2
暴力は悪逆を喚ぶ

#アックス&ウィザーズ

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アックス&ウィザーズ


0





 朝焼けに白む空がある。
 雲の無い、澄んだ青の天上は広く、世界に夜明けを伝えていた。
 山から覗く太陽が光を射し、大地を照らしていって。
「ーー」
 ふと、白い息を見つけた。
 それは陽の白を眩しそうに見つめて目を細め、浅い息を繰り返して、
「ォ」
 唸る。
 大きく口を開け、空気を腹に溜め込み、一拍。
「オオオオオオオ!」
 雄叫びを上げた。
 空気を震わす音に、周りの建物は怯える様にカタカタと鳴いている。
 しかし、人の手によって造られたそこから、生物が現れることはない。
 なぜなら、それらは全て死んでしまっていたからだ。
 殺されてしまっていたからだ。
「オオオオオオオ……」
 勝鬨だった。
 いよいよ光が昇り、それの全景を照らす。
 茶色い肌を、赤黒く染めたそれは化け物だ。
 大斧を片手に、小さな村だった筈の場所。そのただ中に独り立ち尽くす。

 ミノタウロス。

 神話の名を付けられた化け物は、戦いを求めていた。
 強者を殺す事を至上としていた。
 故に、彼は行く。
 次の相手を求めて、命の匂いを辿る。
 収穫されるはずの瓜を手にして口に放り込み、その場を後にした。
「ーー」
 そこに、悪魔が産まれたとも知らずに。


 グリモアベースの片隅に、少女はいた。
 いつもの場所、背もたれの無い椅子に腰掛け、猟兵達を見つめる肆陸・ミサキ(狩られるモノ・f00415)だ。
 ふと、これもいつものように集まってきた彼らにミサキは笑いかけ、そして言う。
「やぁ、遅かったね。僕、待ちくたびれちゃったよ」
 と。
 そうして、仕事だよ、と、これも何時ものように続けて。
「偶然、必然、運命ってあるよね。僕が思うに、今回は偶然出会った運命という説を推したいんだけど……ああいやこっちの話」
 こほん。
「ミノタウロスって呼ばれる化け物がいる。戦いを望み、人の集まる場所へ赴いては暴れて回る……まあ台風みたいな奴だね」
 それが今回、なんの因果か、もう一つ厄介な出来事を産み出してしまった。
「レッサーデーモン」
 それは、儀式によって喚ばれる、契約の悪魔の名だ。
 しかし今回は、既に喚ばれていて、封印されていた所を解放された状況になっている。
「つまり、御するべき者。主を亡くした状態で封印を解かれたわけだね。ミノタウロスが暴れて壊した中に、壺とか魔方陣とか、そういうのがあったんだろう。誓約の無いそれは、疑似的に解放したミノタウロスとの繋がりがあって、ミノタウロスの求めを感じて動く」
 つまりは人を襲うというわけだ。
 強者を求めて動き、戦いを行ってしまう。
「ほっといたら被害は広がるばかりだけど、今なら僕の転移で動き出す前に潰せる。悪魔も化け物も、まだ予知の範囲内だからね」
 現地に飛び、悪魔を殲滅して、化け物を追って倒す。
 流れとしてはそんなところだ。
「みんななら、きっと大丈夫。信じてるからね?」
 クスッと笑った少女は、黒いキューブのグリモアを取り出す。
 そうして世界を繋ぎ、無人となった村へと、猟兵を送り届けるのだ。
「いってらっしゃい、気を付けて」


ぴょんぴょん跳び鯉丸
 はい、私です。
 今回もかなりオーソドックスを意識してます。
 えっ、やだっ、これわかりやすすぎ……!
 と自画自賛してますので皆さんも私をほめてください。

 さておきお仕事です。
 敵の情報はOPにありますので、こちらは第3章の情報を少しだけ。
 釣りをします。

 それでは、頑張りましょうね。
97




第1章 集団戦 『レッサーデーモン』

POW   :    悪魔の三叉槍
【手にした三叉槍】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    金縛りの呪言
【手で複雑な印を結んで】から【呪いの言葉】を放ち、【相手を金縛り状態にさせる事】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    呪いの鎖
【投げつけた三叉槍】が命中した対象を爆破し、更に互いを【呪われた漆黒の鎖】で繋ぐ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 無人となったそこに降りたつと、そいつらはいる。
 まさに今、飛び立とうとしているその瞬間だ。
 これ以上の悲劇を食い止めるためにも、倒さねばならない。
橘・焔
○心情
災害は天災だけにしてほしいね
お天道さんがそっぽ向いたらどうしようもないからさ
…でもコイツ、誰が何の為にこんな小さな片田舎に?

【SPD】
冒険とロマンの大地、アックス&ウィザーズ
うん、時間があれば新たな相棒の試運転がてら走り回りたいね
…住民迷惑か、やめよう

「…あれが悪魔。実物は初めて見たわ」
ある種の感動を覚えつつ主旨を思い出す
「…ってヤバい、感心してる場合じゃない!」
今まさに飛び立とうとする悪魔目掛けて飛びかかり、咎力封じを放つ
「ま…ぁまぁ、そう急ぎなさんな…っての!」
体躯が小さい分不利だけど、翼や首に絡めて技でイヤらしく動きを阻害する
「…いい加減、諦めろ!皆、今だ!!」
後は仲間に任せた!



 転移は、まず空へと繋がっていた。
 緩慢とした降下の最中に、まず橘・焔(転生のオデュッセイア・f01608)が見るのは、広大な世界の景色だった。
「おお……」
 連なる山々の、なだらかな流線形。
 その肌を、新しく持ったバイクで駆けるというのはどうだろうか。
 何物も侵したことの無い大地に痕を残して走るのは、試運転としては最上のシチュエーションではないかと、そう思う。
「……って、そんな事考える余裕も無いか」
 ふわり。
 一番手に着地した彼女は、まだ転移途中の猟兵達を横目に、正面、まさに今羽ばたきをいれようとする悪魔へ向かい、地を蹴った。
「こんな片田舎に、なんで……いや、それも後回し……!」
 既に二匹、空へ登った。
 追わなければと、行く最中に焦り、しかしこちらに気付いた個体の相手もしなければならない。
 向き直るそいつらは、極太の両手指を器用に合わせ、形をいくつか作っていく。
 そうやって、術の起動に必要な手順を踏んでいるのだ。
 次に起こるのは、顔から伸びた口を開けての呪詛。言葉による金縛りの暗示だ。
「こん、の……!」
 横っ飛びする。
 足止めを食らえば追い付くどころのはなしではない上に、回避するのもそれはそれで時間が惜しい。
 だから、焔は跳んだ。
 横っ飛びの着地を民家の壁に、そのまま跳ねっ返りで呪詛を放った悪魔の鼻先を踏む。
「そう急ぎなさんな……っての!」
 足場だ。
 そこを蹴って更に上へ。
 上空にいる悪魔の手首へ枷を。隣に居る悪魔には、猿轡に使う手拭いを首へ。
 それぞれの両端をロープに繋いで、思いきり引いて大地へ戻し、
「みんな悪い、任せた……!」
 そうして、バトンタッチした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サフィリアリス・エレクトラガント
あらあら、今回は悪魔や魔物がお相手となるわけですね?
でしたら、きっと私の領分です
うふふ、暴力のままに暴れ回る悪魔さんたち、魔王たる私がお相手ですよ


使用するユーベルコードは「美しい絆をお見せしますね」
【屈強な巨体と力を持つ悪魔将軍】と【凶悪な魔術と抗いがたい魅了を持つ女淫魔将軍】のお二人を召喚します
小さな悪魔さん達が相手ならあなた達の出番ですよね?
存分に暴れて力を示してください、人の世を乱そうとすることがどれだけ愚かなことかを。

私は後方で応援することしかできませんが、技能【恐怖を与える】によって悪魔ならきっと感じてくれるはずでしょう
創作世界とはいえ、魔王であったこの身から感じる恐怖を……



「あらあら、任されてしまいました」
 サフィリアリス・エレクトラガント(魔王様の仰せのままに・f13217)は、それを微笑みで見ている。
 位置は少し離れた所。距離は少し離れていて、ドシャ、と言う悪魔二匹の落ちる音が届いている。
「今回は魔性の者がお相手と聞いています。つまりそれは、私の領分なのでしょう」
 笑みの吐息を漏らす。
 うふふ、と。微かなその声を、悪魔は聞いた。
 落下の衝撃から立ち直り、目を剥くとそこにいるのは、銀髪の女だ。
「グオオオオ!」
 戦いを。
 悪魔はただ、闘争と殺戮を望んでいた。
 だから、動く。
 手にした三叉の槍を、柄の中程を掴んで肩に構え、一歩。
 踏み込みと同時に投げつけた。
「あぁ、怖い」
 三つの先端が縦に並び、刺し貫こうとするそれを、サフィリアリスは笑った。
 怖いと嘯きながら、それが自身へ届く事はないとわかっているからだ。
 事実、目の前でピタリとそれは止まる。
「紹介しますね」
 止めたのは、悪魔だった。
 ただし、その悪魔。サフィリアリスに仕え、サフィリアリスだけのために戦う悪魔だ。
 ならばと、地に墜ちたもう一匹。そいつが突撃の構えをとれば、しかしそれも止められる。
 行ったのは淫魔だった。
 いつの間に回ったのか、悪魔を背後から絡み付くように抱いて、動くことそのものを制限している。
 彼女もまたサフィリアリスに喚ばれ、その命に従う者。
「私のお友達……うふふ、頼りになるんですよ?」
 二匹の悪魔は恐怖した。
 二人の悪魔にではない、むしろ無力さすら見せるサフィリアリスに、だ。
 動かないが動じず、戦わないが戦力を持つ。
 何者かわからないその存在を恐れたのだ。
 そして、逃げようとも戦おうともする間もなく、二匹の悪魔はこの世からの消滅を与えられた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナミル・タグイール
敵を蹴散らすだけだにゃ!猫でもわかる簡単なお仕事デスにゃー!
ナミルに任せろにゃ!
どっちのお宝パワー(呪詛)が強いか勝負デスにゃ!
・行動
突撃にゃー!
敵がいっぱいいるなら最初から【堕獣の腕輪】使っちゃうにゃ!
敵のど真ん中に飛び込んで発動したいにゃ。
近くに誰かいるなら気をつけてにゃー!
(呪われ感とケモ度が上がる)
敵の攻撃なんて無視してパワー!デスにゃ!【捨て身の一撃】にゃ
【呪詛】纏った斧か爪振り回して蹂躙してやるマスにゃー!

・何でも歓迎


ベリル・モルガナイト
あなた。たちも。呼ばれた。だけ。なの。だろうけれど
あなた。たちを。行かせる。わけには。いかない。の

悪魔。たちの。目が。引きつけ。られる。ように
まとまっている。所へと。飛び込んで。いく。わ
【其れは脆くも儚き桜の城壁】で。身体能力が。強化。されたら
手に持った。剣で。攻撃を。【武器受け】。して。いくわ。ね
攻撃が。他の方へ。いかないよう。【かばう】ように。する。わ

私は。盾。なのだから
私。以外の。すべてを。守り抜いて。みせる。わ

【アドリブ、他の方との絡みは歓迎】



「そう」
 ベリル・モルガナイト(宝石の守護騎士・f09325)は理解の頷きを一つ入れる。
 なるほど、と。
「あなた。たちは。ただ。呼ばれた」
 呼ばれたから訪れ、何かを経て封じられ、そうして偶発的にまた起こされた。
 ただ、それだけなのだろう。
「でも。ごめん。なさいね。行かせて。あげるのは。できない」
 行うのが暴力で、傷つく人が居るのならば。
 それを守るためにこそ、自分は在る。
 だから。
「来なさい」
 敵陣の中へと身を差し出す。
 歩いて、一歩、一歩と進み、敵に囲まれ、
「!」
 三叉槍が繰り出される。
 バスタードソードとルーンソード、両手に持つ二振りでそれを受けるが、数が数だ。
 貫きの傷が体に刻まれていく。
 だがしかし。いやだからこそ。
「私は。盾。私以外。すべてを。守る。盾」
 彼女の守りは頑強になる。
 集中される攻撃を受け、捌き、弾いて、しかしそれまでだ。
 守りは長けても攻撃に移る事は難しい。
 故に、相性がいい。
「突撃にゃー!」
 ナミル・タグイール(呪飾獣・f00003)の動きとの相性だ。
「蹴散らすだけ! 単純明快、猫の手貸しちゃうデス、にゃ!」
 飛び込んでいく。
 ベリルの正面だ。
「今から暴れるデスにゃ、いいかにゃ?」
「ええ。どうぞ。存分。に」
 しゃがんだ猫のようなポーズで振り返り、問いを投げてくるナミルの言葉に、ベリルは頷く。
「にゃら行きマスので気を付けてデスにゃ!」
 許可が出た。
 愛くるしい笑顔でそれを笑い、次の瞬間に変わる。
 歯を剥き出しに、爪を伸ばして、踏みしめる土を抉って。
 行く。
「シャァ!」
 目の前に動くナニかがいる。
 だから爪を立て裂く。
 横にナニかが伸びてくる。
 だから払う拳で砕く。
 飛ぶナニかがいる。
 だからそれより高く跳び、踏んで爪を立て、墜落させて踏み潰す。
 速く動くものは、敵であろうと槍であろうと攻撃対象なのだと認識する。
 それがナミルのユーベルコード。
「苛烈。です」
 そしてベリルは動かない、不動の守りを見せる事で敵を動かせ、ナミルのターゲットを敵に集中させる。
 攻めと守り、方向性の合致で生まれる、即興のコンビネーションがそこにあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

柊・明日真
牛の化け物に悪魔と来たか…傍迷惑な話だ。
まぁ、追って倒すだけだし、分り易くて良いけどな。

悪魔を見つけ次第【ダッシュ】で接近、逃げられる前に仕掛けに行く。
闘いたがってるなら戦闘が始まりゃ逃げられることも無いだろ。
【見切り】で奴らの位置を確認、極力囲まれない様に動いて手近な奴から斬っていく。
槍を投げてくるのは厄介だな、喰らう前に【ライオットシュート】で叩き落す。
攻撃を食らいそうなら【武器受け、激痛耐性、呪詛耐性】で耐えて反撃だ。

こいつら相手に時間かけてられねえ。一気に押し通すぞ!


アベル・スカイウインド
【SPD】

強者を求めて戦う化け物か…フッ、会うのが楽しみだ。

その前にまずはレッサーデーモンか…飛び立つ前に【先制攻撃】だ。俺の【ドラゴンダイブ】で叩き潰してやろう。
「どこへ行こうってんだ。強い奴とやり合いたいんだろう?ならば相手をしてやるぞ」
【空中戦】を主体に【見切り】を使って攻撃を躱しながらやつらの急所を【串刺し】にしてやるとしよう。
敵のユーベルコードを受けると厄介だな。俺は身軽さが売りだからな…動きを封じられたらたまったもんじゃない。
発動前に潰したいが、もし受けてしまっても一人で戦っているわけではないからな。仲間を信じるさ。



「天を仰ぎ、そして俺を見ろ!」
 空があった。
 青い空だ。
 そこに向かって、果てないそこへ向かって。
 アベル・スカイウインド(天翔ける稲妻・f12583)はいた。
 猫だ。
 ケットシーである彼は空に在る。
 跳躍によって上昇を続けていた体は限界点にたどり着き、一時的な滞空を得て、眼下を見た。
 敵が……悪魔がいる。
 強者を求め、さ迷う化け物が揺り起こしたものらしい。
「フッ、本命前の肩慣らしだ」
 見下ろす猫に、見上げる悪魔の目と目が逢う。
「では行くぞ」
 頭を下に、自由落下の加速でアベルは行く。
 自身の丈を越えた槍を抱くように構え、穂先をこちらへ飛び上がってくる悪魔に向けた。
 行く。
 繰り出される三叉槍、その横を滑るようにして回避し、顔面を串刺しにして貫通した。
「強い奴とやり合いたいんだろう? ならば喜ぶといい……ここに、居るぞ!」
 落ちて行く。
 羽ばたく敵を貫き、時にジャンプ用の足場として、次々に撃墜していった。
「む……!」
 だがそこに、地上から攻撃の気配がある。
 空中にいるからこそ手が届かない敵からの攻撃だ。
「う」
 空で動きを封じられるのは、困る。
「お」
 しかしどうしたものか。敵の口は大きく開き、こちらに向いてしまっている。
「りゃ」
 その一瞬、思案の最中に、
「ああああッ!」
 敵の顔面が吹き飛んだ。
 それを行ったのは、柊・明日真(刻印の剣・f01361)の飛び蹴りだった。
「ハッ、ざまぁーーうぉっ」
 してやったりの笑顔は、横合いからの槍投げによって阻まれる。
 腹を狙いに放たれた凶刃だ。
 手にした剣で受けるが、空中で堪える事はできず、衝撃に明日真は吹き飛んでいく。
 二度、三度と転がり、受け身を取って立ち上がり、
「てめぇらに時間かけてられねぇんだよ……!」
 弾く様に地を蹴って行く。
 真っ赤な刀身を振り抜いて、ちりばめられる緋色の軌跡は悪魔の鮮血だ。
「一気に決めるぜ」
 迎撃に来る槍は様々で、普通に突き出してくるものや、叩き付けるようにしてくるもの。
 投げつけて、爆破を試みてくるものなどがある。
 それらすべて、悉くを、明日真は払っていた。
 剣で、蹴りで、時に回避して、そうして。
「消えな」
 悪魔の消滅する残滓の中、着地したアベルと共に残心していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

明智・珠稀
く、ふふ。かしこまりました。
悪魔も化け物も殲滅してまいりましょう、ふふ…!

■戦闘
あぁ、なんて筋肉質なんでしょう…!とうっとりしている場合はなさそうですね、ふふ!
(飛び立とうとする敵に小型拳銃【闇霞】で遠距離攻撃)
台風になる前に、私の花弁で散らしてみせましょう…!
(UC【青薔薇吐息】で多くの敵に範囲攻撃を。
敵の攻撃にはオーラシールドで防御し、レガリアスシューズでの蹴りでカウンター狙い。弱った相手に近づき)
さぁ、おやすみなさい…!
(妖刀で一体一体確実に仕留める)
さぁ、かかってきてください、もっと楽しみましょう…!
(不適に笑みながら、刀を振るうド変態)

※アドリブ、絡み大歓迎です!!



「ああ、消えていく……」
 倒れ、塵へ還る悪魔達。
 まだ体の残るそれを、しゃがんだ明智・珠稀(和吸血鬼、妖刀添え・f00992)は声を漏らして見送る。
「みっちり肉のつまった筋肉質……ふふ、うっとりしてしまいます」
 憂いを秘め、伏せた瞳が弓なりになって笑みを作っている。
 彼は少し、変だった。
「おっと、それどころではないのでした、ええ、忘れていませんよ、ふふ」
 鞘から刀を抜き放ち、手を離す。支えを無くしたそれは、瞬間、姿を変態する。
 青薔薇だった。
 それも一つ二つではない、無数の薔薇だ。
 それが、咲くように開き、花びらとなって悪魔を切り刻む。
「あぁ、愛です、愛……ふふ、愛されてくださいね」
 彼は意味の違う変態だった。
 うすら笑みで手当たり次第に刻み、しかし包囲網を抜けてやって来た敵には防御で対応する。
 オーラを丸く形成し、盾代わりとして槍の穂先をずらす。
 隙を作り出したその後は、こめかみに向けて足の爪先を思いきりぶちこんで倒した。
「さあもっと、かかってきてください」
 薔薇を集めて刀に戻す。
「もっと、もっと、楽しみましょう? ふふ……!」
 残りわずかな悪魔達を、その刀で駆逐し終えるまで、彼の動きは止まらなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ミノタウロス』

POW   :    マキ割りクラッシャー
単純で重い【大斧 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    暴れ牛の咆哮
【強烈な咆哮 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【突進】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    ベジタリアン・テンポラリーヒール
戦闘中に食べた【野菜 】の量と質に応じて【身体に出来た傷が塞がり、気分が高揚し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はクロ・ネコノです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達は悪魔を殲滅した。
 しかし休む間を得ることはない。
「追いかけよう」
 本命は別にいる、倒さねばならない相手がいるのだ。
 行かなければと、焦りがある。
 そうして、追いかける最中。
 目当てはすぐに見つかった。
 食べ散らかした食物が、目印の様に続いていたからだ。
「ーー」
 化け物が、ミノタウロスが気配に振り返る。
 猟兵達を見つけ、口をにんまりと歪ませ、その大斧を掲げて、
「オオオオオオオ!」
 歓喜の声をあげた。
ベリル・モルガナイト
これ以上。貴方の好きに。させる。わけには。いかない。の
だから。いく。わ。

私は。盾
私の。後ろには。守るべき。者が。居る

前に。出て。敵を【誘き寄せる】。わ
強化された。身体能力と。【武器受け】で。斧を。受け止めて。皆の。盾に。なる

私。以外を。攻撃。しようと。したら。【かばう】で。受け止める

私が。攻撃を。受け止めて。いる。間に
皆に。攻撃して。もらう。わ

【アドリブ、他の方との絡みは歓迎】


アベル・スカイウインド
【SPD】

食い意地の張っているやつで助かった。すぐに追いつくことができたな。
…なるほど手ごわそうだ。フッ、だがそうでなくて面白くない。

やられる前にやるぞ。【ダッシュ】【ジャンプ】で急接近して【先制攻撃】だ。飛んだり跳ねたりの【空中戦】を仕掛けてやろう。
俺の【ヴァンキッシュ】でやつの攻撃を抑えつつユーベルコードを封じることができれば最良だが、果たしてどうなるか。
やつの攻撃は【野生の勘】も働かせながら【見切り】で回避する。
あの斧の一撃…受ければただでは済まないだろうからな。



 牛が動く。
 地を蹴り込み、前へ突進するその動きは速い。
 がっしりとした体格からは想像の出来ない俊敏さは、脚のバネによる跳躍だ。
 そうして、居並ぶ猟兵達に肉薄をしたそいつは斧を振り上げ。
「仲間。守る。わ」
 その正面にベリルは割り込んだ。
 縦に、振り落ちてくる斧を見据え、両手の剣を交差させて受け止め、
「ーー!」
 膝が折れる。
 身体能力を強化した体でも受けきれない衝撃に、彼女の顔は苦悶に歪んだ。
 いや、それだけでは止まらなかった。
 戦闘に慣れたミノタウロスだ、一撃で攻撃を終えることはしない。
「ぐ……」
 蹴りだ。頑強な毛皮に覆われた脚が横振りに、ベリルの体を弾き飛ばす。
「なるほど、面白い」
 その飛んでいく体の後ろから、アベルがミノタウロスへと飛び込んでいく。
 間隙を入れてはいけない。
 手強さを感じて、そう確信し、だから行く。
「その脚、戻す前に叩く!」
 まず行ったのは、脚への攻撃だった。
 投擲用のナイフを突き立て、一時の固定に使う、ついでの攻撃だ。
 そこを足場にして、一直線に目へ向かって跳ぶ。
「グオォォ!」
 そこに、音が叩き込まれた。
 至近距離からの咆哮は、小さなアベルには十分に物理的影響がある。
「うおーー」
 吹き飛ばされ、一瞬の隙。
 頭からの短距離突進を、ミノタウロスは行う。
 それを回避する為の呼吸が一拍、アベルには足りない。
 直撃する。
「いいえ。いいえ」
 いや、当たらなかった。
 ドン、と、鈍い音はしたが、それはアベルになんら影響しないものだ。
 それは、
「私は。盾。だから。好きに。は。させない」
 割り込むベリルとぶつかった音だった。
 突進に、背中を向けて受け止め、両足の踏ん張りで進撃を食い止めている。
「感謝を……!」
 一拍を得られた。
 槍の柄を脇に締め、空を蹴ってアベルは行く。
 チャンスとしては一瞬だろう。
 攻撃は一撃、ただそれをぶちこまなければいけない。
「お」
 行く。
 両手に握り、槍の穂先をミノタウロスの右目へと向けて。
「おおお!」
 叩き込んだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

橘・焔
○心情
…この世界ってこんなのがそこらを闊歩してるの?
「災害は天災だけに~」って言ったけど前言撤回
お前みたいな天災はまっぴらご免だ!

【POW】
パワー自慢の相手ほど、重量級の武器であるほど動きは直線的で読みやすい
“溜め”と解き放つ瞬間を狙って、一気にカタをつける

巨体と怪力を活かして大斧を振るう化け物の周りを、小柄な体躯と身軽な身のこなしで駆け回って回避行動を続ける
痺れを切らした敵が大斧を振り下ろすタイミングを狙って地を蹴り跳躍
相手の破壊力をそのまま駆動力に変えて上空へ高く舞い上がる
「そのデカイ図体(まと)…、外しはしないッ!『時よ止まれ、汝はいかにも美しい』!」
光の十字架の丘で、己が罪を償うべし…


柊・明日真
【アドリブ歓迎】
さてと…ここは一つ、力比べに付き合ってもらうとするか!
いくぜデカいの。死ぬまで楽しませてやるよ。

見るからにタフそうだし、大技じゃねえと決定打にはならなさそうだ。
隙を作って仕掛けてみるか。

懐に飛び込んで【武器受け、見切り】で攻撃を凌ぎつつ、少しでも動きを鈍らせるよう足を削りながら隙を伺う。
奴にデカい隙が見えたら【カウンター、捨て身の一撃】【烈震の刻印】でありったけをぶち込む!

逃がしゃしねえよ。ここで朽ちていけ!



「ウオオオオオッ!」
 叫びだ。
 片目を潰された、ミノタウロスの怒りから来る叫び。
 それが、ベリルを引き剥がし、アベルを払い除け、荒い息と共に後ろへ下がる。
「逃がしゃしねえよ」
 それを、明日真が追った。
 ……冷静だな。
 前へと踏み出していきながら、彼は思う。
 至極、冷静な思考を持った相手だと。
 戦いを求め、戦いに生きる上で、必要な素質だ。いや、あるいは戦いで身に付けたのか。
 いずれにしても。
「付き合ってもらうぜ。求めたのはそっちだからな」
 やることは変わらない。
 武器に刻んだ刻印へ魔力を流し、鉄甲へ変える。払う横薙ぎの斧をしゃがんで避け、前へ跳ね、懐へ。
「っし!」
 殴る。
 下腹部への捩じ込む拳の一撃だ。
「やっぱタフか……!」
 手応えは硬かった。筋肉の壁を抜け、砕くような感触は無い。
 お返しにと、ミノタウロスの拳がフックを打つ動きで叩き込まれる。
 ……デケえ一撃じゃねえと。
 腕を縦に、防御の構えで受け止め、そう思う。
 が、その隙は彼では作れない。
「お邪魔するよ、っと!」
 一人だけでは。
 だがそこに、焔が加わる。
 踏み出した足で地を蹴って、ミノタウロスの顔面に手を伸ばす。
 それを支点にして敵を越え、背後への着地を成功させ、
「うおっと……!」
 振り返りの裏拳をギリギリで回避した。
「パワー自慢の重量級ーーってわけでもないのか!」
 追従が来る。
 避けた体の先に、ミノタウロスの脚が来ていた。
 それを、跳ねた体を抱いて丸めて飛び越え、着地と同時に見上げればすでに、敵の拳は目の前だ。
「うぇ」
 回避する。
 敵の足元へ転がり、横を通りすぎてまた背後へ。
「まさかこの世界、こんなのがそこらじゅうにいるわけじゃないよね……!」
 回避に専念をするのではなく、させられる。
 この流れはマズイ。
 思い、だが不安は無かった。
「こっち無視すんな!」
「グァ!?」
 焔に向かう間、明日真への注意は疎かになる。その瞬間を狙わない手はないと、わかっているのだから。
「その隙、もらった」
 明日真のローキックがミノタウロスの内膝を叩き、脚を折って膝を付かせる。その体を焔が駆け寄って脚を掛け、登って上へ飛び、そして言うのだ。
「時よ止まれ」
 と。
 神々しい光の十字を生み出して、それを降り注がせる。
「……ッッッ!」
 受ける。
 ミノタウロスはその光量を、背中で受けるで耐えようとした。
 事実、防御に傾注している間は、それを凌ぐことは可能だろう。
「ーーおい」
 懐に、明日真が居た。
 刻印で変化した戦斧を持って、だ。
 大きく、背中へ向かって反らせて構え、
「てめぇはここで、朽ちていけ」
 振り子の様に振り上げるそれを、腹にぶちこんだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ナミル・タグイール
むきむきもふもふデスにゃ。
ぱわー強そうだけどナミルもパワーなら負けないデスにゃー!
力比べデスにゃー!
・行動
戦いを求めてるらしいし相手になってやるマスにゃー!
突撃にゃ!ぱわーデスにゃー!
斧で力比べにゃ!ナミルのは【呪詛】纏ってる斧だけどお宝パワーだからにゃ仕方ないにゃ
【グラウンドクラッシャー】でドッカンバトルにゃ!捨て身でゴーにゃー!
そんな鉄の斧よりナミルの金ぴか斧のほうが強いデスにゃー!

…むきむきすぎるにゃー!たふねすにゃー
ザクザクしてれば呪詛パワーで弱体化とか狙えないかにゃ。
援護は大歓迎デスにゃ!
・なんでも大歓迎



「うーんむきむきもふもふデスにゃ」
 ナイスマッスル。
 かなり強そう……いや実際、パワーも動きも手強い。
「そしてちょータフにゃね」
 ダメージは、与えているはずだ。
 深い傷も少なくない。
 しかし健在で、まだ動いて暴れまわる元気もあると見える。
 それに対してどう攻め、切り崩していくかを考え、
「突撃にゃー!」
 なかった。
 ナミルは行く。
 手にしたのは黄金の斧。破壊の名を冠された、妖しき業物だ。
 それを、ジャンプと共に振り上げ、脳天目指して振り下ろす。
「ぐにに……っ」
 甲高く、しかし低い、痺れる音がする。
 ミノタウロスとナミルの斧がぶつかり合った音だ。
 受け止めたミノタウロスの足は地面にめりこんでヒビを広げ、対してナミルは空中にいるため滞空は出来ず、自分のパワーの返るままに飛んでいった。
「まだまだにゃ……!」
 着地、跳び、振り回し。
 衝撃に硬直するミノタウロスの背中目掛けて、斧の刃が斜めに食い込んだ。
「グ、オ、オオオオ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

フィーリ・アスタリスク
【血雫】
ミノタウロス、知識では知っていたけどいるもんなんだな。
女将ならなんか料理にして出しそうだ。牛っぽいし。

仲間が攻撃した後
ミノタウロスの咆哮が来る直前にコードを使用し
手首、肘、膝を狙う。
武器落とし、鎧砕き、鎧無視で
敵の足止めと武器落としを狙う。
その後、仲間が攻撃をした後で二回攻撃でコードを使用し
敵の目元を狙う。

敵が攻撃した場合は見切りでできるだけ
攻撃を負わないようにする。
その場合攻撃を避けつつ観察し、癖や攻撃パターンを探る。


マシュヘル・インアセル
血雫】
さぁガンガン攻めていくわよ
ミノの肉って筋張ってるから食べられる場所はあんまりないけど…あるなら探してみてもいいわよね?


機会が来るまでは敵の攻撃を避けながら対処していくわ
相手の癖とか一連の動きを見ながら離れては近付いて攻撃を繰り返していく

咆哮を放つ動作が見えたら相手の懐へ向かう
開口の一瞬を見計らって真下からの振り上げによる惰力と【怪力】を活かしたアッパーでミノの顎を思いっきりカチ上げてタンを噛ませるわ
その後コードを使用
多分苦痛だったりとか手足を凍らされたりで隙だらけになってると思うのだけど、全部当たるかしら

その後、彼が凍らせた部位にホワイトデビルを突き刺すわ
傷口をえぐる形になるならいいわね



 悲鳴にも似た声と同時に、ナミルはミノタウロスが放った後ろ蹴りで跳ね飛ばされる。
 両者の間に開いた距離が出来、しかしミノタウロスに休息は訪れない。
「凍れ」
 フィーリ・アスタリスク(雪の月・f00557)の放つ鎌風が襲い掛かるからだ。
 彼の狙いは、手首と肘と膝。
 武器を持ち、支える箇所を攻撃して、手から得物を落とさせるつもりだった。
 命中は算段通りに、しかし狙いは達成されない。
「知識として知るより牛っぽくて、実際の動きは立派に魔物だな、コイツは」
 防御された。
 その事実だけがある。
「想定と違うなんて、実戦じゃよくあることよ」
 その、防御する筋肉の上を、マシュヘル・インアセル(酒場の女主人・f02486)はホワイトデビルの間合いギリギリで斬り付ける。
「筋張ってるわね……食べられなさそう」
 バックステップで距離を取りつつ回り込み、また近づいて斬り付ける。
 ヒットアンドアウェイの戦法で機を伺いながら、マシュヘルは軽口を叩く。
「女将なら、使える所見つけて、一品くらい作ってしまいそうだ」
「あら、いいわね。探してみましょうか?」
「……足元掬われないようにな」
 そして、二人で行く。
 決して敵の間合いに深入りせず、一つ一つの斬撃を刻むマシュヘルを、ミノタウロスは追った。
 だが、そちらにばかり気を取られれば、フィーリの鎌風が付けられた傷を凍らせてしまう。
「オオ……!」
 しかしそんなこと、ミノタウロスはお構いなしだった。
 ダメージとして気にならないとでも言うように、ただひたすらにマシュヘルへ狙いを定めている。
 そして、一息を吸った。
 咆哮の為の、溜め。
「っ」
 その瞬間を、マシュヘルは狙っていた。
 ホワイトデビルは片手に預け、開いた手を握り、懐へ。
 大きく口の中を見せる、その顎を目掛けて、渾身のアッパーを打ち込みに行く。
 踏み込む。腕を後ろから下。下から上へ。地を蹴って跳ねて勢いをつけて。
「な」
 避けられた。
 上体を後ろへ反る事で、拳の軌道から顎を外したのだ。
 マズイと、思う間もなく叫びは来て。
「ーー」
 肩からぶちこまれる突撃が、マシュヘルを吹き飛ばした。
 ニタリと、化物が感触に笑う。
 仕留めたと、そう思う一瞬だ。
 だがその一瞬の内にソレは見た。
 目の前の光景、飛んでいく女と、飛んでくる白い風。
「凍れーー」
 そして、左目を切り裂いて凍りつける、男の顔。
 潰された右目と凍らされた左目の見た、忌まわしき敵の姿だった。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

明智・珠稀
く、ふふ…!
あぁ、これまた屈強な…!(うっとり)
ふふ、戦い甲斐が更にありそうですね、さぁ愛し合いましょう…!
(妖刀を構え、UC【血統覚醒】発動)

■戦闘
装備の【明智のマント】をひらひらと翻し
「赤い布ではなくて残念ですが、ふふ…」
敵のPOW攻撃を誘導し、タイミングを合わせ【カウンター】を試み
妖刀での【気絶攻撃】やレガリアスシューズでの【マヒ攻撃】を狙う
「あぁ、闘牛士の気分で胸が高まります…!」
寿命減るのも気にせず、ヴァンパイアの能力を愉しむように激しく闘い
「あぁ、どんなお味がするのでしょう…!」
近寄るチャンスあらば【吸血】かつ【生命力吸収】を
「あぁ、美味しいです…!」

※アドリブ、絡み大歓迎ですっ!



 視界は失われてはいない。
 だが、見分けられることもない。
 ミノタウロスは音や匂い、気配で敵を探る。
「く……」
 漏れた、と。そう言うような吐息を、耳が敏感に感じ取った。
「ふふふ」
 いや、明確な息だ。
 呼吸等の必要な物では無い、笑いの息。
「おいでなさい」
 音を辿り、もうぼんやりとしか映らない視界でそれを探す。
 黒い何かが、白くぼんやりとした中を動いている。
 敵だ。直感でそう思う。
 だから、斧を振り上げそこへ向かった。
「ウオオオオオ!」
 振り下ろす。
 しかし返る手応えは、大地を削る硬い感触だ。
 そして一拍を置いて、後頭部への衝撃がある。
「闘牛士の気分です、ああ……赤いマントでないのが惜しい……!」
 つんのめる体を踏み堪えて、振り返す様に斧を払うが、やはりそれは空を切って、
「貴方の血……美味しいです、ふふ……自分で味わえないのが残念ですねぇ」
 腹の熱さを感じた。
 斬られたのだと、理解は早く、しかし解せないのは相手の速度だ。
 見えないミノタウロスには理解しようもないが、ソレを弄ぶ様に動く珠稀は今、ダークセイヴァーに生きるヴァンパイアに引けを取らない身体能力を得ている。
 だから、ミノタウロスはそれに付いていけない。
 ただ斬られ、蹴られ、血を奪われていく。
 ただ、それだけだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サフィリアリス・エレクトラガント
悪魔たちを蹴散らしました。
そうなれば後は仕上げですね?
暴力をふるう牛さんにはご退場いただきましょうね


使用するユーベルコードは「光の女神様はあなたの味方」
悪魔さん達には伝わりましたけど、あなたにはどうでしょう?
いいえ、あなたも魔物の類。
であれば……技能【恐怖を与える】と【殺気】によって、かつて魔王であったこの身から恐怖、感じてくださいますよね……?

一かけらでも恐怖を感じてくだされば、後は召喚した光の女神様のお仕事。

あなたの恐怖を感知して光刃を放ちます、あなたを切り刻むべく。
大丈夫ですよ、斬られたあなたは恐怖が増幅される……
ふふ、恐怖によりあなたがどうなるか楽しみですね?



 いいや、違う。
 それだけだ、なんてことは無かった。
 確かに、今、ミノタウロスに与えられるものがある。
 それは胸中、心にあるもの。
 戦う限り。理性が、知性がある限り、失うことのないそれは、感情だ。
「怖いですか?」
 恐怖だ。
 傷付くことが怖い、痛みが怖い、死が怖い。
 戦闘を求める以上、絶対に忘れてはいけない感情で、闘争心によって奮い立たせられるべき感情が、今。
 ミノタウロスの全身を駆け巡る。
「大丈夫です」
 大丈夫ではなかった。
 語られる言葉は嘘だ。騙っているだけなのだ。
 で、なければ。
 心より震え上がる感情が、肢体を支配などしないのだから。
「恐いのも」
 しかし、暖かみを感じる。
 光もだ。
「痛いのも」
 目の前に、何かがいる。
 ソレは、ソレ自体が光を纏っている。
 だからそれに照らされ、体はその熱量に暖かさを感じ、そして血の気の引いていく感覚に芯が寒くなっていくのだ。
「一瞬です」
 心が死んで逝く。
 体が、刃に刻まれる度、抗えない感情が爆発して。
「さようなら牛さん。恐怖の末は、死でしたね」
 彼の命は負荷に潰された。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『川でヌシ釣り』

POW   :    力任せに竿を引いたり、ヌシが食いつくまでじっと待つ

SPD   :    素早い位置変更やロッドさばきでヌシを欺く

WIZ   :    ヌシの習性や周囲の地形を分析する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「釣りをしよう」
 唐突な提案だった。
 特に理由もない。
 ミノタウロスによる暴力はもう起きないし、亡くされた命への弔いは済んだ。
 あとはただ、帰るだけ。
 それなら、少し、気分転換もいいのではないだろうかと。
 ただ、それだけのこと。
サフィリアリス・エレクトラガント
暴力をふるう牛さんは消えました
やることは終わりましたね
後は帰るだけだから……うふふ、釣り、良いですね。
私もちょっと真剣に釣りに挑んでみましょうか


【WIZ】で判定
どうせ狙うならヌシを狙いたいですよね。
巨大なヌシであり、周囲の地形や習性は重要ですね……
ヌシは簡単に捕まらない、そしてやはり巨体でしょう

大きな岩陰を狙いましょう
習性はやはりわからないのですが……周囲の魚達から恐れられる存在かもしれません
周りの魚の様子を見て……
位置を決めたら後は釣り糸を垂らして、ヌシが喰いついたら勝負です!




 用意された釣竿はいくつかある。
 といっても、それは数の話だ。
 種類としては、大半がよくある一本釣り用のモノ。
 その一つを、サフィリアリスは手に取った。
「うふふ、やることは終わりましたし、帰る前の釣り……ええ、ちょっと真剣に挑んでみましょうか」
 竿を肩に担ぎ、川縁を歩く。
 ……狙うなら、ヌシです。
 水面を見て、それが住む世界を観察する。
 生きているモノなら、そこには癖があり、そして必ず痕跡は残るはずだ。
 とはいえ水の中。
 絶えず揺れ動くそこでは痕跡を見つけるのは至難の技だろう。
「ですが、ヌシともなれば……」
 周りに魚は寄り付いていないかもしれないと、そう思う。
 ジッ、と、魚影の動きを追って、影の大きくなる岩場のそこへ糸を垂らしてみた。
「巨体のはず。身を隠せる場所も限られていて、居る可能性となると……!」
 思う間に、手応えが来た。
 グンッと引かれる感触が、手のひらに伝わってくる。
「ここから、勝負、です!」
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミニョン・アンソルスラン
【夕飯の準備】
よーし!今日の晩御飯バッチリゲットして帰ろうか!
みんな協力してネ!(3体の竜
に目配せして)

🎣
(長期戦ですっかり飽きてきてアンソルスランに竿を任せてたらいつのまにかヒット!)
えっ!かかった!って重っ!みんな力を貸して!
(3体のパワーを借りて釣り途中、竿が折れて)
逃がさないヨ!ドラゴン・ブレイカーで捕まえるよ!

ラストは魚をゲットして大喜び。

●アドリブOK


メーティオル・スター
今日の夕飯を捕りにきました!
毎日宇宙船のなかでガラクタと格闘してるわけだし、たまには自然の中で息抜きも良いよね。

…一応、釣りを始めるのは亡くなった人たちに手を合わせてからにしようかな。

とりあえずPOWで判定。
実際釣りってやったことないんだけどさ、待つのが醍醐味っていうじゃん?
だからオレもじっと待ってみようかなって。

多分暇になるだろうから、竿から手を離して河川敷で横になって、
ぼんやりと竿を眺めてるよ。


平和だよね、沢山死んだすぐ後だっていうのにさ。
ミサキのお姉ちゃんが予知して、皆が戦わなかったら。
その人達の死も"無かったこと"になっちゃってたんだろうな。


橘・焔
○心情
…釣り、ねぇ
唐突にも程があるけど、気持ちの整理にこういう時間も有効か

【SPD】
川を見渡すほどよい岩の上にちょこんと座る
「…よっ、…ほっ」
釣り経験0だが、文明の利器を活用して釣り師の動画を参考に見様見真似
『時にはじっと待つことも寛容』という記事を見たら今度は動かず待つ
「…ま、針がコレじゃ釣れるワケないんだけど」
ひょいと水面から引き揚げた釣り糸の先には真っ直ぐな縫い針
私の休憩の為にわざわざ魚を傷つける必要はないしね

川のせせらぎと時折聞こえる動物達の声に耳を傾けながら思考を巡らせる
もっと到着が早ければ…
予知がもう少し早ければ…

「…行こうか」
スッと立ち上がってお尻を叩き、立ち上がる
釣果:ボウズ



 想いの定まらないままに、焔は竿を取った。
「釣り……ねぇ」
 唐突が過ぎる提案だと感じる。
 ただ、気持ちの整理をする時間にもなるか、とも。
 もしかしたらこれは、そのためのインターバルなのかもしれない。
「よっ、ほっ……と」
 積み上がって出来た岩場、その頂点へと、彼女は登る。
 そこは、川を一望出来た。
 先に釣糸を垂らしていたサフィリアリスや、意気揚々としているミニョン・アンソルスラン(ドラグーンオンライン・f09768)、メーティオル・スター(屑鉄漁りの見習い冒険者・f05168)の姿も視界に納められる。
 見た感じ、サフィリアリスはおいておいて、ミニョンとメーティオルの目当ては晩御飯の様だ。
「ま、私は私で」
 釣糸を投げ込む。
 ちゃぽん。小さな水音が耳に響く。
 岩を尻に敷き、せせらぎに引かれる糸を眺めて、焔は静かにそこにいた。
「じっと待つことも肝要、って。動画のプロが言ってたし」
 焦らない、焦らない。
 口の中で呟き、瞼を落として、一息。
「もっと」
 思う。
 もっと到着が早ければと。
 それは反省か、それとも悔いなのか。
 ……予知がもう少し、早ければ。
 無為な事だ。
 わかっている。思わずにいられないが、しかし誰も彼もが尽力した結果だ。
「……当たり前だけどボウズか」
 ヒョイッと引き上げた糸の先、真っ直ぐな針がある。
「休憩のついでで傷つけるわけにも、ね」
 誰に聞かせるでもない独り言は風に乗って言った。
 風は音を揉んで、溶け込ませて流れ、そのままメーティオルの肌を撫でる。
「……来ないなー」
 ピクリともしない竿が、彼の目の前にあった。
「まあでも、実際。やったことないけど、待つのが醍醐味……なんだよね?」
 だから待とう。
 と、立て掛けて固定する道具に竿を寄りかからせ、メーティオルはそこに寝っ転がった。
 揺れない竿を眺めて、変わらず吹く風に息を吐き掛ける。
「平和」
 平和だ。
 つい数時間前に、沢山の命が奪われたとは思えない。
 けれども、それが普通なのだろう。
 事件の当事者でない限り、知らないことは嘆けない。
「ミサキのお姉ちゃんが予知して、みんなで戦わなかったら……」
 無かったことに、なるのだろう。
 あの戦いも、この時間も……そして、亡くなった命も。
「これじゃ息抜きにならないかな」
 つい考え込んでしまったと、苦笑いを一つ。
 晩御飯は増やせるだろうかと、そんな事を思いつつ、視線を竿から同業者に向け直す。
 ミニョンだ。
「……」
 飽きていた。
 とてもやる気に満ち溢れていた様子は最初だけで、今のミニョンは代わり映えしない光景にボケーっとしつつうつらうつらしている状態だ。
 同行させていた竜に、完全に任せきりだった。
「……えっ」
 と、不意に、その竿が大きくしなる。
 ヒットした。
 そう理解したミニョンの両手は、竿を握っていた。
「みんな、力を貸して!」
 三体の竜が口で竿を引き、引っ張って、引いて、水面からそれが飛び出ると同時に竿が真ん中で砕け散った。
「逃がさないヨ……晩御飯!」
 瞬間、ミニョンから闘気が放たれる。
 それは宙を舞う魚を捉え、鎖で繋ぐ。
 その前に爆破した。
「あ」
 頭が吹き飛んだ。
「ん……」
 だがその大きさは尋常ではない。
 尾頭付き、とは言えないが、食べる分には十分だと思える。
 だから。
「やったー!」
 結果としては、大成功、のはずだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月13日


挿絵イラスト