●桜は全てを知っていたのだろうか
その日も桜は綺麗だった。
一年中桜が咲いている事で有名なこの町は、今日も平和な時を刻んでいた。
桜色に染まった川などは特に観光地として隠れた人気を誇っている。
「今日も綺麗だねぇ」
町民である初老の女性が川に向かって話し掛ける。それがいつもの日課なのだ。
「そろそろ雪も降る頃でしょうし、これからも楽しみだよ」
雪と桜の出会いを今か今かと待っている姿は、まるで少女の様にも見える。
そうして日課を終えた女性は、橋を渡ろうと歩き始める。
「……あら?」
何やら町が騒がしい気がする。そわそわとする者、何かを話し込み何処かへ走り去る者。若者達の様子がどうもおかしい。
「ねぇ、どうしたのかしら? 催し物でもある日だったかしら?」
と、一人の男に話し掛けると、男は真っ青な顔をして女性の問いに答えた。
「ま、真っ赤な、真っ赤な大群が、この町に近付いてるって言うんだよ……!」
「……それはどういう事かしら?」
「知らねぇ、ともかく津波みてぇにこっちに来てるって。本当かどうか分からねぇが、何か恐ろしい気がするんだ……!」
まぁ、と女性は口を開く。そんな事があるのかしらと。
「何だか分からないけれど、大変ねぇ」
女性は男に礼を言うと、いつもの帰り道を選んで歩くのだった。
●ダニエルの情報
「どもっす、ますは来てくれて感謝っす」
女装した青年、知念・ダニエル(黄昏冥土・f00007)が挨拶をする。
「今回はサムライエンパイアっていう世界に行って貰うっす。そこで起きる襲撃事件を解決して貰いたいっす」
場所は通称『桜の町』。咲き誇る桜に囲まれた小さな町である。
そこへとある軍勢が押し寄せて襲撃するというのだ。
「――鬼っす。真っ赤な鬼達が町を滅ぼしに襲ってくるっす」
鬼、と一言で言えば終わりだが、それが骸の海から蘇ったオブリビオンである事を伝えれば、猟兵達の目の色が変わる。
「軽く調べた所、無惨に殺されて弔われず捨てられた死体が鬼に変化したもの……らしいっす。うん、ゾンビっすね」
と、あっさり断言するダニエル。
「過去にその鬼の軍勢を作って国を侵略した戦国大名もいたって話っすけど、結局制御出来ずに自国諸共滅んだらしいっすね」
つまり、国を滅ぼす程の力を持った軍勢を操る者が、今回の事件にもいるのではないかと推測出来る。
「鬼の軍勢を減らせば、自ずとボスっぽい奴が出て来るんじゃないっすかね?」
指揮する者がいるのならきっとそうっすよ、とダニエルは人差し指を立てて言う。
とは言え、本当に指揮官を探し出すとするのなら、強大な鬼の軍勢との勝負に勝利を見出さなければならない。そう簡単なものではないはずだ。
「鬼は金棒を持っているっすが、決して戦い方はそれだけじゃないっす。自分の肉体を魂に変えたり、落ち武者の霊まで召喚したりするっす。かなり厄介なんで気を付けるっす」
単純な戦闘を試みるのも有りだが、一工夫入れた戦闘も試す価値はありそうだ。
「戦う場所は町から離れた場所なんで、思う存分暴れていいっすよ。俺は戦えないっすけど、その代わり皆さんを素早く戦場へ送り込むっすから」
自分の仕事はちゃんとやるっす、と付け加え。
「どうか皆さんで、桜咲き誇る町を守ってやって下さいっす。守ってくれたら、きっと良い事あるっすよ」
桜の町を守れば、きっと町民達は猟兵達を歓迎してくれるだろう。
桜が咲き誇る光景をゆっくり眺める事も出来れば、何か催し物を用意してくれるかもしれない。
「何だかんだお祭り好きっすからね、この町の人達は。まぁ、風情があるって事で」
さてと、と話を戻す。
「後の楽しみも、大きな仕事を終えてからっす。まずは目の前の戦いに集中するっす」
ハート型のグリモアを召喚させ、猟兵達のテレポートの準備を始める。
「それじゃ、頑張ってくるっすよ。皆さんで力を合わせれば、きっと目的を果たせるっす」
ののん
お世話になります、ののんです。
●状況
サムライエンパイアが舞台となります。
桜の町から離れた場所が戦場となります。
大きな戦闘が無事終えられた場合、町での催し物に参加して頂きます。
この時のみ、ご要望があれば知念・ダニエル(黄昏冥土・f00007)と過ごす事も出来ます。
●プレイングについて
お気軽に、ご自由にお書き下さい。
キャラ口調ですとリプレイに反映しやすいです。
また、お友達とご一緒する方はIDを含めて名前の記載をお願い致します。
●リプレイについて
アドリブ等を入れる事が多いので、苦手な方はその旨をお伝え下さい。
以上、皆様のご参加お待ちしております。
第1章 集団戦
『棍棒鬼』
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POW : 鬼の金棒
単純で重い【金棒】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 怨念疾駆
自身の肉体を【怨念の塊】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ : 死武者の助太刀
【落ち武者】の霊を召喚する。これは【刀】や【弓矢】で攻撃する能力を持つ。
イラスト:桜木バンビ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
鬼雨・雷月
「こりゃまた大量にいやがるな」
右手にリボルバー型のアサルトウエポンと左手にフォースセイバーを持ちつつそう呟きつつ敵に向かって歩いていく、他の猟兵もすぐに参戦するだろうがさて。
「まっ、暴れてれば良いか。細かい事考えるのは止めだ止め、市ぶれる一撃ぶっこんでやらぁ!。紫雷砲!!」
捉えれる距離まで詰めると同時に雷を帯びた紫いろのレーザーを口からぶっ放す!、その後は一気に敵に向かっていってアサルトとセイバーで敵を削りに行く。
相手の攻撃は防御を重視、味方猟兵が射線に居ないのを確認すれば至近距離からでも遠慮なく紫雷砲をぶちこんでやるぜ。
とは言え、交戦してる中で近くで闘う猟兵との共闘するのは忘れんけどな
町の外。遠くに赤い線が見える。
それは段々と巨大化していき、実体化していき、線から点へと変わっていく。
そう、赤鬼の大群である。
地響きを立てながら一歩一歩近付いて来る光景は、まさに赤き津波に等しい。
「こりゃまた大量にいやがるな」
赤き津波を迎え撃つは猟兵達。
鬼雨・雷月(羅刹のフォースナイト・f04378)は両手の武器を握り締めながら闊歩する。
鬼達の姿を確認すれば、リボルバー型のアサルトウエポンとフォースセイバーをがちゃりと揺らす。
後に来る仲間達の為にも、ここは一つ。
「……まっ、暴れてれば良いか。細かい事考えるのは止めだ止め、痺れる一撃ぶっこんでやらぁ!」
勢い良く地を蹴り、雷月は駆ける。鬼達もそれを捉えれば、金棒を振り上げ襲い掛かって来る。
今、鬼達と猟兵達の戦争が始まりを告げる。
猟兵達の中で一番手を取ったのは雷月。
鬼達が落ち武者の霊を召喚し始める中、それを目の前に、自分の武器を地面に突き刺す。
相手を睨み付け、大きな口を開く。すると彼の口が輝き出した。
雷電を溜め込んだそれは次の瞬間、暴発するかの如く発射された。
「紫雷砲!!」
紫色の雷のレーザーが横一線に地面を削り、鬼達を、武者の霊達を、貫き薙ぎ払う。
爆発と共に鬼達が宙を舞う。空気が雷電を吸い、バチバチと音を立てる。
次々と倒れていく鬼達。立ち上がろうとも感電してしまい、咄嗟に動く事が出来ない。
「さぁどうした、まだまだ始まったばかりだぜ!」
彼の放った一撃は、鬼達をいきなり動揺させる結果となった。
大成功
🔵🔵🔵
二河・ビャクドー
けぇっ!
鬼の後ろに隠れて糸引いてるヤローがいるって事かよ。気に入らねー。俺はこーゆー回りくどいのが嫌いなんだよ!
とりあえず、鬼共相手に多勢に無勢。無策で突っ込んでも痛い目見るだけ……。ちっ。本当は真正面から殴り込みてーがそうもいかねーか。
先ずは『目立たない1』『迷彩1』で潜みつつ、『罠使い1』で戦場に罠を仕掛けるぜ。足止め程度でも隙さえ出来れば万々歳だ。
後はそのまま潜んで、鬼が罠にかかるか気を取られるかするのを待とう。
鬼に隙が出来たら一気に接近して『グラウンドクラッシャー』をぶちかまし、暴れまわってやらあ!
「けぇっ! 鬼の後ろに隠れて糸引いてるヤローがいるって事かよ。気に入らねー」
俺はこーゆー回りくどいのが嫌いなんだよ!
そう二河・ビャクドー(ゴブリン?・f06703)は怒りを露わにする。
その状態になりながらも、冷静に戦場を見て回る。怒りのまま無策で飛び込むのは無謀であると。
彼は思い付く。大勢を相手にするなら罠が必要であると。
「罠でも仕掛けて戦力が落ちれば、こっちのモンだからな」
すぅ、と素早く、しかし静かな足取りで目立たないよう戦場に忍び込む。
鬼達の通り道になるであろう場所へと辿り着くと、慣れた手付きで罠を仕掛けていった。
小さな爆薬を数ヶ所散りばめる。流石にゆっくりと埋め込む時間など与えられていないので剥き出しとなっているが、地面が保護色となり目立ちはしない。
「さて、鬼さんこちらへ、ってか?」
準備が出来た所で罠のある場所から遠ざかり、ビャクドーは様子を見守る。
鬼達は他の猟兵に気を取られていた為、足元など確認するはずがなかった。
ドスドスと地響きを立てて向かう中、ある場所に足が着けば、突然鬼達が爆発をする。
大きな爆発ではないが、罠を踏んだ鬼達は砂煙に包まれ、次々に尻もちをつく。
爆発に巻き込まれなかった鬼達も、何事だと驚きを隠せないようだ。
「オラァ! 暴れまわってやらあ!」
隠れるのをやめ、突如戦場に現れては一気に接近戦へ持ち込むビャクドー。
体勢を崩した鬼達にとって、既に命運は決まったも同然であった。
成功
🔵🔵🔴
目面・真
一体どういう理屈なのかワカラナイが、あのバケモノはよほどの力持ちなんだろうね。
感心してる場合ではナイか。オレにはあんな物を振り回すなんてムリだ。
アレを倒すのか? 下手に近づいて潰されるのは勘弁してもらいたいね。
空中戦技能でかく乱して、遠距離からアームドフォートで狙い撃ちにするのがイイだろう。
もし接近されたら、太刀で受け止めて踏みとどまるくらいなら出来るだろうが。
隙を見て一体ずつ刀で斬ってやるのもイイかな。間合いを取って砲撃する、でも構わない。
コチラは攻撃オプションだけは豊富なのでね。
神楽威・紅葉
鬼になった死体って生物的な本能とかあるんでしょうか?
ちょっと試してみたいですね。
■行動
妖刀夢幻は小物相手には使いたくないし、夢幻(小太刀)で戦おうかな?
剣刃一閃に、殺気5、恐怖を与える1を乗せて鬼たちの反応を見ながら一体一体確実に倒していこうと思います。
■その他
ひまとお姉ちゃんたちは今回お休みね!もっときつい時呼ぶから。
向日葵・椿・百合「おっけ~!・分かりました・うぇ~い」
アドリブ歓迎。
「アレを倒すのか? 下手に近付いて潰されるのは勘弁してもらいたいね」
目面・真(たてよみマジメちゃん・f02854)が敵ながら感心をする隣で、神楽威・紅葉(妖刀夢幻の伝承者・f01131)も鬼に興味津々の様子を見せる。
「鬼になった死体って、生物的な本能とかあるのかな? ちょっと試してみたいかな……」
「……っと、感心してる場合ではナイか」
オレにはあんな物を振り回すなんてムリだ、と首を横に振ると、アームドフォートの準備をする。
「よし、オレは空中から狙わせて貰おうか」
「それじゃあ私は一対一に集中しようかな」
お姉ちゃんたちは今回お休みね! と紅葉が声を掛けると、姉達(別の人格達)がそれぞれ返事を返す。
真が思い切り地面を蹴ると、ただでさえ巨大である鬼の身長よりも更に上へと舞い上がる。
「さぁ、一斉射撃だ。喰らうとイイ!」
彼のアームドフォート、Armoring Ureyiteが鬼達の方へ銃口を向ける。
射撃用意。発射。天から降り注ぐ弾は豪雨の如く。
それが止むことなく鬼達に襲い掛かった。
鬼達は混乱し金棒を振り回す。しかし金棒を傘替わりにするには乏しく、弾は次々に命中していく。
標的をやっと見付け、金棒をぶんと振り下ろす者もいたが、その標的は空を蹴るように移動し、俊敏に避けていく。
「空中戦は得意でな」
真は鬼達の隙間を縫って空を駆ける。
鬼達が真によってかく乱されている様子を横目に、紅葉は地を駆け巡る。
妖刀夢幻は小物相手には使いたくない。そう思い、小太刀である夢幻を引き抜く。
彼女が狙うのは一刀両断。空中からの砲弾によりふらりと足を崩した鬼を狙う。
「そこだよ!」
身軽な体が地面を蹴り、鬼の金棒を蹴り、腕を蹴り、顔面に到達すると、逆手に握った小太刀を横一線に振るう。
くるりと回りながら地面へ足を着けば、同時に落ちるは鬼の首。
どさりと倒れる巨大な鬼の体。それを見た鬼達は恐怖に慄く。
それは仲間が倒れた事から来たものではなく、彼女の目から来るものであった。
一瞬の輝き。それは殺気。
「……どうしたの? まだだからね!」
鬼達は空からの豪雨と地を這う刃に翻弄されていく。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
逢坂・理彦
冬に桜ってのも乙なものだねぇ。せっかく綺麗に咲いてるだ散らせるわけにはいかないな。
さて…あとで一服やるためにも頑張ろうか。
充分広い場所だしなぎなたも扱いやすいだろう。まずはなぎなたで足を払って歩みを止める。
町には一歩たりとも近づけさせないよ。
御剣・刀也
桜の街を襲う鬼か
見過ごせないな。せっかくの桜を血桜には返させねぇ
退治してそのあと花見酒と洒落こむか
殺された無念は察するが、だからって生きてる人間を殺していい理屈にはならねぇ
お前らをしっかり黄泉路へ帰してやるよ
金棒の一撃に注意しつつ、振り下ろして来たら受け止めて鍔迫り合いの形にするか、受け流して攻撃の方向をずらす
怨念の塊に変わったらむやみに攻撃せず、冷静に移動する方向を見極めてそっちへ追いかける
死武者の助太刀をされたら目の前に立って明らかに邪魔をするなら潰し、そんなに邪魔じゃないなら放置して金棒鬼を攻撃するぜ
「俺は戦場に立った時は既に死人。死人が死を怖がるわけがないだろう?」
キャロライン・ブラック
遠くから拝見しただけですが、あの町は、とてもお綺麗な色をなさっています
もう、お外は息が白くなるほどなのに、とても暖かい色
それは、桜の花びらだけでなく、住まう人の心が作り上げているのでしょう
ええ、そのような素敵な町を、赤く塗りあげるだなんていけませんわ
ゾンビだとおっしゃるのなら、わたくしのウィザード・ミサイルで火葬して差し上げます
とはいえ、これほどの軍勢がお相手
離れて戦況の把握がしやすい位置取りを行いましょう
おそらく、正面から戦ってくださる方はいらっしゃるはず
その方々が戦いやすいよう、援護に回りますの
特に、肉体を魂に変えた鬼は、目前では厄介かと存じます
出来る限り、わたくしの方で対処いたしますわ
月山・カムイ
「これはまた、津波の如くとはうまく形容したものですねぇ」
眉をひそめ、呆れたように嘆息
腰のサムライブレイドの柄に手をかけ、一気に集団に向かって駆け出す
「血吹雪よりも桜吹雪の方が好みなのでね、手早く片付けて桜見物と洒落込ませていただきますよ」
こちらに向けて放たれる矢や、向かってくる落ち武者達の刀、鬼の金棒に向けて一気にユーベルコードを解き放つ
数千万の斬撃が、範囲内の敵の攻撃を断ち切り、あるいは弾き飛ばし
そして、切り刻まれた落ち武者どもの血吹雪で、世界は真っ赤に染まる
アドリブや誰かと組ませての描写も歓迎です
「桜の街を襲う鬼か。見過ごせないな。せっかくの桜を血桜には返させねぇ」
御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)がそう呟くと、隣にいたキャロライン・ブラック(色彩のコレクター・f01443)もそれに同意する。
「ええ、そのような素敵な町を、赤く塗りあげるだなんていけませんわ。遠くから拝見しただけですが、あの町は、とてもお綺麗な色をなさっています」
それは桜の花びらだけでなく、住まう人の心が作り上げているのでしょう。そう彼女は言う。
「にしても、冬に桜ってのも乙なものだねぇ。せっかく綺麗に咲いてるんだ、散らせる訳にはいかないな」
「私も、血吹雪よりも桜吹雪の方が好みなのでね、手早く片付けて桜見物と洒落込ませていただきますよ」
逢坂・理彦(妖狐の妖剣士・f01492)と月山・カムイ(絶影・f01363)も桜の町の為にと、武器を握る。
赤き津波に今、三人の男と一人の女が挑む。
「さっさと退治して、そのあと花見酒と洒落こむか」
刀也に襲い掛かるのは鬼の金棒。巨大な柱が崩れて降り注ぐかの如く、彼の足場を崩していく。
「そんな攻撃来るの、見りゃあ分かるよ」
考えるまでもないね、と彼は日本刀で金棒を受け流していく。
「殺された無念は察するが、だからって生きてる人間を殺していい理屈にはならねぇ」
お前らをしっかり黄泉路へ帰してやるよ。
にやりと笑みを浮かべると、彼の日本刀、獅子吼も煌めく。
「俺も、一服やる為に頑張ろうか」
攻撃を受け流す合間を掻い潜り、理彦が薙刀を振るい鬼達を薙ぎ払う。
足元を狙った攻撃は次々に鬼達の脛を斬り裂き、地に膝を着けていく。
「おっと、おじさんの尻尾は触らないでくれよ?」
自慢の尻尾だけはもふらせる訳にはいかない。汚れてしまうだろう? と尻尾を鬼から避けていく。
「助かる、畳掛け易い」
刀也は足止めされた鬼に向かって日本刀の刃先を突き付ける。
ぶん、と金棒を振るわれても彼は涼しい顔で受け流す。例え当たったとしても彼は表情を変えないだろう。
「俺は戦場に立った時は既に死人。死人が死を怖がるわけがないだろう?」
攻撃を受け流した軌道に乗ったまま、煌めく日本刀で鬼を切り捨てていく。
「町には一歩たりとも近付けさせないよ」
理彦も薙刀を止める事をやめない。確実に足元を狙うその攻撃は、他の猟兵達を手助けるのには十分であった。
一人の鬼が空を見上げる。その輝きは、自身の赤色よりも燃える赤色。
「ゾンビだとおっしゃるのなら、わたくしのウィザード・ミサイルで火葬して差し上げます」
それは後方から戦況の様子を見ていたキャロラインが攻撃を仕掛けたものであった。
赤々と燃える魔法の矢は大群を作り、鬼達に降り注ぐ。
炎の雨は鬼達の全身を貫き、燃やしていく。それは落ち武者の霊ですら防ぐ事は難しい。
燃える荒野に慄く鬼達。しかしその隙が生死を決める分かれ目であった事は誰しも予想はしていなかった。
鬼達の赤色、炎の赤色、そして、新たな赤色がこの地に咲き誇る。
それはたった数秒の出来事であった。燃えていた鬼達の身体が突如ばらりと砕け落ちていく。
真赤な血吹雪。それを一人浴びていたのはカムイであった。
「全く、津波の如くとはうまく形容したものですねぇ」
自らが赤に染まろうとも、その姿勢は崩れる事なく。赤き津波に対して呆れた様に嘆息する。
手に持つサムライブレイドには鬼の血が滴るが、まだ欲して止まないのだろう。輝く銀色が鬼を映す。
「……同じ赤色なのに、どうしてこんなに違うのでしょうか?」
戦場を見詰めるキャロラインは嘆く。
決してそれは綺麗な色ではない。これが戦場の色なのだと、改めて認識する。
「ここと比べると、あの町はとても鮮やかですのね。もう、お外は息が白くなるほどなのに、とても暖かい色」
桜色一色のみの町。それは彼女の興味を益々そそる。
だからこそ、と。彼女は次の炎の矢を召喚させ、鬼達へと送り出していく。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
第2章 ボス戦
『戦国武将』
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POW : 合戦具足
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【自分の城の一部もしくは武者鎧】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD : 乱世斬
【日本刀による衝撃波を伴う斬撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 戦国兵団
【自分に従う兵士達】の霊を召喚する。これは【火縄銃】や【弓矢】で攻撃する能力を持つ。
イラスト:酉作
👑17
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
がしゃり、がしゃり。
『それ』はやって来た。
鬼達の死体を踏み躙りながら姿を現した赤い人影。
『それ』が今回の赤き津波を起こした張本人である事は、誰しもが目視で確認出来た。
まさにその姿、戦国武将と呼ぶに等しい者。
彼が生きる者なのか、死人が動いているものなのか、それは誰も分からない。
ただ、彼が鬼達の頭である事は間違いない。
戦国武将は日本刀を猟兵達に向け、宣戦布告をする。
赤く染まるのは、鬼か、桜か。
それを決められるのは猟兵達だけである。
逢坂・理彦
あれが鬼を率いてきた武将さんかい?今度は兵団を連れてきたのか。
じゃあ他のみんなが戦いやすいように兵団の相手は俺がするかね。
なぎなた一振りでどれだけ払えるかな。
技能:なぎ払い
飛び道具を使うのが厄介だが弓矢なら狐火…フォックスファイアで防げそうだな。
武将の足元が黒く染まると、そこから一人、また一人と召喚されたのは黒い兵士の霊。
兵団は横一列に並ぶと、火縄銃や弓矢をそれぞれ構え一斉射撃を行い、猟兵達を狙う。
「あれが鬼を率いてきた武将さんかい?」
逢坂・理彦(妖狐の妖剣士・f01492)はなぎなたを背負うと、武将を目掛けて戦場を駆け抜ける。
彼に向かって発砲される弾や矢が放たれる。
「無鉄砲に突っ込んでたまるか」
そう吐き捨て、武器を持たない手を前へ突き出す。
燃える狐火。それは炎の盾となり理彦を包み込んだ。
降り注ぐ矢を燃やし、弾をも燃やす狐火。その姿、自身も火の玉の如く。
「さて、どれだけ振り払えるかな」
敵の前線の目の前に辿り着けば、やっとなぎなたの出番がやって来る。
ぐるりと前転をしながら兵団の足元へ潜り込むと、なぎなたを横に一振り。
力強く薙ぎ払われたそれは多くの兵士の霊を巻き込み、消し去っていく。
「兵団の相手は俺に任せろってな」
武将そのものに攻撃は与えられなかったが、その戦力を削ぎ落す事には成功した。
理彦はなぎなたと踊りながら兵団の数を減らしていく。
成功
🔵🔵🔴
御剣・刀也
漸く敵大将のお出ましか
今までの連中とは明らかに違うな
上等!その位で怯むと思うな!
合戦具足を最初から使ってきたら
「腑抜けか。デカくならなきゃ俺らが怖いらしいな」
と挑発する
乱世斬を放とうとしたら
「そうそう打たせると思うな!」
と打つ前に攻撃して阻止しようとする
戦国兵団を呼ばれたら弓矢は兎も角火縄銃を放置しておくのは不味いので火縄銃を持った兵士は優先的に潰す
「猟犬とは言え、人間なんでね。距離が離れすぎるときついんだよ」
遠距離からの味方の援護があれば楽なんだがな
が、そんな考えをすぐ否定し
「戦場に立った時点で俺は死人。死人は死を怖がらない」
「漸く敵大将のお出ましか」
御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)は震えていた。
それは恐怖ではなく、喜びに近いものだったのかもしれない。
「上等! その位で怯むと思うな!」
刀也は武将に向かって吼えると、愛刀を輝かせ立ち向かう。
武将は両腕を広げると、鬼達の死骸に転がる金棒がカタカタと動き出す。
無数の金棒が武将の元へ集まり出すと、次第に武将の体と同化していく。
合戦具足。どんどんと体を膨らませる武将は巨大なロボの様な姿へと変わった。
「腑抜けか。デカくならなきゃ俺らが怖いらしいな」
巨体となった相手を目の前にしつつも、尚怯む様子など刀也にはない。
「悲しきかな、デカくなれば動きも鈍るだろうに」
挑発を止めない刀也。
その言葉が相手に通じていたのかは分からない。が、巨大化した武将が彼に狙いを定めた事は確かであった。
同化した金棒により分厚くなった日本刀を振り落とす。もはやそれは刃物ではなく、鈍器に近かった。
ずん、と大きな地響きを立てて地面を抉る一撃。
砂煙が舞う中、一つの影が飛び出す。隼の如く飛び上がるその姿。笑みを浮かべた刀也である。
「聞こえなかったか? 死人は死を怖がらないんだ」
その手に持つ輝く刃は武将の腕を斬り裂く。
成功
🔵🔵🔴
二河・ビャクドー
おうおう、テメーが親玉か!回りくどいことしやがって。気に食わねー。気に入らねーな!
でもよ、コソコソ隠れるのをやめて表に出てきた事だけは褒めてやるぜ。俺たち猟兵にやられる為に出てきたんだろ?ケケケッ
少しはムカついたか?オラ、かかってこいよ!
とりあえず、続く仲間の為にダメージを与えつつ、少しでもこちらに有利な状況を作ろうか
つー訳で、力で勝負だ!
邪魔な鬼共は仲間と一緒に始末した。こっからは戦国武将を挑発しつつ、肉薄して殴り合うぜ
十分に引き付けたら、至近距離(30cm以内)からユーベルコード『灰燼拳』をぶちかます
『毒使い2』、『怪力1』、『鎧砕き1』を攻撃に乗せて、毒を与えつつ鎧兜をブチ砕いてやるぜ!
「おうおう、テメーが親玉か! 回りくどいことしやがって。気に食わねー。気に入らねーな!」
やっと出てきやがって。ちと疲れちまったよ。
そう二河・ビャクドー(ゴブリン?・f06703)は舌打ちをしながら武将を睨む。
「でもよ、コソコソ隠れるのをやめて表に出てきた事だけは褒めてやるぜ。俺たち猟兵にやられる為に出てきたんだろ? ケケケッ」
金棒と一体化し、巨大化を果たした武将へ、ビャクドーも挑発を投げ掛ける。
「オラ、かかってこいよ! 俺も力で勝負してやらぁ!」
武将の持つ、金棒の様に太った日本刀がビャクドーへ向かって振り下ろされる。
「なんだなんだ? 鈍いじゃねぇか!」
しかしそれは軽々と避けられていく。何度も、何度も叩き付けてもするりと抜けられてしまう。
ビャクドーは武将の攻撃を避けながらも、間合いを詰めていく。
「そんなもんか? んじゃあ俺も行くぜ」
武将の足元まで辿り着いたビャクドーは、その足に向けて握り拳を振り上げる。
超高速の一撃が右足の武装を打ち砕く。片足を取られた武将はバランスを崩し、その巨体を横に倒す。
同時に、砕かれた右足からじわりと紫色の毒が滲み出ていた。
成功
🔵🔵🔴
目面・真
親玉のお出ましのようだね。
相手の出方を窺いながら、アームドフォートを構えながら対峙してみよう。
巨大化したヤツに怯んだフリをしつつ、何故この町を襲撃しようとしていたのか、その理由が聞き出せれば上出来だ。その隙に攻撃の計算ができれば都合がイイのでな。
接近してくるようなら、そのまま剣刃一閃でなで斬りにするべく、ヤツの太刀筋を見切ってみよう。
そのままおとなしくしているようなら、隙を見て膝裏の腱を切り落としてやろう。
残像と2回攻撃が使えるだろうか。
目面・真(たてよみマジメちゃん・f02854)は巨大な武将の姿に思わず怯む。
「驚いた……流石鬼達を率いただけあるな」
その威厳を感じ取り、恐る恐る声を掛けてみる。
「一つ聞いていいか。何故この町を襲撃しようとしていた?」
彼の問い掛けに、武将が答える事はなかった。
声を出す代わりに返すものは、金棒と同化した日本刀。
真上から振り落とされた日本刀を咄嗟に避ける真。
「……答えはなし、か」
もう怯えるフリはやめだ。会話が出来ないと分かった瞬間、彼はすっぱりと演技をやめた。
武将からの二度目の攻撃。真は先程とは動きを変え、地を思い切り蹴り上げ武将の足元へ駆けた。
頭上が暗くなれば右へ、左へ。道を変えて飛ぶ様に進んでいくと、武将の足の間を掻い潜った。
「そこだ」
彼が目に留めたのは膝裏の腱。背負っていた大太刀に手を掛けると、抜刀する勢いと共に武将の膝裏を斬る。
金棒により武装された足が斬り離される。がらりと砕ける、金棒であったもの。
猟兵達にり両足を失った武将は一時的に動きを止めてしまった。
成功
🔵🔵🔴
月山・カムイ
「これはまた、鎧武者が鬼を率いてやってきていた訳ですか
なんの為にあの村を襲おうとしたのか、聞いたら答えていただけますか?」
答えをまったく期待せずに問いかける
話し合いで解決する事などそもそもありえないが、それでも問わずにはいられない
恐らく戦国武将の応えはまともな人間の考えからはかけ離れたものだろう
ならばいい、それでいい
こちらもユーベルコードを解き放ち、武器の封印を解除して殺戮捕食態へと変化させ、戦うまで
鞘に収めた絶影から、何かに飢えるような音がする
血を失いつつ、戦国武将を睨みつけ猛り吠えるように切り込んでいく
ここからは獣の時間です
声を発さない武将に問い掛けなど無意味であった。
だがしかし、結果がどうであろうと月山・カムイ(絶影・f01363)の行う事はただ一つ。
「……何の為にあの村を襲おうとしたのですか?」
話し合いで解決する事など期待していないが、それでも問わずにはいられなかった。
――まぁ、応えはまともな人間の考えからはかけ離れたものだろう。
返事が来なくとも、それは分かる。
――ならばいい、それでいい。
カムイは自らの手のひらを切ると、鞘に収めた小太刀に、その血を分け与える。
「ここからは獣の時間です」
ぼたぼたと落ちる赤に染まる鞘。次第にそれは独りでに動き出す。
かたり、かたり。早く鞘から抜けと絶影が唸る。
呼び掛けに応え、カムイは小太刀を引き抜く。
その刃、血に飢えた獣の如く。
殺戮捕食態へ変化した絶影はカムイを巨大な武将の元へと導く。
猛り吼える彼らは武将の左腕に噛み付き、砕き、血を吸う。
血が、肉が、まだ足りない。
絶影は銀の輝きを失い、黒き赤色へと豹変していく。
カムイの顔もまた、武将の噴き出す赤を浴びる。
成功
🔵🔵🔴
キャロライン・ブラック
苛烈な赤い色、あの方が鬼の支配者ですのね
でしたら遠慮はいりません、全力で参ります
戦い方は変わらず、距離を取りながら援護に回りましょう
広範囲の攻撃などは、食い止めたいところですもの
もちろん、技の合間や回避後の隙は見逃しませんことよ
ただし、お次はわたくしの得手を使用いたしますの
グラフィティスプラッシュで、その苛烈な赤を塗り直して差し上げますわ
どの様に塗り直すかは悩むところですけれど、
やはり、ここは桜色にいたします
鮮やかな赤にいたすのも捨てがたいのですが、
町からもご覧になれるよう盛大に桜色を撒けば、
きっと、町の方も安心なされるはずですわ
......決して、桜が待ちきれない訳ではありませんのよ?
なんて苛烈な赤い色。
あの方が鬼の支配者ですのね、と口から漏らせば、キャロライン・ブラック(色彩のコレクター・f01443)はレインボーロッドを握る。
「でしたら遠慮はいりません、全力で参ります」
キャロラインがロッドを振れば、そこへ溢れ出るのは『桜色』。
桜色の塗料が武将の元へ泳いでいく。それは武将を守る兵団の霊達の色を塗り替えていく。
黒色から塗り替えられていく兵団は力を失い、形を失っていった。
「まだまだですわよ」
桜色のオーロラは次々と戦場の色を塗り替えていく。
例え武将に当たらなくとも、床を濡らした塗料の上に立てば戦闘力が上昇する。
仲間の援護を行う為にも、彼女はロッドを振る事をやめない。
……本当は鮮やかな赤色も捨てがたかった。
それでも桜色を選んだ理由は、町にあった。
「町からもご覧になれるよう盛大に桜色を撒けば、きっと、町の方も安心なされるはずですわ」
枯れ木に花を咲かせる為に、恐怖を消し去る為に。
そしてこの戦いを終え、本当の色を見る為に。
彼女は赤色と黒色を塗り替えていく。
成功
🔵🔵🔴
神楽威・紅葉
答えてもらえるとは思えないけど、生者か死者かを確かめる意味でも話しかけてみようかな?
例えどちらであっても、町に行かせるわけにはいかないけどね。
■行動
兵団や合体部分には目もくれず、高速移動から懐に潜り込んで戦国武将本体への直接攻撃を試みるよ。
■真の姿
聖刃夢現《セイジンユメウツツ》(妖刀夢幻と、その使用者の融合体)
見た目は白い着物を着た幽霊のように揺らめく姿。
世界に害を成す存在を切り裂くという名の事象。
本来自我は無く、目前にいるソレを滅するだけの自然現象と化した姿。
(今は不完全なために自我も感情もあり、それ故に隙もある状態)
アドリブ歓迎
「例え答えた所で、町に行かせる訳にはいかないけどね」
他の猟兵達が問い掛ける姿を見た神楽威・紅葉(妖刀夢幻の伝承者・f01131)は首を振る。
「生者か死者か、どっちでもいいって事だよね」
それじゃあ遠慮なく。
そう言い腰を深く落とすと、紅葉の様子が次第に変わっていく。
聖刃夢現《セイジンユメウツツ》。
白い着物を着た幽霊がそこに現れる。
これが妖刀夢幻と主が融合した姿――真の姿であった。
紅葉が戦場を風の様に駆ける。
武将の振るう、日本刀から放たれた衝撃波など当たる訳がない。
衝撃波を避けたと呼ぶより、全く恐れを見せず駆け抜けたと呼んだ方が正確なのかもしれない。
武将の元へ辿り着いた紅葉。その懐を目掛けて抜刀する。
「伝承者、神楽威 紅葉の名のもとに……夢幻……発幻!」
妖刀から発するオーラがゆらりと彼女を纏うと、次の瞬間、彼女の姿は消えた。
消えたかと思えた瞬間、武将の日本刀がぱきりと折れ、その腕が身体から離れていく。
高速に動く彼女の攻撃は鎌鼬の様であった。
武将の巨体は崩れ、ずしりと倒れると共に砕け散った。
金棒と同化した身体は破壊され、本体である武将そのものが外へ放り出される。
紅葉の攻撃の嵐は止む事を知らない。
例えそれが自らの寿命を削るものであろうと、全ては相手を斬り刻む為に。
彼女の妖刀は武将の鎧を砕いていく。
大成功
🔵🔵🔵
御剣・刀也
さて、大きさも元に戻って、もう後がないな。
お前をさっさと倒して、花見酒だ。
だから、さっさと死ね
再びするとは思えないが合戦具足を再び使おうとしたら無理だと教えてやるボロボロの体でなったとしても大して怖くないと
乱世斬を使おうとしたら、距離が近い場合は突っ込んで相手の刀の根本で受けながら一撃を入れる
戦国兵団を呼ばれたら火縄銃は優先的に倒して弓矢は無視する
「大将なら大将らしく潔く首おいてけや!!」
「さて、大きさも元に戻って、もう後がないな」
血の付いた刃を拭う刀也。
姿の小さくなった相手を見れば、なんとまぁ醜く見えた事か。
「もうお前はボロボロだ、例え巨大化しても無意味だ」
しかし武将は膝を着きながらも、地面に手を添え金棒の残骸を呼び起こす。
「……聞いちゃいないな」
とうとう哀れに思う感情さえ生まれてしまった。だから、刀也は難しく考える事をやめた。
自分が行うべき事は、ただ一つ。
武将の腕が金棒の残骸に包まれていくその様子を見ながら、刀也は日本刀に力を入れ構える。
「お前をさっさと倒して、花見酒だ」
――だから、さっさと死ね。
煌めく日本刀――獅子吼が、今まさに巨大化しようとする武将の頭を狙う。
「この切っ先に一擲をなして乾坤を賭せん!!」
膨らんだ腕で防ごうとする腕ごと、獅子吼は獲物を貫く。
貫き、その刃を下へ落とし、半円を描く。
煌めく刃に滴る赤。宙を舞う腕と首。
どさり。それらが落ちた音と共に、身体も大きな音を立てて倒れる。
刀也は獅子吼を振るい赤色を落とし、静かに鞘に収めた。
屍には、もう用などない。
赤き津波は止まった。
鬼達も、頭である戦国武将も、皆事切れた。
この戦場での勝利は、猟兵達の勝利で幕を閉じようとしている。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 日常
『祭りだ祭りだ』
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POW : 力仕事に加わる、相撲などの興行に参加する
SPD : アイデアを提案する、食事や飲み物を作る
WIZ : 祭りを宣伝する、歌や芸を披露する
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「あぁ、津波が止まった!」
「これでもうこの町は安心だ!」
町の人々は猟兵達からの吉報で大いに賑わっていた。
「ありがとうございます、ありがとうございます!」
「是非、この町で休んでいって頂戴な!」
「さぁ皆、こうなりゃ祭りだ!」
町の民は慌ただしく料理や芸の準備をし出す。
猟兵達は戦いの疲労が残っているにも関わらず、もみくちゃにされるのであった。
さて、時は流れ夕焼け。
桜の町は賑わいを見せていた。
演奏する者、踊る者。また、大きな桜の幹を神輿の様に担ぐ者達まで、催し物は様々である。
猟兵達は各々祭りを楽しむ事にした。
行事に参加するのも良し、静かに団子でも食べながら花見をするのも良し。歌に参加するのもいいだろう。行動は自由である。
今夜、桜の町は眠らない夜を過ごそうとしていた。
まだまだ祭りはこれからだとぼんぼりに灯りが灯る。
神楽威・紅葉
全力で戦ったから頭痛い…。
■行動
妖刀からの反動で精神負荷が増して辛い状態なのでしばらく一人でいます。
誰かに声をかけられたりすれば、空元気ででも笑顔を作りますけど…。
落ち着いたら芸でも披露しようかな?
え?ひま(向日葵)時代劇の真似したいの?大丈夫かなぁ?通じるかな?
妹(別人格)に代わってあげて発表会レベルの水戸○門します。
暇そうな人がいればその人を水戸○門に見立てて、いなければ一人芝居になります。
紋所の代わりに天下自在符を使うようです。
向日葵「控えぃ!控えぃ!ここにおわすお方を何方と心得るぅ!」
アドリブ歓迎。
「うぅ、全力で戦ったから頭痛い……」
神楽威・紅葉(妖刀夢幻の伝承者・f01131)は一人座って体を休めていた。
それもそのはず、妖刀の力を解放した反動で精神負荷が増してしまったのである。
今すぐ祭りを楽しめる力は残っていない。
「大丈夫ですか?」
と、そこへ女性が紅葉の顔色を窺ってきた。紅葉は慌てて笑顔を見せる。
「あっ、はい!大丈夫ですよ!」
「鬼の大群と戦った後ですものね、無理もないです」
そう話し掛けながら女性が差し出してくれたのは、温かい緑茶。
「これで温まって下さいね」
「わ、ありがとうございます!」
有難く緑茶を受け取り、ずず、と飲む。女性の気遣いに心も温まったところで。
「……え? ひま、時代劇の真似したいの?」
と、突然の独り言。きょとんとする女性を前に、ぼそぼそと喋り続ける紅葉。
「……仕方ないなぁ、疲れてるけど」
頭を掻くと、突如紅葉の体ががくんと項垂れる。と思えば、顔を上げて立ち上がる。
先程と動きが違う事から、彼女の人格が変わったのだろう。
驚く女性の前で天下自在符を見せ付けると、子供の様な口調でこう叫ぶ。
「ばばーん! 控えぃ! 控えぃ! ここにおわすお方を何方と心得るぅ!」
その声に周囲の人達が何事かと集まって来る。
突如始まった彼女の一人芝居。集まって来た人達は顔を綻ばせ、最後まで楽しんでいった。
成功
🔵🔵🔴
逢坂・理彦
ああ、無事に街を救うことができてよかったよ。
故郷の世界の厄災を解決できるのはやっぱり嬉しいもんだな。
他のみんなの助力のおかげだな。ありがとうよ。
桜の町だからねぇやっぱり花見酒をやりたいねぇ。
酒が飲めない人はお茶でもいいさ。綺麗な桜を愛でてやろうじゃないか。
御剣・刀也
さて、祭りか。祭りは大好きなんだよ
のんびり過ごさせてもらおうかな
桜を肴に酒を楽しむ
「これだけ見事な桜を肴に飲む酒は、格別だなー」
戦闘時の苛烈さは消え失せ、のんびりとした兄貴分として酒を楽しむ
「おー、兄ちゃんたち、楽しそうじゃねぇか。俺も混ぜてくれよ」
と気さくに話しかけ、酒の輪に加わる
目面・真
お言葉に甘えて、ゆっくり休ませてもらおうか。
久しぶりに兜を脱いで無防備になるのも悪くナイ。
土の匂いがする。浄化された空気では味わえない、イイ香りだ。
食べ物を作るのは生憎得意とは言えナイが、食べるのは得意だ。
おにぎり、と言うのか。ウマイな。
食べてばかりというのは益体もナイね。少しは体を張った仕事をさせてもらおうか。
力仕事くらいなら手伝える。言ってくれ。
桜の木の下に腰を下ろした目面・真(たてよみマジメちゃん・f02854)が兜を脱ぐ。
それと同時にふわりと香る土の匂い。
「浄化された空気では味わえない、イイ香りだ」
と、自然と笑みを浮かべる。
「ああ、無事に街を救うことができてよかったよ」
彼の隣で酒を飲んでいた逢坂・理彦(妖狐の妖剣士・f01492)も何処か嬉しそうだ。
「故郷の世界の厄災を解決できるのは、やっぱり嬉しいもんだな」
ありがとうよ、と真に声を掛ければ、真は首を横に振る。
「一人じゃ出来ない事を、皆でやっただけだ」
「まぁそうか。いちいち礼を言う代わりに、おじさんももっと頑張りますかね、っと」
ぐい、と酒を飲み干す理彦。ぼんぼりに照らされた桜もまた、感謝を告げるように花びらを落とす。
「おー、兄ちゃんたち、楽しそうじゃねぇか。俺も混ぜてくれよ」
二人に手を振ってやって来たのは御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)。
戦場の姿とは打って変わって、優しそうな表情を見せている。
「お疲れさん、刀也ちゃんも一杯飲む?」
「勿論、一杯と言わずに何杯でも飲んでやるよ」
邪魔するぜ、と輪の中に入れば、まずは注がれた酒を一杯。
「……はー。これだけ見事な桜を肴に飲む酒は、格別だなー」
「本当だよ、酒が進むってもんだよ」
「季節外れとは言え、これも悪くナイな」
散りゆく桜の雨を楽しむ三人。話に花も咲く中、真はあるものを指さす。
「……所で刀也くん。それはその……なんだ」
「ん? もしかしておにぎりの事か?」
「おにぎり……と言うのか。一つ貰ってイイだろうか」
どうやら刀也が持ってきたおにぎりに興味が湧いたらしい。はいよ、とおにぎりを貰えば、一口齧る。
「……おにぎり、ウマイな」
「だろう? さっき町の人から貰ったんだ。理彦も食えよ」
おにぎりを配りつつ、刀也もおにぎりを頬張る。
「……おにぎりから何か出て来たな」
「お、鮭入りだったか」
「鮭? おにぎりとは魚を詰めるものなのか」
「……本当に知らないんだな。面白いねぇ」
尻尾を振って笑う理彦。
「花より団子とも言うが、おにぎりは何処にいようが美味い。覚えておくといい。おじさんからのアドバイスだよ」
「……確かに。桜を眺めながらのおにぎりは、食が進む」
もう一つ貰ってもイイだろうか、と二つ目のおにぎりに手を伸ばす真。
そんな彼の姿を見て、二人の酒も進んだ。
「あのー……」
花見を楽しむ三人の元へやって来たのは、法被を着た子供達。
「お、どうした、おじさんに何か用?」
「ん、んっとね」
と、一人の子供が後ろを指さす。その先には神輿を担ぐ町の人々の姿が。
「あの神輿は桜の木で作られているんだ。町に咲く桜を神様に見せる為のものなんだよ」
「もうすぐここに神輿が通るんです。良かったら一緒に……担ぎませんか?」
次々に子供達が話すと、それに興味を持ったのはやはり真であった。
「……神様を運ぶのか。興味がある」
「おう、行って来なよ真。見ていてやるよ」
「おじさんも気にはなるが、飲んで眺める方が楽しめそうだ」
二人にも背中を押され、真は立ち上がる。
「なかなか重そうに見えるな。力仕事くらいなら手伝える、任せてくれ」
「ありがとう! じゃあ、こっち!」
子供達に手を引っ張られ、彼は神輿の方へ向かっていく。
「この町は、人も桜も元気でいいねぇ」
「同感だ」
理彦と刀也は笑い合い、二度目の乾杯をした。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
月山・カムイ
「なんとか、村を守る事ができましたか
ほっとしたら、少しお腹が空きましたね」
そんな訳で、団子とお茶をいただきながらのんびりと花見
「何時でも見られる、というのはありがたみが薄れるかとも思いましたが。
雪桜なんてものを見られる可能性があるのなら、それはそれで価値があるのかもですね」
団子を買う際に店員に見頃の時期は何時頃か、と問い。それぞれの季節について勧められた事に苦笑しながら、桜の花を見上げる
こんな美しい場所が血に染まらなくてよかった、つくづくとそう思う
鬼達の血で汚れてしまったかもしれないが、雨がその内流してくれるでしょう
「今はのんびりと、この景色を楽しむとしますか」
キャロライン・ブラック
ふふ、とても賑やかな人々ですのね
まるで満開の桜の様、素敵な色をなさっていますわ
もちろん、歓待はお受けいたします
宙に色を舞わせる程度の、わたくしのアートでよろしければ、
お見せすることもやぶさかではありませんことよ
でも、実は、とても気になっている所があるのです
桜色に染まった川、観光名所として密かに人気だとお聞きしました
水面を覆う、桜色、とてもお綺麗なのでしょうね……
街の方々には申し訳ありませんが、一時抜け出して拝見しに参りますわ
きっと、落ち着きながら拝見した方が、堪能できるはずですもの
……ただ、一人で、というのも寂しい気がいたします
どなたか、感動を分かち合える方はいらっしゃらないかしら?
キャロライン・ブラック(色彩のコレクター・f01443)は一人、賑やかな祭りから少し離れた場所にいた。
そこはさらさらと流れる川に掛かった橋の上。
ぼんぼりの光が、桜と川の色を美しく輝かせる。
「この町の人々は、まるで満開の桜の様、素敵な色をなさっていますわ」
遠くから眺める祭りの様子は綺麗に見えた。やはりここは、自分の期待以上の鮮やかさであった。
噂に聞いていた桜色の川もまた、彼女の心に感動を与える。
「なんて吸い込まれそうな色。幻想的で、思わず飛び込んでしまいそうです」
いつまでもこの景色を眺めていられる。そう感じながら、桜の色と川の音を楽しんでいた。
静かだったその場所に、靴の音が聞こえて来る。
くるりとキャロラインが振り向くと、そこにいたのは月山・カムイ(絶影・f01363)であった。
「おっと、お邪魔してしまったでしょうか」
カムイの問いに、にこりと微笑むキャロライン。
「いいえ、この景色の感動を分かち合える方が丁度欲しかった所ですわ」
それは良かったです、とカムイも微笑むと、手に持っていたみたらし団子と緑茶を彼女に見せる。
「良ければ食べませんか? ……ほっとしたら、少しお腹が空きましてね」
「それでは、お言葉に甘えて」
カムイから団子を一つ貰うと、二人は再び川へと目を向ける。
「団子を買う時に雪桜の見頃を聞いたのですが、その時にこの場所を勧められましてね。桜を眺めながら歩いて来ました」
「私もですの。噂を聞いて、ここで休んでいました」
賑やかさも好きですけれどね、と付け足し。
「……何時でも見られる、というのはありがたみが薄れるかとも思いましたが。こんな美しい場所が血に染まらなくてよかった。眺める度にそう思います」
「そうですわね。この色は、汚してはいけない色ですわ」
「残念ながら町の外は鬼達の血で汚れてしまいましたが、そのうち雨が流してくれるでしょう」
今はのんびりと、この景色を楽しむとしますか。そうカムイは団子を一口齧る。
「……所で、カムイ様」
キャロラインが彼の方へ向き、気になっていた事を投げ掛ける。
「雪桜の見頃は、いつだったのでしょうか?」
カムイは桜舞う空を見上げて答える。
「もうすぐだそうです」
ちらり、ちらり。桜色に交じって落ちて来る白色。
この町の冬は、もうすぐやって来る。
成功
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