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芽吹く怪奇を追跡せよ

#UDCアース

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#UDCアース


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●深夜発あの世行き
「はぁ、やってられっか!」
 草木も眠る丑三つ時、都内某所のバス停で男はもたれかかって愚痴を洩らす。
 男性の片手には缶ビールが握られ、酒気を帯び赤くなった顔には深く酔っている事がわかる。
「上司のやつあんな量出来るわけないだろが」
 周囲には民家の明かりも少なく男の声が闇に響き渡る時、とっくに最終を向かえたはずのバスが道の先から明かりを灯し走ってきた。
「ん?なぁんだ、回送か?」
 男はエンジン音に訝しげに意識を向けると、どうやらバスは男がいるバス停に止まるべく減速している。
「ちっ、注意でもされるかめんどくせぇなぁ……は?」
 バスの入口が開かれたと思うと白い手が幾多も飛び出し男を掴むと力任せにバスへと引きずり込んだ。
「だれか、たすけ……」
 入口が閉まるとバスは何事もなく走りだした、そのバス停の行先は『あの世』と浮かび上がっていたのを男は最後まで気づかなかった。


「取り急ぎの案件がございます、お手隙の皆様は御協力お願いいたします」
 胸元から白革手帳を取り出すとグリモア猟兵のアイリス・スノーキャッスルは説明を始めた。

「今回なのですが、巷で噂されていた怪談がオブリビオンとなる事件が多発しております。私が予知した『真夜中の送りバス』もその1つとなります」

 噂を簡単に説明すると、最終バスが終わり真夜中にバス停にいると何処からともなくバスが走ってくるという、行先は『あの世』とだけ表記されておりバスに乗ってしまうとあの世に送られて二度と帰って来れないと言う怪談話だった。

「どうやら、単なる噂でしかなかった存在が何らかの力により形を得たと考えられます、そこで先ず皆様には『真夜中の送りバス』を調査していただき、背後を探って頂きたいのです」
 アイリスは猟兵達に向きなおると少しだけ迷いながらも口を開いた。

「不確かな情報は避けるべきですが、私的に邪神が関連しているのは間違いないと考えられます。厳しい戦いもあるでしょうが、どうか皆様力を貸して頂けたら幸いです」
 アイリスは深々と頭を下げた。


雪宮みゆき

お久しぶりの新作です
雪宮みゆきです!インフルには皆様気を付けましょう!
あ、知らない方ははじめましてよろしくですよ!

 さて、1章では怪談の調査をしていただきます
 黒幕を見つける調査やわざと連れ去られたり皆様の選択しだいで、いろいろチャレンジできます。

 次の2章では戦いが予想されますから、1章での調査が大事かも?

 最後の3章はどうなるかは未知数ですが、邪神がきっといる気がします。



 時間帯での詳細

 昼間・調査や聞き取りは此方がメインになりますので、オブリビオンと接触はない分安全です。

 夜間・最終バス以前ではオブリビオンと接触はありませんがバス停を調べたり、利用者の一般人と話ができます。

 深夜・最終バスが出た後になります。オープニングの男性の様な方がいるかも知れませんから注意は必要です。オブリビオンとはこの時間だけ接触できます。

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第1章 冒険 『真夜中の空車(むなぐるま)』

POW   :    実行あるのみ、実際にバスを探し出し乗り込む。

SPD   :    バスのあとを何らかの手段でつけてみよう。

WIZ   :    目撃情報などを調査、バスの行先をわりだす。

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ビードット・ワイワイ
定番なりし都市伝説かな。一先ずは追跡せり。

我が人に尋ねし行為は他者を恐れさせよう。
ならば客が行かぬようにバス停に通じし道に工事中の
看板フェンスを設置。最終バス以降に人が来ぬよう対策。

ガジェットショータイムにて小型自走式追跡機を作製
【目立たない】ように黒い【迷彩】を施す。
バスが来たならば追跡させようぞ。

念のために我自身も後ろから【追跡】しよう。
遠方より【視力】を凝らし【暗視】し、一定距離を保とう。
これにて正体掴みけり。これにて凶行鎮めけり。
破滅の要因そばにありけり。

それにしても我の巨体であってもバスに連れ去られけり?
ふむ、気になりしことかな。


鷹畑・海夜
おねーさん、幽霊話、好きなのよねぇ♪
さて、調査調査っと。
あー、でも「科学者」って名乗ると怪しまれそうねぇ。
「オカルトサークルの部員」とでも、名乗っておきましょうか。

都市伝説「真夜中の送りバス」について、
聞き込みしてみるわねぇ。
噂の出所とか、どのバス停に出やすいか、とかねぇん。
ネットとかも調べておくわねぇん。

それっぽい情報が出たら、手帳に記録するわねぇ。

アドリブとか絡みは歓迎よぉ♪



●探る者は駆け回る

 鷹畑・海夜(蒐集科学者・f06819)が朝も早くから街を駆け回っていた、根っからの知識人である彼女はオブリビオンとなった噂の詳細を知るために、先ずはネットを使い調べていたのだが、どうやらローカル色の強い噂らしく似たような物はあるものの欲しい物が曖昧にしか見つからない。
「はぁ~ネットでの収穫なんて殆どなかったわぁもぉ~でも、関連性のある派生してる噂は幾つか知れたし役に立てばいいんだけどなぁ」

 深夜遅くまで電子の海を泳いでいた鷹畑・海夜は、寒さも厳しくなってきた早朝にホットの缶コーヒーを握りながらバス停にいた。
 どうやら今回の噂はネットなどの広域な伝達ではなく、口伝による局所的な広がりがあると踏んでの情報収集であり、その目論見は吉と出ていた。
『そう言えば、友達がね送りバスがまた出たって話聞いたんだってー』
『また?何処からの情報よ、前は町外れだっけ?』
『そうそう、結構信頼できるよー次は二丁目にあるバス停らしいよね』
『はいはい、オカルト乙』

『なぁなぁ、また失踪した奴が出たらしぜ、どうもまた送りバスみたい』
『バス停に荷物だけがあったって奴だろ?ただの忘れもんだろ』
 鷹畑・海夜は気になる情報をメモに書き留めていくと、どうやら学生の通学タイムが終わったらしい新たな情報を探しにバスに乗って移動を開始した。

●交わりて塞がる者は準備せり

 自身の巨大さからビードット・ワイワイ(根源的破滅招来者・f02622)は事前準備に力を入れていた、明確な場所さえ分かれば一般人の巻き添えを防げるのだが。
「曖昧なる情報危険なり。しかして如何様に特定すべき?」

 いくつかの情報はバス停など回るうちに得ていたがか、確たる次までには至っていなかった。
「果たして……」
「あらあらぁ、困っているのねぇ〜そんな貴方に取っておきの情報持って来たわよ?」
「汝が何故ここへ?」

 鷹畑・海夜がバス停から現れたことに若干の驚きを感じていた。
「噂を辿ってきたらぁ、此処に着いただけなんだけどねぇ~……今回のオブリビオンは、1番噂されている場所に現われてるみたいなのよぉ、1日歩き回って得た情報から今夜は二丁目のバス停が現場になるわぁ」
「なんと行幸、我は知らぬ身でありながらこの地にて力を振るわんと集まりそうろう」
「まぁ、黒幕が確実にいるのは推測されるからぁ、気を付けてねぇ?私はみんなに連絡いれてまわるからぁ」

 鷹畑・海夜が今回協力している猟兵達に詳細をメールで送っているなか、ビードット・ワイワイは準備を開始したのだった。

●すべては万全な中で

 その夜、最終バスが通り過ぎた二丁目バス停付近には工事中通行止めの看板や、フェンスなどが現れ深夜と言え存在していた通行人の足を遠ざける事に成功していた。
 それこそが、ビードット・ワイワイが準備していた人避けであり、期待通りに働いてくれていた。
「これにて後は敵を待つだけであるが……噂をすればとはこれこの通りなり」

 遠方からバスが走ってくる、もちろん一般のバスはもう終わりを迎えているのだ、導き出される答えは1つ『真夜中の送りバス』しかない。
「ガジェットショータイムである、今こそ現れよ」
 敵から隠れるように闇夜に紛れてユーベルコードを発動させれば、ガジェットが現れた。
「さぁ、夜の追跡開始しなり」
 バスは幾人かの猟兵を飲み込むと闇夜を進み出したのであった

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ジノ・シュナイダー
【POW判定】
よし、そのバスに乗ってみよう!
『馬には乗ってみよ』ってことわざもあるくらいだし、実際に体験してみれば何か分かるだろ。たぶん。
バス会社に問い合わせて情報収集して、深夜帯になったら怪しいエリアを見回るかな。
もし運良くバスを見つけたら迷わず乗車! 沢山の白い手の中にダイブ!
んで、取り敢えず車内をよく観察するぜ。
【サイバーアイ】を着けてるから、何か手掛かりを見つけられるといいなぁ。
あと、もし可能なら誰かに話を訊いてみるかな。
バスの運転手が居たら、バスを走らせている理由とか。
あと、“あの世”って…やっぱり地獄なのかね?
(他キャラとの絡み歓迎です)


ネイ・シェルド
あの世であるか。機械である我にはよく分からぬがが人にとっては興味を引く事柄なのであろうな。

我は回りくどい調査などできぬのである
深夜の時間帯に調査を行い直接バスに乗り込むのである
まず、バス停に行くのである
他に人がいたら危ないので力ずくでも追い返すのである
バスが来たらあえて引きずり込まれるのである
中では何か情報がないか探すのである
運転手とかいたら締め上げるのである
情報を得たらバスを操縦するのである
操縦できなかったらグラウンドクラッシャーでバスを破壊し脱出である
ついでに壊れたバスも調べれば何か分かるかもしれないのである

アドリブ歓迎



●危うきに飛び込むならば

 深夜の二丁目バス停に2つの影が並び立つ、方や黒い短髪に背高気味の一般アジア系青年であるジノ・シュナイダー(お調子者系強化人間・f14166)、方や下半身が蛇の様な女性でネイ・シェルド(エンシェント・ガーディアン・f13864)といった2人には共通する事が3つあった。
 1つはお互い生身ではなかった機械仕掛けだと言うこと、2つはお互いが猟兵であること、最後はお互いがバスに乗ると選択したことだ。
「予想されたバス停はここであってるし、『馬には乗ってみよ』ってことわざもあるくらいだし、実際に体験してみれば何か分かるだろ。たぶん」
「しかし、あの世であるか。機械である我にはよく分からぬがが人にとっては興味を引く事柄なのであろうな」
「確かに興味深いと思う奴はいるだろうな、死ぬんじゃねぇのにあの世に行くんだから」
「まぁ、アレであろう。我らなら耐えられるが一般人が白き手に耐えれるとは思えん、引きずり込んだ時点で終わっておる気がするのう」

 2人はたわいもない話に花を咲かせていると、遠方からバスが近寄ってくる音が聞こえ始めた。
「さぁ、やってきたな……時間はぴったり丑三つ時だ」
「やっと暴れられのう、別に破壊してもいいのであろう?」
「「!?」」
 バス停に止まるとバスの扉が開く、すると予知にあった白い手が溢れ出ると2人を覆い隠す勢いで強く締め上げ、なかへと連れ込んでいった。
 そして、バスはまた走り出して行った。

●未知数故の苦戦
 2人は先ず白い手から逃れるため全力で暴れていた、抜け出すための行動が力技で押し切れる数ではなかったのだが、時間をかけて2人は白い手から逃れることに成功した。
「まったくとんだ時間をくわされたのである、にしても中は至って普通であるな」
「そうだな、行先の案内はおかしいけど……とりあえず運転手が居ないか確認しておきたいのだが」
「了解なのだ」
 2人が運転手を確認にいくが、そこには座席から白い手がのびハンドルを握っているだけだった。
 顔を見合わせて2人は、自身の武器へ指をすべらせると

「憂さ晴らしである、こんなバス早くに解体するのだ」
「右に同じかなぁ、情報らしい情報も無いようだから、ぶっ壊してやるぜ」
「「いくぞー!」」

 バスは中からの攻撃がハマったのだろう、バス自体を大きく跳ねさせると胴体の真ん中からパッカーンと別れてしまった。
「そっちは任せたぜ」
「あいわかった!」
 それでも2人の追撃は止まらない、方やグランドクラッシャーで木っ端微塵になり、方や見るも無残な破片になって行ったのだった。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

花鶏・美珠
【WIZ】

『真夜中の送りバス』…うぅ…怖い…で、でも頑張ります…!

夜は年齢的に補導の危険が……
なので昼間にオカルトサークルの活動という名目で調査です。

バス停やその周辺で『真夜中の送りバス』の怪談のことや
それらしいバスの目撃情報を聞いて回ってみます。
もちろん、迷惑になってはだめなので無理には聞かず礼儀正しく丁寧に。
困っている人がいたら無視せず助けたりしながら取材していきます。
善い行いをすればきっといいことが起きるはず…です!……たぶん。



●朝日を浴びて

 花鶏・美珠(ミステリアスワンダラー・f13026)は一貫して昼間での情報の収集に徹すると決めていた、年齢と外見を考慮すれば深夜に歩き回り現地警察などへの接触は極力避けたかったのだ。
 決して怪談が怖かった訳ではない。

「やっぱり朝はまだまだ寒いです、だけど早起きは三文の徳ですし、頑張って行きます」
朝焼けに染まる空を見上げてぐっと拳を握ったのだった
「『真夜中の送りバス』…うぅ…怖い…いえこわくなで、でも頑張ります…!」
さぁ長い1日が始まる……

●いい事は自分の為になる

 朝は比較的に花鶏・美珠にとって聞き取りがしやすい時間だった、同じくらいの年齢層が多数登校するのだから警戒心を抱かれにくいだけでも大きなアドバンテージと言えよう。
「ちょっと聞きたいんですが、最近よく聞く真夜中の送りバスってしってる?サークルでそういうの調べてるんです」
『しってるしってる、最近よくきくからねぇ』

 皆が皆ではないが、最近の話のネタである数人の学生に同様に聞いて回るうちに花鶏・美珠はとある疑問を抱いた。
「……確証はないし、もう少し聞いて回るのがいいでしょうね」
 集めた情報を整理しながら次に向かおうとバスに乗り込もうとした時だった、年配の女性が顔を歪めて重そうな荷物を持ち上げながらステップを上がろうとするが、なかなか苦戦している様子が目に入った。
「大丈夫ですか?重そうですね、バスにいれておきますね」
『あぁ、助かるよちょっとむりしすぎたかねぇ』

 花鶏・美珠からしてみればなんと言う事もないが、そこは猟兵であるからこそ。
 やはり一般的にはかなり重い部類だろう、易々と持ち上げ礼を欠かさない花鶏・美珠はとても良い印象を周りに与えたのだった。

●至る結果はさらなる謎へ

「やっぱりおかしい……です」
 夕暮れまで各地で話を聞き取り、人助けを繰り返すうちに疑問は確証へと変わった。

「見つかった場所から向かった先を図にしてみれば……見つかった場所は歪ですが円を書くように一定に広がっているし、それらは円の中心に向かっていた?」
 地図を持ち出し書き込んで行くと、現れた妖しき場所……そこは
「高校の廃校地……此処に何かバスが向かう理由がある?」
 有力な情報は新たな謎を呼ぶが、噂がオブリビオンとなり向かったであろう場所、調査する価値は高い。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『噂語り』

POW   :    自分ソックリの妖怪『ドッペルゲンガー』の噂
対象のユーベルコードを防御すると、それを【使ってきた猟兵のコピーを生み出し、操り】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
SPD   :    学校の七不思議『動く模型』の噂
戦闘用の、自身と同じ強さの【動く骨格模型】と【動く人体模型】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
WIZ   :    予言をする妖怪『くだん』の噂
対象のユーベルコードに対し【使ってくるユーベルコードを言い当てる言葉】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●見つけた見つけた、君はどうする?

 鷹畑・海夜(蒐集科学者・f06819)と花鶏・美珠(ミステリアスワンダラー・f13026)が何とか追いかけて遠巻きではあったが真夜中の送りバスを目視で確認した時だった。
「うわぁ~やるねぇ~」
「ひゃ!爆発した」

 送りバスが割れると木っ端微塵に吹き飛ばされ、爆発の中からネイ・シェルド(エンシェント・ガーディアン・f13864)が飛び出しそれに続くようにジノ・シュナイダー(お調子者系強化人間・f14166)も爆煙を振り払いあらわれる。
「跡形もなしだ、やってやったぞ!」
「少々やりすぎたのである」
「否、多分にして過剰なり。更に我がいなければ痛手は必至なりや」

 ビードット・ワイワイ(根源的破滅招来者・f02622)が背後から追跡していたのが功を奏し、弾き出された2人を見事に確保してみせたのだった。

「しかし、これじゃまた1からバス探しであろうか?」

「あ、いえ大体ですが目的地は絞れています……ここ『元・中洲田高校』です。どうやら幾つかの目撃情報と今回の方向からかなりの確実性があると思います」
「それにねぇ~ちょっと調べてみたら、学生が居るはずないのに、多数の学生が行き来してる噂があるのよねぇ……」

「なるほどな、複数の学生がオブリビオンなら集団戦になるかもしれないってことだな」
「新たオブリビオンが紡がれる時は短し、早期に壊滅これぞ必須なれば」

 新たな目的は出来た、噂の向かう先には何がいるのかは分からない。
 猟兵達はグリモア猟兵に連絡いれ後続が来た際は廃校へ向かって貰えるように頼むと、体制を整え廃校へと歩き出したのであった。


……………………………

グリモア猟兵より詳細メール

今回の敵ですが『噂語り』と言われるオブリビオンの様です、大抵は男女ペアで噂を広めているのですが……

今回は何故か集団となり廃校をさまよっております、何グループかに別れて敵は動いているので連戦になる場合は無理のし過ぎはいけません。
どうか気を付けてください。
ジノ・シュナイダー
やっべぇ。つい熱くなっちまったぜ。
もっと慎重に行動しなくちゃいけなったかなぁ。。。
…ま、でも幸い俺はまだ生きてるし。
生きてさえいれば、大抵のことは何とかなる!!…よな?

あー、廃校地が怪しいんだって?
流石は俺なんかよりも優秀な猟兵からの情報だ。サンキューな!!
早速現場へ急行するぜっ。

現場はきっと敵の巣窟なのかねぇ。
…よし、飛び込もう!
他の猟兵達が動き易くなるよう、派手に暴れて陽動して、敵をおびき寄せるぜ。
【シュナイダーボディβ】でとにかく敵を殴って蹴って、【グラップル】を活かして投げ飛ばす!!
そこそこの数の敵を引き付けたら、範囲内の敵全員を対象に【ジノ・スパーク】を発動。一網打尽を狙うぜ!



●校舎に住まう者たち

 誰も居ないはずのそこは今やかつての賑わいを連想させるかの様に幾多の影が歩き回っているのをジノ・シュナイダー(お調子者系強化人間・f14166)は確認した。
「さっきは、つい熱くなっちまったぜ。
もっと慎重に行動しなくちゃいけなったかなぁ……しかし、やっべなぁうじゃうじゃいやがる」

 自身の武装シュナイダーボディβの稼働をチェックしながらどうやって攻めるか考えていたのだか……
「ま、でも幸い俺はまだ生きてるし。
生きてさえいれば、大抵のことは何とかなる!!…よな? 」

 いろいろと考えて出た結果は至って彼らしい戦い方であった。
「現場はきっと敵の巣窟なのかねぇ。
…よし、飛び込もう!他の猟兵達が動き易くなるよう、派手に暴れて陽動して、敵をおびき寄せるぜ」

 好戦的な笑みを浮かべると校舎に滑り込むように侵入すると、1番近くにいた噂語りに向かって拳を振り上げると
「さぁ!初めましてでさよならだぜ!」

 不意を着いた攻撃は吸い込まれるように1組の噂語りに向かい、吹き飛ばされた噂語りは何が起きたのか分からずに目を白黒させて驚きを隠せていない。
 戦いの音に釣られ更に何組かジノ・シュナイダーに向かい走ってくるが

「ははは、まどろっこしいことは無しで結構だ『燃えてきたぜぇぇぇぇ!!!!』」
 ユーベルコード『ジノ・スパーク(ジノスパーク』によって放たれた雷よりたたらを踏んだ。

さぁ、今まさに猟兵たちの戦いの幕は切って落とされたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鷹畑・海夜
戦闘ねぇん。なら、「蒐集家」にまかせるわぁ。
(以下、「蒐集家」人格に切替)

人格切替完了。さぁ、始めるか。
集団で動き回るとは、ここに何かあるってワケか。

まずは様子見だな。
フック付きワイヤーで攻撃しつつ、データ収集してみるか。
データ収集が終わったら、
ユーベルコード【電子構築兵士召喚】を使うぜ。
けど、真似されて攻撃されるのも困るから、
使う直前で、電脳ゴーグル「sea-night goggle」で電脳世界展開。
何が出るか、わからない。そっちの方が面白いだろ。



●入れ替わり立ち回り

 前方から雷が走るのが見えた鷹畑・海夜(蒐集科学者・f06819)は少しばかり周囲を確認すると、やはり音に衝撃に誘われ誘蛾灯に群がるかのように現れる噂語りに髪をかいあげると。

「戦闘ねぇん。なら、「蒐集家」にまかせるわぁ……人格切替完了。さぁ、始めるか。集団で動き回るとは、ここに何かあるってワケか。」

 かきあげた髪が戻る頃には鷹畑・海夜の纏う雰囲気がガラリと変わっていた、それはコインの裏表がひっくり返ったかのように全くの別人であった。

『あなたも知っているでしょ?興味があるでしょ、だから私たちの話の糧になりなさい』
「いやいや、それは御遠慮するよ」

 殴りにかかる男女は学生服を着てはいるが、顔は灰色かかりのっぺらぼうのように感じたが口だけは生気を持つように赤々と、そしてつり上がった口角は顔が確認しづらいとは言え悪意を持って言葉を紡ぎ出していた。
 飄々した態度で殴る事くらいは捌いているがやはり情報は不足している、蒐集者として猟兵として詳しく探りを入れるべきだと考え方向性をきめると、フック付きワイヤーを投擲し距離をとると。

「お前達が噂を持って害意を振りまき、出鱈目を本当にするから集める身としてはなかなかに大変でね……そろそろ、纏めて御退場させたいんだよ!」
『噂は消えない、お前達がいる限り、あの方が私たちに力をくださる限り』
「いや、消えるさ今まさに猟兵が嗅ぎつけたんだぜ?悪は滅ぶ……ハッピーエンドで噂を終わらせる」
『最近はそんな終わり方は流行らないのよ、救われないあなた達の噂を紡いであげてもいいのだけれど』

 ワイヤーを難なく撃ち落とすと、どこからがおなじワイヤーが現れ同じ軌道をもって襲いかかってきたが、予測済の反撃を回避してみせる鷹畑・海夜はユーベルコードを発動させる為に築き上げた力を解放させる。

「残念だがお前ばかりには構ってられない『データ構築完了。顕現せよ、護衛兵(ガーディアン)!』、敵を払い除けよ」

 このユーベルコードは【蒐集したデータによって構築した護衛兵】の霊を召喚でき、これは【魔術】や【体術】で攻撃する能力を持つことができた。
 幾つもの情報が組み込まれ合わさって現れた、筋肉が隆起する正に格闘家だろうか拳を握りこむと目にも止まらぬ速さで噂語りの身体を捉え穿つ。

『こいつ、どこきゃ!?』
「やはりハッピーエンドがいいだろうし、あの方って奴も倒してやるさ」

 格闘家と共に霧散する様に消えていく噂語りは悔しげに散って行った。

成功 🔵​🔵​🔴​

花鶏・美珠
(戦闘音を聞き仮面をつけた人格…アトリにチェンジ)
おーおー、ド派手にやってるねェ♪
さーてオレもバンバン殺らせて…ってオイ、アレ召喚すんのかよ。
しかも複数いるワケでー…む、無理ゲー!?

…なーんてな。だったら卑怯にだ。
噂語りが模型を召喚したら挑んだクセにビビって逃げるフリをして引き付け、
頃合いを見て【呪詛】と【呪殺群刃】でなるべく全ての模型に【だまし討ち】攻撃。
動きを封じれたら【早業】で素早く噂語りに接近しダガーで攻撃するぜ。
普通の移動が無理かガチでピンチなら【逃げ足】に【クライミング】
【巻尺型フック付きワイヤー】も使用な。
派手さは無ェが集団暴行はノーサンキュー。騙して隙ついて殺ってやらァ!



●仮面は笑う哀しみを秘めて

 花鶏・美珠(ミステリアスワンダラー・f13026)はゆっくりと廃校舎を仰ぎ見る、そこは正に争いの喧騒が所狭しと響き続ける戦場だ。
 そこを怖いと思う、そこに行きたくないと考えてしまった私が心の片隅に確かにいた。
 しかし、私にはそれを払い除けて皆を助ける力が確かに存在している、だから私は逃げることを選ばない。

「私達は諦めない、私達は前を見るの…だから『アトリ』お願い」

 懐から道化師を連想させる仮面を取り出すと、躊躇うこと無く自らの顔に近づけて……そっと着ければ、そこにはもう1つの人格『アトリ』が高らかに笑いだす。

「あはは、分かってる!分かってる!やってやるぜィ、おーおー、ド派手にやってるねェ♪さーてオレもバンバン殺らせて…ってオイ、複数いるワケか、マジ無理ゲー!?」

 仮面をユラユラ揺らしケラケラ笑う姿は、正に戦いを楽しむ道化のようであった。
 騒がしく両手を広げてクルクル回ると、ピタリと止まり廃校舎に向き直るとゆっくりとした足取りで進んでいく。

「さぁー楽しませてくれよォ!化け物ども?!」

●偽りの噂を斬り裂いて

 暗闇と戦いの音が支配する校内をふらりふらりと歩いていれば、嫌でも感じてしまう巨大な気配に内心冷や汗を垂らすアトリがいた。

「これは不味いと思うんだよなァー雑魚は確かにいっぱいいるんだが、それに隠れてナニカいる感じだぜィ……お前達もそう思わない?」
 掃除用具の影に問いかけるアトリは
ニヤニヤした雰囲気を仮面越しで感じさせると、影からゆっくりと噂語りが現れた。

『気づいていたとはな、これで楽には死ねなくなったぞ』
『私たちの噂が貴女を斬り裂いてしまうわ、大変よ怖いわね』
 くすくすと笑う噂語りの女に、偉そうな男は早速とばかりに噂を紡ぐ、それは人体模型が生徒を襲い骨だけ抜き取り模型の仲間を作る噂。

「辛気臭い噂だな、もっと華やかな噂にって……オイ、どっちも来るなんてちょっと待ってヨ!?」
 廊下の先から人体模型が這い寄ってきたかと思うと、天井から人体模型が吊り下げられて現れる。
「4体1じゃねーズルくねェ!」
『先程の余裕はなんだった、さぁいけ私達の噂よ!』
『切り刻んじゃって!』

 噂語りの掛け声と共に駆け出す2体の模型は素早い動きでアトリを翻弄すると、防ぎ切れない同時攻撃で仕掛けてきた。
「ちくしょうー楽しませてくれるぜッ!」
 道化は楽しげに巻尺型フック付きワイヤーで人体模型を穿つが、骨格標本の鋭く尖った指先がアトリの身体に傷を増やしてゆく。
『これで最後だ』
『貴方が消え去りなさい!』
 しかし、次に響いたのは場違いな笑い声、それも追い詰められているアトリから堪えきれない様な声だった。

「くくくッ!掛かりやがった掛かりやがった、コレを待ってたんだゼ」
『なに?!』
 噂語りは気づいていなかった自分達が有利に事を運んでいると思い周囲を確認していなかったのだ。
 それは正に戦い置いて致命的な失態であった、気づけば噂語りの周囲を幾多のダガーが獲物はまだかと浮かんでいる。

「そうだよな、思い通りになれば愉快になるってもんだゼ!『呪殺群刃(キリングラプソディ)』よ、斬り裂いてやれ!避けれるもんなら避けてみなァ!」
『これは、まっ待ってくれー』
 それは、形勢逆転の一手であった……噂を操り、自らが動けない状態にいた噂語りはどうすることも出来ずに、幾多のダガーが次々と襲いかかり噂語りを無惨な姿へと変えていく。
 最後の絶叫すらダガーの飛翔する音に切り裂かれ消えいくなか、主を失った噂も為す術もなく消え去っていく。

「ははは、かなりギリギリだったぜ……まぁ、正義は必ず大逆転で勝つもんだしなぁーはぁー疲れるゼ」
 傷を癒しながらアトリはまた校内を歩いてゆく、道化を被る彼女は次なる戦いを探しにゆくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジノ・シュナイダー
うっし、出だしは好調かね。
このまま一気に畳み掛けるぜ!
妙な噂流して人の命奪うなんざ放っておけないっての。

【ダッシュ】で間合いを詰めて、【シュナイダーボディβ】で思いっきりぶっ飛ばす!
【暗視】のお陰で夜間戦闘でも手間取らないはず。
2体一組なんだろ?
んじゃ、【2回攻撃】の要領で2体一気に仕留めていくぜ!

…って、ちょっと待てよ。
さっきのジノ・スパーク、実は誰も倒せてなくね…?
もしそうだとしたら、技がコピーされちまうのかね?
…やべーじゃん!!
うおー、【気合い】入れて殲滅してやるー!!

いざと言うときは【戦場の亡霊】を発動!
この事件で犠牲になった魂よ…ちょっと力を貸してくれよ。
(アドリブ歓迎)



 ジノ・シュナイダー(お調子者系強化人間・f14166)

●終幕は間近に

 雷が爆ぜる凪払われた噂語りが宙を舞い姿が掻き消える風景はいったい何度目になるだろうか。
 ジノ・シュナイダー(お調子者系強化人間・f14166)は、2桁に入ってからは数えるのをやめていた。

「まったく出だしは好調だったし、噂語りもそれなりなんだけど……こいつら、だんだん単調になってないか?」

 ダッシュで間合いを詰めながら自分のグラウンドに持ち込むジノ・シュナイダーは、勢いを合わせたシュナイダーボディβで新たに噂語りを打ち抜けばおかしな声をあげて吹き飛んでいく。

『まさかここまでしてくれるとは』
『予想外にも程があるわ』

 暗視を使って廊下の先をみると新たに噂語りが姿を現す。しかし、どうやら初めに出会った個体より確実に実力は劣るだろうとジノ・シュナイダーが判断した時だった、はっと1つのひらめきが起きた。

「ははぁーん、なるほどね。お前達を生み出してる奴になんかあったな?これは、攻め時ってやつだな……図星だろ」

 ジノ・シュナイダーが噂語りに投げかけた言葉に場の空気が固まり、ひらめきは確信へとかわる。

『そんな事など貴様には関係ないこと』
『貴方がここで倒れれば全て終わりよ』

 噂語りはがむしゃらに力を込めると見慣れた雷が噂語りから生まれた、それはジノ・シュナイダーが扱う馴染み深いユーベルコードの鏡写しであり瞬きの間に、それは轟音を立てて襲いかってきた。

「ちっ、今になって真似しやがって!お前らに扱える技じゃねーんだよ!」
『ほざけ、自身の力で朽ちよ』
『跡形もなく消えなさい!』

 雷がが鳴り暴れ廊下には粉塵が舞い勝利の気配が漂う中であっても、噂語りは警戒をさらに強めジノ・シュナイダーが生きているならばいま油断しては行けない、仲間はそれでやられたのだから……しかし、物音1つしない沈黙が広がる。

『やったか』
『待ってあそこ!』
「遅いっ!残念だったな、俺のターンだぜ!」

 ジノ・シュナイダーが収まっていく粉塵に隠れてた姿勢のまま前屈みで床を力強く蹴り飛び出せば、噂語りの元にタックルの様に飛び込む形となり勢いを殺さぬ絶妙なタイミングで噂語りにそれぞれ攻撃を当てる。
 その攻撃はシュナイダーボディβであり、確実に男女の急所を捕らえていた。
悔しげに消えていく噂語りを見送るとジノ・シュナイダーは廊下の先を睨みつけた。

「待ってろよ、俺達がお前を狩りとってやるからな」

 禍々しい気配はもう隠れる気すらないのだろ、誘うように自分はここだと手招きしている様だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『灼紅の女王・ブラッドクィーン』

POW   :    敵から護る赤黒くおぞましきモノ
【敵対 】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【絡みつく赤黒き触手の群れ】から、高命中力の【高粘着性の強酸溶液】を飛ばす。
SPD   :    解放されてはならない狂気の姿
【世界に隠匿された真の邪神の身姿 】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
WIZ   :    死しても逃さぬ邪悪なる降霊
【 自身に挑んで返り討ちにあい支配された敵】の霊を召喚する。これは【生前に使用したユーベルコード】や【得意としていた武器】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアイリス・スノーキャッスルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●それは、影か幻か現か

『あなた達が猟兵と言う者達なのね、せっかく出した招待状が無駄になる所だったじゃない……まぁ、来なくても好きにさせて貰うだけだけど』

 禍々しい気配を辿り校長室に着いた猟兵達が目にしたのは、机を挟み椅子に座った美しく凛とした可憐な女性だった。それは、先程まで戦いの音が響いていた校舎の中では余りに不釣り合いであるにも関わらず、一目でも視線を逸らすと致命的だと本能が警笛を最大に鳴らしていた。

『あらあら、黙りとは失礼じゃないかしら?まぁ、そうね……私から自己紹介する方がいいかしらね、私はあなた達が言う邪神の一柱たる存在であり、幻影であり、姿無き者にして無数の顔を持つ者』

 楽しげにからかう表情はあまりにも美しいが被虐を秘めた眼光に背中に流れる冷や汗が止まらない。そして、無防備に邪神は椅子から立ち上がって正面に立てば猟兵たちは更に目を見開き息を飲んだ。

『そして、これが私……驚いた?』

 上半身は美しい女性だったのだが、下半身には幾重にも触手が生えて蠢きあっている。女性の意思が宿るのか、個別に意思があるの分からないが見ているだけで正気を失ってしまいそうだ。

『さぁ、紹介も済みましたし……始めましょうか?』

 猟兵たちは一斉に武器を構える、それは幾多の戦いを経験した者の身体に染み付いた行動だった。
 既に、会話だけの空間には戦いが始まっていた、後は単純に刃を交え最後まで立っていたものが勝者である。

『絶望を教えてあげるわ、いらっしゃいな』

 この結果は神さえ分からない
鷹畑・海夜
これが噂語りが言ってた「あの方」ってやつか。
記録のしがいがありそうな邪神だが、
さて、どう相手しようか。

初っ端から【オルタナティブ・ダブル】でいくぜ。
「科学者」を囮に、攻撃役に回るぜ。
フック付きワイヤーで弾きつつ、
相手の触手に引っ掛けて、勢いつけての跳び蹴り喰らわせてやる。
敵からの攻撃は、オレは逃げ足使って回避してみたり、
「科学者」は「WristBand Shield」で防いでもらうぜ。

アドリブ、絡みは歓迎だよ。



●集める為に切り拓く為に

「これが噂語りが言ってた「あの方」ってやつか。記録のしがいがありそうな邪神だが……さて、どう相手しようか」

 ニヤリと笑う鷹畑・海夜(蒐集科学者・f06819)の言葉とは裏腹に頬を伝う汗は邪神の強さを感じ取れてしまう故だろう。

『貴女はなかなか楽しく見せてもらっていたわ、私の噂語り然り流れた噂に対しても見ていたから……だから、遠慮なくきていいわよ』

 それは、猟兵達を始めから監視していた、いや観戦していたのだろう。余裕すら浮かべる邪神に一同様々な反応を示す中で鷹畑・海夜は行動で示した。

「その余裕はいつまでもつかな?初っ端からクライマックスだ、行くかもう1人の自分」

 鷹畑・海夜の横にはオルタナティブ・ダブルを使い自身の中にいる「科学者」を模した移しみを呼び出すと一緒に駆け出した。
 「科学者」は鷹畑・海夜の前に出るかたちで走ると邪神から放たれた触手を我が身を盾にしながら進み活路を作るその表情は笑っていた、高笑いし上から眺めている奴に一泡吹かせるために。

「ありがとう、だから……私も見せて上げるわ!」

 鷹畑・海夜はフック付きワイヤーを邪神の死角から流れるように放って見せると、見事に邪神の腕に絡みつくその瞬間を逃しはしないと一気にワイヤーを引きつけようとしたが邪神も力をいれ抵抗した。
 しかし、その抵抗すら計算していた鷹畑・海夜はその力を利用して邪神の懐に引き寄せられるように飛び込むと。

「その澄ました顔はいけ好かないっての!」
『くっ、なかなかやるじゃない』

 不意の飛び膝蹴りを寸前で防いた邪神であったが、余裕の表情は既にそこにはなかった。
 
「さぁ、私達の力とくと味わって貰うからね!」

 まだ見せていない猟兵達の力はたくさんあるだろう、邪神は気を引き締めたのか油断はもうない……本当の戦いは始まったばかりである。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジノ・シュナイダー
“御御足”が素敵な金髪レディの登場か。
ヤバいなこれ。
ゾクゾクするぜ、色んな意味で。

「ご期待にお応えして、狩りとりに来てやったぜ。初めまして……そんでもってサヨナラだ!」

素早く【ダッシュ】で間合いを詰めて……って、なんだあの触手!
なんか吐いてめっちゃ溶けてるっ!
これじゃ迂闊に近づけねぇ。
まずはアレを黙らせるか。

〈グリーブアックス〉を現出させて《ジノ・S・コンバット》発動。攻撃回数重視。
素早い蹴撃の嵐で触手を切り裂き【なぎ払い】していくぜ。
敵の攻撃を避ける余裕は無い、〈SyG防壁〉による【オーラ防御】で耐える!

「チッ……なんかトラブってた割には強すぎだろ!」

〈サイバーアイ〉で弱点探れねぇかな。





「ご期待にお応えして、狩りとりに来てやったぜ。初めまして……そんでもってサヨナラだ!」

 ジノ・シュナイダー(お調子者系強化人間・f14166)は仲間が放った膝蹴りを防いだ体勢を立て直し切れていない邪神へと距離をつめて走り出すが、彼の第六感かまたは直感か不意に走った悪寒に走る勢いをころした時だった。

『鬱陶しい、調子に乗るんじゃないわよ塵芥の存在で!』
「マジかよ」

 ジノ・シュナイダーの数歩先に邪神の触手からドロりとした液体が溢れるように現れ撒き散らされると、液体をかけられた場所はじくじくと煙をあげて溶け始めたではないか。

「うげ、綺麗な御御足です事……いろんな意味でゾクゾクしちゃうな」
『まったくどうして、今のタイミングを気づくなんてどうにかしてるわ……でも、これで貴方は此方には来れないわ』

 少しばかりの余裕が出来たからか邪神は楽しげな口調で宣言するが、ジノ・シュナイダーはそんな挑発じみた言葉に行動を持って返した。

「あぁ、本当にやってくれるぜ。なら、『シュナイダー機構、マッシブアクティベート。モード:ストライク 』……“approved”」
 自身のユーベルコードを稼働させると、攻撃回数を強化する様に意識を傾け両脚に装着されたグリーブアックスを展開させると、邪神目掛けて飛び込んで行く。

「『…いくぜぇぇぇ!!!』」
『貴方?私の話聞いてたの?』

 また邪神は触手から粘液を飛ばし遮ってしまおうとするが、ジノ・シュナイダーの周りに重力の膜がうまれて勢いをころしオーラにて致命的なダメージを防いで見せた。
 そして、邪神へと肉薄し自身の刃を何度も斬りつけてゆく。

『いっ!私の身体に傷を付けるなんて、何度も何度も斬りつけて鬱陶しいって言ってるじゃない!』

 何本もの触手から唸り薙ぎ払いを受けたジノ・シュナイダーは慌てて防御するが、近づいた距離をその一撃で元に戻される。

「チッ……なんかトラブってた割には強すぎだろ!」

 そう、完全体では無いが本体でもないが邪神なのだ、紛れもなく猟兵達は神を相手にしているのだろう。
 しかし、攻撃が効いていない訳でもなかった現に先程の攻撃で邪神はあちこちから赤黒い液体を流し、息を切らして睨んでいる。

『猟兵……確かに早くに処理しなければならない存在なのね、再認識したわ』
「そうか、ならもう倒れてくれねえかな!」

 刃と触手は何度となくぶつかり合い、戦いの苛烈さは上がっていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

花鶏・美珠
(人格はアトリのまま。ニタリと笑って)
随分と優雅で…愉快なナリの校長先生じゃねェか。

真の邪神の身姿か…面白いねェ燃えるねェ!

ヒット&アウェイを意識してレッツ戦闘!
【ダッシュ】で接近してQuick Ravenで【早業】で【2回攻撃】するぜ。
効果アリか微妙だがアリだったら【鎧貫通攻撃】も使用。
カチカチでもアレだ。塵も積もればなんとかってなァ!

んで、こえーのが敵の攻撃だが…ソレは【亡者の残影】と【見切り】
あと【ジャンプ】も使ってとにかく回避。さすがにミンチはゴメンだ!

…ん?その姿なると理性無ェのか?
速く動く物に反応するっぽいし、ソレ利用して時々急に動き止めて
休憩なり不意打ちなりできねェか試してみるぜ



●力を取るか、知恵を取るか?

 最終局面に差し掛かった邪神との戦い、そこに新たな猟兵がニヤリと笑いながら現れた。
 彼女は花鶏・美珠(ミステリアスワンダラー・f13026)が宿すもう1つの人格であるアトリであった。
 戦いに挑む際、アトリへ身をゆだねて廃校舎の噂語りとの戦闘を果敢に繰り広げていた。
 主人格たる花鶏・美珠はもの静かな性格をしており情報収集などを得としていた反面、戦闘は苦手であった。
 その為、いまはそちらを得意とする人格アトリへと主導権を渡している。

「随分と優雅で……愉快なナリの校長先生じゃねェか。」
『また増えるなんて……いえ、貴女は始めからいたわね?貴女も愉快な性格ではなくて?』
「ははっ!言ってくれるじゃねェか、オレの事ならまだしもなんも知らねーもう1人のオレの悪口たァ高くつくゼ?」

 睨み合う両者はジリジリと肌を焼くかのように殺気を放ち合いながらも冷静に第一手の機を伺っている、そんな拮抗を破ったのはアトリからであった。
 小柄な体型を活かし駆け出しからのスピードの乗った突進は来るとわかっていても捉えるのは簡単ではない、それは邪神とて同じかと思われた。

「チクチク行くぜー塵も積もれば山なんとやら、ダ……ん?な、なんかヤバいだろ、ちくしょうガ!よろしく頼むぜ死霊さんよォ!」
『あぁーownvfuodncogysjdpnavfiy!!』


 頼れる相棒のQuick Ravenで切りこもうと思考を走らせた刹那、アトリはこの世のものでは無いおぞましい気配が爆発的に広がった事に戦慄を覚え今までにない寒気を感じとった。
 咄嗟にユーベルコード『亡者の残影(レヴァナントメモリー)』を展開し死霊が導くままに回避を選択したのだが、その結果が生命を繋ぐものとなった。
 先程までアトリがいた空間には数多の触手がひしめき合い、間に合わなければ押し潰されて仲間達もアトリを助けられなかったはずだ。

「なんだありャ、まさか本性ってヤツか?あぶなっ!」

 麗しいとさえ感じられた女性の部分は跡形も無く触手で埋め尽くされ、タールの様な触手と粘液で全身を形成した異形の邪神はそこにはいた。
 全身をうねる触手は絶えることなく身体の奥から湧き出ているかの様にみえ、直視し続ければ正気を失ってしまいそうなほどの嫌悪感を感じる。
 様子を見ようと動けば手当り次第に触手が襲いかかり、威力は数段上がっている様子がみてとれるが……

「…ん?その姿なると理性無ェのか?速く動く物に反応するっぽい」

 ふと何かに気づいたアトリは立ち止まり見ているが、邪神は止まるアトリより動く仲間ばかり攻撃している様子が伺えた。

「なる……なら上手いことヤらせていただきますか……よっ、あらョ」
『noschdufkgufusi!?』
「汚く喚くナよ、綺麗に鳴きナ!」
『きやー!!』

 急停止にダッシュを巧みに使いアトリが邪神の眼を掻い潜り、懐に潜り込めばキラリと光る剣線が。
 それは、アトリのQuick Ravenが1度のすれ違いで2箇所に深く斬り傷を追わせた証拠であり、禍々しかった気配は霧散する様に薄まってゆくと邪神は当初の女性の姿で荒い息をたてている。

『くっ、はぁはぁ』
「けけけ、さぁ!クライマックスと行こじゃナいか!」

……戦いの終わりはすぐそこまで来ている

大成功 🔵​🔵​🔵​

アレクシア・アークライト
・UDCからの応援

アレが人を攫って何をしようとしていたのかは分からない。
いえ、外なる神の企みを人が推察しようとすること自体、間違いね。
ひょっとすると、あの化身と私達がこうして戦うことさえ計画の内かもしれない。
だけど、私達にそれを知る術はない。
私達にできることは、そのとき最善と思える行動を取ることだけ。

「ってことで、骸の海に丁重にお送りさせて頂くわ」

・触手の群れに接近戦を挑むのは得策ではない。
・力場の一部を空間に展開して敵の動きを感知。触手や溶液は念動力で逸らし、又は力場を纏わせた腕等で弾く。
・こちらからはUCを用いて触手を切り落としていく。

「外なる神様。地球なんか無視してくれていいのに」


フィロメーラ・アステール
「よーし、流れ星が希望を運んできてやったぞー!」
こいつで結果をオーライにするんだ!
【気合い】を入れて仲間を【鼓舞】していくぜー!

【おわりを印す天の客星】を発動!
召喚した終焉の星から【全力魔法】の【破魔】【属性攻撃】の閃光を放ち、召喚されたものをかき消すぞ!
ついでに強化を解除する輝きも放つことで、敵が変身したぶんも邪魔できるかもしれない!

あとは【残像】を放ちながら【空中戦】を仕掛け、【オーラ防御】のバリアをまとった突撃や【踏みつけ】で敵をかく乱!
仲間の攻撃がうまく決まるように、敵の気をそらしていく!
敵の攻撃があれば【第六感】で察知したり、【迷彩】魔法で狙いをそらしたりするぜ!



●無意識に無自覚に

 駆けつけた猟兵のアレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)は禍々しい邪神を目の前にし自身の内から様々な思考が、思いが湧き上がって来ているのを感じていた。

 アレが人を攫って何をしようとしていたのかは分からない……いえ、外なる神の企みを人が推察しようとすること自体、間違いなのか。
 ひょっとすると、あの化身と私達がこうして戦うことさえ計画の内かもしれない……だけど、私達にそれを知る術はない。
 私達にできることは、そのとき最善と思える行動を取ることだけ。

 目まぐるしい思考の波を落ち着かせようとアレクシア・アークライトは1度深呼吸をした、その同じタイミングでフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)は元気よく宣言した。

「よーし、流れ星が希望を運んできてやったぞー!みんなこいつで最後、結果をオーライにするんだよ!油断せずに行こー!」

 緊迫した戦場に広がった場違いとも言える、明るく元気な声援は幾多の猟兵の入り過ぎた力を取るには十分な効果がみられ、アレクシア・アークライトもその1人であり。

「ってことで、骸の海に丁重にお送りさせて頂くわ」

 肩の力を抜くと何時もの調子を取り戻し、ニコリと笑い邪神へと言葉を投げつけるのであった。




『まったく今回は貧乏クジじゃないの、こんなにこられたら私困ってしまうじゃない』

 邪神は傷だらけではあったが威力の変わらない触手からの溶解液を放ってくるが、どうにも言動に諦めが混ざっているのにフィロメーラ・アステールはいささか引っかかった。


「あぶなって言うか、なんだよなに諦めてるんだよ、熱くなれよ!」
『ふん、もう勝敗も今回の都市伝説の成果もわかり切った、分かったなら興味がうすれてしまうじゃない』
「何やら企てがあったみたいだけど、UDCアースで好き勝手されたらたまったものでは無いので早く消えてください!」

 アレクシア・アークライが空間操作(スペイシオキネシス)を発動させると、触手からの粘液ごと邪神の身を切りつけ、たたみかける為フィロメーラ・アステールも最後にくらっとけと自身のユーベルコードのおわりを印す天の客星(スペースファイナライザー)を発動させる。

「さぁ、『今度のはただの念動力じゃないわよ』……は!」
「こっちも『お星様がおやすみを言いに来たぞー!』」

 斬られると言うよりいきなり裂けた胸を押さえながら、邪神が光に包まれると、光の中から最後の力を振り絞った邪神が高らかと笑う。

『私を倒した事は褒めてあげるわ、でも……神が滅する事は容易くない、それだけは言わせて頂こうかしら、ははははは』

 笑いが消え、光が消えた校舎は静けさを取り戻した。
 しかし、晴れ晴れとはいかない邪神の最後の言葉は猟兵達に新たな戦いを告げていたのだったのだから。

「まぁ、今回は万事解決したんだし世界は救われたってことよ!」

 小さな猟兵は胸をはって高らかに笑っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月18日


挿絵イラスト