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ドルム・ガンドラの興亡〜咆哮の兆し〜

#ブルーアルカディア #ドルム・ガンドラ帝国

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#ブルーアルカディア
#ドルム・ガンドラ帝国


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●希望の旅路は
「左舷側から敵の増援が来た! 援護を頼む!」
「癒し手がくたばった! もうこっちにも余裕がねぇ!」
「畜生が……最新鋭の装備じゃなかったのかよ!」
 飛空艇内は、剣戟と悲鳴、怒号に満ちていた。
 次々と押し寄せる黒い鎧を纏った騎士たちを相手に、一人、また一人と勇士たちが倒れていく。
「ダメだ……! 離脱できない! あのドラゴン野郎が張り付いてる……!」
 活路はなし。退路もなし。必死に戦う彼らの心に絶望が這い寄る。
 飛空艇と併走するように飛行するドラゴンが、再びその身体を飛空艇に激突させた。その衝撃と揺れに勇士たちの体勢が崩れると、その隙に騎士たちが彼らに致命的な攻撃を加える。
『……愚か者どもめ』
 殺されゆく者達を見つつ、そのドラゴンが低く呟く。
『我ら……ドルム・ガンドラの兵に。貴様らごときが敵うものか』

●古き国の名
 グリモアベースにて。眠たげな目をした少女、ラピス・プレオネクシアは、周辺の猟兵たちを呼び集めた。
「どうもー。お仕事の依頼だー……今回はー、ブルーアルカディア……での仕事だよー……」
 彼女が何らかの機械のスイッチを押すと、空中にいくつかの映像が浮かび上がる。
 それは飛空艇発着場の映像だ。エンジニアらしき人物数名の案内に従い、武器や防具を身に着けた勇士たちが乗り込んでいく。
「この日は『リスキー&ラック社』の新開発飛空艇のお披露目でねー……約80名の人間を運ぶことができてー、設備が豪華とかなんとか……実際に使う人間の意見を聞くための、試験飛行の予定だったらしいー……」
 ところが、平和なはずの試験飛行に突如災厄が振りかかる。
 付近に現れた謎のガレオンドラゴンが、その背に何十体もの配下を乗せて飛空艇を襲撃するのだ。
 勇士たちも船内の迎撃用設備と共にそれに応戦するが、ドラゴンとその配下の波状攻撃により敗北。やがて全滅してしまうのだという。

「と、いうわけでー……君らには、この勇士たちの救出を頼むー……」
 船内には、いざという時の迎撃用に簡単な機構の機銃と大砲が備わっている。その他にも回復用のポーションや簡素な武器なども積載されているようだ。
 また敵が強力というだけで、勇士たちとて決して弱くはない。彼らと連携し、また設備をうなく活用することが迎撃の要となるだろう。
「船内広いからー、自分たちだけで対処しようとするとめんどいかもねー……それじゃ、よろしくー……」
 ラピスは眠たそうにグリモアを展開し、猟兵たちを現場に転送した。


玄野久三郎
 玄野久三郎です。オープニングをご覧いただきありがとうございます。
 今回のシナリオでは、空中での防衛戦と迎撃戦に挑んでいただきます。

 第一章では、飛空艇に乗り込んでくる「ドルム・ガンドラ帝国の兵」を、勇士たちと協力して殲滅していただきます。
 勇士に指示を出したり、勇士を支援したりするといいかもしれません。
 また船内には迎撃用の設備があります。オープニングで書かれた大砲や機銃の他にもあるものは大体ありますので、プレイングで指定いただければ出現します。

 第二章では、ガレオンドラゴンとの直接戦闘となります。内容は断章の投稿をお待ち下さい。

 第三章では皆さんで楽しく食事が行われます。こちらも断章の投稿をお待ちくださいませ。

 プレイングの受け付けに関しましては、断章やタグなどで随時お知らせいたします。
 それでは、皆様の熱いプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『天空の防衛戦』

POW   :    戦闘能力を活かし、最も攻勢が激しいところを護る

SPD   :    機動力を活かし、防衛力が手薄となっているところを護る

WIZ   :    戦場を確認し、即座に戦術を組み立てて通達する

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●空の戦い
「……では皆様、お待たせいたしました! お一人ずつ飛空艇にご乗船ください!」
 リスキー&ラック社の職員がそうアナウンスすると、賑わいとともに勇士らが飛空艇に乗り込む。
 その中に猟兵たちが混じっても、それを指摘するものはいない。この世界では、空を目指す者ならば誰でも歓迎されるのだ。
 飛空艇はゆっくりと発着場から離れ、空へと持ち上がっていく。
 しかし、快適な空の旅はそう長くは続かなかった。
『オオオオオォォォ――!』
 飛空艇の外から巨大な龍の咆哮が響き渡り、間もなく船内を強い衝撃と揺れが襲う。
 ドラゴンが飛空艇に激突してきたのだ。それと同時に、十名程度の黒い鎧を纏う騎士たちが雪崩れ込む。
「な、何だこいつら!?」
「あのドラゴンは……!?」
 瞬く間に混乱が波及する。このままでは、彼らは全滅という予知をなぞるだけだ。
 だが今、ここには猟兵がいる。すべてを活用し、オブリビオンを迎撃せよ――!

※プレイングの受付は、【7/22(木)8:31~7/25(日)20:00】とさせて頂きます。
 〆切時点で章の達成数に届いていなかった場合、改めて期間を延長いたします。
アルジャン・ボワレゼル
アドリブ連携歓迎

「折角のお披露目を邪魔するなんて無粋な奴らだぜ」
俺が考えるに、敵は迎撃設備を狙ってくるんじゃねえかな。
大砲とかがなきゃ落とすのやりやすくなりそうだし。
っつーわけで攻勢の激しくなりそうなその辺りを護りに向かうか。
風の魔力をエクライリゼ(ルーンソード)の刃に纏わせて攻撃力を強化。
船の勇士に助太刀するぜ!
船は揺れるかもしれないが俺の自慢の鹿の脚がありゃ
あんまりバランスを崩さずに戦えるはずだ([足場習熟])
近付く敵は片っ端から[切断]させてもらう。
「この船は絶対に落とさせねえ!」


エルヴィン・シュミット
【POW判定】
気持ちいい空の旅を邪魔するとは無粋な連中だな。
ここは一つ思いっきり叩きのめしてやるか!

俺もパラディンらしい所の一つは見せてやるかね!
周りの勇士達に向かって呼びかける!
『やる気のある奴が居るなら付いてこい!あの小賢しい雑魚どもを叩き潰してやろうじゃねえか!』

俺は敵兵に向かって突撃し、勢いのまま【ALUETTE】の【重量攻撃】【鎧砕き】で殴り飛ばす!
どんなに分厚い鎧だろうとコイツの前には無意味だ!

『恐れるな!ここに俺が居る限り負けることなどありえない!』



●無粋なる者に裁きを
 アルジャン・ボワレゼル(面影と翔ぶ大角・f34125)は、人間の体に鹿角と鹿の脚を持つ召喚獣、「クリプトペリュトン」である。
 主の影に潜む獣として生を受け、主と共に死ぬはずが、何の因果か肉体を得てここにいる。
 エルヴィン・シュミット(竜の聖騎士・f25530)はA&Wからやって来たドラゴニアンである。
 力を求めて世界を渡り、アルダワ魔法学園に所属し、また猟兵として幾多の冒険を経てここにいる。
 生まれ育った場所も、辿った経路もまるで違うその二人が同時に思った。
 「無粋な奴らだ」と。
 誰の領地でもない真っ新な空。その旅路を阻む者たちには、灸を据えなければならない。

「くっ、こいつら……強いぞ!」
 剣を持った勇士の男が一人、黒い鎧の騎士と斬り合う。
 野蛮な闖入者かと思えば、この騎士たちは予想以上に鍛えられている。
 元より、オブリビオンと只の人間では分の悪い戦いだ。勇士は辛うじて、騎士を蹴り飛ばし距離を取る。
「どいてろ!」
 そこにエルヴィンが割って入り、愛剣ALUETTEを騎士の鎧に乱暴に叩き付けた。騎士がよろけ、呻く。
 ――西洋剣とは、剣として敵を断つものでありながら、同時に鈍器としての性質も併せ持つ。
 合戦の際、ちょうど目の前の騎士が身に着けるような厚い鎧を貫いて攻撃を通せるように進化したのだ。
 即ち、ALUETTEの攻撃は鎧越しにも響く。エルヴィンの膂力がそこに加われば、鎧はもはや無意味となるのだ。
「おぉっ、兄ちゃんやるじゃねぇか!」
「やる気のある奴が居るなら付いてこい! あの小賢しい雑魚どもを叩き潰してやろうじゃねえか!」
「おおおぉぉ!!」
 そう彼が呼びかければ、勇士たちにも気合が入る。鬨の声と共に我先にと武器を手に取り、騎士たちとの戦いが始まった。
 
「……船の武装を解除せよ」
 騎士の一人が片手を挙げて他の仲間に指示を出した。それに従い、一部のオブリビオンが乱戦から離脱を試みる。
「そうはさせるかよ!」
 しかし、先頭の騎士が倒れる。主の剣、エクライリゼを携えたアルジャンがそれを阻んだのだ。
「邪魔だ。……やれ」
 彼と相対する騎士の一人が手を広げると、突如、飛空艇の外からけたたましい龍の咆哮が聞こえてきた。その騒音に、アルジャンは思わず耳を塞ぐ。
「な、なんだ!?」
 アルジャンが外を見ると、飛空艇と併走飛行していた龍が離れていくのが見えた。諦めたのかと一瞬考えたが、どうやら違う。
 龍は再び高速で飛空艇に迫ってきた。その勢いは止まらず、そのまま巨体が激突する!
「うおっ、何だぁ!?」
「ぎゃあぁっ!」
 激しい揺れに体勢を崩された勇士たちがあちこちで悲鳴を上げる。これは騎士たちにとっての好機だった。

「行け、大砲を押さえ――」
「おぉっと、そうはいかねぇな」
 殆どの勇士が体勢を崩す中、アルジャンは未だその場に留まっていた。
 クリプトペリュトンが持つ鹿の足と大鷲の翼。人には備わっていないそれが彼の身体を支えていたのだ。
 風の魔力を宿したエクライリゼが騎士の一人を鎧ごと切断する。
「この船は絶対に落とさせねえ!」
 そう彼が決意を叫べば、倒れていた勇士たちも起き上がる。
「恐れるな! ここに俺が居る限り、負けることなどありえない!」
 エルヴィンが騎士の一人を両断してそう言えば、勇士たちの魂に火が宿る。
 そうだ。俺たちは勇士だ。自分達よりも一回りも二回りも若い男たちにばかり、いい格好をさせていられるか。
「兄ちゃんらに続け! 敵はまだまだ来るぞ!」
 斧を手にした筋骨隆々の男が、彼らに負けじと騎士を薙ぎ払う。
 魔導書を手にした青年が、騎士を凍てつかせる。
 その乱戦は、エルヴィンとアルジャンを中心として、勇士側の有利に傾いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

黒緋・焔
ここがブルーアルカディアか…何処までも青い空が広がっとるのう。
そして小煩い奴らがやってきたのう。
仕方なし、奴らを手厚くもてなしてやるかの。

ワシは肉体労働は苦手じゃ、後ろに陣取らせて貰うかの。
前に出るのが苦手な者は好きな兵器を使って応戦してくれい。
言わんでもええと思うが、前に出るもんを撃ったりせんようにな。

さて、ワシも本気で行くかの。
『喚ばれて来たれ、勇敢なる戦士よ…!サモニング・ガイスト!』
戦士の霊と共に守りを固めるぞ。
近寄る敵は神術の玉杖の衝撃波で追い払ってくれよう。


オリヴィア・ストラスマリス
『他猟兵との連携歓迎』

「ご依頼、感謝します。ここからは私たちの出番ですね」

UC発動。ドローンを用いて敵の様相を伺いながら、
情報の収集とコミュニケーターでの伝達に努めます。

要諦としてはまずは味方の戦力分散を避けること、
次に敵戦力を非戦闘手段も用いて事前に削っておくこと。
……艦にあるロープや木材で簡単な罠、足止めを作れれば良いのですが。

侵入してきた敵兵には少なくとも2倍からなる戦力で立ち向かう、
敵勢力が侵攻してくる方向に向かって機銃・大砲を向けておき、
乗り込んでくる敵目掛けて放つことを伝えます。

ドローンも活用して、機銃の射撃ポイントや砲弾の着弾地点の測距も
出来ればやりましょうか。


鳴上・冬季
「この世界の飛空艇なら1km超えがあるかと思ったのですが…残念です」
UDCの艦船は全長500mを越えないので期待していた

「ここで火行は延焼しかねませんが、金行同士の勝敗はただの物量差なので業腹です。が、仕方ありません。…出でよ、黄巾力士金行軍!」
何体もの黄巾力士を手足を縮めた四つん這いにならせ横にも縦にも重ね通路塞ぐ遮蔽用として築陣
重ねた黄巾力士は各自オーラ防御させつつその砲頭で制圧射撃や鎧攻撃させ勇士を庇わせる遮蔽にも使用

「全ての通路を黄巾力士で塞ぐのは不可能ですが、主要設備に至る何ヵ所かに黄巾力士の防壁を作ることは可能です。他の場所にも築陣してきます」
同様に3箇所ほど通路に築陣し敵侵攻防ぐ



●戦いの姿
 一部の猟兵は自らが前に出て勇敢に戦い、勇士たちを鼓舞する。
 その一方で、黒緋・焔(コソドロ妖狐・f33963)やオリヴィア・ストラスマリス(銀綾・f33253)、鳴上・冬季(野狐上がりの妖仙・f32734)
は前線に向かうことなく、後方にて待機していた。
「せっかくの空の旅。こんな血なまぐさいことじゃなく、のんびりと空でも眺めていたかったがのう」
「そうですね……私もこの世界の飛空艇なら1km超えがあるかと思ったのですが……残念です」
「まぁまぁ。敵を倒し切ればゆっくりする時間もあるでしょうから」
 どことなく気の進まなそうな焔と冬季をオリヴィアがたしなめる。
 彼女は合計10台のドローンを射出すると、それを飛空艇内部に巡回させた。それらから得られる情報がリアルタイムにオリヴィアの脳内にインプットされ、一瞬で機内の地図が組み上がる。
「出ました。こちらが機内のマップになります」
 オリヴィアが手を翳すと、平面のホログラム地図が空中に浮かびあがり、焔と冬季の眼前に飛来する。
「……ふむ」
「ほう……」
 それを見ると、二人は猟兵としての眼差しでそれを確認する。そしてそれぞれに、行動を開始した。

 しばらく後。再びガレオンドラゴンが飛空艇に接近し、それに搭載されていた騎士たちが乗り込んでくる。
「進め」
 隊列を乱すことなく侵攻する騎士たち。……その前に、金色の壁が立ちはだかった。
「なんだこれは……?」
 それはよく見れば滑らかな壁ではない。幾つかのゴーレムかロボットのようなものが積み重なったバリケードだ。
「塞ぎなさい。黄巾力士金行軍」
 その正体は、「黄巾力士」。冬季の操る古代の機械だ。
 騎士らはそれを突破しようと攻撃するが、強固なオーラに守られたそれは彼らの剣を通さない。
「単なる物量差で勝つというのは面白くはありませんが……仕方ありません」
 黄巾力士が目の前の力士たちに砲塔を向け、弾丸を射出した。
「ぐっ……小癪な真似を!」

「左舷側にて敵の進入を確認しました。冬季さんの黄巾力士による足止めが機能中です」
「ふむ。では、ワシもそろそろ本気を出すとするかの」
 どっこいしょ、と焔は杖を頼りに立ち上がる。輝石をはめ込まれた小さな杖だ。
 彼女はそれを構えると、魔力を解放する。
「喚ばれて来たれ、勇敢なる戦士よ……!」
 その魔力は杖を流れ、そして放たれ、黄巾力士の壁を通り抜けて騎士たちへと迫る。
「サモニング・ガイスト!」
 そして現れたのは戦士たちの霊。黄巾力士の壁に釘付けの兵士たちの背後を取り、それぞれが手にした槍で彼らを貫いていく。
「ぐは……!」
「奇襲! 背後だ! 奴らを消せ!」
 しかし、現れた戦士たちの霊に騎士たちが全員で対処することはできなかった。それは黄巾力士から背を向けることとなるからだ。挟み撃ちの形となったことで、騎士たちは戦力の二分を強いられる。
「……ふむ。残った戦力を即座に二分できるのですね。相応の訓練を積んでいるようです」
 冬季は壁の裏側でそう敵戦力を考察した。
 しかし、訓練された相手であろうと、完全に決まった挟み撃ち。そして戦力不足では、こちら側の勝利は時間の問題だ。
「さて、あとは……」

『策を講じたか……猟兵が現れたな』
 飛空艇外部。左舷側を飛行していたガレオンドラゴンは、上部を通って右舷側に移動していた。
『だが、兵はまだある。防護を固めたところで無意味よ』
 ドラゴンは再度右舷側から接舷し、騎士たちを乗り込ませる。飛び移った彼らが進軍する。
「……! こちらも封鎖されている!」
 しかし、右舷側通路にもすでに黄巾力士の壁が築かれていた。砲塔が彼らに向く。
「全ての通路を塞ぐことはできませんが……マップを元に、敵が来るであろう地点を塞いでおくことは容易い。既にほとんどの外部通路は塞いでいます」
「サモニング・ガイスト! 戦士たちよ、進め!」
 そこに焔の魔法が加われば、左舷側の勝利が再び繰り返される。さらに、そこに照準器を備えたドローンが飛来した。

「焔さん。この大砲の操作をお願いします」
「よかろう! ワシの霊に任せておけい!」
 召喚された戦士のうち一体が、備え付けられた大砲に砲弾を装填する。備わった能力で火縄に火を灯し、オリヴィアのドローンに従って砲身を回転させる。
「撃て――!」
 轟音と共に、砲弾が火薬に弾き出される。
 砲弾はドローンの計算に従って空を走り、外部を飛ぶガレオンドラゴンの横腹に命中。爆発を起こす!
『グオオオオォォ――!』
 ガレオンドラゴンは咆哮を上げながら雲へと沈んでいく。
「やりましたか?」
「……いえ。アレで死ぬような相手ではないでしょう」
 とはいえ、しばらく上がっては来るまい。少なくとも、左舷と右舷の騎士たちが全滅するまでは。

 前線で華々しく戦うだけが戦いの姿ではない。
 内部で動かずに戦うこの三人もまた、十分な戦力としてこの飛空艇を支えていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シャルロット・クリスティア
敵は一隻、船上には多数の敵……。
こちらへの上陸は許したものの、まだ向こうには戦力多数……。
OKです、状況は把握しました。

まずは敵の増援を阻むのが第一。
大砲があるなら、活用させてもらいましょう。
あの巨体です、『当てる』だけならそこまで苦労はない。
手の空いているものは砲座、弾運び役もお願いします。狙いはつけなくて結構。とにかくどこかに当てて衝撃で接近を阻めばいい。

それと、戦える勇士の方は、砲手の直掩に。
積極的迎撃は他の猟兵の方が攻撃力はあるでしょう(たぶん)、無理に攻めなくていいので、守ってあげてください。

攻勢が緩むまで耐え凌げば、勝機は十分……。
乗り切りますよ!



●狙撃手は獲物を選ばない
 シャルロット・クリスティア(弾痕・f00330)は敵戦力を分析する。いつもそうしてきたのと同じように。
 敵は一隻のガレオンドラゴン。その上には屍人帝国の兵が満載され、こちらの飛空艇に乗り移ってくる。既にこちらの船には多数の兵士が侵入しており、各地点で戦闘が始まっている。
(ならば……優先すべきは、増援の阻止)
 現在も勇士と猟兵が協力して船内で戦っているならば、船内の敵の撃破は彼らに任せるのが最善だ。
 シャルロットが猟兵として、そして狙撃手としてできることは、前線で戦うこと以外にもある。

 彼女は飛空艇の側面に備えられた大砲の場所まで素早く移動し、砲身を確認した。
「このタイプの大砲ならば……いけますね。すみません、そこの方!」
「は、はいぃ!?」
 シャルロットは近くにいたオロオロした様子の少女に声をかけた。どうやら魔法使いの勇士の一人のようだ。
「あなたは直接戦闘は得意ですか?」
「い、いえぇ……わたしの魔法は範囲が広いので、船内だと……」
「わかりました。それならそれで問題ありません。すみませんが、砲弾を逐一こっちに運んできてもらえますか? それと――」

 適材適所。戦場において役に立たない人手はない。シャルロットは彼女を見送りつつ、大砲に砲弾を装填した。
 普段彼女が扱うような銃とは違う。火縄が火薬に達するときが発砲の時で、引き金と呼べるものもない。
 だがそれでも、弾を撃ち出すものに違いはない。シャルロットは砲身を雲に紛れるガレオンドラゴンに向ける。
「撃ちます!」
 火薬が爆ぜ、砲弾が吹き飛ぶ。それはガレオンドラゴンの翼に命中して爆発した。龍の咆哮が遠く響く。
「よし。思った通り、単に『当てる』だけなら問題はない……」
 急所や頭部の狙撃はこの大砲では難しいが、あの巨体ならば弾丸を当てるところまでは簡単だ。
 ならば、こうして大砲を撃ちドラゴンを遠ざけ続ければ、増援は阻まれる。耐え凌ぎ続ければ勝機は見える――!

「も、持ってきましたぁ! 砲弾です!」
「ありがとうございます。砲弾はそこに――」
「――狙撃者を発見。排除する」
 シャルロットの元に船内から騎士が現れ、剣を抜く。彼女も咄嗟に近くに置いていた銃を手に取るが、有効射程とは言い難い。
(まずい)
「させるかよォ!」
 そんな彼女の窮地を救ったのは斧を持った勇士の男だった。振りかぶった斧が騎士を弾き飛ばし、そのまま飛空艇から落下させる。
「……助かりました。きちんと連れてきてくださったんですね」
「おう。後ろは任せな!」
「間に合ってよかったですぅ……」
 シャルロットは事前に直掩の必要性を理解し、少女に要請していた。弾を運ぶのと同時に、近接戦闘が可能な勇士を連れてくるようにと。
 ともかくこれで、狙撃に専念できる。シャルロットは再び大砲に砲弾を籠め、空を睨んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御園・桜花
「戦闘が1番激しいのは甲板ですか?其れとももう操舵室や機関室まで押し込まれてます?!」
船員に確認し1番戦闘が激しい場所(甲板?)へ

「回復出来ます、応急手当ても!怪我をした方は遮蔽を取って後退して下さい!すぐ行きます!」
高速・多重詠唱で銃弾に雷属性与え制圧射撃
勇士の後退を補助し応戦体勢の立て直し図る
勇士が後退したらUC「願いの桜吹雪」
回復と再行動で応戦体勢整え再度高速・多重詠唱
今度は銃弾に破魔の属性乗せ制圧射撃
勇士達が敵を倒すよう補助する
怪我人が出た場合は医術で応急手当
敵の攻撃は第六感や見切りで躱しながら粘り強く戦線維持に努める
接敵しての前線維持が必要になったら最前線に張り付き桜鋼扇で殴り合う



●命の数
「戦闘が1番激しいのは甲板ですか? 其れとももう操舵室や機関室まで押し込まれてます!?」
 強い剣幕で船員にそう尋ねたのは御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)だ。混乱した状況でしどろもどろになりつつも、船員が応じる。
「い、今のところは、勇士の皆様の尽力により機関室までは……主な戦闘区画は甲板です!」
「わかりました、ではすぐに向かいます……!」
 そう言って桜花は風のように駆けていく。剣戟の音や声が大きくなり、戦場が近付くのを感じる。
 扉を開けると、彼女の目に乱戦の状況が飛び込んできた。
 現状、確かに猟兵の補助によって勇士側が有利なように見受けられる。
 だがその実、その均衡は危うい。桜花にはそれが見えていた。

「私は回復ができます! 怪我をした方は遮蔽を取って後退して下さい!」
 桜花がそう呼びかけると、数名の勇士がそれに反応した。目の前の戦いを切り上げ、後退を図る。
「逃がすか」
 しかし、それを騎士らは許さない。左腕の欠けた騎士が残った右腕で剣を掴み、追撃しようとする。
「させません!」
 桜花は機関銃でその騎士に牽制射撃を加え、追撃の妨害を行った。その甲斐あって、勇士たちが数名彼女の元まで後退に成功する。
 彼らが負った傷は痛々しい。打撲と裂傷、そして出血。しかしいずれも命に届く傷ではない。
(……やはり)

 改めて、桜花は幻朧桜の幻影をその場に召喚する。
 機械的な飛空艇内に咲く桜は、吹雪となって怪我人の傷口に纏わり、それを癒していく。
「おぉ、すげえ……痛みが消えていく……!」
「これならまだ戦えます」
 傷が癒えると同時に、勇士たちの表情に生気が宿るのを桜花は確認した。
 そう、オブリビオンと勇士たちとの決定的な違い。それは死を恐れるか否か。
 オブリビオンたちは過去より出でて未来を呪うもの。己の手足が欠けようが、その戦意は一向に緩まない。
 対する勇士たちには未来と恐怖がある。たとえ致命の傷でなくとも、痛みは体を鈍くする。
 その差が積み重なれば、戦況を逆転される恐れもあった。だからこそ、桜花の回復には単なる治療以上の意味があったのだ。
「では……行ってらっしゃいませ。ご武運を」
「ありがとな姉ちゃん! うおおおお、ぶちまかしてやるぜぇ!!」
 勇士らが飛び出していく。これでまた一つ、状況は有利に傾いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リューイン・ランサード
【竜鬼】

UCでスズメバチの巣をガレオンドラゴンにくっつく形で創造。
中から出てきたスズメバチの大群に騎士を襲わせ、鎧で覆われていない箇所に猛毒の針を刺したり、首の動脈近辺を噛んだりして混乱させる。

リューイン自身は最前線にて、マヒの属性攻撃・高速詠唱・範囲攻撃で騎士の動きを低下させたり、騎士の攻撃を第六感で読んで見切りで避けたり、ビームシールド盾受けで弾く。
尚、最終防御としてオーラ防御を身に纏っています。

このように騎士の攻勢を押しとどめつつ、勇士さん達に迎撃用設備で騎士達に攻撃してもらうよう指示します。
また、自分の目の前にいる相手は双剣による光の属性攻撃・2回攻撃・怪力・貫通攻撃で鎧を貫いて倒す。


荒谷・ひかる
【竜鬼】

来ましたね、帝国の尖兵……
わたし達が居るからには、みすみすやらせはしませんっ!

精霊さん達の依代として、水の入った瓶と鉢植えの植物を持ち込み
なるべく飛行船の中央部に近い位置に陣取り【水と草木の芳香霧】発動
今のわたし達なら半径108m以内をカバーでき、船上全ての皆さんを支援できるはずです
衝突での揺れは行動回復で打ち消せるでしょうし、飛行できるリューさんなら単純に手数の増加になるはず

陣取った位置から戦場が見渡せるなら、その場から精霊銃(冷凍弾)での援護射撃をしつつ状況把握にも努める
戦況の有利不利等を読み取り、風の精霊さんの力で声を前線に届けて情報共有も行う



●若き英雄たち
 斬撃一閃。
 リューイン・ランサード(乗り越える若龍・f13950)の流水剣が黒い鎧の騎士を切り伏せた。
 声も上げずに倒れたその騎士を乗り越え、彼は荒谷・ひかる(精霊寵姫・f07833)をエスコートする。
「ひかるさん、気を付けてくださいね。まだ周囲に敵がいますから」
「はい! でも、大丈夫ですよ。いざとなったら応戦できますから」
 ひかるは笑って精霊銃を取り出す。彼らが移動した先の甲板では、まさに乱戦状態が広がっていた。
 各々の武器を手に戦う勇士たちだが、その一部は戦闘時のどさくさや交戦の結果で武器を取り落としていた。背を向けることも難しく、何とか素手での抵抗を試みている。
「皆さん、これを!」
 リューインは船内に予備として配置されていた銃を数丁、彼らに投げ渡した。
 ある禿げ頭の男はそれを受け取り、眼前で剣を振り上げる騎士の兜に向けて引き金を引く。
 弾丸が騎士の頭を弾き、大きくバランスを崩し、彼は窮地を免れる。他の勇士らも同様、間一髪で各々の危機を切り抜けていた。

「ありがとよ坊主! 俺らに任せて後ろに隠れてな!」
「えっ」
「子供は危ないからな! 下がってろ!」
 16歳という実年齢を置いても童顔なリューインと、小柄なひかるは男集団の勇士たちからすればいかにも浮いている存在と言えた。
 しかし、実力は彼らよりも遥かに上。……それを知るひかるは、不満げに眉をひそめる。
「リューさんのほうが強いんですけど……」
「ま、まぁまぁ。それよりさっきの混乱で、中心部が空きましたよ」
 ひかるは彼の言葉に気を取り直し、甲板の中心部に向かう。そしてそこに、水の入った瓶と鉢植えを配置した。
「清き森よ、浄めし水よ。清浄なる癒しの聖域を、今ここに……」
 その詠唱が紡ぐのは水と草木の精霊の二重奏。心身を癒す芳香が広がり、勇士たちに届く。
「これは……力が湧いてくる!」
 芳香の影響を受け、彼らの傷が癒えていく。さらにその動きが少しずつ洗練され、無駄が消えていく。
 精霊の放つ香りは勇士たちの肉体から無用な緊張と力みを無くした。その結果、彼らの行動は二倍になったかのように加速したのだ。

「よし……効果は十分です。あとはこのまま……」
 と、その時外から大きな龍の咆哮が聞こえてきた。同時に、飛空艇外縁にいた風の精霊がひかると交信する。
「……! ドラゴンが接近してきます! 皆さん、気を付けてください!」
 その警告に勇士たちが衝撃に備えると、すぐに飛空艇は激しい揺れに襲われた。
「きゃっ……!?」
「ひかるさん、手を!」
 転びかけたひかるが伸ばした手を掴んだのはリューイン。その背の翼で空中に逃れれば、揺れは無意味となる。彼は揺れに襲われる船内の中で唯一自由に動くことができたのだ。
「あ、ありがとうございます。っと、増援の対処をしないと……!」
「増援は……今は、そんなに気にしないていいと思います」
 リューインは余裕を持って着地し、周囲の騎士たちを斬り付ける。しばらくその場で戦っていても、増援が現れる気配はなかった。

「蜂だ……! 払え、離れろ!」
「ぐあああぁ……!」
 ドラゴンの体当たりと同時に飛空艇に乗り移るはずだった騎士たちは、いずれも突如出現した蜂に襲われていた。
 その蜂は、ドラゴンの翼に付着した蜂の巣から飛び出していた。リューインが仕掛けたユーベルコードによるものだ。
 獰猛なスズメバチが鎧の中に入れば、騎士たちは足並みを乱し、混乱の果てに落下していく。増援として飛空艇に移れたものは少数だった。
『……小癪な真似を』
 ガレオンドラゴンが自らに仕掛けられた蜂の巣に気付くと、首を伸ばし、その巣を丸ごと呑み込む。
 暴れ回る蜂らを口内に閉じ込め、ブレスを吐けば蜂たちは皆死に絶える。それらを喉に送ると、ドラゴンは怒りの声を上げた。
『ドルム・ガンドラの兵たる貴様らが、なんというザマだ――!』
 その咆哮は雲を散らし、飛空艇の壁を激しく叩いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ハイドラ・モリアーティ
サポートは俺の得意分野
――【GENIUS】
ガジェットを分離してそれぞれ操作
支援が必要かい?それじゃああんたにはまずサーチ情報を提供するよ
敵の動きに注意しな
別のあんたには治療のほうが必要そうだな?
焦るな。焦ったら死ぬぜ。冷静であれ
最悪な旅行の始まりだが、俺はそのガイド役だ
まあ任せとけって、――怖いけどな。怖いなんて言ったら信用してもらえないだろ
声が震えてるガイドの言うことなんて誰が聴く?

暴れたらいいってモンでもない。それぞれの状況に合わせてガジェットの出力は切り替えない
――できれば誰かとくめりゃァいいんだけど
まァ、贅沢は言わなさいさ
「最善」を考えて、動き続けろ
生き残るってのはそういうことだ



●糸を手繰るは
 飛空艇の中を、見慣れない機械が飛んでいた。
 それはプロペラで飛行しながら、船内の勇士の近くに舞い降りる。
「もう、これじゃどこを狙えば……!」
 魔導書を手にした女性の勇士は混乱していた。
 この混戦状態、下手に魔法を放てば味方に当たる。しかし撃たなければ、戦況は楽にはならない。
『落ち着いて、この機械を見な。ホラ、青いのが味方で赤いのが敵』
 そこに現れた機械が彼女を導く。レンズ越しの映像ははっきりと敵味方が区別され、魔法を撃つべき場所が示されていた。
『どこを撃てばいいかわかるな?』
「は、はい! ……走れ、炎よ……!」
 機械の補助を得て勇士が炎の呪文を放つと、騎士たちが吹き飛ばされる。無論、味方側の被弾はない。

 またある地点では、杖を手にした男が腹部を押さえて壁に背を預けていた。
『ハァイ。被弾しちまって朦朧ってツラだな。落ち着いて、息を吸いな』
「な、なん……だ?」
 そこに機械が舞い降りると、素早く患部をスキャンした。そこにナノマシンの治療光が照射される。
「傷が……!」
『塞がっただけだ。焦って飛び出すなよ。焦ったら今度こそ死ぬぜ。……冷静にな』
 勇士はその機械の言葉に頷くと、杖を携え前線となった甲板へと向かった。補助に専念し、少しでも敵を仕留める手助けとなるべく奮戦する。

「……ふぅ」
 それらのガジェットを各個操作していたのはハイドラ・モリアーティ(冥海より・f19307)だ。
 カメラドローンから来る映像を元に、最適なガジェットによる補助を最適な勇士に与える。
 一歩間違えば人が死に、死に過ぎれば前線が崩れ、前線が崩れれば自分のいる場所にまで刃が届く。
 恐ろしい仕事だ。恐ろしい、が。
(……恐怖を噛み殺せ)
 戦場を俯瞰し、冷静でいなければ補助は為せない。
 恐怖は冷静さを失わせ、その上伝染する。指令役がビビっていたら、兵士もみなビビる。そうハイドラは知っている。
(ボディーガードでもいりゃよかったんだけどな~……)
 そう思考するも、ないものをねだっても仕方がない。彼女は思考を切り替える。
 ただ「最善」を目指して考え、操作し続けろ。勇士を。戦場を。
 今この一時は、蜘蛛の糸を手繰るモリアーティのように。
「……さて。何でも屋の力を見せてやりますか」
 あわただしい飛空艇内を、ドローンが優雅に飛んで行った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

四王天・燦
《狐御縁》

神鳴抜いて敵の先陣を薙ぎ払って切り捨て御免!
派手なパフォーマンスで勇士たちに存在感を見せつけるぜ

シホ、敵を誘えそうな通路はある?
導かれた通路に銃器を扱える勇士を配置して敵をおびき寄せるよ
この世界の人にも戦って貰わなきゃいけねえ

勇士が撃ち尽くしてからが白兵部隊たるアタシの出番だ
爛、アタシの刀にも炎を憑依させてよ

火炎・殺戮剣舞で切り込みを掛けるぜ
肉体負荷の封印を解くまでもねえ
見切って斬って、武器受けて弾いて斬って、鬼神の如く恐怖を与えて斬りまくる

後衛組を振り返ってドヤ顔決めるぜ
敵から視線を外してもルルが仕留めてくれるさ
そーいうフォロー抜群だもの

焔、何人救えたか思い出してみな
自信持て、妹よ


四王天・焔
《狐御縁》メンバーで参加

SPD判定の行動
アドリブ歓迎

■心情
頼もしい仲間たちと一緒のお仕事、これは負けるわけには行かないね。
必ず、飛空艇を守ってみせるよ。

■行動
フォックス・アシスト(UC)で狐のぬいぐるみと協力して行動。
ぬいぐるみに指示して、敵の迎撃用の銃器を用意して貰い、
銃器の弾数の補充も効率的に行う。
可能ならぬいぐるみも銃器を使って貰い、敵を撃ち抜いて貰うね。

皆が敵を倒している様子に尊敬しつつ
焔も皆の死角となる箇所からの敵は銃器で狙い撃つなどして援護射撃。

シホお義姉ちゃんの指示にも従いつつ
十秒後に照準を竜の胸元付近へ集中するね。

「焔も、皆の役に立っているかな?」


狐裘・爛
《狐御縁》

快適な空の旅にするためにも、招いてない乗客には退席してもらうわ。覚悟はいい?
はいはい注目! 【誘惑】するような舞をしながら、「炎帝狐」を召喚! 騎士たちを【焼却】してあげる!
狐火は自在に飛ばしたり消したりすることができるの。味方を避けつつ、騎士たちに命中させてみせるわ。いざとなれば憑依させちゃう、何にって何にでも! 延焼させて怒られるのはイヤだからね

こういう時のみんなの連携って、言葉もないけどどうやってるのかしら? 百戦錬磨のコンビネーションってやつ?
……こういうの、経験がモノを言うから、あんまり言葉にすると綺麗じゃないのかしら。それならなんとなくだけど、私にもわかる気がする!


ルルチェリア・グレイブキーパー
≪狐御縁≫

折角、新しい飛空艇のお披露目なのに邪魔が入っちゃったわね
無粋なドラゴンと黒鎧たちにはお帰り願おうかしら!

UC【楽符】で敵全員を眠らせて妨害するわ
私が敵を眠らせるわ、起きている敵はお願いね

オッケーよシホ
何処から来ようともあなたのくれた護符が有れば平気よ!
起きている敵を皆に教えてあげて

私も敵の数を減らさないと
焔さんの狐のぬいぐるみと一緒に迎撃用の機銃を使って攻撃よ
手伝うわ、あまり上手じゃないけど数撃てば当たるのよ!

狐火の武器憑依!すごいわ!
爛さんの狐火、燦さんの剣舞と合わさってとっても綺麗なのよ
前で戦ってくれるから、安心して援護出来そうね
ふふん、後ろは私たちに任せなさい!


シホ・エーデルワイス
《狐御縁》

このチームで戦闘依頼は初めてね
頼もしいです


襲撃迄に多くの乗員へ礼儀作法で挨拶し
有事の際に取る行動を伝えておく


飛空艇に【霊装】で憑依
オーラ結界と念動力で船が揺れない様防御し
第六感と聞き耳で索敵と船内を暗視し戦況を情報収集

敵の侵攻経路を戦闘知識と読心術で見切り
適時味方へコミュ力で伝え鼓舞



次の通路を左へ

格納庫2Fの方
隠れて
五秒後に下の通路へ斉射


ルル
後ろからも来るから気を付けて



十秒後に照準を竜の胸元付近へ集中できる?
上手く行けば体当たりの威力が減ります

余裕があれば
船の砲弾へ魔力を籠め
目潰しと貫通攻撃の誘導弾に武器改造


爛さん
そうね…
連携は味方の動きが分かると自然に洗練されていく感じかしら?



●炎と夢と空の舞
 四王天・燦(月夜の翼・f04448)は飛空艇内を駆けていた。その後ろを、三人の騎士が追ってくる。
「逃がすな。仕留めろ!」
 その肩に背負った刀は鞘に納められており、今はただ、彼女は速度を上げて走ることのみに集中していた。
『燦。次の角を左に。2階の格納庫に上ってきて』
「オッケー」
 恋人の声に従い走れば、その先に曲がり角がある。燦は軽やかにそれを曲がると、その先にある階段を一息に飛び上った。
「連れてきた! いつでもいいぜ!」
「おう!」
 彼女の声に応えたのは複数人の男。彼らは皆銃を構え、階段下に銃口を向けている。
「5秒後。4、3、2……」
 カウントダウンで敵の位置を示すのはシホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)。彼女は音と、それを補う直感で敵の位置を把握していた。
「1。放て!」
 シホが手を挙げると、一斉に騎士らが階段の下に現れる。同時に勇士たちの構えた銃が一斉に火を噴き、彼らを打ち据えた。
 燦を追っていた三人の騎士は倒れ、後ろに増援が続く様子もない。
「っし、ここは大丈夫そうだな。焔たちの応援に行こうぜ」
「ええ。……今ので勘も掴んで、勇士さんたちも大丈夫そうですし」

 二人は格納庫から離れ、共にこの世界を訪れた三名の猟兵のいる甲板へと向かった。
 甲板の扉を開く。そこには黒い鎧の騎士たちが多数転がっていた。だがどうやら死んでいるわけではない。呼吸をして、ただ寝ているだけのようだ。
「呑気だな……」
「しょうがないのよ。わたしの光を見れば、大概はこうなるのだから!」
 ルルチェリア・グレイブキーパー(墓守のルル・f09202)はふふんと胸を張り、シホから貰った護符をひらひらと揺らす。
 その符から放たれる光は、対象者を眠りへと誘う。眠ったものは楽しげな夢の世界に落ち、しばらくは目を覚まさないのだ。
「オブリビオンってのはどんな夢を見てんだろうな……」
「そんなことより。まだ眠ってない奴もいるわ」
 シホの聴覚は未だ意識と敵意を失わぬ騎士の姿を捉えていた。それを、狐裘・爛(榾火・f33271)に伝える。
「はーい! それじゃ、今度は私の出番ね!」
 巫女装束に身を包む爛が神楽のような舞を披露すると、その背後に炎に包まれた巨大な狐が顕現する。
 現れた『炎帝狐』は一吠えすると、その背に炎の輪を生み出し、そこから高速の火の弾を複数射出した。
 それらは騎士の鎧に直撃し、躱されたとしてもすぐに戻ってその背を撃ち抜く。炎もまた、舞を舞うように優雅に空を駆けた。

「爛! アタシの刀にも炎ちょうだい!」
「はいはい。どうぞ暴れてらっしゃい!」
 その炎は燦の抜身の刀に移ると、その刀身全体に燃え広がった。
 炎の刀と化したそれを手に、燦は勇んで騎士たちへと斬りかかっていく。
「小娘が……!」
 振り下ろした燦の刀を騎士が盾で受ける。しかしその刃を纏う炎は盾へと燃え移り、その鉄を溶かしていく。
「ぐぅ……!」
「こりゃいい。封印を解くまでもねぇ、な!」
 燦が無造作に刀を横薙ぎに振るえば、オブリビオンの騎士は一刀両断。炎によって向上した攻撃力は、鎧の結合を焼き解く。
 炎を自在に操りながら、彼女はなおも刀を振るう。それはまるで、地獄に在るという鬼神のような戦いぶりだ。
「ちっ……!」
 そんな彼女に別の騎士が斬りかかれば、その兜に一発の銃弾が飛来する。
「うお……!?」
「ナイス、焔」
「えへへ。焔も、皆の役に立っているかな?」
 その弾丸の主は、死角から姉の勇姿を見守っていた四王天・焔(妖の薔薇・f04438)だ。
「焔、これまで何人救えたか思い出してみな。自信持て、妹よ」
 燦は焔の頭をやや乱暴に撫でた。その身体がゆらゆら揺れる。
 一方で、弾丸を兜に受けた騎士は朦朧とした様子でふらつく。僅かな意識で、背を向けた燦に突撃しようとする。
 ――そこにルルチェリアの光による追撃が入り、彼は意識を刈り取られた。その場に倒れ込み、眠る。
「ふふん、後ろは私たちに任せなさい!」

 それらの一連の連携を、爛は興味深そうに眺めていた。
「こういう時のみんなの連携って、言葉もないけどどうやってるのかしら? 百戦錬磨のコンビネーションってやつ?」
 その問いに、燦やシホは答えに詰まる。確かに多くの戦場を渡ってきたが、コンビネーションというにはどうも違う気がした。
「……こういうの、あんまり言葉にすると綺麗じゃないのかしら」
「かもな。抜群のコンビネーション! とか奇跡のチーム連携! とか、言おうと思えば言えるけど」
「ええ。味方の動きが分かると自然に洗練されていく……って感じかしら? 訓練したわけじゃないの」
「なるほど。それならなんとなくだけど、私にもわかる気がする!」
 長く共にいる相手が今何を望んでいるかがわかるように、戦場でも補うべき場所がわかる。
 それが強さの秘訣なのだと、爛は垣間見た気がした。

「船内の敵はあらかた片付けたかな。あとは……」
「外のドラゴンよ! あいつがどんどん増援をこちらに送り込んでいるのだわ!」
「それについては、焔がちゃんと用意しておいたよ!」
 こっちに来て、という彼女の誘導に従い、4人は飛空艇の側面部分へと移動した。船の外の空が見え、風が強く吹いている。
 そして、そこに備えられた機銃の前に、大きな白い狐のぬいぐるみ(サングラス着用)が鎮座していた。
「ここからの射撃で、ドラゴンの上の人たちを撃ち落とそう! ぬいぐるみもやる気満々だよ!」
「そうみたいね……」
「随分と……ハードボイルドな……」
「私も手伝うわ!」
 ルルチェリアがそこに加わり、気を取り直し、シホは再び聴覚に集中する。風を切る音。ドラゴンが接近してくる!
「下から来ます! 銃の用意を!」
 雲を掻き分け、ガレオンドラゴンが姿を現した。その背には多くの騎士が未だ乗り込んでいる。
「撃てー!」
 焔、ぬいぐるみ、ルルチェリアは三人並んで機銃を掃射した。その威力は船内にある小型の銃弾とは大きく異なり、一発一発が人間を貫くに十分な威力となっている。
 それらに襲われ、騎士たちはみるみる数を減らしていく。或いは倒れ、或いは雲の海へと落ちていった。

『ヌウゥ……! 小癪な……!』
 ドラゴンは飛空艇から距離を取ると、今度は一気に近付いてくる。幾度となく飛空艇を襲った体当たりだ。
「三人とも、十秒後に照準を竜の胸元付近へ集中できる? 上手く行けば体当たりの威力が減ります!」
「や、やってみるね!」
「あまり上手じゃないけど、頑張るわ!」
「(敬礼)」
 三者はいずれも照準を龍の胸元に固定する。そして、10――5――3、2、1――!
 機銃が一斉に弾を放ち、ドラゴンの胸へと殺到する。集中した弾丸は龍の硬い鱗を破って、その中から血を噴出させる。
『グオォッ……!』
 苦し気なドラゴンの声と共に、体当たりの勢いが止んだ。勢いが死に、速度は緩み。ドラゴンの身体はただ飛空艇に隣接しただけの状態となった。
 すなわち、その搭載された騎士を、最も狙いやすい位置で止まったのだ。
「撃てー!」
 機銃が火を噴き、騎士たちを刈り取っていく。10秒ほどの連射が止むと、もはやガレオンドラゴンの上にいる騎士はゼロとなった。
『馬鹿な……!』
「やった!」
 燦たちはそれぞれハイタッチして勝利を祝う。空の防衛戦は、ひとまず猟兵たちの勝利に終わったのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ガレオンドラゴン』

POW   :    属性変換
【ドラゴンの牙】が命中した敵から剥ぎ取った部位を喰らう事で、敵の弱点に対応した形状の【部位を持つ『属性ドラゴン』】に変身する。
SPD   :    ガレオンブレス
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【口】から【ブレス砲撃】を放つ。
WIZ   :    飛竜式艦載砲
【飛空艇部分の艦載砲】を向けた対象に、【砲撃】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●龍の怒り
『……とんだお笑いだ。ドルム・ガンドラの兵も落ちたものよな』
 ガレオンドラゴンは怒りと共に咆哮した。そのあまりの音圧に、一部の勇士がその場で意識を失う。
『猟兵か。我らの天敵であったな。だが貴様らの刃は、我らの野望に届きはせぬわ!』
 龍が広げた翼から、幾つもの艦載砲が現れる。その口元に炎が揺らぐ。
『二度と我らの邪魔ができぬよう……その飛空艇ごと、遥か底へと沈めてやるわァッ!』
 竜が吼えた。その狙いは内部の猟兵や勇士というより、飛空艇そのもの。
 飛空艇が壊されれば、一部の飛行可能な猟兵以外はそのまま雲海へと真っ逆さまだ。
 猟兵たちは勇士たちを守るため、飛空艇を守りつつの戦闘を強いられる――!

=============
※ガレオンドラゴンは飛空艇の周りを飛行しながら攻撃を仕掛けてきます。
※ガレオンドラゴン自身の攻撃力は並ですが、その攻撃は飛空艇にもダメージを与えます。
※飛空艇のダメージが一定以上に達すると、飛空艇が壊れ、敗北となります。
 (雲海に落ちるより早くグリモアベースに転移されるので皆さんは無事です。ただし船内の勇士たちは落ちます)
※適宜飛空艇を守りながらガレオンドラゴンを倒しましょう!
=============

※プレイングの受付は、【7/29(木)8:31~8/1(日)20:00】とさせて頂きます。
 〆切時点で章の達成数に届いていなかった場合、改めて期間を延長いたします。
エルヴィン・シュミット
親玉が動き出したか。
こっちもそこまでヒマじゃねえ、さっさと片付けちまおうか!

UC発動!光の翼で奴の元までひとっ飛びだ!
そして奴の目元を狙って【ALUETTE】で斬りつける!
奴がどれだけデカかろうが目の前を飛び回られちゃ不愉快極まるってもんだろうよ!
それに奴の自慢の艦載砲も目の前を飛び回る相手には不向きだろうよ!

船を狙うか?それとも俺を撃ち落としてみるか?
どっちでも結末は変わらないだろうけどな!

『たとえ空の上でも、俺を止めることは誰にも出来ねえぜ!』


黒緋・焔
大物のお出ましと来たか。
流石にこやつを片付けるのはちと骨が折れるのう。

さて、奴が船の周りを飛び回っている以上簡単に手出しは出来ぬか。
と、なれば…勇士達の協力が必要じゃな。

おおい、手の空いている者は砲座に付いてくれんかの!
奴にありったけの砲撃をくれてやれ!
このまま奴の好きにさせるのも面白くなかろう!

して、ワシも本気でやるとするかのう。
あれだけ的が大きければさほど狙わずとも当たってくれよう。
『さあて、飛べよ斬り裂け焔の刃…飛輪光焔法!』
持久戦になど以ての外よ、全力でその身を焼き切ってくれようぞ!


オリヴィア・ストラスマリス
『他猟兵との連携歓迎』

蓄えた【戦闘知識】を元に【集団戦術】で、飛来する敵に
機銃や砲撃での牽制【援護射撃】【時間稼ぎ】を加えつつ障壁展開の準備。
出来れば他の猟兵の方々も護れる様な位置へ移動して、
UCを発動、飛空艇へとオーラによる障壁を展開し、
ブレス攻撃を凌ぎます。

上手くタイミングを見計って、障壁の解除を合図と共に一斉射撃を指示。
(他猟兵の方がいらっしゃる場合は攻撃タイミングであることも
コミュニケーターで知らせます)

「まずは勢威を凌ぎましょう。次に私が護りを担当します」
「合図を出して障壁を解きますので、ありったけの弾と砲弾をブチこんでやってください」
「3、2、1、今!」



●剣となり、盾となり
『燃え……堕ちよ……!』
 ガレオンドラゴンの口内より炎が溢れ、ブレスとなって飛空艇に迫る。
 その激しい炎の中に、砲弾が礫のように混じっていた。それらは飛空艇に激突すると、轟音と共に爆ぜる。
 炎と爆撃が合わさったそれは、まともに命中すれば砦すら崩す。空に浮かぶために装甲を排した飛空艇では耐えられるはずもない。
 ――だがそれは、何の防護も施さないままだったらの話である。
「……障壁、正常な展開を確認。飛空艇への損害、3%」
 飛空艇は、それ全体を覆うようなハニカム構造の障壁によって守られていた。それを展開するは、護りの猟兵オリヴィア。
「まずは勢威を凌ぎましょう。私が護りを担当します」
「ふむ、悪くないのう。おおい、手の空いている者は砲座に付いてくれんかの!」
 焔がそう呼びかければ、我先にと意識を保っていた勇士が砲座に着き、またある者は弾の運搬を買って出る。
「奴にありったけの砲撃をくれてやれ! このまま奴の好きにさせるのも面白くなかろう!」
「当たり前だ! 今度はこっちが攻撃する番だぜ!」
 勇士たちの士気は高い。それは猟兵の実力を見てのものもあり、オリヴィアによる防護の力を見てのものでもあった。

『調子付きおって……斯様な障壁ごとき、食い破ってくれる……!』
 そんな飛空艇にドラゴンの牙が迫った。オリヴィアの障壁は、強い衝撃をも弾き返す硬度を持つ。
 しかし、その牙は別だ。食らいついた者から属性を奪い取るそれは、障壁の力を奪う魔の力。相性は最悪だ。
「装填を急ぐのじゃ!」
「く……」
 それを迎え撃つための大砲の準備は未だ整っていない。牙が障壁に触れ、激しく火花が散る。
「そうはさせるか!」
 刹那、飛び出してゆく一人の騎士があった。白銀の鎧が太陽を弾き、その背の翼と共に眩く光る。
 その騎士――エルヴィンの斬撃はドラゴンの眼を捉えた。血飛沫が空に舞い、龍はその顎を飛空艇から離す。
『ギャアアアアア……!』
「へッ。ちょっと餌に夢中になりすぎなんじゃねぇか?」
『小僧……!』
 ガレオンドラゴンの身体に搭載された艦載砲の砲門が一斉に動く。そこから大量の対空砲が吐き出され、空を舞うエルヴィンを狙った。
 だが、エルヴィンは常にガレオンドラゴンの眼前。艦載砲の射程範囲の外になるように高速で移動する。
 張られた弾幕の一つが運よく彼を捉えたとしても、愛剣ALUETTEの前に叩き落とされていく。
「たとえ空の上でも、俺を止めることは誰にも出来ねえぜ!」

 一方の船内では、大砲への弾丸の装填が終わろうとしていた。オリヴィアの障壁に守られ、彼らは余裕を持って砲門を龍へと合わす。
「合図を出して障壁を解きますので、ありったけの弾と砲弾をブチこんでやってください」
「おう!」
「さあて。さりとて勇士たちにばかり任せてもおけん。ワシも本気を出すとするかのう」
 大砲と横並びで、焔もまた杖を掲げる。彼女の周りに、炎を纏いながら回転し、輝きを増しゆく輪が多数出現する。
「3、2、1――」
 障壁が綻び、消えていく。火縄に灯した炎が焼け、大砲内の火薬に点火する。
「――今!」
「撃てーーーーっ!」
 大砲が火を噴く。それらは龍の身体に着弾すると、爆炎を放ちながら弾け、その鱗と肉を打ち砕く。
「飛べよ斬り裂け焔の刃……飛輪光焔法!」
 そうして露出した龍の肉に、焼ける刃の輪が食い込んだ。血飛沫に塗れてもなお陰らぬ輝きは、龍を刻み続けた。
『ガアアアアァァ――!』
 咆哮を上げながら落ちていくドラゴンを見下ろし、エルヴィンは不敵に笑う。思った通り。どちらを狙っても変わらず、お前の負けだったなと。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鳴上・冬季
「…ふむ。飛空艇にダメージが行くのは困りますね。行きなさい、真・黄巾力士!」
UCで黄巾力士をガレオンドラゴンに掴みかかることが出来るほど巨大化させ組みつかせる(それでも最大全長634mまで)

黄巾力士を組みつかせたまま龍脈使いで黄巾力士に継戦能力与え至近距離からの金磚や砲頭での鎧無視攻撃で蹂躙する

自身も風火輪で飛行しガレオンドラゴンに接敵
艦載砲を使わせないよう雷公鞭の属性攻撃や仙術、功夫で気絶攻撃も織り混ぜ邪魔する
効果が高まると思ったら破魔も属性攻撃に上乗せする

「飛空艇が落ちるのは見過ごせませんから。代わりに貴方に落ちていただきましょう。黄巾力士、羽や口内を狙ってその蛟を雲海に叩き落とせ!」


御園・桜花
「やっと私の車両の出番ですね」
敵が人でなくなったので満面の笑顔

UC「出前一丁・弐」使用
ケータリングカーで空中飛び出しマックススピード(マッハ9弱)で横や下からガレオンドラゴンの頭部に吶喊
攻撃しようとする度に頭部にダメージ与え最終的には頭部を轢き飛ばす
第六感や見切りで敵の攻撃を躱し効果的に頭部にアタックできるよう操縦する

「この子はエンジンもシャシーもフルチューンしたバリバリ(死語)の戦闘用改造デリバリー車両ですの。お代は貴方の骸の海へのご帰還か、天使核の譲渡で結構です」

戦闘後は小さく鎮魂歌を
「願いは彼等の存在理由。それが真っ向から反する生存戦略だった時は。植物は相手の滅殺を厭いませんの…私も」



●巨大なる戦い
 雲海からガレオンドラゴンが浮上してくる。その巨大な翼が数度羽ばたけば、すぐに龍は飛空艇と同じ高さまで上がってきた。
『小癪……』
 怒りに淀む眼は飛空艇を睨んでいた。口元に炎が舞い、その暴威を示す。
「……ふむ。飛空艇にダメージが行くのは困りますね」
 冬季は飛空艇から離れた位置で空に浮いていた。それは足首の風火輪による作用。何者にも、最早地を這う愚物などと誹られぬための宝具。
「行きなさい、真・黄巾力士!」
 そんな冬季が手を掲げると、さらに雲海から上がってくるものがあった。巨大さであれば龍に勝るとも劣らない、金色の巨人。
 全長634m。UDCアースに存在する建造物と同等の大きさを誇るそのロボットが、ガレオンドラゴンに組み付いた。
『ヌウゥ!』
「飛空艇が落ちるのは見過ごせませんから、代わりに貴方に落ちていただきましょう。
 黄巾力士、羽や口内を狙ってその蛟を雲海に叩き落とせ!」
 黄巾力士の眼が赤く光ると、その腕や肩に格納された砲塔が開き、ドラゴンに向く。
 それらが弾丸をゼロ距離で放つと、龍は咆哮を上げた。翼が抉れ、空中機動が疎かになり、二体はきりもみ状に空を暴れ回る。

『舐めるな……!』
 その黄巾力士の攻勢に対し、龍は大きく口を開いた。その体内から超高温の炎が吐き出される。それに混じり、小さな砲弾が礫となって黄巾力士のボディを襲った。
「……!」
 冬季はその攻撃を妨害しようと、ガレオンドラゴンの顎に雷を纏う鞭、雷公鞭を叩き付けた。ブレスが一瞬途切れる。
 しかし、そのブレスが黄巾力士に刻み込んだダメージは大きい。
 ガレオンドラゴンのブレス砲撃は対人用ではなく、無機物。それも巨大な無機物を破壊しつくすためのものだ。いわば、黄巾力士への特攻攻撃なのだ。
『打ち砕いてくれる!』
 再びその顎が開く。次のブレスは危険だ、受けきれない。

 ――そう思った冬季の視界に飛び込んでくるものがあった。一台の、車である。
「出前一丁!!」
『ガアァ!?』
 飛空艇より飛び出したケータリングカーは、高速でドラゴンの顔面を打ち抜いた。首の向きが逸れ、明後日の方向にブレスが噴き出される。
 その車を繰るのは桜花。本来単なるケータリングカーであるそれは諸々の改造を経て、最早武器と呼ぶに相応しいものとなっていた。
「やっと私の車両の出番ですね。人を轢くわけにはいきませんが、龍なら別です」
 ケータリングカーはいかなる機能によってか空を飛びつつ、再びギアをMAXにドラゴンの頭部に飛び掛かった。
「この子はエンジンもシャシーもフルチューンしたバリバリの戦闘用改造デリバリー車両ですの。
 お代は貴方の骸の海へのご帰還か、天使核の譲渡で結構です」
『……笑わせるな!』
 龍は空を飛ぶケータリングカーに食らいつこうと牙で襲い掛かる。しかし車は空中で見事なドリフトを披露し、その牙から逃れた。
『ちょこまかと……!』
「たとえ空でも、出前は迅速に! その程度では捉えられません!」
 高速で移動するケータリングカーは、黄巾力士ほどの巨大さは持たない。龍の巨体でそれを捉えることは難しかった。

 龍は苛立たしげに喉を鳴らすと、咆哮と共に上空高くへと飛んでいく。その際に起きた爆風は車を空中で撹乱し、ハンドリングを狂わせた。
「きゃっ! ……まったく、危険運転ですね」
 ともかく、龍を一度後退させたことは確かだ。勇士たちの治療に飛空艇の修理、やるべきことはたくさんある。
 桜花は車と共に一度飛空艇へと戻ると、次のドラゴンの攻勢への備えに取り掛かった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シャルロット・クリスティア
大きい……これを沈めるのは骨が折れそうですね。
あまり被害は出せませんが、焦らず、着実に行くしかないですか。
上がります。砲座は頼みますよ。

指笛と共に駆け付けた翼竜に騎乗。空戦体勢へ。極力ターゲットを分散させます。
まずは奴の身体のあちこちに配置されている砲座を潰す。
あれだけの巨体、支えのない空中で小回りなど聞くはずもない。鞍上でも当てるのは難しくありません。
氷結弾で砲口を埋める。それでも無理に撃とうとするならば自壊するだけです。

砲戦能力の減衰は攻めにも守りにも重要です。
丸裸にさせていただきますよ……!


アルジャン・ボワレゼル
アドリブ連携歓迎
WIZ
「それじゃ討って出るとするか!」
風の魔力で体を強化して空へ。
今度はこっちが艦載砲を狙って攻撃を仕掛けに。
生憎と船自体を守る手段は持ってねえから
すまないがそこら辺は得意な人らにお任せするぜ。
俺は少しでも飛空艇への攻撃手段を減らしに行く。
向こうさん程速くはないが、上下左右自在の[空中機動]で
攻撃を回避しながら接近を試みる。
近づけたら、エクライリゼで艦載砲かそれが生えた翼か、
どっちか斬りやすいほうを[切断]しにかかる。
「俺の刃は、届いたぞ!」
「沈むのはお前らの方だッ、ドルム・ガンドラ!」



●忠義
 ガレオンドラゴンの巨体は、この飛空艇と比べても非常に大きい。
 さらにはその巨体に幾つもの武装を満載している。まずはその火力を落とさない限り、こちらの勝利はないように思えた。
「上がります。砲座は任せましたよ」
「は、はいぃ……!」
 シャルロットは気弱な勇士の肩に軽く手を置くと、飛空艇の縁に立ち指笛を吹いた。
 すると、その音を聞きつけ、彼方より飛来するものがあった。パンゲア大空洞より彼女に付き従う翼竜、レンである。
「行きますよ、レン!」
 彼女はその鞍に腰掛けると、狙撃用の銃を傍らに置く。目的は狙撃だ。いつもと同じく。

「おっと、それなら俺も一緒に行かせてもらうぜ」
 そこに名乗りを上げたのはアルジャンだ。人の体に鷲の翼を持つ彼ならば、例え飛空艇の外でも難なく空中戦を行えるだろう。
「助かります。極力ターゲットは分散させた方が望ましいですから。狙うのは――」
「あの艦載砲、だろ?」
 アルジャンの言葉にシャルロットは首肯する。
 二人はいずれも、飛空艇を巨大な暴力から護る類の能力は持ち合わせていない。
 ならば空中に飛び出して囮となり、攻撃を誘導すればいい。二人は同時に空へと飛び出した。
『撃ち落としてくれるわ!』
 二人を複数の艦載砲の砲口が睨む。まもなく、そこから高速で弾丸が撃ち出され始めた。
「うおっと!」
 アルジャンは纏った風の魔力で己を加速させつつ、襲い来る銃弾の動きを逸らす。そうして真正面から飛び込んでいき、その剣で砲の一つを両断してみせた。
『ヌウゥッ!』
 龍はその身を激しく振り、アルジャンを振り落とす。だが、彼の翼は再び風を掴む。一度や二度落とされた程度で、彼は止まりはしない!

 一方のシャルロットは、レンの背に乗りながら弾丸の回避に専念していた。
(あまり接近すると弾幕が濃くなる。レン自身の負傷を最小限にするためにも、この距離から――)
 翼竜の羽ばたきに鞍は揺れる。高高度にいるための激しい風は弾丸をブレさせる。
 しかし、あれだけ大きな的だ。シャルロットにとって、これを外す道理はなかった。
 スコープを覗けば、その先に砲口が見えた。そこから少しずらして、引き金を引く。
 放たれた弾丸は風に揉まれ、緩やかにその軌道を変えながら目的地へと到達した。同時に弾丸は凍り付き、砲を塞ぐ。属性のルーンを刻んだ弾丸は、超常の力で龍を追い詰める。
「よし。これで……」
 次の瞬間、氷に塞がれた砲が暴発したのが見えた。赤い炎と黒い煙が、ガレオンへの損害を物語る。
『グアアァァッ……!? ば、馬鹿な……何が……!』
 その混乱を縫って、シャルロットは続けざまに隣の二つの砲門を凍り付かせた。それらもまた、すぐに爆発炎上する。

 アルジャンは、自分のすぐ近くで爆発した砲塔を見る。その近くの砲がシャルロットを狙うのを見て、それを主の剣で根元から切り裂いた。
 さすがの切れ味だ。この刃が届くということは、主の刃が届くという事。そのことが妙に嬉しく、そして懐かしい。
「俺の刃は、届いたぞ! 沈むのはお前らの方だッ、ドルム・ガンドラ!」
『小僧め……! 我らが帝国を愚弄するかァッ……!』
 そう唸る龍の声には格段の恨みと憎しみが詰まっていた。……元がガレオンである彼に、何故にこれほどの忠誠心があるのだろうか?
(忠誠……か)
 アルジャンにとって、その言葉は実体以上の重みがあった。しかし、いかなる忠誠の元に為されたことであろうと、龍の行いは人の命を奪う暴虐。捨て置きはしない。
 ――きっとそれは。彼の主もまた、同じことを考えただろうから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

狐裘・爛
《狐御縁》
び、ビビってなんて……ん、んんー! これは、武者振るいよ! あとあんな綺麗じゃない子を見ちゃってトリハダなだけなんだから!(びくびく)
飛空艇の人に、何より大切な人たちに情けない姿は見せられないわ

早速阿吽の呼吸ってのを試してみるわよ! 作戦はフォックスファイアの合体技。炎戯・魂魄斗も狐火だからね、遠慮せずガンガンに燃やしちゃうわ
紫に紅、青い炎をまぜまぜまぜ……うーんなかなかの出来栄えね。そう思わない?
答えは悲鳴で聞かせてちょうだい!

あ。戦利品どうしよう? ルルが拾ってくれてるといいけど。まあ私は金銀財宝には興味ないけど? あっても困るものじゃないからね、ふふ!


ルルチェリア・グレイブキーパー
≪狐御縁≫

甘いわね、船は一つだけじゃないのよ!

UC【お子様幽霊たちの海賊団】で空飛ぶ海賊船を召喚
子供の幽霊達を技能【集団戦術】で指揮し、砲弾・銃弾で攻撃させるわ!
撃ち方用意……てーっ!

ガレオンドラゴンの牽制、引き受けたわ!
燦さん達の邪魔はさせないのよ

ドラゴンの攻撃はアイテム【憑装盾】を使って防ぐわ
心配してくれて有難う焔さん、でもこの子達が居るから大丈夫よ

任せてシホ!
ドラゴンの後ろに回り込んで、両側から攻撃よ!

ドラゴンが戦利品?私も価値なんか分からないけど
キラキラした部品とかなら高く換金出来そうだし、爛さん喜んでくれるかしら?
倒したドラゴンの部品を持って帰るのよ


四王天・燦
《狐御縁》

不敵な笑みが浮かぶ
竜の巨体から採れる戦利品に期待大だ
飛空艇買って金欠の身に夏のボーナスが来た!

勇士諸君、取分欲しけりゃ撃て!
アタシ達が狩人でアレは獲物だと鼓舞するぜ
息の根止めたらアンカー打ち込んでよ

甲板に立つ
シホと焔に合わせて結界術とオーラ防御の符術を行使
敵弾を受け流し衝撃による震動を緩和する三層防壁を作るぜ

敵砲撃がやんだら結界を解いて砲塔に時限爆弾カウントダウンを投擲するよ

焔・爛、力を貸して
船首に移りフォックスファイアを発動
アタシの109発だけでなく焔と爛の狐火も合体させるぜ

シホ、戦利品を蒸発させねえよう狙う箇所をナビして
ルル、牽制と制御の手伝いを頼む

フォックスファイア砲―発射ッ!


シホ・エーデルワイス
《狐御縁》

遂に本気で攻めて来るのね
でも
遅かったかしら


爛さんと優しく手を繋ぎ落ち着かせる

ええ
その意気です


燦と焔と私
三人で息を合わせ
船を三層構造のオーラの結界防御で包んで庇いつつ

戦況が不利にならない範囲で
どこを狙えば戦利品は多くなるか情報収集し
燦に伝える


ええ

守りは任せて


被弾したら【復世】で船も味方も纏めて回復

次第に対空中戦闘知識から砲弾の弾道を見切れてきたら
聖銃の追跡誘導弾で砲弾の信管をカウンタースナイプによる部位破壊で貫通攻撃

燦達の決め技発動時余裕があれば
ルルの海賊船と連携して
【華霞】で敵の視界を目潰し
回避し難い様
牽制の援護射撃

ルル!合わせます!


戦後
楽しい宴ができる様
負傷者と船を【復世】で回復


四王天・焔
《狐御縁》
WIZ
アドリブ歓迎

■心情
飛空艇をドラゴンなんかに破壊はさせないよ。
沢山の人たちの命が掛かっているんだから、頑張らなきゃね。

■行動
飛空艇の上から、ドラゴンを狙う様に位置しながら移動しつつ攻撃するね。
ドラゴンの攻撃は、【オーラ防御】で飛空艇ごと守るよ、
シホ姉と燦姉と協力して、オーラ三段構えで
飛空艇を包み込む様にしていくよ。

焔も爛や燦姉と一緒にフォックスファイアを合体強化させて放つよ。
狐火は【属性攻撃】で火力を上げておき、一気に焼き尽くそう。

「爛、燦姉、一緒に力を合わせようね!」
「シホ姉、敵の動きに注意して飛空艇を守ろうね!」
「ルルチェリアさんも、ドラゴンの攻撃に気を付けて」



●大砲撃・大挟撃・大打撃
『永遠に雲の底へ、沈めてくれる……!』
 低く唸りながら飛空艇と対峙するガレオンドラゴン。
 直後、その背に大砲による砲弾が着弾した。激しい衝撃に吼えながら、龍は首を後ろに向ける。
 そこにあったのは船であった。眼帯をしたキマイラのイラストが描かれた旗を掲げた、やや小さな海賊船だ。
「甘いわね、船は一つだけじゃないのよ! ロイヤル・ルルチェリア号、発進!」
 そこに乗っていたのはルルチェリアであった。そして彼女が指揮するのは子供の幽霊。彼らは楽しそうに、悪戯でもするように船内を駆けまわり、それでいて淀みなく大砲に砲弾を装填していく。
「撃ち方用意! ……てーっ!」
 ルルチェリアの指揮に従い、砲弾が撃ち込まれた。飛来する砲弾を睨み、ドラゴンは咆哮を上げる。
『オオオオオォォォーーーー……!』
 それは単なる威嚇ではない。体内の空気を圧縮して放つ大音声は、突風となりルルチェリア号からの砲弾を弾き飛ばした。
 彼女の大砲の威力は飛空艇のそれよりは心もとない。その音波に叩き落とされるのも致し方なかった。
「ルルチェリアさーん! ドラゴンの攻撃に気を付けてー!」
 ガレオンドラゴンの動きを注視していた焔が叫ぶ。艦載砲はルルチェリアの海賊船を狙っていた。
「とーりかーじ! 砲撃が来るわ、避けるのよ!」
 しかし、それでいい。彼女の目的はあくまでも牽制だ。お返しにと飛来するガレオンドラゴンからの艦載砲を風船のような盾で受けながら、ルルチェリアは移動と砲撃を繰り返していた。

「な、なんて声……」
「見ろよあの砲撃、まるで城の防衛装置だ……」
 そんなルルチェリアとガレオンドラゴンの戦いを見て、勇士たちは恐れをなしていた。あの砲塔がこちらに向いたら、この飛空艇は……。
 あまりの大音量に頭の耳を両手で押さえていた爛もまた、その空気に飲まれつつあった。
「ビビるな、勇士諸君! そして爛!」
「なぁ!? び、ビビってなんて……!」
「勇士諸君。実を言うとアタシは今、金欠だ」
 は? と爛が大口を開けてしまいそうな言葉が燦から自信満々に発される。
「最近飛空艇というデカイ買い物をしたんでね。そんなアタシは今、喜びに打ち震えている!
 あれだけデカイ獲物なら、そこから採れる戦利品も莫大! アタシ達が狩人で、アレは獲物! それも宝の山だ!」
 燦が刀を抜いて、それを遠くのガレオンドラゴンに向けた。ポカンとしていた勇士たちは、一斉に笑い出す。
「なるほどな! 確かに、ありゃ金になりそうだ!」
「さっきは俺が砲弾を当てたんだぞ! 俺にも取り分をよこせよ!」
 空の世界で生きる者たちは逞しい。勇気を取り戻す彼らに混じって、シホが爛の手を優しく握る。
「大丈夫です。私たちで力を合わせれば」
「シホ……。そう、ね。さっきもあんなにうまく行ったんだしね!」
「はい。震えは止まりましたか?」
「ん、んんー! これは、武者振るいよ! あとあんな綺麗じゃない子を見ちゃってトリハダなだけなんだから!」
 誤魔化すように憤慨する爛にシホがクスリと笑えば、すっかり恐怖も震えもどこかへ行っていて。
「……ええ。飛空艇の人に、何より大切な人たちに情けない姿は見せられないわ」
 爛は、決意に満ちた瞳で戦いの空を見つめていた。

「よし、今のうち! 爛、燦姉、一緒に力を合わせようね!」
 ルルチェリアの陽動が機能しているうちに攻撃を。爛、燦、そして焔はそれぞれに狐火を生成し、周囲に浮かべる。
 燦と焔の赤い炎に、爛の青い炎が混じる。それらの色は混ざり合い、紫へと変化した。魔力が混在したそれは、単純な一人のものよりもさらに破壊力が増している。
『……させぬわ!』
 その準備に勘付いたガレオンドラゴンは、飛空艇側に艦載砲の砲門を向けた。
「シホ姉! 燦姉!」
「おう!」
「ええ。守りは任せて」
 咄嗟に燦と焔、シホが三重のバリアで船を守った。砲弾を受け流し、衝撃を和らげるための防壁だ。
 砲弾がバリアを叩き付け、爆風で外が見えなくなる。バリアによる防御を加えたにもかかわらず飛空艇は激しく揺れ、彼女たちの足元も揺らぐ。
「バリアが!」
「復世、回復……!」
 その巨大な衝撃は三人で展開したバリアをも砕きにかかった。シホによる修復が間に合ってはいるが、敵の攻撃は止まない。このままではこちらからの攻撃は難しい。
「まずはあの艦載砲をぶっ壊さなきゃだめか!」
 そう言って燦が取り出したのは箱型の時限爆弾、「カウントダウン」。爆煙の中で目を凝らし、それを投擲した。
 投擲された爆弾は狂いなく、飛空艇に向くドラゴンの艦載砲に向かって飛んでいく。しかし艦載砲もまた、その爆弾に砲口を向ける。
『無駄だ! 撃ち落とす!』
 射出された砲弾は真っ直ぐにカウントダウンへと向かう。このままでは撃ち落とされ、反撃は水泡に帰すだろう。

「――そこね」
 だが、シホがそうはさせなかった。
 彼女は銃を構え、飛来する砲弾へと銃口を向け、引き金を引いた。第六感と聴覚によるナビゲートにより導き出された弾道は、砲弾の信管を砕き、爆散させる。
『何ィ……!』
 阻むものがいなくなった時限爆弾はそのまま艦載砲へと着陸。時間と共に、大爆発を起こした!
「っしゃあ! これで邪魔するモンはなくなった……!」
「ええ。頃合いね」
 シホの手にした銃が銀色の花弁へと変わると、風に乗りガレオンドラゴンの視界を阻む。
 そしてそれは、反対側で戦うルルチェリアへの狼煙でもあった。ルルチェリアは微笑み、再度幽霊たちに砲弾を装填させる。
「狙うのは、天使核がある可能性が高い体の中心じゃなく、頭とか艦載砲とか……だったよね、シホ姉!」
 焔の確認にシホが首肯すると、彼女たちの、そして勇士たちによる砲撃の狙いは定まった。

 揺蕩う紫の無数の炎。
 爆発を待つ飛空艇の砲。
「発射ッ!」
 ――それらが、一斉に放たれる。
『グオオオオオ――!』
 巨大な龍の苦悶の咆哮も、今だけはその爆発音の中に呑まれて消えていた。
 通常のドラゴンならば、その身体の欠片も残らぬような砲撃と炎の嵐。それらに包まれながら龍は猛り、吼え――怨嗟に満ちた眼差しで、未だ彼女たちを睨みつけていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リューイン・ランサード
【竜鬼】
いきなり飛空艇を襲うのが、何故ドルム・ガンドラの野望に結びつくのかは判りませんが、性格も頭も悪いヤツだとは判りました。

飛空艇防御のメインはひかるさんにお願いして、自身も結界術による防御結界を展開したり、ビームシールドを飛ばしての盾受けでサポートする。

攻撃ではUC使用。
1000本以上の流水剣の複製に炎の属性攻撃を付与し、敵を包囲しての貫通攻撃で装甲も鱗もガンガン貫いて内部に突入し、斬り裂きつつ可燃物を燃やしていく。
艦載砲が有るという事は、弾薬庫が有るという事です。
世界知識と第六感で弾薬庫の位置に当たりを付け(ひかるさんにも情報連携)、剣の複製を集中させて誘爆。

夏らしい大きな花火にします。


ハイドラ・モリアーティ
言ってろ、このボロ船ドラゴンが
【UNCANNYVALLEY】、使い魔たちを呼び出すぜ
今回はこいつらの仕事は殆どサポートだ。高火力のとっておきな一撃は
他の猟兵さんのほうがうまくやるんじゃない

――食らわれ続けると「数に限りがある」ことがバレちまうからな
半数は相手の口に、大砲の砲身に入ったら爆ぜろ、食われる前に
飛空艇に損傷があれば残りの使い魔通して復元だ
ガジェットでスキャンも忘れない。設計図と説明書は読まないと失敗するだろ
勇士の中に手伝えるやつはいる?

魔術刻印と俺の頭は一級品だ、デカブツめ
我慢比べと行くか?ああ?
見てろよ、自慢の牙も大砲もぜぇんぶ爆破してやっからなァ!

沈むのはてめェだけだ――堕ちろ!


荒谷・ひかる
【竜鬼】

なるほど、正確な狙いの砲撃ですね……
ですが、そのぶん対処も容易いです!

ドラゴンの周囲を飛びまわる風の精霊さん達にお願いして、艦載砲の射角や狙い等の情報を収集
それを元に【闇の精霊さん】発動、砲弾の射線上にマイクロブラックホールを置くことで吸い込んで無効化
【闇の精霊さん】を防御専用と油断させるため、暫くの間攻撃はリューさんにお任せ
わたしは飛行船の防御に徹し、可能な限り砲弾を異次元空間へ吸い込んでもらいます
リューさんが弱点部位に見切りを付けたら、わたしも反撃開始
「出口側」のマイクロブラックホールから、弱点目掛けてこれまでに吸い込んだ砲弾を一気に纏めて叩き込みます

ご自慢の砲弾、お返ししますっ!



●爆ぜ散る咆哮
「ふーん……そういう風にできてんのか……」
 ハイドラはモノクルのようなガジェットを通して飛空艇の損傷箇所を目指していた。
「まだ落ちるほどじゃないが、損害はそこそこ無視できないレベルだ。誰か、お前らの中で手伝える奴はいる?」
「あ……そ、それなら私が! 飛空艇の修理ならやったことあるから……!」
 名乗り出た少女に上出来だ、と返し、ハイドラは傍らに浮かぶ眷属とともに損傷部へと歩いていく。
 万能を操るその魔力は、破壊にも想像にも役立った。多頭の蛇は破損して使い物にならなくなったパーツへと変身すると、少女の手に収まった。
「修繕はよろしく頼むぜ。こいつらがパーツ代わりになるから」
 ――そう言ってハイドラが甲板へと移動したのは、飛空艇に激しい揺れと、龍の咆哮を感知したからだった。

『オオオォォォ――ドルム・ガンドラの――大義がため――』
「上がってきましたか……」
 リューインは揺れる船内でひかるを守るように肩に手を置き、浮上してくるガレオンドラゴンを睨んでいた。
 ドルム・ガンドラとやらがいかなる国なのかは知らない。だが、いきなり船を襲い、それを落とすことの何が大義で、それがいかなる野望に繋がるというのか。
 目の前のドラゴンは性格も頭も悪いやつだが、最も悲惨な可能性は、これが「歪められた結果」である場合だろう。
 ブルーアルカディアにおけるオブリビオンは、他の世界の例に漏れず、生前の姿から力や望みも歪んだ形で浮上する。このドラゴンはどちらなのだろう。

『沈め! 我らの帝国のため!』
「砲撃が来ます! 闇の精霊さん、防御を!」
 ひかるが精霊に願えば、ガレオンドラゴンから射出された砲弾の直線上に小型のブラックホールが出現する。それらは砲弾を跡形もなく呑み込むと、すぐに閉じた。
『小癪な……!』
 それに対し、龍は次から次へと砲弾を浴びせかけた。それに歯止めをかけようと、ハイドラの眷属たる蛇がドラゴンの眼前に飛来する。
『小蝿が……邪魔だ!』
 しかし、このドラゴンは全身が凶器。牙を剥き、近くで飛んでいる蛇から捕食していく。
「――ハッ。お生憎様!」
 眷属がその口の中に運ばれたのを確認し、ハイドラが指を鳴らす。
 すると突如、ドラゴンの口が爆ぜる。爆風と爆炎を吐き出しながら、激しい咆哮を上げた。
「ウチの子は何でもできるんでねェ。不用意に口にしちゃ駄目よ」

 そうして生まれた大きな隙を、リューインは見逃さない。しばしの詠唱を経て、彼はガレオンドラゴンの全身を囲みこむほどの大量の剣の複製を作り出す。
「……あなたはガレオンが変化した存在」
 これまでの戦いを見ていた。この龍のブレスには砲弾が混じり、艦載砲からは無数の弾丸が撃ち出されるのだ。
 ならば必ず。その体内の何処かに、弾丸を供給する火薬庫が眠っているはず――!
「流水の剣よ……!」
 それらの剣が、火を纏う水となり殺到する。全身に突き刺さる刃が、その真の急所を探り出す。

「……! そこです! ドラゴンの火薬庫は、心臓のすぐ隣に!」
「わかりました、リューさん!」
「へェ、耳寄り情報だな」
 それを聞き、ひかるはドラゴンの心臓部付近に多数のマイクロブラックホールを精製する。先程砲弾を受け止めたものと同じだ。
 吸い込まれたものは、やがてどこかへと吐き出される。――その出口は。
「ご自慢の砲弾、お返ししますっ!」
 吸い込んだ時の勢いをそのままに、幾つもの弾丸が射出された。着弾と同時に巻き起こる爆発は鱗を弾き飛ばし、肉を抉り取り、やがて内臓を露出させる。火薬を満載した、危険極まる内臓を!
「行け。沈むのはてめェだけだ――堕ちろ!」
 そこにハイドラの蛇が忍び寄り爆発すれば、火薬庫は炎上する。ドラゴンの体内を巡る火薬から火薬へ次々と誘爆し、その肉体が四散していく。
『ば、馬鹿な! 馬鹿な……ッ!』
 そうして体がバラバラになり、残るは龍の頭のみ。
『――我らが帝国に! 救いあれ――!』
 最期にそう叫ぶと、ドラゴンは大爆発を起こした。猟兵たちの、完全なる勝利だ。

「……大きな花火でしたね……」
「わたしはもう少し、綺麗な花火が見たいですけどね……」
 爆発音に耳を塞ぎながら、ひかるはそう苦笑した。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『おいしい魔獣』

POW   :    ボリューム満点の肉料理をいただく

SPD   :    まろやかな味わいの卵料理をいただく

WIZ   :    ひと手間かけた臓物料理をいただく

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●戦いは終わり
 ガレオンドラゴンとの戦いは終わり、幸いにして勇士にも猟兵にも死傷者はない。
 勝利の喜びに湧く勇士たちを乗せたまま、飛空艇はドラゴンが墜落した浮遊大陸に着陸する。
「ええと、その……この度は不測の事態とはいえ、皆様を危険な目に合わせてしまい、申し訳ありませんでしたァッ!」
 勇士たちの前に姿を現したのは、戦いの際に一度も姿を見せなかった飛空艇の機長だ。リスキー&ラック社の社長でもある、『ランバート』氏だ。
 元よりこれはあくまで試験飛行。オブリビオンの襲撃という事態とはいえ本来起こりえない危険に晒されたこと、ついでに機長が戦いの際どこかに隠れていたことなどが勇士たちの怒りに触れる。
「ふざけるなー!」「ハゲー!」「カネ返せー! 払ってないけど!」
 などといった暴言が飛び交い、ランバートは頭を下げ続けた。

「お、お詫びに! お詫びに弊社より、アレを素材としたお食事を提供させていただきますので!」
 怒号がピタリと止んだ。
「弊社負担で、シェフを呼びまして、その場で調理いたします。ご都合がよろしければ、お食事の場を用意いたします……!」
 じゃあ許すか、という空気が勇士たちの間で蔓延し始める。彼らは比較的単純だった。
「また、あれらの残骸から素材を手に入れていただくこともご自由ですので! 今回の飛空艇にはそういった素材を格納するコンテナもあり――」
「宣伝やめろ!」「商売しようとするな!」「ハゲー!」
 ――ということで、宴が始まった!

=============
※ガレオンドラゴンの肉が食えます。ちょっと火薬の匂いがしますが味は悪くないらしいです。
※ガレオンドラゴンの内臓メシも食えますが、ものすごいゲテモノです。危険な目に会いたい方は内臓に挑戦してください。
※ガレオンドラゴンから剥ぎ取りを行うこともできます。ただし天使核は一つだけなので、希望者がたくさんいた場合はダイスで一人だけに渡ります。
※剥ぎ取りで手に入れたアイテムがシステム的に送られることはありません。あくまでシナリオ内での描写だけですので、ご了承ください。
=============

※プレイングの受付は、【8/6(金)8:31~8/9(月)20:00】とさせて頂きます。
 〆切時点で章の達成数に届いていなかった場合、改めて期間を延長いたします。
エルヴィン・シュミット
[アドリブ歓迎]
やれやれ、ようやくあの大物もくたばったか。
…なんだ、宴会をやるのか?
精々一つまみ分とはいえ俺も頑張ったし、参加させて貰おうかな。

…え、"アレ"食うのか?
まあ、アレコレ暴れて腹も減ってるし、一応食わせてもらうか…。
ああいうデカい生き物の肉って、硬そうだけど大丈夫だろうか?

まあ、とりあえず肉食うか、肉。
獲物がデカいんだから、量はあるだろ。
ウマいかどうかはちょっと不安だけどな…。

…食えるのかな、ホントに。


御園・桜花
「此方の魔獣肉料理はとても美味しいと伺いましたの。是非、解体から見せていただけませんか?」
各世界で地物の食材を解体から見て(自分でもチャレンジ)きたので今回もワクワク
「ドラゴンと付くのですもの、きっとガレオンドラゴンも珍味なのだと思います」
うっとり
「成程…こうですね」

解体後のお肉と一緒に厨房へ
邪魔にならないように端で調理方法メモ
自分が作れる一般的な料理と大差ないと確認出来たら厨房での調理手伝い申し出て調理補助しながらハンバーグ作る
「火薬の匂いを香草で抑えられると思います」

内臓料理に中った人が出たらUCで解毒効果料理作り出す

「有難うございます…貴方は良い食材でした」
食後感謝の鎮魂歌を小さく捧げる



●盛者必衰
 リスキー&ラック社の者と思われる人間たちが、斃れたガレオンドラゴンの元に集まっていく。
 その中に混じって、桜花の姿があった。彼女は笑顔で、
「此方の魔獣肉料理はとても美味しいと伺いましたの。是非、解体から見せていただけませんか?」
 と作業員たちに声をかけた。彼らは二つ返事でそれを了承する。
「ちょいとグロいが、それでよければな。まずは頭を落とす。万一にも蘇生したら困るからな」
 作業員たちは、動かなくなったガレオンドラゴンの頭を巨大な刃で落としていく。あれだけ強力なドラゴンも、物言わぬ死体となればこうなるのか。桜花は諸行無常めいた感慨を覚えていた。
 桜花は様々な世界で獣の解体を見てきた。そして多くの世界において、ドラゴンは珍味だ。きっとガレオンドラゴンも珍味なのだろう。
「そして次に、この長い首の部分。ここは可動域が広い上に、急所を護るために筋肉が発達している。つまり味がいい」
「なるほど……勉強になりますね……」

 業者たちは首の肉を削ぎ落し、コックたちに渡していく。その解体の様子を、エルヴィンもまた近くで見ていた。
「……アレ、食うのか……食えるのか……?」
 先ほどまで斬り結んだ相手の無残な姿に、食欲よりも先に疑念が湧いてくる。あんなに強くて硬いドラゴンの肉が食えるのか?
「ああいうデカい生き物の肉って、硬そうだけど大丈夫か?」
「あぁ、意外と大丈夫さ。焼いてるうちに意外と柔らかくなるから」
「とりあえず意外なんだな……」
 だいぶ直感的な業者の答えに拭えない不安感を覚えつつ、エルヴィンは宴会の席へと向かった。

 一方、桜花は運ばれた肉と共に調理場へと移動していた。
 コックたちは油を引いた鉄板に肉を乗せて焼いていく。調理方法は完全に一般的な牛肉などと同じだ。
「……これなら、私も手伝ってもよろしいですか?」
「お? あぁ、構わないよ。手は洗っておいてね」
 パーラーメイドとしての彼女の実力を感じ取ったのか、コックはあっさりと彼女に調理の許可を出す。
 そして、許されたからには存分に腕を揮う必要がある。桜花はステーキ肉から切り落とされた肉を使い、ハンバーグを作りだした。
「……やはり、少し火薬の匂いがいたしますね。ここは香草で……」
 ハンバーグといっても、ただのハンバーグではない。ガレオンドラゴンが持つ火薬の匂いを、香ばしさに変える分だけ香草を入れ、臭みを消す。
 そうして焼き上がれば鉄板の上に乗せ、肉を待つ客の元へと持っていく――。

「お待ちどうさまでした。ガレオンドラゴンの香草ハンバーグでございます」
「あぁ……あれ? アンタ猟兵じゃ……いや、まぁいいか……」
 しれっと給仕側に混じる桜花に首を捻りつつ、エルヴィンは出されたハンバーグを切り、口にする。
「……! うまい!」
 硬いと危惧していた肉も、調理法ゆえかとても柔らかい。肉には脂身が少なく、だいぶ赤身に近い味わいのようだ。
 それに、その料理はただ味が良いというだけではなかった。先ほどまでの激戦で傷ついた肉体の痛みが消え、傷口が塞がっていく。
 それは桜花による調理が為せる業だが、その効能は元よりドラゴンが持っていた代物。
 生きている間は苦労させられた難敵だったが、こうして食べるととても優しげな味わいだ。
(あんなにコワモテで、暴れ回っていたのになぁ……)
 記憶に残る先程までの戦いと目の前の美味しい肉を重ね合わせる。
 これが生存競争というものか……。悲しいような寂しいような、妙な感傷と共にエルヴィンはハンバーグを完食した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

黒緋・焔
[アドリブ歓迎・SPD判定]
ふぅー、疲れたのう。
…なんじゃ、宴でも始めるのか?
折角の申し出を断るのも失礼じゃ、ごちそうになるとするかのう。

…え、あの竜の肉を食うのか?
むう…流石に気が進まぬような…ん、卵料理もある?
あの竜って卵とか産むのか…?
もしかして砲弾がそのまま卵代わりになっとったりして。

…まあよい、卵料理の方を頂くとするか。
そういえば、あの竜は何やら最期に何か言うておったような気もするが、何じゃったんじゃろうなあ…


オリヴィア・ストラスマリス
SPD 卵料理

なるほど、これはいい感じ。食べやすいのがいいです。
鮮度の問題がありますが、取扱いを考えても……

っと、一息ついたところで、
ちょっと商人“らしい”ことをしておきましょうか。

「失礼いたします。偶然居合わせた旅の商人、オリヴィアと申します。艦の修復や、先の戦で消費した弾薬の補給は? ちょうど私の艦で扱っているその手の資材に余りが出た所でして、良ければ相場よりいくらかお安くでいいのでお引取りいただけると私も助かるのですが……」

と、ランバート氏に話を持ちかけてみますか。
こんなこともあろうかと、自損覚悟で仕入れておいたんですけどね。
信用を買って、この世界での商売の足掛かりとします。



●後に続くもの
「はぁー。何やらどっと疲れたわい。老骨には堪えるのう」
 そうぼやきながら、焔は背筋を伸ばした。
 飛空艇は水上を走る船とそう変わらない。転倒から身体を守る為に筋肉は常に緊張状態で、踏ん張るために足腰は痛む。
 見た目が若い焔にとっても、飛空艇での防衛戦はかなりの疲労になったようだ。単に運動不足かもしれないが。
「ま、食事でもして元気を出すとするかの」
 宴が開かれるというのならば是非もない。疲れを癒すには食事がもってこいだろう。焔は上機嫌で着席し――テーブルに積まれた、巨大な肉の塊に面食らった。
「なんじゃこの量!?」
 あくまで数人で取って行って食べる用だが、あまりにボリュームがすごい。そもそもステーキの一枚一枚がめちゃくちゃにデカイ。
「これがブルーアルカディアの常識なのかのう……」

 というか、そもそもあのドラゴンの肉をそのまま食うのか。さすがにそれは気が進まない……と悩む焔の前に、一つの皿が置かれた。
「どうぞ。あちらにあった卵料理ですよ」
「おぉ、助かる。……卵料理?」
 小さめの肉に卵の黄身らしき黄色いソースがかかっている料理だ。一口サイズで比較的食べやすそうに見える。
「え? あの竜卵とか産むのか? そもそもメスじゃったのか?」
 いや、実はあの撃ち出していた砲弾が卵の代わりだったり……? 疑問は尽きないが、とりあえず一口食べてみる。
「む……うまい。卵のお陰で口触りがなめらかじゃな」
 それだけにやはり気になる。ガレオンドラゴンの卵とはいったい……。
「ちなみに解析したところ、この卵は普通の鳥の卵です。あのドラゴンはオスですので」
「結局普通の卵なんかい!」
 旨いから許すが、ほぼ詐欺では……? 期待と想像の時間を返してほしいわい、と愚痴りながら焔はむしゃむしゃと肉を食べた。

 そうしてしばらく食事をしていたオリヴィアだったが、突如眼光鋭く立ち上がると、宴の場に顔を出したランバートに声をかける。
「失礼いたします。偶然居合わせた旅の商人、オリヴィアと申します」
「む? これはどうも、弊社の船にご乗船いただきありがとうございます。大変助かりました」
「いえ。ところで、艦の修復や、先の戦で消費した弾薬の補給はどのように?」
「それに関しては懐の痛い話でしてな。すべて弊社で修理し、補給する形となるでしょう。いやはや、大損害です」
 やはりそうか。予想通りの返答にオリヴィアの眼が光った。
「それは良いことを聞きました。ちょうど私の艦で扱っているその手の資材に余りが出た所でして」
「……ほう……?」
 今度は目の色を変えたのはランバート氏の方だった。彼も商人、単なるうまい話にそのまま飛びつくような男ではない。

「良ければ、相場よりいくらかお安くでいいので、お引取りいただけると私も助かるのですが……」
「それは、私としても大助かりです。しかしながら……それでは我々が得をし過ぎですな?」
 彼の言うことは尤もだった。本来ならばリスキー&ラック社で用意する修復資材。それを安く、しかもこの危機を助けてくれた立役者が提供するという。それでは対価は吊り合わず、受け取れるものも受け取れない。
 そしてそんな商人の習性を、オリヴィアもまた把握していた。
「その代わりと言ってはなんですが。私も商人として、こちらでうまく商売するための足掛かりが欲しいところなのです。地域によって不足している物資や、どういった人々が住んでいるかなどの情報が欲しいと思っておりまして」
 それにはリスキー&ラック社様のような、幅広い地域で活動している商会の協力が重要です。
 そうオリヴィアが伝えると、ランバートは微笑む。
「……そういう事でしたら喜んで。今後とも商人同士、是非とも良い関係を築いてゆきたいものですな!」
 商談は成立。自損覚悟で買い物をしておいた甲斐があった、と彼女は胸を撫で下ろした。

「汚い大人の話をしとる……」
 聞こえてくる彼女らの密談を聞かなかったことにしつつ、焔は解体されゆくドラゴンを死体を見た。
 ――我らが帝国に救いあれ。
 そう竜は断末魔に叫んでいた。栄光でもなく、勝利でもなく、支配や暴虐でなく、救い。
 屍人帝国の活動がいかなる救いをもたらすというのか。それが意味するところを今一つ測りかねていた。
「……ま。考えてもしょうがないことかの」
 今はまだ判断材料や推理の材料が少なすぎる。焔は再び、目の前の肉に集中することにした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シャルロット・クリスティア
(一応POW)

騒動も収まったことですし、私は飛空艇の縁からのんびり見物でもしてましょう。
こうやってただ眺めてるだけでも、結構楽しいもんですよ。
解体とか、搬入の様子とか。こういう世界の独特の文化ですからね。
お誘いがあったら、ありがたく頂きはしますが。串焼きとか、食べやすそうですね。

肉に鱗に骨……あぁ、ガレオン船だから木版や金属材も採れるんですか。
本当、捨てるところがないですね。
……ふむ、少しおこぼれに預れるなら、少し血でも貰っていきましょうか。
何に使うのかって?
血液とは、いわば命の源、竜の血ともなれば、強力なエネルギーの塊です。
成分にもよりますが、優秀な錬金術素材になるんですよ。


鳴上・冬季
「天使核入手は運次第ですか。面白そうですねえ。ならば是非参加しなくては」
こういうお遊びは好きなのでもちろん参加
入手できたら黄巾力士用宝貝の素材として使用予定

「それではまず臓物料理から」
面白そう、が選択基準
劇物的甘さを好むが味覚は極めて普通
ゲテモノ評価が視覚か味覚か嗅覚か、極めて興味あり

「同じ見た目でも下処理がきちんとしていない臓物は激マズですが。お詫びに出す料理でそれはないでしょう?」
きちんと味わう
丁寧に下処理されて真面目に味付けされての料理なら真顔で
「大変独創的な料理です。参考になりました」
手抜きがあっての激マズなら無言で仙丹貪る

「口直しに普通のステーキも」
「魔獣は美味しいと聞きましたが…」


アルジャン・ボワレゼル
アドリブ・絡みOK
【POW】
何はともあれめでたしめでたし、っと。
折角だからドラゴン肉もご馳走になるか。
とりあえずシンプルに串焼きとか頼むぜ。
「うん、いいなこりゃ」
火薬の匂いも残ってるけどこれはこれで。
と、肉を齧りながら今回の戦いを振り返る。
今回襲ってきたのは騎士が十名程と
ガレオンドラゴンが一隻?一頭?だけ。
帝国だってんならもっと兵力がありそうなもんだ。
これからも、ドルム・ガンドラが事件を起こすことが
あるのかもしれない、と考えを巡らす。
故国への忠誠はわからないではないけれど、
彼らが今を生きる罪なきものを虐げるなら止めねばならない。
――私が知る騎士道は、罪なきものを守るためにあるのですから。



●思いを馳せる
 戦いに活用し、先ほどまで火を噴いていた大砲に手を触れる。
 未だ消えきらぬ熱を持つそれの近くに座り、シャルロットはドラゴンの解体現場を見ていた。
「お前さんは宴には行かないのかい?」
 そう尋ねたのは斧を手にした勇士。軽く微笑み、彼女は視線を解体現場へと戻す。
「こうやってただ眺めてるだけでも、結構楽しいもんですよ」
 手際よくバラバラにされていく巨体。これはこの世界特有の文化で、見ているだけでも価値がある。
 ドラゴンとは素材の宝庫だ。強固でしなやかな鱗は鎧に貼り付けたり、船の素材にも使える。
 巨体を支える大きな骨は、そのまま城の素材になったりもする。
 さらには、あれはただのドラゴンではなくガレオン船がドラゴンとなった存在。搭載されていた艦載砲や砲弾、木材や鉄材すらも有効に活用できるのだ。
 シャルロットは、ドラゴンの体内奥深くから大量の血と共に摘出された。内臓を見た。グロテスクだが、その一方で価値の高い代物だ。
 アレには大量の血が含まれている。竜の血は強大な生命エネルギーの源であり、とても貴重な錬金素材だ。折角なら、後でいただいていこう。こちらの世界では錬金術はあまり盛んではないようだし、バケツに溜まっている血はそのまま捨てる物のようだし。
「……ん?」
 辺りの血に注目していた彼女は、ふと奇妙な匂いが漂ってくるのを感じた。火薬の匂いを凝縮したような、爆薬のような……かつ、香ばしく甘い匂い……。
「……アレ、調理したんですか……」
 それは宴の席へと運ばれていく、ドラゴンの内臓だった。

「待っていました。それではまず臓物料理から」
 その料理を注文した勇者は冬季であった。目の前に運ばれたのは、鉄板に乗った黒ずんだ柔らかそうなもの。ゲテモノと聞いたが、いかなる方向性なのか? まず見た目はとても悪いが……。
「下処理がきちんとしていない臓物は激マズですが……」
 あくまでこれは詫びの料理。そういう手抜きによる不味さはないだろう。意を決してナイフを通すと、とても柔らかい。フォークに刺し、一口。
「……………………」
「どうです? ドラゴンの内臓料理は」
 冬季は片手で口を押えながら、しばらく沈黙して悩んだ。
 ――これは、何味だ?
 何に例えるにも相応しくない、今まで食べたことのない味。強いて言うならば食感はフォアグラに近いか。
 最初に舌に来るのは苦みで、同時に口いっぱいに火薬の物騒な匂いが広がる。しかし噛んでいくと、由来不明の甘さを感じたり、香辛料のような刺激的な辛みを感じたりもする。
 最終的にはそれらが口の中で完全に混ざり、苦く、甘く、辛く、火薬臭い何かが顕現するのだ。少なくとも旨くはない。何だこれは?
「…………大変独創的な料理です。参考になりました」
「そう言っていただけると嬉しいです」
 シェフの言い草からすると、これは不味いものとして作られているわけではなさそうだ。恐らく、普通の食事に飽き切った食通辺りが好むのではないだろうか。
「あの……口直しに普通のステーキを」
「かしこまりました」
 冬季は深い溜息を吐いた。ドラゴンの内臓焼き、ゲテモノ評価――視覚と味覚と嗅覚がゲテモノ。

「……変なもの頼まなくてよかった」
 黙り込んでしまった冬季を見つつ、アルジャンはシンプルなドラゴン肉の串焼きを食べていた。
 スパイスと塩だけで焼き上げられた串焼きは意外なほどに旨い。脂身が少なく、噛み応えのある赤身の肉だ。かなり贅沢な話だが、恐らくペットフードにも向いているだろう。
 こうも旨く感じるのは人間の味覚によるものか、それともクリプトペリュトンの好みか。主と同一化した今ではそれもわからない。
「うん、いいなこりゃ」
 串焼きという調理形式も憎い。一つ二つとどんどん食べられてしまうそれを、彼は次々に食していく。
 同時に彼は、今回の戦いを振り返っていた。
(今回襲ってきたのは騎士が十名程とガレオンドラゴンが……一隻? 一頭? だけ)
 帝国を名乗るからにはあの程度の戦力は末端も末端だろう。屍人帝国はオブリビオンとして、これからも活動を続けるはずだ。
 つまり、ブルーアルカディアで活動する限り、恐らくまだ何度か、ドルム・ガンドラ帝国と相まみえることもあるだろう。
「ドルム・ガンドラ帝国……」
 彼は見た目よりもよほど長い時を生きる召喚獣だ。だが、その記憶の中にも帝国の名はない。主が生きていた時代よりもさらに昔の国なのだろう。
 騎士やドラゴンたちが語った故国への忠誠。騎士として、その想いはわからないわけではない。……だが。
 それが今を生きる罪なきものを虐げるなら止めねばならない。彼らが生前は騎士だったというなら尚のことだ。
(――私が知る騎士道は、罪なきものを守るためにあるのですから)

「……せっかくタダなんですし、食べないと損ですよぉ」
「わかりました、わかりました……では、串焼きでもいただきましょうか」
 宴の席に新たに加わったのは、シャルロットと彼女に協力した勇士の少女だ。少女はシャルロットに串焼きを差し出し、共に食べる。
「確かに、おいしいですね。仕留めたドラゴンを食べるというのは妙な感触ですが……」
 それからしばらくして、冬季の前にステーキが供出される。ナイフで切れば溢れるのは肉汁。変な内臓の汁ではない。
「……救われますね……」
 やけに深刻げなその声の温度は、彼自身だけがその意味を知っていた。
 と、何はともあれ、宴は明るく進んでいく。そのことにアルジャンは妙な喜びを覚えていた。
(……良い土産話になりそうです)
 思いを巡らせ、彼はまた肉を頬張った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

四王天・焔
《狐御縁》

■心情
ドラゴン肉かぁ、食べるのは初めてだね。
どんな味がするのか楽しみだよ。

■行動
飛空艇で皆の部屋が出来るのを聞いて歓喜。
「皆の部屋もできるのだったら、皆と飛空艇で空の旅も出来そうだね」

それが終わったら、焔もドラゴン肉を頂くね。
美味しそうにジューシーに焼けて行く様子に、食欲をそそられるね。
焼けた肉は、ハムっと豪快にかぶりつくよ。
「んー、硬い肉質ながらも肉汁が溢れ、
香ばしい焼き跡がまた一段と深い味わいを見せてくれるね」
シホ姉の為に焼けたドラゴン肉と切り分けてあげようかな。

ルルさんに、爛も、ドラゴン内臓どうだったかな?
滅多に食べられないから、いい経験になったんじゃないかな?


四王天・燦
《狐御縁》

天使核欲しいね
アタシと焔の飛空艇に組み込みたい
シホ・ルル・爛にも飛空艇所有を伝え、艇に皆の部屋も作りたいと言ってみる

ガレオンドラゴンの大砲等は修理して頂く
帰ったら取付けようぜ

素材格納庫や空調も欲しいな
会社に持ち込んだら、特別価格でしてくれるよね、毛根は大事だよね、ランバート氏?

商談後は食事会だ
いただきます
魔獣食べるの何回目だろ
お腹周り…大丈夫だよな?
皆の目が気になるぜ

優雅にタンステーキとワインで大人を気取ります
ルル・爛…無茶シヤガッテ

刺激的な肉汁、ちょっと危ない火薬の匂い―
焔に倣って食レポするけど慣れてねーの丸出しだわな

こっそりシホのタルトが一番だと囁くよ
卵と油揚げの甘味が蕩けるね♪


狐裘・爛
≪狐御縁≫
完全勝利! あっはっは! ドラゴンの解体現場、見に行きましょ。随分と怖がらせてくれたもんね。……あ! 怖くないから!

ん、んん…….金銀財宝や天使核は任せるわね。こういうのは価値がわかる人が持つべきだと思うの。それよりも疲れたし、栄養補給! 丸齧りしたいところね。油揚げ……は、ない? そう。
エッグタルトはあるの?! ふふっ、先にいただいてもいいかしら? シホ! ねーぇ

そして……お目が高いわルル。そう! モツは美容にいい栄養素がたくさん含まれてるの。それもドラゴンだもの、当然「ふんだん」よ! 早くみんなメロメロのレディになるためにも…実食!
………………うェ。む、無茶じゃないし!


ルルチェリア・グレイブキーパー
≪狐御縁≫

倒したドラゴンの解体?
見に行くのよ!

天使核は必要な人に渡った方が良さそう
私はこのキラキラした金属の部品を頂くわ
綺麗だしきっと高く売れるわ!

燦さん達の飛空艇、いつか乗ってみたいわね
私もお手伝いするのよ

ドラゴンステーキ!ドラゴン料理といえばやっぱりコレね!
た、戦ってカロリー消費したからセーフなのよ!太らないのよ!

爛さん、良かったら一緒に内臓メシに挑戦してみない?
美容にいい栄養素がふんだん!? これは食べるしか無いわね!
ぐぇえ……内臓特有の臭みが酷いのよ……

いい経験になったけど、暫くは味わいたくないのよ……

涙目になりながらシホの淹れてくれたお茶を飲み
エッグタルトの甘みで癒されるのよ~


シホ・エーデルワイス
《狐御縁》

敵の冥福を祈ってから聖剣を手に解体作業を手伝う

敵とはいえ
私達は彼らを糧にして明日を生きられます
その感謝は忘れたくない


天使核争奪戦は不参加
内心
燦を応援


そう言えば飛空艇を買ったと言っていましたね
それでは使えそうな資材の回収と修理を手伝いましょう

燦が目を付けたガレオンドラゴンのパーツを【復世】で修復し『聖鞄』に収納
巨人用の部屋なら入るでしょう



ありがとう
香草や胡椒との相性も良さそうですね


爛さん
デザートに油揚げを生地に使ったエッグタルトを料理しましたよ
え!?
もう
少しだけですよ


燦と焔と一緒に見守るも
苦しそうなルルと爛さんを見て
口直しのお茶を淹れ
改めて油揚げのエッグタルトを振舞う

燦の囁きに微笑む



●命はいかに使われる
 激戦を終え、少女たちはドラゴンを墜落した島へと降り立つ。多くの人がその死体に集まり、その素材を求めて解体している。
「地面に横たわってるのを見ると、ホントに大きかったっていうのがわかるわね……もっと近くで見たいのだわ!」
 そういって駆けだしていくルルチェリアを止める者はいない。目的は各々少しずつ違えど、やはり自分たちが倒した強敵。それがどうなるのか、見てみたい思いはあったのだ。
「そうね、見に行きましょ。随分と怖がらせてくれたもんね。……あ! 怖くないから!」
 慌てて取り繕う爛も、実際に解体現場に来てみれば思わず言葉を失う。当然といえば当然だが、解体現場には血の雨が降ったかのように赤色に浸されていた。
「……敵とはいえ、私達は彼らを糧にして明日を生きられます」
 その感謝を忘れてはいけない。そう胸に刻み、シホは聖剣を手に解体作業に加わった。白い剣は竜の血を跳ね除け、その肉の深くまで切り込んでいく。

「天使核! なぁ、こっちのオブリビオンには天使核があるんだったよな? アタシも欲しい! アタシと焔の船に組み込みたいんだ!」
 その詳しい正体は未だ不明ながらも、天使核は非常に大きなエネルギーを生み出す物質。あるとないとでは船の出力は大きく違った。
 それに、これだけの巨体のエネルギーを賄う天使核だ。今の船のものよりもよほど出力は高いはず。しかし……
「おぉ、悪いな嬢ちゃん! もう天使核は他の奴が見つけてたよ。早い者勝ちだからなぁ」
「ガーーーーン!」
 残念ながら、天使核はすでに発見され回収されていたらしい。しょぼくれる燦を焔がなだめる。
「くうぅ~……船にみんなの部屋も組み込みたかったんだけどなぁ」
「私たちの?」
「うん。今はアタシと焔の部屋しかないけど、ルル、シホ、爛……皆の部屋もあったらいいよなって」
「へえぇ……! 皆の部屋もできるのだったら、皆と飛空艇で空の旅も出来そうだね!」
 しかし、そうした大きな船を浮かせるには相応の天使核が必要だ。それだけに今回のものを当てにしていたのだが……。

「……まぁ、気にしても仕方がないですね。ほら、燦。一番の目当てはなかったけど、ここにはまだまだ資材があるでしょう?」
 ガレオンドラゴンは元は大きなガレオンが変化したもの。燦の求める船を造るための素材は非常に豊富だ。
 天使核以外にも、未来の燦の船に組み込むべきものはある。
「そうね。燦さん達の飛空艇、いつか乗ってみたいわ。そういうことなら、私もお手伝いするのよ!」
 ルルチェリアはそういって、瓦礫と化した船の中から何やら光るパーツを取り出してきた。
「ええと……なに? それ」
「わからないけど、綺麗だしきっと高く売れるわ!」
「……ルル、ちょっと貸してみて」
 シホがそのパーツを手に取り、復元のユーベルコードを発動する。するとフレーム状の光がそれに集まり、やがて一つの金属のパイプとなった。
「綺麗じゃなくなったのだわ!」
「多分、蒸気とか水とかを運んだパイプでしょうね……」
「じゃあシホ! これ直して取り付けよう!」
 燦が持ってきたのは大砲の一部。苦笑しつつ、シホはそれもまた復元し、広大な内部空間を持つ鞄に入れた。
「大砲積んでどうするの?」
「まぁ、いつか使うかもしれないだろ! それに素材格納庫や空調も欲しいな~! どこかに船を扱ってる会社はないかなぁ~」
 ランバートの方をチラチラと見ながら燦は段々とその声を大きくしていった。その視線に宿る圧からか、彼は大いに汗をかいていた。

 場所は変わり、宴の会場にて。恐れて火を付けて、腹を空かせた爛は辺りを皿を見回す。
「あの……油揚げは」
「アブラアゲ? 何だいそりゃ」
「存在すら知られていない!?」
 意気消沈する彼女の前に、そっと皿が置かれる。分厚い生地のエッグタルトだ。
「そう言うと思って、デザートに油揚げを生地に使ったエッグタルトを料理しましたよ」
「~~! シホ! ありがとう! 先にいただいてもいいかしら? シホ! ねーぇ、シホ!」
「もう……少しだけですよ」
 駄々っ子のような爛に呆れたような笑みを浮かべつつ、シホは着席する。まず、ルルチェリアと爛の前に料理が置かれた。
「うわ……黒……」
 二人はドラゴンの内臓を頼んでいた。黒くて丸みを帯びたものが鉄板の上で焼けている。
「モツは美容にいい栄養素がたくさん含まれてるの。それもドラゴンだもの、当然『ふんだん』よ!」
「そ……そうよね。これは食べるしか無いわね! ねぇ!?」
 漂ってくる妙な匂いに気圧されつつ、二人は先手を譲る素振りでなかなか食べようとしない。
 しかし、膠着状態を破ったのは爛だった。美容に良いものを食べれば、一足先にみんなをメロメロにするレディになれるはず。
 ――そんな欲と夢を、口の中の味が現実に引き戻す!
「……なに、この……なに? 何味?」
「ぐぇえ……内臓特有の臭みが酷いのよ……しかもなんか火薬臭い……」
 一口目は苦く、二口目は甘く、三口目は生臭く。噛めば噛むほど歓迎できない味が溢れてくる内臓を、どうにか飲み下した。
 内臓は目の前に、まだまだ大量にあった。

「ルル、爛……無茶シヤガッテ……」
「む……無茶じゃないし……! ウッ」
 ワイングラス片手に、燦は討死した爛とルルチェリアを見やる。そして優雅に、タンステーキを口にした。
 ほら、タンならカロリー低そうだし。魔獣を散々食べてきてるけど、腹に来ることはないだろ。ないよな? そんな風に考えながら。
「んー、硬い肉質ながらも肉汁が溢れ、香ばしい焼き跡がまた一段と深い味わいを見せてくれるね!」
「うん……うん? こっちも刺激的な肉汁、ちょっと危ない火薬の匂いが……なんか……口の中でスパークしたわ」
 焔の食レポに合わせてそれなりの食レポをしつつ、燦は首を捻った。なんか違う。
「実際、香草や胡椒との相性もよさそうです。美味しいですね」
「だよね!」
「ルルさんに、爛も、ドラゴン内臓どうだったかな? 滅多に食べられないから、いい経験になったんじゃないかな?」
「ハイ……マァ……ソウデスネ……」
「いい経験になったけど、暫くは味わいたくないのよ……」
 悪気のなさそうな焔の言葉に、爛とルルチェリアは苦しげに答えを漏らす。
「はい。それじゃ改めて、食後のデザートです。それとお茶もね」
 シホの手製デザートとお茶が4人に振舞われる。爛には2品目だが、このダメージを見るに、それくらい食べても罰は当たらないだろう。
「……はぁ! 生き返るわ~! エッグタルトの純粋な甘みで癒されるのだわ~。そう、内臓のような変な不純物まみれでない甘さ……」
「砂漠にオアシスを見つけた気分……」

 思い思いの感想と共に、彼女たちは食後のデザートを満喫する。それは内臓を食べた二人だけではなく。
「色々食ったけど、シホのタルトが一番だったよ。ありがと」
 そう燦が片目を瞑れば、シホは静かに微笑んだ。
 その言葉もその笑顔も、自分だけが知れば十分だというように。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ハイドラ・モリアーティ
商魂たくましくて何より
俺ァがめついやつって好きだぜ
トラブルはトラブル。ビジネスはビジネス!
経営者ってやつはタフじゃないとなァ

ンじゃあ俺もお肉いただいてこっかね
頭使うとすんごい腹減るもんで
食うとなんか強くなりそうな気がする
それくらい強敵っつうか、スケールデカく感じたなぁ

……天使核?
えー、取れたらいいなー。お宝ってことじゃん
欲深く生きてきたいのよこれからは。俺も剥ぎ取りしちゃお
俺結構頑張ったでしょ?ネ!
――さて、俺のかわいいガジェットちゃんたち
俺が燃料に肉食ってる間にうまいこと探し当ててちょーだいよ

あ!でも他にふさわしい仲間がいれば
そっちに譲るってのもアリっちゃアリ
仲間に華は持たせてやんねえとな



●欲と華
 情けなくハゲ頭を下げつつ、その実キッチリと勇士たちからの印象を回復し、ついでに新たな商談まで取り付けている。
 その外見とイメージに反し、案外やり手だ。ハイドラからして、ランバートは思いのほか高評価だった。
「ッたく。大して金もないのに着飾ってばっかの若社長に見習ってほしいね」
 彼女が拠点とするUDCアースはこちらの世界ほど生きることに必死ではない。
 そこに生きる所謂「社長」や「経営者」と呼ばれる人種も、ランバートと立場上違いはないが……。
 商売人としてのタフさ、がめつさは比べるべくもない。このオッサンの爪の垢を煎じて飲ませるべきだろう。この間損害を出してくれたアイツも――と思考が遠くに行こうとしたのに気付き、ハイドラは思考を整理した。
 とりあえず。肉だ。

「お待たせいたしました。ドラゴンの首肉のステーキになります」
「うっひょー、なかなか旨そうじゃん!」
 大きめにナイフで切って一口食べる。頭脳労働した後の空腹にもってこいの力強い味わいだ。
 だが、それにしても旨い。塩分不足の時に塩辛いものがやけにうまく感じるのと同じように、ただ肉が旨いという以上のものを感じる。
「――あぁ、そういや……こいつもオブリビオンか」
 道理で旨いわけだ、ともう一口、焼けた肉を頬張る。
 邪神を喰らうことはハイドラにとっての原動力だ。このドラゴンは邪神ではないが、オブリビオンという点では同じ。不足したものを補う食事こそ、最高の味となるのだ。
 味は旨いし、食うと強くなる……気がするし。もしかしてこの世界の食事って最高なのでは……?

「……ん。おぉ、そっちはどうよ」
 ドラゴンの死体に飛ばしていたビットが返ってきたのを見て、軽く声をかけてみる。
 彼女もまた一つしかない天使核を求める者の一人。何に使うというわけではないが、天使核というのはとにかく貴重で高く売れる、いわばお宝だ。
 そういうモノは手に入れていかねばならない。これまでと違い、これからは自分に素直に、欲深く生きていくと決めたのだから。
「おっ。グッジョブガジェットちゃん! きっちりスキャンで見つけてるじゃないの。じゃあ掘り起こして――」
 ――とはいえ。このドラゴンを仕留めたのは自分一人の力とは言い難い。ガジェットを介して聞こえてくる猟兵の声に耳を傾ける。
「んー……どうすっかな~」
 確かに自分は天使核は欲しいが、基本的に売るだけだし。もう少し真面目な目的を元に探している奴がいるなら、そっちに譲ってやるのもアリか。
「……しょ~がない。仲間に華は持たせてやんねえとな」
 この旨い肉を食えているのも仲間のお陰だし、お代はそれにしておこう。ハイドラは天使核をガジェットに掘り出させ、比較的見つけやすそうな肉の中に埋め直した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リューイン・ランサード
【竜鬼】

この世界のドラゴンとアルダワ世界のドラゴン(ドラゴニアンも含める)の比較に興味が有るので、ガレオンドラゴンの角・爪・翼・天使核等について収集・確認してみます。
ひかるさんの方は火薬を含有するであろう内臓等に興味が有る様なので、協力して素材集めを行います。

UCで式神達を呼び出し、鳥やトカゲ等に変化させてガレオンドラゴンの遺体が墜落した地域を効率的に調査開始。
リューイン自身は第六感で場所に当たりを付けて、視力で見つけるようにします。(天使核についてはダイス結果に従います。)

料理については、肉の方は食べてみようかな。
内臓は危険そうなので止めておきます<汗>。
ひかるさんと一緒に食べて一休みです。


荒谷・ひかる
【竜鬼】

リューさんと二人で素材集めに参加
わたしは内臓や血液といった循環器系素材を見ていきます
あれだけの砲弾を生成するなら、きっと良質の火薬類を体内で精製していたはず
上手く活用すれば、高性能な小型爆弾とかも作れそうですしね
見繕い終えたら、氷の精霊さんや精霊銃(冷凍弾)の力で凍らせて安全化しておきます

並行して天使核も捜索
わたしは然程興味ありませんが、リューさんが欲しがってましたし
【精霊さん捜索隊】にお願いして、探してもらいましょう

一通り終わったら、二人でなかよくお肉を頂きます
内臓の可食部は……姉さんへのお土産に、他の肉とあわせて少しだけ包んでもらいます
姉さん、焼肉のプロですから多分大丈夫のはず……



●次なる戦いへ
「わぁ……ホントに大きいですね……!」
「はい。こんなに大きいのはアルダワにもそうはいないです」
 リューインは目の前のドラゴンの死体と自らの故郷のドラゴンを頭の中で比べてみる。
 ドラゴンは実に多くの世界に存在する。ダークセイヴァーにも、アルダワ魔法学園にも、形は少し違うがサムライエンパイアやカクリヨファンタズムにもいるのだ。まるで人間と同じくらい、様々な世界に順応している。
 トカゲのような体型、鋭い爪や牙、炎を吐く口。そういった共通項はあるが、それらを詳しく調べたものはいない。
 それもその筈、そもそも様々な世界を知ることができるのは猟兵くらいのものだ。世界間の生物の生態比較など、猟兵にしか務まらない。
 自分の種族であるドラゴニアンもまた、ドラゴンにルーツを持つ種族。彼が興味を惹かれるのも頷ける話だ。
「リューさんは天使核、欲しいんでしたよね?」
「はい。……ブルーアルカディアのドラゴンが持つ最大の特徴といったら、やっぱり天使核だと思うので。できれば欲しいですね」
「そういうことなら、わたしもお手伝いします!」
 ひかるは自らの精霊たちに呼びかけ、天使核を探してくれるようお願いする。それが彼女にできる最大限のことであり、最高の効率だ。
 リューインもまた、自らの式神を鳥やトカゲへと変化させ捜索に当たらせた。それぞれの協力者が散り散りになり、天使核を探す。

「うわぁ、血でグチャグチャ……それ、何に使うんです?」
 苦笑しながらリューインが問う。ひかるは返り血を拭いながら、手にしたドラゴンの内臓の一部を凍結させた。
「あれだけの砲弾を作り出して発射するなら、きっと体内でとても良質な火薬を生成していたと思うんです。
 だからこれをうまく使えば、他の世界でも通用するような高性能な爆弾ができるんじゃないかと思って!」
 未だ身体能力は並の少女とさして変わらないひかるは、爆弾などの近代兵器を度々使用する。
 それらの武器は彼女の戦闘能力を補うものであるし、精霊たちの力の源としても活用できるものだった。この内臓から採れる火薬ならば、十分に炎の精霊の力を励起できるはずだ。
「リューさんの方はどうですか? 素材、取れました?」
「ええ。翼膜に爪、角……おおよそ他の世界のものと比較に使える物は揃いました」
 あとは――と、リューインは式神が何かを抱えてやってきたのを見る。
「あれは……!」
 金色に輝く丸みを帯びた結晶体。間違いない、天使核だ。莫大なエネルギーを生む、この世界におけるガソリンのようなもの。
「わぁ! よかったですね!」
「はい! ……なんだか、体内じゃなくて、あまり関係なさそうな部位の肉の中に埋まっていたそうです。不思議な生態ですね……?」
 僅かな疑問も抱きつつ、ひとまずリューインは天使核を確保することに成功した。

 それから、二人は宴に参加し、それぞれ別の部位の肉を注文した。良く焼けた肉が彼らの前に出される。
「こっち、カリカリしてて美味しいですよ! 食べてみてください!」
 えっ、と声を上げたリューインの眼前に切ったステーキが差し出される。フォークを持つひかるはにこりと微笑んでいる。
「あーん」
「あ、あーん……」
 ……味の違いが分かるようなわからないような。呑み込んで目を開けると、ひかるはなおも期待するような眼差しをリューインに向けていた。
 こうなれば、腹をくくるしかない。リューインは先程ひかるがしたのと同じように、ステーキを彼女に差し出す。
「じゃあ、あ、あーん……」
 ひかるは満足げにそれを食べ、笑みを浮かべる。心が安らぐような、波立つような……リューインは苦笑した。

「せっかくですし、お土産も貰っていきましょう。こっちのお肉と、あと……」
 ひかるが包んだ肉のお土産の中に、黒々とした内臓が混じる。良質な火薬が取れるであろうそれを、しばし逡巡してからやはり包む。
「……姉さん、焼肉のプロですから多分大丈夫のはず……」
「爆発したりしないといいですけど……」
 彼女の義姉の無事を祈りつつ、リューインは完食したステーキに手を合わせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


●『我らは平和を望む』
 一方、そのころ。
 ブルーアルカディアのどこかの大陸の、どこかの居城。その王の間にて、伝令役の男が走る。
「申し上げます。第八遊撃部隊のガレオンドラゴン、以下騎士二十余名が死亡したとの報せが」
 その情報を座して受け取るのは、黒い甲冑に身を纏った男だ。仮面のような兜でその表情はおろか、年齢すらも読み取れない。
「ドラゴンはそのまま付近の浮遊大陸へと墜落。勇士らに解体され、天使核も奪われたと……」
 仲間の死を読み上げる伝令の声に僅かながらの熱が宿る。オブリビオンなりに、仲間への意識はあるのだろう。
 ――だが。
「そうか」
 その報告を受ける男は違った。無感情で、氷のような声の色。浅い溜息を吐く。
「奴らも本望であろう」
「は……」
「そんなことよりも……『盾』の所在は明らかになったのか」
「は……はい! 現在はサルヴィオレ島と名を変えたかつての我らの同盟国の、いずこかに確かに存在していると……!」
 男はそれに対し、少しだけ考えるような素振りを見せた。
「では、その島を堕とせ。探しやすくなろう」
「は……!」
「『あの者』に報せを送れ。我が国との古き友好の条約、今こそ果たしてもらうと……」
「承知致しました!」
 伝令の男は足早に部屋を去っていく。

 静寂に包まれた王の間で、男は玉座に背を預けた。
「海へと還れて……よかったな」
 男は頭上の空へと手を伸ばす。そして何を掴むこともなく、再び手を下げた。

最終結果:成功

完成日:2021年08月12日


挿絵イラスト