猟書家の侵略~Esto perpetuo(作者 夕狩こあら
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 グリードオーシャンの島のひとつ、『アエテルニタス島』。
 UDCアースから落ちて来たこの島には「盆」のような風習が残っており、毎年、夏に祖先を祀っていたのが、長い年月を経るうち、遠い海に冒険に出た家族を想ったり、船乗りの無事を祈ったりと、様々な人に対象が広がっていた。
 燦々と陽光が降り注ぐ日中は、現地の住民は浜辺を歩き、或いは海に潜って花を探す。
 夏こそ彩も鮮やかに咲き誇る花々に故人や想い人を映す彼等は、その美しい花姿と色彩に祈りを籠めて海に流すのだ。
「ことのはおくり……って言うんだっけ?」
 遠く距離を隔てて会えなくなった人に、言葉を送る。
 胸にしまった想いを、花に代わって届けて貰う。
 大人たちが浜辺に海に「ことのは」を探し求める中、一人、秘宝探索の準備に取り掛かっていた自称「メガリス研究家」の深海人・アゲルは、この島の深海域に隠されているというメガリスのメモに目を落とす。
「あの『王笏』が隠したっていうメガリスは、祈りを力にするってホントかな……?」
 まだ見ぬ秘宝にドキドキ、ワクワク。瞳を輝かせるアゲル。
 ことのはおくりが終わる夜には、この島の深海へと向かう予定だった。


「レディ・オーシャンがグリモアベースの侵略を企んでいる事が明らかになって幾らか経ったけど、彼女の企みに賛同する幹部の存在も次々と明らかになってきてる」
 そのうちの一体が、「狂濤凶龍アトラティヌス・モササウルス」。
 超巨大なモササウルスの化け物だと告げたニコリネ・ユーリカ(花屋・f02123)は、深海の処刑人と呼ばれるこの巨獣が、とある深海人を狙っていると言を足す。
「今回、敵の凶牙に狙われるのは、メガリス研究家を名乗るトレジャーハンターのアゲル。とある深海島でメガリスを発見したところを襲われ、メガリスが奪われてしまうの」
 場所は、小さな孤島『アエテルニタス島』の深海域。
 お盆の風習があるこの島では、大人たちが「ことのはおくり」の為に花や貝殻を探し回っていて、彼女が海底探索に出掛けようとしている事に気付いていないのだ。
 無論、島の住民ならメガリスの噂は聞いた事があるだろうが、噂は噂、かのメガリスの存在を信じているのは、アゲルと、件の幹部くらいだったのだろう。
「アトラティヌス・モササウルスは、嘗て七大海嘯の『王笏』だったカルロス・グリードと旧友であったと言われているから、このメガリスの事を知っていたのかもしれないわ」
 件のメガリスは「祈り」を力に変える能力を持つという。
 特にこの日は夜に「星海祭」を迎える為、島の住民たちは日中から故人を偲び、遠く離れた家族を想い、愛する人の為に祈っているので、祈りの力は厖大に集まると思われる。
「この力がグリモアベース侵略に使われるのを阻止したいの。だから、皆は急いで『アエテルニタス島』に向かって頂戴」
 現地で、深層域に向かうというアゲルと接触する。
 または、己も「ことのはおくり」に参加してメガリスの力を高めていく。
 彼女と面識を持っていれば、後の幹部戦でスムーズな避難や協力を要請する事が出来るし、祈りを捧げて力を増したメガリスは、ボスの討伐に役立つかもしれない。
 ここで彼女の探索を止めさえしなければ、アゲルは予知通りにメガリスを発見・回収してくれるので、敵の襲来後は、彼女とメガリスの保護に回ろう。
 ニコリネは更に言を足して、
「彼女がメガリスを発見すると、アトラティヌス・モササウルスが深海から出現して、戦闘を仕掛けてくるけど、皆は空気の泡に包まれているから、海中戦も不安は無いわ」
 アエテルニタス島の深海域は、貝や珊瑚でできた海中都市が広がっており、都市全体が空気の泡に包まれている。
 ここでは陸の生き物も呼吸に不安なく活動できるので、思い切り戦って欲しい。
 メガリスを狙う巨獣からアゲルを守れたなら、彼女は島の住民や猟兵たちの「祈り」を集めて力を増したメガリスを使って戦ってもくれるので、共闘するのも手だろう。
 説明を終えた花屋は、ぱちんとウインクしてグリモアを召喚し、
「アトラティヌス・モササウルスはサメのような身体をしてるけど、爬虫類でトカゲのような味がするそうよ。気になる人は食べてみてもいいかも!」
 と、精鋭を送り出すのだった。


夕狩こあら
 オープニングをご覧下さりありがとうございます。
 はじめまして、または、こんにちは。
 夕狩(ユーカリ)こあらと申します。

 こちらは、猟書家幹部「狂濤凶龍アトラティヌス・モササウルス」の侵攻を食い止める「深海の死闘! 狂濤凶龍アトラティヌス!」シナリオ(難易度:普通)です。

●戦場の情報
 グリードオーシャン、UDCアースから落ちて来た孤島『アエテルニタス島』。
 青い空に白い砂の美しいビーチ、透明度が高く、光を海中深くにも届ける幻想的な海です。浜辺にも海中にも花が咲いています。
 第一章は浜辺や海、第二章で深層域(海底)に戦場が変わります。

●シナリオ情報(二章構成です)
 第一章『夏花揺蕩う海の庭』(日常)
 夏色に彩られた海中で、「ことのはおくり」にピッタリなものを見つけましょう。
 現地の住民は花を選ぶようですが、ご自由に指定して頂いて構いません。

 第二章『狂濤凶龍アトラティヌス・モササウルス』(ボス戦)
 我、深海の王たらん!
 深海の処刑人たる超巨大モササウルスで、カルロス・グリードの旧友であったとも言われています。
 圧倒的機動力と殲滅力を誇り、深海島のメガリスを狙う深海人を襲います。

 深海域は空気の泡に包まれており、陸の生き物も息ができるので、戦闘に支障ありません(対策プレイングは不要です)。

●プレイングボーナス『深海人と協力する』(全章共通)
 このシナリオフレームには、特別な「プレイングボーナス」があります。
 深海人「アゲル」はクラゲのように肌膚が透き通った人型の女の子です。水陸で共生できるほか、浮遊能力で人や物を運ぶ事が出来ます。

●リプレイ描写について
 フレンドと一緒に行動する場合、お相手のお名前(ID)や【グループ名】をお書き下さい。
 また、このシナリオに導入の文章はございません。オープニング公開後、すぐにプレイングをお送りいただけます。
 同時進行中のシナリオと合わせて10名程度の採用とし、早期完結数を目指します。

 以上が猟兵が任務を遂行する為に提供できる情報です。
 皆様の武運長久をお祈り申し上げます。
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第1章 日常 『夏花揺蕩う海の庭』

POW海の生き物たちと戯れる
SPD海中探索、泳いで回ろう
WIZ海に浮かぶ花を楽しむ
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


ニケ・ブレジニィ
WIZ:海に浮かぶ花を楽しむ

『深海人と協力する』
アエテルニタス島の人々に事情を話し、皆さんの『ことのはおくり』がメガリスを強くすることを伝えます。
「皆で星海祭を盛り上げましょう」
私自身も彼らの風習に習い『ことのはおくり』に参加します。
今までに導いた数の花を摘み、ユーベルコード『桜の癒やし』で出現させた【桜の花吹雪】とともに海流に乗せ、今まで関わったオブリビオンが無事に転生されますように、と[祈り6]を捧げます。

リプレイのために、このキャラクターを自由に扱ってもらって全く問題ありません。


 晴朗なる空の下、燦々と照る陽光に影を暴く。
 頬笑むようにキラキラと輝く白砂を踏み、『アエテルニタス島』のビーチに降り立ったニケ・ブレジニィ(桜の精の王子様・f34154)は、海に、浜辺に、思い思いの場所で花を探し求める島の住民を捉えると、暫し彼等の様子を眺めた。
「大切な人への想いを花に込めて、海に送り流す……これが『ことのはおくり』……」
 其々の花が持つ花言葉に想いを託す。
 故人が愛していた花に嘗ての面影を重ねる。
 ただ感じる儘に、己が惹かれる花色に手を伸ばす。
 住民は様々な想いで手に取った花を波に運ばせているようだが、そのどれもに「祈り」があると気付きを得たニケは、ふうわと匂える櫻の馨を漾わせながら浜を歩いて幾許――住民の一人一人に聲を掛けて回った。
 優しさを感じる柔らかな微笑が心を近しくしよう、
「皆で星海祭を盛り上げましょう」
 凪のように穩やかなコントラルト。
 丁寧な言葉遣いで市井の人に歩み寄った佳人は、未だ噂や伝説の域を出ないメガリスの存在を明らかにすると、件の秘寶が「祈り」によって力を増幅させること、そして其の力が島を救う事を説明した。
「皆さんの『ことのはおくり』が、この島に隠されたメガリスを強くします」
「ほぇー、そんな大それたモンがこの島に?」
「はい。皆さんの協力が、祈りが力になります」
 呪われし秘寶は、使い手によって脅威にも救済にもなる。
 猟書家の侵攻を食い止める一助たれと想いを強くしたニケは、己も彼等の風習に倣わんと片膝を付くと、真白の砂が肌膚に付くのも構わず繊指を伸ばし、花を摘んで、その精彩を掌に集めた。
 それらがふわりと風に揺れたのは、間もなくの事。
 幻朧桜より生まれし櫻の精たるニケは、【桜の癒やし】――優艶な櫻吹雪を広げると、寸刻前(いましがた)摘んだ花を連れて透徹の海へ、大いなる潮の流れに運ばせる。
 鴇色の脣は小さく祈りを紡ごう。
「……今まで関わったオブリビオンが、無事に転生されますように」
 其は「影朧」なる存在と世界を共にするニケならではの、真摯な祈祷(いのり)。
 優しい櫻の花馨と共に波間に抱かれた花たちは、広大な海に精彩を広げて、ゆっくりと水平線へ――空と海の疆界へ旅に出る。
 ニケはスッと通った鼻梁を真直ぐ海に向けた儘、瀲灩たる波を泳ぎ往く花影の見えなくなるまで、靜かに、靜かに、見届けるのだった――。
大成功 🔵🔵🔵

箒星・仄々
ことのはおくり…素敵ですね~
ぜひ参加してみたいです!

その前にアゲルさんとお話ししてみたいです

こんにちは~
メガリス研究家だそうですね
お宝探しには危険はつきもの
そうまでして秘宝を求めようとさるのは
冒険心を満足させたり
メガリスへの憧れだけではないのでしょう?
よければ事情をお聞かせいただけませんか
猫はお節介なんですよ

どうかくれぐれもお気をつけて!
必要な時には猫の手をお貸ししますから
遠慮せず呼んでくださいね

お別れ後は海へとどぶん
水の魔力を操り水中呼吸でお花探しへ

ゆらゆらと揺れて
水面からの光に照らされて
本当に美しいです!
花を摘むのも忘れて見惚れちゃいそうです♪


 陽光を集めて翠玉石(エメラルド)と煌めく佳瞳に、真夏の浜辺を映す。
 淸し汐風に羽根帽子のブリムを泳がせながら『アエテルニタス島』を訪れた箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は、透徹の海にゆらゆらと揺蕩う花々の精彩に、大きな瞳をスッと細めた。
「海の向こうに想いを届ける、ことのはおくり……素敵ですね~」
 故人に、旅人に、船乗りに。遠くにある者から隣する愛する人にまで。
 聲なきモノが言葉を代わるのが幽(ゆかし)かろうと、好奇心いっぱいに白砂を踏んだ仄々は、サクサクと輕やかな足取りで浜辺の花に――いや、先ずは海の家で腹ごしらえをする深海人「アゲル」に聲を掛けた。
「こんにちは~。あなたがこの島のメガリス研究家だそうですね」
「!! そうだヨ! ボクはアゲル、呪われし秘宝の真理に迫ろうとしているんだ」
 自称していた肩書きを己以外の口から聽き、上機嫌に答えるアゲル。
 訊いてくれとばかり瞳を輝かせる少女の隣、ストンとラタンの椅子に腰掛けた仄々は、地面に付かぬ爪先をプラプラと游がせつつ、上半身を乗り出すようにして尋ねた。
「お宝探しに危険はつきもの。何故そうまでして秘宝を求めようとなさるのです? 冒険心を満足させたり、メガリスへの憧れだけではないのでしょう?」
「えっ、なんで分かるの!? ボクが島の大人に一人前として認められたいって……」
「猫は好奇心の塊で、おまけにお節介なんですよ」
 気爽な語り口は、初対面でも心を近くしてくれよう。
 アゲルは己を子供扱いする大人達をビックリさせてやりたいらしく、その爲に島の伝説を入念に調べ、隠し場所のアタリもつけているのだと、仄々に洗い浚い話した。
 而して猫は若き冒険者の足は留めず、莞爾と頬笑むのみ。
「どうかくれぐれもお気をつけて! 必要な時には猫の手をお貸ししますから、遠慮せず呼んでくださいね。アゲルさんの成功をお祈りしていますよ」
「うん!! ボクの話を聽いてくれてありがとう! きっとお宝を見つけてくるんだヨ!」
 そう云って手を振って別れた仄々は、海の家を離れて透徹の海へどぶん!
 陽の光に煌めく飛沫を連れ立って波を潜った猫は、【トリニティ・エンハンス】で強化した身を海中へ、水の魔力を操りながら、海中花を求めて深部へ潜る。
 決して定まらぬ波に搖れる光の瀲灩たること、海中に咲ける花々の鮮やかなること、光を弾いて游ぐ魚たちも赤や黄色に輝いて、仄々の好奇心を満たしてくれよう。
「ゆらゆら揺れる水面から光が降り注いで……本当に美しいです!」
 猫はくるりと一回轉、キラキラと煌めく天蓋を見ては、燦爛に暴き出された海底世界に溜息をひとつ、花を摘むのも忘れて見惚れる。
 幾百の光彩と海流に抱かれた猫の手は、暫しの休息を得るのだった。
大成功 🔵🔵🔵

浅間・墨
『ことのはおくり』の解説を聞いていて不思議な心持ちです。
なんだか私の故郷。サムライエンパイアを思い出してしまって。

送るのに最適なものを浜辺や海中で探してみます。
アゲルさんとは流す花を探していて出会います。
とても可愛らしい方で深海人さんは綺麗な方が多いですね。
アゲルさんの仕事も手伝いつつ花を探します。
一緒に探して戴けるのは恐縮です。
中々見つからないので随分長い時間散策してしまいまいた。
結果。自生していた鬼灯をみつけました。数個だけ実を戴きます。
そして鬼灯を海に流します。
先祖が帰ってくるとき目印となる提灯の代わり…が本来の意味ですが。
この島出身の方々が迷わず無事に帰って来れるように祈りを乗せます。


 何故だろう、故郷のサムライエンパイアを思い出すような――。
 白砂の輝く浜辺を訪れた浅間・墨(人見知りと引っ込み思案ダンピール・f19200)は、目下、『ことのはおくり』の爲に花を探し求める島民に、不思議と親近感を抱いた。
「……遠く、離れた人を……想う、風習が……此処にも息衝いているのですね……」
 真夏の日差しの下、花を供え、手を合わせる風習(ならい)を識る墨である。
 島の人々に倣おうと周囲を見渡した墨は、先ずは「ことのはさがし」へ――真白の浜辺や透徹の海を散策することにした。
 自称「メガリス研究家」たるアゲルと出逢ったのは、この時である。
「……何か、送るに……最適なものを……」
「海へ流すお花を探してるの? それなら、いい場所を知ってるヨ!」
 珊瑚礁の辺りに沢山の海中花が咲いているのだと指差す少女の背にはリュック。
 彼女こそメガリス探索に向かう当人だと、切り揃えの前髪の奥で僅かに喫驚した墨は、土地に詳しい彼女の案内で浅瀬へ連れられた。
「お水が怖かったら、取ってあげるヨ!」
 狭隘にも届くという自慢の手を見せるアゲルの無垢なこと親切なこと。
 愛嬌のある表情が可愛らしいと親しみを覚えた墨は、一緒に探してくれるという少女に恐縮しつつ、暫し万彩の花畑を歩いた。
 随分と時間が掛かってしまったのは、海の涯にある魂を想っていたからだろう。
「……あ、これは……私の故郷でも、似た花があります……」
「これ? これはねぇ、ウミホオズキって言うんだヨ!」
 雪白の繊指が触れるは、赤い晶燈(ランプ)のような形をした鬼灯。
 墨の故郷では、先祖が帰ってくるお盆に目印となる「提灯」の代わりに供えるのだが、この島を離れた霊魂らも、迷わずに帰って来られるようにと、慈愛に滿ちた指先が数個の実を摘む。
 掌にそっと乗せた鬼灯が、波に抱かれて運ばれるのを見送った墨は、己が祈りが深海に眠るメガリスを強く輝かせたとは知るまい。
 この時、墨と共に朱い花色を見届けたアゲルは、己も海に行くのだと、冒険心に溢れる表情を見せた。
「ことのはおくりを見たらヤル気が湧いてきたヨ! この勢いで出発するネ!」
「……あ、あの……私も、仕事のお手伝いを……。その……お荷物を……」
 そのリュックはもう少し小さくなると、身振り手振りで説明する墨。
 ぐちゃぐちゃに詰め込んだ冒険道具は、畳み方と入れ方で小さく纏まるのだと荷造りを手伝ってやれば、リュックは海流に攫われぬサイズに、ピッタリと背に収まる。
「すごい……ありがと! これで探索も上手くいきそうだヨ!」
 パッと花顔を輝かせたアゲルは、墨に沢山の感謝を捧げて冒険に出るのだった。
大成功 🔵🔵🔵

宮古・環
POW:海の生き物たちと戯れる
『深海人と協力する』
※アドリブ・絡み、大歓迎!
服装:水着2021年

アゲルさん、メガリスを探すのですよね? あたしも協力したいです! 海を探すのでしたら、あたしも手伝いたいです!
折角海に来たのですから、遊びもしたかったですけど……でも、まずはアゲルさんと一緒にメガリスを確保したいです! ほっといても自然に見つかるのだとしても、お手伝いしたいです!
メガリスを探すとき、海の中の綺麗な景色を見て、うっとりします。
「アゲルさん、海、ほんと、綺麗ですよね!」
海で花が咲いている話は聞いていましたけど、実際に見ると、すごい綺麗です!
あたし、海を泳ぐの、すっかり楽しんじゃいます!


 真夏の太陽にキラキラと光を彈く白砂を踏む。
 向日葵色の水着、汐風に搖れるフリルより瑞々しい脚を覗かせて浜辺を歩いた宮古・環(超ガール!・f27056)は、寄せては返す白波の冷たさに思わず咲みを零した。
「なんて綺麗な海……」
 遠く響ける潮騒に呼ばれ、蘇芳色の麗瞳を水平線に結ぶ。
 空と海の疆界こそ爽涼なる青が広がるものの、透徹の海は今日日『ことのはおくり』で流された花々を波間に浮かべ、赤や黄色、青や紫の精彩を広げている。
 思わず爪先が万彩の海へ誘われるところ、環は眼路を過る影にハッと聲を掛けた。
「あなたは……メガリス研究家のアゲルさんですか?」
「! えっへん、そうだヨ!! 今、秘宝探索の準備をしているんだ」
 硝子のように透き通った肌膚を持つ、クラゲ型深海人のアゲル。
 大冒険に先立ち、海の家で腹拵えをしたという彼女は、深海へ向かうルートを調査しに行くらしく、花片の揺蕩う海へザブザブと入っていく。
 而して環はアゲルを追って海へ、直ぐに調査の協力を申し出た。
「メガリスを探すのですよね? あたしも同行したいです!」
「えっいいの? そりゃあ一人で行くより心強いけど……」
「勿論です! ぜひ、お手伝いさせて下さい!」
 折角ビーチに来たのだから、めいっぱい遊びたいという気持ちはある。
 然し、先ずは猟書家に狙われているメガリスの確保を優先すべきと考えた環は、アゲルを追って透徹の海へ、メガリスが隠されているという深海都市へのルートを探した。
「島の深海域はネ、泳力じゃなく海流を使って行くんだヨー」
「潮の流れを読むことが出来たら、深海都市まで行けるんですね」
 海流には寒暖の層があるのだと云うアゲルに從い、五感を鋭く潮流を読む。
 周囲を游ぐ魚や海中花の動きも参考になると、アゲルがツンツンと珊瑚礁を指差せば、其處には鮮やかな色の熱帯魚の他に、ゆうらと花瓣を搖らす花々が咲き誇っていた。
 海面から燦々と光が降り注ぐ中、トロピカルカラーの色彩が賑々しく広がる佳景には、環も思わず「わぁ」と感嘆を零そう。
「海で花が咲いている話は聞いていましたけど、実際に見ると、すごい綺麗です!」
 宛如(まるで)キャンディボックスだと、喜色いっぱいに彈む金絲雀の聲。
 無垢の瞳、その玲瓏の彩に海中の絶景を映した環は、莞爾と頬笑んで、
「アゲルさん、海、ほんと、綺麗ですよね!」
「ウン、ボクもこの海がダイスキなんだヨ!」
 而して環の破顔を受け取ったアゲルも、きゅ、と滿面の笑みを返す。
 二人は魚達と戯れながら、海中散策を滿喫しつつ調査を進めるのだった。
大成功 🔵🔵🔵

リグ・アシュリーズ
ことのはおくり。素敵な風習ね!
何か流したいところだけど……私の思う人はきっと、
この海の先にはいない、のよね。

強い祈りは捧げられないかもだけど、
まずはお花を探しつつ、アゲルさんと接触してみるわ!
クラゲのような透いた体の方を見たら、声をかけて。

こんにちは! 散策にはちょうどいい天気ね!
あなたもお花探し? それとも、もっと素敵なもの?
メガリス探索は邪魔せず、むしろ応援する立場をとるわ。
ついでに浜辺で綺麗な花……そうね、
温暖な島ならハイビスカスとか咲いてないかしら!

しばらくお話したら一旦別れて、お花を手に海へ行くわ。
贈るお花は、まだ知らない未来へ。
波間にそっと浮かべ、見送るわ。
……ふう、これでよし!


 晴朗なる蒼穹の下、白波に濡れる細砂を踏む。
 海を渡る汐風が月色の艶髪を梳る儘、アエテルニタス島を訪れたリグ・アシュリーズ(風舞う道行き・f10093)は、さやと搖れる前髪の下、亜麻色の麗瞳を人集りに結んだ。
 目下、潮騒の打ち寄せる浜辺には、花を流して手を合わせる島民の姿が見えよう。
「遠く離れた人に想いを届ける……ことのはおくり。素敵な風習ね!」
 島を離れた船乗りに、彼岸に旅立った故人に。
 人々の想いを色に映した花々が、万彩を広げて波に運ばれる景色に瞳を細めたリグは、空と海の疆界を見遣ると、ほつり、穩やかに言ちた。
「何か流したいところだけど……私の思う人はきっと、この海の先にはいない、のよね」
 強い祈りは捧げられないかもしれないが、島の風習に倣い、寄り添いたいと思う。
 交睫ひとつして視線を戻した彼女は、先ずは送る花を探すべく歩き出した。
 自称「メガリス研究家」たるアゲルと邂逅(であ)ったのは、この時である。
「こんにちは! 散策にはちょうどいい天気ね!」
「やあ、こんにちは! 今日はとってもイイ感じの波だヨ!!」
 クラゲのように透いた身体の少女が、透徹の海からザブザブ出てくるのを見たリグは、その手に握られたメモの束に目を留めると、気爽に話し掛けた。
「あなたもお花探し? それとも、もっと素敵なもの?」
「んっふっふー、分かる? 王笏が隠したメガリスを探しているんだヨ!」
 而してアゲルは得意げに答えよう。
 佳人の太陽のような咲みにつられて口を開いた少女は、深海へ注ぐ海流の調査を終え、夜には星燈りを頼りに深層都市へ向かうのだと、瞳をキラキラと輝かせて説明する。
 好奇心や情熱の力を知るリグなれば、若き冒険者の足を留める無粋は爲まい。
「素晴らしい秘宝が見つかりますように! 応援してるわ」
「ありがとー! 絶対見つけてくるヨ!」
 夜に向けてひと眠りして來るというアゲルを見送ったリグは、少女が向かった海の家の傍に、一際華やかに咲くハイビスカスを発見し、足取り輕やかに駆け寄った。
「わ、これ……淡くグラデーションを広げた花色がとっても綺麗……」
 繊指が触れるは、貝殻のように複雑な色彩を映すシルバーメモリー種。
 これだけまるい花片ならゆったり波に運ばれようと、微笑を添えて摘み取ったリグは、一輪を手に透徹の海へ、キラキラと光を彈く波間にそっと浮かべた。
 佳人の手を離れたハイビスカスは、波に抱かれて漸う島を離れ、たおやかに旅立とう。
「……ふう、これでよし!」
 まだ知らぬ未来へ、ゆかし花色を贈る。
 其が水平線に隠れるまで見送ったリグの花顔は、淸々しく晴れていた――。
大成功 🔵🔵🔵


第2章 ボス戦 『狂濤凶龍アトラティヌス・モササウルス』

POW ●海喰覇龍ド・ラ・ケートゥス
【驚異的な吸引力で周囲のものを吸い込み】【隕石をも喰らう牙で噛み砕く。捕食物を】【吸収し必要な物質に原子レベルで変換する事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD ●狂濤雷葬ラ・ト・ヴァジュラ
【全身】から【半径300mに放射雷撃とそれに伴う電熱】を放ち、【遠距離の敵にはプラズマレーザーを放つ事】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ ●冥海災渦デ・ジ・カリュブディス
【電撃と海流を乱し生み出す渦による巨大雷渦】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【に残り、雷渦から電気を吸収し自身を強化】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はビードット・ワイワイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 最果ての孤島『アエテルニタス島』の深層域にも都市がある。
 其處は僅かな光でも暮らせる先住民の地であり、陸でも暮らすようになった深海人の祖が棲む聖地となっていたが、星の光が海底まで届く『星海祭』の日は、昼のような明るさに街が暴かれ、幾星霜の時の流れを感じさせて呉れる。
 アゲルが向かったのは、深海サンゴが群生する「墓地」。
 ここは「深海人が最期に向かう場所」と云われているものの、骨も残らぬ茫漠の海は、骸の代わり赤や黄色、緑に紫と、カラフルなキャンディカラーの珊瑚を広げていた。
「!! あった、あったヨ! 祈りに反應して、ピカピカ光ってる……!」
 狭隘も何のその、それこそ珊瑚の間にも手が届くアゲルは、島民や猟兵が捧げた祈りに反應して光るメガリスを摑み取る。
「えへへ、島の皆もビックリするんだヨ!」
 硝子のように透き通った手にメガリスを包み、ぎゅっと胸に抱くアゲル。
 噂や伝説に過ぎなかった秘宝を持って帰れば、島の皆に「メガリス研究家」である事を認めて貰えようと瞳を細めた少女は、然し、ここで冷たい海流の接近に気付いた。
「な、に……これ……こんな禍々しい潮の流れは初めてだヨ!」
 ぱちくりと目瞬きした瞳に、間もなく漆黑の巨影が迫る。
 其こそ七大海嘯『王笏』の旧友、深海の処刑人と呼ばれる『狂濤凶龍アトラティヌス・モササウルス』の威容であった。
杼糸・絡新婦(サポート)
関西弁口調。
とある忍者が使っていた武器・鋼糸【絡新婦】のヤドリガミ。
白い女物の着物を着用しているが、
名前沿った姿なだけで、オネエとかではなく中身はれっきとした男。

子供や親子中心に一般人には愛想よく接するが、
敵とみなしたら容赦なく叩く。
日常でも戦場でも自分のペースを崩さず、
フェイントや挑発、相手の動きを拘束するように阻害したり、
あえて誘い出してこちらに攻撃を仕向け、
自他へのすきを作り出したりする、戦闘スタイル。
また使えるものはなんでも使う。
元の持ち主の影響で、忍者らしい動きも見せる。

所持する黒い狩衣を着た狐獣人の姿をしたからくり人形は、
かつての主人が作ったものを模したもの、名前はサイギョウ。


アルタ・ユーザック(サポート)
ダンピールの16歳女性です。
ユーベルコードを使える場面では、指定したユーベルコードを使用し、直接攻撃系か精神攻撃系で敵を攻撃します。
一人称は「わたし」(ひらがな)です。口調は「~だわ」や「~だな」の様なものではなく、「○○…。」の様に…で終わり語尾に何もつけない口数少な目のクールタイプの話し方です。
服装・体型・容姿・持ち物などは、ステータスシートの参照お願いします。

上記内容以外は全てNGなど無しでアドリブ・連携などもOKです。
よろしくお願いします。


リカルド・マスケラス(サポート)
『正義のヒーローの登場っすよ~』
装着者の外見 オレンジの瞳 藍色の髪
基本は宇宙バイクに乗ったお面だが、現地のNPCから身体を借りることもある
得意なのはサポートで、NPCに憑依(ダメージはリカルドが請け負う)して戦わせたりも可能

接近戦で戦う場合は鎖鎌の【薙ぎ払い】と鎖分銅の【ロープワーク】による【2回攻撃】がメイン。
遠距離戦では宇宙バイク内臓のビーム砲で【薙ぎ払い】
その他状況によって【属性攻撃】や【破魔】等使用。

猟兵や戦闘力のあるNPCには【跳梁白狐】で無敵状態を付与できる。


バジル・サラザール(サポート)
『毒を盛って毒で制す、なんてね』
『大丈夫!?』
『あまり無理はしないでね』

年齢 32歳 女 7月25日生まれ
外見 167.6cm 青い瞳 緑髪 普通の肌
特徴 手足が長い 長髪 面倒見がいい 爬虫類が好き 胸が小さい
口調 女性的 私、相手の名前+ちゃん、ね、よ、なの、かしら?

下半身が蛇とのキマイラな闇医者×UDCエージェント
いわゆるラミア
バジリスク型UDCを宿しているらしい
表の顔は薬剤師、本人曰く薬剤師が本業
その割には大抵変な薬を作っている
毒の扱いに長け、毒を扱う戦闘を得意とする
医術の心得で簡単な治療も可能
マッドサイエンティストだが、怪我した人をほおっておけない一面も

アドリブ、連携歓迎


フィリリアンナ・フェアリーガーデン(サポート)
『ボクに不可能なんて字はないのですよっ!』
僕の天才的な頭脳があれば大体のことはちゃちゃっと解決できるのですよ!
便利な魔法の数々をご覧あれです!
戦闘では味方を巻き込まないように注意しつつ強力な魔法で殲滅です!
基本的に詠唱は必要なので気を付けて下さいね。
まぁ足を引っ張るような真似はしないので平気でしょう!
あ、それとA&Wワールド以外はあんまり行ったことないので、ちょっと興味深々になるくらいですかね?
やはり見たことのない景色や知らない知識というのは尊いものですからね。

他の方との絡みとか、連携などはお任せします。よろしくお願いするのですよ!


 アエテルニタス島の深層域に存在する海底都市にも、勿論、住民は居る。
 僅かな光でも暮らせる生粋の深海人らも、今宵、星燈りが街全域に届く『星海祭』には祈りを捧げる風習(ならい)があり、自ずと深海珊瑚が群生する「墓地」に集まっていた彼等は、凍えるほど冷たい深層流の接近に異變を感じていた。

「骸は無くとも墓は墓。大事にせなあかんやろ」
 此處は島の深海人が最期に訪れる地。
 骨を埋め墓を作る慣習は無いと聽くが、眠れる魂を万彩に變えた珊瑚達も、此處に足を運ぶ住民達も護るべきと支援に出た者が居る。
「少し離れてて貰えるやろか。何、些少(ちょっと)の時間やさかい」
 佳脣を滑る飄然たるテノール・バリトン。
 聲の主は杼糸・絡新婦(繰るモノ・f01494)。
 美し白皙より物柔かな西の訛りを囀った麗人は、翠緑の瞳に玲瓏の彩を湛えるや烱々、【唐獅子招来】――体長11尺を優に超える巨きな唐獅子を召喚した。
「ほな行こうか、しし丸君。島の人に聲掛けて回ろ」
 颯ッと躍るように飛び乗り、雄々しき鬣を繊手に一撫でする。
 主人の科白ひとつで爪先を蹴った唐獅子は、忽ち颯となって駆け出し、周囲の空気泡を掻き立てながら前へ、前へ――墓地に向かい來る島の住民に避難を呼び掛けて行く。
 オブリビオンならいざ知らず、人当たりの良い絡新婦の聲はよく届こう。
「深層流が過ぎ去るまで、少し待ってな」
 墓参りに向かうという親子連れには、飴ちゃんをひとつ。
 これが舌に解ける迄には事は済んでいようと、優艶の微咲(えみ)を零すのだった。

「敵の最大攻撃範囲は、判明っているもので半径300m……」
 更に凶龍の高機動性を考慮すれば、深海珊瑚が広がる墓地のほぼ一帯が戰場となるかと思案するは、アルタ・ユーザック(クール系隠密魔刀士・f26092)。
 己が雪白の肌膚にも凍えるほど冷たい深海の潮頭を感じた佳人は、限られた時間で人々を避難させるに、敵に勝る移動力が必要だと――スッと睫を持ち上げる。
 漆黑の睫に縁取られた青藍の麗瞳は、ここに瀲灔と光を湛え、
「わたしの名前の由来、この能力なら其が叶う……」
 怜悧に犀利に囁(つつや)いて顕現するは、【一騎当千・千変万化】(アルターエゴ)――老いも若きも様々な年齢層の「アルタ」を総勢990人召喚したアルタは、指先ひとつで彼女達を送り出し、墓地にて故人を偲ぶ島の住民達の避難と警護に当たらせた。
 その全員が水女神の加護を受けた薄絹をパーカーの裏地に縫い付けていれば、水中での移動は申し分無い。
 而して子供の頃から使えた能力の、今の適用範囲は半径9,801m――目下の墓地なら庭を歩くより容易かろう。
「誰も傷付けさせない……」
 今宵は星海祭。
 祈りに滿ちた街に血は流させぬと、鴇色の佳脣が凛乎と囁いた。

 いつ如何なる時も弱者の力になりたいと思っているリカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)は、救う世界や種族を問わぬ。
 宇宙バイク『アルタイル』も彼の想いに應えるか、逞しき雄牛の頭を冠した相棒も海流など何のその、精強なエンジンを轟々と咆哮させながら、逃げ遅れた住民を探して珊瑚の山を走っていた。
 要救助者の悲鳴と、強烈な潮の逆流を感じたのは同時。
「たすけてぇ!」
「!!」
 凶龍が大口を開けて周囲のものを吸引し始めたのだと危機を察したリカルドは、アクセル全開、【牽牛星覚醒】(アルタイル・オーバーロード)――! 元々パワー重視の機体のパワーを更に増強し、無数の泡沫を勢い良くスクリューさせて急推進したッ!
「海底爆走系ヒーロー参上っす!」
 駆け抜け様、躯体を傾けつつ深海人魚を掻っ攫う。
 この間にも凄まじい引き潮が万物を吸い込まんとするが、アルタイルの超馬力と自身の巧みな操縦で振り切ったリカルドは、更に加速して戰闘圏外へ。
「ありがとう! 助かったわ、ヒーローさん!」
 ふっくらとした胸を貝殻で隠した人魚が塊麗の微笑でお礼を云えば、白狐の面の代わり装着者がほんのちょっぴり鼻の下を伸ばした。

 ――時に。
 星燈りが海底まで降り注ぐ明るさは、何もかも視えてしまう恐怖も呼び起こそう。
 万彩を広げる珊瑚の美しさに見惚れていた島の住民の何人かは、それを踏み躙るように現れた凶龍の威容にパニックを起こし、街に混乱が広がる。
「視覚から取り入れる情報は厖大だと言うけど……今回は光が毒となったようね」
 折に悲鳴が聞こえる海底都市に降り立つ、一つの影。
 ドクターコートを翻したバジル・サラザール(猛毒系女史・f01544)は、「毒ねぇ」と短く言を反芻すると、飄然を囁(つつや)いた佳脣を少し持ち上げた。
「光が強すぎたのよ、無理しないで」
 少し休みましょう、と穩やかなコントラルトに紡がれるは【睡魔を誘う蛇の果実】――靜かに密かに「即効性の催眠ガス」を放ったバジルは、己を中心に半径87m圏内の全ての住民を眠らせた。
「安心して。交感神経を抑制して眠らせつつ、新陳代謝を促し急速に回復させるだけよ」
 恐怖に竦んだ身体は休まり、目覚めた時には脅威は去っていようと咲むバジル。
 なに、然程時を要する事も無しと――翡翠色の麗瞳を眦に寄越した凄艶は、視線の先、凶龍に立ち向かう猟兵に期待と信頼の星眸(まなざし)を注ぐのだった。

 島の住民に避難を呼び掛ける者あれば、その時間稼ぎに首魁を牽制する者も居る。
 海面に揺蕩う星燈りと共に降り立った、フィリリアンナ・フェアリーガーデン(超ド級天才魔導妖精・f00685)が然うだろう。
 万彩を暴いた海底都市の美しさに、二、三度、睫を瞬いたフィリリアンナは、その佳景に暗々と翳を落とす巨影を見ると、きりっと凛然と萌した。
「ボクの天才的な頭脳があれば、大体のことはちゃちゃっと解決するのです! つまり、ボクに“不可能”なんて字はないのですよっ!」
 云って、数多の精霊力を結晶化させた『魂魔霊珠フローディアンヌ』を手に、己が花車に秘める厖大な魔力を励起させる。
 滔々と迸る魔力に可憐な花顔を輝かせたフィリリアンナは、【カオス・ストーム】――極限まで引き上げた精霊の力を花片に變えて解き放ッた!
「精霊たちよ、力を示せ。根源たる魔力の奔流を、大いなる自然の超常を見せつけよ!」
 少女の金絲雀の聲に結ばれた精霊が、須臾、煌々と花片を躍らせる。
 様々な属性を内包した精霊らは、大きく渦動して凄まじい奔流となり、凶龍が放出した巨大雷渦を相殺して、其處に坐す敵の有利を掻き消した。
「猟書家の思い通りにはさせませんよ!」
 而して少女の佳聲に雄渾を得た仲間達が、今こそ首魁に攻撃を仕掛ける――!
成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴

リグ・アシュリーズ
さっき出会ったのも何かの縁。
アゲルさん、私あなたを守るわ。
だからあなたはメガリスを守って!
いざとなったら祈りの力で身を守るよう伝え、前へ泳ぎ出るわ。

泡に包まれてるなら、火薬も濡れずにすむはず。
敵の攻撃をうまくかわして、とっておきの弾を叩き込むチャンスを窺うわ!
狙撃銃を背負い、黒剣を手にして敵がスピードを出しやすい開けた場所へ誘導。
あえて勢いを出させて直前でかわし、銃を構える隙を作り出すわ!

うまくかわして隙が見えたら敵に銃口を向け、弾道をはかる一発目。
続く二発目は特別製の炸裂弾、びりりと痺れさせて動きを封じるわ!
たかが数秒、でしょうけど。
その数秒が命取りよ!


『メガリスを渡せ! 王笏が秘めし秘宝を以て、我は今こそ深海の王となる――ッ!』
「わっ……わわ……ッ!!」
 凍えるほど冷たい深海流の潮頭と、嘗て見た事のない海獣の威容に居竦むアゲル。
 眼路いっぱいに迫る恐怖に身体を強張らせた少女は、瞬刻、星燈りの降り注ぐ表層から潮流に運ばれたひとつの影に、美し光の蕩搖を見た。
「! あなたは、先刻の……!」
「ええ、さっき出会ったのも何かの縁。アゲルさん、私あなたを守るわ」
 凛然を萌した亜麻色の麗瞳。
 冱ゆるコントラルトを紡ぐは、リグ・アシュリーズ(風舞う道行き・f10093)。
 敵影を目視するなり鐵塊のような黑劍を構えた佳人は、その無骨な刃に海流を裂きつつアゲルの前へ、擦れ違い樣に流眄を注いで少女を鼓舞する。
「あなたはメガリスを守って! いざとなったら、秘宝に滿ちた祈りの力で身を守るの」
「うっ、うん! ボク、絶対メガリスを離さないヨ!」
 呪われし秘宝の力は、使い手によって破滅にも救済にもなる。
 眦に置いた星眸(まなざし)ひとつで大事を伝えたリグは、脅威的な吸引力に引き剥がされる遺跡群を躱しながら、海底より絶えず溢れ出る空気泡と、高機動性を誇る敵の移動方向を見極めながら、開けた場所を目指して游いだ。
「王笏のお友達さん、こっちよ!」
『フハハ、わざわざ餌が喰い易い場所に行くとは愚かなり!』
 星燈りに煌めく黑劍を追う凶龍が不敵に笑み、更に加速するが想定の内。
 敢えて速度を出させたリグは、凶龍が最も勢いに乗った瞬間に軌跡を見切って躱すと、背に負った狙撃用ライフルを構えて筒先を向けた――!
「泡に包まれてるなら、火薬も濡れずに届くはずよ!」
『莫迦なッ、海底で銃を使うなど……! 我が泳力に勝る訳が無かろうッ!!』
 躱すまでも無しと、彈道はそのまま鐵鉛を嚙み砕く凶龍。
 爆ぜた火薬ごと嚥下した強靭の顎に、リグは幾許の喫驚を見せたが、その實、ぱちくりと瞬いた佳瞳は怜悧に犀利に、一發目の彈道と彈速、射角を聢と測っていたろう。
「深海の王を脅かす一撃には成り得ない――なんて。油断、したかしら?」
 とっておきをあげると佳脣の端を持ち上げたリグは、再び銃爪を引いて【二番目の嘘】(ダーティ・ストライク)ッ! 今度は特別製の炸裂彈を撃ち、鋭牙を嚙み合わせた直後の吻をびりりと痺れさせた!!
 全てが彼女の策略と気付いた時には、舌は痺れて悪態も吐けまい。
「止められるのは精々数秒、でしょうけど。その数秒が命取りよ!」
 リグの佳聲に続いて仲間の猟兵達が冱撃を差し入れるのを、凶龍はビクビクと痙攣する目で見届けるしかなかった。
大成功 🔵🔵🔵

宮古・環
UC:スーパー・ジャスティス(POW)
『深海人と協力する』
※アドリブ・絡み、大歓迎!
服装:水着2021年

「心配しないでください! アゲルさんのこと、絶対守ってみせます!」
「あたしはヒーローなんですから、みんなを守ります!」

戦いより、人助けを優先します! 特にアゲルさんの身は、絶対守ります!
戦う人数は足りてますよね……? あたしはヒーローとして、みんなを助けてみせます。
正直、自分の力を試すために戦ってみたい気はするのですけど……でも、それより、犠牲者を全く出さない方があたしは嬉しいです。

UCを使って、高速で水中を飛行して、安全地帯まで、アゲルさんや他のみんなを運んでいってあげるよう努力します。


 仲間が撃った炸裂彈に凶龍が痺れた瞬間、赫耀の光条が海の中を疾る。
 一条に束ねられたサイキックエナジーが分厚い皮膚を灼き、間隙を埋めるよう放たれた冱撃に凶龍が絶叫すれば、周囲の海流がドクンッと波打った。
『ぜェァアアッ!! 羅針盤戰爭で成り上がった猟兵めが……ッ!!』
 深海の王が激昂する間、今しがたエネルギー波を放った繊手がアゲルの手を摑む。
 少女と共に深海域を訪れていた宮古・環(超ガール!・f27056)だ。
 凛然を帯びたソプラノは、先ず以て避難を訴えよう。
「今のうちです! 遺跡群に隠れて下さい!」
「環チャン達が心配だヨ! あんな巨きな龍を相手するなんて……!!」
「心配しないでください! アゲルさんのこと、絶対守ってみせます!」
 恐怖に震えるアゲルの透明な手をぎゅっと握り返した環は、これほどの危機にあっても花のような笑顔を見せて、
「あたしはヒーローなんですから、みんなを守ります!」
「みんなを……まもる……!」
 猟書家の野望を打ち砕くより、命の保護を、人助けを優先する。
 何より夢を抱いて深海を訪れたアゲルの身は、必ずや無事に家族の元へ送り届けたいと瞳を輝かせた環は、想いを強くするほど冷靜に周囲を見渡し、目下の状況を確認した。
「戰う人数は充分……あたしはヒーローとして、みんなを助けてみせます」
 嚴しい修行を積んでヒーローとなった環だ。
 正義の味方として弱きを助ける夢は、世界や種族を問わぬ。
 彼女は海底探検の感動を分かち合い、親交を深めたアゲルに想いを吐露して、
「正直、あたしの今の実力を試すために強敵と戦ってみたい気持ちはあるのですけど……でも、それより、犠牲者を全く出さない方があたしは嬉しいです。それが夢なんです」
「環チャンの……ヒーローとしての、夢……!」
 危機にある時こそ咲みを絶やさず、人々に安心を届けたい――。
 強い意志を聲に表した環は、花車を黄金色のオーラに包むと、其をマントの如く翻して【スーパー・ジャスティス】――最高速度7,600km/hに達する推進力で水中を翔けた!
「この速さなら、敵に襲われるより速く運べる筈です……!」
 敵の攻撃は範囲が判明しているもので半径300m。
 秒速にして2,111m/sで移動できる環なら、凶龍が狙い始めた瞬間からでも住民を助け戦場から避難する事が出来るだろう。
 故にヒーローは選択を間違わない。躊躇わない。
「安全地帯まで、アゲルさんや他のみんなを運んでいってあげます!」
 手を伸ばして、手を繋いで。
 圧倒的脅威が迫る中、無辜の命へと差し伸べられた繊手が救済(すくい)を齎した。
大成功 🔵🔵🔵

浅間・墨
速度には速度。【地擦り一閃『伏雷』】で対抗します。
身体のリミッターを解除後に限界突破で更に底上げを。
それから多重詠唱にて【伏雷】を発動しましょう。
速度の維持は継戦能力で。

『国綱』の鯉口を切ってからダッシュを乗せた速度で接近。
泡の内側に沿って駆けられるか試してみますね。
ある程度の弾力と耐久性があればなんとかできるかもです。
すれ違いざまに左右どちらかのヒレを斬ろうと思います。
斬る際に早業と鎧防御無視に鎧砕きを刃に乗せてみますね。
恐らくヒレで方向転換などの舵を取っていると考えました。
…あ。尾を斬った方が効果があったかもしれませんね…。
尾を斬って減速を試みた方がよかったかも…です。


『ずぁぁアアッ!! 羅針盤戰爭で成り上がった猟兵風情が、深海の王に牙を剝くか!』
 間隙無き連撃に巨躯を折り曲げる首魁、狂濤凶龍アトラティヌス・モササウルス。
 屈辱を塗り込められた凶龍が、痛撃を拒むように巨大雷渦を放って猟兵を遠ざけるが、稲妻が檻の如く戰場を囲繞する中、その雷獄に踏み入る影があった。
「……速度には、速度……。そして……雷には、雷……」
 零れては泡沫の如く解ける、あえかなソプラノ。
 聲の主は浅間・墨(人見知りと引っ込み思案ダンピール・f19200)。
 星燈りと共に海底都市へ降り立った佳人は、凍えるほど冷やかな深層流の潮頭、万彩の珊瑚礁を抉り驀進する巨影の超スピードと機動力を見極めると、其を制すに相應しい力を我が身に求め、専念集中して能力を底上げする。
「八雷の名の元に……我が身を、颯の如く……閃雷の如く……」
『小癪なッ!! グリモアベースを侵略するより先、貴様らを呑み込んでやろう!!』
「……雷土よ……晦冥に、閃きて……」
 轟然と脅威が迫る中にも、鴇色の佳脣は詠唱を止めぬ。
 凶龍は視界に映る全てを電撃の渦に灼き尽さんと、間もなく怒濤を蹴って駛走するが、切揃えの前髪の奥、蘇芳色の麗瞳を澄ませた墨は、心眼明鏡として爪先を滑らせた。
「……行きます……」
 叔父より譲り受けし大刀『粟田口国綱』の鯉口を切る。
 絢爛たる乱れ刃文を暴くや、光の疾るが如き猛スピードで駆けた墨は、眼路いっぱいに凶龍の巨大な吻が迫るのも構わず、海底より絶えず涌き出る空気の泡を見た。
「……ある程度の彈力と……耐久性が、あれば……なんとかできるかもしれません……」
『ッッ!? 莫迦なッ……気泡の内側を走り抜ける、だと……ッ!?』
 須臾に感覚を摑んで駆け走る墨に、豈夫(まさか)と喫驚く間も無い。
 美し光条は更に加速して、地擦り一閃【伏雷】――! 擦れ違い樣に刀光を振り下して凶龍の左鰭を斬ると、龍鱗を穿ち、肉を裂き、骨を断って分断させたッ!!
 その激痛たるや、海底中を震わせる大音量が示そう。
『――ぜェァァアアア嗚呼嗚呼アア唖唖唖唖ッッッ!!!』
 巨躯が大きく傾き、屠る筈だった海底珊瑚の遺跡に激しく衝突(ぶつ)かる凶龍。
 かの海獣が鰭で方向転換を行っていると考えた佳人は、そのバランスを崩した訳だが、その判断も攻撃も妙々、舵を失った巨躯は制禦を失って海底に叩き付けられる。
 而して速度が仇となったと歯嚙みする間も無い。
 繊細く囁かれた科白は間もなくヒヤリと肉薄して、
「……尾を、斬って減速を試みた方が……効果があったかも……しれませんね……」
『――ッ、ッッ!!』
 とは畢竟(つまり)、其は「今より斬る」という事。
 凶龍が拒絶の雷渦を逆巻くより先、間隙に差し入った【伏雷】が、今日び二度目の絶叫を響かせるのだった。
大成功 🔵🔵🔵

箒星・仄々
アゲルさんや都市の皆さんを守り抜きましょう

目旗魚のランさんに騎乗し
すいすいーと猫の手の登場です

アゲルさん
私達がモサさんをひきつけます
都市の皆さんの避難のお手伝いをお願いできますか

大丈夫
祈りに応えて
きっと力を貸してくれるはずです

奏でる音色で世界へ働きかけ
海水を魔力へ変換

水の魔力の渦が渦潮と逆回転し凪をもたらし
炎の魔力のプラズマが電撃を相殺し消し去ります

すごい大きさで大迫力ですけれども
水がないところではどうでしょう

モサさんの周囲を風の魔力へ変換
空気のあぶくで包み
動きを封じた上で
炎の魔力をちょいと加えたら水蒸気爆発

海へ還します

終幕
鎮魂の調べ
お友達と再会できますように

アゲルさん>
お疲れ様でした!


 数多の猟兵が島の住民を避難させ、また首魁を牽制する中、劍の如く鋭い上顎に深層流を掻き分けて來る目旗魚「ランさん」が、新たな猟兵を連れる。
 海底遺跡群に身を潜めていたアゲルは、そのくりくりとした翠緑の瞳に喫驚を示そう。
「アゲルさん、御入り用ではありませんか?」
「あっ猫さん!! 本当に猫の手を貸してくれるの……?」
「勿論です。猫は恩返しが、誰かの力になるのが生き甲斐なんですよ」
 緊迫にあっても伸びやかに滑り出るテノール。
 聲の主は箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)。
 日中に海の家で見た笑顔を前に、幾許か安堵の色を示したアゲルを見た仄々は、手袋をした手でチョイチョイと凶龍を指差すと、逆手で懐中時計『カッツェンリート』を取り出しながら言を足した。
「私達がモサさんをひきつけます。都市の皆さんの避難のお手伝いをお願いできますか」
「島の……こんな小さなクラゲの言う事なんて、聽いてくれるかナ……」
 人一倍、大人に認められたいアゲルは、己の無力を知っている。
 少女が不安気に語尾を持ち上げたなら、仄々は一縷の澱みなく「大丈夫!」と頬笑んでボタンをぽちん、蒸気機関式竪琴(拡声機能付)を展開して指に彈いた。
「あなたに見つけて貰えたメガリスが祈りに応えて、きっと力を貸してくれるはずです」
 言った瞬間だった。
 アゲルの胸に抱かれたメガリスは、島の住民より集めた祈りを泉の如く溢れさせると、幾百の流れ星となって彼等を包み込み、一切の攻撃を拒む光の繭となる。
「!! 凄い、応えてくれたヨ! やっぱりメガリスは救いの力にもなるんだネ!!」
「ええ、ええ、そうでしょう。力は使い手次第です」
 アゲルもまた光膜に覆われるのを瞳を細めて見届けた仄々は、交睫ひとつ置いて視線を凶龍に結ぶと、幽玄と震える弦に合わせて「ねこのうた」を紡いだ。
「……扨て、此度の猟書家は実に大迫力ですけれども、水がない所ではどうでしょう」
 虹色に揺らめく五線譜が音色を広げるや、荒ぶる巨大雷渦に間もなく變化が訪れる。
 海水は忽ち魔力と變換され、水の魔力が大きく渦動した逆回轉の渦潮を叩き付けるや、炎の魔力がプラズマを以て電撃を相殺し、雷の狂騰を凪の如く消し去る。
 星燈りが海面より降り注ぐ星海祭の夜は、その様子が明々と暴かれよう。
『な、に……ッ! 我が冥海の災渦が消えうせるとは如何いう事だ……ぐッッ――!?』
 苛立ちを告ぐ息すら儘ならなくなったのは間もなくのこと。
 周囲を取り巻く海水すら風の魔力へと置き變えられた凶龍は、スクリューと踊る空気泡で身動きを阻まれると同時、炎を熾べられて爆轟に擦り潰される。
『――ゼェァァアア嗚呼嗚呼ァァ唖唖唖唖!!!!』
 水蒸気爆発――ッ!
 全身を圧倒的な衝撃で押された巨躯は肉を千切り、骨を砕いて海の藻屑へ――奇しくも深海人が最期に辿り着く場所で終焉を迎える。
 今際の絶叫が海を震わせた後は、竪琴の音色だけが響こうか。
「今より辿る海で、嘗てのお友達と再会できますように――」
 猫の手に彈かれる鎮魂の調べが、彷徨える魂を嚮導(みちび)くように波に解けた。

「アゲルさん、お疲れ様でした! もう一人前の冒険家です!」
「猫さん、アリガト!! ボク、怖かったけど……島の皆を守れたヨ!」
 平穩を取り戻した海で、猫の手とクラゲの手がぎゅっと結ばれる。
 花顔いっぱいに笑顔を溢れさすアゲルを見た仄々は、この夜に一段と成長した少女の凛々しさを翠瞳に映すと、きゅ、とヒゲを持ち上げるのだった。
大成功 🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2021年08月05日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴