風唄の翼、蒼天の祝杯(作者 御剣鋼
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#ブルーアルカディア  #セラフィムビースト 


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●風唄の翼、折れるとき
 一面に広がる蒼空の上を、1隻の飛空艇が力強く疾駆する。
 ――その名を『風唄の翼』。
 人間やエンジェル、召喚獣などなど多種多様の「勇士」を乗せたその船は、この世界では良く見掛ける木材主体の船体で、両側面には大きく白い翼が描かれていて。
 一拍して、その後尾を猛スピードで追い駆けるのは、黒鉄色の堅牢な飛空艇。
 それは重みのある見た目に反した動きで一気に横付けすると、船上から一斉に無数の鉤縄を投擲し、次々と長い橋を渡していく。
「勇士たち相手に遠慮はいらない、やれ!」
「オオオオ、ため込んでるブツを、根こそぎ奪ってやりましょうぞ!」
「隊長に報告! 強力な大砲がいくつか見受けられます。此方には『天使さま』がおりますので、万が一の際はそれを使いましょうか?」
「ハッ、あの人数ではろくに撃てはしまい。万が一も億が一もないだろうよ」
 開けた甲板にそれぞれ降り立つ両者を見ると、一目瞭然。
 下衆な笑い声を轟かせながら飛空艇に乗り込む屍人帝国の尖兵50人対し、勇士の数は10人ほど。
 けれど、迎え撃つ勇士たちは1人も臆することなく、慣れた立ち振る舞いで抜刀する。
「……はあ、婦女子貴婦人に囲まれてならまだしも、野郎100パーセントかあ〜」
「やる気ない船長は邪魔です、大人しく引っ込んでくれませんか?」
 大きく肩を落としながらも双眸を鋭くする若い人間の男に、身の丈もあるハンマーをぶんっと振ったエンジェルの美女が冷淡に一瞥し、けれど護るように率先して前に出る。
 状況が違えばご褒美なのに……と嘆く船長に、緊迫した空気が少しだけ和らいだ。
「船長の気持ちもわかるズラ。魔獣なら食材になるのに、アイツら不味そうズラ!!」
「ああ、ダメですよ、コックさんは下がってください。貴方が怪我されたら美味しいご飯を作る人がいなくなってしまいますから!」
 鼻息荒くしながら甲板に立った恰幅のいい龍型イフリートを、小柄のエンジェルが船室の方へぐいぐいと押し返す。
 それを視界に留めた船長もプッと吹き出し「この船は船長よりもコックが大事だからなあ〜」と、軽くヤジを飛ばした。
「ったく、航海士もコックも医者も揃いに揃って……仕方ねえなあ」
 敵側が砲撃を使わずに白兵戦主体で攻めるのは、船ごと強奪する算段なのだろう。
 自分たちは勇士と呼ばれているものの、その多くは天使核や魔獣の肉を得るための私利私欲に生きる者が多く、この船の者たちも例外ではない。
 命を奪ったり奪われる状況が日常茶飯事だからこそ、今が絶望的であるということは自分も船員たちも、良く理解している。
「全員死ぬな、これは船長命令だ!」
 しかし、思考は一瞬。
 雑音よりも酷い下衆な笑い声を眼前に、船長は湾曲した刃の剣を高らかに掲げる。
 命ある限り、最後まで抗おう。
 それが、風唄の翼の誇りであり、勇士の意地であると、告げるように――。

●風唄の翼、蒼天の祝杯
「翼持つ勇士たちを助けるため、ちと手を貸してくれないか?」
「???」
 ブルーアルカディアにて、一隻の飛行艇がオブリビオンに撃墜されると、忠克・慎也(うつつを彷徨う猟犬・f21505)は告げるや否や、ふと柔らかく微笑む。
「勇士とは、積極的に屍人帝国のオブリビオンと戦う者たちに付けられた称号だ。……まあ、その多くは正義というより私利私欲に奔っているが、それでも彼らがこの世界の希望であるのは間違いねえ」
 転送先は勇士たちの飛空艇――『風唄の翼』と呼ばれる船の上。
 すでに、飛空艇に乗り込んだ屍人帝国の尖兵と勇士たちが交戦している最中だと、慎也は付け加える。
 このままでは、数に圧された勇士たちが壊滅するのは、時間の問題だろう……。
「猟兵だと告げればすぐに受け入れてくれるだろう。尖兵の数は多いが個々の強さは大したことはねえ。ちぎっては投げて返り討ちにしてやろうぜ」
 守備よく尖兵たちを蹴散らすことができれば、屍人帝国側は従えている強大な魔獣を解き放ってくる。
 ――魔獣の名は、セラフィムビースト。
 多数の天使の翼を生やした強大な魔獣で、強靭な肉体に加えて高い魔法能力を有し、自在に空を飛びながら飛空艇を狙ってくるという。
「敵さんが『天使さま』とよぶだけあって、無策で挑んだ場合は『風唄の翼』の損傷は避けられない。なるべく敵船の甲板で戦ったり、対空戦を持ち掛けるのもいいだろう。勇士たちに支援を要請するのもアリだな」
 勇士たちにお願いをする場合は、全て上手くいくかはわからない。
 当たるも八卦当たらぬも八卦。余裕があれば試してみて欲しいと、慎也は小さく笑う。
「無事に魔獣を倒すことができれば、勇士たちは宴会を始めようとするはずだ」
「え、飛空艇の上で?!」
「ああ、お抱えのイフリートの料理人のこだわりで厨房の設備や調味料は贅沢に揃っていて、甲板の上でも宴会ができる仕様らしいな」
「……酒はあるのか?」
「もちろん。ただし未成年はジュースにすり替わるので、そこは注意してくれ」
 飛空艇の損傷次第では何処かの街に降りて……ということになりそうだけど、猟兵たちのチカラがあれば大丈夫だろう、と慎也はニヤリと笑う。
「この世界では仕留めた魔獣の肉を料理して食べるそうだな。天使核獣の肉か……料理したら報告が欲しいようなことも耳にしたし、宴会には俺も同伴させて貰う」
 どうやら、魔獣の肉は上手に調理すると、大変美味しくなるということでして……。
 戦いよりも、宴会が目的では?
 猟兵たちが冷ややかに双眸を細める中、慎也は嬉々とグリモアを輝かせるのだった。


御剣鋼
 飛空艇×魔獣×上手に焼けました!は浪漫、
 御剣鋼(ミツルギ コウ)と申します。
 終始、冒険活劇的なノリノリで描写する形になると思いますので、
 技能等はあまり気にせず、気軽に楽しんでいただけますと幸いですー。

●プレイング受付期間:1章は7月22日(木)9時から受付開始
 1章は上記から、2章と3章は導入文を公開後、プレイングを受け付けます。

 特に2章の受付ですが、開始まで少しお時間をいただく予定です……。
 再送をお願いすることもあるかもしれません。詳細はマスターページ、ツイッターでご案内しますので、合わせてご覧頂けますと幸いです。

●各章につきまして
 1章:冒険パートです。屍人帝国の尖兵たちをさくっと無双しちゃってください。

 2章:ボス戦『セラフィムビースト』との戦いになります。
 この戦いの結果により、3章の舞台が『飛空艇の上』か『最寄りの町の酒場』に決まります。
 なお、魔獣肉はA5和牛クラスで霜降りが凄いタイプだと慎也が言ってました。

 3章:2章で仕留めた魔獣を美味しく食べましょう、肉焼き機もあります!
 本シナリオで登場した勇士たち、お誘いがあれば慎也(下戸です)も同行します。
 なお、作られた魔獣料理は、後日慎也がグリモアベースで報告するかもしれません♪

●その他
 御剣鋼の場合、2〜3名様を組み合わせて描写することが多いです。
 ソロでの描写をご希望の方はプレイングの冒頭に「★」をつけてくださいませ。

 ご一緒したい方がいる場合は【相手のお名前】を明記して頂けますと助かります。
 旅団の皆様でご参加の場合は【グループ名】で、お願いいたします。

 章の途中からの参戦、大歓迎です!
 皆様の冒険奇譚、心よりお待ちしております。
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第1章 冒険 『飛空艇上の戦い』

POWパワー全開で大暴れする
SPD隙を見て敵を船外に蹴り落とす
WIZ魔法で敵群を惑わせる
👑7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


クルル・ハンドゥーレ
アドリブ連携歓迎

美味しいご飯に呼ばれた気がして猟兵参上!
という訳で、今なら美味しいご飯にお酒で全力で助太刀するけどどない?

おお、見事なまでのむさ苦しい空賊的オブリビオン…
今まで会うたことあるんが、中身はともあれ騎士然としとったから余計アレやなあ…
エルフの村≒焼くものと認識しとる山賊となんや相通ずるものが…
うん、どつき倒そう

SPD
マヒ攻撃・吹き飛ばし・シールドバッシュ・範囲攻撃でまとめて船外までぶっ飛ばす
蹴り飛ばすんもなんかイヤやから
シールドでバンバンと

敵攻撃には見切りで掻い潜り
武器受け・盾受けにて対処

もういっぺん練り直されてき


ヴォルフガング・ディーツェ
私利私欲、実に結構だ
高尚さでは腹は膨れないからねぇ
さて、まだ息はあるかい勇士諸君!
こちら猟兵、助力に来たよ!

形勢不利な勇士達に群がる敵がいれば、水と呪詛の「属性攻撃」を纏わせた鞭を「ロープワーク」で手繰り「範囲攻撃」でねじ切ろう
高圧圧縮された水の威力、その身で実験といこうか

勇士達の怪我が危険なら守護のルーンを用いた「結界術」で守りを固めよう
怪我をしているなら無理はするなよ、後で治療するからね!

遠方の敵は【指定UC】で纏めて呪殺しよう
恍惚に身を委ねよ、そして恐怖せよ!汝は羽ある身に非ず、愛しき地上に口づけを請うが良い!

…ま、こんな上空から飛び降りたらなんて言うまでもないが
掃除の手間は省けるかな?


●翼に舞い降りし追い風
 一面の蒼空にぽつりと浮かんだ2隻の飛空艇の間で、激しい剣戟が交差する。
 けれど、それは攻防戦というよりも、一方的な略奪。
 猟兵たちが『風唄の翼』に転送された時には、すでに黒鉄色の飛空艇から溢れ出した屍人帝国の尖兵たちが甲板を埋め尽くしており、迎え撃つ勇士たちを瞬く間に飲み込まんとしていて。
「――ッ!」
 最初に片膝をついたのは、仲間を護るべく最前線でハンマーを振っていた、エンジェルの女性。
 尖兵たちにとっての戦利品は、船や積荷だけではない。
 五感を嫌でも刺激する鉄の匂いと下賤な笑いが、傷を負ったエンジェルの勇士を取り囲もうとした、その時だった。
「美味しいご飯に呼ばれた気がして猟兵参上!」
 軽い足取りでトントンッと割って入った、クルル・ハンドゥーレ(逆しまノスタルジア・f04053)が、射抜くように双眸を細めたのも一瞬。
 すぐに腰を落として紫電纏う大盾を構えると、強く叩きつけるようにして尖兵たちに突き当てる。
 ――盾(シールド)で叩く(バッシュ)。
 それは、ユーベルコードではなく盾を利用した攻撃の1つであるけれど、猟兵が用いれば大砲にも匹敵する。
 そして。
 風唄の翼の勇士を助けるべく舞い降りた救いの風は、クルルだけではなかった。
「私利私欲、実に結構だ、高尚さでは腹は膨れないからねぇ」
 黒波の如く襲い掛かる尖兵たちの周りをしなやかに疾駆するのは、ヴォルフガング・ディーツェ(花葬ラメント・f09192)が操る、高圧圧縮された水に呪詛を纏わせた鞭。
 その動きは、獰猛で狡猾な水蛇のよう。
 眼前の2つの花に心奪われたままの尖兵たちが気付いた時には、彼らの命運はすでに尽きていて。
「うわ、身体に蛇が巻きつい――ッゴ!」
「な、なんだこれは! 総員気をつけ――ゲブッ!!」
 瞬間。骨は軋み、肉は裂けたように痛む。
 巧みなロープワークを駆使して水鞭を一気に手元に引き寄せた、ヴォルフガングの快活な笑みと、尖兵たちの絶叫が重なった。
「高圧圧縮された水の威力、その身で実験といこうか」
 下衆共に慈悲はない。
 そう宣告するように、ヴォルフガングはそのまま、強く、強く締め上げていく。
 瞬く間に2つに裂かれた尖兵たちをヴォルフガングは軽く一瞥すると、怪我を負ったエンジェルの勇士の元に素早く駆け寄った。
「さて、まだ息はあるかい勇士諸君! こちら猟兵、助力に来たよ!」
「貴方たちが猟兵……ですね。噂はかねがね聞いております、助かりました」
 エンジェルの勇士をはじめ、周囲で武器を振う勇士たちに無傷の者は1人もなく。
 まさに壊滅寸前。そんな時に現れた猟兵という光明に、勇士たちの瞳は揃ってキラキラと輝いていて。
「という訳で、今なら美味しいご飯にお酒で全力で助太刀するけどどない?」
 ヴォルフガングの手を借りて立ち上がったエンジェルの勇士は、クルルから微かに漂う花の香気にほっとしたのだろう、「ありがとう」と、唇を綻ばせる。
「我々『風唄の翼』は猟兵を歓迎します。船のご飯とお酒は好きにして構わないわ。この船では船長よりも航海士が強いのよ」
 命に比べたら、どれも安いもの。
 そう微笑みハンマーを担ぎ直すエンジェルの航海士に、別の猟兵の支援を受けて態勢を立て直していた船長も「ああ、船長は雑用担当だ!」と、豪快に破顔した。
「怪我をしているなら無理はするなよ、後で治療するからね!」
 ヴォルフガングはエンジェルの航海士と船長たちを下がらせると、彼らに守護のルーンを用いた、結界術を施していく。
 その間も、尖兵たちの攻撃は休むことなく続いている。息継ぐ間もない猛攻を率先して引き受けたのは、クルルだった。
「今まで会うたことあるんが、中身はともあれ騎士然としとったから余計アレやなあ…」
 装備は騎士のものを使っていても、いずれも蛮族と言ってもいいありさまで……。
 エルフの村≒焼くものと認識している山賊とは仲良くできるかもしれないけれど、クルルは猟兵であり、エルフの戦巫女にして仙人である。
「うん、どつき倒そう」
 やることはシンプルに1つだけ。
 先ほどとは打って変わって辛辣な言葉を溢したクルルは、流れるような動きで再び大盾を構える。
 ――瞬間。迫り来る汗と鉄の匂いに臆することなく、クルルは1歩、深く踏み込み、紫電を纏った大盾を真っ直ぐ突き出した。
「「「うわああああああ!!!」」」
 甲板に奔る、激しい打撃音。
 美麗な見た目に反した強撃を受け、尖兵らは錐揉み回転で船外へ吹っ飛んでいく。
 辛うじて打撃の範囲から逃れた尖兵たちも紫電に動きを捕らわれ、その好機を逃すまいと、合流したヴォルフガングが獣の如く双眸を光らせた。
「存分に聞き給え、この忌まわしき絶唱を!」
 ヴォルフガングが声低く唸るように乗せた呪詛が、甲板全体をじわりと蝕むように広がっていく。
 呪いの獣言語を受けた尖兵たちが苦しみ悶え出すものの、しかしヴォルフガングは手を緩めず、さらに呪詛と魔力を練り上げていき――。
「恍惚に身を委ねよ、そして恐怖せよ! 汝は羽ある身に非ず、愛しき地上に口づけを請うが良い!」
 ――呪厭の言刃(ワードオブペイン)。
 呪詛を載せた獣言語は尖兵たちの肉体と精神を破壊する言の刃となり、ある者は泡を吹きながら首元を掻きむしり、ある者はヴォルフガングが指し示した通りに、ふらふらと甲板の縁へ。
「蹴り飛ばすんもなんかイヤやな」
 呪いで意識混濁した尖兵たち相手に、武器を振うまでもなく。
 眼前に振われた刃をクルルは軽やかに避けてみせると、横手から現れたもう1体に向き直り、力強く大盾を構える。
「もういっぺん練り直されてき」
 そのまま軸足を踏み固めたクルルは、もう一方の足を大盾ごと強く前に突き出す。
 再び、尖兵たちの悲鳴が轟く。
 と、同時に。戦場が開けて一瞬だけ垣間見えた、木材色の甲板が蒼天の陽射しを受けて、キラリと輝いた。
「…ま、こんな上空から飛び降りたらなんて言うまでもないが、掃除の手間は省けたな」
 それは『風唄の翼』が屍人帝国から自由を取り戻した、第1歩。
 風唄の翼に自由を取り戻すため。そして、美味しいお酒とご飯をいただくため、ヴォルフガングとクルルは、再び戦場の追い風になる――。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

鳴上・冬季
空中から甲板眺め
「随分甲板上が過密ですね。少し掃除の手伝いをした方が良さそうです」

「行け、黄巾力士金行軍!」
金磚で制圧射撃し動きが止まった敵1体につき他の黄巾力士2体で手足を掴んで雲海の外に投げ捨てる

「雲海に落ちれば屍人になるのですから、羽なく上がってこられない彼らにはあれで充分でしょう?」
敵の攻撃は黄巾力士同士がオーラ防御で庇い合う

「もう少し減りませんと私が甲板で戦うスペースがありませんから…おっと」
冬季は飛空艇周囲を警戒しながらゆっくり飛行
船員や猟兵が雲海に落ちそうになった場合猛スピードで抱え上げ甲板に戻す

「過密になったのは最初だけですから、いいじゃありませんか」
皆に補給代りの仙丹配り笑う


シリン・カービン
「お待たせしました。猟兵です」
船長に迫る刃を撃ち砕き、隣に降り立ちます。
そのまま迫る敵を次々と狙い撃ちますが…

敵が言います。狙撃手は懐に入れば怖くないと。
勇士が言います。自分たちが盾になるから下がれと。

「……」
迫る敵の刀をわずかに体を捻って躱すと、
その勢いで精霊猟銃の銃床を叩き込みます。

「勘違い、していませんか?」
「私は、猟師です」

狩りでは、追い詰めた獲物に襲われることも珍しくなく、
戦いの距離を選んでいては、獲物は仕留められない。
それに猟師は、一度獲物と定めたものを絶対に逃がさない。

「あなた達は、私の獲物」

【シャドウ・ステップ】発動。
敵の中を駆け、目にも留まらぬ早業で、
殴り、撃ち、また殴る!


●黒鉄射抜く森狩人、蒼天駆る迅雷
「お待たせしました。猟兵です」
「おぉ、助かるぜ。美女と強い奴の助っ人は大歓迎だ!」
 船長の背に迫る刃を精霊の力を宿した猟銃で撃ち砕き、颯爽と隣に降り立ったシリン・カービン(緑の狩り人・f04146)に、船長も嬉しそうに破顔する。
 しかしそれも一瞬。シリルと肩を並べるように湾曲した刃を構えた船長は、険しい眼差しを戦場の方に向けた。
「ご覧の通り劣勢を極めてる、うまく戦線を切り開けなくて悪ィな」
 チラリ船長が横目で見ると、シリンは真っ直ぐ前を見据えたまま、迫り来る尖兵を次々と狙い撃たんとしていて。
 尖兵たちも「狙撃手は懐に入れば恐るに足らん」「この状況では碌に撃てないだろう」と、攻撃の手を緩めることはなく……。
「俺が盾になるから下がりな、それなら射撃しやすくなるだろう」
 ならば、船長である自分が活路を切り開くしかない。
 静かに腹を括った船長が、半歩前に出ようとした、その時だった。
「随分甲板上が過密ですね。少し掃除の手伝いをした方が良さそうです」
「――なっ?!」
 空から降ってきた声に驚いた船長が顔を上げると、そこには蒼い瞳が印象的な青年がふわりと浮かんでいて。
 口をぽかーんと開けたままの船長に、鳴上・冬季(野狐上がりの妖仙・f32734)は柔和な笑みを向けると、直ぐに視線を甲板に戻し、短く一言だけ告げる。
「行け、黄巾力士金行軍!」
 冬季の良く通る号令が甲板の上を駆け抜けた刹那、次々と降り立ったのは、人型サイズの戦闘用自律思考戦車たち。
 ――その数、99体。
 専用の銃器型宝貝を装着した堅牢な黄巾力士たちは、レーザーと実体弾を切り替えながら一斉に疾駆する。
 けれど、甲板の上が飛空艇の最大搭載量を超えることはない。
 制圧射撃で怯んだ尖兵1体につき、黄巾力士2体が素早く手足を掴み上げると、船外へポイっと投げ捨てていたからだ。
「ハハハ、豪快なお掃除だな!」
「雲海に落ちれば屍人になるのですから、羽なく上がってこられない彼らには、あれで充分でしょう?」
 尖兵たちを切り裂かんと奔る光と弾に、感嘆した船長が軽く口笛を鳴らす。
 冬季が柔らかな笑みを返しながら宙を蹴ったのと、黙したままシリンが飛び出したのは、ほぼ同時だった。
「……」
 迫る尖兵の刃をシリンは僅かに身体を捻って躱してみせると、そのまま勢い良く精霊猟銃の銃床を敵脳天に叩き込む。
「勘違い、していませんか?」
 空を駆け、空を生業とする彼らは、知らない。
 此処と異なる世界には、森に住み、精霊と共に生きる、エルフがいることを。
 ――そして。森から糧を得る、ハンターがいることを。
「私は、猟師です」
 追い詰めた獲物に襲われることは珍しくないし、戦いの距離に捉われてしまえば、獲物は仕留められなくなってしまう。――それが、狩りというもの。
 それに。猟師というモノは、1度獲物と見定めたものを、絶対に逃さない。
「あなた達は、私の獲物」
 呟きを、戦場の風に流したシリンが、鋭く狙い定めたのは、前線を指揮する隊長。
 時の精霊の加護を受け、颯爽と戦場を駆け抜けるや否や、シリンは目にも留まらぬ早業で素早い一撃を繰り出した。
「追いつけますか、私の影に」
「ハッ、猟兵ごときが!」
 響く剣戟。打ち合う刃と銃床が火花を散らす。
 それをしっかり見据えながら、シリンは隊長の動きを見、素早く跳び退きながら引き金に指をそえる。
 パンッパンッと小さな火花が幾つか爆ぜ、一瞬遅れて隊長がどっと倒れ伏す。
 戦場に部下たちの悲鳴が轟く。それに耳を傾ける間もなく、シリンは己に敵意を向ける尖兵たちに、順番に対処していく。
 殴り、撃ち、また殴る。
 一迅の鋭さを持って敵陣に斬り込んでいくシリンの姿は、飛空艇周囲を警戒するように飛行していた、冬季の視界にも入っていた、が。
「もう少し減りませんと、私が甲板で戦うスペースがありませんから……おっと」
 それでも、黒鉄色が黄鋼色に置き換わるのは、そう遠くない未来だろう。
 少しだけ速度を落として甲板前方をゆっくり見回した冬季は、雲海に落ちそうになっていた恰幅のいい勇士を見つけるや否や、猛スピードで宙を疾駆する。
 外見からしてイフリートの料理人だろうか。そのガタいのいい体型を冬季は難なく担ぎ上げてみせると、急いで甲板の上に戻した。
「大丈夫ですか?」
「感謝するズラ! 敵も味方もギュウギュウで、ワレが戦う場所がないズラ!」
 この船の勇士たちは、揃いも揃って血気盛んで、この料理人も例外でなく。
 しかも、甲板に現れた黄巾力士が冬季のものだとわかると、イフリートの料理人は少しだけ困ったように、眉間にシワを寄せた。
「旦那が呼んだコウキンリキシっていうアレで、甲板が抜けてしまわないかズラ?」
「過密になったのは最初だけですから、いいじゃありませんか」
 船底まで突き抜けてしまいそうだと狼狽えるものの、このコックの方が冬季や黄巾力士よりも、2倍3倍に重量感マシマシである。
 冬季は懐から仙丹を取り出すと、心配性なイフリートに広げて見せた。
「傷を負った勇士たちに、この仙丹を補給代りに配りたいのですが」
「そ、それは異世界の薬ズラか、助か――ハッ、そういえば先程まで一緒にいた医者が、見当たらないズラ!」
 この船の医者は、小柄のエンジェルの男の子だから踏み潰されているかもしれないと、イフリートの料理人はさらに狼狽える。
 甲板の上で縦横無尽に駆け回る黄巾力士たちと、シリンの様子に変わりはない。
 後続の猟兵たちの誘導もあり、勇士の殆どが戦線から下がっているようだ……。
「他の勇士と後方に下がっている可能性がありますね、味方にも伝えておきます」
「恩に着るズラ、頼んだズラ!」
 思考は一瞬。
 冬季は仙丹をイフリートのコックに託し、再び蒼天を駆ける迅雷になるのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

千思・万考
最後の最後まで諦めないその心根にも惹かれるよ
船長も愉快な人のようで人望があるのも納得だ

「中々大変そうな状況だね。僕も混ざっていいかな」
船員に攻撃している敵の背中へ春雷(雷公鞭)を叩き込み奇襲
次にUC桜狩を発動、船員達を回復
「この船の敵は任せたよ、船長さん」
エールを込めたウインクを船長に投げてから敵船へ

筋斗雲を出して敵甲板に移動
これで船損壊を気にせず思いっきり攻撃できるね
着地時、花信風(芭蕉扇)の風で敵を仰ぎ囲まれ防止
敵砲手や風唄の翼に向かう敵が居るなら最優先で攻撃・排除
それからUC桜狩を、敵船では敵への攻撃に使用
花弁に気を取られている敵に、春雷で喚んだ雷でトドメ攻撃
あの船を落とさせはしないよ


花澤・まゆ
美味しいごはん…こほん
義によって助太刀に参りました花澤まゆ、猟兵ですっ
こんな素敵な飛空艇と仲間の皆さんを
やらせるわけにはいきません
がんばっちゃうぞー!

【空中戦】を活かしつつUC起動
ふわりと舞いながら【花符】を放ち
がっつりまとめて範囲攻撃!
取りこぼした敵は接敵して【小夜啼鳥】を抜刀、
【2回攻撃】や【マヒ攻撃】を繰り出すよ
防御は【オーラ防御】と符を使った【結界術】の二重張り
勇士の皆さんにも余裕があれば
【結界術】を使用してご無事でいてもらいます

あたしの翼は飛べないけれど
この空が好きだから、戦うんだ!
覚悟決めてよねっ

アドリブ、絡み歓迎です


●黒鉄を穿つは花色の嵐
「コックさーん、生きてますか! いたら返事してくださ――あっ」
 先陣の猟兵たちの活躍もあり、甲板の上の黒鉄色は徐々に薄れ始めていて。
 それでも剣戟が止むことはない。乱戦ではぐれた仲間の身をずっと案じていた、エンジェルの少年が、思わず声をあげてしまったのは、自殺行為だった。
「――っ!」
 背中に、重く、鈍い衝撃が奔る。
 けれど、この船では曲がりなりにも勇士であり医者だ。少年は咄嗟に身を捻って致命傷を避けてみせるものの、2撃目は躱し切れないと覚悟を決める。
 その時だった。
「美味しいごはん…こほん、義によって助太刀に参りました花澤まゆ、猟兵ですっ」
 ツインテールをふわっと靡かせて甲板に舞い降りた、花澤・まゆ(千紫万紅・f27638)の指先から、疾風の如く花色の符が放たれる。
 花符が少年に斬り掛かろうとした尖兵の剣先を弾くと同時に、その隙だらけとなった背中目掛けて、別の方向から白鋼製の多節鞭が容赦なく叩き込まれた。
「中々大変そうな状況だね。僕も混ざっていいかな」
 重い音を立てて崩れ落ちる尖兵を一瞥し、千思・万考(花嵐・f33981)は、春雷という名の多節鞭を静かに納める。
 全てが一瞬の出来事。
 エンジェルの少年は最初はぱちぱちと瞳を瞬き、すぐに慌てて「ありがとうございます!」とペコリと頭を下げた。
「はい、喜んで! ……と、言いたいところですが、ボクは下っ端なので、裏ボスの航海士さんに聞いてみないと」
「ちょっと待てヤブ医者、そこは雑用担当でも、船長に訪ねるところだろうがッ!」
「あ、船長生きてたんですね! クジで決めた船長なんて飾りでしょ? それよりも、コックさん探さないと……あの人以外は、消し炭しか作れないし」
「アイツは無事みたいだな。それに皆揃いも揃って暴れ足りねえと戯言吹いてやがる。肝心の医者は何処に消えたと思ったら手負いだし、困ったもんだぜ」
「えへへ、猟兵さんたちのおかげで、擦り傷で済みました」
 最後の最後まで諦めない船長の心根は、船員たちにも浸透しているよう。
 互いに傷だらけな状況でも楽しげに笑い明かす勇士たちを前に、万考は柔らかく唇を綻ばせ、少しだけ緊張していたまゆも、自ずと2人の前に歩み出る。
「回復なら僕に任せて」
 春の嵐は気まぐれだけど、彼らなら花精たちも喜んで癒しを届けてくれるはず。
 万考の願いは狙い通りに届く。穏やかな花嵐が勇士たちを包み込むと同時に、身体に刻まれた傷を、花精たちが優しく取り祓っていったのだ。
「あたしの花符の加護も受けてくださいっ」
 ――風唄の翼。
 その冒険心溢れた素敵な飛空艇と、気さくな船員たちの心意気の一片に触れたまゆもまた、胸の内に闘志を燃やしていて。
 温かい春の残り香が漂う中。まゆが舞うように符を使った結界術を重ねると、護りのチカラを高めてもらった勇士たちは水を得た魚の如く、それぞれの持ち場へ散ってしまったよ、どうしますっ?!
「大丈夫、かな?」
「心配ねえ、終わったら全員簀巻きにして、甲板からぶら下げてもいいくらいだ」
 思わず両手で顔を覆う船長に、万考はエールを込めてパチンとウィンクを投げて。
「この船の敵は任せたよ、船長さん」
「ああ、船内のゴミ掃除くらいはしておくぜ。もちろん、祝杯の準備もな!」
 甲板上の尖兵はあらかた掃討されており、目立つ敵影は船と船の間で戦線を立て直している一群と、敵甲板に控える後方部隊のみ。
 ならば、自分がやることは1つ。筋斗雲を呼び出した万考はその上に騎乗すると、瞬く間に戦場の風となる。
「がんばっちゃうぞー!」
 一瞬だけ、大好きな空を仰ぎ見たまゆは、力強く甲板を蹴り上げる。
 蒼天を駆け抜ける疾風となった万考とまゆが目指すのは、敵甲板。狙うのは空中戦を活かした、敵後方の奇襲と撹乱だ。
「これで船損壊を気にせず、思いっきり攻撃できるね」
 どうやら、自分たちとほぼ同タイミングで、船と船の間に布陣する敵群に仕掛けた猟兵たちがいたらしい。
 眼下で爆ぜる火球と大波に敵の意識が向いている中、妨害もなく敵甲板上空に到達した万考は、素早く筋斗雲から飛び降りる。
「ここからは、僕の好きにやらせてもらうよ」
 ふわり宙に留まったのも一瞬。一気に降下した万考は着地の瞬間、春色の羽根を連ねた円扇を、大きく横に打ち払う。
 着地の衝撃で甲板が揺れ、円扇が巻き起こした突風で態勢を崩した尖兵たちが気付いた時には、万考は敵砲手まで間合いを詰め上げていて。
「春の嵐は気まぐれなんだ」
 ――桜狩(サクラガリ)。
 先ほど勇士たちに癒しを施した花びらは、敵前では全て鋭利な花の刃と化し、砲手たちを無慈悲に切り裂いていく。
 乱れ来る花嵐。それに追従するようにして、幾何学模様を描きながら複雑に飛翔する花色の符は、まゆのユーベルコード――符術・菜の花(フジュツ・ナノハナ)だ。
「菜の花色に染まれ」
 ――その数、990。
 万考の花刃から逃れた尖兵たちを無数の花符がガッツリ包囲していくのを横目に、隊長クラスと思われる一角に狙い定めたまゆは、一気に距離を狭める。
 精鋭といっても猟兵には到底及ばない。低い姿勢のまま一気に肉薄したまゆは霊刀の鯉口を鋭く切り、微かに聞こえた小鳥の音色と共に、横薙ぎの残像を乗せた。
「あたしの翼は飛べないけれど、この空が好きだから、戦うんだ!」
 輝く蒼空に舞うように一閃、十字に交差させるようにして、もう一閃。
 横手から現れたもう1体に向き直るや否や、まゆはオーラと結界術の二重張りで護りを固めながら、敵の剣筋を刀で受け止める。
「覚悟決めてよねっ」
 そのまま強く前に踏み込んで長剣を弾くと、麻痺を乗せた斬撃を奔らせる。
 ――同時に。一迅の鋭さを持った万考の技巧が滑り込む。まゆの花符と刀捌きが敵の連携を掻き乱した一瞬を突くように、万考の白鋼製の多節鞭が大きく空を切った。
「あの船を落とさせはしないよ」
 蒼天に喚んだ雷の奔流は、真っ直ぐ突き刺すようにして、敵甲板目掛けて落ちる。
 耳を裂くような、咆哮が轟く。
 花色の嵐が呼び寄せた雷撃は、黒鉄色の飛空艇を青白く照らし、堅牢な船体を大きく揺さぶるのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

ガーネット・グレイローズ
※アドリブなんでもどうぞ

『風唄の翼』号か。なるほど、良い船だ。
このまま沈めてしまうには惜しいな、船も、乗組員たちも。

既に敵に乗り込まれているのか、事態は一刻を争うな。
グリードオーシャンの海賊の戦い方を参考にして、《船上戦》だ。
敵が乗り込んでくる方向は分かっているのだから、
【パイロキネシスα】を発動させ、敵がこちらに飛び移ってくる
タイミングを見計らって火球を《念動力》で操作し、接近を妨害してやる。
あるいは敢えてこちらに移らせておいて、引き付けたところを複数の火球で
挟み撃ちにしたり、取り囲んでやるか。
火球は攻撃と防御の両方に利用し、反撃に
クロスグレイブの《レーザー射撃》で一体ずつ迅速に撃破しよう。


菱川・彌三八
船が空飛んでいやがる!
粗方見て来た心算でいたが、知らねェ事なんざ尽きやしねえな
退屈にゃ程遠いみてえだ

で?此奴等全部散らしてやりゃあ良いってのかい
思いっきり暴れられんなァ願ったり
然し、真打は後の楽しみにとっとくゼ

さて、取り出したるは筆一つ
横薙ぎの一閃で大波を描き、敵を飲み込み足を掬い、将又船から押し流してやろう
おっと、此処は空だったな
お前ェさん、海って知ってるかい
此奴ァ波
海にあって寄せては返す、荒々しい水のうねりよ

とは云え、だ
喧嘩しねえのも詰まらねえ
残った奴でも掴まえて景気よくぶん投げんのも面白ェ
も一度波の壁つくって、怯んでる間に距離つめるってェのも有りだな
水から現れた俺に驚く姿ァ、滑稽なモンだ


●黒鉄を薙ぐ、豪炎と万水
「船が空飛んでいやがる! 粗方見て来た心算でいたが、知らねェ事なんざ尽きやしねえな」
 蒼天に浮かぶ2つの船が視界に飛び込んでくるや否や、菱川・彌三八(彌栄・f12195)は細めの双眸を大きく見開き、感嘆の声を上げていて。
 足元に広がるのは見知った海水ではなく、頭のてっぺんにあるはずの雲である。柔らかな綿が連なったような雲海は、まるで仙人峡に迷い込んだかのよう……。
 見知らぬ知識と経験の大振舞いに、絵筆を握る彌三八の指先は生き生きと、甲板を駆ける足取りが羽の如く軽やかになってしまうのは、無理もない。
「『風唄の翼』号か。なるほど、良い船だ」
 血色の双眸を細めた、ガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)も、称賛を乗せた溜め息を、心地良い清涼な風に流していて。
 形勢は逆転。甲板上の尖兵の掃討はひと段落し、反撃に転じた猟兵たちは船の護りを勇士たちに託して、敵甲板の方に攻め入ろうとしている。
 しかし、まだまだ油断出来ない状況でもある。
 敵船体には砲台もいくつか搭載されているし、ここで尖兵たちを蹴散らしても、屍人帝国側の切り札である『天使さま』との戦いが、この後に控えているからだ。
「で? 此奴等全部散らしてやりゃあ良いってのかい」
「ああ、このまま沈めてしまうには惜しいからな、船も、乗組員たちも」
 魔獣との決戦を考慮すると、一刻を争う状況なのは、依然変わりない。
 だからこそ、ここで思いっきり暴れたいと願う彌三八に、ガーネットも同意するように艶やかな唇を弛ませ、同時に甲板を蹴る。
 敵が乗り込んでくる経路は、横付けした船の間に渡された幾つかの長い橋と、同じ方向から投げ込まれている鉤縄に限定されている。
 2つの世界で輸送業を生業としているガーネットは、そのやり方に覚えがあった。
「グリードオーシャンの海賊の戦い方が、参考になりそうだな」
 もはや、迷いはない。
 尖兵たちが『風唄の翼』に飛び移ってくるタイミングを見計らい、ガーネットは己の念動力を一気に解放する。
「私の前に立ち塞がるものは、すべて焼き払ってやろう」
 ――パイロキネシス・α(パイロキネシス・アルファ)。
 青々とした空の下に展開された109つもの火球が、2つの船体を赤々と照らす。
 生み出された数多の火球は、ただ宙を飛び交うだけでない。1つ1つがガーネットの意思を帯びて自由自在に躍動し、尖兵たちの前を塞ぐようにして、爆ぜる。
「おっと、此処は空だったな、お前ェさん、海って知ってるかい」
 対して彌三八が取り出したのは、筆1つ。
 無数の爆ぜる紅華を視界の隅に置き、愛用の絵筆を手にした彌三八は、躍動感ある大波を宙に大きく大きく描いていく。
 描き終わりを鋭く横に払った刹那、横薙ぎの一閃で繰り出した大波が、ガーネットの火球で足止めされた尖兵たちを飲み込み、一気に下界に押し流した。
「な、なんだこの塩辛い水は!」
「ううう、身体が痒い!」
 辛うじて大波からを逃れた尖兵たちも、己の知識に存在しない面妖な水を前に、動揺を隠せずにいて。
 狼狽える尖兵たちに、彌三八はニヤリ口の端を持ち上げると、高らかに声を張り上げながら、もう1度絵筆を宙に奔らせる。
「此奴ァ波、海にあって寄せては返す、荒々しい水のうねりよ!」
 ふたび、彌三八が繰り出す大波を前に、怖気づいた尖兵たちが、大きく後退する。
 前線が下がった瞬間、船と船の間の指揮をしていた部隊長が「怯むな!」と声を荒げたけれど、彼もまた為す術なく、その場でギリギリと歯軋りするだけで。
「むぅ、このままでは勇士の飛空艇に近づけん……!」
「部隊長、一部の火球が戦線から離れました、空いた経路から攻めましょう!」
「ん? ――待て! 様子がおかしいぞ!」
 活路が見え、浮き足立った尖兵たちを部隊長が呼び止めるものの、時すでに遅し。
 戦線から少し引いて留まっていた幾つかの火球が一斉に前進、功を焦った尖兵たちを挟み撃ちにするべく、ぐるりと取り囲む。
「上手くかかったな」
 硬直した戦線を目にしたガーネットは、飛んでくる夏の虫を誘き寄せるように、敢えて火球を自陣に引かせていたのだ。
 火球の1つを盾代わりにして護りを固め、反撃に転じたガーネットは巨大な十字架を模したクロスグレイブのレーザー射撃で、1体ずつ着実に撃破を狙っていく。
「良いねェ、此の儘喧嘩しねえのも詰まらねえ」
 彌三八もまた、大波だけでは物足りないと感じていたのだろう。
 口元に不敵な笑みを浮かべ、彌三八はすぐ近くの敵影に向き直ると、三度目の波の壁を宙に描く。
 案の定、尖兵たちが怯む。その刹那、一気に距離を詰めた彌三八は、先ほど描いた波を勢い良くブチ破って飛び出すと、驚愕で目を見開いた尖兵に肉薄して、手早く掴み上げた。
「退屈にゃ程遠いみてえだ」
「ひいいいいい!」
 そのまま、背負い投げの要領で、屈強な鎧を纏った尖兵の身体ごと、景気良くぶん投げる。
 その横で再び火球が爆ぜる。豪炎で孤立した尖兵たちの悲鳴も三度目の大波で掻き消され、残っていた橋と鉤縄と一緒に、雲海の下に流されていった。
「戦いも終盤に入ったみたいだな」
 突如、戦線の向こう側から響く物音にガーネットが視線を移すと、火球で惹きつけていた隙に敵甲板に乗り込んだ猟兵たちが、激しい剣戟を繰り広げていて。
「真打は後の楽しみにとっとくゼ」
 彌三八の大波で切り開いた経路からも、後続の猟兵たちが一陣の風となって駆け抜け、先陣の反対側から敵甲板に斬り込んでいく。
 ここは、蒼天に1番近い戦場。
 陽光の下、各々が獲物をキラリと煌かせる様は美しく、後続に託した2人は眩しそうに、双眸を細めるのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

鳴北・誉人
野郎100パーセントかァ…
むさくるしいっつーのに男追加でごめんねェ
魔獣の肉に興味あってさ
めっちゃうめえンだって?
コイツら蹴散らすン手伝うから、宴会に混ぜさせてよ
船長サンに直談判

よォし!
太刀を花弁に
脇差抜いてやる気満々に斬り込む

ヒトのもの強奪するような悪党に慈悲はねえ
しかも大勢で攻めてくるなんてな…
俺、そういうのだいっきらい!
俺がやるのはいいけど、やられるのはだいっきらい!(大事だから二回言う)
だから大人しく斬られとけ
あ、ソレ、ただの花びらじゃねえ
触ったら怪我じゃすまねえかもなァ

つーかァ…
空で戦えるとか!すげえすげえ!絶景!
日常的でないシチュエーションにテンション高めに暴れよう

アドリブ・連携歓迎


疋田・菊月
ふふーふ、お空の世界ですよ
いつか私もお空を自由に飛んでみたいものですねー
ふーむ、とはいえ木造の船上ではあまり派手な火器は使えませんね
キャバリアで空が飛べれば別ですが、生憎陸戦仕様なんですよね
ああ、私の事はお気になさらず。通りすがりの給仕ですよ。えへへ

九九式軽機で蹴散らしてもいいんですが、乱戦ともなれば味方を巻き込みかねません
カミオさん、お手数ですが船の周囲を見回って、敵の位置などを知らせてください
相手とて、乱戦は困る筈です
着剣し、敵中に飛び込み、戦線を突き崩します
ご安心を。混み合ったお店の中を走り回るのは得意ですよ
周りに敵しか居なければ、撃っても平気ですよね。えへへ


砂月・深影
空の世界でも他の世界と同じように事件が起きているんだね。せっかく知れた以上はその事件を止めないと

敵の数が多いから、基本的には囲まれたりしないように注意しながら戦う。囲まれて不利になっている人がいたら可能な限り助けるようにするよ

まずは切り込んで敵の陣形を崩すところから始めようかな。残像やフェイントも入れて敵を翻弄しながら戦っていくよ。そうして敵が隙を見せたら容赦なく追撃していく。戦場で隙を見せたら命取りになるってことを教えてあげるよ

敵に囲まれたり、敵を一掃できそうなら【冬花繚乱】で一気に片付ける。切り札は一番効果的なところで使わないとね


●黒鉄の終焉、天魔獣が告げる鐘音
「ふふーふ、お空の世界ですよ」
 甲板での乱戦も、終盤を迎える中。
 弾む足取りで、輝く木目調の甲板の上を疾駆していた、疋田・菊月(人造術士九号・f22519)は、ぐるりと周囲を見回す。
「キャバリアで空が飛べれば別ですが、生憎陸戦仕様なんですよね」
 戦いの最前線は、敵甲板の方に移っている。『風唄の翼』の上では派手な火器の使用を控えていたけれど、敵甲板の上なら存分に振うことができるかも……。
 思考は一瞬。菊月は給仕服の裾をふわりと翻し、迅速に駆け出す。
 一拍して。ショートカットの銀髪に、赤色の山茶花を付けた猟兵――砂月・深影(寒空に光る銀刀・f01237)が、その横を静かに並走した。
「空の世界でも、他の世界と同じように事件が起きているんだね」
 飛空艇に刻まれた幾つもの傷跡が、つい先程までここで激しい乱戦があったことを、雄弁に物語っている。
 深影は敵に囲まれないように注意を払いつつ、逆に囲まれて不利になっている味方がいれば即座に助けに入れるよう、周りにも視線を配らせた、その時だった。
「チッ、そっちに逃げたか! 誰か回り込んでくれ!」
 若い勇士の声が響くと同時に、2人に向かって逃げてきたのは、船内に孤立していたと思われる尖兵が1人。
 しかし、敵影が2人の間合いに入ることはない。突如、ガクンと膝から崩れ落ちた尖兵が、2度と動くことはなかったからだ。
「野郎100パーセントかァ……むさくるしいっつーのに男追加でごめんねェ」
 尖兵を迅速に斬り捨てた、鳴北・誉人(荒寥の刃・f02030)が、太刀を軽く払いながら、向き直る。
 3人に追いついた勇士は至って平凡な青年だけど、何処か惹きつけるモノを感じた誉人が「船長サンだよな?」と訪ねると、勇士は頷き、武器を納めた。
「猟兵ってヤツは強いなぁ、アンタたちもか?」
「はじめまして船長さん、せっかく知れた以上は止めたくて」
「ああ、私の事はお気になさらず。通りすがりの給仕ですよ。えへへ」
 短く挨拶を済ませた深影と、満面の笑みで丁寧な所作を返した菊月は、先を急ごうとするけれど、誉人は動かない。
 彼は、船長をまっすぐ見据えたまま、相談があるンだと口を開いた。
「魔獣の肉に興味あってさ、めっちゃうめえンだって?」
「ああ、凄くウマい! ウチのコックが「最高級のシモフリ肉ズラ」と言ってたな」
「最高級シモフリ肉かァ…」
「それだけじゃねえ、料理するとバカになるくらいウマくなる。下手な麻薬よりも危険なシロモノだ」
「なるほどなァ、俺もコイツら蹴散らすン手伝うから、その宴会に混ぜさせてよ」
 誉人は「腕はたつよ」と、先ほど倒したばかりの尖兵だったモノを一瞥する。
 船長も腕には覚えがあるのだろう、頑強な鎧に刻まれた切り口を一目見ると、感嘆を込めた口笛をピュウッと短く鳴らした。
「強い奴は野郎でも大歓迎だ。俺たち勇士も敵甲板に向かおうと思っていたところだが、任せていいか?」
「よォし! 商談成立!」
 ガシッと握手を交わす、野郎たち。
 その様子を20秒と少しだけ見届けた菊月と深影は先を急ぐように踵を返すと、先陣の味方が切り開いた経路を、一気に疾駆する。
 妨害を受けることもなく『風唄の翼』に横付けされた敵飛空艇近くまでスムーズに移動した2人は、息を潜めたまま視線を交差させた。
「まずは、切り込んで敵の陣形を崩すところから始めようかな。どう思う?」
「ふーむ、私も同じようなことを思い浮かべましたが、乱戦ともなれば味方を巻き込みかねません」
 敵甲板の後方では、最初に乗り込んだ猟兵たちが、激しい剣戟を繰り広げていて。
 深影の視線を受けた菊月は少しだけ思案に耽ると、手元に黒鳥の姿をした悪魔を呼び寄せる。
「カミオさん、お手数ですが船の周囲を見回って、敵の位置などを知らせてください」
 敵側としても、これ以上の混戦状態は、困るはず……。
 菊月の肩越しから空高く舞い上がった黒鳥は、敵甲板前方と後方を、ぐるっと旋回する。
 後方は先陣の猟兵たちが奇襲を仕掛けており乱戦状態、前方は比較的手薄だけど、ここを自分たちが奇襲できれば――。
「取り囲まれることもないし、逆に挟み撃ちを狙えるなァ」
 2人に追いついた誉人は脇差を抜いており、やる気満々で斬り込まんとしていて。
 言うまでもなく、この船にいる全員がほぼ同じ意気込みである。
 深影が同意するように頷くと、菊月も花咲くような笑みを浮かべ、揃って敵甲板に向けて大きく跳躍した。

「ぜ、前方からも敵襲ッ!」
「っ、一体奴らは何人いるんだ!! ――ぐはっ」
 青天の下。白銀と朱金の刀身を陽光にキラリと煌かせた深影は、敵甲板に着地するや否や、さらに加速する。
 一迅の鋭さを持って敵陣に斬り込んだ銀閃は、鋭く斬り裂く剣戟へと変貌した。
「戦場で隙を見せたら命取りになるってことを教えてあげるよ」
 刃と刃がぶつかり合うさまは、まるで舞踏のよう。
 剣筋にも残像やフェイントを混ぜながら、深影は流れるような動きで尖兵たちを翻弄し、隙を突いて刺すように追撃を重ねていく。
 破魔のチカラを秘めた片刃剣を銃身に着剣させた菊月も、それに促されるような迅速さで素早く回り込み、刃を鈍く閃かせた。
「ええい、ちょこまかと!」
「ご安心を。混み合ったお店の中を走り回るのは得意ですよ」
 戦線を突き崩すべく、敢えて敵陣の真っ只中に斬り込んでみせた菊月に、しかし敵の凶刃が届くことはない。
 刃が迫る刹那。パチンと指を鳴らした菊月は更に加速。スピードと反応速度を爆発的に増幅させた菊月を相手に、敵の剣筋は虚しく宙を切るだけで。
「ヒトのもの強奪するような悪党に慈悲はねえ、しかも大勢で攻めてくるなんてな…」 
 白銀の刀身を無数の白アネモネの花びらに変え、脇差の鯉口を切った誉人も、次から次へと迫る相手を、順番に対処していて。
 視線を前方に見据えたまま、重心を僅かにずらして敵の攻撃を紙一重で避けてみせた誉人は、軸足に強く力を込める。
「俺、そういうのだいっきらい!」
 響く剣戟。打ち合う刃と刃が火花を散らす。
 休む間もなく迫る刃を脇差で受け流し、横に滑らせるように薙ぎ払えば、傍らに迫っていた数体を、鋭利な白刃の花びらが切り刻む、が。
「俺がやるのはいいけど、やられるのはだいっきらい!」
 ……えっ、セリフと技巧が噛み合っていない?
 いえいえ、大事なことだから2回言っただけなんですよ、ちょっとしたジャイアニズムと思ってくださいよ。
「周りの味方は2人だけですし、撃っても平気ですよね。えへへ」
 天真爛漫な笑みを浮かべながら、型式九九Kをチラ見せする菊月に、尖兵たちが「コイツは何を言っているんだ!?」という目を浮かべていますね、どうします?
「だから大人しく斬られとけ」
「「「ひいいいいい!」」」
 仄青く光る刀身と花刃に斬り刻まれるか、銃剣と機関銃で蜂の巣にされるか、どっちがお好き♪
 そんな究極の積みゲーを誉人と菊月の双方に迫られた尖兵たちが一斉に怯んだ刹那、その好機を逃しはしないと、深影が動いた。
「さあ、この場所で美しく舞え!」
 ――冬花繚乱(トウカリョウラン)。
 白銀に輝く刀身を粉雪の花びらに、朱金の美しい刀身を山茶花の花びらに変えた深影が、舞うように周囲を花刃で切り刻んでいく。
 敵を一掃する絶好のタイミングで解き放たれた切り札を前に、誉人もタイミングを合わせて、白アネモネの桜吹雪を解き放った。
「その花びら、触ったら怪我じゃすまねえかもなァ……舞い狂え」
 ――千華一花(センカヒトカ)。
 見た目はひらり儚く美しい花びらに、僅かでも触れたものが此の場にいれば、こう口を揃えるだろう。
 まるで、鋭利な刃物のようだった、と。
(「つーかァ…空で戦えるとか! すげえすげえ! 絶景!」)
 花吹雪を伴いながら縦横無尽に駆け回る誉人は、甲板から大砲の上に、そしてトンッと船尾に足をのせる。
 船尾から微動に伝わる機械の振動、頬を掠める空の風が、戦いの中ではとても心地良くて……。
 空に浮かぶ船上で戦うのも、眼下に広がる景色も、全てが普段の日常では得られない、絶景とシチュエーションだ!
「いつか私も、お空を自由に飛んでみたいものですねー」
 弔いに似た花吹雪は、黒鉄色に塗り潰された甲板の上を美しく彩り、残った尖兵たちの仮初めの命を刈り取っていく。
 味方の範囲攻撃に合わせて、銃剣から機関銃による掃討に切り替えた菊月の足取りも、楽しそうに弾んでいて。

 全ての尖兵たちを倒した、瞬間。
 船底から耳を裂くような咆哮が轟き、重く、鈍い衝撃が、船上を大きく揺らす。
 ただならぬ気配を感じた3人が同時に後方に跳躍した刹那、甲板前方が大きく崩れ落ち、空虚となった深淵の底から『天使さま』が現れたのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵


第2章 ボス戦 『セラフィムビースト』

POW ●天使核獣
【天使核のエネルギー】を使用する事で、【八翼】を生やした、自身の身長の3倍の【滅びの獣】に変身する。
SPD ●セラフィムコメット
【天空に出現した『天使の輪』】から、戦場全体に「敵味方を識別する【燃え盛る隕石】」を放ち、ダメージと【消えない炎】の状態異常を与える。
WIZ ●獣の烙印
攻撃が命中した対象に【獣化をもたらす烙印】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【烙印の侵食】による追加攻撃を与え続ける。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●天魔獣が告げるは、狩猟の刻
 おそらく、敵船の船底に封印されていたのだろう。
 甲板前方をぶち破って空高く躍り出たのは、全長20メートルはあると思われる、天魔獣。
 天使の輪を模したエネルギーの輪を纏い、漆黒の翼を力強く羽ばたかせた魔獣の姿は、敵船に横並びとなった『風唄の翼』の甲板に立つ勇士たちも見ることができて。
「船長、あの魔獣は……」
「ハハハハ! 俺たちは運が良いなあ、まさかまさかだ!」
「コックと船長、何か知ってるのか?」
 もしかして、あの魔獣を攻略する情報なのか?
「あの魔獣の名は『セラフィムビースト』、最高級の肉質をもっているという『天使さま』ズラ!」
「なんだって! ……ん、天使さまの意味って、もしかしてご馳走ってこと?」
「ま、それもあるな。しかも、あのツノの巻き方と形状からすると、ヤツの肉質は……A5等級はありそうだ」
「「「な、なんだってッ!!」」」
 ゴクリ。
 突然のUDCアース的な単語は置いときまして、強大な魔獣改め最高級食材と出くわしてしまった勇士たちが、自然と唾を飲み込んだのも無理もない。
 先程の緊迫した空気とは一変し、勇士たちの瞳は嬉々と輝いておりまして。
「さっそく天使さまに抱きついてキスしたいところだが、俺たち勇士は飛空艇の護りに専念するつもりだ」
「飛空艇の設備が必要なら私たちに声をかけて。大砲を打ったり大銅鑼を鳴らして、少しは怯ませることができるかもしれないわ」
「我も頑張るズラー!」
「あ、ボクは重たいものを扱うのはちょっと……小回りは効くので、伝令とかは任せてください」
 猟兵たちの奮闘もあって、尖兵たちと乱戦が繰り広げられた『風唄の翼』はほぼ無傷だったけれど、あの魔獣の攻撃を受け続けたら、ひとたまりもないだろう。
 餅は餅屋。
 飛空艇の設備を扱うなら勇士が、ユーベルコードを駆使した空中戦なら猟兵が。
 そのことに両者異論なく、それぞれの持ち場へ移ろうとした、その時だった。

 ――ゥオオオオオオオオン!!!

 蒼天にぐるりと大きく弧を描いていた天魔獣が咆哮を轟かせ、こちらへ向かって急降下してくる。
 叩きつけるような風圧が、2つの飛空艇を大きく揺らす。
 しかし、眼前に迫る天魔獣を脅威と感じながらも「鱗と爪と牙は武具に、瞳は魔術道具に――」と呟きながら船上を駆ける勇士たちの足取りは、揃って軽やかで。
 ブルーアルカディアに生きる者たちの日々の一片を垣間見た猟兵たちもまた、各々が思う方法で蒼天を駆け抜ける。

 足元に広がる真っ白な雲海。
 下界から吹き上がる風が、身体をふわっと持ち上げる感覚と、強大な獲物を前に昂った心が、貴方に告げる。

 ――さあ、狩りの時間だ!
花澤・まゆ
援護はお願いしますって言って
ヒポグリフの【青嵐】さんに飛び乗るよ
さあ、狩りの時間だ、美味しいお肉待っててねっ

青嵐さんに跨り【空中戦】を展開
【小夜啼鳥】を抜刀と同時にUC起動
衝撃波で美味しいお肉をざっくり斬るよー!

隕石が降ってきたら、符で【結界術】発動
青嵐さんを含めあたしの周りを【オーラ防御】でガード
一応【火炎耐性】もしっかりと
いやーん、これからこんがり焼かれるっていうのに
先に自分から焼きにくることないじゃない!

接敵し、離れ、また接敵し攻撃の繰り返し
船のほうも気にしながら敵の周囲を飛び回り攻撃
さあさあ、美味しいお肉になあれ!

アドリブ、絡み歓迎です


ガーネット・グレイローズ
※アドリブ歓迎

あれが屍人帝国の魔獣か。かなり大きいな…。
ん、今なんと言った?最高級の肉質…?
ふむ、つまり良質の食材や資材を大量に手に入れるチャンスということだな。
でかいシノギの匂いがする…!

キャバリア「夜の女王」に乗り込み、飛空艇の周りを旋回しながらの《空中戦》だ。
PSDホーネットを射出し、《念動力》で操作。マルチアングルから《レーザー射撃》で牽制して味方への攻撃のカットに努める。敵と距離を取りつつ、「烙印」の発動に合わせてこちらもキャバリアから【吸血糸】を放つぞ。捕縛に成功し、敵の動きが鈍ったら光剣で接近戦だ。ここはやはり、天使核を狙うべきかな。
船長には可能なら大砲での援護を頼む!


菱川・彌三八
なンっかよ…良い様に使われちゃいめえか
すれに、彼奴を食うってのか
…平生と同じ?へェ…
然し角や爪が飾りになるってンなァ好いな

斃さにゃ始まらねえな
さァ真打だ
鳳凰を纏って空へ
此奴ァ中々、デカさも力もちいと一筋縄じゃいかなそうだ、が…
そういや羽根は何かに使えるのかい?
まァ、八枚もあるんだ、少しくれえ潰れちまっても構わねえな

さて、此方は小回りを活かす
獣の眼前寸でで止まり、大振りをひらりと避けて背の方へ
出来りゃあそのでけえ背を足場に羽根を捥…げねえな、重いしでけえ
したが殴る
根元の方サ、生き物は大体弱ェ筈だろう

怯んだら距離開けて、速さと鳳凰の力で底上げした力を拳に乗せて渾身の一撃をくれてやら


●蒼天の天使と、彩りの狩人たち
「あれが屍人帝国の魔獣か。かなり大きいな…」
 空を悠々と飛び回る魔獣が巻き起こす突風に、ガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)は、赤血色の双眸を鋭く細める。
 後方支援に回った勇士たちの言葉を聞く限り、あの魔獣は最高級の肉質の持ち主であると、ウワサされているようだが……。
「なンっかよ…良い様に使われちゃいめえか」
 よくよく『風唄の翼』を観察してみると、搭載されている設備の殆どは対魔獣用。魔獣を狩る食うことは此処の勇士たちにとっては、ほぼ日常茶飯事のはず……。
 なのに、最前線を猟兵たちに託して、あっという間に後方に回った彼らのしたたかさに、菱川・彌三八(彌栄・f12195)は軽く肩をすくめ、もう一度空を仰ぎ見る。
「然し角や爪が飾りになるってンなァ好いな」
 遠目でもはっきりと捉えられる敵影は、敵味方とともに『天使さま』と呼称するだけあって、異様な存在感があって。
 ただ狩る食うだけではなく、魔獣の全てに尊敬と畏怖を抱く『ブルーアルカディア』の世界に、彌三八は感嘆に似たものを感じながら、筆を懐にしまう。
 きっと、この世界で使われている絵筆や紙にも、質のいい魔獣の毛や皮、角や爪が使われているのだろう……。
「ふむ、つまり良質の食材や資材を大量に手に入れるチャンスということだな」
 強大な魔獣の素材であればあるほど、芸術品や宝石と同じように高く取り引きされているのは、間違いない。
 商売人でもあるガーネットが瞳の端を怪しく光らせたのと、1人の猟兵が先陣を切って空に舞い上がったのは、ほぼ同時だった。
「援護はお願いしますっ!」
 勇士たちに天真爛漫な笑みを向け、白翼のヒポグリフ――青嵐さんに飛び乗った花澤・まゆ(千紫万紅・f27638)は、一番乗りで蒼天を駆け抜ける。
 猟兵たちの気配に気付いたのだろう。
 迎え撃つ魔獣も大きく羽ばたいて進路を変えると、威圧的な咆哮をまゆと青嵐さんに向けて、とどろかせる、が。
「さあ、狩りの時間だ、美味しいお肉待っててねっ」
 耳を裂くような咆哮が間近を掠めても、まゆと青嵐さんは怯まない。
 己以外の全てを拒絶するような突風を身に受けながらも、嬉々と青い瞳を輝かせたまゆは、ツインテールを楽しく風に靡かせながら、真っ直ぐ前進する。
 ――空が好き。自由が好き。
 視界一面に広がる大好きな空と、自由気儘になびく風を全身に受けながら、まゆは鋭く退魔の霊刀――小夜啼鳥を抜刀する。
「美味しいお肉をざっくり斬るよー!」
 その瞬間、微かに高い小鳥の鳴き声のような音が、まゆの耳に心地良く響く。
 ――同時に。唇を柔らかく綻ばせたまゆは、無駄の無い動きで刃を横に滑らせる。
「桜の香りで惑わせて」
 ――剣術・桜(ケンジュツサクラ)
 自身に幻朧桜の香りを漂わせて、さらに加速したまゆは、鋭い斬撃を乗せた衝撃波を勢い良く打ち放つ。
 出会い頭の強烈な一閃。それが魔獣の右肩をぱっくりと斬り裂く。
 滴る新鮮な赤ワイン色の血と、大きく裂いた傷口から見える極上の肩ロースに、風唄の翼の船上からも、大きな歓声が湧いた。
「へェ…あの赤身に細かく網目状に白が入ってンのが、霜降り肉かァ」
 しかし、魔獣を倒さない限り、極上の素材と肉を堪能できる宴は、お預けのまま。
 ならば、やる事は唯一つ。
 ニヤリ歯を煌めかせた彌三八が白地に紺の着流しの上半身を脱ぎ払うと、全身に刻まれた繊細で見事な彫り物が、蒼天の下で鮮やかに煌めいて。
「さァ真打だ」
 ――鳳凰(ホウオウ)
 背中に生き生きと描かれた躍動感溢れる鳳凰の刺青と、此れまで培ってきた画力と技巧が呼応し、彌三八の身体能力を一気に高めていく。
 みなぎるチカラを背に受け、彌三八は呼吸をするように軽く地をトンッと蹴る。
 鳳凰を纏った身体はあっという間に空に舞い上がり、チカラ強い飛翔能力を得た彌三八は、小回りを活かすようにぐるりと旋回した。
「此奴ァ中々、デカさも力もちいと一筋縄じゃいかなそうだ、が…そういや羽根は何かに使えるのかい?」
 眼下となった魔獣は戦闘力を大きく向上させた彌三八に警戒心を抱いたのか、八翼を生やした滅びの獣に変貌していて。
 その大きさは先ほどよりも3倍、風唄の翼よりも巨大!
 八つの翼を不気味に羽ばたかせる魔獣を前に、彌三八は鋭く宙を蹴り飛ばす。
「まァ、八枚もあるんだ、少しくれえ潰れちまっても構わねえな」
 ――先手必勝!
 真正面から斬り込んだ彌三八は、魔獣の眼前寸前でぴたり立ち止まって見せると、直後に振われた大振りをひらりとかわし、背の方へ。
 そのまま背中に足を下ろして駆け上がった彌三八は、魔獣の羽根の1つをもぎ取ろうとして――。
「捥…げねえな、重いしでけえ」
 背中に張り付かれた魔獣は彌三八を振り落とさんと暴れ回っており、足の踏ん張りも効かなくなっている。
 捥ぐことが叶わぬなら、殴り飛ばすまで。
 すぐに作戦を切り変えた彌三八が羽根の根元に拳を打ち付けようとした時、キャバリア――夜の女王に乗り込んで飛空艇の周りを旋回していたガーネットも反対側から回り込み、魔獣の背後を取った。
「やはり、でかいシノギの匂いがするな…!」
 巨大化すればするほど普通は悲鳴が上がるものの、眼下から聞こえるのは大きな歓声だけ。
 またとないビジネスチャンスに、思考も一瞬で駆け回る。
 ガーネットはキャバリアの腰部装甲の裏側に収納されている、サイキック制御式の遠隔レーザー射撃デバイスを射出。
 規則正しく展開されたPSDホーネットはガーネットの意のままに躍動し、ヒットアンドウエイで肉を削ぐまゆと、背中で羽根の根元を狙う彌三八を支援すべく、縦横無尽に宙を飛び回る、が。

 ――グオオオオオオオオオオオオオオン!!

 しかし、セラフィムビーストも大人しく高級肉となってくれない。
 蒼天に大きな天使の輪を顕現させると、まゆを中心に船上全体に燃え盛る隕石を降らせてきて……!
 轟々と降り注ぐ隕石が纏うのは、決して消えぬ炎。風唄の翼への直撃だけはこの場に居る殆どの者が避けなければと思っていたのも、事実。
「大丈夫、あたしに任せてっ!」
 まゆは両手の指の間に霊力をたっぷり込めた花色の符を幾つも挟ませると、青嵐さんを含めて自身の周囲ごと護るように、結界術を発動する。
 チリチリと焼き付けるような空気と熱風が、轟々と空気を震わせる。
 風唄の翼との位置取りを気にしつつ、まゆが少しだけ距離を取ったのと、入れ替わるようにガーネットが前進したのは、ほぼ同時。
「お前のユーベルコードは、その程度か?」
 マルチアングルからのレーザー射撃で次々と降り注ぐ隕石を砕き、味方と風唄の翼のダメージを最小限に抑えたガーネットが、不敵にほくそ笑む。
 牽制と妨害に徹するガーネットが1番目障りだと判断したのだろう、魔獣はガーネットに向けて矛先を変えようとする、が。
「いやーん、これからこんがり焼かれるっていうのに――」
 まさに、計画通りのヒットアンドウエイ。
 自身と青嵐さんには火炎耐性を施したオーラで、さらに護りを固めたまゆが、チカラ強く宙を疾駆する。
「先に自分から焼きにくることないじゃない!」
 すれ違いざまに斬撃を奔らせると、まゆから仄かに漂う桜の香りが魔獣にも、うっすらと移りまして。
 ……そうそう。肉を燻製するときは桜のチップを使うのが個人的にもお勧め――コホン、大変失礼しました!
「いいねいいねえ、このまま焼いたら良い燻製になりそ――」
「そろそろ頃合いだな。船長、大砲での援護を頼む!」
「ぅおっ! びっくりした!」
 空風が乗せた桜の香りに船長の心も奪われた瞬間、頭上から降ってきたキャバリアの姿とガーネットの声に、船長はビクッと背筋を震わせて。
 けれど、ブルーアルカディア的に規格外な光景に驚いたのも一瞬、すぐにサムズアップを返した船長は「応!」と、元気よく破顔した。
「射線上にヤツを移動させてくれたら、ありったけのプレゼントをくれてやる」
「了解だ」
 船長のしたたかな注文に短く応対し、ガーネットは魔獣と距離を取りながら、飛空艇の側面側に誘導していく。
 ガーネットが少しだけキャバリアの速度を緩めた刹那、一気に距離を詰めた魔獣がガーネットに獣化の烙印をもたらさんと、強大な腕を大きく振わんとする、が。
「「「野郎ども、撃てー!!!」」」
 その瞬間。船長の号令とともに風唄の翼の左側面に取り付けられた大砲が一斉に、蒼天に轟音をとどろかせる。
 1つ1つの威力はユーベルコードよりも劣るけれど、隙を突いた一斉射撃は強大な魔獣とはいえど、一瞬だけ動きを止めるには十分で。
「久々に、吸血衝動を満たしていくとするか」
 ――吸血糸(ヴァンパイア・スレッド)
 ガーネットもまた魔獣のユーベルコードのタイミングに合わせて、キャバリアから無数の吸血糸を解き放っていて。
 その数550本。妖の属性を帯びた赤い光の糸は魔獣の周囲をぐるっと取り囲むや否や、一瞬で捕縛する。
 戒めから逃れようと魔獣も巨体を大きくうねらせてもがくけれど、無数の糸は魔獣の身体からエナジーを奪い取っていくので、暫くは動くこともままならぬだろう。
「さあさあ、美味しいお肉になあれ!」
 その絶好のチャンスを逃す、猟兵たちではない。
 一気に距離を詰めたまゆが流れるような刀捌きで衝撃波を奔らせ、好機を確信した彌三八も1度距離を開けると、さらに加速。
 限界まで上げた速度と鳳凰の力で底上げした、チカラを拳に乗せた。
「根元の方サ、生き物は大体弱ェ筈だろう」
 彌三八の願いは、狙い通りに届く。
 身体ごと乗せるようにして振われた渾身の一撃は、大木のような羽根の根元中心部まで到達し、骨の髄ごと打ち砕く。
 重く、鈍い衝撃が拳にもビリビリ浸透すると同時に、苦悶の咆哮を上げた魔獣の身体がぐんと沈み込む。
 一拍置いて、羽根の根元から1本の巨大な手羽先……ゲフン漆黒の大羽根がゆっくりと崩れ落ちていった。
「ここはやはり、天使核を狙うべきかな」
 このサイズの魔獣の天使核なら、いい動力炉になるだろう。
 徐々に集まってくる猟兵たちが思い思いの部位を狙い始める中、護りから攻撃に転じたガーネットも疾風の如く肉薄し、魔獣の心臓部目掛けて物質分解波動を帯びた光剣を、鈍く閃かせるのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

鳴北・誉人
おお!アレが最高級お肉の天使サマ!
なるほど、すげえ見た目でもめっちゃうめえから天使か
目利きのコツを聞き勝手に納得

俺は飛べねえけど…
なあ、大銅鑼鳴らしてよ!アレ怯んで落ちてきたりしねえかなァ
つーか落とす勢いで叩いて、頼んだよォ!

天使サマに生じた隙を逃さず花刃そのままに斬り込む

花弁が風で吹っ飛ばされねえようオーラで覆って
上昇気流も利用
天使サマがでっかくなったらはりついてやる
ンで、そのがら空きの背中、切り刻んでやるよ!

うめえ肉ーうめえお肉ーこええ顔でもうめえ肉ー!
なんてテキトーな歌を口遊んで

あっ
これ、斬っちゃいけねえとこってあンの?
勝手に斬って解体するとき迷惑になったりしねえかな!?

アドリブ連携歓迎


疋田・菊月
ふーむ、あんな大きな相手を前に皮算用とは、空の皆さんは屈強ですねー
しかし、高級霜降り肉というのは、うまく調理しないとくどくなりそうですね
まあ、脂っこい肉でもやり方はいくらでもあるんですけどね。えへへ
『やっとる場合か』
そうでした。
皆さん、敵は巨大ですが、数は我々が優位です
ちくちく削って、確実に仕留めましょう
とは言ったものの、通常の軽機の銃弾では止まりそうにないですね
まあ、牽制と手投げ弾で機先を制するのが目的ですから
そして軽機ならそれほど痛くないと思わせたなら、特殊弾倉の出番ですよ
おや痛かったですか?
怯ませたならカミオさん、はるちゃんをこっちに。
輜重車にのっけたビーム砲で押し切りますよー


●Meat and power of justice!
「なるほど、すげえ見た目でも、めっちゃうめえから天使か」
「そう呼んでいる勇士は限られているけど、お肉の色味は赤よりも桜色が新鮮ね。霜降りが均等に行き渡っていると、さらに高値で取引されるわ」
 戦いの前線から少し離れた甲板前方に並ぶ、極上肩ロースに、新鮮な手羽先など。
 先陣を切って交戦した猟兵がゲットした戦利品を前に、鳴北・誉人(荒寥の刃・f02030)と、エンジェルの航海士は、清々しい眼差しを浮かべていて。
 普通なら取り合いになってしまう希少部位の数々も、魔獣の巨体なら食べ放題!
 自然と誉人の口元が弛んでしまったその時、喉元から「あっ」と短い声が出る。
「これ、斬っちゃいけねえとこってあンの?」
「強いていえば消化器系が詰まった下腹部ね。下手に刃が滑って中身が希少部位にかかったら目も当てられないわ……ほら、排泄物とか」
「あ、すっげえ理解…」
 エンジェルの航海士は、それ以外は余り気にしなくていいと微笑み返すけど、誉人は今更だけど……と感じながら、もう1つ聞いてみる。
「んー、勝手に斬って解体するとき迷惑になったりしねえかな!?」
「今のうちに削げるところは削いでくれたら助かるわ、あの巨体をまとめて解体なんて、日が暮れてしまうから」
 勇士たちが揃って負傷した日なんて解体が間に合わず、宴会が延期になってしまうことも良くあると、航海士は肩をすくめてみせて。
 ……えーと。つまり、その『風唄の翼の』勇士の皆さま、とってもズルい――否、したたかすぎません?
「ふーむ、あんな大きな相手を前に皮算用とは、空の皆さんは屈強ですねー」
 誉人と航海士のやり取りを聞きながら、疋田・菊月(人造術士九号・f22519)は、甲板に並べられた極上のお肉を、じっくり観察する。
 肩ロース1つとっても、霜降りが均等に入った桜色のお肉は美しく、非常に鮮度も良くて、とても美味しそうで……。
 しかし、高級霜降り肉というのは、上手く調理しないと、くどくなってしまうもの。
「まあ、脂っこい肉でもやり方はいくらでもあるんですけどね。えへへ」
 菊月が陽だまりのような笑みを浮かべた瞬間、後頭部にバシッと衝撃が奔る。
『やっとる場合か』
 まるで、ツッコミの要領で菊月の頭を叩いたのは、名古屋訛りのクロウタドリ……の姿をした悪魔、カミオさんである。
 そうでした。
 ここは戦場であり、ボス戦の最中であって、高級お肉の品評会ではないのです。
「敵は巨大ですが、数は我々が優位です。ちくちく削って、確実に仕留めましょう」
 天真爛漫な笑みを浮かべながら、機関銃をカチッと鳴らす菊月に、勇士たちから目利きのコツを伝授して貰った誉人も、ケラケラと笑いながら甲板中央に設置されていた『大銅鑼』を指差す。
「なあ、あの大銅鑼鳴らしてよ! アレ怯んで落ちてきたりしねえかなァ」
「そうね、近くまで誘導してくれたら、このハンマーで思いっきり鳴らしてあげる」
 自分は飛べないからと告げる誉人に、エンジェルの航海士は「任せて」と、自信満々に己の獲物をブンッと振ってみせて。
「たしかに、通常の軽機の銃弾では止まりそうにないですね」
 菊月が空を見上げると、肩口をもがれ、翼を1つ失いながらも先陣隊の戒めを強引に突破した魔獣は、チカラ強く蒼天を飛び回っている。
 それでも、疲労が蓄積し始めているのも事実。
 先陣隊の追撃から逃れようと高度を落としている今なら、空を飛ばずとも機先を制することが出来るだろう。
「大銅鑼で隙を作るというなら、銃弾と手投げ弾で援護します」
 敵影を見据え、鋭く地を蹴って駆け出した菊月を、魔獣の大きな双眸が捉える。
 疾風の如く迫り来る魔獣の動きを良く見、素早く飛び退きながら菊月は手投げ爆弾を放り投げると、爆発と同時に機関銃の弾丸を、一斉にバラ撒く。
「グルルルルルゥ!」
 ゲリラ豪雨の如く飛来する弾丸、無数の赤が魔獣の頭部目掛けて弾ける。
 けれど、菊月が想定していた通り、どれも致命傷には及ばず、爆弾と銃弾の雨で生じた煙幕で視界を遮られた魔獣は、高らかに咆哮する。

 ――グオオオオオオオオン!!

 魔獣が遠吠えのような唸り声を上げた刹那、上空に顕現したのは、神々しいまでの巨大な天使の輪。
 魔獣と『風唄の翼』との距離はとても近い。
 このまま何もせず、天使の輪から消えぬ炎を纏った隕石が一斉に降り注いだ場合、その多くは飛空艇に直撃してしまうだろう。
 だが、しかし。
「つーか落とす勢いで叩いて、頼んだよォ!」
 それは、誉人にとっては好機到来、またとないチャンス!
「ええ、任せなさい!」
 同時に。堅牢なハンマーを持ち上げたエンジェルの航海士がさらに1歩、深く踏み込み、大銅鑼の中心目掛けて、強烈な一打を叩き込んだ。

 どおおおおオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!

 誉人の願いは、狙い通りに届く。
 渾身のチカラで掻き鳴らされた大銅鑼は凄まじい爆音をとどろかせながら、鼓膜だけでなく身体の内側にも激しく浸透し、大きく揺さぶっていく。
 大銅鑼での牽制を知っていた菊月を始め、猟兵たちは揃ってオーラで護りを高めたり耳を塞いでいたけれど、爆音をほぼ至近距離で受けた魔獣は「ギャンッ!」と悲鳴をあげて、身を縮めてしまって。
 落下するまではいかなかったものの、大きく怯んで後退した魔獣の隙を逃さず、無数の白アネモネの花びらを従えた誉人は、斬り込むように強く地を蹴った。
「舞い狂え」
 ――千華一花(センカヒトカ)
 花びらが風で飛ばされないようにオーラで護りを固め、吹き荒れる上昇気流を使ってチカラ強く跳躍した誉人は、再び巨大化した魔獣の背に、ぴたりと張り付く。
「そのがら空きの背中、切り刻んでやるよ!」
 先の戦いで背中に張り付かれたことに強いトラウマを覚えたのか、魔獣は誉人を振り落とさんと、激しく抵抗する。
 けれど、その抵抗も長くは続かなかった。
「それほど痛くないと思ったら大間違いですよー」
 軽機と手投げ爆弾による牽制から一転、菊月が素早く取り出したのは、特殊弾倉。
 要訳すると「撃ちどころが悪かったら致命傷になるよ」からの「乗ってる戦車ごと滅んでしまえ」で、あーる。
「こんな事もあろうかと、とっておきの銃弾を使っちゃいますよー。えへへ」
 ――スペシャルホットロード。
 そのユーベルコードは菊月が持つ銃弾消費系の銃器の能力を、大幅に増幅させる。 
 威力も先程までの軽く弾けるような銃声とは程遠く、特殊弾倉が迅速に手元の銃器に装填されるや否や、菊月が持つ全ての銃口が、一斉に火を噴いた。
「グガアアアアアアア」
 空気をごうごうと裂くような機銃の砲火音に、魔獣の悲鳴に似た雄叫びが重なる。
 弾丸は強烈な爆発と金属音を伴って乱れ飛び、誉人を迎え撃たんと巨大化していた魔獣の身体を容易に貫き、何度も赤く爆ぜた。
「おや痛かったですか? カミオさん、はるちゃんをこっちに」
 視線と銃口は敵に向けたまま、菊月が半歩だけ後退すると、少し置いて蒸気機関で動く三輪輜重車輌――自動随伴輜重機『はる』が、その横に並ぶ。
 一見すると、屋根に黒い鳥をちょんと乗せた、少し派手目な移動式屋台。
 しかし、その後部に搭載されているのは調理器具ではない。
 大変物騒な光量子収束砲……元はキャバリア用のビーム砲であーる。
「うめえ肉ーうめえお肉ー」
 激しい熱量と閃光を撃ち放ったビーム砲が魔獣の片方の角を消失させ、船上を青白く照らす中。
 ほとんどフリーとなった誉人は、自作のテキトーな歌を口ずさみながら、鋭利な刃と化した花びらを、楽しそうに煌めかせていて。
「こええ顔でも、うめえ肉ー!」
 身を捻るようにもう1度花の嵐を起こすと、リブロースとサーロイン……げふん、斬り刻まれた極上のお肉が、鞠(まり)のように、ぽんぽんと飛んでいく。
 甲板の上では勇士たちが楽しそうにお肉を回収し、極上のお肉に惹かれて新たに集結した猛者たちが、その光景を羨望の眼差しで見つめるのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と

船長さん、助太刀に来た
…む、少し出遅れた?その分気合いをがしっと入れて頑張る!
きっと魔獣を鋭く睨……
A5級?

ま、まつりん、見て
魔獣、全身からシャトーブリアン感が漂う
きっと美味…(はぁはぁ

魔獣(お肉)を見てから高鳴る胸の鼓動
これは何?
もしやこれがいわゆる恋というもの…

【どれすあっぷ・CBA】
すちゃっとフリルエプロン姿に変・身
手には出刃包丁(灯る陽光
まつりんがお肉を追い込んだ先に待ち構え
ん、任せて
熱い(食欲的な)想いをこの刃と拳にのせて

怪力込めて肉を捌き、うさみん☆と一緒にちぎって、まつりんパス
ちぎって、パス(ぽいぽい

追加攻撃はオーラで防御
今大事なとこ、お邪魔は禁物


木元・祭莉
アンちゃん(f16565)と狩りに来ました!
(知り合いに手を振る)

天使さま?
へえ、あの“お城”のお肉になるの?
わーい、今年も焼肉ざんまいだ!

よかったね、アンちゃん♪
お肉……あ、発作起こしちゃった。
ハイハイ、落ち着いて。(首の後ろをトントン)
お肉は逃げないよ。
むしろ、向かってきてる!

疾走発動!
おいらも攻撃に参加だー♪
おっと羽根が増えてる!
食べられるトコも増えたね♪ 美味しくなあれ♪

びゅんびゅん飛び回って、如意な棒から衝撃波を放ち。
アンちゃんのトコへ追い込んでいくよ。
追い込み漁っていうんだよね!?

アンちゃんが 千切っては投げ 千切っては投げ!
おいらがお肉を残さずキャッチ!
双子の連携をご披露だーい♪


●極上のお肉は、キケンな恋の香り
「船長さん、助太刀に来た……む、少し出遅れた?」
 双子の兄と共に軽やかに船上に降り立った木元・杏(シャー・オブ・グローリー・f16565)は、その分気合いを入れて頑張ろうと、甲板近くの猟兵たちと交戦する魔獣を、射抜くように睨みつけ――。
「天使さま? へえ、あの“お城”のお肉になるの?」
「お城っていうのはよくわからないズラが、あの外見といい、A5等級並の美味しさと霜降りの美しさは、まさに天使さま女神さま仏さまだズラー」
 ……A5等級だって?
 双子の兄の木元・祭莉(マイペースぶらざー・f16554)と、居合わせたイフリートのコックのやり取りに、お肉大好きな杏はぴたりと足を止め、すっと話の輪の中へ。
 杏と視線が合ったイフリートのコックも「見ればわかるズラ」と破顔すると、回収したお肉の運搬も兼ねて、前線から僅かに離れていた甲板前方に兄妹を案内する。
 そこには、先に魔獣と交戦した猟兵たちが斬り落としたと思われる、新鮮で巨大な極上のお肉の数々が、ずらっと綺麗に並べてありまして。
「よかったね、アンちゃん♪ お肉……」
 この大きさとクオリティなら、今年も焼肉ざんまい間違いなし!
 祭莉は甲板前方の隅に集まっていた知り合いたちに向けて、手をブンブンと振りながら、妹の方に笑顔を向ける、が。
「ま、まつりん、見て、この霜降り」
「アンちゃん?」
「部位だけでこの威力、全身はきっと美味……」
 まるで、親の仇でも見据えるかの如く、ギンッと鋭く視線を動かした杏は、先程よりもじっくりと魔獣を凝視する。
 肩口と背中はぱっくりと削られていたけれど、傷口から垣間見える極上の霜降り肉と、全身から漂うシャトーブリアン感な質感に、杏はクラッとよろめいてしまう。
 その直後、胸を「うっ」と抑えてはぁはぁと荒く息を吐いた杏に、甲板を駆け回っていたエンジェルの医者が、慌てて駆けつける、が。
「猟兵さん、大丈夫ですか?」
「これは何? もしやこれがいわゆる恋というもの…」
「へっ?」
 魔獣(のお肉)を見てから、ぐんと高鳴る、胸の鼓動。
 もう1度胸を「…っ」と抑える杏に、この子は何を言っているのだ、と呆然とする、エンジェルの医者と、イフリートのコックさん。
「……あ、発作起こしちゃった。ハイハイ、落ち着いて」
 1人だけ精神的なチェックを回避できた祭莉は妹を落ち着かせようと、首の後ろをトントンと叩き、ゆっくり言葉を掛けて。
「お肉は逃げないよ」
 そう告げて、にっこり微笑んだ祭莉は、空の1点を指差す。
「むしろ、向かってきてる!」
 ――ゥオオオオオオオオン!!!
 味方の牽制と一斉砲火を受けて堪らず高度を下げた魔獣は、甲板に立つ全てのモノに敵意を露わにしていますよ、どうします?
「それを早く言って欲しいズラー!」
「ぅわあああああ!!」
 蜘蛛の子を散らすように、甲板のあちこちに四散する勇士たち。
 杏に至っては「もしかして、両思い?」と、さらに悪化しているように見えなくもないけれど、まあ、きっと大丈夫だろう。
「わーい、おいらたちも攻撃に参加だー♪」
 眼前に迫る魔獣の肉質は、屈強な見た目に反して柔らかく柔軟性があり、なぜだか桜に良く似た、フローラルな香りを漂わせていて。
 これは絶対、美味しいお肉だッ!
 瞳の端をギランと鋭く輝かせた杏が、如意棒を模した武器――如意な棒を構えた祭莉が、同時に地を蹴る。
「どこまででも、きっと!」
 ――風輪の疾走(ホワイトラッシュ・オブ・ウインド)
 燃え上がる白炎を全身に纏った祭莉がハイテンションのまま船上を疾駆すると、同時に身体能力も大幅に向上して。
 祭莉がもう1度軽く地を蹴り上げると、身体はあっという間に空に舞い上がり、チカラ強い飛翔能力を得た祭莉は、飛び回るように魔獣と対峙する。
「おっと羽根が増えてる! 食べられるトコも増えたね♪」
 迎え撃つ魔獣は八翼ではなく七つ翼を持つ、大きな滅びの獣に姿を変えていて。
 先陣隊の戦いで肩口と背中を大きく削がれ、角と翼を1つずつ欠けていてもなお、その強さと大きさに衰えはみられない。
 ――その瞬間。魔獣は祭莉に向けて、七翼を一斉に羽ばたかせた。
「おいらと同じだねー♪」
 音速に匹敵する7つの鋭利な衝撃波が、次々と祭莉の間近を掠めていく。
 けれど、祭莉は空気を裂く僅かな気配を察してひらり後方へ飛び退くと、元気良く軽く身を躱しながら、如意な棒から衝撃波を打ち放つ。
「美味しくなあれ♪」
 宙を斬り裂く、いくつもの風切り音。
 打ち合う衝撃波が何度もぶつかりあって嵐を呼び、暴風が吹き荒れる。
 互いに牽制しながら、幾つもの衝撃波を打ち放つ様子は、縄張り争いのよう……!
 苛立ちを覚えた魔獣は、短く唸り声を上げると後退、態勢を立て直そうとして七翼を羽ばたかせた、その時だった。
「そうそう、追い込み漁って知ってる?」
 祭莉が満面の笑みを浮かべた瞬間、魔獣の大腰筋付近から一際激しい赤が弾ける。
 骨が軋み、肉が裂けたような痛みに、たまらず身体を折り曲げた魔獣の背中に立つのは、出刃包丁を鈍く光らせた杏である。
「ん、任せて」
 ――どれすあっぷ・CBA
 フリルエプロンに僅かな返り血を浴び、灯る陽光もとい出刃包丁を握り締めた杏は、誰が見ても、とってもクールビューティ(当者比)でして。
「まつりん、パス」
 杏は、怪力を込めて捌いた巨大な極上ヒレ肉を、うさみみメイドのうさみん☆と一緒に祭莉の方にポイっと投げ渡すと、すぐに戦場の暴風となる。
 身を焦すような(お肉の)熱い想いを拳と刃にのせ、杏は再びカマイタチの如く、魔獣(の希少部位)に襲いかかる!
 蒼天の青白い光が、刃に刎ねる。
 背中周りの残った、リブロースとサーロインを力任せに削ぐと、そのまま腰回りと尻尾上部の希少部位――ランプとイチボを、ざっくり斬り落とす。
 そのまま勢いを乗せて、モモ肉を捌こうとした時、魔獣もまた大きく動いた。

 ――グオオオオオオオオン!!!

 身に浸透する激痛と怒りで双眸を爛々と輝かせた魔獣は大きく身を捻り、重心を乗せるようにして、強腕を振りかざす。
 そこから放たれる一撃は、重量級ボクサーのパンチや、戦艦級砲台の比ではない。
 真っ直ぐ振り下ろされた魔獣の一撃が空気をごぅと揺らし、重く、鈍い音が響く。
 骨まで浸透する強烈な一撃に耐えながら、しかし、杏の唇は薄く弧を描いていて。
「今大事なとこ、お邪魔は禁物」
 ――愛(但し、お肉に限る)。
 その熱く、激しい情熱的なパッションは、再び、深く斬り裂く剣戟へと変貌する。
 身に纏うオーラを高めて獣の刻印を自力で解除した杏は、逆に魔獣をキツく睨みつけるや否や、一気に加速ッ!
 一迅の鋭さを持って魔獣の前足付け根付近に回り込んだ杏は、そのまま力任せに押し込んだ出刃包丁を、一気に横に奔らせる。
「双子の連携をご披露だーい♪」
 妹とうさみん☆が千切っては投げ、千切っては投げてくる肩バラ肉を、素早く宙を駆け回っていた祭莉が、残さずキャッチ♪
 無論、両手に収まり切れず、祭莉は甲板上の勇士たちに素早くお肉をぽーんと放り投げると、再び陽光煌めく蒼天に飛び込んでいく。
 終始見事な連携を披露した双子は、捌いたお肉をひとつも無駄にすることなく、全て『風唄の翼』に持ち帰ったのでした、合掌。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

シリン・カービン
【NSA】

戦闘前、コックと船長にセラフィムビーストの
解体法について話を聞きます。
極上な部位を損なわないために、
狙うべき箇所を知っておかないと。
「ニイヅキ、○○は一番美味しい部位。
攻撃してはダメです」

アキの飛空艇で出発。
ビーストが出てきたら軽やかなステップで宙へ。
囮となってビーストを引き付け、
二人の方に弱点が曝け出されるように誘導します。
歩数が尽きたらアキの飛空艇でリセットを。

『天使の輪』からの隕石は氷の精霊弾で狙撃し、
水蒸気爆発で破壊します。

「アキ。躱して下さい」
隕石群を前に、宙から飛空艇のアキにオーダー。
これぐらいは問題ないでしょう。
…同乗のニイヅキには試練ですが。

「あなたは、私たちの獲物」


駒鳥・了
【NSA】
美味しいお肉の為なら、そりゃ頑張って追いつくよ!
ってカービンせんせーと尾花ちゃん!
お肉につられて集まってるねえ
食べドコロは最大限確保しなきゃだ!

さーて柳葉の出番!
3人乗りでは安全性を優先しつつ
せんせーが飛んだら本領発揮!
ダイジョブ、オレちゃんの華麗なる操縦と空中戦技で避けてるよ!
ってかコレは避けたら後ろが(チラ見先に風唄の翼
よーしあえて突っ込んでやろ!
尾花ちゃん、カウンター任せた!

切り抜けた後はせんせーが囮になって誘導してくれてんね
もっかい別角度で突っ込むから大きい攻撃頼んでいいかな?

カービンせんせーのピットインも見計らっとこ
スピードを落とす時はUCで相手の動きを止めておくよ


尾花・ニイヅキ
【NSA】
美味しいお肉……(想像してキラキラ)
ここはしっかり戦ってたっくさん上質な肉を得ないと!

シリンから敵の弱点を教えて貰って配置につく。
「え、攻撃しちゃ駄目な所があるのか?」
……成程、それは絶対に避けないとな。

ふふ、突っ込んでいこう!
柳葉に飛来してくる隕石を『属性攻撃(氷)』の魔弾で撃ち壊し、柳葉と操縦しているアキを守る。
簡単に撃墜できると思うなよ。

シリンの誘導があれば水蒸気の煙幕越しでも敵を見失わずに済む。
再度突っ込んだ勢いで薄まった水蒸気越しに弱点が視認出来た瞬間に『属性攻撃(氷)』の【天翔星】で槍も含め『一斉発射』!
肉は叩くと柔らかくなるからな、普段以上に硬い氷を叩き込んでやる!


●凶星打ち砕く氷弾、天翔ける船
「避けるのは、一番美味しい部位ではなく、下腹部ですか」
「狩猟段階での放血や肉剥ぎは俺の船では推奨してるが、内臓(モツ)は下手に扱ったら最後、中身をぶちまけてしまうからなあ」
 極上部位に損傷がないよう、船長とコックにセラフィムビーストの解体法について訪ねていた、シリン・カービン(緑の狩り人・f04146)は、静かに双眸を細める。
「なるほど、他の猟兵にも伝えます」
「助かるズラ、内臓とアバラ周りにはバラ肉(カルビ)が多く集まってるズラ。なので、無理はとっても禁物ズラ!」
 ――カルビ。
 幅広く認知されている、そのお肉は、言うまでもなく焼肉の主力級である。
 うっかり内臓に刃が滑って中身をぶちまけてしまったら最後、想像を絶すると言いますか……誰だって食べたくないよね?
「中でも、俺は”肉の姫君”を愛してやまない。……アンタならわかるな?」
「姫君…カイノミですか。希少部位ですね」
 カイノミ。ヒレに近い場所にあるその希少部位は、内臓にも近い。
 至極真面目に告げる船長に、狩猟知識が豊富なシリンも、短く頷いた時だった。
「え、攻撃しちゃ駄目な所があるのか?」
 甲板に並べられた先陣隊の戦利品もとい極上のお肉を前に、尾花・ニイヅキ(新月の標・f31104)の紫色の瞳は、キラキラと輝いていて。
 ――自分もしっかり戦って、たくさんの極上のお肉をゲットしたい!
 そう、強い意思を胸に秘めたニイヅキの真っ直ぐな視線を受け、シリンも手に入れたばかりの情報をしっかり伝えようと、口を開く。
「ニイヅキ、内臓とカイノミが近い下腹部は、攻撃してはダメです」
 シリンが「内臓にはそうでないものが…」と付け加えると、その意図に気付いたニイヅキも真剣な眼差しで、コクリと頷き返す。
「……成程、それは絶対に避けないとな」
 ニイヅキが空を見上げると、形勢は完全に猟兵側に傾いている。
 しかし、参加している猟兵の半数近くがお肉を剥いで……否、挑んでいても、魔獣の勢いに衰えはみられず、逆に怒りで双眸を爛々と輝かせていて。
 ならば、狙うべき箇所は明確にした方がいいかと、シリンが1人思案に耽る、と。
「って、カービンせんせーと尾花ちゃん!」
 美味しいお肉に惚れて通えば、千里も一里♪
 真打登場の勢いでシリンとニイヅキの視線に飛び込んできたのは、駒鳥・了(I, said the Rook・f17343)――アキである。
「アキも、ですか」
「楽しくなってきたね」
 お肉につられてみんな集まってしまったねと、口にするまでもない。
 むしろ、アキの登場にシリンとニイヅキは揃って唇を綻ばせ、上空を見上げば知り合いの1人がブンブンと手を振っていて、アキの口元にも自然と笑みが溢れる。
「美味しいお肉の為なら、そりゃ頑張って追いつくよ!」
 万年欠食猟兵が集結してしまった今、食べどころのお肉は最大限確保するのが、自分たちの使命であーる!
 アキの強い意気込みに「否」と返す者はなく、その場で【NSA】を組んだ3人娘は、アキが用意したタンデム用飛空艇――柳葉に騎乗する。
「さーて柳葉の出番!」
 つい先程まで甲板近くで交戦していた魔獣は、飛空艇の設備と甲板付近の猟兵たちの猛攻を警戒して、再び空高く舞い上がっていて。
 小回りとスピードに特化した柳葉は、あっという間に魔獣に追いつき、3人の視界にも巨大な魔獣の姿が鮮明に映り込む。
 味方によって首から臀部までのお肉がゴッツリ削がれていてもなお、魔獣の動きは健在。力強い咆哮をとどろかせながら、牙を剥けてくる。
「風に舞い、空に踊れ」
 ――シルフィード・ダンス。
 普通なら絶望に近い状況でも、獲物を狙う狩人にとっては強敵であればあるほど、心が昂るもの。
 柳葉の船尾を鋭く蹴って跳躍したシリンは、軽やかなステップでトントンと宙に舞い上がると、誘うような動きでひらりと身をひるがえす。
 その光景は、野獣の目の前で、小さな妖精がダンスを披露しているよう……。
 視界をひらりひらりと遮られて苛立ちを覚えた魔獣は、低い唸り声を上げながら漆黒の羽根を強く羽ばたかせて、シリンを追いかける。
 ……ここまでは全て作戦通り。
 2人を乗せたままの柳葉も死角から回り込むように、魔獣との距離を詰めていく。
「柳葉の本領発揮だ!」
 3人乗りでは安全性を優先したけれど、2人なら多少の無茶は大丈夫な、はず…!
 魔獣に弱点らしき箇所は見当たらないけれど、舞うように魔獣の気を惹きつけるシリンが、アキとニイヅキに狙うべき箇所を視線だけで告げる。
 狙うのは――魔獣の頭。
 ふと、柳葉が大きく弧を描いた瞬間、2人の視界の端に、魔獣との最終決戦を挑むことになるであろう、後続の猟兵たちの姿が映り込んだ。
「お肉につられて集まってるねえ」
「手数は十分だね、このタイミングで頭を狙うのは、良い案だと思うよ」
 ここにきて、魔獣の息が少しずつ上がり始めている。
 このタイミングで魔獣の頭部中心に氷弾をぶつけて肉をぎゅっと〆れば、立派なチルド冷凍……違った、大きく動きを鈍らせることができる。
「尾花ちゃん、スピードをあげるよ!」
「ふふ、突っ込んでいこう!」
 柳葉を更に加速させるアキに、ニイヅキも船の一部にしがみつく。その時だった。

 ――グオオオオオオオオオオオオオオン!!

 しかし、セラフィムビーストも黙って殴らせてはくれない。
 蒼天に大きな金色の輪を顕現させると、広範囲に渡って隕石を降らせてきたのだ。
「アキ。躱して下さい」
 戦場全体に降り注ぐ、赤々と燃え盛る隕石群。
 それを射抜くように見据えたシリンは、巧みなエイミングで迫り来る隕石に向けて、次々と標準を合わせていく。
 冷たく奔る氷の精霊弾が、正確に真っ直ぐ隕石を撃ち抜く。同時に、極寒と灼熱が巻き起こした水蒸気爆発が、周りの小規模の隕石群を破壊した。
「ダイジョブ、オレちゃんの華麗なる操縦と空中戦技で避けるよ!」
 次から次へと飛来する隕石に、アキも見事なドライブテクニックを披露していて。
 間近に迫る隕石を面舵一杯で軽やかにかわしてみせると、すぐ後ろに隠れていたもう1つを、速度を上げてやり過ごす。
 3つめの隕石は1つめと2つめよりも1回りほど小さく、余裕を持って回避しようとしたアキは、ハッと目を見開く。
(「って、コレは避けたら後ろが」)
 ちらり後方をみたアキの視界に飛び込んできたのは『風唄の翼』の船体……。
 思考は一瞬。
 アキは前を見据えたまま、背中越しでニイヅキに「任せた」と笑いかけると、柳葉の操縦桿をぎゅっと握り締め、エンジンを強く吹かせる。
「よーし、あえて突っ込んでやろ!」
「ふふ、アキらしいね」
 敢えて真っ正面から斬りこむアキの背中から強い信頼を覚えたニイヅキも、柔らかな笑みを返すと、軽機関銃に氷弾を装填。
 その間、数秒。
 一寸の無駄もない動作で繰り出されたニイヅキの氷の魔弾は、瞬く間に隕石を蜂の巣に仕上げ、シリンの援護射撃を受けて、小さな隕石はあっという間に四散する。
「これぐらいは問題ありませんね」
 一連の動きは、互いの信頼があって始めてなせるもの。
 しかし、それでも油断はできない。隙なく猟銃を構えたシリンが再び魔獣と対峙した刹那、さらなる怒りで身を焦がした魔獣が、一気に加速する!
「尾花ちゃん、カウンター任せた!」
 魔獣の狙いは、柳葉を操縦している――アキ。
 敵味方関係なく白霧が視界を覆う中。それを恐れることなく一気に距離を狭めた魔獣は、大きく腕を振りかざし、超弩級の一撃を繰り出す。
 柳葉ごと打ち砕かんとする剛腕が激しく空気を振動させた瞬間、白銀の霜を帯びた氷弾が幾つも飛来し、魔獣の腕を撃ち抜いた。
「簡単に撃墜できると思うなよ」
 水蒸気で視界を奪われているのは、ニイヅキたちも同じ。
 けれど、シリンの誘導で魔獣の位置を正確に掴んでいたニイヅキは、氷弾の連射で拳の軌道を逸らし、同時にアキも柳葉を傾けて紙一重で攻撃を回避し、距離を取る。
「尾花ちゃん、もっかい別の角度で突っ込むから、大きい攻撃頼んでいいかな?」
「了解、シリン敵の頭の位置を教えて!」
 アキとニイヅキの気迫に応えるように、白霧の先でシリンの猟刀が煌めいて。
 一筋の光に狙いを定め、アキは柳葉の速度を限界まで上げ、船尾に立ったニイヅキは右手には槍を、左手の指の間に挟んだ10本のナイフを閃かせる。
 薄まった水蒸気越しに魔獣の頭部を目視したニイヅキは、手に持つ全ての投擲武器に、強力な氷の息吹を纏わせた。
「――撃ち抜け!」
 ――天翔星(アマカケホシ)
 その硬度と威力は、先ほどの氷弾の比ではない。
 魔獣が気づいた時にはその全てが一斉に解放され、迷いなく宙を裂いて飛び交う10本の鋭利な氷刃が、次々と魔獣の頭部に突き刺さる。
「肉は叩くと柔らかくなるからな、普段以上に硬い氷を叩き込んでやる!」
 魔導蒸気機関とニイヅキの魔力がさらに強く共鳴し、少し遅れて白霜を帯びた槍――月影が速度を上げ、鋭い軌跡を描きながら、鮮明な赤を散らす。
 一際大きい赤が弾ける。左目を潰されてもなお前進する魔獣を眼前に、アキはシリンのピットインも兼ねて速度を落とすと、柳葉の操縦桿から手を離した。
「生物でも機械でも、時に理解不能な行動を起こす。それも己の不利になる事をね」
 ――Spaghetti Code(アンチパターン)
 アキの指先から形成された不可視のプログラムが、光速の域で解き放たれる。
 目に見えぬチカラが魔獣の目前でパッと弾ける。プログラムに精神と駆動を干渉された魔獣はビクッと身体を震わせ、動きを止めた。
「あなたは、私たちの獲物」
 柳葉にトンッと足を下ろしたシリンの手に鈍く光るのは、精霊の力を宿した猟刀。
 再び、軽やかなステップで宙に跳んだシリンは、魔獣の右目に深く刃を刺し込み、一気に横に滑らせる。
 苦悶の咆哮を上げた魔獣の口が大きく開く。
 その好機を逃さず、ニイヅキが奔らせた氷刃が魔獣の口に稲妻のように閃き、極上の舌(タン)を斬り落としたのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

鳴上・冬季
「旨い肉が3倍。まさしく皆の胃袋を満たす天使さまですね。これは取りこぼしがないよう倒しませんと」
笑う

自分は風火輪、黄巾力士は飛来椅で飛行
空中起動と空中戦で自在に飛び回りつつUCで敵の羽をどんどん破壊
黄巾力士には制圧射撃させながらオーラ防御で敵の攻撃から庇わせる

「羽根を全部落として、四肢を砕いて。大きな肉の塊を飛空艇に届けましょう。どんな料理になるのか楽しみです」
嗤う

飛空艇に落としたら功夫で雷公鞭振り回し雷属性で攻撃
手早く仕留めてコックを呼ぶ
「さあ、ここからは貴方の独壇場です。お手伝いが必要ならいくらでも手伝いますよ」
式神召喚し運搬や切断、その他なんでも補助させる
「さあ、宴会が楽しみですね」


砂月・深影
……あの魔獣を見てもあんな反応なんて、勇士達ってたくましいな。そんな彼らのためにも僕も頑張らないと

自分の翼で飛んで空中戦を仕掛けるよ。さっきとは違って攻める側だから思いっきり飛び回って相手を翻弄したいね
フェイントやカウンターも使って相手に動きを読まれないようにしたり、調子を崩すのを狙ってみるよ。タイミングを見て【飛天翔斬】で一気に仕掛ける。よりスピードが上がった必殺の一撃を簡単に避けられると思わないでね

相手の攻撃は見切りを使ってできるだけ避けていくよ。多少なら炎は耐えられるけど、避けるに越したことはないからね

他の人との絡み・アドリブOK


クルル・ハンドゥーレ
アドリブ連携歓迎

デーモンみたいなアレな外見やけど
此処の人たちにとっては脅威と同時にお宝の山やねんなあ

肉はA5等級?
よっしゃ、船長、料理長!
気合入れて狩ってくるから準備万端で待っといて!

キャバリア搭乗
空中戦・空中機動・推力移動駆使し飛行

見切り・盾受け・武器受けにて敵攻撃と敵UCに対処
獣化にはオーラ防御・呪詛耐性・浄化で耐える
今の私は食欲の獣や!
その上書きなんてできるわけあらへん!

料理前に焼いてまうんもアレやな
凍らせる分には大丈夫やろ、とUC展開
限界突破の気合で氷華に注力
チルド冷凍や!

あと肉はたたくと柔らかなるんやったっけ?とシールドバッシュ
風唄の翼に敵が接近しすぎて危なそうなら吹き飛ばし


●the sky's the Limit
「デーモンみたいなアレな外見やけど、此処の人たちにとっては脅威と同時にお宝の山やねんなあ」
 味方の連携で首筋から臀部までのお肉と一翼、片方の角と舌、両目を奪われた魔獣は、デタラメな動きで宙を飛び回っていて。
 万策が尽きたと思われる魔獣は、半ば暴走するように高度を上げている。
 息継ぐ間もなくお肉……ゲフン、命を削られた魔獣は、いつ逃亡してもおかしくない状況であることは、クルル・ハンドゥーレ(逆しまノスタルジア・f04053)が見ても、明らかだった。
「ヤツはA5等級の極上肉だ、ここで逃したくはねえな!」
 ――A5等級だって?
 どうりで敵の損傷部位が偏っているといいますか、猟兵たちの瞳がギラついているのも、そういうことですか。
 満身創痍の極上の獲物を目前にし、浮足立った船長たちが前線に出ようとした瞬間、それを片手で制したクルルは「任せて」と、柔らかく唇を弛めて。
「よっしゃ、船長、料理長! 気合入れて狩ってくるから準備万端で待っといて!」
「そうだな、アンタたちの手柄を横取りするところだったぜ。俺たちのチカラが必要になったら、いつでも呼んでくれ」
 互いに武運を祈る視線を交わし、颯爽と銕色(くろがねいろ)のキャバリアに搭乗したクルルは、瞬く間に蒼天の風になる。
 その姿が点になるまで声援を送り続ける船長たちを、砂月・深影(寒空に光る銀刀・f01237)が、少し離れたところで見守っていて。
「……あの魔獣を見ても、あんな反応なんて、勇士たちってたくましいな」
「天使核のエネルギーで強化すれば、さらに旨い肉が3倍。まさしく皆の胃袋を満たす、天使さまですからね」
 白銀と朱金の刀身を手元で閃かせた深影が上空に視線を移すと、同じく和やかな表情で成り行きを見守っていた、鳴上・冬季(野狐上がりの妖仙・f32734)も笑みを深め、視線の先を追い掛ける。
 おそらく、自分たち3人があの魔獣に、留めを刺すことになる。
 内臓系と希少部位が多く詰まった腹回りのお肉は”いろんな意味で”ほぼ手付かずであり、まるっと美味しく頂くためには『風唄の翼』のコックの協力が必要不可欠だということも、考慮しなければならない。
「取りこぼしがないよう、ここで倒しませんと」
 勇士たちのため。そしてこのあとに控えた宴会のためにも、万全を尽くす。
 青き双眸の端を光らせた冬季は、両足首に嵌めた飛行装具――風火輪のチカラをかりて、一気に宙へ躍り出る。
 一拍置いて。そのすぐ後ろを追い掛けるように、人型宝具専用の飛行宝具――飛来椅に腰掛けた黄巾力士が追従し、深影も鋭く地を蹴った。
「そうだね、彼らのためにも僕たちも頑張ろう」
 深影の身体が空中にふわり舞い上がると同時に、背中の一対の羽根が巧みに上昇気流を掴み取る。
 心地良い空風に羽根を委ね、瞬く間に蒼天の風となった深影は、先行して鋭い軌跡を宙に描くクルルと冬季と共に、最後の空中戦を仕掛ける。
 気配だけで3人の接近を察した魔獣も大きく羽ばたき、天使核のエネルギーを解放して、巨大な滅びの獣に姿を変えた。
「ォオオオオオオオオオオ!!」
 舌を切られながらも喉元から咆哮をとどろかせた魔獣は、眼前のクルル目掛けて大きく身を捻り、重心を乗せるようにして、強腕を振りかざす。
 最後まで抗おうとする魔獣の超弩級の一撃が、クルルを乗せたキャバリアを大きく揺らし、重く、鈍い音を響かせる、が。
「今の私は食欲の獣や!」
 魔獣が振った強烈な一撃は、護りのチカラを高めていたキャバリアの大盾が、然りと受け止めていて。
 操縦席にまで浸透する獣の烙印に抗うべく、クルルは唇に血を滲ませながら己の中の呪詛耐性を総動員、戒めの浄化を開始する。
「その上書きなんて、できるわけあらへん!」
 守護のオーラを昂らせて、烙印の侵食を気迫で打ち破ったクルルは、キャバリアの機動力と推力移動を駆使して、一気に加速する。
 空を切る音が空気を裂く。
 流れるような動きで接敵したクルルは、キャバリアに搭載していた武器の全てを、無数の生命力を啜る氷華の花びらに変えた。
「料理前に焼いてまうんもアレやな、凍らせる分には大丈夫やろ」
 ふと、クルルが眼下を見下ろすと、風唄の翼の甲板上の至るところに、極上のお肉が所狭しと並べられていて。
 その物量は、戦いの合間に船底の貯蔵庫に詰めていかないと、今でも溢れ出してしまいそうで、凍らせたらとっても喜んでくれそうだ。
「凍えよ、睡れ、地に堕ちよ――」
 烙印の戒めを打ち破った勢いのまま、気合いを昂らせたクルルは、ひらり舞う氷刃1つ1つに意識を集中させる。
 白銀の世界。蒼天に解き放たれた無数の氷華は白霜を煌めかせ、魔獣の身体を喰らい尽くす勢いで、その巨体を飲み込んでいく。
 乱れ飛ぶ氷華が連戦続きで弱った魔獣を凍てつかせたとき、相手に動きを読まれないように距離を取っていた、深影が動いた。
「さっきとは違って攻める側だからね」
 狙うべきは、最も効果的に実行できる、タイミング。
 敵を翻弄するような動きで軽やかに疾駆。素早く魔獣の死角に回り込んだ深影は、すれ違いざまに剣風を叩き込む。
「空を翔て、鋭い斬撃を!」
 ――飛天翔斬(ヒテンショウザン)
 響く剣戟。さらに加速した深影が、冷たく光る刀身と炎の如く輝く刀身を、稲妻のように閃かせて。
 まずは一閃。軸足に体重を乗せて振り抜くように、幾重にも刃を滑らせる。
 音速に近い速度で繰り出された斬撃の数、60回。
 此処まで繋げてくれた味方の尽力に応えるべく、より速度を増した深影の必殺の斬撃は、魔獣の四肢を余す所なく捉え、瞬く間にウデ肉とソデ肉を削いでいく。
 しかし、屈強な魔獣は屈しない。
 最後のチカラを振り絞るように高らかと唸り声を上げた刹那、上空に顕現したのは、多くの猟兵たちを苦しませてきた、金色の天使の輪。
 一瞬で蒼天を赤々と染めた燃え盛る隕石群が、深影を中心に広範囲に降り注ごうとした、その時だった。
「黄巾力士、頼みましたよ」
 距離を取っていても、伝わってくる、熱と衝撃。
 宙を自在に飛び回りながら、終始翼を狙い続けていた冬季は、一瞬だけ速度を落とすと、並走していた黄巾力士に即座に命じる。
 味方の行動機会を多く作るため、魔獣の四肢に絶え間ない射撃を見舞っていた黄巾力士は、主人の一命を受け、隕石群にも制圧射撃を開始する。
「ありがとう、助かるよ」
 隕石の軌道先を読み、回避に徹していた深影の羽根の先を、焼き付けるような空気と熱風だけが掠っていく。
 絶え間なく降り注ぐ隕石の中。黄巾力士の援護射撃はとても心強く、戦う味方の背中を後押ししてくれて。
 銀の髪。その先端もちりちり焦げるような感覚に襲われながらも、すぐに態勢を立て直した深影は、再び翻弄するような動きで魔獣を追い詰めていく。
「もう1度チルド冷凍や!」
 風唄の翼の進路上に逸れた隕石群は、クルルの氷華がその熱量ごと貪る勢いで破壊尽くし、最後に残った大きな隕石も、冬季の多節鞭が打ち砕く。
「陣を描く、というのがどう言うことか。分かりやすく教えて差し上げましょう……」
 魔獣と対峙した冬季は、鋭く射抜くように、敵影を見据える。
 無数の傷が入った魔獣の背中に残る翼の数は、先陣の猟兵との戦いで欠けた一翼と、自身の雷撃が削いだ二翼を引いた――五翼。
 けれど、”窮鼠猫を噛む”ということわざが示す通り、その巨体が倒れ伏して動かなくなるまでは、決して侮ることはできない。
「八卦天雷陣・雷爆鎖」
 ――ならば、全力を持って削ぐまで。
 限界まで神気を込め、冬季が空中に大きく描いた陣から激しい稲妻が、五翼の一対に向かって降り注ぐ。
 雷撃が奔った箇所からさらに冬季の神気が流れ込む。それが雷と共に骨の髄まで達した瞬間、膨大なエネルギーが一気に膨らみ、一翼の根元を破壊した。
「羽根を全部落として、四肢を砕いて。大きな肉の塊を飛空艇に届けましょう」
 どんな料理になるのか楽しみだと嘲笑いながら、次の翼に狙いを定めた冬季は、残る翼に集中的に万雷を落としていく。
 瞬く間に全ての翼を失った魔獣は急激に浮力を失って落下、敵飛空艇の甲板中央に激突した。
「ォオオオオオオ!!」
 しかし、魔獣は倒れない。
 もはや執念なのか。魔獣は辛うじて上半身だけ起こした身体を、風唄の翼がある方向に向けたのだ。
「させへん!」
 その瞬間、クルルの身体が動く。
 真正面から斬り込んだクルルは、キャバリアの軸足に重心を移動させると、渾身のチカラを込めて、魔獣の身体に大盾をぶつける。
 重い衝撃が大盾を通して操縦席にも浸透する。それに追従するような動きで冬季が雷を帯びた鋼鉄製の多節鞭を鋭く打ち振い、深影が刃を閃かせて。
「よりスピードが上がった必殺の一撃、簡単に避けられると思わないでね」
 さらに1歩踏み込み――と思わせて、深影は大きく後退する。
 不意打ち気味のフェイントで調子を崩した魔獣が前のめりになった瞬間、再びクルルが強烈なシールドバッシュを、魔獣の脳天目掛けて叩き込んだ。
「肉はたたくと柔らかなるんやったっけ?」
 敵甲板に巨体を沈ませた魔獣の身体は、2度と動くことはなく……。
 辺りを静寂が包み込んだのも一瞬、風唄の翼から万雷に似た歓声と拍手がとどろき、戦いに赴いた全ての猟兵を包み込んだ。
「さあ、ここからは貴方の独壇場です。お手伝いが必要ならいくらでも手伝いますよ」
 魔獣の息の根が完全に絶えたことを確認した冬季は、風唄の翼の甲板で今か今かと待ち侘びていた、イフリートのコックを手招きする。
 恰幅の良さに似つかわしくない、快活な足取りで敵甲板に降り立ったコックは、冬季の隣に並ぶと「素晴らしいズラ!」と、満足そうに頷いて。
「肉の削ぎ方も完璧ズラ! でも、飛空艇に入りきれないズラね……敵の船の貯蔵庫と厨房も、まるっと頂いてしまうズラ!」
「「「えええええ!!!」」」
 もぬけの空となった敵飛空艇は、魔獣が封印されていた甲板前方以外は大きな傷もなく、格好の保管庫であり、宴会場にもなるだろう。
 そうと決まれば勇士たちの動きは速い。コックは慣れたように肉切り包丁を滑らせ、真っ先に内臓と天使核を取り除いていく。
 料理に心得がある猟兵たちも、捌ききれなかった部位に刃を入れ、持ち運びに適した大きさに切り分けていて。
「宴会が楽しみですね」
 このスムーズな解体風景を見る限り、宴会はすぐに始まるだろう。
 少しでも手伝いの足しになればと、冬季も喚び出した式神に、残ったお肉の解体と運搬を手伝わせるのだった。

 猟兵がゲットしたもの:極上の魔獣肉(全ての部位)と、敵飛空艇。

 おつ狩りさまでした!
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵


第3章 日常 『上手に焼きましょう』

POW豪快に焼く
SPD繊細に焼く
WIZ一味加えてみる
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●風唄の翼と共に
 茜色に差し掛かった空の上を、2隻の飛空艇がゆっくりと泳いでる。
 1隻は、再び自由の風を得た『風唄の翼』。もう1隻は敵がいなくなってモぬけの空となった、黒鉄色の飛空艇である。
 宴会の席は、主に風唄の翼の甲板上で行われることとなり、戦利品となった敵飛空艇の方は、積みきれなかった極上のお肉の臨時保管庫兼、仮厨房として使われることになるだろう。
「まさか、全ての部位の極上の魔獣肉と、敵飛空艇を手に入れるとはな!」
 戦いの最中で部位を捌いでいたことが功を評し、血抜きと解体の時間が大幅に短縮、すぐにでも宴会を始めることができるという。
 船長は、風唄の翼の甲板に戻ってきた猟兵1人1人に労いの言葉を掛けると、ふと真剣な眼差しを浮かべて。
「アンタたちがいなかったら、俺たちは1人残らずこの空にいなかっただろう。本当に感謝している」
 いつもなら、こういう有事の際は、ガレオノイドの勇士が脱出艇となることで、逃げ切ることが出来ていたらしい。
 けれど、半日前くらいに方針の違いによってガレオノイドの勇士が離脱。彼を送り届けた帰りの路で、屍人帝国の襲撃を受けたのだと、船長は苦笑した。
「ま、全て俺の不甲斐なさと油断のせいだ。というわけで、手に入れた『天使さま』の肉も素材も、全て猟兵のものだ、皆異論はねえな!」
「ごめんなさいね、船長は「助けてもらったお礼をさせてくれ」と、言いたかったの、そうでしょ?」
「……うっ」
「ですね! ボクたち殆ど何もしてませんし!」
「……うっ」
「この飛空艇の厨房も、あっちの船の厨房も好きに使って欲しいズラ! 我も腕を奮って調理するズラ!」
「コック! アンタだけが俺の味方――」
「我以外は消し炭しか作れない上に、宴が始まると飲み食いしかしないズラ。なので、我等はそろって置き物だと思って欲しいズラー」
「はははは、目から塩水が出てきたぜ!」
 再び、船上を和やかな空気が包み、勇士たちを中心に祝宴の準備が始まる。
 風唄の翼の甲板前方と中央には、丈夫な木製のイスとテーブルが幾つも並べられ、隅の方には酒やジュースが入った大タルが、ドカドカと積まれていく。
 風唄の翼の甲板上は、まるで空中酒場。
 一方、黒鉄色の飛空艇の甲板上では、大中小の肉焼き機が設置されており、ここでは肉焼きに挑戦することが、できるようになっていて。
 しかし、どの肉焼き機もお独りさま専用。つまり共同作業は不可、まさに己との戦い、美味しく上手に焼けるかは、プレイングとダイス次第であーる!!
「バーカウンターもあるんだな、俺もお邪魔させてもらうぜ」
 風唄の翼の甲板後方には、何時の間にかバーカウンターが設置されていて……。
 祝宴のメイン会場と離れたここでは、静かに料理を堪能することができるだろう。
 厨房から香ばしい匂いが漂ってくるころ、周囲を見回しながら、ふらりと姿を現した、忠克・慎也(うつつを彷徨う猟犬・f21505)も、ここが気に入った様子。
 他の猟兵からお肉も十分すぎる量があると聞いていたのか、少し思案して「俺のような飛び入り参加が増えても、問題なさそうだな」と、呟いた時だった。
「おっ、始めてみる顔だな、祝宴からの参加でもウェルカムだ! 初見のヤツもそうでないヤツも、思う存分に宴を楽しんでくれ」
「アンタが船長か、感謝する。ならば、遠慮なくお言葉に甘えさせて貰うぜ」
 初対面にも関わらず、気さくに声をかけてきた船長に慎也は礼を述べ、猟兵たちの方に視線を戻す。
 そして「知り合いで気になっている者がいたら、声を掛けて欲しい」と、笑みを深め、手帳サイズのメモ帳とペンを取り出した。
「厨房を覗いてみたところ、コックが「人手が足らないズラ!」って嬉しそうに悲鳴をあげていたので、腕に覚えがある者は魔獣肉料理に挑戦してもいいかもな」
 この世界では『魔獣の肉は上手に調理すると、大変美味しくなる』ということも、忘れてはいけない。
 2隻とも船内の厨房の設備と調味料は贅沢に揃っているのと、獲物が巨大だったのもあり、希少部位を含めて全員が食べ放題であーる。
 風唄の翼の勇士たちとコックなら、異世界の食材を少しくらい持ち込んでも、両手を上げて大歓迎してくれるだろう。
「皆が作った魔獣料理は、グリモアベースでも報告させて貰うつもりだ。……知り合いのグリモア猟兵も、気にしていたからな」
 ここに来る直前に「わしも行きたいのじゃー」と、地団駄を踏んでいた知り合いを思い出しながら、慎也はバーカウンターをちらりとみる。
 そして、少しだけ神妙そうに「……この世界には、カルーアミルクはあるのだろうか」と、ぼそりと呟くのだった。

●マスターより
 大変お待たせしました、無事に祝宴開催になります!
 第1章2章での猟兵の皆様のご活躍により『大成功』となりましたので、
 急遽、敵飛空艇も強奪して(!)の、拡張版とさせていただきました♪

 ・時間帯
 時間帯は夜19時頃、満天の星空の下での大宴会になります。

 ・会場詳細
 字数削減のため「1」と番号を記入して頂くだけで大丈夫です。
 複数の場面指定も可能ですが、他の方よりもリプレイ上の描写が薄くなったり、飛び飛びになりますこと、ご理解ご承知置きくださいませ。
 特にご指定がない場合は「1」のメイン会場での参加となります。

 1)空中酒場(風唄の翼の甲板上)
   メイン会場となります、コック以外の勇士たちもこちらにおります。
   みんなでワイワイガヤガヤ、勝利の宴を堪能しましょう!!
 2)上手に焼きましょう会場(黒鉄の船の甲板上)
   POW/SPD/WIZで判定します、貴方は上手に焼くことができるのか!
   …なお、御剣鋼のダイス運は極端であることを、付け加えておきます。
 3)厨房内(風唄の翼)
   黒鉄の船とほぼ同じスペックですが、温かみがあるキッチンです。
   イフリートのコックはこちらにおります。
 4)厨房内(黒鉄の船)
   風唄の翼とほぼ同じスペックは同じですが、黒鉄色でシンプルです。
   人目を気にせず、思う存分に作りたい方はこちらでどうぞー。
 5)空中バーカウンター(風唄の翼の甲板後方)
   こちらのみ賑やか禁止になります。慎也も片隅でチビチビ飲んでます。
   静かに星空と極上肉を堪能したい方は、こちらがオススメです。
   ステータスで未成年の猟兵さんは、ノンアルコールでのご提供になります。

●プレイング受付開始【8月19日(木)朝9時】
 上記より前に頂きましたプレイングは、全て1度お返しいたします。
 皆様の祝宴、心よりお待ちしております!
鳴上・冬季

「甘党ですか。それは大変素晴らしい」

「オツカレ オツカレ」
「オヤツ ドゾ オヤツ ドゾ」
「ガンバレ ガンバレ」
式神に3のイフリートコックへ仙桃届けさせ5へ

「ええ、そこの御仁が大変な甘党と聞いたので。是非これをお渡し願いたい」
バーテンダーにざらざらっと仙丹渡しフルーツ盛りならぬ仙丹盛りシロップかけをグリモア猟兵に出すよう依頼
勿論自分もベルベットハンマーと仙丹盛り頼む

グリモア猟兵が気付いたらカクテル持ち上げ挨拶
「なかなか甘党の同志にお目にかかれませんでしたので。お近づきのしるしです」
「私は甘ければ甘いほど好みです。次がありましたら、是非また」
甘くて度数の強いカクテルばかり選んで宴が終わるまで飲む


●前宴〜強者(と書いて甘党)たちの祝宴
「オツカレ オツカレ」
「オヤツ ドゾ オヤツ ドゾ」
「ガンバレ ガンバレ」
「おお、これは美味しそうな桃ズラ! お主らの主人にも伝えて欲しいズラ!」
 ――宴が始まる直前。
 風唄の翼の厨房内には、美味しく下拵えをされた食材が所狭しと並べられ、鍋やお皿に盛り付けられているのを、今か今かと待ち侘びていて。
 鳴上・冬季(野狐上がりの妖仙・f32734)の式神たちから仙桃を受け取ったイフリートのコックは、甘くて瑞々しい仙桃の味わいに「うまいズラッ!」と舌鼓を打つと、慣れた手つきで桃のシロップ煮を作り始める。
「我のオヤツだけなんて、もったいないズラ!」
 どうやら、宴の終盤には仙桃を使ったデザートが、並ぶことになりそう♪
 そのことを式神たちを通じて共有された冬季は、口の端を軽く綻ばせ、甲板後方にある『空中バーカウンター』に足を踏み入れる、と。
「カルーア・ミルク? 酒が弱い人にはあまり薦められないね」
「リキュールを1フィンガー、残りはシロップとミルクで何とかできないか? ……あとは何も聞かないでくれ」
「なるほど、そういうことかい。異世界では甘いお酒が流行っているのかね」
「いや、そうではない! ……否、そうなった方が俺にとっては好ましいが……」
 風唄の翼の甲板前方にある空中酒場から、香ばしい香りと歓声が響いてくる中。
 空中バーカウンターでは、中年イケオジな勇士のバーテンダー相手に、忠克・慎也(うつつを彷徨う猟犬・f21505)が、何とも言い難いカクテルを注文してまして……。
 このままでは、間違った知識で『ブルーアルカディア』の人々に異世界のトレンドが伝わってしまうッ!
 しかし、そのような危機を神々もとい、仙人が見捨てることはなかった。
「甘党ですか。それは大変素晴らしい」
 慎也から離れた席に腰掛けた冬季は、己にしか聞こえぬ呟きをぽつりと落とし、視線だけでバーテンダーを呼ぶ。
 バーテンダーも何かを察したのだろう。1人であーだこーだ自問自答している慎也からそっと離れると、冬季の前に立った。
「お兄さんも、宴の前に一杯どうだい?」
「ええ、そこの御仁が大変な甘党と聞いたので。是非これをお渡し願いたい」
 冬季がバーテンダーにざらざらっと渡したのは、仙桃……ではなく、仙丹である。
 それを両手一杯のまま呆然とするバーテンダーに、冬季はフルーツ盛りならぬ仙丹盛りシロップ掛けを慎也に出すように依頼すると、自信に溢れた笑みを浮かべて。
「もちろん、私にもベルベット・ハンマーを仙丹盛りでお願いします」
「やっぱりそういうことかい。オッケー、任せな」
 ――冬季よ、お前もかッ!!
 バーテンダーはシニカルな笑みを浮かべると、氷を入れたグラスに、カルーアリキュールとミルクを注ぎ、素早くかき混ぜていく。
 その上に仙丹を盛ってシロップをふんだんに掛けて完成、流れるような手付きで冬季のベルベット・ハンマーの材料をシェイカーに入れると、十分にシェイクする。
 広がるのは、リキュールの濃密な香りと、ブランデーの官能的な香り。
 鼻が利く慎也が「ん?」と顔をあげた瞬間、バーテンダーは先に完成していた、カルーア・ミルク(仙丹盛りシロップ掛け)を、素早くカウンターに滑らせた。
「……。これは、俺が頼んだものと少し違うような」
「ああ、コイツはあちらのお客さんからだ」
 見た目はアレでも、自然に惹かれてしまう甘ったるい香りに、慎也は困惑しながらも視線を横に動かす。
 その先には、似たような仙丹盛りシロップ掛けの琥珀色のカクテルを持ち上げた冬季が、柔和な笑みを浮かべていて。
「なかなか甘党の同志にお目にかかれませんでしたので。お近づきのしるしです」
「……へえ、そのシロップの量。アンタも相当の手練だな」
 柔らかく微笑みながらも双眸の奥底から只ならぬ(とんでもない甘党な)オーラーを醸し出す冬季に、慎也も瞬時に好戦的な(同士ッ!的な)視線をギラリと返す。
 拮抗し合う視線。
 それに反して、互いに「乾杯」と静かにカクテルを掲げると、甘党たちの邂逅を祝福すべく、グラスの中の仙丹たちも、カラカラと心地良い音を奏でて。
「私は甘ければ甘いほど好みです。次がありましたら、是非また」
「ああ、次は戦いとアルコールがない場所で、ゆっくり語り合おう」
 ほぼ一瞬で慎也が酔い潰れる中、冬季は宴が終わるまでバーカウンターにある、甘くて度数の強いカクテルを網羅していく。
 暫くして目覚めた慎也が気力でレシピをメモする横で、バーテンダーは酒の注文書に、嬉々とシロップを多めに足していくのでした♪

 ★魔獣肉レシピ番外
 カルーア・ミルク仙丹盛りシロップ掛け
 ベルベット・ハンマー仙丹盛りシロップ掛け
大成功 🔵🔵🔵

疋田・菊月
いやーお疲れ様でしたー
私達も頑張って働きましたが、やはり勝手知ったると申しますか、皆さんとても場馴れされていて……あ、こういうのはいいですか?
えへへ

さてさて、宴会ともなれば私もお手伝いいたしましょうか
とはいえ、イフリートさんのお邪魔はできませんね。隣の船にはるちゃんを運んでーと
何がありましたかねーごそごそ
ふーむ、ロースとヒレ部分を貰ってきましたが
ロースはサシが多いので一旦湯引きして脂を落としましょう
煮汁はスープにでもしましょうか
本来は豚を使いますが、回鍋肉にしてみましょうか
ヒレ部分は、表面を焼いて冷まして、たたきにしましょう
味付けは香味野菜とポン酢ですね
他の宴会料理も考えてさっぱり目です


●祝宴の始まり、黒鉄が奏でる夜想曲(ノクターン)
「いやーお疲れ様でしたー」
 蒼天は既に茜色から闇色に移り変わり、満天の星々が隅々に散りばめられていて。
 甲板前方に設置された『空中酒場』に所狭しに並べられた魔獣肉の香ばしい匂いが訪れた者たちの鼻腔をくすぐり、嫌でも食欲を掻き立てていく。
 このまま、お預けというのは酷。――否、まさに拷問ッ!!
 そんな空気を読んでしまった、疋田・菊月(人造術士九号・f22519)が、ノンアルコールの飲み物が入ったジョッキーを片手に、一段高く作られたお立ち台に立つと、それを待ち侘びていた猟兵と勇士も揃ってジョッキーを持ち上げる、が。
「私達も頑張って働きましたが、やはり勝手知ったると申しますか、皆さんとても場馴れされていて……あ、こういうのはいいですか?」
 乾杯の音頭は、楽しい集まりには付きものであーる。
 けれど、それが長くなりかけた瞬間。菊月の肩に止まっていた、名古屋訛りのクロウタドリの姿をした悪魔――カミオさんが『長い!』と、パシッと主人の後頭部目掛けて羽根でツッコミを入れまして。
 ユルみ掛けた空気にどっと笑いが広がっていく。菊月もまた「えへへ」と明るく微笑み返すと、今度はきっちり締めようと、勢い良くジョッキーを掲げた。
「それでは、声高らかにご唱和ください、乾杯!」
 弾けるような笑みでジョッキーを掲げた菊月の願いは届き、猟兵と勇士も祝宴の始まりに華を添えるべくジョッキーを高らかに掲げ、星空の下に嬉々と轟かせる。
「「「乾杯!!!」」

「さてさて、宴会ともなれば私もお手伝いいたしましょうか」
 場の流れで乾杯の音頭を取ってしまったものの、菊月が本領を発揮するのは、どちらかというと裏方のほうかもしれない。
 イフリートのコックの邪魔にならないように、『黒鉄の船』の厨房に自動随伴輜重機――はるを運んだ菊月は、ぐるりと周囲を見回す。
 こちらの船の厨房の設備も充実しているけれど、自分以外は誰もいないよう……。
 否。言い方を変えると、周囲を気にせず存分に調理が出来るともいえよう。
 菊月は、先程の戦いでは物騒なモノを積んでいた、はるの荷台に視線を戻すと、今は兵器ではなく、魔獣肉が豪快に積まれた荷台に視線を落とした。
「何がありましたかねー」
 菊月の金色の瞳が止まったのは、霜降りが良く乗った、ロースとヒレの部分。
 赤身にまんべんなく入った桜色のお肉はそのままでも美味しそうだけど、他の宴会料理のことも考えてさっぱり目にしようと、菊月は大鍋に湯を沸かしていく。
「ロースはサシが多いので一旦湯引きして脂を落としましょう、煮汁はスープにでもしましょうか」
 最初のメニューは、回鍋肉(ホイコーロー)。
 本来は、豚肉の塊を茹でるか蒸した薄切りを使うけれど、未知なる材料を使って見せるのも、料理の醍醐味というものであーる。
 菊月は無駄のない動きでキャベツ、ピーマン、長ねぎを切り分けると、湯切りしたロースに丁寧に包丁を入れていく。
 先の戦いでは屈強だった魔獣の肉。茹でたあともびっくりするくらい包丁の通りが良くて質がいい。
 そのまま、中華鍋にごま油とすりおろし生姜、豆板醤(トウバンジャン)を入れて熱し、香りが立った瞬間、魔獣肉、野菜の順に投入して一気に強火に切り替える。
「ヒレ部分は、表面を焼いて冷まして、たたきにしましょう」
 厨房に広がるジューシーなお肉と調味料の香りが、食欲と鼻腔をくすぐっていく。
 全体に味が絡んだ回鍋肉(ホイコーロー)を火から下ろした菊月は、流れるような動きで塩と胡椒をすり込んだヒレ肉を熱したフライパンに並べ、両面にきれいな焼き色がつく頃合いを見て、氷水に入れて冷やす。
 その時だった。
 ふと、祝宴に参加した猟兵たちの多くが、肉焼きに挑戦する姿を思い出した菊月は、はるの荷台から香味野菜と柑橘系を取り出した。
「味付けは香味野菜とポン酢ですね」
 他の料理のことを考えて、さっぱり目にしたことは正解だったかも♪
 上手に焼けても焼けなくても、肉焼き機で焼く極上肉は胃がもたれてしまうくらい、濃密で濃厚なはずだから……。
「スープは多めに作っておきましょう」
 少しだけお玉に取ったスープを小皿に入れ、そっと口をつけた菊月の唇も、優しい味わいにふわりと弛んでいく。
 菊月の給仕の心と気遣いが籠ったレシピは祝宴を楽しむ食客たちの胃袋と心をガシっと掴み、大いに満足させたという。

 ★魔獣肉レシピ
 魔獣ロース肉の回鍋肉(ホイコーロー)
 魔獣ヒレ肉のたたき〜香味野菜とポン酢和え
 魔獣ロース肉だし汁のスープ
大成功 🔵🔵🔵

花澤・まゆ
【2/WIZ】
お肉焼く前に助けたエンジェルのお医者さんを探すよ
大丈夫? 怪我してない?
お医者さんが怪我したら元も子もないからねえ
無事なら本当によかった!

草食の【青嵐】さんは足元で我慢してもらって
(もしお野菜系があればもぐもぐさせていただきます)
あたしは!念願の!お肉を焼く!
いやあ、あたし、料理下手なんだけど、焼くだけなら大丈夫でしょー!

焦げて炭になる前に引き上げればいい
…つまり、レアで焼く心持ちなら失敗しない、はず!
上手に焼けるかな!
(判定おまかせ)

コックさんの焼いてくれた美味しいお肉もいただきます
お肉が…とろける……
みんなも無事で、お肉も美味しいなんて
本当に幸せだね、青嵐さん!


鳴北・誉人


はああっ!うまそうなにおいー!!(歓喜に目がきらっきら)
勝手に押しかけて肉食わせてって言ったの俺だけどォ、こんなごちそう食えるなんて!

メイン会場でうンめえ肉料理で程々に腹を満たしてから…肉焼き機に挑む!
やらなきゃなんねえ肉焼き!
焼き方のレクチャーを受け、いざ挑戦

そんな器用じゃねえけどォ
え?
焼き具合の見極め?
表面焼けたらだいたい食えンじゃねえの?

大中小か…でけえ方がでけえ肉が焼けるってことォ?したら、中で!
でけえの食いたいけど、中を三回くらい挑戦したら大一回よりたっぷり食えンじゃねえ?

じょーずに焼けっかなァ!

焼き具合に関わらず自分で焼いた肉は全部持って帰る
あはっ、土産土産!

🎲含めアドリブ歓迎


●黒鉄の船に集う浪漫は、ビックでジューシーな狂詩曲(ラプソディ)
「はああっ! うまそうなにおいー!!」
 風唄の翼の甲板上に設けられた『空中酒場』で、魔獣肉料理を腹七分まで詰め込んだ、鳴北・誉人(荒寥の刃・f02030)が次に向かったのは、黒鉄色の飛空艇の甲板に設置された、通称『上手に焼きましょう会場』でして。
 ここでは、大中小の肉焼き機が設置されており、肉焼き機の灯火がパチパチと奏でる心地良い音と共に、勇士たちが魔獣肉のこんがり焼きに挑戦している様子……。
「やっぱ、やらなきゃなんねえなァ、肉焼き!」
 香ばしい匂いと同時に、和気藹々とした楽しい歓声が重なっていく。
 勝手に押しかけて肉を食わせてって言った自分だけど、骨付きの丸々とした肉塊が間近で豪快に焼かれていく風景に、誉人の藍色の瞳が歓喜でキラキラ輝くのも、無理もないだろう。
 鼻腔をくすぐる香ばしさの中に、時折コゲたようなモノや、生焼きっぽい香りが混ざってくるのも、肉焼き会場の醍醐味の1つだったから。
 ――そして、ほぼ同時刻。
 肉焼き会場に足を踏み入れた、花澤・まゆ(千紫万紅・f27638)は、魔獣肉を抱えてキョロキョロしていた、エンジェルの医者を呼び止めていて。
「大丈夫? 怪我してない?」
「ありがとうございます。おかげさまでこの通り、皆揃って宴会を楽しんでます! あ、ここに来たのはもしかして……肉焼き機が目的です?」
 船医である彼が負傷してしまったら元も子もない。無事でよかったと安堵するまゆにエンジェルの医者も微笑み返し、共に小さめの肉焼き機の前に腰掛ける。
 まゆの足元では、一足先に白翼のヒポグリフ――青嵐さんが、ブルーアルカディア産の野菜の味わいに、忙しなく口をモグモグと動かし、夢中になっていて。
 そう、この会場に来る猛者たちが求めるのは、ただひとつッ!!
「いやあ、あたし、料理下手なんだけど、焼くだけなら大丈夫でしょー!」
「あはは、ボクも似たようなモノですよ!」
 ここに来たからには、念願のお肉を焼くまでッ!
 親の仇を見据えるかの如く、まゆが肉焼き機をぎゅっと凝視すると、エンジェルの医者も同じように、ギンッと双眸を細めて。
「やり方もコツもわかるんです。わかってますけど、生焼け肉かコゲ肉しかできないんですよね。今回の『天使さま』は上手く焼けるといいなあ」
「大丈夫、きっとうまくいくよ!」
 全身からどんよりと暗いオーラーを醸し出すエンジェルの医者に、まゆが励ますような明るい笑みを向けた時だった。
「え? 焼き具合の見極め? 表面焼けたらだいたい食えンじゃねえの?」
 2人の間にヒョイっと顔を覗かせたのは誉人、彼もまた肉焼き機に刺す魔獣肉を両手いっぱいに抱え込んでいて。
 誉人とまゆの視線を受け、エンジェルの医者はゆっくりと口を開いた。
「コックさんは「ちょっと焼きすぎたかなと思うくらいがベストズラ!」っていっていたかな。ただ、生焼け肉だったらもう1度焼けばいいし、コゲ肉になってもコゲた部分をナイフで削ぎ取ったら、十分食べれるけど……」
 宴会の場に似合わぬ沈黙が、一瞬だけ支配する。
 そう、忘れてはいけない。ここに訪れる猛者が求めるのは、ロマンなのだッ!!
「ボクは一発で上手に焼けましたをしたい!」
「あたしも!」
「だよなァ」
 ぐっと拳を握るエンジェルの医者に、まゆは花咲くように微笑み、誉人も意気揚々と腕を捲ってみせて。
 エンジェルの医者から軽く焼き方のレクチャーを受け、いざ挑戦!!
(「焦げて炭になる前に引き上げればいい…つまり、レアで焼く心持ちなら失敗しない、はず!」)
 トップバッターを買って出たまゆは、目前の肉焼き機に魔獣肉を刺すと、ゆっくり取手をクルクル回していく。
 野菜に夢中になっていた青嵐さんもぴたりと口元を止め、見守るようにつぶらな瞳を主人に向けていて……。
「上手に焼けるかな!」
 魔獣肉から滴るジューシーな肉汁が炎に触れてパチンパチンと弾ける様はまさに至高、あとはうまく焼けるのを願うだけ!
 桜色の肉がキツネ色に変わり、鼻腔をくすぐる香ばしい匂いが色濃くなっていく。
 ――その瞬間。まゆは取手ごと魔獣肉を勢い良く持ち上げる。そこに顕現するのは……生焼け肉だああああ!
「炭になる前でよかった!」
 生焼け肉でもポジティヴな反応を見せるまゆに、エンジェルの医者は「もう1度同じように焼いたら、こんがり肉になるね」とアドバイス。
 そして、誉人の方は……。
「俺もそんな器用じゃねえけどォ」
 大中小の肉焼きを交互に見比べていた誉人も意を決して、中間の肉焼きの前に歩み出る。
 どちらかというと、大きい肉焼き機の方が、より大きい魔獣肉が焼けるし食べれるかもしれないけれど……。
(「中を3回くらい挑戦したら、大1回よりたっぷり食えンじゃねえ?」)
 胸の内に魔獣肉よりもジューシーな野心を秘め、肉焼き機に1つ目の魔獣肉を刺した誉人は、鼻唄混じりで取手をクルクル回していく。
「じょーずに焼けっかなァ!」
 表面を軽く炙るように肉焼き機から取り出した魔獣肉は……こちらも生焼け肉!
 思わずガクンと肩を落としてしまうイイ反応を見せたのも一瞬、すぐに気を取り直した誉人の2つ目の魔獣肉は――!
「あははは、真っ黒だァ!」
「お医者さん、コゲた部分をナイフで削ぎ取ると大丈夫だったよね?」
 ケラケラと笑い出した誉人に、まゆも小さな笑みをクスクスと重ねていて。
 終始ポジティヴな2人と反対に、あまりにも芸術な漆黒色に一時停止してしまったエンジェルの医者は我を取り戻し、慌てて頷き返す。
「え、はい! 最後の3つ目は、1つ目と2つ目の間の焼き加減を目指すと良さそうですね!」
「うっし、3度目の正直、いざ挑戦!」
 アドバイスを受けた誉人は、まゆと青嵐さんが見守る中、3つ目の魔獣肉を流れるような手付きで肉焼き機にセット。
 さらにノリに乗った鼻唄にジューシーな香りが混じり、キツネ色にチリチリっとカラメル色が入った瞬間、誉人は肉焼き機から取り出した魔獣肉を高らかに掲げて。
「最後はじょーずに焼けましたァー!」
 満天の夜空に高らかに掲げられた魔獣肉は、こんがりキツネ色に焼き上がり、香ばしい匂いと湯気を漂わせていて。
 エンジェルの医者のアドバイスを受けて、生焼け肉にもう一度火を通したまゆの手にも、琥珀色の美味しそうな骨付き魔獣肉が輝いていた。
「お肉が…とろける……」
 外はカリっと、中は柔らかくて蕩けるような味わいは、まさに極上のローストビーフのよう!
 口直しにイフリートのコックが作ったビーフシチューも、猟兵の有志が作ったさっぱり風味の回鍋肉(ホイコーロー)とヒレ肉のたたきも、口の中に入れた瞬間とろりと溶けていく。
「本当に幸せだね、青嵐さん!」
 満天の星空の下で和気藹々と宴を楽しむ勇士たちは誰1人足りとも欠けることなく、肉焼き機の篝火も絶えず2つの船を暖かく照らしていて。
 まゆが足元に視線を落とすと、青嵐さんが主人の皿に残る香味野菜をねだるように、そっと身体を擦り寄せてきた。
「あはっ、土産土産!」
 お腹と心を満たされた誉人も油紙で包んで貰った出来立てほやほやの魔獣肉を、上機嫌で両手いっぱいに抱え込んでいて。
 焼き具合なんて関係ない。自分の手で焼いた極上の魔獣肉、どれも格別の美味しさに違いはないのだから――。

★魔獣肉レシピ
 天使核獣の生焼け肉
 天使核獣のコゲ肉
 天使核獣のこんがり肉
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

砂月・深影
2
【SPD】
せっかくだし僕も魔獣肉の調理に挑戦してみようかな?……あんまり料理はやったことがないから心配だけど

まずは他の人がやっているのを観察して、火加減等を確認しておこうかな。火加減の調整がやりやすそうだから肉焼き機は小さいのを使うよ

様子を見ながら慎重に焼いていく。肉の焼き色や匂いに注意して焦げないように気をつける。それにしてもいい匂いがしてきた……、と匂いに気を取られないように気をつけないと

出来がよくても、悪くても自分が焼いた分はちゃんと食べるよ。よくできたら満足だけど、悪かったら落ち込むかな。どちらにしてもこれからは料理もちゃんとやっていこうかなと思うよ


菱川・彌三八


俺ァ肉は食わねェんだが…その実食い慣れてねえのよ
興味も大ェしてなかったんだが、そんねェに美味いってンならひとつ食ってみてえ

…で、此処に来た訳だが
如何にも此れが「肉を食う」事の醍醐味らしい
己との戦いとか、腹の膨れ方が違う理由なんぞを聞くなァ野暮、と
へェ…

存外魚を炙るのと変わらねェが、回すのにコツがいるってえ話だ
加減にゃ好みもあるらしいが、如何やら此処じゃ「上手いか否か」だけ
したが…生と焼け過ぎの境目を見極めりゃあ良い…のか?
眼は良い方だが、さて
調子合せるのに何故か鼻唄が出て来るんだよなァ…

マ、駄目なら駄目で調理番に如何にかさせるとして
さァ、肉のいっち美味ェ食い方ってえのを教えつくんな


●観察者たちの挑戦、極上肉が誘う綺想曲(カプリチオ)
 祝宴の開始早々から賑わいを見せる肉焼き会場では、歓声と笑いが入り混じっていて。
 けれど、この会場に足を踏み入れた全員が、積極的にロマンを求めているわけではない様子……。
「俺ァ肉は食わねェんだが……」
 その1人、菱川・彌三八(彌栄・f12195)にとっては偏食というよりも、どちらかと言えば、食べ慣れていないというべきか。
 ゆえに、祝宴が始まっても極上肉に大して興味が湧いていなかった彌三八だったけど、辺りに漂う香ばしい匂いと仲間たちが「うまい!」「ああ、幸せだ」と口を揃える光景を見てしまうと、そんなに美味いのならひとつだけ…と思うのも無理もなく。
 ……で、自分は此処に来たわけである。
「へェ…此れが「肉を食う」事の醍醐味かい」
 此処では己との戦いとか、腹の膨れ方が違う理由を聞くなんて、野暮だろう。
 彌三八は先に肉焼きに挑戦していた猟兵たちの少し後ろに立つと、足を止めてその様子を黙したまま然りと観察する。
(「存外魚を炙るのと変わらねェが、回すのにコツがいるってことか?」)
 イフリートのコックの料理をみる限り、この世界にも肉の焼き加減は色々種類があるみたいだけど、此処ではどちらかというと料理の腕前よりも「肉を焼くのが如何に上手いか否か」だけを、問われているかのよう。
 その証拠に、肉焼きに挑戦している勇士たちの多くが生焼け肉とコゲ肉を量産している中、飲み込みが早い猟兵たちの方が、極上肉を上手く焼いているようだった。
「生と焼け過ぎの境目を見極めりゃあ良い…のか?」
 絵師である己は何かしら観察する機会が多いし、眼も良い方だと彌三八は思う。
 ……けれど、何かが足りない。それを何とか探ろうとした彌三八が思考に耽る瞬間、すぐ隣に小柄の影――砂月・深影(寒空に光る銀刀・f01237)が立った。
「まずは他の人がやっているのを観察して、次に火加減等も確認した方がいいかもね」
「なるほどなァ、火加減ねェ」 
 折角なので、魔獣肉の調理に挑戦してみたいと物静かに告げる深影に、彌三八も同意するように小さく頷く。
 ――火加減。焼き上がりのタイミングに加えて、それも一緒に注視してみると、肉焼き機が大きくなればなるほど火加減の調整が難しく、火力も不安定になる様子。
 また、誰かが使った直後の肉焼き機を使うのと、1番最初に使うのとでは、熱の伝わり方にも大きな違いがあることも……。
 同じことを考えたのだろう。深影も「僕は、あんまり料理はやったことがないから」と銀の瞳を細め、小さめの肉焼き機の前に座った。
「火加減の調整がやりやすそうだし、僕はこの小さいのを使うよ」
 深影が両手で抱えていた包みを広げると、中から霜降りが綺麗に入った桜色の魔獣肉が姿をみせて。
 深影は、それをゆっくり串に刺して慎重に肉焼き機の上に置くと、火加減を見ながら取手をクルクルと回していく。
(「それにしても、いい匂いがしてきた……」)
 キツネ色に近づくにつれて、深影は肉の焼き色と匂いに注視しながら、五感を研ぎ澄ませていく。
 魔獣肉から滴るジューシーな肉汁が炎に触れてパチパチと弾けるたびに、食欲を注ぐ香ばしい匂いも、さらに色濃くなって……。
 一瞬だけ匂いに気を取られてしまったものの、深影は慌てず冷静に串を持ち上げると、その先端にキラリと輝くモノが――!
「上手に焼けました、かな?」
 完成したのは、見事な焼き色をした、こんがり肉!
 深影は満足そうに銀の瞳を細めると、ナイフでひとくち分だけ削いで、ぽんっと口に入れる。
 見た目は満遍なく火が通って固そうだったけど、口に含んだ瞬間、霜降りがとろりと蕩け、濃厚で深みのある味わいが口いっぱいに広がっていく。
 その光景を視界の端に留めた彌三八も、誰かが使い終わったばかりの、予熱が十分残っている小さめの肉焼き機の前に腰掛けると、魔獣肉を肉焼き機に取り付けた。
「マ、駄目なら駄目で調理番に如何にかさせるかァ……」
 その思いと言葉に反して、調子を合わせようとすると鼻唄が出てしまうのは、何故だろう。
 自然と出てしまう軽快な鼻唄に合わせて彌三八が串を持ち上げると、まさかの00なクリティカルな出目もとい、ミラクルな焼き加減でして♪
「此れは…別の意味で肉のいっち美味ェ食い方ってえのを、調理番に教えて貰わなねェとなァ……」
 まさかの大番狂わせもとい、ウルトラ上手に焼けました肉が、此処に降臨ッ!
 絶妙な焼き加減に仕上がったグレートなこんがり肉を手にした彌三八は困惑を浮かべ、深影は口の端を少しだけ綻ばせて。
「これからは、料理もちゃんとやっていこうかな」
 出来が良くても悪くても、自分の手で焼いた極上の魔獣肉の味わいは格別なもの。
 風唄の翼の航海の旅も、星空の下の祝宴もまだまだ佳境に入ったばかり。未知を識ろうとする観察者たちの旅は、もう少しだけ続きそうだ。

★魔獣肉レシピ
 天使核獣のこんがり肉
 天使核獣のこんがり肉G(ウルトラ上手に焼けました!)
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

シリン・カービン
【NSA】
SPD(1)(2)

「杏、祭莉、ガーネット」
知人たちに手を振り合流。
さすが、皆美味しいものは見逃しませんね。

さて、串焼き講座です。
ガーネットの血抜きの功あってか、肉の状態はかなり良いですね。
串焼きのコツは、熱を均等に伝えられるように串を打つこと。
猟師の目利きで串を打った肉を皆に渡します。
多少の失敗は味のうち。丸焦げにはならないよう目を配ります。

どこも盛り上がってますね。何か軽快な音楽が聞こえてきます。
音楽終了と共に串を持ち上げ、「上手に焼けました」(チャン♪)

ガーネットとジョッキを傾け、山盛り肉や肉丼に舌鼓。
新たな獲物の知識を味と共に反芻します。
お土産肉も確保。氷の精霊のチルド便です。


ガーネット・グレイローズ
【NSA】と合流して(1)(2)船上のパーティー

おや…あそこに見知った一団がいるじゃないか。
解体した魔獣の肉を囲んで、調理の相談かな。
「おーい、私も参加させてくれー!」

空の上でBBQなんて初めてだ…
焼きはサバイバルの達人シリンにお任せ。
「船長。こっちにも酒を!」
焼けた肉を皿に取ったら、シリンと「勇士の酒」で乾杯だ。
さぁ、若者たちはどんどん食べなさい。えっ、お米も炊いたのか?
焼肉丼とはワイルドな。さすが杏
アキもニイヅキも、見た目に反してよく食べる。これが若さか…
まつりん、私にも追加の肉を頼むよ!
デザートには、持参したグリードオーシャンの果物があるよ
太陽の光を沢山浴びた、このマンゴーを召し上がれ!


駒鳥・了
【NSA】+双子ちゃん+グレちゃん!

更に合流!そして待望のお肉!
美味しく食べる為に焼きは任せた!
オレちゃんは飯盒炊飯しよ
お肉にご飯は必須でしょ!

はじめチョロチョロなかパッパ?
蓋を取らずにパチパチ言い出したら完成だー
そーだ、わざとおコゲ作る必要はある?

火加減見ながらそーいえば!
せんせー、お土産したいトコがあるんだケド
美味しく届けるには冷凍とチルド、どっちが…おお!(拍手

アツアツご飯を手に取って
尾花ちゃん、具のお肉ココに入れて!
ってコトで行ってらっしゃーい!(お皿に入れてはい
ご飯はいいケド丼にする作業は杏ちゃんにお任せでおっけ?

完成したらコーラでカンパイだ!
やー働いた後のお肉は美味しいねえ!


木元・祭莉
【NSA】と合流!
おいらは、うさみん☆と一緒にお給仕さんやるよ♪

やほー、姉ちゃんたち。お肉どうだった?
わあ、傷一つ無い立派なタン!
コッチはね、リブロースとサーロイン、ランプにイチボ。
あと、アンちゃんが肩バラ肉の削ぎ切りいっぱい作ってくれたよー♪(どさどさ)

お肉焼いてるトコに待機。
アンちゃんがよだれ垂らさないよう見守ったり。
炭運んだり、ふいご吹いたり。

お肉は、次々お皿に取り分けて。
焼き加減はお好みで調節するよ。
お野菜運んだり、飲み物オーダー取ったり。

ピンク岩塩に、柚子コショウ、木元家秘伝のタレもあるよー。
ジョッキも冷しておいたー。
オススメはレモネード!

え、おいらのぶん?
わー、おにぎり(肉)だー♪


木元・杏
【NSA】と合流ー!して6人で
「1」メイン「2」ちょろっと

ニイヅキ達、いた
ふふ、狩る時にアキの髪が見えた
シリンとガーネットも
皆でお肉パーティ

先ずは準備
狩ったお肉の中でもこう、愛を確かめあった大きな塊を選び
いざ、焼く
んむ?シリン何か言った?
出来上がりはどうかな…(わくわく)

焼けたお肉をお皿に盛り合って
野菜も足して彩り良く
果物には梨を沢山

ニイヅキ、お料理分けっこしよう♪
ん、このお肉も美味…
まつりん、おすすめのお飲み物は何?
お給仕のお礼に、はい、お肉どうぞ?

ガーネットとシリンはオトナでクールビューティ(尊敬のまなざし)
皆で食べるご飯はいつだって最高

…!
この素朴な香り!米!
アキ、アキ、〆の肉丼頂きたい


尾花・ニイヅキ
【NSA】
「1」+少し「2」

杏だ!
祭莉とガーネットは初めましてだね。一緒にいっぱい肉を食べよう!

料理人に任せた方が安定して美味しいお肉は焼けるんだろうけど……やっぱり、皆と獲ったタンを焼きたい!
シリンは焼き方詳しいの?教えて貰っても良いかな。

杏と料理の分けっこ!そっちのも気になってたんだ!
ん、これも美味しい!本当にどの部位も美味しいんだな。
お酒を飲みながら肉を食べる……また違った味わいなんだろうなあ(シリンとガーネットを見てほわほわ)
大人の楽しみ方って素敵だよね。

アキ、お米炊いたんだ!
三つくらい肉を入れたおにぎり作って欲しいんだけど……ん、ありがとう!
祭莉、給仕お疲れ様。肉入りおにぎりどうぞ!


●満天の星空の航海、風唄奏でる舟歌(バルカローラ)
「待望のお肉の時間だー!」
 【NSA】の仲間と共に、大いに賑わいを見せていた肉焼き会場に足を踏み入れた、駒鳥・了(I, said the Rook・f17343)――アキは、うーんと背筋を大きく伸ばす。
 祝宴が始まって早々、すでに多くの猟兵や勇士たちが集まっていた肉焼き会場には、香ばしい香りと焦げ臭いにおいが混在しており、半ばカオスと呼んでもいいくらいである。
 ……と、その時だった。アキとシリン・カービン(緑の狩り人・f04146)と一緒に会場入りした、尾花・ニイヅキ(新月の標・f31104)は、ふと一点を見据えると、紫の瞳をぱちぱちと瞬いて。
「杏だ!」
 ニイヅキが瞳を輝かせながら手を振ると、視線の先の見知った顔――木元・杏(シャー・オブ・グローリー・f16565)も3人に気付くと、くるりと踵を返す。
 その隣には双子の兄の、木元・祭莉(マイペースぶらざー・f16554)が両手いっぱいに魔獣肉を抱えており、彼もまた満面の笑みを返しながら、3人の元に駆け寄ってきた。
「ニイヅキ達、いた」
「やほー、姉ちゃんたち。お肉どうだった?」
 木元兄妹の手には、これでもかと言わんばかりの、大量のお肉が収められていて。
「コッチはね、リブロースとサーロイン、ランプにイチボ。あと、アンちゃんが肩バラ肉の削ぎ切りいっぱい作ってくれたよー♪」
 祭莉が先の戦いの戦利品もとい極上肉をどさどさっとお披露目すると、ヒョイっと顔を覗かせたアキが「やっぱり2人だったんだ!」と、緑色の目を大きく見張る。
「オレちゃん達が戦ってる時、どっちか手を振った?」
「あ、それ、おいらだよー♪」
「ふふ、わたしも狩る時にアキの髪が見えた」
 見知った同士で会話が弾みかけたその時、思いがけない出会いが、もう1つ♪
「おーい、私も参加させてくれー!」
 見知った一団に視線を止めたのは、ガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)も同じだったよう。
 つまり、この船に参戦した猟兵の半数が、なんと知り合い同士という奇遇!
 ――否。皆美味しいモノや話には目が無いことを思い出したシリンは、【NSA】に合流した知人たちに手を振りながら、改めて全員の顔を見回した。
「杏、祭莉。ガーネットも」
「薄々感じていたが、シリン達もいたのだな」
 皆戦いの最中に互いの存在を何となく察していたのだろう、2人だけでなくニイヅキと杏も嬉しそうな笑みを浮かべていて。
「祭莉とガーネットは初めましてだね。一緒にいっぱい肉を食べよう!」
「皆でお肉パーティ……ん? アキは何処へ?」
「美味しく食べるための焼きは皆に任せた!」
「えっ、アキは肉を焼かなくていいの?」
「お肉にご飯は必須でしょ!」
 ――???
 頭の上に疑問符を浮かべる仲間たちを他所に、アキは善は急げと言うが如く会場とは別の方向に向かってピュンと駆け出す。
 まるで疾風の如く遠ざかっていくアキの背中からガーネットは視線を外し、船の下をゆっくり流れる、薄闇色の雲海に止めた。
「空の上でBBQなんて初めてだ…」
 幾つもの世界で輸送業や交易を担うガーネットにとっても、空に浮かぶ船上での祝宴というのは初めての経験で……。
「ガーネットの血抜きの功あってか、肉の状態はかなり良いですね」
 甲板上に広げられていた魔獣肉を1つ1つ吟味していたシリンが労うように口を開いたのと、祭莉が一際大きな歓声をあげたのは、ほぼ同時。
「わあ、傷一つ無い立派なタン!」
「料理人に任せた方が安定して美味しいお肉は焼けるんだろうけど……やっぱり、皆と獲ったタンを焼きたい!」
 祭莉の銀の瞳に大きく映っていたのは、ニイヅキが大切に抱えていた、天使核獣のタン。
 それは、希少部位の1つだけど、それ以上に皆と協力して手に入れた、大切な食材でもあった。
「では、串焼き講座でもしますか」
「シリンは焼き方詳しいの? 教えて貰っても良いかな」
「そうだな、焼きはサバイバルの達人に任せよう」
 シリン先生による串焼き講座に頼もしさを感じた、ニイヅキは瞳をキラキラと輝かせ、ガーネットもまた唇の端を綻ばせて。
 シリンは少しだけ思案すると、肉焼き機の横に並べられた串を幾つか手に取る。
「串焼きのコツは、熱を均等に伝えられるように串を打つこと」
 緑色の双眸をすっと細め、シリンは猟師の目利きで串を打った極上肉を1人1人に手渡していく、けれど。
「おいらは、うさみん☆と一緒に、お給仕さんやるよ♪」
 6人の中では男手は1人だけ。
 裏方は任せてと大きく胸を張った祭莉は追加の炭を運び終えると火加減を安定させるべく、ふいごを吹くことに専念しようとしていて。
 ならば、杏の方は……と、視線を動かしたシリンの身体が、ぴたりと止まった。
「杏、その肉は」
「んむ? シリン何か言った?」
 杏が串にギュッギュと刺していたのは、希少部位のヒレ肉の中でも最も質が良いとされる最高級部位――シャトーブリアンである。
 杏曰く。己が狩り取った極上肉の中でも特に愛を確かめ合った大きな塊を選んだだけだとか……いやいや、この希少すぎる極上部位は、いろんな意味でミスれないぞおおおッ!!
「いざ、焼く」
 シャトーブリアンの命運は如何にッ!!
 親の仇を見据えるような眼差しで焼き始めた杏のそばには、シリンだけでなく祭莉も「アンちゃん大丈夫かな」と、すッと待機。
 どちらかというと、誤って杏がよだれをジュルっと垂らさないように見守っているみたいだけど、肉塊から滴る肉汁の香ばしさを前にしては、もはや時間の問題だと言えよう。
 ――だが、しかしッ!!
「出来上がりはどうかな……」
 高鳴る胸の鼓動を抑えながら杏が串を持ち上げて見せると、まさかのクリティカルな出目もといミラクルな焼き加減!
「ウルトラ上手に焼けた!」
 そう、ダイスの神様はシャトーブリアンを救うべく――否、杏に微笑んだ。
 絶妙な焼き加減に仕上がったこんがりシャトーブリアンは神々しく輝いており、濃密かつ上品な香りが周りにいた勇士たちも虜にしてしまう。
 最上級希少部位が闇色に侵食される危機を免れただけではない、希少かつ極上部位がさらにグレートになったといっても過言ではなく。
「少し焦げてしまったが、まずまずの出来栄えだな」
「多少の失敗は味のうちです」
 対して、漆黒の物体を生み出す直前だったガーネットは、丸焦げにはならないように目を配っていたシリンのおかげで、事なきを得ていて。
 少しだけ焦げた部分をナイフで削ぐと、その下から肉質きめ細かく霜降りもよく入った、ミディアム級の桜色のお肉が垣間見えて……。
 ガーネットが「ワインに合いそうだ」と口元を綻ばせると、少しだけ生焼けになったタンにもう1度火を通したニイヅキも「今度は上手くいったよ」と柔らかな笑みを返し、ふと呟く。
「アキは大丈夫かな?」

「はじめチョロチョロなかパッパ?」
 一方、アキは甲板の隅の方にあった肉焼き機の1つを改良した、飯盒炊爨(はんごうすいはん)に挑んていて。
 肉のかわりにお米を入れた飯盒を丈夫な串に幾つも掛けると、はじめは弱火に徐々に火力を強めていく。
「蓋を取らずに、パチパチ言い出したら完成だっけ」
 どの飯盒も沸騰してコトコトと蓋を鳴らし始め、隙間からもグツグツと湯気が溢れ出てくるけれど、グッと我慢!
 アキは蓋を開けて様子見したい衝動を抑えながらも火力を保ち、水分を飛ばしていくと……。
「あ、パチパチ言い出した!」
 水分を飛ばし切った飯盒から聞こえるのは、待ち続けていたパチパチという音。
 アキは即座に飯盒を火から下ろそうとした瞬間、脳内にピカッと電球が瞬いた!
「そーだ、わざとおコゲ作る必要はある?」
 火加減を見つつ、アキは声と気配だけでシリンを探そうとするけれど、その間で焦げ付いてしまったら、元も子もない。
 思考は一瞬。アキは飯盒の半分をすぐに火から下ろして逆さにすると、もう半分を30秒だけキープするのだった。

「どこも盛り上がってますね」
 祝宴も佳境に入ったのか、何処も盛り上がりを見せていて、何やら軽快な音楽すら聞こえるような?
 弾む音楽(?)に合わせて、慣れた手付きで肉をクルクルと回していたシリンは、音色が終わるタイミングで串を持ち上げる。
「上手に焼けました」
 ――チャン♪
 脳内に響く心地良い終了音と共に、シリンの手元でキラキラと輝いていたのは、見事なこんがり肉!
 誰がみても見事な出来栄えに勇士たちからも歓声が湧く中、祭莉はうさみん☆と一緒に焼き上がった極上肉を次々とお皿に取り分ける。
 杏も先ほど焼いた極上肉を大皿に盛りつけると、祭莉が運んできた野菜を彩り良く足していき、切り分けた梨でぐるりと大皿を取り囲んで祝宴の席をさらに盛り上げていく。
「焼き加減もお好みで調節するよ」
「まつりん、私にも追加の肉を頼むよ!」
 息継ぐ間もなくオーダーを取り始めた祭莉に、ガーネットは追加の肉を注文。
 ふと気がつけば、所狭しと並んだ料理の大皿の間には、ピンク色の岩塩に、柚子コショウ、木元家秘伝のタレが置かれているという、まさに至れり尽くせりである。
「ニイヅキ、お料理分けっこしよう♪」
「ありがとう、そっちのも気になってたんだ!」
 杏からの幸せのお裾分けに、ニイヅキが断る理由なんてない。
 互いの皿に乗った極上肉はどれも比べようがないほど美味しくて、油断したらほっぺごと落ちてしまいそう!
「ん、これも美味しい! 本当にどの部位も美味しいんだな」
 霜降りがぎゅっと詰まったシャトーブリアンの味わいにニイヅキが嬉しそうに舌鼓を打つと、肉厚のタンステーキに夢中になった杏も黙々と頷いて。
「ん、このお肉も美味…まつりん、おすすめのお飲み物は何?」
「オススメはレモネード! ジョッキも冷してあるよー♪」
 まさに、ホスピタル精神の鏡!
 口いっぱいに広がる肉の余韻を一気に堪能していた杏には¥、祭莉がよく冷えたジョッキーに入れたレモネードをさっと手渡す。
「アキもニイヅキも、見た目に反してよく食べる。これが若さか…。あ、船長。こっちにも酒を!」
「あいよー、俺の奢りだと思って、ジャンジャン飲んでくれ!」
 焼けた肉を皿に取ったガーネットは、シリンと共に『勇士の酒』が入ったジョッキーを傾けながら、大皿に山盛りにした魔獣肉に舌鼓を打っていて。
 スライスした焼きたての極上肉を舌に乗せた瞬間、濃厚な味わいが口の中いっぱいに広がり、スッと溶けていく。
 けれど、後味はとても上品で、シリンは新たな獲物の知識を味と共に反芻するように極上の肉を舌に転がし、ガーネットもゆっくり喉の奥へ流していく。
「ガーネットとシリンはオトナでクールビューティ」
「大人の楽しみ方って素敵だよね」
 お酒を飲みながら肉を食べる……それは、また違った楽しみ方であり、特別な味わいなのだろうか。
 酒と肴を優雅に嗜む大人2人を杏は尊敬の眼差しでぼーっと見つめ、一緒にいたニイヅキも憧れに似た感覚でふわふわっとしてしまう。
「さぁ、若者たちはどんどん食べなさい。――えっ」
 喉元に残る余韻を酒で湿らせたガーネットが、2人にも遠慮しないように呼び掛けた時だった。
 馴染みのあるお米の香りに杏の身体がビクッと震えたのと、アキが「アツアツご飯だよ!」と炊き立てのほかほかご飯を持ってきたのは、ほぼ同時!
「…! この素朴な香り! 米!」
「え! アキ、お米炊いたんだ!」
 アツアツご飯を前にした杏の身体と語彙力が停止する中、ニイヅキはちらっと祭莉を見やると、小声でアキに告げる。
「アキ、3つくらい肉を入れたおにぎり作って欲しいんだけど……」
「オッケー、尾花ちゃん、具のお肉ココに入れて!」
「ん、ありがとう!」
 素早くお米でおにぎりを作ってみせたアキは、ニイヅキのお皿にぽんぽんっと肉おにぎりを乗せていく。
 小声で礼を述べて素早く踵を返したニイヅキに「行ってらっしゃーい!」とアキが見送ろうとした時、杏がちょんちょんと肘を突いた。
「アキ、アキ、〆の肉丼頂きたい」
「ご飯はいいケド、丼にする作業は杏ちゃんにお任せでおっけ?」
「焼肉丼とはワイルドな。さすが杏。締めならもう1つあるぞ」
 酒が入ったのだろうか、「デザートにグリードオーシャンの果物を持ってきている」と上機嫌に笑ったガーネットの足元には果物の箱が。
 アキが箱を開けると、中には太陽の光をたくさん浴びたと思われる、みずみずしいマンゴーたちが入っていた。
(「ユーゴさんみたいだなあ」)
 グリモア猟兵が聞いたら、きっと「わしは食べ物じゃありませんのじゃー!」と、一目散に逃げ出すだろう。
 そんなことを思いつつマンゴーを口にしようとした時だった、ハッと大事なことを思い出したアキはすぐに「そーいえば!」と、シリンを呼び止めた。
「せんせー、お土産したいトコがあるんだケド、美味しく届けるには冷凍とチルド――」
「アキ、お土産肉は確保済み。氷の精霊のチルド便です」
「…おお!」
 ガーネットに続いて大人の貫禄を見せたシリンが微笑むと、アキの手は自然と拍手をパチパチ送っていて。
 帰路を待つ知り合いの顔を思い浮かべたシリンの緑色の瞳が綻び、改めて全員揃ったことを確認したアキは、コーラが入ったジョッキーを掲げた。
「やー働いた後のお肉は美味しいねえ!」
 ――乾杯ッ!!
 空に一番近い場所で掲げられたジョッキーに合わせて、星空の下に幾つもの「乾杯!」が重なり合う。
「祭莉、給仕お疲れ様」
「お給仕のお礼に、はい、お肉どうぞ?」
「え、おいらのぶん?」
 乾杯のために給仕を止めていた祭莉に、ニイヅキと杏が差し出したのは、肉入りのおにぎり。
 杏が皆で食べるご飯はいつだって最高だからと微笑むと、祭莉も給仕に専念していた手を始めて止める。
「わー、おにぎりだー♪」

 視界一面に広がる満天の星空と闇にふわりと浮かぶ雲海を進むのは、2隻の飛空艇だけ。
 楽しい祝宴と空の航海は夜が更けても続き、再び自由を得た『風唄の翼』に篝火をチカラ強く灯すのだった。

★魔獣肉レシピ
 天使核獣のちょいコゲ肉
 天使核獣のこんがり肉G(ウルトラ上手に焼けました!)
 天使核獣の極上タン丼
 天使核獣の肉おにぎり
 天使核獣のこんがり肉〜氷の精霊のチルド便
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2021年08月31日
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵