3
【サポート優先】VulcanRacer: the VR

#ヒーローズアース #戦後

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ヒーローズアース
🔒
#戦後


0




 これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。

●グリモアベース
「付き合ってくれて感謝するぜ。オブリビオンのヤマじゃねェんだが、あんたらに頼みがあんだよ」
 グリモアベースに集まった猟兵達に、グリモア猟兵の少女、カグラ・ルーラー(f21754)が切り出した。

「去年の話になるが、ヒーローズアースの『アースクライシス2019』で取り逃がした『鋼神ウルカヌス』をあんたらのおかげでボコり切れたよな。その時にカーレースをやるサーキットにウルカヌスが仕掛けたヤマがあったんだ。このヤマを『イェーガームービー社』が仮想現実ゲームとかいう形で後世に伝える話になって、ゲームに出演してくれる猟兵を募るんだとよ。
 世界を救った次は世界を守る新たなヒーローを育てるヤマってわけだな。ちなみにイェーガームービー社は『マルチバース構想』に基づいて、実際にヤマを闘った猟兵かどうかは問わねェそうだ」
 カグラは学生用の鞄からA4サイズの資料の束を取り出し、猟兵達に一部ずつ手渡しながら続ける。

「仮想現実ゲーム……略してVRだかの形式を取ったのは、プレイヤーに猟兵っつうスーパーヒーローを体験してもらうこと、そしてプレイヤーの年齢層を10代未満とした情操教育教材としての活用も睨んだ結果らしい。資料にある通り、ヴィランのレースクイーンとかウルカヌスはかなりデフォルメされてるだろ。これをカートゥーン・アニメ形式っつうらしいな」
 カグラは説明用に用意した付箋付きの資料を捲る。

「ゲームのシナリオは当時のヤマを踏まえ、まずウルカヌスの『ヴァルカン・レーシング』がレースに乱入してくる。プレイヤーは猟兵となって、他の猟兵……つまりあんた達と協力して、観客の避難誘導とかレースクイーンの改心説得とかチームのマシン『フージンくん』とレースとか説得とかして『イェーガーオーブ』っつう青い球体を一定数集めるらしい。そのためのNPC……ノン・プレイヤー・キャラクターとして、プレイヤーにヒーロー的行動を促す演技が求められてるな。ただ、全面的にカートゥーン時空なんでそこそこの無茶もギャグで押し通せるから、ある程度は好きに暴れていいらしい」
 カグラは付箋を頼りに、更に資料を捲る。

「『イェーガーオーブ』が集まればウルカヌスがサーキットに到着だ。ウルカヌスは全長18メートルのロボットに乗り込んで攻めてくるらしく、VRを活かしたゲーム最大の山場になる。とは言えカートゥーン時空なんで、あんたらと手を組んでの何でもアリなハチャメチャバトルで撃破して、あんたらのプレイヤーへの感謝と共にエンディングってわけだ」
 カグラは資料を丸めて握り、反対側の掌をポンと打った。

「撮影の舞台になるのは、当時の事件現場だった『イェーガー・サーキット2020』だ。カーレースがオフシーズンの期間だから、借り切って徹底的にリアルなカートゥーン時空VRを創るつもりらしい。つうわけでユーベルコードは自前で頼む。人なんて大して居ねェはずだが、安全には配慮してくれよ」
 カグラは丸めた資料にグリモアを宿して空間に横線を描く。
「準備出来た奴から現場入ってくれ。レディ……アクション、ってな」
 カグラが丸めた資料で掌を打つと、グリモアの線は広がり、テレポートのゲートと化した。


鷹橋高希
 ミント・キャラメル(2020年6月30日)
 ゆっくりやりましょお☆ ところで、この【鋼神共撃】も、「イェーガームービー社」の映画シナリオの元ネタにしていいんですよねぇ? 勿論わたしのシナリオですし、ウルカヌス出せないですけどぉ。
( https://tw6.jp/club/thread?thread_id=21222&mode=last50 )
 一年半越しの回収となります。

 本シナリオは私の運営シナリオ「【鋼神共撃】go further」の正当続編ですが、サポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。
 2022年1月の満月までの完結のために、前作プレイング参加者であっても不採用となる可能性をご理解・ご了承お願い致します。

 第1章は当時の事件の第1章と第2章をまとめてカートゥーン時空VRとして解決するシーンの撮影です。

 第2章は鋼神ウルカヌス戦……の体ですが、ウルカヌスはオブリビオンとなって蘇った全長18メートルの正義のスーパーロボットに乗り込んでいます。無論ウルカヌス自身は倒せず、ロボットを破棄し撤退します。カートゥーン時空VRなので。

 また、本シナリオの難易度は「やや易」となります。

 リプレイ執筆に割く時間は金~日曜日となる可能性が高く、月曜日朝のプレイング不受理から逆算して木曜日の8:31~32:30にサポートをお呼びする可能性が高いですが、あくまで私にとって最適なだけなので、サポートは私が書けそうな時にお呼びします。
27




第1章 冒険 『カートゥーン・チェイス』

POW   :    ヴィランをペラペラにする勢いでおもいっきり攻撃!

SPD   :    アニメのようにぬるぬる動く素早さで翻弄したり、コミカルなトラップを仕掛ける!

WIZ   :    やられかたもギャグ補正!全力の魔法で攻撃!

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

徳川・家光(サポート)
 冒険においては、基本的に「羅刹大伽藍」による力仕事か、名馬「火産霊丸」を召喚し、騎乗技能を駆使した早駆けを利用したスピード勝負を得意としています。
 また、冒険では「鎚曇斬剣」をよく使います。頑丈で折れにくいので、鉈や斧、岩盤に打ち込むくさびの代わりに重宝しています。
 他には「念動力」技能で離れた場所の物体を動かして驚かせたり、ロープを浮遊させて対岸にくくりつけたりできます。

 嫁が何百人もいるので色仕掛けには反応しません。また、エンパイアの偉い人には会いません(話がややこしくなるので)。
普段の一人称は「僕」、真剣な時は「余」です。
あとはおまかせ。よろしくです!



●Scene: Vs. 神鋼の鎧バイク・フージンくん
 サーキットのアスファルトを、炎を纏った白馬が駆け抜ける。白馬の名は「火産霊丸」。その背に騎乗する徳川・家光(江戸幕府将軍・f04430)のユーベルコードだ。
「くっ……! さすがに速いっ……!」
 家光が振り返った先にはロードレース用のオートバイ。そして一頭と一台にレンズを向けているカメラマンを乗せた四輪車。一頭と一台はカメラの中でVRゲーム用のカートゥーンCGに置き換わり、片や火の玉ショーグン猟兵、片や「神鋼の鎧」を纏ったスーパーバイク「フージンくん」と化しているのだ。
「ここで引き離しましょう! 『神鋼の鎧』の隙間をユーベルコードで狙って下さい!」
 家光がレンズ――猟兵であるVRゲームのプレイヤーに向けて呼び掛け、プレイヤーにユーベルコードで撃ち抜かれたフージンくんが横転する……というシナリオに基づき、オートバイはアクセルを緩めて減速し、一頭と四輪車の併走から離脱した。程なく家光はチェッカーフラッグを受け、併走を終えたカメラに近付く。
「あなたのおかげでフージンくんとのレースに勝てました。ありがとうございます」
 握手を求めて手を差し出すと、プレイヤーが握り返したであろう間を置いてカチンコが鳴る。
「はい、OKでーす!」

成功 🔵​🔵​🔴​

蔵場・瞳子(サポート)
基本的には人間の各種身体機能を強化して戦います。

不老不死の魔女である事を自覚しているので、誰かのために傷つくことを厭いません。

単純な正義感、それに従って正義として振る舞うことは「趣味」であって、そんな遊んでいる自分より、日々を真面目に生きる普通の人達は偉いと思ってます。
得意分野は耐えれば解決すること、第六感に委ねれば解ること、殴ったら死ぬ敵等ですが、難しいと思ったら万能技の「マジカル★人助け」を使って過去と現在の自分を抹消しようとします。(死ねるわけではありません)
別に誰かに覚えていてほしいわけではないし、助かった人は幸せに暮らしててくれと淡く祈って満足しています。



●Scene: ピットウォークの防衛劇
 蔵場・瞳子(歩きはじめた正義の味方・f32844)はサーキットのピットレーン上で、複数のスクラップ車両の前に立っていた。これらはサーキットには縁の無いファミリーカーのスクラップだが、瞳子に向けられたカメラ――VRゲーム内では、逃げ惑う人々を轢いて紙のようにペラペラにするカートゥーンなヴィランのスーパーカーとして映るものだ。つまり、この場で執行すべき瞳子の正義は迫るスーパーカーから人々を守ること。
「オラぁ!」
 その手段――ユーベルコードは「マジカル★ぶん殴り」、魔力で強化した鉄拳でヴィランのスーパーカーを殴り飛ばすだけだ。発した掛け声の声色が示すように少女然とした細腕と小さな握り拳だが、スクラップはVR化を待たずして殴り飛ばされサーキットを転がる。スクラップを一通り殴り飛ばした瞳子はカメラのレンズ――猟兵であるVRゲームのプレイヤーの目を見ながら口を開いた。
「次のが来るぜ! 力を合わせて何としても守り抜くんだ!」
 それだけを伝え、瞳子は次の襲撃に備えてカメラに背を向け――カチンコが二つ鳴った。
「はいOK! スクラップはもう回収しちゃって!」
「私も手伝うぜ。自分で散らかしたからな」
「えっ、いや、演者をお願いしただけなのでそこまでは」
「私がやりたいからやるだけさ」

成功 🔵​🔵​🔴​

土御門・泰花(サポート)
※アドリブ・連携・苦戦描写・UC詠唱変更・その他歓迎

「あらあら……。ふふ、ご安心を。お手伝い致します」

一人称:私
口調:基本的に敬語。柔和な印象を与える口ぶり。
表情:基本的に柔和な笑みを湛え、義憤もその下に隠す。
性格:普段はおっとりだが「陰陽師の家系の当主」という自覚があり、凛々しくみせる時も。

【軽業】【早業】にて【地形の利用】もしながら先行し、【第六感】や【聞き耳】で【情報収集】した結果を他の仲間たちへ伝えます。
暗ければ【暗視】も活用。

何か困っていたり負傷したりしている猟兵には、状況次第で【義侠心】から優しく元気を与える他、必要に応じて【医術】を。

UCは状況に合わせてどれでも使用。
後はお任せ。



●Scene: ピットウォークの救出劇
 サーキットでのピットウォークに、コースからレーシングカーが突っ込んだ。多くの人々が轢かれ、身体が「紙のようにペラペラになっている」。カートゥーンな表現のおかげで一命を取り留めた人々――を演じる役者の卵達がアスファルトに横たわる中、彼らの負傷を癒す演技をするのは土御門・泰花(風待月に芽吹いた菫は夜長月に咲く・f10833)。
「皆様、今癒しますね!」
 泰花の手から霊符――ユーベルコード「治癒符」が舞い、人々に貼り付いていく。人々はVRゲーム中のシーンでは車に轢かれてペラペラだが、現実ではその演技をする程度には健康体で、癒えるのは日常生活の疲れ程度だ。しかし猟兵のユーベルコードを体感し、演技には見せないものの胸の内では感動していた。
 一方で術者の泰花は、ごくわずかだが治癒の代償の疲労を感じていた。VRゲーム中ではペラペラの人々を救うため、猟兵であるゲームのプレイヤーに協力を求めるシナリオだ。泰花は意を決した演技と共に、カメラのレンズを見つめる。
「私一人の力では彼らを助けるのは間に合いません……お願いします、力を貸して下さい!」
 言葉と共にカメラに向けて手が伸び――。
「――カット! OKです!」
 カチンコの拍子木が二つ鳴って、張り詰めた空気が綻んだ。
「後はこちらでのCG合成となるので撮影は終了です。お疲れ様でした! 演技、素晴らしかったです!」
「あらあら……。ふふ、お褒めにあずかり光栄です」
 撮影スタッフとの談笑もそこそこに、猟兵――ヒーローズアースの救世主――の泰花は共演した役者の卵達と即席ファンイベントでサインや握手を交わすこととなる。

成功 🔵​🔵​🔴​

禍沼・黒絵(サポート)
『クロエと遊んでくれる?』
 人間の人形遣い×ビーストマスター、13歳の女の子です。
 普段の口調は「無感情(自分の愛称、アナタ、ね、よ、なの、かしら?)」、独り言は「ちょっと病んでる(自分の愛称、アナタ、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

一人称はクロエ、人からクロエと呼ばれると喜ぶ。
ちょっと暗い感じの無表情なキャラ
武器は装備している物を自由に使って構いません。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●Scene: レースクイーン撃退
 サーキットを逃げ惑う人々をも暴徒に変えようとユーベルコードで煽動しているのは、ヴィランである「ヴァルカン・レーシング」のレースクイーン達。カートゥーンなデフォルメにより頭身は縮んでいるが、プロポーションを強調するハイレッグカットのレオタードを纏いピンヒールを履いた彼女達はサーキットの華だ。
「お姉さん、クロエと遊んで?」
 そこに一輪の違う華が咲いた。身体のラインを出すレースクイーンとは真逆の、黒で統一されたゴスロリドレスに身を包むのは禍沼・黒絵(災禍の輩・f19241)。黒絵の周囲には紅蓮の炎を纏ったナイフ――ユーベルコード「呪われた紅蓮の刃」が何本も浮かんでいた。
 炎を纏ったナイフは黒絵の意のままに飛び回り、レースクイーンの髪を燃やす。一瞬にして逃げ惑う側となったレースクイーン達を黒絵のナイフが確実に焼いていき、黒絵に髪だけを焼かれたレースクイーン達は揃ってカートゥーンなボンバーヘッドと化していた。
「キャー!」
「イヤー!」
「もうレースクイーンなんてこりごりよー!」
 チリチリな髪の毛で散り散りに逃げていくレースクイーン達。
「――カット! OK!」
 カチンコが鳴らされ、VRゲームのシーン撮影が終わる。現実ではレースクイーンを模したマネキンのカツラが焦げていた。

「良かったよクロエちゃん。今の感じで、もうワンシーン行こうか。オーブが溜まってウルカヌス襲来のシーン」
「……ん。いいよ」
 こくん、と頷いた黒絵に再度カメラのレンズが向く。
「5秒前! 4、3……アクション!」

●Scene: 鋼神ウルカヌス襲来・黒絵
 サーキットのオブリビオンを撃退し、人々の避難を終えた黒絵達猟兵に、スピーカーから警察かヒーローかの声が響く。
「猟兵よ聞こえるか! このサーキットに向かって鋼神ウルカヌスが迫っている! 気を付けるんだ!」
 カメラ――VRゲームのプレイヤーは傍にいる黒絵を見つめる。黒絵は黒いクマのぬいぐるみを胸に抱いてレンズを見つめ返した。

「ウルカヌスを倒したら、クロエと遊んでくれる?」

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『鋼鉄巨人ゴーワンダー』

POW   :    剛腕ロケットパンチ
単純で重い【ロケットパンチ】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    ワンダービーム
【額の三日月からビーム】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    ワンダーロケットモード
全身を【ワンダーエナジーのオーバーレイ】で覆い、自身の【これまでに受けたダメージ】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。

イラスト:V-7

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠エルシー・ナインです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●【鋼鉄巨人】go-wander
 サーキットの大型モニターに砂嵐が吹き荒れ、その次の瞬間には神の威厳と敵意を宿し猟兵達を睨みつける顔が映った。猟兵達にはその顔に見覚えがあった――鋼神ウルカヌスだ。

「猟兵よ、貴様らは何をしようとしているのか解っているのか。この世界で最初に『鉱物』と『生命の礎』を手にしたのは私だ。その私を、鉱物から造り出した生命にも似た機構を競わせる地で猟ろうとしているのだ。そのような不遜なる生命は焼き尽くし、造り直さねばならぬ。原初の鋼と炎の神の名の下にな!」

 ウルカヌスを映すカメラがズームアウトしていくと、両肩の百獣の王の意匠、黒と金の二色からなる重厚な鋼の鎧、燃え上がる炎のような真紅のマントと全身が露わになっていき、同時にカートゥーンなデフォルメにより頭身が縮んでいることが判る。そして、ウルカヌスは計器で埋め尽くされたテーブルから伸びている、頭頂部が球状に膨らんだ二本の――簡素な、あるいはレトロな――操縦桿を握り締めていた。

「覚悟するがいい! この私が鋼鉄巨人ゴーワンダーで貴様らを相手してやろう! 全長18メートルの巨体に――刮目せよ!」

「――以上がウルカヌス襲来時の演出ムービーです。VR空間内でもあのモニターで再生されます。その後、皆様にはゴーワンダーとの戦闘シーンを演じていただきます」
 監督が手を向けた先のサーキットには、大掛かりなセットが設営されていた。ロケットパンチ、ビーム攻撃、ワンダーエナジーオーバーレイモードといったゴーワンダーのユーベルコードをVR空間内で再現するためだ。
「あれらを用いて、劣勢か拮抗状態にある闘いにプレイヤーが手を貸すことでゴーワンダーにダメージを与えていく、という演技をお願い致します。もちろん、提案は何なりとどうぞ。面白さは全てに優先されるべきです。面白いものが創れるなら協力は惜しみません」

 かつて「世界の滅亡」をひっくり返した猟兵達は、「未来」を育む「英雄」のために、この世界の「過去」だった存在との決戦――の撮影に臨む。
櫟・陽里(サポート)
『操縦が上手いは最高の誉め言葉!』

乗り物が活躍できる場と
レースとサーキットが得意分野
どんな乗り物も乗りこなしてみせる

走りこそが俺の武器!
乗り物と操縦者の総合力で戦う
サイバーアイで路面、相手の動きなど幅広い情報収集
集中力・傭兵の経験・判断速度で攻め所を見極める

シールド展開バイクで体当たり吹き飛ばし
走り回って撹乱・誘導
仲間を運ぶ足になるのも好き
バイクは機動力のある盾にもなる
壊れたらほら、直すついでに新パーツ試せるし!

明るく話しやすい先輩タイプ
補助仕事もドンと来い
乗り物が無い戦場では手数が少ない
普通の拳銃射撃や誘導、挑発など小技を利かせるしかなくテヘペロしてる

過去は過去に還すべき、その辺割と無慈悲



●Scene: タンデムアタック
「競わせる地、つまりサーキットは俺達人類が20世紀初頭に漸く造ったんだぜ? こんな重要な物も造らなかった『周回遅れ』の何が神様だよ。なぁ?」
 櫟・陽里(スターライダー ヒカリ・f05640)は無二の相棒たるバイク・ライをタンデムする猟兵に問い掛ける。その猟兵は簡易的に外付けされたビデオカメラ。レンズの視界はVRゲームでのプレイヤーの視界であり、サーキットも陽里もカートゥーン調にデフォルメされてゲームに登場するのだ。
 陽里の言う神様――鋼神ウルカヌスはオブリビオンと化したスーパーロボット・ゴーワンダーに乗り込んでおり、額の三日月からビームを放って――現実ではサーチライトが――陽里を狙うが、サイバーアイの情報と経験に裏打ちされたハンドル捌きがサーキットに白煙を立てながら駆け抜けてゆく。
「真後ろ取ったら突っ込む! 後頭部にぶち込む準備頼むぜ!」
 鈍重な巨大ロボットの背面になる角度で、陽里はライを縁石に突っ込ませた。縁石のごく僅かな傾斜で全開にしたスロットルとユーベルコード「ゴッドスピードライド」は、甲高いエンジン音と共に車体をゴーワンダーの頭部――地上18メートル目掛けて跳ね上げる。ライから展開されたビームシールドがゴーワンダーの装甲に見せ掛けるためのボードを打ち砕き、サーキットの反対側に着地した陽里はそのままコースの先にあるヘアピンカーブをクリアした。
「どうだ! 何、操縦が上手い? 最高の誉め言葉ありがとな!」
 ゴーワンダーの隙を窺うシーンの名目で、陽里は続けてサーキットを攻め始めた。

成功 🔵​🔵​🔴​

エウトティア・ナトゥア(サポート)
※アドリブ・連携歓迎

負け描写、引き立て役OK

キャラを一言で言えば、なんちゃって部族じゃよ。
精霊と祖霊を信仰する部族の巫女をしておる。
自然が好きなお転婆娘じゃ。
あとお肉が大好きじゃよ

活発で単純な性格で事の善悪にはあまり興味はないのう。
自分とその周囲の安寧の為、オブリビオンが害になるから戦っておる。

専ら【巨狼マニトゥ】に騎乗していて、移動や回避・近接戦闘等は狼任せじゃよ。

ボス戦時は、動物や精霊を召喚しての行動(実は未熟ゆえ精霊や動物たちにフォローされている)で数で対抗しつつ、自身は後方で弓矢や術で援護するスタイルじゃ。



●Scene: サーキットの巨狼と少女
「乗るが良い!」
 エウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)は、サーキットに立つカメラマンを風の精霊の力で宙を舞わせ、自らも跨がる巨大な白狼――巨狼マニトゥの背中に降ろした。浮く身体、三日月ビームを放つ巨大ロボット、巨狼とその主である猟兵の少女――レンズが捉えた映像は、カートゥーンデフォルメされてVRゲームのプレイヤーである猟兵の視界になるのだ。
「このまま奴の背中を取って仕掛けるぞ!」
 アスファルトという科学文明の大地が広がるサーキットをマニトゥが駆け、巨大ロボット・ゴーワンダーを模したパネルに向けてエウトティアが短弓で矢を矧ぐと、鏃の緑オニキスが輝いて弓矢が風の精霊を纏った。
「風よ、我が敵を射抜くのじゃ!」
 エウトティアが矢を放つと、鏃が緑色の残光を描いてゴーワンダーを射抜いた。少女の細腕と短弓では為し得ぬレーザー光線のような一撃はユーベルコード「風の精霊は射抜く」、風の精霊の導きによる一矢だ。
 エウトティアは次々と矢を放ち、無数の光線がゴーワンダーに突き刺さる。マニトゥの背に乗るカメラマンの視界は緑色の残光に包まれていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

島津・有紗(サポート)
絡み・アドリブ歓迎

戦闘前にイグニッションカードから装備を展開して装着します。
味方と連携しつつ索敵しながら行動し、相手との距離に合わせてなぎなた、強弓、ガンナイフを使い分けて戦います。
UCは状況に合わせた物を選択して使用します。



●Scene: イグニッション・ミコ
「猟兵というスーパーヒーロー……でしたらこのような『変身』はいかがでしょうか。――起動(イグニッション)!」
 島津・有紗(人間のシャーマン・f04210)は一枚のカードを掲げる。すると、カードは一瞬で大きな強弓となって手に収まり、有紗自身の姿も白と紅の巫女装束に変わっていた。有紗が学生時代を過ごした学び舎――銀誓館学園の能力者用技術・イグニッションカードによる戦闘体勢だ。
「図に乗りおって……! ワンダーエナジーの藻屑としてくれる!」
 鋼神ウルカヌスの叫びと共に巨大ロボット・ゴーワンダーがワンダーエナジーに包まれ飛翔し、紅いリボンで結わえられた有紗のポニーテールが靡く――という光景が撮影されている。カートゥーンデフォルメされても解り易い有紗の巫女姿はVRゲーム向きなのだ。
「逃がさないわ!」
 イグニッションカードに封じていた能力を解放した有紗はいとも簡単に強弓を矧いで上空へ破魔矢を射た。破魔矢は空中で千本近くに増え、「アローレイン」――有紗のユーベルコードの名の通りに雨となってゴーワンダーのワンダーエナジーを削り取り、ついに本体に降り注いで巨大ロボットをサーキット上に縫い止めた。
「私の力であのロボットを抑えます! 今のうちに攻撃を!」
 有紗がカメラの視界の持ち主であるVRゲームのプレイヤーに振り返って、紅いリボンとポニーテールが躍ったところでカチンコが打ち鳴らされた。

成功 🔵​🔵​🔴​

被検体番号・四六九三(サポート)
 おいらはシロクマ!
ここに悪いやつがいるって聞いてやってきた!
とりあえず全部潰せば良いんでしょ?

おいら難しい事とかほーりつ?とかはわからんから全部倒すぞ!
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●Scene: モコモコシロクマ
 サーキットに突っ伏した巨大ロボット・ゴーワンダー。しかし、乗り込んだ鋼神ウルカヌスは奥の手を隠していた。
「甘いぞ猟兵!」
 ウルカヌスの声と共にゴーワンダーの手首が火を噴き、射出された。いわゆるロケットパンチだ。
「わかりやすくていいな! とりあえず止めれば良いんでしょ?」
 VRゲームのプレイヤー視点になるカメラマンの前に立ちはだかるのはシロクマ――被検体番号・四六九三(やべータイプの白き森の蛮族・f36037)。シロクマとしか形容しようのない白い体毛がモコモコと膨れ上がってカメラの視界を真っ白に埋め尽くす。
 VRゲーム内でカートゥーンデフォルメされることになる最早元々シロクマだったのかも判らないほどのモコモコの毛の塊にロケットパンチが食い込んで、モコーンと沈んでいった。
「これがおいらのユーベルコード『モコモコしろくま城』だ! こいつは全てを優しく包み込むんだぜ!」
「何だと!? どれだけモコモコなのだ貴様!」
 驚愕したウルカヌスはもう片方のロケットパンチを放つが、それもまたモコーンと沈んでいく。
「これで両手を捕まえた! 今のうちに潰してやれ! おいらの分も一緒に頼むぜ!」
 プレイヤー視点代わりのカメラマンが四六九三の前に駆け出し始めた。四六九三は直径十数メートルはあろうかというモコモコと化しており、全長18メートルのゴーワンダーと遜色ない視覚体験となるだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

ギャレット・ディマージオ(サポート)
●設定等
ダークセイヴァー出身の冷静沈着な黒騎士です。
オブリビオンに滅ぼされた都市で自分だけが生き残った過去を悔い、人々を守ることを重視して行動します。

●戦闘において
「及ばずながら、手助けさせて貰おう」
「貴様の相手は、この私だ!」
「なんと強力なユーベルコードだ……! (解説) 直撃すれば一たまりも無いぞ!」

・牽制攻撃
・敵の攻撃から他の猟兵や一般人を守る
・敵の攻撃を回避してカウンター
・ついでに敵の強さを解説する
など、防御的・補助的な行動を得意とします。

メイン武器は「黒剣」です。

他は全てお任せします。
別の猟兵との交流や連携等も自由に行ってください。
どうぞよろしくお願いします。



●Scene: 神鋼の鎧モード
「斯くなる上はこれだ! ゴーワンダー・神鋼の鎧モード!」
 カートゥーンデフォルメされた鋼神ウルカヌスの映像が大型モニターに映し出され、立ち上がるゴーワンダーに神鋼の鎧が纏われる。
「神鋼の鎧……物理・魔法・精神攻撃に相当な強度を有するものだったな。手強い姿だ」
 ギャレット・ディマージオ(人間の黒騎士・f02429)は、当時の事件を思い出して呟いた。
「行くぞ猟兵! 神鋼の籠手ロケットパンチ!」
 神鋼に包まれたゴーワンダーの手が握り込まれ、ロケット噴射によってギャレットに迫る。
「だが――」
 ギャレットは黒剣を抜く。
「そのような得物で斬れるものか!」
「――我が黒剣の姿もまた、一つではない」
 ギャレットの振るった黒剣――ユーベルコード「黒刃鞭」はその名の通り鞭のように撓りロケットパンチに絡み付く。その瞬間、無敵とも称された神鋼は粉々に砕け散った。
「何っ!?」
「飛ばすために切り離された手首ロケットの部分に加え、拳を握り込むための指の関節。それだけ隙間があれば、容易いものだ」

成功 🔵​🔵​🔴​

バジル・サラザール(サポート)
『毒を盛って毒で制す、なんてね』
『大丈夫!?』
『あまり無理はしないでね』

年齢 32歳 女 7月25日生まれ
外見 167.6cm 青い瞳 緑髪 普通の肌
特徴 手足が長い 長髪 面倒見がいい 爬虫類が好き 胸が小さい
口調 女性的 私、相手の名前+ちゃん、ね、よ、なの、かしら?

下半身が蛇とのキマイラな闇医者×UDCエージェント
いわゆるラミア
バジリスク型UDCを宿しているらしい
表の顔は薬剤師、本人曰く薬剤師が本業
その割には大抵変な薬を作っている
毒の扱いに長け、毒を扱う戦闘を得意とする
医術の心得で簡単な治療も可能
マッドサイエンティストだが、怪我した人をほおっておけない一面も

アドリブ、連携歓迎



●Scene: 決着・バジル
「まだだ! 神鋼ロケットパンチはもう片方あるぞ!」
 神鋼の籠手を纏ったロケットパンチはバジル・サラザール(猛毒系女史・f01544)に向かった。
「もう片方あっても隙間を狙えばいいのよね?」
 バジルは白衣の懐から注射器――ユーベルコード「ハイパーデトックス」をロケットパンチへと投擲する。極細の注射針は神鋼の隙間に突き刺さり、注射桿が独りでに動いて薬剤を注入するとロケットパンチは神鋼の籠手ごと縮んで、やがて消滅した。
「ぐっ……! だが、このゴーワンダーを包む神鋼の鎧は砕けまい! 可動部を動かさずともビームやワンダーエナジーが撃てるのだ、私の勝ちだ!」
 ゴーワンダーに乗り込んでいる鋼神ウルカヌスは勝ち誇って高笑いする。どうも神鋼の鎧モード辺りからポンコツ気味だが、カートゥーンデフォルメされたVRゲーム内のウルカヌスなのでこんなものなのだろう。
「これはお薬が必要そうね……『甲の薬は乙の毒、生かすも殺すも薬師次第、なんてね』」
 バジルは再び注射器を放ち、極細の注射針はまたも鎧の隙間を射抜いて薬剤が注入されていく。しかし、今度は神鋼の鎧に影響は見られない。
「どうした、効いておらぬぞ! やはり私の勝ちだな猟兵!」
「効いてくるわよ。そろそろ……ね」
「ぐわぁぁぁぁ! 何だこの不快なエナジーは!」
「これがゴーワンダーの本来の力、正義のワンダーエナジーよ」
 ウルカヌスの乗り込んだ鋼鉄巨人ゴーワンダーは対巨大生物用に開発された正義のスーパーロボット。本来持ちうるワンダーエナジーは正義の属性を帯びている。正義のエナジーが薬としてゴーワンダーの全身を巡れば、オブリビオンと化したウルカヌスには毒として作用するのだ。
「ええい、緊急脱出……も神鋼の鎧で開かないのか! とにかく降りるしかない!」

 息も絶え絶えにゴーワンダーから降りたウルカヌスだが、そこにはバジル達とVRゲームのプレイヤーである猟兵が待ち受けていた。
「さあ、あなたの正義のユーベルコードで決着を!」

成功 🔵​🔵​🔴​


●エンディング
「覚えていろ猟兵ー!」
 正義のユーベルコードが鋼神ウルカヌスを空の彼方に撃ち飛ばした。
「あの重たい大将をあんなに飛ばすのかよ! こんなの俺が敵うわけねえ! ここは最速で逃げさせてもらうぜ!」
 スーパーバイク「フージンくん」はウルカヌスの飛んでいった方向に走り去った。

「君のおかげで世界を守ることができた。ありがとう」
 猟兵達は次々に感謝を述べる。ウルカヌスを倒したVRゲームのプレイヤーへと。

●イェーガー・サーキット2020
 2022年のシーズン開幕戦。イェーガームービー社のブースではVRゲーム「VulcanRacer: the VR」の体験会が催された。かつてこのサーキットで起きた事件をコミカルに追体験できるこのゲームは種族老若男女を問わず受け、最先端のゲーム体験と猟兵というスーパーヒーローの可能性、そしてオブリビオンに屈さぬ正義の心の育みに寄与するものとなるだろう。

最終結果:成功

完成日:2022年01月18日


挿絵イラスト