2
猟・即・斬!~宇宙に灯る不知火~

#スペースシップワールド #猟書家の侵攻 #猟書家 #バトラー・サファイア #クリスタリアン #漿船

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#スペースシップワールド
🔒
#猟書家の侵攻
🔒
#猟書家
🔒
#バトラー・サファイア
🔒
#クリスタリアン
🔒
#漿船


0




●宇宙の海に灯りはともる
 スペースシップワールド。その名の通り無数の宇宙船が行きかう帰る星なき世界。
 宇宙に浮かぶとはいえ船は船。それには様々な種類がある。
 移動のための高速船、贅を尽くすためのリゾート船。そして。
「ついに見つけた……この光であのぐにゃぐにゃを……!」
 光で獲物を誘う、漁船。

●灯りに誘われたのは
「なお釣れたのは猟書家の模様で」
 唐突にシャイニー・デュール(シャイニングサムライ・f00386)がそう告げた。相変わらずズレたことを言う彼女にきちんと説明しろと猟兵が問いただすと、シャイニーは改めて説明を始める。
「クリスタリアンはスペースシップワールドでも特に古い種族。彼らが遥か昔移民船として使っていた漿船なるものがあります。今回一人のクリスタリアンが遺棄されていたそれを見つけ動かしたのですが、その船の中には太古の転送装置も残されており、それを伝って猟書家が来てしまうのでござる」
 来るのはバトラー・サファイア。クリスタリアン最長老プリンセス・エメラルドの配下であり、猟書家としても初期メンバーの古参である。
「船は長く打ち捨てられていたこともありボロボロ。そこに猟書家が乗り込んできたとあっては船は瞬く間に破壊されてしまうことでしょう。ですので皆様にはこの船を修理しつつバトラー・サファイアを待ち受け、撃退していただきたく」
 シャイニーはそう言って猟兵たちを見回す。猟兵たちが出撃の意思を固めたのを見ると、彼女は即座にグリモアを起動しだした。
「そもそも船が今にも壊れかけているので、あまり時間もありませぬ。皆様には早速船に向かっていただきたく。幸い乗っているクリスタリアンの方は猟兵と面識がありますので、あまり細かい説明は必要ござらぬ。とかく時間との勝負となりますので、お急ぎくだされ」
 そう言ってシャイニーは猟兵たちを件の漿船へと送り出した。
「なおクリスタリアンの方はかなり断片的な情報からこの船をイカ釣り漁船的なものだと思っております。手土産にイカ刺しなど持っていくと喜びますぞ!」
 そんなツッコミどころ満載の情報を出発前に言われても。その叫び諸共グリモアの光は猟兵を飲み込み宇宙の海へと送り出すのであった。


鳴声海矢
 こんにちは、鳴声海矢です。

『注意!』
 今回は特殊なシナリオとして、基本的にプレイングを各章ごく少数しか募集していません。
 明後日16時までに簡潔させるのを目的に、サポートフル活用、文字数最低限で執筆の予定です。
 プレイングを頂いてもリプレイは非常に短くなります。送る場合はご了承の上でお願いします。一応成功以上の通常プレイングが来た場合その分サポートは減らしてそちらを優先します。

 登場するクリスタリアンは拙作『部品は蘇る(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=33454)』に登場したクリスタリアンのスターライダー、アウラ・コスモコート(18歳、女性、青色の人工クリスタル肌)です。基本的に協力的かつ後方支援向きのキャラです。あと最近海鮮系グルメに目覚め気味。利用する際は参考にしてください。
 それでは、よろしくお願いします。
138




第1章 日常 『よりよい航行生活のために』

POW   :    肉体や気合いでどうにかする

SPD   :    速さや技量でどうにかする

WIZ   :    魔力や賢さでどうにかする

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
イカ刺し好きのクリスタリアンさんです?
少々心当たりが有る様な。

【豊饒現界】で[料理]を強化した上で、『アオリイカ』『ヤリイカ』『コウイカ』等、種類の異なるイカのお刺身を複数種ご用意して御土産にしますねぇ。
また『いかめし』等の『イカを使った他のお料理』や、保存のきく『さきいか』『スルメ』等もご用意しておきますぅ。

そして、予想通りの方でしたねぇ。
「お久しぶりです、お元気でしたでしょうかぁ?」
御土産をお渡しした上で、事情を説明して協力を要請しますぅ。

修理に際しては、同様に強化した[怪力]による力仕事を中心に、船内のチェックを兼ねてお手伝いしましょう。
何とかなると良いのですが。


神咲・七十
アドリブ・連携お任せ

菓子のイカっぽいのならありますがそれ以外は・・・
ひと先ずこの船を直していくのですね。


(UC『万花変生』を使用。船全体を樹木で巻き込むように、一度結合しては慣れなくなった居るところを高い粘着性のある樹液で固めて船体の形を綺麗に整えていく)

そもそも宇宙にイカとかいるのですか?
居るのなら是非食べてみたいのですが、どのような味なのでしょう?



 転送される直前グリモア猟兵が言った言葉に、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は少なからず心当たりがあった。
「イカ刺し好きのクリスタリアンさんです? 少々心当たりが有る様な」
 そもそも基本的に生鮮食品と縁遠いスペースシップワールドである。そこでそんなものが好きという存在は恐らくそう多くはあるまい。その予想に従い、様々な種類のイカを用意してここへやってきたるこる。
 そしてその予想は正しく的中する。
「お久しぶりです、お元気でしたでしょうかぁ?」
 ボロボロの漿船にいたそのクリスタリアン、アウラ・コスモコートは、突如現れたるこるを水晶の目を丸く見開いて出迎えた。
「え……え、えー!?」
 見知った顔とはいえここで出会えるとは思っていなかったのだろう、すっかり語彙を失くして声を上げる彼女の前に、るこるは『アオリイカ』『ヤリイカ』『コウイカ』等、種類の異なるイカの刺身を手土産として差し出す。
「え、あ、くれるんですか? ありがとうございます!」
 そして躊躇なくそれを受け取るアウラ。懐に入ると遠慮がなくなるタイプなのかもしれない。そして同じく船内に転移してきた神咲・七十(まだ迷子中の狂食者・f21248)は、その様子を見て自分の所持品を確認する。
「菓子のイカっぽいのならありますがそれ以外は……」
 彼女の方はアウラと面識があるわけでもなく、さすがに生ものを持ち歩いているわけでもない。だがアウラの方は全く躊躇なく手を差し出す。
「あ、お構いなく。生じゃないものも食べられますので」
 顔見知りが隣にいるからか初対面の相手にもこの態度。だが七十とてそれを気にするようなやわな精神はしていない。
 これはこれでこのまま打ち解けていきそうな空気にもなっているが、生憎今はそんな悠長なことをしている場合ではない。
 るこるは端的に、この船に転送装置があり、それを使って依然戦った敵の同類……あるいは本家とも言える相手が船内に攻めてくること、そうなればボロボロのこの船はひとたまりもなく壊れてしまうことを告げる。
「そういうわけでひと先ずこの船を直していくのですね」
 敵の進入はもう避けられない。ならばまずはこの船を最低限の戦闘に耐えられるよう応急修理する必要があるのだと、七十はこれからの段取りを確認するように後を継いでいった。
「宇宙船作るのも大概だけど人の宇宙船に乗り込んでくるのもひどい話で……凄い相手と戦ってるんですね」
 その話をアウラは疑うことなく信じ、二人に船の修理を任せた。
 そして話が早いと早速二人は船体の修理を開始する。とりあえずは砕けないよう結合が緩んでいる所を締め直すのが先決と、まずはるこるが緩みや歪みに手をかけ、そこを怪力を発揮して強引に閉じていく。
「ふぬぬぬ……!」
 豊満な体が筋肉も加味されて盛り上がり、見た目に違わぬ力で次々閉じられていく船の傷やゆがみ。だが力尽くで閉じたとして一度開いた傷は放っておけばまたすぐ開いてしまう。
「今日はそういう日で、今はそういう気分」
 そしてそこは七十の出番だ。【万花変生】で生じた植物たちは閉じた日々を締め付け開かぬようにし、さらにはそこを粘性の高い樹液で塗り固めることでより強く接着していく。
 さらに蔦は船外にも伸ばし、取れかけた不要な装甲は剥がし汚れも覆い、その代わり綺麗に緑で飾ることで外観さえも整えていく。
「すご……あっという間……」
 そのあまりの手際のよい修理にアウラも呆然。何も手伝うこともできず、ただ【豊乳女神の加護・豊饒現界】でるこるの作ったいかめしやさきイカなどのイカ料理を食べるばかりであった。
「そもそも宇宙にイカとかいるのですか? 居るのなら是非食べてみたいのですが、どのような味なのでしょう?」
 その姿に起こる七十の素朴な疑問。それに対しアウラは平然と答える。
「いや私も知らないんですけど、文献を調べるに船に光を灯す漁の方法はあったらしいので、これは自分で探しに行くしかないと。そして見つけたのがこの船で!」
 まあイカというか触手型の生物は宇宙にも多種いるが、まさかこの方法でそれらを取っていたわけではあるまい。その無謀なる探求心にさすがの七十もちょっと引き気味に言葉を切り、そのまま船体の修理を優先していく。
「何とかなると良いのですが」
 イカが取れるかは分からないが、望まれざる大物がかかってしまうのはもはや避けようもない事。一通りの修理が終わった瞬間船が大きく揺れ、外道が水揚げされたことを知らせるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『バトラー・サファイア』

POW   :    ナイブスストーム
【サファイアでできた無数の暗器】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    アカンプリッシュメント・オブ・アサシン
レベル分の1秒で【麻酔針】を発射できる。
WIZ   :    サファイア・フラッシュ
【サファイアの肌】から【蒼く眩い閃光】を放ち、【目を眩ませること】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:白菜ポンズ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠エリル・メアリアルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

水心子・静柄(サポート)
本差の姉に劣等感を持っていてい、表面上は邪険にしているが姉妹仲は良い方、所謂ツンデレ。考え方は知的、でも面倒になってくると脳筋的な解決法に傾く。勘が鋭いが如何にも知的に導いたように振舞う。知的にユーベルコードを使いこなす。脳筋ぽいけど実は知的。武器は鞘に入ったままの脇差(本体)。高圧的、威圧的な話し方だが、本人は至って普通に話しているつもり。

基本は本差を召喚して無双したがるが欠点があるが、相手によっては居合の構えをとって後の先で対応する。面倒な時は知的に考えつつグラウンドクラッシャーでデストロイ。



「さて、ここが古の漿船……随分ボロボロですね。その割にやたらと照明ばかりは多い……」
 漿船内部にあった転送装置を使い船内に現れたのは、青い体を執事服に包んだ猟書家バトラー・サファイア。その彼女を、まずは一人の猟兵が出迎えた。
「やはりここから乗り込んできたわね」
 水心子・静柄(剣の舞姫・f05492)は一本の刀を携え、まさに相手が網にかかった魚だとばかりに堂々と宣言する。
「漿船の構造を理解しているとは……中々できる方の様で」
「当然よ。私は理系猟兵……略して、リケリョだもの!」
 クリスタリアン伝統技術の塊である漿船、そして転送装置の場所を当てた静柄の慧眼に感心するバトラー・サファイアと、当然のこととそれに返す静柄。なお実際は直感で見つけ出しただけなのだが、あくまで知的ムーブは崩さない。
 ともあれ敵は見つかったのだ、ここからは戦闘の時間。バトラー・サファイアは早々に自身の周りにサファイアのナイフを浮かせ、それを静柄にけしかける。
「その慧眼でこの動き、見切れますか?」
 無数のナイフが一つ一つバラバラに動き、静柄を狙う。多方面からの一斉攻撃はいかに名刀とは言え一本の刀で返すのは難しい。一つを落としても他の刃は容赦なく己を切り刻むだろうと言うのは見るからにわかること。後の先を取ろうにも敵の攻撃範囲は広すぎる。
 考えてもどうにもならないこの状況で静柄が出した答えは。
「せやあああああ!!」
 【グラウンドクラッシャー】の一撃で地形諸共全破壊。知的に考えつつの問答無用デストロイがバトラー・サファイアをまずは一度地に伏させるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

神咲・七十
アドリブ・連携お任せ

ほむ、そういえばあの猟書家、光るのでイカ漁にはうってつけかもしれませんね。
私も、欲しいですし頑張ってみましょうかね。

(UC『万花変生』を使用。船全体に張り巡らせた樹木たちの特性を一部変えて操り)

そういえば光るのでそれの対策もしないといけませんね

(目を覆い、植物達の光を感じとる性質を利用して猟書家を捕まえるよう操って体内から生命力を奪っていき)

さて、やっぱり有用ですね・・・
・・・食べてもいいですよね?

(隷属させる力を樹木に込めて、隷属してもいいよね?を自分にしか理解できないくらい言葉で聞いて隷属しようとして)



 乗り込んで早々手荒い歓迎を受けたバトラー・サファイア。だが息を整える間もなく次の猟兵が彼女に攻めかかる。
「ほむ、そういえばあの猟書家、光るのでイカ漁にはうってつけかもしれませんね。私も、欲しいですし頑張ってみましょうかね」
「え、あの人光るんですか?」
 猟書家の中でも古参であるバトラー・サファイアは、その手の内も広く知られている。神咲・七十(まだ迷子中の狂食者・f21248)のその言葉に、イカ好きクリスタリアンアウラも目を輝かせた。
「あなたもあのぐにゃぐにゃを取りに来たのですか?」
「違います! これが今の若いクリスタリアンの姿ですか、全く嘆かわしい……」
 最長老の執事にある種相応しい台詞を言いながらも、その体のうちに光のエネルギーを溜めていくバトラー・サファイア。だが、敵が何をしてくるか分かっているということは先手を打つ時間は十全にあるということ。
「今日はそういう日で、今はそういう気分」
 補修の為に船全体を覆っていた【万花変生】の植物たち。それが一斉に伸び、光を放つバトラー・サファイアを戒めた。
「そういえば光るのでそれの対策もしないといけませんね」
 そのままバトラー・サファイアの光を糧に成長して戒めを強め、さらにはその生命力そのものさえ奪っていく植物たち。
 その植物に埋もれたバトラー・サファイアに近づき、そっと囁きかける七十。
「さて、やっぱり有用ですね……食べてもいいですよね?」
 食べるのは釣れたイカ……などではもちろんない。命を吸われ続けるバトラー・サファイアに顔をさらに近づけ、アウラには聞こえないごく小さな声で彼女に囁き続ける。
「隷属してもいいよね?」
 命を啜り、心を隷属に侵す植物で戒めたバトラー・サファイアに延々囁き続ける七十。プリンセス・エメラルドに絶対の忠誠を持つ彼女はもちろん首を縦に振るはずもないが、それなら気が変わるまでと相手が動かなくなるまで延々とその耳元で七十は誘いを囁き続けるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
SPD

会いたかったわ、バトラー・サファイア。
エメラルドお姉様の為にも貴女を救済するわ

守護霊の【ドーピング】の効力と【気合い】を
『永遠の愛』で高め、心身ともに超強化!
【化術】で姿を変えながら戦う

ミズ・ルチレイテッドの如く
【第六感・見切り】で麻酔針を受け止め
チーフメイド・アレキサンドライトの如く技を【盗み】
【怪力・早業】を上乗せして投げ返す【学習力・カウンター】

ドクトル・アメジストの如く
【念動力・ハッキング・マヒ攻撃】で動きを止め
エメラルド色の【属性攻撃】で
相手の服だけを消滅させ【慰め・生命力吸収】

貴女達を離れ離れにはさせない。
銀河帝国の夢が叶わずとも
私達の楽園で永遠の幸福を約束するわ



 バトラー・サファイアの戦いはなおも続く。次に彼女の前に現れたのはドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)。
「会いたかったわ、バトラー・サファイア。エメラルドお姉様の為にも貴女を救済するわ」
 多くの猟書家と戦ってきた彼女だが、意外なことに初期組であるバトラー・サファイアとの交戦経験はない。その彼女の口上は、しかしバトラー・サファイアにとっては聞き流せるものではなかった。
「どなたかは知りませんが、我がプリンセスの名を軽々しく口にしないでいただきたい」
 明確に敵意を向けてくるバトラー・サファイアを、ドゥルールは己の持つ守護霊の中からこれはを選りすぐった者を身に宿して待ち構える。そのドゥルールに、バトラー・サファイアはごく僅かな動きだけで麻酔針を放ち無力化を図った。
「今、私に宿る全ての魂の鼓動が一つになっている」
 その麻酔針を、振動さえ感知したかの如き動きでつかみ取るドゥルール。
 ユーベルコードである針をいとも簡単に見切られ、あまつ掴まれたことに驚くバトラー・サファイアに、素早くその針が投げ返される。その動きはバトラー・サファイア本人の如く……もとい本人をコピーしたかの如く、無駄なく微細な動きであった。
 その正確なコピー技術と、一瞬色が変わったように見えたドゥルールの腕に動揺したかバトラー・サファイアの回避は一瞬遅れ、針をその身に受け動きを鈍らせる彼女。
 そのままドゥルールは動けない彼女と目を合わせ、その精神を仮想世界に落とし込むかの如く浸蝕、エメラルド色の破壊属性を彼女に浴びせかけその着衣を破壊しその体から生命力を吸い上げ始めた。
「この力……!」
 そこまで受けてバトラー・サファイアは理解する。ドゥルールが用いた力は彼女の同僚たるミズ・ルチレイテッドにチーフメイド・アレキサンドライト、同種であるドクトル・アメジスト、そして敬愛する主であるプリンセス・エメラルドのもの。それら全てと戦い、吸収した力をドゥルールは身に宿し、バトラー・サファイアへとぶつけたのだ。
「貴女達を離れ離れにはさせない。銀河帝国の夢が叶わずとも私達の楽園で永遠の幸福を約束するわ」
 その命を受け各世界に散ったプリンセス・エメラルド配下たち。それらを集め最後のピースを埋める直の如く、ドゥルールはバトラー・サファイアの力と魂を己の中に吸収していくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
ご登場ですねぇ。
始めましょう。

『猟書家』相手ですから『艦への被害』も或る程度出るでしょう。
相手の[範囲攻撃]からの退避も兼ね、アウラさんには交戦後すぐ修理に入れる様、別室からモニタリング願いますぅ。

『FMS』のバリアで自身の全周囲を覆い対峙、彼女の『暗器』に合わせて【誅剪】を発動し[カウンター]を仕掛けますねぇ。
これで『攻撃』全てを切捨てた上で『攻撃者』も[切断]しますから、数の多い『暗器』による攻撃相手であれば相応数の反撃が入りますし、余波等はバリアで防げますぅ。
後は『FBS』で回避場所を封鎖、同様の切断効果を付与した『FRS』『FSS』の[砲撃]で追い詰めますねぇ。



 乗り込んですぐに迎え撃たれ、あっという間に窮地に追い込まれたバトラー・サファイア。
「ご登場ですねぇ。始めましょう」
 その彼女にとどめを刺すべく、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)がその前に立った。
「仕方ありません。元より壊れかけの船。多少惜しくはありますが諸共に沈んでいただきましょう」
 船諸共敵を鎮めようと、広範囲の攻撃を放とうとするバトラー・サファイア。だが船そのものまで巻き込んだ攻撃に備え、退避と修理の為にアウラは既にモニター室へと退避させてある。
「大いなる豊饒の女神、あなたの使徒に『神剣の加護』をお与え下さいませ」
 そうして安全を確保した上で、るこるは【豊乳女神の加護・誅剪】を発動。そしてそれに合わせるように、バトラー・サファイアはナイフをはじめとする無数の暗器をるこるに向けて投げ放った。
「……?」
 だがその暗器はるこるに届くことなく全てが切り捨てられる。それだけでなく暗器を放ったバトラー・サファイア自身の手にも、細かい切り傷が刻まれていた。
 【豊乳女神の加護・誅剪】の効果は自身に攻撃してきた者を自動で切り刻むもの。相手が攻撃してくれば勝手に自滅するという、相手に何もさせないというるこるのスタイルを強く体現したその技の性質を、バトラー・サファイアは自らの傷から察する。
「……それならば宣言通り、この船を壊させてもらいましょう」
 相手が攻撃を受け付けないならフィールドそのものを破壊する。その意図の元彼女はるこるを無視し、周囲に向けて暗器を滅多打ちにし始めた。避けないのだから力を好き放題込められるその攻撃は、補修されたとはいえ元々ボロボロだった船を瞬く間に壊していく。
「では、その前にあなたを壊させてもらいますぅ」
 そうして自分から意識の逸れた相手を、るこるの浮遊兵装たちが強襲した。ユーベルコードのもう一つの効果で切断属性に変えられたその攻撃が、あっという間にバトラー・サファイアを切り刻んでいく。
「そんな……まさか……!?」
 与しやすいボロ船だったはず。そんな乗り込んできた最初の感想を覆され、バトラー・サファイアは骸の海へと返されて行った。
「敵の反応消えました、もう大丈夫です!」
 艦内通信越しにアウラが敵の消滅を告げる。だがそれと同時に、彼女の目の前のモニターはこの船の損傷が遠距離航行に耐えられないレベルに達していることも表示していた。それはつまり猟兵が事前に補修していなければ、バトラー・サファイアの最後の目論見通り戦闘の余波で大破していたということだ。
「仕方ありません。一旦近くのターミナル艦へ避難します。皆さんにはお礼の言葉もありませんが、いずれ必ずあのぐにゃぐにゃを取ってきますので!」
 今回断念はするがまだこの船でのイカ漁は諦めていないらしい。果たして宇宙にイカが存在するのか、いたとしてこの船で本当に取れるのか。その答えはまだ星海の奥に沈んだままである。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年07月23日


挿絵イラスト