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小望月

#UDCアース

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#UDCアース


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 夜も更けて、草木も眠る丑三つに。
 建って間もない植物園に、ぞろりぞろりと集う影。
 集った影の1つが、果実から絞った液体を杯に注ぎ、座り込んだ御神体へと捧げる。
 鹿はそれを両手で受け取り、ゆっくりと喉を鳴らしながら飲み干せば。
 まだ、と一言呟く。
 その言葉に落胆する影たちを見て、続けて「もうちょっと」と付け足す。
 その一言に小さく歓声をあげ、影たちは植物園から飛び出していく。

「と、言うことが起きてるみたいです」
 自らが予知した事をまとめた資料に目を落としながら、朝霞・さえは集まった猟兵へ説明する。
「今回事件が起きるのは夜、UDCアースの植物園ですね。連れてこられた生贄の方々以外に人が居ないのが不幸中の幸いと言ったところでしょうか」
 一度説明を区切ると、さえは机上へ植物園の見取り図を広げる。
「まず、始めに生贄を助け出す。内部に入り組んだ所はありませんので、入り口から真っ直ぐ進んでもらえればすぐに見つける事が出来ると思います。これに関しては生贄を集めてる信者たちは戦闘タイプじゃないので、多少脅すくらいで追い払う事は出来ると思います。続いてUDCの護衛をしている信者、これが厄介です。こちらは武装していて、甘く掛かると返り討ちにあう程度の戦闘力と統率力があります。」

「護衛を突破すれば、あとはUDCを倒すだけです。移動する事は不可能みたいですが、消化液を垂れ流したり、吐き出したり。あとは吼えて攻撃をしてくる事もありますので、気をつけて下さい」
 それではご武運を、と言葉を締めくくり、転移の準備に掛かった。


メメ太郎
 初めまして、メメ太郎と申します。
 冒険、集団戦、ボス戦の構成となっております。
 場所:植物園。
 突入方法:お好みで。手段によって生贄まで辿り着けないという事はございません。
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第1章 冒険 『生贄救出』

POW   :    力ずくで扉、壁などを破壊する。敵をねじ伏せ突破する。

SPD   :    思いもよらない侵入経路等を見つけ、身のこなしで突破する。

WIZ   :    構造上の不備を突いて侵入する。敵を騙して生贄を解放させる。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

夢飼・太郎
サッサと教団員散らして民間人を……
と行きたいがそうもいかねぇ
たまには仕事しないと
なぁ?

☆行動
POW
但し扉は壊さない
UCを正面入口に繋げ侵入

1:教団員に接触
「動くな!我々は警察だ、民間人から離れて床に座れ」
通じるなら警察でなく猟兵だと明かす
他の仲間が口上を述べるなら周囲の警戒にあたる
抵抗したら武器は使わず組み伏せる

2:民間人
可能なら組織に頼んで自宅まで送らせたい
ココから徒歩は……酷な話だ
無理なら仕方ない
歩け

3:教団員
逃す前に軽く尋問
組織名
指導者
を聞き出す
これでもUDC組織ですから

☆他
護衛が近そうだと分かったら
行動は全て無視して全員逃す
死なせるくらいなら後で探してシメ上げる


一一・一一
実は邪神関係は初めてなんすよねぇ

【POW】
とりあえず正面から普通に進んで、物体的なものが邪魔したらシャベルで殴って破壊するっす
信者さんたちとエンカウントしたら「スパイダー」で縛り上げるっす
これで戦意喪失してないと思うっすから、「軍用シャベル」を目の前に突きつけて脅しかけるっす
戦意喪失したのを確認したら解放するっすよ、そうでないなら適当に転がしておくっす
生贄の方々は「救助活動」で救助するっすよ。
子供がいれば飴でもあげるっす



 園内の照明は全て落とされ、床や壁に設置された非常灯のみが仄かに光を発している。
 そんな薄暗い植物園に、ユーベルコードで作られた扉で夢飼・太郎(扉やかく言うな・f00906)は一一・一一(都市伝説と歩む者・f12570)と共に堂々と正面から侵入、すぐ前方に複数の人影を見つける。
 手を後ろに縛られた影が4つ、それらを囲む様にフードを目深に被った影が3つ。見つけた人影が生贄と信者たちとみて間違いないだろう。
 信者たちはこちらに気付く様子もなく、連れてきた生贄を植物園の奥へと進もうとしている。
 しかし、信者たちの思いとは裏腹に生贄たちが言うことを聞かず、思い通りに事が進んでない様子。
「大人しくついて来るんだ。そうすれば痛い思いはさせない」
 怯え戸惑い、足を動かそうとしない生贄たちに痺れを切らしたのか、信者の1人が手に持った金属バットを生贄たちに向け、ゆっくりと、低い声で言い放つ。
 その言葉を聞いた太郎の行動は実に速やかだった。
「動くな!我々は警察だ。民間人から離れて地面に伏せろ!」
 信者はもちろん、生贄たちさえも来るはずのない人物の突然の大声に驚き、太郎は一同の視線を一斉に浴びる。
 その隙を一一は逃さなかった。物陰から物陰へと移り死角から突入、瞬く間に愛用のワイヤー『スパイダー』を使って2人の信者を縛り上げた。
「障害物とか、なんか邪魔なものがあったらシャベルでぶっ壊して進もうかと思ってたんすけど、そんな心配もなさそうっすね」
 スパイダーを片手で器用に手繰り寄せながら、空いた手で器用に折りたたみシャベルを展開。その切っ先を残った信者の方へと向ける。
「このまま投降してくれるっていうなら痛い思いはさせないっすけど、そうじゃないなら……」
 言い終える前に行動を起こしたのは最後の信者。持っていた金属バットを一一へと振り下ろそうとする。
 しかしその前に太郎が後ろからあっけなく取り押さえられてしまう。
「動くなって言ってんのに、雑魚が調子に乗ってんじゃねえよクソが!」
 悪態を吐くもそこは猟兵。取り押さえた信者から情報を聞き出そうと尋問を始める。
 が、組織名も指導者の名前はおろかどんな人物かも分からず。分かった事と言えば、「素敵な神様が居る」「その神様に生贄を捧げる事で幸せになれる」などと抽象的な事ばかり。
 埒が明かないと判断したのか、太郎は「神様」の居る方向だけを聞き出して信者を取り押さえる力を緩める。
「いいか、立ち上がったなら黙って玄関から出て行け。振り向きもするな。お前に許されたのはただ消える、それだけだ。どうしてもここにまた来たいってんなら、そうだな……。明日の昼にでも来りゃ良い。それまでには全部終わってるからよ」
 そのやり取りを横目に、一一も縛り上げていた2人の拘束を解く。
「もう何もする気はないっすよね?じゃあ、一緒に出ていって良いっすよ。でも、これ以上何かしようって言うなら──」
 スコップを片手で弄ぶ、笑顔とは正反対の行動に3人は正面玄関へと一目散へ駆け出していった。
 取り残されたのは若いカップルに父と息子の親子連れ。
「飴ちゃん、舐める?」
 怯えきったのか、立ったまま身動きが取れなくなって居た子どもに一一は目線を合わせ、信者に向けた笑顔とは全く別の、優しい笑みを向けながら飴玉を1つ手渡す。
 そんな子どもを気遣う雰囲気に、空気が多少和らいだ。
「さて、お前らは晴れて自由の身だ。帰る場所があるんだろう、帰れ。」
 俺らの仕事はこれからなんだ、邪魔をするなと太郎は付け足し、顎で玄関を指しながら太郎は面倒臭そうに呟く。
 勝手に帰れと言われ、呆気にとられながらも生贄たちは何度も頭を下げ、しっかりとした足取りで玄関から帰っていった。
「もう少し優しくしてあげても良いと思うっすよ?」
「良いんだよ、優しくしようがどうしようが、明日になれば全て忘れるんだから」
 覚えているのは俺らだけで良いと、口の中で小さく呟きながら。
「それじゃあ、進みましょうか。実は邪神関係の仕事って初めてなんすよねぇ」
 そんなやや浮かれ気味の一一の言葉を聞きながら、2人は「神さま」の居る方向へと進み始めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リコリス・シュピーゲル
身勝手に赤の他人を巻き込むとどうなるか…この方々はわかってのことなのかしらね
そうやって破滅する人は少なくありませんのよ?

スマートな方法とは言い難いですが、正面突破で参ります
【死を謳う氷雨】を信者の足元に打ち込んであげましょう
「スナイパー」の正確さで怪我はさせないよう配慮しますわ
威力自体は本気ですけれど、脅し目的ですから仕方ありませんよね

リーダー格がわかったら「暗殺」するように背後を取って、鞭を首に巻き付けてしまいましょう
命が惜しければ、大人しくしてくださいまし?
脅しながら信者たちを「言いくるめ」て、生贄の開放と神様の居場所を教えていただきましょう

絡みアドリブ等大歓迎


ウォリア・ノーヴァ
…初陣、か。
我はただ戦うのみ。___さぁ、狩の時間だ

【行動】
POW判定
真正面から行けばいいのだろう
人も壁も、捻じ伏せて踏み潰される覚悟は出来ていると判断した
ならば後は力ずくだ

教団員には「恐怖を与える」で心を折りにいく
「道を塞ぐなら根絶やしに、道を通すなら見逃してやる 好きな方を選べ」
教団員が抵抗したり背後から狙う様なら死なない程度に加減して「生命力吸収」で抵抗する意思と体力を奪い取っておく


民間人は放置して各自の力で逃がす、先を急ぐのでな
…といっても後顧の憂いは断つべきだな
我一人ならば入り口くらいまでは送ってやろう 仲間の一人でもいればありがたいが
悪い夢か何かだったと思ってゆっくり家で休むといい


セシル・ラピエール
公共の施設を何だと思っているんだろうね……さて、ボクも行こうか

【SPD】
こういう建物って、どこかに通気孔とかそういうのがあると思うけど……どうかな?
それらしい場所を見つけたら、《錬成カミヤドリ》で作ったお人形を先行させて中を確認するよ

生贄の人が捕まっている場所に辿り着けそうなら、通気孔から侵入していくね
無理そうでも、近くまで行けそうならそこで妥協するかな

信者の人に見つかったら、エクレールを呼んで威嚇して追い払ってもらおう




 正面玄関からは逸れた、通気孔の前にセシル・ラピエール(f01008)は居た。
 自身の背丈より少し上に設置されたそれは、彼の体格で通る事は難しいが、彼が操るからくり人形となれば別だ。
 通気孔のカバーを外し、からくり人形を先行させる。
 たどり着いた先は近くの通用口だろうか。幸いにも外へつながる扉が近くにあり、容易く鍵を開ける事が出来た。
「まったく公共の施設を何だと思っているんだろうね……さて、ボクも行こうか」
 最初の仕事を果たしたからくり人形を手に、セシルは通用口から園内へと向かって進み始める。


 同時刻、場所は変わって玄関。堂々と佇む大きな影と小さな影が一つずつ。
「身勝手に赤の他人を巻き込むとどうなるか……信者の方々はわかってのことなのかしらね」
「理解しての事か、自己の事しか考えていないか。どちらでも構わぬ、我の行うべき事は変わらぬ」
 小さな影、リコリス・シュピーゲル(f01271)の呟きに対して大きな影、ウォリア・ノーヴァ(f14305)が呼応する。
 ウォリアが携えた剛剣を横に薙げば、施錠のなされた正面玄関を扉もろとも吹き飛ばし、空いた穴から中へと侵入する。
 リコリスは、ウォリアのあまりにも大胆な行動に多少の驚きを見せるも咎めはせず、どうするか悩む手間が省けたと幽かに口元を緩め、ガラスを踏む音に少し上機嫌になりながらウォリアの後を続いた。


 見敵から制圧、情報の入手まではあっさりと、九九を暗唱する程度の時間で終える事が出来た。
 正面から堂々と入った二人を待ち受けていたのは、突然の轟音に驚きを隠せない信者と生贄の集まり。
 全身黒ずくめといかにも怪しい数人を信者と判断したリコリスは右腕を信者たちへと振るう。振るわれた腕の軌道に沿って氷の魔弾が放たれる。
 放たれた魔弾は信者の足元を穿ち、嫌でも信者たちは足元の弾痕に目が行ってしまう。
 弾痕に気を取られ、目を離した隙にウォリアはぞるりと近付き、その巨体で小さな集団を見下ろして。
「道を塞ぐなら根絶やしに、道を通すなら見逃してやる。好きな方を選べ」
 低い声、巨大な鎧、禍々しき黒。それらが放つ威圧に耐えきれず、信者たちの視線は指示を仰ぐべく一人の男へと降り注ぐ。
「なるほど、あなたがリーダー格ですのね」
 異質な空間に場違いとも言える高い声──リコリスの声がこだまする。いつの間にかリーダー格と思しき男の後ろに立ち、その軟らかな首に鞭を巻きつける。もちろん、窒息しない程度に。
 威圧に気圧されていた者たちも、リーダー格の男の状況を見て、解放する為に抵抗ををしようと行動に移したその時、二度目の轟音が園内に響き渡った。
 一度目のガラスと金属が割れ、吹き飛ぶ音ではなく。何か大きな獣の咆哮に似た轟音。
 猟兵を含む全員が目を向けた先には、ウォリアよりも大きな黄金色の獅子。
 金獅子は唸りを上げ、どれから食おうかと言わんばかりに個々を丁寧に見下ろし、もう一度吼えた。
 鳴き声と言うにはおどろおどろしいそれに、信者はおろか、生贄までもが仲良くリーダー格を置いて一目散に玄関の方へと逃げ出してしまった。
「おや、ちょっとばかしやりすぎてしまったかな?」
 残った三人に届いたのは、金獅子の見た目に似つかわしくない穏やかな声だった。
 金獅子の背からひょっこりと顔を覗かせるのは、通用口から侵入していたセシルだった。
「別のところからこっそり侵入したところ、大きな音が聞こえてね。向かってみれば君たちが居たから助太刀させてもらったってわけだよ。余計なお世話だったかな」
「いえ、手間が省けました。後はこの方から聞き出せれば……話して、くれますよね?」
 可愛らしくもどこか冷えた笑顔に残された男は観念し、自分の知る情報を全て話す。
 とはいえ、主犯が誰か等は分からず仕舞い。
 曰く、綺麗な神様が居る。生贄を捧げれば幸せになれる等と抽象的な事が多く、有益な情報と言えば、神様を護衛する武装した信者が居るということぐらいだった。
「それだけ分かれば十分だろう、殺す必要もなし、離してやってはどうか」
 ウォリアの言葉にリコリスは鞭を緩め、男を解放する。その他の信者も含め、懲りずに生贄を集めてくるなんて事はしないだろう。
「さあ、この道をまっすぐ進めば、信者たちが言う神様と出会う事が出来るみたいだね。早く倒して、早く帰ろう」
「そうしましょうか。夜更かししすぎるのも、肌に良くありませんし……ぱっぱと済ませて帰りましょう。ああ、お布団が恋しいですわ」
 談笑しながら進む二人の後ろを歩きながらウォリアは

「……初陣、か。我は、ただ、戦うのみ。──さぁ、狩りの始まりだ」
 その先に居るであろう神様や、武装した信者を思いながら呟く。その兜の目が幽かに赤く煌めいたのは、誰にも気付かれなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『歩兵』

POW   :    武器使用
【装備している武器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    制圧射撃
【合図をして】から【機関銃による連続射撃】を放ち、【弾幕】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    援軍要請
自身が戦闘で瀕死になると【追加の兵士】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「こちらA地点、異常なし」
「こちらB地点、こちらも異常なし」
 静まり返った深夜の植物園に、無機質なやり取りが行き交う。
 予定通り、信者たちが果実を神の下へ運び届ける。予定だった。
「こちらE地点。予定ルートから反抗意思があると思われる影を確認。応援求む」
 淡々と行われた異常の報を他の兵士たちは一言、了解と応え数名が異常の発生した地点へ向かう。
 異常を異常と捉えずに、異常を果実の代わりにすれば良いと言わんばかりに。
セシル・ラピエール
行こう、エクレール

【ライオンライド】で呼び出していた金獅子と共に戦うよ
《フェイント》を掛けつつ、ヒット・アンド・アウェイを心がけて、エクレールに戦わせる
戦っている間は、ちょっとだけ速度を抑えてもらう
相手の制圧射撃の合図を聞いたら一気に加速。弾幕を飛び越えさせて、歩兵の集団の中へ
そのまま《怪力》を活かした《2回攻撃》と《鎧砕き》を叩き付けてやろう!

ああ、もしエクレールが集中狙いされるようなら、糸を使って手近な《敵を盾にする》か、それかボクが盾になろう
ボクは攻撃されても「痛い」で済むからね
……お前達と違って、いい体でしょう?



 異様な程に静かになった道を、セシルは金獅子に跨り神様が居ると云う場所へと歩みを進める。
 しかし、その静かさこそ、敵が息を潜めてこちらを狙っている何よりの証左であり、セシルもその事に気付いている。
「エクレール」
 セシルが金獅子の背を撫でながら声を掛ければ、エクレールと呼ばれた金獅子も返事はしないものの、警戒を更に強める。
 2人が警戒を強めて十数秒。静かなだけだった空気が張り詰める。直後。周囲の森から、先ほどとの信者たちとは違った即ちこちらの命を最初から奪うつもりの──武装をした兵士たちが銃口を向けて姿を現した。
「エクレール!」
 先程の発した知らせる為の声ではなく、戦闘開始を告げる声で叫ぶように金獅子の名を呼べば、金獅子はそれに応えて1人の兵士へと飛びかかる。
 飛びかかられた兵士はほんの1撃で倒れ、力を失う。
 セシルを乗せた金獅子は速やかに元の位置に戻り、次の標的へ飛びかかる。
 何度か繰り返せば流石に兵士たちも順応し反撃する者も現れ始める。
 セシルと金獅子は兵士が倒れ、守りが手薄になった森へと姿を隠す。
 残った兵士たちも、これが侵入者を倒す最後の機会と察し照準を隠れた森へと狙いを定める。
 幾ばくかの時が経った後、1つの小さな影が森から飛び出し、兵士の容赦なき一斉掃射が行われる。
 しかし、そこにセシルと金獅子の姿はなく、銃弾の雨が貫いたのは、最初に倒れた味方であった。
 ふと、兵士の1人が視線を上に移せば、高く、飛び上がった巨大な物体。気付くも既に遅し、声を挙げるよりも遥かに早く、巨体が地へ帰還する。ただそれだけの事で、地が、木が、金獅子から逃げ出し、大きな穴を作る。その後に意識のある者は、金獅子。そしてそれに跨るセシル、たった2人だった。

成功 🔵​🔵​🔴​


※トミーウォーカーからのお知らせ
 ここからはトミーウォーカーの「一本三三七」が代筆します。完成までハイペースで執筆しますので、どうぞご参加をお願いします!
戦犯・ぷれみ(サポート)
狂ったバーチャルキャラクターです。会話が通じません。
人型の着ぐるみがそのまま動いているような容姿をしており、お面のような笑顔から表情が変化しません。
だいたい理不尽に現れ、理不尽にキレ散らかし、理不尽に去っていきます。


阿紫花・スミコ(サポート)
アルダワ魔法学園の生徒。暗い過去を持ちつつも性格は明るい。自信家で、挑発的な一面がある。力があれば何をしてもいいというようなダークセイバーの領主達を心底嫌っている。機械系に強く、様々な世界の機械知識を広く持ち、日々自作ガジェットを研究・開発している。

からくり人形「ダグザ」:巨大な棍棒で敵を粉砕する。
精霊銃「アヴェンジングフレイム」:黄金に輝くリボルバーで弾丸には炎が宿る。
ワイヤーギア:フックワイヤーを射出、その巻取りと蒸気の力によって三次元的に空中移動を行う。

「力があれば何をしてもいいって思ってるんだろう?お前が奪われる立場でも同じことが言えるのかボクが見極めてあげるよ!」
(参考程度に)



 セシルが、歩兵部隊の警戒線を突破した事で、歩兵達の間で忙しなく通信が繋がれる。
 このまま警戒し続ければ良いのか?
 それとも、崇める神の身許に駆け付けるべきなのか?
 己が為すべき事を迷う信者足る歩兵に、神の言葉が託される事は無く、歩兵達に明確な指示を出せる者もまたいなかった。

「好機到来だね! いくよ!」
 阿紫花・スミコ(人間の人形遣い・f02237)は、そう言うや否や、混乱状態の歩兵の前に躍り出ると、黄金に輝くハンドガンを腰だめに構え、すかさず、引き金を引くと、わずか100分の2秒の早業で銃弾を撃ち尽くす。
 1発にしか聞こえない銃声と、6発分の光量のマズルフラッシュが閃き、対応する事も出来ず、3体の歩兵達が3つの銃創を穿たれ膝をついた。

「すごーいゲームみたいなお! 3発撃ったのに、銃声は一発しか聞こえなかったよー」
 そのスミコの早業に戦犯・ぷれみ(バーチャルキャラクターの屑・f18654)が、うぉーすげーと感心して歓声をあげる。
 このぷれみの賞賛には、スミコも得意げに言葉を返す。

「3発は間違い、本当は6発だね」
 言葉の通り、スミコのハンドガン『アヴェンジング・フレイム』の銃弾は6発発射されている。
 それを確認して、ぷれみは、更に興奮してはやしたてた。
「つまり、一つの銃創に2発づつなの? ウウウォオアァ、凸砂有能ーー!」
 だが、戦場でそんな大声をあげれば、敵の目標になるのは当然である。
 目の前に敵が現れた事で統制を取り戻した歩兵達は、ぷれみを標的に機関銃による制圧射撃を仕掛けてきた。
 タタタタタ。
 タタタタタ。
 標的を狙うのでは無い、どこに逃げてもどう動いても必ず銃弾が襲う、面制圧。
 弾幕シューティングとか、そんなチャチなものでは無い、攻略法が存在しない、回避不可能な弾幕の雨あられだ。
 ぷれみは、その弾幕にブチ切れた。
 やはり、現実はクソゲーで間違いない。

『やめたるわなの――!!!』
 現実をクソゲーと認定したぷれみは、その怒りを力に変えると、奇怪武器『バラックスクラップ』を縦横無尽に振り回し、
「あなたもぷるみと一緒に、ウウウォォオアアァァアアア!!!」
 雄叫びと共に歩兵を追い回し、次々と蹴散らしていった。

 スミレも、キレたぷれみを止める事は無理と判断すると、からくり人形「ダグザ」を起動させ、彼女を追いかけるように戦場を駆けだした。
 ぷれみが暴れて混乱させた敵を、ダグザが、巨大棍棒で粉砕していく。
 残念ながらぷれみと意志の疎通はできていないが、結果から見れば、2人の連携はなかなか優れていたのだろう。

「力で弱者をねじ伏せたものは、それ以上の力によって奪われるのさ。たとえば、ボク達のようなね!」
「ウウウォォオアアァァアアア!!!」

 この二人の快進撃の前に、敵歩兵の主力達を見る見るうちに溶けていき、劣勢に追い込まれていったのだったから。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ナミル・タグイール(サポート)
「お宝はナミルが頂くにゃー!」
「金ぴか持ってるにゃ!寄越せにゃ!!」
金ぴかお宝大好きな蛮族猫
~が欲しいにゃ!って勢いだけで行動するわがまま強欲猫
周りのことは考えないにゃ!【捨て身】でごーにゃ!
困ったらどっかーん!周りに怒られない限りは全部どっかーんでゴリ押し

呪われた装飾を多く付けていて【呪詛】たっぷり呪われ猫
呪詛で勝手に強化されたり周りになにか起きたりする
メイン武器は呪いの金ぴか斧デスにゃ!

一人称は「ナミル」にゃんにゃんデスにゃ口調
基本的にはPOWのUCでゴリ押し希望
お宝がありそう!とかでも行動するから何でも歓迎デスにゃ!

日常
楽しむにゃ!ご飯にゃー!
冒険
報酬ないならお昼寝にゃ。パワー解決にゃ



 植物園の辺縁部で、歩兵達に銃声と悲鳴をまき散らし、暴れるからくり人形と、雄叫びをあげるバーチャルキャラクターが快進撃を行っている頃、ナミル・タグイール(呪飾獣・f00003)は、密やかに、植物園の中心へと近づいていた。

「囮の役割、ご苦労様にゃん。ナルミは、お先に邪神の所にお邪魔しますにゃん」
 まさに、抜け駆け上等、結果を御覧じろの精神である。
 このまま邪神の元に一番乗り! となるかに見えたが、そうは問屋が卸さない。
 じゃらじゃらきらきらと装飾品に飾られたナミルは、夜の植物園ではとても目立っていたのだ。

「怪しい奴、ここより先は進ませない!」
 邪神を守る為に配された、歩兵の親衛隊が、ナミルの前に立ちふさがる!

「まさか見つかるとは、残念にゃ!」
「そんなじゃらじやらきらきらで見つからないとでも思ったか!」
「むぐーにゃん」
 歩兵に論破されたナミルは、言葉で勝つのを諦めると、じゃらじゃらきらきらの装飾品を、ひときわ大きくじゃらじゃらさせると、一気に空に飛びあがる。
『じゃらじゃら幸せにゃー!』
 そして、上空から勢いをつけて、歩兵達の間に突進すると、黄金に輝く巨大な斧で一刀両断にゃんにゃんにゃん。

「こうなったら、ゴリ押し押しで、パワー解決にゃ!」

 植物園中心部で暴れる2人に続いて、邪神のお膝元でナミルが暴れた事で、歩兵達の防衛網は完全に崩されていく。

 今こそ好機到来。
 猟兵達は、残る僅かな歩兵を蹴散らし、邪神の元へと駆け付けようとしていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

樹神・桜雪
無表情でもの静か。淡々と話します。
口調、一人称はステシ参照。
決して感情がないわけではなく、ただ表に出にくい性質なだけです。

その時に有効なユーベルコードを選択、使用します。
自分が傷つく事は恐れませんが、仲間が傷つく事は嫌がります。
人としての良識は持ち合わせており、常識や良心がとがめる事は行いません。
また、目的を達成するためとはいえ公序良俗に反する事も行いません。

他、MS様の裁量にお任せです。
絡み・アドリブ等歓迎です。



 戦闘の騒乱が風に乗って聞こえてくる。
 夜の植物園は、どこもかしこも戦場といって良いのだろう。
 歩兵の軍靴の音は、猟兵達によって逆に踏みにじられ、戦闘は猟兵の優位に進んでいる。
 樹神・桜雪(己を探すモノ・f01328)は、感情に乏しい人形のような表情を浮かべながら、無人の野をゆくように、その戦場と化した植物園を進み続ける。
 どこか、ぼんやりとした表情は、危機感を感じさせないが、決して、気を抜いているわけでは無い。
 その証拠に、その感情を感じさせない表情の下に、自分が傷つく事を恐れない、強い決意が隠されているのだから。

 その決意には、UDCアースを汚す邪神の被害をこれ以上広げない。無辜の一般市民が生贄となるような事は続けさせないという意志もある。
 つまり、事件を速やかに解決さえる為、邪神の元に急行するのが今の彼の目的なのだ。

 先を進んだ彼の目の前に、身を縮こませ震えるように身構える一体の歩兵が現れる。
 他の歩兵が猟兵の迎撃の為に出払い残された者……。

 桜雪は静かになぎなたを構え、歩兵は、機関銃を構えつつ、懸命に援軍を乞う。
 だが、その彼の要請に応えられる戦力は、既に残されていなかった。

「君には恨みは無いけれど、世界は君の存在を許さないんだよ」
 そういうと、桜雪は、その身を神霊体に変えると、なぎなたを一振りし、その衝撃はによって、歩兵を薙ぎ払った。

「これで、邪神への道は開いたよ」

 桜雪は、誰にともなくそう言葉を紡ぐと、邪神の元へと歩を進めたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『緑の王』

POW   :    暴食
【決して満たされぬ飢餓 】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【辺り一帯を黒く煮え滾る消化液の泥沼】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    巡り
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【消化液 】から排出する。失敗すると被害は2倍。
WIZ   :    慈悲深く
【激しい咆哮 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は多々羅・赤銅です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

春日・氷華
氷の異能を持つ寡黙な少女。
触れたものを凍らせたり、絶対零度の冷気を操り、味方の盾役として動きます。

「……助けに来た」
緑の王を見つめて、静かに白い手袋を外しながら歩いていく。

相手が消化液の毒沼を展開したら、地面に手をつき、普段は抑えている絶対零度の冷気を解放する。
大地を這うように周囲に広がる冷気で毒沼を凍らせます。
【属性攻撃】【封印を解く】
「……その欲望は…叶わない」

あたしや味方のユーベルコードを消化液から排出したら触れたものを凍らせる【無敵城塞】によって受けとめて凍結攻撃で反撃します。
【カウンター】
「……させない」

咆哮を【激痛耐性】【無敵城塞】で受け止めて静かに呟く。
「……今…解放してあげる」


多々羅・赤銅
まーだいたのか、お前。
暫く見かけねえなと思ったのに、こんな奥の方で大事にされてなあ、

……いいや。こんな話しかけられたって、お前にゃ私のことなんざわかんねえよなあ、緑。
良いんだ。どうせやる事は、たたっ斬るだけなんだしさ。

構え、滑らかにひとなぎ。斬圧で床に広がる消化液を吹き飛ばし道を成す。あとは液が再び路を埋める前に、奴のそばまで駆けるだけ。
一歩跳躍、踏みしめ縮地、三歩で王の御前
刀を振り下ろして、角でも首でも断ってやる。

お前もちゃんと死にてえだろ?
だから、私が、ここに来た。
ああ精々感謝しろよ、何で見るだけでむしゃくしゃするお前の前なんかにわざわざ!

祈る。
もう悲しい顔すんのも飽きたろう
私もだよ


ヴェル・ラルフ
植物園、興味あったから来てみたんだけど…たさかオブリビオンがいるとはね。完全にプライベートだったから、吃驚した。
まぁ見つけたからには倒すだけだけど、ね。

あの鹿のような後ろ足が厄介かな。
相手の様子を伺いつつ、早業で上回れそうならジャンプして肉薄
脚を狙って、愛用のナイフ【明けの鈴】と【暮れの鈴】の2振りで2回攻撃

相手が怯むなり反撃しようとする瞬間を見計らって、バックステップで距離をとり【残照回転脚】

だめ押しで早業をいかして攻撃、回避を繰り返す
だまし打ちやカウンターをしながら味方が攻撃する隙を与えられるかな


★アドリブ・連携歓迎


水心子・真峰
水心子真峰、推参
さて、真剣勝負といこうか

太刀のヤドリガミだ
本体は佩いているが抜刀することはない
戦うときは錬成カミヤドリの一振りか
脇差静柄(鞘から抜かない/鞘が超硬質)や茶室刀を使うぞ

正面きっての勝負が好みだが、試合ではないからな
乱舞させた複製刀で撹乱、目や足を斬り付け隙ができたところを死角から貫く、束にしたものを周囲で高速回転させ近付いてきた者から殴りつける
相手の頭上や後ろに密かに回り込ませた複製刀で奇襲、残像やフェイントで目暗まし背後から斬る、なんて手を使う
まあ最後は大体直接斬るがな

それと外来語が苦手だ
氏名や猟兵用語以外は大体平仮名表記になってしまうらしい
なうでやんぐな最近の文化も勉強中だ



 戦闘が続く、夜の植物園。
 ヴェル・ラルフ(茜に染まる・f05027)は、その喧騒に眉をひそめながらも、元凶たる邪神の元へと駆け付ける。
 本当は、静かに植物圏を見て回りたかったが、この状況では是非も無い。
 途中、同じ目的の3人の猟兵を見つけて合流し、ほどなく邪神の居場所へと到達する。

「オブリビオンは、このすぐ先にいるようだね。周囲の敵は既に排除されているようだから、あとは、倒すだけ……」
 ヴェルの言葉に、合流した3人も頷く。
 先行した猟兵達が、人質を救出し信者を排除し、護衛の歩兵を遠ざけてくれたのだ、ここからは自分達の仕事なのだ。

 大業物のサムライブレイドを腰に佩いた、多々羅・赤銅(吉祥・f01007)は、強まる邪神の気配を確認し、卵雑炊を抜き放ち油断なく抜き放つ。
 同時に、彼女の羅刹紋が血の香りを滾らせて花を咲かせていき……。
 その香りに寄せられたのか、内臓を抉り取られた姿の邪神『緑の王』が、その姿を現し戦いが始まった。

「暫く見かけて無かったが、まだいたのだな」
 赤銅の言葉に、緑の王は答えない。
 ただただ、自らの満たされぬ飢餓を訴えかけるように赤銅へと手を伸ばす。
「今のお前にゃ、私のことなんざわかんねえよなあ、緑」
 その姿に微かな憐れみを覚えつつ、赤銅が剣刃を一閃させる。
 その鋭い一閃は、緑の王の差し出した腕を半ばから切断し、そこから噴出した体液が、緑の王を染め上げる。
 しかし、緑の王は赤銅の攻撃を意に介さず、自らの体液を舐めとりゴクリと嚥下する。
 しかし、それで緑の王の飢餓が癒される事などありはしない。
 緑の王は、嚥下した喉を震わせ何かを求めるように嘶くと……、緑の王と猟兵の周囲の地面から、煮えたげるような消化液が染み出し、泥沼へと変化させていった。
 ジュゥゥゥジュゥゥゥと、異音を立てつつ、消化液の泥沼が猟兵達を足元から溶かしつくそうと襲い掛かる。

 水心子・真峰(ヤドリガミの剣豪・f05970)は、すぐに元凶たる緑の王へと吶喊すべきと駆け出そうとするが、その彼女の前に、春日・氷華(氷の女王・f22182)が歩み出てそれを留める。
「あなたは、また、正面攻撃ですか?」
「私は、そういう性なのだよ」
 少し呆れたような氷華の言葉に、真峰が返すが、その言葉には氷華への信頼が見て取れた。
「それなら、あなたが正面攻撃できるようにしてあげます」
 氷華が、緑の王を見つめながら白い手袋を外すと、彼女の全身から大地を這うように周囲に励起が放出され毒沼が凍てついていき、緑の王の攻撃を封殺して見せた。

「凍てついた大地が道となったか……。さすがは、氷華殿」
 真峰は、泥沼を凍てつかせた氷華に黙礼すると、今度こそ緑の王の懐に正面から飛び込み、その勢いのまま、自身の複製たる太刀を46振りの刃に変えて、緑の王に切りかかった。
 46振りの刃が、それぞれ独自の生き物であるかのように、舞い踊るように剣劇を繰り広げる。
 その暴風雨のような刃は、緑の王を確実に弱らせていくが、決定打には届かない。
 緑の王は、真峰の攻撃を無抵抗に逆らわず受け流し始めたのだ。
「むぅ、手応えが……」
 真峰は無念ながら、太刀を一つに束ねると、それ以上の攻撃を断念して、一旦引いた。

「キミもなかなかやるね! でも、弱点は把握したよ!」
 真峰と緑の王の戦い方を観察していたヴェルは、真峰が引いた隙に大きくジャンプすると、緑の王の裏を取り、緑の王の踵の腱を狙って、【明けの鈴】【暮れの鈴】を振りぬき切り裂いた。

「キミのその動きには、鹿の後ろ足が不可欠。これで、キミは、もう受け流せないんだよ」
 緑の王の機動力を奪ったヴェルは、両脚に地獄の炎をまとわせると、ふらつく緑の王の胴体を横薙ぎに蹴り飛ばす。
 爆風と炎に吹き飛ばされ、緑の王は地面に投げ出された。
 腕を落とされ四肢を切り裂かれ、炎に巻かれながらも、緑の王は、それ以上の飢餓を抱え、のたうつように苦しみ悶え、悲し気に咆哮する。

「……あなたを助ける術を、あたしは持たない。だけど、今……解放してあげる」
 氷華は、のたうつ緑の王に近づくと、その咆哮を受け止め、そして、その手を傷ついた緑の王へと翳していった。
 翳された箇所から凍てついていく緑の王の体。
 流れ出る体液は氷結し、そして、その痛みと飢餓を麻痺させていった。
 そして、緑の王の苦悶の咆哮が途絶え、悲し気な瞳が氷華を見、そして伏せられる……。

「ありがとよ、氷華」
 赤胴は、緑の王を少しだけでも救ってくれようとした氷華に感謝を表すと、卵雑炊を構えてゆっくりと緑の王へと近づいた。

「私が出来る事は、ただ斬り捨てる事だけ。だけど、お前は、こいつに寄り添ってくれた」
 だからありがとう。
 赤胴の振るう刃は、滑らかにひとなぎで、緑の王の首を断ち切った。

「これで、ちゃんと死ねただろうか?」
 赤胴の言葉に、氷華は優しく微笑み、ヴェルと真峰も力強く頷いたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年10月02日
宿敵 『緑の王』 を撃破!


挿絵イラスト