眩い日差しを追う花の祝祭(作者 月影左京
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#UDCアース 


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#UDCアース


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●その眩い日差しの下で
 ここはUDCアースの日本。その田舎のさらに片隅、人里離れた山奥にとある集落がある。
 そこは、戦いとは無縁の楽園が如き風景が広がる場所だ。山の恵みに川の恵み、野生の鳥獣や家畜、農園、美しい花々……そうした豊かな自然に囲まれ、人々はその恩恵をたっぷり享受しながら、自給自足と助け合いの共同生活を、穏やかな談笑をもって送り続けている。

「あら、こんにちはー。今日もいいお天気だね。」
「ええ、こんにちは。適度に雨が降ってくれて、適度にお日和続きだから、畑で美味しい野菜がたくさん採れたのよ。本当に、『向日葵様』は素晴らしいわ。……あなたも、お料理にいかが?」
「おや、それは嬉しいねぇ。なら、こちらは家畜の美味い肉や乳をあげよう。こちらも『向日葵様』のおかげですくすく育って、滋養満点だよ!」
「まぁ、素晴らしい……!」

 そんな暮らしはもう何年……いや、何百年続いてきているか分からない。ここの集落の人々は、まさに楽園の体現者のような生活を先祖代々続けているのだ。

 だが、これだけならグリモア猟兵の予知に悟られるはずがない。
 ――そう、この集落には、異様な「宗教」があるのだ。その名も「向日葵の癒し」。

 この集落の宗教を象徴するように、ここでは至るところに季節を問わず様々な向日葵が咲き乱れている。そして、夏が来ると毎年欠かさず、彼らは美しい祝祭を開き盛大に主神である「向日葵様」を讃えるのだ……老いや病で弱って先の短い人や、外部から何も知らずに訪れた人を「生贄」として殺し、主神へ捧げて感謝と加護の願いを示す華やかな宴を。
 そんな祝祭を続けているからこそ、彼らは遥かな時を「向日葵様」に護られて、こんな超自然的な平和の暮らしを営んでこられたのだ。
 そしてその「向日葵様」は紛うことなきUDCだ。しかも、主神として何百年も祀られてきたことによって、並のボス級UDCよりも強力な存在に変貌している。
 ――この集落にも他の地域と同じく、また今年も、夏がやって来る……。

●この夏を、最後の夏に。
「さて、この度もお集まりくださりありがとうございます。グリモア猟兵の土御門泰花(つちみかど・やすか)と申します。今回は、UDCアースの日本、その田舎のさらに奥地にある集落に関する依頼です。」

 泰花は優雅に一礼すると、集まってくれた猟兵たちへまずは件の集落の光景を虚空へ映し、どのような宗教を信じている異様な一族の棲み家なのかを説明した。

「……と、この様な訳で、毎年繰り返される『祝祭』により、貴重な人命が失われてUDCは強化されるという悪しき風習が続いているのです。この悪しき風習を、悪しき宗教である『向日葵の癒し』そのものを、皆さんにはこの夏で断ち切っていただきたいのです。」

 具体的には、主神として祀られている「向日葵様」、つまり可憐な少女のUDC「向日葵」を討伐していただきます、と泰花は続けた。

 宗教の名前から多少なりとも察しがつく猟兵もいるだろうか。このUDCは基本的には行動を妨害するような攻撃しかして来ないが、その威力はかなり強力で、しっかりと対策して臨まなければ簡単に幼年化させられたり、簡単に敵愾心を奪われたりするのは間違いない。十分に脅威的な敵に成り果てている。

「この主神たるUDCは、『祝祭』の日にしか姿を現しません。そこで皆さんには、その『祝祭』の数日前に、外部から何も知らずに訪れた人を装って集落へ潜入していただきます。私が転送致しますのも、集落へ至る入口となります。」

 猟兵が集落を訪れても、住人たちはまずは歓迎するという。ただ、この時既に「向日葵様」を讃える祝祭の為の支度は始まっており、集落自体や生活が向日葵一色に染まっている異様な生活を目の当たりにすることになる。
 例えば、「向日葵を用いた料理しか飲食しない断食」や「日の出から日の入りまでは向日葵を意匠に取り入れた装いしかしない」、「子供たちの遊び場や若者たちの語らいの場は向日葵の咲く場所に限られる」など、非常に強い執着を向日葵に対して向けているのだ。

「……彼らはこうした異様な生活を、『生贄』にする予定の皆さんにも、無邪気なまでに悪意なく求めてきます。ですので、頑張って順応してください。そしてやがて『祝祭』の日が訪れましたら、ひとまずは主神として祀られてきた強大なUDCの眷属である、それよりは多少弱い数多のUDCと交戦していただきます。集落の住人たちは、『生贄』として皆さんが殺される様を、栄誉なこととして賛美さえしながら穏やかに見守ったり祝いの宴を楽しんだりするつもりでいます……例年の通りに。これを撃破すれば、前代未聞の事態として住人たちは激しく動揺するでしょう。」

 眷属を討伐すれば、動揺しきった住人たちをかばいつつ、眷属を皆殺しにした猟兵を本格的に殺戮すべく、主神たるUDC「向日葵」が現れることになる。前述の通り、何百年と祀られてきたことで危険なUDCに進化した相手だ。

「主神が撃破されれば、住人たちにとっては先祖代々続いてきた心の拠り所を突然絶たれるので残酷無慈悲な仕打ちに他ならないのですが……それでも。住人たちは茫然自失に陥るでしょう。しかし皆さんが動いてくださることは既に私からUDC組織へ連絡しております。永い時をUDCに与し尊い犠牲を出し続けてきた一族として、法の裁きを受けることとなりましょう。ですがそれこそが本来の人間の在り方なのです。……どうか、ご武運を。それでは、お覚悟の決まったお方から転送致します。よろしくお願いします。」

 そう悲しげに告げて、泰花は再度一礼した。


月影左京
 こんにちは、または初めまして。新米マスターの月影左京です。
 いよいよ夏が来ますね。熱中症や夏バテにはくれぐれもお気をつけて。

 さて、今回のシナリオはUDCアースの日本でのお話です。戦闘自体は厳しいものとなりますが、皆さんの心情を大切に描写していきたいと考えております。

 では、各章の説明です。

●第1章「『祝祭』への参加」(日常)
 異様な「祝祭」に備えて暮らす住人たちにとけ込み、猟兵として主神を討伐に来たなどとバレる事のないよう、過ごしてください。
 基本的には選択肢を選んでいただければ良いのですが、主神たるUDCや眷属が厄介な為、勝利のためにこれらとは別の策を講じることも禁じません。

●第2章「楽園の『僕』」(集団戦)
 いよいよ「祝祭」当日となります。主神の眷属である無数のUDCに囲まれての集団戦となります。
 個々の戦闘力は主神より劣るものの、数の暴力で圧倒してきます。例年ならばここで「生贄」は殺害されるのですが、皆さんは逆にこの眷属を殲滅してください。住人たちがどのような反応をしようが躊躇ってはなりません。

●第3章「向日葵」(ボス戦)
 眷属を殲滅できたあとは、いよいよ主神たるボス、「向日葵」との戦闘です。何としても撃破してください。
 この戦いに敗北してしまえば皆さんは改めて「生贄」にされ、眷属として操られるなりこのUDCの力の源とされるなりして、住人たちは安寧が守られたことに胸を撫で下ろすでしょう。
 当然、シナリオとしても失敗となります。ご注意ください。

 それでは、皆さんからのプレイングをお待ちしております。
 私も精一杯リプレイを書きますね。よろしくお願い致します。
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第1章 日常 『「祝祭」への参加』

POW奇妙な食事を食べたり、奇怪な祈りのポーズを鍛錬する等、積極的に順応する
SPD周囲の参加者の言動を注意して観察し、それを模倣する事で怪しまれずに過ごす
WIZ注意深く会話を重ねる事で、他の参加者と親交を深めると共に、情報収集をする
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


エスタシュ・ロックドア
さて、俺ぁ旅の途中のライダー
道を間違ってうっかり辿り着いたってことでよろしく
シンディーちゃんに【騎乗】して乗り入れるぜ

住人の言うことにゃとりあえず大人しく従っておく
違和感バリバリだがグラサンで表情は隠し通す
【情報収集】【偵察】してぇとこだな
だが実態を今まで隠し通してきたってこたぁ、
詮索好きな余所者を煙に巻くのは手慣れてるだろうな
大人は
っつーわけで、狙うは子供
『魅了青珠』発動
坊ちゃん嬢ちゃんこんにちは
この文鳥に向日葵の種を恵んでやっちゃくれねぇか
スノーベリーに愛嬌ふりまかせて、
いろいろ話を聞いてみよう
主に、この村でやっちゃいけねぇこととか
今は大人しくしとくが、
祝祭当日の参考にゃなるかね


「あー、ここどこだよ?俺、まさか道間違えるなんてなぁ……。」

 困惑した声色で呟きながら、エスタシュ・ロックドア(大鴉・f01818)は集落へ向かった。

「……あら?あなた、どうしたの?迷子?」

 エスタシュに最初に気づいた若い女性が、早速声をかけてきた。
 それに対してエスタシュは、サングラスで表情を隠しながら、返答する。

「ああ、どうやらツーリングの途中で道を間違ったらしくてな。見慣れない場所に来ちまったもんだ……。」

 騎乗していた愛車「シンディーちゃん」から降りながら、やれやれとため息をつくエスタシュ。
 勿論、これはエスタシュなりの演技である。彼は猟兵として、この集落の「宗教」を破壊すべく訪れていたのだ。
 それでも大人のその女性は、ふっと微笑んでエスタシュを招いた。

「それは大変でしたね。……よろしければ、しばらくここで休んでいかれますか?ちょうど『祝祭』の為の支度をし始めておりますから、あなたもぜひ参加して欲しくて。もうじき、お昼ご飯ですから、まずは召し上がっていってください。」
「そうか……悪ぃな。世話になるぜ。」

 エスタシュはとりあえず人々の暮らしを経験してみることにした。

 家へ向かう途中、家の中に着いた時、食卓へいざなわれた時……エスタシュは情報収集をして偵察している。
 印象的なのは、まだ開花時期では無いはずの向日葵が家の前にも競うように咲き誇っていること。
 また、見かけた住人は確かに事前情報の通り、帽子にも服装にも履物にも……老若男女皆が「向日葵」のモチーフを取り入れたデザインの思い思いのファッションでいること。

(実態を今まで隠し通してきたってこたぁ、詮索好きな余所者を煙に巻くのは手慣れてるだろうな。少なくとも大人は。)

 女性の家族と共にお昼ご飯を味わう。昼食と考えれば、さほど他の人間たちと変わっていないように見えたが……ひまわりの種をローストしたものを挟んだサンドイッチや、ひまわりの花びら自体を料理した炒め物など、とにかく向日葵づくしの料理だ。
 味は……まぁ、「向日葵様」を信じきっている彼らには美味しいのだろうが、エスタシュにとってはあまり喜べない味だ。
 それでも、彼は怪しまれることの無いよう、喜んで食べている演技を続けた。

「ほぅ、向日葵の花がこんな炒め物にできるとは知らなんだ。俺もまだまだ世間知らずってとこだな!」
「おやおや、お客さんも気に入ってくれましたか。」

 エスタシュの演技を見抜いてか見抜けていないかは分からないが、先ほどの女性の伴侶だろう男が人当たりの良い笑顔を浮かべた。

「……ん、ご馳走さん。良いもの食わせてもらったぜ。」
「お粗末さまでした。……さて、お部屋で少し休みますか?」

 女性の申し出に、エスタシュは疑惑を抱いていた。彼らは「祝祭」に向けて着々と準備を進めているのだ。万が一熟睡してしまうなどの隙を見せようものなら、温厚そうな人柄のこの夫婦とて何を仕込んでくるか分からない……。

「いや、折角だから集落の中を散策するぜ。どんなところなのか、一目で綺麗だとは分かったが、他にも魅力があるだろうからな。」
「そうですか、でも、ここまでの旅でお疲れのはずですから、疲れましたら遠慮なく仰ってね?ベッドならいくらでもお貸しできますから。」
「サンキュ、まぁこう見えても俺は頑丈なんでな。……祝祭まで厄介になっても良いなら、夕飯までには戻るぜ。」
「そうですか。ええ、我が家でよかったら泊まっていってね。子供たちも独り立ちしちゃったから、空き部屋もありますしね。……では、行ってらっしゃい。」

 事前情報の通り、住民たちはエスタシュに大変好意的に歓迎してくれた。とはいえ、もう心の中に、少なくとも大人たちはエスタシュを「生贄」にしようと決めているだろう。

「んじゃ、帰り道が分かるまで、『祝祭』も体験しながらしばらく滞在させてもらうぜ。……よし、行ってくる。」

 そう言って席を立ったエスタシュは、早速集落の中で子供たちを探した。大人たちなら知恵をつけていて、詮索しようにも煙に巻くだろうが、子供たちならまだそこまで駆け引きに慣れていないはずだと踏んでの行動だ。

 向日葵が咲き誇るちょっとした花畑で、早速はしゃいでいる男女の子供たちを見かけたエスタシュ。すかさず、しかし気づかれないよう、エスタシュは【魅了青珠(テンプティングベリー)】を発動させた。

「やぁ、初めまして、坊ちゃん、嬢ちゃん。」
「わぁ!?びっくりしたぁ!?」
「あぁ、悪ぃ悪ぃ。俺は、ツーリングしてたら道を間違っちまったようでね、しばらくここに厄介になることにしたんだ。よろしくな。」

 無邪気に駆け回っていた子供に声を掛け、良好な関係を築こうとするエスタシュだが、やはりこの集落の子供たちも所詮は子供たち、疑うことなくエスタシュの言動を信じた。

「お兄ちゃんかっこいいね!……あ!そうだ!もうすぐ『ひまわりさま』のお祭りがあるんだよ!お兄ちゃんも一緒に楽しもうね!」
「『ひまわりさま』のお祭りはすっごく楽しいんだよ!美味しいものもいーっぱい食べられるし、みんな優しくしてくれるの!」
「ほー、そうかそうか。なら、俺も楽しみに参加させてもらうよ。……さて、俺の飼ってるこの文鳥にも、良かったらひまわりの種を分けてやってくれないか?腹を空かせてるらしくてな。」

 エスタシュの言葉に応じるように、ユーベルコードで呼び出した文鳥の「スノーベリー」は愛嬌を振りまいた。子供たちの傍を愛らしく鳴いて飛んだり、指先や肩に止まって楽しませたりしている。

「ひまわりの種なら、おやつ用にってたくさんかぁちゃんからもらってるよ!えへへ……この鳥さんかわいいな。ほら、ひまわりの種だよ!たんと食べてね!」

 小さな手に載せられたひまわりの種を、スノーベリーは嬉しそうにひと鳴きしてからついばみ始めた。どうやら、振りまいた愛嬌と餌付けの楽しさで、子供たちはすっかりエスタシュとスノーベリーに懐いている様子だ。

「ありがとな、坊ちゃん。……ところでだな、俺、ここには来たばかりだからどうやって暮らせば良いのか分からねぇんだ。良けりゃ、スノーベリーが食ってる間、聞かせてくれないか?」
「分かった!」
「うん!いいよ!あのね、あのね……」

 子供たちは、一生懸命話してくれた。事前情報にあった通りの情報のみならず、例えばお手洗いの消臭剤もひまわりの香りのものに変えるし、パジャマや布団もひまわりのデザインが入ったものを使うらしい。どうやら生活を徹底的に向日葵で染め上げ、「祝祭」への気持ちを高めているようだ。

「あ……だけどねお兄ちゃん。これだけはやっちゃいけないことがあるんだよ。」

 不意に、少女がエスタシュにとって知りたかった貴重な話を振ってくれた。エスタシュはサングラス越しに目を細め、演技がバレないようにノリを変えずに聞き返した。

「ほー、そりゃなんだ?嬢ちゃん。」
「あのね、どんなにキレイでもひまわりを切ったり刈ったりしてはだめなの。『ひまわりさま』のだいじなお花だから。だから、お部屋に飾るひまわりは、『つくりもの』なんだよ。あとね、『祝祭』前の遊び場はひまわり畑だけだよってなってるけど、うっかり踏んで折っちゃったりしてもダメなの!『ひまわりさま』の力を弱めて、怒られちゃうよって、ママはいつも言ってるよ。」

 エスタシュは、必死に教えてくれる少女から中々に貴重な情報を得ることができたようだ。

(なるほどな……向日葵畑の向日葵は、UDC『向日葵』の力の源と考えられてんのか。戦闘でどこまで通用するか分かんねぇが、いざってなったら、折ってみるのも良さそうだな。)
「ん、なるほどな。嬢ちゃん坊ちゃん、サンキュ。また会えたら一緒にスノーベリーと遊んでやってくれな!」
「わかった!スノーベリーはかわいいね。また種をあげる!」

 エスタシュが適度なところで話を切り上げると、子供たちは早速駆け回ってまた遊び始めた。よく見ると、向日葵畑で無邪気にかくれんぼしてるようで、その実一切踏んだり蹴ったりしないでいる……こんな子供たちでさえ、「宗教」の習慣を既に刷り込まれているようだ。

(ま、とりあえずひとつ面白そうな情報も得たし、今日は大人しく過ごすぜ。)

 エスタシュは、踵を返すとまた招かれた家へと向かった。そしてここでも情報収集の一環として、向日葵料理の作り方を教わりながら手伝ったり向日葵ジュースなんてものもあることを知る。

「なぁ、奥さん。さっき遊んでた子供たちから、『ひまわりの花は折ったり刈ったりしちゃならない』って聞いたが、料理に使ってるこれは、ここの集落の向日葵か?」
「ああ、子供たちからそんな話を?……ええ、確かに『祝祭』の準備期間には『向日葵様』のお力が満ちるからそうなりますけど、普段は『向日葵様』からの恩恵のひとつとして、少しばかり折ったり刈ったりさせていただいてるんです。今使ってるのは、準備期間前にとっておいて、枯れたり傷んだりしないように保管してたお花ですよ。」
「ほー、なるほどな。」

 感心したように相槌を打って、エスタシュはまたひとつ有益な情報を手に入れたと満足した。どうやら「祝祭」の準備期間から、向日葵はUDC「向日葵」の力を宿すらしい。戦闘で活かせそうな情報だ。

 その後は、エスタシュを本当に迷い込んできただけの部外者と信じたらしい住民たちに、親切にエスタシュの身体に合わせた「向日葵装束」まで仕立ててもらった。これならもう、UDCたちと戦って勝つまでは、安心して滞在できそうだ。
成功 🔵🔵🔴

五十野・組子
大きな旅行鞄を抱えてとぼとぼ歩いて村に入ります。「あの…すみません。この辺りに泊まれる所ってないですか…?」
学校を休んで社会勉強の為に旅をしてる、という名目。どう見ても訳有りの家出娘ですが、この村の事情なら通報されずに泊めてくれるかな。

宿を貸してくれたらお礼に色々とお手伝いをして、村の状況を【情報収集】。邪神の影響で「視力」を強化された「魔眼」を凝らして小さな違和感も逃さない様に。
お年寄りの人達に話を聞いてみようかな。伝承にヒントがあるかも。
立ち入り出来ない怪しい場所は【影の追跡者の召喚】で調査。

みんな優しそうなのに、本当は怖い人達なんだね。
やっぱり外は怖いなぁ…だけど、頑張らないと。


「あの……すみません、この辺に泊まれるところって無いですか?」
「……あら?あなたどうしたの?珍しいわね、来訪者なんて。」
「ああ、いえ……。社会勉強の為に旅をしていて。」

 五十野・組子(イドノソコ・f33657)は、大きな旅行鞄を抱えながらとぼとぼと歩いて集落へやってきた。どう見ても訳ありの家出娘じゃないだろうか……という出で立ちではあったものの、人の良い――といっても、「生贄」にできる人の来訪に喜んでいるのかも知れないが――その住民は通報することも追い返すこともなく、彼女を迎え入れた。

「まぁ……!そうなの、偉いのね。我が家で良かったら泊まって行ってね。子どもたちもいて賑やかですけど……。」
「え、良いんですか?じゃあ、ありがたく……お願いします。」

 そうして組子は宿を貸してくれるという女性の後について行った。彼女は背に大きな編みかごを背負っており、その中にはたくさんの夏野菜が収められていた。
 家に着くと、ちいさい子どもたちが賑やかに母親の帰りを出迎えた。女性はそれを柔らかく制すると、来客がいることを知らせた。

「おかーさん、お客さんがいるの?」
「ええ、お勉強のために旅をしていたんですって。……ええと、あなたのお名前を伺ってませんでしたね。ごめんなさい。」

 母親は編みかごを降ろすと自身と子どもたちを組子へ紹介した。女性は陽子、子どもは長女が葵、長男が陽太というそうだ。それぞれ、「向日葵様」にあやかって文字をいただいて名付けたとまで教えてくれた。
 組子も、簡単ながら名前を名乗る。すると、子どもたちは礼儀正しくお辞儀をしてくれた。

「さ、疲れているでしょうから、食卓でまずは休んでくださいね。……葵、陽太、おやつを作るからしばらくお姉さんとお話しててね。」
「あ、いえ……!私も手伝うね、陽子さん。泊めていただくお礼になるか分からないけど、ただ厄介になるだけじゃ申し訳ないので。」

 組子はすかさず陽子の後を追った。とりあえず荷物は食卓の机の脇に置かせてもらったものの、子どもたちも興味深そうに眺めるだけで、触る様子は無い。

「あら……良いの?組子さん。」
「はい、折角だから社会勉強の一環としてこの村の事も知りたいし。」
「まぁ!熱心なのね。偉いわ。」

 こうして組子は、狙い通りに陽子の家事の数々を手伝った。向日葵の種を使ったクッキーはまだ分かるが、向日葵の花びらを練りこんだハンバーグや、それに添えるのがキャベツではなく向日葵の葉の千切りとなると、なかなか見ることは無い料理だ。
 また、洗い上がって窓の外に干されている洗濯物は、どれもこれも……下着や靴下に至るまで向日葵柄のものばかり。
 こうした家事自体や、陽子、また葵ちゃんと陽太くんのおしゃべりから、組子は積極的にこの村のことについて情報を集め、頭に叩き込んだ。また、邪神の影響で強化された自身の視力をもって、どんな些細な違和感も見逃すまいと神経を尖らせる。
 焼きたての向日葵クッキーを陽子と共に食卓へ持っていくと、葵と陽太が嬉しそうに声を上げて駆け寄ってきた。

「わぁー!おやつ!」
「葵、陽太、ちゃんと手を洗ってきてからよ?」
「はーい!」

 子どもたちは、陽子に言われた通り洗面所へ走る。組子もまた自分も手を洗いたいと言って子どもたちの後について行って、徹底ぶりに驚かされることとなった。
 洗面所周りの小物類……コップや歯ブラシ、石鹸入れなどがとことん向日葵をモチーフにしているのは予想できていたが、その石鹸が、小ぶりな向日葵をハーバリウムのように中に閉じ込めた石鹸なのだ。見た目は確かに綺麗だが、ここまでこだわっているとは。

「ねぇねぇ、葵ちゃんと陽太くん。この石鹸は、いつも使ってるの?」
「ううん、ちがうよ。『しゅくさい』のときだけ!とくべつなせっけんなんだ!」
「『ひまわりさま』のおまじないでできてるから、『びはだ』にもいいんだって!あと、かぜとかもひきにくくなるんだよ!」
「そうなの……そんなに大事な石鹸なのね。」
「うん!おねーちゃん、いいときにあそびにきたよね!」

 子どもたちは無邪気に手洗いを終えるとまた食卓へ急いで行った。組子は、石鹸をまじまじと見てみる。「『祝祭』の時だけの特別な石鹸」であり「『向日葵柄』のおまじないのおかげで『美肌』効果がある上に風邪も引きにくくなる」という言葉を裏付けるかのように、ただの石鹸ではないと感じられた……自身に備わる邪神の力が反応するのだ。

(なるほど、ね……。)

 万が一のために、組子はその石鹸は使わず、水洗いで済ませた。その石鹸の効果が本当に「向日葵様」からの恩恵だとしたら、もしかしたら主神であるUDCの影響を受ける危険性も否定できないと判断したからだ。

 それからというもの、組子は陽子を手伝いながら村の中のお年寄りも訪ねた。彼らの知る伝承からも何か得られると考えてのことだった。

「……という訳で、後学のためにもお話を聞いても良いですか?」
「おぉ……めんこいのぅ。ワシらの不肖の倅も孫も、こんくらい勉強熱心でいて欲しいもんじゃ。」

 すると、意外な話を聞くことができた。なんと陽子は不治の病にかかった余命幾ばくもない夫を、数年前に「生贄」として主神へお捧げした為に、栄誉な未亡人として人一倍親切を受け、助けられているのだという。通りで、母子家庭にしてはずいぶん余裕があると合点がいった。

「『向日葵様』にお捧げされると、その血となり肉となり、この村全体をお護りくださる『向日葵様』のお力になれるのじゃ。こんなに名誉なことは無い。じゃからワシも、いつか近いうちにと思っておるのじゃよ。」
「……なるほど。」
「『向日葵様』のお力を知りたかったら、あちこちの向日葵畑を巡って見るが良い。今はちょうど『祝祭』の支度の時期じゃて、向日葵畑にも『向日葵様』のお力が満ち満ちておる。ワシは、腰を痛めてるから、あんた1人でお行き……いたたたた。」
「分かりました。お話ありがとう、おじいちゃん。」

 組子は、早速向日葵が集まって咲く場所へ向かってみた。しかし、一定の距離を置いて、中へは入らない。先程の石鹸と同じで、万が一UDCの何らかの影響を受けたらならないと思ったからだ。
 そこで組子は住民の誰にも気付かれないようなところへ移り、【影の追跡者の召喚】を詠唱した。現れた影の追跡者(シャドウチェイサー)を自身の代わりに向日葵畑の中へ向かわせる。

(……すごい変な感じ。中に居たらきっと懐かしさに包まれすぎて気が変になりそう。)

 他の向日葵畑にも同じようにして調査をしてみたが、やはり「向日葵様のお力が満ち満ちている」というのは本当らしく、長居したら自身まで洗脳されかねないような危ない雰囲気を感じた。見た目だけなら、華やかで希望に満ちた素敵な光景なのに……。

(みんな優しい人たちなのに、本当は怖い人たちなんだね……。やっぱり外って怖いなぁ。)

 組子はこれまでに接してきた陽子や葵、陽太、そして先程の好々爺の様子を思い浮かべていた。また、向日葵畑の中で遊ぶ子どもも、デートをしているらしき若い男女も、本当に優しそうで幸せそうだ。しかしその実態はUDCに与して犠牲も厭わぬ一族なのだ……。

 だからこそ、猟兵である以上は……と、組子は今一度決意を固めた。この夏で歪な宗教への犠牲を終わらせるためにできることを頑張ろう、と。
成功 🔵🔵🔴

杼糸・絡新婦
SPD行動
集落に入る前に、UC・変化の術で「既製服」着用しておく。
ここまで来ると見事な向日葵やけどもねえ。
周囲の様子に合わせ【コミュ力】で対応しつつ
集落の人と接していく。
集落の様子や会話を【読唇術】を利用しつつ【情報収集】
怪しまれそうなら【言いくるめ】で誤魔化しつつ、
気に障ることとかは素直に謝り、
向こうが注意している事を教えてもらう。

あとはサイギョウ操りつつ、
普通に子供らと遊んでみよか。
自分も混ぜてくれへんかい?
あとの違和感は【勇気】をもって乗り越えよう。


ディ・アルカード
アヅィィィィーーーーっ、、、
ダンピール特有の不健康そうな白い肌、初夏とはいえ焼き殺す勢いの太陽を恨めしげに見上げて愚痴り
連絡入れてきたUDCの連絡員絶対帰ったら、しばく、なんで俺がこなあかんねん、、、他にも適任おったやろ

(POW)に挑戦。
偽造学生証を首から下げ、フィールドワークの民俗学の大学生と言う体で、祝祭について
生まれながらの美貌と催眠術の応用でそれとなく聞いて回ります。

まぁきっと不健康そうな顔を見たら
野菜とか食べ食べ言われるんやろな
トマトは好きやけど
ゴーヤとかモロコシは
生は、、、無理やからな!?
ホンマ無理、振りちゃうで、、、!?

信頼を得るために頑張ります
チーーーーン、、、、


 既に猟兵2人がそれぞれの方法でそれぞれのタイミングによってここを訪れ、やがて「祝祭」の前日となった日。
 偶然同時に転送されることとなった猟兵2人が揃って集落へ辿り着いた。

(ここまで来ると、見事な向日葵やけどもねぇ。)

 集落へ至る前に予め【变化の術(ヘンゲノジュツ)】を発動させて「既製服」を纏った杼糸・絡新婦(繰るモノ・f01494)は、芸術的なまでに咲き誇る大小様々な向日葵を見渡してそんな感想を抱いた。宗教にUDCが関わってさえいなければ、本当に楽園そのものだ。
 一方、とてもでは無いがこんな場所を楽園とは言えないという様子で汗を拭うのはディ・アルカード(【D】・f34040)。

「アヅィィィィーーーーっ……。」
(連絡入れてきたUDCの連絡員、絶対帰ったらしばく。なんで俺がこなあかんねん……他にも適任おったやろ。)

 ダンピール特有の不健康そうなまでに白い肌へ、初夏とはいえ焼き殺す勢いで照らす太陽を、ディは恨めしげに見上げて内心で愚痴る。

「おや……?今年は来客が多いねぇ?」
「そうなんや?オレは……いや、オレらは大学で民俗学をやっててな。いわゆるフィールドワークの一環って奴や。よろしく。」

 ディは首から下げた偽物の学生証を見せて警戒を解こうと試みた。絡新婦も、ディの意図に合わせて大学の講師として付いてきたかのように振る舞ってみせた。服装からしても別に大学職員としておかしい訳ではないのが幸いした。
 相手の男性は偽の学生証と2人を珍しそうにしばらく眺めていたが、にっこり笑って手招きしてくれた。

「ふぅん、なかなか今までこんなこと無かったから珍しいな。まぁでも、折角『祝祭』の前だし、学生じゃいい勉強になるだろう。『向日葵様』もお喜びになるだろうしね。おいで。」

 ディと絡新婦は、素直に男性の後に従った。絡新婦も持ち前の高いコミュ力を活かし、男性とディに対してあたかも本物の大学職員のように振る舞いながら集落や主神とされるUDC「向日葵」の情報を集めることにした。だが、さすがにいきなりはコアな情報は手に入らない。

「……さて、まずはここだよ。ここにこの時期に来たのだから、2人とも向日葵様の祝祭服を着ないとね。ここでは、祝祭の支度を始める頃から当日まで、向日葵の柄が入った服装をしないと、いつかいざと言う時が来ても御加護を受けられない決まりだから。……ああ、お金は要らないよ。ここは物々交換が基本だから、私から後で何か渡しておくさ。」
「おや、日葵。お客さんかね?」

 店員らしきおばさんに日葵(ひなた)と呼ばれた男性は、ひとつ頷くと出会いの経緯を話した。やはり今年の来客が多いことは珍しいらしい。しかし、彼らは怪しむ素振りを見せることなく、寧ろおばさんは大歓迎の様子だ。

「こんなに来客が多い年はなかなか無いからねぇ。『向日葵様』もさぞお喜びになって、たんと御加護をくださるねぇ、きっと。……ほれ、あんたらに似合いそうなのを見繕ってみたよ。選びな。」

 おばさんは流石に服を扱う店の人とあって、ディと絡新婦の体格をすぐに見抜くと、大きな向日葵柄の作務衣や浴衣、鼻緒まで向日葵柄の下駄、それから洋服としては向日葵柄が印象的なTシャツ、大胆に向日葵の描かれたスラックス、気分まで華やぎそうな向日葵だらけのサマーワンピース、向日葵の色合いでデザインされたスニーカーまで、ありとあらゆる品揃えを出してくれた。

「へぇ、すげぇ色々あるんやな。……んじゃ、オレはこれとこれで。」
「せや、自分はこれとこれにしますわ。……これ、全部おばさんの手作り?」

 ディは袖丈の長いTシャツとスラックスにスニーカーを、絡新婦は浴衣に下駄を、それぞれ選んだ。いかにも自然な流れで絡新婦が店員へ尋ねてみれば、おばさんは胸を張って答えてくれた。

「そうじゃ。ウチは何代も『向日葵様の祝祭服』を作ってきた家じゃて、あたしも小さい頃から親の真似しながら教わってきたよ。だから、古くからある着物だけじゃなく、たまに来るあんたらのようなお客さんが言う洋服も作れるんじゃ。あたしや日葵が着てるこの服も、あたしが作ったんじゃよ。」

 確かに、おばさんも日葵と呼ばれた男性も、それぞれ向日葵の意匠を取り入れた作務衣やTシャツとスラックスを着ている。店内にいるおばさんの足元は見えなかったが、日葵は革靴さえ向日葵の花を模したカットが施されているものを履いている。

「昔はこの村に洋服なんて異質なものを取り入れたら向日葵様がお怒りになるんじゃないか、って言われたこともあったけどね。懐の深い向日葵様は全然そんなこと無かったから、最近じゃ皆、好きなものを好きなように着てるよ。」
「ほんま、すごいやないの。ありがとう。」

 絡新婦は半ば本心から褒めていた。これほど様々な衣装や履物をひとりで拵えてしまえるのは並の技術ではない。また、「向日葵様の祝祭服を着ていないといつか何か起きても『御加護』を貰えない」という情報をくれた事へのお礼でもあった。

「それじゃ、2人とも。試着室貸したげるから着替えてきぃ。」
「おぅ、借りる。」

 おばさんの招きで店内へ入る。試着室はちょうど2つあったので、ディと絡新婦はそれぞれ借りることができた。
 着替えた2人が出てくると、おばさんは満足そうにディと絡新婦を足元からてっぺんまで眺めた。

「えぇ、えぇ、先生も学生さんも良く似合ってる。学生さんのほうは、さっきからもべっぴんさんだと思ってたけど、祝祭服を着るとさらに綺麗だわ。もちろん、先生もきちんと着こなしてる。」

 お店の外へ出ると、2人が祝祭服へ着替えたのを見てから日葵はさらに2人をいざなった。

「折角明日が『祝祭』だから、研究のためにも泊まっていくだろうからね。誰か泊まっても良いって言ってくれる人に頼んであげるよ。……悪いが、我が家は産まれたばかりの子どもがいるんで、泊めるには向かなくてね。申し訳無いけど。」
「そんな、赤子がおるんなら仕方ない、気にせんといてや。自分らの宿を探してくれるだけでもありがたいんや。」

 移動しながら、絡新婦は得意の読心術を用いて集落の中の会話やささやかなやり取りの様子を観察し、情報集めを試みた。
 まず、最も関わった日葵もあのおばさんも、間違いなく自分たち来客を「生贄」にすることで「向日葵様」の力を増すことができるという意味で「向日葵様も喜ぶ」と評していたのは確定できそうだ。
 日葵が言う「産まれたばかりの子ども」にも嘘は無い様子。

(その他、「今年は来客が多い」というのは、既に先行して潜んでいる猟兵がいるということやな……。上手く連携して戦えるやろか。)

 一方でディは、いかにもフィールドワークに来た学生というように、日葵と「先生」である絡新婦に断りを入れて宿が決まったら絡新婦に教えてもらうことにし、連絡先を絡新婦に渡すと集落の住民たちへ積極的に話しかけに向かって行った。

「なぁ、ちょっと教えて欲しいんやけども……」
「お、おぅ!?なんだ!?」
「あぁ、悪い。オレは大学で民俗学を……って訳でここのこと、色々知りたいんや。」

 ディは相変わらず焼き滅ぼさんとばかりに照りつける太陽を恨めしく思いながら歩き回り、老若男女を問わずに聞き込みをしてみた。すると、大人は先程の日葵たちのように「また来客が?今年はやけに多くないか?」と初めこそ少々訝しむものの、総じて歓迎して様々なことを教えてくれた。

「ほら、兄ちゃん。向日葵のジュースだよ。色合いもきれいだろ?そんだけ青白い顔をしてるあたり、研究熱心で寝食を忘れるタイプだろうから、栄養のためにも飲んどけ。」

 そう言って気前よくジョッキになみなみと注いだ黄色い飲み物をくれるおじいさん。

「ねぇ、おにーちゃんも『ひまわりさまごっこ』、いっしょにするー?わたしが『ひまわりさま』になるから、みんなで『しゅくさい』の日のあそびをするの!」

 そういって半ば強引に服を掴んで向日葵畑のほうへ連れていき、友だちと思しき子どもたちと、まさに事前情報通りの「祝祭」の様を実演してくれる女の子。
 それは、生贄が殺される凄惨な過程まで、怪我を負わせても互いに笑いながらありありと演じており、「人殺し」という悪意ある行為を栄誉なことだと褒めたたえながら眺めるところまで一緒だった。

(きっと幼子の頃からこんな遊びをして育つんや、この集落の一族は皆外界からすればあまりに歪な死生観を抱いているに違いねぇな……。で、その自覚がないこともまた然り、と。いったいこいつら、いつの時代から狂っちまったんやろな?)

 その後も、ディはなんだかんだと「べっぴんさんだけど寝食をろくにとってないだろ!?」と、向日葵のお料理や飲み物を大勢にご馳走されることになったり、子どもたちと「向日葵様」に関する遊びに連れ込まれたりした。

(トマトは好きやけど、その、向日葵を生でとか、無理やからな!?)

 そんな戦慄する事態にも遭遇した。

(…… 信頼を得るために頑張ります。)

 あくまでも親切にしてくれる人たちへ愛想笑いを浮かべながら、ディは内心で轟沈していた。

 ――さて、少々時は遡る。
 あれからディと別れた絡新婦は、日葵の友人である新婚夫婦の家が2人を泊まらせてくれると決まったところで、一旦ディの連絡先へ宿泊先と自身の動静の予定を通知し、彼女なりに再び情報収集を始めた。ちなみに日葵は家の都合があるからと言って、ディと絡新婦の宿が決まったところで帰っていった。

「親切な人やね、日葵さん。自分らみたいなお客が急に来ても、こないなほど親身になってくれるんや。もちろん、あなたがたもや。……そないによく来客が来るん?」
「いや、来客が来るのは数年に1度、多くて1人か2人だよ。今年はあなたがた大学関係者を含めると、もう4人も来てるらしいからね。異例のことだよ。」
「そうねぇ……なんの前触れかしら?お優しい『向日葵様』のことだから、きっと何かとても素敵なお考えをお持ちで、お客さんを呼び寄せていらっしゃるのね。」
「ああ。そうとしか思えないね、僕も。」

 絡新婦は、この集落の大人たちが来客の多さを初めこそ訝しんでも結局は親切に迎えてくれるもう1つの根拠を掴んだ。「向日葵様」に捧げる生贄が増えることを喜んでもらえるという単純な考えだけでなく、「こんなに来客が多いのは、きっと私たちにこれまでに無いほどの良いことをもたらしてくださる」という信仰心が働いているのだ。読心術でこれまでにすれ違った人々や、目の前の新婚夫婦の心を確かめても、そうした純粋な信仰しかなかった。

「その『向日葵様』は、これまでに例えばどないな恵みをくださったのやろ?というのも、よく民俗学では神様によっては人間になかなか理不尽な仕打ちをする神様も出てくるのやけど、『向日葵様』はそないなことないのやろか?」

 絡新婦が問いかけると、さっきまであんなに朗らかだった夫婦が険しい表情を見せた。まずいことを聞いたかと戦慄した絡新婦に、妻が子どもを教え諭すように警告してくれた。

「……いい?あなた。『向日葵様』の事を、この先絶対に悪いほうへ疑ってはダメよ?信仰心が揺らいでることになるんだから。後で学生さんにも言い含めておかないと。『向日葵様』は本当に子どものように無邪気で可愛らしいお姿をなさっている上に、私たちがまっすぐな信仰をもっている限り、そして毎年『祝祭』を続ける限り、どんな天災も事故も事件も起きないように護ってくださるんだから。たとえ怪我をしてもたちどころに治ってしまうのよ。」
「そうなんや……ごめんなさい、悪いことを聞いてしまったやね。自分も『向日葵様』を悪く言おうとか疑おうとかしたつもりはないんや。」

 絡新婦が素直に詫びると、2人はまた穏やかな顔に戻ってくれた。内心でほっとしつつ、他に注意するべきことや、何故怪我がたちどころに治ってしまうのかなどを尋ねてみた。すると、今度は快く答えてもらうことができた。

「他に注意するべきことと言ったら、そうだね……。」

 そう言って逡巡した様子を見せた夫の方が、やがてまずは基本的なこと……つまり、事前説明で聞かされていることを教えてくれた。それから先の話は興味深い内容だった。

「あと、子どもたちの遊び場だけでなく、僕らのような若者の集いの場も向日葵畑に限定されるから、何か物々交換で欲しいものをやり取りする時なんかを除いては基本的に向日葵畑で過ごすのが無難だよ。『向日葵様』のお力がこの時期から満ち満ちるから、とても強い御加護を感じられるしね。それと、さっき妻が話した通り『怪我をしてもたちどころに治る』し、風邪やちょっとやそっとの流行病程度ならやっぱり重症化することなくすぐ治るから、ここには基本的に医者っていうのが居ないんだ。必要無いからね。どうしても癒えていかない病に侵された人や、年老いて最早1人で暮らせなくなったような人は、『向日葵様』の血肉になって一緒にここを護る力になることが許されるから、それはそれで栄誉なことだしね。」
「なるほど……そうなんや。詳しくありがとう。……さて折角や、向日葵畑で遊んでる子らを見てきたいのやけど、ええやろか?」

 絡新婦が問いかければ肯定が返った。その間にお夕ご飯の支度をしておくから存分に村の中を楽しんで来るといいと言ってくれた。そこで絡新婦は、向日葵畑へ向かってみた。
 向日葵畑に近づいてみると、絡新婦は異様な雰囲気を感じ取った。先の猟兵がユーベルコードで感知した「洗脳されそうな、UDCの影響を受けそうな感じ」と同じものだ。そこで、彼女は向日葵畑の中までは踏み込まず、限界と思えるところまで近寄ったところで自身の人形であるサイギョウを操り、子どもたちに一緒に遊ぼうと誘うことにした。サイギョウは狩衣を纏った狐人の人形だ。

「皆、何して遊んでるんや?良かったら自分も混ぜてや。」
「わぁ!なんか可愛いのが動いてるー!なになにー?」
「あっ、向日葵畑から出て遊んだらダメだよ!」

 子どもたちはしっかり言いつけを守って、向日葵畑からは出てこない。しかしサイギョウが中へ入り子どもたちの元へいって愛嬌を振りまけば、一躍人気者になった。
 子どもたちは奪い合うようなことも無く、サイギョウを新しいお友だちとして遊びに加えてくれた。サイギョウを加えた彼らがやっていたのは、ごくありふれた遊びだった。通りゃんせだったり、うしろの正面だぁれ?だったり……。

(ふぅん、子どもたちは一応子どもらしい遊びもするんやな。)

 絡新婦はその楽しげな声にどこか郷愁を感じながらも、警戒して向日葵畑には入らずに子どもたちと遊んだ。子どもの1人に何故入って来ないのか聞かれれば、慣れてないから大切な向日葵を踏んで折ってしまうといけないからと答える。この点、子どもはあくまでも子どもで、それだけで信じてくれた。

 日が傾き始めて夕食が近づき、子どもたちも家路につくと、ディと絡新婦も宿となる家へ向かって合流した。
 そして、互いに集めた情報を、新婚夫婦に悟られないように気をつけながら交換した。

「ふふ、いよいよ明日は『祝祭』ねぇ。楽しみね、あなた。」
「あぁ、そうだね。僕としても、『向日葵様』にお会いできるのがとっても嬉しいよ。特に今年はこんなに来客が多いんだ。きっと何か良いことがあるよ。」

 ディと絡新婦がこっそり情報交換をしているのを、この村の感想や研究結果をまとめようとしているとでも思ったのか、夫婦はそんな会話を2人に聞こえる場所で、心から楽しそうに交わしている。「生贄」を栄誉なことだと思えていなければできない態度だ。
 それからは絡新婦が夫婦を言いくるめて、先に潜伏しているであろう猟兵たち――「他のお客さん」の居場所を聞き出し、折角だからひと言挨拶に行くと言ってディと一旦家を出た。そして、先行して潜んでいた猟兵たちとも情報を交換する。

(明日、ねぇ……勝負の時やな。)

 夜にはディも絡新婦もまた夫婦の家へ戻り、貸し与えられた部屋で寝込みを襲われることの無いようにだけは気を払いつつ、床に就いた。

 こうして、猟兵たちはそれぞれで集落へ潜入を果たし、様々な情報を得た上で「祝祭」前夜を迎えたのだった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

アヴァロマリア・イーシュヴァリエ
向日葵様……此処の人達は神様のためなら、なんでもやっちゃうんだね。
でも本当の神様がもしいるなら、そういうことはダメだよって、教えてくれるものじゃないかな。
マリアは神様じゃあないけれど……悪いことは、ダメって言わないと。ずっと間違ったことをさせられてるなら、救ってあげなきゃ、だよね。
マリアは、聖者だもん。


観光に来たふりをしながら、集落の人達にお話を聞いてみるね。
ユーベルコードを使えば、ちょっと話しにくいことも教えてくれるかな。

「向日葵様って、どういう神様なのかな?」

「外から此処のお祭りを見にきたって人が、そのまま帰ってこなかったって聞いたことがあるんだけど……本当?」


 ――さて、実はまだもう1人、この集落へ潜入してきた猟兵がいた。
 時を遡ること数日。まだ、「祝祭」まで幾らか日がある時の、お昼前。
 住民たちは、彼女があまりに自然と溶け込んでいたからなのか、余所者として数えていなかったのかも知れない。

 潜入していたのは、アヴァロマリア・イーシュヴァリエ(涯てに輝く・f13378)。

(向日葵様……此処の人達は神様のためなら、なんでもやっちゃうんだね。)

 アヴェロマリアは陽の光を浴びて眩いまでに咲きほこる花の中で、考えた。本当の神様がもしいるなら、そういうことはダメだよって、教えてくれるものじゃないかと。

(ずっと間違ったことをさせられてるなら、救ってあげなきゃ、だよね。マリアは、聖者だもん。)

 彼女は観光客を装っていたつもりだったが、他の猟兵と異なりなんのためらいもなく向日葵畑へ入って無邪気な視線を向けていたので、まずそこで遊んでいた子どもたちに声をかけられた。

「あれー?おねーちゃん、だぁれ?」
「あっ、もしかして『ひまわりさま』にびょうきをなおしてもらって、あそびにこられるようになったの!?」
「えっ?あの、えっとマリアはね……うん、あそびにきたの。」

 アヴェロマリアは、観光に来たという意味で言ったのだが、子どもたちはそうは受け取らなかったようだ。

「わぁ!よかったねマリアちゃん!『しゅくさい』のまえだもんね。ひまわりばたけでたくさんあそんで、もっと『ひまわりさま』のちからをもらってげんきになろーね!」

 遊んでいた中でもお姉さん役の子が、アヴェロマリアへ屈託のない笑みを見せ、遊びに誘ってきた。そこで、しばらくアヴェロマリアも子どもたちと遊ぶことにした。少しでも情報を引き出せればと思っていたが、人を疑うことをまだ知らない子どもたちは、聞いたことには素直に答えてくれた。
その大半は事前説明で聞いてきたことだが、向日葵畑に向日葵様の力が満ちることや、それゆえ「祝祭」の支度をし始める期間になったら折ってはいけないなども教えてくれた。

「あれ?でもマリアちゃん。ひまわりのふく、きてないね?いまは、ひまわりのふくをきてないとダメなんだよ。」
「マリアちゃん、おかーさんやおとーさんからおそわらなかったの?」
「あの、えっとね。マリアは……。」
「あっ、わかった!マリアちゃん、ずっとびょうきだったから、ひまわりのふくはパジャマしかないんでしょ!?いっしょにかわいいふくさがしてあげる!あたしのおかーさんのとこ、いこ!」

 一瞬、部外者だとバレるかと思ったアヴェロマリアだったが、子どもたちはあっという間に自己完結すると、戸惑う彼女の手を強引に引いて優しい母のもとへと連れていった。

「あら、おかえりひなちゃん。……その子はどこの子?」

 流石に大人は鋭い。この集落の住民では無いことを見抜いてか、訝しげに目を細めた。
 しかし、「ひな」と呼ばれたその子の説明が、運良くこの集落の事情と重なったらしい。

「……あら、長いこと病気がちだったはずのマリアちゃんが、『向日葵様』のお力で!?それは、おめでたいことね!そうね、なら向日葵の服はうちで何とかしてあげましょう。あの親切なご夫婦には、こういう時にお礼しないとね。」

 ひなの母親は、昼食を作っていた手を一旦キリの良いところで止めると、クローゼットへ向かって子供サイズの服を探り始めた。

「あったわ、ひなちゃんにはちっちゃくなっちゃった祝祭服。これを服屋さんに持って行って、マリアちゃんのための新しい祝祭服と交換してもらいましょうね。」

 こうして、アヴェロマリアはあれよあれよと集落の子どもの1人として扱われ、「長い病を向日葵様に癒された幸運な子」として歓迎された。例えばアヴェロマリアが「向日葵様って、どういう神様なのかな?」などと聞いても、病気のせいで少し記憶が曖昧なのかも知れないと都合よく解釈され、大して追求されずに済んでしまった。 アヴェロマリアが同年代の子どもに較べたら小柄なことや、臆病がちな性格、そして滲み出る優しさが気の良い娘とその母親の警戒を解いてしまったのだ。

 やがて向日葵の可愛らしい花が描かれた可憐なワンピースに着替えたアヴェロマリアは、お昼ご飯を賑やかに話すひなと食べたあと、再びひなと共に外へと出かけていった。

 その道中、何人かの大人たちがアヴェロマリアへやはり訝しげな視線を送った。
 その度にひなが母親にしたのと同じ説明をしてくれるが、念には念をとアヴェロマリアも足を止めて集まった大人たちへ、ユーベルコードを使うことにした。

「あのね……マリアのお願い、聞いてくれる?」

 【汝の隣人を愛せよ、汝の敵を愛せよ(オン・ヘセド・スヴァーハ)】。アヴェロマリアの視線を受けた大人たちは、自覚なく彼女に友好的な態度をとり始めた。

「そうかそうか、マリアちゃんは良かったね。久しぶりに陽の光を浴びて、向日葵畑にも行って、楽しかったろう?『祝祭』まで、元気に過ごすんだよ。」
「うん……ありがとう。あ、えっと……ひとつ、聞いてもいい?」
「何かな?」

 柔和な笑みで、視線の高さを揃えて聞き返してくれた男性に、アヴェロマリアはユーベルコードの効果時間が切れないうちにと、少々踏み込んだ質問を投げた。それは、本当にこの集落の人間なら聞くことのない質問だが、今ならと考えたのだ。

「外から此処のお祭りを見にきたって人が、そのまま帰ってこなかったって聞いたことがあるんだけど……本当?」
「それは、誰に聞かされた話だろう……?もしかして、このところ何人か来てるお客さんが噂でもしてたのかな?……まぁいいや。マリアちゃん、それは言い方が悪いだけだよ。ここの『祝祭』を見に来た人は、僕らと暮らすうちに皆喜んで『向日葵様』のお力になりたい!って思うようになってね、自分から祝祭の生贄になることに決める人がほとんどなんだ。」
「ふぅん……。」

 アヴェロマリアは、男性の答えを聞いて、内心でやはりこの集落の神様はおかしいと実感した。自らの心身を、部外者がそんな短期間で身も知らぬ存在へ捧げようとするなど、余程洗脳されるか騙されるかしない限りありえない。

(マリアは神様じゃあないけれど……悪いことは、ダメって言わないと。)

 アヴェロマリアは、大人たちと別れて再びひなと向日葵畑へ遊びに向かいながら、決意を新たにした。
成功 🔵🔵🔴


第2章 集団戦 『楽園の『僕』』

POW ●かあさまのいうとおり
【手にした鳥籠の中にある『かあさま』の口】から【楽園の素晴らしさを説く言葉】を放ち、【それを聞いた対象を洗脳する事】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD ●とおさまがしたように
【相手の首を狙って振るったナイフ】が命中した対象を切断する。
WIZ ●僕をおいていかないで
【『楽園』に消えた両親を探し求める声】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 こうして、猟兵たちは遂に「祝祭」の当日を迎えた。
 家々も向日葵で飾られ、雲ひとつない晴天でありながら酷暑とは言えない心地よい暑さの夏日。
 屋外にもテーブルが設置され、まるで立食パーティーのように食事を楽しむ人たちや向日葵畑の中でひときわはしゃぐ子どもたちでそれはそれは賑やかに華やかに「祝祭」が始まった。

 そんな時、不意に嬉々とした声が上がった。

「あっ!いよいよ向日葵様の眷属のご降臨だよ!」
「まぁ……!今年も向日葵様にお喜びいただけますように。」
「さぁ、君たち。遠慮なく行っておいで。……何も怖くないよ。逆にとても栄誉な事だ。」

 住民たちは、心底からの祝福をもって、猟兵たちを強引に眷属の降り立つ場所へ押し出していった。眷属たちもUDCであるため、本能的に猟兵の存在を見抜くと一同を素早く取り囲んでしまった。
 無数にいる眷属「楽園の『僕』」たちを前に、猟兵たちは住民たちから死を期待されつつ、対峙することとなった。
ディ・アルカード
挨拶そこそこに戦闘行動や

精神汚染系の攻撃は想定内
対象POWは嬉しい誤算やな

ハンドガンを構えて
2回攻撃で以下の行動
①【かあさまのいうとおり】を【審判】で打消
②審判のコピー能力で【かあさまのいうとおり】の洗脳効果を逆手に取って住民の精神汚染の解除と緊急避難

なるほど
夢から覚める時間や!
ここからはよ逃げ!!

知恵が回るやつで住民を盾にされたら面倒やしな
上手く行けば仲間の立ち回りがしやすくなる
後は、、、状況に応じて「スクラップ(使い魔)」で住民の護衛もしくは戦闘サポートやな
一日、散策込で媒介の血を仕込むのは十分に時間あったし状況を引っ掻き回すで
(土塊で作ったゴーレム型や地面が槍のように隆起するトラップ型)


杼糸・絡新婦
さてさて、興味深い生活やったし、
お世話になった身で心苦しいけど、
今までやってきた事を考えたら遠慮もいらんか。
(真の姿開放)
錬成カミヤドリで鋼糸・絡新婦をレベル分召喚。
絡新婦の糸、簡単には切れへんで。

張り巡らせるように展開し【罠使い】
相手の行動阻害・スキを作りながら、
絡みつくようにして【切断】
【捕縛】した【敵を盾にする】ことで
他の攻撃から防御。
また、糸を足場に【空中戦】で
相手に【フェイント】をつく。


五十野・組子
みんな優しくしてくれてたのになぁ…。まぁ私も騙してたんだけど。
でも社会勉強ってのは嘘じゃないのよ。邪神に人生を歪められた人達を、伝聞じゃなくこの目で見ておかないと。

「黒鎖」を周囲に展開。眷属から私を【庇って】貰う。敵を縛って【捕縛】。
この地に生えた向日葵に邪神の力が宿ってるみたい。エネルギーを奪う鎖の効果で向日葵をなぎ払い、邪神の力を【浄化】します。村人に邪魔されない様に鎖で牽制。

数が多いの。鎖を増やさないと。UC【浸食】使用。魔眼の視線を向けた祭道具等の無機物が、腐る様に溶けて無数の黒い鎖に変化。
大蛇の様に【暴力】的にうねる鎖で眷属達を攻撃。触れた物を【捕食】し貪る黒鎖で消滅させていきます。


エスタシュ・ロックドア
なるほど
こうして向日葵様の一部にされると
栄誉ある贄だって?
残念だが、辞退させてもらおう

『群青業火』発動
囲んでくるたぁ好都合
【範囲攻撃】で周囲を敵ごと【焼却】
特に向日葵は灰も残さないよう念入りに焼き払う
もちろん味方とか住民たちは焼かねぇように適宜消火しておくがな
それでも敵が向かってきたらフリントを見舞うとしよう
業火で赤熱するまで炙ってから、
【怪力】で振るって【なぎ払い】【吹き飛ばし】
敵の攻撃にゃ【呪詛耐性】【狂気耐性】で耐える
こちとら地獄の獄卒、
楽園とは縁遠いんだわ
それに地に根を張るなんて生き様、
俺ぁまっぴらごめんだね

住民の嘆きは聞く耳持たん
心を鬼にするぜ
元から角の生えた羅刹だがな


(なるほど。こうして向日葵様の一部にされると……。)

 エスタシュはすっと目を細めて、己を取り巻く眷属「楽園の『僕』」たちを見回した。

「栄誉ある贄だって?残念だが、辞退させてもらおう!」
「……かあさまのいうとおり。」
「かあさまのいうとおり……。」
「かあさまのいうとおり。」

 眷属の1人が、淡々とした口調で言葉を紡ぐ。するとその近くにいた他の個体も次々と同じ言葉を発し始めた。

「此処に示すは我が血潮、罪過を焙る地獄の炉、以て振るうは臓腑の火。――焼き払うぜ、灰も残さねぇよ。」

 それに対し、エスタシュは【群青業火(ブレイズアズール)】を発動させた。

(囲んでくるたぁ好都合!)

 彼の全身に刻まれた傷跡から、群青色の「地獄の業火」が激しい勢いで燃え上がった。それを、取り囲んでいる眷属たちへ一斉に見舞い、徹底的な焼却を狙う。

「あつい……!」
「……あついっ!」

 しかし、敵の数は圧倒的だ。焼却されるより早くエスタシュへ迫る個体も少なくない。
 そんな個体へ今度は大量の黒い鎖が飛び、見る間に捕縛して動きを封じていった。
 放ったのは、自身をも同じ黒鎖で囲んで守備を固めた組子だ。

(みんな優しくしてくれてたのになぁ……。まぁ、私も騙してたんだけど。)

 とはいえ、組子にとって「社会勉強」はあながち全くの嘘でも無い。邪神に人生を歪められた人達を、伝聞ではなくこの目で見ておかないとならない……自身もまた邪神に影響されて生きる身だからか、そう考えていたからだ。

「僕をおいていかないで……。」
「……おいていかないで。」
「僕をおいていかないで。」

 尚も数の多い眷属たちは、エスタシュのみならず組子にも牙を剥く。楽園へ姿を消した両親を呼び求めながら、互いにその戦闘力を強化させて肉迫せんとする。ただでさえ数の暴力でもって圧倒してくるのに、戦闘力を補強されてはたまったものではない。

(数が多いの。鎖を増やさないと。)
「鎖れ。」

 組子は、短い詠唱をもって【浸食(シンショク)】を発動。すると彼女がその魔眼を向けた無機物――祭道具や食事の並ぶテーブル等が次々と腐るように溶けては無数の黒い鎖へ変化した。これにはのほほんと見守っていた住民たちも驚き、あちこちで悲鳴を響かせる。しかし、組子もエスタシュも、同じく敵たちと交戦しているディや絡新婦も、誰も反応しなかった。既に皆、心を鬼にしてでもUDCを崇める歪な宗教を打破する覚悟など、とうに決めていたのだから。
 組子は、敵のみならず辺りに咲き乱れる向日葵にも黒鎖を放ち、次々と薙ぎ払った。UDCの力が宿る向日葵など、残しておいては彼女たちにとっては何の益もないどころではない。
 子供たちは慌てて向日葵の中から逃げ出し、大人たちは血相を変えて絶句している。
 そんな住民たちの反応を意にも介さないように、エスタシュもまた群青色の業火で向日葵を焼き尽くしていった。

(こちとら地獄の獄卒、楽園とは縁遠いんだわ。)

 それに地に根を張るなんて生き様、俺ぁまっぴらごめんだねと、内心で齢十二の頃の事を思い出しつつ呟くエスタシュ。彼の出身地である羅刹の隠れ里もまた、彼にとっては耐え難い信仰を持つ集落だったから。

 エスタシュは敵の繰り出す精神汚染の技を己の耐性によって緩和しながら、向日葵を灰さえも残さないように念入りに焼き払う。向日葵畑や家々の前に咲く向日葵が消えて行く程に、住民たちは次第に悲鳴を金切り声へ変化させていった。
 エスタシュの業火を掻い潜る事に成功した個体は、組子が大蛇のように暴力的にうねる黒鎖で捕食しては消滅させる。中には消滅前にエスタシュの業火に囚われ、赤熱するまで炙られてからその怪力によってなぎ払い吹き飛ばされ、住民たちの目の前で消滅していくものもいた。

「う、嘘、でしょ……っ!?」
「ありえない……いったい何が起きてるんだ!?」
「うわぁぁぁん!こわいよ、おとーさん!おかーさん!」

 流石の住民たちも、ただ事ではない事態になろうとしていることを悟り、動揺を見せ始めた。

 ――一方、こちらはディと絡新婦。大学関係者を装っていた2人は、戦いにおいても連携していた。
 ディは挨拶もそこそこにハンドガンを構えて戦闘態勢をとる。絡新婦は住民たちに親切にお世話をしてもらったことにほんの僅かに申し訳なさを感じたものの、これまでにこの一族がやってきた行為を思い出すと真の姿を現した。瞼を持たない翠の複眼に、耳元近くまで裂けた大きな口は鋭い歯が並ぶ。纏う着物から見える肢体には黒と黄の模様が浮かび、手指は細く長い爪の如く……正に、獲物を狙う蜘蛛の姿だ。


「かあさまのいうとおり。」
「……いうとおり。」
「かあさまの……。」
「なるほど、それは認められへんな。……さぁ、夢から醒める時間や!はよ逃げ!!」

 ディは、眷属たちが用いてくる精神汚染攻撃が、自らの得手とする能力で対応できることを嬉しい誤算と考えた。2回攻撃の要領でまずは【審判(ジャジメント)】を発動し、対抗と同時にその技をコピーする。そしてそのコピーした技を住民たちへ向けて放ち、一族の信仰心……つまり、UDCによって汚染された精神を解き放とうと試みた。
 だが、何百年という永きに渡り代々受け継がれ、最早遺伝子レベルにまで染み付いている信仰心を失わせるのは容易い事ではなく、また眷属たちもエスタシュや組子のお陰で着実に数を減らしつつあるとはいえまだ油断ならぬ勢力を保っている。ディのユーベルコードは自身の血を代償にする必要がある為、通常であればこの数の眷属と住民たちを相手に用いては重い貧血に陥る危険がある程だった。
 しかし、ディは散策込みで十分に代償の為の血を仕込むことに成功していた。そして、僅かに生まれる隙があったとしてもそれは……。

「鋼糸【絡新婦】いざ、参るてな。」

 カミヤドリである自身の本体を装備した絡新婦が、それを103つ複製して手早く辺りに張り巡らし、眷属たちの行動や狙いを妨害する。【錬成カミヤドリ(コウシジョロウグモ)】だ。

「……っ、とおさまがしたように。」
「とおさまがしたように。」
「とおさま……。」

 それでも、眷属たちはナイフを絡新婦の首に狙いを定めて振るい、鋼糸をも切り裂かんともがく。

「絡新婦の糸、簡単には切れへんで。」

 絡新婦はニタリと口角を上げて宣言すると、あっという間に数々の眷属たちを蜘蛛の巣が如き鋼糸の罠に陥れ、残酷なまでに切断していった。それでも僅かな隙間を縫ってナイフを向けてくる個体には、捕縛した敵を盾にして迎え撃つ。さらに糸を足場に軽々と中空を移動してはフェイントを仕掛け、眷属たちを翻弄してみせた。

 エスタシュの地獄の業火が、組子の黒い鎖が、ディのハンドガンと地面を用いたゴーレム型やトラップ型の攻撃が、絡新婦の鋼糸が……圧倒的な数の差を確実に減らしていく。
 眷属たちの減少に反比例するように住民たちの動揺は高まって露骨になり、栄誉ある生贄になるはずの猟兵たちへの感情的な態度が広がっていく。それでも皆、戦いをやめなかった。この眷属たちを殲滅し、主神たるUDC「向日葵」を討った先にこそ、一族の本当の生き方があるはずだと信じて覚悟を決めてきたが故に。
成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴

アヴァロマリア・イーシュヴァリエ
マリアは、集落の人達に同じ住民だと思われてる。だから、他の猟兵さん達とは少し離れたところに居るし、UDCに見つかるのも少しだけ時間があるはず。
その隙にサイコキネシスでUDC達の動きを少しでも止めないと。
成功したら、すぐにその場から動いて集落の人達が反撃に巻き込まれないようにも気をつけなきゃ。
洗脳の言葉も、サイコキネシスで空気の振動を抑えれば声自体が伝わらないから届かない。
相手は「向日葵様」本人じゃなくて眷属、マリアだっていっぱい戦ってつよくなってる。力負けは、しないもん……!

ここまでやれば、あとはぶつかりあうだけ。それなら猟兵のみんなが負けることは、ないよ。


 栄誉ある生贄として眷属たちの前へ突き出された猟兵たちからは少し離れた場所で、住民たちに混ざって冷静に事態へ向き合うのはアヴァロマリア。

(マリアは、集落の人達に同じ住民だと思われてる。だから、他の猟兵さん達とは少し離れたところに居るし、UDCに見つかるのも少しだけ時間があるはず。)

 だから、アヴァロマリアは己の成すべきことをよく考えた。

(相手は「向日葵様」本人じゃなくて眷属、マリアだっていっぱい戦ってつよくなってる。)
「……力負けは、しないもん!」

 アヴァロマリアは、自身を鼓舞するように宣言し、【サイコキネシス】を発動させた。
 既に4名の猟兵たちが交戦している敵たちのうち、尚も生き延びて殺害せんと害意を向ける個体の動きが、不自然なまでにピタリと止まる。
 それによってアヴァロマリアは眷属たちに確実に正体を見抜かれた。されども、そんなことは重々承知だ。

「マリアちゃん!?どこに行くの!?」
「……ごめんね。マリアだって、みんなを裏切るみたいなのは嫌なの!でも!」

 戦いに住民たちが巻き込まれないようにと駆け出したアヴァロマリアを呼び止める声に、ちいさな胸を痛めながらも彼女は振り向かないまま答え、戦場へと躍り出た。

「……かあさまの、いうとおり。」
「かあさまのいうとおり。」
「かあさまの……!」

 アヴァロマリアの姿を捉えた眷属たちは、劣勢に立たされつつあるからこそか、たった1人の若い猟兵相手に、動ける個体たちが全力で襲いかかってきた。しかし、その洗脳の言葉をのせた声はアヴァロマリアのユーベルコードによって空気の振動までも抑制されているために声として機能せず、効力を発揮しなかった。

(ここまでやれば、あとはぶつかり合うだけ……!)

 アヴァロマリアは、既に激しく戦っている他の猟兵たちの力も、自身の力も、信じた。これならもう、猟兵のみんなが負けることは無い、と。
 5名となった猟兵は、アヴァロマリアが皆の隙を埋めるように技能を駆使して支援し、眷属たちの隙を突く様に2回攻撃の要領でユーベルコードを再び放って動きを封じ、時に意のままに操って眷属たちに同士討ちをさせていったことで、やがて両手で数えられる程の個体数にまで減った。

「……これで、おしまいよ!」

 アヴァロマリアもまた、他の猟兵たちと同じく固い決意を胸にやってきたから、できる限りのことをやり尽くした。そして、それはやがて最後の一体を、皆の攻撃と共に葬り去った。

 眷属たちが全滅し、たった5名しかいない猟兵たちは1人も倒れることなく生存している。その事実を前に、住民たちは狂乱とも言える動揺に陥っていた。

「な、なんということだ……!」
「栄誉ある役割のはずなのに、ご降臨なされた眷属が……全滅……だと……!?」
「い、いやぁぁぁ……!向日葵様ぁ……!!!」
「こわいよぉぉ、こわいよぉぉ……!おとーさーん!おかーさーん!ひまわりさまー!う、う……うえぇぇぇん……!」
「ひ、向日葵様……ど、どうか、い、一刻も早くお助けを……お慈悲を……!あぁぁ……!」

 どうしようも無い状態に、心を鬼にしていた猟兵たちとて、胸に痛みを覚える。
 そんな中、不意に幼い声が天空から降ってきた。声音だけ聞くならば、愛らしい女の子の声だ。

「どうしちゃったのかな?こんなことは初めてね。でもみんな、大丈夫よ。いつも信じてくれてきたみたいに、今も信じていて。ね?」

 その声に、住民たちは縋るような視線を天に向け、安堵のあまり崩れ落ちる者もいた。
 ――そう、主神たるUDC「向日葵」が、遂に猟兵たちと住民たちの前へ現れたのだ。
大成功 🔵🔵🔵


第3章 ボス戦 『『向日葵』』

POW ●あの日、あの時、あの場所で
小さな【相手の戦闘力を無効化する向日葵畑】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【郷愁漂う優しく平和な真夏の異界】で、いつでも外に出られる。
SPD ●あたしといっしょに遊ぼ?
【幻影としての向日葵】の霊を召喚する。これは【嗅いだ者を幼少期の姿にする夏の香り】や【触れた物を無垢な童心に還す夏の風】で攻撃する能力を持つ。
WIZ ●夏はいつまでも
戦闘力のない【太陽】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【日が暮れ、暮れる毎に相手の敵愾心を削る事】によって武器や防具がパワーアップする。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠詩蒲・リクロウです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


五十野・組子
これがみんなをたぶらかしてた邪神なんだね。

UC【語られぬもの】使用。私に取り憑いた邪神の眷属を【召喚術】で実体化させて襲わせる。
うねる鎖で敵を【捕縛】し、鉤爪による【暴力】で何度も切り裂いていく。

太陽の暮れていく様に、思わずたそがれる。みんなはここで幸せそうだったんだからもういいんじゃないかな…。
首に巻き付く鎖の痛みで【狂気耐性】、削られた敵愾心を無理矢理揺り起こされる。私に取り憑いた邪神は、自分以外の邪神を決して許さない。
気力を奮い直して更なる暴力で敵を【蹂躙】。
こいつを倒してもみんなが幸せになる事はないかもしれないけど、やり直す事は出来るかもしれない。恨まれたとしても絶対にここで倒すよ。


(これがみんなをたぶらかしてた邪神なんだね。)

 組子がUDC「向日葵」を前に感じたのは、まずそれだった。
 顔が向日葵であることを除けば、屈託なく笑う元気な女の子そのものの雰囲気を纏う存在。しかしそれは倒さねばならない敵。

「来て。」

 組子は、成すべきことを成すために、【語られぬもの(サイレントワン)】を発動させる。
 組子を支配する正体不明の邪神の眷属が次々に彼女の周りへ現れ、獰猛な気配を漂わせる。

「……行くよ。」

 組子のひと言に、彼女が召喚した眷属たちは一斉に敵へと群がった。手にはうねる漆黒の鎖。直に肉弾戦を仕掛ける者もいる。
 組子自身もまた、己の鎖を振るって捕縛を試みた。それは圧倒的な暴力となって敵へ牙を剥く……が。

「ちょっとちょっと、そんな風に酷いことしなくても良くない?あたし、みんなを幸せにしてきたのよ?」

 主神たる「向日葵」は、身軽に飛び跳ねては苦笑いのような声で反論してきた。

「夏は始まったばかりだよ。いつまでも夏を楽しもうよ!」

 組子が気がつけば、敵の後ろには見事な夕暮れが見えた。赤い赤い夕陽に照らされた辺り一帯の風景は、UDCアースの日本のまさに原風景と言えるそれだった。
 徐々に落ちていく太陽、それに照らされる自然の花木。そよぐ涼風が組子の髪や頬を撫でる……。

「……。」

 組子は、思わずその風景に見入ってしまった。主神たる「向日葵」のお陰で、確かにこの集落は何百年も平和に幸せに暮らしてきたのだ。何も、主神を苦しめ追い詰める必要など無いはずだ……もう、自身もここで暮らしていけば良いはずだ……。

「……っ、ぐっ、ぅぅ……!?」

 そこまで引き込まれた組子は、首に巻きついた黒鎖に締めあげられて我に返る。
 組子を支配下に置く邪神は、己以外の邪神の存在を決して赦さない。だから、集落の主神を名乗る「向日葵」も排除対象だ。
 邪神による強引なやり方ではあるが、組子はそれによって失いかけていた敵愾心を取り戻すことに成功した。

(そうだよ……この人たちは、確かに幸せに暮らしていたかもしれないけど、たくさんの犠牲の上に暮らしてきたんだ……。)

 今一度気を奮い立たせ、組子は黒鎖を一層荒々しく振るう。組子の敵愾心が削がれたことで劣勢に陥りかけていた眷属たちも勢いを盛り返した。

「きゃあ!?ちょっと、ひどいよぉ!」

 無邪気な子どもの声で悲鳴をあげる敵を前にしても、それを見た住民たちの戦慄の声を耳にしても、組子はもう怯まない。

(こいつを倒してもみんなが幸せになる事はないかもしれないけど、やり直す事は出来るかもしれない。恨まれたとしても絶対にここで倒すよ……!)

 固い決意と邪神と共に、組子は猛然と敵を蹂躙しにかかった。
成功 🔵🔵🔴

ディ・アルカード
村人の洗脳は解けへんか、、、
ほんま相当根深い難儀な話や

やっとこさ邪神のお出ましか
はっきり言ってオレはオマエの事が大嫌いや
お前のルールを押しつけよって
このムカムカする状況、本気で八つ当たりさせてもらう

生贄の血肉で育ったような
こんなモンがあるからあかんねん!!一本たりとも残さんぞ!!

邪神を睨みつけながら地面に手を付いて【魔術師】を使用
状態異常耐性を上げつつ
地面を即座に使い魔として使役
地面をめくりあげ、こねくり回して
向日葵畑をぐちゃぐちゃに

お前の力は触れへんかった怖くない

向こうで殺した人たちへ懺悔してこい
まぁオマエは悪い思うて無いやろけどな!!

呆然としている向日葵へ
引き金を引いて、弾丸を叩き込みます


「村人の洗脳は解けへんか……ほんま相当根深い難儀な話や。」

 ディは、やっと姿を現したUDC「向日葵」を前に、苦虫を噛み潰したような表情で呟いた。この主神の眷属たちと戦った時に住民たちの信仰心を少しでも解こうと試みたディだったが、代々何百年も続いてきた歪な信仰は強く、敵のユーベルコードをコピーして応用してみても誰の心も動かせなかったのだ。
 今もディの周りで、住民たちは老いも若きもひたすらに主神たる少女へ祈り続け、願い続けている。ディにとって、最悪な光景だった。

「はっきり言ってオレはオマエの事が大嫌いや。お前のルールを押しつけよって……。このムカムカする状況、本気で八つ当たりさせてもらう!」

 集落に着いてからすぐに始まった向日葵一色の生活ルール、何百年もの間流されてきた無辜の人たちの血とそれを「栄誉」とさえ看做して称える曲がった死生観、子どもでさえしっかり教えこまれている信仰生活……腹が立つものを挙げればキリがない。

(そもそも、生贄の血肉で育ったような
こんなモンがあるからあかんねん!!一本たりとも残さんぞ!!)

 ディは即座に地へ手を付け、邪神でしかない「向日葵」を睨みつけながら【魔術士(マジシャン)】を詠唱した。

「行くでぇぇぇぇ!」

 雄叫びの如き声に呼応して、地面はめくれ上がり、ぐちゃぐちゃに捏ねくり回される。最早集落の大地は恵みの源ではなく、ディの使い魔となっていた。
 薙ぎ払われ焼き払われて、それでも辛うじて残っていた向日葵の花さえ、ディの意志に応じた地面が跡形もなくしていく。

「えぇー!なんでそんなことするのー?向日葵のお花がかわいそうよ!?」

 敵は自身の力がさらに徹底的に失われていくのを感じて焦ったか、隆起したりうねったりする地を蹴りながら、無惨な姿に変わり果てていく向日葵畑をキョロキョロ見ている。

「あなたにも、あるでしょう?あの日、あの時、あの場所で見た、大切な向日葵のお花……!」

 何とかディを術中に落とそうとする敵だが、利用できるようなわずかな向日葵畑さえもう見当たらない。

「お前の力は触れへんかったら怖くない。向こうで殺した人たちへ懺悔してこい!」
(まぁ、オマエは悪い思うて無いやろけどな……!)

 ディは狼狽えている敵へ、容赦なく「レッドブラッド」の銃口を向けた。対UDC戦のために製造された特殊な弾丸を放てるハンドガンは、ディが引き金を引いた瞬間に主神たる少女の華奢な身体を鋼鉄の塊で貫いた。

「きゃー!?いったぁい!」

 可憐な声で叫びうずくまる主神「向日葵」へ、住民たちから悲痛な声があがり、気遣う呼び掛けが次々と木霊する。それでもディは尚も敵への憤りを絶やすことは無かった。
成功 🔵🔵🔴

杼糸・絡新婦
どこまでも縋るか。
これからどうしたらええかなんて考えられるだけ幸せやで、
生贄にされた人はこれからを無くされたんやからな、
それとも、今から向日葵さまのために、
自分らで何とかする?
向日葵含め、ええ加減にせえや。

鋼糸で絡めるように【捕縛】動きを抑えつつ、
飴翔に赤い飴玉込めて炎【属性攻撃】【援護射撃】
敵の動きをよく見て【情報収集】し、
こちらに来た攻撃、
または味方にきた攻撃を【かばう】形で、
タイミングを合わせ脱力し受け止め、
オペラツィオン・マカブル発動し、受け流す。


「どこまでも縋るか。」

 絡新婦は、真の姿を保ったままで住民たちを一瞥した。狩人そのものの雰囲気を纏う蜘蛛の姿をした絡新婦を見て怯え、後退る彼等に、絡新婦は冷ややかな眼差しを向ける。

「これからどうしたらええかなんて考えられるだけ幸せやで?生贄にされた人はこれからを無くされたんやからな。……それとも、今から向日葵さまのために、自分らで何とかする?」
「ひ、ひぃぃ……っ!」

 絡新婦の言葉と複眼に表情をこわばらせ引き攣らせて固まる住民たちを庇おうと、主神たる「向日葵」が声を発するより刹那ばかり早く、続けて言い放つ絡新婦。

「向日葵含め、ええ加減にせえや。」
「な、なんてひどいことを言うの!?……あなたたち!あなたたちのせいで、みんながこんなに怖がって怯えているじゃない!ひどいっ!」

 純真な子どものような正義をかざして、主神は絡新婦へ果敢にも食ってかかる。しかし、それも絡新婦には正に文字通り児戯に等しい行いだった。
 ケンカする子どものように拳を振り上げて駆け寄ってくる敵の足元や細腕を鋼糸が絡め取り、捕縛せんと迫っては動きを妨害する。
 ただ、初めは怒りを見せていた敵だったが、ふと、その表情が華やいだ。

「ふふっ♪あなたのその糸、あやとり紐みたいで楽しいね!ねぇ、あたしと一緒に遊ぼ?」

 その途端、絡新婦の周囲に無数の向日葵の花の幻影が咲き乱れた。懐かしい夏の独特な香りが立ち込め、暑さを和らげる優しい夏風が吹き抜けていく……。
 しかし、無邪気な笑い声を立てて誘っていた敵はほどなくして再び焦ることとなった。

「どうして?なんであなたは平気なの……!?」

 まったくの無抵抗な状態で、まともに術中にはまったはずの絡新婦は、なんということもなく反撃を再開してきたからだ。しかし、実はこれこそが絡新婦のユーベルコード【オペラツィオン・マカブル】だったのである。敢えて脱力状態で受けることに成功すると、装備しているからくり人形のサイギョウからそれを排出して無効化できる……という流れだ。
 勿論それだけに限らず、交戦しながら丹念に敵の言動を観察してその傾向を情報収集していたことも奏功している。

「ほな、いくで。」
「わぁぁ!?」

 絡新婦は飴玉鉄砲の「飴翔」に赤い飴玉を装填すると、未だ共に立ち向かっている猟兵たちを支援するように、炎属性の援護射撃を間断なく見舞い続けていった。
大成功 🔵🔵🔵

エスタシュ・ロックドア
俺の里にゃ向日葵なんぞなかったが
邪神の力か、どうしてこうも郷愁を誘うかぁね
ああ、嫌になる
だがあの日よりも出ていくのは簡単そうだ
じゃぁな、俺ぁ二度と帰らねぇ

異界の郷愁は【狂気耐性】【呪詛耐性】【落ち着き】で振り払う
邪神のお招きは丁重に断って出させてもらおう
なるほど、こうして信者たちを引き留めているわけか?
やっぱ焼くしかねぇわ
『群青業火』発動
【範囲攻撃】で【焼却】
さっきの眷属同様、業火で赤熱させたフリントを【怪力】で振るって、
【なぎ払い】【吹き飛ばし】

過ぎた懐古は枷も同じよ
そうとも自由を愛する俺に取っちゃ忌むべきひとつ
手を抜く道理は何一つねぇわ


「ねぇ、あなたたちもここで一緒に暮らそうよ!たくさんの幸せを、あたしが与えてあげられるんだよ。ほら、あの日、あの時、あの場所に咲いていた向日葵の花を思い出して……♪」

 主神たる「向日葵」は、あくまでも猟兵たちも自身の支配下に置こうと考えているのか、エスタシュに対しても再び無邪気な声でにっこり笑い、語りかけてきた。
 他の猟兵たちが徹底的に薙ぎ倒し焼き払ったはずの向日葵畑が、ほんの僅かながら蘇る。これも主神たる「向日葵」の能力だろうか……。
 迎撃し、主神を灰燼に帰そうと武器を振り上げたエスタシュは、思わぬ事態に一瞬の隙を生んでしまった。
 気がつけば、彼は郷愁が漂う優しく平和な真夏の異界に入り込んでいた。
 エスタシュの故郷である里には向日葵なんかなく、明らかに異界の幻影だと知りながらも、それでも懐かしさが込み上げてくる。

「邪神の力か、どうしてこうも郷愁を誘うかぁね……。ああ、嫌になる。」

 苦々しく呟き、彼は各種耐性を用いて郷愁の感覚に抗い、出口を見つけた。どうやらあの時――齢十二の頃の出奔よりは簡単に抜け出せそうだ。

「じゃぁな、俺ぁ二度と帰らねぇ。」

 すると、エスタシュはあっという間に戦場へと戻ることができた。
 その様子に、主神は不満そうだ。

「えー、もう出てきちゃったの?良い風景だったでしょう?あんな風景、ここでもたくさん見られるよ、あたしを信じてくれれば!」
「丁重にお断りさせてもらう。」

 なるほど、こうして信者たちを引き留めているわけか、やっぱ焼くしかねぇわ……と内心で憤ったエスタシュは、目を細め鋭い眼光で敵を見据えた。
 瞬く間に、エスタシュの全身に残る傷から、群青色の業火が噴出し、激しく燃え上がる。【群青業火(ブレイズアズール)】を再び発動させた彼は、眷属たちを焼き払ったのと同じ要領でこの最凶の敵へも容赦なく攻勢に出た。

「うわぁ!?ちょっと、こんなのひどいよ!?あついっ!」

 エスタシュが行ったのは範囲攻撃での焼却。
 その中に囚われた敵は、この集落を包む心地よい暑さとは比べ物にならない熱波にあちこちへ身を躍らせて逃げ回った。
 しかし、エスタシュは尚も畳み掛ける。フリントという鉄塊の剣を業火で赤熱させ、怪力をもって全力で振るい、敵を薙ぎ払い、吹き飛ばす。

「きゃー!?痛い!あついっ!ちょ、ちょっと……!やだぁ!」

 敵も何とか反撃を試みては来るが、他の猟兵たちの攻撃で弱っている上、自身の力を宿していた向日葵畑が尽く壊滅状態にされてしまったことで、エスタシュの力に拮抗できるほどの威力は出せていなかった。

 戦いの中で向日葵がどんどん弱るのを見ていた住民たちの混乱はさらに高まり、中にはあまりの光景に失神したり気絶したりして倒れる人まで出てきていた。
 彼らの声は、主神を痛めつける猟兵たちへの猛然とした抗議の声や怒声、若者たちからは猟兵への罵詈雑言まで飛び出す始末。
 それでもエスタシュを含めた猟兵は1歩も退かず、戦い続ける。

(過ぎた懐古は枷も同じよ。……そうとも、自由を愛する俺に取っちゃ忌むべきひとつ。手を抜く道理は何一つねぇわ。)

 自由を奪う枷などエスタシュにとっては邪魔もの以外の何でもない。懐かしさも、度を越せばただの枷。そんなものに囚われてやる義理など、彼には微塵もなかった。

 逃げ回りながらも何とか反撃してくる敵は、だいぶ消耗した様子を見せている。
 ――完全撃破まで、あと少し。
大成功 🔵🔵🔵

杼糸・絡新婦(サポート)
関西弁口調。
とある忍者が使っていた武器・鋼糸【絡新婦】のヤドリガミ。
白い女物の着物を着用しているが、
名前沿った姿なだけで、オネエとかではなく中身はれっきとした男。

子供や親子中心に一般人には愛想よく接するが、
敵とみなしたら容赦なく叩く。
日常でも戦場でも自分のペースを崩さず、
フェイントや挑発、相手の動きを拘束するように阻害したり、
あえて誘い出してこちらに攻撃を仕向け、
自他へのすきを作り出したりする、戦闘スタイル。
また使えるものはなんでも使う。
元の持ち主の影響で、忍者らしい動きも見せる。

所持する黒い狩衣を着た狐獣人の姿をしたからくり人形は、
かつての主人が作ったものを模したもの、名前はサイギョウ。


「あとひと息、やなぁ?」

 絡新婦は、鋼糸を巧みに操りながらニィと口の端を上げた。
 目の前の主神たるUDC「向日葵」は、もうずいぶんくたびれた様子でいる。他の猟兵たちの攻撃で倒れるのも時間の問題だろう。
 そう判断した絡新婦は、直接攻撃するのではなく、他の皆の支援に回ることとした。

「楽しんでる?」

 余裕のなさそうな敵へ、余裕たっぷりな様子で絡新婦は問いかけた。それは、【お遊戯の時間(レッツプレイ)】の詠唱である。

「た、楽しんでなんていられないよ!っとと!?あっぶない……。」

 律儀にも返答した敵は、使い魔と成り果てた地面や燃えたぎる業火などから必死に逃げ、何とか最後の反撃の機会を伺っているようだが……。

「楽しめてはおらへんか……せや、諦めな。」
「へ?……えっ!?」

 絡新婦のユーベルコードは、戦場にいる「遊戯」を楽しめていない存在の行動速度を5分の1に減速させてしまうものだ。
 他の猟兵たちは、初めこそ行動速度を落としてしまった者もいたが、すぐに効果を悟ると敵愾心に戦う楽しみも含ませ、早々と通常通りの行動速度を取り戻した。
 敵もまた同じことをしようとした様子ではあるが、間断なく見舞われる数々の攻撃や妨害に襲われ、楽しむ余裕など作り出せないようだ。

 夏の日差しの下で軽やかに駆け回る子どものような足取りだった敵は、疲労もあってか、絡新婦のユーベルコードの効果をまともに受けてかなりもたつくようになった。その隙を、猟兵たちは誰ひとり見逃さない。

「ほな、最後の仕上げや。」

 絡新婦も、再び鋼糸を操り敵へと放つ。
 容易く捕縛されてしまった敵は、逃げ出すことも叶わずに次々とその身に傷を増やし、満身創痍になっていった。

「やだよぉ……おかしいよぉ、こんなの……!みんながあたしを信じてくれて、みんなで幸せに生きていただけなのに!」
「その『幸せ』が、本来なら掴み取れるはずだった誰かの『幸せ』の犠牲の上に成り立っているなんて、許されないんだ……!」

 泣きながら嘆く敵へ、そう答えたのは誰だろうか。敵も住民たちも嘆き悲しみ崩れ落ちる中、最後の一撃が強かに敵の身体を撃ち抜き……主神たるUDC「向日葵」は、地に伏すと雲散霧消して姿を失った。

 的確な連携と対策によって厄介な程に強くなったUDCへ勝利した猟兵たちを前に、永年の心の拠り所を目の前で失くした住民たちは、最早何も抗議もできず、茫然自失に陥っていた。狂乱することさえできないほどの衝撃に襲われているのだろう……。
 やがてグリモア猟兵から連絡を受けたであろうUDC組織の構成員たちが到着し、住民たちは抵抗することも無いまま老いも若きも連行されていった。この後、この集落の一族は、法の裁きを受けることになる。

「……最後の夏、やな。」

 いつの間にか山の陰に沈もうとしていた陽光を受けながら、絡新婦は無人となった集落を見渡した。

 自らとその大切な人の幸せを願う気持ちにつけ込んだUDCのやり口は、悲しいがこの先も見つかるかもしれない。しかし、UDCが関わるならグリモアの予知にいつかは引っかかる……その時はまた、こうして戦い、本当の「人としての在り方」に引き戻していくしかない。それもまた、猟兵にしかできない役割なのだ。

 すべてが終わったことを確認した猟兵たちも、それぞれにグリモアベースへ戻り、帰途についた。静まり返った集落にはただ、涼やかな夏風がそよそよと吹き抜けるばかり――。
成功 🔵🔵🔴

最終結果:成功

完成日2021年08月10日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴