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飛び出す!黄金の手!

#アルダワ魔法学園 #猟書家の侵攻 #猟書家 #書の悪魔ダンタリオン #迷宮大図書館

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#アルダワ魔法学園
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#猟書家の侵攻
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#猟書家
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#迷宮大図書館


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●黄金の侵食
 アルダワ魔法学園にて起きた戦争『アルダワ魔王戦争』の中で発見された施設の一つ『迷宮大図書館』……。
 そこでは学生や教師達による調査が現在でも進められていた……。
 が……。

 まだ彼らが知らない場所にてある書物の一冊に何者かが融合を果たした。
 その正体は『猟書家』……『書の悪魔ダンタリオン』は一冊の書物を手に取り見ていく。
「あら?この書物はなかなか使えそうなものですわね?」
 そう言うと、取り出した禍々しい卵……『災魔の卵』をその書物へと沈めていき、近くの目立つような場所に置いていく。
「ふふ……」
 ほくそ笑むダンタリオンはその場を後にした。
 その置かれた書物の表紙には黄金の両手が描かれていた……。

 時間はかなり進み、その書物は調査する者達に回収され……。
 学園内にて……。
 一人の学生がいざ調べようとした書物……それはあの『災魔の卵』を埋め込まれた書物。
 開いた瞬間、その中から黄金の手が複数出現したのだ。
「え?何これ……!?」
 黄金の手は書物を開いた学生を鷲掴みにすると、瞬く間に身体は黄金へと変わってしまう。
「ひっ……なにあれ!?」
「にっ……逃げろぉーー!!」
 その様子を見た他の学生達は逃げようとする……が、現れた黄金の手は仲間を呼び出し、周りにいた学生達を捕まえ、黄金へと変えていく。
 次第に学園全体が黄金の宝物庫へと変わり果てるのも時間の問題だった……。

●飛び出し注意!
「みなさん!アルダワ学園が大変な事になっています!」
 ミネラル・トーリア(蝋成分100%のブラックタール・f25607)は慌てつつも、その大変な事について説明を始める。
「猟書家『書の悪魔ダンタリオン』が『災魔の卵』をとある書物に埋め込みました」
 目的は魔導蒸気文明の災魔化であり、手始めに卵を埋め込まれたとある書物は『黄金の守護者『ミダスハンドゴーレム』』と言われる災魔についての書物である。
 その災魔は触れた者を黄金に変える他、同じ固体を呼び出したり黄金化の波動を浴びせたりする恐ろしい災魔である。
 埋め込まれた書物と気付かず、学生達に回収されてしまう。
 そして、学園内にて学生が開いた瞬間、『ミダスハンドゴーレム』が具現化し、周りの者を黄金像に変えて暴れ回っているようだった。
「このままでは学生達どころか……学園が全滅する恐れがあります、早急に対処をお願いします」
 学園内では立ち向かおうとしている学生もいるため、協力を得て具現化した災魔の群れを撃退するのが第一の目的。
「その次に『迷宮大図書館』へ行き、猟書家を倒してください」
 猟書家『書の悪魔ダンタリオン』は強力な相手である。
 尻尾で強力な攻撃をしたり、魔導書でユーベルコードを跳ね返すといった事もできるため油断はできない。
「それでは転送の準備をします、学園が黄金の宝物庫と化す前に……」
 再度ぺこりとお辞儀をし、転送する準備に取り掛かった。


もちもち大福
 おはこんばんちは!今日ももちもち!もちもち大福です。
 アルダワ幹部シナリオ3作品の第二弾となります!
(年内に完結できない予感…!)

 幹部シナリオのため2章構成となっております。
 プレイングボーナス……学生達と協力する(学園や迷宮の地理には詳しいです)
 この事件に立ち向かおうとする学生達と協力して災魔の群れをやっつけます。
 猟兵に敬意を抱き、従ってくれるため、上手く指示して事件に対処しましょう!

 1章は集団戦『黄金の守護者『ミダスハンドゴーレム』』(テフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)の宿敵)との戦い。
 上記にも書いてある通り、学生達との協力を得て一掃してください。
 ただし、触れられるだけでも黄金化の呪いが侵食するため捕まらないように……。
 2章はボス戦『書の悪魔ダンタリオン』(ラウラ・クラリモンド(ダンピールのマジックナイト・f06253)さんの宿敵)との戦い。
 猟書家幹部であるため油断しないよう……。

 いつもの通りやられ前提のプレイングも問題なく採用します!
(仮に黄金化されてしまっても次章・終了時にはなんやかんやで戻ります)
 それでは、みなさまのプレイングをお待ちしております!
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第1章 集団戦 『黄金の守護者『ミダスハンドゴーレム』』

POW   :    ミダス・キャッチ
【掴み取りによる拘束】が命中した対象に対し、高威力高命中の【黄金化の呪い】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    ゴーレム・コール
【もう一体のミダス・ゴーレム】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    ゴールド・ウェーブ
【本体】から【黄金色の波動】を放ち、【黄金化】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:小日向 マキナ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達が転送された先……アルダワ学園。
 どこを見ても学生達を模した黄金像が立ち並んでいるが、それらは元々本物の学生達が災魔によって黄金化してしまった姿だ。
「あっ……猟兵の皆さん、お待ちしておりました!」
 そんな災魔の魔の手から逃れた生き残りの学生達が猟兵達の到着を待っていた。
「私達にできる事であれば何でもします……!」
 彼らを上手く指示を出し、この戦況を有利に動かさなければならない。
 学園内にはミダスハンドゴーレム達が獲物を探すかの如く彷徨っている。
 災魔達からアルダワ学園を取り戻す戦いが今始まった!
祝聖嬢・ティファーナ
WIZで判定
*アドリブ歓迎

『フェアリーランド』の壺の中から風/光の精霊,聖霊,月霊,戦乙女,天使,英霊を呼んで“七色金平糖”を配って試しに『クリスタライズ』で姿を隠して『エレメンタル・ピクシィーズ』で属性攻撃を『神罰の聖矢』で聖攻撃を仕掛けます☆
敵の攻撃を『月世界の英霊』で空間飛翔して避けて『月霊覚醒』で敵のUCを封印/弱体化させます♪
機会を見て『精聖月天飛翔』でWIZを強化して『叡智富める精霊』+『神聖天罰刺突』で苛烈な猛攻を仕掛けます!
『グレムリン・ブラウニー・ルーナ』で本棚の帆を飛ばしてぶつけたり、本を山積みにして行く手を防いだりとイタズラで援護サポートをして“七色金平糖”を受け取ります



「とーちゃーく☆」
 大変な状況になっているアルダワ学園に転送された祝聖嬢・ティファーナ(フェアリーの聖者×精霊術士【聖霊術士】・f02580)がふわりと浮かび飛んでいく。
 そして周りを見渡す……どこを見ても黄金像と言う名の犠牲者しか見えない状況だ。
 人間・ドラゴニアン・ケットシー……さらにはミレナリィドールでさえ金色に輝く黄金の像へと変わり果てていた。
 皆何かに怯えたり恐れたり、様々な表情を焼き付けており、一部は大きな手のようなものに掴まれた跡を身体に残したまま転がっていた。
 普通に考えれば異常な光景……ティファーナをはじめとした猟兵達はその状況を収束しに来たのだ。
「よし……準備をしようね☆」
 ユーベルコード【フェアリーランド】の壺を使って風/光の精霊・聖霊・月霊・戦乙女・天使・英霊を呼び出していき、いつも通りに【七色こんぺいとう】を各々に配っていく。
「今回は試したいことがあるの☆」

 とある教室の一室……こちらも変わらず黄金像がちらほら見られる。
 そんな中にミダスハンドゴーレムが生き残りを探しており、誰かが来てしまえば災魔達に襲われ……教室に置かれている黄金像の仲間入りとなるだろう。
 既にここは自分達の場所と言わんばかりに居座る災魔の一体に魔法の矢と天からの光を浴びせられ、耐え切ることはできず消滅する。
「とおっ☆」
 どこからともなく現れるティファーナ、実は試しにユーベルコード【クリスタライズ】によって皆と一緒に姿を隠していた。
 災魔のいる場所までたどり着き、奇襲と言う形で【エレメンタル・ピクシィーズ】による属性攻撃と【神罰の聖矢】による聖攻撃を仕掛けてきたのだ。
 一体を仕留められたミダスハンドゴーレムは臆せずにティファーナ達を黄金像にしようと突っ込んでいく。
「わわっ!危なーい☆」
 そう言いながらも余裕そうなティファーナは掴みかかる災魔をユーベルコード【月世界の英霊】によって空間飛翔して軽く回避する。
 ……そもそも彼女は小さく、大きな手であるミダスハンドゴーレムにとって彼女を捕らえる事は困難を極めていた。
 さらにはダメ押しに【月霊覚醒】を黄金の手にぶつけていき、相手のユーベルコードを封印・弱体化させていく。
 しかし、黄金化の脅威が完全に去ったわけではなく、躍起となった大きな手の攻撃に彼女も油断せず捕らわれないよう回避に専念する。
「そろそろかな……?☆」
 なかなか捕らえることができず、苛立ちを感じたのか拳で地面を叩きつけている。
 機会が巡って来たティファーナは【精聖月天飛翔】による強化の後、【叡智富める精霊】と【神聖天罰刺突】のコンボを決めていく。
 彼女の苛烈な猛攻に流石の堅い黄金製の手は封印や弱体化の影響もあってか、いとも簡単に粉々に打ち砕かれていく。
 その上、【叡智富める精霊】の効果によって同じミダスハンドゴーレムへの攻撃力が上がり、小さな身体でありながらも強力な攻撃で災魔を粉砕していった。
「にっげろー☆」
 そそくさと飛んで逃げていくティファーナを追いかけるミダスハンドゴーレムが出た瞬間、本棚の帆が直撃する。
 目の前には本が山積みになっており行く手を防いでいるのを見つけ、更に激怒して本棚を拳で吹っ飛ばしていく。
 彼女の【グレムリン・ブラウニー・ルーナ】によってイタズラの連続で相手を怒らせて冷静な判断を付けなくしている。
 隙あらば黄金像を巻き込まないよう攻撃をして災魔を退治をして、確実に相手の数を減らしていく。
「これで……終わりだよ☆」
 彼女の【神聖天罰刺突】の一撃で追いかけていた教室の一室を占拠していたミダスハンドゴーレムの一体を粉砕した。
 自身も黄金化されることなく、彼女に協力した召喚された者達も誰一人欠けることなく無事であった。
 こうして彼女による初めの先制攻撃は成功した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

四王天・燦
ゴーレム接近を斬り払う
学徒に射撃で仕留めて貰うぜ

後退しつつ校庭におびき寄せ
後は猟兵の仕事だ
学生は撤退しな

カウントダウンを足元に仕込み結界術で耐える
仲間を呼ばせ一網打尽の算段だ
早々に結界が壊れるのは想定外…多勢に無勢で起爆まで耐えるしかねえ

四肢を掴まれ宙に固定され体を揺らすぜ
手足が浸食、胴をなぞられる度に黄金痕が残る
冷たい、呪いが沁みる、重い!

最早痙攣するだけの体をぐにぐに曲げられポーズを決められる
屈辱と不気味な金属感覚に涙を流す
アタシの体なのに…うぎっ、気色悪い!?

ウェーブで完全硬化
泣き顔のまま黄金像(ポーズお任せ)へと完成する
思考が重い…心が金色に堕ち―

敵が去るまでに真威解放が決まるかお任せ



 飛び出した黄金の手を減らしつつも未だ学園を彷徨っている……。
 突然、獲物を探していた中の一体が真っ二つとなり消滅する。
 それを斬り払った四王天・燦(月夜の翼・f04448)が現れる。
 間隔開けずに背後からミダスハンドゴーレムが大きな手を広げ彼女を捕らえようとする。
 と、そこに遠距離攻撃魔法を扱う学生が詠唱完了と同時に射撃をし、一体が集中砲火を浴びせられそのまま沈んでいく。
「後退!早く!」
「は……はい!」
 一声で学生達はそのまま下がると同時に彼女もまた走っていく。
 ミダスハンドゴーレムも複数の編隊を組んで彼女らを追っている。
 その先は学園の校庭……一見して追い込まれている光景にも見える。
「後は猟兵の仕事だ、学生は撤退しな!」
 学生達の撤退を促す燦、皆は一斉に校庭の木々などに隠れていく。
 ここは学生同士遊んだり、力自慢など……本来なら放課後は学生たちが賑わっているはずだ。
 今では災魔の強襲によって黄金像が校庭の端々に転がっていた。
「さぁて……ここからが本番だぜ……?」
 一人残った燦はユーベルコード【真威解放・カウントダウン】を足元に仕込んでいく。
 目の前には仲間を呼んだのか、大勢のミダスハンドゴーレムが殺到していく。
 もちろんそのままやられるわけではなく、【結界術】によって相手の攻撃を防ごうとする。
「げっ……!?」
 が、予想外に結界が早々に破壊されてしまい、多勢に無勢……それでも起爆まで耐えようとする。
「ぐっ……!」
 押し寄せる黄金塊にとうとう捕らわれた彼女、四肢をそれぞれの手に掴まれる。
 更には宙に固定されてしまい、それに抵抗するために体を揺らす。
 だが、掴まれた身体の部分から光り輝く黄金へと染め上げられ侵食されていく。
 一体のミダスハンドゴーレムが弄ぶかのように胴を指でなぞっていく。
「うっ……くぅぅ……」
 なぞられる度にその部分が黄金痕が残り、冷たく……呪いが沁みて、重くなる。
 最早痙攣するだけの体に追い打ちの如く4体の手が無理矢理彼女の手足を曲げられてポーズを決められる。
 屈辱と不気味な金属感覚に涙を流す燦、その陰で学生達は心配そうに見守るしかなかった。
「アタシの体なのに……うぎっ、気色悪い!?」
 自分の身体でなくなっていく感覚に不快感を表すも、黄金化の侵食は8割を超えていた。
 そして―――目の前にはさっきまで彼女の身体をなぞっていた黄金の手、さっきまでとは様子が異なっている。
「あっ……嘘だろ?やめ……やめ―――」
 その巨大な手から放つ金色の波動に燦は言い終える前に直撃を受け、泣き顔を焼き付けたまま完全に動けなくなる。
(思考が重い……心が金色に堕ち―――)
 意識を手放した彼女の姿、それはまるで生贄をイメージするかのような屈辱的なポーズ……その姿を晒したまま犠牲者と同様の黄金像へと変わり果てた。

「あ……あぁ……」
「そんニャ……」」
 怯える学生達は逃げ場は無く、迫りくる黄金の手に恐怖するしかない状況だ。
 ケットシーの学生は尻尾がへたり込んでおり、ドラゴニアンの学生は身構えている。
 このままでは彼・彼女達も敗北した猟兵と同じ末路へ……辿ることはなかった。
 直後に衝撃と爆音、校庭に大きな爆発が起きる……そう、燦が仕込んだ時限爆弾が作動したのだ。
 その威力は絶大でその校庭内に存在していたミダスハンドゴーレムは跡形もなく消し飛んだ。
「えっ……えぇ……」
 突然の爆発と災魔の全滅に学生達は呆然とするしかなかった……その直後に、目の前に重い音を立てて落ちてきた。
 驚いた学生達は恐る恐るみると……それは黄金化した後にそのまま爆発に巻き込まれて飛んでいった燦だった。
「猟兵だ!?治療しなきゃ!誰か!!」
 ミレナリィドールの学生が我に返って、治療できる学生を呼び出した。
 幸いとこれ以上の災魔は校庭へ侵攻してくることはなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティフティータ・トラーマ
○△SPDシーブズ
「…この世界って、この手のヤツしかいないのかしら?」
直前も宝石化してくるモノが相手だっただけに、そういう世界なのかなと思いつつ
「迷宮が図書館になってるのね、持ち帰った本から今回の手が出た、と。」
学生に協力してもらうにも、連れて行ったら護るのも面ど…難しいし
「とりあえず学園の見取り図でも無いかしら?」
地図だけ貰って学園に入り
「呪いは強いみたいだけど、無理に狙わなくていい分楽ね。」
問題なく射撃投擲が使えるし、と撃ち落としていくと
「アレは…よしよし怖かったわね。っと、あんまりしがみ付くと、くぅっ。」
ロッカー?に逃げ込んでいた少女を保護しつつも、しがみ付かれて動きが鈍り一緒に金像化



「……この世界って、この手のヤツしかいないのかしら?」
 転送されてきたティフティータ・トラーマ(堕天使の剣舞暗殺者・f29283)は蔓延る黄金の手を見て呟いた。
 この戦いの前には宝石化の呪いを持つ相手と戦っていたためなのか、アルダワは『そういう』世界なのか思っていた。
 決してアルダワは『そういう』世界ではない、たまたまそういった依頼に出会っただけ……だと思いたい。
 それはそれとして……彼女は校門前にて生き残りの学生達に話を聞く。
「迷宮が図書館になってるのね、持ち帰った本から今回の手が出た、と」
「は……はい、そうなんです……」
 元凶である本のほぼ中心にいたが、上手く逃げ延びたドラゴニアンの少女学生が頷く。
「とりあえず学園の見取り図でも無いかしら?」
「地図ならこちらにあるニャッ!」
 ケットシーの学生が地図を持ってくる、それを手に取り一人で学園に入っていく。

 ちょっと爆発跡が目立つ校庭を抜けて、ティフティータは学園内へと侵入する。
 どこを見ても黄金像が立ち並ぶ光景……逃げ出そうとしたままの姿、怯えて座り込んだままの姿、捕まって何もできないままの姿……
 本来のアルダワ学園ならば有り得ない光景……異常事態が起きているのだ。
 奥へ進むと黄金像達の向こうにミダスハンドゴーレムが一体彷徨っていた。
「呪いは強いみたいだけど、無理に狙わなくていい分楽ね。」
 ユーベルコード【シーブズ・ギャンビット】によるダガーを黄金の手へ投擲していく。
 高速の投擲一閃が黄金の身体である災魔を貫き消滅していった。
 この威力であれば硬い黄金でも貫けるようで、先に進むほど増えていく黄金の手を救援を呼ばれる前に始末していく。
 ある程度の災魔を倒していくとロッカー室だと思われる場所にたどり着く。
「アレは……よしよし怖かったわね」
「あうぅ……怖かったのですー!」
 ロッカーに逃げ込んでいたミレナリィドールの少女を発見したティフティータ。
 他のロッカーには誰も発見できず、代わりにへたり込んで絶望的な表情を浮かべた黄金像やロッカー直前で手を伸ばした黄金像など……。
 この場所も金の像と化した犠牲者しか発見できなかった。
 少女は彼女の姿を見るなり素早く駆け寄っていき、彼女はそれを受け入れるように抱き寄せ、頭を撫でて慰めていく。
 あまりに怖かったのか、ぎゅっと強くしがみ付いていた。
「っと、あんまりしがみ付くと……くぅっ」
「きゃぁ!?」
 少女を保護した安心の束の間、突然何処からか侵入したのかミダスハンドゴーレムが二人を鷲掴みする。
「しまっ……どこに隠れて……!?」
 掴まれた二人は成す術もなく黄金化の侵食を受ける。
 必死に力を入れても黄金の手の力の方が強く、びくともせず身体が硬く変化していく。
「大丈夫……私が守るから……!」
「あっ……がっ……おねえ……さ……!」
 小さ泣き顔の少女が先に黄金のオブジェへと変化しきった、その頃にはティフティータは首まで黄金化が及んでいる。
「くっ……こんな……ところ……で……」
 悔しそうな表情を焼き付けたまま、少女の後を追うように完全に黄金へと変わり果てていった。
 討たれた仲間の仇を討てたのか、上機嫌にその場から去っていく。
 無造作に放り投げられた抱き合ったまま硬い金塊へと変わった二人は輝きを失うことなく、周りの黄金像の一つとして地面に転がっていた……。

成功 🔵​🔵​🔴​

四王天・燦
黄金化した体を曲げられ燭台にされる―
そんな悪夢から醒めるよ

応急処置を受けても黄金痕は残ってる
肉と黄金が混ざり、溶け合った感触が気色悪い

ミダスの書が開かれたと思しき研究室へと再出撃だ
美少女学徒兵はついてこい

学生ナビに従い迂回で敵をやり過ごしたり、新手のゴーレムを呼ばれる前に忍び寄って暗殺したりしながら突き進む

黄金痕が疼き、恐怖で思考停止しそうだ
不意にゴーレムに魅入られ…学生の声に助けられるぜ
助け合いながら進みましょ

書の所有権を得たら、学生たちと力を合わせて封印儀式を執り行うぜ
書を媒体に学内のゴーレムどもを引き寄せ再封印してやる

あー疲れた…皆、半黄金化でボロボロかもしれねーけど笑ってぶっ倒れようぜ



 黄金像が転がる校庭、そこに動く者はだれもいない……災魔達を除いて。
 ぐに……ぐに……と、黄金像と化した燦の身体を弄ぶように手足を柔らかくしながら曲げていくミダスハンドゴーレム。
 抵抗ができない彼女の手足を再度硬くし……その姿はまるで燭台のように……。

「はっ!?」
 目が覚めた燦はあたりを見渡す、どうやら悪夢を見ていたようだ。
「だ……大丈夫かニャ?」
 オスのケットシーが覗き込む、他の学生達も心配そうに見る。
 身体を触れて確認すると応急処置だからなのか、それとも災魔の呪いが強かったのか、所々黄金痕が残っていた。
「一生懸命治療したのですが……これ以上はどうにも……」
 肉と黄金が混ざり、溶け合った感触が気色悪い。
 ドラゴニアンの女子学生も申し訳なさそうな表情を浮かべる。
 しかし、半ば変化している中、動けるのであれば十分だ。
「いや、大丈夫だ!アタシは元凶の場所へ行くよ!」
 元凶……災魔の卵を埋め込まれたミダスハンドゴーレムに関する事が記された書物のある研究室。
 そこへ行くことを目標に、もしもの時の為に非戦闘の女子学生や男子学生をこの場に置き、戦える女子学生を何人か連れて再出撃する事となった。

 再度侵入した学園内部はいつ見ても黄金像に変わり果てた学生達が嫌と言うほど目がつく。
 人間……ドラゴニアン……ケットシー……ミレナリィドール……各種種族の学生が男女問わず様々なポーズで煌びやかな黄金に染まりつくしている。
 その中を彼女達は進んで行く、学生達のナビによって先に見えるミダスハンドゴーレムのいる場所から迂回してやり過ごしたり。
 見つかったとしても新手の災魔を呼ばれる前に彼女が暗殺したりしながら突き進んでいく。
「うっ……」
 途中、黄金痕が疼き……恐怖で思考停止しそうになる。
 目の前にはミダスハンドゴーレムが手を開いて襲い掛かってくる。
 彼女はその姿に魅入られるが……。
「猟兵さん!!!」
 学生の声が耳に届きはっとし、目の前の災魔を処理していく。
「ふぅ~……あぶねー……ありがとな!」
 お礼を言いつつもお互い助け合いながら目的の場所へとたどり着いていった。

 研究室は今までと比べ物にならない程の数の黄金像が立ち並んでいる。
 その震源地でもある書物を見つける燦は学生達と力を合わせ封印儀式を執り行う。
 書物に何かあればミダスハンドゴーレムも黙ってはいないだろう。
 儀式の途中、予想通りに災魔達が大量に殺到してきた。
 対して学生達はそれを阻止しようとするが、倒しきれず次々と捕まったり、波動を受けたりして物言わぬ黄金像と化していく。
 災魔も必死に書物を取り返そうとするが、燦はタイミング良くユーベルコード【巫術『封印儀式』】を発動させる。
「御狐・燦の霊力をもって彼の者を封じよ!」
 災魔の封印・保管に適したマテリアル……それは書物だった。
 作られた書物はページを開き、目の前にミダスハンドゴーレムを吸い込んでいく。
 学生を掴んでいた災魔も手を放し吸い込まれ、封印されていった。
 一瞬の出来事……学園内を暴れていた災魔達は燦によって封印される事となった。
「あー疲れた……」
 思い切りぶっ倒れる彼女に生き残った学生達はは半ば黄金化しつつボロボロの姿ではあったが、彼女の笑顔に釣られて笑顔になっていった……。
 封印しても身体中に侵食された黄金化が解除されていなかった、
 どうやら治療の方も必要になってくるようで、学生達にはもうひと頑張り必要だと燦は思った。

 だが、彼女達はまだ気づいていない……まだ何体かの黄金の手が隠れ潜み、機会を窺っている事を……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニクロム・チタノ
何でも黄金に変えるなんて恐ろしい能力だね、まともにやりあったらボクも黄金像に変えられちゃうよ、なら
ボクの真の名、紅明日香の名を以てチタノヤタテを降臨させる
蒼焔の盾を展開して守りを堅めるよ、アルダワのみんな早く盾の後ろに隠れて
黄金色の波動に当たったら黄金になってしまうみたい、もし盾に隠れてなかったら危ない所だったよ
よし、反抗開始だよ重力槍を展開、射出ゴーレムを狙い撃つよ
猟書家めこんな大事を起こして、許さないよ!



「も……もういないよね?」
 女子学生と彼女に抱きかかえられているオスのケットシー学生が物音一つしなくなった教室から出ようとする。
 が……潜み、反撃を窺おうとしているミダスハンドゴーレム達に運悪く遭遇してしまう。
「ひえ……!?」
「き……金になりたくないニャッ!?」
 背後は逃げ場のない教室、迫りくる黄金の手、そこに一人の少女が歩いてきた。
「何でも黄金に変えるなんて恐ろしい能力だね」
「りょ……猟兵かニャ……?」
 ケットシーの言う通り、猟兵であるニクロム・チタノ(反抗者・f32208)だった。
 その災魔は触れた者は黄金へと変わってしまう……無論それとまともにやりあえば、猟兵である彼女でさえ周りの犠牲となった学生のように黄金像へ変えられていくだろう。
 それならばとユーベルコード【其の真名を以て反抗せよ】を発動させ、チタノヤタテを降臨させていく。
「ボクの名、紅明日香の名を以て」
 そして、八つの蒼焔の盾を展開させ守りを堅めていく。
「アルダワのみんな早く盾の後ろに隠れて」
「は……はい!」
 一人と一匹は急いでその盾へと隠れていく、ミダスハンドゴーレムはお構いなしに黄金色の波動を浴びせようとするが、その波動は蒼焔の盾によって阻まれてしまう。
「黄金色の波動に当たったら黄金になってしまうみたい、もし盾に隠れてなかったら危ない所だったよ」
「お……恐ろしいニャ……」
 あわわとケットシーは驚く、もちろん盾が無ければニクロムも学生達も成す術もなく黄金像と化し、学園を飾るオブジェの一つになっていただろう。
 そんな波動を軽く防がれた災魔は憤怒するようにドンドンと床を叩いている。
「よし、反抗開始だよ」
 彼女は続けざまに八つの超重力槍を展開しながら射出する。
 黄金の手も拳を作り対抗しようとするが、槍は硬い黄金を軽々と貫通し粉々に粉砕していく。
「す……すごい……」
「これが……猟兵の力かニャ……!?」
 驚く学生達を守りながらも、ニクロムは超重力槍によって災魔をことごとく撃退していった。
「これで最後……!」
 八つの槍を残り一体のミダスハンドゴーレムに集中、瞬く間に原形が失われ消滅していく。
 同時に黄金像と化した者達が次々と戻っていき、今の状況が分からず混乱している者も多かった。
 女子学生とケットシーの学生も見知った同級生を発見し、ニクロムにお礼を言って去っていく。

 こうしてアルダワ学園にて起きた書物から飛び出した呪われし黄金の手達による騒動は収束した……。
「猟書家め!こんな大事を起こして、許さないよ!」
 が、怒るニクロムを見てわかるようにこれで終わりではない。
 今回この騒動を起こした犯人……幹部猟書家を倒さなくてはならない。
 学園内のいざこざを収めつつも、猟兵達は元凶が待ち受ける迷宮大図書館へ向かうこととなった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『書の悪魔ダンタリオン』

POW   :    あなたの技をお返しいたします。
【魔導書】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、魔導書から何度でも発動できる。
SPD   :    尻尾乱舞
【尻尾】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
WIZ   :    レインボー・ロード
【七色の竜巻】を放ち、レベルm半径内の指定した対象全てを「対象の棲家」に転移する。転移を拒否するとダメージ。

イラスト:森乃ゴリラ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はラウラ・クラリモンドです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「ここまで来た……と言うことはあちらは失敗してしたのですわね……」
 学生達の道案内のおかげで迷宮大図書館の災魔の卵が埋め込まれた書物を拾った場所まで辿り着いた猟兵達……。
 そこには幹部猟書家『書の悪魔ダンタリオン』が結果を待っていたが、災魔ではなく猟兵達であったので作戦は失敗したと彼女は理解した。
「うふふ……あのまま素敵な黄金美術館に作り替えてあげたかったのですわ……」
 くすくすと笑みを浮かびながらも失敗して残念そうな表情に変わっていく。
「さて、お話はこれまで……私も本気を出さざるを得ないですわね?」
 猟書家の膨れ上がるプレッシャーを猟兵達は身体で感じる。
 今回の事件の元凶である書の悪魔ダンタリオンとの戦いが始まった!
ニクロム・チタノ
出たね猟書家こんなヒドイことして許さないよ
覚悟の時私がやらなきゃ
尻尾が巨大化した!これは厄介だね、まずは高速移動で尻尾の攻撃をかわしながら隙を見て重力波で攻撃するよ
尻尾のリーチは長いけど薙ぎ払いや叩きつけはよく見ていればかわせるし次の攻撃までの隙も大きい三度目の叩きつけが来た瞬間にその衝撃を利用して一気に接近して重力波を食らわせてあげる
これが反抗の力だよ!



「出たね猟書家!こんなヒドイことして許さないよ!」
 怒るニクロムと対峙する書の悪魔ダンタリオンは嘲笑う。
「あらあら……でもこれは私の使命でもありますの、邪魔なんてさせませんわ?」
 ダンタリオンの尻尾が段々と巨大化していく、それに気づいたニクロムは身構える。
「覚悟の時、私がやらなきゃ」
 ユーベルコード【絶命せよ蒼き焔で】を同時に発動、彼女自身が蒼焔を纏っていく。
 その間は自身の寿命を削る、まさに諸刃の剣と言わんばかりの能力だ。
「うふふふ……自ら犠牲にしてまでいつまで持つのかしら?」
 彼女ならば簡単に押し潰してしまうほどの巨大な尻尾が振り下ろされる。
 もちろん当たるわけにはいかず、高速移動によって回避しつつも重力波で本体を攻撃していく。
「回避しながら攻撃……なかなかやりますわね?」
 次にダンタリオンは横へと薙ぎ払いをする。
 これも難なく回避するニクロム、どの攻撃も尻尾によるリーチは長いが、よく見ていれば容易に回避はできる。
 さらには次の攻撃までの隙が大きい事も見抜いており、予想通りに尻尾による叩きつけが襲ってくる。
「ふっ……!」
 彼女は尻尾の落下地点を見極めて直前に避けていくが、直後に2回目の薙ぎ払いが襲い掛かる。
 それもギリギリのところで回避、その間にも重力波の攻撃は事欠かなかった。
「なかなかやりますわね……でもいつまで避けているのかしら?」
 避けるだけでは猟書家は倒せない、さらにユーベルコードの能力代償として彼女自身の寿命を削っているためいつまでもこうしているわけにはいかない。
 そして三度目の叩きつけがニクロムに迫ってくる。
「なら……望みどおりにこちらも攻めてあげるよ!」
 無論回避……したが、今までとは異なり、叩きつけの衝撃を利用して一気にダンタリオンへ距離を縮める。
「なっ……!?」
「これが反抗の力だよ!」
 相手へ近づいたニクロムが破壊の重力波を思い切りダンタリオンへ放っていく。
「ぐぅぅ……!!」
 防御も回避も間に合わず重力波をその身で味わう猟書家、あまりの苦しさに尻尾を出鱈目に振り回す。
 見極めが難しい攻撃に彼女は防御態勢を取り、尻尾の攻撃を受ける。
「くっ……!」
 ダメージはさほどなかったものの、ユーベルコードの効果は途切れ、かなり距離を放されてしまったようだ。
「ふふふ……命を懸けた攻撃だけあって、今のは効いたわ……」
 だが相手は猟書家……簡単には倒れてはくれない。
 しかし、ニクロムは焦りも絶望もしない。
「確かにボク一人だけじゃ倒せない……だけどね……」
 猟兵は彼女一人だけじゃない、猟書家を倒しに来た猟兵達は多くいる。
 それを書の悪魔が身をもって知るのは後になるだろう……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

祝聖嬢・ティファーナ
WIZで判定
*アドリブ歓迎

『フェアリーランド』の壺の中から風/火/光の精霊,聖霊,月霊,戦乙女,天使,英霊,死神を呼んで“七色金平糖”を多めに配って『エレメンタル・ピクシィーズ』で属性攻撃を『神罰の聖矢』で聖攻撃を仕掛けます♪
『クリスタライズ』で姿を隠し敵の攻撃を『月世界の英霊』で空間飛翔して避けて『月霊覚醒』で敵のUCを封印/弱体化させ、猟兵の怪我を『祝聖嬢なる光輝精』で治し『シンフォニック・メディカルヒール』で状態異常を癒します☆
『精聖月天飛翔』でWIZを強化して『叡智富める精霊』+『神聖天罰刺突』で苛烈な猛攻を仕掛けます!

『グレムリン・ブラウニー・ルーナ』で落とし穴や石礫で敵を妨害します



 書の悪魔ダンタリオンの死角からこっそりとティファーナが現れる。
 相手に気づかれないよう静かにユーベルコード【フェアリーランド】の壺の中から風/火/光の精霊/聖霊/月霊/戦乙女/天使/英霊/死神を召喚していく。
 そして、【七色こんぺいとう】を各々へと今回は多めに配っていく。
「それじゃあ、行くよ~☆」
 先制攻撃に【エレメンタル・ピクシィーズ】の属性攻撃と【神罰の聖矢】の聖攻撃が同時に書の悪魔へと襲い掛かる。
「ちょ……何が起きて―――!?」
 襲われた本人も困惑しつつも、攻撃された方向を向くと小さな妖精とその仲間達が浮かんでいた。
「あら……かわいらしい妖精さん達ですわね?それじゃあお返ししますわ♪」
 すぐさま冷静を取り戻した彼女は受けた二つのユーベルコードをコピーし、それを発動者本人に放っていく。
「わわ!?まねっこだ~☆」
 すぐさま【クリスタライズ】によって姿を消しつつも、当たりそうな攻撃は【月世界の英霊】の空間飛翔による回避をしていく。
 その合間にも姿を現してはこちらも負けないぐらい同じ攻撃を猟書家に向けて撃っては姿を消していくいく。
 もちろん……お互い同じユーベルコードの撃ち合いであるため埒が明かない。
「それなら……☆」
 激しい攻撃をひらひらと躱しながら、ティファーナは前準備として【月霊覚醒】をダンタリオンに命中させユーベルコードの封印と弱体化をさせていく。
「くっ……何をするのかはわかりませんけど……!」
 さらにユーベルコード【精聖月天飛翔】によって強化し、大技として【叡智富める精霊】と【神聖天罰刺突】の合わせ技による苛烈な猛攻を書の悪魔に浴びせていく。
 その攻撃に相手は防御する暇もなく直撃する上、ユーベルコードも封じられているため反撃する手立てもなかった。
「ぐぅっ……調子に……乗らないでほしいですの!!」
 巨大化した尻尾は目の前のものを薙ぎ払っていく。
 それらも軽く躱すティファーナはすたこらさっさと逃げていく。
「! 待ちなさい……!」
 逃げていく妖精に苛立ちを覚えつつも、ダンタリオンは後を追おうとしたが……。
「きゃぁー!?」
 突然彼女が落下した、その場には大きな穴が開いていた。
「わーい!引っ掛かったー☆」
 無邪気に喜ぶティファーナ、実はユーベルコード【グレムリン・ブラウニー・ルーナ】によって落とし穴を秘かに作っていたのだ。
「ちょっと……貴女ねぇ……」
 必死に這い出た書の悪魔……今度は石礫が降り注ぐ。
「痛っ……地味に痛いわ……!?」
 ペシペシと彼女の身体中に当たっており、一向に悪戯妖精を追うことができなかった。
「全くもう……って、あれ?あのおチビちゃんは……?」
 石礫が降り止んだ後には彼女の姿はどこにも見かけず、一方的に弄ばれるだけ弄ばれた猟書家がポツリと残されていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティフティータ・トラーマ
○△SPDシーブズ
「ふぅ、どうにか原因が片付いたみたい。もう大丈夫だと思うけど、気を付けてね。」
金化が解けると、人形少女を送り出して奥に向かい
「ちょっと遅れたけど、その分ヤらせて貰うわよ。」
既に始まっていた書魔との戦闘に参戦すると
「随分大きいけど…その分狙いやすいわね。生身をそんなに振り回すなら…」
振り回される大きなむn…尻尾に対して【UC+見切り+カウンター+部位破壊+武器落とし+解体】での迎撃を繰り返して斬り落とそうとします。

「宝石像も金像もいいんだけど…その気もない娘を無理やりっていうのはねぇ…。」
私?私は戻れるならまぁ面白いしいいわよ、とか終わった後の感想



 書物から飛び出したミダスハンドゴーレムに襲われてしまい、しばらくミレナリィドールの少女と共に黄金像と化したティフティータ。
 その災魔を全て倒したため、二人とも黄金化の呪いから解放される。
「ふぅ、どうにか原因が片付いたみたい」
 少女もまた困惑しつつも、元に戻ったという事に気づいて喜ぶ。
「もう大丈夫だと思うけど、気を付けてね」
「はい!」
 学生は手を振りながら学生達の輪の中へ走っていった。
 そんな彼女とは逆にティフティータは一人急いで迷宮大図書館へと向かっていった。

 迷宮大図書館既は戦いが繰り広げられており、辿り着いた時には今回の事件の元凶となる書の悪魔ダンタリオンが待ち受けていた。
「ちょっと遅れたけど、その分ヤらせて貰うわよ」
「ふふふ……また一人来たのね?誰だろうと邪魔はさせませんわ?」
 猟書家との戦いが開始された、ダンタリオンは尻尾を大きくし、ティフティータに向けて振り回し攻撃をしてくる。
「随分大きいけど……その分狙いやすいわね、生身をそんなに振り回すなら……」
 振り回される大きなむn……ではなく尻尾に対して彼女は【見切り】によって回避行動を取っていく。
 さらにユーベルコード【シーブズ・ギャンビット】によるダガーを投擲し、書の悪魔へ攻撃を加える。
「なかなか……やりますわね……!」
 相手も負けじと大きな尻尾を振り回して当てようとするが、【見切り】によってことごとく回避されていく。
 その合間にユーベルコードによる攻撃を当てようとするが相手も一筋縄では行かず、尻尾で投げたダガーを叩き落としていく。
「そこね……!」
 何度目かの尻尾の振り下ろしに対し彼女はタイミング良く【カウンター】で【部位破壊】と【武器落とし】に【解体】の組み合わせによる反撃をする。
 その攻撃によって尻尾の先端ではあるが相手の攻撃手段を斬り落としていった。
「くぅぅっ……それが狙いだったのですわね……!?」
 先っぽの無い尻尾を小さくして痛がる彼女はそんな場合ではないとティフティータに背を向ける。
「相性が悪すぎますわね……!ここは逃げに徹しますわ!」
「あっ!待て……!」
 彼女は急いで追いかけようとしたが、ダンタリオンの振るう先端の無い尻尾の馬鹿力で棚などを倒して大きな土煙を上げていく。
「けほっ……はぁ……いいところなのに……」
 討つべき猟書家をまんまと逃げられてしまったことに残念がる彼女。
 しかし、少なくとも尻尾に対しての大きなダメージ与えた事は確実であるため、後の猟兵達に任せることになる。
「宝石像も金像もいいんだけど……その気もない娘を無理やりっていうのはねぇ……」
 ぽつりと一人残された中、彼女は以前・最近と自分自身が彫像に変えられてしまう出来事を思い出す。
 他人へはとにかく、彼女自身である場合の答えは意外なものだった。
「私?私は戻れるならまぁ面白いしいいわよ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

四王天・燦
腹部や頬の治療は後回し
艶めかしく黄金化したお臍をコツコツ叩くよ
こんな風になっちまうんだと見せてやる

尻尾を見切って神鳴の峰で武器受け、カウンターで電撃属性攻撃とマヒ攻撃を流し込むぜ
お尻がピリピリしてきたろ?

尻尾を喰らったら黄金痕がひしゃげるわ
痛ってぇ…と言いたいが感覚ねーんだわな

黄金化の仕返しはさせて貰うよ
懐からミダスの書を出してゴーレムを封印解除で呼び出す
式神使いで使役して痺れた尻尾を掴ませるぜ

仕上げは封印儀式でゴーレムの巣窟と化したミダスの書へとダンタリオンを取り込んでやる
黄金化して表紙を飾ってしばらく反省しやがれ
中身や挿絵とかどーなってるか読書しましょ

可哀想なので大晦日には焼いて供養すっぜ



 書の悪魔ダンタリオンが必死に逃げたその先には燦が立っていた。
 腹部や頬といった身体の所々が黄金化しており、治療はあえてせずに戦場へと赴いていた。
「あら?回復もしないでそのまま戦うのですか?舐められたものですわね?」
「へっ……お前も同じ風になるって予言しておいてやるよ!」
 艶めかしく純金のお臍をコツコツと叩き『こんな風になっちまうんだ』と見せつける。
「強がりを……そもそも『私みたいに災魔を出す』だなんて事はできないはずですわ?」
 先端が無くなった尻尾を巨大化し、鞭のように振りまわす。
「あれ?尻尾先端が無くない!?」
「ちょっと色々あったのですの……!」
 燦の突っ込みに少し苛立ちながらも黒い鞭は彼女を攻めていく。
 尻尾の先端がない事については予想外ではあったが、ちょっとした誤差のようなもので【見切り】つつ雷が宿る刀【神鳴】の峰による【武器受け】をする。
 同時に【カウンター】によって電撃【属性攻撃】と【マヒ攻撃】を尻尾から流し込んでいく。
「お尻がピリピリしてきたろ?」
「小癪な……!!」
 苦し紛れに尻尾を燦の腹への一撃を叩き込んでいく、先っぽが無くても巨大化した尻尾であるため、猟兵と言えども直撃をしてしまえば大きなダメージになりうるだろう。
「ぐぅぅっ……!?」
 黄金痕がひしゃげる、苦い表情を浮かべる彼女に対して、ダンタリオンはニヤリと笑みを浮かべる。
 このまま圧していけば逃げ切れると書の悪魔は読んでいた。
「痛ってぇ……と言いたいが感覚ねーんだわな」
 しかし、優勢と言う現実は打ち砕かれる事となる。
 そもそも黄金化の侵食によって感覚が麻痺しているため痛覚すら感じられなかったのだ。
「黄金化の仕返しはさせて貰うよ」
 もちろん、燦はただ相手の攻撃を受けるだけはない、懐からミダスハンドゴーレムを封じたあの書物を取り出した。
 そして、封印解除によって封じられていた災魔を呼び出す。
「なっ―――!?」
 ダンタリオンは顔を引きつらせる、それもそうだ『私みたいに災魔を出す』と言う事を燦は実現させてしまった。
 さらに【式神使い】によってそれらを使役していき、書の悪魔の痺れた尻尾を掴ませる。
「しまっ……や……止めなさい!?」
 尻尾が伝染して金へと染まっていく中、自身は呆気にとられた間に相手の行動を許してしまった事を後悔した。
 燦は仕上げに再度封印儀式によって、災魔の巣窟と化した書物へと尻尾を掴んでいるミダスハンドゴーレムごとダンタリオンを取り込んでいく。
「そ……そんな……こんなところで……いやあああぁぁぁ……」
 瞬く間に書の悪魔は皮肉にも別の書物の中へと封印される末路を辿る。
「黄金化して表紙を飾ってしばらく反省しやがれ」
 彼女の言う通り、表紙には複数の巨大な黄金の手に掴まれ必死に助けを求めたまま無様に黄金像と化す書の悪魔が描かれていた。
「中身や挿絵とかどーなってるか読書しましょ」
 と、何気にわくわくしながら中身を見てみる……数ページ捲り捲って……サッと本を閉じた。
 中身については割愛させてもらうが、何かしらの表情を浮かべつつもサッと顔を隠し、その書物を大事そうに隠しながらその場から去っていった。
 こうしてアルダワ学園と迷宮大図書館の大騒動を起こした幹部猟書家との戦いは一旦幕を閉じることとなる。

 猟兵達の様々な活躍のおかげで、アルダワ学園が黄金像で埋め尽くされるという最悪の結末ではなくなり、敵の野望をまた一つ潰すことができた。
 だが、猟書家も一度倒しても復活してくる……書の悪魔ダンタリオンも例外ではない。
 猟兵達の戦いはこれからも続くだろう……。

 尚、例の猟書家を封印した書物についてだが、中身を見てさすがに可哀想だと思ったのか、大晦日には焼いて供養するらしいが……そのあたりは彼女にしか分からない……。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年12月22日


挿絵イラスト