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その楽園は誰が為か

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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●歓待の言葉
「――楽園へ、ようこそ」
 女神様は、この世界を救ってくださるのだ。
 この街は活気と笑顔に溢れている。他の村では此処までの光景は見たことがない。
 この方の為なら、この街の為なら、私はどんなことだって出来るだろう。

 この人間には『見えていない』。
 人々の顔は異様にやつれ、路地裏では逃亡者が看守に捕縛されていることを。

 此処は、『楽園』。……偽りの、『楽園』。

●楽園を崩壊へ導け
 集まってきた傭兵たちを見回してから、佐久間・嶺滋(想葬の黒影・f00774)は話し始めた。
「……銀河帝国攻略戦の最中だが別件に集まって貰って感謝する。今回は……」
 少し、考えるようにしてから意を決したように嶺滋が口を開く。
「――ダークセイヴァーに出来た『楽園』を、破壊してきて欲しい」

 嶺滋が言うには、とある地方で言葉巧みに『楽園』という場所に人々を連れて行く教団の存在が予知された、というのだ。
「しかも、この『楽園』……非常に問題がある。たぶん親玉がそうなるように植え付けてるんだろうが、人々が『滅私奉公』を喜びとするように洗脳されてるって話だ。早い話が、『過労死してでも楽園の為に働く』みたいな」
 通常のこの世界の人間でも『過労死』は願い下げだろう。だが、この楽園は人々のそういった思考を破壊するというのだ。
「大方甘い夢でも魅せられてるんだろうが……基本、この世界に本当の意味での楽園なんかまだ存在していない事は皆だって百も承知だろう?」

 と、ここまで話をした所で改めて嶺滋はその『楽園』に接触する方法について説明を始めた。
「この『楽園』なんだが、なんでか村並の規模があるんだ。どう考えても普通の教団の規模じゃないことは丸わかりなんだが、そこから周囲の村に向けて教団員が楽園の住人を選ぶ為に『派遣』されてるのが分かってる。そこを突いて行動してくれ」
 上手く首尾よく侵入できれば、中にいる住人の洗脳を解いたり、内部調査を行うことも出来る。無論事前に阻止することで、『新たな住人』として連れて行かれそうになっている人を救出することも出来るという訳だ。
「もし連れて行かれそうになっているのを阻止するなら、『楽園』に忍び込めるようなルートにあたりを付けておくのも良いかもしれないな」

 嶺滋が猟兵達に向き直り、グリモアの転移を起動する。
「……『楽園』から救ってやってくれ。あれは楽園じゃない、ただの地獄だ」


逢坂灰斗
 楽園パレードは死出への片道切符。逢坂灰斗です。
 今回はダークセイヴァーに突如出来た『楽園』を破壊して頂きます。

 まずは『楽園』へ侵入や、『楽園』に招かれる人々の阻止を行って頂き、順々に『楽園』の化けの皮を剥がして頂く事になります。
 もっと上手い手段を思いついて頂いたらプレイングに盛り込んで頂ければ採用出来るかも知れません。

 それでは、お目に止まりましたら、宜しくお願いします。
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第1章 冒険 『偽りの救世主』

POW   :    教団の誘拐現場を押さえ、拉致されそうになった一般人を救出する

SPD   :    変装や言いくるめ、忍び足などの手段で教団内部に潜入し調査する

WIZ   :    洗脳された人々に説得を試み、精神的な呪縛を解く

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

神元・眞白
【SPD/アドリブOK/絡みはお任せ】
楽園。もういる人がそう思ってるなら、夢から起こすのは…いい事?
夢に入る人を止めるのは大事だけど。夢から起こすのは…悪い事?難しい。
問題は場を見て考える。見るのは大事。

事前に飛威(人形)と役割を入れ替わり。
変装してこっちは人形として目立たない様に。頑張る。

派遣される人がいるっていうし、新しい住人として連れて行ってもらえる様に接触。
教団員が村の人を連れていく方法が洗脳に近いかも、だから入れ替わりは用心の為。
何も知らない様に振舞って、楽園の事を聞き出す様に飛威に演じてもらおう。
ある程度目星がついても、大元までたどり着ければいいし、様子はぎりぎりまで見てみる。


クロード・ロラン
楽園と言う名の地獄、か……
こんな虚像を見せてるのは、どんなオブリビオンなんだ?
少しずつ化けの皮はがして、最後にぶっ倒してやる!

楽園から派遣されるやつを追跡し、侵入ルートに当たりをつけよう
忍び足と聞き耳で、敵に悟られぬようついていく
連れていかれそうになってるやつとの会話も、聞こえるか?
今すぐ騙されるなって否定してやりたいけど……今は我慢だな
教団員の入り口は、きっと護衛がいたりして真っ向からはいけないだろう
近くに、小さな穴とかないかな?俺は小柄だから、大人じゃ入れない入り口を見つけたい
無事侵入ルートを発見したら、他の仲間が侵入する手引きもしよう
後は説得中に教団員にばれないよう、周囲を警戒しておくぜ



●『楽園』と呼ばれる街
 行動開始前。下見のように二人の猟兵が『楽園』の側まで来ていた。
「思ったより往来は普通……みたい。閉鎖的という訳でもないし」
 神元・眞白(真白のキャンパス・f00949)が思ったより開放されている『楽園』の往来を見て、そう呟く。これで楽園の住人が幸せな夢を見ているだけならば、今から自分達が行おうとしていることは、『悪いこと』なのかも知れないと。少々思案する。それを察したかは分からないが、クロード・ロラン(人狼の咎人殺し・f00390)は予知にあったことを思い返すように言う。
「『楽園』という名の地獄、か……どんな事があの内側で繰り広げられてるか分からないけれど、虚像を見せてるオブリビオンは、化けの皮剥がしてぶっ倒してやる!!」
 まだ見えぬ悪事の黒幕へ勇むクロード。そんな彼を一旦制するように眞白は平成とした表情で告げた。
「けど、問題は場を見て考えないと。見るのは大事。」
「そ……そうだ、なぁ。……俺は試しに表以外に入る手段とかないかとか、見てみるよ」
「私は、……中に『招かれて』みる。何かあったら、その時はお願い」
 自らが楽園の住人の候補者として潜入するのだという彼女を見て、少し顔を強張らせながらも、いつものように胸を張って、人狼の彼は返事を返す。
「おっけー、逃げ道は絶対見つけとくから任せてくれよ!」

 猟兵達それぞれの行動は開始された。
 先ず、眞白は予め、自らの世話役人形でもある『飛威』と立場を入れ替わるように変装。近隣の村にて教団員に接触する事にした。通常の接触だけなら入れ替わる必要性は全く無いのだが、『洗脳』はどの時点から始まるか分からない。傍らに控える人形のように、違和を抑えて振る舞う眞白。
 (上手く、『楽園』の情報が聞き出せれば良いのだけど)
 教団員を介した『楽園』への侵入はつつがなく進んでいる。
「『楽園』は、我々の教団に啓示を与えて下さった『女神様』の命により作られた街で、今も発展を続けております」
 教団員の語る『女神様』、……おそらくその存在が、『楽園』の実質的な支配者なのだろうと、推察しながらも、聞き役に徹しながら眞白は進んでいく。
「『楽園』の人々は『女神様』の加護により、永久の幸福を約束され、病めることも、苦しむことも無い身体に――」
 陶酔しているかのような語り口。おそらく彼らも既に『洗脳』されている、と見ても良いのかもしれない。まだ此処は大元ではないと感じた二人の人形達は、そのまま『楽園』へと、歩みを進めてゆく……。

 一方で、クロードは眞白と別れた直後から街の内部へ潜入を試みていた。既に『楽園』に招かれたらしき人物と教団員の後ろをつけるように入っていくが、表門から『入る』だけなら容易く入れるようだ。平静と、堂々とするだけで門番も通してくれる。……逆に言えば、『何かを起こせば止められる』可能性がある、ということ。
(入るだけなら……簡単みたいだな。会話も聞いてはいるんだけど……)
 眞白も聞いているであろう内容が、教団員の口から漏れ聞こえてくる。それに同意するかのような相槌をしていく傍らの人物を見て、直ぐにでも止めに入ろうと思いたくなる気持ちを抑え込む。だが、それ以上に、街の住人達が異様だった。
 爛々と希望に輝く瞳と表情に反し、顔が痩せこけている者、目の下に甚大な『くま』が出来ている者、程度は様々だが、身体的な方面では既に危険域であろう人々も少なからず見受けられた。あの人も、この中に組み込まれてしまうのだ、という想像したくもない悪夢を振り払い、クロードは自らのもう一つの目的を探索する。それは……この『楽園』が非常に整備されている事により簡単に見つかった。
 ダークセイヴァーにありながら、整備の非常に行き届いた下水道。それが功を奏した。『楽園』の外へと表門を使わずに抜けれる「抜け道」であることをクロードは確信した。
「……表から堂々と帰れる状況なら構わねぇけれど、……たぶん使う事になるだろうな」
 人狼の少年は嫌な予感を感じ取りながら、時を同じくして街の中に入っていく眞白達の後を追い掛けていった……。

 一方、新たな街の住人の候補者として飛威……いや、眞白達が教団員に招かれたのは街の中心部。教団の本部のような厳かな建物。ダークセイヴァーでありながら、異様なまでに清浄な空気を放つ外観に、二人の人形は確信をした。……此処こそが楽園の『根源』なのだと。だが、無情にも教団員はそれを知らずか、つかつかと建物の内部へ先導していく。そして現れたのは天国の門かと見紛うような白磁の如き輝きの扉。
「女神様はこの先にて、お待ちしております。『楽園』の住人になられる方は、最初に女神様に謁見する権利がございます」
 そう、屈託のない笑顔で告げる教団員。だが、眞白の本能が、叫ぶ。この先に進んではいけない、と。進めば文字通り私達も『楽園』の住人にされる、と。
 このままでは逃げ場が―― と、思った矢先。他方で騒動が起きたとの報告を受けた教団員がその場にいる住人の候補者達を見回し、
「……すみません、少々お待ち頂けますか」
 と言うなり足早に離れていく。入れ替わりに聞こえたのは小さく聞こえるクロードの声。それに安堵しつつも小声で言葉を返す。
「眞白!抜け道を見つけた!こっちから逃げるぞ!!」
「ありがとう、この状況では表から堂々と逃げれない。今のうちに……!」

 脱兎するかの如く、クロードの見つけた地下水路を駆け抜けて街の外へと抜けていく三人。
「――女神様と呼ばれる方が、『楽園』の住人を作り上げているような気がする。それに……」
 策もなく会えば、洗脳に近い行為を受けるのだろう、と眞白が女神の間の手前まで辿り着いて至った答えを告げる。
「この街の皆も、様子がおかしい。身体が悲鳴をあげてる筈なのに、嬉しそうな顔しかしてねぇんだ……!」
 クロードが街の人々の様子を反芻するように思い返す。普通ならば休ませねばならない程の異様さの見た目に反して、心が苦痛を一変たりとも訴えていないのだ。

 『楽園』とは名ばかりの箱庭であることを認識した二人の猟兵は、消して安全とは言えないが、少なくとも『地獄』ではない外へと駆け足で向かっていったのである……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

トリガー・シックス
【SPD】
さて、地獄へと入ってみよう。
他の猟兵たちと共に潜入を試みる。
方法としては、【目立たない】ように【忍び足】で素早く音を出さずに移動、【地形の利用】で隠れながら侵入する。
理想としては他所の村人と連れて来た教団員という形で侵入、がいいのだが。

中に入り込んでも油断はできない。
【目立たない】ように【情報収集】を行うが、【聞き耳】で近づいてくる足音に警戒し、他の猟兵たちに(近づいている)と伝える。

※アドリブ、他の猟兵との絡みOK


アマータ・プリムス
労働とは対価のためになされるもの。それを強要するなどあってはなりません

UCを発動、トランクから呼び出したアウリスを当機の姿に【変装】させそれを囮に【目立たない】ように当機は教団内部へ潜入

教団内部へ侵入したら【世界知識】で構造を把握し鍵のかかった部屋や引き出しは【鍵開け】を駆使して教団についての【情報収集】洗脳の手段とこの教団の目的を探ります

「黒も黒、真っ黒ですね。ユートピアに見えたディストピア、そんなもの許されません」

必要な情報を集め終えたら再びアウリスに囮になってもらい教団から脱出。可能であれば集めた情報を他の猟兵に共有します

※アドリブ、絡み歓迎です



●『女神様』の真実
「……拍子抜けする程に潜入は楽でしたね。堂々と通れる街とは……」
 アマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)は半ば当惑しつつも、教団の本部に向けて『楽園』である街の内部を進んでいた。共に進むはトリガー・シックス(傭兵・f13153)。彼も傍目では分からぬこの街の地獄の片鱗に当惑しつつ、だが住人から垣間見える『それ』に、此処は『楽園』では無いと確信を持って歩みを進めていた。
「しかし、アマータ。今の俺達はあくまで只の『来訪者』だ。教団の重要機密を抜こうにも骨が折れるぞ?」
 トリガーの懸念は最もだ。下手をすれば黒幕に行き逢ってしまう可能性すらある潜入だ。だが、彼女はそれに平静に答えを返す。
「いいえ、当機にも考えはあります。……心配なさらずに」
 そう言うと、従者人形の視線は自らのトランクに向けられた。
「――彼(アリウス)に、働いて貰おうかと」

 アマータは教団内部へ予備人形であるアリウスを乱入させたのである。
 突然の侵入者の乱入により、教団の本部は混乱に陥っていた。その隙にアマータとトリガーは大胆にも内部へ潜入することに成功した。
「此処まで暴れれば、下手人の捜索に躍起になるでしょう。手薄な内に重要書類など、抜かせて頂きましょうか」
「ああ、……少々派手な行動になってしまったが、街の住人からは望めないのならばこうするしか無い」
 予め建屋内の構造を把握し、辺りをつけた二人が向かったのは教団幹部が使用しているらしき部屋。荒らしに来たわけではないが、なるべく形跡も気取られぬように慎重に書類や手記の中身を精査していく。
「洗脳の手段と、教団の目的が分かれば僥倖、なのですが……」
 と、そこでアマータの手が止まる。手にしていたのは『教団』の幹部が記したらしき手記。書かれている内容は、おぞましいものであった。平静な彼女の表情も硬直し、他方を調べているトリガーへ、その手記を手渡す。
「……トリガー様、此方を」
「ん、何々。……女神様とお会いしてこの教団は生まれ変わった――」

 従者人形の動揺が、傭兵へと伝播する。途中までは神を奉ずる敬虔なよくある集団の手記であったが、途中で内容が豹変していたのだ。女神に行き逢ってから。
「こ、これは……人を、永久に使い潰すような女神に教団が行き逢ったって、ことか……!?」
 整備の行き届いた街。希望に満ち溢れた人々の顔。それに反するかのようにぼろぼろに。人間の限界を、人体の限界を超越するかのような能力の行使。『楽園』の全てが女神様の『業』によって成り立っているのだ。
 その上で教団は、女神の教えを疑っていない。教団自体も女神様に『洗脳』されていると見て良いだろう。
「黒も黒、真っ黒ですね。『理想郷』に見えた『暗黒世界』……、そんなもの許されません……」
 労働は対価の為になされる物。『楽園』の為という大義名分があれど、それを強要し続けるなどあってはならない。奉仕者として、従者として、平静な中に怒りの如き感情がアマータの中に揺らめく。

「――だが、どうやら調べ物は此処までのようだぞ。アマータ」
 素早く手記を元の位置に戻した傭兵は、部屋に急ぎ近づいてくる集団の足音を察知していた。
「仕方ありません。トリガー様、再び私が囮を出しましょう。……その隙に退散としましょう」
 トランクより再び翻るアリウスの躯体。二人の調査により、教団自体もオブリビオンに蝕まれた被害の巣窟であったのだと、猟兵達に情報が伝播する。
 病巣になってしまえば、救うべき者でも切除しなければ救われない……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​


●幹部の手記

『女神様は我らに素晴らしい加護を与えて下さった。
 人の可能性を限界以上に引き出す力。それは留まることを知らなかった。
 瞬く間に女神様の教えが教団に染み渡った。

 女神様は仰られた。 もし力尽き果て倒れても、
 私の加護があれば神躰を持って生まれ変わると。

 女神様は仰られた。 楽園をつくりましょう。
 教団の教えさえあればこの暗獄の世界も光に満ち溢れるでしょう、と』
トリテレイア・ゼロナイン
『楽園』…幾度となく訪れたこの世界の事情を鑑みれば、噂を聞いた人々が集うのは当然かもしれませんね。そんな場所があるのなら私もお目にかかりたいものです、実在するのであれば

教団員が派遣される村に機械馬に「騎乗」し、「礼儀作法」、騎士道物語から模倣した「優しさ」を活かし「楽園の噂を聞き、生活に困窮した人々を楽園に導く為に探している遍歴の騎士」として訪れ、教団員と接触します

『楽園』に連れていかれる人々と共に教団員についていき、到着したら頃合いを見計らって「だまし討ち」を行い、連れてこられた人々を逃がしましょう
連れてこられた人々は何らかの洗脳を受ける可能性もあります、その前に動けられればよいのですが…


エルーゼ・フーシェン
【POW】
「楽園ねぇ。聞こえはいいけど」
誘拐されそうな人を見つけたら、助けにはいるわ。
双剣『ストライダー』を抜き、誘拐しようとしてる連中を叩きのめす!
『トリニティ・エンハンス』で攻撃力を上げて、素早く片付けるわよ!
攻撃が来たら【残像】と【カウンター】で反撃、数で来れば【怪力】での【なぎ払い】や【衝撃波】で応戦するわね。

潜入する猟兵たちの手助けになればいいけど。

※アドリブ、他の猟兵との絡みOK


死之宮・謡
アハハ、ダークセイヴァーに楽園?冗談にしても白ける文言だなぁ。正直言ってついて行く奴等も馬鹿だと思うよ私は。やっぱ洗脳かねぇ、凄いねぇこんなあり得ないもの信じさせるなんてさぁ。やっぱり強いのかねぇ?
ま、取り合えずどう動くかなんだけど…潜入?無理だな。説得?論外だ。結局私は暴れることしかできないのさ。でも此奴ら弱そうだし、数もそんなに居なさそうだし戦ってもあんまり楽しくなさそうだなぁ。面倒だから、やちゃってよ、【王の左右】召喚。
「やれ、ハバキ、リーデ」
「「了解!」」



●『楽園』の歪が露出するとき
「アハハ、コノ世界ニ『楽園』?冗談ニシテモ白ケル文言ネ」
 正直言ってついて行く奴等も馬鹿だと、そう現実を嫌という程見ている死之宮・謡(血の王・情緒不安定の狂戦士・f13193)。その様子をまぁまぁ、と嗜めるようにトリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)は言葉を続ける。
「ですが、そのような文言に惹かれてしまう程、この世界の人々は『楽園』という光を求めているのではないでしょうか……。けれど、そのような物は実在しない」
「私もこれを放置しておけばこの世界が救われていくようには思える程度には『聞こえ』は良かったけどね。……攫うのは許せないわ」
 エルーゼ・フーシェン(双刃使い・f13445)は甘言に惑わされ、より深い地獄へと招かれていく人々を脳裏に過ぎらせ、内心奮起していた。
「では……上手くより多くの人々を解放出来るように、共同して事に当たりましょうか」
「説得モ、潜入モ、私ニハ無理ダカラ……暴レルノガ、楽ダワ」
「そーね。じゃあ私と謡が人々を解放出来そうな時に乱入するのが手筈として良さそうかしら?」
 それではお願いします、とゼロナインが彼女達に頭を下げると、遠目には教団員の姿が見えていた。 

 ゼロナインは村にて勧誘を行っている教団員を目ざとく発見した。偶然を装い近くまで機械馬で近寄ると、彼に声を掛ける。
「『楽園』の噂を聞きました。そのような場所があるのなら、私もお目にかかりたいものです。……実在するのであれば」
 機械の騎士は生活に困窮した人々を『楽園』に導く為に探している遍歴の騎士として、自らの身に残されていた蓄積データを元に振る舞っていた。その清廉さには偽り無く教団員には思えたのだろうか、人々を守って頂ける存在としても見做されたのか、快く同行が承諾された。実際の救出で乱入を担当する二人の猟兵も、気づかれずに、その後を追うように、教団員とゼロナイン達の後を尾行していった。

 ゼロナインの実力もあり、襲撃も跳ね除け、一行は『楽園』へと特に甚大な問題もなく辿り着いた。教団員は気分を良くして、ああコレも女神様の加護なのだ、と嘯いているが、猟兵達の心境は複雑だ。
「騎士様のお陰で平穏無事に辿り着くことが出来ましたよ。さぁ、皆様。此方です」
 機械の騎士を伴った人々が教団員に連れられてやって来たのは荘厳な白磁の如き輝きの扉。ゼロナインも、本能で、機械の身の中枢にて、理解する。……此処で解放出来なければ、この人々は『楽園』という名の地獄へと堕とされるのだと。拳をぎゅっと、握り閉める。
「女神様はこの先にて、お待ちしております。『楽園』の住人になられる方は、最初に女神様に謁見する権利が――」
「――楽園ねぇ。聞こえはいいけど」
 刹那、教団員へ双剣の一撃が閃く。深い傷を負い倒れ伏す男を一瞥するかのように。彼女……エルーゼは人々との間に割り込んだ。
「『女神様』に、会わせる訳には行かないもの、ね?」

 『女神様』への謁見する直前。危険と感じた猟兵が引き返した場所。そこで『救出劇』は実行されたのだ。教団本部内部へエルーゼに続いて謡の姿も現れる。
「『遥カ遠クヨリ我ト共ニ歩ミシ左右ヨ、我ガ眼前ニ立チ塞ガリシ脆弱ナル愚者共ヲ薙ギ払エ……』やれ、ハバキ、リーデッ!!」
「「了解ッ!!」」
 【王の左右】により召喚された二人の騎士も含め、猟兵側の攻勢は3人。一般人相手なら十分過ぎる頭数である。それに合わせゼロナインも後方の教団員を排除。退路を確保出来たかに、見えた。

「退路を確保しました!皆様、こちら……」
「何故『楽園』への資格者を攫うのでしょうか!?返して頂きましょうか!!」
 エルーゼと謡、彼女たちの介入により、『楽園』へ攫われかけた人々は脱出できるだろうと、ゼロナインも考えていた。だが、その抵抗が想像以上に激しい。いや、何故、普通の人間の筈の彼らが、ユーベルコードを用いた猟兵に抵抗できている?
「普通の教団員、の筈なのに……この人達、可笑しいわ」
「エエ、間違イナイワ。『オブリビオン』ニ強化サレテル人間ネ」
 普段ならば歯牙にも掛けぬ筈の人間がその見てくれ以上の力を持って乱入してきた猟兵達を取り押さえようとしているのだ。
 教団員が、その全てが、肉体の限界を顧みずに抵抗してくる。人間にあるまじき異様な力。ユーベルコードを構えて対抗する準備がなければ押し負けていた可能性も否めない。だが、その力の代償は目に見えて分かった。
 教団員達の身体が、悲鳴をあげるかのように、ぶち、ぶち、ぶちと。千切れるような音と共に流血を始めていく。だが、彼らは止まらない。女神様の加護を信じているから。『信じ切ってしまっているから』。
「私達が戦線を維持するわ!その隙に彼らを外へ!!」
「コンナニ異様ナ『力』ヲ授ケルダナンテ……ドレ程『強イ』ノカシラネ、女神様ハ!!」
「すみません、お二人共お気を付けて!!」

 エルーゼと冥血騎士、煉鏡騎士の三者により、ゼロナインが『楽園』に招かれそうになっていた人々を連れて脱出する隙を生む事が出来た。地下水路での道中、偶然とはいえ、真実の一片を垣間見た人々の内の一人が呟く。
「そんな、此処はこの世界でも珍しい位に美しく、活気に溢れてる街だと聞いていたのに……」
「……『楽園』は単純な話ではなかった、ということです。村の人々にも伝えて下さい」
 ゼロナインが、人々と共に駆ける中、そう、告げる。
「――ここは、異界の神に蝕まれた『地獄』なのだと」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『闘奴牢看守』

POW   :    ボディで悶絶させてからボッコボコにしてやるぜ!
【鉄製棍棒どてっ腹フルスイング 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【鉄製棍棒による滅多打ち】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    チェーンデスマッチたこのやろう!
【フックと爆弾付きの鎖 】が命中した対象を爆破し、更に互いを【鎖についてるフックを肉に食い込ませること】で繋ぐ。
WIZ   :    嗜虐衝動暴走
【えげつない嗜虐衝動 】に覚醒して【『暴走(バイオレンス)』の化身】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●『楽園』の裏を統制するもの
 教団の本部にて始まった交戦にて、猟兵達は強化された一般人達の対処に追われていたが、肉体の限界以上の力に身体が悲鳴をあげて、ひとり、またひとりと血の海に自ら沈んでいく。だが、それまでなら良かった。

「看守様!!この者達です!!!」
 既に『住人』となってしまっていた人間から、通報されたのだ。教団の空気にも、楽園の空気にも似つかわしくない、その牢の看守が猟兵達に向け凶悪な笑みを浮かべたまま、歩み寄る。
「くへへへへへ。駄目じゃねェかァ。ここは『女神様』の座する神聖な場所の目の前。てめぇらは、極刑に晒されても、文句は言えねェよ、なァ!?」

 楽園の裏側の統率者が、猟兵達に牙を剥かんとしている。だが、すぐ目の前にある白磁の如き扉が、この『楽園』を支配しているオブリビオンの場所へと向かう扉ならば……。
 この衝突は避けては通れない!!!
トリテレイア・ゼロナイン
これ以上の一般人の犠牲を防ぐためにも、一刻も早く『楽園』の女神を討ちとらねばなりませんね
その為にもまずは門番達を排除します

後衛型の味方を「かばう」ために前衛として接近戦をしかけます
屈強な肉体を活かした近接戦が得意なようですが、力任せのフルスイングなど攻撃が大振りで「見切る」のは難しくないという弱点がありますね。
「武器受け」で逸らしたり、「怪力」による「盾受け」で的確に対処して「カウンター」重視の攻撃を行いましょう。UCの隠し腕で相手の行動を封じてから仕留めるのも手でしょうね。

鎖に自身や仲間が拘束されたら頭部格納銃器で鎖を「スナイパー」技能を使った射撃で切断します

力任せの攻めだけでは勝てませんよ


エルーゼ・フーシェン
「この地獄を止めるためにも、ここを突破しないと!」
『ストライダー』を抜き、襲ってくる敵を切り捨てる。
【怪力】を生かした【2回攻撃】に【力溜め】からの【衝撃波】を繰り出す。
攻撃には【見切り】からの【カウンター】で反撃して、『トリニティ・エンハンス』を発動させて攻撃力を上げる。
離れた位置から攻撃が来ても【残像】で空振りを誘発させて【衝撃波】ね

※アドリブ、他の猟兵との絡みOK



●『楽園』が崩れ落ちるまで
 新たな増援というべき存在に歯噛みしつつも、エルーゼ・フーシェン(双刃使い・f13445)は戦線を維持していた。
(強化を含めてなんとか保ってるけれど……明らかにこの看守達は、オブリビオンね。教団員達までならともかく、これ以上殺到されたら……!)
 その時、教団本部の入り口の方の看守が吹き飛ぶ。逆光に照らされながらも、見えるのはトリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)
「すみません、彼らは全員無事に!!」
「無事で良かったわ!でも、このままじゃこっちが持たないわ!!」
 前線を維持していた二人の猟兵だけでは息切れする可能性も否めない。脱出を終えたトリテレイアが踵を返すように即座に本部へ向かったのは良い判断だった。

 清廉なる騎士が後に来るであろう後衛の為、守護の為、前線へと躍り出る。
「私も加わります。……どうやらこの看守達の方が問題のようですね」
 血溜まりに沈む教団員達を戦場から遠ざけつつも、機械の騎士は看守達の力量を見遣る。明らかにこの筋肉ダルマ達は「一般人」では無い。オブリビオンだと。
「護るべき相手まで敵に加わったら最悪だったんだけど……今はこの通り、ね」
 敵の大ぶりな攻撃を軽やかに舞うように回避しながらも、床に倒れ伏す教団員達を見遣った双刃の舞姫の顔色は優れない。
 取り押さえる為に行動を起こしていた教団員達はほぼ『女神の加護』により自ら自滅するような形で満身創痍となっていた。清浄だった筈の教団の内部も、流された血によって小さな緋色の河ができそうな程に。
「……彼らの治療もしたいですが、まずは目の前に集中せねば」
「……助けられる生命も助けられない、わね。この地獄を止めるためにも、ここを突破しないと!」

 看守の攻撃は近接パワータイプ故、いとも簡単に対処された。そもそもが高機動を得手とするエルーゼは残像を残す程の速度で空振りを誘発させ、それを以て『弱点』を証明したトリテレイアによりワイヤー捕縛を受けた看守から次々に片付けられていく。
「てめえええええ!?反逆者の分際で大人しくも出来ねェのかァ!?」
 恨みの籠もった棍棒の痛打を繰り出そうとするも、真正面から騎士に防がれる。
「……力任せの攻めだけでは勝てませんよ?」
 怒りに任せて二撃目を与えようとした看守が最後に聞いたのは駄目押しの言葉。
「ええ、そうね。少なくとも貴方は頭に血が回りすぎだもの。看守って冷静じゃないと務まらないわよ?」

 機械の騎士の堅守なる護りと、魔力を受け更に戦場を双刃で舞い踊る舞姫。だが、騒ぎを聞きつけた増援はまだ殺到してくる。
 ――楽園の最奥への扉は、まだ固く、閉ざされたまま。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アマータ・プリムス
今回は少々頭に来ています。速攻でいきますよネロ

トランクからネロを取り出し操作
大鎌を振るい【範囲攻撃】で周囲の看守を攻撃

背後にわざと隙をつくり相手のUCを誘発
攻撃の瞬間に脱力しこちらもUCを発動
そのままそっくりネロからお返しです
ついでに範囲攻撃化できれば最高ですね

「―――淑女を背後から襲うのは感心しませんね」

ネロと看守たちを繋いだらネロの攻撃に合わせトランクを【武器改造】で重火器に変形させ当機も援護いたしましょう

「それでは皆様さようなら」

UC以外の攻撃は鋼糸を使い【敵を盾にする】ことで防ぎます

雑魚は早々に倒しこの偽りの楽園の主の顔を拝むとしましょうか
色々言いたいこともありますし

※アドリブ連携歓迎


トリガー・シックス
エルーゼや他の猟兵と合流して戦闘を始める。
視界に入る刹那、『ジョーカー5s』の銃口を向けて額に向けて撃つ。
「ここは戦場、死人に口なし」
【クイックドロウ】と【スナイパー】による射撃で応戦する。
銃を『アヴァランチ』へと持ち変える。マイクロミサイルランチャーと暴威弾を切り替えつつ【援護射撃】を行う。
『幽幻なる狩人』を呼び出し、加勢させる。
攻撃がくれば【残像】を残した【ダッシュ】で避け、『太極刃【昂陰】』で切りつける。

※アドリブ、他の猟兵との絡みOK




 救出作戦を敢行した相棒のような存在を心配したかは良く分からないが、トリガー・シックス(実験部隊の生き残り・f13153)が続けて教団の本部へと舞い戻る。情報収集の際に同行していたアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)も追従するような形で再突入を掛ければ、そこに居るのは醜悪なる看守。増援を阻止する為であっただろうが、新たに現れた傭兵に頭部を撃ち抜かれ、絶命する。
「ここは戦場、死人に口なし」
 倒れ伏す看守を見て即座に傭兵は判断を開始する。
「上が黒ならば裏の存在も黒か」
「……恐らく脱走者を捕縛する為の看守でしょうね。嫌な警官も居たものです」
 『楽園』の住人であれば、味方で終わるだけの存在だが、『洗脳』を抜け、脱走しようとするものは住人に告発され、この看守に捕縛されるというシステムだったようだ。……『楽園』には程遠い光景だ。

 尚も続く交戦を見てトリガーは不足しているであろう役割を悟る。
「……前線は数が足りているだろう。俺は後方よりの支援射撃を充填に置こうか」
「分かりました、後方よりの火砲はお願い致します。それに当機は今――」
 トランクより現れるのは、南瓜頭の弟人形、ネロ。彼女の主たる人形。
「――少々頭に来ています。速攻でいきますよネロ」
「『けけけッ!!あの筋肉ダルマ共、ボッコボコにしてやるよ!!』」
 教団の幹部が残していた手記。それから読み取れるこの先に居る『女神』の思想は、彼女には到底受け入れられない。……言いたいことも、あるし。

 前線へ加わるように閃いた姉弟人形は、傭兵の的確な援護射撃を受けながらも舞い踊るかのような鎌捌きを見せていた。比較的安全な位置取りを確保したトリガーは前線に出て攻撃を引き受けている猟兵達を支援するように速射と狙撃による支援だけでなく……
「……俺が無策で後ろに居るとでも思ったか?」
 運悪く近寄ってしまった看守を【幽幻なる狩人】に狩り飛ばさせ、手が空けば彼にも援護の助力を願う形で戦場を俯瞰していた。
 その時、傭兵が見たのは前線にて背後へと強襲を受けかけているアマータの姿。……今からでは間に合わない。
「しまっ……!」
 トリガーが不意を突かれたかのような顔をしたが、その視界に入ったのはそれを制するようなアマータの仕草。成る程、彼女なりの『罠』なのだと。傭兵は悟りわざとその後の対処が為に構える。
 まんまと釣り上げられた看守の全力の一撃。歓喜と、嗜虐の喜びに満ちたその顔が恐怖に変じたのは、痛打を与えたと思い込んだその瞬間だった。
「―――淑女を背後から襲うのは感心しませんね」
「『だがてめぇが馬鹿だからいっぱい釣りが出来るぜ!!後悔しなァ!!』」
 わざと隙を狙わせた。それこそがこの従者人形の狙いなのだと。看守が悟ったその瞬間、弟人形から拡散する縛鎖の鎖の雨。看守達が自らの力に繋ぎ止められた。

「さて、此処までくれば始末も楽だな?」
「……ええ、お蔭でその場で改造する時間もしっかり取れました」
 従者のトランク、傭兵の銃口、暗殺者の弓。全てが愚かな看守達に向いていて。
「それでは皆様さようなら」
「二度と、会いたくはないがな」
 弾幕の雨が看守達を貫いた。

 ――楽園の扉からは、光が漏れ始めている。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

死之宮・謡
アハハ、中々面白そうな相手じゃないか…そろそろ私自身も動くかねぇ?『女神様』ねぇ…強いのか?強いと良いねぇ…そうでないと此処まで来た意味がない。
正直な話をすると私はこの”楽園”についてはどうだって良いんだ。幸福なんてものは結局個人の主観的意見なわけだ…。周りが、第三者が何と言おうと本人が幸福を感じていればそれは間違いなく幸せ。だから、私の主観的意見で言わせてもらえばこの”楽園”は間違いなく楽園と言えるわけだ…。きっと周りの猟兵は納得しないだろうがね?
おっと、下らない御託を述べてしまったねぇ…そう、私は戦いに来たんだからさ、言葉はもう要らないよね?
征クヨ…【三重血統装具】展開…楽シマセテクレ!


酒呑・十冴
・POW
こちとら、面白え見世物があるって聞いて来たんだ、が…
拍子抜けたぁこの事だ
居るのは考えるの辞めた牛蒡共に、阿呆面ぶら下げた馬鹿南瓜と来た!

おう、牛蒡共!本当にこれで良いか!(【恫喝】するような大声で)
こんな!(相手の打撃は【怪力】で受け止める。チェーンで繋がれたら、怪力で引き寄せる)
偉ぶった馬鹿南瓜が手前らの上にいるような!(間合いが詰まったらユベコ使用。【怪力】と【捨て身の一撃】で全力の右拳)
そんなしょうもねえ場所で生きて、死んで!それで満足か!

…なんてな。悪ぃな、お前さんらにはお前さんらの生き方があるだろうに怒鳴り散らしちまってよ
ま、ほんの少しでも思うところあったら考えてみなァ



●『楽園』とはなんなのか
 死之宮・謡(狂い果てし王・情緒不安定の狂戦士・f13193)は、歓喜に震えていた。このような奇妙な加護を授けるオブリビオンは。『女神様』は、どんなに強いのかと。
「強イト良イワネ…ソウデナイト、此処マデ来タ意味ガナイワ!!」
 自らも出る、と言わんばかりの構えを見せた謡は二人の従者を退かせ、自ら舞い踊る為の構えを取る。彼女にとっては『楽園』などどうでもいい。強者と相まみえるのならば、それで、それで!!
 ――彼女の高まりに呼応するかのように、血風は、吹き荒れた。

「こちとら、面白え見世物があるって聞いて来たんだ、が……」
 酒呑・十冴(わらうあおおに・f13703)は何の噂を嗅ぎつけてきたのか、この血色に塗れかかった教団の本部へとやって来ていた。期待半分だった顔はだんだんと呆れを経由し、怒りへと変じていく。
「拍子抜けたぁこの事だ」
 ――居るのは考えるの辞めた牛蒡共に、阿呆面ぶら下げた馬鹿南瓜と来た!
 咆哮が、響き渡る。それを見て捕縛にかかる看守の鎖を、利用するかのように『引きつけ』、直ぐ様に殴打する。
「おう、牛蒡共!本当にこれで良いか!偉ぶった馬鹿南瓜が手前らの上にいるような!」
「そんなしょうもねえ場所で生きて、死んで!それで満足か!」

 嘆きのような、怒りのような、叫びが響き渡る。間違いなくそれは彼の本心であっただろう。けれども、狂戦士は狂気の内に有りながらも平静とそれに応える。
「嗚呼、ソレナノダケド」
 血風を撒き散らしながらも、謡は住人の実情を見透かすように語る。
「此処ノ住人ハ、コノ『楽園』ニ幸福ヲ見出シテ、本当ノ楽園トシテ、見テイルワ。ソレハ紛レモナイ事実。私達ガ目ヲ覚マサセロ、トイウノハ『アクマデモ』人死ニガ出ルカラヨ?」
 そう、ここの住人は間違いなく幸福だ。こんな歪な『楽園』でも、幸福として『感じ取ってしまった』のだ。その幸福自体を否定する権利は、誰にも無かったのだろうに。ただ一つ。オブリビオンに干渉されてしまった所為で。
 十冴が少し押し黙り、冷静な眼差しとなる。それでも、誰かには届くであると。
「――なんてな。悪ぃな、お前さんらにはお前さんらの生き方があるだろうに怒鳴り散らしちまってよ」
 それは悲哀の混じったような眼差しで。
「ま、ほんの少しでも思うところあったら考えてみなァ」

 意識があるのかも怪しいが、血溜まりの中や、遠巻きに見つめている一般人にちらりと目を向ける。その後に飛びかかってきた看守の首根っこを掴み。再び吼えた。
「だがてめぇは別だ。全力でぶち抜いてやる」
「エエ、ソウネ……トンダ御託ニ付キ合ワセタワ」
 ――派手に、暴れましょう?

 ――楽園の扉が、ぎぃ、と音を立て始めた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

クリーク・クリークフリークス
拙草も同胞の力を借りて戦う。
時に仲間が倒れることもある。それは悲しいが仕方ないことである。
だが誘拐したり洗脳した者に過ぎた力を与え
自滅すると知りながら使い捨ての鉄砲玉にするなど外道の極み!
この村は焼き払うである!

だまし討ち10、地形の利用6などを利用して
本部の壁や天井などを足場に三次元移動で近づき
タケノコ・バタリオンを発動してタケノコ大隊で圧殺するである!

拙草は闘争を求める!
だが戦場にいていいのは自らも死ぬ覚悟のある者だけである!
資格なき者は速やかに立ち去るがいいである!


クロード・ロラン
くっそ、想像してた以上にやばい状況じゃねぇか、この楽園!
本部に駆け付け、倒れる一般人見て唇噛み
誰か、癒しの力使えるやつがいれば任せよう
俺はこの筋肉だるまヤローをぶっ潰して、女神とかいうふざけたやつへの道をこじ開ける!

小柄な体格を活かし、ジャンプやダッシュで敵を翻弄
隙や死角を見つけて【咎裁ち鋏】で斬りかかる
敵の鎖受けてもにやり笑って
へぇ、鎖の扱いなら俺だって得意だぜ?
逆に鎖操るように動き、敵の両足を縛りあげてやる!

看守以外の一般人が襲い掛かってきそうだったら、力いっぱい睨み付けて威嚇
来るな!近付けばお前らだってぶっ倒すぞ!
女神さえ倒せば、こいつらは正気に戻るはず
頼むから、今はおとなしくしててくれ


神元・眞白
【SPD/アドリブ存分に】
様子は見たけど、必要な個所だけ終わりを打つ、のが一番よさそう。
今の楽園の人はその内気づいてもらうぐらいにそっとしておく方向性に。

相対する人が多そうだし、こっちは魅医と一緒に倒れた一般人を主に。
また動かれると面倒だから魅医が見て、死なないぐらいなら治療は保留。
一通り見終わったら邪魔にならない様に移動も。転がすぐらいでよさそう?

一段落ついたらこっちも戦闘側に合流。必要な人には魅医を派遣。
女神にかなり心酔しているなら扉を背にしておくと、攻撃しにくい?
気にしないで攻撃してくるならその程度だし、来ないなら来ないだし。



●『楽園』のひかり
(――いけない、思ったより状況が深刻)
 神元・眞白(真白のキャンパス・f00949)は一般人の治療を魅医に任せつつも観ていた。
 全般的な様態は細胞、筋繊維が悲鳴をあげ、寸断されるような流血であったということ。そして、……何故か治療を受付けない肉体の持ち主が混ざっていたことだ。
「これは、ユーベルコードで『用意』された、肉体?女神の『神躰』というのは……これのこと?」
 まだ通常の肉体である一般人を治療した後に戦場外に転がし、間に合わぬ者はせめてもの治療を、と繰り返していく。
「――すみません、誰かとは存じませんが」
「……!?」
 眞白は構えたが、もはや相対する力も無いようなその教団の男は、視線も合わせずに呟く。
「『女神様』は、居ないのですね。……気づいていました。けれど、もう、私達は取り返しが付かない所まで来てしまいました」
 令嬢人形は、沈黙を保ったまま、その言葉を聞く。その言葉は、まるで今際の際に漸く光を見つけたような声色で。
「終わらせて、下さい」

 前線の乱戦は熾烈を極めていた。クリーク・クリークフリークス(ブラックタールの戦場傭兵・f02568)とクロード・ロラン(人狼の咎人殺し・f00390)は眞白に治療を任せはしたが、想像以上の惨状に動揺と怒りを隠せない。
「くっそ、想像してた以上にやばい状況じゃねぇか、この楽園!」
 歯噛みするクロードの隙を補うかのように黒き砲弾のような筍型の群れが床、壁、天井。全てを活かして跳ね回る。
「時に仲間が倒れることもある。それは悲しいが仕方ないことである……だが!」
 筍のように珍妙な姿から、戦場に在りし者の咆哮が木霊する。それに呼応するかのように覚悟を決めた人狼の少年が前へと駆ける。
「誘拐したり洗脳した者に過ぎた力を与え、自滅すると知りながら使い捨ての鉄砲玉にするなど外道の極み!」
「その為にも、女神とかいうふざけたやつへの道をこじ開ける!」

 縦横無尽に飛び交う筍の砲弾を掻い潜るかのような機動でクロードが素早く撹乱していく。鋏により高速の連撃を放ち続ける少年を危険と見たのか、看守が捕縛に動くも。
「へへっ、俺を鎖で絡め取りたいってのか?」
 ――残念ながら、鎖の扱いは俺も得意なんだぜ?
 鎖が同時に放たれた瞬間を狙い、鎖同士を交差させる。双方を繋ぎ合わせるかのように引っ張れば筋肉ダルマ同士が勝手に激突し、自滅に至る。そのまま巻き取ってしまえば後は砲弾の格好の的だ。
「ここは戦場である。一介の看守が出向く場所ではないのである。――それを拙草が示そう!!」
 黒雨という表現もあるが、まさしくその様な筍軍隊の雨あられが降り注ぎ、看守が一息に一掃され、この場に置ける看守は全滅に至った。それを見て住人達は猟兵達に牙を剥こうとした……が。少年は哀しみを怒りで覆い隠すかのような睨みを彼らに向けた。
「来るな!近付けばお前らだってぶっ倒すぞ!」
「戦場にいていいのは自らも死ぬ覚悟のある者だけである!資格なき者は速やかに立ち去るがいいである!」
 女神の加護を信じていた者が、ああなるのだと。それならば、と。住人達が蜘蛛の子を散らすように去っていく。
(女神さえ倒せば、こいつらは正気に戻る筈……頼むから、今はおとなしくしててくれ)

 去っていくその背中を苦い顔で見つめていた少年に、クリークの声が掛かる。
「見て欲しいのである!扉がひとりでに開いたのである!!」
 白磁の扉は開け放たれ、まるで猟兵達すらも『歓迎』するかのように輝いている。
「……私が目の前で見た時は、そんな兆候は無かった。これは、……来て、欲しいの?」
 眞白自身も驚きを隠せない。『女神様』は明確な敵対者であろう猟兵達すらも『楽園』に招こうというのだ。
「けれど、行くしかねぇだろ!!どんな罠だろうと、女神を倒さねぇと誰も救われねぇんだ!」

 ――かくて、『楽園』の扉は開かれた。
 その先にあったのは眩いばかりの光、であった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『繁栄の代行者・ラグナソピア』

POW   :    繁栄の時、来たれり
【周囲を鼓舞し能力を引き出す声援】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
SPD   :    栄耀の時、来たれり
【正】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【光輪】から、高命中力の【限界を超えて能力を引き出す光】を飛ばす。
WIZ   :    最盛の時、来たれり
【死亡させた人々】の霊を召喚する。これは【自身が創造した肉体】や【他者に憑依する事】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はリーヴァルディ・カーライルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●女神の望む『楽園』
「よくぞいらっしゃいました。私はラグナソピア。繁栄を司り、人々にその為の力を与える者」
 女神の間は、この世界に非ず、といった雰囲気の清浄なる空気で満たされていた。彼女自身は善神なのだろう。ただ、この場合の善は――『独善』である。

「この昏き世界に、再び人の子が繁栄する為には力が必要なのです」
「ですが、人の身体は脆弱です。その為の力を持っていても尚、容易く壊れてしまうのです」
 まるで悲観するかのように、血溜まりに沈んだ人々を想起するかのように、眼の前の女神は嘆き悲しむ。
「ですから、私はその身に力を授けることにしたのです」
「――身体が壊れるのならば、また身体を造ればいいのだと」
「――身体に替えが聞くのならば、存分にその御業を奮って貰えばよいのだと」

「……肉体の死で、労働を止めることはあってはなりません」
「死んでも尚、人は進まねばならないのです」
 そういった瞬間、女神の周囲に人型が大量に形成されていく。それは、『楽園』の住人達。新たな身体を授けられ、もうかつての営みにすら戻ることの出来ない哀れな犠牲者達。

「――『楽園』へようこそ。私は『貴方達』も、歓迎致します」
死之宮・謡
ハハハハ!来たか、漸く来たか!んー良いねぇ、中々良い感じに狂ってる…愉しそうだねぇ?
まぁこの前はああ言ったけどさぁ?正直私は楽園とかどうだって良いんだよねぇ?だって私が望むのは何時だって流血と死の戦場それのみ…だが…あぁ残念だ…この神、間違いなく能力は高いけど直接戦闘系じゃ無いや…しょうがない、しょうがない、仕方がないから其れでもいいから、せめて、精一杯この私を楽しませてくれよ?
「呪詛」と「生命吸収」を掛けて「怪力」の「二回攻撃」で「見切り」乍ら「なぎ払い」だ。さぁ、御愉しみの始まりだ!

血ヲ流セ!悲鳴ヲアゲロ!【天燐血統装具】展開!


神元・眞白
【WIZ/アドリブ絡みは存分に】
……ちゃんと気づいてた。でも止まれないから進んでる。
まだ終わらない人が戻れる事、私は信じよう。あの人の願いを叶える為に。
その為には必要な事を必要なだけ。
あっちが言うのも分かる。私は人形だから同じ事もできる。
でも、それは個人の意思。ちゃんとその人の考えを組んでから。

『神躰』がその場で用意できるものかは気になる所。
ひと手間かかりそうならこっちが用意する器に霊は憑依してもらおう。
上手くすれば、制御はあっちからこっちに移るし、後でどうとでもなるし。
攻撃する戦術器と、霊の憑依用の戦術器は目立たない様に混ぜ込んで。
未完成だけど数はとにかくある戦術器が役に立つならいいんだけど



●『楽園』に組み込まれた者達
(……ちゃんと気づいてた。でも止まれないから進んでる)
 神元・眞白(真白のキャンパス・f00949)は、自分に託された、とある教団員の『願い』を反芻していた。
 彼らも幸せを願っていたのだ。それは間違いなかったのだ。けれど、気づかぬ間に歯車に組み込まれ、『逃げ出せなく』なったのだ。戻れなくなったのだ。教団が壊れ始めていることも、恐らく気付いていたのだろう。だからこそ、見ず知らずの少女に、願ったのだ。
(まだ終わらない人が戻れる事、私は信じよう。あの人の願いを叶える為に)
 その為には必要な事を必要なだけ。その眼差しは、我先に、と始まった戦線に向けられていて……。

 開戦は、血風と紅の刃にて彩られた。
「強イ、ケレド『直接戦ウ』タイプジャナイノハ残念ネェ!!!」
「戦いなどと、野蛮なことを。私は人々を教え、導く者ですから」
 中々良い感じに狂っている女神だと、御馳走を眼の前に舌舐めずりをするかのように死之宮・謡(狂い果てし王・情緒不安定の狂戦士・f13193)は敵陣へ飛び込んだ。奉ずる女神へ傷を付けさせまいと、住人達がその狂戦士に向け殺到する。
 ……が、力の差は歴然であった。『天穹血戦体』までに変じた謡の振るう呪詛の紅刃の前には、女神の加護があるとは言えど元は「一般人」である住人達は為す術もないのである。
「アハハハハ!!!『女神の加護』モ、大シタコトナイワネェ!!」
 数だけ多ければ良いってものでも無いわ。けれど、どれだけ『住人達』という在庫を向こうは用意しているのかしら?
 ――さぁ、お愉しみの始まりだ。

(……再形成に、少しだけ時間がかかる……みたい?)
 謡の暴虐の中に有りながらも何度も何度も再生を繰り返そうとする楽園の住人達の『神躰』を見て、眞白は思案する。確かに今の此方の方は謡だけでも十分な戦線を維持できるだろう。けれど。
(用意に時間が掛かっているから彼女の暴威に押し込まれている……けれど、一瞬でも取り憑かせたら此方が不利になる……)
「……未完成だけど、この戦術器達が役に立つならいいんだけど」
 それは人にあって人に非ず。文字通りのヒトガタの器。眞白は真っ直ぐに、『楽園』の住人達を見据える。
「――皆、行って」

 血風の波を後押ししていくように、戦術器達が群れを成し、『楽園』の住人達を押し返そうと更なる加勢を掛けていく。
「私一人ダケデ相当押サレテタ連中ヨネ?果タシテ、コノ『波』マデ耐エキレルカシラァ!?」
 女神の微笑みは、崩れない。
「ええ。『彼ら』には素晴らしい力がありますから」
 謡の紅刃に倒れ伏した住人達が、『波』を形成する人形達に、その身を宿した。女神に応えるかのように。だが。
「……それを、待ってた」
 女神の微笑みを、崩さんとばかりに芯の強い言葉が響く。
「その器達は、『私のもの』」
 罠に誘い込まれたと気づかずに、ギギギギと、自らの奉ずる女神を見ようとする『楽園』の住人達。人形の繰り手という外部制御者の存在する『器』は自らの意志に呼応して動かそうにも、『抵抗』してくる。
「『ら、グナ、ソピア』」「『さ……ま』」
「いけませんね。『彼ら』は私の『楽園』の住人ですのに」
 そう告げた瞬間、取り憑かれていた人形ががくりと『中身』を失う。
「ハハハハ!悠長ニ出シ直シテイル暇ナンテ、与エナイ!!」
 隙を晒した女神に狂戦士の狂刃が迫る。狂戦士が斬り裂いたものは……。
 ――女神の『盾』となった住人と、それを貫いた先の女神だった。

「……なりません、『楽園』を犯すなどと」
 異界の神は血を流し、それでも微笑みは崩さなかった。
 ――楽園は崩れ始めている、というのに。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エルーゼ・フーシェン
この独善劇に終わりをもたらすわよ!
『ストライダー』を抜き、『トリニティ・エンハンス』で攻撃力を上げて女神とやらに挑む。
見た感じ、本人は戦闘できる技能はないけど、今までの経緯からして厄介なのは能力を上げられた周囲の敵。
「死んだものを利用するなんて!」
最盛の時を見て、怒らずにはいられないわ!あなたの道具じゃない!
翼で【空中戦】を行いつつ【ダッシュ】による急襲からの離脱、時として【フェイント】と【残像】を織り交ぜて【怪力】を用いた【二回攻撃】で攻める。
攻撃には【見切り】で回避しつつ、【野生の勘】で危険を感じたら退避も。
「まあ、私はもっとおっかない存在を知ってるから」

※アドリブ、他の猟兵との絡みOK


酒呑・十冴
・POW
ハ、なるほど
テメエにとって楽園ってのは、労働を無理やりやらせねえと維持できねえヘボい状況の事を言うんだな
しかも、人数が足らねえから死んだ奴すら叩き起こす必要まであるたあ、立派な統治してんなァ、オイ

よくも
よくも!
一つしかねえ命を!
見下して!侮辱して!冒涜しやがったな!!!
決めた。ぶっ潰す
いい加減、トサカに来たぜこの野郎!!

ユベコを使い、ぶん殴る。俺の全力を込めて召喚した端からぶん殴る
んであのクソ女神の声援が届かねえような場所までぶっ飛ばす
で、クソ女神と距離を詰める
距離詰まったら顔面に全力で拳を叩き込む

死んだら、それが最後だ
代わりに誰にもバカにされねえし、殴られねえ
だから、テメエは許さねえ



●『歯車』を破壊する者たち
 酒呑・十冴(わらうあおおに・f13703)の怒りは、徐々に、徐々に煮え滾っていた。
 今までの言動、女神の振る舞い。脳髄を通り抜けていくのは善とは程遠い悪魔のような所業。
 楽園の人々は、無限に囚われている。それが幸福なのだと、錯覚させられたまま。
 その人々の生命は、女神にとっては、『歯車』でしか無いのだと。
「……よくも。……よくも!」
「一つしかねえ命を!見下して!侮辱して!冒涜しやがったな!!!」
 それだけで、十分だ。この楽園を壊す理由なんて。
「決めた。ぶっ潰す……いい加減、トサカに来たぜこの野郎!!」
 その言葉に呼応するかのように、エルーゼ・フーシェン(双刃使い・f13445)も、刃を構える。……終わらせる、為に。
「ええ、この『独善劇』に終わりをもたらすわよ!!」

 二人は、住人達に相対する。女神はそれを尊び、祝福するかのように、更に力を増幅させていく。その微笑みは、血を流せども、崩れない。
 斬り裂けど、殴り飛ばせど、彼らは再び舞い戻ろうとしてくる。それは終わらない慟哭、地獄。これではただ、『利用されている』だけだ。
「死んだものを利用するなんて!彼らは、貴方の道具じゃない!!」
「私の『楽園』の皆様の力は素晴らしい物なのです……ですから」
 まるで、ソレが何も間違っていないかのように、平静と微笑む。
「――貴方方も、そこに、加わる資格があるのです」
 それと同時にエルーゼを地に引き摺り落とさんとばかりに、住人が殺到する。
 エルーゼは、『楽園』の住人達が殺到してくるのに危機感を覚えつつも、狙いは果たした、とばかりに鮮烈に笑う。
「けれど、私に構ってばかりで良いのかしら!……評価してくれるのは良いけれど、ね!!!」
 そう、女神は聞いてしまったのだ。直ぐ側で、怒気を孕んだ鬼の声を。
「ああ、漸く近くで拝めるぜ……そのクソみたいな面をなァ!!!!」
 中空を舞い踊るように斬り結ぶ舞姫に翻弄された『楽園』の住人達は、鬼の怪力がこじ開けていくその道程を塞ぎきる術がなく。

 ――女神には、その瞬間までが、ゆっくりに感じた。
「死んだら、それが最後だ」
 そう、普通は最後なのだ。様々な軛から解き放たれて、安寧に辿り着く筈なのだ。
「代わりに誰にもバカにされねえし、殴られねえ」
 死んだ後は殴られも、侮辱されることも無い。休息の世界。
 だから。そんな安寧を、最後の果てに安寧を穢した者は。
「だから、テメエは許さねえ」
「――ッ!」

 壁に叩きつけられるようにして、麗しき女神はその衝撃を全身に受ける事となった。当然ながら彼女はあくまで「司令塔」のようなものなのだ。護る者がいなければ、それを抜きにして身を護る手段など、持ち合わせていない。
 殴り飛ばされた女神を一瞥するかのように、エルーゼは一人呟いた。
「……まあ、貴方なんかより私はもっとおっかない存在を知ってるから」
「へぇ、……まぁ其処は聞かないでおくか」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アマータ・プリムス
歓迎などお断りです
楽園は当機が自分で見つけます
死を冒涜する貴女の所業、ここで終わりに致しましょう

ネロには下がってもらいイーリスを取り出します
【武器改造】でアンプに変形させたアルジェントムに接続
【楽器演奏】と【歌唱】を使いUCを発動

それは魂を送る鎮魂歌
死してなお束縛される魂を開放するための歌
私はそれを全力で歌い上げましょう

「死という安らぎを妨害する貴女を私は許しません。死という別れに水を差す貴女を私が止めます」
この台詞のみ一人称は「私」です

さぁ貴女の配下はいなくなりました
貴女自身が働く番ですよ

今回はUCの相殺で徹底的に相手のUCを妨害し続けます

※アドリブ連携歓迎


トリガー・シックス
「過去の栄光と繁栄というやつか」
栄華を極めたものも、時の流れで朽ち果てる。こいつは縋りつこうとする敵だ。
『レイダー』による【援護射撃】を行いつつ、周囲を警戒。
接近してきたら『ジョーカー5s』による【クイックドロウ】と【早業】で射撃して始末する。
多いようなら『アヴァランチ』の銃撃とマイクロミサイルによる【範囲攻撃】でダメージを与えるか、数を減らす。
追撃で『吹雪の狼』にクラスター弾を装填して追い打ちをかける。
『幽幻なる狩人』を呼び出して手数を増やすのも忘れないようにしなければ。

※アドリブ、他の猟兵との絡みOK


トリテレイア・ゼロナイン
昏い世界に、人が繁栄するため力が必要
そして人の身体は脆弱である
仰るとおりです、ラグナソピア様。

そう言って脚部スラスターを点火し「スライディング」、猟兵からラグナソピアを守るように位置取り彼女の軍勢に加わります



…センサーで背後の女神の位置を「見切り」把握、後ろに向けた腕部格納銃で護衛を「なぎ払い」「だまし討ち」、後ろに隠し腕を射出し彼女を掴んで拘束
ワイヤを巻き取り軍勢の中から引きずりだして、「手をつなぎ」「怪力」で地面に叩きつけて「踏みつけ」脚部パイルで串刺しにします

先程の言葉に嘘はありませんが、人を人として扱わず使い潰すその精神
もはや怪物のそれに対しての回答です
地獄を作る女神に用はありません



「……栄華を極めたものも、時の流れで朽ち果てる。こいつは縋りつこうとする敵だ」
 トリガー・シックス(黒衣の銃剣士・f13153)の言葉はもはや彼なりの確信に近かった。オブリビオンはすべからく『過去』の存在であり、この女神もそういった存在なのだろう。だからこそ、『過去』にされたのだ。だが、それが今、『現在』を苦しめている。
「無論ですがその様な敵ならば、歓迎などお断りです。……楽園は当機が自分で見つけます」
 アマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)は内に怒りを滲ませながらも冷静さは崩さず、真っ直ぐに排除すべき存在を見据えていた。これで、この地獄は断ち切るという、強い意志の眼差しで。
「……死を冒涜する貴女の所業、ここで終わりに致しましょう」

 二人がその覚悟を決める中、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)はラグナソピアの盾となるような位置取りに向かい始めたのである。
 機械騎士の行動にはじめこそ驚愕した二人だが、彼から目配せの如き合図を受け、『彼の真意』を悟られぬように、最後の作戦は開始された。

「――死という安らぎを妨害する貴女を私は許しません。死という別れに水を差す貴女を私が止めます」
 従者人形は、アンプと化したアルジェントムより、歌を紡ぐ。
 それは、彼らがとうの昔に送られるべきであった最後の歌。人々に最後の安寧を授ける為の。別れの歌。魂を慰める『鎮魂歌』。
「――いけません、この歌を聞いては」
 アマータを取り押さえようと住人達を扇動しようとするも、トリガーの火砲が、鎮魂歌の一部を奏でるかのように放たれていく。
「……過去の栄光と繁栄という奴に縋り付こうとするな。お前の『楽園』はここでお別れなんだ」
 女神との間には機械の騎士もいるが、女神が直接動くことは無かった。自ら止めようとはしなかった。……いえ、出来なかったのかもしれない。その姿を見て、表情の伺い知れぬ機械騎士は一瞥のみを送り、トリガーの弾幕から女神を護るように立ち回るのみ。
 刻一刻と、『楽園』の住人達は軛から解放されていく。大粒の涙を流し、この地獄から解き放たれていくかのように。苦しみから逃れた喜びが、露となって消えていく。
 呼び戻そうと願えば願うほど、女神の加護はアマータの紡ぐ歌にかき消されていく。そして、最後に残ったのは唯一人。
「昏い世界に、人が繁栄するため力が必要。そして人の身体は脆弱である。……仰る通りです、ラグナソピア様」
 唐突に、機械騎士に語りかけられ、自らを肯定する言葉に、加護を授けようとした女神は……致命的な隙を晒した。トリテレイアは、既に女神を『捉えている』。
「ですが、残念です」
 呆けたような顔で最後の護りを見つめた女神は。直後、宙空を舞った。
「――騎士の戦法ではありませんが…不意を討たせて頂きます」

 鎮魂を奏でる従者の歌声に導かれ、女神は権能を半ば失っている。その最中で、自らの盾となろうとした騎士に反逆を受けたのだ。
「偽りを、述べたのですか」
 その表情に、もはや微笑みはない。神でもなく、まるで恐怖に怯えるような女の顔。
「――先程の言葉に嘘はありません」
 が、人を人として扱わず使い潰すその精神はもはや怪物のそれに対しての回答だと。騎士は断じた。神に非ず者を踏みつけ、……穿たれるは断罪の杭。
「地獄を作る女神に用はありません」
「……さぁ、今度は貴女自身が働く番ですよ」
 護るものも、もう。居ない。女神は地べたに磔となり……。

 ――『楽園』ごと、悪夢は崩れ去った。
 けれど、人々の幸福は……完全に失われたのだろうか。答えは、まだ誰も知らない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月19日
宿敵 『繁栄の代行者・ラグナソピア』 を撃破!


挿絵イラスト