●狂えるものの到来
地底都市、とある屋敷。
神殿めいた造りの中、1人の少女が天井を……否、地上を見上げた。
「……来る」
少女を護るように寄り添う巨人が、その手に少女を乗せた。
「私達の領域を侵さんとするものが、来る」
頭部のない巨人が、少女に答える事はない。
ただ、その力をもって、少女の望みを叶えるだけだ。
「私達の聖域を侵すもの。愚かな簒奪者に神聖なる死を……」
少女と巨人。刻まれた紋章が、不浄なる光を放つ……。
●死の迷宮を乗り越えて
タビタビ・マタタビ(猫勇者一歩手前・f10770)は、背後にダークセイヴァーの陰鬱な景色を浮かび上がらせた。
「ダークセイヴァーには、『異端の神々』がオブリビオンに乗り移った『狂えるオブリビオン』がいるのは知ってる? その一体が、地底都市に入り込んじゃうみたいなんだ」
狂えるオブリビオン・『異端の聖龍姫』 の目的は、地底都市にいる『第五の貴族』の肉体を奪う事。
「寄生型オブリビオンである『紋章』を使う第五の貴族は、強力だよ。もしも狂えるオブリビオンに取り込まれちゃったら、倒すのはとんでもなく大変になっちゃう」
だが、第五の貴族の側も、狂えるオブリビオンの侵入に対し、地底都市に通じる『死の罠の迷宮』を作動。罠によって打ち滅ぼそうとしている。
「直接戦うと、狂えるオブリビオンに憑依されちゃうからね。でもボクの予知だと、狂えるオブリビオンが迷宮を突破して、第五の貴族と戦うことになるんだ」
勝者は、第五の貴族。
しかし、狂えるオブリビオンは死の間際、第五の貴族に憑依してしまうと言うのだ。
「この未来を変えるために、第五の貴族『土地神『アウルゥム』と半魔神官『カナヤ』』 を倒して欲しいんだ。それと、狂えるオブリビオンの方も退治してくれると嬉しい!」
そのためには、まず、死の罠の迷宮を突破しなければならない。
罠として、あちこちに雷が降り注ぐポイントが設置されている。
加えて、アウルゥムの小型分身体が、多数迷宮に放たれていて、雷ポイントに追い込もうと群がって来る。
「雷を避けたり耐えたりする方法だったり、小型アウルゥムから逃げる方法だったりを用意しないと大変だと思う!」
なんとか迷宮最深部に到達すれば、第五の貴族が待ち受けている。
土地神アウルゥムと半魔神官カナヤ。敵には、切り札がある。
「敵は『不撓不屈の紋章』っていう寄生型オブリビオンの力をまとっていて、すごい防御力を発揮するんだ」
だが、タビタビは助言する。
アウルゥムとカナヤ、2人を同時に攻撃する方法があれば、守りを発揮させず、ダメージを与えることが出来るのだと。
第五の貴族を倒せば、迷宮を突破してきた狂えるオブリビオンと戦う事になる。
「強敵との連戦だけど、みんななら大丈夫! あ、でも、雷には気を付けてね!」
ぷるり。
激しい雷鳴と雷光を思い浮かべたのか……タビタビは、小さく震えるのを隠しつつ、猟兵達を鼓舞したのだった。
七尾マサムネ
●一章
死の罠の迷宮を突破します。
あちこちに雷発生ポイントがあるほか、小型オブリビオンである小アウルゥムの群れが、猟兵をポイントに追い立てます。何とかこの2つをかわして、先に進みましょう。
●二章
第五の貴族と対決します。二身一体の土地神アウルゥムと半魔神官カナヤが相手です。
特殊な寄生型オブリビオン『不撓不屈の紋章』を宿して防御力がアップしていますが、「2人を同時に攻撃する」事が出来れば、ダメージを与えることが出来ます(プレイングボーナスがつきます)
●三章
狂えるオブリビオン『異端の聖龍姫』との決戦です。
これまた強力ですが、迷宮を無理矢理突破してきたので、傷ついています。
そのため、傷ついた箇所を見つけ、狙うようなプレイングが有利となります(プレイングボーナスがつきます)
それでは、皆様のご参加、お待ちしております!
第1章 冒険
『死の罠の迷宮』
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POW : 防御力を活かし、強引に罠を突破する
SPD : 罠を解除しながら迷宮を踏破する
WIZ : 迷宮の隠し通路や仕掛けを暴く
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
第五の貴族住まいし地底に続く、死の迷宮。
迷いの宮の名に恥じぬ、複雑なる道行は、静謐な神聖さに満ちていた。
ともすれば、聖なる加護と錯覚してしまいかねない。
だが、この神聖さは、まがいもの。偽の神のもたらす禍こそが、正体。
時折響く雷鳴。
それこそが、迷宮に施されし死の罠。侵入者を焼き尽くす、裁きの光。
天井から、壁から、あるいは床から。不意を打つ雷が、迷宮のあちらこちらで瞬く。
そして死の罠は、簡単に侵入者を逃さない。
『侵入者ニ、死ヲ』
『我等ガ座所ヨリ、去レ』
曲がり角。
天井。そして壁の裏。
全高50センチに満たぬ、小さき人型。土地神アウルゥムより生み出されし、流体金属の分身体が、侵入者を見つめている。
愚かなる外敵を、神の雷へと誘うために。
御堂・伽藍
アドリブ、即席連携歓迎
〚気を合わせる〛母様の教え…
とおりゃんせ、とおりゃんせ…
先制UC発動
雷属性を攻撃、防御に付与
地形(罠)を利用して雷の魔力を増幅
そのままするすると進行
偵察や第六感等を駆使し、出口を目指す
路を阻まれるのであれば3つの「しん」や「すてぜに」を念動力で扱い雷属性を纏わせ範囲二回攻撃
後発の援護射撃として敵の罠を可能な限り破壊して進む
窮地の仲間は積極的にかばい援護射撃
ぜんぶ、おなじ
まぜて、すすむ
電に雷は効かぬ
是則ち道理なり
いきはよいよいかえりはこわい
こわくなくてもとおりゃんせ
とおりゃんせ…
昏きこの地は、死に至る道。
第五の貴族が用意した、不帰の迷宮。
行くも帰るも、無事では済まぬ。
「とおりゃんせ、とおりゃんせ……」
御堂・伽藍(がらんどう・f33020)は、死の罠の迷宮を、進む。
闇の気配と迷い路。歪んだ通路が方向感覚を狂わせ、何処からか響く雷鳴が、迷い人に引導を渡す。
そう、ここは闇の領域であると同時に、雷の支配地でもあるのだ。
「『気を合わせる』母様の教え……」
伽藍が、六腕を掲げると、十二の魔力が浮かび上がった。相反するもの、相乗するもの。
十二の属性が、伽藍を護る。
虚空の浮かぶ円環の中、ひときわ強く輝くは、雷の魔力。その時、天より閃く雷光。
魔に堕ちた神の裁きは、しかし、伽藍を引き裂くことはない。
由来は違えど、雷と雷。融け合う二つの力は、伽藍を撫でるように落ち、床を駆け抜け霧散する。
「ぜんぶ、おなじ。まぜて、すすむ。電に雷は効かぬ。是則ち道理なり」
するするり。
罠がなければ、ただの迷い路。伽藍は、複雑を抜け、出口を目指す。
しかし神の罠は、なおも伽藍に手を伸ばす。
『異ナリ、異ナリ通』
『汝ノ道ハ、此方ニ非ズ』
床より這い出たのは、スライム……ではなく、流体金属。
蠢くその姿は、力の源泉たるアウルゥムに似た、機械人形のそれに成る。
違うと言われても、まかり通らねばならぬ。
びょうしん、ふんしん、じしん。伽藍の念動力が操るみっつの『しん』が、道を切り拓く。
いずれもどこかが欠けた刃は、小さき首なし神を、まとめて突き、刺し、切り払う。
神とはいえ、所詮は分身。伽藍の雷をまとわせた『しん』の前には、守護者の任は不足。
三つの針が、行くべき道を指し示す。とどめとばかり投じたすてぜにが、偽りの神の体を砕く。
力を失った神の欠片は、どろり溶けて、地に沈む。
伽藍の進撃が蹴散らすは、小神のみならず。
振るった刃が、床や天井に仕込まれた、雷の源を破壊する。雷をもたらす刻印が機能を失うと、雷鳴は止み、光は絶えて陰鬱が周囲に満ちる。
神の罠を乗り越え進む、伽藍。
その唇が、言の葉を紡ぐ。
「いきはよいよいかえりはこわい。こわくなくてもとおりゃんせ」
とおりゃんせ……。
成功
🔵🔵🔴
御剣・刀也
POW行動
死の罠?大いに結構
そんのもんで俺が止められると思うな
俺を止めたいならこんなもんじゃなくて、魂の籠った一撃を持ってきな
第六感で罠の発動を感じとり、勇気ではまることを恐れず、ダッシュで発動前に一気に駆け抜けてやり過ごす
鉄球が転がってきたり、天井が落ちてくるタイプだったらグラップルで殴り砕いて進む
「はー。こんなもんか。ま、罠に期待なんかしてなかったけどな」
第五の貴族の迷宮を、雷が走る。
光と轟音が、暗鬱な迷路を照らし、あるいは反響する。
雷を呼び起こしているのは、侵入者……御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)だ。
しかし、発動する雷の罠はどれも、刀也を憐れな犠牲者へと導く事は、叶わない。
「死の罠? 大いに結構。けど、そんなもんで俺が止められると思うな」
天から地から、或いは横……壁から。三次元的罠を、縦横無尽にかわす刀也。
無機的な罠ゆえ、気配を読むことはできない。
だが、雷という現象が発生する以上、それを感知する事は出来る。という事はすなわち、かわせる、という事だ。
とは言え、発雷の予兆を掴み、回避を成功させられるのも、刀也の第六感と、それを行動に移せる果断さがあってこそだ。
「俺を止めたいならこんなもんじゃなくて、魂の籠った一撃を持ってきな」
どこかで迷宮の様子を覗き見ているであろう、第五の貴族に投げかけるように、言葉を発する刀也。
「ったく、修行にもならないぜ」
不敵に笑う刀也は、今までとは異なる音を聞きつけた。
ちょうど、何か硬い物が転がって来るような……。
「まさかトラップの鉄球……じゃない!?」
刀也の行く手、通路の向こうから転がって来たのは、小型アウルゥム達だった。身体を丸めて、自身を鉄球に見立てている。
『行カセヌ』
『行カセヌゾ』
首なき神が、いかにして声を発しているのか。
警句を発する疑似鉄球にも、刀也は臆する事はなかった。
「神の分身か。少しは楽しませてくれ……よっ!」
にぃ、と笑って、正面から受け止める。球の回転力は、刀也の体を押し込み、背後の雷の罠へと追い込まんとする。
そして、獲物を察知し、ほとばしる雷光。
だが、裁きが引き裂いたのは、刀也の残像。雷は、あろう事か、小型アウルゥムを直撃。
その隙に背後に回っていた刀也が、敵を蹴り飛ばし、他の小神達ごと罠へと追いやる。
『!!!』
まとめて雷の供物とされた神の群れは、あえなくその機能を停止。流体金属へと溶けて、床に沈んでいく。
「はー。こんなもんか。ま、罠に期待なんかしてなかったけどな」
軽やかな足取りで、先を急ぐ刀也。
どうやら神の罠も、武人の魂を震わせるには程遠かったようだ。
大成功
🔵🔵🔵
木元・杏
地底都市に第五貴族、狂えるオブリビオン
オブリビオン同士で身体を乗っ取り合う?
…ダークセイヴァーは、世界は、そしてオブリビオンはまだまだ判らない事が多い
でも、一つずつ進んでいこう
【あたたかな光】
オーラで身を包み雷対策
歩く足元にもオーラで拠点防御を施しながら前に進む
防御を破り来る雷は大剣にした灯る陽光で武器受け
環境耐性で雷にも少し慣れておこう
分かれ道は第六感を頼りに進んで
…んむ、視線を感じる
きっとこれはタビタビの言ってた、小型アウルゥム
大剣を構え
ん、真正面から突破する
怪力でぶんと大剣を振り、小型アウルゥムを寄せ付けず、薙ぎ払いながらその場を逃げるように勢いよく駆け抜ける
出口までには蹴散らせよう
木元・祭莉
むー、アンちゃん、ドコ行ったのかなあ?(まいご)
わ、あちこちで雷がピカピカしてる。
あと、なんかちんまいのがウロウロしてるね。
うーん。(考えてる)
雷は、金属が好き。
そっか。それなら!
出でよ、メカたまこー!(コケコケ105体)
雷ポイントに先行突撃、ちんまいのを迎え撃てー!
雷とちんまいのはたまこズに任せて、おいらはダッシュでポイントを抜けてくよ!
毛布を被ってオーラと結界で頭を守り、野生の勘で駆け抜ける!(もそもそ)
アンちゃん、どこー!?
駆け抜けた後、ちらっと後ろを振り返ると。
まだピカドンとコケコケがぶつかり合ってた……
ま、たまこたちは、焦げてもだいじょぶだよね、きっと!(目を逸らす)
●
第五の貴族と、狂えるオブリビオン。
オブリビオンがオブリビオンを狙う……木元・杏(シャー・オブ・グローリー・f16565)は、首をかしげていた。
「どっちもオブリビオン、なのに。方向性の違い?」
そして、未だ謎の多い地底都市。ダークセイヴァーは、世界は、そしてオブリビオ ンはまだまだ判らない事に満ちている。
けれど、1つずつでも解き明かしていけば、必ず人々を闇から解き放つことが出来る、はず。
杏は、一歩一歩、迷宮を進んでいく。
一方その頃。
迷宮の別の場所では、迷子が発生していた。
「むー、アンちゃん、ドコ行ったのかなあ?」
木元・祭莉(マイペースぶらざー・f16554)は、右往左往。
迷宮を用意した第五の貴族にとっては、願ったりかなったりであろう。猟兵というのは、どんな困難を用意しても突破してしまうものだから。
「……はっ」
顔を上げる杏。
ゴロゴロと雷鳴が聞こえてくる。音の正体こそ、四方八方、どこから飛んでくるかわからぬ、死の罠だ。
安心安全な迷宮探索を目指して。杏は、全身をふわりとあたたかなオーラで包みこんだ。
そう、全身である。足元にもきっちり守りを施して、万が一にも備える。
ぴかり、と視界が光に包まれる。雷の襲来だ。
しかし、悪意に満ちた非・自然現象は、杏には届かない。オーラに完全にシャットアウトされた雷は、静電気以下の存在となって、ぱちりと音を立てて消えた。
祭莉も、いつまでも敵の掌の上で弄ばれているつもりはない。何とか活路を見出して……。
ピカッ!
「わわ!」
祭莉の視界の端が、一瞬白く染まる。
雷光だ。唸り声のような雷鳴も、ほとんど同時に聞こえてくる。
そして視界と言えば、あちこちでうろちょろしている小さな影。頭部もないのに律儀に侵入者を探しているのは、小型アウルゥム、第五の貴族の分身である。
雷も分身も、こちらが迂闊に動けば、アウト。祭莉は、うーん、と腕組み&首傾げ、シンキングタイム。
「うーん……雷は、金属が好き……そっか。それなら!」
雷と、祭莉のアイディアの閃きは、ほぼ同時だった。
「出でよ、メカたまこー!」
『コケコケー!!』
呼ばれて飛び出たメカニワトリ、その数ざっと105体。
「いけー! ちんまいのを迎え撃てー!」
『コケー!』
突撃して来る侵入者に、小型アウルゥムも対応した。だが、
『!!』
侵入者を追い立てるはずが、反対に追い立てられる。
そして向かった先は、雷の罠。オブリビオンにも容赦はしない神の罠は、小型アウルゥムにも落下した。
という訳で、そちらはたまこズに任せて。
祭莉は、ダッシュで迷宮を駆け抜ける。足の速さには自信があるが、念には念を。
毛布をかぶり、特に頭は、オーラと結界で厳重に防御。後は、野生の勘に身を任せて、ひたすら迷路を突き進む。
罠が祭莉を感知する。が、走った雷は、金属……すなわちメカたまこの方に吸い寄せられていくのだった。
●
迷い路同様、雷が降って来る法則性は、まるでデタラメ。
けれど、光が発するわずかな前兆を、杏はとらえる事ができるようになっていく。
そうなれば、こんな事もできる。
ぶん、と振った『灯る陽光』が、雷を打ち返す。クリーンヒット。
反射された雷は回れ右して、杏の斜め上方、天井を粉砕した。
「……我ながら見事なホームラン」
こくり。
満足げに雷を見送った杏は、ふと、足を止めた。
「……んむ、視線的なものを感じる」
錯覚、ではない。その証拠に、視線の主が姿を現した。小さなロボットめいた何か。
「きっとこれはタビタビの言ってた、小型アウルゥム」
『引キ返セ』
『汝ノ進ムベキ道ハ、死』
一体どこから声を発しているのか。
首なしの小神達は、杏に警告を発しながら、じりり、と包囲を始めた。
対する杏は、大剣を構え、真正面から突破にかかった。
先ほど同様、怪力によって振り回された大剣が、小型アウルゥム達を弾き飛ばす。群がる敵を、一切寄せ付けないそのパワー。
『待テ』
『待』
最後まで言わせない。
金属がひしゃげる音と共に、切り拓いた道を駆け抜ける杏。
慌てて発生する雷も、杏の速さに追いつけず、ただ迷宮を傷つけるのみであった。
「アンちゃん、どこー!?」
毛布をかぶった祭莉が、杏を探す。その姿は、いつの間にやらブギーモンスターのよう。
悲鳴が聞こえて背後を振り返ると、メカたまこが、雷を食らってびりびりしていた。
『コケコケーッ!?』
「……ま」
目をそらす祭莉。
「たまこたちなら、焦げてもだいじょぶだよね、きっと! ……あ、アンちゃん! いたー!」
「!?!?」
とっとこ毛布オバケが、杏へと駆け寄った。
「ドチラサマデスカ!?」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『土地神『アウルゥム』と半魔神官『カナヤ』』
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POW : 神は此処に在り。地に墜ちよ、血を捧げよ
自身が装備する【金属を司る神の覇気】が形成する【重力結界】から【高威力の重力波】と【地面から無数の金属刃】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【飛行及び高速移動不能、体内侵入した金属毒】の状態異常を与える。
SPD : 我が血を捧ぐ。封印解除・血統極限覚醒
自身の【神とヴァンパイアの力を封じる神官のケープ】を捨て【全技能が「100レベル」の魔神と魔人】に変身する。防御力10倍と欠損部位再生力を得るが、太陽光でダメージを受ける。
WIZ : 征け、下僕達。メタリック・ゴッド・クリエイション
レベル×1体の【自身に隷属する精霊や死霊を宿す金属の下僕】を召喚する。[自身に隷属する精霊や死霊を宿す金属の下僕]は【破壊されれば再召喚】され【金属+あらゆる】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
イラスト:タヌギモ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ルパート・ブラックスミス」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
終着点は、門の形をしていた。
狼やコウモリ、そして竜……様々な動物を掛け合わせたような、魔獣の顔が刻まれたこの場所こそ、迷宮の深部だ。
そして、門の前。
声と影が、猟兵達を迎えた。
「狂える獣……ではない?」
禍々しき迷宮にはそぐわぬ、か弱くも美しき声。
声の主こそ、第五の貴族。神官カナヤ。
「いいえ。誰であろうと、私達の『平穏』を乱すものは排除する。……アウルゥム」
カナヤの命に応え、その背後に流体金属が集合していく。
迷宮じゅうに散らばっていた小さき神は、今、本来の姿……白き装甲の堕神・アウルゥムとして顕現した。
すると、カナヤの額とアウルゥムの胸。両者の体に、紋様が浮かび上がる。
脈動するそれこそ、第五の貴族の権能。寄生型オブリビオン……紋章と称されるもの。
そしてこの敵が使役するは、『不撓不屈の紋章』。守り、傷ついてもなお立ち上がる力。
「私達は不滅。この力を以て、神罰を下す」
『受ケヨ、裁キヲ』
加護は、鮮血の如き赤きオーラとなって、2人を包む。
この守りを破る方法は、2つに分かたれた紋章を、一度に攻撃する事。
すなわち、カナヤと、アウルゥム。両者を、同時に攻撃する事だ。
御剣・刀也
何処にいるのかもよくわからんが、これだけの力があるんだ。下手な小細工はしてないだろう
正中線の真芯、ここに全賭けだ
ふふふ。部の悪い賭けは嫌いじゃない。さぁ、いざ勝負!
神は此処に在り。地に墜ちよ、血を捧げよは重力攻撃と地表からの攻撃なので、第六感で起こりを感じとり、高速移動のダッシュを封じられても見切りで最短距離を導きだし、痛みと負傷を勇気と覇気で捩じ伏せ、懐に飛び込み捨て身の一撃で斬り捨てる
「いやはや、重力を使うとは。中々に面白かったぜ。またどっかで会えたらやろう」
敵の紋章の正体は、寄生型オブリビオン。
ならば、その位置が分かれば、御剣・刀也には、瞬時に討ち取る自信があった。
しかし、肝心の位置は秘されている。加えて、カナヤとアウルゥムを同時に討たねばならぬと来ている。
それは、主たる神官と、しもべたる神が力を共有しているからだが、結果として『弱点を分散する』という厄介なメリットを獲得していた。
刀也は、黙して敵を見据える。
相手は武人ではない。だが、堕ちたるといえども、神と神官。下手な小細工はしないだろうと、刀也は読んだ。
ならば……。
(「正中線の真芯、ここに全賭けだ」)
『獅子吼』を抜き、構える。
「……何が可笑しいの」
カナヤに指摘され、刀也は、無意識に笑みを浮かべていた事を自覚した。
もっとも、何も恥じるところはないし、自分らしい反応だと思う。だから、
「ふふふ。分の悪い賭けは嫌いじゃない。さぁ、いざ勝負!」
残像をその場に置いて、切りかかる刀也。
対するアウルゥムも、動いた。
正確には、アウルゥムが纏う覇気が、迷宮の淀んだ空気を動かした。
景色が、歪む。
元凶は、アウルゥムを中心に発生した重力波。
だが、刀也を襲う脅威は、それだけではなかった。
床から連続して発生する、金属の刃。歯向かうものを逃さぬ二段構え。これが神威というものか。
だが、超常の由来が何であろうと、生じてしまえばただの現象だ。刀也は刃の起こりを読み取って、疾走。串刺しの運命から脱した。
そんな刀也の加速を封じるべく、アウルゥムが手のひらを赤熱化させた。
発せられる重力波が、刀也の速力を減衰させる。それでも身を捻り、刃を回避。
それでも、全てを交わす事は叶わない。幾筋かの緋線が、刀也に刻まれる。
刀也も人の子だ。痛覚は人並みにある。そして、受けた刀傷も幻ではない。
それでも刀也は、勇気と覇気で痛みと出血をねじ伏せ、渾身の一刀を繰り出す!
「な……」
カナヤが、赤瞳を開く。
刀也が振るったのは、ただ一太刀。
しかしそれは、カナヤとアウルゥム、二者を同時に切り下ろしていた。そうなるように剣閃を披露したのだから、当然である。
「いやはや、重力を使うとは。中々に面白かったぜ。またどっかで会えたらやろう」
「おのれ……」
守りを破られたアウルゥムが片膝をつき、活力を共有するカナヤもまた、苦悶の表情を浮かべるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
納花・ピンチン(サポート)
ブギーモンスターの勇者×殺人鬼
布を被ってから7年が経ちましたわ
普段はお嬢様口調で、時々関西弁がちょこっと
……って、勉強中なんですわ!
あくまでお仕置きをしに来ているから
あまり殺伐とした戦い方はしませんわ
武器も直前で刃を返して叩いたり
その光景はギャグになることが多いですわ
商人街出身、お話しや交渉なんかも好きです
小さなスイーツや飴ちゃんを渡して一緒に食べると
色々話してくれるんですわ
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し
多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また例え依頼の成功の為でも
公序良俗に反する行動はしません
あとはおまかせ
ほないっちょ、よろしくおねがいします
迷宮の新たな『侵入者『として。
納花・ピンチン(ブギーモンスターの勇者・f31878)は、神とその神官の前に、立ちはだかった。
「元は神様とその神官さん、悪い事をしたらいけませんわ。まして第五の貴族だなんて」
「お化けが私達に説教だなんて、おかしな話」
半魔神官カナヤが、その白磁の美貌に、薄い笑みを浮かべた。
主人が不服とする相手には、神罰を。白き巨躯に緋色の紋様。首なし巨人・アウルゥムが、右腕をピンチンに振り下ろす。
「神様を鎮めるのが、神官様のお役目でしょう。ちょっぴり痛いかも知れませんが……堪忍してな!」
アウルゥムに立ち向かうピンチン。
えいやっ、と力をこめて『叩きつけた』勇者の剣は、しかし、反対に跳ね返される。
「あら?」
よく見れば、アウルゥムの装甲は、赤いオーラにコーティングされている。
グリモア猟兵から聞いた、寄生型オブリビオン……すなわち紋章の力で、防御がアップしているのだ。破る方法は、カナヤとアウルゥムを同時に攻撃する事。
アウルゥムの腕や足、シンプルな打撃から逃れながら、チャンスをうかがうピンチン。
強固な守りといえど、ダメージを全くのゼロにしてしまうわけではないらしい。
その証拠に、先ほどの攻撃が、アウルゥムの装甲にわずかながら、擦過傷を刻んでいる。
「頑張ればなんとかできるもんですわ!」
「神の威光の前は全てが無意味、それを教えてあげる」
アウルゥムの掌から降りたカナヤが、ケープを脱ぎ捨てる。
内より現れたのは、禍々しくも美しき魔人。
そして、アウルゥムも呼応して、神から魔神へと増力を遂げる。
吹き付ける邪気に、さしものピンチンも、知恵の布の奥でおののく。
……と見せかけて。
「脱ぎ芸ならアタシも十八番ですのよ!」
美しき魔神の視界を、知恵の布が覆い隠す。
それを払いのけた先、出現していたのは、ピンチン、その変貌であった。
女性のボディラインをしかと残したカナヤに対し、ピンチンの解放は、異形の鹿。
おぞましき魔獣と魔神が、地底都市との境界、門前にてぶつかり合う。
理性を失い暴れ狂う、ピンチン。
ねじくれた角が、魔人カナヤを払いのけ、魔神アウルゥムさえもひるませる。
そして。
「神に仇なすとは……」
繰り出された肉の槍が、遂に、神なる肉体を傷つける。
突如伸長した槍は、その柄と切っ先で、アウルゥムとカナヤを同時に突いていたのである。
成功
🔵🔵🔴
木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と合流して
…
……(二度見)
マツリンサンデスネ?(確認)
ん。2人揃えば怖いもの知らず
カナヤ、アウルゥム、あなた達に負けない
まつりん(姿を見てこくんと頷き)
【Shall we Dance?】
ふわりとリボンを泳がせ、うさみん☆が舞うは岩戸神楽
ご存知ではない?これはわたし達の世界(サムエン)で伝わる神寄せの舞
不滅?それはあなた達が光を見た事がないから
どんな闇も、光には敵わない
そう、わたしの「光」はとびっきりの向日葵(たいよう)!
まつりんの攻撃に合わせてわたしもダッシュ
灯る陽光を幅広の大剣に象りぶんと振り上げ、カナヤとアウルゥム双方の紋章へ同時に攻撃を叩きつける
木元・祭莉
アンちゃん(f16565)と!
ヤア!
まつりンお兄ちゃんだよう?(ばあ)
違うよ、おいらはコッチだってー!
と、毛布は片付けてと。
なんだっけ、ふぎゃーふくつに同時だっけ?
ふへへ、生まれる前から一緒なおいらたちの一蓮托生には叶うまいよ!(カッコつけ)
うさみん☆の舞踊りに拳振りながら、アンちゃんと一緒に接近。
カモン、ゆらゆらヒマワリ! とゆべこも発動。
うさみん☆とヒマワリ、おいらとアンちゃんのコンビが二組、爆誕だー!
ヒマワリが神官持ち上げて、地上まで引きずり下ろしたトコで。
行くよ、と息を合わせ。
アウルゥム、カナヤに、連打拳を浴びせる!
刀と護拳が紋章を交互に叩いて。
ほら、ハモってるよ!
迷宮に仕掛けられた罠と、悪戯な小神達を振り切って。
木元・祭莉と木元・杏は、無事合流を果たした……。
「ヤア!」
果たした……。
「……。……?」
杏、二度見。
「ほうら、まつりンお兄ちゃんだよう?」
ばあ。
…………。
「……マツリンサンデスネ?」
「そう! ……って、違うよ、おいらはコッチだってー!」
戦っていた別のブギーモンスター猟兵さんの方を向く杏に、祭莉は、毛布を脱いで訴えた。
「聖域を穢すもの達。『狂えるもの』でなくとも、浄化する」
ぞわり、と、怖気さえ抱かせて。
神官カナヤの冷徹な眼差しが、杏達を射抜く。
カナヤを大事そうに掌に載せるのは、土地神アウルゥム。
すると、両者の全身を、禍々しいオーラが包み込む。それぞれの体で脈動する紋章こそが、その力の源だ。
「なんだっけ、ふぎゃーふくつに同時だっけ?」
こてっ、と首を傾げる祭莉の言葉を、しかし、カナヤは訂正してくれない。
「ふへへ、でもでも、生まれる前から一緒なおいらたちの一蓮托生には叶うまいよ!」
「ん。2人揃えば怖いもの知らず」
びしっ、と見栄を切った祭莉達に、波動が吹き付けた。
アウルゥムの空いた掌から放たれた重力波が、祭莉をその場に押しとどめる。
「う、動きづらいー……」
それだけではない。迷宮の床が、軋む音を立てたかと思うと、刃を発生させたのだ。
金属を操るのがアウルゥムの権能。生み出された凶器は、祭莉を串刺しの刑にせんと、迫り来る。
だが、その速度が突然、鈍った。迷宮に響く、音楽と共に。
「おっ、うさみん☆!」
「カナヤ、アウルゥム、あなた達に負けない」
音楽とダンスを披露したのは、杏の傍ら、うさみみメイドさん。
ふわりとリボンを泳がせ、うさみん☆が舞うは異界の踊り……岩戸神楽。
いぶかしげに、その様子をうかがうカナヤ。『主人』の意志を汲み取ったアウルゥムもまた、静止したままだ。
「ご存知ではない? これはわたし達の世界で伝わる神寄せの舞」
「神……けれど、アウルゥムに奉じるには不足。さあ、裁きを」
頭部とともに理性を失った堕神が、杏へと破壊の手を伸ばす。
しかしその動きは、実に緩慢だった。まるで、水の中をかき分けるような。
この場に満ち溢れるのは、法則だ。すなわち、うさみん☆のダンス空間。
「ならば」
カナヤは、自らを包んでいたケープを脱ぎ捨てる。
膨れ上がる魔力と狂気。そのはかなげな姿が、悪魔的に変貌を遂げ、アウルゥムもまた呼応して、全身にねじくれた角を生やす。
魔人と魔神。人と神、それぞれの枠を超えた存在が、杏達の前に顕現したのだ。
ただ単に、禍々しき容姿を誇示するために変化したわけではない。魔の力は、うさみん☆のダンス空間に抗うのではなく、更なる防御の強化をもって対抗策とした。
「私達は不滅。どのような存在であろうとも、滅ぼされはしない」
「不滅? それはあなた達が光を見た事がないから。どんな闇も、光には敵わない」
不浄の気を浴びても、なお、杏の瞳から強い意思が消える事はない。
それどころか、祭莉を映した金色の瞳は、より強く輝く。
「そう、わたしの『光』はとびっきりの向日葵(たいよう)!」
光の主……祭莉は、舞い踊るうさみん☆のリズムに、身も心も委ねる。
そして祭莉は、拳を振りながら、杏とともに、2体へと接近。
「カモン、ゆらゆらヒマワリ!」
アウルゥムの作り出した、刃の列を押しのけて。
床から次々開花したのは、まごうことなきヒマワリであった。
すくすくと成長した花々は、風もないのにゆらゆらと揺れた。そのリズムは、うさみん☆の舞いに合わせて。バックダンサーのよう。
「どうだー! うさみん☆とヒマワリ、おいらとアンちゃんのコンビが二組、爆誕だー!」
戦いの場らしからぬ光景に、カナヤがどう対応すべきか逡巡した隙に、祭莉のヒマワリが、その体を持ち上げた。
すかさず、アウルゥムが取り戻そうと手を伸ばすが、他のヒマワリの葉や茎が、邪魔をする。
「ようこそー♪」
「く……」
地上まで引きずり下ろされたカナヤに、にぱっ、と祭莉が笑みを見せる。
が、すぐに、きりりと表情を引き締める。兄の、戦士の顔つきへと。
一番の武器である拳を、ぐっ、と固めて、
「行くよ」
「まつりん」
こくん。祭莉に頷き返す杏。そして、兄の後を追って、疾走。
『灯る陽光』は、使い手の気持ちをくみ取ってくれる、良い武器だ。
今も、自然と幅広の大剣を象り、主に力を与える。杏もまた、使い手として応えるべく、剣を、ぶんと振り上げる。
杏の剣と、祭莉の連打の開始は、全くの同時。
杏達の攻撃は、カナヤとアウルゥム、双方の紋章へ叩きつけられた。
「!!」
『!!』
刀と護拳が、紋章を交互に叩く。
その打撃音は、自然と1つのリズムを奏で出す。
「ほらほら、ハモってるよ!」
祭莉が、渾身の一打を繰り出し。
杏が、大剣を振り下ろす。
二体の紋章、すなわち寄生体が、『悲鳴』を上げて、割り砕かれる。
遂に2人の力は神と神官に届き、不滅の体を打ち破る……!
「ありえない……私達が滅びるなんて……」
『オオォ……』
自分達に降りかかった運命を、最期まで受け入れる事が出来ぬまま。
カナヤは、アウルゥムと共に、地底都市とは異なる……より深き闇の中へと沈んでいったのだった。
だが、オブリビオンの脅威は、まだ去ってはいない。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『異端の聖龍姫』
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POW : サクリファイステイルズ
自身の【霊力が宿った己の尻尾】を代償に、【召喚した巨大な雷神】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【全てを貫き破壊する雷】で戦う。
SPD : トリニティライド
自身の身長の2倍の【凄まじき雷を纏った精霊と大地を揺らす龍神】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ : ブレイドダンサー
自身の装備武器を無数の【雷を纏った鋭い刃】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
イラスト:綾智
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠セシリー・アリッサム」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
グオォン……。
第五の貴族が討ち果たされた迷宮に、龍の唸り声が響く。
「第五の貴族、その存在、貰い受けに参った……が、遅かったと見える」
声の主は、猟兵達の背後、暗闇から姿を現す。
迷宮を突破してきた『狂えるオブリビオン』。龍を従えし、人狼姫。だが、その瞳から、理性を感じ取る事は叶わない。
「嗚呼、嘆かわしや。我が獲物、既に狩られた後とは」
狂える聖龍姫の唇より漏れ出る声は、実に麗しい。
だが、その言葉は一方通行。会話は成り立たず、ただただ吐き出されるのみ。
「嗚呼、せめて。この無念、汝らの命を以て晴らさせてはもらえぬか」
ばちり。
聖龍姫が掲げた杖が、雷の精霊を呼び起こす。
戦いの気配を感じ取り、使役する竜も首をもたげる。
その威圧感は、第五の貴族にも匹敵……いや、凌駕するかもしれぬ。
迷宮を、ほぼ無傷でくぐり抜けて来たのは、同じ雷を操るがゆえか。
だが、迷宮の罠は、狂えるオブリビオンを殺す為のもの。無事であるはずがない。
目を凝らせば、気づけるはずだ。
その狼の耳、そして青き杖の宝玉に、それぞれ小さな傷がある事に。
不滅を謳う神達さえも滅した猟兵だ。この弱点を突くことが出来れば、狂えるオブリビオンを討つ事は、十二分に可能なはずである。
火守・かこ(サポート)
被虐と加虐を愛する道化師
痛みを存分に味わう(味合わせる)のを生き甲斐にしており、それらを存分に楽しめるであろう強敵との戦いに強い興味を示します
一人称は俺。
「〜だぜ、〜だな?」などの男勝りな口調がデフォですが、奇術を操る時に限って「〜です☆、〜ですね☆?」といった丁寧口調ながら戯けたような感じに変化します(ショーを意識してるような感じ)
UCは指定のものを自由に使ってください
猪突猛進な性格なため、探索や戦闘を問わず、考えるより先に行動するタイプです
思いついたことを行き当たりばったりで試し、それで成功するなら良し、失敗しても何とかなる、くらいの軽いノリ
特にNGはありませんのでよろしくお願いします
可憐なその身に、狂気を秘めて。
倒された『第五の貴族』の代わりとばかり、猟兵を食い尽くさんとする聖龍姫の前に、舞い踊る猟兵が1人。
妖狐の道化師……火守・かこ(妖狐の魔女・f15141)。
ダンス、というより曲芸だ。むしろ踊って欲しいのはオブリビオンの方。投じたナイフできりきり舞いしてくれれば御の字。
だが。
聖龍姫は、くふふ、と笑ってかわすだけで、まるで堪えた様子はない。
「ちっ、つれねえ奴だな。その綺麗な声で悲鳴を上げてくれたら、鳥肌もんだろうによ」
聖杖でナイフをはじき返す竜姫に、かこは舌打ち1つ。
とはいえ、オブリビオンの狂気を浴びても、全く臆するところが無いあたり、さすが猟兵……というか、被虐と加虐を愛する人物だけはある。
そして再び、道化の顔で問い掛ける。
「なら次はどの味がご所望ですか☆? ナイフに金砕棒に、まだまだありますよ☆」
「嗚呼、弄ばれるばかりは、なんとも腹立たしい。次は妾がもてなそうぞ」
虚ろな瞳で薄く笑うと、聖龍姫は、杖を手放した。
からん、と乾いた音を立てるより早く、杖はほどけた。輝く無数の刃へと。
「存分に味わえ」
刃は、雷の結晶だった。
迷宮を激しく照らしながら、かこ目がけて飛び回る。
とっさに投じたナイフは、雷の牙に噛みちぎられ、塵と化す。
「へえ、龍の雷でびりびりするのはどんな感じなんだろうな?」
ぞくぞくっ、と。
自らの体を抱いて、震えるかこ。ただしそれは恐怖ではなく、来たる痛みの喜悦を想像してのことだ。
「っと、そう言ってもいられねぇか。こっちの攻撃が通らねえんじゃ、どうにもつまらねえ……」
道化師ゆえに、日頃から観察眼は鍛えられている。
かこは、聖龍姫の獣耳についた傷を捉えた。まだ新しい。
「あそこなら刺さるし血も流れるってわけか。ま、試してみるか!」
即断即決。
かこは、ネクストステージのキャストを呼び出した。
大勢の、かこ人形。
前衛に、避雷針にも似た角を生やし。一気に突撃!
雷の刃の進路が、捻じ曲がる。前衛チームの角に引き寄せられている間に、後衛チームが聖龍姫に接近。全身にとりついて一斉攻撃。
本命は、やはり獣耳。
「うあっ! 離れ、離れよ……!」
かこ人形達を振りほどかんと、悶える聖龍姫。
その苦しみの表情を、かこは満足げに観賞していた。
成功
🔵🔵🔴
満月・双葉(サポート)
攻撃は【野生の堪】で察知して避け、避け切れなかったものは痛覚を遮断し(【激痛耐性】)で痛みを無視して動く
戦闘における立ち位置は主戦力になりそうな人を見極め、その人が動きやすいようサポート
【読心術】で敵味方共に心理を読み、敵の隙は付け込み(深追いはしない)、味方の動揺は素早く鎮める
戦闘が円滑に進み、仕事を完遂させるためなら手段は問わない冷酷さを持つ
ユーベルコードの扱いも戦闘の補助のようなもので【野生の堪】を高め(山猿の弟子)敵の攻撃をかわしたりして長く味方をサポートできるようにする
また強い敵の攻撃を反射する(フロッグ・イーター)ことで自滅を誘うことも得意とする
『第五の貴族』の遺産と成り果てた、迷宮の深奥にて。
満月・双葉(時に紡がれた人喰星・f01681)は、狂えるオブリビオンと交戦していた。
「なんと猛き力、強き体。しかし、妾の眼鏡には叶わぬ……!」
第五の貴族の肉体を欲して、しかし、猟兵によって一足先に倒された。
その怨みか、双葉を襲う杖は、大変激しい物だった。
だが、一打さえも、杖が通る事はない。野生の勘は伊達ではない。
本来ならば、相手の心理を読むのが、双葉の戦法だ。だが、狂気に囚われた聖龍姫には、その手が通じぬ。読みとるべき正気がない。
しかしそれは同時に、こちらの駆け引きにも対応できない、という事でもある。
迷宮の闇に紛れてしまえば、双葉をすぐに見失い、でたらめな攻撃は、明後日の方向を破壊する。
……その破壊力が面倒なのではあるが。
「何処だ。ええい、ならば全て滅するのみ。雷神よ来たれ。我が肉体が供物ゆえ!」
切り離した尻尾が、人の形を取る。
すなわち、雷を司る神は、迷宮の天井をも突き破らんばかり巨大さに成長し、問答無用で双葉を炙りだそうとする。
暴れ回る雷神。自分以外は全て敵。手加減なしに放出された雷が、迷宮を打ちすえ、砕いていく。
「逃げるのは得意だけど、ただ逃げ続けるのは性に合わないんですよね」
迷宮の壁を蹴って、回避を続けていた双葉が『武器』を引き抜く。
ゆえに双葉は、砕け散る迷宮の構造材を囮、もしくは目くらましや盾として、聖龍姫へと接近。
この一撃に、かける。
「嗚呼、形あるものが滅する様は、なんと美しい事か。滅びよ、滅びよ……!」
「滅びるのはそっちの方ですよ」
聖龍姫の背後、確実に声が聞こえる位置で、双葉はそう告げた。
さすがに、振り返る聖龍姫。しかし、双葉がわざわざ自分の位置がはっきりするような行動を取ったのには、理由がある。
すなわち、攻撃を必中させる準備が出来た、という。
ぎらり、双葉の瞳に、本気が宿る。
「大根の凄さを味わうんだよ」
至近から、『武器』を振り下ろす。すなわち。大根を。
超・高速で繰り出された白の軌跡が、聖龍姫の頭部を捉えた。
そこには、迷宮の罠によって刻まれた傷があると、双葉は見抜いていたから。
果たして大渾身の一撃は、聖龍姫から、迷宮震わす悲鳴を引き出したのであった。
成功
🔵🔵🔴
フィロメーラ・アステール
「弱点……弱点……」
ああアレのこと?
あ、あー、ちょっとまって!
杖についてる傷を見つけたと思ったのに!
花びらになっちゃったじゃん!
ぐぬぬ、まずは守りを固めるか!
【日輪の帷帳】を発動するぜ!
【破魔】の炎による【オーラ防御】で、花びらを防ぐ!
雷を纏っていても直に触れなければ平気だと思う!
でも弱点を突くにはどうするか……?
……この花びらは武器である杖が元になっているワケだし、傷がついた部分も混じっているんじゃない?
動体【視力】を発揮してよーく見るんだ!
【第六感】でもいいや、たぶんその辺に弱点がある!
目星をつけて【全力魔法】パワーで【焼却】アタック!
聖なる炎の【属性攻撃】で弱点ごと敵に攻撃するぞ!
フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)は、聖龍姫と対峙していた。
今や、異端なる神に憑依されし『狂えるオブリビオン』。
その、圧倒的な戦闘力。人狼の身体能力が、異端の神によってリミッターを外されているとでもいうのか。
このまま正面からやり合うのは損だ。フィロメーラは、逆転の糸口を探る。
「弱点……弱点……」
あれだ。
杖に煌めく宝玉、そこにつけられた傷。あれを狙えば、きっと魔力は暴走し、姫ごと呑みこみ大打撃を……。
「儚きものどもよ、塵に還れ」
「あ、あー、ちょっとまって!」
フィロメーラの哀願も、届く事は無く。
姫の命を受けた杖は、刃へと分解。雷まとう無数の花弁へと姿を変えてしまったのである。
「せっかく杖についてる傷を見つけたと思ったのに! 花びらにしちゃうとか!」
意識的なのか、無意識なのか。
弱点の1つを隠しおおせた姫に、フィロメーラの憤りは止まらない。
だが、そんな事を言っている場合でもない。
姫の狂気に操られた刃が、迷宮内を駆け巡り、フィロメーラを塵と化してしまおうと、暴威をふるいはじめたのだ。
「ぐぬぬ、仕方ない、まずは守りを固めるか!」
100を超える炎が、迷宮に並び咲く。
ここが昏き地底である事を忘れてしまうような光輝が、花びらを防ぐ。
刃にまとわれた雷も、破魔の結界さえあれば、フィロメーラまでは届かない。
攻撃を防ぐ事はできた。だが、このまま防戦一方では、らちが明かないのも事実。
「弱点を突くにはどうするか……?」
「塵は塵に。命は無に。そして力は全て我が物に」
魔力は無尽蔵かと錯覚するほどに、敵の攻勢は衰えない。限界はあるのだろうが、相手の力が尽きるより先に、フィロメーラの命が尽きてしまいそうだ。
「考えろ……」
はっ、とフィロメーラは閃いた。
「……この花びらは武器である杖が元になっているワケだし、傷がついた部分も混じっているんじゃない?」
フィロメーラは、雷刃の花吹雪をじっ、と観察した。
幸い、日輪の護りが、攻撃を食い止めてくれている。焦らず、しっかり、全てをみすえて……。
最後にものを言ったのは、視覚ではなく、第六感であった。
「そこだ!」
フィロメーラが、聖なる炎の渦を放つ。
飲み込まれた雷刃の中に、元から欠けた刃がある。それこそが傷ついた宝玉の化身だ。
蓄えられた魔力が、暴発する。それは周りの花びらにも連鎖。
フィロメーラの聖炎と共に、大爆発を作りだし、聖龍姫を丸のみにしたのである。
大成功
🔵🔵🔵
木元・祭莉
アンちゃん(f16565)と!
龍と綺麗なお姉さん!
おいらも行こうっと♪
白炎発動、おいらの幻影をたくさん作って。
四方八方からダッシュで突っ込ませ、囮にするよ。
姉ちゃんに認識されなきゃ当たらないよね?
幻だった!
気付いたトコで、ぷいっと本体おいらの登場!
アンちゃんとうさみん☆の攻撃の直後を狙い、
龍の足元を如意な棒で払い、体勢を崩させ。
今だ!
大ジャンプしてくるり背後へ、姉ちゃんのふわ耳をぎゅっと握る!
だよね、知らない人に耳触られるの、すっごく嫌だよね!
ぎゅいっと引き寄せ、怯んだところ、ボディに一拳!
邪神が抜けても、オビリビオンだから倒さなきゃ。
神官と土地神さん。姉ちゃんと龍。
似た者……だったのかなぁ?
木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と
人狼の姫…と、龍?
ダークセイヴァーに龍…なんだか変な気分
A&Wに繋がったようなそんな
ね、まつりん。…まつりん?
同じ人狼同士、気になる?
ん、お話してみよう。物理で
【花魂鎮め】
精霊の雷は第六感で感じ取り高速移動で回避
大きな龍が大地を揺らせば、それを利用し大きくジャンプ
壁も蹴り上げ頭上から振り切るように、灯る陽光から衝撃波を放つ
と、同時に
うさみん☆、行って?
衝撃波を隠れ蓑にうさみん☆突撃
狙いは宝玉
ひび割れた部分目掛けて怪力パンチ!
もふっとした耳は…、まつりん任せた
憶えていて?
無念は自分の中で消化していくもの
他人の命では決して晴れない
おやすみなさい
大剣を姫に突き刺す
これが最後の後始末。
木元・祭莉は、狂えるオブリビオン退治に一肌脱いだ。
「人狼の姫……と、龍?」
木元・杏は、第五の貴族を狙っていたものの正体……狂えるオブリビオンを前にして、興味と違和感を同時に抱く。
「ダークセイヴァーに龍……なんだか変な気分。A&Wに繋がったような。ね、まつりん。……まつりん?」
「じーっ……」
杏は、軽く揺さぶった。聖龍姫を、まじまじと見つめる祭莉を。
「同じ人狼同士、気になる?」
「あ、ソンナコトナイデスヨ? キレイナオネエサンダナー、ナンテ、オモッテナイデスヨ?」
「なぜ、またその話し方」
ともあれ杏も、じっ、と姫を見据えて、
「ん、お話してみよう。物理で」
こくり。
うなずく杏のまなざしを受け止めた姫は、ふふっ、と笑みをこぼす。
容姿こそ麗しい。しかしその魂は、異端の神のものだ。正気ではない。
もっとも、影響を受けているのは、その口調からも明らかではあるが。
「んじゃ、おいらから先に行くねー♪」
白炎、発動。
姫を取り囲み、灯ったいくつもの炎は、それぞれが人の形……祭莉の姿になった。
一瞬にして大勢となった祭莉が、束になって、聖龍姫を翻弄にかかる。
相手が逃れる隙を与えず、四方八方から、ダッシュで突撃。
「有象無象よ、我が心の間隙を埋めよ、滅せよ」
聖龍姫の掲げた杖が、花びらのように散るのを、祭莉は見た。
いいや、目を凝らせば、正体は刃の欠片。しかも、雷をまとって、吹雪のように、迷宮を覆い尽くそうとしているのだ。
雷の花弁の結界。それは、飛び込んでくるチーム・祭莉をすべからく蹴散らす。
……少なくとも、姫にはそう認識されていたはずだ。祭莉の期待通り。
そして、姫を狙うのは、祭莉だけではない。
「私も、続く」
「我がしもべよ。殺戮せよ」
杏を迎え撃つべく、姫のかたわらに控えていた龍が、咆哮する。
背後に閃く雷。それは、ヒトに似た輪郭を形作り、精霊としての正体を現した。
光が、弾ける。
迷宮の死の罠、それ以上の威力を以て、雷光が杏達を襲った。
じわりじわりとなぶり殺すようなものではなく、一発でも当たれば致命傷になるような、無慈悲な雷だ。
だが、杏は、第六感で高速回避。直感、というより体に全てを任せる感じ。いつしかその身は、白銀の花びらに包まれて。
精霊のもてなしを切り抜けた杏を待ち受けていたのは、龍のいななきであった。
龍と精霊と、そして人狼姫。三者によって増幅された狂気が、杏達に吹き付ける。
そして龍の巨体が迷宮そのものを揺らし、杏を襲う。
だが、その震動さえも味方につけて、杏は大きくジャンプ。
三角飛びの要領で壁を蹴り上げ、天井へと。
そして、相手の頭上から灯る陽光を振り下ろし、衝撃波を生み出す。
「うさみん☆、行って?」
杏の衝撃波が、杖で打ち払われた直後。
波動と同じ軌道で、うさみみメイドさんが飛び出してきた。衝撃波は、いわば隠れ蓑であったのだ。
狙いは宝玉、ひび割れた部分目掛けて、パンチを繰り出す。
透き通った破砕音とともに、龍と精霊の姿に、ノイズが走る。支配力が弱まった証拠だ。
「あとは、もふっとした耳……まつりん任せた」
「お任せー♪」
一気呵成に、飛び込むチーム・祭莉。
雷の刃の残党が、それを切り裂き、全てを駆逐する……。
「これぞ弱き者の末路よ……何と!?」
姫が、驚きの声を上げた。
雷刃を受けて消える祭莉達。それは、全て白炎によって生み出された幻に過ぎない。
「おいらはここだよ!」
ぷいっと、祭莉本体が現れる。
反応が遅れた龍の足元を、如意な棒で払う。
ぐらり。
相手が体勢を崩したチャンスに、祭莉が、大きく跳躍する。
くるりと聖龍姫の背後へ回り込むと、そのまま耳をぎゅっと握り締めた。
「うあっ、よさぬか無礼者!」
「だよね、知らない人に耳触られるの、すっごく嫌だよね!」
悶える姫には若干悪いが。掴んだ長い耳を、ぎゅいっと引き寄せる。
思わず相手が怯んだところを狙い、ボディに拳を見舞う。
「!!!」
人狼の強靭な肉体も、同じ人狼である祭莉の力なら、打ち破れる。
「そーれ! アンちゃんパス!」
「憶えていて? 無念は自分の中で消化していくもの。他人の命では決して晴れない」
祭莉の痛烈な一打で吹き飛ばされた龍姫を待ち構え、杏は大剣を突きたてた。
「おやすみなさい」
確かな手応えを感じた直後、姫の元を離脱する杏。
すると、姫の体から、亡霊の如き影が噴き出した。
「ウウゥ……我が依り代を討ち滅ぼすとは……忌々しいッ!」
呪詛の言葉を残して、虚空に消え去る影。
そして、姫と龍もまた、骸の海に沈んでいくのを、祭莉は見届けた。
かくして、2つの厄災は滅せられた。
第五の貴族と狂えるオブリビオン……相争う運命にあったもの達に、祭莉は思いを馳せる。
「神官と土地神さん。姉ちゃんと龍。似た者……だったのかなぁ?」
「ん。……?」
どこからともなく。
杏は、龍のいななきが響いてきた、そんな気がした。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵