5
通俗・旧帝都軍ノ朝ト夜、想ヒ通ズル恋譚(ものがたり)

#サクラミラージュ #飛び入り参加大歓迎 #プレイング受付中

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#サクラミラージュ
#飛び入り参加大歓迎
#プレイング受付中


0




●「僕のことは『朝子』と呼べ」
「そんな、恐れ多い」
「二人きりの時だけさ」
 旧帝都軍の軍服に身を包んだ男女は桜の大木に身を隠し、密やかにくちづける。女は上官、男は下官。軍務中には見せないはにかんだ笑顔を浮かべて互いを抱きしめ合い、愛を語らおうとした瞬間、背後にひとつふたつ、三つと火の手が上がった。
「敵襲!?」
「直ちに配置に着け! 生きて帰ったらまた逢うぞ!!」
 離れ離れになった恋人たちはそれから二度と会うことはなかった。男は体内に魔力炉を移植された突撃隊員になり命を散らし、女はそれを知った嘆きに憤死、水底に落ちた。
『僕は影と織り成す水底より来る者。フタイテンセンキ・ホノグラキヘヒソムモノ』
 やがて女は影朧と代わり、世界に昏く影を落とす……。

●「魂鎮メ歌劇ノ儀が行われるヨ」
 グリモアベースにて、集まった猟兵達を見回したロバート・ウォン(東方妖怪の猟奇探偵・f30564)は語りだした。
「桜の大木のすぐそばにある池でその昔軍人の女性が命を落としたアル。その想いの大きさ故あってか……強大な影朧に変わってしまったようネ。何か明確な悪事を働く訳ではないとは言えその強大さ故に、放置するとすぐさま『世界の崩壊』に繋がってしまうというヨ。こういう影朧の対策として行われるのが魂鎮メ歌劇ノ儀ネ。影朧の発生理由にまつわる歌劇を演じながら戦うことで、通常の戦闘よりもより強く、影朧を慰める事ができるという帝都桜學府の儀式魔術。皆サンには今回それに参加しながら戦って欲しいヨ。役を演じながら戦うことで荒ぶる魂を鎮めるってワケ」
 ロバートは端末を見ながら説明する。
「旧帝都軍突撃隊・敷島組。体内に移植された魔力炉の力で悪魔(ダイモン)に似た能力を使用できるが、その副作用で極めて短命。過去の大戦期に存在したが、移植手術が人道に反するという理由から存在を抹消。『なかった』ことになってる者達。特に仲の良かった組が抜擢されたようネ。隊員仲間の恋路をみんなで応援してたなんてこともあるんじゃないかネ。そしてその隊を管轄していた上官『朝子』。以上の情報は影朧となった彼女がうわごとのように繰り返している言葉から推測されるヨ」
 そう言うと、ロバートは転移の準備を始める。
「どうやら再会を果たせなかったのが心残りのようアル。歌劇の中だけでも再会させて欲しいネ」


星野ユキヒロ
 星野ユキヒロです。七月に入りましたね。七夕にちなんでなんてこともないですが、引き裂かれた恋人たちの再会の手助けなんかしてみませんか。
 今回は三章構成です。

●一章
 集団戦です。影朧は自らの肉体から配下『旧帝都軍突撃隊・敷島組隊員』を創造し、放ちます。『影朧が受けた悲劇の過去』に準ずるストーリーの流れに乗りながら『誰かの役』を演じ、この群れの向こうにいる影朧(ボス)に届くよう、雑魚の群れを蹴散らしていきましょう。女の名前は『朝子』男の名前は『夜一郎』です。名もなき隊員をやるのもいいでしょう。猟兵は入れ替わり立ち替わり戦うので、違う人が同じ役をやっても問題ありません。影朧の生い立ちの調査や、儀式に必要な『照明や放送機器』等の舞台装置は帝都桜學府が準備します。生い立ちなどは各自自由に考えてもらって良いです。

●二章
 ボス戦です。歌劇に触発されて姿を現した影朧『不退転浅鬼・仄暗キヱ潜ム者』との戦いです。葛藤と苦しみを吐き出す彼女に対し、誰かの役を演じながら、あるいは演じることをせず猟兵自身の言葉で、影朧と語らいながら、戦いを進めていきましょう。

●三章
 日常です。猟兵達が勝利すると、影朧は過去の呪縛から解き放たれ、消えてゆこうとします。舞台装置も駆使して、美しい演出とねぎらいの言葉で、晴れやかな心で消えゆく影朧を送り届けてあげましょう。消滅と同時に、もし影朧に傷つけられた人がいれば負傷はすべて回復し、素晴らしいショウを見た街の人々の万雷の拍手が送られます。グランドフィナーレです! 誰かを演じ続けるのも、本来の猟兵として拍手を送るのも乙なものです。

 今回プレイングボーナスなどは設定していません。ただ、楽しんでください。
34




第1章 集団戦 『旧帝都軍突撃隊・敷島組隊員』

POW   :    悪魔変身(ダイモン・トランスフォーム)
【悪魔(ダイモン)の力】に覚醒して【コウモリの翼と獣の肉体を持った悪魔の姿】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    悪魔憑依(ダイモン・ポゼッション)
自身に【悪魔(ダイモン)の姿をした霊体】をまとい、高速移動と【敵を追尾する魔力弾】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    悪魔大隊(ダイモン・バタリオン)
自身の【寿命】を代償に、【レベル×1体の小型悪魔達】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【手足の爪や口から吐く炎】で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 桜の大木の下、開幕のベルが鳴る。想い苦しむ影朧が頭上を覆っているため、生憎の曇天である。
『通俗・旧帝都軍ノ朝ト夜、想ヒ通ズル恋譚、開幕と相成ります』
 ひらひらと舞い散る桜の下、歌劇のトランペットが高く響いた。ざかざかと軍靴の音を鳴らし、旧帝都軍人たちが現れる。旧帝都軍突撃隊・敷島組隊員たち。自らが何であったかもわからず、目に入る者を撃ち滅ぼさんとサアベルを抜いた!
樹・さらさ
アドリブ連携歓迎

まあ、演じるという事なら本業だからね。頑張らせて貰うよ。
この場合はどちらを演じるべきなのか…朝子の方が良さそうだな。
現れた軍人達に対しては言葉使いから変えて対応すべきか。
さあ――鍛錬の時間だ、かかってこい!
Gabbia di smeraldo
翠玉の刃を操り、攻撃が集中してこないように牽制をかけつつ私も剣を持って戦う。
彼女の戦い方までは知らないからね、私流でやらせて貰うが…事前に確認しておいた生い立ち等の情報から印象を近付けるよう気を付けるとしよう。
悲恋の物語は好きではないんだ、結末は変えさせて貰うけれど、悪くないように整えてみせるよ。



「まあ、演じるという事なら本業だからね。頑張らせて貰うよ」
 舞台に凛と立ち上がったのは樹・さらさ(Dea della guerra verde・f23156)。ハイカラさんの国民的スタアにして王子様。歌劇役者である彼女に今回の依頼はうってつけといったところだ。
(この場合はどちらを演じるべきなのか……朝子の方が良さそうだな)
 さらさは翠玉の刃をダンと足元に突き立て、朗々たる美声で隊員たちに呼びかけた。
「さあ――鍛錬の時間だ、かかってこい!」
『ウォォ……上官ドノ……宵口朝子上官ドノ……』
 隊員たちは凛々しい女性の頼もしい声に記憶の奥深くを擽られ、かつての上官の名前を呼んだ。
(宵口朝子が彼女の名前だったな。ならば私は今から宵口朝子嬢だ)
 事前に基本的な情報は得ていた。彼女の戦い方まではわからないが、さらさは彼女を演じることに神経を注いだ。
『ウォオオォォオオオ!!!!』
 隊員たちは雄叫びをあげると小型の悪魔たちを呼び出し、目の前の女にけしかけた。悪魔はかぎ爪を振るい、口から炎を吐く。舞台の上を炎の舌がべらべらと舐めた。悪魔たちが攻撃をするたび隊員たちは苦しみに身をよじる。自らのなけなしの命を犠牲にしているのだ。死者の命、それは自我のようなものなのかもしれない。
「悲恋の物語は好きではないんだ、この宵口朝子がその名をもって結末は変えさせて貰う!!」
 さらさの宣言と共におびただしい数の翠玉の刃が現れ、幾何学模様を描きながら複雑に飛翔する。それは悪魔たちを翻弄しながら包囲し、一斉に攻撃した。貫かれた悪魔たちは断末魔の悲鳴を上げながら霧散する。それと同時に隊員たちの苦しみが和らいだのか、苦痛の声は無くなっていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

化野・花鵺
「いいよねぇ、サクラミラージュ。せぇふく三昧サイコーだよねぇ♪」
狐、手を返すヲタ芸披露し身悶えた

「んじゃそろそろ、役に入るぅ?」
狐、UCで技術開発員の白衣を纏った

「弱い弱い、弱すぎるぅ!誇り高き帝都軍人とは思えぬ弱さぁ!しかも使い捨てしかできぬ短時間の変身でぇ、これでは大正帝にお披露目できぬぅ!消そう消そう消してしまおぅ、こんな恥知らずな部隊は元々この地に居なかったぁ」
狐、笑顔の大音声で敵を逆撫でした

「あははは、消えロキエロ消えてしまえェ、不名誉な部隊はこの地に要らぬぅ!」
呵呵大笑しつつ白衣から取り出したメスを投げ切り裂き悪魔も霧島組も屠る
破魔の衝撃波で敵弾き野生の勘で攻撃避けオーラ防御で防ぐ



「ふわぁ~、カッコいーよぉ~、いいよねぇ、サクラミラージュ。せぇふく三昧サイコーだよねぇ♪」
 舞台の上で繰り広げられる軍人たちの戦いに狐耳をピコピコさせながら化野・花鵺(制服フェチの妖狐・f25740)は手を返すヲタ芸を披露しつつ身悶えた。
「んじゃそろそろ、役に入るぅ? 演劇にはやっぱり悪役もいないとねぇ。世界・せぇふく・せぇらぁふくぅ! せぇふく世界は無限大! 皆せぇふくの威と武にひれ伏すが良いわ、うはははは」
 花鵺が高笑いを上げると、どこからともなく現れた白衣がふぅわりと彼女を包むと、悪そうにバッサァ! と翻った。
「弱い弱い、弱すぎるぅ! 誇り高き帝都軍人とは思えぬ弱さぁ! しかも使い捨てしかできぬ短時間の変身でぇ、これでは大正帝にお披露目できぬぅ! 消そう消そう消してしまおぅ、こんな恥知らずな部隊は元々この地に居なかったぁ!」
 わざとらしいまでのゲス笑顔で隊員たちを煽る大声は、誇りをもって従軍していた彼らの神経を逆なでした。
『ウォオオォォ……ナントイウ言イ草……我ラヲ人デナクシテオイテ……許セヌ』
 隊員たちの体を沸き上がる悪魔の姿をした霊体がじわりと包む。蝙蝠の翼を生やした悪魔隊員は高速移動をしながら、相手を追尾する魔力弾を放った。そして、また苦しそうに悶えた。
 花鵺は野生の勘を発揮し、隊員の攻撃や魔力弾をひらりひらりと躱し続ける。躱しきれない攻撃はオーラ防御で防いだ。
「あははは、消えロキエロ消えてしまえェ、不名誉な部隊はこの地に要らぬぅ!」
 呵呵大笑と共に白衣からメスを取り出し、一斉に投擲する花鵺。きらりきらりと光りを反射し、メスは次々と隊員たちに突き刺さった。
「生まれ変わるまで眠っておけぇ!」
 どうと沈み行く隊員たちの前に立ちはだかる白衣の花鵺は、まさに観客にハンケチを噛ませうる悪役を演じきっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

九重・灯
表に出ている人格は「オレ」だ。
役は「名も無き隊員」。軍服を借りておく。
まあ、ノリと勢いがあればどうにかなるだろ。

まるで悪鬼のようなツラだな。自分たちが何者なのかも忘れちまったのか?

首に巻いていたマフラー、桜花演舞を手に取る。
UC【布術・桜花演舞】
その身を伸ばした呪布でなぎ払い。時には絡めて動きを封じ、硬化させて攻撃を弾く
『なぎ払い10、捕縛5、武器受け6』

時を奪われ、全ての記録から抹消された。死んでも家族の元に返される事はないだろう……
これだけ失ったんだ。もう何も手放す必要なんてない

一陣の風を呼び、邪気を吹き払う。コイツらが我を取り戻す助けになれば良い。
『浄化3、天候操作3』

オマエ達は何者だ?



「軍服を貸してくれよ。『オレ』が名もなき隊員を演るからさ。まあ、ノリと勢いがあればどうにかなるだろ」
 束ねた黒髪の女、九重・灯(多重人格者の探索者・f17073)は眼鏡を外すと衣装係に渡された軍服を纏う。名もなき隊員とは自称したが、鮮やかな桜色のマフラーをぐるりと首に巻き、たなびかせて舞台にあがる姿は圧倒的な存在感を醸し出していた。
「まるで悪鬼のようなツラだな。自分たちが何者なのかも忘れちまったのか?」
 灯が言う通り、隊員たちは魂が救われない苦しみを抱えたもの特有の死相を浮かべ、悪鬼さながらの姿で灯の前に立ちはだかっていた。
『ウウ……苦シイ……苦シイ……お前モ……苦シメ!』
 隊員たちの体に霊体が纏わりつき、表情だけでなく姿まで悪鬼さながらに変化する。悪鬼たちは高速移動で灯の周りをぐるぐると回り間合いを詰めにかかった。
「さあ、踊りの時間だ! ホントはもっと優雅にやるモンなんだろうけどな! オレたちは軍人だから、そうも言ってられないよな!!」
 灯は首のマフラーを掴み、するりと外す。怪奇呪布『桜花演舞』。それが灯の武器だった。悪鬼たちが放つ魔力の追尾弾を弾き、絡め取り、薙ぎ払う。追尾弾ははじき返され、悪鬼たちの元へ還って行ったり、明後日の方向へ飛ばされたりして灯に当たることはない。
(時を奪われ、全ての記録から抹消された。死んでも家族の元に返される事はないだろう……)
 自らの魔力に灼かれる悪鬼……いや、彼らこそが『名もなき隊員』。その傷ましさに荒い人格の『オレ』も思わず目を眇めた。
「これだけ失ったんだ。もう何も手放す必要なんてない」
 灯は天候操作と浄化を用いて一陣の風を呼び、邪気を吹き払う。隊員たちが美しい所に生まれ変われるように。
「オマエ達は何者だ?」
『自分……自分ハ……思い、出した……自分の……名前……』
 灯を囲んでいた隊員の体から悪鬼が吹き飛び、覗いた彼らの顔は晴れやかだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アラン・スミシー(サポート)
基本突然現れて仕事を終えたら去っていく人物です。

基本的に【乱戦】か【銃撃戦】での援護がメインとなります。
他の猟兵の手の足りない所に現れては銃で攻撃し、気を引いたり足止めをしたり敵の頭数を減らしたりします。

説得や交渉等が必要ならなんか良い感じの言葉を言います。
例:君の正義は分かった。しかしその正義は君を救ったかい?

ユーベルコードのセリフを参照し、MSの言って欲しい都合の良い言葉をアレンジしてやってください。
大体無意味に格好いいこと言ってます、割と適当に。

状況次第では不意打ちとかもするかもしれません。適当にお使い下さい。



「芝居は好きだが、演るとなると門外漢。それでも自然体でいけばなんとかなるかねぇ。スタッフの手を煩わせるのもなんだし、自前の衣装で名もなき諜報員でも演ろうか」
 罷り出たのはアラン・スミシー(パッセンジャー・f23395)。草臥れたトレンチコートを纏った彼は、裏方スタッフにひょいと借り上げた鉛筆を耳に挟めばなるほど諜報員の雰囲気があるといえばある。
「さて、これが旧帝都軍突撃隊・敷島組なのかい? 非人道的な施術が味方に施されているという情報を得て捜査に来たが、まさか本当だったとはねぇ。これは世の中に詳らかにしなければなるまいよ」
「間諜……」
「間諜ダ……」
「生カシテ帰スマイゾ!」
 諜報員を演じるアランに気が付いた隊員たちは一斉に警戒をする。悪魔の霊体を宿し、アランに向かって奔りながら次々と魔力弾を撃ち出す。
「おおっと危ない。うかうかしてるとやられるね。そんじゃ反撃といきますか」
 アランは飛び上がって描き割りの背景を蹴りながら魔力弾を避け、宙を舞いながらコートに手を突っ込み、短く切り詰めたソードオフ・ショットガンを取り出して隊員たちに撃ち込んだ。
「まとめて斃すのにはこれがやっぱり都合がいい。序盤の盛り上がりどころにはおあつらえ向きじゃないかい?」
 放たれた散弾は隊員たちの体をひねりちぎりながらめり込んでいく。隊員たちの体から、霊体が次々と排出され、消えていった。
「ちょいと過剰防衛だったかねぇ。とは言え、命はあっての物種ってね」
 客席に向かってウィンクすると、アランはステージの裾へはけていった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『不退転浅鬼・仄暗キヱ潜ム者』

POW   :    さあ、行こうか。宵闇を啜り、地獄を食む僕の奴隷。
【竹光】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    もう止めてーッ!
自身が【羞恥】を感じると、レベル×1体の【疫病を拡める災厄の病魔】が召喚される。疫病を拡める災厄の病魔は羞恥を与えた対象を追跡し、攻撃する。
WIZ   :    僕は影と織り成す水底より来る者。
【記憶の再生と人格支配を行う言霊】を籠めた【痛々しい台詞】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【黒き過去を呼び覚まし服従させ、精神】のみを攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ブライアン・ボーンハートです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


『僕は不退転浅鬼・仄暗キヱ潜ム者』
 大きな桜の木から機械音のように歪められた女の声が響いた。かつて人を愛し、それでも故郷を護る任務を全うし、それゆえ愛する者を護れなかった憤怒と思慕と悔恨の影朧だ。
 猟兵たちの歌劇は彼女を内省の泥濘から目覚めさせるのに足る音量を持ち、呼び覚ました。今の彼女は軍人の彼女より、女性の彼女よりも影朧である要素のほうが強い。彼女を慰めるため、猟兵たちによる第二幕が始まる。
化野・花鵺
「嗚呼まだ現れるか若輩、いや弱輩がぁ!今上帝の御意志御意向は遍く世にしろしめさねば ならんというのに!ヌシのような女々しい輩が任を得ようなど返す返すも烏滸がましい!恥を知れ恥を!さっさとこの場から往ぬがよい!」
狐、白衣着たまま悪役続行する

UCで不幸を連続プレゼント
滑って転んで顔面強打
奈落に墜落
上から落ちた照明直撃等々
「ハハハ、ハ。何とみすぼらしい!何と情けない!ヌシのような弱輩はさっさとこの世から消えてしまえ!」
狐、血涙流して哄笑しつつ化術でステージ上から消える

「こっちがダメでも居ればこの術は継続するからぁ」
狐、精神ダメージに血涙流しつつ舞台袖で他の演者の邪魔にならないようジタバタした



「嗚呼まだ現れるか若輩、いや弱輩がぁ! 今上帝の御意志御意向は遍く世にしろしめさねばならんというのに! ヌシのような女々しい輩が任を得ようなど返す返すも烏滸がましい! 恥を知れ恥を! さっさとこの場から往ぬがよい!」
 技術開発員の白衣を纏ったままの花鵺は引き続き居丈高な悪役を続行する様だ。
「僕は影と織り成す水底より来る者。夜一郎を、みなを兵器に変えてしまったのは貴様らか。己が胸に封印した黒き過去を呼びさませ、恥辱にまみれて後悔するがいい……!」
 芝居じみた身振り手振りで話す不退転浅鬼・朝子。どうやら生前からこういうところがある女性であったようだ。記憶の再生と人格支配を行う言霊を籠めたわざとらしい台詞による一撃で、肉体を傷つけずに対象の黒き過去を呼び覚まし服従させ、精神のみを攻撃する。それが彼女の力。言葉を受けた花鵺の脳内に、とても小さいころに人から制服を借りてカッコいい猟兵ごっこをしていて、たー! の掛け声とともに飛び降りたドブ板がばっきり割れてそのままドブに落ち、制服を汚してしまってバチクソ怒られた記憶がとめどなく脳内で再生される。
「ンンンンンン!!? ン!? ン―! ぬ、ヌシは狐の恐ろしさを知らんようじゃ。とくとその身で味わえ!」
 恥の記憶に言葉を乱しながらも管狐をけしかける花鵺。
「!?」
 噛みつかれた朝子の頭上に突然照明が落下してきて直撃、割れたガラスがキラキラと宙を舞う。
「ハハハ、ハ。何とみすぼらしい! 何と情けない! ヌシのような弱輩はさっさとこの世から消えてしまえ!」
 あまりの精神ダメージに血涙を流しながら、花鵺は化術を使ってどろんと消える。あとは哄笑だけが舞台に響いた。
ーーーーーーー
「こっちがダメでも居ればこの術は継続するからぁ、うわーッ! カヤは天狐の血筋なのにぃ。偉いのにぃ!」
 舞台袖に引っ込んだ花鵺は他の演者の邪魔にならないところにゴロリと横たわり、顔を覆ってゴロゴロじたばたするのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

九重・灯
さて、引き続き隊員役だ。
まあ、演技なんて最初からあってないようなモンだけどな。

んじゃ、容赦なくいかせてもらうぜ。隊長サンよ!
UC【布術・桜花演舞】。UCの効果で大きく広がった桜花演舞をバサリと振って挑発してやる。

何を恥ずかしがるのか知らねえが、病魔を呼ぶなら対応してやろう。やるコトはさっき(1章)と同じで芸がなくてワリイけどな、せいぜい見得を切らせてもらおうか。

天よりその御息を以て穢れを吹き払い賜え、ってな。
清めの風を呼んで疫病を浄化。桜花演舞で病魔を打ち払う。
『浄化3、天候操作3、祈り3、なぎ払い10、範囲攻撃5』

「アンタが成仏しなきゃ部下が安心できねえだろうが。慕われてるなら尚更だ」



「さて、引き続き隊員役だ。まあ、演技なんて最初からあってないようなモンだけどな。んじゃ、容赦なくいかせてもらうぜ。隊長サンよ!」
 不退転浅鬼・朝子の前に鮮やかな桜のマフラーを纏った軍人姿の灯が立ちはだかる。
「お前の部下はなかなか華麗に踊ったぞ。奴らを護れなかった上官さんがどんな面白い踊りを踊るのか見せてくれよ」
 大きく広がったマフラー、桜花演舞をバサリと振って挑発する灯。
「やめて! 部下たちのことは言うな!!」
 朝子の叫びに応じたのか、疫病を拡める災厄の病魔がひゅうひゅうと召喚され、舞台の上を動き始めた。
「何をそんなに恥ずかしがるのか知らねえが、病魔を呼ぶなら対応してやろう。やるコトはさっきと同じで芸がなくてワリイけどな、せいぜい見得を切らせてもらおうか! 天よりその御息を以て穢れを吹き払い賜え、ってな!」
 病魔の吐く疫病は紫の霧のように部隊の床を這って灯へと近づいてくる。灯は清めの風を呼び、その疫病の霧を吹き散らしてしまう。そのまま散らされる霧を割るように病魔に駆け寄り、強化した桜花演舞でまとめて薙ぎ払う。魔法生命を宿すその布は力強く、祈りをもって病魔の陰気を粉々に砕いた。
「アンタが成仏しなきゃ部下が安心できねえだろうが。慕われてるなら尚更だ」
「ああ……あああああ……」
 語りかける灯の言葉に、苦しそうに片眼を抑える朝子だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

土御門・泰花(サポート)
※アドリブ・連携・苦戦描写・UC詠唱変更・その他OK

「あらあら……。ふふ、ご安心を。お手伝い致します」

一人称:私
口調:基本的に敬語。柔和な印象を与える口ぶり。
表情:基本的に柔和な笑みを湛え、義憤もその下に隠す。
性格:普段はおっとりだが「陰陽師の家系の当主」という自覚があり、凛々しくみせる時も。

敵の攻撃は【第六感】【聞き耳】で察知し、【早業】【軽業】【地形の利用】にて回避。
式神の白揚羽で【結界術】と【オーラ防御】を展開。
通用しなければ薙刀で【武器受け】し、【カウンター】攻撃。

UCは、戦況と効果に合わせて発動。
可能な限り【早業】で敵のUC発動前に発動を狙う。

指定したUCは何でも使用可。
後はお任せ。



「これは……お手伝いしなければいけませんね」
 客席から見ていた土御門・泰花(風待月に芽吹いた菫は夜長月に咲く・f10833)は舞台袖に上がると衣装の和服を借り、自らも歌劇の一員としてステージに上がった。
(戦いのさなかにも恋をしていた者がいたということなら、主役でない隊員にだってそんな相手がいたはずなのです)
「一般人……なぜこんなところにいる。戦闘員でないものは早々に避難せよ」
 朝子は片目を抑えながら、衣装のせいで市井の一般婦人にしか見えない泰花に避難を勧告した。
(恋する乙女としてできる演技もありましょう……)
 朝子の傍によろよろとした歩き方で近づく泰花。
「恋人を探しに来たのです。敷島組という所の隊員なのです……ご存じありませんか! あの人は無事なのですか!」
 想い人の身を案じて矢も楯もたまらず戦火の下に迷い込んでしまった女性を演じ、対峙する。
「敷島組……なんと……」
 辛そうに片目を抑えて、よろよろと後ずさる朝子の様子を目からそらさず、泰花は袖で顔を隠しながら小さな声で真言を唱えた。
「我等に仇なす者には痛みを、共に仇へ挑む者には癒しを……」
 黒揚羽蝶はまだその背に隠して、相手の様子を伺う。自分と同じ、敷島組に想い人がいる境遇ながらも、命令を下す立場の自分と、信じて待つしかない市井の婦人。敷島組を護れなかった罪悪感が朝子の心に沸き上がる。
「所詮は僕も使い捨ての駒……上官とて少し強いだけの木偶人形なのだ……僕の罪は赦されない……」
 ぐわっと朝子の言霊が泰花に襲い掛かるが、それと同時に泰花も黒揚羽蝶を放った。刹那、泰花が想い人の前でかいてしまった恥の記憶が脳裏に浮かぶ。
「っく、これは……痛い記憶ですね……しかし、これだって大事な思い出なのです……!」
 記憶の痛みに苦しみながら、攻撃を続ける泰花。黒揚羽蝶は朝子にダメージを与え続けた。

成功 🔵​🔵​🔴​

樹・さらさ
そろそろ演技の必要は無さそうな気がするが…まあ、状況に合わせてだな。
過去は戻せない。生きているものは前に進まねばならない。それ故に、君のような者を…残しておくことは出来ない。
君を想っていた者が、今の君を見て心安らかに眠る事が出来るだろうか?
さあ、舞台の幕を下ろそう。
細身の剣を構え、一度ぴたりと動きを止めて。
地を蹴ると同時、舞う様に間合いを詰めると一気に飛び込んで連撃を。
Battaglia di rose verdi
手向けの花を君に。

羞恥の記憶?
過去は全て、物語の糧にしてきた…今更見せられて困るものは無い…(戦争時の猫耳を思い出して一瞬悩む)
いや、無い。あれは楽しい記憶なんだ、問題はない。



(そろそろ演技の必要は無さそうな気がするが……まあ、状況に合わせてだな)
 第一幕で朝子を演じたさらさは再び舞台に立った。目の前には本物の宵口朝子が立っている。
「過去は戻せない。生きているものは前に進まねばならない。それ故に、君のような者を……残しておくことは出来ない」
「僕を斃そうというのか? 僕は……」
「私に羞恥の記憶は効かないよ。過去は全て、物語の糧にしてきた……今更見せられて困るものは無い……」
 一瞬戦争時の猫耳の記憶が脳裏を掠めたが、それはさらさにとって楽しい記憶にカウントしている。問題はない。うむ。
「僕は……僕は……」
「思い出して。君は軍人である前に一人の恋する乙女だったはずだよ。思い出して、想った人の貌を……」
「もうやめてってば!!」
 朝子がいままでの戦闘で受けた傷や血涙を流す瞳から黒い霧が噴き出し、全て病魔となってさらさに襲い掛かる。
「さあ、舞台の幕を下ろそう」
 細身の剣を構え、さらさは一度ぴたりと動きを止めて。地を蹴ると同時、舞う様に、追いすがる病魔の間をかいくぐって間合いを詰めると、朝子の胸元に一気に飛び込んで連撃を。ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ。
「Battaglia di rose verdi。手向けの花を君に」
 朝子の胸に情熱的な深紅の薔薇が咲き誇る。不退転浅鬼・仄暗キヱ潜ム者は舞台の上であおむけに倒れ、そこには恋した軍人、宵口朝子が横たわるばかりだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『帝都純愛浪漫譚』

POW   :    力業で助ける

SPD   :    搦め手で助ける

WIZ   :    緻密な作戦で助ける

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 池のほとりの大木の下、袴姿の女学生のいでたちで、朝子は想いびとを待っている。その愛しい相手、夜一郎は学生服に身を包み、人待ち顔の朝子の姿があまりに愛らしいので声をかけあぐねていた。朝子は背後に彼がいるのに気が付かず、まだかな、まだかな、と水面に石を投げているのだった。それはかつてが平和だったら見られていたかもしれない幸せな記憶。最後の幕はそんな風景を観客に見せながら開かれた。
九重・灯
体の支配権が「わたし」に手渡される。
先ほどまで大立ち回りを演じていたもう一人の自分は、
(なれないコトしたからもう疲れた。あとは適当にやってくれ)
という。戦いが終わって急に照れくさくなったのかもしれません。

わたしは舞台の端でこっそりとラムネ菓子を口に含み、精神を集中させます。朝子と夜一郎の様子をうかがいタイミングを見計らって、

UC【星を手繰る】。
風を呼び、水面を揺らし、桜が幻朧桜であるなら風で花びらを宙に舞わせて朝子の視線を夜一郎に誘導します。
『天候操作3、念動力5、多重詠唱3』

「祈りましょう。彼女たち二人と、敷島組隊員たちの鎮魂を」
客席に呼びかけて、深く一礼。このまま静かに舞台を降ります。



(なれないコトしたからもう疲れた。あとは適当にやってくれ)
 頭の中でそんな声が聞こえ、灯は『わたし』に主導権が渡されたのを感じた。先ほどまで大立ち回りを演じていたもう一人の自分はつぶやくように言うと、そのまま意識の底に沈んでゆく。戦いが終わって急に照れくさくなったのかもしれない。
 『わたし』は舞台の端でこっそりとラムネ菓子を口に含む。甘く酸っぱい味が、口の中でしゅわしゅわと溶けていった。儚く消えた恋のような、今日のラムネはそんな味。それを舌先に感じながら、灯は精神を集中させた。星を、手繰る。恋人たちのタイミングを見計らって、風を呼び、水面を揺らし、風で花びらを宙に舞わせて。青と桃色にたなびく夕暮れのなか、幻朧桜の花びらは列をなして朝子の周りとふわふわと周り、袴の裾をくるくると弄ぶ。いたずらな風に慌てふためく朝子。やがて花びらが舞いゆくその先には……。
「ラムネ菓子一個分の時間なら、私にできる事はこのくらい。それでは、祈りましょう。彼女たち二人と、敷島組隊員たちの鎮魂を」
 黒髪に眼鏡の探索者は、客席に呼び掛けて深く一礼。そのまま静かに舞台を降りた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

化野・花鵺
「これはぶちゅーっと行けというやつじゃな?困ったのぅ、妾が行っては喜劇になってしまうぞよ」
狐、舞台袖で考え込んだ

「そうじゃ!おなご殺すにゃ刃物は要らぬ、モフモフと美形があれば良い、じゃ!来い、管狐」
「良いか、ヌシはかーいい無害なモフのふりをして、朝子に媚を売るのじゃ。手を出されたらスリスリしてから一気に首まで駆け上がり頬にスリスリするのじゃ。ヌシは夜一郎に媚を売って足下を擦りまくれ。残りのヌシらは二匹の媚が終わったら集団で朝子の前から夜一郎側へ媚を売りつつ駆け抜けて朝子の視線を夜一郎に自然に向けさせるのじゃ。分かったな?では行け!」
狐、UCで呼び出した管狐に演技指導した

「ふふ、完璧じゃの」



「これはぶちゅーっと行けというやつじゃな? 困ったのぅ、妾が行っては喜劇になってしまうぞよ」
 けたたましい技術開発員を演じきった花鵺は悩んでいた。今回ばかりはあれがでてきてしまっては興ざめだ。
「そうじゃ! おなご殺すにゃ刃物は要らぬ、モフモフと美形があれば良い、じゃ! 来い、管狐」
 良い考えが浮かんだのだろう。ぴこんと耳を立てて管狐を召喚する花鵺。
「良いか、ヌシはかーいい無害なモフのふりをして、朝子に媚を売るのじゃ。手を出されたらスリスリしてから一気に首まで駆け上がり頬にスリスリするのじゃ。ヌシは夜一郎に媚を売って足下を擦りまくれ。残りのヌシらは二匹の媚が終わったら集団で朝子の前から夜一郎側へ媚を売りつつ駆け抜けて朝子の視線を夜一郎に自然に向けさせるのじゃ。分かったな? では行け!」
 詳細な演技指導を管狐に施すと、モフモフたちは了解とばかりに恋人たちに向かって駆けだした。
「あら、あらあら」
「おや? おやおや」
 突如現れた大量の毛玉たちに驚きながらも二人はお互いの姿を認め、目と目が合う。
「ふふ、完璧じゃの」
 思い通りに事が運んでご満悦な花鵺は腰に手を当ててむっふー、とドヤ顔をした。今回は意地悪ばかりした技術開発員だったが、若い二人がまた出会えるならきっとあの人も満足だろう。まあ、本当の開発員があんな人だったかどうかはわからないのだが。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御園・桜花
「…ま、間に合いましたっ」

舞台袖でナレーションのみ
弾んだ息整え
「…それでは皆様、グランドフィナーレでございます」
「帝都の軍の朝と夜、想ひ通ずる恋譚。嘗ての帝都大戦の、影に散った勇士達。想いを果たし転生するのは、彼等自身の願いと、想いを知った皆様の願う奇跡が合わさればこそ。願って下さい、彼らの恋の成就と転生を」
UC「幻朧桜夢枕」使用
影朧達の願いが叶い転生促す縁を得られるよう祈る

終劇後又は幕間
「皆様の想いと熱演が、彼等の善き転生に繋がれば…其れだけです。私達桜の精は、其の為だけに此の地に在るのですもの」
「不死帝のお考え等誰にも分かりませんけれど。グラッジ弾等より此方に御興味が向けばと願うのです…」



「……ま、間に合いましたっ」
 小声でつぶやきながら、舞台の横にふわりと降り立ったのは御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)。桜色のパーラーメイドだった。弾んだ息をしばし整え、まっすぐ客席を見つめる。
「……それでは皆様、グランドフィナーレでございます。帝都の軍の朝と夜、想ひ通ずる恋譚。嘗ての帝都大戦の、影に散った勇士達。想いを果たし転生するのは、彼等自身の願いと、想いを知った皆様の願う奇跡が合わさればこそ。願って下さい、彼らの恋の成就と転生を!」
 桜花のユーベルコード、幻朧桜夢枕は【幻で最後の望みを叶えて対象者を救いたい】という願いを【その場にいる全ての人々】に呼びかけ、「賛同人数÷願いの荒唐無稽さ」の度合いに応じた範囲で実現する。そこにいる全員が影朧達の願いが叶い転生促す縁を得られるよう祈った。桜の花びらが、抱き合う恋人たちの周りを渦巻き、その魂を救っていく。
「皆様の想いと熱演が、彼等の善き転生に繋がれば……其れだけです。私達桜の精は、其の為だけに此の地に在るのですもの」
 恋人たちは姿を薄れさせながら、桜の嵐の中そっと口づける。
「不死帝のお考え等誰にも分かりませんけれど。グラッジ弾等より此方に御興味が向けばと願うのです……」
 桜花はそんな情景を見上げ、目を閉じる。
『夜一郎!』
『朝子!』
 お互いの名を呼ぶ声を最後に、二人の恋人たちは天に昇って行った。
ーーーーーーー
 通俗・旧帝都軍ノ朝ト夜、想ヒ通ズル恋譚。これにて一巻の終わりでございます。皆さま、恋人たちの魂に、彼らを救うために尽力した猟兵たちに、もういちど盛大な拍手を!!

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年08月12日


挿絵イラスト