティムもいるからな」
 影の竜は高く鳴いて応え、回避行動を優先して弾幕から距離をとった。
 匡は新たにスナイパーライフルを生成、逆巻く風の中で冷静にガレオンドラゴンの急所に弾丸を撃ち込む。
「おーおー、追い詰められた獣そのものだな! だがいいのかい?」
 一方、エルウィング号では、ヴィクティムが不敵に笑っていた。
「俺は几帳面でね、贈り物をもらったら早めにお返しをする主義なのさ」
 砲撃はすべて、純然たるエネルギーに変換され、増幅され、転化される。
 ヴィクティムが右腕を突き出すと、仕込みクロスボウに極彩色のボルトが装填された。
「相手が悪かったと同情してやるよ。だが――」
 再びの爆発。匡の狙撃が装甲を穿ち、動力部に到達した証だ。
「テメェ、たいしたことねえぜ」
 因果応報! エネルギーを凝縮したボルトが追い打ちめいて命中……炸裂!
 すさまじい爆発と、ドラゴンの無様な絶叫が蒼い空に木霊する。
「タダ乗りさせてもらったぜ、匡! 俺じゃあそこまで正確な狙いは出来ないんでな」
「お互い様だろ。俺もお前の生んだ隙を利用させてもらったんだ」
 匡の言葉に、ヴィクティムは微笑んだまま肩をすくめる。
 相手がドラゴンだろうと、彼らのコンビネーションの前には敵ではない!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴィクトリア・ノウェム
それじゃあ前座は片付いたんだから、残るは本命、です

まずはエル・セプスの飛空艇形態で《空中戦》です
周りを《空中機動》で飛び回りつつ、A.F.C.での砲撃をちまちまと当ててくです。一人用の小型飛空艇だし、勇士たちのより多分小回りが利くですから、牙に当たるつもりもないです

あいつが焦れてこっち以外を狙いだしたり、隙の大きい攻撃を回避したら、
外装形態に変形、そのまま【ケルベロスバイト】、です!
ファングを食いこませ《捕縛》し力を奪いつつそのままドライブ全開、《リミッター解除》した《怪力》で引っ張って、満足にブレス吐いたりできなくしてやるです!

大人しく天使核とお肉置いて逝くです…!
※アドリブ他歓迎、です



●獣の首を戒めろ
 サイズ差は圧倒的。当然、攻撃の規模も破壊力も同じほどに差がある。
 しかしヴィクトリア・ノウェムは、小型飛空艇『エル・セプス』の機動力と小回りという利点を最大限に活かし、ガレオンドラゴンの猛攻を掻い潜り続けていた!
「そんな攻撃、当たらないです。大きいぶん見え見え、です!」
 ヴィクトリアはそう言い放つが、こんな芸当は簡単なことではない。
 少しでも操縦を誤れば、一撃必殺の砲撃や打撃が彼女を襲う。
 テクニックやカン、判断力はもとより、何より重要なのは度胸である。
 巨大な敵の攻撃に恐れを抱くことなく、冷静に戦いを進める平常心がなければ、
 これほどのサイズ差を相手に戦いを挑むことは出来ないのだから。

 いっぱしの戦士である勇士たちは、それを腹の底で理解していた。
 ゆえにたったひとりでドラゴンを翻弄するヴィクトリアの勇姿は、彼らの意気を奮い立たせ、そして感嘆と尊敬の念を抱かせるには十分なものだった。
「あの娘っ子、とんでもねえな……!」
 カリムの口元は笑んでいたが、こめかみを冷や汗が伝う。
 仮に己が同じ装備を与えられたとして、同じように戦えるだろうか?
 ……答えは、否だ。だからこそ、この戦いを見逃すわけにはいかない。
 エルウィング号は砲撃でヴィクトリアを支援し、少しでも助けになろうとする。
『……GRRRッ!!』
 ガレオンドラゴンは、そのエルウィング号に狙いを変えた。
 愚かな判断だ。ヴィクトリアは己から狙いが逸れる瞬間を待っていたというのに!
「さあ喰らいつくです、ケルベロスファング!」
 一瞬にして外装形態に変形したヴィクトリアは、ケルベロスファングを射出。
 反転しようとしたガレオンドラゴンの逆鱗に、ファングが噛み付く!
『AAARGH!?』
「私から目をそらすなんて、油断大敵もいいところです……!」
 リミッター解除されたエル・セプスの怪力は、サイズ差など凌駕する。
 砲丸投げの砲丸めいて、ドラゴンの巨体がぶん回された!
「おとなしく天使核とお肉、置いて逝くです……!」
 ガレオンドラゴンが暴れれば暴れるほど、魔獣の牙はその肉に深く突き刺さる!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロク・ザイオン
★レグルス

獲物は、あれか
くじらだな
船みたいで、でかい。そういうのはくじらだ。
(わかるぞ…の顔)
(やはりキミたちは海の益荒男だ)
じゃあ、くじら竜だ。

無茶苦茶してもいいときしかしないよ
だって、キミが後ろにいるだろ

さあ、駆けてくれ
キミたちはどう狩りをする
獲物を追い回し怒らせ引きつけろ
晒させた横っ腹、砲塔が此方に回るなら
狙いを定める一瞬が隙になる
"LIGHTNING"
飛んできた弾を飛び石に【地形利用、ダッシュ、ジャンプ】
おれが銛になろう
【早業】で【鎧を砕き】穿ち抜く


ジャガーノート・ジャック
★レグルス
【※MODE: ACE継続】

(ザザッ)いや、竜だと思うが。

何はともあれ龍も鯨も大捕物をするには変わるまい。
行くとしようか――ミッションを開始する。

どうせ相棒の事だ、無茶苦茶な動きをするのだろう。サポートに回る事とする――

"F.F."
飛び交う艦載砲の砲撃、その須くを光の洪水で穿ち抜く。(援護射撃)
――全く無茶をする。

君より後方は任せるといい。
あとは目の前にある獲物の腹に
森番の一撃を打ち込んで来い。

――オーヴァ。(ザザッ)



●一撃は雷鳴より疾く
 強い風が、ロク・ザイオンの三編みをなびかせる。
 それはまるで、草原に燃え広がる野火のよう。
 あるいは力強く森の只中を駆け抜ける、赤い毛並みのけものだろうか。
「……そろそろ、仕留められそうだな」
 ロクは甲板の手すりを両手で掴み、エルウィング号を追うドラゴンを睨んだ。
 これまでの猟兵たちの攻撃により、ガレオンドラゴンはもはや死に体だ。
 それでもなおこの船を追うのは、ドラゴンならではの闘争心からだろうか。
 あるいは、それもまたザエル帝国の改造によるものなのか……。
 ロクはガレオンドラゴンの双眸から、強い怒りと殺意を感じ取る。
 飢えたけものの燃やすものとは違う、悪意に満ちた感情を。
「何か感じるのか?」
 そんなロクの様子を察したカリムが話しかけた。
「奴は、食うためじゃなく、殺すためにおれたちを追っている。
 ……普通の獣は、そんなことはしない。あれは、あるがままのものじゃない」
「わかるもんなんだな……ああ、それもきっと屍人帝国のせいだろうさ」
 カリムは顔を顰めた。勇士として、ザエル帝国の暴虐が気に入らないのだろう。
 ロクはもう一度ガレオンドラゴンを見、そして言った。
「とても獰猛なくじらだ」
「は?」
「船みたいで、でかい。そういうのはくじらだ」
《――……いや、竜だと思うが》
 ジャガーノート・ジャックは至極冷静にツッコミを入れた。

 間。

「じゃあ、くじら竜だ」
《――いや、竜だと思うが》
「くじらで竜だ」
《――竜だが》
「おれたちでとどめを刺そう、ジャック」
《――竜だが?》
「キミたちの力も貸してくれ」
「さっぱり聞いてねえな。ゴリ押ししだしたぞ」
 カリムは呆れつつも、ロクの言葉には不敵に笑って頷いた。

 狩りのやり方は、至極単純だ。
 エルウィング号が全力で逃げ回り、ガレオンドラゴンの注意を惹き付ける。
 死に体のドラゴンは治癒のため、狂おしく餌を求めていた。
 もはや冷静な思考も何もなく、徹底的に勇士たちを殺しつくそうとする。
 それゆえにドラゴンはあっさりと陽動にかかり、そして砲撃を行おうとした。
『AARRRGH!!』
 無数の砲弾が飛来する――するとロクが甲板を蹴って飛び出した!
「おい!?」
「これでいい」
 なんたることか、ロクは飛来した砲弾を足場に飛び石めいて竜に挑む!
 エルウィング号に命中しそうな砲弾は、ジャックが砂嵐から生み出した光の洪水により一瞬にして爆炎に変わった。
 あまりの速度ゆえに、勇士たちは雷光が炸裂した瞬間を知覚出来ていない。
 彼らの目には、光の洪水がオーロラめいて船を包んだようにしか思えていないだろう。
《――まったく、無茶をする》
 などと言いつつも、ジャックの声音はいつも通り冷静だった。
 心揺るがぬ兵士だから……では、ない。
 相棒がこのぐらいの無茶をすることを、彼は骨身にしみて理解している。
 そして何よりも、

『無茶苦茶してもいいときしかしないよ。だって、キミが後ろにいるだろ』

 ロクはきっと……いや、必ず、平気な顔をしてそう言うだろうから。

 雷光が、次々に砲弾を撃ち落とす。
 その輝きは、空を跳ぶロクを送り出す暁光のようにも見えた。
 ドラゴンがロクの接近に気付いたときには、もう何もかもが遅い。
「逃すものか」
《――本機らを相手にして、逃れられると思うな》
 雷光が砲塔をつんざき、ドラゴンの身体があかあかと炎で染め上げられた。
 爆炎よりもなお赫々たる赤髪がなびく。先端で鈍く輝くは『閃煌・烙』。

 己を銛としたロクの刺突が、竜の腹を貫く。
 最期の咆哮が響き渡る――それは狩人たちにとっての勝鬨と同じ。
 かくて帝国の生み出した魔獣は絶え、狩りは終わりを告げたのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『勇士の酒場』

POW   :    魔獣料理を注文してみる。

SPD   :    店主や客と交流。

WIZ   :    依頼の張り紙などを見て情報収集。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 狩りが終われば、始まるのは盛大な宴会だ。
 収穫と生還を祝い、次の冒険と戦いのために心身を癒やす、大事な儀式である。
 宴は盛大であればあるほど、人が多ければ多いほどいい。
 恩人である猟兵を、勇士たちは喜んで歓迎し、むしろそうさせてくれと言った。

 というわけで、エルウィング号がやってきたのは近くにある浮島の港街だ。
 もちろんガレオンドラゴンの死体は、飛空艇で牽引され一緒に運ばれてきた。
 獲物の解体も、宴を盛り上げる大事なショーなのである。
「タイミングがよかったぜ。今はちょうど、あちこちから商人が来てるみたいだ。
 あんたたちがその気なら、獲得物をすぐに換金することも出来るだろうぜ」
 カリムは猟兵たちにそう言った。
「それじゃあ美味い酒と飯でも食いながら、分け前の相談といこうや!
 もちろん渋るつもりはねえよ、なにせあんたたちは命の恩人なんだからな!」
 そうだろうお前ら、とメンバーに呼びかけると、元気な歓声が返ってきた。
 中には、もう酒場から酒樽を持ってきてじゃぶじゃぶジョッキを突っ込んでいる気の早い者もいる。
 食材の持ち込みは大歓迎されるだろうし、ガレオンドラゴンの肉を捌いてみせるなんてのも場を大きく盛り上げることだろう。
 ちなみにこの街の特産品は、新鮮な魚介類のようだ。
 ザエル帝国が生み出したガレオンドラゴンは、体内に複数の天使核を有している。
 よほど欲張らない限り、取り合いになることもないだろう。

 金使いのいい旅人は、街の住民にとっても喜ばしい上客だ。
 街全体がお祭り騒ぎになるなか、エルウィング号をじっと見つめる一組の若者がいた。
「ドラゴンを狩るなんてすごいなあ、あの勇士の人たち……」
 旅装に身を包んだ少年の名は、ラシッド。
 先ごろ、猟兵たちによって窮地を救われ、故あって旅立った勇士志望の若者だ。
「……狩りをしたのは、勇士だけじゃないみたい」
 そんなラシッドに、フードを目深に被った同行者が言った。
 注意深く観察しないと気付かないが、外套の下に隠された素顔はあどけない少女である。
 しかも彼女がエンジェルで、他に類を見ない特徴を有することなど、それと知って捜してでもいない限り余人には察せないだろう。

 少女の名はアルピナ。
 ラシッドの住む島に堕ちてきた、ザエル帝国に追われる謎めいた存在だ。
 彼女もまた、猟兵たちにその命を救われ、少年とともに旅立ったのである。
「え? ……あ!」
 この狩りに参加した猟兵の中には、ふたりと面識ある者もいる。
 ラシッドはその存在に気づき、小さく声を漏らした。
 ここに、ふたつの道が交差した瞬間である。


 3章では、以下のNPCと交流することが出来ます。
 基本的にどのNPCも呼べば出てきますので、絡みたい場合はプレイング内に名前をご記入ください。

 ・カリム
 勇士たちを取りまとめ、『エルウィング号』の実質的な長として動いている。
 しかし、なんらかの信念により、「船長」という呼び名は好まないようだ。

 ・ラシッド&アルピナ
 前作「ひとりの少女が堕ちてきて」に出てきたNPC。
 現在は勇士となるため、受け入れてくれる飛空艇を捜している。
(猟兵全体に恩義を感じているため、前作に参加してなくても問題ありません)

 ・ムルヘルベル
 グリモアで来た。(酒を飲みに)


 プレイングはだいたい15日ごろから採用を始めます。
ヴィクティム・ウィンターミュート
ようムルヘルベル
ちょいと飲んでいかねえか?なに、お前と緩く喋んのも久しいからな
酒?あーいいよ、俺は飲まんが気を遣わなくていい 好きにしな
俺は飯がありゃいいし
とりあえず、美味いもんは片っ端から持ってきな!

ん、あのラッキーボーイとガールに挨拶?別にいらねーだろ
俺は前回『居なかった』からな
若人は若人で楽しめばいいさ

お前、最近はどうなんだよ
予知で忙しいのは知ってるが、ちゃんと休めてんのか?愛すべきミスター・ジョンソンには健やかに生きてもらわねーとな まあまあ飲め飲め

俺の方はぼちぼちだ 
特に変わりも無いよ 気まぐれに働いて、気まぐれに馬鹿をやるだけ
変わんないのが良いんだよ
……そう、このままが一番だ



●戦い終わって膝突き合わせ
「ようムルヘルベル。ちょいと飲んでいかねえか?」
「む? ヴィクティムではないか。藪から棒にどうした」
 戦勝会にそれとなく紛れていた賢者は、ヴィクティム・ウィンターミュートの出し抜けな言葉に小首をかしげた。
 ムルヘルベルにとって、ヴィクティムは頼れる猟兵であり大事な友人のひとり。
 誘いを断ろうはずもない、が……彼の側からこの手の誘いをかけることが、なんとなく珍しく思えたのだ。
「いや何、お前と緩く喋んのも久しいだろ?」
「まあ、たしかにそうさな。ではご相伴に預かるとしようか」
 そう言って、ふたりは手近な卓に腰を落ち着けた。
 ムルヘルベルは酒を給仕に頼もう……として、ヴィクティムをちらりと見る。
「あ? ああ、気にすんなよ。俺は飯がありゃいいんだ」
「そうか。オヌシもそろそろ飲めるようになるであろう、それを楽しみにしておこう」
「年寄りくさいこと言いやがって」
 ヴィクティムは苦笑しつつ、手当たりしだいに飯を注文した。
 その健啖ぶりに賢者は目を丸くすることになるが、それはさておくとしよう。

「そういえばヴィクティムよ」
「ん?」
「あのふたりには挨拶しないでよいのか? オヌシはたしか……」
「ああ、いいのさ」
 ラシッドとアルピナのことを話題に出され、ヴィクティムは肩をすくめる。
「俺はあの時『居なかった』。そういうことになってるんだ」
「……オヌシらしいな。端役としての手際は相変わらず、か」
「そういうことさ。それよりも、だ」
 ヴィクティムは空にした皿をかちゃりとディッシュタワーに積み上げた。
「お前、最近はどうなんだよ? むしろそっちが気になるぜ」
「ワガハイか? どう、と言われてもな……」
「ちゃんと休めてんのか? 愛すべき依頼人(ミスター・ジョンソン)には健やかに生きてもらわねーと困るぜ」
「そう言うなら、オヌシこそ自分を省みろという話だぞ? まったく」
 今度はムルヘルベルが苦笑する番だ。
「何、案ずることはない。オヌシにそう言葉をかけてもらえるだけで十分だ。
 ……というよりも、こうしていつも通りであれるのはオヌシらのおかげゆえな」
 ムルヘルベルは微笑んだ。
「ワガハイの呼びかけに応じ、災厄を取り除き、こうして語らってくれる。
 そうした営みこそが、人を人たらしめるものだ。そうは思わぬか?」
「同感だな。俺のほうもぼちぼちさ。気まぐれに働いて、気まぐれに馬鹿をやる。
 変わらないのがいいんだよ……ああ、このままが一番だ。なによりってやつさ」
 ムルヘルベルは、どこか遠くを見るようなヴィクティムの顔を、しばし何も言わずに眺めていた。
 変わらずにいられる……それは、退屈に思えるがとても大事なことだ。
 死線に身を置く猟兵ならばこそ、日常の大切さを忘れてはならない。
 そんな箴言めいたことを言おうとして、ムルヘルベルは無粋だな、と頭を振った。
「では、オヌシのそのいつも通りの話をもう少し聞かせてもらおうか?」
「あ? 別に語って聞かせるようなこたないぜ」
「そうでもないさ。オヌシにとっては他愛ないことでもワガハイにとっては別だ」
 ムルヘルベルはジョッキを揺らしてみせた。
「友人の近況報告というのは、そういうものであるぞ?」
「……やれやれ。相変わらずお人好しなこって」
 ヴィクティムは肩をすくめ、分厚いステーキを一口で頬張った。
 それからしばし、ふたりは平和な日常について言葉を交わしあったそうな。

大成功 🔵​🔵​🔵​

秋山・軍犬
軍犬「という訳で」

夜「カリム殿!
分け前の肉を所望するのである!」

その前に解体であるな!手伝うのである!
超級料理人として獲物を解体するのも
料理の大切な工程の一つ、任せるのである!

解体が終わったら、天使核はいらんので
食材的な部位を多めに…
あと、木材的な部位も頂くのであーる!

そして早速、報酬の肉を料理するのである
肉の熟成は超級料理人の技でなんとかして
報酬の木材…竜木?を薪にして焼くのである!
名付けて、ガレオンドラゴンの竜木焼き!

では、折角の宴会なので
出来た料理を皆に振舞うのである!
これも超級料理人としての修行の一環!
エルウィング号の皆も遠慮無く食べるのである!

軍犬「あ、ムルヘルベルさんも食べる?」



●祝祭の目玉!
 このお祭り騒ぎの目玉イベント……それは、獲物の解体だ。
「というわけで」
『カリム殿! 分け前の肉を所望するのである!』
 と、秋山・軍犬とその相棒である精霊少女・夜は声を揃えて言った。
「ああ、もちろんだぜ。つーか、デカすぎて人手が足りないぐらいだからよ。
 むしろこっちから、手伝いを頼みたいぐらいだ。やってくれるよな?」
「最初からそのつもりっすよ! さあ夜、仕事開始っすよ!」
『ふふん、超級料理人におまかせである!』
 しゃきん、と刃物を手に、物騒な笑みを浮かべる夜。
 軍犬もエルウィング号の面々から道具を借り、巨大なドラゴンに挑むことに。

 飛空艇が竜化したガレオンドラゴンは、いわば素材の宝庫。
 肉の部位はもちろん、木材としての部位も、どれも貴重なマテリアルだ。
 ドラゴンの魔力によって編成したそれは、龍鱗と同じ上質さを持つ。
 それを使って直火焼きした肉料理など、想像するだけでもよだれが垂れる。
『というわけで、ガレオンドラゴンの竜木焼き! 完成であーる!!』
 その夢のような料理は、猟兵たちの勝利によってここに実現した。
 夜がどん! と切り分けた肉をさらに盛ると、勇士たちは歓声をあげる!
「すげえ、肉がピカピカに光り輝いてるみたいだ……!」
「こんな芳しい匂い、嗅いだことないぜ!」
 と、グルメな一部の勇士たちは、食べる前からどよめいていた。
「いやー、戦いのあとのこれがあるからこそ頑張れるってもんっすよねえ」
「なにやら騒がしいから見に来てみれば……ほう、これはこれは」
「お、ムルヘルベルさんじゃないすか! 一緒に食べるっすか?」
 軍犬は賢者のほうを振り返った。
「よいのか? ワガハイは戦いに関して何もしておらんが……」
「そういう野暮はいいっこなしっすよ、これはお祭りっすからね!」
『切り分けるのは私の仕事であるぞー、まあもちろん大歓迎であるが!』
 などとぼやきつつ、てきぱきと全員分の肉を切り分けていく夜。
 じゅうじゅうといい音を立てる分厚い竜の肉を、一同はほくほく顔で頬張った。
「「「うまーーーーーい!!」」」
 と、グルメ漫画のような叫び声が、あちこちで響いたとか……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

水衛・巽
カリムさんに旅や冒険の話を聞いてみましょうか
猟兵の身とは言え、まだなじみ薄い世界ですし
なかなか豪快な狩りも行われているようなので興味があります

船長と呼ばれるのは好まないそうなので
そのあたりはまあ、日本人らしく適当に空気を読みましょう

無事に狩りを終えて一杯やるか
ゆっくり休むかしたい気分でしょうし
クルーのお相手は雑鬼に頼んでおきます
…「そこはお相手ではなく厄介払いと言うのではないか」?
さあ、どうでしょうね

ただ、仕事後にあまり長く引き止めても何ですし
頃合いを見てお暇しましょう
またどこかでお会いできるといいですね



●勇士の長の話
「カリムさん。少しお時間を頂いてもよろしいですか?」
「ん? 俺かい?」
 水衛・巽は頃合いを見計らい、勇士たちのリーダー・カリムに声をかけた。
 ちょうど、勇士らがドラゴンの肉で大騒ぎしているのを見ていたときの話だ。
「ええ。私はこの世界に馴染みが薄いものでして。
 なかなか豪快な狩りも行われているようですし、色々冒険をしてきたのでは?」
「なるほど、そういうことか。たしかにまあ、勇士と呼ばれるようになってそこそこ時間が経つな」
 そんなガラじゃねえんだけどな、とカリムは苦笑する。
「そうですか? 彼らの様子を見るに、あなたは慕われているようですが……」
「買いかぶりすぎだよ。他に適役がいねえからそうなってるだけさ」
 カリムは、持っていたジョッキを一息に呷った。
「……そう、俺は船長とか、そんなふうに呼ばれる資格はねえんだ。
 まるでてめえがこの世の王様か何かのように、おだてられて図に乗って、
 取り返しのつかねえ失敗をしちまったもんでな。もう、そいつで懲りたんだよ」
「…………」
 巽は、深入りを避けた。カリムの表情には深い影が落ちていたからだ。
 酒のせいで口を滑らせた、そういうことにしておく美徳も世の中にはある。

 一方で、カリムも巽の気配りを察せる程度には、まだシラフらしい。
「っと、悪いな。せっかく話を聞きに来てくれたのによ。こんな辛気臭い話じゃ聞いてる方も滅入っちまうだろう」
 カリムは自らの非礼を詫びると、給仕に言ってもうひとつ酒を頼んだ。
「代わりといっちゃなんだが、一杯奢るぜ。あんたの話も聞かせてくれや」
「私に、そうお話するようなあてはありませんが……お望みであれば」
 巽は苦笑し、首肯した。
「なに、俺からすればあんたみたいな旅人も珍しいさ。ところで」
 言いつつ、カリムはちらりと勇士たちのほうを見やる。
「あの魔物……っぽいのは、もしかしてあんたの使い魔かなんかか?」
 なるほど見れば、酔い潰れた勇士らを甲斐甲斐しく世話する雑鬼らの姿。
「ええ。今は一杯やるか、ゆっくり休むかしたい気分でしょう?」
「そういうのは厄介払いって言う気がするんだがねえ」
「さあ、どうでしょうね」
 巽は涼しい顔で、しれっと言ってのけた。この男、なかなかにふてぶてしいところもあるらしい……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レイシャン・ラディスティ
無事にガレオンドラゴンさんを討ち取れてよかったですねー
お金には興味がないのでー、宴会に混ざりますー

冷たい飲み物が欲しいですねー
冷たくなくても大丈夫ですー
ロック氷(アイスダガー)入れるのでー

食べ物はー…お魚さん貰いましょうー
サーちゃんもお魚でいいですー?
じゃあ、一緒に食べましょうー
(食事内容お任せ!)

あとは、カリムさんと適当にお話してみますー
えっと、リーダー?って呼べばいいんでしたっけー?
(内容お任せ!)



●人魚姫のゆるゆるパーティ
「はいおまちどう! この島で穫れる、クラウドフィッシュのフルコースだよ!」
「わー、ありがとうございますー」
 店主の手で運ばれてきた料理の数々を見て、レイシャン・ラディスティは相変わらずゆるーっとした笑顔を浮かべた。
「ところでー、クラウドフィッシュとはどういうお魚でしょうー?」
「名前の通りだよ。空を泳ぐ魚の一種でね、雨雲のなかを好んで住み着くんだ」
「空を泳ぐ魚……ですかー、たしかにこの世界ならそういうのもいそうですねー」
 グリードオーシャンとはまた異なる、この世界独自の生態系といったところ。
 マリネや出汁を使ったスープ、グリルなど、調理方法も多岐にわたるようだ。
「あんたたちがこの島に来る前に、かなりの群れが漁船に引っかかってね。
 きっと、あんたたちとあのドラゴンの戦いに驚いて逃げ出したんだろうさ」
「それは思わぬ幸運ですねー、それじゃあさっそくいただきましょうー。
 サーちゃんー、ご飯の時間ですよー。お魚たくさんありますからねー」
「ああ、たっぷり食べ……って、うわぁっ!?」
 レイシャンが当然のように"サーちゃん"を呼び出すと、腰を抜かす店主。
 さすがにこの世界でも、海竜のたぐいを店の中で呼び出すような客は稀である。

 そんな店主の叫び声を聞いて、勇士たちがどたどたと駆けつけた。
「おい、一体何の騒ぎ……って、なんだこりゃ」
 腰を抜かす店主と、それをよそに呑気に食事を楽しむレイシャンとサーちゃん。
「何ってー、ご飯を食べているんですよー?」
「いやいや、店の中で召喚獣出すやつがあるかよ……まああんたなら暴れるなんてこたないだろうが」
 カリムは呆れた様子で肩をすくめる。
「まあまあ、細かいことは言わずにー、よければ一緒にいかがですかー?」
「その台詞は俺じゃなく店のマスターに……って、俺もか」
「ええー、えっとー、リーダー? って呼べばいいんでしたっけー?」
 レイシャンの言葉にカリムは片眉を釣り上げ、しかし苦笑いを浮かべた。
「なぜかわからんが、お見通しらしいな。せっかくだ、ご相伴に預かるか。
 っつーか、あんたは獲物の分け前はいいのか? 報酬だってあるんだぜ?」
「わたしはお金には興味ないのでー」
「変わってるねぇ……」
 などと言いつつ、カリムは同じテーブルについた。
 しばしの間、不思議な魚料理の数々に舌鼓を打ちつつ、他愛ない話で盛り上がったという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鷲生・嵯泉
無事であれば報酬としては十分ではあるが……
幾許かの土産を持ち帰るのも悪くはない、か

適当に分けられる分の肉を幾らか貰えればいい
後は魚介が特産品ならば其方も幾つか見繕って行くか……
――肉よりも其方の方が喜ぶだろうしな
他では余り見掛けない種の物を選び、良い調理法があれば聞いておこう
腕の良い料理人を知っているから其方に任せる心算だ

遠目に見遣る、何時かの少年少女
どうやら無事に旅を続けている様だが、今の侭では何れ「手に掛かる」
……頭目に少し話してみるか
今回の件を受けて、新たな“勇者候補”が見つかるかもしれない
乗組員を募ってみてはどうか…と
あの少年が強く成りたいと望んでいるなら、見逃しはしないだろう



●ふたつの道に標が灯り
「おい、本当にそんだけでいいのか?」
 と、分け前の交渉中の鷲生・嵯泉に話しかけたのは、あちこちを見て回っている最中のカリムだった。
「……問題ない。すでに街のほうで、魚介も見繕ってもらったのでな」
 そう言って、嵯泉はがさりと袋を掲げてみせた。
 カリムが声をかけたのは、嵯泉が欲を張ったからではない。むしろ逆だ。
 嵯泉が求めた肉の量が、彼らから見た嵯泉の働きに――少なすぎるという意味で――見合っていないため、遠慮をしているのかと気遣ったのである。
「あんたは俺たちにとっちゃ命の恩人だ、もっと要求したっていいんだぜ」
「気後れをしているわけではない、そういう性質ではないものでな」
 嵯泉はにべもなく言った。彼としてはこれで十分、ということだろう。
「なら、それでいいんだがね。っつーか、ここじゃ喰わないのかい」
「腕のいい料理人を知っている。土産代わりに、そちらに任せるつもりだ」
「なるほどねぇ。まったく顔が広いな、あんたらは」
 不思議な連中だぜ、と、カリムは明るく笑って言った。

「ところで、もうひとつ気になることがあるんだが……」
「気になること?」
「いや何、あんたさっきから、ちらちらとあっちのほうを見てたもんだからよ」
 カリムの言葉に、嵯泉は短く唸った。事実だからだ。
 それを見抜かれたことと、自分が思った以上に彼らを気にしているらしいということ、それぞれに対して出たのが短い唸りだった、というわけである。
「……ああ。少々奇縁があってな」
 嵯泉は、問題の人物ら――つまり、ラシッドとアルピナに関する詳しい説明を避けた。
 彼らには彼らの旅路がある。嵯泉が気にかけているのも、あくまで彼らがこのままではザエル帝国の「手にかかる」ことを危惧してのこと。
 とはいえ嵯泉はお節介焼きではない……要らぬ気を回し、少年少女の選択と意志を邪魔したくない、という考えがあったのだ。

 とはいえ、嵯泉の見た限り、ラシッドの腕前はまだまだ未熟。
 こうして遠巻きに観察しているだけでも、迂闊を絵に描いたような気の散漫ぶりである。――早い話が、飛空艇を見て少年ははしゃいでいたのだ。
「頭目よ」
「おう」
「もしかすると、新たな"勇士"候補が見つかるやもしれん。乗組員を募ってみてはどうだ?」
「……ふうん、なるほどねえ」
 嵯泉の言葉に、カリムは意味深な笑みを浮かべた。
「なんだ、そのにやけ面は」
「いやあ、あんた仏頂面だから堅物に見えたんだが、ほぉなるほどなあ」
「だからなんだ、そのにやけ面は」
 言外に意図を察したらしいカリムは、得意げな笑みで嵯泉を見る。
 嵯泉は不服そうに鼻を鳴らしつつ、否定はしなかった。
「たしかに、うちにも新しい風が吹き込んでもいいかもな。若者ってのは、居るだけで刺激を与えてくれるもんだ。そうだろ?」
「……そうだな」
 嵯泉はもう一度、気付かれない程度に少年と少女を見やった。
 細められた隻眼に浮かぶ色は、厳しくも暖かなものである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エアリーネ・シルベンスタイン
……ふぅ……天使核も興味深いですが……ガレオンドラゴンをちょっと調べて……あ、ダメです、あの辺はもう完全に宴会の空気ですね……
(※騒がしいのは不得意)

正直考え事をしようにもわからないことだらけですね…
……仕方ないです。少量お酒をもらいつつ、こそこそと位置を変えて聞き耳を立ててますね……まず何よりこの世界の情報が欲しいですし

(《地形を利用》して《忍び足》しながら話を立ち聞きして回るが、気が付くと探索系の依頼の張り紙をぼーっと見ている)

……そういえば、もし此処が天上界なら……
あの半裸大天使はここでも「変な恰好」なんですね(真顔)
まさかそれがあの態度の理由……?(酔ってるらしい)

※アドリブ他歓迎です



●深まる謎と高まる酩酊度
「……天使核……興味深い物質ですね……」
 エアリーネ・シルベンスタインは、ちらっちらっと物陰から様子を伺う。
 何を見ているのかと言うと、ガレオンドラゴンの解体現場である。
 そこには勇士をはじめ、猟兵や街の人々が集まり、まるで建物の解体めいて協力して肉や木材を剥ぎ取っていた。
 あれほど巨大なドラゴンともなれば、解体作業はそれだけで大仕事となる。
 エアリーネとしては、この世界独自のマテリアルとでもいうべき天使核について詳しく調べたかったようだが……。
「いやーこの肉、うまいなあ! 火加減が最高だよ!」
「酒によく合いやがるぜ!」
「おーい、新しい樽持ってきたぞー!」
 と、完全に宴会モードの勇士たちの空気に気後れしていた。
「うう……あのへんはもうそういう空気ですね……出直しましょう……」
 エアリーネは、騒がしいのが不得意だった。
 しかたなく、気付かれて巻き込まれるうちに姿を消す。
 その姿はまるで、文化祭の打ち上げに混ざれない陰キャめいていた……。

 そしてエアリーネは安住の地を求め、街をさまよう。
 しかし彼女にとっては不幸なことに、街はどこもかしこもお祭り騒ぎ。
 けっきょく彼女はお酒を少しだけもらい、当て所なく歩くばかりとなった。
「もしここが天上界なんだとしたら……ずいぶん思っていたのとは違いますね……」
 ブックドミネーター、そしてすでに滅ぼされたあの大天使ブラキエルが求めていた「天上界」。
 帝竜ヴァルギリオスが自らその扉を閉ざした場所は、もっと神々しくとてつもない秘密を持つ場所に違いない……とは、誰もが考えることだ。
 エアリーネは悩む。この世界は本当に「天上界」と同一なのだろうか?
 しかし単に似た世界というには、世界の特徴からして似通っている……。
「……あ、ダメです。考え事がまとまらない……」
 ぽけーっと依頼の張り紙を眺めるエアリーネ。その頬には朱が差している。
 考え事をしながらくぴくぴ酒を飲んでいたせいか、思ったより早く酔いが回ってしまったようだ。
「あの半裸大天使が生きていたら、ここでも変な格好扱いされていたんでしょうね……いえ、まさかそれがあの態度の理由……!?」
 頭のほうにはがっつりアルコールが回っていた。お酒の飲みすぎには要注意である。
 後日、エアリーネが軽い二日酔いに悩まされたのは、言うまでもない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィクトリア・ノウェム
【SPD】
ふぅ……前よりちょっとお腹が余計に減った、です?
今は天使核よりお腹がすいたです……
どうせ今回は天使核はお金というか返済分にするので、お肉のほう多めで頼むです

(エル・セプスの事を聞かれれば)
ん。エル・セプスは勇士だった両親が特注で造ったっていう飛行艇です
それこそ幼少期から扱いは叩き込まれてるから、あの位は慣れたもの、です

……ただあれと装備だっていうガラクタを造るのにコネとか浮遊島の回収物も使ったとかで、いろんな所に借金とか払うお金があるです……

その当人達は屍人帝国との戦いで行方不明っていうけど
でも絶対見つけ出して直接「私が全部支払ってやった」って文句言ってやるです

※アドリブ他歓迎です



●子の苦労、親知らず
「ふぅ……前よりちょっとお腹が余計に減った、です?」
 ヴィクトリア・ノウェムがお腹をさすると、腹の虫がぐぅ~、と返事をした。
「ははは、あんだけ大立ち回りすりゃ当然だろ。肉、焼けてるぜ」
「ありがたいです……あ、天使核もほしいです。返済分にするので」
 カリムが竜肉のステーキを差し出すと、ヴィクトリアは受け取りつつ言った。
「返済? もしかしてその歳で借金抱えてんのか?」
「私が作った借金じゃないです」
 カリムの言葉に、ヴィクトリアはぷうと頬を膨らませた。
 他人の風評など気にしないタイプだが、金にだらしないと思われるのは心外である。
「んじゃ一体どうして……ああ、ならあの妙な飛行艇のせいか」
 ヴィクトリアはその言葉にこくんと頷いて、自らの事情をかいつまんで語った。

「……なるほどねぇ、両親揃って勇士とはまた、大変なこった」
 勇士の立場で言えることじゃねえか、とカリムは苦笑する。
「だが、そう聴くと納得だ。あの戦闘力はすさまじかったからな。
 それに、あんな飛行艇は見たことがない。よく扱えるもんだな」
「小さい頃から扱いは叩き込まれてるから、あのくらいは慣れたものです」
 ヴィクトリアは胸を張って言うが、すぐに大きなため息をついた。
「けど、そのせいであちこちに借金とか未払いのお金があるです……。
 しかもふたりとも屍人帝国との戦いで行方不明になったとか言われたです」
「だからってわざわざ全額背負うこたねえだろうに。トンズラこいても誰も責めないと思うぜ?」
「そういうのが気に入らないです」
 ヴィクトリアはきっと表情を引き締めた。
「だからふたりとも絶対見つけ出して、直接「私が全部支払ってやった」って文句言ってやるです」
「……そうかい。はは、そういうことか」
「なんですか、その含みのある言い方は」
「いやあ、別に? 見上げたもんだと思ったのさ」
 カリムはどうやら、それがヴィクトリアなりの両親を探す言い訳……理由付けだと捉えたらしい。
 真実はどうあれ、なんだか子供に見られているようでヴィクトリアはまた頬を膨らませた。
「もっとお肉よこすです、このぐらいじゃ足りないです!」
「やれやれ、食べざかりってのは大変だねぇ」
「あとその、それ! 妙に含みのある言い方やめるです!」
「へいへい」
 ふたりのやりとりは、歳の離れたきょうだいか何かのようにも思えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルヴトー・シフトマン
クラリスさん(f30400)と

終わったね……何か食べていこうか
海鮮が美味しいらしいよ
俺は地下国だから、そういうのあんまり馴染みが無いんだ
せっかくだし色々食べてみたいところだね

今日もお疲れ様 良い腕だった
やっぱり空中戦が強いっていうのは羨ましいものだね
天狼は飛行ユニットまで積むと流石に重すぎるし…
良し悪しなのかな、こういうのも

あ、このムニエルすごく美味しい
クラリスさんも食べてみてよ はい、口開けて
(自然な流れで「あーん」をするクソ鈍感野郎)
…え?そういうところってどういうところ?
ランとかローヴォにせがまれてやったりするんだけどな…
あ、サラダ食べる食べる 美味しいね

…なんか顔赤い?どうかした?


クラリス・クレスト
ルヴトーさん(f31792)と

ごはんだね。いいよ、食べていこっか
ボクもあんまり馴染みがないな
普通のご飯、特別な時しか食べないからね

そっちこそお疲れ様
びっくりしたよ、あんな動き出来るなんてさ
ん-、適材適所っていうじゃない?
その分ボクの機体は地上じゃ絶対ルヴトーさんに敵わないし
ウチの世界的にはそっちが強い方が断然――

(差し出されたフォークと相手の顔を交互に見る)
(事態を察して耳まで真っ赤になり)
(しかし含意がないことを悟る)…………いただき、ます……。

……キミさ、本当にそういうところなんとかした方がいいと思う
というか相変わらずタンパク質ばっかりだね
ほら、サラダも食べて
(別にお返し、じゃないけど!)



●そろそろ誰かこいつを一発殴ったほうがいいんじゃなかろうか
 ふたりで食卓を囲むのは、別にこれが初めてではない。
 以前のは、なぜかそれ自体が戦いだったりもしたが、今回はれっきとした戦勝会である。
「俺の国は地下にあるからさ、海鮮とかそういうのあんまり馴染みがないんだ」 ルヴトー・シフトマンは料理を待つ間、クラリス・クレストに言った。
「せっかくだし、色々食べてみたいと思って、店主さんのおまかせにしてみたよ」
「ボクもあんまり馴染みがないから、ありがたいな」
 クラリスは、そもそも「普通の食事」というもの自体が特別な手合だ。
 だからこうして囲む食卓を、彼女はとても大切にしていた。
 それを知ってか知らずか、ルヴトーは年相応の屈託のない笑顔である。

 はたして、たくさんの海鮮料理がふたりのテーブルに運ばれてきた。
 グラスに入った天然水が並ぶと、ふたりはお互いの顔を見合わせ、なんとなく吹き出し、どちらともなくグラスを手にしてかちん、と乾杯する。
「「お疲れ様!」」
 戦いのあとの食事は、この言葉で始められるべきだ。
「やっぱり空中戦が強いっていうのは、羨ましいものだね。
 天狼は飛行ユニットまで積むとさすがに重すぎるし……あの世界じゃ、なあ」
「そうはいっても、ボクびっくりしたよ? あんな動きできるなんてさ」
 と、ふたりは反省会めいて、互いの動きと働きを称え合う。
「それに、適材適所っていうじゃない? たとえばボクの期待は、地上じゃ絶対ルヴトーさんには敵わないし」
「そうかな? 案外やってみたら、また違うかもしれないよ」
「ブルーバードが壊れたら面倒だし色々困るから、試すのはちょっとなぁ」
 クラリスは苦笑した。
「……っと、いけない。こういう話も楽しいけど、料理が冷めちゃうね」
 そこではっと我に返ったルヴトーは、いそいそと目の前の料理に手を伸ばす。
 なんとなく彼が手につけたのは、ほくほくと香り立つ美味そうなムニエルだ。
 もちろん使われている魚は、島の水域に生息する魚らしいものもあれば、
「空域を住処として空を"泳ぐ"」という、この世界独自の生態系の魚もいる。
「……あ、このムニエルすごく美味しい! 脂が乗ってるのにさっぱりしてる」
「そうなんだ?」
「ほら、クラリスさんも食べてみてよ」
「へ?」
 目を点にするクラリス。……に、ルヴトーはフォークを差し出す。
 当然その先端には、ムニエルの一部が刺さっているわけで。
「え、あ、いや」
「ほら、口開けて」
「ええ……?」
 クラリスは差し出されたフォークとルヴトーの顔を交互に見た。
 ルヴトーはというと、満面の笑みを浮かべ、「ほら」と言うばかり。
 自分が何をしでかしているのか、一切わかっていない。クソ野郎である。
 だってプレイングにそう書いてある。だからこちらもそう書いて問題ない。
 先駆けで自分の姿を顧みてみろこの鈍感野郎! 一発殴られろ!

 閑話休題。
「…………」
 クラリスはさすがに耳まで真っ赤になった。
 が、ルヴトーの少年めいた笑顔から、含意がないことはあきらかである。
「………………いただき、ます……」
 と観念し、一口。……味が正直よくわからない。恥ずかしくて。
「どう?」
「……キミさ、そういうところ本当になんとかしたほうがいいと思う」
「え、味は!? そういうところって……???」
 ランとかローヴォにはせがまれてよくやってるんだけどなぁ、とひとりごちる鈍感クソ野郎。
 クラリスははぁ~、ととても深刻なため息をして、サラダにぶすっとフォークを突き刺す。
「というかキミ、相変わらずタンパク質ばっかり。ほら、野菜も食べて」
「あ、食べる食べる。あーん」
「…………」
「ん、美味しい……って何? どうして睨むの!?」
 まあとりあえず、楽しそうなのでなによりではあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!

―――意志持つ飛空艇、自称”世界一の運び屋”ミレニアムドラゴン号の商売

ああん?なんですぐに換金しないのかって?
いいかい坊ちゃん?ものには時と場所ごとの需要と供給ってものがあるんだ
こいつを俺の知ってる密輸筋に流せば2,3割…いや5割増しで売れらあ
っておい聞けよどこ行きやがる!知り合いでも見つけたのか?ああ…

フムン
やっぱりどうにも厄ネタの匂いがしやがるなあ…だが厄ネタには儲け話も着いて回るもんだ
儲けのためだ、別にあいつらが気に入ってるからとかじゃねえぞ、うん
あいつらがあの船に乗るならちょいと付き合ってみるか
黙れクソガキ!てめえから身代を買い戻すためだ!それだけだ!



●ミレニアムドラゴン号、新たな航路を選ぶ
「ねーねー、なんで素材売らないの? ねえなんで?」
『ああん? なんだ妙に食いついてきやがるじゃねえか』
 ロニ・グィーのしつこい質問に、意志持つ飛空艇ミレニアムドラゴン号はうんざりした様子で、しかし得意げに答えた。
『いいかい坊っちゃん? ものには時と場所ごとの需要と供給ってものがあるんだ』
「ふんふん」
『こいつを俺の知ってる密輸筋に流せば、2か3割……いや5割増しで売れらあ』
「ふーん(もう飽きてきてる)」
『もちろんそこは俺様の交渉術の出番よ! これでも交渉術には自信が』
「あ、あのふたり! こんなところにいたんだー!」
『っておい聞けよ! お前から振って来たんだろ! おいこのクソガキ!!』
 ロニは自由だった。

 ところで、ロニが何に興味を惹かれたかというと。
「ラシッド、ね。あれ」
「え? ……あ!」
 言うまでもなく、それはラシッドとアルピナだった。
「やーやー、奇遇だねー! 相変わらずボーイミーツガールしてるー?」
「べ、別にそんなのでは……!」
「そのせつは、おせわになりました」
 顔を赤らめてキョドるラシッドをよそに、覚えたての単語でぺこりとお辞儀するアルピナ。
「いやいやー、ボクは何もしてないしねー」
「お、おほん……いえ、でもお世話になったのはたしかです。また会えるとは思いませんでした」
 ラシッドたちは、ロニとミレニアムドラゴン号のおかげで島を出ることが出来た。短い間ではあったが、ミレニアムドラゴン号での生活は、彼らが自活する上で大きな助けになったと言える。
『ったくクソガキ、ちょこまか動きやがってよぉ』
 と、そんな三人のところへ、そのミレニアムドラゴン号がぬうっと飛んできた。
「飛空艇さんも、おせわになりました(ぺこり)」
『おう、こっちのガキは礼儀正しいな! ……フムン』
 ミレニアムドラゴン号はなにやら考え込むような間をおいて言った。
『お前ら、もしかしてあの船に乗るつもりか?』
「えっ? それは……」
 ミレニアムドラゴン号の言葉に、ラシッドはどう答えたものかあぐねた。
 本音を言えば、勇士となってエルウィング号に乗りたいという気持ちはある。
 しかし答えを待つどころか、まだ彼らはカリムにコンタクトさえ取っていない状態である。
『もしもお前らがあの船に乗るなら、そいつに付き合ってみるのも吝かじゃないぜ』
「おー! それいいね、面白そう! ていうかさー、キミけっこうお節介じゃない?」
『黙れクソガキ! てめえから身代を買い戻すためだ! 厄ネタには儲け話もついてまわるんだよ!』
 途端に言い争い(主にミレニアムドラゴン号が噛み付いているだけだが)を始めたふたりの様子に、ラシッドは苦笑しアルピナは首を傾げた。
 だがミレニアムドラゴン号の何気ない言葉が、迷っていたラシッドの背中を押すことになったのはたしかである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジャガーノート・ジャック
★レグルス

(竜狩りは大小含め君とそれなりにやってきた。
斯様な宴のようなものは、それほどは多くなかったが。)

(ザザッ)
此処までの乱稚気騒ぎは久しいな。
余り酔いどれるなよ相棒――ダメだな、割と手遅れか。

――ん。

(アイサイトの片隅に、既知の顔を捉えた。)

ラシッド、それにアルピナか。
二人とも健勝なようで何よりだ。

――そうか、船を。ふむ。
カリム。竜狩りの謝礼の話だが――
物品の代わりに、この子らを船に乗せてやってくれないか。
どうだろう。

ロク、声が大きい。
もう少しボリュームを下げなさい。
――だが、そうだな。
空を飛べばまた話の種も多く産まれよう。
次は是非、君達の冒険譚を聞かせてくれ。(ザザッ)


ロク・ザイオン
★レグルス
いい…いさなとりだった…
(くじらが揚がれば港を潤す、ここに実りが満ちている
森番、心置きなくふわふわする)

ジャックはな。
鎧だと…食べてもふわふわしちゃうから…
(前に「夢の中で食べてる感じ」って言ってたから…)
おみやげをしてあげよう。
な。カリムが好きなのくれる。
な。
おれが灼いてやろう。
酔ってない。まだいける。

あー(声がでかい)
ラシッド! アルピナ!
次に会ったら、旅の話をして、って、言った。
なあ。しなさい。
カリムもするといいよ。すごくやるやつで、いいやつだ。
な。
ラシッド。アルピナ。
この船に乗ったら、おれにもっと、たくさんの話をしてよ。



●出会うたび道は伸びていく
 ふたりの狩猟は、もっぱらささやかな祝いで幕を閉じる。
 こうまで騒がしい宴というのは、レグルスのふたりにとっても稀なことだ。
「いい……いさなとりだった……」
 相変わらず「くじら」扱いをしているロク・ザイオン。ふわふわしていた。
 酒。酒はよい。実りの証、安寧の明示。ひとが笑顔でいられる雫。
 誰も彼もが楽しそうで、笑顔で、だから船番もにこにこと嬉しそうだった。
《――あまり酔いどれるなよ相棒……ダメだな、割と手遅れか》
 ジャガーノート・ジャックの電子音声は、割と呆れを含んでいた。
 まあ相棒も、いい加減節度を覚え……覚えた? ほんとに?
 ちょっとこちらも不安になったが、まあ俗世に慣れているのはたしかなはず。
 少し目を離すとふらふらどっかに風船みたいに飛んでいきそうだが。

「ジャックはな」
《――なんだ》
 その酔っぱらいが、なんか言い出した。
「鎧だと……食べてもふわふわしちゃうから……な」
《――急になぜ本機を慮った? 飲みすぎるなと言いたいだけなんだが??》
「わかってる。おれにまかせろ」
《――不安しかないのだが》
 紛れもない本音である。
「な。カリムが好きなおみやげくれるから」
「よーうあんたたち、ご苦労さえっ!?」
 やってくるなり名指しで無茶振りされて、勇士は超焦った。
「な」
「いや何の話だよ!? つーかなんだ、もう酔ってんのかこれ」
 カリムがロクを指差すと、ジャックはこくりと頷いた。
《――酔っている》
「酔ってない。まだいける。おれがおみやげ、灼いてやるから」
《――酔っているし、ここで得物を取り出すな。烙炎を出すな。ロク。ロク!》
 ダメだった。

「「あ」」
《――ん》
「あー(クソデカボイス)」
 そんな騒ぎをしていると、このふたりも当然引き寄せられてくるわけで。
 うるっせえ酔っ払いはさておいて、ジャックはふたりの前に歩み出た。
《――ラシッド、それにアルピナか。ふたりとも健勝なよ》
「ラシッド! アルピナ! 旅の話を、なあ、しなさい(クソデカボイス)」
「えっ!?」
 ぐいっと相棒を押しのけて出てきた酔っぱらいに気圧されるラシッド。
《――ロク》
「次に会ったら、するって、言った。だから、しなさい(クソデカボイス)」
「え、い、いや、そんなお話するようなことはあんまり……」
《――ロク》
「いいから、しなさい(クソデカボイス)」
《――ロ・ク》
 ぐいー。障子破る猫を引っ張り戻すみたいに首根っこを掴むジャック。
「んぃー(じたばた)」
《――相棒が邪魔をした。ふたりとも健勝なようでなによりだ》
「あ、いえ……といってもこれからどうするかは、まだ決まってないんですが」
「……船をね、捜していたの」
 苦笑するラシッドに割り込んで、アルピナが言った。
《――船を?》
「船はいい。くじらも穫れる」
《――ロク》
「くじら?(首をかしげるアルピナ)」
「話がどんどんこじれますね!? だからええと、勇士になりたくて……」
《――なるほど》
 話の筋道を理解した出来るレグルスことジャック、カリムを見る。
《――カリム。竜狩りの謝礼の話だが……》
「物品の代わりにこいつらを乗せてくれ、だろ? そういう話になると思ったぜ」
 カリムは苦笑する。ほかの猟兵にも、それとなく彼らを船に乗せようとする者たちがいたようだ。
「どういう奴か気になってたが、この感じだと見どころはありそうだな。
 なにせ、あんたらが目をかけるんだ。それだけの理由があるってことだろ?」
《――ああ。あのザエル帝国とも因縁がある身だ》
「なるほどねぇ……それならなおさら、ウチで鍛えてやるか」
 カリムはじろりとラシッドとアルピナを……特に少年を値踏みした。
「もちろん、船員として働いてもらうことにはなるがな!」
「い、いいんですか!? もちろんです、やらせてください!」
「……いっしょに、がんばる(ぐっ)」
 そんな様子を見て、ジャックは感慨深げに頷いた。
《――空を旅すれば、話の種も生まれよう。次はぜひ冒険の話を》
「カリムも旅の話、するといいよ。すごくやるやつで、いいやつだから。な」
《――ロク》
「みんなで旅の話をするといい。しなさい(クソデカボイス)」
《――ロク。声のボリュームを下げなさい》
 誰ともなく笑い声があがり、きょとんとする森番を囲んでしばし歓談が始まったという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月凪・ハルマ
宴も悪くないんだけど、俺としては勇士たちの
飛空艇の状態が気になってるんだよね
なんせあれだけ無茶な戦いをこなしたんだからな

なのでカリムさん始め、勇士の人達が良ければなんだけど
俺にも飛空艇の整備・修繕を手伝わせてもらえないだろうか

飛空艇の構造は基本的なことなら習得済みだし、
手伝わせてもらえるなら技術者として相応に
役に立つことはお約束できますよ

まぁもちろん、無理にとは言わないけど
飛空艇に関して、俺自身の興味が大きいってのも理由のひとつだし

あと俺としては物理的な報酬より飛空艇に触れて、知識や技術を
得られる方が嬉しいというか
今後の俺自身の戦いに関しても何か活かせるかもしれませんしね

※アドリブ・連携歓迎



●次の戦いのため
「しかし……変わってるねぇ、あんた」
「ん? 何がですか?」
 カリムはきょとんとした様子の月凪・ハルマに言った。
「いや何、好きに食って騒いでいいって時に、飛空艇の整備したがるなんてよ」
「ああ……たしかに、好んでしたがる人は少ないでしょうね」
 ハルマはそう言いつつ、トンカチを振るって破損箇所を塞いだ。
 猟兵たちの介入で勝利したとは言え、被害が皆無だったわけではない。
 エルウィング号はけっこうなダメージを受けており、こちらも人手が必要だ。
 ハルマは船の状態が気になり、整備修繕に名乗りを上げた、というわけである。

「ただ……なんでしょうね」
 ハルマはエルウィング号の装甲を指で撫で、目を細めた。
「飛空艇に関して、興味があるっていうのもありますし、知識や技術も欲しい。
 でもそれだけじゃなくて……この船がどんな船なのか知りたかったんですよ」
「どんな船か? そりゃどういう意味だ?」
「うーん、言語化が難しいですね」
 ハルマはなんとも言葉にしづらい様子で首を傾げた。
 ヤドリガミであるがゆえか、ハルマはこの飛空艇がどんな船か――もう少しセンチメンタルな言い方をすれば、どんなふうに使われてきたのか、に強い興味を抱いた。
 そしてこうして手を入れてみて、よくわかる。この船は愛されていると。
 ハルマはこの世界のテクノロジーに関してまだ素人に毛が生えた程度だが、
 こいつは最新鋭の船ではあるまい。性能も、眼を見張るほど高いわけではない。
 それでも大切に、そして頼れる相棒として勇士たちが親しんできたのだと、
 飛空艇の状態と……同じように整備作業に励む勇士たちを見ていればわかった。
「ま、けっきょくはあれです。今後の俺自身の戦いのため、ってわけですよ。
 だからあんまり気負わないでください。ギブアンドテイクってやつですから」
「それならいいがね。けど、ありがたいのはたしかだぜ」
 カリムは言った。
「次の戦いのため……俺らもそいつは肝に銘じておかないとな」
 その横顔をしばし見つめ、ひとつ頷き、ハルマは整備作業に意識を戻した。
 得られたものを忘れないように、心を込めて丁寧に。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳴宮・匡
可能なら、少し肉を分けてもらうかな
あとは、宴会に参加してる人達に少し話を聞こうかと思ってる
ドラゴンの肉、調理したこととかないし
……あとは、それ以外の料理の話とかも

あ、ムルへルベル
……あ、見てた?
恥ずかしいとこ見られたな
ちょっとこの間、少しだけ、あー
(……友達? いや、まだ友達か、うん)
友達と、話したんだけど

諦めたくないものが増えていってさ
欲しいもの、なくしたくないもの、行きたい場所
生きたい道、も、ひとつじゃなくなって

どうするか、決めてはないんだけど
……いつか、のことを、ちょっとだけ考えても
いいのかもって

いや、そんな話はいいか、ごめん
……なんか飲もうぜ
今日は、まあ
一杯くらいなら付き合えるから



●いつかの話
「……でだ、そのドラゴンが何を主食にしてるかで味付けがけっこう変わるんだよ。
 あんたらが狩ったガレオンドラゴンの場合、肉質が硬いから下ごしらえを丁寧にやるのがコツだろうねぇ」
「ふうん、なるほど……塩の種類とか、おすすめのはある?」
「いい質問だね! ちょうどこないだ仕入れた岩塩がおすすめだよ!」
「じゃあ、そいつをもらおうかな」
「毎度!」
 鳴宮・匡は気前よく代金を支払い、店主に礼を言って踵を返した。
「ん」
「おお」
 そこでようやく、顔なじみの存在に気付く。ムルヘルベルだ。
「……もしかして、見てた?」
「まずかったか? いや何、熱心に聴き込んでいたので声をかけそびれてな」
 少年めいた賢者がそう言うと、匡はぽりぽりと頭をかいた。
「恥ずかしいとこ見られたな……」
「ずいぶん張り切っていたようではないか。まあオヌシの料理の腕はワガハイもよく知るところだが」
 ムルヘルベルも、匡のことを知らぬ仲ではない。
「何か他に要因があるとみえる。んん?」
 などと、にんまり意味深な笑みを浮かべて探りを入れてみる。
「……ちょっとこの間、少しだけ……あー」
 と、匡は言葉を選ぶような間を置いた。
「友達……と、話したんだけど」
「友達。ほう、友達か」
「……なんだよ、その妙な感じは」
「いや? オヌシにしては珍しい間があったなあ、と思ったまでのこと」
「…………」
 その間に匡が考えていたことはというと、
(……友達? いや、まだ友達か、うん)
 という、言葉にしてたら絶対根掘り葉掘り聞かれていること必至なものだった。

「まあ、そうだよ。とにかくその友達と話してさ」
「うむ」
「……なんていうんだろうな。諦めたくないものが増えていった、っていうか」
 匡は思いついた感情を言葉にするかのように、たどたどしく言う。
「欲しいもの、なくしたくないもの、行きたい場所、生きたい道……も、ひとつじゃなくなって、それで……」
「……それで?」
「どうするか、決めてはないんだけどさ」
 ムルヘルベルは無言で先を促す。急かしはしなかった。
 しばしの間――今度は言葉を選ぶものとはまた違う雰囲気があった――を置いて、匡はぽつりと言った。
「……いつか、のことを、ちょっとだけ考えても、いいのかも、って」
「…………なるほどな」
 ムルヘルベルは相変わらず薄く笑っていたが、それはさっきまでのからかうような面白がるようなものとは違う、微笑みと呼ぶべきものだ。
「よいではないか。ワガハイはオヌシからそういう言葉が出たことが感慨深いし、とても喜ばしいことだと思うぞ? 匡よ」
「……ん」
「ほう。オヌシひょっとして照れておるか?」
「いや照れてない」
 食い気味に匡は言った。
「つーか、そんな話はいいんだ。なんか急に、ごめん」
「何を言うか。オヌシがそう思うに至った話をワガハイはぜひとも詳しく聞きたいところであるなあ」
「絶対言わないぜ。面白がってる顔だろそれ」
「ははは。わかってしまったか」
「ったく……」
 匡はまた頭をかいて、嘆息し、そして言った。
「……なんか飲もうぜ。今日は、まあ、一杯くらいなら付き合うよ」
 そんな提案に、今度こそムルヘルベルは目を丸くして瞬かせた。
「本当に珍しいこともあるものだ。では、オヌシの気が変わらないうちにその提案に乗るとしようか」
「ん」
 そうしてふたりは肩を並べ、酒場へと歩いていく。
 肝心の酒の席はどうだったかというと、案の定ムルヘルベルがあれこれ聞こうとして匡を呆れさせた、というのは間違いなかったようである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ケンタッキー・マクドナルド
◆フェルトと

……。(ヒック)

(匂いだけで酔うレベルの超絶下戸妖精、天使核に惹かれて遅れて来たは良いが周りで酒盛りしてたのが悪かった。)

……。
お前 フェルト
前から思ってたけどよ……
(でろでろに酔っているし場所とかは考えず恋人を膝上に乗せてる)
めっっっちゃいい匂いするな……??
(なんなら抱きしめたうえで鼻から深呼吸する)
俺もう今日はこォしてるだけでいいわ ダメ?なンで……
ダメか……そうか……
じゃあキスすっか

あ?これもダメ?
なンだよいつもなら二つ返事だしこないだ寝起きに俺が頬にした時ァそっちじゃなくてするなら口にしてっつってたじゃ……ン、
(口閉じろと言われた。仕方ないから従う。)

……。
(黙ってろと言われたので静かにするけど動くなとまでは言われてない。ひょいと取った手の甲・頬にキスして
次は首筋にキス……する前に頬をつねられる。)いて。

(少し不満げな顔ののち、一度フェルトを膝から下ろし、今度はフェルトの膝に自分の頭を乗せて、ちょいちょいと自分の頭撫でろとばかり指さす。)

…………ン。


フェルト・フィルファーデン
◆ケンと
(ケンと合流できたものの、既に出来上がっており)
もう、ケンったら……またなのね?
それでね、ほら、ここ人目に付くから……その……
(いつの間にか膝の上に乗せられている)(抵抗はしないし悪い気もしないが恥ずかしい)

……ふぇ!?に、匂い!!?
(ちょっと待ってさっき戦ったばかりなのに!?大丈夫?汗臭くない?)
だっ、ダメよ!?帰った後ならいくらでも好きにしていいけど今はダメ!とにかくダメっ!!

……き、キス?そ、それも、今は――
――ケン!?ちょっと待ってケン!?確かに言ったけど!?
あのそのキスしたくないわけじゃないのよむしろ5つ返事でOKしたいしやっぱりキスするなら唇がいいし今もすごく……もう!何言わせるのよ!とにかく口閉じて!
(顔真っ赤)

あっ、み、皆さまごめんなさいね?大声出しちゃってぇっ!?
(不意打ちであちこちキスされた)
―――!?!!?(抗議の弱頬引っ張り)

もう、ケンったら……えっ?膝枕?ええ、それくらいなら……
(膝の上に乗せ、頭を優しく撫でて)
……帰ったら、いっぱいキスしてあげるわね?



●最後のリプレイはヤマもオチもないイチャイチャでお送りします
「…………ひっく」
 ケンタッキー・マクドナルド、やってきて5分でもう目が据わっていた。
 なにせ彼は、酒を飲むどころか匂いだけで酔っ払う超絶下戸妖精である。
 いやまあそもそもまだ19歳なので飲めないのだが、とにかくアルコールに弱い。もうめちゃくちゃ弱いし、その結果がごらんの有様だよ。
 天使核を手に入れるどころか、フェルト・フィルファーデンを探すのもままならないレベル。
 そこら中で行われる酒盛りもなお悪かった。どうして来てしまったんだ……!

 で、そんなケンタッキーをようやく見つけたフェルト。
 呆れた顔ではぁ~、とため息をつき、弱った蚊みたいな危なっかしい飛び方をしている彼を抱きとめてやる。
「もう、ケンったら……またなのね? お水、飲む?」
「ん、問題ねェ……俺は酔っ払ってねェからよ」
「酔ってる人ほどそう言うのよ! ほら、とにかく降りましょう?」
 ちいさなフェアリーのカップルは、ひらひらと空いたテーブルに降り立った。
 フェルトは給仕に水を持ってきてもらおうと手を挙げるが……。
「…………」
「ひゃっ?」
 その手を、ケンタッキーががっと掴み、ぐいっと身体を抱き寄せた。
「なあ、フェルト、お前よ」
「な、なあに、ケン? 急に……」
「俺ァ前から思ってたんだけどよ……」
 そしておもいっきり、ケンタッキーがフェルトに顔を近づける。
 酒臭い……ということはないが、恋人の顔が近い! フェルトは真っ赤だ!
 ついでにケンタッキーも真っ赤だ! こっちは酩酊してるからですね。
「ちょ、待って、ケン! こ、ここ酒場よ? 周りに勇士の人たちが……」
「お前ってめっっっ…………ちゃいい匂いするな……???」
「……ふぇ!? に、匂い!!?」
 ケンタッキー、恥ずかしがるフェルトを躊躇なく膝上に乗せる。
 そしてぎゅーっと抱きしめて、おまけにすんすん鼻を鳴らす始末である。
 普段の尖った俺様神様っぷりを知る人間が見たらどう思うことか。
 別にそんなのを知らなくても、周りの皆さんはめっちゃ生暖かく見ていた。
(ちょっと待ってさっき戦ったばかりなのに!? 大丈夫? 汗臭くない?)
 フェルトもフェルトで考えがトんでいた。おい大丈夫かこのふたり。

 が、さすがにフェルトはシラフだ、周りの視線に気付いて我に返る。
「だっ、ダメよ!? 帰ったあとならいくらでも好きにしていいけど!」
 と、慌てて言った。

 へぇ~、帰ったあとならいくらでも好きにしていいんですか~。
 好きにしていいってどのぐらい好きにしていいんでしょうかね?
 気になりますね解説の高田さん! ええとても興味深いところです。
 これは目が離せませんよ。実況は私……私は誰? 私は……アーッ!(消滅)

 どこか遠くの多元宇宙から混線があったようだが、閑話休題。
「……ダメなのか?」
「ダメよ! 今はとにかくダメっ!」
「ダメか……そうか……」
 必死の抵抗に、ケンタッキー、しょんぼりしつつも頷いた。

「じゃあキスすっか」
「!?」
 こいつ、諦めてねえ! 「じゃあ」で出る言葉ではねえ!
 予想外の押せ押せモードに、フェルト、首まで真っ赤にして慌てる。
「……き、キス?」
「キス」
「魚のじゃなくて……?」
「違ェ。Kissだ。いいよな? するぞ」
「ま、ままま待って! そ、それも、今は……」
「あ? これもダメ?」
 さすがにケンタッキーは癪に障ったようで、不機嫌そうな顔になる。
「なンだよいつもなら二つ返事だしこないだ寝起きに俺が頬にした時ァそっちじゃなくてするなら国してっつってたじゃ」
「待って待ってケンあのそのキスしたくないわけじゃないのよむしろ5つ返事でOKしたいしやっぱりキスするなら唇がいいし今もすごくってそうじゃないのよ何を言わせるのよ口を閉じて!?!?!」
「ン」
 なんだかんだ言われたとおりにするあたり、聞き分けはいい。
 ところでその話もう少し詳しくいいですか? ダメ? ダメならピンナップを頼んで頂くしかないんですが、そこはよろしいですか? 挿絵申請お待ちしてます。

 閑話休題(2回目)
「あっ、み、皆様ごめんなさいね?  大声出しちゃって! うふふふ!」
 ガン見している皆さんの生暖かい視線に愛想笑いで応えるフェルト。
 恥ずかしい。超恥ずかしい。しかしこの酔っぱらいをまずはどうするかとか考えてたら不意打ちでキスをされた!
「――――!?!!?」
 口を閉じろとは動くなとは言われてない、みたいな顔で唇を奪うケンタッキー。周りの勇士の皆さんは、「おぉ~」と感嘆の吐息を漏らした。
「~~~~~~~っ!!」
「いて」
 そんなフェルトはきゅっと(弱々しく)頬を引っ張って、ケンタッキーを押しのける。押しのけられたほうの酔っぱらいはというと、少し不満げな顔をしつつも離れてやり、フェルトを膝から下ろす。
「も、もう、ケンったら! 状況を理解して……あぇ?」
 すると酔っぱらい、今度はフェルトを座らせてその膝に頭を乗せる。
「ン」
「……えっと、もしかして膝枕してほしいのかしら……?」
「ン」
「はあ、本当に自分勝手なんだから……」
 などと嘆息しつつ、お姫様、優しく頭を撫でる。
「……帰ったら、いっぱいキスしてあげるわね?」
「…………ン」
 そうしてようやく、酔っぱらいは目を閉じた。

 なお、この様子は、集まっていた勇士の皆さんはもちろん、普段ふたりの力を頼りにしているグリモア猟兵にも、一度命を救われた少年と少女にも、あと今回手助けしてもらった勇士のリーダーにも、なんなら街の皆さんにもバッチリ目撃されていたそうである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年09月20日


挿絵イラスト