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ネクロポリスが見る夢は

#スペースシップワールド #猟書家 #猟書家の侵攻 #葬列の長サイファー

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●方舟きたる
 それは、元より宇宙において最果ての廃棄場と呼ばれた宙域であった。宇宙戦で撃破された塵が流れ着くところ……信号を乱す性質のデブリが多く、まともな航行が難しいとされている、一帯。
 そういった性質を利用し機密作戦を敢行した輸送船を、その策を読んだ精鋭部隊が襲い――共々、玉砕され、散っていった場所。
 そんな宙域に、かの「方舟」はやってきた。
 命の灯火は欠片も残らず。鋼の残骸ばかりであれど――。
「終わったからこそ、宿る命がある」
 眼帯の男はそう嘯く。
 否――この場合、その船に眠る古代兵器に向けられていた。
 すべては、帝国継承軍の誕生のため、戦場で生命を落とした者達を丸ごとオブリビオン化させる大儀式を行うべく……方舟は、探査機を吐き出す。
「寄生型兵器ガウディウムよ――今こそ、大いに美しき花を咲かせたまえよ」

●サルベージ船『マグノリア』
「ヨーソロ! おお、見たまえ諸君、蛍火のような銀の機体、槍もつ戦乙女の船首像! あれが伝説の輸送船に違いない」
 ブラックタールの船長が、ぽよんとテーブルの上で跳ねた。
 危険な宙域に果敢に挑むこと十数回。ようやく辿り着いたサルベージ船の面々は、ほっと息を吐くと、互いに手をたたき合わせる。
「やった! やった!」
「やりまシタね」
「痛ってェ、てめぇふざけんな。殺すぞ。ウソ、許して」
 楽しそうに腕を組んでくるくる回るクリスタリアンの双子。
 片腕まるごと砲台のような義手をもつスペースノイド。
 皆より明らかに半身くらい巨大なウォーマシン。
 船員は皆バラエティ豊かで、まとまりがない。ごわんと銅鑼のような音のする細工の上を、ブラックタールの船長が二度跳ねて、黙らせる。
「ほらほら、仕事はこれからだ。全員、サルベージの準備! で、ミューちゃん、様子はどうよ」
 ひとりコンソールから離れない電脳魔術士の女性は、船長の問いに静かに頷く。
「輸送船のほど近くに、詳細不明の船がいますね……しかし、なんというか。ぶっちゃけ遮断能力が段違いで、何も探れません」
「やっべ、同業者かもしれねえ。急げ、さっさとサルベージせにゃ」
 船長の言葉に、船員達は慌てて部屋を飛び出していく。が、電脳魔術士は厳しい表情で彼らを見送る。
「――嫌な予感がします。お気を付けて」

●そして猟兵
「猟書家幹部、葬列の長サイファーの討伐依頼でございます」
 静かな声でアム・ニュイロワ(鉄線花の剣・f07827)は切り出す。
「皆様には、彼の操る方舟に乗り込み、襲撃していただくことになるのですが――ひとつ、問題がございます」
 淡々とした口調だが、彼女は微かに眉を寄せる。
 曰く、戦場には不幸な第三者――サルベージ船が居合わせてしまっている、らしい。
「彼らも多少、戦闘の心得はありますが、オブリビオンには及びません。どうにか救援し、無事に逃していただきたいのです」
 見返りはある。彼らはサルベージ業務を行うことから彼らは古代兵器に詳しい。
 彼らの協力をとりつけられれば、サイファーの儀式によって再生された「古代兵器」の脅威を、労せず取り除くことができるやもしれぬ。
「まずは、サルベージ対象の輸送船に転送されることでしょう。そこから、ドッキングした方舟に乗り込むことになるのですが、その際にサルベージ船の皆様を守り――いっそ、方舟の兵器を無効とする術を探って貰うのでございます」
 そう、もうひとつの問題は、かの輸送船に眠る古代兵器である。
 寄生型兵器ガウディウム。
 これは所謂、生物兵器に近い。人の意識を乗っ取り、自由に動かすごく微少な寄生機械生物だ。
「現状、復活しているものではございませんから、皆様や、サルベージ船の皆様には寄生の危険はありません。ただ、この兵器……屍も動かせるのでございます」
 ――遙か昔に死んだ輸送船の人々。
 彼らは帝国兵としてこの兵器を反乱軍の船に撒くという残酷なミッションを――果たせず塵となったはずだったが。
 皮肉なことに、自分達が輸送していた兵器で、再び帝国の兵士として甦ることになるようだ。
「いずれにせよ、まずは尖兵を退け、方舟に乗り込むことからでございます。皆様、どうぞご武運を」
 すべてを語り終えたアムは、ゆっくりと頭を下げた。


黒塚婁
どうも、黒塚です。
またゾンビが出るらしいですよ?

●サルベージ船『マグノリア』
輸送船に張り付こうとしている小型船。
船員は6人。
クリスタリアンの双子が宇宙バイクで乗り込みお宝を探しつつ、戦闘要員はウォーマシン(鎧装騎兵)と、スペースノイド(ブラスターガンナー)……らしいのですが、戦闘能力はお察しです。
船長は三十センチくらいの不定形ブラックスライム。リーダーらしく知識は豊富。
クリスタリアンのバイクに搭乗しています。

●プレイングに関して
各章、導入公開後の受付となります。
受付日時はタグと雑記でご案内しております。
全員採用はお約束できませんので、ご了承の上、参加いただければ幸いです。

それでは、皆様の活躍を楽しみにしております。
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第1章 集団戦 『宇宙探査機群』

POW   :    探索ノ妨害ヲ感知、障壁ヲ展開スル
非戦闘行為に没頭している間、自身の【全身を障壁で覆い、超光速通信アンテナ】が【データ送信を続ける。障壁が破壊されるまで】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
SPD   :    探索ノ障害ニ遭遇、対象ヲ排除スル
【超光速通信アンテナで敵データを送信して】から【対抗策を受信。それに基づいてレーザー光線】を放ち、【素早く的確に弱点を狙うこと】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    探索ノ続行ハ困難、宙域ヲ離脱スル
【ピンチだと判断すると、収集したデータ】と共に、同じ世界にいる任意の味方の元に出現(テレポート)する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●輸送船――遭遇
 空調機能も死に絶えた空間に、無人の探査機が乗り込み、巡回している。
 何となく嫌な予感がして、マグノリアの面々は探査機に見つからぬようコソコソと狭い道をうろついていた。
「おいおい、完全に先乗りされてるじゃねえか」
 船長がぼやきつつ、壁に埋め込まれたコンソールに何やらへばりついている。
「ミューちゃんや、回線を繋いだから、お宝が残っているか探っておくれ」
 そういって接続する。
 電脳魔術士からの解析結果に従うと。サルベージ船と丁度向かい側に謎の船があり、そこに向けてサルベージが行われていると出た。
『残る遺物は地下に反応が少々。船の機能を復活させると気付かれると思うので、照明諸々は、ご自身でどうぞ』
「あいよ、じゃ、行くべー皆の衆」
 暢気な言葉ではあるが、船長はずるずると床を這い、気配を探りながら先導していく。皆はその奇妙なリーダーを信頼しているらしく、何も言わぬ。
 その動きが、ぴたりと止まった。
「おい、お前らは後ろにいろ」
 双子にそう声を掛けた男は、機兵の顔を見る。赤い光の眼差しは、警戒するように明滅した。
『いけないッ……攻撃が来ます――!』
 通信機から声がした。電脳魔術士の警句に従い、男と機兵は船長共々庇うように通路に立ち塞がり、武器を手にしたのであった。
シノア・プサルトゥイーリ
そう……命を懸けた先、屍を残す戦場があるのは
この世界も同じなのね

サルベージ船の皆を手伝いましょう

彼らに敵が迫るようであれば、まずは引き離す事に重点を置いて
赧鳥を抜き、敵との間に割り込むわ。

こんにちは、私にも少し手伝わせて貰って良いかしら?

船長さんのフォルムも気になるけれど…今は赧鳥にて近接で戦いを
敵の攻撃は刃で受け、無理ならば腕一つ使いましょう。負傷は構わないわ
数もいるのだから視界から逃さぬように。抜かせもしないわ

敵が移動するようであれば—第四の詩編を。
赧鳥にて腕を切り、結界を活性化させましょう

えぇ、狩りは待つものよ。鋼鉄の鳥
穿つ炎の槍と共に斬り込みましょう。血に酔う前に…砕かせて頂くわ



●花は鳥と歌う
 戦えば人は死ぬ。
 戦に駆り出された人々が、夢の跡と残されるのは――大地を喪いし、宙船でも同じ。
「そう……命を懸けた先、屍を残す戦場があるのは、この世界も同じなのね」
 囁いて、シノア・プサルトゥイーリ(ミルワの詩篇・f10214)は、ごく自然に息を吸い、吐いて。自然な動作の延長に、土の匂いなど欠片もせぬ無機質な床を蹴りつけた。
 鳥の紋章が刻まれた、黒鞘から。すらりと刃を覗かせるは、異端の血を啜る呪われた太刀――一足で、シノアは白き機械の敵へと斬りかかる。
 甲高い音がして、火花が散る。
「なんだっ!?」
 驚きの声は既にシノアの後方。宇宙探査機と、サルベージ船『マグノリア』の面々との間に割り込んだ彼女は、数合の斬撃を叩き込んでから、距離を取り直す。
 そして敵へ注意を向けたまま――肩越しに軽く振り返り、
「こんにちは、私にも少し手伝わせて貰って良いかしら?」
 シノアは花のように微笑んだ。
「お、おお?」
 驚きの声をあげたのはブラックスライムの船長だった。驚いているが、同意に近い。
(「丸い……動いてる……ふるふると揺れているわ」)
 相手の反応に意識をもっていかれそうなところを、シノアはぐっと堪え――柄を握り直す。
 気になる。かなり気になるが、此所は戦場。
 今度こそ、深呼吸ともとれる大きな呼気を一揃え、敵へと不敵な眼差しを送る。
 通路を狭く見せるようにひしめく、羽を広げたような探査機どもが。不気味な沈黙をもって、此方を窺っている。
「情熱的な視線ね。でも、見ているだけで満足かしら? ――いざ」
 膝を曲げ、シノアはしなやかに跳ぶ。
 細く青白いレーザー砲が迎え来る――光の奔流を、シノアは太刀で薙ぐ。
 柔らかと躍る薄紅の髪の、その末端を焼いていくのを惜しむ事も無く。
 白い肌を焼く熱線すら気に止めず、太刀を振り上げる。風斬り唸る剣が触れれば、重い音がして、探査機の羽のような鎧装が砕け散る。
 見極めた、とシノアは思う。この屈強な探査機の鎧のほころびを。厄介なのは、数と、光線の間合いだけだ。
 赤き隻眼は、敵の総てを視界において、全力で追う。
 女が躍れば、月弧の光が続き、鋼が砕ける――それを不利と見た探査機は、その情報を持ち帰るべく、上部に備えたアイセンサーを明滅させた。
「駄目よ」
 シノアの唇は笑みを浮かべると、己の腕に刃を当てる。
 白い膚に、朱線が走り――それは、短刀のような形として複数空に浮き上がり、結界として探査機どもを囲んだ。
「えぇ、狩りは待つものよ。鋼鉄の鳥――穿つ炎の槍と共に斬り込みましょう。血に酔う前に……」
 狩りを、告げる。
 否、狩りは終わらぬと、空に描かれた赤き光が告げる。
「砕かせて頂くわ」
 結界内に燃えたぎる炎の槍が落ちてくる――細く脆弱な光線など、物ともせぬ。圧倒的な破壊の存在が、白き機兵を――砕き、焦がした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シキ・ジルモント
到着次第、まずは保護対象の6人との合流を目指す
合流後は声をかけて状態を確認、無事であれば良いが…
その後は彼らの守りを優先しつつ、邪魔な敵の排除に移る

こちらのデータを集めて交戦を有利に進めるとは、案外慎重だな
データを取られない為に短期決戦を狙い、消耗を承知でユーベルコードを発動する
相手がデータを得るより速く攻撃を仕掛けて撃破したい
増大した速度で接近、レーザーの当たりにくい近距離に飛び込んで銃で反撃する

レーザーがマグノリアの船員たちに当たらないように特に注意する
もし射線上に居る場合、庇って共に回避を試みる
庇う事でレーザーを避けきれず動きが止まっても、ユーベルコードを発動していれば立て直しも早い筈だ



●電光石火
 足音を響かせ、疾駆する男は――戦いの痕跡を見て、眉を僅かに顰める。
 人狼の耳が微かな銃声を捉え、シキ・ジルモント(人狼のガンナー・f09107)は素早く通路を曲がる。途中で壮絶な争いの痕跡があった。
 恐らく、安全になった道を進んだのだろうが――進むにせよ退くにせよ、進路の先でかち合うことはあるだろう。
 案の定、鋼翼を広げた探査機が所狭しと並んでいる。
「無事か」
 シキが問うた時、サルベージ船の面々は、「おう」と頷いた。
「咄嗟にな、いい盾がいてよかったぜ」
 軽口を叩く男と、ウォーマシンの鎧装が軽く焦げているのを一瞥し、シキは頷く。
「単独で動くのは危険かもしれないな……だが、詳しい話は後だ」
 言うなり――愛銃を手に、構えた。
「探索ノ障害ニ遭遇、対象ヲ排除スル――」
 探査機どもは虫の羽音のような低い唸りをあげて、シキを睨んでいる。
 だが、彼は。
「こちらのデータを集めて交戦を有利に進めるとは、案外慎重だな」
 相手の探るような――それが探査機として刻まれた性質であることに、悠長な、と小さく呟くと、青い双眸が鋭く光った。
 地を蹴るはほぼ同時。
 シキの体は空を躍り、探査機の視界より消え失せていた。刹那、その頭上、鈍い光を放つ銃口が爆ぜる。
 一撃ずつの銃声は、ほぼひとつに聞こえた。結果は、目の前で砕け落ちる機体を見れば明らかだ。うお、と叫んだのはガンナーか。その銃技の凄まじさに、呻いている。
 さてそんな感嘆を露とも知らず、シキはそのまま天井を蹴り、次の探査機の足下に潜り込み、銃を掲げていた。
 人狼の能力を解放した事により増大した筋力は、驚異的な運動速度を可能とし――肉体のリミッターを外した事で、その身を確実に削っているものの。狙うは短期決戦だ。
 膚に触れる空気すら、痛いと感じるほど。髪や尾が、目に見えぬ風の動きすら感知している。何処をゆけば、相手の隙をつけるか。考えるより先に、感覚が導き、その超反応に体がついていく。
 後陣の探査機は、探査機の合間を線のように動き、次々撃破していくシキへ、何とかレーザー光線を放ったが、弱点を狙い済ましたとは言いがたい。
 足下を掠めた光を嘲弄するように、彼は臆さず前方への疾駆で掻い潜り距離を詰めると、至近距離で銃弾を叩き込む。砕け散る破片の動きすら、よく見える――。
 僅かな動きでそれすら躱すと、くるり振り返る。
 気になるのは、マグノリアの面々であった。彼らは彼らで防御態勢をとっている。探査機はシキを走査するのに集中しているようで、苦し紛れのレーザーはほど近くを焼くばかりだ。
 小さく、息を吐き。
「ご苦労だったな」
 最後の一機のセンサーを正面から撃ち抜き。続けて核を破壊し――制圧した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カグヤ・モンデンキント
まずはサルベージ船のみなさんと合流しますわね

いっそのこと、敵はこの船ごと消し飛ばしましょう
主砲ジャッジメント・クルセイド発射準備
みなさんは至急避難を!

(割と激しめのツッコミを受けて)

えっ、ダメ?
古代兵器をサルベージしないと手ぶらでは帰れない?
命あっての物種ですよ?
仕方ないですわね


Pli amuzaj amikoj


隠密道案内ドローンを召喚して、宇宙探査機群に見つからないように目的地まで案内を頼みますわ
ふむふむ、行けないことはないけど探査機を避けるために回り道をしないといけないですが。仕方がありませんわね
では参りましょう

……皆さんは壁抜けはできないんでしたかしら
こちら側の回り道から進みましょうか



●要塞艦の提案することには
 サリベージ船の面々と合流したカグヤ・モンデンキント(天体娘・f31348)は、「ご無事で何よりです」と彼らに声をかけるや否や。
「けれど、まだまだ船内に敵がいる模様……」
 不思議と瞳を閉じて、何処かへ意識を向けるようにしながら、少し考えるようにして、暫し固まっていた。
 彼女が一体何をしているのか。それは誰にも解らなかったが――船の外、遙か先にある『本体』の機能なども借りつつ、内部を走査しているのであった。
 さて、次にカグヤを悩ませるのは、それらの脅威から、彼らをどう救うか、である。
「そうですねぇ――あっ」
 名案を思いついた、というようにカグヤはぽんと手を合わせ、目を輝かせた。
「いっそのこと、敵はこの船ごと消し飛ばしましょう」
「えっ」
「はっ?」
 面食らった人々の反応を、カグヤは見ず――何処かに存在する彼女自身『モンデンキント級植民艦3番艦カグヤ』の機能を起動させる。
「主砲ジャッジメント・クルセイド発射準備――みなさんは至急避難を!」
「待った! 待って! お願い」
 カグヤは男から肩を掴まれ揺さぶられ、ダメダメと手やら首やら振っている面々に、驚いたように目を瞬かせた。
「ねぇちゃん、頼む! 今船を壊されちゃ困る――」
「えっ、ダメ? サルベージしないと手ぶらでは帰れない?」
 ぶんぶん、皆揃って首を縦に振っていた。
 それにな、と船長はブラックタールの体を捻る。
「いやいや、聴いたぜ、この船にゃ『寄生型兵器ガウディウム』がある――あったんだろ。あれの対策にはこの船にあるもんを持ってかなきゃならねぇんだよ」
 あの古代兵器は――そんなもん、おっかなくて売れねぇや、とはいうものの。他のものもサルベージできるかも、という欲目も否定できぬ。折角この宙域に来たからには。
「なんで、破壊は待って欲しい。多分、避難間に合わねぇ予感がするし」
 最後の本音は、カグヤから瞬間に放たれた気配からの警戒であろう。
「そうですか……」
 一応、納得は見せるものの。明らかに困った子を見るような表情で、カグヤはうーんと唸る。
「命あっての物種ですよ? ……仕方ないですわね」
 その返答にほっとした様子で、船長はするするとウォーマシンの肩を登った。
 カグヤは少し目を伏せ、その唇は滑らかにコードを紡ぐ。
「Malbona Kodo : ducent dudek ok.」
 一見、天真爛漫で人らしい振る舞いを見せる、カグヤであるが――その瞬間こそは、何処か無機質めいた雰囲気を纏っていた。
 彼女に呼ばれ、何処からかドローンの唸りが聞こえる。だが、姿はよく見えぬ。
「宇宙探査機群に見つからないように案内を頼みますわ」
 穏やかに、カグヤはドローンに指示を出せば、音はすっと壁の向こうへと消えた。
 リアルタイムで映像が送られてくるのだろうか。彼女は虚空に頷いているのを、サルベージ船の面々はただ静かに見守った。
「ふむふむ、行けないことはないけど探査機を避けるために回り道をしないといけないですが。仕方がありませんわね」
 艶やかな黒髪を揺らし、くるりと踵を返して、彼女は微笑み、手招く。
「では参りましょう――……皆さんは壁抜けはできないんでしたかしら。こちら側の回り道から進みましょうか」
 道中、どんな無茶振りをされるのだろうかと、一瞬冷や汗をかいた面々を連れ――目的地へと、進み始めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

小鳥田・古都子
えっと、お疲れ様です。皆さんのお手伝いをしに来ました。
じゃ、ちょっと片付けてきますね。

「内蔵火器」使用。両腕に内蔵されたマシンガンを起動させ【範囲攻撃】。銃弾の連射で攻撃。
障壁で防がれるなら、銃を収めて戦術を変えます。障壁を張ってる間は反撃はしてこないみたいだけど、どこかと通信してるみたい。あんまり情報送られてもまずいかな。何とかして倒さないと。
【リアクタードライブ】使用。全身をサイコバリアで覆って【空中機動】。バリアをドリルの様に回旋させて突進。外部からの衝撃を全て【カウンター】で全反射するバリアでの体当たりは、対象が硬い程威力を増します。力業で障壁を粉砕して探査機群を破壊して回りましょう。



●鋼すら貫き
 ――輸送船の底、厳重に封じられた空間はレーザーに焼かれ、無残に穿たれていた。
 小鳥田・古都子(サイボーグのサイキッカー・f16363)は周囲を見渡す。その先に見えるのは、大きなコンテナ。つなぎ目のない金属の箱は、電子ロック共々破壊され、既に中身は搬出されているらしい。
 ひょいと更に奥を覗き込んで見れば、
「あったか?」
「無いですね……別の箱かな」
 そこで、サルベージ船『マグノリア』の面々は、船長先導の元、何かを探しているようだった。
 古都子に気付いた彼らは相好を崩す。
「お、猟兵さんか」
「えっと、お疲れ様です。皆さんのお手伝いをしに来ました」
 肯定した彼女に、比較的近いあたりを探しているスペースノイドの男が、気まずそうな表情をした。
「悪いな、もう少し掛かりそうだ」
 何を探しているのか、気になったが――少なくとも、彼らの仕事たるサルベージではあるまい――それを問うより先に、彼女の聴覚は外に近づく低い唸りを聴き取った。
 迫る気配に気付くや、少女は瞬きひとつで戦闘へと意識を切り替え、彼らに背を向けた。
「じゃ、ちょっと片付けてきますね」
 挨拶の一声残し、軽やかな跳躍で飛び出し通路を駆る。
 鋼の翼を広げたような探査機が、古都子の熱を捉えるや、光線を放ってくる。
「前の交戦記録から学んだのかな?」
 その問いは、独り言に過ぎぬ。
 足を止め、腕を前へと突き出し――それは瞬時にマシンガンへと変じ、けたたましく叫んだ。
 衝撃に吹き飛ぶ事も無く、両腕の銃は正面の敵を吹き飛ばす。弾幕を突破する敵は無し――が、靄が晴れる向こうで、探査機どもはほぼ無傷で耐えているようだった。
「探索ノ妨害ヲ感知、障壁ヲ展開スル」
 障壁と聞いた古都子は、試しに片腕でもう一度弾の限りを撃ち出す。
 本来なら鋼すら襤褸布に変えてしまう兵器であるが、透明な壁に阻まれ、届かない。
 うっすらとした白煙を障壁の表面に纏わせながら。
 探査機は頭部のセンサーを光らせ、じっと動かぬ――ほぼ機械の体を持つ古都子の、生身の脳が直感的に、放っておいてはいけないと警告する。
(「どこかと通信してるみたい――」)
 戦闘データを、主に送っているのだろうか。
「あんまり情報送られてもまずいかな。何とかして倒さないと」
 すっと息を吐き、膝を曲げる。硝子のような瞳には、無機質なものではない輝きがある。
「リアクティブシールド、展開」
 全身をサイコバリアで覆い――彼女は地を蹴る。
 刹那、探査機の目の前に光が爆ぜた。透明な空間を破る光条が広がり、その中心から、古都子が突撃してきた。
 途端に、前方から次々と探査機が破壊されていく。淡い光の筋が通り抜けた後、ひとりでに弾けるように。
 音も残さぬ飛行とともに、すべて彼女が薙ぎ払っていった痕跡だ。
 彼女が纏うサイコバリアは反射の力を持ち――対象が堅ければ堅いだけ、威力を増す。障壁どころか、本体まで粉々に打ち砕き。
 探査機の残骸を背に静かに着地した古都子は、「見つけたっ!」という嬉しそうな声を聴いて、振り返る。
「おまちどおさん。古代兵器対策に必要なもんは揃ったぜ――って、おお、此所もすっげぇ事になってる」
「丁度こちらの掃除も終わったところです。次が来る前に、急ぎましょうか」
 足下に散らばる残骸に驚く面々へ。彼女は少女らしく、柔らかに微笑むのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『葬列の長サイファー』

POW   :    存分に暴れることだ。死の獣よ
【外套に潜む異形が巨大な獣】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    生者よ、恐れたまえよ
【葬列の瞳】に覚醒して【ヴァンパイア】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    これぞ人の淀み。生者よ、贄となれ
自身が装備する【死者の鳥籠】から【召喚した死者の群れ】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【毒】の状態異常を与える。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠リオ・フェンブローです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●骸の海より来るもの
「寄生型兵器ガウディウム――生者に寄生し、死者の体すら操る。それは機械生物であっても同じ――取り憑くや、機能を支配下に奪い、自在に操る」
 葬列の長サイファーは方舟の奥で、悠然と猟兵達を振り返る。
「寄生されると、恍惚となるらしい――ゆえに、歓喜。喜びのまま、それにすべての制御を預ける。永遠の夢を見続けるのだ」
 ガウディウムは極小の機械生物。声も音も発さぬが、精神感応による通信機能を持つ。
 ひとつの個体が得た『情報』は、瞬く間に全ガウディウムに伝播するのだ。
「斯くて、増殖された情報を共有し、資材を食い潰すこともない、ひとつの意思をもつ共存者となるのだ。帝国の忠臣として。素晴らしい兵器ではないか」
 演説の終わり、彼の背後で無数の骸が起き上がる。
 彼らは装甲に包まれた体で、内部がどうなっているかは解らない。だが、しゃんと背筋を伸ばし、銃を構える姿は、生者と変わらぬ。
「――残念なのは、そう。運送に失敗したことだ。脅威と感じた革命軍の襲撃によって、研究データを含め、多くのガウディウムは喪われてしまった。だが、彼らが残っていた」
 忠臣として相応しき有り様だ、と。サイファーは美しい微笑みを浮かべて告げる。
 その余韻を打ち破るように、やたら勝ち誇ったような笑い声が響いた――。
「ふはは、甘い、甘いぜェ」
 黒い体を震わせ、マグノリアの船長が、その体の内側に、不思議な光を放つ装置を抱えていた。
「こいつは反ガウディウム装置――精神感応機能をジャミングして、消し飛ばしちまう無効化装置さ。輸送のお供ってね。なんせ、うっかり触れたら取り憑かれちまうんだ」
 そしてこの装置は、寄生された者の動きも阻害する。
 ガウディウムが精神感応をベースに、対象の動きを制御するからだ。
「やっぱ帝国兵もガウディウムに侵されるのは嫌だったってことだろ」
 嫌みったらしい声音は、サルベージ船の面々も、銀河帝国に苦しめられてきたからだろう。
 にょんと伸びた船長は、猟兵たちに向け、細っこい触手でピースを作ってみせる。
「猟兵さんのお陰で、無事回収できたのさ。さあ、心置きなく戦ってくれ! ついでに俺も守ってな! 俺が死んだら多分これも壊れるわ――」
 そして、なにげに注文をつけてくる。
「成る程、味な真似をしてくれるものだ――しかし急ぐ必要はない」
 死者の鳥籠を掲げ、サイファーは。妖しく光る瞳の奥に、確実な怒りを秘めていた。
 外套の裏から蠢く闇が覗き、周囲に死の気配が濃くにじみ出す。
「見せたまえよ、魂の闇を」
カグヤ・モンデンキント
【ヴァンパイアハンター】

主砲ジャッジメント・クルセイド、最大出力…
エネルギー充填開始…
カウントダウン…600…599…
(せめて反ガウディウム装置は回収させて、とツッコミを受けて)
あら、私としたことがお恥ずかしいですわ。おほほ

ユーベルコード、Vitra labirintoを発動しますわね

この場を離れますわよ
粉塵爆発を警戒する量の小麦粉の目隠しの中、隠し通路に皆様を誘導して一足先に迷路の出口にご案内しますわ

本来、迷路とは心の迷いで閉じ込めるもの
迷いがなければ【時間稼ぎ】にしかなりません
でも、少しでも時間があれば、できることはあります

迷路の出口では、ヴァンパイアハンターが準備万端で待ち構えていますわ


風雷堂・顕吉
【ヴァンパイアハンター】

寄生型兵器ガウディウムといったか
カグヤはあの兵器に何か個人的な恨みでも?
……あっても不思議ではないな

迷路から出てきたサイファーに対し【不意打ち】の【先制攻撃】で吸血鬼殺しのパイルバンカーによる白木の杭を撃つ
【鎧無視攻撃】の【貫通攻撃】だ。数発のうち、一発でも当たればいい
その上で、この場に地獄の炎で燻した魔除けの香草を放つ

吸血鬼封じの術式だ

ダークセイヴァーのヴァンパイアなら、これでもまだ脅威だ
お前はどうだ、ヴァンパイア

そして剣で切り結ぶ
【斬撃波】と共に【切り込み】、【フェイント】で機会を作り、【鎧砕き】の一撃を見舞う
敵の攻撃は【武器受け】と【受け流し】で凌ぐ



●迷宮と剣士と
「……」
 葬列の長サイファーを見つめるなり――、否、彼が古代兵器の説明をしていた時から。
 カグヤ・モンデンキントは、何かを考え込むように、黒瞳を半ば伏せていた。
 その内心は計り知れぬが、行動として、ひとつ意思を顕わにしたことは。
「主砲ジャッジメント・クルセイド、最大出力……エネルギー充填開始……」
 意識を深いところに沈めた彼女は、本体と接続し、宙のいずこかにいる主砲を動かす。
 ――つまり、即、滅す、という判断を下した。
 ぎょっとしたのはマグノリアの面々で――彼女のその状態から、何をしようとしているかに気付く。あれだ、先程『船ごと吹き飛ばそう』といった時のあれだ。
 しかも今回は警告も、提案すらしない。
「カウントダウン……600……599……」
「ストップ、ストップ!」
 クリスタリアンの双子に左右から腕を掴まれ、揺さぶられる。
「全員吹き飛んじゃうって!」
 カウントダウンを始めた彼女を止める必死な声に、目を瞬かせた――浮世を遠ざかっているように見せて、ちゃんと聞こえているのだ――カグヤは、取り繕うような笑みを見せる。
「あら、私としたことがお恥ずかしいですわ。おほほ」
 再び胸を撫で下ろした面々を一瞥し、サイファーは肩を竦めた。
「安心したまえ。方舟はその程度では揺るぎもしない――そのように、出来ている」
 これには、カグヤは要塞艦の誇りから、少しカチンときたが、表情には出さぬ。
 そんなやりとりを黙って見守る黒衣の男は、表情も変えず、つと思考する。
(「寄生型兵器ガウディウムといったか――カグヤはあの兵器に何か個人的な恨みでも?」)
「……あっても不思議ではないな」
 呟きは、誰にも届かぬほど小さく。
 風雷堂・顕吉(ヴァンパイアハンター・f03119)は影のように動かない。
 露とも知らず、カグヤは――まあ、対主砲シールドくらいはあるでしょうね、とぶつくさと零しつつ、コードを口にする。
「Malbona Kodo : ducent dudek ses. Vitra labirinto.」
 たちまち――周囲の景色が変わる。マグノリアの船員たちと、サイファー、そしてカグヤは通路のような場所に置かれ、周囲はもうもうと煙が立っていた。
「こ、此所は?」
「この場を離れますわよ」
 疑問を唱えたクリスタリアンに、カグヤは冷静に告げる。
 敢えて、少々厳かな声音にしたのは、周囲の危険をそれとなく敵へ示唆するもの。粉がもつ脅威で疑心を招こうという意図があった。
「皆様は隠し通路から、先に出口へ」
 声をひそめ、先導する彼らの背後で、サイファーの衣擦れの音がした。
「それは、どうだろうな? ――これぞ人の淀み。生者よ、贄となれ」
 サイファーが鳥籠を掲げれば、蛍火が溢れ――死者の群れが迷宮を埋める。
「私は目で捉える必要などない」
「……急いでください」
 背後に迫る死霊に、ともすれば足を止め騒ぎそうになる面々を通路の奥に引きこみながら、カグヤは走る。
 出口への最短ルートを知っているのは彼女だけだ。
 だが死霊たちは白く烟る通路を、標的を見失うことなく何処までも追いかけてくる。
 二度と死なせはしない。
 そんな思いが、カグヤの中にあったか否か。全力で駆け抜けて――やがて。
「追いかけっこはお終い、か?」
 カツカツと、乾いた靴底の音が追いかけてくる。粉塵すらものともせず、ランプ代わりに鳥籠を手にした男は、亡霊たちに導かれ、カグヤの黒髪をじっと見つめた。
 彼女はゆっくりと振り返る。その周囲に死霊が迫るが、凜とした眼差しはサイファーを貫く。
「本来、迷路とは心の迷いで閉じ込めるもの――迷いがなければ時間稼ぎにしかなりません」
 彼女は唯一、外界へと繋がる扉を開きながら、嫋やかに笑う。
「でも、少しでも時間があれば、できることはあります」
 扉の向こうから光が差し込む。カグヤがそれと解き放つなり、迷路は消えて――黒い影が、飛び込んで来た。
 突き出した腕には、白木の杭をセットしたパイルバンカーが鈍く光る。顕吉はサイファーへ躍りかかりながら、全弾を撃ち出す。
 驚きをもって、サイファーはそれを外套で庇う。
 顕吉とて、総てを叩き込もうとは思っていない――杭を放ちながら、片や赤々と燃やしていた魔除けの香草を、続けて撒き散らす。
 焼べた炎も、顕吉が召喚した地獄の炎――独特の香りを伴い舞う灰を、肩口を掠めた杭に気を取られた男は、それを躱す事も叶わず、何事かと目を細める。
「吸血鬼封じの術式だ」
 静かに、顕吉は告げる。
 条件は整った――なるほど、瞳の力は発動できぬようだ。
「ダークセイヴァーのヴァンパイアなら、これでもまだ脅威だ」
 対峙する顕吉は、抜刀し、敵を冷えた眼差しで射貫く。
「――お前はどうだ、ヴァンパイア」
 ほう、とサイファーは笑みに似たものを浮かべる。
「残念ながら」
 葬列の長のいらえは、どちらの意味合いか。
「死霊を斬ってみたまえ、ハンター」
 鳥籠を掲げて、走る白刃を受け止めた。すぐに飛ぶように後ろへと距離を取った顕吉は、鋭く銀閃振るい、次々と剣風を叩きつける。
 男の言う通り――双方の合間に、青白い亡霊たちが走っては消滅していく。されど、尽きることを知らぬような亡霊どもは、愈々迫り、半透明の腕で、彼の腕や足を掴んだ。
 顕吉は表情を変えることはなかったが、その重みや冷たさ――染み入る毒の苦痛は、あったはずだ。軽く俯き――膝を折って屈んだ彼の赤い瞳が、帽子の下、光る。
 次の瞬間、彼は大地を蹴る。空気を裂くような剣捌きで纏わり付く亡霊を断ちながら、自信に満ちたサイファーの元へと、一足で距離を詰めた。
 そのまま斬りかかると思いきや、黒き外套を翻し――ひと呼吸、機を外し。素早く背後を取ると、今度こそ真っ直ぐに剣を振り下ろした。
 白き軍服に鮮やかな朱色を散らしたサイファーの背には、一筋の傷が刻みつけられていた――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

小鳥田・古都子
寄生兵器……対抗しようとしても、その手段も乗っ取られちゃうのね。あんなのを奪われたら大変なの。
船長さんが抑えててくれてる間にあたし達で何とかしないと。

刀を抜いて敵と船長さんの間に立ちはだかります。手出しはさせないのよ。
【加速装置】作動。【肉体改造】された全身を超加速させた【早業】で間合いを詰めます。
覚醒で強化された攻撃を、脳の処理速度を上げた【瞬間思考力】で【見切り】回避。
全力を一撃に込めるの。音速の数十倍の速度の【ダッシュ】で切りかかり、強化された【怪力】に速度を加えた斬撃で【切断】。
全身の人工部品の寿命が削られていくけど、船長さんだって体を張ってくれてるの。私も出し惜しみせず全力でいくよ。



●刀閃
 反ガウディウム装置の影響で、ガウディウム支配下にあるメタリックで無個性な装甲の亡者どもは崩れ落ち、元の屍のような姿を晒している。
 ゆえに、中に――サイボーグであったり、ウォーマシンが混ざっていたとしても、解らない。だが、その情報中枢がジャックされてしまうのは事実らしい。
「寄生兵器……対抗しようとしても、その手段も乗っ取られちゃうのね。あんなのを奪われたら大変なの」
 小鳥田・古都子は――他人事ではないと。顔には出さぬが、この兵器が蔓延する世界を想像し、嫌悪した。悪寒がしたといってもいい。
 ただひとつ、人間である脳が。
 絶対に此処で止めねばならぬと、いう。
「船長さんが抑えててくれてる間にあたし達で何とかしないと」
 図らずも、葬列の長サイファーは、あまりそちらを注視しておらぬ。取るに足らぬ存在――猟兵を倒せば、いつでも仕留められると考えているのだろうか。
 それでも。
「手出しはさせないのよ」
 言い放ち、古都子は刀を抜くと、船長を庇うように前へと躍り出る。
 先の戦闘で負傷したサイファーではあるが、
「ふむ――さて、こちらも回復したか」
 そう独りごち、それを微塵も滲ませぬ動きで外套を翻し、彼女と対峙する。
「生者よ、恐れたまえよ」
 言葉とともに、その瞳は変質する――封じられたはずの力は、再び甦り、彼から放たれる鬼気に、ブラックタールの船長は「うひぃ」と小さな悲鳴を零す。
 地を蹴るのは、古都子が先だ。
「加速装置!」
 加速装置を起動させ、突風のように、迫る。
 片や、男も、後から合わせ軽く腕を振るう。二人の間で、鋼が震えた。剣を、その腕が止めている。
 二人が離れる。挙動で生じた衝撃破が転がる屍どもを吹き飛ばす。
 全身を軋ませ、古都子は跳躍した。その証拠は、床や天井に刻まれる小さなクレーターだけ。目視は不可能な速さは、機械の体を摩耗させる。
「船長さんだって体を張ってくれてるの。私も出し惜しみせず全力でいくよ」
 弾丸のような斬撃を、ヴァンパイアは凌ぐ。反撃の爪も鋭く、強烈だった。掠めただけで衝撃が全身に走るのは、摩耗ゆえか。
 古都子の表情に、変化はない。苦痛も疲労も、極めて無機質に。風のように光のように彼女は走る。
 だが、変化は直に訪れる。
 徐々に、古都子の斬り込む距離が深くなる。押されるサイファーは後退していき、その腕に朱線が浮き始める。
 目にも止まらぬ斬撃の狭間に、男は小さな足さばきで体勢を入れ替え、爪を振るうが、空を掻く。その烈風は彼女の体を引っ掻くが、深手には到らない。
 ふっ、とサイファーが息を吐く。
 気合いも込めず、天井で深く膝を曲げ、大きな青い瞳でじっと男を見据えたまま、古都子は。その筋繊維の総てが限界の悲鳴をあげるのを、念動力で捻じ伏せ。
 刀身を体の影に隠すように下げて、地を蹴る。
 一閃――まさに彼女自身が光となって、サイファーの体を貫くように、落ちてきた。
 床を滑るように駆け抜けて、残心をとる。ゆるりと敵の額を捉える鋒の向こう。深々と腹部を朱で染めて、男は荒い息を吐くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルキヴァ・レイヴンビーク
鳥姿でバサバサとMr.タールキャプテンのお隣へと
お宝漁りの浪漫、良いデスねぇ…
この鴉もお仲間にプラスさせて頂きたいデスが
まぁアフターのトークになりそうデス

科学の粋たる世界で死霊使いとはいやはや
宇宙の闇より尚も深い闇――んん、実におぞましい
しかし宇宙でも地上でも鴉の役目は死者を導く事
死者への冒涜は好きではございマセン

やる事はただ一つ
キルしマスね、ユーを

一鳴きしてUC発動
周囲に崩れる死者の無念を我が力に
怨念の力得るのはユーだけでは無いと言う事デス
獣の攻撃避けつつ人間態に
対片鎌槍を投げてそれ追わせ、隙を作った所にて
黒翼銛にて術者を直接狙いに行きマショウか

死者も鴉も、籠じゃあ飼えマセンYO?



●遺恨の代行者
 翼を広げて一メートルを超える大鴉が、舞い降りてくる。それは最早「空」を知らぬ人々にとっては、馴染みのない生き物やもしれぬ。
 その強靱な三前趾足の指が、べろんと剥げて裏返っている鋼の床をがっしと掴んで、止まり木にする。ブラックタールの船長が盾にしている、薄い壁であった。
 黒い翼の影に、何が来たかと驚いた船長に。
「お宝漁りの浪漫、良いデスねぇ……」
 ルキヴァ・レイヴンビーク(宵鳴の瑪瑙・f29939)が、実感を込めた声音で、しみじみといった。
「おおお? お前もお宝漁り仲間か! 路地裏に捨てられた手袋のエモさが解るやつなのか!?」
「船長、今その話いるか!?」
 にょんと伸びた船長に、後方から仲間のツッコミが入る。
「その様子、是非とも、輝かしいガラクタ遍歴などを語り……」
 ふふーんと、ルキヴァは笑って、器用にその脚でくいくいと体を掻いた。器用だ。
「この鴉もお仲間にプラスさせて頂きたいデスが、まぁアフターのトークになりそうデス」
 ぎらりと、その鴉の瞳が光る。
 見つめられた葬列の長サイファーは、興味深そうに鴉を見ている。まあ、鴉を知らぬわけではないだろうが。
 対するルキヴァは、値踏みするように相手を見やる。
「科学の粋たる世界で死霊使いとはいやはや。宇宙の闇より尚も深い闇――んん、実におぞましい」
「資源が限られた世界こそ、輝く力だとは思わないかね?」
「んん……まあ、そういうルックポイントもあるようなないような」
 なんだそれは、というツッコミは入らない。堅物は堅物か、と思いつつも、鴉はわざとらしい溜息をひとつ吐き出すと、ひたと男を睨めつけ、告げる。
「しかし宇宙でも地上でも鴉の役目は死者を導く事。死者への冒涜は好きではございマセン」
 大体は人を小馬鹿にしたような言動を好むルキヴァであるが、一貫していること。
 死者を導く。その魂の無念を、昇華する。
「やる事はただ一つ――キルしマスね、ユーを」
 カァァと、大鴉が、長く不吉な声で鳴く。
「アナタ達の怨み悔やみ、ワタシが晴らしマショウ」
 そう告げれば、無残な姿を晒す者達から、目に見えぬはずの怨念が闇となり浮き上がり――大鴉に縋るように纏わり付く。
 大鴉の翼が、大きく空を打った。
 ごう、と音を立てて鴉が飛翔する。黒い影の滑空を見つめ――息を吐いたサイファーの外套がはためいた。
「存分に暴れることだ。死の獣よ」
 影から覗いた異形が、一気に膨れ上がり、ルキヴァへと爪を掛けた。
 鈍い音と共に、黒い羽が、無数と散らばる。引き裂かれた肉から滴る血の香りは、ほんの僅か。
 獣が追撃しようとするが、敵が見当たらぬ――否、羽は黒霧のようにあたりを曇らせている――否、ルキヴァの招いた怨念が、あたりに凝っていた。
「怨念の力得るのはユーだけでは無いと言う事デス」
 いつしか、そのシルエットは、人型に変じていた――白い頬に、軽薄な笑みを浮かべ、ルキヴァは両手に翼の如く掴む片鎌槍を、次々に投げた。
 翼のような形状をした鎌は回避を許さず、唸った。闇に霞む軌道は読みづらく――獣も、撃ち通せぬまま、サイファーの太腿を深々と刺し貫く。
 誇るルキヴァは距離を詰め――摘まんだ黒羽から、銛を作り出し――突き出す。足を縫い止められ、視界を奪われている男が、咄嗟に動けるはずもなく。
 ずぶりと肩の肉に銛が沈む。三日月のような笑みを浮かべたルキヴァは、互いを繋ぐ武器の距離で、囁きかけた。
「死者も鴉も、籠じゃあ飼えマセンYO?」

大成功 🔵​🔵​🔵​

シノア・プサルトゥイーリ
あら、死者は自らの足で去ることは叶わないというのに
待ち合わせの相手にするなんて
困った人

この地を生きて行く人々の為に
その闇、斬らせてもらうわ

眼帯を外し、血統覚醒を
速度を上げ赧鳥で近接で挑みましょう

敵の間合いを見定め、積極的に攻めて意識をこちらに向け
船長さん達を狙わせはしないわ
懐深く向かい、攻撃は刀で弾くか、この身で受ける

ふふ、獣なんて普通の狩りのよう
動きを封じられないように、攻撃は出来れば刀で払う
倒すつもりはないわ、今宵の狩りに酔うつもりはないの

血を限界まで高め速度を上げ
獣が速度を追うのであれば、私と来てくれるでしょう
刀に血を這わせ、葬列の長へと斬り込む

貴方の獣も一緒よ
その首、私に頂けるかしら?



●朱艶
 己の血で朱染となった男の前に、花のように艶やかな髪をもつ女が立ち塞がる。
「あら、死者は自らの足で去ることは叶わないというのに――待ち合わせの相手にするなんて、困った人」
 黒鞘を下げた女――シノア・プサルトゥイーリは微笑む。
「待ち人を、迎えにきたのだ」
 片や男も。葬列の長サイファーも、かく応える。
 まぁ、と小さく呆れた声を零し、シノアは身を低く、抜刀の構えをとる。だが、その右手は、柄ではなく、隻眼を覆う眼帯に触れていた。
「この地を生きて行く人々の為に――その闇、斬らせてもらうわ」
 眼帯が、取り除かれる。
 健在の赤の双眸が、真紅に輝き、ヴァンパイアは跳ぶ。影と化す女の姿を、冷静な双眸で見つめたサイファーは、静かに己の影を呼ぶ。
「この私が吸血鬼狩りか。皮肉なものだ――存分に暴れることだ。死の獣よ」
 外套が意思を持つように、ふわりと浮かび。
 形をもたぬ異形が、獣の形を得て、空へと跳び上がる。
 びくっと怯えたブラックタールを、それは捕捉するか。否。飛燕の如く駆けたシノアの太刀が、より早く。より鋭く、銀月を描いて、爪を弾く。
「船長さん達を狙わせはしないわ」
 双方の合間に、光がいくつか弾けた。
 頑強なれど単純な動きでシノアと渡り合う獣に、されど彼女は微笑んだ。
 後ろへ跳べば、より早く跳び掛かってくる。踵で爪を蹴り上げて、宙返りで天井に張り付く。更に足へと爪を振り上げてくる獣も、重力から解き放たれているのか。
 獰猛な獣の腕の内を、ひらりと潜ってシノアは笑う。
「ふふ、獣なんて普通の狩りのよう」
 振り返ることもなく背に回した刀で獣を押しのけると、一度、屈み込んで、足を溜める。
 その間に、彼女の瞳は、更に鮮やかな紅に輝いていた。
 紅眼の剣士が跳んだ。その姿は線としても認識できぬ。ぱ、と剣が走ったと思った瞬間は点。次には全く違う場所で、同じ花が咲く。
 それをしぶとく追う獣も、恐るべき。神速で駆るヴァンパイアの足や腕を、凶悪な爪で引っ掻き、白膚に朱き筋を残していることだ。
 血の匂いに、シノアは冷静であった。
「倒すつもりはないわ、今宵の狩りに酔うつもりはないの」
 酔っては狩りを楽しめぬ。
 嘯き、淡く色づく桜色の髪を豊かに靡かせ、シノアは壁を駆け抜ける――獣に追わせたまま、回り込んだサイファーの背へと斬りかかるは、彼女自身の血で染まった刀身。
「貴方の獣も一緒よ。その首、私に頂けるかしら?」
「……っ!」
 目で捉えた頃には、もう遅い。赤き剣閃が、真っ直ぐに落ちた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シキ・ジルモント
忠臣?これでは操り人形かゾンビの群れにしか見えないがな
船長の護衛が必要なら引き受けよう。こちらは元よりそのつもりだった、装置は任せたぞ

接近戦闘に備えてユーベルコードを発動
獣人に変身、船長への攻撃は正面から受け止めて妨害
注意を引き付けたら、再び船長へ敵の目が向かないように、常に動き続けてこちらを狙わせる
…おい、あまり暴れるな、船が壊れる

獣人の姿でしばらく交戦、回避のタイミングで狼の姿に変身して死角に滑り込みサイファーへ向かう
急に姿が変われば対応は遅れる、まして理性を失った獣であれば猶更だろう
死の獣は耐久力が向上しても本体はそうはいかないと予想
そのままサイファーへ接近し人の姿へ、銃での反撃を試みる



●死の獣と、銀の獣
 幸福に支配された儘、永遠の忠臣となる。
 男の口上を聴いたときより――シキ・ジルモントは不快そうな表情を隠さぬ。眼差しは鋭く、敵を見据え。
「忠臣? これでは操り人形かゾンビの群れにしか見えないがな」
「臣民に意思が必要だろうか――何より、死者の民、というのも、かわいげがあるというものだ」
 如何にも傲慢な。或いはその性質に寄ったいらえを、葬列の長サイファーは口にした。
 男の白い軍服はもはや元の色を探すのが難しいほどに赤々と染まり、惨憺たる状態であるが、その自信に満ちた様子は変わらない。
「その者どものように、反抗するものが増殖することで帝国衰退は招かれたのだ」
「おおー、こっわ。コッチ見てる」
 凍り付きそうな程冷ややかな声音に、船長は体を大きく揺らし震えた。
「護衛につく。傷一つ与えん」
 例え、それが不要であっても――元よりそのつもりだったと、シキは、装置を抱えるブラックタールへ、穏やかな眼差しを向ける。
「いずれにせよ、民を守り、繁栄させる気はないのだな」
 守るために戦う男は、鋼のような声音で敵に問うと。
「命持てるものなど、一握りで充分だろう」
 敵は凍てる声で断言した。
 刹那、シキの双眸は剣呑な輝きを、帯び。
「装置は任せたぞ」
 告げて、船長を庇うよう、前へと躍る。戦場は荒れ果てた無機質の野。天も地も、めくれ、抉れ、様々な起伏を作り上げ、一直線に駆ることを許さぬ。
「見て呉れを気にしている場合では無いな」
 駆けながら、シキの姿が変化していく――髪が、髭が伸びるように銀色の毛が、滑らかな肌を覆い。銀の毛並みを持つ狼獣人と化したシキは、地形に逆らわず、走り、跳ぶ。
 あっという間に迫ろうかという銀の獣人にむけ、サイファーは最後の力を以て応じる。
「獣には、獣を――存分に暴れることだ。死の獣よ」
 彼の外套に潜む異形が、醜悪なほど巨大な爪と牙をもつ、二足歩行の獣へと変じ、シキに跳びかかって来る。
 生命と見なしたものに、見境のない獣――その認識の中、守らねばならぬシキは、より早く、俊敏に、前へと走る。
 その間に、髪の端でも掴めそうな距離で、獣は屈強な双腕を乱暴に振り回す。それが触れた場所は、金属で出来ていようとべろりと捲れ上がる。
「……おい、あまり暴れるな、船が壊れる」
 当初、サイファーが誇ったように――此所まで暴れながら、船自身は揺らがぬ。
 距離を詰めてきた獣へ、無造作に銃弾を叩き込む。
 防御姿勢をとって、一時怯もうが、何時までもこの獣と戯れていても仕方が無い。だが、しつこく頭上で爪を振り回すそれを横目で一瞥すると、シキは、姿を完全なる狼へと変じ、床を滑るように駆け抜けた。
 例え、理性なき獣であれ。追いかけていた獲物の姿が急激に変われば、戸惑う。空を掻いた腕と、足が止まった一瞬の隙を突き、シキはサイファーへと一足に詰め寄る。
 その姿は、男の眼前で再び人へと戻り――驚きに目を瞠るその額へ、銃口を突きつけた。
「終わりだ」
「……ふ。我が身が骸の海にある限り、葬列は続く」
 つまらん最後の言葉だな。
 吐き捨てる声音と共に、シキはトリガーを引く。
 虚空に乾いた銃声が、二発。逃れられぬよう連続し――赤い花のように弾けたサイファーの体は方舟に沈んだ。
 マグノリアの面々が発す、歓喜の声に、シキも――猟兵たちは、安堵の息を吐く。
 途端に、方舟墜落のアナウンスと、アラートで空間が真っ赤に染まる。
「やっべ、急いで逃げんと。猟兵さんらも、バイク乗るか? 重量オーバーだけどな!」
 ぺっと不要となった装置を吐き出した船長が言い。
 カウントダウンが始まって、ばたばたと生者達は船を脱出した。

 そして、この方舟も。宙の墓場にて塵になった。
 帝国の終わり、眠り続けた死者達と共に――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年08月09日


挿絵イラスト