永遠の観覧車(作者 ののん
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#カクリヨファンタズム  #お祭り2021  #夏休み 


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●月夜のブランコ、光の観覧車
 妖怪親分達が用意した妖怪花火。
 その花火は打ち上げると『花火の上を歩く事が出来る』らしい。
 不思議な花火に喜んだ妖怪達。そのうちの一人が、ある事を思い付く。
「ずっと思ってた事があるのよね。まあるい花火って、風車みたいに回りそうって」

 夜空に打ち上げた大きな花火。それが花開いたままぴたりと時を止める。
 そこへ雪や風を操る妖怪達が、ふぅ、と息を吹きかける。
 妖怪花火はゆっくりと回り始め、周囲を飾るしだれ花火は、風鈴のように優しく揺れた。

「わぁ、本当だ。不思議ね」
 花火の上なのに熱くない。ぼんやりと輝くブランコのようだ。ちょこんと座ってぶらりと揺らす足を見れば、その下に広がるのは海と、そして光。
「上手くいったね、花火観覧車!」
「えぇ、すごく綺麗」
 私、まるで三日月の上に座ってるみたい。そう思った瞬間、彼女は悟った。

 ――嗚呼。だからあの花は、一瞬の為だけに輝くのね。
 しゃらり、一粒のしだれ花火が海に落ちていった。

●アザミの情報
「妖怪花火、か。ビーチの創造と言い、理解できないような不思議な力もあるものですね」
 今更ですけど、と水着姿のアザミ・アカシア(f05817)が猟兵達へ話し掛ける。
「知ってますか。妖怪花火は、『花火の上に乗る事ができる』らしいんです。それだけでも興味深いのに、そこからヒントを得た妖怪達が、観覧車のように動く妖怪花火を用意したそうです」
 原理は分かりませんけど、探るのは野暮というものでしょう。そうアザミは呟く。
「ま、それはそれとして、今の説明だけでも少し気になった人は居たんじゃないですかね」
 彼の話によれば、咲けばぱらりと消えるはずの花火が消えず、観覧車のように回るというのだ。その場所から眺めるものは、そう――花火だ。
「妖怪花火から見る花火は美しいと聞きました。空の花火と共に、海にも花火が咲くのだと」
 つまり、海にも花火が映るという事だ。何処へ顔を向けても輝きを楽しむ事ができる、何とも幻想的な空間だ。
「ま、他でもあまりない貴重な体験ができるでしょう。よければ俺が案内します」

 今夜だけは戦いを忘れて、光に体を預けよう。
 一時しか咲く事のできない夜の花を、心に焼き付ける為に。


ののん
 お世話になります、ののんです。

 ●状況
 カクリヨファンタズムが舞台となります。
 1章で完結する平和なシナリオです。

 ●当シナリオについて
 妖怪花火の上に座ると、観覧車のようにゆっくりと回り始めます。
 夜空に咲く花火と、海に映り込んだ波打つ花火を、ゆったりとお楽しみください。

 妖怪花火の座れる広さは人間成人1~3人程度かな、と思います。
 大きい方小さい方は膝に乗せる、乗せられる等で対応してくださるとほっこりします。
 飲食の持ち込みはOKです。
 妖怪花火の真下は海なので万が一落ちても大丈夫ですが妖怪達が心配します。

 飾られているしだれ花火は手を伸ばせば届きます。
 記念に取っても大丈夫ですがアイテム発行はいたしません。

 フラグメントの選択肢は一例ですので無視して頂いて構いません。

 もしご要望があれば、アザミ・アカシア(f05817)と過ごす事もできます。

 ●プレイングについて
 受付は『#プレイング受付中』のタグ記載でお知らせしております。

 キャラ口調ですとリプレイに反映しやすいです。
 お友達とご一緒する方はIDを含めた名前の記載、または【(グループ名)】をお願い致します。
 同時に投稿して頂けると大変助かります。

 申し訳ありませんがユーベルコードは基本的に【選択したもののみ】描写致します。

 以上、皆様のご参加お待ちしております。
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第1章 日常 『猟兵達の夏休み2021』

POW妖怪花火で空へGO!
SPD妖怪花火の上で空中散歩
WIZ静かに花火を楽しもう
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 海の上に浮かぶ大きな花火。しだれ花火に飾られたそれは、ゆっくりと回っていた。
 ナイアガラ花火の桟橋を渡れば、ようこそ、と妖怪に歓迎された。
 ぼんやりと輝く妖怪花火へ座れば、ゆっくりと足が地上から離れていく。

 徐々に高い場所へと導かれていたその時、巨大な音が聞こえた。
 空と海に、美しい花が咲いたのだ。

 闇に咲き乱れる多くの花。
 しかし彼らは一瞬にして散り、花びらは海へと消えていく。
 ……この風景に『儚い』と名付けたのは、誰なのだろうか。
ニクロム・チタノ
f:32606ミリアリア・アーデルハイムさんと

最近戦いばかりでゆっくりする間もなかったよねそういえば二人一緒に遊ぶのはこれが初めてだね

うーん、何を話せばいいかな、ちゃんともっと色んな話をしたいのにこういう時なかなか思いつかないなぁ・・・
あ、ボク達の番が回って来たみたい、花火研究所の裏庭でやったのとだいぶ違うね、本当に乗れるんだ

うわーとてもいい景色少し前に戦争があったなんて思えないね
守れて本当に良かった・・・
思えばミリアと一番頑張ったのはブラキエル戦だね、あの時キミのUCのおかげで助かったんだ、あの時からかけがえのない親友だよ、ありがとう
なんかさっきと違ってコトバが自然に出て来るね


ミリアリア・アーデルハイム
f32208:明日香と(ニクロム・チタノさんと)

戦場では時々一緒になるけど、一緒に遊ぶのは初めて
私達はほぼ同時期に猟兵デビューした、(多分)同期みたいな間柄だ

わぁ、すごい行列だね。
緊張で途切れる言葉
話したいことは沢山あるのに

順番が来て、そっと花火に乗ってみる
大丈夫、本当に乗れるみたい

こうしていると、此処で二つの世界の命運を賭けた戦争があったなんて嘘みたい。
でも、あの時期一番キツかった戦いは明日香と一緒だったブラキエル戦だった。
みんな怪我をして、血塗れで・・・
「あの時は死ぬかと思った」
声が重なり、思わず笑ってしまう。
その後は緊張も解けていろいろ話す


 少し前に世界の命運を賭けた場所とは思えないほどの穏やかさ。
 その戦いはまだ記憶に新しい。だからこそ、この海が綺麗に見えた。

「最近、戦いばかりでゆっくりする間もなかったよね」
 ナイアガラ花火の上を歩く二つの影。ニクロム・チタノ(反抗者・f32208)の言葉に、そうだね、と返すミリアリア・アーデルハイム(永劫炉の使徒・f32606)。
「戦場では時々一緒になるけど……一緒に遊ぶのは初めてだね」
「そっか、そういえば」
 ニクロムが思わず振り向く。目と目があったが、互いに次の言葉が出てこない。
(「お、おかしいな。話したい事はたくさんあるのに」)
 ミリアリアも口を開いては閉じる。ニクロムも一人唸っては目を逸らす。
「……にしても、すごい行列だね」
「……そうだね。それだけ反響があったのかな」
 間の空く途切れ途切れの会話。とりあえず見せる愛想笑い。悪気はない。それは声を出さずとも分かり合えた。

「あ、ボク達の番が回って来たみたい」
 それまでの時間はとても長く感じた。とうとう辿り着いた花火観覧車は、見上げると首が痛くなるほど巨大だった。本物の観覧車と違う所は、ガタンガタンと機械の揺れる音が聞こえない事だ。
 どうぞ、と妖怪に案内されれば、ぼんやりと光を発する花火の一部が目の前に現れる。恐る恐る手を当て、そっと座ってみると。
「……すごい、本当に乗れるんだ」
「ね、大丈夫なんだね。なんだか不思議」
 花火と共に浮き上がる二人の体。さっきまで立っていたはずの場所からどんどんと遠ざかっていく。――さっきまではあんなに長い時間を感じていたのに。
「わ、見て」
 ミリアリアが指をさす。その方向へ視線を向ければ、ひゅるる、と遠くで何かが天に向かって伸びて行く姿があった。直後、大きな大きな花が夜空と海に咲いた。少し遅れて聞こえた爆発音で、それが花火である事をやっと認識する。
「うわー……とてもいい景色」
 静かに零れたニクロムの言葉。それもそのはずだった。ここでは少し前まで戦場だったのだ。世界を救ったのはこれが初めてという訳ではないが、この美しい景色を見る度に感じる事がある。
「守れて本当に良かった……」
 心からの純粋な言葉。それはミリアリアも同じ思いを抱いている。だからこそ、彼女の口からその言葉が聞けた時、どこかほっとした自分が居た。
 『世界を守った』。このカクリヨファンタズムも勿論の事だが。
「……ねぇ、覚えてる? 明日香と一緒だった、ブラキエル戦」
「勿論だよ」
 忘れる訳ないよ、とすぐに返したニクロム。
「そう、だよね……あの時もキツかったもんね」
 みんなも自分も怪我をしていて、本当にすごくピンチで……。

『あの時は死ぬかと思った』

 二人の声が重なった。ふと顔を見合わせるニクロムとミリアリア。それがなんだかおかしくなって、思わず笑った。
「でもね、あの時キミのユーベルコードのおかげで助かったんだ。あの時から、かけがえのない親友だよ」
 だから忘れる訳がないんだよ。そうニクロムは言った。
「ありがとう」
 それを聞いた瞬間、ミリアリアは急に心がくすぐったくなった。なんだか恥ずかしくなって、彼女に照れ笑いを見せた。
「あれ、おかしいな……さっきと違ってコトバが自然に出てくる」
「あはは、本当だね」
 さっきまでの緊張は何処へやら。花火観覧車はまだまだ空へと上っていく。二人の会話はまだまだ続いていく。
(「……そう、本当に良かったって思ったんだ。明日香を守れて、ね」)
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

夜鳥・藍
花火の上に……いえ分かってはいましたが水中の社といい今回の花火といい、育った環境の常識が本当にさっぱり通じず。
でもすごく興味あるし花火は綺麗でしょうね。

銀狼招来で翼持つ銀狼の白銀を呼び出して。
戦いではないけど、一緒に花火を見てくれる?
恐る恐る花火の上に座るけど……実際の観覧車と違って足がつかないから、ちょっと怖い気がするかも。ちょっとだけ白銀にもたれかかって毛並みに埋まってひと安心。
花火と同じ高さ別の花火を見るのも、下に映る花火もとても綺麗。これが星々だったら宇宙のような物ね。……うん、恒星の輝きも星の命のようなものだから似たような物かもね。ただ人の寿命と比べると長短の差が大きいだけで。


 花火の上に乗るだなんて初めてだ。そう伝えると誰しもが笑って同じ言葉を返した。自分もだ、と。

 何処の世界へ行っても驚きばかり。知らなかった事を知った、という感覚とはまた違う、まさに未知の領域。自身の育った環境の常識など、活かせるようでなかなか活かせないものだ。
 とはいえそれは恐怖ではない。どちらかと言えば心がわくわくするものばかりだ。戦争を終えた幽世で耳にした『上を歩ける花火』という聞き慣れないものだって、とても興味を引かれたのだから。
「花火から花火を見るなんて……それって、同じ高さから眺めるという事よね」
 我ながら夢を呟いているようだと、夜鳥・藍(宙の瞳・f32891)は微笑む。しかしそれは夢ではなくなる。目の前でゆっくりと回る巨大な花火が、夢を叶えてくれるのだから。
「これだけでも綺麗なのに、あの上に座れるなんて」
 機械的に輝く観覧車とはまた違う、妖怪達による幻想観覧車。静かに輝き、静かに動く。花火の時は止まっているのに。

 いよいよ自分の番が来て、妖怪に花火観覧車の座席へと案内される。そこへ藍は一つ、声を掛ける。
「この子もいいですか」
 傍にいたのは翼を生やした銀色の狼。妖怪は恐れる様子もなく、快く頷いた。
 銀狼、白銀も不思議そうに花火の座席に近付く。初めての体験に藍も恐る恐る座る。
「私が冷やしたんですもの。熱くないですよ」
 彼女にそう伝えながら手を振り見送ったのは妖怪、雪女だった。

 座席に座っていながらも宙に浮く足元。徐々に離れていく海や陸地。ひゅるりと吹く風に足の裏が冷え、それが落ち着かなくて少しそわそわした。
 そんな藍とは反対に白銀は体を伏せ、とても落ち着いていた。高い場所には慣れている。そう言いたげな表情で藍を横目で見ていた。
 藍は白銀の頭や背を撫でると、撫でながらそっともたれ掛かってみた。安心する匂いと温かさが、あっという間に彼女から恐怖を忘れさせてくれた。
「……あ」
 ふと視界に入ったものは、空へと目指す光の玉。直後、花開く巨大な花。響く爆発音とその衝動。本物の花火が打ち上げられたのだ。
「綺麗……そう、これが上を見上げない花火なのね」
 次の花火が花開くその時、既に先ほどの花火は枯れていた。散り散りになる火花は天を目指す事を諦め、静かに海へと落ちていく。その海には、花開く美しい花々が映り込んでいた。
「すごいわ、さっきもまであの辺りも闇色だったのに、とても輝いている」
 何処へ顔を向けても輝く花火。それはまるで、宇宙のようにも感じられた。手を伸ばしても届かない星々と、なんだか似ている気がした。

「……そう。なるほど、そうなのね」
 突然、ふふ、と藍が笑った。
「星も、花も、同じだったのね」
 星が輝く理由を思い出したら、花火の美しさの理由が理解できた気がした。
「これが、『儚い』というのね」
 貴方達の生きた証は、私や白銀、ここから見ている皆が心に刻むわ。
 だから私達に見せて。貴方の美しい一生を。
大成功 🔵🔵🔵

栗花落・澪
【金蓮花】
21水着、月の女神

凄いや、座席もキラキラだぁ

クロウさんの隣にでも縮こまるつもりが
抱えられ数秒きょとんと停止

……え?ちょ、えっ?
これ抱っ…えっ!?

状況を理解し赤くなってあわあわ
くっ、クロウさん~僕大人しくしてるからいいよぅ
重いし疲れちゃうよ?
うっ……で、でもさぁ…
嫌じゃないけどぉ…(ごにょ

目を泳がせ言い訳を並べるが
大きな音に気付き目を輝かせ

わぁ、見て見て!おっきい花火!
光が近い…綺麗ー

照れも忘れてしだれ花火にも手を伸ばし
改めて周囲を見て更に瞳をキラキラと

えっ、なにが?
指輪?
アッ……これは、その…う、うん
戦争中に約束を…

照れつつも祝辞にはふわりはにかみ
うん…離れないように、頑張ってみる


杜鬼・クロウ
【金蓮花】アドリブ歓迎
去年の水着

この妖怪花火、観覧車代わりにもなるのか…!
面白ェな
澪、一緒に乗ろうぜ(飄々と澪を片手で抱えて自分の膝の上に乗せ
ン?結構狭いみたいだからこっちの方がイイと思ってよ(本当はわざと
アレーどうしたのかねェ、顔赤くないか?(顔覗き込みニヤニヤ
全然重くねェよ
あァ、イヤなら離れるから遠慮なく言ってくれてイイぜ

揶揄う口ぶりは夜空と海に映る二つの花火の景色を見て止む

ウワ、ホントだ!
近くで見れて良かったわ

花火に触れる澪の左手の薬指に気付く

…ついにそこまで至ったンだなァ
指輪、貰ったンだろ。澪の大切な人から

おめでとう
お前がちゃんとその手を掴んで離さないなら安心だ
澪の倖せを俺も願ってる


 夜。それまでには存在していなかった巨大な花火が海の上に浮かんでいた。
 時を止めた花火はゆっくりと回っている。音を立てず、ただぼんやりと輝きながら、誰かを乗せて回っていた。

 花火観覧車へと導くナイアガラ花火の橋を渡る二人、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)と杜鬼・クロウ(風雲児・f04599)。
「妖怪花火なんて聞いて原理はさっぱりだったが、観覧車代わりにもなるとは面白ェな」
「花火に乗るって、どんな感じなのかな。雲の上とは違うのかなぁ」
 どんなものだろうかと心を弾ませつつ、自分達の番が来るまで他愛ない話も交わしていた事だろう。
 どうぞ、と妖怪に案内されたのは輝く座席。黄金色のそれはまさに花火の色であった。しかしこれだけ近くに在るのに、その輝きは決して眩しくはなく、どこか温かい。
「わぁ……凄いや、キラキラしてる」
 澪が驚きを隠しきれないまま目を輝かせる。恐る恐る近付き、不思議そうに座席を眺める。
「へぇ、これが花火。触れる所か座れる日が来るとはな」
 さらりとそう言ってはみたものの、これが花火である実感はまだ湧かない。クロウは座席を撫でつつすんなりと座ると、澪を手招きした。
「ほら、早く乗らないと置いて行かれるぜ?」
 わざと急かすように言い放つ。そして隣へ座ろうとした澪を、捕まえた、と言わんばかりに片手で引き寄せた。
「…………えっ」
 思わず思考が止まった。クロウの隣へ座ろうとしていたはずが、気付けば彼の膝の上に座っている自分がいる。
「待っ……ちょ、えっ!?」
「ン? 結構狭いみたいだからこっちの方がイイと思ってよ」
 抱き抱えては笑うクロウ。澪の上から見下ろすように覗き込めば、その顔は真っ赤だ。
「あの、くっ、クロウさん~、僕大人しくしてるからいいよぅ。重いし疲れちゃう、よぉ……?」
「ほらお客サン、もう地面から浮いてンだ。いくら重くなくてもあんまり動くと一緒に落ちるぜ?」
 はわ、と固まる澪。確かに足は宙ぶらりんだ。先までいたはずのナイアガラ花火も、既に遠くへ行ってしまっている。
「あァでも、イヤなら離れるから遠慮なく言えよ」
 へらりと笑いながらそう言ったクロウの言葉に、澪は視線を逸らし呟く。
「……嫌じゃ、ないけどぉ……」

 花火観覧車の一部となってから、どれくらい経ったのかは覚えていない。長くも感じたし短くも感じた時、小さな光の玉が海から空へ向かう姿が目に入った。
 光の玉は弾けると、夜空に大きな花を咲かせた。本物の花火だ。下から見上げる事しかできなかったそれを、今は同じ高さから眺めている。
「見て見て! おっきい花火!」
 花火が打ち上げられたと同時に、恥ずかしさは何処かへ消えた。興奮した澪は思わず大きな声で叫ぶ。
「ねぇ見てクロウさん! 空にも海にも花火が咲いてキラキラしてる!」
 澪の顔は縦横無尽に動く。何処を向いても視界に入る色とりどりの輝き。流石のクロウも感動を露わにせざるを得ない。
「ウワ、ホントだ! いやァ思ってたより凄いわ、これが花火か……」
 花火も、視線の下で喜ぶ澪も、どちらも美しく見えた。
 ふと横を向くと、さらさらと風に揺れる輝きに気付いた。観覧車と同じく、時を止めた『しだれ花火』だ。クロウは腕を伸ばし、しゃらり、としだれ花火を手に取ってみる。連なる粒が宝石のように見えた。
 ほら、と澪の目の前にそれを垂らしてみると、澪は特別目を輝かせて手を伸ばした。しだれ花火を指に絡める様子を見た瞬間、あぁ、と。彼はまた一つ別の輝きに気付いた。
「……ついにどこまで至ったンだなァ」
 輝いたのは、花火よりも永遠を誓った証。左手の薬指に嵌められた指輪。
「アッ……これは、その……」
 クロウの反応に、再び襲い掛かる恥ずかしさ。上手く言葉にできない様子の澪に、クロウはそっと頭を撫で、
「おめでとう」
 短くも、全ての想いを詰めた言葉を贈った。

 ――打ち上げられた一瞬の輝きに心を震わせた君よ。その純粋な心を忘れるな。
 ――永遠を手に入れたこの宝石のように輝いて、決してその手を離さないと、約束しておくれ。
 花火を包んだ小さな女神は、小さく頷いた。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

叢雲・源次
【陽だまりの伴】アドリブ歓迎

(ギターとサングラスは置いていった。この戦い(?)についてこられそうもないからな…※そっとヤシの木の根元に)

さておき、たまにはこんなのも良かろう。サギリと共に妖怪花火の上
差し出されたラムネを手に取る。栓を開けるや、溢れてしまうのはお約束

平時の冷徹そのものたる雰囲気のまま…とはいかず、知る人が見ればやや穏やかそうに見える無に近い表情で数少ない口を開く

「感謝している。」

日常を、平穏の尊さを思い出させてくれた、陽だまりの暖かさを教えてくれた陽だまりの伴

夏に浮かされた…こんな時でもなければ伝える事もなかったろう
ラムネ瓶の中のビー玉が花火の音に紛れてカランと音を立てた


サギリ・スズノネ
【陽だまりの伴】

(お留守番のエレキギターとサングラスに手を振りつつ)

お兄さん、お兄さん!すげーのです!花火の観覧車なのです!
ちょっとだけ狭いですかねー?
お兄さんお兄さん、膝の上に失礼するのです!
(※膝の上に乗せて貰います)

せっかくのんびり花火を見るのでー、サギリ、飲み物持って来たのですよ!
じゃーん!ラムネなのです!夏といったらこれなのです!お兄さんもどうぞなのです!

花火、とっても綺麗なのですよー!
感謝です?
……えへへ
サギリもー、お兄さんにはとっても感謝しているのですよ!
だからー、これからもー、こうして花火とかー、綺麗なもの、一緒にたくさん見に行こうなのです!

※アドリブ歓迎です!


「行ってきますですよー」
 ヤシの木の下で涼むギターとサングラスに留守番を頼み、彼らに手を振るサギリ・スズノネ(鈴を鳴らして願いましょう・f14676)。叢雲・源次(DEAD SET・f14403)と共に彼女が出掛ける先は、海に浮かぶ巨大な花火。
「お兄さん、お兄さん! すげーのです! 早く行くのです!」
 興奮するサギリに手を引かれ源次は走る。巨大な花火は時を止め、観覧車のようにゆっくりと回っていた。
 ナイアガラ花火の橋を渡り、花火観覧車の真下まで辿り着く。上を見上げようとしたが、キャバリアよりも高く、首が痛くなりそうな気がしたのですぐにやめた。
「お兄さん、不思議なのです! これ電気じゃねーですよ! 本物の光なのです!」
 妖怪に案内されたサギリが興味深そうに座席に触れて見回す。そうだな、と源次はただ頷き、一人先に座席へ座る。
「あ、ちょっとだけ狭いですかねー? 膝の上に失礼するのです!」
 座席には余裕があった。しかし源次が座った様子を見たサギリは、よいしょ、と彼の膝の上を選び乗った。源次は何も言わず、サギリが落ちないよう抱きかかえ直した。
 とうとう地上から離れゆく足。その下では海が波打ち、花火観覧車の光をゆらゆらと歪ませていた。
「さて、せっかくのんびり花火を見るのでー、飲み物持ってきたのですよ! 夏といったらこれなのです!」
 じゃーん、と元気よく取り出したのは、ビー玉の入ったラムネ。渡された瓶を受け取ると、源次は座席の上へ置き、瓶の口を押し込む。
「おっと」
 吹き出すラムネ。すぐさま持ち上げ座席から離すと、溢れたラムネが遠い海へと落ちていく。海に映る光にぽたぽたと穴が開いた。それを覗いていたサギリが面白そうに笑う。
「そう言えばサギリ、ここじゃラムネ開けられないのです! それ持ってるのでお兄さん開けて欲しいのです!」
 無邪気に渡された二本目の瓶。はいはい、と源次は再び受け取り、口を開けてあげた。再びラムネがぼたぼたと溢れ出た。

「わ、わ、始まりましたよ! お兄さん!」
 夏の夜空に眩しく咲いた本物の花火。普段であれば下から眺めるものだが、今、サギリと源次は『花火と同じ高さ』から花火を眺めている。特等席というものではない、もっと特別な場所から見ているような気がした。
 空を見ても、海を見ても、何処を見ても満開に咲き誇る花火。大きく咲いては一瞬にして散り、海へと還る。そしてまた次の花が咲く。その繰り返しはいつまで経っても飽きなかった。
「花火、とっても綺麗なのですよー! 凄く近くて触れちゃいそうです! あ、触ると言いますか、サギリ達乗ってるのですが!」
 嬉しそうに花火を楽しむのはサギリだけではない。源次もまた見入っていた。不思議で美しい花火と、彼女の喜ぶ姿を。
「お兄さん、楽しいですかー?」
 サギリが話し掛ける。それは口数の少ない源次が心配になったからではない。心配などしていない。見上げて視界に入ったその表情は、穏やかだったのだから。寧ろ、ほっと安心した。
 微笑む彼女と目が合えば、源次は少し間を空けて、そっと答えた。

 ――感謝している。

 彼らしい短い一言だった。多くを語らず、しかしサギリだけに向けられた優しい言葉。
「感謝です?」
 一瞬、きょとんと笑顔を忘れたが、口元から徐々に笑顔が広がり戻る。少し首を傾げ、両手で持った瓶を何度も握り直した。
「……えへへ。サギリもー、お兄さんにはとっても感謝しているのですよ!」
 二人の顔が、花火の輝きで照らされる。
「だからー、これからもー……こうして花火とかー、綺麗なもの……一緒にたくさん見に行こうなのです!」
 猟兵というものは決して楽しい事ばかりではない。けれど、こうして知らない景色を共に見られるのならば、何処までも一緒に居たいと思う。
「……承知した」
 そう呟いた彼の表情は相変わらず変わらない。だが、握った瓶をからりと揺らしていた。……嗚呼、これも夏のせいだ。そう思っておこう。
 ちりん、と微かに耳に響いたのは、風に揺れたしだれ花火の音か、それとも――。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2021年08月06日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵