チェイス・オブ・ビースト(作者
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#ブルーアルカディア 


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#ブルーアルカディア


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「いたぞ……ヤツだ!」

 雲海を航行する飛空艇(ガレオン)、そのマストの頂上にいた見張り役が声を上げる。
 彼の目は、神々しい黄金の翼を羽ばたかせて空を舞う、巨大な魔獣の姿を捉えていた。

「あれが大天魔怪獣アーク……なんて大きさだ」
「やれるのか、俺たちに……?」

 畏怖すら感じさせるその威容は、天使戦争時代に創造されたという伝説の怪獣だった。
 鳥に似た頭部からは超音波が発せられ、この距離からでも艇の船体をビリビリと震わせている。それは威嚇のようにも、泣いているようにも聞こえた。

「いや……やるしかない。俺たちの故郷のためにも」
「いくぞ! あいつを狩って、天使核を手に入れる!」

 恐怖にかられた勇士達は、それでもひとかけらの勇気を振り絞って戦いの構えを取る。
 だが、彼我の力の差は歴然であり。魔獣の鳴き声が響き渡る空域で、彼らは敵に近付くことすらできぬまま、飛空艇もろとも撃墜されてしまった――。


「事件発生です。リムは猟兵に出撃を要請します」
 グリモアベースに招かれた猟兵達の前で、グリモア猟兵のリミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)は淡々とした口調で語りだした。
「ブルーアルカディアでオブリビオンと戦う勇士の一団が、強力な魔獣との戦いに敗れ、壊滅する未来を予知しました」
 どこまでも続く冒険の空、ブルーアルカディアの文明はオブリビオンの心臓である「天使核」に支えられており、勇士とは積極的に魔獣や屍人帝国と戦う者たちの称号である。だが、その戦いは命がけであり、武運拙く雲海の藻屑と散る勇士も少なくはないのだ。

「勇士の一団が戦いを挑んだのは『大天魔怪獣アーク』と呼ばれる、全長60mを超える巨大怪獣です」
 元は天使戦争時、対帝竜の為に作られた天使化魔獣の成れの果てだと伝えられているが――なにぶん天使戦争についての情報がわずかな伝承しか遺っていないため、真偽の程は分からない。ただ、並みの魔獣よりも強力なオブリビオンであることは確かである。
「この魔獣は普段、特定の空域を高速で飛行しており、通常の飛空艇では近付くことすら困難です。さらに超音波や衝撃波、光弾などの広範囲攻撃手段を有しています」
 速度でも火力でも勇士の飛空艇に勝ち目はなく、このままでは為す術もなく撃墜されてしまうだろう。この絶望的な力の差を覆すためには、猟兵達の協力が必要不可欠となる。

「まずは高速飛行するアークを捕捉する必要があります」
 対象の飛行速度は猟兵であっても追いつくのが困難なレベルであり、まともな戦いに持ち込むためには、どうにかして対象を逃げられない状況まで追い込まなければならない。
「アークはナワバリとする空域の気流を知り尽くしており、追跡も容易ではないですが、飛空艇に乗る勇士の方々と協力すればやりようはあるはずです」
 大声や空砲で威嚇したり、頭上から急降下したり、撒かれたふりをして回り込んだり。
 標的の意表を突き、移動先を誘導して、戦わざるを得なくなるまで追いかけ回すのだ。
「何度逃げられても追跡を続ければ、いずれは相手も逃げ切れないと悟り、逃走を諦めて本気で襲い掛かってくるはずです」
 先述の通り、大天魔怪獣アークは飛空艇にも匹敵する巨大怪獣だ。体格相応のタフネスだけではなく、強力な広範囲攻撃手段も数多く有しており、撃破するのも容易ではない。しかし今の猟兵の実力であれば十分に戦えるレベルの相手だ。

「なお、勇士たちが危険を承知でこの魔獣に戦いを挑んだのは、彼らの暮らす浮遊大陸に沈没の危機が迫っているためです」
 ブルーアルカディアの大地は不動のものではない。それぞれの浮遊大陸に寿命があり、それが尽きれば雲海に沈んでしまうのだ。この危機を防ぐには強力な天使核の力が必要であり、勇士がオブリビオンと戦うのはそのためでもあるのだ。
「彼らの浮遊大陸は今日明日にでも沈みそうという訳ではありませんが、数年後、あるいは十年後の未来は分からない、そんな状況のようです。迫りくる滅びを回避するために、アークの天使核を求めたのでしょう」
 天使核だけでなく、魔獣の皮膚や骨は優秀な素材に、肉は食用となる。アークのように巨大な魔獣を仕留めることができれば、浮遊大陸にもたらされる富は膨大になるだろう。リスクの大きさを承知してなお、挑む価値のある相手ということだ。

「彼らに協力してアークを討伐すれば、皆様も十分な報酬が得られるはずです。勇士の方々と浮遊大陸の未来のため、どうかよろしくお願いいたします」
 リミティアはそう言って手の上にグリモアを浮かべ、ブルーアルカディアに道を開く。
 果てしない青空を舞台に、いにしえの大天魔怪獣と勇士達の追跡と戦いの幕が開ける。
「転送準備完了です。リムは武運を祈っています」



 こんにちは、戌です。
 今回のシナリオはブルーアルカディアにて、勇士たちと共に巨大な魔獣をハントする依頼です。

 1章はナワバリの中を逃げ回る敵を追跡し、捕捉します。
 敵の巡航速度は飛空艇以上で、近付く者には超音波や衝撃波などによる牽制を仕掛けてきます。普通に追いかけても消耗が大きくなるので、勇士たちと連携するなどの作戦が重要になるでしょう。

 敵が逃げるのを諦めれば、2章は『大天魔怪獣アーク』との決戦です。
 60mを超える巨体で空を舞う巨大怪獣で、広範囲での攻撃手段に長けています。強敵ですがそれだけに、倒すことで得られる天使核や素材の価値も大きくなります。
 この戦いでは勇士たちも飛空艇に乗って加勢してくれます。猟兵ほどの強さはありませんが、適切な指示と連携を行えばなかなかの戦力になるでしょう。

 3章は無事にアークを倒した後、浮遊大陸に帰還しての日常章になります。
 回収した魔獣の素材を売ったり、そのお金で買い物をしたり勇士たちと交流したり、空での日常をおのおの楽しんでいただければ幸いです。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『空中チェイスはどこまでも』

POW大声や空砲で威嚇する
SPD相手の頭上を狙い、急降下する
WIZ相手に一度撒かれたふりをして回り込む
👑7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


アリス・フォーサイス
 魔獣狩りか。この世界の勇士の仕事にはこういうのもあるんだね。美味しいお話も生まれそうだし、参加させてもらおうか。

 回り込む勇士に同乗させてもらって近くまで行くよ。
「ありがとう。じゃあ、仕事してくるね。」
 飛空艇から飛び降り、ブライダルベールを召喚するよ。
「召喚!ブライダルベール!」
 魔力を使って飛空し、ビットから威嚇のビームを放って、注意をひきつけるよ。けん制とはいえ、あの超音波や衝撃波をまともに受けたらひとたまりもないからね。緩急や急制動を入れながら、とらえにくい軌道をとるよ。


「魔獣狩りか。この世界の勇士の仕事にはこういうのもあるんだね」
 飛空艇の甲板で風を浴びながら、澄みわたる雲海と青空を眺めるアリス・フォーサイス(好奇心豊かな情報妖精・f01022)。彼女の視線の先には、悠々と泳ぐように空を舞う巨大な魔獣――今回の狩りのターゲットがいた。
「美味しいお話も生まれそうだし、参加させてもらおうか」
「おう、助かるぜ嬢ちゃん。人手はいくらあっても足りないからな」
 この世界で"勇士"になるのに年齢や資格などの条件はない。オブリビオンと戦う意思を示せば誰もが勇士として扱われる。人間でいえばまだ幼い少女の姿をしたアリスの事も、飛空艇に乗り合わせた人々からは仲間として扱われていた。

「俺達の仕事はアイツの進路に回り込むことだ。なんとか誘導しないとな……」
「なるほど。ボクも同乗させてもらっていいかな」
 勿論だ、と答える勇士たちの飛空艇に乗って、アリスは飛行する魔獣の近くまで行く。
 大天魔怪獣アーク――伝説に語られる大怪獣に近付いて分かることは、それが予想以上にでかくて、そして速いことだ。並みの飛空艇の性能では正攻法で挑める相手では無い。
 船上の勇士の誰もが息を呑む中、ただ1人アリスだけが好奇心旺盛な顔で笑っていた。
「ありがとう。じゃあ、仕事してくるね」
「仕事って……お、おいっ?!」
 この船で近づける限界まで寄ったところで、アリスはぴょんと飛空艇から飛び降りる。
 彼女の体にエンジェルのような翼はない。すわ身投げかと人々は慌てるが、雲海に落下する前に彼女は【戦場の白い花】を召喚する。

「召喚! ブライダルベール!」
 大鎌と花びら型のビットを携えて、白い騎士のような見た目をした体高5mの人形兵器が現れる。それは異世界クロムキャバリアで開発された、アリスの魔力で稼働する戦騎。
「あれは動力甲冑……にしてはデカすぎるよな?」
「あの嬢ちゃん、あんなモンを持ってたのか……」
 この世界とは別分野のテクノロジーの結晶に、勇士達は目を丸くしていた。それを横目にアリスはキャバリアの操縦席に座り、魔力を送って飛行体勢を取る。この機体に乗ってもなお、目標とのスケール差は歴然だが――今の目的はべつに戦うことではない。

「幸福を届けに来たよ」
 アリスがビットから威嚇のビームを放つと、アークの金色の目がじろりと此方を向く。
 その巨体が嘶くような超音波を発しながら翼を羽ばたかせると、強烈な爆風と衝撃波が周囲に巻き起こる。向こうは軽く威嚇を返した程度だろうが、それでも凄まじい規模だ。
「けん制とはいえ、あの超音波や衝撃波をまともに受けたらひとたまりもないからね」
 撃墜されないように距離を取り、しかし離れすぎないよう、緩急や急制動を入れながら敵の周りを飛び回る"ブライダルベール"。まるでひらひらと宙を舞う蝶のような軌道は、相手にとってはさぞとらえにくい事だろう。

『ウゥゥゥゥゥ……』
 見たこともないナワバリへの侵入者に興味を示したか、アークはそれまでの進路を変更して"ブライダルベール"を追いはじめる。うまく注意をひきつけられたのを見たアリスは操縦席でにこりと笑い、縦横無尽の機動で攻撃を躱しまくる。
「さあ、こっちだよ」
 このまま仲間の猟兵や勇士と連携して、逃げられなくなるまでこの怪獣を追い詰める。
 初動については順調。だが大天魔怪獣を狩るための作戦はまだ始まったばかりだった。
大成功 🔵🔵🔵

疋田・菊月
うーん、空中戦ですかー。困りましたねー
私自身空を飛ぶことはできませんし、空を飛ぶ道具も持っていません
となると、勇士の方に船に乗せてもらうしかないわけですが、それで追いつけるとは到底思えませんね
そうなると、ちょっとしたズルと知恵が必要になってきますね

カミオさん、お手数ですが、ちょっと風の魔法で船の速力を上げられませんかね
それだけで追いつけるほど虫のいい話ではないと思いますので、私もやれる限り攻撃を仕掛けて速度を落とせないか試してみます
Pzb-39なら届きはすると思います
まあ傷をつけるのは難しいと思うので、都合よく頭上を取れたら手投げ弾でも投げてイヤガラセしてみましょう
怒りますかねー、えへへ


「うーん、空中戦ですかー。困りましたねー」
 疋田・菊月(人造術士九号・f22519)は飛空艇の上から標的となる魔獣を眺めつつ、弱った顔をしていた。あの空飛ぶ怪獣に立ち向かうには飛行能力が必要だが、彼女自身は空を飛ぶことはできないし、空を飛ぶ道具も持っていない。
「となると、勇士の方に船に乗せてもらうしかないわけですが、それで追いつけるとは到底思えませんね」
 飛空艇と同等の巨体ながら、あの魔獣の飛行速度はこちらの艇を上回っているようだ。なんとか回り込んで足止めしようと勇士達も頑張っているが、なかなか上手くいかない。追跡にせよ戦闘にせよ、正攻法ではまるで力不足なのは明らかだった。

「そうなると、ちょっとしたズルと知恵が必要になってきますね」
「嬢ちゃん、何をするつもりだい?」
 勇士達の期待と藁にもすがるような視線を受けながら、菊月は【悪魔召喚「カミオ」】を発動。疾風の術を操るクロウタドリの姿をした悪魔「カミオ」を異界から呼び寄せる。
「カミオさん、お手数ですが、ちょっと風の魔法で船の速力を上げられませんかね」
『悪魔使いの荒いやつだぎゃ。まあ、俺にかかればお安い御用だでの』
 この悪魔と菊月の付き合いは長いらしく、相棒のような距離感で交渉を持ちかけると、文句を言いながらも従ってくれる。クロウタドリの悪魔がばさりと翼を羽ばたかせると、強い追い風が飛空艇の帆に吹き込み、艇の速力を向上させた。

「すごい、その召喚獣は風を操れるのか!」
『召喚獣……まあ似たようなもんだゃな』
 悪魔召喚の知識がないブルーアルカディアの勇士達は、カミオの事を特殊な召喚獣だと思ったらしい。それはさておき疾風の術で大幅に加速した飛空艇ではあるが、大天魔怪獣を追い詰めるにはまだ少し足りない。
「それだけで追いつけるほど虫のいい話ではないと思いますので、私もやれる限り速度を落とせないか試してみます」
 Pzb-39なら届きはすると思います――そう言って菊月が構えたのは対戦車ライフル。
 彼女の体格と取り回しに合わせて銃身を切り詰めてあるものの、携行武器としては相当にごつい銃器の照準を飛んでいる魔獣に合わせ、攻撃を仕掛ける。

「照準よし。発射!」
 ズドンと遠雷のような発砲音が空に轟き、放たれた砲弾は目標の巨体に見事命中する。
 だが射程距離ギリギリからの攻撃なので、これで傷をつけるのは難しいだろう。菊月もそう思っていたらしく、無傷の魔獣の首がぐるりと此方を向いても平然としていた。
「今です、高度を上げてください」
「お、おうっ!」
 アークの巨体がこちらに向かってくるのを見て、操舵を担当する勇士に指示を飛ばす。
 衝突寸前でさっと高度を上げた飛空艇は、都合よく敵の頭上を取る位置取りになった。

「もひとつイヤガラセしてみましょう。怒りますかねー、えへへ」
 甲板の端からぽいぽいと、柄付きの手投げ弾「ポテトマッシャー」を投げ落とす菊月。
 これだけでかい獲物が間近にいれば、狙いをつける必要もなく。巨体の表面でドカンと爆発が起こり、悲鳴にも似た超音波が辺りに鳴り響く。
『――――!!!!』
「わあ、すごい声。怒ってますねー」
 流石にここまでされると向こうも苛ついてきたようだ。進路を変更するアークを見て、菊月は此方も舵を切るよう指示、追いつ追われつの空の鬼ごっこを繰り広げるのだった。
大成功 🔵🔵🔵

雛菊・璃奈
実際、帝竜に対抗できる程の力があるのかは分からないけど、相応の力は持ってると考えた方が良さそうだね…。
…でも、可哀そうだね…対帝竜の為に作り出されて、島の為・生きる為とはいえ狩り出されるなんて…。

ミラ達の新しい力…。みんな、力を貸して…。
【雷王竜進化】で3匹を空中戦最強の雷王竜に進化…。

自身はミラに乗り、クリュウ、アイと共に3体で追い込む様に追跡…。
敵の攻撃を回避したり、電磁バリアで防ぎつつ、雷撃ブレスや風を操作して敵の飛行を妨害…。

勇士達にはこちらが攻撃を引き付けてる間に回り込み、砲撃で敵の翼や頭部、装甲等を攻撃するよう依頼…。

魔獣だって不死身でも無尽蔵でもないからね…そこを狙うよ…。


「実際、帝竜に対抗できる程の力があるのかは分からないけど、相応の力は持ってると考えた方が良さそうだね……」
 いにしえの伝説にも語られる『大天魔怪獣アーク』の威容を目の当たりにして、雛菊・璃奈(魔剣の巫女・f04218)はぽつりと呟く。対帝竜の為に作られたという伝説が事実かは定かではないが、実際に群竜大陸で帝竜と戦った彼女からすれば警戒は当然だろう。
「……でも、可哀そうだね……対帝竜の為に作り出されて、島の為・生きる為とはいえ狩り出されるなんて……」
 相応の理由があるとはいえ、あれも望んで怪獣となったわけではなかろうに。大空に響き渡るアークの超音波は、人間の都合に翻弄される巨獣の嘆きの声のようにも聞こえた。

「我が家族たる竜達……天空の王となりて仮初の進化を得よ……」
 璃奈は今回の作戦のために連れてきた3匹の仔竜達、ミラ、クリュウ、アイに【呪法・雷王竜進化】を使用する。彼女の呪力によって仔竜達は一時的に成長し、雷や風を自在に操る巨大な雷王竜に変身を遂げた。
「ミラ達の新しい力……。みんな、力を貸して……」
「「きゅぃ!」」
 勇ましく応えるミラの背中に乗って、彼女はクリュウ、アイと共に3体で魔獣を追う。
 空中戦において比類なき力を誇る雷王竜のスピードは、アークの飛行速度をも上回る。ブルーアルカディアでの冒険には最も適した進化体だろう。

『ウゥゥゥゥゥ……』
 近付いてくる竜と少女に気付いたアークは、翼を羽ばたかせて爆風と衝撃波を起こす。
 並みの飛空艇なら一撃で大破しかねない程の威力。だが璃奈を乗せた雷王竜達は稲妻のごとき飛翔で爆風を躱し、周囲に纏った電磁バリアで衝撃波を防ぐ。
「こちらに引き付けるよ、みんな……」
 ミラの上から璃奈が指示を出すと、3体の竜は雷撃のブレスを放ち、さらには風を操作して飛行の妨害にかかる。激しい稲妻と向かい風に晒されたアークの速度が落ち、煩わしがるような嘶きが頭部から鳴り響いた。

『オォォォ……!』
 アークの咆哮は超音波となり、あらゆる物体を共振破壊する。巻き込まれないよう距離を取りつつも、璃奈と雷王竜達は追い込むように追跡を続ける。彼女らの役割は敵の攻撃を引き付けることだ――事前に勇士達と打ち合わせていた作戦通りに。
「よし、捉えたぞ!」
「発射ーっ!!」
 敵が璃奈達に気を取られている間に、勇士の飛空艇はアークの側面に回り込んでいた。
 艇に搭載された砲台が一斉に火を吹き、巨獣の翼や頭部、装甲に砲弾の雨を降らせる。飛空艇と同等のサイズの巨体であれば、引き付けておけばまず狙いは外さないはずだ。

「魔獣だって不死身でも無尽蔵でもないからね……そこを狙うよ……」
 璃奈が依頼したとおり、勇士達の攻撃はアークの巨体に僅かながら損傷を与えていた。
 いかに伝説の怪獣だろうと傷つけば動きは鈍り、速度も落ちる。このままじっくり追い詰めていこうと、魔剣の巫女は雷王竜と勇士達と共にさらなる攻撃を仕掛けるのだった。
大成功 🔵🔵🔵

フレミア・レイブラッド
飛空艇の砲撃が届くギリギリの範囲から勇士達には随所で支援を依頼。

【ブラッディ・フォール】で「ドラゴン迎撃戦」の「『黒輪竜』メランシオン」の力を使用(角や肩翼、装飾や尻尾等が付いた姿に変化)。

竜の翼で飛行し、回避の難しい【消え失せろ、愚物共!】の超広域攻撃で攻撃を加え、更に【我が黒輪に刃向かう愚か者が!】を使用。
「追跡する暗黒の輪」で敵を追い込み弱体化させ、敵が輪の回避・迎撃に集中している間に飛空艇には砲撃支援を依頼。

敵が煩わしさにこちらを排除しようと向かってきたら敢えて攻撃中断。瞑想して【緩やかに死に逝け、定命の者たちよ】を発動。
攻撃を遮断し、逆に降り注ぐ黒の雨による呪詛で侵食して弱らせるわ。


「骸の海で眠るその異形、その能力……我が肉体にてその力を顕現せよ!」
 悠然とナワバリの中を逃げ回る敵を追い詰めるために、フレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)は【ブラッディ・フォール】を発動。角や肩翼、装飾や尻尾等が付いた竜人のような姿になって、甲板から青空にその身を踊らせる。
「貴方達は飛空艇の砲撃が届くギリギリの範囲から随所で支援をお願いね」
「分かった。あんたも気をつけてな」
 飛空艇に乗る勇士達にそう依頼を伝えると、彼女は竜の翼で颯爽と大空を翔けていく。
 この力と姿ならば魔獣の飛行速度にも置いていかれないだろう。彼女の役割は敵の注意を引き付けつつ、逃げられなくなるまで追い詰めることだ。

「さあ、狩りを始めるわよ」
 かつてアックス&ウィザーズで討伐した『黒輪竜』メランシオンの力をその身に宿したフレミアは、竜のエネルギーを収束させた黒輪を無数に出現させ、回避の難しい超広範囲攻撃を仕掛ける。
「消え失せなさい!」
『――――!!』
 天覆う無数の黒輪から放たれる魔弾が、豪雨の如く大天魔怪獣の巨体に浴びせられる。
 攻撃を受けたアークは身をよじりながら翼を羽ばたかせ、衝撃波で魔弾を吹き散らす。
 飛空艇にも匹敵するスケール相応に、耐久力も防御力も高いらしい。だがフレミアとて今ので打ち止めというわけではない。

「まだまだいくわよ」
 広域攻撃に続けてフレミアは新たな暗黒の輪を生成し、逃走するアークを追跡させる。
 数千を数える黒輪は執拗に敵を追い込み、着弾と共に攻撃力を低下させ弱体化させる。いかに俊敏でもあの巨体では、全てを躱しきることは困難だろう。
『ウゥゥゥゥ……』
 止むことのない攻撃に苛立ちを示しながら、輪の回避と迎撃に集中するアーク。その間にフレミアが依頼していた勇士達の飛空艇が、こっそりと砲撃の射程内に近付いていく。

「俺達の事は眼中にないみたいだな……チャンスだ。攻撃開始!」
 飛空艇に搭載された大砲が火を噴き、暗黒の輪にまぎれて砲撃支援が敵に降りかかる。
 フレミア1人だけでも厄介だったところに増援まで来て、とうとう煩わしさがピークに達したアークは、本格的に彼女らを排除しようと進行方向を変えた。
『グオォォォォォ……!』
「来たわね」
 魔獣の巨体がこちらに向かってきたのを見ると、フレミアはあえて攻撃を中断。瞑想の姿勢から【緩やかに死に逝け、定命の者たちよ】を発動し、外部からの攻撃を遮断する。

「もう少し弱らせておかないとね」
『オォォォォォ……!?』
 アークの攻撃が黒輪竜の力に阻まれる一方で、天を覆う黒輪からは黒い雨が降り注ぐ。
 それは当たった者を侵食する呪詛の雨。即死には至らずとも弱体化させるには十分だ。
 黒雨と黒輪に打たれるアークの頭から、嗚咽にも似た苦しげな叫びが響き渡る―――。
大成功 🔵🔵🔵

メルティア・サーゲイト
 爆撃機でもいいんだが、飛空艇の世界だしこっちも艦で勝負するか。
「万能駆逐艦形態は伊達じゃねェ、もちろん空だって飛べる」
 四基のティルトローターによる快適な操縦性を実現。VLS、CIWS、速射砲による高い対空火力も実現してるぜ。
「各砲座、撃ち方初めってなァ!」
 無理に追いつかなくてもいい。浴びせる様に弾幕を張り逃走経路を制限する。
「それで逃げたつもりかよ」
 艦首を軸線に乗せ、艦首魚雷を一斉発射。んでもって船体を横に開いて展開。船体の大半を銃身扱いするレールカノンだ。
「やっぱ、艦首砲はロマンだろ。この一撃に、貫けない物は無いぜ!」
 長距離狙撃で終わらせるぜ。


「爆撃機でもいいんだが、飛空艇の世界だしこっちも艦で勝負するか」
 そう言ってメルティア・サーゲイト(人形と鉄巨人のトリガーハッピー・f03470)が発動するのは【MODE DESTROYER】。異次元相から駆逐艦の船体を召喚し、さらに自らが艦橋に変形・合体することで、空宙潜対応の万能駆逐艦形態へと変身を遂げる。
「万能駆逐艦形態は伊達じゃねェ、もちろん空だって飛べる」
「はぇー……すっげぇ……」
 なるほど空飛ぶ船という共通項はあるし、人型から艦への変形合体はガレオノイドにも似ている。だが並みの飛空艇を圧倒する鋼鉄の艦の威容は、勇士達を驚かせる物だった。

「駆逐艦を舐めるなよ? 今の駆逐艦は凄いんだぜ」
 伝説の魔獣だかなんだか知らないが負けるものかと、メルティア(万能駆逐艦形態)は雲海の上を飛ぶ。当艦は四基のティルトローターによる快適な操縦性を実現し、VLS、CIWS、速射砲による高い対空火力も実現している。
「各砲座、撃ち方初めってなァ!」
 艦橋からの号令によって、それらの砲門は一斉に火を噴く。狙うは大天魔怪獣アーク。
 砲撃を受けた巨獣は煩わしげに身をよじると、砲の射線から逃れるように高度と速度を上げた。

「それで逃げたつもりかよ」
 メルティアは負けじとエンジンの出力を上げ、魔獣を追いかけながら浴びせる様に弾幕を張り逃走経路を制限する。ボディの大きさでは向こうのがまだデカいが、駆逐艦の売りでもある機動性、そして火力については決して負けてはいない。
(無理に追いつかなくてもいい)
 機敏な操艦で敵からの反撃を躱しつつ、艦首を軸線に乗せて魚雷を一斉発射。弾幕による経路制限はこの為の布石でもあった――ミサイルのように大空を翔ける魚雷の群れが、全長60m超の巨獣に全弾直撃する。

『オォォォォォ……!?』
 砲弾では怯む程度だったアークもこれには堪えたらしく、目に見えて速度が下がった。
 この機を逃すメルティアではなく、万能駆逐艦の船体がゴゴゴと音を立てて横に割れ、展開していく。これこそが当艦自慢の主砲、船体の大半を銃身扱いしたレールカノンだ。

「やっぱ、艦首砲はロマンだろ。この一撃に、貫けない物は無いぜ!」
 第二種永久機関動力炉からのエネルギー供給完了。対艦用砲弾装填、目標ロックオン。
 竜の顎のように裂けた船体に膨大な電磁力が集まっていき――トリガーハッピーな顔を覗かせたメルティアの号令の下で、巨大な砲弾が稲妻の如く射出される。
『――――!!!!』
 規格外の長距離狙撃を食らったアークの装甲が爆ぜ、その巨体の一部に風穴が開いた。
 恐らくはこれまでで最大級の衝撃だっただろう。魔獣から放たれる超音波の咆哮に悲痛さが増し、動きがさらに鈍くなっていく――。
大成功 🔵🔵🔵

キリカ・リクサール
アドリブ連携歓迎

生き延びるためには過酷な戦いも必要か…
美しい世界だが、苛烈な一面もあるようだな

勇士の皆に協力してもらい、飛空艇をアークよりも高い空域まで移動させてもらう
ギリギリの高高度まで上昇したらUCを発動
パワードスーツを着込み、ブースターを噴射させ飛空艇から飛び降りつつ
アークの頭上を急襲する

さて、それでは楽しい鬼ごっこと行こうか
逃げ切れるものならやってみるがいい

そのまま空中を飛翔しつつ、威嚇射撃を行いながら追跡
本格的な戦闘はこの後だ、無駄球を使わぬように注意しながら敵を挑発
充分に挑発をしたら、反転して飛空艇に戻ろう

これだけちょっかいをかければ奴も黙ってはいまい
こちらも、本気に備えなくてはな


「生き延びるためには過酷な戦いも必要か……美しい世界だが、苛烈な一面もあるようだな」
 故郷の浮遊大陸のために魔獣狩りに乗り出した勇士達の姿を見て、キリカ・リクサール(人間の戦場傭兵・f03333)は呟く。雲海に沈みゆく大地の寿命を永らえさせるには、魔獣の心臓たる天使核の力が不可欠。この戦いは人と魔獣の生存闘争でもあるのだ。
「皆の故郷を救うためにも、どうか協力してもらいたい」
「ああ。あのバケモノを倒すには、力を合わせないとな」
 同じ飛空艇に乗る仲間としてキリカが作戦を提案すると、勇士達はすぐさま快諾した。
 事実として彼らだけではアーク討伐は難しい。勝算があるのなら何だってやる構えだ。

「まずはこの飛空艇を、アークより高い空域まで移動させてくれ」
「分かった!」
 勇士達は手分けして帆を張り機関の出力を上げ、舵輪を回して飛空艇の高度を上げる。
 敵も常にナワバリの中を飛び回っているため、その上を取るのは容易なことではない。それでも他の猟兵達が気を引いてくれているおかげで、なんとか航行する隙があった。
「ここが限界高度だ! これ以上は上がれねえ!」
「十分だ」
 ギリギリの高高度まで艇を上昇させると、キリカは【ヴォル・コンケラント】を発動。
 漆黒のパワードスーツ「コンケラント」をバトルスーツの上から着込むと、ブースターを噴射させて飛空艇から飛び降りた。

「お、おい姉ちゃん……!」
 いきなり艇から落ちたキリカに勇士達は慌てるが、彼女は最初からこれが目的だった。
 死角となる頭上への急襲。これにはアークも驚いたようで、反応が僅かながら遅れた。
「さて、それでは楽しい鬼ごっこと行こうか」
 肩のレーザーガトリング、腕のビームライフル、グレネードを同時展開。挨拶代わりに放たれたのは、全搭載武器による一斉攻撃だった。豪雨のように降り注ぐビームの嵐が、アークの頭部装甲を抉り取る。

『オォォ……!!』
 アークの悲鳴は超音波となり、周囲の物体を共振させる。至近でこれを浴びるのは不味いと直感したキリカはブースターの再噴射で距離を取りつつ、そのまま空中を飛翔する。
 こちらの攻撃に反撃はしてくるものの、魔獣はまだ本気を出してはいない。逃げる気を置きなくさせるためには、もっと挑発して追い詰めなければ。
「逃げ切れるものならやってみるがいい」
 スーツの中でにやりと笑みを浮かべ、威嚇射撃を行いながらアークを追跡するキリカ。
 コンケラントの最高速度は魔獣の飛行速度さえ上回る。どれだけ羽ばたいても振り切れない速さでビームを撃ち込んでくる彼女に、敵も徐々に苛立っているように見えた。

(本格的な戦闘はこの後だ、無駄弾を使わぬように注意しないとな)
 挑発はもう充分だと判断したところで、キリカは反転して飛空艇に戻る。単独で魔獣と戦闘し、しかも傷ひとつ負わず帰還した彼女を、勇士達は驚きと歓喜をもって出迎えた。
「あんたすげえな! 上から見てたぜ!」
「喜ぶのは後だ。気を引き締めてくれ」
 これだけちょっかいをかければ奴も黙ってはいまい。しつこく挑発した甲斐があったと言うべきか、眼下の巨獣からこれまでにない敵意がこちらに向けられているのを感じる。
「こちらも、本気に備えなくてはな」
 本番の時は近付いている。その時こそ勇士と猟兵の総力が試される戦いになるだろう。
 油断のないキリカの態度を見て、勇士たちも緩みかけた緊張の糸を締め直すのだった。
大成功 🔵🔵🔵

トリテレイア・ゼロナイン
沈む大陸…勝ちの目の薄い戦いに身を投じるには十分すぎる動機です
騎士として彼らを助勢しなくてはなりませんね

事前に飛空艇の勇士達にUC配布
飛空艇ドゥルシネーアを旗艦・情報集積所とした捜索艦隊を編成
情報収集で得た地形や敵の情報から行動を見切って包囲を狭め
(ハッキング飛空艇操作で一人で操艦しつつ、収集情報の解析と作戦立案を瞬間思考力で並立)

追い込めたようですね
先鋒はドゥルシネーアが務めます
指定した座標に向かって下さい

防御力場を衝角から展開し●捨て身の一撃ラムアタック
当てるつもりはありません
特定空域への回避行動を誘発

雲間に潜ませた勇士達の飛空艇部隊の砲撃が本命です
手傷を負わせ速度を落とせれば最上ですが…


「沈む大陸……勝ちの目の薄い戦いに身を投じるには十分すぎる動機です」
 故郷の未来のために強大な敵に挑む者は、トリテレイア・ゼロナイン(「誰かの為」の機械騎士・f04141)にとってまさしく"勇士"であった。敵が伝説の大怪獣と知ってなお退かないのだから、その覚悟は紛れもない本気だろう。
「騎士として彼らを助勢しなくてはなりませんね」
 この戦いに参列するにあたって、彼は自らの飛空艇「ドゥルシネーア」に乗って来た。
 それは勇士達の飛空艇より遥かに壮観な、立派な砲座を備えた麗しき白銀の船だった。

「皆様はこちらをお持ち下さい」
「これは……通信機か?」
 魔獣狩りが始まる前に、トリテレイアは勇士達にカメラ付きの小型通信機を配布する。
 これは【機械騎士の臨時前線指揮】を執るための情報収集と通信網を司るアイテムだ。こちらよりも巨大かつ高速の獲物を追い詰めるには、勇士達との緊密な連携が要となる。
(緊急時戦術指揮プログラム解凍……本職ではありませんが不安は見せられませんね)
 飛空艇の勇士達を臨時指揮下に置いた彼は、ドゥルシネーアを旗艦・情報集積所とした捜索艦隊を編成する。勇士とひと括りに呼ばれてはいてもバラバラな個性の強い面々は、騎士の指導の下でひとつの"軍"となり、統率された行動が可能となった。

「……指示を送ります!」
 端末を通じて各艦から送られてくる地形や敵の情報を収集・解析。そこから敵の行動を見切り各艦に指示を飛ばす。情報収集と戦術指揮、さらには艦の操縦まで同時並行可能な演算能力の高さは、トリテレイアの電脳がいかにハイスペックかを物語っている。
『ウゥゥゥゥゥ……』
 目標は猟兵の攻撃により徐々に速度を落としつつも、今だにナワバリを飛行している。だが機械の指揮の下、的確な連携をみせる各艦によって包囲は徐々に狭まりつつあった。

「追い込めたようですね。先鋒はドゥルシネーアが務めます、指定した座標に向かって下さい」
『了解!』
 通信越しに各艦からの応答を聞いてから、トリテレイアは自らの飛空艇を前進させる。
 艦首前方に力場を展開。敵の攻撃を防ぐ為のそれは、転用すれば強力な衝角にもなる。
「当てるつもりはありません」
『オォォォ……!』
 捨て身の勢いで飛び込んできた"ドゥルシネーア"のラムアタックを、アークは金翼を羽ばたかせて避けた。飛空艇と同等のサイズでありながら驚くべき運動性――だが、それも予測の範疇。派手に注意を引く突撃は、特定空域への回避行動を誘発する囮に過ぎない。

「あちらの砲撃が本命です」
『――――!!』
 直後、雲間に潜んでいた飛空艇部隊が、誘導されてきたアークに一斉砲撃を浴びせた。
 それは、この空域一帯の地形や気流を完全に把握していなければ不可能な伏兵と奇襲。完全に意表を突かれた巨獣の体や翼に、砲弾が次々と命中する。
「手傷を負わせ速度を落とせれば最上ですが……」
 トリテレイアの作戦通り、アークの速力はそれまでよりさらに下がったように見える。
 だが手負いの獣は恐ろしいもの。いつ敵が本気で牙を剥いてきても対応できるように、警戒を強めるようにと彼は勇士達に指示を送った。
大成功 🔵🔵🔵

西院鬼・織久
確かに俺は空を飛ぶ手段を増やそうとしていましたが、まさか百貌の化身たる黒酸漿が出てくるとは
黒酸漿はなかなかの大喰らい。賊を追うだけで済めば良いのですが
本命は我等が怨敵なのです。ほどほどに抑えておきましょう

【行動】POW
顕現した黒酸漿に乗り五感と第六感+野生の勘で気流と賊の行動を把握し戦闘知識+瞬間思考力を活かして読み、不測の事態に備える

雲に身を隠し怨念の炎を宿したUCで攻撃、隊列を狙ったと見せて爆破と怨念の炎の熱で気流を乱し足並みを乱す
速度が緩んだ瞬間を狙い黒酸漿の衝撃波を伴う呪詛+威圧+恐怖を与える咆哮を食らわせ、速度が緩んだ所でUC+範囲攻撃で爆破する


「確かに俺は空を飛ぶ手段を増やそうとしていましたが、まさか百貌の化身たる黒酸漿が出てくるとは」
 足場なき空の世界でオブリビオンを狩るために、狩猟者の一門の末裔たる西院鬼・織久(西院鬼一門・f10350)が新たな飛行手段を求めるのは自然だった。ところがその意に応えて顕現したのは、黒い鱗に赤い目をした、巨躯を誇る禍々しい大蛇であった。
「黒酸漿はなかなかの大喰らい。賊を追うだけで済めば良いのですが」
 よもや飢えに駆られて味方であるはずの勇士にまで牙を剥かなければいいが――そこは上手く制御してみせるのが乗り手の技量か。黒酸漿の背に乗った彼は、蛇と同じ色をした赤目で彼方にいる標的を見据える。

「本命は我等が怨敵なのです。ほどほどに抑えておきましょう」
 織久は研ぎ澄まされた五感と第六感、野生の勘を活かして気流と敵の行動を把握する。
 そこから次なる敵の動きを読む知識の豊富さと思考の速さは、連綿と受け継がれてきた西院鬼一門の血と怨念、そして本人の戦歴が為せる業か。
『ウゥゥゥゥゥ……』
 後方から追ってくる黒い大蛇の姿は、アークの方も把握していた。煩わしげに魔獣が翼を広げると、膨大なエネルギーを凝縮した光弾が放たれる。黒酸漿はその身をうねらせて空を泳ぐように身を躱すと、そのまま近くに浮かんでいた雲の中に身を潜めた。

「まずは一手。足並みを乱しましょう」
 敵が此方の位置を見失った瞬間に、織久は雲間から怨念の炎を宿した【影面】を放つ。直に本体を狙ったと見せかけて、実際は敵が回避しようとする直前、それを炸裂させる。
『ウォォ……?』
 黒い影の爆破と、付与された怨念の炎の熱は、大気を膨張させ気流を激しくかき乱す。
 アークの巨体はそれに煽られてバランスを崩し、体勢を立て直すために速度が緩んだ。

「吼えよ、黒酸漿」
 好機を捉えた織久が命ずると、黒き大蛇が咆哮する。物理的な衝撃を伴うだけでなく、威圧や恐怖を与える呪詛を含んだ音撃を食らい、アークの飛行速度はさらに落ちていく。
「何人たりとも死の影より逃れる事能わず」
 二重の妨害により敵の飛行力を殺した上で、西院鬼の戦士は本命となる一撃を見舞う。
 放たれた【影面】は今度こそ魔獣の巨体に命中し、先程に倍する爆発を引き起こした。

『オアァァァァァ……!!!』
 煙を上げて高度を落としていくアークの姿を、ただ淡々とした眼差しで見下ろす織久。
 だが、その内にはこの空域にいる誰よりも深い殺意と狂気が、静かに渦を巻いていた。
大成功 🔵🔵🔵

鏡島・嵐
生活の糧のためにデカい怪獣を捕獲する、か。……おれらの世界で言うところの捕鯨みてえな感じなんかな?
まあ、普通の鯨は衝撃波だの光弾だので抵抗したりしねえけどさ。
ちょっと……いや、かなり怖ぇけど、行ってみっか。

空域の気流が向こうに味方してるってんなら、そいつに干渉してある程度動きを封じるってのは出来ねえかな?
《幻想虚構・星霊顕現》を起動して風の流れをコントロールし、アークって怪獣が逃げづらくなるように出来ねえかやってみる。
勿論、下手に風の流れを乱すとこっちの飛空艇の制御にも支障が出るだろうから、そこら辺は操舵を担当してる人と息を合わせてタイミングよく、かつ暴走しねえように気を付けながら制御する。


「生活の糧のためにデカい怪獣を捕獲する、か。……おれらの世界で言うところの捕鯨みてえな感じなんかな?」
 あれもなかなかの大捕物になるらしいしと、鏡島・嵐(星読みの渡り鳥・f03812)は独りごちる。故郷のピンチを救うため、大物狙いの大逆転をめざして海に乗り出す男たち――そんな風に考えれば、飛空艇の勇士達の心境も分かりやすいかもしれない。
「まあ、普通の鯨は衝撃波だの光弾だので抵抗したりしねえけどさ」
 まだ距離があるのにはっきりと視認できる巨大な魔獣の姿。無造作に力をふるうだけでか弱い人間の船など蹴散らせる、畏怖すべき威容を前にすると足がすくみそうになった。

「ちょっと……いや、かなり怖ぇけど、行ってみっか」
 ここに来て怖気づいて逃げ出すくらいなら、最初から依頼など受けていない。そもそも今のままでは向こうは此方のことを歯牙にも掛けないだろう。まずはあのアークとかいう怪獣が逃げづらくなるようにしなければ。
「空域の気流が向こうに味方してるってんなら、そいつに干渉してある程度動きを封じるってのは出来ねえかな?」
 そう考えた嵐は【幻想虚構・星霊顕現】を起動し、風の流れのコントロールを試みる。
 彼が詠唱を行うと、それまで一律に整っていた気流に変化が生まれ、意志を持ったようにうねりだす。やがてそれは旋風となり、竜巻となって、アークの飛行を妨げはじめた。

「Linking to the Material, generate archetype code:X...!」
 今ではない時、此処ではない場所。遙かな異界の冒険譚を源とするユーベルコードが、伝説に謳われし魔獣を阻む。これまでナワバリとする空域の気流を知り尽くしていたはずのアークは、自分の知らない風向きの変化に戸惑っているようだった。
『オォォォォォ……?』
 突如牙を剥きだした風の流れに乗り切れず、思うように飛べないでいるアークを見て、嵐はより繊細かつ慎重に大気を操作する。元より星霊顕現は制御の難しいユーベルコードだが、今回はいつも以上に扱いに気をつけねばならない理由があった。

(下手に風の流れを乱すとこっちの飛空艇の制御にも支障が出るだろうから、そこら辺は操舵を担当してる人と息を合わせねえとな)
 万が一暴走でも起こそうものなら、魔獣と戦う前にこの飛空艇は沈没、乗っている者は雲海の藻屑と化す。あるいはそちらのほうが嵐にとっては恐ろしい事態かもしれない――だからこそ彼は艇の動きにも細心の注意を払っていた。

「右に舵を切るぞ!」
「おう!」
 舵輪を回す勇士の操舵手と息を合わせて、タイミングよく気流を操作。敵を逃さない為に向かい風を吹かせられるなら、逆に味方の船足を伸ばす追い風を起こすこともできる。
 空域の気流を支配下におさめた嵐の働きによって、アークと飛空艇の距離はみるみる縮まっていく。完全に目標を追い詰めるまで、もうひと息だろう。
大成功 🔵🔵🔵

ルナ・ステラ
勇士さんたちと協力して、アークを追い込むのですね!

勇士さんたちには正面から追い込んでもらって、わたしは先回りしてポイントで待ち伏せをしておく作戦にしましょうか。

ポイントに来る前にUCで変身しておきます。速い速度で飛翔できる状態に、また、すぐに複数の月光の矢を放てるように準備しておきます。
ポイントに来たら【誘導弾】の効果をつけた矢を、数本は曲射、数本は普通に放ちます。
普通のに放った矢は避けられるかもしれませんが、曲射した矢は相手に外したと思わせて、頭上から降らせることで意表を突きます。

勇士さんたちと矢とわたしに囲まれたら、相手に逃げれないと思わせることができるのではないでしょうか?


「勇士さんたちと協力して、アークを追い込むのですね!」
 今回のターゲットである巨大な魔獣を見て、元気よく意気込みを示すのはルナ・ステラ(星と月の魔女っ子・f05304)。相手はクジラのような大きさで悠々と空を飛んでいくけれども、こちらには仲間が沢山いるのだから、不安はカケラもない。
「勇士さんたちには正面から追い込んでもらって、わたしは先回りしてポイントで待ち伏せをしておく作戦にしましょうか」
「わかった。こっちは任せておきな、嬢ちゃん」
 微笑む少女にニッと笑みを返して、勇士達は飛空艇を操縦する。この艇のスピードでは正面からアークに追いつくのは無理だが、砲などで威嚇して進路を誘導する事はできる。

「月の魔力よ、わたしに力を! フォームチェンジ!!」
 相談したポイントに敵が来る前に、ルナは【月の女神様】を発動して、月の光をまとうセレーネスタイルに変身しておく。雲の影に身を潜めて待ち伏せし、すぐに攻撃を仕掛けられるように魔力を溜めて準備しながら息を潜める。
(……来ました!)
 しばらくじっと待っていると、大砲の音に追い立てられてアークが此方にやって来る。
 そのスケールは近くで見るとますます圧倒的で、小さな少女のことなど簡単に轢き潰してしまえそうだ。だが、こうした巨大なオブリビオンとも彼女は過去に戦ってきた。

「追い込みありがとうございます。いきます!」
 ルナは待機していた場所からぱっと飛び出すと、複数本の月光の矢をアークに放った。
 全ての矢に誘導効果をつけて、数本は普通に、数本は曲射で。相手からすれば当たりそうなのはまっすぐ飛んでくる数本のみで、他は狙いを外したように見えるだろう。
『ウゥゥゥゥゥゥゥ……』
 超音波の遠吠えを響かせながら、アークはばさりと翼を羽ばたかせて軌道を変更した。
 巨体に見合わぬ機敏さで矢を避けながら、周囲には突風を巻き起こす。衝撃に煽られたルナは吹き飛ばされないように空中で体勢を整えながら、まっすぐな視線で魔獣を見る。

「頭の上がお留守ですよ」
 すると外れたように見せた月光の矢がぐんっと大きくカーブし、三日月のような軌道を描いて相手の頭上から降りかかった。これにはアークも意表を突かれたらしく、回避する間もなく直撃を受ける。
『オォォォォ―――!?』
 頭部に月光の矢が突き刺さり、先程よりも大きな叫びが空に響き渡る。図体のわりには臆病な獣のように、アークは進路変更してその場から逃れようとするが――ルナはさっとその前に回り込み、さらに月光の矢を放つ。

(勇士さんたちと矢とわたしに囲まれたら、相手に逃げれないと思わせることができるのではないでしょうか?)
 セレーネスタイルに変身したルナの飛翔速度は、アークの移動速度をも上回っている。
 このスピードで相手に先回りしつつ、後ろから追ってくる勇士達の飛空艇と挟み撃ち。さらに曲射で放たれる月光の矢の軌道が、鳥籠のように相手の上下左右を取り囲む。
『―――!!』
 包囲が完成しつつある事にアークも気付いただろう。強引に矢の雨をくぐり抜けて突破を図るが、いつまで逃げられるものか。追い詰められるにつれ苛立ちと敵意らしき思念がこちらに向けられているのを、ルナも感じ取っていた。
大成功 🔵🔵🔵

春乃・結希
何言ってるんだこの人…と思いつつ、店長の指示なので渋々従います
飛空艇より私の方が速いし、カビパンさんを連れてアークを追いかけます
ほら、カビパンさん行くよおんぶでいい?
えっ肩車?別にいいけど…うわ足冷たっ!(冷え性)
アークの攻撃は避けられそうなものは避けて
そうでなくてもカビパンさんのチートなハリセンがある限りこっちに攻撃は通らないはず

空気やばいよみんな全然笑ってないよ…っ
次で大爆笑やなかったら作戦失敗で引き返しますから…!
(トドメのギャグが放たれる)
…終わった。あまりのつまらなさに固まっちゃいましたよアーク…
実はこういう作戦?そうですか…はぁ…

勇士の人まで固まってたらハリセンで解除しておきます


カビパン・カピパン
「我々でアークを捕捉する。危険な作戦だ、命が惜しければ抜けてもいい」
普通に考えれば、高速飛行するアークを相手に追いつくのは並大抵のことではない。ならばどうすればいいか?
カビパンがその献策をした時は結希も勇士達も信じられないと言う目でカビパンを見ていた。

「作戦を考えればいい。どうだ、これ以上にない作戦だろう」(キリッ

「「「……」」」

結局、カビパンがとある映画撮影の時に製作総指揮から教わった爆笑ギャグ百連発し、敵が爆笑して動けない間に結希達と包囲するという作戦になった。

(ここに戌製作総指揮から教わった爆笑ギャグ連発が入ります)
――カチン

違う意味でギャグはアークと時間を止めて有効打になったという。


「我々でアークを捕捉する。危険な作戦だ、命が惜しければ抜けてもいい」
 飛空艇に乗り込んだ勇士達の前で、指揮官の如く振る舞うカビパン・カピパン(女教皇 ただし貧乏性・f24111)。瀟洒な軍服に身を包んだ彼女の佇まいは凛々しく、話を聞くほうも自然に背筋が伸びる。
「俺達は、覚悟の上でここに来ました!」
「故郷を救うためだ。危険は承知している!」
 沈みゆく浮遊大陸の寿命を永らえさせるためには、強力な天使核の力が不可欠となる。
 今回のアーク討伐に名乗りを上げた勇士達は、無論栄誉や一攫千金を狙っての者もいるだろうが、何よりも自分たちの大陸を救いたいという気概に満ちた者達だった。

「でも、捕捉するといっても具体的にどうやるんですか?」
 と、そこで質問の手を挙げたのは春乃・結希(withと歩む旅人・f24164)。旅団『悩み聞くカレー屋』のCEOで、今回の依頼には店長のカビパンに連れられて参加していた。
 普通に考えれば高速飛行するアークを相手に追いつくのは並大抵のことではない。ならばどうすればいいか? 結希に限らずこの場にいる誰もが同じ疑問を抱いていただろう。
 だが、その期待にカビパンが提示した答えは、あまりにもお粗末――いや奇抜だった。

「作戦を考えればいい。どうだ、これ以上にない作戦だろう」

 キリッとした顔でカビパンがその献策をした時は、結希も勇士達も信じられないと言う目で彼女を見ていた。それは普通作戦とは呼ばない、文字通りにそれ以前の問題である。
「「「……」」」
 誰もがしばらく呆れて物も言えなかったが、このままだんまりしてても埒が明かない。
 結局、皆でああだこうだと意見を出しあい、ことごとくカビパンにハリセンでダメ出しされたりもしつつ、最終的にはカビパンがとある映画撮影の時に製作総指揮から教わった爆笑ギャグ百連発し、敵が爆笑して動けない間に結希達と包囲するという作戦になった。

(何言ってるんだこの人……)
 明らかにカビパンのギャグ時空に汚染された作戦を聞いたとき、結希は心からそう思ったが、店長の指示なので渋々従う。もし断ったらどんなパワハラされるかわかんないし。
「飛空艇より私の方が速いし、カビパンさんを連れてアークを追いかけます」
「よろしくお願いします……その、色んな意味で」
 もう既に疲れた顔をしている勇士達に頭を下げられて、結希はこの人達と仲良くなれる気がした。こんな作戦に故郷の命運をかけなければいけない彼らも、わりと不憫である。

「ほら、カビパンさん行くよおんぶでいい?」
「えー、肩車がいいです」
「えっ肩車? 別にいいけど……うわ足冷たっ!」
 作戦決行に備えて【ギャグセンス皆無な雪女】に変身したカビパンを肩の上に乗せて、結希は【ラスティングセルフ】で空を飛ぶ。全身を強大なエネルギーを持つ風で覆う事で戦力増強と高速飛翔能力を得る、このユーベルコードならアークにも追いつけるはずだ。
『オォォォォォ……』
 物凄いスピードで迫ってくる二人に気付くと、アークは衝撃波や光弾で迎撃してきた。
 "普通"なら一発でも被弾すれば危険な攻撃。だが結希もカビパンも恐れは微塵もない。

(カビパンさんのチートなハリセンがある限りこっちに攻撃は通らないはず)
 飛翔力を活かして避けられるものは避けつつ、そうでないのは相方に丸投げする結希。
 これでも彼女のことは信頼しているのか、果たしてハリセン女教皇の異名を取る雪女が「女神のハリセン」をパシーンとしばくと、光弾も衝撃波もことごとく霧散霧消する。
「はい着きました。あとは頼みましたよ」
「ええ。ここはあたくしのナウなヤングにバカウケなギャグで場をあっためて差し上げましょう」
 無傷のまま敵に声が聞こえる距離まで接近した結希は、不安半分といった顔でカビパンを見上げる。ここまで来れば本人の自信通り、爆笑ギャグとやらが魔獣を笑わせてくれることに期待するしかないが――。

「隣の家に塀ができたってね。へぇ~」

 ――カチン、と場の空気が凍りつく音が確かに聞こえた。ただのオヤジギャグだった。
 結希も、勇士達も、もちろんアークも、誰もクスリともしていない。耳が痛くなるような沈黙が辺りを包む。
「イルカはいるか? イヌは居ぬ。ネコがねこんだ、サルが去る」
 そんな空気にも負けない、ある種鋼鉄のメンタルと有無を言わさぬ強引さで、カビパンはつまらないギャグを連発する。一発放つたびに場の気温が下がっていき、アークがぶるぶると震えだすのが見て取れる。間違ってもそれは笑いをこらえている震えではない。

「空気やばいよみんな全然笑ってないよ……っ、次で大爆笑やなかったら作戦失敗で引き返しますから……!」
 色んな意味での寒さにぷるぷると震えているのは結希も同じだった。冷え性な彼女にはこの冷え込んだ空気とさっきから当たってる雪女カビパンの足がつらい。成功にせよ失敗にせよ早く終わってほしいという気分になってきた。
「それでは最後です、聞いてください――ふとんが吹っ飛んだ」
 そして、勿体つけて放たれたトドメのギャグも、やっぱりと言うべきサムさであった。
 あまりにも寒すぎるカビパンのギャグは現実に空気を凍らせ、それどころか時間すらも停止させる。そのヤバさに耐えきれず、とうとうアークは空中で動きを停めた。

「……終わった。あまりのつまらなさに固まっちゃいましたよアーク……」
 地獄のようなギャグ100連発が終わり、結希はやれやれといった様子でカビパンを連れ飛空艇にとって返す。作戦通りとはいかなかったが、違う意味でギャグはアークと時間を止めて有効打にはなった。今のうちに勇士達を呼んで包囲しよう。
「実は最初からこういう作戦だったんです」
「そうですか……はぁ……あ、勇士の人まで固まってる。カビパンさんハリセン貸して」
 どうやらカビパンの極寒ギャグは味方にすら被害を出していたらしい。カチンコチンになっている勇士達をハリセンでひっぱたいて解除するのに、少々の時間が必要となった。
 ともあれ。絶えず飛び回っていたアークの動きを一時的にも停められた成果は大きく、猟兵と勇士による包囲網は着実に狭まりつつあった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

ルビィ・フォルティス
大陸が沈むというのはこの世界では珍しいことではないとはいえ、そう頻繁にあることでもありませんわ。親近感を感じますわね。
自分と同じように沈む故郷を救うために天使核を探す勇士たちに親近感を覚える
先に見つけたのはそちらですもの、今回はお譲りしますわ。

もう、あれだけ大きいのですから真っ向から向かってくればいいですのに。
仕方ありませんわね、これも勇士の嗜みですわ。
八雲の剣壁を使用し、戦場全体に雲の迷路を作り出す。
これで地の利は奪いましたわ。後は焦らず、じっくりと追い込みましてよ。

飛空艇から飛び降り、自身の翼で飛翔、深追いはせず、飛空艇と一緒に迷路の袋小路へ追いつめていく


「大陸が沈むというのはこの世界では珍しいことではないとはいえ、そう頻繁にあることでもありませんわ。親近感を感じますわね」
 自分と同じように沈む故郷を救うために天使核を探す勇士たちに、ルビィ・フォルティス(空の国の家出娘・f33967)は親近感を覚えていた。伝説の魔獣の心臓が欲しいのは彼女とて同じことだが、後からきて成果をかっ攫うような無粋をする趣味もない。
「先に見つけたのはそちらですもの、今回はお譲りしますわ」
「感謝する……天使核以外の素材であれば、好きにしてくれ」
 此度は勇士にして高貴なる者の義務として、彼らのために剣を取ると決めたルビィ。
 獲物である「大天魔怪獣アーク」は今もナワバリの中を逃げ回っている。ここまで猟兵と勇士に追い立てられてもなかなか襲ってこないのは、意外に臆病な気質なのか。

「もう、あれだけ大きいのですから真っ向から向かってくればいいですのに」
 剣の間合いであれば誰にも引けを取らない自信のあるルビィだが、こうも逃げ回られては刃を交わすのも一苦労。面倒そうに眉根を寄せた彼女はふうとため息をひとつ吐いて、伝家の宝剣「アドウェルサ」を体の前ですっと構える。
「仕方ありませんわね、これも勇士の嗜みですわ」
 行使するのは【八雲の剣壁】。風の魔力にて周囲の雲を集め、戦場全体に巨大な迷路を作り出す。相手がナワバリの地形や気流に熟知しているのなら、その環境を丸ごと変えてしまおうという目論見だ。

『ウォォ……?』
 突如として出現した雲の迷路に囲まれて、アークが困惑したような声を上げる。爆風を起こして吹き散らそうとしても、この迷路は見た目より硬度があり、簡単には壊せない。
「これで地の利は奪いましたわ。後は焦らず、じっくりと追い込みましてよ」
「ああ。行こう!」
 ルビィは飛空艇から飛び降り、自身の翼で雲間を飛翔する。己が創り出した迷路ゆえ、その構造は誰より熟知している。今度はこちらが地の利を活かして敵を追い詰める番だ。

「まだ逃げられるとお思いかしら?」
『グウゥゥ……!』
 風の魔剣を手に挑みかかるエンジェルの娘を見て、アークはなおも転身し逃走を図る。
 ルビィはそれを追跡しつつも深追いはしない。今この状況でヘタに反撃を食らったら、不利になるのはこちらの方だ。付かず離れず、相手に警戒を抱かせられる距離を保って、こちらの望む方向へと誘導する。
「そら、こっちもいるぞ!」
 勇士達の飛空艇も、ルビィと一緒に敵を追跡する。彼らの艇に積まれた大砲はこの距離では命中は望めないが、砲声で相手を驚かせるだけでも効果はある。追い立てられながら雲の中を逃げ回るうちに、アークはどんどん迷路の出口から遠ざかっていく。

「さあ、追い詰めましてよ」
 やがてアークが辿り着いたのは、どこにも逃げ場のない迷路の袋小路だった。後方から追いついてきたルビィが凛とした眼差しで剣を突きつけると、これ以上は逃げられないと悟った魔獣は鋭い咆哮を上げる。
『―――グゥゥッ!!』
 長い追跡になったが、とうとう敵は本気で猟兵と勇士達を排除する気になったようだ。
 これまでとは違うひりついた敵意と殺気が、ビリビリと雲と大気を震わせていく――。
大成功 🔵🔵🔵


第2章 ボス戦 『大天魔怪獣アーク』

POW ●エアリアルクラッシュ
【飛行しながら横回転し翼】から、戦場全体に「敵味方を識別する【強烈な爆風と衝撃波】」を放ち、ダメージと【飛行能力弱体化】の状態異常を与える。
SPD ●ウルトラサウンドハウル
【何処からか物体と共振させ破壊する超音波】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ ●ギガアークブラスト
【羽】から【膨大な破壊力を込めた複数の破壊光弾】を放ち、【急速に拡大する破壊エネルギー】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はビードット・ワイワイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵と勇士達による追跡の末、大天魔怪獣アークはとうとう逃げるのを諦めたようだ。
 それまで背を向けていた者達に反転し、黄金の大翼を広げて戦闘態勢を取った魔獣は、これまでとは比べ物にならない気迫で咆哮を上げる。

『オォォォォォォォォォォ―――――!!!!!!』

 超音波と化したその咆哮はビリビリと大気を震わせ、飛空艇の窓ガラスにヒビが入る。
 その巨体に秘められた膨大な破壊の力を、猟兵達ははっきりと感じ取ることができる。天使戦争時の兵器の成れの果てだという伝説も、ただの出鱈目では無いのかもしれない。

「なんてプレッシャーだ……!」
「怯むな! 砲の準備をしろ!」

 その威容に飛空艇の勇士達は畏怖を抱きながらも、勇気を振り絞って戦闘態勢を取る。
 ここでアークを討伐し、その天使核を持ち帰ることができなければ、彼らの浮遊大陸は近い将来沈没する。退くという選択肢はとうに捨て去っているようだ。

 ここで勇士達と浮遊大陸の未来を救うことができるのは、猟兵達を置いて他にいない。
 長い追跡の果てで、ついに猟兵は伝説の魔獣、大天魔怪獣アークと正面から激突する。
アリス・フォーサイス
ここからが本番だね。

そのままブライダルベールに乗ったまま戦闘だよ。速いけど、動きの癖は少しわかってきたよ。

うぅ。超音波か。念動力を利用して、逆位相の超音波を出して打ち消すよ。

反撃だ。すべてのビットから一点集中でビームを当てるよ。強度もかなりありそうだけど、これなら有効でしょ。


「ここからが本番だね」
 【戦場の白い花】に乗って大天魔怪獣アークを追跡してきたアリスは、そのまま戦闘に突入する。敵もどうやらやる気になったようだが、白きキャバリアが本領を発揮するのもここからだ。
『オォォォォォォォ……!!』
 巨大な魔獣が黄金の翼を羽ばたかせ、こちらに突っ込んでくる。あの巨体と激突すれば被害は必至――だが、アリスの"ブライダルベール"は踊るように華麗に空を飛んで、敵の突進から身を躱した。

「速いけど、動きの癖は少しわかってきたよ」
 あれだけ長いこと追いかけ回していれば、敵の行動パターンも自ずと把握できる。情報を司る妖精たるアリスは、その頭脳と技能をフル活用して愛機を駆り、反撃の機を窺う。
『オォォーーーーッ!!!!』
 物理攻撃では相手を捉えれないと悟ったアークは【ウルトラサウンドハウル】を発動。
 超音波と化した咆哮が戦場に轟き、空域内にある物体を共振させる。それまでキズ一つなかった"ブライダルベール"の装甲に、ピシリと小さな亀裂が走った。

「うぅ。超音波か」
 全方位に対する音速の無差別攻撃は、行動パターンを予測しても回避のしようがない。アークの咆哮はコックピットにいるアリスまで届き、喧しさに思わず耳を塞ぎたくなる。
 このまま音の範囲内にいれば、機体がバラバラに破壊されかねない。だが彼女は敢えてその場に留まると、念動力のパワーを魔力に乗せて"ブライダルベール"から放出した。

「厄介だけど、対策はあるよ」
『――――!?』
 敵の超音波の波形を瞬時に解析し、それと逆位相となる超音波を念動力で発生させる。音には音で対抗――音響機器などに搭載されているノイズキャンセリングと同じ要領だ。
 2つの音波は互いに打ち消し合い、空は無音となる。自身の声が消えて驚くアークに、アリスはコックピットからにこりと微笑んでみせた。

「反撃だ」
 アリスが機体に魔力を送ると、"ブライダルベール"に随伴する全てのビットが閃光を放つ。魔力を束ねた高出力ビームの一斉射撃による、アークの胸部を狙った一点集中攻撃。
「強度もかなりありそうだけど、これなら有効でしょ」
『グオォォ……ッ!!!』
 束になった極大のビームは目標の装甲を貫通し、アークの体内までダメージを与える。
 深手を負った魔獣から悲鳴が上がり、再び大気がビリビリと震える――伝説の怪獣とて決して無敵ではないことを、アリスの一撃は証明していた。
大成功 🔵🔵🔵

ルビィ・フォルティス
わたくしとしてはもっと直接斬りあえる相手の方が好みですけれど、悪くありませんわね。
挟み込みましてよ。正面はお任せくださいませ。

熾天の剣姫を使用し、自前の翼で飛行し戦闘。
勇士たちの飛空艇と大天魔怪獣アークを挟み込むように飛び、攻撃範囲が強化されたかまいたちで敵の注意を引き付ける。
敵の注意を惹きつけたら最大500km/hに達する飛行速度で破壊光弾を避け、勇士たちが砲で攻撃する隙を作る。

勇士たちが砲で敵を攻撃し、敵が怯んだところで一気に接近、威力が増強されたアドウェルサを振るい、敵を切り裂く。

ふふふ、楽しくなってきましたわ。まだ墜ちないでくださいませ?


「わたくしとしてはもっと直接斬りあえる相手の方が好みですけれど、悪くありませんわね」
 空の袋小路まで追い詰めた魔獣と対峙し、魔剣アドウェルサを構えるルビィ。ドレスと髪を風になびかせる凛とした佇まいとまっすぐな眼差しに、敵への恐れなど微塵もない。
「挟み込みましてよ。正面はお任せくださいませ」
「承知した!」
 ここまで共闘してきた勇士たちの飛空艇と、大天魔怪獣アークを挟み込むように飛ぶ。加速と同時に彼女の翼は三対六枚に増え、剣に纏わせた風がかまいたちを巻き起こした。

「わたくし、容赦しませんことよ」
 【熾天の剣姫】を発動したルビィは正面から敵に迫り、剣を振るう。かまいたちによる攻撃範囲の拡大と威力増強は、巨大魔獣に対して大きな効果を発揮する、一振りする毎に放たれる風の斬撃がアークを襲う。
『グオォ……!!』
 攻撃を受けたアークはルビィをぎろりと睨みつけ【ギガアークブラスト】で反撃する。
 大きく広げられた羽に膨大な破壊エネルギーが集まり、無数の光弾として放射される。急速に拡大していくエネルギーの奔流に呑まれれば、たとえ猟兵でも無事では済まない。

「あら、お怒りになられまして?」
 迫りくる光弾に対してルビィは余裕の表情で、六枚翼を翻して加速する。最大500km/hに達する彼女の飛行速度であれば攻撃を躱すのも容易いこと。弾幕の中を翔け抜けながらかまいたちで応戦し、敵の注意を自分に引き付け続ける。
『ウゥゥゥゥゥゥ……』
 小さなエンジェル1人も撃ち落とせずにいる現状に、アークは明らかに苛立っていた。
 獲物への執着は視野狭窄を招き、隙を晒しやすくなる。ルビィが攻撃を一手に引き受けている間に、勇士の飛空艇が背後で砲撃態勢に入っているのにもまだ気が付いていない。

「放てぇッ!!」
『グォォッ!?』
 一斉に火を噴いた大砲の轟音と、砲弾の雨がアークの背中に叩き付けられる。威力自体は装甲を焦がす程度だが、不慮の攻撃を受けた敵は怯み、光弾による攻撃の手が止まる。
「よくやって下さいました」
 その隙を逃さずルビィは一気に接近すると、威力が増強されたアドウェルサを振るう。
 剣自体の切れ味にかまいたちと化した風の魔力、そして疾風のごとき飛翔速度の全てを乗せた一撃が、アークの体躯を深々と斬り裂いた。

『グオォォォォォォォッ!!!!?』
 裂けた黒金の装甲から体液が吹き出し、耳をつんざくような絶叫が辺りに響き渡る。
 それを見下ろす熾天の剣姫は、纏いし風によって返り血を振り払うと優雅に微笑む。
「ふふふ、楽しくなってきましたわ。まだ墜ちないでくださいませ?」
 斯様な巨獣を己の剣と風と技量で追い詰める爽快感も、なかなか悪いものではない。
 さながら獲物を定めた猛禽の如く、剣姫は容赦ない疾風怒涛の攻勢を仕掛けていく。
大成功 🔵🔵🔵

疋田・菊月
さあさ、興味を引くのには成功したので、逃げますよ。
いやいや、戦いから逃げるんじゃないですよ
あれに正面からぶつかって勝てるわけないです
空での足回りは、皆さんの腕前にかかっています
相手は巨大ですが、小回りは利かないはず
私も精いっぱい、応戦しつつ攻撃を加えていきます
カミオさん、相手の攻撃する瞬間をしっかり覚えて伝えてくださいね
こちらでも可能な限り機関銃でその機先を制すつもりですが、全て押さえこむのは土台無理ですから
まあ、こちらも豆鉄砲ばかりじゃないですよ。切り札はちゃーんとあります
【こんなこともあろうかと!】はるちゃんには、徹甲榴弾を詰め込んだ戦車砲を積んでいるのです


「さあさ、興味を引くのには成功したので、逃げますよ」
「な、なんだって?!」
 飄々としてどこか余裕のある菊月の発言に、既に臨戦態勢だった勇士達が素っ頓狂な声を上げる。ようやくここまで敵を追い詰めたというのに、今さらになって逃げるのかと。
「いやいや、戦いから逃げるんじゃないですよ。あれに正面からぶつかって勝てるわけないです」
 給仕服の娘が指差す先には、飛空艇にも匹敵する巨大な魔獣。追跡中にいくらか負傷は与えられたようだが、まともに戦えばこちらが不利なのは明らかだ。だから今度はこちらが逃げる番――とにかく逃げ回って、どでかい一撃をぶちこむチャンスを窺うのだ。

「空での足回りは、皆さんの腕前にかかっています。相手は巨大ですが、小回りは利かないはず」
「お、おうっ! やってやらあ!」
 敵の翼にエネルギーの光が集まりだしたのを見て、勇士達は慌てて飛空艇を操縦する。
 膨大な破壊力を込めた【ギガアークブラスト】の一発でも着弾すれば、こんな艇くらい粉々だろう。菊月も機関銃「型式九九K」を手に精いっぱい応戦の構えを取る。
「カミオさん、相手の攻撃する瞬間をしっかり覚えて伝えてくださいね」
『任せときい。俺も木っ端微塵にされるのは御免だぎゃ』
 光弾が発射される瞬間をクロウタドリの悪魔が見極め、それを元に彼女は機先を制し、攻撃を加えて敵の注意をかき乱す。その表情は相変わらず笑顔だが、トリガーを引き絞る指にはじわりと汗が滲んでいた。

「こちらでも可能な限り抑えるつもりですが、全て押さえこむのは土台無理ですから」
「わかってる、回避は任せろ!」
 菊月が敵の攻撃を散らしている間、勇士達は必死になって飛空艇を動かす。流石にこの世界で生まれ育った者達なだけあって、その操縦技術は確かなものだ。破壊光弾が飛んでこない軌道に舵を切り、たまに危うい時もありつつも巧みに被弾を避けている。
『ウゥゥゥゥゥゥ…………』
 ちっぽけな者共に攻撃を妨害され、艇一隻すら撃ち落とせない状況はアークからすればさぞや不満だろう。躍起になって猛攻を仕掛けるものの、その殆どは菊月の応射によって撃墜され――やがて、羽に込めていた破壊エネルギーの充填が尽きる。

「まあ、こちらも豆鉄砲ばかりじゃないですよ。切り札はちゃーんとあります」
 敵の攻撃が止んだのを確認すると、菊月は飛空艇に乗せていた自動随伴輜重機『はる』の元に取って返す。重火器から調理器まで色々なものが積み込まれたその車体には、あの魔獣の分厚い装甲をなんとかする破壊兵器も積載されている。
「こんなこともあろうかと! はるちゃんには、徹甲榴弾を詰め込んだ戦車砲を積んでいるのです」
「あんた、とんでもねえモンを用意してたんだな?!」
 仰天する勇士達をよそに、展開されたごっつい砲の照準を合わせる。これまで撃ち込んできた機関銃の弾丸や手投げ弾とは文字通りスケールの違う破壊力。その砲口が、積んでいた車輌と艇を揺るがしながら火を噴いた。

「いやはや、困りましたね。これを使うときが来てしまうとは!」
 どことなく愉快そうな菊月の発言は砲声にかき消され、巨大な徹甲榴弾が音速を超えるスピードで大天魔怪獣アークに直撃する。近代化された戦車の装甲すら撃ち抜く一撃だ、たとえ伝説の魔獣といえどこれまでのようには耐えられまい。
『ゴアアァァァァァァーーーッ!!!』
 装甲を貫き炸裂する砲弾を受け、アークが苦悶の絶叫を上げる。着弾箇所からは黒い煙が上がり、砕けた装甲の内側には焼け焦げた肉と組織が見える。さんざ逃げ回ったすえに手にした会心の一発に、菊月の周りから「やってくれたぜ!」と大きな歓声が上がった。
大成功 🔵🔵🔵

西院鬼・織久
漸く刃を交える事ができます
黒酸漿共々、存分に喰らうとしましょう

追うばかりでは満たされぬ
死合いを以て血肉を貪るのが我等よ

【行動】POW
五感と第六感+野生の勘で常に変化する状況を把握し、戦闘知識+瞬間思考力を基に敵味方の行動を予測し利用する

黒酸漿に騎乗し先制攻撃+UCの爆破、影面に宿した怨念の炎による継続ダメージで翼と装甲を蝕み爆発を煙幕に突撃、黒酸漿の鎧砕き+怪力+捕食で敵の注意を引き自身は敵に飛び乗る
夜砥+捕縛で振り落とされないようにした上で損傷した翼になぎ払い+切断、敵UCの威力と飛行能力を落とし黒酸漿の衝撃波+威圧を伴う咆哮で対抗
装甲が十分に蝕まれてきたら串刺しで傷口を抉り天使核を狙う


「漸く刃を交える事ができます。黒酸漿共々、存分に喰らうとしましょう」
 ついに逃げることを諦めたアークと、黒き大蛇に騎乗した織久は真っ向から対峙する。
 随分と手間を掛けさせてくれたが、ここからはいつも通りだ。内なる殺意と狂気に衝き動かされるままに敵を狩り、祖先の怨念の糧としてくれよう。
「追うばかりでは満たされぬ。死合いを以て血肉を貪るのが我等よ」
『グウゥゥゥゥゥゥ……!』
 無論、敵も黙って喰われるつもりなどあるまい。撤退の選択肢を捨てた魔獣はそれまでと変わらぬ速度で飛行しながら、ぐるりと巨体を横回転させつつ此方に突っ込んでくる。

「黒酸漿よ、分かっているな」
 織久は敵を追い込んでいた時と同様に五感と直感を研ぎ澄ませ、敵の次なる行動を予測した上でどう利用するか考える。向こうがユーベルコードを仕掛けてくるつもりならば、此方はそれよりも速く機先を制するまで。
「何人たりとも死の影より逃れる事能わず」
『グオォッ?!』
 【影面】による先制攻撃がアークの巨体に命中し、爆発と同時に影の腕で双方を繋ぐ。
 その影に織久が宿した怨念の炎はじりじりと敵の装甲と翼を焦がし、爆炎と煙によって視界を狭める。攻撃と目くらましの両方を狙った一手だ。

「征け」
 アークが此方の姿を見失った隙を突いて、黒酸漿を突撃させる織久。繋がれた影の腕を辿って獲物に飛びかかった大蛇は、その長駆で絡みついて締め上げ、さらに大剣のように鋭い牙を突き立てる。
『ガァァ……ッ!』
 ミシミシと音を立てて装甲が軋み、牙の刺さった箇所から亀裂が走る。振りほどこうとアークはもがき暴れるが、黒酸漿もそう簡単に獲物を放しはしない。そうして二体の巨獣がもつれあって暴れている間に、織久は大蛇の頭から敵の上に飛び移っていた。

「そう喚くな、暴れるな」
 激しく動く巨体から振り落とされないように、糸の闇器「夜砥」を張り巡らせて身体を結びつける。固定が済み安定した足場を得ると、織久は大鎌の闇器「闇焔」を振るった。
『グ、ガッ!!』
 影面の爆発で損傷した翼をなぎ払われ、アークが再び悲鳴を上げる。飛行のための器官であり、爆風と衝撃波を発生させる【エアリアルクラッシュ】に必要な部位であるここを損傷すれば、攻撃力と飛行能力の低下は避けられまい。

『ゴ、オォォォォォ……!』
 翼を傷つけられたアークはそれでも身体をぐりんと横回転させ、激しい爆風と衝撃波を巻き起こして邪魔者共を吹き散らさんとする。が、それに反応して黒酸漿もまた衝撃波と咆哮を放ち、魔獣のユーベルコードに対抗する。
「装甲も充分に蝕まれてきたか」
 荒れ狂う風の中で織久はしっかりと闇器の糸を手繰り寄せ、大蛇の攻撃により劣化した部位を狙って闇焔を突き立てる。血色の炎を纏った刃は侵蝕された装甲と傷を深く抉り、その奥にある魔獣の心臓――天使核にまで傷をつけた。

『――――ッ!!!!』
 心臓に達する程の一撃を見舞われた瞬間、アークが見せた反応はこれまで以上だった。
 どれほど巨体を誇る獣であろうとも、心臓が止まればその命脈も尽きる。オブリビオンを狩り慣れた怨念の狩猟者は、その紅い眼差しで敵の"死"だけをじっと見据えていた。
大成功 🔵🔵🔵

キリカ・リクサール
さて、猟兵らしくChasse(狩り)と行こうか
所詮は狩られる獲物だと言う事を、奴に教えてやろう

引き続いてパワードスーツを装着
奴が超音波を出したら同時にブースターを噴出
一気に距離を取り、同時にパーソナルディフレクターを起動させ、エネルギーシールドを纏う
マッハ8を超える速度で一気に突き放せば音波の威力も減衰するだろうし
シールドの防御もあればダメージは軽微だろう

温存していた弾丸だ、遠慮せずに全部持っていくがいい!

奴が音波を放ち終えたら信号弾を打ち上げ上空で待機している飛空艇に砲撃を要請
同時に自分も敵に切り込み全装備による一斉発射を奴に叩き付ける

フン、大した力だな…
これなら島の寿命も大きく延びるだろう


「さて、猟兵らしくChasse(狩り)と行こうか」
 引き続きパワードスーツ「コンケラント」を装着したまま、キリカは装甲の中で笑う。
 ここまで追い詰めればもう敵も逃げはしないだろう。本気になればちっぽけな人間如き蹂躙できる気でいるのかもしれないが、それは大きな間違いだ。
「所詮は狩られる獲物だと言う事を、奴に教えてやろう」
 背部ブースターで空に浮かんで敵と対峙するキリカ。その視線とセンサーは相手の動向を静かに覗い、動きがあれば即座に反応できるように全ての神経が研ぎ澄まされていた。

『ウオォォォォォォォ――――!!!!』
 大天魔怪獣アークの頭から放たれるのは、超音波の咆哮【ウルトラサウンドハウル】。
 あらゆる物体を共振破壊する不可視の無差別攻撃に対し、キリカはブースターを全開で噴出させ、音波が届く前に一気に距離を取った。同時にパーソナルディフレクターを起動させ、装甲の上からエネルギーシールドを纏う。
(マッハ8を超える速度で一気に突き放せば音波の威力も減衰するだろうし、シールドの防御もあればダメージは軽微だろう)
 最高で毎時1万キロに達する【ヴォル・コンケラント】の飛翔速度と、非物質の防壁による二重の対策の甲斐あって、超音波の咆哮から彼女が受けたダメージは軽微であった。

『オォォォォォ――……』
 敵もいつまでも超音波を放ち続けることはできない。大気を震わす咆哮が次第に小さくなり、やがて聞こえなくなると、キリカは手に持ったビームライフルを上空に向け、その下部に装着されたグレネードの信号弾を打ち上げた。
「さあ、諸君の出番だ」
「合図だ。行くぞ!!」
 花火のようにぱっと輝く信号弾を見て、上空で待機していた勇士の飛空艇が動きだす。
 彼らはキリカの要請通りに大砲を操り、鳴き止んだ魔獣の頭上に砲弾の雨を降らせた。

「温存していた弾丸だ、遠慮せずに全部持っていくがいい!」
 勇士達の支援砲撃が開始されると同時に、キリカも猛スピードで敵に切り込んでいく。
 超音波を避けた時と同等の速さで距離を詰め、全装備を一斉発射。レーザーガトリング砲「Étonnement(驚愕)」は無数の死の光をばらまき、ビームライフル「Colère(憤怒)」は怒り狂った獣のように強力なビーム線とグレネード弾を解き放つ。
『ゴアアァァァァァァッ!!!!?』
 追跡中とは異なる出し惜しみのない猛攻を叩き付けられて、たまらず絶叫するアーク。
 その巨体を覆う分厚い装甲も、目も眩むほどの光の弾幕によって徐々に削られていく。

『グ、グォォ……』
 だが、それでもまだ大天魔怪獣の巨躯は墜ちず、双眸から生気は失われていなかった。
 頭の上で明滅する光輪は、かの魔獣が今だに力を残している証か。これだけのダメージを負ってなお健在であるのは感嘆に値する。
「フン、大した力だな……これなら島の寿命も大きく延びるだろう」
 一斉射により加熱した武装の銃身を冷ましつつ、ふっと口元に笑みを浮かべるキリカ。
 敵が手強ければ手強いほど、勝利の暁に得られる成果も大きくなる。故郷の未来のために戦う勇士達の思いも背負って、麗しき戦場傭兵は再び攻撃態勢に入った。
大成功 🔵🔵🔵

ルナ・ステラ
協力して羽をどうにかできるとよいのですが…

威力の弱い攻撃ではあまり効果がありそうではないですね。UCで大きな一撃を与えましょう!

勇士さん達には砲撃で攻撃してもらいなるべく長く詠唱の時間を稼いでもらいましょうか。
ただの砲撃ではなく、なるべく多くの様々な砲撃で攪乱しましょう。
砲撃にウル(猪突猛進)のルーンカードを貼ったもの。【多重詠唱】でUCとは別に【属性攻撃】の氷魔法を詠唱して、砲撃に氷結の効果を付与するといったように―①ノーマル砲撃②ウルで速度上昇の砲撃③氷結効果つき砲撃(完璧に氷結できなくても動きは鈍らせるはずです)

UCの詠唱の時間が十分になり、相手の動きが鈍ったタイミングでUC発動です!


「協力して羽をどうにかできるとよいのですが……」
 猟兵と魔獣が熾烈な戦いを繰り広げる中で、ルナが注目したのは黄金に輝くアークの翼だった。どうやらあのオブリビオンは飛行だけでなく攻撃もあの翼や羽を起点としているらしい。そこにダメージを与えられれば戦力を低下させることができそうだ。
「威力の弱い攻撃ではあまり効果がありそうではないですね。ユーベルコードで大きな一撃を与えましょう!」
「頼んだぜ、魔法使いの嬢ちゃん!」
 箒を杖のように掲げてルナが呪文を唱え始めると、勇士達を乗せた飛空艇が前進する。
 これから彼女が使う魔法は詠唱時間に応じて威力が上昇する。どれだけ長く詠唱に集中できるかに、次の一撃の成否がかかっていた。

「時間稼ぎは俺達に任せろ!」
 荒れ狂うアークに大砲を向けて、攻撃を仕掛ける勇士達。それはただの砲撃ではなく、ルナから提供された魔法によって通常弾以外に様々なバリエーションが用意されていた。
「このカードを貼ったら、弾の速度が上がるんだな……? よし、発射!」
 "猪突猛進"の意味を持つ「ウル」のマジックルーンカードを貼り付けた砲弾が、砲声と共に物凄い勢いで飛んでいく。アークほどの魔獣であれば避けられない弾速ではないが、普通の砲弾との速度の違いは混乱の元となる。この攻撃の目的はダメージを与えるより、なるべく長く詠唱の時間を稼げるよう、敵を撹乱することだ。

『オォォォ……?』
 見た目は変わらないのに速さの違う二種類の砲撃に、アークは困惑している様だった。
 だが、砲撃自体の威力がそれほどでもないと分かると、回避するよりも元を潰すほうが手っ取り早いと考えたか、翼を広げて【ギガアークブラスト】の発射体制に入る。
「く、来るぞ……!」
「怯むな! 撃て撃て!」
 金色に輝く羽から、膨大な破壊力を込めた破壊光弾が今にも放たれそうなのを見ても、勇士達は砲撃を止めない。そこにルナはユーベルコードの詠唱とは別に多重詠唱を行い、彼らの砲撃に氷魔法の効果を付与した。

「"速い"か"遅い"かしかないと思って油断しましたね」
『グ、ウォォッ?!』
 攻撃のために移動を停止したアークの両翼に、氷結効果を付与された砲弾が命中する。着弾した箇所から分厚い氷の帳が翼を覆っていき、充填中の破壊エネルギーが拡散する。
(完璧に氷結できなくても動きは鈍らせるはずです)
 その隙に勇士達がさらに砲撃を加えれば、アークの動きはますます鈍くなっていく。
 降りしきる砲弾と氷結を敵が振り払うまでの時間を使って、ルナは詠唱の完成度をより高めていった。

「太陽の力を結集し相手を貫いてください!」
 詠唱にかけた時間が十分になり、相手の動きも鈍ったタイミングで、満を持してルナはユーベルコードを発動する。さっと突きつけた箒の先から放たれるのは、集約され一条の光線と化した【太陽神の光】。
『オ、オォォォォォォォォ――――!!!!!』
 あらゆる防御を貫通する灼熱の閃光が、アークの黒金の装甲を溶かして風穴を開ける。
 勇士達との連携があって蓄積できた、時間と魔力の集大成――その破壊力は魔獣の翼に穿たれた大きな傷跡と、天を揺るがさんばかりの絶叫が証明していた。
大成功 🔵🔵🔵

メルティア・サーゲイト
「駆逐艦の戦い方って物を教えてやる」
 艦隊戦の基本はT字戦法だ。側面を向けて速射砲とVLSで牽制する。さっき狙撃したから射程じゃこっちが上なのは分かってるだろう? 真っ直ぐこっちに突っ込んでくるはずだ。
「つまり、一斉射撃のチャンスだぜ」
 味方も居る事だしな。事前に決めたポイントに誘導して味方艦の側舷一斉射撃を喰らわせてやろう。
「私が何もしないと思ったかよ」
 ここでVANGUARDを起動。ティルトローターを展開してロケットブーストで強引に艦首を相手に向ける。
「総員! 対ショック対閃光防御ってなァ!」
 艦首レールカノンと艦首魚雷、速射砲から三式弾、CIWS、連装墳進砲のオマケ付きだ!


「駆逐艦の戦い方って物を教えてやる」
 人型から万能駆逐艦形態に変形したまま、メルティアは追跡から艦隊戦へと移行する。
 雲海の上を舞台とした巨艦と巨獣の戦い。火力と耐久力で言えば相手はさながら戦艦。馬鹿正直に撃ち合っても勝ち目はないが、だからこそ戦術と練度がものを言う戦いだ。
「艦隊戦の基本はT字戦法だ」
 メルティアはアークに対して艦の側面を向ける様にして、速射砲とVLSで牽制する。
 軍艦においては最も高い火力を一方的に叩き込めるポジショニング。白煙を噴き上げて砲弾とミサイルの雨が目標に次々と着弾し、爆発音を上げる。

「さっき狙撃したから射程じゃこっちが上なのは分かってるだろう?」
 相手より遠くから攻撃を仕掛けられる万能駆逐艦に勝とうとするなら、多少強引にでも距離を詰めるしかない。メルティアの読みどおり、敵は砲火を浴びながらも巨体を横回転させ、翼から強烈な爆風と衝撃波を放ちながら真っ直ぐ突っ込んできた。
『オォォォォォ……!』
 アークの有するユーベルコードの中で最も攻撃範囲が広い【エアリアルクラッシュ】。
 爆風に煽られた駆逐艦が大波に打たれたように傾くが、メルティアはすぐに体勢を立て直して艦を移動させる。このまま後退するふりをしつつ誘導すれば、敵はこちらが事前に決めたポイントに飛び込んでくるはずだ。

「つまり、一斉射撃のチャンスだぜ」
 自らを囮にして獲物を釣り上げるメルティア。艦尾をさらして航行する彼女を追って、アークが指定ポイントにやって来ると、待機していた味方艦が側舷一斉射撃を開始する。
「今だ、撃てぇッ!」
『オォォ……?!』
 この戦場で命がけで戦っているのは猟兵だけではない。勇士達からの集中砲火を浴びたアークは予想外のダメージに動揺し、まずはそちらから沈めようと攻撃の矛先を変えるが――ここでメルティアから注意をそらしたのは悪手であった。

「私が何もしないと思ったかよ」
 ここでメルティアは【MODE VANGUARD】を起動。ティルトローターを展開しつつハードポイントの追加ブースターに点火して、強引に180度回頭。通常の駆逐艦には不可能な船体運動で艦首を相手に向ける。
「総員! 対ショック対閃光防御ってなァ!」
 船体が横に展開し、追跡中もその威力を発揮した艦首レールカノンが再び雷光を放つ。
 さらには艦首魚雷、速射砲から三式弾、CIWS、連装墳進砲のオマケ付き。駆逐艦に搭載された全武装をオープンにした、最大火力の集中投射が魔獣に襲いかかる。

「遠慮はいらねえ、全部喰らっていきやがれ!」
『グ、オオオォォォォーーーーーッ!!!!?』
 雷鳴のごときレールカノンの発射音、そして重なり合う砲とミサイルの爆音が、アークの悲鳴と混ざり合う。メルティアのフルファイアを喰らった魔獣の装甲は大きく損傷し、速度も下がっていた。巨体故に分かりづらいが、ダメージは確実に蓄積しているようだ。
大成功 🔵🔵🔵

鏡島・嵐
奴さんがやる気になった、ってワケか。

《笛吹き男の凱歌》起動。他の猟兵仲間や飛空艇そのものに働きかけて、それらの性能を強化する。
精神面は言葉で以て〈鼓舞〉する。
――まあ、思いの丈を素直に口にするのが精一杯だけど。

……そりゃ、怖くないわけが無え。それがたとえ生きるために必要な、避けて通れないものであっても、戦いはやっぱ怖ぇ。
それでもここには、未来を諦めない人がいる。明日無くなるかもしれない大切なモノのために、足掻こうとする人がいる。
だったら、やれるだけやるだけじゃねえか……!

あとは相手の攻撃を〈第六感〉で〈見切り〉、避けるタイミングを操舵の人に伝えて、ちょっとでもダメージが軽くなるようにする。


「奴さんがやる気になった、ってワケか」
 逃げていた時とは違う、明確な此方への敵意を感じ取り、嵐はぶるりと肩を震わせる。
 ここからが戦いの本番であり正念場。乗り合わせた飛空艇の勇士達もみな緊張の面持ちでいる。覚悟は決まっているとはいえ、強大な魔獣に対する恐怖は拭えないようだ。
「あれだけ喰らっても、まだ動けるのか……」
「勝てるのか、本当に……?」
 超音波の咆哮を撒き散らしながら暴れ回る怪獣を見れば、弱音が漏れるのも仕方ない。
 そんな彼らの精神を鼓舞し、支えとなるために、嵐は【笛吹き男の凱歌】を機動する。

「……そりゃ、怖くないわけが無え。それがたとえ生きるために必要な、避けて通れないものであっても、戦いはやっぱ怖ぇ」
 召喚された道化師が勇ましい凱歌を高らかに演奏する中で、嵐は勇士達に語りかける。
 鼓舞すると言っても彼には思いの丈を素直に口にするのが精一杯。だが、この場にいる誰よりも戦いを恐れ、震えながら戦場に立つ"怖がり"な彼の言葉だからこそ、心に響く。
「それでもここには、未来を諦めない人がいる。明日無くなるかもしれない大切なモノのために、足掻こうとする人がいる。だったら、やれるだけやるだけじゃねえか……!」
 逃げられない理由のために勇気を振り絞り、懸命に声を上げる彼を見て、奮い立たねば何が"勇士"か。人々の瞳から怯えが消え去り、闘志の炎がめらめらと燃え上がってきた。

「そうだな……やるだけやってやろう!」
「全力だ! 行こうぜ野郎ども!」
 嵐の鼓舞と道化師の演奏に力を貰った勇士達は、それまでとは見違えた動きを見せる。
 笛吹き男の凱歌は彼らだけでなく他の猟兵仲間や飛空艇そのものにも働きかけており、天使核を搭載したエンジンの出力が向上、艇の速力も大幅に上がる。
「食らえッ!」
『オォ……ッ!?』
 狙いすました砲撃が火を噴き、敵の装甲の破損箇所にダメージを与える。小さき者どもの予想以上の奮戦にアークは驚き、それをなぎ払わんと羽にエネルギーを溜めはじめる。

「来るな……タイミングはおれが伝える」
 敵の【ギガアークブラスト】の構えを見た嵐は第六感を研ぎ澄ませて、操舵を担当する勇士の隣につく。膨大なエネルギーを宿す破壊光弾が発射される瞬間を見極め、少しでもダメージが軽くなるようにするために。
「今だ、回避!」
「おうッ!!」
 嵐の合図にあわせて舵輪が回る。降りしきる光弾の渦中を飛空艇がくぐり抜けていく。
 わずかに船体を掠めた弾もあったものの、航行に支障のある被害はしっかりと避ける。

「お返しだ」
「いくぞッ!」
 光弾を回避した直後に飛空艇は舷側を敵に向け、再装填済みの大砲が一斉に火を噴く。
 単発ではさほどの威力ではない砲弾も嵐の支援によって強化され、さらに負傷した箇所を的確に狙うことで、堅実にダメージは積み重なっていく。
『グウウゥゥォォォォォォォ……!』
 砲火を浴びるアークの頭から苦しげな声が漏れる。相手も相当に弱ってきている様だ。
 ここで気持ちで退くわけにはいかない。嵐はなおも気を引き締め、勇ましき凱歌と共に味方を鼓舞し続けるのだった。
大成功 🔵🔵🔵

春乃・結希
命乞いする店長を横目に、勇士の人達に呆れられないようにお話します

あの…うちの店長があんなですみません…
でも、あれでも店長なりに考えてあるんですよ、実は
だからほら、よく見てください
アークの光弾もしゃぼん玉みたいな威力やし
超音波だってマッサージ効果で肩こり解消してませんか?
ね、ふざけてるだけに見えて凄いんですよ、あの人
とういわけでこの間にばんばん撃ち込んでいきましょー

とどめはフレシリアンMOS戦の時のように店長を突撃させて攻撃します
UC発動
106メートルのwithをアークに叩きつけ振り抜き【怪力】
その勢いのまま2撃目で店長を吹っ飛ばす
…すでにしんでるとはいっても、丈夫な人だなぁ…(感心)


カビパン・カピパン
やっぱりもうダメよ、戌製作総指揮から教わった必殺ギャグもウケなかったわ!浮遊大陸はもうおしまいよ、私達壊滅するんだわ~
「マッハCEO、もうダメ。私達(芸人として)死んだ」
カビパンはもう死んでいるが、実際に死期が近づいてきたとき、なんだかハイになっていた。
(ここに情けない謝罪やら命乞い等が入ります)

あまりにも情けないカビパンを目の当たりにしたアークは精神的なショックを受け、勇士達は逆にその情けない姿を見て自分たちがしっかりしなくてはと、畏怖を捨て去ることができた。自分よりも混乱している人間をみると、逆に冷静になれるというアレである。

結希のツッコミにより吹っ飛ばされたカビパンは、アークに激突した。


「やっぱりもうダメよ、製作総指揮から教わった必殺ギャグもウケなかったわ! 浮遊大陸はもうおしまいよ、私達壊滅するんだわ~」
 大天魔怪獣アークとの決戦も佳境に入り、皆が懸命に戦っている中、カビパンはといえば勝手に絶望していた。爆笑を期して披露した渾身のギャグが盛大にスベったのがそんなに堪えたのだろうか。もはや立ち上がる気力もない様子で甲板でジタバタしている。
「マッハCEO、もうダメ。私達(芸人として)死んだ」
「いや、店長もう死んでるじゃないですか……」
 子供のように駄々をこねる悪霊店長に、結希も少々困り顔。彼女は慣れているのでその程度だが、周りでそれを見ていた勇士達の士気はダダ下がりである。さっきはあんな寒いギャグを聞かされたうえで、この醜態ではさもありなん。

「もうダメよ、ダメダメよ。せめて私だけでも助かる道を探さないと」
 だがカビパンの凄いところは、ここが情けなさの底では無いところだ。彼女はもう死んでいるが、実際に死期が近付いてきて気分が一周したのか、なんだかハイになっていた。
「他の人はどうなってもいい! 私だけは助けて!!」
 恥も外聞も風評もプライドも捨てた彼女は、甲板の上で一分の隙もない見事な土下座を披露し、【どうかお助け下さい!】とアークに命乞いを始めた。人間ですらない魔獣相手に頭を下げたところで許されるとは思えないのだが、どうも相当に混乱しているらしい。

「なんだあの人……」
「情けねえ……」
 アークが恐ろしいのはみんな同じだ。だがいくら何でもアレはどうなのかと、勇士達の困惑の視線がカビパンに突き刺さる。その気持ちは結希にも分からないでも無かったが、命乞いする店長を横目に、これ以上勇士の人達に呆れられないようにフォローに回る。
「あの……うちの店長があんなですみません……でも、あれでも店長なりに考えてあるんですよ、実は」
「ほんとか?」
 付き合いが浅い勇士達の目には、額を床に擦りつけて謝罪や命乞いの言葉を並べ立てるカビパンの姿は本気にしか見えない。付き合いの長い結希から見てもそれ自体はまあその通りなのだが、店長の行動には何だかんだでちゃんと裏があることを彼女は知っていた。

「だからほら、よく見てください。アークの光弾もしゃぼん玉みたいな威力やし、超音波だってマッサージ効果で肩こり解消してませんか?」
「え……? うわ、マジだ」
 たかが悪霊の命乞いでアークが攻撃を止めるわけがなく、超音波や破壊光弾は容赦なく飛空艇に降り注いでいる。だがあまりにも情けないカビパンを目の当たりにしたアークは精神的なショックを受け、攻撃に力が入らなくなってしまっていた。
「ね、ふざけてるだけに見えて凄いんですよ、あの人」
 常識外れの言動や行動で敵を自分のギャグ世界に引きずり込むのがカビパンの真骨頂。
 しつこく命乞いをやめないカビパンと、すっかりペースを乱されているアークを見て、結希はどこか得意げに笑みを浮かべた。

「とういわけでこの間にばんばん撃ち込んでいきましょー」
「お、おう!」
 ぱんぱんと結希が手を打つと、勇士達ははっと我に返ってそれぞれの持ち場についた。
 カビパンの情けない姿を見てアークが動揺する一方で、彼らは逆に自分達がしっかりしなくてはと、敵への畏怖を捨て去ることができた。自分よりも混乱している人間を見ると逆に冷静になれるというアレである。
「俺達は命乞いなんてしないぞ!」
「最後まで潔く戦ってやる!」
 人の振り見て的に覚悟を奮い立たせた勇士の砲撃が、アークの巨体に続々と命中する。
 ドン引きしている真っ最中に飛んできたまともな攻撃は敵にとって衝撃だったらしく、『グオッ?!』と驚いたような叫びが上がった。

「効いてますね。じゃあとどめは店長お願いします」
 砲撃を浴びるアークを視界に収め、結希は【トリメンダス】を発動して愛剣『with』を巨大化させる。普段から大きな漆黒の刀身は瞬時に106メートルまで伸び、飛空艇どころかアークの全長すら上回るサイズとなった。
「私の想いに比べたら……重くなんて、ない……!」
『グオッ!?』
 とてつもない質量の塊となった剣をバットのような構えで振り抜き、敵に叩きつける。
 アークの巨体が大きくのけぞった直後、彼女はその勢いのまま2撃目を放ち――まだ甲板に這いつくばっていたカビパンを打った。

「いってらっしゃーい」
「どっひぇー!」
 カキーン、と快音を鳴らして吹っ飛ばされるカビパン。いつぞやにクェーサービースト・フレシリアンMOSと戦った時のような、仲間を砲弾にした捨て身の突撃戦法である。
『―――……!!!?!!?』
 結希のツッコミ(?)により吹っ飛ばされたカビパンは見事アークに激突。精神的にも物理的にも尋常ではないダメージを負わせることに成功した。普通こんな事をすれば砲弾にされた方も無事ではないが、そこはカビパンなのでどうしてか無事である。

「……すでにしんでるとはいっても、丈夫な人だなぁ……」
 元のサイズに戻った愛剣を担ぎなおし、ふよふよ~と戻ってくる店長を眺めながら感心する結希。げに恐ろしきはギャグ化した世界の理か。周囲をドン引きさせる問題点を除けば脅威の治癒効果である。
『オォォ…………』
 そんなギャグに痛い目にあわされたアークの、抗議するような呻き声が辺りに響いた。勿論耳を傾ける者はおらず、戦いは何事もなかったかのように終盤に差し掛かっていく。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

フレミア・レイブラッド
確かに、この巨体と攻撃力は対帝竜を想定していても不思議じゃないわね。
最も、帝竜もそれだけで倒せる相手ではなかったけど…

【ブラッド・オブリビオン】で「黒皇竜ディオバルス」を召喚。

久しぶりね、ディオバルス。
久々なところを悪いけど、対帝竜兵器だそうよ。
相手にとって不足は無いんじゃないかしら?

更に【吸血姫の覚醒】を発動。
ディオバルスと連携し、自身は高速飛行からの魔槍による一撃【怪力、切断、早業、2回攻撃】や魔力砲撃【高速詠唱、全力魔法、砲撃】。
ディオバルスは【黒皇竜の一撃】や【インフェルノ】で攻撃。

最後はディオバルスの【カタストロフィ・ノヴァ】に合わせて【限界突破】【神槍グングニル】を叩き込むわ!


「確かに、この巨体と攻撃力は対帝竜を想定していても不思議じゃないわね」
 逃走を諦めた大天魔怪獣アークの本気を目の当たりにしたフレミアは、感心したようにひとつ頷く。巨体相応のタフネスに高い攻撃力と飛行能力まで備えていれば、帝竜が相手でも対抗することはできるかもしれない。
「最も、帝竜もそれだけで倒せる相手ではなかったけど……」
 もしも同じような魔獣が何十体といるのであれば別だが、少なくともコレ単体に帝竜を凌駕しうる力はない。帝竜戦役の経験からそう判断した彼女はふっと笑みを浮かべると、飛空艇の上で高らかに呪文を唱えはじめた。

「血の隷属を用いて命ずる……。フレミア・レイブラッドの名の下に、嘗ての力を以て骸の海より戻り、わたしに力を貸しなさい」
 発動するのは過去に血や体液を摂取した死者を召喚する【ブラッド・オブリビオン】。
 血の縁に導かれて骸の海より現れたのは、かつてフレミアと死闘を交えた漆黒の魔竜、「黒皇竜ディオバルス」であった。
「久しぶりね、ディオバルス。久々なところを悪いけど、対帝竜兵器だそうよ」
「ほう……兵器と云う事は、アレは人為的に作り出された存在ということか」
 久方ぶりに現世に蘇った黒皇竜は、フレミアが指差した魔獣を見るとすぐに凡その状況を把握したらしい。帝竜ではないにせよ並外れた力を持つ竜の一体として、対帝竜を謳う強き存在に心惹かれないはずが無かった。

「相手にとって不足は無いんじゃないかしら?」
「ああ。どれほどの者か確かめてくれようぞ」
 口から焔の吐息を漏らし、黒翼を羽ばたかせて魔獣に挑むディオバルス。その後を追うようにフレミアは【吸血姫の覚醒】を発動し、真の姿と魔力を解放して空に舞い上がる。
『オォォォォォォ……!!!』
 強大な力を誇る二体の存在を感知したアークは、即座に【ギガアークブラスト】を発動――だが、膨大な破壊エネルギーが光弾として放たれるよりも早く、ディオバルスの爪が魔獣の巨体を引き裂いた。

「どうした、威勢がいいのは図体だけか。その力を我に見せてみよ!」
 単純ゆえに強烈な【黒皇竜の一撃】がアークの体勢を崩し、その隙に4対の翼を生やしたフレミアが高速接近する。かつては本気の死闘を繰り広げた間柄故にだろうか、二人の連携は見事なもので、打ち合わせがなくとも互いの動きが分かっているかのようだ。
「実際に帝竜も倒したわたし達が、負けるわけにはいかないわよね」
 覚醒に伴って17~8歳程の外見まで成長を遂げたフレミアは、艷然と微笑みながら魔槍「ドラグ・グングニル」による一撃を放つ。竜に匹敵する怪力と超加速を乗せた矛先が、アークの堅固な装甲を深々と穿った。

『グオォォォォ……ッ?!』
 堪らず距離を取ろうとするアークであったが、フレミアとディオバルスは逃がさない。
 真祖の力を込めた魔力砲撃と、竜の顎より放たれる【インフェルノ】の炎が、容赦なく敵を焼き焦がす。翼を損傷した今のアークでは、射程外まで逃げ切るのは無理だろう。
「そろそろ決めましょうか」
「よかろう」
 砲撃とブレスにて敵を牽制しながら、二人は魔力を溜め始める。フレミアの手にした槍は全長数メートルに及ぶ神槍と化し、ディオバルスの全身の結晶が眩い輝きを放ちだす。双方ともに最大級の一撃をもって決めるつもりだ。

「消し飛びなさい……!」
「滅びよ!」
 【神槍グングニル】と【カタストロフィ・ノヴァ】。全てを滅ぼす巨躯大規模の一撃と大爆発が、同時にアークに襲い掛かった。いかな古の対帝竜兵器とて、これほどの破壊力を叩き付けられて無事では済むまい。
『ゴ、ガアアアアァァァァァァァァァッ!!!!!!』
 蒼天を焦がす真紅の爆発の中で、絶叫が大気を震わす。これでまだ原型を留めている事を称賛すべきだろうか――かの魔獣が満身創痍なのはもはや誰の目にも明らかであった。
大成功 🔵🔵🔵

トリテレイア・ゼロナイン
さて、後の事を考えると倒す場所も考慮せねばなりませんね

エネルギーケーブル代わりのワイヤーアンカー各所に突き刺し飛空艇ドゥルシネーアの甲板に仁王立ち
ワンオペ飛空艇操作

間接や眼球、傷など脆弱点見切り艦載砲の乱れ撃ちスナイパー砲撃浴びせ特定方向へ誘導

共振音波…電脳剣の通常駆動で対処可能な攻撃で幸いでした

剣から放つ簡易電脳魔術で周囲の大気を●ハッキングし蹂躙
マルチセンサー情報収集で得た共振音波と相殺する周波数となるよう大気震わせ威力減衰

UC使用
己を動力に飛空艇防御力場●限界突破
衝角突撃●捨て身の一撃で浮遊島の一つの直上へ怪獣押し遣り

甲板から推力移動突撃
衝角刺さった敵を怪力の剣で殴り抜いて島へ叩き落とし


「さて、後の事を考えると倒す場所も考慮せねばなりませんね」
 魔獣狩りも終盤に差し掛かる中、トリテレイアは戦いの"終わらせ方"を考えていた。
 今回の依頼はただ敵を倒すだけではなく、戦果を持ち帰ることができなければ成功とは言えない。天使核をはじめとする貴重な資源が雲海に墜落してしまっては元も子もない。
「では、参りましょう」
 飛空艇「ドゥルシネーア」の甲板に仁王立ちし、エネルギーケーブル代わりのワイヤーアンカーを各所に突き刺した体勢で、騎士は我が艇を前進させる。舵取りからエンジンの出力制御まで全てを単独で行う、驚異のワンオペ飛空艇操作である。

「装甲は頑丈なようですが、生物である以上は必ず脆弱点があります」
 ドゥルシネーアの艦載砲が標的の間接や眼球、味方が与えた傷などの静寂なポイントを狙って砲撃を浴びせる。全ての砲座を1つの電脳のコントロール下に納めることで可能となる、正確無比な斉射だった。
『ガァ……ッ!!』
 急所に砲弾を受けたアークは苦痛に身をよじりながら翼を羽ばたかせ、射線から逃れようとする。トリテレイアはそれを見越した上で砲弾を乱れ撃ちし、敵が特定方向へと誘導されるように仕向けていく。

『オォォォォォォォ―――!!!』
 砲撃に追い立てられながら、アークが放つのは【ウルトラサウンドハウル】。嘆きの声の様にも聞こえる超音波の咆哮が響き渡り、ドゥルシネーアの船体がビリビリと震える。
「共振音波……電脳剣の通常駆動で対処可能な攻撃で幸いでした」
 船がバラバラに破壊される前に、トリテレイアは「電脳禁忌剣アレクシア」を振るい、簡易電脳魔術で周囲の大気をハッキングする。敵が発する音波の周波数はマルチセンサーで解析できる、あとはそれを相殺する周波数となるように大気を震わせれば――。

『ォォ―――?』
 アークの咆哮は逆位相の音波に相殺され徐々に小さく、やがて完全に聞こえなくなる。
 厄介な攻撃手段がひとつ無効化され、さらに標的の誘導も完了。即座にトリテレイアは【鋼の騎士道突撃行進曲】を起動し、己のコアユニットを動力にして飛空艇の防御力場の出力限界を突破させる。
「風車に撥ね飛ばされぬように……いえ、負けても止まるつもりはありません」
 艦首前方に円錐形のバリアフィールドが形成され、推進機が唸りを上げて飛空艇を前進させる。麗しき白銀の船体は今、一振りの巨大な槍となって猛然と敵に突っ込んでいく。

『――――ッ!!!!!』
 艦体への反動も顧みない捨て身の衝角突撃が、逃げる暇も与えずアークに突き刺さる。
 トリテレイアはそこで出力を止めずにドゥルシネーアを前進させ、近くにあった浮遊島の一つの直上まで敵を押しやる。ここならば斃してしまっても雲海に消える心配はない。
「ここで墜ちて頂きましょう」
 アンカーの接続を解除し、自機のスラスターをフル稼動。甲板からカタパルトのように発進した騎士は、衝角の刺さった敵の懐まで一気に迫り、不壊なる電脳剣を叩き付けた。

『ゴガハァ……ッ!!』
 ウォーマシンの怪力で殴り抜かれたアークの巨体はぐらりと傾き、浮遊島に墜落する。
 ナワバリたる空からとうとう大地にまで叩き落された大天魔怪獣。長きに渡った今回の狩猟にも、いよいよ終わりの時が迫っていた。
大成功 🔵🔵🔵

雛菊・璃奈
哀しい兵器…ここで眠らせる…

1章で進化した雷王竜のミラ達と共に戦闘…

【九尾化・魔剣の媛神】封印解放…!
ミラ達の進化の源はわたしの呪力…。
九尾化の莫大な呪力はミラ達の力をより活性化させる…。

無限の終焉の魔剣を展開…。
ミラ達の放つ雷撃を纏わせ、一斉斉射…!
風の操作で敵の動きを阻害し、魔剣の斉射で破壊光弾を迎撃しつつ、無限の数により圧倒した魔剣の雷撃と終焉の呪力で敵を侵食…。

敵を弱体化させ、ミラに乗って急速突進…。
アイとクリュウの援護を受け、電磁バリアとアンサラーの反射【呪詛、カウンター、オーラ防御、武器受け】で敵の攻撃を防ぎ、ミラの雷を纏った【呪詛、力溜め、鎧無視】バルムンクの一撃で斬り裂くよ…。


「哀しい兵器……ここで眠らせる……」
 かつて対帝竜の兵器として改造され、今もなお人間の思惑に翻弄される大天魔怪獣に、璃奈は哀れみの視線を向ける。これ以上、オブリビオンとして無為に雲海を彷徨いながら破壊をもたらすくらいなら、ここで引導を渡してやるのがせめてもの情けだろう。
「いくよ、みんな……」
 追跡中に雷王竜へと進化させたミラ達と共に、前線に飛び出していく魔剣の巫女。その身は莫大な呪力のオーラに包まれ、妖狐の証である尾が九本に分かれる。この戦いを決着させるべく、彼女は封印された力を解き放つ構えでいた。

「我が眼前に立ち塞がる全ての敵に悉く滅びと終焉を……封印解放……!」
 【九尾化・魔剣の媛神】の封印を解いた璃奈は、数え切れないほどの魔剣を展開する。
 同時に、雷王竜化したミラ達が雷鳴の如く咆哮し、全身からバチバチと稲光を発する。
「キュォォ……!」
 【呪法・雷竜王進化】の源は璃奈の呪力。九尾化によって膨れ上がった莫大な呪力が、ミラ達の力をより活性化させているのだ。三頭の竜が放つ稲妻は周囲に展開された魔剣に纏わりつき、その刀身を金色に輝かせた。

「一斉斉射……!」
 璃奈の毅然とした号令一下、雷撃と呪力を纏った無数の魔剣が矢のように飛んでいく。
 その標的とされたアークは咄嗟に射線から逃れようとするが、ミラ達の操る風が動きを阻害し、回避を封じる。
『ゴガァッ……!!』
 突き刺さった魔剣から伝わる雷撃と終焉の呪力は、魔獣の体躯をじわじわと侵食する。
 負けじと敵も【ギガアークブラスト】を放つが、飛来する光弾に璃奈はそれ以上の魔剣で迎撃する。術者の呪力が尽きない限り、文字通り"無限"に顕現する物量による攻撃だ。

『グ、ゴオォァァァァ……』
 終わることない魔剣の嵐に圧倒され、徐々に弱体化していくアーク。敵の動きが鈍ってきたのを見ると、璃奈はミラに乗って急速突進を仕掛けた。後方からはアイとクリュウが風と電撃のブレスを放ち、彼女らの突撃を援護する。
「苦しいよね……今、終わらせるよ……」
「ウオオォォォ……ッ!」
 苦し紛れにアークが放つ光弾をミラの展開する電磁バリアで防ぎ、あるいは報復の魔剣「アンサラー」の魔力で反射し。竜と共に一条の稲妻となった魔剣の媛神は、瞬きする程の間に敵の懐まで距離を詰めた。

「これで……!」
 白兵戦の間合いへと踏み込んだ璃奈が振るかぶるのは、竜殺しの魔剣「バルムンク」。
 彼女が祀る刀剣の中でも凄まじい切れ味と呪いを宿したその魔剣は、雷王竜の雷を纏う事でさらに威力を増し――目で追うことさえできぬ刹那、雲耀の速さで振り下ろされる。
『ガ、ァ――――!!!!!』
 雷の魔剣の一撃で斬り裂かれたアークは、断末魔の叫びを上げてフラフラとよろめき、どうと浮島の上にその身を横たえた。翼と頭上の輪から光が消え、魔力が拡散していく。

 ――かくして、いにしえの伝説に謳われし魔獣、大天魔怪獣アークはここに息絶えた。
 それは、ひとつの浮遊大陸を救う、大いなる戦果を猟兵が掴み取った瞬間でもあった。
大成功 🔵🔵🔵


第3章 日常 『魔獣素材売買』

POW大量の魔獣素材を売買。
SPD高品質の魔獣素材を売買。
WIZ珍しい魔獣素材を売買。
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「おぉーい、戻ってきたぞぉーっ!」

 広大なるブルーアルカディアの空、とある空域の浮遊大陸に一隻の飛空艇が帰港する。
 戦いの激しさを忍ばせる傷ついた艇の甲板には、笑顔でぶんぶんと手を振る勇士たち。その後ろには、飛空艇と同じかそれ以上のサイズの、巨大な魔獣の亡骸が繋がれていた。

「これが大天魔怪獣アーク……」
「まさか、本当に狩ってきたなんて!」

 港に集まった人々は皆、死してなお強大さを感じさせる魔獣の骸に驚きの声を上げる。
 この港から出発する勇士達を見送ったものの、果たして彼らが無事に帰って来られるかは半信半疑だった。それが無事どころか最高の戦果を持ち帰ったのだから驚きもする。

「アークを倒したのはこの人達だよ」
「俺達が無事に帰ってこれたのも、この人達のおかげだ!」

 勇士達は今回の魔獣討伐の立役者である猟兵達を、浮遊大陸の人々に向けて紹介する。
 これほど強大な魔獣の天使核の力があれば、沈みかけた大陸の寿命も持ち直すだろう。それを成し遂げた猟兵達はこの大陸の英雄と言っても過言ではない。

「あんた達がこの怪獣を? ぜひ話を聞かせてくれ!」
「こいつの素材はどうするんだい? 買い取りならぜひウチの店で頼むよ!」

 勇士達の帰還を出迎える人々の中には、猟兵の武勇伝を聞きたがる者もいる。
 また、アークの亡骸で価値があるのは心臓の天使核だけでなく、装甲や骨は優秀な素材となり、肉は調理次第で食用になる。その所有の優先権は討伐者たる猟兵達にあるので、持ち帰ってもいいし売却してもいい。解体や買取に関しては大陸の人々が行ってくれる。

 魔獣との戦いを終えて、平和な浮遊大陸でのひと時をどう過ごすかは猟兵達次第だ。
 オブリビオンの存在に支えられたこの世界の営みを、見ていくのも悪くないだろう。
キリカ・リクサール
アドリブ連携歓迎

流石に、これだけ巨大だと亡骸と言えど迫力があるな
この大きさなら取れる資材も豊富だろう

私は食用肉を幾つかもらおうか
幾つか料理系の依頼を受けていたためか、料理スキルが生えてきたからな
魔獣から肉を大きめに切り出そう

UCを発動
ボリードポーチから使い慣れた調理器具を出して開始だ
貰った部位は鶏肉に似ているようだな
では、フリカッセにしよう
シチューに似ているが肉を事前に炒めて煮込めば、肉のうま味が存分に楽しめるぞ
出来上がったら現地の人々にも振舞おうか、私一人では多すぎる量だからな

うむ、手強い相手だったからか肉の味も絶品だな
え?どんな戦いだったかって?そうだな…まずは此処の勇士達と協力をして…


「流石に、これだけ巨大だと亡骸と言えど迫力があるな」
 港に打ち上げられたアークの亡骸を見上げ、感心したように呟くのはキリカ。激闘の末に討ち取った伝説の魔獣は今や素材の山となり、末端部位から人の手で解体されていく。
「この大きさなら取れる資材も豊富だろう」
 心臓の天使核をはじめ装甲や骨格、肉や内蔵に至るまで余すところなく利用され、人々の生活を潤す糧となる。これがブルーアルカディアの営みであり、その恩恵に預かる権利は猟兵達にもあった。

「私は食用肉を幾つかもらおうか。幾つか料理系の依頼を受けていたためか、料理スキルが生えてきたからな」
 魔獣の肉とは果たしてどのような味なのか。好奇心を満たすべくキリカは魔獣から肉を大きめに切り出し、自分の取り分とする。ブロック状に切り出された肉はそれだけで何人前になるだろうか――色艶や鮮度もよく、これは料理し甲斐がありそうだ。
「鶏肉に似ているようだな。では、フリカッセにしよう」
 貰った部位をしばらく観察してレシピを決めると、【シャンブル・ミニヨン】を発動。赤いボリードポーチの中から使い慣れた調理器具を出して料理を開始する。アークを仕留めた勇士の1人が一体どんな料理を作るのかと、周りにいた人々も興味津々で見ていた。

「これはこれは、見事な手際ですね」
「すっげぇいい匂いがしてきた!」
 豪快な肉の塊がまたたく間に切り分けられ、魔法のように姿を変えていくのを、驚きの表情で見学する人々。フリカッセとは「白い煮込み」と呼ばれるフランスの家庭料理で、レシピは様々だが玉ねぎなどの野菜や鶏肉などを生クリームで煮込むのが定番である。
「シチューに似ているが肉を事前に炒めて煮込めば、肉のうま味が存分に楽しめるぞ」
 ワインやブイヨン、ローリエ等の香辛料で味を整え、煮立ったら鍋から皿に盛り付け。
 元があの恐ろしい魔獣の肉だとは想像できないほど、美味しそうな一品に仕上がった。

「完成だ。良かったら皆も食べていってくれ」
「いいのかい?」
「私一人では多すぎる量だからな」
 キリカは出来上がったフリカッセを、様子を見ていた現地の人々にも気前よく振舞う。
 ブルーアルカディアの人々にとっては食べ慣れた魔獣の肉も、料理人の腕次第でいくらでも新たな味覚を発見できる。それを彼らは今日実感することとなった。
「うむ、手強い相手だったからか肉の味も絶品だな」
「うお、なんだこれ。めちゃくちゃ美味え!」
 作った本人も納得の出来栄えだったらしく、白いスープに絡んだ肉を口に運んで微笑むキリカ。激闘のすえに狩った獲物なのを思えば満足感もひとしおだろう。共に戦った勇士や浮遊大陸の住民達も、みな感動した様子で舌鼓を打っている。

「なあアンタ、やっぱりアークは強かったか? いったいどうやって勝ったんだ?」
「え? どんな戦いだったかって? そうだな……まずは此処の勇士達と協力をして……」
 フリカッセを味わいながら武勇伝を聞きたがる人々に、キリカは自らの戦いを語る。
 今自分達が食べている肉は、どのようにして食卓にもたらされたのか。追跡から始まる激闘の経緯に、目を輝かせて聞き入る人々――戦いの後の食宴はこうして過ぎていった。
大成功 🔵🔵🔵

疋田・菊月
いやー、強敵でしたねー。
皆さんの戦いぶりもそうですが、勇士の皆さんの操船あっての勝利だったと思います。
ですので、取り分はいただきますが、皆さんで分けちゃいましょう。
しかし、そうですねー
じつは、こちらの素材については明るくないんですよね
では、私いずれ飛空艇を手に入れる予定ですので、それに使えそうな鱗なり骨なりをいくつか……

ところで、こちらのお肉は、どう調理されるんですか?
……私もちょっとお手伝いしてもいいですかね。
これでも厨房に立つこともあるんですよー
これから宴会になるかもですし、いくつか料理して出しちゃいましょう
シンプルに串焼きもいいですが、鳥っぽいので油淋鶏っぽくなりませんかねー。えへへ


「いやー、強敵でしたねー」
 亡骸となったアークを見上げ、良くこんな巨大な獣を倒せたものだと、ふうと息を吐く菊月。追跡や討伐における彼女の功績は大なりだが、それでも仲間との協力なくして今回の狩りは成功しなかっただろう。
「皆さんの戦いぶりもそうですが、勇士の皆さんの操船あっての勝利だったと思います」
「へへ、そうかい? ありがとよ、気ぃ遣ってくれて」
 実力的に後方での援護に回ることが多かった勇士達も、そう言われて悪い気はしない。
 事実、自前での飛行手段を持たない菊月は、彼らが操縦する飛空艇なくしてアークと戦うことはできなかったのだから。

「ですので、取り分はいただきますが、皆さんで分けちゃいましょう」
「ありがてえ!」
 これだけ大きな魔獣なら、戦いに参加した勇士達に素材を分配してもまだ余るだろう。
 あの頑丈な装甲や骨があれば、新しい武具が作れそうだと勇士達は大賑わい。それを見る菊月は微笑みながら、自分の取り分はどうしようかと考える。
「しかし、そうですねー。じつは、こちらの素材については明るくないんですよね」
「なにか使い道は考えてあるのか? 聞かせてくれたら見繕ってやるよ」
 こと倒した魔獣の解体においては勇士達のほうがプロである。チェーンソーなどの道具を使って手際よく素材を剥ぎ取り、巨大な獣の亡骸をバラバラに捌いていく。彼らはこの世界の文明を支える最も重要な労働者でもあるのだ。

「では、私いずれ飛空艇を手に入れる予定ですので、それに使えそうな鱗なり骨なりをいくつか……」
 巨大で強靭な骨は船体の骨組みに、強固な鱗は装甲として利用できるだろう。もらった素材は移動屋台『はる』の中に収めて、いつか自分の艇を持つ時のために保管しておく。
 その他に菊月が気になったのは、骨や内蔵と一緒に切り出されたアークの肉塊だった。
「ところで、こちらのお肉は、どう調理されるんですか?」
「うん? そりゃ色々だよ、焼いたり煮込んだりさ」
 肉を切り出した勇士達はこれから早速調理するつもりなのか、鉄板や調理器具を並べて火の支度をしている。魔獣の肉とはいえ基本的な調理は普通の食肉と変わらないようだ。

「……私もちょっとお手伝いしてもいいですかね。これでも厨房に立つこともあるんですよー」
「ああ、そりゃ助かる! じゃあこれ、お嬢ちゃんの分な」
 これから宴会になりそうな雰囲気を察して協力を申し出ると、大きな肉の塊をどさりと渡された。菊月はそれをてきぱきと手際よく食べやすい大きさに切り分け、下味をつけて串を通す。戦闘も給仕もそつなくこなす、花の帝都のパーラーメイドは伊達ではない。
「シンプルに串焼きもいいですが、鳥っぽいので油淋鶏っぽくなりませんかねー。えへへ」
 熱した鉄板の上にお肉を並べると、じゅわっと美味しそうな匂いが辺り一面に広がる。長ネギや生姜を使った香味ダレをかければ、肉の旨味と香ばしさを共に楽しめる一品に。
 初めての食材に意欲を刺激されたのか、作っている最中の菊月は実に楽しげであった。

「おっ、美味えなこれ。こりゃ酒が進むぜ」
「おかわりもあるので、遠慮なくどうぞー」
 菊月お手製の魔獣料理に勇士達は舌鼓を打ち、菊月はその間を弾ける笑顔で給仕する。
 やがて匂いにつられた浮遊大陸の住民達もやって来て、狩りの成功を祝う宴はいつまでも賑やかに続くのだった――。
大成功 🔵🔵🔵

トリテレイア・ゼロナイン
まずは浮遊大陸の命脈を繋ぐ糧となる魔獣に感謝を…
…オブリビオンに感謝を捧ぐのは、何とも言えぬ感慨がありますね

魔獣素材は研究サンプル分を残し売却
それらの割引と引き換えに勇士達から情報収集
飛空艇の構成素材や強化に関する経験譚やノウハウを含め知識を教えて頂きます

成程、軽さと強度を両立した翼の装甲は飛空艇のこの箇所が良いと…

強力でも安定供給に難がある魔獣素材
性能が多少劣っても、サンプルを元に再現した素材を故郷の研究機関に発注する予定なのです

(電脳禁忌剣なら完全複製は容易くとも、自助努力可能な用途で使えば処刑機構が作動しますからね
銀河帝国の悪用防ぐ為とはいえ、苛烈な一面をお持ちの方でした…)

いえ、何でも


「まずは浮遊大陸の命脈を繋ぐ糧となる魔獣に感謝を……」
 生きるために狩りをし、他の命を糧とする。この世界に限らず行われている生命の連鎖にトリテレイアは黙祷を行う。人の都合で狩られた魔獣がこれで浮かばれるとは思わないが、その骸を利用させてもらう上での彼なりの敬意の表し方なのだろう。
「……オブリビオンに感謝を捧ぐのは、何とも言えぬ感慨がありますね」
 本来なら世界を脅かす存在であるオブリビオンによって、ブルーアルカディアの文明は維持されている。これまで訪れた世界にはない特色であり、不可思議だが実に興味深くもあった。

「魔獣素材は研究サンプル分を残し、あとは売却させていただきます」
 浮遊大陸には勇士達が狩った魔獣の素材を買い取る者達がいる。通常の生物より遥かに強固な皮膚や骨には武具など様々な活用法があり、相応の価格で取引されているようだ。
「売却価格は割引で構いませんので、代わりに教えて頂きたい事があるのですが」
「おっ、なんだい? なんでも聞いてくれよ」
 トリテレイアはそれらの素材を通常の取引額より安く売る引き換えに勇士達から情報収集を行う。彼が知りたいのは飛空艇の構成素材や強化に関する経験譚やノウハウだった。

「成程、軽さと強度を両立した翼の装甲は飛空艇のこの箇所が良いと……」
「ああ。それから重要な区画は頑丈な胸部の装甲で固めるのが良いだろう」
 魔獣の素材を余さず利用するうえで発達したノウハウ。こうした知識は体系化されているとは限らず、勇士や職人のような同業者の間だけで口伝されているものも少なくない。実際に飛空艇に命を預ける者だからこその、実用的な内容がそこには多く含まれていた。
「こんな話を聞きたがるってことは、あんたも自分の飛空艇を強化したいのかい?」
「ええ、まあ」
 アーク討伐に参加した勇士達は、トリテレイアの乗る白銀の飛空艇「ドゥルシネーア」を見ている。現時点でも並みの飛空艇よりも強力な性能を持つが、このノウハウがあればさらなる強化も可能だろう――もっとも、騎士はそれに魔獣の素材を使う気はなかった。

「性能が多少劣っても、サンプルを元に再現した素材を故郷の研究機関に発注する予定なのです」
 魔獣素材は強力でも安定供給に難がある。生物由来の素材である以上は仕方がないが、トリテレイアとしては工学的に再現可能で均一な素材のほうが望ましい。スペースシップワールドの科学力をもってすれば、完全再現まではできずとも近いものは作れるだろう。
(電脳禁忌剣なら完全複製は容易くとも、自助努力可能な用途で使えば処刑機構が作動しますからね)
 それとは別に彼には【銀河帝国未配備A式形相操作兵装】という、電脳剣に搭載された切り札があったが、それには濫用を防ぐための制限が掛けられていた。素粒子への干渉・操作を可能とする能力など、悪用を禁ずるための措置があって当然の代物ではあるが。

(銀河帝国の悪用防ぐ為とはいえ、苛烈な一面をお持ちの方でした……)
「うん? 兄さん、なんか言ったかい?」
「いえ、何でも」
 技術の悪用を嫌った創造主の性格を思い返しつつ、トリテレイアは情報収集を続ける。
 勇士達から聞いた改造ノウハウと、サンプルとして入手した魔獣素材があれば、装備の開発・強化も多いに捗るだろう。より多くの「誰か」を助けるために、己の騎士道を貫くために、自らの強化に余念のない機械仕掛けの騎士であった。
大成功 🔵🔵🔵

春乃・結希
はぁ…無事に戻ってこれました…
ああ、勇士のみなさん。ありがとうございました
そしてお疲れ様でした。…ほんとに

…私はカビパンさんなら大丈夫って知ってたし、こうして(しんでるけど)ちゃんと戻ってきたけど…躊躇無しで味方をふっ飛ばして、一緒に乗ってた勇士の人達に引かれてる気もする私…
でもカビパンさんの評価はマイナスからむしろプラスになったんやないかと思うけどどうかな…っ?(キョロキョロと勇士達の様子を伺って)

そう、それからアークの素材はどうします?
売ってお金…は、カビパンさんお金興味無さそうやし…
お肉持って帰って新たな味生み出す?
勝利の歌でも披露する?
なんでも手伝うよ。…無の気持ちでね


カビパン・カピパン
「はぁ…無事に戻っ「HAHAHA!」
「ああ、勇士のみ「ウフフフ」
「それからアークの素「わはは!」
「売ってお金…は、カビパ「「ハハハ!!」
「お肉持って帰って新た「ぎゃはは!」
「勝利の歌でも披「げらげら!」
「なんでも手伝うよ「ん?今何でもするって言ったわねそれじゃあ当店の全てを任せたわ」
「…無の気持ちでね――」
結希が何かを言いかけた瞬間。

ザシュッ!
暖かい何かが顔にかかった。

「…ふふ、うふふふ」
「アハハハハ!!!」

~ 終 ~

「――というホラーを考えてみたんだけど、どう思う?」
浮遊大陸のとある舞台。
正面の人は腹を抱えて大爆笑しているし、その隣の子はブルブルと震えながら母親にぎゅっとしがみついていた。


「はぁ……無事に戻ってこれました……」
「HAHAHA!」
 飛空艇から浮遊大陸の地面に足をつけると、結希は今までの疲れがどっと押し寄せてきたように大きな溜息を吐く。その後ろでは彼女の疲労の8割位の原因であるカビパンが、妙にフランクなノリで笑っていた。
「ああ、勇士のみなさん。ありがとうございました。そしてお疲れ様でした。……ほんとに」
「いやいや、嬢ちゃんのほうこそ……ほんとお疲れさん」
「ウフフフ」
 理不尽極まるカビパンワールドに巻き込まれ、同じ苦労を共有した勇士達も、今の結希の気持ちに全面的に共感する。確かにカビパンの行動はアークを狩猟する上で効果があったのは否定できないが、それはそれとして人々を何とも言えない気持ちにさせるのだ。

(……私はカビパンさんなら大丈夫って知ってたし、こうしてちゃんと戻ってきたけど……)
 躊躇無しで味方をふっ飛ばして、一緒に乗ってた勇士の人達に引かれてはいないかと気にしていた結希だが、周囲の反応を見る限りそこまで心配する必要はなさそうだ。一連の事件を通じてカビパンがあの程度で死なないことは、勇士達にも理解できたのだろう。
「でもカビパンさんの評価はマイナスからむしろプラスになったんやないかと思うけどどうかな……っ?」
「いや……それは、まあ」「凄い人だとは思うよ」「色んな意味でな……」
 キョロキョロと勇士達の様子を伺ってみたところ、べつに悪印象を抱いているわけでは無いが、みんな評価に悩んでいる。実際凄いことを成し遂げたのは事実だが、あまりにも手段が独特すぎるというか。ギャグに振り切れるには彼らの感性はまとも過ぎたようだ。

「そう、それからアークの素材はどうします?」
「わはは!」
 なんかさっきから笑うばかりで何もしないカビパンをチラ見して、結希は倒した魔獣の素材について話し合う。あれだけ猟兵の攻撃にも耐えた強靭な装甲や骨は武器の製造にも使えそうだが、結希は『with』がいればいいし、カビパンの武器はハリセンである。
「売ってお金……は、カビパンさんお金興味無さそうやし……」
「ハハハ!!」
「お肉持って帰って新たな味生み出す?」
「ぎゃはは!」
「勝利の歌でも披露する?」
「げらげら!」
 いろいろと実のある提案をしようとする結希だが、困ったことにまるで話が通じない。
 何を言っても返事もせずにただ笑うだけ。ひょっとしてふっ飛ばした時に頭の打ち所が悪かったのか――いやいや、まさかカビパンさんに限ってそんな。

「なんでも手伝うよ」
「ん? 今何でもするって言ったわねそれじゃあ当店の全てを任せたわ」
 あんまりにも反応が薄かったのでつい言いすぎたかもしれない。言質取ったとばかりに息継ぎなしで仕事を押し付けるカビパン。もうCEOなのにこれ以上やる事が増えるのか。あと素材の話となにも関係ないんですけど? 色んなツッコミが結希の脳裏をよぎる。
 が、彼女はその一切を呑み込んで、毒を食らわば皿までの気持ちで話にノる事にした。

「……無の気持ちでね――」
 と、結希が何かを言いかけた瞬間。ザシュッ! と肉が裂けるような音がして、暖かい何かが顔にかかった。同時にどこからとなく聞こえてくる、狂ったような誰かの笑い声。
「……ふふ、うふふふ」
「アハハハハ!!!」
 低く、高く、遠く、近く、響く悪霊の哄笑。視界が真っ赤に染まり、そして暗くなる。
 最後にはなんにも見えなくなって――いつまでもいつまでも、声だけが響いていた。

 ~ 終 ~

「――というホラーを考えてみたんだけど、どう思う?」
「え、今のホラーやったんですか……?」
 そこで素に戻ったカビパンと、感情が死んだ顔の結希。どうもここまでの一連の流れはカビパンが考案した怪談だったらしい。ただ笑い転げていたかと思えば突然の死(?)。意味がわからなさすぎて怖いというか、展開があまりに急すぎてビビるというか。
「次はこれを舞台で披露しようと思うんだけど」
「……いいですよ。一緒にやりましょう」
 何でも手伝うと言ってしまった手前、結希は心を無にして【ハリセンで叩かずにはいられない女】に答えた。プラスになった評価もこれでまたマイナスに逆戻りかなあ……と、そんなことを思考の片隅で心配しながら。

「あっはっは、なんだありゃ!」
「うわーん、こわいよー!」
 かくして浮遊大陸のとある舞台で披露されたショウは、観客に様々な感想を抱かせた。
 客席正面の人は腹を抱えて大爆笑しているし、その隣の子はブルブルと震えながら母親にぎゅっとしがみついている。人によってホラーかギャグか受け取り方が異なるようだ。
「見てあのお客の反応! バカウケね!」
「……ご視聴ありがとうございましたー」
 温度差の激しい2人はまばらな拍手を浴びながら、投げ込まれたおひねりを回収する。
 この舞台が後に、夏の浮遊大陸での納涼ネタとして定着していくかは、誰も知らない。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

西院鬼・織久
恐れていた獣も狩ってしまえばこの有様。我等が怨敵もこうなればただの素材、愉快です
俺の武具にも使えるでしょうか
黒酸漿、どうしました。あなたの槍の強化ももちろんしますが…なるほど、受肉した分腹が減ると

【行動】
使用者犠牲者問わず様々な血肉を吸収し鍛えられてきた闇器の更なる強化を考えて周囲を観察、各素材の利用方法や相場など情報収集して学ぶ
槍の化身ではなく大蛇として顕現した黒酸漿の物理的な胃袋も満たすため、怨念の炎で焼く以外の肉の調理方法も聞き手持ちの金品で買える分を購入するなど、情報収集と学習を中心に行う


「恐れていた獣も狩ってしまえばこの有様。我等が怨敵もこうなればただの素材、愉快です」
 アークの亡骸が解体されていく様子を眺めて、織久は淡々とそう語る。声色や表情には然程変化は無いものの、オブリビオン狩りを至上目的とする彼のその発言は偽らざる本心であろう。尽きることのない怨念と殺意が、少しだけ満たされていくのを感じる。
「俺の武具にも使えるでしょうか」
 【闇器】と呼ばれる西院鬼一門の武具は、使用者も犠牲者も問わず様々な血肉を吸収して鍛えられてきた。この魔獣の亡骸も更なる強化に利用できないものかと考えた織久は、周囲を観察して各素材の利用方法や相場などを学び始めた。

「成る程、装甲は削り出して武器や防具に、骨は飛空艇などの建材に、腱は弓矢の材料に……様々な用途があるのですね」
 勇士達が利用する場合は武具にされる事が多い魔獣素材だが、民間ではその他にも色んな場所で活用されているようだ。ゆえにアークのような強力な魔獣の素材は価値も高い。
 織久は解体士達の手でバラバラに切り分けられる亡骸を暫し興味深げに眺めていたが、その後ろでとぐろを巻いていた黒い大蛇が、ふいにとんとんと彼の肩をつつく。
「黒酸漿、どうしました。あなたの槍の強化ももちろんしますが……なるほど、受肉した分腹が減ると」
 黒酸漿は槍の闇器【百貌】の化身だが、大蛇として顕現した時は物理的な胃袋も満たす必要がある。魔獣には素材だけでなく食肉としての用途もあることを思い出した織久は、そちらの調理方法についても調べてみることにした。

「怨念の炎で焼く以外の肉の調理方法も学ばせてもらいましょう」
「おっ、なんだい兄ちゃん。料理に興味があんのかい?」
 魔獣の肉を使った料理について詳しいのはやはり勇士達だろう。自分の手で狩った魔獣をその場で調理して食べることにも慣れている彼らは、切り出された肉の塊をてきぱきと食べやすい大きさに切り分けると、下味をつけて鍋に放り込む。
「そのまま焼いて喰うのも悪かないが、俺らのオススメはやっぱり鍋だな。内蔵もこうして下処理して、野菜と一緒にぶちこんでやりゃあ……どうでい」
 出来上がったのはいかにも猟師飯といった感じの鍋料理。種類としてはモツ鍋に含まれるのだろうか。ぐつぐつとよく煮えた肉がおいしそうな匂いを立てて、食欲をそそる。

「ほれ、兄ちゃんも食いねえ。そっちの蛇さんも」
「いただきます」
 取り皿によそってもらった肉を受け取り、黒酸漿と一緒に魔獣料理を味わう織久。元の怪物の姿からは想像もできないほど、調理された魔獣の肉はクセも少なくて食べやすい。もしかすれば作った人間の腕が良いのかもしれないが。
「こちらの肉、俺にも売っていただけませんか」
「おう、もちろんいいぜ!」
 黒酸漿の口にも合うようですしと、織久はまだ未調理の肉のうち手持ちの金品で買える分を購入することにした。気前のいい勇士は「こいつはオマケだ」と言って、今日作った魔獣料理のレシピについても一緒に教えてくれた。

「感謝します」
「いいってことよ!」
 ご相伴に預かり色々と学習もさせてもらった勇士に礼を言って、織久は買い取った肉を荷物にしまう。機会があればいずれ自分でも腕をふるってみるのも良いだろうと考えて。
 彼にとってオブリビオンを狩る事は使命であり命題であり、何よりも優先される事だ。同じオブリビオン狩りを生業とする者でもこの世界の勇士達とは違う――だが、その技術や経験から学ぶものは多かったようだ。
大成功 🔵🔵🔵

メルティア・サーゲイト
「私も飛空艇作ろうかなぁとは思っててなァ」
 万能駆逐艦はパワーはあるが、小回りが効かねぇ。その点、飛空艇はヘリより頑丈で小回りも効くだろ?
「どうやってそこまで軽量化してるのか気になってるンだ」
 って事で好きにしていい飛空艇を買い付けるぜ。まあ引っぺがした素材だけで買える程安くは無いだろうから私の装備と交換だ。戦闘艦用の装備じゃ重すぎるだろうから……この三式弾なんてどうだ?
「撃つだけならカルバリン砲でも使えるぜ。時限信管で相手の装甲を貫いた後に爆発する徹甲榴弾だ。この魔獣狩りにも使ったしなァ」
 後はCIWS辺りかな。ちと重くはなるが対空機銃は役に立つだろ。
「んじゃ、一番いいのを頼むぜ」


「私も飛空艇作ろうかなぁとは思っててなァ」
 港に打ち上げられたアークの骸と、それをここまで運んできた飛空艇を交互に見上げ、メルティアはそう語った。彼女の運用する万能駆逐艦はパワーはあるが、小回りが効かない。より機敏で火力もある敵との空中戦になれば遅れを取る可能性もある。
「その点、飛空艇はヘリより頑丈で小回りも効くだろ? どうやってそこまで軽量化してるのか気になってるンだ」
 これまでにもキャバリアなど異世界のテクノロジーを数多く見てきたが、この世界の飛空艇技術もなかなか興味深い。その技術を解明して自身の装備に活用する事ができれば、さらなる戦力向上が見込めるだろう。

「って事で好きにしていい飛空艇を買い付けたいんだが」
「一人乗りのセイルフローターじゃなく、普通の飛空艇をかい? そいつは値が張るぜ」
 自分だけの飛空艇を持つことは、駆け出しの勇士にとってひとつの夢と言えるだろう。それだけに達成するためのハードルも低くはない。船体の建造費はもちろんだが、動力源である天使核の希少性と需要の高さが価格の高騰に繋がっている。
「まあ引っぺがした素材だけで買える程安くは無いだろうから私の装備と交換だ」
「ほう?」
 だがメルティアにはそれを購入する代金のアテがあった。あのアークを討伐した勇士の装備と聞けば興味を持たれないわけがない。彼女にとっては当たり前の技術で製造された装備も、この世界の住人からすれば未知の超兵器なのだから。

「戦闘艦用の装備じゃ重すぎるだろうから……この三式弾なんてどうだ?」
 耳を傾ける気になった商人の前に、数発の砲弾をどんと置く。この世界では魔法が当たり前に存在するぶん、純粋な科学技術の発達はやや遅れているようにも見える。その辺りの需要と物珍しさも見越した上での売り込みだ。
「この弾は、この大陸の飛空艇でも使えるのかい?」
「撃つだけならカルバリン砲でも使えるぜ。時限信管で相手の装甲を貫いた後に爆発する徹甲榴弾だ。この魔獣狩りにも使ったしなァ」
 亡骸となったアークに撃ち込まれた砲弾の痕を示してみせ、にやりと笑うメルティア。あの伝説の魔獣にも効いたという事実が何よりも確実は性能保証になる。魔獣狩りを生業とする勇士達なら、是非とも欲しいと手を挙げる者が殺到するだろう。

「後はCIWS辺りかな。ちと重くはなるが対空機銃は役に立つだろ」
 次にメルティアが見せたのは、複数の艦載兵器とそれを運用する機器や弾薬のセット。本来はミサイルや航空機を迎撃するためのシステムだが、空を飛ぶ魔獣や飛空艇相手でも充分な効果を期待できるはずだ。
「こりゃ大した兵器だ……動力は天使核じゃないのか? すげぇ技術だ」
 多少は兵器技術に詳しい者が見れば、これらがいかに画期的な兵器かはすぐに分かる。
 考えようによってはアークの素材よりも希少で高価な代物だ。これを売ってくれると言うなら、飛空艇の一隻くらい安いものである。

「んじゃ、一番いいのを頼むぜ」
「おうよ! じゃあ付いて来てくれ」
 商談は無事に纏まり、素材と装備を売却したメルティアは港の近くにあるドックに案内される。そこには建造したてから修理中の物まで含め、多くの飛空艇が係留されていた。
「この船なんてどうだ? やや小型だが船足は速くて頑丈だ」
「いいね、悪くない」
 購入手続きから引き渡しまでの流れもスムーズに完了し、晴れて彼女は自分の飛空艇を手に入れる。どう改造しようがバラして調べようが文句を言われない、自分だけの船だ。
 ここから彼女の装備はどのような発展を遂げるのか。それは今後のお楽しみであろう。
大成功 🔵🔵🔵

フレミア・レイブラッド
アークの血液を頂こうかしら♪
一応、吸血鬼だしね。
後は市場で召喚石とかあれば、興味あるし、素材との交換か素材を買取して貰った分で購入したいところだけど…。
あ、後はアークのお肉もどんな感じか興味あるわね。
鳥肉っぽいのかしら?
アレだけの巨体なら、食肉も大分取れそうよね…。


そういえば、貴方達の船って損傷とかどの程度のモノだったのかしら?
もし必要なら、売却したアークの素材の一部を使って、わたしの【パンドラ】で修理(というか再生産)しても構わないわよ♪
アレくらい頑丈な魔獣の素材なら、艦船も大分強化できるんじゃないかしら。


「アークの血液を頂こうかしら♪」
 魔獣の素材を分配する話になると、フレミアは「一応、吸血鬼だしね」と微笑みながらそう言った。装甲や骨や肉などと比べれば血液の市場価値はやや低めとなるが、彼女なら使い道はあるだろう。
「いいのかい、これで?」
「いいのよ」
 その他のいくつかの素材と一緒に、瓶に詰められたアークの血液を受け取ると、彼女は浮遊大陸の市場に繰り出す。幾つか気になる物もあるし、買い物の元手は充分にあった。

「召喚石とかあれば、興味あるし、購入したいところだけど……」
 1個200Gになる高価な召喚用アイテムだが、希少な魔獣の素材にはそれに劣らない価値がある。自分では使う予定のない素材を買い取って貰ったぶんの資金で足りそうだ。
「召喚石ならこっちの十連がおすすめだよ。20%オフで1600Gだ」
「あら、ならそれにしようかしら」
 そこそこの重みのある金貨の袋と引き換えに、10個ぶんの召喚石がくっついたものを受け取る。この世界の召喚魔法を学べばフレミアもこれで召喚獣を呼べるかもしれない。どんな強さや外見なのかはランダムなのが玉に瑕だが。

「あ、後はアークのお肉もどんな感じか興味あるわね。鳥肉っぽいのかしら?」
 召喚石の次に食品関係の市場を見に行くと、亡骸から切り出された魔獣の肉がさっそく流通し始めていた。串焼きやケバブのような他の世界でも見かける肉料理の屋台もある。
「アレだけの巨体なら、食肉も大分取れそうよね……」
 浮遊大陸の食糧事情は分からないが、当分の間この街で肉が尽きることはないだろう。
 フレミアも気になって屋台の串焼きをひとつ買ってみる。口に運ぶと確かに鶏肉に似た味がするが、普通の鶏肉よりもジューシーでクセがなく、なかなかに美味だった。

「そういえば、貴方達の船って損傷とかどの程度のモノだったのかしら?」
 市場を一巡りして港に戻ってくると、そこにはまだ勇士たちの飛空艇が停泊中だった。
 ほぼ後方支援の役に徹していたとはいえ、アークとの戦闘で無傷とは言えず、船体には複数のダメージが見られる。
「飛べなくなる程じゃあないが、一度きちんと修理したほうが良さそうだ」
 勇士にとって飛空艇は命を預けるものだ。常に万全の状態にメンテしておきたいと思うのは人情だろう。フレミアもそれは理解できるからこそ、笑顔である提案を持ちかける。

「もし必要なら、売却したアークの素材の一部を使って、わたしの【パンドラ】で修理しても構わないわよ♪」
「本当か?!」
 【禁忌工廠「パンドラ」】。それは術者の魔力からあらゆるモノを生産する、フレミアのユーベルコードである。世の法則を無視して常識を超えた製造・量産・修復を可能にする、まさに魔法の工房であった。
「アレくらい頑丈な魔獣の素材なら、艦船も大分強化できるんじゃないかしら」
「そりゃあすげぇ! 是非頼む!」
 勇士達からすればまたとない提案だ。一も二もなく飛びついた彼らににこりと応じて、フレミアは船一隻が丸ごと入るほどの巨大な工廠を現出させる。ここで修復――正確には再生産を行えば、彼らの飛空艇は見違えるモノになるだろう。

「命だけじゃなく船まで救ってもらって、あんた達には何てお礼を言やあ……」
「これくらいお安い御用よ♪」
 アークの素材と魔力を併用しリビルドされていく飛空艇を見て、感謝を述べる勇士達。
 それを受けるフレミアは悪くない気持ちで、残りの串焼きを口にしながら修理に勤しむのだった。
大成功 🔵🔵🔵

雛菊・璃奈
素材…それなら、アークの素材で一番硬い素材は何処かな…?
後は幾つか爪や皮とか素材として必要な分だけ貰って行こうかな…。

後、この島に鍛冶師の人いるかな…?もしいるなら、これ等のアークの素材を使って剣を打って欲しいんだけど…。

剣を打って貰ったら、祭壇やお神酒を用意…。
準備が終わったら【九尾化・魔剣の巫女媛】封印解放…。

剣にわたしの九尾の呪力を注いで、新たな魔剣を生み出すよ…。
アークから生み出された剣…。
それを魔剣の巫女として奉じて祀る事で元のアークの魂(怨念)を鎮め、魔剣として新たに新生させ、新しい力とする…。

銘に関しては打ち手にお任せするよ…。
シンプルに「アーク」でも良いけど…。


「素材……それなら、アークの素材で一番硬い素材は何処かな……?」
「硬い部位か。なら胸んトコの装甲が分厚くて頑丈そうだな」
 璃奈のリクエストに応じて、分配を担当する魔獣解体士がアークの亡骸を切り分ける。
 巨大で丈夫な魔獣からチェーンソーで素材を剥ぎ取る手腕は見事なもの。「取れたぜ」と黒の混じった黄金に輝く装甲が、少女の前にごとりと置かれた。
「後は幾つか爪や皮とか素材として必要な分だけ貰って行こうかな……」
「ああ、構わねえぜ。あんたらは今回の狩りの功労者だからな」
 魔獣狩りにおいて貢献の大きかった者が素材を多く得られるのは、ここの勇士達の間で暗黙のルールらしい。その言葉に甘えて彼女は鋭い爪や丈夫な皮膚など、武具に使えそうな素材を幾つか見繕う。

「後、この島に鍛冶師の人いるかな……?」
「もちろんいるぜ。場所を教えてやろうか?」
 お願いと璃奈が頷くと、解体士は港から近くにある鍛冶場までの地図を書いてくれた。
 貰った素材を袋に詰めて、地図を頼りにその場所に向かうと、鉄と炎のにおいが染み付いた、一軒の古ぼけた建物があった。
「客か? 何の用だ」
「これ等のアークの素材を使って剣を打って欲しいんだけど……」
 中に居たいかにも職人気質といった風情のぶっきらぼうな男に、璃奈は素材を見せる。
 伝説にも謳われる魔獣となれば、剣の素材としても一級品のはず。男は暫し検分するようにそれを見て、やがて深く頷いた。

「いい素材だな……分かった。しばらく待ってろ」
 素材を持って奥の工房に籠もる鍛冶師。カンカンと金属を叩く音が中から響いてくる。
 言われた通り璃奈が近くで"準備"を行いながら時間を潰していると、日が暮れる前にその音は鳴り止んで、汗だくになった男が奥から出てきた。

「出来たぞ」
 ずいと突き出されたのは、ずしりとした重みのある長剣だった。刀身は黒金で鍔の装飾には爪が用いられ、柄には滑り止めとして魔獣の皮が張られている。最も硬い部位の装甲を用いたためだろうか、手にとった感触には決して折れそうにない頼もしさがあった。
「いい剣だね……」
 期待以上の出来栄えに満足すると、璃奈はその剣を大事に捧げ持ちながら鍛冶場の外に運ぶ。そこには剣を打って貰う間に整えていた、祭壇や御神酒等の祭祀の用意があった。

「……封印解放……」
 アークから生み出された剣を祭壇の上に置くと、璃奈は【九尾化・魔剣の巫女媛】の封印を解く。全身からあふれ出る莫大な呪力を、彼女は祈りとともに剣に注ぎ込んでいく。
 璃奈の生業は魔剣や妖刀の類を鎮める事。魔剣の巫女として奉じて祀る事で、剣の元となったアークの魂――その怨念を鎮め、魔剣として新たに新生させ、新しい力とするのが彼女の狙いだった。
「どうか、荒ぶる魂を鎮め……新たなる器に宿り給え……」
 ゆらりと九尾を揺らしながら祝詞を唱える。それが完了した時、祭壇の上の剣は呪力を帯びていた。魔剣の巫女の一族に祀られし、新たな魔剣の一振りがここに生み出された。

「珍しいもんを見せて貰ったな」
 祭祀の邪魔をしないよう離れていた鍛冶師が、完成した魔剣を見てほうと声を上げる。
 これまでに何本もの剣を打ってきた熟練の職人でも、自分の打った剣が魔剣に昇華される所を見る経験は初めてだろう。まだ名すらない生まれたての魔剣を持ち上げて、璃奈はその職人に問いかける。
「銘に関しては打ち手にお任せするよ……」
「シンプルに『魔剣アーク』で良いんじゃねえか?」
 気取った名前なんざ思いつかねえよと、職人気質の男は肩をすくめながらそう言った。
 形は変われども、名は変わらず。いにしえの魔獣の魂は、確かにその剣に宿っている。

「アーク……これからよろしくね……」
 璃奈が黒金の刀身をそっと撫でると、耳鳴りのような金属音と共に刃がきらりと輝く。
 そのかすかな音と光は、かつての魔獣が放っていた咆哮と光輝を思わせるものだった。
大成功 🔵🔵🔵

アリス・フォーサイス
 素材はいらないけど、解体や売買の様子は見たいな。討伐で協力してもらった勇士の人たちについていってみるよ。

 へえ、こんな風に解体して分類していくんだね。やっぱり、一番競争率が高いのは天使核なの?

 なるほど、それぞれの素材で別の業者に売るんだね。勇士はそういう繋がりも重要なんだね。ぜひ、その場にも立ち会わせてもらいたいな。

 天使核の加工は気になるな。見せてもらいに行ってもいい?


「素材はいらないけど、解体や売買の様子は見たいな」
 モノそのものよりモノが作りだす人の営みのほうに興味のあるアリスは、討伐で協力してもらった勇士の人たちについていってみることにした。こういった所から新たな物語が紡がれていくかもしれないし、何より普段見られないものを見るのは純粋に面白い。
「なんだ嬢ちゃん、解体に興味があるのか? いいぜ、好きなだけ見てきな」
 素材の剥ぎ取りを専門とする魔獣解体士達が、港に上げられたアークの亡骸を手際よく解体していく。この辺りは流石に本職と言うべきか、硬い装甲や骨格のどこに刃を通し、どう切断すれば綺麗に素材が取れるのか、しっかり熟知している様子だった。

「へえ、こんな風に解体して分類していくんだね。やっぱり、一番競争率が高いのは天使核なの?」
「そりゃあな。こいつがなけりゃ飛空艇も飛べねえし、俺らの大陸だって奈落行きだ」
 アリスがじぃっと見守っていると、特に頑丈な胸部の装甲が切り開かれ、骨と血肉の中からアークの心臓が姿を現す。傷つけないよう細心の注意を払って取り出されたそれは、金色の輝きと膨大な魔力を放っていた。

「こいつは浮遊大陸の権力者に渡して報奨金を貰う。あとの装甲は鍛冶屋や造船職人に、骨は建築家や武器屋に、肉は精肉業者にって具合だな」
「なるほど、それぞれの素材で別の業者に売るんだね。勇士はそういう繋がりも重要なんだね」
 勇士の生計は魔獣を狩り、その素材を売却することで成り立っている。足元を見られないきちんとした業者と繋がりを持つのは大事だし、業者側からしても実績のある勇士とのツテは商売を左右する。こうした人脈の輪が浮遊大陸の経済を回していくのだろう。

「ぜひ、その場にも立ち会わせてもらいたいな」
「別にいいが、大して面白いもんじゃないと思うぜ?」
 解体と仕分けの様子を満足するまで見たアリスは、次にその素材が売られていく様子を見学する。港に集まってきた多種の業者や商人や職人達が、それぞれの欲しい素材を持つ勇士と交渉するのは、さながら漁港の競りを見ているようだった。
「この装甲、傷が付いてるぞ。もう少し安くならないか?」
「強度には問題ないはずだ。ビタ一文まからねえよ」
 勇士という仕事を長く続けていくなら、こうした交渉にも強くなる必要があるのかもしれない。海千山千の商人にも負けず、勇士達には武力だけでなくしたたかな面もあった。
 興味深そうにそれを眺めていたアリスは、先程のアークの天使核がどこかへ運ばれていくのを見かけた。これから加工を施された上で、大陸を浮かす動力源となるのだろう。

「天使核の加工は気になるな。見せてもらいに行ってもいい?」
「全部見せて貰うのは難しいかもな。けどまあ、あんたらは特別だ」
 天使核に関連する技術はこの世界の文明を支える最重要事項である。部外秘扱いの内容も多いだろう。だが今回の狩りで助けられた勇士の口利きもあって、さわりの部分だけは見せてもらえることになった。
「ふむふむ、そうやるんだね」
 汚染や暴走の危険も孕んだオブリビオンの心臓を、いかにして制御し動力とするのか。
 貴重な情報を得たアリスはにこにこと笑顔を浮かべながら、その加工の様子をしっかりと目と記憶に焼き付ける。彼女の浮遊大陸での一日はこうして過ぎていくのだった。
大成功 🔵🔵🔵

鏡島・嵐
いやいや、頑張ったのは勇士サン達だよ。おれはほんのちょっと手伝いしただけだからさ。
でも……そうだな、頑張りを認めてくれるっていうんだったら、ご褒美貰ってもバチは当たんねえかな?
(悪戯っぽく笑う)

っていうわけで、食えそうな部位の肉を分けてもらって、捌いて調理してもらう。
この世界はまだどういう料理とかあるんか知らねえし、良い機会だからご馳走してもらいてーな。
秘伝のレシピとかあるんなら腕奮って作ってくれりゃいいし、手が足りねえっていうんならおれも手伝うしさ。
あとは記念に骨とか牙の欠片をちょこっと貰うかな。

美味いのがいっぱいできたんなら、勇士サン達とも分け合って食うか。
単純だけど、こういうのイイよな。


「今回の狩りではあんた達の世話になりっぱなしだったな。本当にありがとうよ」
「いやいや、頑張ったのは勇士サン達だよ。おれはほんのちょっと手伝いしただけだからさ」
 無事にアークの狩猟に成功し、港まで帰り着けたことに感謝する勇士達に、嵐は照れくさそうにひらひらと手を振る。本人としては謙遜のつもりはなく、これは皆の覚悟と努力あってこその勝利だったと本心から思っているようだ。
「でも……そうだな、頑張りを認めてくれるっていうんだったら、ご褒美貰ってもバチは当たんねえかな?」
「おう! 好きなだけ持っていきな!」
 彼が悪戯っぽく笑うと、勇士達は空の男らしい豪快な笑みで応じる。討伐した魔獣から得られる素材は、勇士の正当な報酬である。それを得る権利はもちろん猟兵達にもある。

「この世界はまだどういう料理とかあるんか知らねえし、良い機会だからご馳走してもらいてーな」
 というわけで嵐はアークの亡骸から食べられそうな部位の肉を分けてもらって、捌いて調理してもらうことにした。その土地ごとの特色ある食事を振る舞ってもらうのは、旅の楽しみのひとつである。
「秘伝のレシピとかあるんなら腕奮って作ってくれりゃいいし、手が足りねえっていうんならおれも手伝うしさ」
「おう、分かったぜ。腕によりをかけてやるから、ちっと待ってな!」
 嵐自身、料理についてはそれなりに心得がある。勇士達が慣れた手付きで食材を捌き、下味をつけて煮たり焼いたりする様子を見ているだけでも勉強になる。ほどなくして港に美味しそうな匂いが漂いはじめ、辺りはちょっとした宴会のムードになっていた。

「ようし、出来たぞ! そら食え!」
「お、美味そうだな」
 完成したのはいかにも猟師飯といった感じの、肉や野菜をたっぷり詰め込んだ鍋料理。
 食欲をそそる匂いに誘われて、嵐は自分の食器と皿を取り出すと、勇士達と鍋を囲む。
「んじゃ、いただきます」
「「いただきます!」」
 よく煮汁のしみた肉を口に運ぶと、鶏に似たジューシーな味わいがいっぱいに広がる。素材の味を活かしたシンプルな調理だが、魔獣の肉にはそれがよく合っているようだ。

「単純だけど、こういうのイイよな」
「だよな!」
 同じ食卓を囲んだ勇士たちとわいわいと話をしながら飯を食い、嵐は楽しそうに笑う。
 一つの鍋から皆で分け合って飯を食う。これも連帯感を高める工夫なのかもしれない。日常を共に過ごすことで生まれる絆が、戦場での連携に繋がっているのだろう。
「そうだ、記念に骨とか牙の欠片をちょこっと貰っていいかな?」
「おう、もってけもってけ!」
 今日の狩りの記念として、嵐は手のひらに乗るサイズの小さな骨牙の素材を受け取る。
 武具などを作るには小さすぎるが、穴を開けて紐を通せばアクセサリにはなるだろう。記念品としてはピッタリだ。

「大将、おかわりだ!」
「なんだテメェらもう食ったのか。すまん兄さん、ちと手ぇ貸してくれるか!」
「ああ、いいさ。せっかくだしレシピも気になるしな」
 いつしか周りに人は増え、鍋の中身はすぐに空っぽに。だがまだまだ肉は残っている。
 嵐は朗らかに笑いながら席を立って、調理を担当する勇士の手伝いに向かうのだった。
大成功 🔵🔵🔵

ルナ・ステラ
この世界の方々は、オブリビオンを色々と利用するのですね。
さて、どうしましょうか?
この世界の人たちのことを色々と見るのも面白そうですが…

―倒した時のお話を聞かせてほしいですか?
わたしの拙い話でもよければお話ししますけど…
(勇士さんたちの頑張りもしっかりお話しできるといいかな?)

わたしが一方的に話すだけじゃなく、この世界の人たちの生活(衣食住や遊び、アルダワのように学園のようなものもあるのでしょうか?)のことも聞けると嬉しいかな?


「この世界の方々は、オブリビオンを色々と利用するのですね」
 世界を滅びへと導く怪物を、文明を支える礎とし、生きるための糧とする。ある意味で逞しいとも言えるブルーアルカディアの人々の営みを見て、ルナは興味深そうに呟いた。
(さて、どうしましょうか? この世界の人たちのことを色々と見るのも面白そうですが……)
 そんなことを考えながら港に佇んでいると、街の子供たちがとことこと近寄ってくる。
 その子らはキラキラと憧れと好奇心に満ちた瞳で、じっとルナ達や飛空艇を見ていた。

「勇士のおねえちゃん。あの魔獣をやっつけたのって、おねえちゃんたちなんでしょ?」
「どうやってやっつけたの? おしえておしえて!」
 この世界の子供たちにとって、浮遊大陸の外に飛び出して、果てしない空の上で冒険を繰り広げる「勇士」は憧れの存在らしい。歳が近いこともあってか、ルナの周りには興味津々の子供たちが集まってくる。
「――倒した時のお話を聞かせてほしいですか? わたしの拙い話でもよければお話ししますけど……」
「やったぁ!」
 無下に断ることもできず、ぽつりぽつりと戦いの模様を語りだすルナ。逃げ回るアークを追い詰めるまでの流れや、その後の激闘など、話のタネそのものは幾らでもあった。

(勇士さんたちの頑張りもしっかりお話しできるといいかな?)
 戦いの主軸を担ったのは猟兵だが、最初に大陸を救おうと立ち上がったのは勇士達だ。彼らの協力があってこそアークを倒す事ができたのだと、ルナはその点を強調して語る。
「そのとき、勇士さんたちの飛空艇の大砲がいっせいに火を噴いて……」
「わぁ、すっごい! 勇士さまかっこいい!」
「それでそれで? それからどうなったの?」
 拙くも一生懸命な彼女の話は好評な様子で、いつの間にか子供だけでなく大人も集まっている。これだけ熱心に聞き入ってもらえれば、話す方としても悪い気はしないだろう。

「よければ皆さんのことも聞かせてくれませんか?」
 ルナは自分が一方的に話すだけでなく、この世界の人たちの生活――衣食住や遊びなどのことも聞きたいと言う。武勇伝を聞かせてもらったお礼がそんなことで良いのならと、人々は喜んで自分たちのことを話しだした。
「おやすみの日は、みんなでスカイサイクルで空をおさんぽするんだ! たのしいよ!」
「アルダワのように学園のようなものもあるのでしょうか?」
「学校はあるよ! お勉強はやだけど、友達に会えるのはうれしい!」
 おそらく大陸ごとに差はあるのだろうが、この地の生活水準は総じて豊かで文化的で、人々はみな平和に暮らしているようだ。これが天使核のもたらす文明の恩恵なのだろう。

「ありがとうございます。たくさんお話を聞けて嬉しかったです」
「ううん、こちらこそ! またこの街に来たらお話を聞かせてね!」
 浮遊大陸の人々との穏やかな交流を経て、ルナはにこにこと笑顔で皆に感謝を伝える。
 実は話好きな一面もある彼女にとって、この日の語らいはとても充実したものだった。此の地の人々にとっても同じことだろう。彼らの明るい表情からもそれは明らかだった。
大成功 🔵🔵🔵

ルビィ・フォルティス
ここがあなたたちの故郷ですのね。
皆様喜んでますわね、わたくしもいずれは……
沈みゆく途中の故郷と重ね合わせ故郷を救う決意を新たにする

そのためにもまずは先立つものですわね。
こちらは買い取って頂けて?
魔獣の爪や翼部分の骨など、大きいものを換金し、小さな骨や装甲など、持ち運べるものは残しておく。
こちらは故郷に持ち帰りますの。素材に使うのであれば一度売るよりもいいですし、素材として不要になって売るにしてもお兄様ならどうにかしてくれますわ。

あとはこちらですわね。こちら持ち込みできるところはありまして?
アークの肉を持ちこみできる店があるか聞き、そちらに持ち込んでお任せで調理してもらう。
ふふ、楽しみですわね。


「ここがあなたたちの故郷ですのね」
 飛空艇の帰投した港から、ルビィは浮遊大陸の町並みを見渡す。アーク討伐の報せは既に大陸中に伝わっているらしく、周りには多くの人々が、伝説の魔獣とそれを倒した勇士の姿をひと目見ようと押しかけてきていた。
「皆様喜んでますわね、わたくしもいずれは……」
 その光景を沈みゆく途中の故郷と重ね合わせて、彼女は故郷を救う決意を新たにする。
 いつか必ず、故郷にもこのような民衆の歓喜に包まれる日を。滅びの未来をこの手で覆さんとする高潔なる意志が、小柄な少女の体に満ちていた。

「そのためにもまずは先立つものですわね。こちらは買い取って頂けて?」
 決意は重要だが、決意だけで理想は叶わない。港に戻った勇士がまずやる事と言えば、戦利品の換金である。ルビィは自分の取り分の中から魔獣の爪や翼部分の骨など、大きいものを換金し、小さな骨や装甲など、持ち運べるものは残しておく。
「こいつはいい素材だな。喜んで買い取らせてもらうぜ」
 全てに当てはまるわけではないが、強い魔獣ほど素材としての質も良い。今回は獲物が大きかったぶん剥ぎ取れる素材の量も豊富で、その買い取り額はいつも涼しい彼女の懐を温めるのに充分なものとなった。

「そっちの小さいやつは売らないのかい?」
「こちらは故郷に持ち帰りますの。素材に使うのであれば一度売るよりもいいですし、素材として不要になって売るにしてもお兄様ならどうにかしてくれますわ」
 この程度の大きさなら持ち運びも困らないだろうと、残した素材を袋に詰めるルビィ。
 天使核に限らず魔獣の素材の使い道は多い。故郷の民達もきっと喜んでくれるだろう。
 仕送りのついでに実家に顔を出してみるのもいい。今の彼女を客観的に見ると故郷を飛び出した家出娘なのだが、家族との――少なくとも兄との関係は悪くはないようだ。

「あとはこちらですわね。こちら持ち込みできるところはありまして?」
 素材の売却に続いてルビィが取り出したのは、ブロック型に切り出されたアークの肉。
 これだけの施設が整った街なら、魔獣を調理してくれる所もあるだろう。素材を買い取ってくれた商人に尋ねてみると、すぐにオススメの店までの地図を書いてくれた。
「それなら、ここに行きな」
「感謝しますわ」
 飛空艇のある港からエンジェルの翼で飛んで10分程の距離に、その料理店はあった。
 店内からは美味しそうな肉の匂いがただよってきており、戦いの後の空腹を刺激する。

「こちら、持ち込み可とうかがって来たのですけど。お任せで調理してもらえまして?」
「いらっしゃい……おお、こいつは上等なお肉ですね。すぐに作らせていただきます」
 厨房から出てきた料理人にアークの肉を渡し、空いている席に腰掛ける。魔獣の料理を食べるのは初めてでは無いものの、初めて訪れる地で食べる料理はわくわくするものだ。
「ふふ、楽しみですわね」
 口元に笑みを浮かべながら待つこと暫し。「お待たせしました」と運ばれてきた料理は香ばしいガーリックの香りがきいたステーキだった。見た目はチキンステーキに近いが、普通の鶏肉よりも肉厚でボリュームがある。彩りとして添えられた野菜も美味しそうだ。

「いただきますわ」
 ルビィは貴族らしい綺麗な所作でナイフとフォークを操り、切り分けたステーキを口に運ぶ。すると、これがあの手こずらせてくれたアークの肉なのかと思うほど、素晴らしい美味が舌の上に踊った。
「まあ、こんなに美味しくなるなんて」
 鶏肉よりジューシーな味わいだが、油っこくなくて食べやすい。料理人の腕がいいのもあるのだろう。期待以上のご馳走に巡りあった少女は、満足そうに舌鼓を打つのだった。



 こうして、猟兵は浮遊大陸での休息をそれぞれの形で過ごし、元の生活に戻っていく。
 強大な天使核をもたらしてくれた彼らの事を、此の地の人々は決して忘れないだろう。
 猟兵の活躍は勇士たちだけでなく、数え切れないほどの人々の未来を救ったのだから。
大成功 🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2021年08月12日
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵