夏色ゆめはなび(作者 小鳥遊彩羽
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#カクリヨファンタズム  #お祭り2021  #夏休み 


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●夏色ゆめはなび
「水着コンテスト、今年も大盛況だったわね。みんなお疲れ様!」
 そう切り出したキトリ・フローエ(星導・f02354)は、いつになくはしゃいだ様子で。
「それでね、コンテストの会場になったビーチに、妖怪親分のみんなが妖怪花火を用意してくれたのよ!」
 だから、折角だから花火も楽しみましょう、とキトリは笑みを深めて告げた。
「あと、ビーチではふわふわのかき氷が食べられるんですって!」
 ビーチの一角にある、色とりどりのネオンがぴかぴかきらきらのトレンディ(?)なカフェで楽しめるのは、まさに口に入れた瞬間に溶けてしまう、ふわふわのかき氷だ。
 フレーバーは定番のいちごやレモン、抹茶あずきなどの他、シロップをかけると青から紫へと色が変わるゆめかわな雰囲気のかき氷もあるそうだ。トッピングには練乳や白玉、紅茶のシロップなども用意されているので、一杯で様々な味が楽しめたりもするとのこと。
 そして、かき氷を食べながら夜空に咲く大輪の花火を楽しめるのだという。
「妖怪花火はカクリヨ仕様の不思議ですごーい花火でね、一緒に乗って空に打ち上げられたり、花火の光が空中に描く模様の上を歩いて空中散歩なんかも出来るみたい。あとは海に潜って、海の中できらきら輝く花火も楽しめるそうよ」
 もちろん花火に触れても火傷はしないし、カクリヨ仕様の海中では普通に呼吸も出来るため、心配はいらないとのこと。
 空と海を彩る美しい花火とふわふわで美味しいかき氷。
 どちらもきっと楽しめるはず――と笑顔で説明を終えたキトリは、早速カクリヨへと続く扉を開いた。
「今年の夏は今年だけだもの。みんな、めいっぱい楽しんでちょうだいね!」


小鳥遊彩羽
 ご覧くださいましてありがとうございます、小鳥遊彩羽です。
 今回は『カクリヨファンタズム』での夏休みシナリオをお届け致します。

●できること
 カクリヨ仕様の花火やふわふわかき氷を楽しめます。
 花火と一緒に空に打ち上げられたり、花火が描く模様の上を歩く空中散歩の他、海中での花火も楽しめます(呼吸は問題なく行えます)。もちろん砂浜でのんびりと花火を楽しむのも大丈夫です。
 フラグメントのPOW/SPD/WIZは気にせずお好きなようにお楽しみください。また、特にやりたいことを一つに絞ってプレイングを掛けていただくことをおすすめします。
 かき氷のフレーバーは以下の通り(他にもこれが食べたい!というものがありましたらご自由にどうぞ)
 いちご/レモン/桃/梅/マンゴー/抹茶あずき
 スイカ(スイカ+メロンシロップ。見た目がスイカっぽい)
 ゆめかわ(シロップをかけると色が変わります)
 他、トッピングに練乳、白玉、ソフトクリームなど。

●その他の補足など
 ご一緒される方がいらっしゃる場合は【お相手の名前(ニックネーム可)とID】もしくは【グループ名】をご記載下さい。グループでのご参加は出来ましたら2~3名様まででお願いします。
 プレイング受付についてのご案内はシナリオ上部のタグ、及びマスターページにて行いますので、確認をお願いします。
 また、お声がけがありました場合のみ、当方のグリモア猟兵もご一緒させて頂きます。

 以上となります。どうぞ宜しくお願い致します。
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第1章 日常 『猟兵達の夏休み2021』

POW妖怪花火で空へGO!
SPD妖怪花火の上で空中散歩
WIZ静かに花火を楽しもう
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 妖怪たちで賑わうビーチの一角に、かの新し親分、バズリトレンディを可愛くデフォルメしたネオンが目印のオープンカフェが建っている。
 ぴかぴかのネオンに照らされながら潮風に揺れているのは、“氷”の暖簾。
 店内へと足を踏み入れれば、猟兵たちの訪れを今か今かと待ちわびていた妖怪たちが賑やかに出迎えてくれることだろう。
 カフェのメニューはかき氷が中心で、フレーバーも様々。
 聞けばシロップはどれも自家製らしく、妖怪店主のこだわりが窺えるだろう。
 苺や桃、マンゴーなどはごろっと大きな果肉付き。スイカとメロンのシロップを使ったスイカのかき氷は、まさしく見た目がスイカのよう。
 ふんわり青いゆめかわかき氷は、別添のシロップをかけることにより淡い紫へと変化する不思議なかき氷とのこと。
 ガラスの器にこんもりと盛られたかき氷は一見すると多いようにも思えるが、一口食べてみると忽ちの内に口の中で溶けてしまうふわふわのかき氷で。
 妖怪たち曰く、気づけばあやかしに化かされたみたいにあっという間に食べ終わってしまうのだとか。
 そんなかき氷を楽しみながら空を見上げれば、大輪の花が次々に咲いて。
 散りばめられた星のような輝きが、次々に踊るように空を翔けて、様々な模様を描き出していくのがわかるだろう。
 妖怪親分たちが用意してくれた、妖怪花火。
 一緒に打ち上げられたり、空に描かれた模様を伝って空中散歩を楽しむのも悪くはない。
 あるいは、海に潜って水中に咲く花火を楽しむのもいいだろう。
 暗い海の中に咲く、いくつもの光の花は、まるで水中に瞬く星々のよう。

 華やかに、あるいは穏やかに。
 ――さて、どんなひとときを過ごそうか。
 
キリジ・グッドウィン
メルメっち(f29929)と

かき氷のシロップって味が一緒で色と香料で味を補完してる事が多いらしいが…それもか?じゃあ「ゆめかわ」の定義って…夢心地に味ってあるんだな


水の中で声もしっかり届くって違和感というか水の抵抗による時差とか生まれねぇのか、ふぅん
火力演習名義で派手に色付きの火薬を打ち上げたりして、あれも悪くねぇけど情緒が無いと言えばそうなのかも
ま、メルメっちが楽しそうでなにより

夏を追ってるから早く消えるんじゃねぇか?今日だけでも夏、詰めすぎてるだろ
こういう花火とかに対して美辞を述べるのが適解な気がするが…オレには難しい
だから色んな景色をメルメっちと観て、感想を聞くの参考になるというか、な


メルメッテ・アインクラング
キリジ様(f31149)と

「私が食したゆめかわ味のかき氷は、甘く……夢心地の様な風味でした
味よりも寧ろ色を指すのでしょうか?私の舌もゆめかわ色に染まっております」
花火を見に行く為、キリジ様とお喋りをしながら不思議な水中へ
そろそろ開始でしょうか。どきどきして参りました

「わ……!見て下さい、キリジ様!」「わ!また!綺麗……」
普段は火薬と爆発と言えば戦場なのですもの
傷付ける意図のない観賞用の炎と光。安心して楽しく過ごせます

「一瞬でございますね。消えてゆく花火も舌の色も、気付くと過ぎてしまいそうな夏を象徴している様で
けれども、だからこそ覚えていたいと、強く思います」
キリジ様の方を向いて、そうお話します


「私が食したゆめかわ味のかき氷は、甘く……夢心地の様な風味でした」
 そう、どこかうっとりとしたようなため息をつくメルメッテ・アインクラング(Erstelltes Herz・f29929)を前に。
「……夢心地に味ってあるんだな」
 キリジ・グッドウィン(what it is like・f31149)は心なしか真顔で、ゆめかわについての考察を巡らせていた。
「かき氷のシロップって味が一緒で、色と香料で味を補完してる事が多いらしいが……それもか? じゃあ“ゆめかわ”の定義って……」
「味よりも寧ろ色を指すのでしょうか? 私の舌もゆめかわ色に染まっております」
 ぺろ、とメルメッテが小さく出した舌は、確かに淡い青紫――ゆめかわかき氷の色合いに似た、メルメッテの言うところのゆめかわ色に染まっていて。
 ――とにかく、美味しかったことには違いなく。
 ゆめかわ談義に花を咲かせながら、二人は海の中へ。
 潜ってみれば身を包む感触は紛れもなく水のそれであるというのに呼吸に不自由はなく、声も普通に発することが出来るのが、何だか不思議で。
「そろそろ開始でしょうか。どきどきして参りました」
 メルメッテの弾む声も、口の動きに合わせてそのまま届く。
「水の抵抗による時差とか生まれねぇのか、……ふぅん」
 キリジにしてみれば違和感こそあれど、取り敢えずここではそういうものなのだと思えば、然程気にすることでもないのかもしれない。
 ――刹那。
 空から海へと流星のようにこぼれて落ちた一筋の光が、ぱあっと弾けて眩い煌めきを咲かせていく。
「わ……! 見て下さい、キリジ様!」
 光とほぼ一緒に届いた音は、海中用に作られた花火だからか、それともこの世界だからそういうものなのか、想像していたよりも大きくはなかったけれど。
「わ! また! 綺麗……」
 そうして次から次へ、色とりどりの光が海の中で咲き誇る。
 メルメッテの淡い乳青色の瞳も、様々な色に染まっていつになく輝いているようで。
 ――火薬と爆発と言えば、メルメッテにとっても、またキリジにとっても、戦場を思い起こさせるもの。
 例えば、火力演習という名目でで派手に色付きの火薬を打ち上げたりする――そんな光景ならば馴染みもあるものだが。
(「あれも悪くねぇけど、情緒が無いと言えばそうなのかもな」)
 こんな風に時間を忘れて見入るなど決してないし、ましてや穏やかな心地になることだってなさそうだ、とキリジは小さく肩を竦めて。
 今、目の前に“咲いて”いるのは、誰かを傷つける意図のない、観賞用の炎と光。
 だからこそ、メルメッテも安心して楽しく過ごすことが出来ているし――。
(「……ま、メルメっちが楽しそうでなにより」)
 何より、そんな彼女の姿を見て、キリジも楽しいと思っているのだ。
「……一瞬でございますね」
 光の名残が消えた後、メルメッテは不意にぽつりと、噛み締めるように呟いた。
 瞬いたキリジに真っ直ぐに向けられる、メルメッテの瞳。
「消えてゆく花火も舌の色も、気付くと過ぎてしまいそうな夏を象徴している様で」
「夏を追ってるから早く消えるんじゃねぇか? 今日だけでも夏、詰めすぎてるだろ」
 水着、かき氷、海。――そして、花火。
 たった一日で堪能し尽くしてしまうには、あまりにも鮮やかな、瞬くようなひとときだった。
「――けれども、だからこそ覚えていたいと、強く思います」
 心に刻むようにそっと胸に手を当てながら、メルメッテは笑みを深めてみせる。
 僅かに目を伏せたキリジは光の名残を探すように視線を彷徨わせるけれど、もう、どこにもなくて。
 少し、言葉を探すような間を挟んでから、ぽつぽつと言葉を紡いだ。
「こういう花火とかに対して美辞を述べるのが適解な気がするが……オレには難しい」
 綺麗なものなのだろう、とは思う。
 けれど、メルメッテがきっとそうであるように、心が震えるような感覚が、キリジにはわからない。
 それでも、彼女がそう思うのならば、何となく――そうなのだろうと、思えるような気がするから。
「だから色んな景色をメルメっちと観て、感想を聞くの参考になるというか、な」
「でしたら、またいずれ――」
 夏を超えた先の、約束を。
 
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

アリア・モーント
ファンお兄様(f19692)と!

さぁ、お兄様
水着は無理でも、一緒におでかけするのだわ!

ふふ、妖怪花火にかき氷
どちらもお兄様と楽しみたいのよ?
わたしのかき氷はゆめかわな青のシロップに練乳と白玉!
お兄様はどうなさるの?
あら、お揃いにされるのね?
記念に、2つ並べてお写真を撮っておくのだわ!

かき氷を持って花火とお兄様と空中散歩
きらきら、きらら、輝いて
花火とおほしさまが遊んでいるみたいなのよ

…ねぇ、ファンお兄様
今日は無理に連れ出してごめんなさい
でもね、わたしはお兄様とこうして家族としておでかけするのが、とっても好きなのだわ
それだけは、覚えていて?

お兄様の答えを聞いたら
手を握り返して
とびきり綺麗に笑うのよ


ファン・ダッシュウッド
アリア(f19358)と
アドリブ歓迎

ちょっ、アリア……!
こんなに人が多い所は、その……!?
好ましいと思っている妹に引かれるままに
肌を見せない様な、出来る限り涼しい服装で歩く

かき氷、ですか……
こんなに種類があるとは思いませんでした
ゆめかわ……練乳、白玉
そうですね、それなら……アリアと同じものを食べようかと

冷たいかき氷を手に
美しい光景を眺めながら歩く
……大切な家族と見る景色は、とても綺麗に映って

アリア……
どうか、謝らないで
僕も、貴女と……大切な家族と過ごす時間は温かいから
また行きましょう、と自分から手を重ねた

絶対に忘れませんよ
忘れられる訳がないじゃないですか
つい浮かべたのは、困った様な微笑みだった


「さぁ、お兄様。水着は無理でも、一緒におでかけするのだわ!」
「ちょっ、アリア……! こんなに人が多い所は、その……!?」
 声も心も弾ませながら、きらきら煌めく満面の笑みを覗かせるアリア・モーント(四片の歌姫・f19358)に手を引かれ。
 夜空にいくつもの大輪の花が咲き誇る中、ファン・ダッシュウッド(狂獣飢餓・f19692)は少し慌てながらもしっかりと、柔らかな白砂に足跡を刻んだ。
 アリアの言うように、ファンは浜辺でも肌を見せないような、けれど涼しげな装いで。
 手を引くアリアに先導される形で、二人はきらきらのネオン看板が眩しいカフェへ。
「ふふ、妖怪花火にかき氷、どちらもお兄様と楽しみたいのよ?」
「かき氷、ですか……こんなに種類があるとは思いませんでした」
 メニューに添えられた写真だけでも、賑やかさが存分に伝わってくるよう。
「わたしのかき氷はゆめかわな青のシロップに練乳と白玉! お兄様はどうなさるの?」
 そっと小首をかしげるアリアの隣で、メニューをじっと見つめていたファンは、ふと瞬いて顔を上げた。
「ゆめかわ……練乳、白玉」
 アリアの注文をなぞり、それから小さく頷いて。
「――そうですね、それなら……アリアと同じものを食べようかと」
 そう告げたファンは、どこかはにかむように微笑んだ。
「あら、お揃いにされるのね?」
 瞬いたアリアの声は、ほんの少しの驚きといっぱいの喜びが混ざったような響きを帯びていた。
 やがて二人の前に差し出されたゆめかわかき氷は、どこかアリアが普段から好んで纏う紫陽花にも似た色合いのもの。
「記念に、二つ並べてお写真を撮っておくのだわ!」
 存分に写真を撮って欲しいとばかりに設えられたサイドテーブルの上、お揃いのゆめかわな彩りに、照り返すネオンの楽しげな煌めきが添えられて――。

 ――きらきら、きらら、輝く花火の光の上を、冷たいかき氷を手に軽やかな足取りで辿っていく。
 ぱらぱらと空中に散っていく花火の光は、さながら星の輝きのよう。
 そして見上げた空に散りばめられた本物の星たちも、どことなく花火の光に呼応して瞬いているようにも見える。
 まるで、花火とおほしさまが一緒に遊んでいるようにも見えて――思わず見入るアリアを横目に、ファンもまた目の前の景色をゆるりと眺めやっていた。
 ――大切な“家族”と見る景色は、呼吸を忘れてしまいそうなほどにとても美しく、綺麗なものに映って。
 色とりどりの花があえかに綻ぶように、心があたたかなもので満たされていくのをファンは感じていた。
「……ねぇ、ファンお兄様。今日は無理に連れ出してごめんなさい」
 その時、ふと足を止めたアリアが振り返り、小さく眉を下げながら告げる。
「でもね、わたしはお兄様とこうして家族としておでかけするのが、とっても好きなのだわ」
 ――それだけは、覚えていて?
 瞬く花火の光に照らされながら、願うようにアリアが紡いだ言葉に、ファンはつい、どこか困ったような微笑みを浮かべてそっと首を横に振った。
「アリア……どうか、謝らないで」
「お兄様……」
「僕も、貴女と……大切な家族と過ごす時間は温かいから」
 また行きましょう、と確かな声で応え、ファンはアリアの華奢で小さな手に、己の手を重ねる。
「……絶対に忘れませんよ。――忘れられる訳が、ないじゃないですか」
 だってこうして重ねたひとときも、手のひらのぬくもりも、寂しくはなくて、嬉しいものだとファンは知っているから。
 白黒の世界が色づくような、ひとりでは決して紡ぐことの叶わない――優しくて愛おしい時間だから。
 ファンの言葉にアリアはぎゅっと、離さぬように大きな手を握り返して。
 そうして、とびきり綺麗な笑みを咲かせて、しっかりと頷いてみせた。
 
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

リュカ・エンキアンサス
【蒼空】
オズお兄さんと
へえ、花火と一緒にうちあがる…
触る?……なるほど
うん、もちろん、行ってみよう(手を繋いで

と、いうわけで一緒に打ち上げてもらう
え?なんでたま……
うわ、今浮いた。めっちゃ浮いた
空の上の花火もなかなかきれいだね
この光、持ち帰れないのかな……持って帰れたらいろいろ便利そうなんだけど……
あ、ほんとだ。消えてく
ちょっと残念だね

よし、なるべく新しい花火の方へ渡ってこう
花火が消えたところは渡れないという謎のルールで……、
かき氷屋さんはあそこで……あのルートだと……
(こういう時は割と真剣になる
あっちか。ほら、お兄さん花火消える前に、急いで
無事にたどり着いたら、かき氷沢山食べないとね


オズ・ケストナー
【蒼空】
ね、リュカ
うちあげてもらおうっ
わたし、花火さわったことないっ

ドンっと飛ぶ間にリュカに手を伸ばし
笑い声と共に叫ぶ

たーまやーっ
花火のときはそうさけぶってきいたっ

すごい、これが花火のうえっ
飛び跳ねて上の光を掴んでぶら下がり
ほんとだ、あつくないよ

もちかえる?おみやげ?
リュカが言うならそうしたいから取れるか試してみるけど

わ、むこうのはじから消えてってる
すまほがあれば写真のこせたかなあ

残念そうなリュカの手を引く
リュカ、つぎどっちにいくっ?

わあ、いそぐっ
手を繋いで次の花火にジャンプ
ふふ、たのしいねっ

あ、あそこにみえるのってかきごおりやさんかな?
おっけーっ
花火みたいなぴっかぴかのかきごおり、食べようっ


「へえ、花火と一緒にうちあがる……」
 リュカ・エンキアンサス(蒼炎の旅人・f02586)が見上げた空から、景気の良い花火の音と共に降ってくる誰かの声。
「うちあがってる!」
 揃って空を見上げていたオズ・ケストナー(Ein Kinderspiel・f01136)は、わくわくと弾む心を抑えきれないといった様子で。
「わたし、花火さわったことないっ」
「触る? ……なるほど?」
 説明を聞くに、どうやらリュカが想像している花火とここの花火は、少し、否、結構違うようで。
 何せ花火といえば火薬を使っているのだから、触ったら普通に火傷をするものだ(と少なくともリュカはそう認識していた)から触ったことがないのはリュカも同じだけれど、触っても大丈夫、とは――深く考えるまでもなく、そのままの意味なのだろう。
 触っても火傷をする心配はなく、その上、花火と一緒に空高く打ち上げてもらえるのだという。
 ぱっと振り向いたオズは、キトンブルーの瞳をきらきらと輝かせて笑った。
「ね、リュカ。うちあげてもらおうっ」
「うん、もちろん、行ってみよう」
 ――と、いうわけで。
 二人が乗った花火の導火線に火がつけられて、打ち上がるまでほんの数秒。
 足元が生まれた風で風船のように大きく膨らみ、弾けて、ドンっと飛び上がる――その間にオズが差し伸べた手を、リュカもしっかりと握り返して。
「たーまやーっ」
「え? なんでたま……」
「花火のときはそうさけぶってきいたっ」
 なんて話している間に。
「うわ、今浮いた。めっちゃ浮いた」
 花火と一緒に――あっという間に、空へ。

「――すごい、これが花火のうえっ」
 空の上には、地上から見上げるよりも心なしか眩しいような、色とりどりの煌めきが散らばっていた。
 花火の光によって描かれた模様は様々で、まるで、いくつもの道が交差して空に地図を描いているよう。
「空の上の花火もなかなかきれいだね」
 感心するようにそう零すリュカの傍らで、オズはぴょんとその場で飛び跳ね、器用に上の光を掴んでぶら下がる。
「ほんとだ、あつくないよ」
 楽しげに弾むオズを見て、リュカも試しに花火の光に触れてみる。
 成程、確かに熱くはなくて――どちらかと言えば、吹く風を浴びているからか、ほんのり冷たいとさえ感じるほど。
「この光、持ち帰れないのかな……持って帰れたらいろいろ便利そうなんだけど……」
「もちかえる? おみやげ?」
 リュカが言うのであれば、そうしたいとオズも思うから。
 何とか取れないか試してみるけれど、花火の道はとっても硬くて、その上――。
「わ、むこうのはじから消えてってる。すまほがあれば写真のこせたかなあ」
「あ、ほんとだ。消えてく。ちょっと残念だね」
 どうやら時間が経つと自然と消えてしまうらしく、お土産として持ち帰ることは出来ないようだった。
 それでも、たとえ写真に残せなくとも、一緒に見た思い出はちゃんと記憶に残るから。
 残念そうなリュカの手を引き、オズはにっこり笑みを深めて。
「リュカ、つぎどっちにいくっ?」
「よし、なるべく新しい花火の方へ渡ってこう。花火が消えたところは渡れないという謎のルールで……」
 頷きひとつ、こういう時ばかりは些か真剣味を帯びた表情で、ルートの吟味を始めるリュカ。
「わあ、いそぐっ」
 そうこうしているうちに、自分たちが今いる花火もふわっと消え始めていて、オズはほんのちょっぴり慌ててリュカの手を引き、新たな花火へと飛び移った。
 次から次へと花火が上がって新しい道を作っているから、渡れないまま落ちてしまうということは――どうやらなさそうだ。
「ふふ、たのしいねっ。――あ、あそこにみえるのってかきごおりやさんかな?」
 見れば空の上からでもよくわかるぴかぴかのネオンの看板が、二人を呼んでいるよう。
「かき氷屋さんはあそこで……あのルートだと……あっちか」
「おっけーっ」
 一緒になって道を確かめたオズも、大きく頷いてみせる。
 カフェへと続く道は、緩やかな下り階段のよう。
「ほらお兄さん、花火消える前に、急いで。無事にたどり着いたら、かき氷沢山食べないとね」
「うんっ、花火みたいなぴっかぴかのかきごおり、食べようっ」
 
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

花澤・まゆ
【星野祐一さん(f17856)と一緒に】
妖怪親分さんたち、派手だなあ
でも美味しいかき氷が食べられるならいいか!

というわけで、祐一さんとかき氷を満喫するよ
あたしはね、ゆめかわなのが食べてみたい
ふわふわ青いかき氷にソフトクリームをつけて
まずはシロップをかけずに一口
……ふわぁ!口の中で氷がふわっと溶けていっちゃった!
そしてシロップをかければ紫色に
まるで夢みたいに色が変わるんだね
祐一さんにもおすそ分け あーん?

かき氷を食べながら妖怪花火を眺めて
いい夏を迎えられたねって笑うんだ
今年も祐一さんと一緒に夏を過ごせて
あたしは嬉しいです
来年も一緒にね?

アドリブ歓迎


星野・祐一
【花澤まゆちゃん(f27638)と一緒に】
妖怪と付いてるだけあってド派手だねえ
しかも美味しいかき氷も食べられるとか…最高だな!

まゆちゃんとぴかぴかネオンのカフェでかき氷を食べに行くぜ
見るからにふわふわのかき氷に練乳といちごのシロップを掛けたら
早速一口……んんっ!?本当に一瞬で溶けちまったぜ
まゆちゃんのゆめかわなかき氷は見てるだけでも楽しそうだね
ん、あーん……んー美味しい!
それじゃあ、まゆちゃんに俺からもおすそ分けだ
はい、あーん

美味しいかき氷と綺麗な妖怪花火を堪能しながら
ああ、最高の夏だよって笑って返して
今年もまゆちゃんと一緒に夏を過ごせるのが堪らなく嬉しい
勿論、来年の夏も一緒にな?

アドリブ歓迎


「……妖怪親分さんたち、派手だなあ」
「妖怪と付いてるだけあって、ド派手だねえ」
 千差万別、色とりどりの花火が景気良く夜空を染める中、花澤・まゆ(千紫万紅・f27638)と星野・祐一(シルバーアイズ・f17856)は、遠くから見てもとっても目立つ、新し親分ことバズリトレンディのデフォルメされた笑顔が目印のネオン看板を、どこかぼんやりと見上げていた。
 けれど、二人はすぐに互いに顔を見合わせて、笑顔で頷く。
「でも美味しいかき氷が食べられるならいいか! ね、祐一さん!」
「ああ、美味しいかき氷も食べられるとか……最高だな、まゆちゃん!」
 ――というわけで。
 メイド服やら執事服やら、はたまたお祭りのはっぴやら――各々個性的な衣装に身を包んだ店員の妖怪たちに出迎えられて、二人はカフェのテラス席へ。
 真剣な顔でかき氷のメニューとにらめっこ――する時間は、さほど長くはなかった。
 まゆは食べてみたいと決めていたゆめかわなかき氷にソフトクリームをプラスして。
 そして、祐一はいちごのかき氷に練乳をチョイス。
 程なく運ばれてきたふわふわのかき氷は、一見すると食べ切れるのだろうかと思うくらいこんもりと盛られていて。けれど、スプーンでそっと掬うだけでもそのふわふわ感がわかるほど。
 まずはシロップをかけずに淡い青色に染まったかき氷を一口食べたまゆは、すぐにぱち、と大きく瞳を瞬かせた。
「……ふわぁ! 口の中で氷がふわっと溶けていっちゃった!」
 一方の祐一も、たっぷりの果肉が乗った鮮やかないちごのかき氷に練乳をかけて、同じく一口。
「……んんっ!? 本当に一瞬で溶けちまったぜ」
 本当にかき氷かと思ってしまいそうなほど、あっという間に溶けていくから、箸ならぬスプーンもさくさくと進んでいく。
 青いかき氷にシロップをかければ、忽ちの内に薄紫色へ。
「まるで夢みたいに色が変わるんだね……!」
 何だか最初は甘かった味もシロップでほんのりと甘酸っぱく変化したようにも思えて、ほんの少しはしゃいだ様子で祐一を見やれば、楽しげな笑顔と目が合った。
「まゆちゃんのゆめかわなかき氷は、見てるだけでも楽しそうだね」
 こくんと頷いたまゆも笑みを深め、少し多めにゆめかわかき氷を掬って。
「祐一さんにもおすそ分け。……あーん?」
 差し出されたスプーンに瞬いた祐一は、すぐに目を細めて大きく口を開けた。
「ん、あーん……んー美味しい! それじゃあ、まゆちゃんに俺からもおすそ分けだ。はい、あーん」
 二人で分け合う甘さに、笑みも心も弾むばかり。
 ――ぱらぱらと瞬く光を追いかけて、どぉん、と大きな音が鳴り響く。
 美味しいかき氷を食べながら、空を華やかに彩る妖怪花火を眺めては――ふたり、顔を見合わせて微笑んで。
「……いい夏を迎えられたね」
「ああ、最高の夏だよ」
 それから、少しの間。
 ゆるりと流れる沈黙もどこか心地好いものではあったけれど、いくつかの花火が空に咲いた頃、まゆは改めて祐一へと向き直った。
「今年も祐一さんと一緒に夏を過ごせて、あたしは嬉しいです。……来年も一緒に、ね?」
 はにかむようにまゆが告げた言葉に、祐一も笑みを深めて頷く。
 去年よりずっと近づいた、ふたりの距離と心。
 こうして一緒に夏を過ごせることが堪らなく嬉しいのは、祐一だって同じだ。だから。
「勿論、来年の夏も一緒にな?」
 こんな風に、ふたりで一緒に。笑顔と想い出を重ねて、紡いで。
 来年の夏も、それから――。
 
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

御剣・刀也
ステラ・エヴァンズ(f01935)と一緒に参加

POW行動

花火と一緒に空に打ち上げられる。か
人間の世界ではまず出来ない経験だな。どうなるかわからんが
楽しませてもらおう

花火と一緒に空に打ち上げられ、夜空を彩ったら、そのまま妖怪花火の上に着地し、空中散歩を楽しむ
ステラとはぐれないよう手を繋いで打ち上げられ、着地の際は怪我がないよう抱っこ状態で着地する
「花火と一緒に打ち上げられるとか滅多ない経験だったな。ま、それよりも今は、この景色を楽しもう」


ステラ・エヴァンズ
刀也さん(f00225)と一緒に参加

花火と一緒に打ち上げられるなんてカクリヨならではの気が致しますね
火傷もしないとの事ですから全力で楽しめるといいのですが

打ち上げ前のその気遣いを嬉しく思いつつこちらも離れぬよう繋ぎ返します
上へ到達した際の浮遊感にくらっとしてしまうかもしれませんが、抱っこされてる事に気付けば茹で蛸のように真っ赤になりましょう
嬉しいですけれど恥ずかしいですし、やはりドキドキ致しますもの
色鮮やかな花火もあいまってまるで夢のようです
花火と共に夜空を飾れたら、そのままゆるりと夫婦水入らずの空中散歩を楽しみましょうか

「ふぁ、ひゃい。貴重な経験に景色も伴って忘れられない散歩になりそうです」


「……花火と一緒に空に打ち上げられる。か」
「花火と一緒に打ち上げられるなんて、カクリヨならではの気が致しますね。火傷もしないとの事ですから、全力で楽しめるといいのですが」
 ふむ、と頷く御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)の傍らで、妻であるステラ・エヴァンズ(泡沫の星巫女・f01935)はにこにこと楽しげな様子で。
「人間の世界ではまず出来ない経験だな。どうなるかわからんが楽しませてもらおう」
 打ち上げられた後に逸れてしまわぬようにと、進んでステラの手を取る刀也。
 さりげないその優しさと気遣いを心から嬉しく思い、柔らかく笑みを深めながら、ステラもまた離れぬようにとしっかり繋ぎ返す。
 そうして、花火に火がつけられたと思ったら、爆ぜた光と共に足元で一気に風が膨らんで――二人の身体はあっという間に花火と共に、空へと翔け出した。
 そのまま、一気に上空へ。
 色とりどりの光が尾を引いて、夜空を花や星、月など様々な模様で彩りながら夜空に道を作っていくのに、ステラは息を呑むばかり。
 程なく、描き出された花火の模様、それによって作られた道の上に、刀也はステラを横抱き――いわゆるお姫様抱っこ状態で抱えたまま、とんと軽やかに着地した。
「……ふぁ!?」
 上空に到達した際の浮遊感にほんの少し目が眩むような感覚を覚えていたステラは、思ったほどに衝撃がなかったことに瞬いて、そして――愛しい人の逞しい腕にしっかりと抱えられていることに気づいた瞬間、茹で蛸のように真っ赤に頬を染め上げてしまう。
 愛しい人の腕の中。そして、勿論二人きり。
 それは、ステラにしてみれば勿論嬉しいことではあるけれど――人目を気にする必要のない空の上であるとは言え若干恥ずかしくもあるし、何より薄手の布越しに伝う彼のぬくもりに、どうしても鼓動が高鳴ってしまう。
「どうした、ステラ?」
「……ひゃ、ひゃい!」
 ――そんなステラの胸中を、知る由もなく。
 何食わぬ顔で覗き込んでくる刀也に、ステラは慌ててぶんぶんと首を横に振ることしか出来なくて。
「花火と一緒に打ち上げられるとか滅多ない経験だったな。……ま、それよりも今は、この景色を楽しもう」
 それを、どうやら“なんでもない”と受け取ったらしい刀也は、そのまま――ステラをしっかりとお姫様抱っこしたまま、夜空に描き出された模様の道の上を足取り軽く歩き出した。
 咄嗟に掴まれば、ステラはまた意識してしまう、けれど。
 どおんと響く花火の大きな音に、高鳴る鼓動の音も紛れるだろうか。
 心地よく渡る夜風が、少しはこの熱を冷ましてくれるだろうか。
「そ、……そうですね、貴重な経験に景色も伴って、……忘れられない散歩になりそうです」
 色鮮やかな花火の光も相俟って、まるで、夢のような心地さえ覚えるけれど。
 今この瞬間は紛れもなく、夢ではなくて。
 ――そのまま二人はゆるりと、満天の星と夜空に輝く花火の光とを楽しみながら、夫婦水入らずの空中散歩に興じるのだった。
 
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

篝・倫太郎
【華禱】
ぴかぴかできらきら
めっちゃ新し親分好みじゃん

そう納得しつつ

……花火楽しむには少し明るすぎるから
かき氷受け取ったらちょっと離れよ?

まぶしー……と言いたげに顔を隠すしょこらの
黒い毛並みを撫でてそう提案

色変のかき氷を受け取ったら
花火が良く見える場所に移動

のんびりかき氷と花火を楽しむ

青から紫って、あんたみたいだから
つい頼むよな、俺……

そう告げながら
興味津々なしょこらに一口お裾分け
耳を揺らして瞬きして
気に入ったらしいしょこらの反応に笑えば

どうやらましゅまろも気に入った……っぽい?
二羽の反応に夜彦と二人顔を見合わせて笑えば

今度は打ちあがった花火に興味が移ったらしい二羽の様子
それにもまた、二人で笑う


月舘・夜彦
【華禱】
煌びやかで眩しいくらいです
少し離れた所から見た方が花火も楽しめますから
かき氷を頂いたら良い場所を見つけましょう

肩に乗ったましゅまろを見てみると
動じていないが視線は周囲を観察するように動いている
この子も興味はありそうですね

ゆめかわなかき氷を受け取って移動
色が変わる飲み物は以前頂いたことがあります
ふふ、色が変わるのは珍しいから頼んだのですが
確かに私の色ですものね……

倫太郎がしょこらにかき氷を与える様子を見て
隣で寛いでいるましゅまろを見遣る
食べてみますか?

数度匂いを嗅いだ後、口に含むと少しぷるりと身を震わせたが再び食べる
ましゅまろも好きそうです
花火の音に気付いて今度は空を見上げ、目を細める


「ぴかぴかできらきらだなんて、めっちゃ新し親分好みじゃん」
 ある意味、花火よりも派手に輝いているような、新し親分ことバズリトレンディの、デフォルメされた笑顔が眩しいネオンの看板に納得しつつ、篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)は傍らの月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)にそっと呼びかけた。
「……花火楽しむには少し明るすぎるから、かき氷受け取ったらちょっと離れよ?」
 そう告げたのは、いつもは好奇心の赴くままにあちらこちらへと跳ね回る黒いラビットグリフォンのしょこらが、(まぶしー……)と言いたげにちょっと不機嫌そうな顔で、きらきらな光から目を背けていたから。
「えぇ、煌びやかで眩しいくらいですし、少し離れた所から見た方が花火も楽しめますから、かき氷を頂いたら良い場所を見つけましょう
 宥めるようにしょこらのよく手入れされた毛並みを撫でる倫太郎に、夜彦は穏やかに頷いてみせる。
 そんな夜彦の肩には、しょこらと対のような白いラビットグリフォンのましゅまろの姿。
「この子も興味はありそうですね」
 ましゅまろはというと、ネオンの輝きに動じている気配はまるでなく、それどころか耳をぴんと真っ直ぐ立てて忙しなく動かしながら鼻もひくひくと動かし、周囲の様子をとても気にかけているようだった。言わば、興味津々だ。
 ゆめかわなかき氷を受け取り、花火がよく見える場所を探して移動する。
「色が変わる飲み物は、以前頂いたことがあります」
 そう呟く夜彦に、倫太郎はどことなくばつが悪そうに視線を彷徨わせてから――。
「……青から紫って、あんたみたいだから」
 つい頼んでしまったのだと、手の中のかき氷に視線を落とし、ぽつりと告げる。
 夜彦はほんの少し驚いたように瞳を瞬かせてから、柔らかく微笑んで。
「ふふ、色が変わるのは珍しいから頼んだのですが、確かに私の色ですものね……」
 そう思えば、まるで手の中に竜胆が咲いたようにも思えた。
 ネオンの光は眩しくとも、かき氷の甘い香りは気になるらしい。
 興味津々なしょこらに、倫太郎はゆめかわかき氷を一口お裾分け。
 しょこらは初めて見るかき氷にふんふんと鼻を寄せてから、ぺろりと舐める。
 どうやら気に入ったらしく、耳を揺らすその姿に倫太郎は笑って。
 そして、倫太郎がしょこらにかき氷を与える様子を見て、夜彦も隣ですっかり寛いでいるましゅまろを見やった。
「……食べてみますか?」
 同じように一口差し出してみれば、ましゅまろもまた鼻を動かし匂いを確かめてから、ぺろり。
 冷たさにほんの少しぷるりと身を震わせたけれど、どうやらこちらも気に入ったらしく、あっという間にぺろっと平らげてしまった。
「ましゅまろも気に入った……っぽい?」
「はい、ましゅまろも好きそうです」
 二羽の反応に二人、顔を見合わせて笑みを深めた。
 ――そして。
 ぱっと瞬いたいくつもの鮮やかな光と、然程間を置かずにどおん、と響いた花火の音に、二羽の興味は早速移ったよう。
 揃って空を見上げる二羽の姿は愛らしくもあり、更に笑みを深めながら、倫太郎と夜彦も空を見上げ――夏の涼と色鮮やかな光の饗宴を楽しむのだった。
 
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

玖麗・伊緒
【アリサはん(f01846)】と
※名前以外のカタカナ文字はひらがな文字表記で
※適当な京都弁です


…かき氷ってこないにふれぇばぁあるもんなん…?
どれ選べばいいか分からんわぁ…ゆめかわって何…?
…アリサはん選らんでぇ。うちもうよう分からん…
全部…なるほどなぁ!頭えぇ!
んふふ~。ほんならうちゆめかわにそふとくりぃむにしよぉ
うわぁ、綺麗やしほんまにふわふわや…すご、美味しぃ~

…二つでお腹いっぱいやわ…アリサはんほんまに全部食べるん…?
あ!アリサはんアリサはん水中花火やて!
不思議!行かな!!ほら早よ!早よ!
(たこ足を搦めてぐいぐい引っ張っていく)
うわ、なにこれすごぉ…綺麗…
水中で花火ってどういう事なん…


アリサ・マーキュリー
【イオ(f26942)と】
※基本的に名前はカタカナ呼び捨て

ふわふわの……かき氷!?
よし、食べよう。
どれ……。ゆめかわ、はわかんないけど、全部食べてみれば?
とりあえず左から全部頼んで、あトッピングも増し増しでね。全部食べてみたら好きなの一つくらいあるよ。多分。
だって、どれだけ食べてもいいんでしょ?ふふふ、楽しみ。(フードファイト開戦のゴングが鳴る。)
さて何から食べよっかなぁ。まずはいちごに全部トッピングして、よし。いただきまーす。ん〜〜、ほんとだ。すぐ溶ける。美味し〜、甘〜〜。(食べてる途中で引っ張られていきガボガボ)
水中で花火って訳分からんすぎてウケる。
水の中でも花火は花火なんだ。綺麗だね。


「ふわふわの……かき氷!? よし、食べよう」
 色とりどりの花火が華やかに空を染める中、即決とばかりに深く頷いたアリサ・マーキュリー(I’m not a princess!・f01846)とは対照的に。
「……かき氷って、こないにふれぇばぁあるもんなん……? どれ選べばいいか分からんわぁ……ゆめかわって何……?」
 花火に負けじと色鮮やかなメニュー表を前に、玖麗・伊緒(魔紋跋扈・f26942)は早速弱気な声を零すばかり。
「……アリサはん選んでぇ。うちもうよう分からん……」
 伊緒に泣きつかれたアリサの答えは、ごくシンプルなものだった。
「どれ……ゆめかわ、はわかんないけど、全部食べてみれば? とりあえず左から全部頼んで、あトッピングも増し増しでね。全部食べてみたら好きなの一つくらいあるよ。多分」
 悩んでしまうのならば、いっそ――全部。
「全部……なるほどなぁ! 頭えぇ! んふふ~。ほんならうち、ゆめかわにそふとくりぃむにしよぉ」
「だって、どれだけ食べてもいいんでしょ? ……ふふふ、楽しみ」
 ゆめかわに心をときめかせる伊緒の傍らで、きらり、とアリサの瞳が輝いた瞬間。
 どこかでフードファイト開戦のゴングが鳴り響いた――ような気がした。

「さて何から食べよっかなぁ。まずはいちごに全部トッピングして、よし。いただきまーす」
 こんもりと盛られたかき氷には、自家製の濃厚な苺のシロップがたっぷりと。
 これでもかと散りばめられた果肉だけではなく、真っ白なソフトクリームや白玉も程よいアクセントとなってかき氷を彩っているかのよう。
 さらに練乳をかけて、アリサは早速一口。
 口に入れた瞬間にあっという間に溶けていく氷は、どんどん食べても頭が痛くなるようなこともなくて。
「うわぁ、綺麗やしほんまにふわふわや……しろっぷかけるとほんまに色変わるし、すご、美味しぃ~」
 一方、きらきらと目を輝かせながらゆめかわと、そしてスイカのかき氷を楽しんでいた伊緒だったが。
「……二つでお腹いっぱいやわ……アリサはん、ほんまに全部食べるん……?」
 ちらりと見やれば既にいちご――だけでなく桃やマンゴーまで平らげていたアリサは、抹茶あずき(勿論トッピング全部盛り)を前にスプーンを構えているところだった。
「ん~~、ほんとだ。すぐ溶ける。美味し~、甘~~」
 すご、と思わず零した伊緒は、その時不意に、ぱっと瞬いた光に振り向いた。
 見れば海面にぱらぱらと、いくつもの鮮やかな光が瞬いていて。
「あ! アリサはんアリサはん、水中花火やて!」
「ん~? 水中花、」
 び、とアリサが言い終えるよりも早く。
「不思議! 行かな!! ほら早よ! 早よ!」
 待ちきれないとばかりに伊緒はアリサににゅるっと蛸足を搦め、砂浜のほうへぐいぐい引っ張っていく。
 伊緒の身体の一部である三頭の子犬たちも、尾があればはちきれんばかりに振られているような、今か今かとばかりに駆け出しそうな勢いで。
 アリサはかき氷のスプーンを持ったまま引っ張られ、気づけば伊緒と一緒に海の中にいた。
 とは言え伊緒はチョコレート色のラインにミントカラーが鮮やかなフリル付きのワンピース、そしてアリサは黒のホットパンツを重ねた紺色のビキニと、二人共ちゃんと水着を着ているから――海に入る分には全く問題はないのだけれど。
「うわ、なにこれすごぉ……綺麗……水中で中で花火ってどういう事なん……」
 夜の海を彩るたくさんの光。
 空で盛大に弾ける花火とはまた違って、さながら水中に咲く花のように、光は柔らかく揺れていた。
「水中で花火って訳分からんすぎてウケる。しかも普通に話せるし」
 海の中だというのに呼吸も会話も全く問題がないのは、きっと、ここがカクリヨだからだろう。
「……でも、水の中でも花火は花火なんだ。綺麗だね」
 小さく息をつき、笑ったアリサに、伊緒もそうやね、と満面の笑みを浮かべて頷いた。
 
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

陽向・理玖
【月風】

カフェだけじゃなく
瑠碧の目もきらきらしてら
楽しげに表情緩め

瑠碧は桃?
いいじゃん
俺も桃好きだ
紅茶も美味そうだな

俺?
うーん
ゆめかわって何だ?
見た目変わるのは分かるんだけど
何味?
スイカも気になるし
レモンと紅茶も

瑠碧味見すんならどれがいい?
スイカ?
じゃあそれにするわ
あとトッピングにソフトクリーム

足元気を付けろよ?
手繋ぎ砂浜へ

あ、マジで?
口を開けて待機
桃美味い
フルーツティっての?
瑠碧もほら
ソフトクリームごと掬って差出し

びくっとする様子を見て
大丈夫?
…そっか
瑠碧と花火見れて嬉しい
頭をそっと肩に引き寄せようとして
そのまま耳をそっと塞ごうと
これで少しは音怖くねぇ?

えー
いいと思ったんだけどな
少し残念げに


泉宮・瑠碧
【月風】

ふわふわかき氷…
つい目がきらきら
…花火も、熱くなさそうで…
火でも、私も見られそうです
…音も控えめだと良いのですが

まずはかき氷…
はっ
理玖、お味が色々あります
梅は自作済みなので
私は桃のかき氷が良いです

紅茶のシロップも惹かれ…
桃と紅茶を左右で別々に掛けて貰い
混ぜても別々でも味わえます

理玖は、決めました?

迷う様子を見て
…私です?
スイカは見た目も楽しそうですよね

かき氷を手に
砂浜で花火見物

…氷がふわふわ…
理玖、私のも食べてみます?
そう差し出して
理玖のも一口貰い
違うお味も、美味しいです

花火の音にびくっとして
…何も燃えないなら、少しは大丈夫、です

…音は平気でも
花火も見えません
そう笑い

…でも、このままで


「ふわふわ……かき氷……」
 きらきらしているのは、カフェだけではなく。
 泉宮・瑠碧(月白・f04280)の深い青の瞳もいつもよりきらきらと輝いているのに、陽向・理玖(夏疾風・f22773)は楽しげに表情を緩めていた。
 ここで見られる花火は、一緒に空を飛べるくらい――には、熱くはないのだそう。
 たとえそれが悲しい記憶を思い起こさせる火であっても、命を傷つけるものではないから見られそうだと、瑠碧は安堵もしていた。
(「……音も、控えめだと良いのですが」)
 ほんの少しの憂いもあったけれど、まずは――かき氷。
「……はっ。理玖、お味が色々あります」
 メニュー一覧にずらりと並ぶ、色鮮やかなかき氷の数々。
 それらはどれも瑠碧の心を惹き付けて止まないけれど、特に目を引いたのは。
「私は……桃のかき氷が良いです。あと、紅茶も……」
「瑠碧は桃? いいじゃん。俺も桃好きだ。紅茶も美味そうだな」
 隣でメニューを覗き込みながら、理玖は目元を和らげつつ頷いた。
「理玖は、決めました?」
 そっと窺えば、どうやら真剣に悩んでいる様子。
「……俺? うーん、ゆめかわって何だ?」
 先程から理玖がじっと見つめていたのは、紫陽花の青と紫を混ぜたような色合いの、ゆめかわなかき氷。
「見た目変わるのは分かるんだけど、何味?」
 聞けば最初は甘くて、シロップをかけるとほんのりとレモンのような酸味が混ざり、例えるならば甘酸っぱい恋の味がするのだそうだ。
 見た目がスイカっぽいスイカのかき氷も気になるし、レモンや紅茶のシロップもそれはそれで美味しそうで、悩みは尽きない。
 そこで、理玖は瑠碧へと振り向いた。
「瑠碧、味見すんならどれがいい?」
「……私です?」
 ぱち、と瞬いて、少しの間。瑠碧が控えめに告げたのは。
「スイカは、見た目も楽しそうですよね」
「スイカ? じゃあそれにするわ。あとトッピングにソフトクリームで」
 理玖のかき氷は見た目がまさにスイカのよう。底の方にはメロンのシロップが掛けられた氷が敷かれ、その上に赤いスイカのシロップが掛かった氷が山のようになっていて。
 桃と紅茶のシロップをそれぞれ別々に掛けて貰った瑠碧のかき氷は、混ぜても別々でも味わえるから――何だか少しお得な気分。
「足元気を付けろよ?」
 片手にかき氷、もう片方の手はしっかりと繋ぎ、二人は砂浜へ。
 柔らかな白砂の上に腰を下ろして、花火が上がるのを待つ。
 喉を潤してくれる冷たくて甘い氷に、瑠碧の表情は緩むばかり。
「……氷がふわふわ……理玖、私のも食べてみます?」
 そんな彼女の様子を嬉しげに見つめていた理玖は、不意にはっと瞬いた。
「あ、マジで?」
 無論断ることなどあるはずはなく、ちょっぴりそわそわしながら口を開ける理玖。
 その口元に、瑠碧は桃と紅茶を混ぜた一口を、そっと差し出した。
「桃美味い。フルーツティっての? 瑠碧もほら」
 お返しに、理玖もスイカのかき氷をソフトクリームごと掬って差し出し。
「違うお味も、美味しいですね」
 ――その時。
 ぱっと夜空に光が散ったかと思うと、どおん、と大きな音が響き渡って。
「……っ」
「大丈夫?」
 思わずびくっと肩を跳ねさせた瑠碧は、理玖の案じるような声にもう一度瞬いた。
 お腹の底から響くような大きな音は少し怖い、ような気がしたけれど。
「……何も燃えないなら、少しは大丈夫、です」
「……そっか」
 微笑む瑠碧に理玖は小さく息をつき、そのまま――瑠碧の頭をそっと引き寄せて、耳を塞いだ。
「っ、理玖……?」
「……これで。少しは音怖くねぇ?」
 傍らに在る確かなぬくもりは、瑠碧の心を安心させて、落ち着かせてくれることに違いはないのだけれど――。
「……音は平気でも、花火も見えません」
「えー。いいと思ったんだけどな」
 静かに微笑う気配に理玖はと言えば、少し残念そうな様子で。けれど――。
「……でも、」
 このままで、と、小さく付け加えられた言葉に瞬いて、理玖は改めて瑠碧を引き寄せる。
「瑠碧と花火見れて、嬉しい」
「はい、私も――」
 ――そうして、ふたり。見上げた夜空に。
 色とりどりの光の華が、一斉に咲いた。
 
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

月詠・黎
🌕望月

白玉添えた檸檬シロップのかき氷をお供に
小さな満月携えて
友が指した先の模様は宙への導

――ユエや、空は逃げぬ
ゆるりと之こう、模様の先へ

差し出された手は咲かす笑みと共に取り
ぬくもりに緩く笑み
ふふ、氷を食べる手が無くなってしまったのう
戯れ紡ぐは樂し気な

花火が描く途
様々な輝きが弾ける空の彩
眸の満月を瞬きさえ新月に沈めるのも勿体無く

煌めきばかりじゃの
ふふ、夢でも好かろうよ

立ち止まって暫し手を解き
月色の氷を食そうか
ふわり口で融けて之く爽やかな味は喉を抜けて

おや、小さき望月も仲間入りか
――では、
白玉を倣って掬い緩く掲げ
此れで我らも仲間入りじゃな

茶目っ気ならば此の爺とて負けぬよ
夏の空に満月添えのひと時を


月守・ユエ
🌕望月

檸檬シロップと白玉を乗せたかき氷を片手に
空を仰ぐと宙描く模様を歩けると知る
ぱぁっと瞳を輝かせて彼を振り返り
模様咲かす空を指さす

――黎さん!
あそこにいこう!空中のお散歩だってっ

空をお散歩、経験のない初めてのこと
きっと楽しいよ♪
空いてる手を差し出し笑み咲かす

二人歩む輝く道
全てが花火で輝く世界に月眸も一緒に煌き

わぁっ…
海も夜空もきらきらして
まるで夢の中にいるみたい

…あ!見惚れるのも良いけど
かき氷溶けちゃうね!
慌ててパクっと一口頬張る
檸檬の爽やかな味が溶ける
幸せに頬を緩めながら
ふと白玉をスプーンで掬い
少し高く空にあげるの

見てみて?
ここに満月も一緒♪…なぁんて
ちょっとしたお茶目も1つ


 白玉添えた檸檬シロップのかき氷をお供に、小さな満月携えて。
 ふと空を仰げば、色とりどりの華やかな光が無数の道や模様を描き出している。
 妖怪親分たちが用意してくれたとっておきの妖怪花火は――あの道や模様の上を、歩くことが出来るのだという。
 ぱあっと満ちる月の眸を輝かせ、月守・ユエ(皓月・f05601)は振り返った。
「――黎さん! あそこにいこう! 空中のお散歩だってっ」
 ユエが指した先の宙に咲き乱れる様々な模様をつと見やり、月詠・黎(月華宵奇譚・f30331)はユエと同じ月の彩宿す眸を柔らかく細めてみせる。
 見れば、ユエは今にも空へと飛び出していきそうなくらいに、そわそわと心を弾ませているよう。
 空をお散歩――なんて、経験のない初めてのことだから。
「きっと楽しいよ♪」
 どこか幼さすら感じさせる笑みをいっぱいに咲かせながらユエが差し出した手を、同じように笑みを咲かせながら取った黎は、伝うぬくもりに緩く笑って、離さぬように確りと握り締めた。
「ふふ、氷を食べる手が無くなってしまったのう。――ユエや、空は逃げぬ。ゆるりと之こう、模様の先へ」
 楽しげな声で戯れ紡ぎ、そうして、ゆるりと歩き出す。
 ――宙への導は、千差万別の花火が描く数多の途。
 見上げれば、手が届きそうなほど近い位置に無数の星が瞬いているようで。
「わぁっ……!」
 二人で辿る道も輝いているけれど、一歩、歩を進めるごとに――次々に周りで輝きが弾け、新たな華を咲かせてゆく。
 空を染める無限の彩。
 たとえ道が途切れても、すぐに新たな道が描かれてゆく無限の地図。
 全てが花火で輝く世界に、心躍らせるユエの月眸はきらきらと煌めいて。
「海も夜空もきらきらして、……まるで、夢の中にいるみたい」
 ふと、感嘆の息に交えて零れた言葉に、黎は口元に柔らかな弧を描くばかり。
「煌めきばかりじゃの。ふふ、夢でも好かろうよ」
 ――眸の満月の瞬きさえ、新月に沈めるのも勿体無くて。
 ずっと、見ていたくなる。
「……あ! 見惚れるのも良いけど、かき氷、溶けちゃうね!」
 そんな黎の胸の裡に触れたかは定かではないけれど、不意にぱっと振り向いたユエに、黎も小さく頷いて。
 立ち止まり、暫し結んでいた手を解いて――満ちる月の色に似た氷を食す。
 ユエは少し慌ててぱくりと一口。すると、口の中で優しく溶けていく檸檬の爽やかな味に、思わず瞬いた眸はすぐに細められた。
「ん、美味しい♪」
 笑み綻ばせるユエを微笑ましく見やる黎もまた、覚えた心地は同じもの。
 ふわりと口で融けてゆく爽やかな夏の味は、気づけば喉をするりと抜けていた。
 幸せいっぱいの味に頬を緩めていたユエは、ふと何かに気づいたように瞬いて。
 白玉をそっとスプーンで掬い――少し高く、空に掲げる。
「見てみて? ここに満月も一緒♪ ……なぁんて」
「おや、小さき望月も仲間入りか。――では、」
 ユエのちょっとしたお茶目に瞬いた黎は、ユエに倣って白玉を掬い、同じ高さに緩く掲げてみせた。
「此れで我らも仲間入りじゃな。……茶目っ気ならば此の爺とて負けぬよ」
 夏の空に、並ぶ二つの望月を添えて。
 そうして顔を見合わせたふたりは、またひとつ重ねた想い出に、幸せの笑みを咲かせるのだった。
 
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

フリル・インレアン
ふわぁ、バズリトレンディさんのオープンカフェです。
かき氷を入れるカップにもバズリトレンディさんのロゴが入ってます。
ガラスの容器もいいですけど、この使い捨てのカップもカクリヨファンタズムぽくていいですね。
私はゆめかわかき氷でお願いします。
アヒルさんはどれにしますか?
ふえ⁉どんな味・色になるか分からないミックスかき氷ってどうしてこんなかき氷があるんですか?
さすがバズリトレンディさんですね。

さて、向こうで花火を眺めながらアヒルさんのかき氷が出来上がるのを待ってますね。
それにしてもアヒルさんのミックスかき氷はどんな味なんでしょうね?
あとで一口だけ交換っこしてもらいましょう。


「ふわぁ、バズリトレンディさんのオープンカフェです」
 かき氷を入れるカップにも、しっかりと新し親分ことバズリトレンディの、きらきら煌めくネオン看板と同じくデフォルメされた絵柄のロゴが入っている。
「私はゆめかわかき氷でお願いします。アヒルさんはどれにしますか?」
「ガァ!」
 そう問いかけたフリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)に、アヒルちゃん型のガジェットのアヒルさんはいつになく興奮した様子で答えた。
「ふえ!? どんな味・色になるか分からないミックスかき氷……ってどうしてこんなかき氷があるんですか?」
「ガァッ!」
 驚くフリルに、あるのだから頼んだのだとばかりにアヒルさんは胸を張る。
 幻のミックスかき氷――それは聞くところによるとバズリトレンディが「絶対バズるやで~」とか何とか言いながら考案したという、いわゆる通のものしか知らない隠しメニューらしい。
「さすがバズリトレンディさんですね」
 納得の頷きひとつ、アヒルさんのかき氷が出来上がるまでの時間を、フリルは花火を眺めながら待つことにして。
 ――見上げた空に咲く、いくつもの華。
 どこか懐かしいようで、新鮮な心地がするようで。
 花火の光が描く模様も犬や猫、月や星など形がわかるものから全くわからないものまで様々で、見ていて飽きることもなく。
「アヒルさんの模様はないでしょうか?」
 なんて呟くフリルの手には、ゆめかわかき氷。
 お洒落で涼しげなガラスの器で楽しむのも良いけれど、使い捨てのカップで楽しむかき氷もまた、カクリヨファンタズムらしいだろう。
「それにしても、アヒルさんのミックスかき氷はどんな味なんでしょうね?」
 あとで一口だけ交換っこしてもらおう――そんなことをのんびりと考えていたフリルの元に、色んなシロップが満遍なく掛かった極彩色のかき氷(トッピングましまし)を抱えたアヒルさんが誇らしげに駆けてくるのは――もう少しだけ先の話だ。
 
大成功 🔵🔵🔵

栗花落・澪
【龍兎】
どれも美味しそうで悩むなぁ…
うーん……ゆめかわ…にしようかな
鉄馬君は?

僕?
んっと、桃…かな
まだ食べた事なくって

返って来た言葉にきょとんとして
意図に気付いてすぐに笑顔に

んー、ふわっふわ♪
シロップかけよー
わぁー!ほんとに色が変わった!

ふふー、食べてみると結構わかるものでしょ?
びっくりした?
こっちのもはい、どーぞ
僕にもー
あ、桃も美味しいー

綺麗だねー、花火
鉄馬君なら自力で見に行けるんじゃない?
いつか連れてってよ
鉄馬君に乗りたいのー

……ん、そうだね
じゃあ言い方変える
たまには鉄馬君とも一緒に遊びたいな
それならいい?

わーい行くー!
じゃあ折角だし少し泳ごうよ!
時間の許す限り両方楽しめたら贅沢じゃない?


不知火・鉄馬
【龍兎】※かき氷
あー……そうだな
お前はどれで迷ってたんだ

んなら俺は桃でいい
気になるなら我慢すんな

当然全部俺の驕りで

普段はかき氷なんて進んで食べる事もなかったが
一口食べてみれば思わず驚き

…すぐに溶けた
あぁ…びっくりした
ん(あーん)
あぁ、ほら

そうだな、俺も見るのは久しぶりかもしれねぇ
龍形態ならまぁ…飛べるしな
お前だって翼あるだろ

些細な我儘のようにも聞こえるが
寂しくなったんだな、と
俺らの前でだけ時々零す弱音に気づいて

…空でも海でも、好きなだけ行けばいい
選ぶのはお前の自由だ
それでももし疲れたってんなら
その時は背中くらいは貸してやる

あぁ、どこへでも付き合う
なんならこの後行くか?
まだ間に合うだろ


 天高く打ち上げられた花火が、様々な模様を描いて夜空を染め上げる中。
「どれも美味しそうで悩むなぁ……うーん……」
 たくさんの猟兵と妖怪で賑わうビーチの一角に佇むオープンカフェのテラス席で、開いただけで華やかな色が飛び込んでくるメニューを、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は真剣な表情で覗き込んでいた。
 暫しの時が流れた後、澪は小さく頷き顔を上げて。
「ゆめかわ……にしようかな。鉄馬君は?」
 悩む澪の様子を何気なく見つめていた不知火・鉄馬(戒めの正義・f12794)は、不意にこちらを向いた琥珀色に漆黒の瞳を瞬かせる。
「あー……そうだな。お前はどれで迷ってたんだ」
「僕? んっと、桃……かな。まだ食べた事なくって」
 そうか、とひとつ頷いた鉄馬は、あっさりと告げる。
「んなら俺は桃でいい。気になるなら我慢すんな。当然全部俺の驕りで」
 返って来た言葉に澪はきょとんとするものの、彼の意図にすぐに気づき、ふわりと笑った。
 そうして、二人の元へゆめかわ爽やかな青いかき氷と、桃のシロップとコンポートがたっぷりの桃のかき氷が運ばれてくる。
 丸い硝子の器に、小さな――かき氷にしては大きな、山のように盛り付けられたかき氷は、けれどスプーンで掬っただけでそのふわふわ感がわかるほど。
「んー、ふわっふわ♪ シロップかけよー。……わぁー! ほんとに色が変わった!」
 くるくると表情を変えながら楽しげにはしゃぐ澪を見守る鉄馬の眼差しは穏やかなもの。
 そんな鉄馬も、普段はかき氷など進んで食べることさえなかったが、いざ一口食べてみれば思わず、大きく目を瞬かせた。
「……すぐに溶けた」
 驚きを隠せない鉄馬の様子に、澪は笑って。
「ふふー、食べてみると結構わかるものでしょ? びっくりした?」
「あぁ……びっくりした」
 頷く鉄馬の前に、ゆめかわな一匙が差し出される。
「こっちのもはい、どーぞ。あーんして?」
「ん」
「僕にもー」
「あぁ、ほら」
 お返しに差し出された桃の氷とコンポートを、澪もあーんと口を開けて、ぱくり。
「あ、桃も美味しいー」
 ゆめかわとは違った甘さに、澪の頬は緩むばかり。
 その時、ひゅるる、と花火が上がっていく音に、二人は何気なく空を見上げた。
 ぱっと瞬いた光が花のように広がって、それから、どおん、と大きな音を響かせる。
 次々に打ち上げられていく、色とりどりの花火。
「綺麗だねー、花火」
「そうだな、俺も見るのは久しぶりかもしれねぇ」
 妖怪親分たちが用意したこの花火は、一緒に空に打ち上げてもらえるらしい、けれど。
「鉄馬君なら自力で見に行けるんじゃない? いつか連れてってよ。鉄馬君に乗りたいのー」
 澪のおねだりに、鉄馬はほんの少しばかり不思議そうに瞬いてから。
「龍形態ならまぁ……飛べるしな。お前だって翼あるだろ」
 それはある意味至極真っ当な言葉ではあったけれど、どうやら、澪はお気に召さなかったよう。
「……ん、そうだね。じゃあ言い方変える。たまには鉄馬君とも一緒に遊びたいな。それならいい?」
 そこでようやく、鉄馬は澪の本意を理解した。
「……空でも海でも、好きなだけ行けばいい。選ぶのはお前の自由だ。――それでももし疲れたってんなら、その時は背中くらいは貸してやる」
 瞬く間にぱあっと、まるで花が咲いたように澪の表情が綻んだ。
「わーい行くー! じゃあ折角だし少し泳ごうよ! 時間の許す限り両方楽しめたら贅沢じゃない?」
 そうして早速とばかりに立ち上がった澪を追って、鉄馬も腰を上げる。
「あぁ、どこへでも付き合う。なんならこの後行くか? まだ間に合うだろ」

 澪がぽつりと零した想い。
 些細な我儘のようにも聞こえるが、それは紛れもなく――。
(「……寂しくなったんだな」)
 澪が自分たち――家族の前でだけ時々零す、弱音。
 それは言い換えれば澪が心を預けてくれているということであり、たとえそうでなかったとしても、澪の願いにはいつだって応えたいと思うから。
 
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

ティーシャ・アノーヴン
【銀妖花】

花火の上を歩けるらしいですよ、風花さん!
ちょっと凄くないですか、空中散歩。
・・・風花さんはいつも飛んでおられますけれども。
ですが、一緒に空を飛んでみたいとは常々思っていましたしね。

空を飛んでいるわけではありませんが、こう、視点と言いますか、高さと言いますか。
花火を上から見ることもあまりなさそうですしね。
多少足元に不安はありますが、大丈夫なのでしょう。

では折角ですし、風花さんはいつも通り、私の肩に乗ってくださいな。
飛ばずに空中散歩、でしたら、ちょっと珍しいのではないかな、とか。
大鰐霊様も一緒に歩けば、幻想的なことこの上ありませんわよね。
ふふ、夢心地と言うのはこういうことでしょうか?


七霞・風花
【銀妖花】

花火の上を歩く……ってすごく不思議ですね
ちょっとしたアスレチックみたい
ティーシャさんの仰るとおり、飛んでしまえばそれまでなのですけど……
こうしていると、本当に
ふたりで空を飛んでるみたいで、素敵ですね

それにしても……上も下も、右も左も
花火に囲まれていると光と音とで、すごいです……
これもまたお花畑の中にいるみたい、というやつでしょうか
とびきりの大輪、です
あとで私たちも、少しだけ浜辺で花火をしましょうか
大鰐霊様も、もちろん一緒に、ですよ

せっかくの夏で、海です
素敵な思い出を作りましょう
……ぁ、かき氷も


 次々に打ち上がる妖怪花火が、夜空にたくさんの華を咲かせていた。
 花火はすぐに消えてしまうものもあれば、そのまま残って様々な模様や道を描き出しているものもある。
 妖怪親分たちが用意したという、妖怪花火。
 消えることなく残る模様や道の上は、聞くところによると――。
「花火の上を歩けるらしいですよ、風花さん! ちょっと凄くないですか、空中散歩」
「花火の上を歩く……ってすごく不思議ですね」
 何だか、ちょっとしたアスレチックみたいだと、煌めく空をぼんやり空を見上げる七霞・風花(小さきモノ・f13801)に、楽しげに声を弾ませるティーシャ・アノーヴン(シルバーティアラ・f02332)は、ふと我に返ったように小さくこほん、と。
「……風花さんはいつも飛んでおられますけれども。ですが、一緒に空を飛んでみたいとは常々思っていましたしね」
 それから、少し照れたようにはにかむティーシャに、風花はこくりと小さく頷き、雪明かりのような色彩の翅をふるりと震わせた。
「ティーシャさんの仰るとおり、飛んでしまえばそれまでなのですけど……」
 それでも、“一緒に”飛ぶことが出来る、滅多にない機会でもある。
「では折角ですし、風花さんはいつも通り、私の肩に乗ってくださいな。飛ばずに空中散歩、でしたら、ちょっと珍しいのではないかな、とか」
 ――というわけで。
 小さな風花をいつものように肩に乗せ、二人は花火と共に遙か上空へ。
 ティーシャはこれまでに感じたことのない浮遊感に不思議な感覚を覚えながらも、無事に空に描かれた道の上に降り立った。
 厳密には空を飛んでいるわけではないけれど、視点も高さも空からのものだ。
 そして、眼下を見やれば後から打ち上がった花火が、足元より低い場所で咲いていて。かと思えば、二人がいる場所より更に高い場所まで上がる花火ももちろんある。
 足元の不安も、一歩踏み出せばすぐに、大丈夫だという感覚が伝わってくるようだった。
「こうしていると、本当に。ふたりで空を飛んでるみたいで、素敵ですね」
 不規則に描かれた道をゆっくりと辿りながら、風花が零した言葉に、ティーシャはふふ、と微笑んで。
「夢心地と言うのは、こういうことでしょうか? ……そうですわ」
 すると、ティーシャは何かを思いついたように瞳を瞬かせ、そうして、傍らに大鰐の霊を呼び出した。
「大鰐霊様も一緒に歩けば、幻想的なことこの上ありませんわよね」
 微笑みかければ、大鰐霊は不思議そうに首をもたげて周囲を見回し、それからゆるりと先導するように歩き出した。
 どうやら、一応進む道の先に危険がないか確かめながら進んでいるようでもあって。
「それにしても……上も下も、右も左も、花火に囲まれていると光と音とで、すごいです……」
 そう、風花が零す間にも、どおん、どん、ぱらぱら――と、あらゆる場所で花火の光が煌めき、鮮やかに咲いていて。
「これもまたお花畑の中にいるみたい、というやつでしょうか。……とびきりの大輪、です」
「ええ、本当に……」
 どこか楽しげにふわりと微笑む風花に、ティーシャもにっこりと笑顔で頷いた。
「あとで私たちも、少しだけ浜辺で花火をしましょうか。大鰐霊様も、もちろん一緒に、ですよ」
 風花に呼ばれた大鰐霊は、振り向く代わりに長くて太い尾をゆらり。
 それを見たティーシャはそっと、内緒話のように風花に告げた。
「大鰐霊様も喜んでいるみたいですよ、風花さん」
「せっかくの夏で、海です。素敵な思い出を作りましょう。……ぁ、かき氷も」
 視界の端にちらりと映った、ぴかぴかきらきらのネオン看板に、風花は思い出したようにぽつりと。
「ええ、花火も、かき氷も。一緒にたくさん思い出を作りましょうね、風花さん」
 この花火が終わっても、本格的な夏はまだまだ続く。
 華やかに、鮮やかに。決して褪せることのない想い出の時を、この夏も、さらにその先も――共に。
 
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

ジャック・スペード
真新しい水着を纏って

綺麗な水着だな、キトリ
旗めくストールが天女のようだ
見ての通り武骨な此の身だ
スマートなエスコートは出来ないが
良ければ一緒に夜空を散歩しないか

花火と共に宙を舞い
黒の機翼を展開すれば
鮮やかな翅を持つあんたと並んでも
遜色ないだろうか

夜空に咲く光の花弁へ踵を刻み
大輪の輪郭を渡り歩こう
よく見ればこの花火
ダリアのカタチをしているような

キトリは何の花だと思う
あんたは全景を眺められるだろうから
俺より良い答えを導き出せそうだ

間近で充分楽しめたので
そろそろ陸へ――いや
行先はもうひとつ有るな
お転婆は好きか、キトリ

赦されるなら羽を広げて
其の儘あの海の中へ――
水中に咲く花火はどんな彩なんだろうな


「綺麗な水着だな、キトリ。旗めくストールが天女のようだ」
「あなたもね、ジャック。鋼鐵の身体に白が映えて、とーっても格好良いわ!」
 今日もバッチリイケてるわ!なんて瞳を輝かせるフェアリーの娘に、白の海兵モチーフの水着を纏うジャック・スペード(J♠️・f16475)はふと口角を上げて。
「見ての通り武骨な此の身だ。スマートなエスコートは出来ないが、良ければ一緒に夜空を散歩しないか」
「ええ勿論、喜んで」
 色とりどりの花が次々に咲いては夜空を華やかに染め上げていく中。
 花火と共に宙へと舞い上がり、ジャックはジェットモードへその身を変え、黒の機翼を展開させる。
 天を翔ける風に乗って煌めく粒子が軌道を描き――まるで、機械仕掛けの翼そのものが光を帯びたよう。
「こうすれば、鮮やかな翅を持つあんたと並んでも遜色ないだろうか」
 振り向けば並んで宙を翔けるキトリは、まあ、と目を丸くしてから満面の笑みを浮かべ。
「遜色だなんて! あなたもきらきらしていてお星様みたいよ」
 ――そうして辿り着いた遙かな高み。
 宵空に咲く鮮やかな光の華たち、その花弁のひとつへ踵を刻み、大輪の輪郭を渡り歩く。
 元は花火の光だというのに、靴裏に返る感覚は地上のそれと然程変わらない――そんな不思議さもあっさりと受け入れられるような気がするのは、きっと、この幽世という世界だからこそ。
 無数の花弁が八重咲きになったような花の道はよくよく目を凝らしてみると――ジャックの眸には、ダリアの花のように映っていた。
「キトリは何の花だと思う。あんたは全景を眺められるだろうから、俺より良い答えを導き出せそうだ」
 ふと傍らで紡がれた声に、キトリは翅を震わせて更に上空へ。
 確かめるように円を描いて飛びながら、少しの間。再びジャックの傍らへ降りてきたキトリは――。
「ジャックの言うようにダリアにも見えるし、もっと丸い菊のようにも見えるわ。でも、」
 どんな花でも、綺麗なことに違いないわ――と楽しげに笑ってみせて。
 その答えにジャックも瞬くように眸を明滅させてから、そうだなと微笑んだ。

 空に咲く大輪の花を、手が届くほどの距離で充分に楽しんだ後。
「そろそろ陸へ――いや、行先はもうひとつ有るな」
 そう告げるジャックの眸の耀きが、悪戯に瞬く。
「――お転婆は好きか、キトリ」
 ちらり、と。僅かに動いたジャックの視線の先を追って、もうひとつの“行先”を察した娘もまた、悪戯めいた笑みをいっぱいに咲かせ力強く頷いてみせるのだ。
「ええ、とっても! 折角だから、あなたの肩を借りても良いかしら?」
 そして、ジャックは再び機械仕掛けの黒翼を広げて。
 まるで、天から降る星そのもののように、煌めく軌跡が尾を引いて――そのまま二人は眼下に揺蕩う海の中へ。
 刹那、大きく上がる飛沫と共に、追いかけるように落ちてきた花火が一斉に光を放つ。
「わあっ……!」
「これは――」
 色とりどりの光の華が咲きこぼれて――。
 まるで星が降ってきたような優しくも眩い彩が、二人を取り巻く世界を満たしていた。
 
大成功 🔵🔵🔵

影杜・梢
【蝶と狼/2人】
夏よし、水着よし、ロープと花火よし
後はあゆみを妖怪花火で打ち上げるだけ……っと
何でって、キミに空と花火の競演を楽しんで貰いたいからだよ
……決して悪戯で打ち上げようとか、そんなこと

戯れもほどほどに、かき氷を食べながら、のんびり花火でも見上げようか
抹茶あずきをスプーンで突きながら、視線は花火の方へ

ほら、また誰か打ち上がったみたいだよ
打ち上げからの自由落下ってどんな感じなんだろうね?
まぁ、ボクは花火は遠くから見たい派なんだけど

にしても、世界に2人きりになったみた--言い切る前に嫌そうな顔をしないで

……さて、あゆみにはコレを上げよう
かき氷が甘くて食べきれないとか……決してそういう訳じゃ


花染・あゆみ
【蝶と狼/2人】
先輩に振り回されているうちに、季節はいつの間にか夏になってましたし…
無理やり押し付けられた水着に…最後のに至っては何ですか…!?
例え悪戯でも、盛大に遠慮します…!

先輩は放置で、それよりもかき氷食べたいです
ゆめかわの、ちょっと不思議なものを
トッピングマシマシで甘ーい物に…
…別れましたね。残念ながら、わたしは先輩を花火に括り付けて打ち上げたい派です

……先輩と?
世界で、二人きり……?
人がいないからとはっちゃけるあなたの思いつきに振り回される未来しか見えないのですが…

甘い物が苦手なのに、無理に食べようとするから…
食べ物に罪はないので頂きますが、本当にどうしようも無い人ですよね…


 ――夏よし、水着よし、ロープと花火よし。
「後はあゆみを妖怪花火で打ち上げるだけ……っと」
「待ってください。最後のに至っては何ですか……!?」
 うん、と満足げに深く頷く影杜・梢(月下故蝶・f13905)に向かって、珍しく花染・あゆみ(夜明けの光・f17667)が大きな声を上げた。
 見れば、暗がりの中でもあゆみが顔を真っ赤にしているのがわかるほど。梢はその愛らしさに目を細めながらもさらりと告げる。
「何でって、キミに空と花火の競演を楽しんで貰いたいからだよ。……決して悪戯で打ち上げようとか、そんなこと」
「例え悪戯でも、盛大に遠慮します……!」
 ぼそっと付け加えられた一言をしっかりと拾ったあゆみは、ぶんぶんと勢いよく首を横に振る。
 先輩である梢に振り回されている内に、季節はいつの間にか太陽の輝きが眩しい夏になっていた。
 こんなはずではなかったと思っても時は既に遅く。気づけば水着を着せられて、カクリヨのリゾートビーチに連れ出されていた。
 ――そして、今に至る。
 そう、あゆみが纏っているアプリコットカラーのとても可愛らしいフリルのビキニは、梢に無理矢理押し付けられたものだ。
 もっと陽の光を浴びて健康的になりたまえ、だの、折角可愛いのだからこういう格好をするのもたまには良いだろう、だの、おおよそそんな感じのことを言われたような気がしたりしなかったりするが――。
 ちなみに梢もちゃんと、瞳の色に似た深い青と白のバイカラーが目を引く、ボトムがショートパンツタイプのビキニに着替え、白いレースのロングカーディガンを羽織っている。
 その時、夜空にいくつもの光が咲いて、一拍遅れてどおん、と大きな音が響き渡った。
「ほら、また誰か打ち上がったみたいだよ。打ち上げからの自由落下ってどんな感じなんだろうね?」
「それよりもかき氷食べたいです」
 即答。
 戯れめいた言葉を紡ぎながら楽しげに空を見上げる梢を余所に、あゆみは運ばれてきたかき氷に全力で視線を注いでいた。
 甘党のあゆみのかき氷は、迷うことなくトッピングましましで更に甘くした、ゆめかわのちょっと不思議なかき氷。
 一方、あゆみにつれなくされてしまった梢は、甘さ控えめの抹茶あずきのかき氷をスプーンでつつきながら、ふと。
「まぁ、ボクは花火は遠くから見たい派なんだけど」
「……意見が分かれましたね。残念ながら、わたしは先輩を花火に括り付けて打ち上げたい派です」
「……」
「……」
 二人の間に沈黙が漂っているその間にも、空には次々に様々な花火が打ち上げられ、華やかな彩りを描き出していて。
「にしても、世界に二人きりになったみた――」
 気を取り直して梢が切り出した直後。
「……先輩と? 世界で、二人きり……?」
「……言い切る前に嫌そうな顔をしないで」
 あからさまに眉を寄せ、ジト目にまでなってしまったあゆみに、梢は小さく眉を下げて笑う。
「人がいなかったらこれ幸いとはっちゃけるあなたの思いつきに、振り回される未来しか見えないのですが……」
 ――こほん。
 誤魔化すような咳払いをひとつ、梢はあゆみの方に、そっと食べかけの抹茶あずきの器を寄せながら告げた。
「……さて、あゆみにはコレをあげよう。かき氷が甘くて食べきれないとか……決してそういう訳じゃ」
「甘い物が苦手なのに、無理に食べようとするから……」
 何となくそうなるような気はしていたから、引き受ける代わりにあゆみはため息をひとつ。
「食べ物に罪はないので頂きますが、本当にどうしようも無い人ですよね……」
 甘いものが苦手な彼女が、どうして“一緒に”かき氷を食べようとしたのか。その理由も胸の裡も、あゆみにはわからないけれど。
 ――きっと、先輩も夏の心地に浮かれているのだろう。
 何とはなしにそんなことを思いながら、あゆみはゆめかわよりもどこかほんのりほろ苦い、抹茶あずきを掬うのだった。
 
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

リル・ルリ
🐟櫻沫

わぁー!花火がぴかぴかしているよ!
櫻、みてみて!ほら、また咲いた
ふふー、綺麗だね!
花火の上を歩く?それとも海に潜ってみる?
櫻宵
たくさん遊ぼ!
きゅっきゅとご機嫌に歌うヨルを抱えながら大好きな君を振り向く

大丈夫
人魚の僕がついてるんだから溺れないよ
神様みたいに抱っこはできないけど

あ、かき氷だ!
泳ぐ前に食べよ
美味しいのを食べたら櫻の緊張もほぐれるかも
ふあふあの氷が不思議
櫻はゆめかわだね!
夢色の雲みたい
僕はすいかにする!白玉も乗せてもらうんだ
ぱくりと口に運べばすうと溶ける氷が美味しい!
本当にすいかだ
櫻にあーんしてあげる!

美味しい?
溶けるように甘いや
君が笑ってくれるから

食べ終わったら少し、泳ごう?


誘名・櫻宵
🌸櫻沫

満開に咲き誇る花火の美しさに眼を細めて
まるでランプの精のように美しい人魚の手をとり歩く揺らぐ尾鰭が美しい、なんて現実逃避は海が怖いだけではないはず
ううう、リル
私は泳げないのよう…最近は特に水が怖くて…
でも楽しげな人魚の姿がかぁいくて、もっと笑顔がみたい

人魚と一緒なら大丈夫かしら
私は本当に彼らに甘えっぱなしだわ

かき氷があるわ!
リル、一緒に食べましょ
私はこれにするわ!
ひと目で気に入った、かぁいいふあふあのゆめかわ!
リルのような優しい青にシロップをかければ不思議!
リルはスイカ?夏らしいわ

可愛い笑顔に和みながらあーんと氷を分け合えば2度美味し

…あなたが望むなら
頑張るわ
私だってリルに笑って欲しい


 ――どおん、と大きな音が夜空に響いて、ぱらぱらと色とりどりの光が散っていく。
「わぁー! 花火がぴかぴかしているよ! 櫻、みてみて! ほら、また咲いた」
 月光ヴェールの尾鰭を翻しながら宙を揺蕩うリル・ルリ(『櫻沫の匣舟』・f10762)は、薄花桜の瞳をきらきらと輝かせて空に描かれる大輪の花に魅入り。
「ふふー、綺麗だね! 花火の上を歩く? それとも海に潜ってみる? ね、櫻宵、――たくさん遊ぼ!」
 きゅっきゅとご機嫌に歌う雛ペンギンのヨルを抱えながら振り向いた先には、大好きな誘名・櫻宵(爛漫咲櫻・f02768)の姿。
 満開に咲き誇る花火の美しさに桜霞の眸を細めていた櫻宵は、呼ぶ声にあえかに微笑んで、まるでランプの精のように夜の彩が美しい人魚の手を取った。
 華やかに染まる空と海、心地よい喧騒――そして傍らには大切な、かぁいい人魚。
「……ううう、リル」
 だというのに、櫻宵が零す音はひどく弱々しいものだった。
「私は泳げないのよう……最近は特に水が怖くて……」
 ――螺鈿を描いて揺らぐ尾鰭が美しい、なんて現実逃避も思わずしてしまうほどに。
 でも、楽しげな人魚の姿がかぁいくて、己に向けられるその笑顔をもっと見たいと思うから。こうして一緒に、華やかなビーチへと足を運んだ訳ではある――のだけれど。
 そんな櫻宵に、リルは満面の笑みを浮かべて。
「大丈夫、人魚の僕がついてるんだから溺れないよ。……神様みたいに、抱っこはできないけど」
 リルの頼もしい言葉に、櫻宵はひとつふたつと瞬いてから、そっと微笑んだ。
(「……リルと一緒なら、大丈夫かしら」)
 本当に“彼ら”に甘えっぱなしだと、櫻宵は胸の裡で自嘲さえするけれど。
 それでも、きっと彼らは赦してくれると知っている――から。
 そうして歩いていると、一際きらびやかなネオンの看板が視界に飛び込んできた。
「あら、かき氷があるわ! リル、一緒に食べましょ」
「かき氷だ! 泳ぐ前に食べよ。美味しいのを食べたら、櫻の緊張もほぐれるかも」
 花火が良く見えるテラス席の一角で早速彩り華やかなメニューを広げるも、二人の心は既に決まっていた。
「私はこれにするわ! かぁいいふあふあのゆめかわ!」
「櫻はゆめかわだね! 夢色の雲みたい。僕はすいかにする! 白玉も乗せてもらうんだ」
「リルはスイカ? 夏らしいわ」
 お洒落な玻璃の器に並ぶ、ゆめかわとスイカの色彩。
 櫻宵のゆめかわかき氷は、まるでリルを想わせるような優しい青。
 けれど、シロップを掛ければあら不思議。
 まるで桜の花が降り積もったように、淡い紫へと変じていった。
 リルのスイカのかき氷は、切ったスイカの形を表現しているようで、櫻宵のゆめかわに比べると少し尖っていて。
 それでもスプーンで掬えばふわふわで、それが、リルにしてみればとっても不思議で。
 ヨルもつぶらな目をきらきらさせて見つめている中、ぱくりと口に運べばすぐに氷がすうと溶けていく。
「……本当にすいかだ。ふあふあで美味しい!」
 ぱあっと笑みを咲かせたリルは、スイカの氷をもう一匙掬って、櫻宵へと差し出した。
「櫻、あーんして!」
 その可愛い笑顔に和みながら、櫻宵はあーんと口を開けて。
 そうして、お返しに櫻宵からも、ゆめかわな一匙をリルへと。
 分け合えば二度、それ以上に美味しくて、顔にも心にも幸せの花が咲いたよう。
 ――君が笑ってくれるから、溶けるように甘くて。
「美味しい? 食べ終わったら少し、泳ごう?」
 そうして甘く、蕩けるような笑みを咲かせたリルに、櫻宵も柔く目許を緩ませ、花唇を綻ばせた。
「……あなたが望むなら、頑張るわ」
 だって――私だって、リルに笑って欲しい。
 
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

空・終夜
【桜夢】
アドリブ歓迎

夜は着ていたパーカーのフードを外して出かけよう
夕焼色の水着揺らし歩む
快活な彼女の声を聞くと
ふと口元が緩んだのは内緒
「ああ…いま行く」
今宵も助が明るく笑っている
俺もきっとつられて笑顔になる

かき氷の屋台は楽園の道
目を奪われたのは俺だけでなく隣の助も
頬赤くする助の頭を柔く撫で
「おいしそうだな…」優しい声色を零した
甘味好きの俺も続く様にかき氷に瞳煌く
選んだのは…ゆめかわ
ん?……それなら俺のも食べてみるか?
同じように一匙を彼女に差し出し
その間で助の差し出す一口を食べる

「ん、うまいな…。桃味のかき氷も」
ほわり顔を綻ばせるこの男
ふと助が赤くなっている

どうした…?なんてきょとんとした鈍感男


周・助
【桜夢】
アドリブ、マスタリング歓迎



常は理由あって男装だけれど
終夜くんの前では女の子でいられるから
「終夜くーん!」
フリルとリボンの揺れるセーラー水着を着て
満面の笑顔で友人である彼を呼び

はしゃぎながら歩きつつ
かき氷の屋台に目を奪われ
バレてしまえば恥ずかしく頬は赤くなってしまうけれど
頭撫でられ、かき氷に瞳の輝きは増し
フレーバーに悩みつつ選んだのは桃
終夜くんも一口どうですかと
何の気なしに一匙差し出して
然し数拍後やっと己の所業に気付き
今度こそ真っ赤になるも
けれど彼は気にした様子もなくて
安心したような、複雑なような
折角だからいただきます!と彼の差し出したかき氷を一口
美味しくて頬綻び
複雑な気持ちもどこへやら


 燦々と陽が照りつけていた昼にはすっぽりと被っていた、白いパーカーのフードを外して。
 夕焼色の水着を揺らしながら波打ち際を歩んでいた空・終夜(Torturer・f22048)は、こちらへ近づく気配にゆるりと翠玉の瞳を瞬かせた。
「終夜くーん!」
 満面の笑みを咲かせて友である終夜を呼ぶのは、胸元に大きなピンクのリボンが揺れる、裾に青と水色のフリルがあしらわれたセーラー水着を纏った周・助(咲か刃・f25172)。
 普段は理由あって身も心も“男”として振る舞う助だが、終夜の前では飾ることなくあるがままに振る舞うひとりの少女だ。
 常よりも弾む快活なその声にふと口元を緩ませながらも、それを助に見せることはなく終夜は振り向いた。
「ああ……いま行く」
 それでも――今宵も、彼女が明るく笑っているから、きっとつられて、笑顔になってしまうのだけれど。
 次々に打ち上げられる花火が鮮やかに華やかに空を彩ってゆく中、燦然と輝くトレンディなネオンの看板は、さながら楽園への道標。
 はしゃぐ助に終夜も微笑って、二人肩を並べてカフェへと向かう足取りも、心も軽やかに弾むばかり。
 そうして、花火がよく見えるテラス席の一角に腰を落ち着け、いざきりりとちょっぴり真剣な表情でメニューを広げれば。
 並ぶ色とりどりのかき氷に、忽ちの内に目を奪われてしまった――のは、甘味には特に目がない終夜だけではなく。
 きらきらと瞳を輝かせていた助は、終夜の穏やかな――というよりは微笑ましげな眼差しにはっと瞬いて、恥ずかしさからか頬をほのかに赤く。
「おいしそうだな……」
 そんな助の頭を柔らかく撫でながら、終夜は優しい声色を零した。
 頭に乗った大きな手にそっと肩を揺らした助は、改めてメニューへと向き直る。
 その藍の瞳の輝きは、先程よりも幾分か増しているよう。
 やがて悩みに悩んで助が選んだのは、桃のかき氷。
 終夜も瞳を煌めかせながら、ゆめかわなかき氷をチョイスして。
 自家製のシロップと、桃のコンポートがたっぷり飾られた桃のかき氷は見た目も華やかで。
 口に入れれば氷だけでなく、果実も一緒に融けていくような心地に助は幸せいっぱいの笑みを浮かべるばかり。
「終夜くんも、一口どうですか?」
 そう、何の気なしに一匙差し出して、終夜がきょとんと瞬くまでのほんの数拍。
「ん? ……それなら俺のも食べてみるか?」
 同じようにゆめかわ氷を一匙差し出した終夜の目の前で、我に返るように己の所業に気づいた助は、今度こそ顔を、苺よりも真っ赤に染めていた。
 とは言え、終夜はまるで気にした様子もなく、助が差し出した桃のかき氷をそのまま口に。
「ん、うまいな……桃味のかき氷も」
 広がる桃の甘さにほわりと顔を綻ばせていたら、ふと助の顔が真っ赤になっているから、終夜はきょとんと、不思議そうに瞬きさえして。
「どうした……?」
 なんて少し真顔になりつつ問いかけてくるものだから、助は安心したような、複雑なような――そんな、曖昧な笑みを浮かべたのもほんの一瞬のこと。
「折角だからいただきます!」
 と、終夜が差し出したかき氷をぱくり。
 ――複雑な“乙女心”もどこへやら。
 桃のそれとは違うゆめかわな甘さに、助の頬はあっという間に綻んでしまうのだった。
 
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

波瀬・深尋
キトリ(f02354)と

青から紫に変わるかき氷はゆめかわで
君の笑顔が弾けたのを覚えてるし
空に打ち上げられたときも楽しかった
だから最後は、

ほら、キトリ、行こうか

左手を上に向けて差し出した
君からのリボンが手首で揺れる

君と同じ景色を味わうように
花火の光が描く模様へ足を踏み入れ
徐々に高くなる視界が、君の見ている世界

綺麗だな、と、自然と口から漏れた
今までは花火なんて見る気にもなれなかったけど
君と一緒なら何でも楽しめることを知ったから

──それに、その、水着姿、
可愛くてよく似合ってる、から

気恥ずかしげに視線を逸らし
ぼそぼそと口にした後、
誤魔化すように笑ってみせ

また、どこかに行こうか
夏は始まったばかりだからな


 青から紫に変わるゆめかわなかき氷に、輝いた瞳と弾けた笑顔は心に灼き付いて離れない。
 一緒に空に打ち上げられた時の鮮烈な光も、瞬く間に遙かな高みへと押し上げられてゆく浮遊感も、それから一瞬の悲鳴のような声がすぐに、笑い声に変わったのも。
 だから、最後は――。
「ほら、キトリ、行こうか」
 左手を上に向けて差し出せば、手首で揺れる、星空めいた深青のリボン。
 擽ったそうに微笑んで、ちいさなフェアリーはそっと、波瀬・深尋(Lost・f27306)の掌の上――“いつもの場所”へと収まった。
 花火の光が描く模様、それによって作り出された道を、深尋はゆっくりと辿っていく。
 いつもより地上が遠くて、星空が近い――手の中の娘と同じ目線で、同じ景色を味わうように、階段のように続いている道を上ってゆく。
「これが、キトリの見ている世界か。……綺麗だな、」
 自然と口から漏れた音に、手の中で翅が震える気配。
 翼を持たぬ己には決して見ることが叶わないと思っていた景色が、一面に広がっていた。
「そうよ、綺麗でしょう?」
 返る答えは、どこか得意げな響きを帯びて。
 そうしている間にも次から次へと打ち上がる花火が、空一面に色とりどりの華を咲かせ、光の道を描き出していく。
 空に咲いて還る光。それは深尋にとってはあまりにも眩くて、――眩しすぎて、今までは見る気にさえなれなかったけれど。
(「――君と一緒なら、」)
 どんなことでも楽しめると、知ったから。
 世界がこんなにも綺麗だなんて、鮮やかだなんて、きっと知ることもなかっただろう――そう、深尋は思う。
「……深尋?」
 呼ぶ声に瞬いて、深尋は手の中を見やった。
「――それに、その、水着姿、可愛くてよく似合ってる、から」
 手の中のキトリは、今日の深尋と同じように、いつもと違う装いで。
 だから、一目見た時から伝えようと思っていた――のだけれど、どうにも気恥ずかしくて。
 ぼそぼそと口にした後、つい視線を逸らし、それから誤魔化すように笑うのに、くすくすと微笑う声。
「……あなたもとっても男前よ、深尋」
 想いが伝染ってしまったのか。キトリもまた、どこか照れたような笑みを浮かべていた。
「また、どこかに行こうか。夏は始まったばかりだからな」
 紡いだ声に、うん、と頷く気配。
 まだ暫くは、空中散歩を楽しむのも良いだろう。
 いくつもの光が瞬いて輝きの華が咲く中を、深尋は再び、ゆるりと歩き出した。
 
大成功 🔵🔵🔵

壱織・彩灯
【黒緋】

ハクと鬼灯は仲良くお留守番じゃ
では、いざ、参ろうかレン

潜った水の中は涼しく
辺りは揺らめきちかちか瞬く花火に目を細めて
俺は海には縁が無かったが…
噫、此処から視える満天の星も
好い景色だな

揺蕩う泡ぶくを視線で追い
ゆるり口元は何かを紡ぐ前に引き結び
…懐かしい、か
成程、レンは家族を識らないんだったな
笑わんよ、俺は笑わん
…よい、俺も
お前は友だが、『家族』だと思うて居るよ、

屹度、お前が思うよりも
ずうと前から
お前の瞳の奥、遥か彼方まで
慈しんだ笑みを浮かべ

ふふ、今日だけ、か?
さみしいのう、なんてな

今は深い海の果て
お前が望むならば
幾らでも俺は爺であり、親であり、兄であり、友と成ろう

一夏の夢と、誤魔化して


飛砂・煉月
【黒緋】

ハクは遊び疲れて寝てるから鬼灯お願いね
じゃ、海の中行こっか彩灯

潜れば涼しく辺りはきらきら
見上げれば水面越しの華だって
ふたり隣合い揺蕩って
あっは、綺麗で特等席って感じすんね

秘密の場所なら、少しだけ
…あんね、彩灯
笑ってくれてイイんだけど
オレ、彩灯と居ると何か懐かしくなるんだ
血の繋がりなんて識らないのに…他人とは違う感じがして
返る音に隣の緋色を見遣る
笑わないか…はは、キミはそうだ
そうしていつも受け止めてくれるね
『家族』のおと
どうして、こんなに…泣きそうになるんだろ

キミの笑み意味は知らない侭
海の底の密事
今日だけオレの家族で居てなんて
もー、さみしいは狡いよ彩灯

だって此れは、
――真夏の夜の夢なんだ


「鬼灯、ハクのことお願いね」
 すっかり遊び疲れて、けれど心地良さそうにすやすやと眠っている白銀の竜と、その傍らに寄り添うように羽を休める黒鴉。
 相棒のハクをそっと撫でてから、飛砂・煉月(渇望の黒狼・f00719)は黒鴉――鬼灯に笑いかけて。
「じゃ、彩灯。海の中行こっか」
 そうして煉月が呼ぶ声に、仲良く待っておるんじゃぞと一羽と一匹に告げ、壱織・彩灯(無燭メランコリィ・f28003)もまたゆるりと笑みを返した。
「――うむ。では、いざ参ろうか、レン」

 そっと全身を浸せば、瞬く間に涼しげな心地に包まれて。
 誘われるままに、二人は深い水底へと沈んでゆく。
 水中であるというのに不思議と呼吸に不便はなく、そっと見回せば、辺りにたくさんの光の華が咲いていた。
 きらきら、ちかちかと瞬く光に目を細めつつ見上げれば――水面越しの花火も星も、揺らいで見えるよう。
 そこに、流れ星のように落ちてきた一筋の光が、線香花火のように小さな光の華をいくつも咲かせてゆく。
 それはこの世界だからこそ楽しめる、不思議な光景――幻想的、というのが相応しいだろうか。
「あっは、綺麗で特等席って感じすんね」
 ふたり隣合い、揺蕩いながら、へらりと笑う煉月に、彩灯もゆるり笑って頷く。
「俺は海には縁が無かったが……――噫、此処から視える満天の星も、好い景色だな」
 まるで秘密の場所のような、互いの声しか届かぬ深い水底。
「……あんね、彩灯。笑ってくれてイイんだけど」
 故にこそ、だろうか。
 胸の裡に湧き上がった想いを、言葉にせずにいられなかったのは。
 不意にぽつりと零した煉月に、揺蕩う水の泡を取り留めもなく視線で追いかけていた彩灯は――開きかけた口許が声を紡ぐ前に引き結んで、続く言葉を待ち受ける。
「オレ、彩灯と居ると何か懐かしくなるんだ。血の繋がりなんて識らないのに……他人とは違う感じがして」
「……懐かしい、か。成程、レンは家族を識らないんだったな」
 返る音に、煉月はそっと隣の緋色を見遣る。
 黒い髪に、緋色の瞳。
 互いに纏う色彩が似ているからというのも、あるのかもしれない。
 けれど、それ以上に――。
 胸の奥の、さらに奥深く。
 煉月の手の届かぬ場所にいる誰かが、――誰かを、呼んでいるような気がして。
「笑わんよ、俺は笑わん。……よい。俺も、お前は友だが、“家族”だと思うて居るよ、」
「笑わないか……はは、キミはそうだ。――そうして、いつも受け止めてくれるね」
 いつだって優しい彩灯の眼差しに、煉月は眉を下げて微笑う。
 ――“家族”。
 その音が、その響きが、胸の裡に響くだけで。
 どうして、こんなに泣きそうなくらいに――胸が、痛いのだろう。
(「――屹度、お前が思うよりも、ずうと前から、」)
 かれの瞳の奥、遥か遠い、悠久の彼方まで。
 彩灯は慈愛に満ちた笑みを浮かべ、煉月を見つめる。
 ――これは、海の底の密事。
 彩灯が見せた優しい笑みの意味は知らぬまま、煉月はそっと、願うように告げた。
「……ね、彩灯。今日だけでイイから、オレの家族で居て」
「ふふ、今日だけ、か? さみしいのう、」
 なんてな、と付け加え、悪戯に目を細めれば。
「もー、……さみしいは狡いよ、」
 涙を見せたいわけではないのに、本当に泣いてしまいそうで。
 それでも。たとえ涙がこぼれても、今ならこの海に溶けてしまうだろうか。
 ――今は深い海の果て。
 交わした言葉も、想いも、知っているのはふたりだけ。
「……お前が望むならば。幾らでも俺は爺であり、親であり、兄であり、友と成ろう」
 咲いては消えるうたかたの光に、淡く綻ぶ想いも何もかも。
 ――全ては、そう。
 一夏の夜に沈みゆく夢と、誤魔化して。
 
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

鳳来・澪
【華】
うん、かき氷や花火は昔懐かしい様でいて、一風変わった面白さもあってすごく新鮮
どこもかしこも目映くて、どうしようか迷っちゃうねぇ
(わくわくそわそわ――ぴかぴかネオンから、きらきらの空や海に目移りして)
ふふ、じゃあ今夜はとことん姐さんと遊び明かすわ!

(心底嬉しげに手を引き――花火の如く鮮やかな御品書を前に再び目移りして)
どうしよ姐さん、また迷う…!
わ、大賛成!じゃあうちはスイカで、楽しみ~!

(鮮やかなかき氷や花火に、更に笑顔輝かせて)
わぁ…!見た目も味もばっちりで、さっすが親分印やねぇ
ふふ、かき氷の一口一口に花火の一瞬一瞬も、ほんまに幸せ極まりない
(最高の夏として焼き付けてこ、と笑い合って)


花川・小町
【華】
懐かしさと物珍しい感覚が見事に合わさって、本当に飽きぬ世界ね
天も地も見渡す限り煌めいて――心も話も、思わず弾んで止まらなくなりそう
(仲良く光満ちる情景眺め)
まぁ、迷う?大丈夫よ――私が欲張りなのは御存知でしょ?
今夜は全て楽しみ明かす心算で行きましょ

(天も海も後で悠々巡る事にし、先ずは一緒に暖簾潜り)
本当に魅力と誘惑が絶えないわねぇ
それじゃあ此処は色々頼んで、分け合いながら楽しみましょ
まずはやっぱり、ゆめかわは外せないわよね?

(楽しく花咲いては消える氷と火を心身で味わいながら)
ええ、見事なものだわ
花火もかき氷も瞬く間の楽しみなれど――何れの刹那も胸の奥には確かに残り続けるものとなるでしょう


 空に咲く、大輪の花。
 天も地も見渡す限り、数多の煌めきと彩りに満ち溢れていて。
 心も話も、思わず弾んで止まらなくなりそう――なんて、贅沢な悩みだろうか。
 いいえ、きっと――そんなことはない。
「どこもかしこも目映くて、どうしようか迷っちゃうねぇ」
 わくわく、そわそわと。
 ぴかぴかと賑やかに輝くネオンから、きらきらの光がいっぱいに咲く空や海へと視線を移し、鳳来・澪(鳳蝶・f10175)はどこか困ったような、けれど弾む心のままに笑みを覗かせる。
 かき氷や花火は、どこか昔を思い起こさせる懐かしさ。けれど一風変わった面白さもあり、とても新鮮なものに感じられて。
 だって、花火と一緒に空に打ち上げてもらえるなんて、そして、花火の上を歩いて渡ることが出来るなんて――きっと、この世界でしか味わえない。
 そんな物珍しさとどこか郷愁を思わせるような懐かしさが融け合って――本当に飽きぬ世界だと、何度思ったことだろう。
「まぁ、迷う? 大丈夫よ」
 澪の隣で仲良く光満ちる情景を眺めつつ、花川・小町(花遊・f03026)はゆるりと瞳を細めて微笑んだ。
「――私が欲張りなのは御存知でしょ? 今夜は全て、楽しみ明かす心算で行きましょ」
 どれと選べないのであれば、いっそのこと――全部と。
 小町の心ときめく提案に、澪はぱあっと、満面の笑みを咲かせてうん!と大きく頷いた。
「ふふ、じゃあ今夜はとことん姐さんと遊び明かすわ!」
 そうして、二人がまず、足を向けた先は――。

 眩い天も煌めく海も、後で悠々巡ることにして。
 まずはかき氷と、心底嬉しげな澪に手を引かれ――小町も一緒に暖簾を潜る。
 案内されたのは花火が良く見えるテラス席。
 そこで、花火に負けず劣らず華やかで色鮮やかな御品書をいざ広げれば――。
「どうしよ姐さん、また迷う……!」
「本当に魅力と誘惑が絶えないわねぇ」
 ずらりと並ぶ色とりどりのかき氷たちに早速目移りが止まらない澪に、小町はくすくすと笑いつつも微笑ましげに。
「それじゃあ此処は色々頼んで、分け合いながら楽しみましょ。――まずはやっぱり、ゆめかわは外せないわよね?」
 ――やはり、“欲張り”な小町としては、迷うのであれば好きなだけ。
 それに、分かち合えばそれだけ、否、それ以上に――幸いも増すと、知っているから。
 艶めく紅唇を悪戯めいた笑みの形に変える小町に、澪の表情もきらきらと輝くばかり。
「わ、大賛成! じゃあうちはスイカで、楽しみ~!」
 ――程なくして。
 硝子の皿に山のように盛り付けられたかき氷が並び、一気にテーブルに花が咲いたよう。
 空を映したようなゆめかわ氷に、切り出したスイカに良く似た彩りのスイカのかき氷。ふわふわの氷はまるで綿菓子のように軽やかで、口に入れれば忽ちの内に融けていく。
 すると、まるで花火のように、口の中にもひんやりと甘い花が咲いたようで。
「わぁ……! 見た目も味もばっちりで、さっすが親分印やねぇ」
「ええ、見事なものだわ」
 頬を緩めながら空を見やれば、ぱっと瞬いた光が次々に大輪の花を咲かせてゆく。
 冷たくて美味しいかき氷と色鮮やかな模様を描き出す花火を、身と心で存分に味わったなら更に笑顔が輝いて――。
「ふふ、ほんまに幸せ極まりない。最高の夏として焼き付けてこ、姐さん!」
 満面の笑みを向ける澪に、小町が返すのもまた幸せに満ちた色。
 過ぎゆく夏も、ほんの一瞬。
 色とりどりの花火も、そしてかき氷も、瞬く間に咲いては消える花のよう。
 けれど、何れの刹那も――灼け付くような鮮やかな色を胸の奥に、心に灯し、そうして、いつまでも咲き続けることだろう。
 
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2021年08月02日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵