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新たな空の中で〜辺境の浮島を守れ!〜

#ブルーアルカディア #屍人帝国「海神の国」

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#ブルーアルカディア
#屍人帝国「海神の国」


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「皆さん、この度もお集まりくださりありがとうございます。グリモア猟兵の土御門泰花(つちみかど・やすか)と申します。……さて、早速ですが、今回の依頼は新しく発見されたばかりの『ブルーアルカディア』での事件です。」

 新米の……と言おうとして、何となく引っ込めつつ、泰花は虚空に新世界の様子を映し出して説明を始めた。それは、見渡す限りの眩い空と、どこまでも広がる雲海の織り成す、発見されたばかりの世界。

「今回私が察知したのは、ブルーアルカディアの中でも辺境にある、大変平和な浮島でのできごとです。……ここには、ブルーアルカディアの様々な種族が小さな集落をなして仲良く暮らしているのですが、とある屍人帝国――『海神の国』と呼ばれていた過去の浮遊大陸の国が、目をつけたようです。」

 「海神の国」とは、過去にブルーアルカディアに存在していた、主に海にまつわる召喚獣の聖地だったようだ。しかし、その浮遊大陸は寿命を迎え、今は既に雲海に落ちて沈んでいた……はずだった。
 それが何のきっかけか、オブリビオンを満載した「屍人帝国」の1種となって蘇り、そこからオブリビオンたちが辺境の平和な浮島を襲いに来るという。

「この辺境の浮島が狙われた理由は、どうやら浮島を支え守る力となっている、特殊な『天使核』を奪うためのようです。」

 天使核とは、ブルーアルカディアにとって重要な役割を果たす存在。
 脅威であるオブリビオンへの対抗策として、この世界の人類はオブリビオンの心臓である「天使核」を動力(エンジン)として利用し、独自の「天使核文明」を築き上げてきたのだ。
 その用途は、飛空艇や魔導機械に用いられるに限らず、今回のように浮遊大陸の沈没を防ぐために用いられることさえある。

「今回『海神の国』がこの名も無き辺境の浮島を狙った目的は、その浮島を支え守っている『天使核』を奪うことで、今現在暴走してしまっている『天使核』の代わりにしようということのようです。どうやら、かつて何らかの理由で遺された、飛空艇(ガレオン)のひとつが搭載している『天使核』が暴走し、ドラゴンと化してしまったようなのです。恐らく、オブリビオンとしての本能か何らかの理由で、その『代替品になる天使核』、もしくは『更なる強化ができる強い天使核』を求めているのでしょう。」

 「天使核」は、ブルーアルカディアの主要文明を支える要の存在だが、万能ではなく汚染や暴走の危険も持ち合わせているのだ。

「そこで、今回皆さんにお願いしたいのは、オブリビオンを満載してやってくる、『ガレオンドラゴン』の撃破です。そのガレオンドラゴンは、数多の『クラウドジェリー』と呼ばれる、クラゲに似た獣人型のオブリビオンを乗せています。まずは、その『クラウドジェリー』を討伐してください。彼らが殲滅されれば、自身が出るしか無くなったと判断して、『ガレオンドラゴン』は自ずと現れるでしょう。」

 「クラウドジェリー」は、本来であれば駆け出しの勇士でも狩れる生物だったが、オブリビオンとなった今は、風に乗って群れで人々を襲う悪辣な存在になってしまっている。したがって、猟兵の力で討伐しなければならないのだ。
 もちろん、それらを積んできた「ガレオンドラゴン」などとなれば、さらに強力であろうことは想像に難くない。

「初めての世界での、初めての事件で、分からないことも少なくありませんが……どうか、皆さんのお力でこの浮島の平和を守って差し上げてください。こうした実績が重なっていけば、やがてブルーアルカディアの人々からの信頼も強固なものとなるでしょうし、新たな発見もできるようになりましょう。……では、ご武運を。さて、現場となる浮島まで皆さんを転送致しますね。」

 よろしくお願い致します、と、最後に泰花は優雅に一礼し、グリモアの力を解放して猟兵たちの転送を始めるのだった。


月影左京
 初めまして、またはこんにちは。
 いつもお世話になっております、マスターの月影左京です。

 今回は、新世界「ブルーアルカディア」でのお話です。
 辺境の平和な浮島が、突如としてオブリビオンに狙われてしまいました。
 どうか、猟兵の皆さんの武勇をもって、浮島の平和を守り抜いてあげてください。

 各章の説明は、次の通りです。

●第1章「クラウドジェリー」(集団戦)
 泰花が説明した通りの、クラゲ型の獣人型生物がオブリビオンとなった存在です。
 直接体力を奪ってくるというよりは、妨害行為を行って攻撃しにくくさせてくるのが得意なようです。
 まずはこれらを討伐してください。

●第2章「ガレオンドラゴン」(ボス戦)
 クラウドジェリーたちをたんまりと乗せてきた、ドラゴン化した飛空艇(ガレオン)です。
 牙で喰いちぎった相手の弱点に対応した形状の属性ドラゴンに変身したり、口から容赦なくブレス攻撃をしたりと、強力な攻撃を仕掛けてきます。

●第3章「浮遊島でキャンプを」(日常)
 平和を守り抜けたら、折角ですから浮島の皆さんと仲良くなってはいかがでしょうか。
 キャンプをして一夜を明かしつつ、新世界を楽しんで過ごしてください。

 私も、新しい世界のリプレイを書くのを楽しみにしつつ、頑張ります!
 皆さんからの熱いプレイングをお待ちしております!
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第1章 集団戦 『クラウドジェリー』

POW   :    無痛麻痺毒
【麻痺毒】を籠めた【触手】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【運動中枢】のみを攻撃する。
SPD   :    毒触手
海の生物「【クラゲ】」が持つ【刺胞毒】の能力を、戦闘用に強化して使用する。
WIZ   :    透き通る体
自身と自身の装備、【触手で締め上げた】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。

イラスト:びびお

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友。

第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん
武器:漆黒風

はてはて、新世界。空の世界とは、また大きな。
でもま、やることは変わりませんねー?

陰海月がねー、さっきから荒ぶっているんですよー。
まあ、相手透明になるそうですけどー、クモの巣状に張った結界を避けられないでしょう?
だって、モノはそこにあるんですからー。
引っ掛かったら、漆黒風を投擲して片っ端から片付けましょう。
ええ、呪いは連鎖し、不幸を呼び、あなた方は帰れませんからねー?


陰海月、クラウドジェリーをライバル視したため、とても張りきっている。
ぷきゅっと鳴いて、ぺちぺちぺちぺち。



 真っ先に浮島へ降り立ったのは、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)だ。
 今は、4種の人格のうち、唯一の忍者である「疾き者」を表出させているようだ。

「はてはて、新世界。空の世界とは、また大きな。でもま、やることは変わりませんねー?」

 のほほんとした口調ながら、その体勢には隙がない。無数のクラウドジェリーを前に、棒手裏剣の「漆黒風」を手に取る。

 だが、彼が手を下すより先に動いたものがいた……。

「ぷきゅっ!ぷきゅぷきゅっ!ぷきゅーっ!」

 彼の連れである陰海月が、ことのほか張り切って声を上げ、ぺちぺちぺち……と、果敢にもクラウドジェリーへ挑んでいるのだ。
 同じクラゲとして、ライバル心に燃えていると見える。
 しかし、その点はクラウドジェリーのほうが一枚上手なのか、のらりくらりと回避されがちだ……頑張れ、陰海月。

「陰海月がねー、どうにも荒ぶっているんですよー。さて、私も動くとしますか。」

 義透は早速クラウドジェリーたちを取り囲むように、蜘蛛の巣のように結界術を展開した。
 それに対して、クラウドジェリーたちは義透を締め上げて自身諸共透明化しようと図るが、義透は結界の外。結局、自分たちで締め上げ合いながら透明化を試みだ。
 自分たちが姿を消したことで、消滅したと誤認させ、油断を引き起こするためだろうか。
 しかし、忍者でもある「疾き者」の前には、児戯に等しい。

「蜘蛛の巣状に張った結界は、透明化しても避けられないでしょう?だって、モノはそこにあるんですからー。」

 そう告げて、義透は【連鎖する呪い】を発動させた。
 結界に見事に引っかかって、透明化が解け、あたふたし始めたクラウドジェリーを見つけると、義透は片っ端から漆黒風を投擲して1体ずつ狙っていった。

「ぷ、ぷきゅーっ!ぷきゅ、ぷきゅ!」

 勿論、陰海月も闘志は燃えたままだ。ひたすらにクラウドジェリーに挑んではぺちぺちぺち……と、攻撃を繰り返している。
 その様は、本人(?)には必死であろうが、何とも愛らしい光景である。

 その間に、義透はユーベルコードの効果に後押しされながら、確実にクラウドジェリーの数を減らしていった。
 義透からクラウドジェリーに放たれたユーベルコードは、攻撃を受けた相手に「癒えない傷跡」を付与し、109mの半径の中にいるクラウドジェリーへ「次々と発生する『不慮の事故』」を与え、追撃をするものだ。

「ぷきゅっ!」

 その「不慮の事故」の中には、陰海月による攻撃が、交わしたはずなのに何故か当たる、というものも含まれる。

(ええ、呪いは連鎖し、不幸を呼び、あなた方は帰れませんからねー?)

 義透は淡々と敵を屠っていく。陰海月も、義透のユーベルコードのお陰で攻撃がクリーンヒットするようになったからか、より積極的にぺちぺちぺち……と挑んでいくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

グレゴワール・ロジェ
平和な島を襲わんとする邪悪共許すまじ!我が正義により残さず討ち滅ぼしてみせよう!
さあ戦いの時だ!剣を振るう時だ!邪悪を打ち倒す時だ!正義を示す時だ!

動力甲冑を身に纏い推力移動による素早い空中戦闘を主体に戦うとしよう。
攻撃時はボルトガントレットから放たれるボルトの弾幕を敵に食らわせてやろう。
装甲すら穿つ強力なボルトが敵に当たれば後ろに潜んだ敵もまとめて貫いてしまうだろう。(貫通攻撃)

触手を伸ばしてきたら剣で防御しつつ(武器受け)伸ばしてきた触手切り裂いてしまおう。

敵の集団が固まって防御を固めてきたらそこが狙い目である!
UCを発動し邪悪共をまとめて焼き尽くしてくれよう!



「平和な島を襲わんとする邪悪共許すまじ!我が正義により残さず討ち滅ぼしてみせよう!」

 グレゴワール・ロジェ(人間のロケットナイト・f33890)は、義憤に駆られて雄々しく立つ。

「さあ戦いの時だ!剣を振るう時だ!邪悪を打ち倒す時だ!正義を示す時だ!」

 宣言するなり、グレゴワールは動力甲冑を全身に纏い、素早い機動力を活かしてクラウドジェリーを猛追する。空中戦を得手とするグレゴワールにとっては、ふわふわゆらゆらと動く敵を追うのも容易いことだ。
 まずは小手調べとばかり、グレゴワールはボルトガントレットから鎧さえ無視して貫通するほどのボルトの弾幕を敵へと放った。

「……!?」

 敵は、身体を貫かれて力尽きた者もいれば、ギリギリで避けた者もいた。しかし、紙一重で避けた敵たちは憎悪と恐怖とからグレゴワールへ触手を伸ばし、締め上げを見舞おうと積極的に仕掛けてきた。
 だが、グレゴワールはそんな反撃など見越していた。バスタードソードで受け止め、その動作の流れから触手を切り裂く。

「……!!」

 敵たちは無駄の無いグレゴワールの動きの前に、敢えて集まってきた。そうすることで互いの防御を高め、また攻撃を当てやすくしようと考えたのだろう。――それこそが、グレゴワールの思う壷だと知らずに。

「マジックボルト装填完了、邪悪を焼き払う!」

 グレゴワールは躊躇わず【フラム・ボルト(フラムボルト)】を発動させた。50本の炎属性を有するマジックボルトが次々と敵を屠っていった。

「……上々だな。」

 全滅とまでは行かなかったものの、敵は確実にその数を減らしている。グレゴワールは確かにこの浮島の平和を護る騎士として、正義を体現したと言えよう。

成功 🔵​🔵​🔴​

尾守・夜野
…流石にこれだけの海月が漂ってる中スレイが突入するとあぶねぇよなぁ
まぁそれならそれで自前の艦に乗るだけなんだが

「俺は運航に注力するから攻撃は任せたぞ
別の俺」
「りょーかいりょーかい!俺様に任せときな!」
…正直破壊大好きな俺様呼んだの失敗な気がする
海月の刺胞は別に死のうと乾燥しようと残る種類多かった気がするし

(…まぁ別の俺が動けなくなったらUC解除してもう一回呼べばいいか)
俺本体は操舵室にいるしな

今の時間帯が朝なのか夜なのかは任せる
夜なら【闇に紛れ気配をけして】ステルス戦闘
一撃ごとに移動する

朝なら目立つからあえて【挑発】し集めて一気に

なおどちらの場合でも攻撃は毒耐性で耐えるぞ

アドリブ歓迎



(…… 流石にこれだけの海月が漂ってる中スレイが突入するとあぶねぇよなぁ。)

 尾守・夜野(墓守・f05352)は、クラウドジェリーの群れを見据えて考える。愛馬スレイプニールを突っ込ませるのは、いくら宇宙バイクとして改造された馬といえど少々懸念があるのだった。

(まぁそれならそれで自前の艦に乗るだけなんだが)

 夜野は改めて敵を見遣ると、すぐに【オルタナティブ・ダブル】を発動させた。
 呼び出されたのは……破壊が何よりも大好きな「もうひとりの俺」。

「俺は運航に注力するから攻撃は任せたぞ
別の俺。」
「りょーかいりょーかい!俺様に任せときな!」

 ……短いやり取りの後、「もうひとりの俺」は猪突猛進とばかり、敵の群れへ突っ込んで行った。
 その様に、夜野本体はこの人格を呼び出したことを早くも後悔していた。

(…… まぁ別の俺が動けなくなったらUC解除してもう一回呼べばいいか。)

 今更どうこうする訳にもいかないと、夜野は気を取り直す。

 時間帯は、まだ日が高い。夜ならば闇に紛れ気配を絶ち、ステルス戦闘で一体一体確実に仕留めていくつもりでいたが、これだけ明るいのなら逆に目立つことを逆手にとり、群れを挑発して集めることで一気に始末しようと夜野は考えを切り替えた。
 実際の海に棲むクラゲが持つ刺胞毒を強化した毒触手を、敵たちは夜野と、その「もうひとりの俺」へと向けて矢継ぎ早に繰り出してきた。

「悪ぃが、素直に喰らってやるつもりはねぇぞ。」

 夜野の記憶では、海月の刺胞は別に死のうと乾燥しようと残る種類多かった気がするので、その意味でも素直に喰らってやることはできなかった。
 それでも身体に当たる触手から注ぎ込まれる毒は、毒耐性にて耐えきる。

「っしゃー!おらー!俺様を楽しませろー!」

 「もうひとりの俺」もまた、器用に触手を回避しては切り刻み、叩き潰し、敵が苦痛に悶えて消滅していくのを楽しみながら突き進んでいく。
 毒には多少なりともやられているはずだが、まったく意に介してない様子だ。

(まぁ別の俺が動けなくなったら一旦解除してもう一回ユーベルコードで呼べばいいか。)

 夜野本体が倒れなければ、たとえ別人格が倒れても呼び直せる。場合によっては、再度ユーベルコードで呼び出す時に戦況に応じてさらに違う人格を呼び出してもいいのだから。
 そう判断して、夜野は「もうひとりの俺」と共に敵を着実に仕留めていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳳凰院・ひりょ
アドリブ歓迎
WIZ

最初の相手はクラゲか…、ん~…、姿が女の子型なのが少々戦い辛い所があるが…
だけど、このまま好き勝手させるわけにはいからないからね
心を鬼にして撃破していくぞ!

手持ちの飴を媒体に固有結界・黄昏の間を発動、風の疑似精霊を召喚
風の力で自身の周囲に風の結界を張り巡らせる
たとえ相手の姿が見えなくても、この結界に触れれば風の力でズタズタに切り裂かれる
見えなくてもへっちゃらさ!

相手は多数、風に乗って浮遊している感じなら、こっちも飛翔衣を身に纏っているから【空中戦】が可能だ
空を飛び回りながら敵を攻撃

敵が風の結界に触ればその位置がわかる
そこへ【破魔】を付与した鎌鼬の【乱れ撃ち】を叩き込んでやる!



(最初の相手はクラゲか……。)

 ふわふわ、ゆらゆらと漂い集うクラウドジェリーたちを目の前に、鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)は顔をしかめた。クラゲ型の獣人というだけならまだしも、その「人の姿」の部分が女の子の姿なので、誠実な人柄のひりょには、傷つけることに抵抗があるのだ。
 しかし、だからといって好き勝手させる訳にはいかないことは百も承知だ。ひりょは心を鬼にすることを決めると、改めて敵を見据えた。

「……場よ変われ!」

 仙桃の果汁を用いて作られた飴を媒介とし、【固有結界・黄昏の間(コユウケッカイ・タソガレノマ)】を詠唱する。即座に風の疑似精霊が呼応し、その力をもってひりょの身を包むように風の結界を展開した。こうしておけば、例え互いに抱き合うようにして姿を不可視にし、ひりょを奇襲しようとする個体が居たとしても、結界に触れた途端に切り刻まれることとなる。さらに、風の結界に敵が触れたなら、位置を把握することも容易い。

 ひりょは、その身に飛天の羽衣「飛翔衣」を纏い、血を蹴った。これなら敵たちが風に揺られて動いたり、ゆらりふわりと中空へ逃げようとも、追いすがって空中戦に持ち込むことができる。

「この浮島に危害を加えようとするのは、許さないよ!」

 そう宣言するや否や、風の結界に何かが触れた。刻まれていく切り傷に痛みの呻きをあげる声も響く。
 姿を透明化させていたその敵たちへ、ひりょは破魔属性を宿した鎌鼬を乱れ撃ち、まずはその奇襲組を返り討ちにした。

「……!」
「今度は、そこだな!」

 ひりょの風の結界を脅威と感じたのか、敵たちは互いに締め上げあって姿を透明化し、彼の視界から逃げることを試み始めた。
 あわよくば時間を稼ぎ、風の結界を破ろうとも考えたのかも知れない。
 だが、1度決意を固めたひりょは、空を自在に飛び回り、積極攻勢に出ている。やがて、不意に吹く強い風に流されたり、透明化を続け過ぎて疲労が蓄積してきたりした個体たちがひりょの纏う結界に触れるようになった。こうなれば、ひりょにとっては戦いやすい。

「見えなくてもへっちゃらさ!」

 幾度となく結界に身を裂かれ、ひりょの放つ破魔の鎌鼬によって葬られ、敵の群れは次々とその個体数を減らしていく。地道ではあるが堅実な戦法をとるひりょの知恵と実力の成果は大きかった。

 だが、ここまでで大幅に数を減らした敵の群れも、まだ全滅はしていない。改めて気を引き締め、ひりょは残存する個体へと果敢に飛び込んで行った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フィリリアンナ・フェアリーガーデン(サポート)
『ボクに不可能なんて字はないのですよっ!』
僕の天才的な頭脳があれば大体のことはちゃちゃっと解決できるのですよ!
便利な魔法の数々をご覧あれです!
戦闘では味方を巻き込まないように注意しつつ強力な魔法で殲滅です!
基本的に詠唱は必要なので気を付けて下さいね。
まぁ足を引っ張るような真似はしないので平気でしょう!
あ、それとA&Wワールド以外はあんまり行ったことないので、ちょっと興味深々になるくらいですかね?
やはり見たことのない景色や知らない知識というのは尊いものですからね。

他の方との絡みとか、連携などはお任せします。よろしくお願いするのですよ!



「へぇ!ここがブルーアルカディアなんですね!」

 まだ発見されたばかりの世界に、フィリリアンナ・フェアリーガーデン(超ド級天才魔導妖精・f00685)は目を輝かせた。
 他の世界をあまり知らずにきた彼女にとっては、この新世界もまた好奇心をくすぐるものだった。見たことの無い景色や知らない知識は、尊いものだから。

「……さて、残敵わずかってところですね。でも、ボクに不可能なんて字は無いのですよ!例え経験のない世界でも!」

 フィリリアンナは、それでも使命を忘れてはおらず、残るクラウドジェリーたちの姿を凛とした瞳で睨む。思っていたよりずいぶん数が少なく見えたが、見えないところに攻撃して敵を出現させている猟兵の姿があることで、透明化のユーベルコードを用いていることを悟った。つまり、見えている数より多少は多く生き残っているということだ。

 彼女には、自身の天才的な頭脳に自信がある。それは単なる驕りとは言いきれず、確かに莫大な魔力を有するために利便性の高い魔法や強力な魔法を難なく使いこなす実力と実績があるのだ。
 先に交戦している猟兵たちの立ち位置や動き方を大まかに把握すると、彼らを巻き込むことの無いように注意を払いつつ、厳かに詠唱を開始した。

「……精霊たちよ、力を示せ。根源たる魔力の奔流を、大いなる自然の超常を見せつけよ!」

 刹那、【カオス・ストーム(カオス・ストーム)】が発動。彼女が装備する武装が何種類もの精霊力の結晶に変幻し、美しい花びらとなって敵たちへ舞い散るように飛んでいく。それは、透明化している敵をも体温や物音で探り出し、ダメージを与えていった。

「へへん♪いっちょあがり!です!」

 フィリリアンナは、圧倒的な火力の前に姿を消した最後の個体を見送りながら、胸をそらして勝利宣言をした。

 しかし、油断は大敵である。まだこの他には、この敵の群れを乗せてきた強力な飛空艇「ガレオンドラゴン」がいる。それを討たないことには、まだ浮島の平和を確保することは出来ないのだから。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『ガレオンドラゴン』

POW   :    属性変換
【ドラゴンの牙】が命中した敵から剥ぎ取った部位を喰らう事で、敵の弱点に対応した形状の【部位を持つ『属性ドラゴン』】に変身する。
SPD   :    ガレオンブレス
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【口】から【ブレス砲撃】を放つ。
WIZ   :    飛竜式艦載砲
【飛空艇部分の艦載砲】を向けた対象に、【砲撃】でダメージを与える。命中率が高い。

イラスト:来賀晴一

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

馬県・義透
ふむ、ここは彼に変わりましょうかー。

交代
第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
武器:黒燭炎

ふむ、わしか。たしかに相手に近づいてもらう必要があるからのう…。
にしても、陰海月とのコンビ、わしが一番組んでおるような?

さて、牙を食らわぬようにせねば。
そこは陰海月に頼みつつ、防御用結界も張る。
そして、横っ腹に炎属性攻撃ののった槍での叩き潰しをやろう。
陰海月も攻撃するから、実質二回攻撃であるの。
さっきの見ておったら、陰海月に油断するかの?


陰海月(分類:武器)、預けられてた四天流星を相手に視認させて、錯誤呪詛にて位置を誤認させる。
さらに、ぺちぺちにUC効果がのってるので、見た目より破壊力がマシマシ。



(ふむ……ここは、『彼』に代わりましょうかー。)

 ガレオンドラゴンを目の当たりにし、義透は人格の交代時だと判断した。
 今度は、第3の人格「侵す者」へ変わる。武に関しては天賦の才を持つ人格だ。

「ふむ、わしか。確かに、相手に近づいてもらう必要があるからのう……。」

 言いながら隙なく敵を見据え、義透はまず手早く防御の結界を展開する。
 陰海月もまた、主たる義透を助太刀せんと気合いを入れている様子だ。

「陰海月、頼むぞ。」
「ぷきゅ!」

 相棒に声をかけつつ、ふと「侵す者」は思う。他の人格と比べると、自身が1番陰海月とコンビを組んでいるような……?
 そんな思いを知ってか知らずか、陰海月は義透の前へ出た。先程の戦いを見ていたのかどうか、ガレオンドラゴンは陰海月を敵に及ばぬと判断したらしく、陰海月と義透の両者ごと喰らわんとドラゴンの牙を剥く。

 しかし、義透たちは既に牙に対して結界で対策してあったため、難なく防いだ。
 間髪入れず、義透は「侵す者」の得物である、炎を宿す槍「黒燭炎」を振り上げる。

「わしの一撃、受けきれるか!」

 「侵す者」の性質というのか性格というのか、それを反映した【それは火のように(シンリャクスルコトヒノゴトク)】により、彼は重量を纏った凄まじい一撃をガレオンドラゴンへ叩きつける。その影響で、直撃した場所は地形まで砕かれた。
 同時に、陰海月もまたガレオンドラゴンの意表を突く形で重たいぺちぺちを見舞う。
 陰海月も一応義透の装備する武器なので、ユーベルコードの恩恵にあずかることができるのだ。その結果、常よりもずっと破壊力のあるぺちぺちを繰り出すことができた。ぺちぺちを喰らう度、敵は予想以上の痛みに声を上げた。
 しかも陰海月は、予め義透から預けられていた四天流星という鏢を用いることで、そこからあふれる呪詛により、自身の位置を敵に誤認させていたのだ。
 そういう訳で、敵にとって陰海月からの攻撃はふたつの意味で想定外だったようだ。

 実質的にユーベルコードによる2回攻撃を喰らうこととなった敵は、1度は怯んだように低い唸り声を上げて後ずさった。しかし、侵略の意思が薄れた様子は無い。
 身体に深い傷を受けつつも、敵はまだ戦意を宿した眼で義透たちを睨んでいる。

成功 🔵​🔵​🔴​

鳳凰院・ひりょ
アドリブ歓迎
WIZ

引き続き飛翔しつつ戦闘開始
下手に逃げ回るより真正面から迎撃した方が確実だろう
自身に精霊の護符を貼り付け、それを媒体に疑似精霊の加護を発動させる
自身の攻撃力を強化し、敵の砲撃に備える

刀に【全力魔法】力を注ぎ込み、こちらへ飛んでくる砲弾に向け真正面から構え、【斬撃波】を放つ

一射目の砲弾を破壊したら、続けて【斬撃波】を放ち迎撃
ただ、それだけでは膠着状態になるだけだ
【斬撃波】に【貫通攻撃】を上乗せして放ち、敵の砲撃をぶった切ったついでに敵にもダメージを与えるよう立ち回る

相手は飛空艇でもある、となればそれなりの巨体だ
一手一手、確実に手傷を負わせていく
後の事は他の仲間を信じるさ



 ひりょは、ガレオンドラゴンの巨躯を前に、飛翔状態のままで逡巡した。

(下手に逃げ回るより真正面から迎撃した方が確実だろう。)

 大きいがゆえに、こちらからの攻撃は当てやすいだろう。しかしそれは同時に、敵から逃げ切るのも苦労するだろう。

「……精霊達よ力を貸して!」

 自身に瞬時に貼り付けた護符を媒介に、ひりょは【疑似精霊の加護(ギジセイレイノカゴ)】を発動させた。
 ほぼ同時に、敵も飛空艇の艦載砲を向け、ひりょへと砲撃を炸裂させる。

「このくらい……っ!」

 ひりょは手に持つ刀へ全力で魔法の力を注ぎ込むと、敢えて砲弾の真正面へ飛び、それを一刀両断した。砲弾はその斬撃波によって真っ二つに裂かれる。しかしひりょはそのままの動きで続けざまに斬撃波を放ち、敵本体への攻撃も見舞った。敵はその巨体が仇となり、避けきれずに痛みに呻く。
 それでも、敵はまだ戦意を喪失していない。むしろ、怒気を強めてひりょへと再びの砲撃を行ってきた。

(これだけでは膠着状態になるだけだ……ならば!)

 ひりょとて、同じ手を易々と喰らうわけが無い。彼は更なる強さの斬撃波によって砲弾を貫通し、艦載砲にまで損傷を負わせた。もう、その艦載砲はしばらく使えないだろう。

 こうして、ひりょは地道にダメージを与え続けていった。
 塵も積もれば山となる。それに、ここには他の猟兵だっているのだ。独りでは立ち向かえぬ強敵も、きっと今なら……。
 ひりょは、共闘する仲間たちを信じることにした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

グレゴワール・ロジェ
軍艦と融合したドラゴンか。鉄を砕き溶かす牙やブレス、軍艦部分に搭載された数多の艦載砲……いかに強大であろうが何するものぞ!邪悪には決して砕くことが出来ない正義の意思というものを見せてやろう!

まずはボルトガントレットによるボルトの弾幕を中心にした空中戦で様子見をするか。
いきなり攻撃をするだけでは正義を実行する事が困難になるが、機を見て突撃すればより確実に正義を行えるだろう。

戦闘中に竜がブレスによる攻撃をしようとこちらに顔を向けてきたらエンジンの出力を上げて加速をかけ敵のブレスを回避することにしよう。

攻撃を回避したらエンジンの出力を全開にし突撃。一気に接近してUCによる剣の一撃を食らわしてやろう。



 グレゴワールは、容赦なく暴れ回るガレオンドラゴンを前に、怒りに目を細めた。

 軍艦と融合したドラゴンの如き敵は、鉄を砕き溶かす牙やブレス、軍艦部分に搭載された数多の艦載砲と、あらゆる強力な攻撃手段を兼ね備えている。
 しかし、正義を掲げるグレゴワールにとって、それらは恐るるに足らぬものであった。

「いかに強大であろうが何するものぞ!邪悪には決して砕くことが出来ない正義の意思というものを見せてやろう!」

 まずはボルトガントレットによる、ボルトの弾幕を敵へと放つ。それにどう対応してくるのか、敵の出方を伺うつもりだ。
 敵はその弾幕を凄まじい速さで掻い潜ると、グレゴワールへと口から熱波をまとったブレス砲撃を放ってきた。

「くっ……!」

 あまりの熱さに肌が痛い。しかし、それでもグレゴワールは軽い身のこなしにより何とか大きな傷を受けずに避けた。自身が装備するエンジンの出力を上げ、思い切り加速していたのが奏功したようだ。

(機を見て、突撃……!)

 回避したことに安堵せず、グレゴワールはエンジンの出力を全開にして一気に敵へと肉迫した。近づくと敵の巨大さを改めて実感させられた。されどそんなことに怯むグレゴワールではない。

「我が一撃は突風の如き騎士の戦技!」

 【クー・デ・ラファール(クーデラファール)】を発動させ、飛行しながら素早い斬撃で敵の胴部を切り刻む。最大まで出力を上げたエンジンによる加速が加わって、それは深々と敵の身に切り傷を増やしていった。
 さすがの敵も、耐えきれぬ痛みに咆哮を上げる。

「貴様に、我等の正義を打ち砕くことなど不可能と知れ!」

 グレゴワールは、尚も負けじと体勢を立て直そうとする敵へ、油断のない視線を向けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

尾守・夜野
「っとようやっとお出ましか」
海月達が片付けば艦である必要はねぇからな
推力は切って移動はしないようにしてスレイでの移動に切り替えるぞ
夜ならともかく今は目立つから後で探すのも楽だし

「ここのは食ったりとか出来ると聞いてるが血も旨いのかね?」
スレイに聞いてみるが、知らんという顔されるな
ただの戯れだが目の前の自分無視されたらドラゴンも…あれ?船しかみてなくね?【挑発・目立たない・誘き寄せ・罠使い】

…サイズ差かね
ムカつく
まぁいいある意味好都合だ

天使核が暴走した結果なら元の天使核付近が弱点の筈
太い血管ならモアベター

俺の艦の動力部を参考に当たりをつけ無視されてる間に強化重ねた一撃を
ついでに血の回収を試みたい



「っと、ようやっとお出ましか。」

 他の猟兵たちによって、ガレオンドラゴンはだいぶ負傷を蓄積していた。
 その様子に、夜野は痺れを切らしたように呟く。敵はいかに艦の姿を持っていても、もう海月――クラウドジェリーたちが居なくなってしまえば乗せるべき存在は無いのだ。

「さて、スレイ。出番だ、頼むぞ。」

 夜野は戦況を把握すると、愛馬スレイプニールへ声をかけて騎乗する。宇宙バイクとしての改造も受けたスレイは、この戦いでなら本領発揮できる。自前の艦は、推力を切って停泊させておいた。夜ならばともかく、日のある今なら目立つから後からでも十分に探しやすいと判断してのことだ。

 それから彼とスレイは、攻撃の前に敢えて敵の前で茶番を演じることとした。当然、その間に密かに【強化式【累】(オーバーロード)】を発動させ、自身を強化する準備を進めておく。予め常備しているスキットルズから血液を摂り、地道に攻撃力を強化していく夜野。

「なぁスレイ?ここの奴らは食ったり何だりできるって聞いてるが、血も旨いのかね?」

 だがスレイは主の問いかけにまったく反応しない。素っ気ない程の知らんぷりだ。まぁ当然とばかり夜野も気にかけない。

(さて、目の前で自分を露骨に無視されたら流石にドラゴンも……って、アレ?艦しか見てなくね?)

 茶化すようなやり取りをして無視を演じることで、かえって挑発しようとした夜野だったが、その巨体には目立たない存在だったのか逆にこっちが無視された。

(……サイズ差かね、ムカつく。)

 それでも夜野は、ならばある意味好都合だと作戦を転じた。敵が夜野の艦に気を取られている隙に、天使核のある場所を探る。
 飛空挺といえども艦に違いないならば、ある程度は規格が同じであろう。そこで夜野は自身の艦の動力部を参考に、敵の動力部たる天使核の位置へ当たりを付けた。暴走した天使核を有するなら、そこが弱点のはず……さらにそこにドラゴンの生命力を支える太い血管も走っていると良いと願いつつ。

「行くぜっ!」

 夜野がスレイを駆り、一気に敵へと迫る。先ほど茶番を演じながらスキットルズよりたっぷりと質の良い血液を摂ったことで刻印に過装填し、強化術式を暴走させることで攻撃力を高めておいたのだ。当然、勢いも加わり重たい一撃を見舞う事に成功した。

「……!!!」
(ちっ……まだ倒れねぇか!)

 夜野から痛恨の一撃を受けて身悶えする敵だが、それでも尚踏ん張りを見せた。最後まで諦めずに粘らんと、あるいはわずかでも己の敵を道連れにせんと、悪あがきの如く咆哮し、夜野へとドラゴンの鋭利な牙を剥く。

「んな程度、殺られてやる程甘かねぇよ!」

 全力ダッシュで回避し、カウンターを見舞う。その際に捨て身の一撃とばかり、夜野はスレイごと敵の弱点と思しき場所へ飛び込み、噛み付いて吸血した。

(ふーむ……なかなかの味をしてらぁ。ちょっと生臭い気もするがな。)

 奴らが現れたのは元々「海神の国」と呼ばれていた海にまつわる召喚獣たちの聖地だったから、潮の風味がこもっているのか……そんな血の感想を抱きつつ、夜野は改めて敵へと視線をやる。敵はまだ足掻いていたが、夜野が攻撃し、さらに噛み付いた当たりから勢いよく血飛沫を上げていた。

 そして、ガレオンドラゴンはまもなく動きを止めて地へ伏した。クラウドジェリーたちと違い、亡骸は消えないまま残っている。勿論、天使核も残っているに違いない。

 ひとまず夜野は居合わせた猟兵たちと手分けして、呼び寄せた浮島の勇士たちの力も借りながら亡骸を解体し、獣の肉や骨、牙、血液……そして肝心の天使核を摘出した。

 天使核は、勇士たちによれば是非とも戦ってくれた猟兵たちの誰かに譲りたいとのことだった。
 ただし、ひとつしかない事実は誰にもどうしようも無い……そこで、彼らはひとまずこの後は日も暮れるからと、浮島の集落へ皆を招待してくれることとなった。そこで住民たちと交流しつつ、この天使核をどうするか決めて欲しい……と。

 猟兵たちは各々欲しい肉や骨や牙を手に入れ――夜野は血液をもれなく手に入れ、勇士たちが招くままに浮島の皆が住まうほうへ向かっていったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『浮遊島でキャンプを』

POW   :    魔獣や屍人帝国を警戒し、寝ずの番をする

SPD   :    火を起こし、手早く食事を作る

WIZ   :    安全に寝られる場所を確保し、休息する

イラスト:Hachi

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

グレゴワール・ロジェ
pow
アドリブ歓迎

邪竜は潰え正義は成された!
素晴らしきこの勝利は偉大なる正義実現の第一歩となるだろう!

戦利品をもらえるようなので、竜の牙を貰うとするか。
竜の牙はボルトに加工すれば貫通力の高い強力な矢を作ることができるからな。
邪悪を倒しその邪悪から得た戦利品を使い武装を強化し更に強大な邪悪に挑む。空を翔ける騎士とはかくあるべしだな。
その他の部位は必要としていないので島の勇士や他の方に譲るとしよう。

島の集落に案内してもらえるということなので、機械の整備ができる場所があるならそういう場所を教えてもらおう。
先の戦いで酷使したロケットエンジンや武器、甲冑などの整備はきちんとしておかなければいけないからな


馬県・義透
交流ならば『疾き者』の分野なので交代。

頑張りましたねー、陰海月。せっかくですから、ここでのんびりしていきましょうかー。

ふふ、ここはここで独自の文化ですからねー。『私たち』も慣れねば。
魔獣料理なんて、先日の一件(ガレオンドラゴンの骨付き肉焼いた)くらいでしたしー。
他に何があるんでしょうかねー?それを聞いてみましょうかー。
陰海月が食べられるもの(基本は手づかみ)もあるといいんですけれどねー。


陰海月(故郷:グリードオーシャン)、何度かこの世界にきているが、とても気に入った様子。
ぷきゅー(お空高くて綺麗。風が気持ちいい。この間のお肉美味しかった)。


尾守・夜野
「俺は血と肉を少し貰えたらそれで満足だし他の人達で分ければいいんでねぇかな」
血だって鮮度そんなに持たないし肉だってなぁ
「いや、だからこんなには要らねぇって…」
しょうがねぇからここである程度消費するか…

血は個人で消費するから使うの肉だけだけど

俺で生臭いと感じるなら他の人が食えるかわからんからこっちまで増やされないように

自分の持ってるスキットルの一つとコップ一つに収まる分だけ貰う

肉はもう一人俺を呼び出して手早く下処理、串に差し火を起こして焼いていこうか
黒船回収してきたしその中のキッチンでの作業だが
さっき血のんであんな感じだったし多分味付けはこれが適当だろうと塩・胡椒、バター等だな

アドリブ・連携歓迎



「邪竜は潰え正義は成された!
素晴らしきこの勝利は偉大なる正義実現の第一歩となるだろう!」

 グレゴワールが堂々と勝利宣言をすると、浮島の勇士たちからも一斉に歓喜の声が上がった。
 今やこの浮島の人々にとって、猟兵の存在は噂話ではなく真実の勇士として尊敬に満ちた眼差しで迎えられている。

「さて……この入手した肉やら何やらだが、どうするかね?」

 歓声が落ち着いてきた頃、夜野が他の猟兵や勇士たちへ切り出した。

「俺は血と肉を少し貰えたらそれで満足だし他の人達で分ければいいんでねぇかな。」
「いやいや!猟兵の皆様には大恩がある!これもこれも是非に……!」
「いや、だからこんなには要らねぇって…」

 夜野が辞退しようとしても、勇士たちは実に気前よくあれもこれも手渡してきた。
 しかし、血にも肉にも鮮度がある。流石に1人でこの大量の食材を新鮮なうちに食するのは無理があった。

「ふむ、ならば私は竜の牙を貰うとするか。」
「おお、竜の牙と。確かに狩猟の際の良い武器素材にもなりますからな!」
「うむ、それにこれをボルトに加工すれば貫通力の高い強力な矢を作ることができる。」
「なるほど、ボルトガントレットの矢になさると!となれば、加工するための場が必要ですね。ご満足いただける設備があるか分かりませんが、こちらへ。」

 勇士の1人が、グレゴワールを各種整備を行う施設があると言ってそちらへ招いて行った。グレゴワールもその後に続く。

(邪悪を倒しその邪悪から得た戦利品を使い武装を強化し更に強大な邪悪に挑む。空を翔ける騎士とはかくあるべしだな。)

 一方、大量の血肉を与えられた夜野は、逡巡の後に【オルタナティブ・ダブル】を発動させ、もうひとりの自分を呼び出した。
 まず血は、夜野自身の持ってるスキットルの一つとコップ一つに収まる分だけ貰うことにして、残りの肉は……。

「さて、鮮度の落ちねぇうちにさっさと下ごしらえして、皆で食える様にすっか。」

 回収してきた黒船のキッチンを利用し、手際よく串に刺して豪快に火で焼いていく。
 その香りにそそられたか、気がつけば傍にはガレオノイドの女性が1人、興味深そうに夜野たちの手元を眺めていた。女性と言っても小柄で、好奇心に瞳を輝かせている。

「ふぅん、猟兵様方はジビエ料理もお手のもんなんだね。流石だ。香りも良い……。」
「まぁ、慣れてる……っていうか、なんて言うか。」

 夜野は驚きつつも答えて、手元は休むことなく肉に塩コショウやバターを加えて味を整えていった。

「ま、こんなもんか……。」
「本当に美味しそうだよ。……折角なら、向こうで貴殿方、猟兵の皆様をもてなそうと支度してる連中と一緒に食べさせてもらっても良いかい?……さ、お連れ致すよ。」

 夜野が調理を終えると、そのガレオノイドの女性は夜野たち2人が乗れるようにガレオンの姿となり、乗船を待った。夜野はガレオノイドが瞬く間に小さな飛空挺へ姿を転じた様に関心を惹かれつつ、厚意に甘えて乗せてもらうことにした。

 浮島の中では、既に義透と陰海月がのんびりと心身を休めているところだった。義透は、交流に相応しい人格である「疾き者」へ切り替えている。

「頑張りましたねー、陰海月。せっかくですから、ここでのんびりしていきましょうかー。」
「ぷきゅー。」

 可憐な少女のエンジェルは陰海月の愛くるしさに夢中で、何かの召喚獣らしき豪快な青年は陰海月に親近感を抱いたのか微笑ましそうに少女と陰海月の様子を眺めている。

「ふふ、ここはここで独自の文化ですからねー。『私たち』も慣れねば。魔獣料理なんて、先日の一件くらいでしたしー。」

 先日の一件とは、ガレオンドラゴンの骨付き肉を食した事のようだ。ブルーアルカディアに来たのはこれが初めてではないものの、まだ知らないことは多い。

「他に何があるんでしょうかねー?それを聞いてみましょうかー。」

 エンジェルの少女と戯れる陰海月を見遣りながら、義透はそんなことをこぼした。できるなら、陰海月もできるだけ手づかみで食べられるような料理があればなお良い。
 そんな義透の言葉を聞いて、召喚獣の青年はにかっと笑って答えてくれた。

「魔獣料理にも色々あるぜ?この浮島では、手軽だからって作ることが多いのは豪快に火で丸焼きにした骨付き肉だが……それ以外にもユッケ?だっけ?そんな料理にアレンジする方法も、噂で伝わってきてるよ。……あとは、そーだな。そこの可愛らしいヤツでも食えるとしたら、女の子が好きなコラーゲンたっぷりの魚型の獣の目玉に火を通した料理なんかも良いかも知れないな。鳥型の獣の肉は脂身が少ないからか、これも女の子たちにはなかなか人気だぜ。」
「ぷきゅーっ!」

 青年の話を聞いた陰海月は、ぴょこんと跳ねて鳴き声をあげた。義透と共に何度かこの世界を訪れた陰海月にとっても、ここはとても気に入った世界のようだ。高く綺麗な空、心地よい風、この前食べたお肉……何もかもが陰海月の心を惹き付けたようだ。

 そこへ、小型のガレオンから降りた夜野がやってきた。ガレオノイドの女性も人の姿へ戻る。

「猟兵様が、豪快な肉料理を拵えてくださったよ!皆で歓迎しつつ色々教わりつつ、今宵は楽しもうじゃん!」

 その頃、竜の牙からボルトを作成し終え、試し打ちも済ませたグレゴワールも合流してきた。
 浮島の皆は、美しい満天の星々が輝く夜まで、伝統の歌や踊りを披露したり、ガレオノイドがガレオンに変わる姿を実演してみたり、召喚獣の青年の昔話を聞かせてくれたりと、思い思いに歓待してくれた。

 ちなみに、召喚獣の青年はもとは今回襲ってきた「海神の国」と浅からぬ縁があったようだ。自身は一種の鮫の召喚獣であり、「海神の国」が雲海へ沈んでしまう前は、しばしば交流の為に足を運んでいたという。

「ま、消えちまったもんは仕方ねーよ。この世界の理だ。……こんな風に襲ってこられるとは、思わなかったがな。いつか……雲海に沈んだ大陸の連中とさえも、共生できたらなんて、考えちまった。」

 ぽつり、呟くように青年が付け足した。
だが、誰かが何か言おうとした途端、先程までの明朗快活な雰囲気へ戻った。

「暗い話はここまでだ。折角の猟兵の皆様と一緒なんだ、楽しもうぜ!」

 こうして、夜は心地よく更けていった。
 浮島の天使核も護られ、ガレオンドラゴンから獲得した天使核は、猟兵の誰も欲しがらずに辞退した為、この浮島の宝物として保管されることとなった。

 ブルーアルカディアの辺境にあるこの浮島での出来事は、飛空挺で島々を飛び交う住民たちの語りで瞬く間に広まり、また新たな武勇伝となり、猟兵たちは憧れや尊敬を集めることとなった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年07月31日


挿絵イラスト