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隠し砦の救済者

#UDCアース

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#UDCアース


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●救いは痛苦と狂気の涯てに
 岩をくり抜いて作られたような室内、壁に掛けられた松明が闇を照らし出す。
 異形の女神像が鎮座する広場、その床には赤黒い塗料で巨大なヘキサグラムが描かれている。
 それを取り囲むように立つのは、白い襤褸と仮面をつけた人々の姿。
 無貌の仮面の下の表情は伺いしれず。唸るような、囁くような、虚ろな言葉で部屋の中を満たしている。

 ――そこは、彼らの聖堂だった。

 部屋の中央に、蠢く人影が見える。
 女だ。恐怖の表情を浮かべ、ただ涙を流すことしか出来ない女の姿だ。
 拷問でも受けたのだろう。手足はあらぬ方向に曲がり、爪という爪は剥がれ、死すら生ぬるい苦痛を齎された跡があった。

 ――そこは、醜悪なる儀式の場だった。

 襤褸をまとった人々、その中の一人が歩み出る。手には波打つ刃を持つナイフが握られていた。
 果たして何時から、そして何に使われていたのか。錆つき、血がこびり付いた、世辞でも切れ味が良いとは言えそうもない。そんな一振り。
 その人物は無言のまま、女の前でそのナイフを大きく振りかぶった。

 ――そこは、哀れな羊を屠るための処刑場だった。

●邪教にあたえる鉄槌
 グリモアベース。それは骸の海より来たる過去の残骸達――オブリビオンを狩る者、『猟兵』の本拠地である。
 そこへ集った猟兵たちを、煙草を燻らせ紙資料を手にした小柄な女性が出迎えた。
「ようこそ、猟兵諸君。俺が今回、お前達を地獄に送り込む『グリモア猟兵』だ」
 よろしく頼むよ――桜井・薫(Not A Heroine・f14033)を名乗る女性が紡ぐのは、少女然とした姿とは裏腹に皮肉げな仕草と語り口。
 佇まいとの隔たりに面食らう猟兵達を横目に、彼女はテーブルへと紙資料を広げてみせる。
「この組織を知っているか。俺の古巣でもマークしていた要注意団体の一つなんだが……ようはUDCを信奉してるカルトだ。今回は奴らの拠点を叩いてもらう」
 そこには『要注意団体:黄昏秘密倶楽部に関する調査報告書』と記されており、信仰形態や組織規模、過去に引き起こされた事件の概要が記されていた。
 初めて名を聞く者、過去のレポートで名を聞いた者、交戦経験をもつ者。資料を前にして、猟兵たちの反応は様々だ。

「予知と資料のすり合わせによれば、ここだ。場所は地方都市にほど近い山中。森の中に何かを運び込む連中の姿を確認できた」
 薫が右手を開けば、顕現したグリモアが映像を浮かび上がらせる。そこには暴れる麻袋を担ぎ、森の中へと消えて行くローブ姿の人物が写し出されていた。
「……まぁ少なくとも、ジビエ同好会という風体には見えんな」
 沈黙が場に降りる。彼らが何を運び込んでいるか、察しのいい者は大凡理解出来てしまったのだろう。何人かの猟兵が顔をしかめた。
「話を戻すぞ。見ての通り、連中は森の奥に堂々と拠点を構えているらしい……らしいん、だが」
 資料に添付された写真を指で叩く。そこには鬱蒼と木が生い茂り獣道すら見当たらない、そんな山中の光景が写し出されていた。しかし、情報を提示しながらも薫の言葉は歯切れが悪い。
 ――何か問題でも?しびれを切らせた猟兵の一人がそう尋ねれば。
「……分からんのだよ、詳細な位置が。最後の詰めは、現地でお前たちに探ってもらうしか無い。すまん」
 尊大な態度の彼女が、バツが悪そうに申し開きをする。そんな姿に、幾人かの猟兵は呆れたように顔を見合わせて。
 ――なに、いつものことさ。苦笑と共にそう答えたのだった。

「悪いな。とにかく、奴らの拠点が何処かを割り出さない事には話にならん。俺が提案する指針は、主に3つだ」
 まず1つ、と親指を立てる。
「体力に自信があるなら、虱潰しに探すのが一番だろうな。森の中を端から端まで探せば、いつか当たりに出くわすだろう」
 いわゆるローラー作戦というやつだ――彼女が口にした1つ目の案は単純明快、それゆえに効果的だろう。

 次に2つ目、と人差し指を立て。
「連中から直接聞かせて貰うのも手だ。警備にあたっている奴でも、外から何か持ってきた奴でも何でもいい。見つけ次第バレないようにおいで願って、手荒い『お願い』で聞き出すか鍵になるものをいただく」
 ――お前達の中にもいるだろう?そういうのが得意なやつが。
 薄暗い問いかけに肩をすくめる猟兵の姿を見れば、にやりと口の端を歪める。

 最後に中指を立て、語られるのは3つ目の案。
「予知で見えた近辺を捜索してみるのも有効かもな。目敏い者なら、奴らが残した符丁なり目印なりに気づけるだろう。あるいは、小さくないであろう拠点を、これだけ巧妙に隠しているんだ。魔術的な隠蔽が施されている可能性もある」
 幾つもの世界を渡る猟兵ならば、現地のエージェントでも知らないような魔術の痕跡にも気づけるかもしれない。経験と頭を活かしてくれ――そう告げながら、すっかり灰になった煙草を懐から取り出した容器へ放り込んだ。

「無論、俺が挙げた案は一例だ。やりすぎない範囲で使える手があれば何でも使ってくれていい。尻拭いは現地の組織がやってくれるさ……さぁ、情報は頭に叩き込んだか。なら仕事の時間だ、くれぐれも油断するな」
 装具を確認するもの、情報共有を行う者。戦いに向け準備を進める猟兵達へ、彼女は嘯いた。
 ――『救済』とやらを求める連中を、お望み通りこの世界から『救って』やれ。


Albireo
 はじめまして、Albireoと申します。
 今回の依頼は邪神を奉じるカルト教団への強襲です。彼らの拠点を暴き、儀式を食い止めましょう。

 第一章では彼らの拠点を暴くための調査活動を行っていただきます。
 POWの体力や忍耐力を活かして調査を行うも良し。
 SPDの素早さや器用さを活かせば、教団員やその持ち物から何かわかるかもしれません。
 WIZを活かすなら、蓄えた知識が残された目印や魔術の残滓を見つけ、目的地へと猟兵を導いてくれるでしょう。
 勿論、上記の他の手段で拠点を探すことも可能でしょう。各々の能力と技能を活かし、教団の元へ迫ってください。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『山岳要塞への潜入』

POW   :    忍耐力には自信がある、山間部に潜んで我慢強く調査する

SPD   :    素早さには自信がある、邪教団の信者を拉致して聞き出す

WIZ   :    知識には自信がある、邪教団の残した痕跡を辿り調査する

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


深緑の天蓋が頭上を覆う森林地帯。
聞こえるのは鳥のさえずり、風のさざめき。人の手の入らぬ自然の音ばかり。
平穏とすら思える場所に、幽鬼の如く揺らめく人影――あるいは、『人とよく似た何か』の影が見える。
ビードット・ワイワイ
さすれば拉致してしんぜよう。
世界からのはぐれもの。

【罠使い】の技量を見せるため【トンネル掘り】にて縦穴を掘り落とし穴を作成。【目立たないよう】【マヒ攻撃】にて騒がせない。

対象者を【おびき寄せ】るために物音を立て誘導。

その後声の届かない場所へ拉致。【恫喝】にて【恐怖を与える】。喋らぬようならば【催眠】【言いくるめ】【生命力吸収】を使いて気力を削がせ話を聞く。

見たり見たり見たり、汝の破滅を見たり。最早逃れる術はなく。死して此より逃れるか、喋りて生を掴みけり。これは汝の分岐点。選びて我に聞かせるが良い。汝の拠点どこにあり?言わぬならば要は無し。虚言でありても要は無し。



「さすらば、このように」
 森の外れ。ビードット・ワイワイ(根源的破滅招来者・f02622)は、襤褸を纏った男を見下ろしている。
 彼が選択したのは信者の拉致と尋問。彼らと同じく、恐怖と苦痛を用いて情報を得ることを選んだ。
 ――かつて拐った人々を痛めつけ、壊していた者が同じ目に遭う。なんとも皮肉な事である。
 実行してみれば事は容易かった。我らは救済を齎す者、信仰の加護を受けし者……そのような自負が、あるいは慢心があったのだろう。
 外敵を探していた信者は巧みに隠蔽された陥穽にまんまとはまり、ビードットの手によって救いの届かぬ場所へと連れ去られたのだった。

「見たり、見たり、見たり。世界からのはぐれものよ」
 ――我は汝の破滅を見たり。
 不吉な宣告と共に、ビードットは男へと距離を詰める。
 戦車を思わせる鋼の巨体、それが紡ぐ無機質な言葉。果たして対峙する者の消耗たるやいかほどのものか。
 仮面に覆われ伺うことは出来ないが、荒い呼気が男の心情を示していた。

「これは汝の分岐点。死して此より逃れるか、喋りて生を掴みけり。選びて我に聞かせるが良い」
 男の様子を意にも介さぬかのように、ビードットは問い詰める。
 仮面の向こうに隠された表情を見透かすかのように、鈍く輝くアイカメラの焦点が絞られた。

「最早逃れる術はなく。言わぬならば要なし、虚言を弄するもまた同じ。さすらば問おう、汝の拠点はいずこや?」
 言わなければ殺す。嘘を言っても殺す。シンプルにして絶対の効果を持つであろう脅迫。
 ――元より苦痛と死をこそ信奉する者たちだ。素面だったのならば、ビードットの言葉は意味を成さなかったかもしれない。しかし。

 「あ……あ、ぁ……き、北……北の、岩壁……そこ、いり、ぐ、ち……」
 信者は震え、怯え、答えてしまう。だらだらと仮面の下から零れ落ちる唾液が、彼が正気でないこと――あるいは、死と痛みを恐れる今こそが正気なのか――を伺わせる。
 ――仮想破滅招来補助具・記憶の配給。辛きを忘れ新たな記憶を。
 問いかけと共に密かにビードットが起動していた武装。記憶を、精神を、自己存在を書き換える破滅の呼び水。
 それが、信者の強固な信仰(きょうき)を打ち崩したのだった。

 ――ご苦労。もはや汝に要なし。
 ひぃ、と。甲高い悲鳴のような声が聞こえたのは一瞬のこと。続けて鈍い音が響き、あとの様は知れず。
 情報を他の猟兵に伝えれば、ビードットは拠点を目指し歩みを進めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

八重森・晃
控えめに言って、この世界は好きだ、人がかろうじて守り続けてきた世界は好きだ、かろうじて守る事が出来た世界は好きだ―私のいた世界とは違って。

羨ましくも思う、しかしそれは間違っているのだろう、だってそれはつまり、たくさんの人たちがそのために自らを律し、そのために血を流してきた結果なのだから。

-だからこそ忌まわしい血を啜る神の崇拝者にはこの世界は相応しくない。

【探索】WIZ
魔術知識と予知の光景から、彼らにとっての宗教的シンボルをいくつかピックアップして、それを目印と使っていると予測、近辺を探ってそれらしきものを重点的に探ります。


一駒・丈一
偶々目についたのでな、協力しよう。

さて、SPD重視で動こう。

他の猟兵が得た情報は
「北の岩壁」か。
山中を東西南北全て駆け回らずに済みそうなのは重畳だが
もうちょっと場所を絞り込むか。

山中という、普段人が立ち入らない箇所だからこそ、
人の往来の痕跡が目立つ。
相手が集団で往来するのであれば、尚のことな。
ならばこそ、そういった痕跡を見つけ辿る事で目的地に近づけないだろうか。

地面に人の足跡がないか、
草が踏み馴らされている箇所がないか
相手が車両などを使用しているならば、タイヤの跡などはないか、
そういった点を重点的に、『追跡』『失せ物探し』の技能で探し、辿ってみるとしよう。

あとは『第六感』頼みになるか。


青原・理仁
大した技能なんざ持ってねぇからな
力押しで行かせてもらうとするぜ

っつーわけで、虱潰しに探すか
この森のどこかにあるのは間違いないんだろ?
なら全体探せばいいじゃねぇか

必要なら怪力で岩やら倒れた木やらをどかす

小さくない拠点だってんなら、あまり細かいところまで見なくてもいいか…?
いや、案外隠すための鍵になってるかもしれねぇか
見落としはいけねぇよな



 災禍を撒き散らし人々の血を啜る神も、その信奉者も。この世界にはふさわしくない。
 八重森・晃(生存者・f10929)は、教団の残した手がかりを探しながら考える。これだけ深い森、慣れた者でも道標なしでは行き先を見失うに違いない。
 ――早く探し出して、彼らを止めなくては。

 しかしそんな思いも虚しく、教団の痕跡は見つかる気配がない。
 彼らが用いるシンボルは間違いなく覚えている。魔術を熟知している自負もあった。
 だというのに、いくら探せど手がかりらしき物は一切見当たることはない。
 ――もしかしたら、彼らは印など残していないのではないか?
 自分はともすれば、全く見当違いで無意味な行為に時間を費やしているのかもしれない。
 これでは埒が明かない。別の場所を、別の手がかりを探さなければならない。そんな焦りと強迫観念が晃を追い詰めてゆく。そんな最中、ふと疑問を感じた。

 ――なぜ私は、こんなにも此処から離れたがっているのだろう?
「これ、まさか」
 自分の考えがあっているというのなら、恐らくは。
 目を閉じ深く息を吐く。雑念を払い、頭を切り替えようと集中する。そうして、目を開いた……その時。
 ――がさり。
 草葉をかき分ける音に息を呑む。晃の脳裏に最悪の事態がよぎった。
 ええいままよ――振り返れば、そこにいたのは。

「……おい、大丈夫かよ」
「集中しすぎだな。熱心なのは良いが、危ないところだったぞ」
 そこに立っていたのは、狂信者たるを示すローブ姿の人物ではなく。邪教の輩とは思えないような、二人の男だった。
 一人は灰の外套を羽織った眼光鋭い男、一駒・丈一(金眼の・f01005)。もう一人は金色の髪が目を惹く青年、青原・理仁(人間の聖者・f03611)。
 共に依頼を聞きつけ、この世界へと訪れた猟兵だった。
 その足元には理仁の雷霆を前に言葉を発する隙すら無く打ち倒されたのだろう、襤褸を纏った男が倒れ伏している。

「足跡でも辿れば場所を絞れるかと思って森を探ってみれば、偶々ご同輩の姿が目についたのでな」
「……で、何か見つかったか?あんたまで収穫なしだったら流石にお手上げだぜ」
 油断なく周囲を見渡しながら、ふたりは晃へと尋ねる。
 拠点は北にあり……丈一は先に得られたその情報を元に、信者の痕跡をたどり詳細な位置を絞り込もうとしていた。
 対する理仁は、そのスタミナを活かした虱潰し。森を端から端まで踏破し、教団の拠点を見つけ出そうと試みていた。
 技力と体力、別々のアプローチによる捜索。しかしそのどちらを用いても彼らは拠点を発見するには至っていなかった。

「ああ、うん……ねぇ。君たちにはこれ、『見える』かい?」
「……む」
「うおっ……!?」
 情報を求めるふたりに対し、晃が指し示したのは一本の木に刻まれた奇妙なシンボル。
 そして眼を象ったらしい木組みの装飾だ……ただし、こちらは一つや二つではない。おびただしい数のそれが、あちこちの木々に吊るされているのに気がついた。
 足跡や草を踏み鳴らした跡、あるいは車輪跡。そういった痕跡を探すため、丈一が足元に注視していたのは確かだ。しかし決して周囲の警戒を怠っていたわけではない。
 理仁とてそれは同様だ。何かを探す技能に優れぬという自覚はあれど、ここまで異常な光景を見落とすわけもない。それでも、晃に指摘されるまで気づくことが出来なかった。つまり、これは。
「……なるほど、心理に訴えかける迷彩か」
「教団の信者以外は近づかない、見つけにくい……そんな暗示がかけられる仕掛けなんじゃないかなぁ。私も今やっと気づけたよ」
 そんなところだろうな――呟きながら、丈一は装飾を一つその手に取る。軽く力を込めれば、パキリと乾いた音を立ててそれは砕けた。
「だがよ。タネが割れちまえば、あとはどうってこともないだろ」
 行こうぜ、後は進むだけだ――拳打ち鳴らし、理仁がそうふたりへと促す。

 信者の痕跡と教団の残した目印。二つの手がかりがあれば、あとは目的の場所へとたどり着くのは容易かった。
 魔術の知識に優れた晃がシンボルや魔術の残滓を辿り、追跡と捜索を得手とする丈一が掠れかけた足跡を目ざとく見つける。
 人の心理をかき乱しその眼を曇らせる、邪教の仕掛けた呪物は片っ端から理仁が砕いて進んだ。
 三人の特技を活かし、猟兵たちは森を北へ、北へ。
 いつまでも続くように思えた森にも、やがて終わりは訪れる。
 現れたのは小さく開けた広場。足跡は――そこで途切れていた。
 その先は件の岩壁らしき場所、脇へそれた形跡はない。まるで空でも飛んだかのように、足跡はきれいにそこで消えている。
 ――ここがそうなのだろうか?奇妙な状況を前に、三人は顔を見合わせた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

尾崎・ナオ
共闘:ウイシア・ジンジャーエール(探索者・f09322)
作戦:素早さには自信がある、邪教団の信者を拉致して聞き出す

ウイシアが教団員と対応中、後ろに回って締め上げ。拉致するよ!山小屋・倉庫があれば、連れ込んで柱や椅子にグルグル巻き。

催眠術で喋るかなー。5円玉プラプラさせてみる。ナオちゃんは殴る蹴るも良いと思うんだけど、ウイシア怒りそうだしなあ。ウイシアに何か技能で喋らせれないか聞いてみよう。対人技能の宝庫みたいな奴だし。黒い拳銃やナイフをちらつかせてみるのもアリかな!最後は黒い記憶消去銃でバーンってやるの!でも助けるの面倒だからそのままで行くね!じゃあね!


ウイシア・ジンジャーエール
オラトリオの羽で上空散策も、動物と話すで聞き出すことも出来るんだけどね。
同行者(f14041)が「自分も何かやりたい」というので、対人で挑みましょう。

●SPD対抗

「こういう時に、あなたって本当に便利」
ユーベルコード【協力者の召喚】で警察官を召喚。
自身はパンツスーツに眼鏡を着用。[変装][目立たない]。

教団信者に声を掛けます。
警戒されるでしょうけど、警察官に拒否はできないでしょう。
「最近、猪が町に出没すると連絡がありまして。生息範囲の確認と警戒を兼ねた巡回をしています」
[言いくるめ][コミュ力]で対応、[時間稼ぎ]で会話を引き延ばし、ナオの行動を待つ。

ナオがしくじった場合は、【真実の強要】使用。



 ――とある山小屋の中、仮面をつけたその男は目を覚ました。
 ここはどこだ。自分は何をしている。周囲を見渡せばどうやら、ここは山小屋の中。
 そして自分は椅子に座って意識を失っていたらしい。もっと詳しく室内を調べようと、椅子から立ち上がろうとして。
「……!?」
 自身が厳重に椅子へと縛り付けられているのに、ようやく気がついた。
「なんだこれは、どうなっている……!」
「あ、やっと起きましたぁ?おっはようございますぅ!」
 響いたのは場違いなほどに明るい女の声だ。男は釣られるように、その声が発せられた場所へと視線を向ける。
 そこにいたのはニコニコと笑顔を浮かべる黒髪の女、尾崎・ナオ(人間のシーフ・f14041)。その隣には楽しげな彼女とは対象的な、呆れたようにナオを見つめる女の姿があった。
「……貴様!」
 男は、そのもう一人の女に見覚えがある。

 ――時はしばし遡る。場所は、教団が潜んでいると目される森近辺。
「失礼。この辺りの方ですか」
 神聖なる砦を守るため、迷い込んだ愚者を神へと新たな供物として捧げるため。男はその日、森へ近づく者がいないかと警邏にあたっていた。
 その時に声をかけてきたのがこの女だ。眼鏡を掛けたスーツ姿、隙の感じられない佇まいはとても一般人とは思えない。隣には制服を着た男を伴っている。
「最近、猪が町に出没すると連絡がありまして。生息範囲の確認と警戒を兼ねた巡回をしています」
 ――警察か。大事な儀式の半ばで、面倒な。
 国家の狗など恐れるには足りない。我々は崇高な志の下、もっと偉大なお方のために動いているのだから。
 何なら、このふたりも……そうも考えた。だがこの二人が戻らなければ大きな騒ぎになるだろう。何の後ろ盾もない人間をさらうのとは訳が違う。
 それは今後、贄を調達する邪魔になる。それは、だめだ。
「私達はそのようなものを見ていない、いるなら別の場所だろう。立ち去られよ」
 威圧的な言葉を以て、二人組の警察官を追い返そうと男は告げる、が。
「そうですかぁ。でもこっちには用があるんですよねぇ」
 背後からの声。瞬間、男の視界は暗転した。

「あの時の警官どもか!くそっ!」
「残念、警察ではないの。もっと怖い職業よ」
 先の女警察官――ウイシア・ジンジャーエール(探索者・f09322)はそっけなく答える。本人が語るように、その正体は猟兵。ナオの相棒だ。
 先ほど共にいた男の姿はここにはない。彼はウイシアが『協力者の召喚』で生み出した存在だった。
「ナオ、やりすぎてはダメよ」
「はぁい。と、いうことでぇ。ナオちゃんの質問ターイム!あなた達の拠点の場所と見つけ方、できれば大人しく答えてくださいねぇ?」
 あ、こういうのどうです?お話しやすくなります?おどけながら男の前で糸で吊るした五円玉をぷらぷらと揺らす。今どきテレビでも見ないようなベタな催眠術だ。
 そうしてしばらく男の反応を見るも。
「ふざけるな!馬鹿にしてるのか、貴様!」
「ですよねぇ」
 元より大した期待はしていなかった様子で、激昂する男を前にぽいとそれを投げ捨てた。

「くそ、くそっ!貴様ら、こんな事をしてタダで済むと思うな、私には同志がいるんだ!」
 強気に男はわめき、ふたりを口汚く罵り続ける。たかが女二人、不意をつかれなければ。そのように見下しているのだろう。
 ――だが、そんな最中。ドスリと鈍い音が男の方から。
「……ひっ」
「あっ、ごめんなさぁい。ナオちゃんうっかり!」
 音の正体は一本のナイフ。いつの間にか男の足元に黒いナイフが突き立てられていた。ナオのユーベルコードによって生み出された品、彼女愛用の一振りだ。
 だがその軌跡を見れば、彼女が『うっかり』落としたわけではなく、狙い澄まして男へと投げつけたのは明らかで。

「ですけどぉ、あんまり怖いこと言われちゃうとぉ……今度は寸止めじゃすまねぇぞ。なぁ?」
 ――なんなら、お前を始末してから別の奴に聞きゃいいだけの話だからよ。
 剽軽で媚びるような語り口から一転、ナオは凶暴な笑みを浮かべて凄む。ひたり、と男の首筋に添えられたナイフの腹。その冷たさは心胆を寒からしめるに十分で。
「ナオ」
「えー。このぐらい良いじゃないですかぁ。殴る蹴るとかしてないしぃ」
 咎めるように名を呼ぶウイシア。ナオはナイフを弄びながら、先程までの様子が嘘のように明るい口調で返す。
 拘束された男の横で、見目麗しい女性達が世間話のように尋問の手管を話し合う。当事者からすれば薄ら寒い物を感じる光景だ。
「というわけでぇ、お互い怖いのは嫌でしょう?穏便に済ませられる内に話してくれませんかぁ?」
 ナオは男に再度問いかける。その顔は優しくお願いするような満面の笑み。
 ――この女は、やりかねない。そんな恐怖に駆られてしまう程度には、男はまだ正気だった。

「……ご、護符だ。私の腰に護符がある。これがあると、見えるんだ。普段は術がかかってて、北の崖の入り口が壁に見える。それが、見えるようになる」
「ははぁん……中々手の込んだ仕掛けですねぇ」
 渋々といった様子で話す男。その言葉に促されるまま、ナオは腰元を探る。
 指先に感じる硬い感触の品をつまみ引っ張れば、彼らの教団のシンボルが描かれたタリスマンが確かにあった
「あったあった、ありました!いやぁ、ご協力ありがとうございますぅ!」
 笑顔で礼を述べるナオの様子に、男はほうと息をつく。よかった、これで助かる。そうしたら応援を――そう思ったのもつかの間。ナオは彼に黒い拳銃を向けていて。
「まっ、待て!なんだそれは、やめろ!言えば助けてくれるって……」
「はいバーン!」
 言葉と共に、ナオは躊躇すること無く銃の銃爪を引いた。
 ビクン、と男は痙攣し、辺り一面に血が――飛び散らない。銃の正体は記憶消去銃。都合の悪い記憶だけを消しさる非殺傷兵器。
「助けるのも面倒だしぃ、あとは自分でなんとかしてくださいねぇ。じゃ、そういうことでぇ!」
 男から奪った護符を弄び、相棒へと無造作に投げ渡す。
 受け取ったウイシアも鈍く輝くそれを眺めた後、共に山小屋を立ち去ったのだった。

 かくして、砦の矯飾は剥ぎ取られた。
 ――ここからは、狩りの時間だ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『黄昏の信徒』

POW   :    堕ちる星の一撃
単純で重い【モーニングスター】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    神による救済の歌声
自身に【邪神の寵愛による耳障りな歌声】をまとい、高速移動と【聞いた者の精神を掻き毟る甲高い悲鳴】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    黄昏への導き
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【自身と全く同じ『黄昏の信徒』】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 拠点へ踏み込んだ猟兵達を迎えたのはむせ返るような死臭。岩窟の中、松明の灯火が照らし出す広間には、『人だったもの』がうず高く積まれ、思い思いの凶器を手にこちらを見る仮面の信者たちの姿があった。
 ――外にいた、まだ正気を残していた信者たちとは明らかに様子が違う。恐らくは、もう『戻れない』者たちだろう。
 猟兵たちは得物を握りしめ、狂った神の信徒たちと対峙する――!
ビードット・ワイワイ
見たり見たり見たり、汝らの破滅を見たり。
狂いし思考は虚を信じ、まともに働くことは無し。
神の傀儡未来無し。木偶にも劣りし傀儡が、できしことは最早無し。
ここが汝の破滅なり。我が破滅を齎そう。

ガジェットショータイムにて重火器を作製。
これにて汝らを滅しよう。避けようとも無駄なり。
【誘導弾】を含め【一斉発射】して【範囲攻撃】可能なり。
それは【念動力】にて補助しけり。弾が軌道を変え【2回攻撃】可能なり。
当たるまで【追跡】しよう。

武器による一撃、当たる前に【先制攻撃】。
手元を狙いて【スナイパー】、【武器落とし】けり。
汝ら声など不快なり。喉を【スナイパー】にて狙い撃つ。
残りし遺骸を【属性攻撃】にて燃やしけり。



「……主よ、主よ、主よ」
 ――我らに加護を。彼らに救いを。世界に遍く、黄昏色の救済を。
 黄昏の信徒達が紡ぐは呪詛にして祈り。世界を侵す、呪わしき賛美歌だ。
 ――否。歌っているのは、彼らだけではない。
 聞こえるだろう、耳障りな女の歌声が。精神を掻き毟るような甲高い悲鳴が。

「見たり、見たり、見たり。汝らの破滅を見たり」
 それを前にして、不動の鋼がそこにあった。破滅の予言を語る者がそこにあった。
「木偶にも劣りし神の傀儡。最早汝らにできし事は無し」
 ビードット・ワイワイ(根源的破滅招来者・f02622)は断じる。救済などと傍ら痛し、貴様らの語るそれはただの狂気。狂った神に思考を預けた傀儡の言葉、いかほどの価値があろうや。
 ――終わりを始めよう。哀れな彼らに救済を与えよう。

「ここが汝の終焉なり。我が破滅を齎そう」
 空間が歪む。世界が捻れる。ビードットの呼びかけに応じて、無数の誘導弾が装填された重火器が虚空より顕現する。
 災厄を齎すもの。形ある終わり。これが、これこそが、ビードットが彼らに与える破滅(すくい)だ。
 ――焼夷誘導弾、一斉掃射。闇を切り裂き、破滅の使者が狂った救済者達へと殺到する。
 邪神の寵愛を受けた信徒たちは、機械仕掛けの死神から逃れんと走った。しかし圧倒的物量が、そして明確な殺意を持つが如き執拗な誘導がそれを許さない。
 着弾、炸裂。轟音は歌声をかき消し、屍を消し炭へと変える。狂った神を奉じる聖堂は、地獄の業火によって彩られた。

成功 🔵​🔵​🔴​

一駒・丈一
山中を駆けずり回った後にこの光景とは……。
やれやれ、最高だな。
(死体の山を見つつ、そんな皮肉を述べる)

さておき、
先ずはこの信徒達を片付けなければ先に進めんか。

さて、敵に対しての対応は……
攻撃はある程度『見切り』つつ、
攻撃を除けた直後に『早業』にて、装備の妖刀『介錯刀』を抜刀の後に切り伏せよう。
その後、ユーベルコードの『罪業罰下』にて敵集団を一閃する。

あまり一人で敵陣に突出しすぎると囲まれて面倒だ。
他の猟兵と上手く連携しつつ、
効率よく仕留めていくとしよう。

さっさと片付けるとしよう。
あまり此奴らに時間を掛けるのも惜しいのでな。


青原・理仁
酷ぇことするんだな、てめぇら
反吐が出るぜ、ったく
胸糞悪ぃから…蹂躙してやるぜ!

怪力、グラップルを生かして撃砕雷業拳を打ち込んでいく
衝撃波や鎧砕きも込めておくか
一回打って倒れなかったら2回攻撃で追撃
囲まれたら裏拳の要領でなぎ払い、纏めて叩き伏せる

敵の動きは見切り、残像やフェイントを交えて回避
即座にカウンターで殴り倒す



「ひでぇ事するんだな、てめぇら。反吐が出るぜ」
「まったくだよ。最高の光景だ」
 炎に包まれる聖堂の中。青原・理仁(人間の聖者・f03611)は怒りを隠すこともなく吐き捨て、一駒・丈一(金眼の・f01005)は愛刀に手をかけながら皮肉げに零す。
 山中を駆けずり回りたどり着いた先、そこにあったのは見るもおぞましい『救済』の跡。
 非業の死を遂げたであろう人々の、光無き無数の瞳がふたりを見つめている……そんな気がした。

「胸糞悪ぃから……蹂躙してやるぜ!」
 宣戦布告と共に真っ直ぐに駆け出す理仁、待ち構えるは狂える救済者達。
 迅雷の如く、彼が間合いへと飛び込んだ瞬間。
 ――鋼の星が、堕ちる。信徒が躊躇なく振るったモーニングスター。それは理仁の頭蓋を捉え、砕き、黄昏の彼方へと連れ去る。
「……止まって見えんだよ!」
 ――そのはずだった。
 理仁は紙一重でその一撃を見切り、急制動からのバックステップ。残像を残すほどの高速で、死の流星をかいくぐる。
 大きく体勢を崩す信徒。その隙を逃しはしないと懐へ飛び込み、胸ぐらをつかめば。
「歯ぁ食いしばれよ!」
 放たれる切り札の名は撃砕雷業拳。眩い雷光纏う一撃は、単純にして強力無比。
 振るう拳は無貌の仮面へ突き刺さり、白い破片を撒き散らしながら信徒は床を転がっていった。力なく地に伏すその姿を見るに、最早立ち上がる事は叶わないだろう。
 目にも留まらぬ理仁の立ち回りを前にして、呆けたように立ち止まっていた信徒たちも叩き伏せられる仲間の姿にようやく正気を取り戻す。
 彼を仕留めようと、背後より飛びかかるも。
「遅ぇ!」
 裏拳一閃。薙ぎ払うような一撃が信徒の側頭部を捉える。
 パキン、と乾いた枝を折るような音が響けば、突如脱力したかのように信徒はその場に崩折れた。
 またたく間に、二人。徒手空拳で仲間を沈める程の実力を持つ理仁を警戒してか、じりじりと他の信徒は距離を取りはじめ。
「……どうした、来いよ。これで終わりじゃないだろ」
 ――ひとり残らず叩きのめして(すくって)やるぜ。そんな彼らを挑発するように、手招きながら理仁は嘯いた。

 理仁が奮戦する傍ら、もう一つの戦いが進んでいた。
 ――こいつはまだ得物を抜いていない。今のうちに仕留める。
 恐らくはそう考えたのだろう、丈一へと信徒たちが迫る。
 その数、四。理仁がいくらか引き受けているとはいえ、まとめて相手をするにはその数は多く。耳障りな歌声を纏い駆ける姿は、常人にはとても眼に追うことは出来まい。
「なるほど、速いな」
 まるで他人事の様にそれを眺める丈一。
 そんな彼の頭上から、一番槍とばかりに突出した信徒が黒鋼の凶器を一直線に振り下ろした。
「……だが、それだけだ」
 短い呟きと共に丈一は身体を半身に反らす、行ったのはたったそれだけ。風切り音をたてながら、役目を果たすこと無く鋼の彗星は空を切った。
 ならばもう一撃。飛びかかった使徒はぐるりと仮面に覆われた顔を丈一へと向ける。向けようとする。
 
 ――ぼとり。そんな音と共に、信徒の視界に飛び込んできたのは、首のない自分の体だった。

 丈一の手にはいつの間に抜いたのか、血に濡れた介錯刀が提げられていて。
 目にも留まらぬ早業、神の寵愛をもってしても避けうること叶わぬ抜刀術。それを前にして、信徒たちの足が止まった。
「さっさと片付けるとしよう。あまり時間をかけるのも惜しいのでな」
 丈一は竦む信徒を眼で捉える。それで、それだけで剣を振るうには十分だ。
「これにて終いだ。余罪は……」
 ――報復を。復仇を。我らの無念を、どうか。
 刀を振るう瞬間。そんな声が聞こえた気がした。
「地獄にて禊がれよ」
 恩讐の念が。復讐と断罪の願いが。咎人殺しの剣を冴え渡らせる。
 罪業罰下。そう名付けられた魔剣が閃けば、咲き誇るは血の華が三輪。
 数多の偉人と罪人に終わりを齎して来た刀。数多の嘆きを喰らってきたであろう呪わしき一振り。その刃にまた、新たな罪人の血が吸われる。
 ――これこそが、丈一が与える断罪(すくい)だ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

尾崎・ナオ
共闘:ウイシア・ジンジャーエール(探索者・f09322)

こーれは、もう、殺しちゃっていいやつじゃない?いやいや、無理でしょ、どこから腕生えてんのソレ。

数が多いから、ウイシアと協力して広範囲攻撃でいくよ!ナイフいっぱい☆でレベル分の黒いナイフを生成、19本だね。手持ち武器は黒い拳銃を両手持ちで、クイックドロウ48の早打ち攻撃!基本はナイフ飛ばして抜けてきたやつを拳銃で撃つって形。ナオちゃんは目の前の敵に対処するので、作戦とか指示はウイシアにしてもらおう。ま、全部倒せばいいんでしょ、倒せば~!

ポジションは中衛寄りの後衛。前衛が欲しいなー。誰か前衛になってくれないかにゃー?可愛い女の子の盾ですよぅ?


ウイシア・ジンジャーエール
ナオ(f14041)と継続して行動。

花通り(暗視サングラス)で[暗視][視力]補強。
オラトリオの羽を広げ[空中戦]継続。[呪詛耐性][激痛耐性]活性化。
[第六感][野生の勘]で回避、[視力][聞き耳]で敵行動を逃さない。

「散って」
【白木蓮の舞】で範囲攻撃。
無数の白木蓮の花びらで、レベルm以内の視覚内全ての敵を攻撃。
敵の視界を遮るように舞わせ、ナオのナイフの起動が読まれにくくする。

モーニングスターは近接されないよう距離を取り、
死体からの複製は範囲攻撃で早々に対処。
歌声については[呪詛耐性]のある私が前に出て高速移動に[早業]【天罰】で対応。
高命中力のUC、[視力]底上げと[第六感]で外さないわ。



「いや、いやいやいや。なにそれ、何処から腕生えてんの君ら」
 ――これはもう、あれでしょ。無理でしょ。
 尾崎・ナオ(人間のシーフ・f14041)は引きつった笑いを浮かべ呟いた。
 ゆらゆらと揺れる信徒たちは、一見して正常な人の姿に見える。だが得物を握るその手は明らかに尋常の人間のそれではない、地につくほどの長さの腕を持つ人間などいるものか。衣に包まれたその下はおぞましい異形へと成り果てている事を、その様は容易く想像させた。
「……もう殺しちゃっていいやつだよねぇ、これ」
 許可を求めるように、傍らの相棒へ。天の御遣いが如きもの、オラトリオの証である翼を広げ、高みより戦場を見下ろすウイシア・ジンジャーエール(探索者・f09322)へと問いかける。
「……でしょうね」
 顕現した愛用の杖を握りながらウイシアは首肯した。
「ナオ、出来る限り一箇所へ」
「オッケー、サポートよろしく!」
 交わされるのは極めて短いやり取り。ただそれだけで十分。戦場を共に越えて来た者達の信頼がそこにはあった。

 ナオが黒い二挺拳銃を抜き放つと同時、無数のナイフが宙を舞った。
 これこそはナオのユーベルコード。彼女の殺意の顕現。
 己が意志を持つかのごとく信徒へ切っ先を向ける短剣の群れは、敵を射殺さんと狙いをつける矢衾を思わせて。
「さぁて、当たると痛いですよ~ぅ?」
 ――挑発するように告げた次の瞬間、発火炎が闇を切り裂いた。
 黒い刃が、鉛の弾丸が。殺意と破壊の嵐が駆け抜ける。異能によって操られるナイフと拳銃の釣瓶打ち。
 間断なく放たれるそれは信徒を捉える事こそ出来ずとも、少しずつ彼らを追い立てて行く。

 鉄の風が吹き荒れる戦場。それを空よりウイシアは見つめていた。
 闇を見通す色眼鏡を用い、幾つもの戦闘経験に裏打ちされた第六感で信徒の動きを読み、それを相棒へと伝える。
 ウイシアが考え、ナオが動く。阿吽の呼吸で二人は戦場を支配していく。
「もう少し右の火力を厚く。逃げられそう」
「はぁい、了解ですよぅ!」
 彼女こそが己等の動きを読んでいると気づいたのだろう。ナオの猛攻の合間を縫って、精神を掻き毟る悲鳴をウイシアへ向ける信徒の姿もあった。
 だがそれは舞う様に宙を游ぐ彼女には届かず、あるいは堅牢な呪詛への守りを前にかき消される。
 ――そうして信徒たちの逃げ場が無くなるまで、そう長い時間は必要としなかった。
「そろそろかしらね」
 頃合いと見ればその手の杖を、ウイシアが真実の木と名付たそれを振るう。まるで砕けるように、舞い散るように。それは無数の欠片へと霧散して。
 ――救済を求めた者達、その成れの果て。彼らを救うに足るは、死の安息をおいて他にないだろう。それを与えるためには。
「散って」
 ――たった一言、それだけあれば事足りる。
 空より慈悲の言葉を司る白い花が舞う。救い難き救済者達を、花吹雪が包み込んだ。
 杖が転じた白木蓮の花は、信徒たちを切り裂きその視界を覆う。鋭利な刃物が如き花弁に囲まれれば、死体の変異など手につかず。
 逃げ場を封じた今を好機とばかりにナオが最大火力を叩き込めばひとたまりもない。
 ――数多を蹂躙する鉄の嵐と、絢爛にして華麗なる花の嵐。それが収まる頃には、最早この場に動くものはいなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

架空・春沙
邪悪なる者達よ
あなた達の悪を断罪します
死を以て懺悔なさい

殺戮ハウンドを展開
即座に2回攻撃で再展開
すなわち、総勢160匹の針金細工の猟犬が現れ、罪人に襲い掛かります
さぁ、行ってきてください、猟犬達よ
倒れるまで、一体でも多くとにかく沢山排除するのですよ

敵の動きを見切り、あるいは第六感で感じ取り
猟犬をその場から飛び退かせたり、敵の移動先に攻撃させたりします
猟犬の数は長く維持しておいた方がいいですからね
あと、高速移動には追い付けないでしょうけれど、移動先に攻撃すれば当たります

私自身への攻撃は見切って回避や武器受けで受け止め、素早く断罪の緋鎌を振り下ろし、なぎ払い、敵を刈り取ります



 そして、掃討は佳境へと差し掛かる。
 同志と呼んだ者、その殆どが屍と変わり追い詰められる信仰者達。彼らを追い詰めるべく、闇を駆け迫る者があった。
 架空・春沙(緋の断罪・f03663)だ。咎を狩るべく現れた緋色の死神だ。
「邪悪なる者達よ、あなた達の悪を断罪します」
 その声音はさながら研ぎ澄まされた鋼の刃の冷たさ。無数の針金細工の猟犬を侍らせ、彼女は孤軍と化した邪教徒達を睥睨する。
「さぁ、行ってきてください」
 ――とにかく多く、彼らを排除するのですよ。
 号令一下。殺戮(すくい)を始めるべく、意志持たぬ猟犬たちは疾走する。

 忠実な猟犬なれど、その身は繊細な金属細工だ。鉄の星を振るえば容易く千切れ、転がる。狂える神の下僕と渡り合うには、彼らはあまりにも脆かった。
 ――しかし、彼らの最大の武器はその数にある。春沙が率いる猟犬、その数しめて百と六十。
 彼女の指示に従い、猟犬たちは時に引き、時に損害を物ともせず襲いかかる。
 信徒たちは忌まわしき加護をまとい、己に追いすがる死を引き離そうと戦場を駆けた。かろうじて己を追う猟犬を振り切るも、その先にまた別の猟犬が待ち構える。それはまるで狩りの光景そのものだ。
 やがて、一匹の猟犬が信徒の喉笛へと食らいつく。そのまま足に、腕に、腹に。無数の猟犬が群がり獲物を噛み殺す。
 もがく同志を救おうと近寄る者もいたが、それもまた同じ運命を辿った。

 そんな仲間の屍を踏み越え、春沙へと迫る者がいた。
 ――司令塔さえ叩き潰してしまえば。
 そう考えたのだろう、信徒の一人が春沙の懐へ飛び込めば、その手の凶器を春沙の頭上より振り落とした。
「くっ……!」
 火花が散る。鋼と鋼のぶつかり合う音に鼓膜が揺れる。大鎌を握る手にしびれが走る。
 春沙が辛うじてその一撃を受け止められたのは、敵が己へ向かってくるであろう可能性を予見していたからこそだろう。
「死を以て懺悔なさい……!」
 二撃目を。そう信徒がモーニングスターを振り上げた瞬間、春沙はその手の獲物を振り抜く。
 奔るは深紅の大鎌、『緋色の三日月』と名付けられた一振り。
 ――信徒の身に食い込み引き裂いた刃は、その名の如く血の孤月を作り出した。

「これで、全員でしょうか?」
 倒れ伏した信徒を見下ろしながら春沙は呟いた。
 一層の濃さを増した血の臭い。それはこの場で繰り広げられた戦いの激しさと、積み重ねられた死の数を伺わせた。
 しかしそれも、これで終わり。彼らを討ち果たした以上、これ以上の犠牲はもう生まれない。そう考えれば、安堵のため息が漏れた。
 ――けれど。けれど。
「……っ!」
 彼女は感じた。
 何かに見られている。何かの歌声が聞こえる。何かが。何かが。
 ――何かが、来る。

苦戦 🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『残響の女神』

POW   :    信者の供物
自身の装備武器に【生贄になった者の身体部位の一部 】を搭載し、破壊力を増加する。
SPD   :    叫ぶ
【絶叫 】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
WIZ   :    凝視
小さな【狂気 】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【トラウマに応じてダメージを与える空間】で、いつでも外に出られる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はナハト・ダァトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 気づいただろうか。この場一面を濡らした血潮が、いつの間にか消えていることに。
 気づいただろうか。積み重なった狂える救済者達の亡骸が、いつの間にか消えていることに。
 ――Laaaaaaa
 神々しさと、禍々しさ。相反する印象を抱かせる、いつまでも聞いていたくなるような不快な歌声が周囲に響く。
 ずるり、ひたり。素足の何かが、石の床を這い、歩く。そんな音が聞こえた。
 ――闇の中から、それは顕れる。
 これこそが、彼らが望んだ異形の女神(すくい)の姿。
 今こそ彼女の歌声を絶やし、すべてを終わらせなければならない――!
八重森・晃
真の姿は魔術紋が全身に広がり、宵闇のドレスを着、鳥の足を持った姿。目は炯々と赤く輝き、そのうちには強い感情が渦巻いているののが分かる。それは怒り、怒り、怒り、混ざりっけのない、純粋なる怒り。外に向かう暴力性などというのがまるで唯の稚気に見えるほどの、不動にして絶対なる憤怒であった。「…醜い」「それが貴様らの想う、救済か…狂人には相応よな」「私達が今ここで、お前の、お前たちの『願い≪せかい≫』に終焉をくれてやろう、そら、喜びと歓喜に咽び泣け」「お前たちの呪わしい『人生≪せかい≫』を焼きつくしてやろう、解放の喜びを言祝ぐがいい」というと魔術紋が輝き、手順省略で大量のサラマンドラたちが召喚される



 醜悪にして俗悪。人の姿を極限まで曲解し、無数の屍を用いて形作られた女神像。
 悪意によって産み落とされた芸術品が如き、歪んだ神の姿がそこにあった。

「……醜い」
 ――"これ"が奴らの求めた救いか。狂人の夢想に相応しい醜悪さだ。
 その前へと立ちふさがり、八重森・晃(塩の魔術師・f10929)は呟く。
 その言葉に秘められた想いは嫌悪ではなく。憎悪でもなく。ましてや憐憫でもない。
 怒りだ。純一無雑の、炎の如く渦巻く憤怒がそこにはあった。

「此処で、お前たちの『願い≪せかい≫』に終焉をくれてやろう」
 晃は告げる。晃は誓う。狂った夢の終わりを。劫火による救済を。
 吸い込まれるような闇の広がる、女神の空洞の目を睨み返す。その紫苑の瞳は、今や炯々と赤く輝いて。
 輝く魔術紋を刻んだその身に纏うは、夜の帳で織り成したかのような黒の装束。その裾より覗く、鳥の如く変容した異形の脚が今の彼女が常の有様で無いことを伺わせた。
 これこそが、狂える邪神とすら対等に渡り合う魔導の担い手。晃の真の姿だ。

 彼女の周囲を、赤々と燃える蜥蜴が舞い始める。
 規格外の魔力を用いて呼び出される火蜥蜴の矢。その数たるや膨大であり、薄闇に浮かぶそれは満天の星空を思わせた。
「焼き尽くしてやる……解放の歓びに咽び泣け」
 狂信の果て。己らのみならず、無辜の人々の人生すらも消費して呼び出された救いの神。それを否定すべく、晃は令を下す。
 炎の軌跡を残し、彼女が呼び出した火蜥蜴は女神へと殺到する。一撃、また一撃と突き刺さり、炸裂する度に脂の焼ける臭いがこの場に漂う。

 ――Laa La Laaa
 衝戟に体勢を崩し、爆炎に巻かれ。されど女神は未だ健在だ。
 果たして響かせた歌声は、苦痛の叫びか、あるいは歓喜の歌か。

成功 🔵​🔵​🔴​

一駒・丈一
歌でお出迎えとはな。
随分と手厚い歓迎をどうも。
しかしながら、キミとは音楽の趣味は合わなそうだな。

ついでに、背負う宿業もまた異なりそうだ。
故に此処で狩らせて頂く。

先ずは装備の『贖罪の道標』を相手に『投擲』する。
が、これ自体は致命傷にはなるまい。あくまで意表を突く為にすぎない。

投擲後、早業にて距離を詰め、妖刀『介錯刀』を抜き放つ。
そして、ユーベルコード『罪業罰下』を相手に向かい放つとしよう。

お前は少々やり過ぎた。
故に、この場にて、お前をその咎と共に潰させて頂く。
罪人の叫びが通じると思うなよ。



 鳴り渡る。鳴り響く。穢れた聖堂に、残響の如く。業火に巻かれた破滅(すくい)の神の歌が木霊する。
 心魂を掻き毟り、脳髄を掻き混ぜるような歌声。しかしそれを前にして、なお平然と立ちはだかる男がいた。
「歌でお出迎えとはな。手厚い歓迎どうも、と言いたいところだが……キミと音楽の趣味は合わなそうだな」
 一駒・丈一(金眼の・f01005)は語り掛ける。親しい友人へと語りかけるような言葉と裏腹、その声音は皮肉げで。

「ついでに、背負う宿業もまた異なりそうだ。故に……」
 ――此処で狩らせて頂く。
 謳うは神殺しの誓詞。狂える神への宣戦布告。
 裁くと決めた。目の前に居るこれは神である前に、ただの罪在る者に過ぎないと。
 ならば、斬れる。ならば、殺せる。咎人殺しの刃は、その命へと届く。厳酷たる殺意と共に、丈一は疾走を開始した。
 屍体の女神へ向けて走り出さんとする瞬間、丈一は何かをその手に握り込む。その手が閃けば、ひょうと風を切り空を走る物があった。
 ――杭だ。かつて数多の咎人に、その罪の重さを知ろしめしてきたとされる一本の杭だ。
 『贖罪の道標』 己に付けられたその名を現すかの如く、それは丈一を導くかのように翔けた。
 ずぶり、と。隼の如く虚空を駆けた杭は、女神の喉へと突き刺さる。

 ――AAAEEEEEEEEE!!!
 かのような存在にも、苦痛というものが存在するのだろうか。
 悶え苦しむような、あるいは威嚇するような。聞くだけでも身を引き裂かれるような、おぞましい金切り声を女神は叫ぶ。
 けれど、それは。
「罪人の叫びが通じると思うなよ」
 ――鋼鉄の意志を引き裂くには能わず。たとえ呪詛が織り込められた絶叫であろうと、丈一が揺らぐ事はない。
 妖刀、抜剣。距離にして5間、刀など到底届き得るはずのない距離。しかし――ここは既に、彼の間合いだ。
 斬撃が走る。因果は巡り、捻れ狂う。届かぬはずの一撃が、確かに女神を捉えた。汚泥の如き血しぶきを撒き散らし、女神の身体が揺らぐ。
 道理を覆し、蹂躙し、実現不可能な間合いの一刀を実現せしめる。彼の、彼だけの魔剣(ユーベルコード)。名付けてそれを、『罪業罰下』
「お前は少々、やりすぎた」
 ――お前とその咎。この場にて潰させて頂く。
 女神を凝望しながら紡がれる丈一の言葉は、何処までも冷然たるものだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

尾崎・ナオ
共闘:ウイシア・ジンジャーエール(探索者・f09322)

単体敵ならウイシアが火力担当だね。
ナオちゃんは非力ながら前衛をやってあげようじゃないか~。
いや、前衛っつっても、食らったら危ないから攪乱メインで回避するけどね?

UC【拳銃早打ち】!【クイックドロウ64】【早業16】も乗せて、高速の早打ちを仕掛けるよ。弾薬が足りない?いや大丈夫。同じ銃を複数装備してるから!

周囲に浮かぶはUC【ナイフいっぱい☆】。ちゃーんと【毒使い16】でしっかり毒を塗ってまぁす!牽制と【援護射撃16】に最適でしょ?

ナオちゃんは本来、中衛回避型。弓兵みたいなもんだ。
とにかく回避!近づかれたら【零距離射撃16】が飛んじゃうぞ☆


ウイシア・ジンジャーエール
ナオ(f14041)と継続して行動。

(前回と同じく)
暗視サングラスで [暗視][視力]補強。
オラトリオの羽を広げ[空中戦]継続。[呪詛耐性][激痛耐性]活性化。
[第六感][野生の勘]で回避、[視力][聞き耳]で敵行動を逃さない。

「あなたが女神?私の方が、よっぽど神に近いのでは?」
挑発するように。オラトリオは種族なので神ではないのですが、これが女神とはあまりにも。

「消えて。アドラムス!」
【天罰(アドラムス】で攻撃。
武器を対象に向けるだけで高い命中力を持つUC。
[空中戦]で距離を取り[早業][全力魔法]攻撃を仕掛けます。

記憶が無い私にはね、トラウマも無いのよ!



 ――AGGHHHHH!
 猟兵たちの攻戦は着実に狂える女神を追い詰めてゆく。もはや聖堂に呪歌は絶え、響くは苦痛の唸りと絶叫ばかり。
 しかし、この叫びこそが彼の者の抵抗の意思。己が狂気を掻き立て、死と狂乱を撒き散らす力を引き出す鬨の声に他ならない。

「……これが女神?私の方がよっぽど神に近いのではなくて?」
「いや、オラトリオは神様とかじゃないじゃん。人種じゃん」
 猟兵といえど、何時狂気に囚われてもおかしくない。そんな呪詛と叫びが支配する戦場において、尾崎・ナオ(ウザイは褒め言葉・f14041)とウイシア・ジンジャーエール(探索者・f09322)は何処までも普段どおりだった。
 二人は油断なく邪神を見つめながらも、どこか気の抜けた会話を交わす。
 幾多の戦場を越え、無数の常ならぬ存在と対峙してきた。そんな二人にとってはこの醜怪なる女神すら、ありきたりな狩りの対象に過ぎないのだろう。
「こういうのはウイシアが得意でしょ。私が前に出て引きつけるから……」
「私がキツいのをお見舞いする、ね。無理だけはしないように」
 答えの代わりに、ナオは愛用の黒い拳銃を抜き放つ。その動作に合わせるように、ウイシアは星纏う愛杖を構え直して。
 視線を通わせ頷きあえば、互いの役目を全うすべく弾かれたように駆け出した。

 マズルフラッシュが闇を切り裂き、硝煙の臭いが立ち込める。ナオは女神へと駆けながら愛銃の引き金を引く。
 その連射たるやさながら機銃掃射の如く。弾が切れたとなれば躊躇なく銃を投げ捨て、いずこからか取り出した同型の銃を構えまた発砲する。
 尋常の兵器による攻撃は神を討つには心許なくとも、その音と光は邪神の気を惹くには十分すぎた。
 死臭漂わせ、屍の腕が振るわれた。歪な腕から繰り出される一撃は構えも何もあったものではない。しかしそれは、ただその速度だけであらゆる物を捉え、人間を肉片へと粉砕して余りある勢いだ。
「……っひょー!危ねー!」
 そんな一撃が鼻先を掠めながら、ナオの剽軽な口ぶりは変わらない。振るわれた腕に銃を接射しながら、咄嗟に飛び退き距離を取った。
 前線で敵と殴り合う程の体力も膂力も彼女は持ち合わせてはいない。それでも、敵を撹乱し戦場をかき回すという点において並ぶものはそういなかった。時に距離を詰め、時に大きく距離を取り。変幻自在の立ち回りでナオは女神を翻弄する。
「そうら、これは当たると痛いですよーぅ!?」
 挑発するようにナオはせせら笑う。その周囲には無数の黒い短剣が浮かび、鋭い切っ先を女神へと向けていて。
 いつの間にか取り出した瓶を投げつけながら、忠実な猟犬のごとく控える刃たちへ彼女は令を下した。
 鋭い風切り音を残しながら、ナオの指揮に従い刃が飛ぶ。向かう先は宙を舞う先程の小瓶。がしゃん、と硬質な音が鳴り渡り、ナイフに貫かれた瓶の中身が飛散した。
 その正体は毒薬。ナオの虎の子、常人ならばたちまち死に至る猛毒だ。黒いナイフはその刃に死を纏い、邪神めがけて殺到する。
 掌を貫き、脚の肉を抉り、腸へと刃が突き立つ。とうに血の通わぬ肉で成り立つその身体にも、果たして人の毒は通じたのか。ついに、狂える女神はその場へと膝をついた。
 今こそが好機。仕留めるならば、今。
「……ウイシアー!まだー!?」

 翼を広げ、空より戦場を見下ろすウイシア。彼女はナオの奮闘を見守りながら、機を待ち続けていた。
 一撃。この杖を向ければ、一撃で終わらせることが出来る。死闘で傷ついた女神を見れば、そう確信できた。
 ほんの一瞬でいい、足を止めてくれれば。焦れる心を押さえつけながら、決着の瞬間をひたすらに待ち続ける。
 ――そして、ついにその時は訪れた。
 ナオの放った毒刃が女神を貫き、その膝を地へと付かせる。今こそ。必殺の意志を込めウイシアは女神へとその杖を向けた。
 特別製の色眼鏡で、薄闇の中でも視界は十分に取れている。狙いを誤る道理はない。
 ――しかし、見え過ぎたのが良くなかったのか。
 あるいは、ウイシアの『探索者』という在り方が。好奇心という灯火を掲げ狂気に挑む、その生き様がこの場の呪詛に触れてしまったのか。
「……え?」
「ウイシア!?」
 吸い込まれるような闇を湛えた、女神の眼孔を覗き込んでしまった。その瞬間。
 声が。視界が。意識が。
 ――世界が、黒く、塗りつぶされて。

「……!?」
 気がつけば、どこまでも広がる闇の中。灯り一つ無いというのに、自分の姿だけはハッキリと見える。
 見渡しても、そこにはなにもない。なにも。なにも……否。しかと目を凝らせば、影法師のような人の影が見える。
 それは男の姿だった。それは女の姿だった。
 それは恨みの目で見つめていた。それは哀れみの目で見つめていた。
 目が。目が。目が。目が。無数の目が、ウイシアを見つめていた。
 ここはきっと拷問場だ。いつまでも、残響のように心に残り続ける古傷、それを抉り出す場所だ。
 罪を背負い、罰を求める。そんな人間ならばきっと、心折れてしまう。そんな場所なのだろう。
「残念だけど」
 果たしてウイシアは、彼らを前にして動じる気配はない。冷めた瞳で彼らを見つめ返す。
 なるほど、精神を責め苛む視線の群れ。過去に傷持つ者にとっては、どんな呪詛よりもその心を苦しめる猛毒となるのだろう。
 ――けれど。けれど。
「記憶がない私に、トラウマなんて無いのよ!」
 無いものを責められて、どうして苦しむことができようか。
 ――失せろ。お前たちなんて、知らない。責められた所で、知ったことじゃない。
 拒絶の意志と共に叫べば、みしりと闇に罅が入って。

 ――視界は晴れ、彼女はまた先の聖堂へと戻っていた。
 眼下からは既に半死半生――そもそも、生きていると言って良いものかもわからないが――の女神がウイシアを見つめていて。
 杖を構え、振るう。これで全て、終わらせてしまおう。
 ――やっちまえ。そんな聞き慣れた女性の声と共に、一息にその言葉を唱えきる。
「消えて……!」
 光が堕ちる。壊れた神に、定命の者の天罰が下る。目を焼くような閃光の柱が、女神を包み込んで。
 ――光が収まる頃には、その場には塵芥すら残ることはなかった。

 ――これが、この戦いの顛末。
 邪教の輩は撃滅され、不完全な彼らの神は顕現すること叶わず、また骸の海へと去る事となった。
 しばらくは、非業の死を遂げる人々はいなくなることだろう……そう、しばらくは。
 救いというものを求めているのは、彼らだけでは無いだろうから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月23日


挿絵イラスト