お月見&ОDEN~山本親分と共に
●月は出ているけれど
カクリヨファンタズムのすすき野を行く影1つ。
東方親分・山本五郎左衛門(さんもとごろうざえもん)その人である。
大きな戦は終わったけれど、オブリビオン化する妖怪は絶えぬ。
ゆえに、時折こうして自ら出張ってオブリビオンを説得、元の妖怪に戻すという旅に出ていたりする。
「今夜も満月が綺麗だにゃあ」
ふっ、と笑って仰いだ夜空。
月が、割れた。
「にゃにゃー!?」
中から現れたのは、巨大な、まるでネコのようなシルエット……。
「強大な力を感じるにゃ……あれはカタストロフの幼生に間違いないにゃ」
山本のこめかみを伝う、一筋の汗。
あの満月は、いつの間にか骸魂の力を受けて、滅びの卵と化していたのだ。
くねくね。
完全なる誕生のため、不思議な踊りを踊るように胎動するネコ型幼生体……それを見上げる山本の心には、ある決心が固まっていた。
「世界のおしまいを食い止めるためには……お月見しかないにゃ!!」
●フルパワーお月見へのお誘い
ニャルラッハ・ロードブラウ(散歩する魔王見習い・f31757)が、ぱちん、と指を鳴らすと、グリモアベースの景色が、広大なすすき野に変わった。
「カクリヨファンタズムには、年中真夜中のまんまで、満月なすすき野がたくさんあるっす。その1つで、大変な事が起こるっす」
満月が骸魂の影響を受けて凶暴化し、中から、超巨大なカタストロフの幼生が生まれそうだというのだ。
今のところ幼生体は黒猫のような姿をしており、割れた月を殻のようにしてうごめいている。完全なる誕生の時を待っているのだ。
「この幼生を消滅させるには、にぎやかにお月見をするしかないっす。……あ、コレ、山本親分お墨付きの方法だから間違いないっす」
お月見が楽しく行われれば、幼生は消滅し、割れた満月も元に戻ると、ニャルラッハは言う。
つまり、割れた月(とカタストロフ幼生)を美しい月だと思い込みながら、お月見団子を食べたり、賑やかに歌ったり踊ったりすれば丸く収まる、というわけだ。
なお、山本親分は、異世界の文化に興味があるようで、猟兵おすすめの食べ物があれば喜んでくれるらしい。
「ああでも、お月見が成功したらしたで、どこからともなく謎の屋台が現れるっすよ。理由? んなもん知らんっす! にゃはは!」
トレーラー型おでん屋台、その名もずばり『ОDEN』。店の主人は、漆黒のヒーロー『黒いガンバレイ』。
既にオブリビオン化しており、おもてなし精神がフルスロットル状態。目についた者を、妖しの力で強制的に屋台に引き込み、どえらい量のおでんを食べさせてくるのだ。
この状況が放置されれば、カクリヨ世界は、無限のおでんの具で侵略されてしまうだろう。
「ってわけで、山本親分さんと一緒に、この危機を救ってほしいっす。具体的には熱々おでん、頑張って食べて欲しいっす」
そうすれば、ユーベルコードなしでもオブリビオンにダメージを与えられるというのだ。
「不思議システムっすけど、まあこれがカクリヨのルールなんすね。んじゃ、お月見会場にご案内~」
くれぐれもやけどには気を付けるっすよ~、と笑うニャルラッハだった。
七尾マサムネ
お月見! からのおでん!
当シナリオは、大祓百鬼夜行の戦後シナリオです。
全2章で完結します。
●1章
カクリヨの滅びを防ぐため、お月見をします。
全力でお月見を楽しむと、プレイングボーナスが付きます。
東方親分『山本五郎左衛門』も同行していますので、一緒にお月見を楽しんでも構いません。
※断章の追加はありません。
●2章
カクリヨの滅びを防ぐため、おでん屋台の主人オブリビオン『黒いガンバレイ』を倒します。
なおこの章では、おでんを食べまくれば、戦闘を行わなくてもオブリビオンにダメージを与えられます。この方法をとった場合、プレイングボーナスが付きます。
引き続き、山本五郎左衛門も同行していますので、一緒におでんを食べても構いません。
それでは皆様、よいお月見を!(割れてるけど)
第1章 日常
『月割れてるけどお月見しよう』
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POW : 全力で月の美しさを褒め称え、「立派な満月」だと思い込む。
SPD : 賑やかな歌や踊りでお祭り気分を盛り上げる。
WIZ : お月見にふさわしいお菓子やお酒を用意する。
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ラファエラ・エヴァンジェリスタ
月が、割……れているわけがなかろうよ
嗚呼、なんて美しい満月だ!
この梅雨の時期にこうも美しい月をこうして見られようとはなぁ(棒読み)
愛馬Tenebrarumに騎乗しながら、すすき野を行く
とは言えひとりと一頭では賑やかな月見と言うのもね…
指定UC使用
騎士を召喚して、傍らに伴おう
我が騎士よ、実に美しい月だと思わぬか?
…ほら、あの、月が綺麗ですね、だ等と私も言われてみたいものよな
返る言葉はなかろうが、共に見上げてくれるだけで構わぬ
彼、喋らぬので…
故に不思議な踊りを踊るネコ型の幼生とか見ても多分何も言わぬので…
ある意味安牌な感じで一緒に月見をしてくれるだろう
我が騎士よ
…月が、綺麗だな
アレンジ・アドリブ可
ラファエラ・エヴァンジェリスタ(貴腐の薔薇・f32871)は、愛馬Tenebrarumを駆り、すすき野を訪れる。
頬を撫でる風は、秋のそれに近い。季節感がスライドする。
ふと速度を緩め、自身を照らす月を見上げた。
「月が、割……れているわけがなかろうよ」
割れている。
月の上?半分を持ち上げて、下?半分をステージにして。
カタストロフのネコ型幼生が、くねくねダンスでフィーバー……してるように見える。
正気度を削る光景。UDCアースの邪神をも想起させる。
だから、ラファエラは、現実から逃避した。
「嗚呼、なんて美しい満月だ! この梅雨の時期にこうも美しい月をこうして見られようとはなぁ」
棒読み。
非現実的現実による常識侵食から逃れるべく、いざ、月見としゃれ込もう。
だが、ラファエラと愛馬だけというのもいささか寂しい。
元より、寂しさはらんだ秋の風。趣はあるが、カタストロフの幼生を消し去るには、物足りぬように思える。
と、いう訳で。
よき月見場所に陣取り、ラファエラが呼び寄せたのは、騎士の……霊体。妖怪だらけのカクリヨには似合い、というか違和感がない。
ささやかながら菓子の類を並べ、いざ月見。
「我が騎士よ、実に美しい月だと思わぬか?」
ラファエラの問いかけに、騎士からの返答はない。
無論それは、百も承知。頷き、共に空を見上げてくれるだけで十分であった。
とはいうものの。
「……ほら、あの、月が綺麗ですね、だ等と私も言われてみたいものよな」
それは高望みだろうかどうだろうか。
寡黙なる騎士は、しかし、この場においては非常に適切なゲストであった。
彼はしゃべらぬ。
故に、不思議な踊りを踊るネコ型幼生を目の当たりにしても、驚きの声1つ上げることなく、平静である。
この逃避型月見を楽しむ、という面においては、これ以上ないパートナーといえる。
「我が騎士よ」
語りかけるラファエル。
「……月が、綺麗だな」
騎士は黙して語らず。
ただ静かに、ラファエラに頷きを返したように見えたのみである。
月見人を見下ろす、危機的な夜空。ネコ型幼生が悶えたのは、効果ありの証拠か。
それとも、地上のラファエラ達への嫉妬心であったか。
成功
🔵🔵🔴
御園・桜花
「…無礼講で良いですよね?」
追加料理用にケータリング用キャンピングカーで大荷物持参
月見団子
月餅
ヘソ餅
衣かつぎ
里芋のひき肉餡掛け
里芋の煮っ転がしの天ぷら
ジャガイモの代わりに里芋使った明太子ポテトサラダ
栗きんとん
豆餅
ゆで卵入りミートローフ
をお重でドドンと出す
「里芋も今は1年中食べられますし、衣かつぎ以外も作るなら、お腹にたまるおかずがもっとあっても良いかと思いましたの」
飲み物はお茶と清酒の樽酒準備
樽酒の蓋は桜鋼扇で叩き割り柄杓で枡に注いでどんどん配る
其処ら中の妖怪や仲間を呼び込みどんどん料理提供
不足が出たら車内で追加調理
月に耐えられぬ妖怪出たらUCで状態解除の飴作り食べさせ落ち着かせ宴会に誘う
「月見酒と洒落こむのも悪くないにゃ~って、にゃにゃっ!?」
山本親分が驚く目の前、停車したのは、御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)が運転するキャンピングカーだった。それも、ケータリング仕様。
「……無礼講で良いですよね?」
降車した桜花が、山本親分に微笑んだ。
「もちろんにゃ! みんなで楽しんであのカタストロフのネコにお還りいただくにゃ」
「では、さっそく」
どどん。
桜花が、特大のお重を披露した。
ぱかっ、とふたを開ければ、月見団子に月餅。
「こちらはヘソ餅、衣かつぎ」
まだまだ。
ジャガイモの代わりに里芋使った明太子ポテトサラダに栗きんとん、豆餅、ゆで卵入りミートローフ。
「にゃ、こっちは里芋料理にゃ」
山本親分が見つけたのは、ひき肉餡掛けに、煮っ転がしの天ぷらだ。
「里芋も今は1年中食べられますし、衣かつぎ以外も作るなら、お腹にたまるおかずがもっとあっても良いかと思いましたの。それと親分さん、お酒の話をしてらっしゃいましたよね?」
「にゃ?」
どどどん。
桜花が取り出したのは、清酒の樽酒。もちろんソフトドリンク……お茶もあるのでご安心。
「儂はいい大人なのでお酒にするにゃあ」
「それではお待ちくださいね。えい」
ばきっ。
桜花がにっこり叩きつけた桜鋼扇が、樽酒のふたを割った。
柄杓で枡に注ぎ、山本親分に振舞う。
「はあ~幸せにゃあ~」
すると、料理や酒精の香りにつられたのか。
どこからともなく、妖怪達が集まってくる。
「そうにゃ、妖怪達にもお月見手伝ってもらおうと思って呼んでたのにゃ」
「大丈夫ですよ。こんなこともあろうかとたっぷり用意してありますから」
パーラーメイドの本領発揮。
姿かたち同様、好みもバラバラな妖怪達に、次々料理を提供し、月見を豪華にしていく桜花。
「遠慮なく召し上がってくださいね。リクエストがあればすぐ作りますので」
「さすが猟兵さんにゃあ」
若干顔を赤くしながら、山本親分がぱちぱちと手を叩く。つられて妖怪達も騒ぎ出す。
いつしか宴は、歌と踊りに満ちて。
なんとも人畜無害な百鬼夜行に、夜空のネコ型幼生も、混ざりたそうに桜花達を見下ろしていたとかいないとか。
成功
🔵🔵🔴
燐・梟羽(サポート)
長い一つ結びの白髪で、常にメンフクロウの仮面を付けた25歳の男僵尸です。
普段の口調は「仮面の上(私、~君、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)」、独り言は「仮面の下(俺、お前、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?)」です。
ユーベルコードは戦闘時の場合発勁・四肢尸掌を主に使用します。
非戦闘時は基本的に周囲を警戒しつつ周りに合わせて行動、不測の事態等があれば仲間に知らせます。
自分が僵尸、即ち死体であると自覚しているため、多少の怪我は厭わない反面、生者が傷つくことを嫌います。
危険がない日常では楽しむべきものは満喫し、生きる喜びを堪能しようとします。
他、細部は自由に使ってください!
メンフクロウの仮面越し。
燐・梟羽(仮面の僵尸・f33366)が、年中続くという夜空を見上げた。
「あれが……満月」
満月……ではない。
だがそれを認めれば、世界は滅びに傾く。
実際、丸々お月さまは割れ、その中では、ネコ型をしたカタストロフの幼生が、うねうねくねくね、胎動している。
この異変を収めるには、お月見しかないと、梟羽は知っている。
「楽しむことが世界を護ることになるのなら……喜んで現実からも目を背けよう」
妖しきネコ月を、完全なる満月に見立てて。
梟羽が月見に興じようとしていると、山本親分の様子が目に入った。呼び寄せた妖怪達とともに、宴の様相。
「あちらも楽しんでいる様子だな」
梟羽の視線の先では、歌や踊りなど、妖怪達が月見の時間を盛り上げている。
他者が楽しむ光景は、こうして眺めているだけでも、心が躍る。
祭り、とはまた違う趣。なんとはなしに、梟羽自身の過去……記憶のおぼろげな生前に思いを馳せていると、向こうでも梟羽に気づいた様子。
「そこの猟兵さん、よければ一緒に月を眺めるのにゃ」
山本親分や妖怪達が、手招きしている。
「私でよければ、参加させていただきましょう」
梟羽が、躊躇する理由はなかった。
「さあ、猟兵さんも歌でも踊りでも一発芸でも、一緒に盛り上げて欲しいのにゃ!」
「私に出来るものといえば……これでしょうか」
梟羽が披露したのは、八極拳の型。
その一挙手一投足が魔を払い、邪気を祓う。天より注ぐ滅びの月光も、梟羽達には届かない。
「さすが猟兵さんにゃ、オブリビオンもいちころニャ」
妖怪達や山本親分が、手を叩いて称賛する。
ずいぶん褒められたものだが、どうやら親分、既に酔いが回っているらしい。
だが、梟羽の観察眼は、見逃さなかった。山本親分は、リラックスこそしていても、隙はない、と。
ひとたびオブリビオンの襲来があれば、親分はすぐさまこの妖怪達を守って戦闘に転じるであろう。梟羽と同じように。
(「親分の名は伊達ではないということだな」)
とは言え、表面上はただの酔っ払い。
ともかく、地上の賑わいは、空へも届く。
ふと、梟羽が月を仰ぎ見れば、ネコ型カタストロフ幼生が悶えていた。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『黒いガンバレイ』
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POW : ガンバレイ・パニッシュメント
【打投極に武器を絡めた戦闘術】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : ガンバレイ・キック・ジ・エンド
【防御さえ崩す強力な打撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【後ろ回し蹴り、又は地形を利用した飛び蹴り】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ : バーニング・ガンバレイ
自身に【左腕の高振動砲によるエネルギー】をまとい、高速移動と【熱エネルギー】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
イラスト:FMI
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠大門・有人」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
『にゃおおーん』
月に吠える……というか、月『が』吠える。
ネコ型カタストロフ幼生が、ひときわ大きく身をよじらせた次の瞬間。光の粒となって四散した。音もなく。
すると、逆回しの映像の如く、割れた月が元の姿を復元していく。そこに、滅びの気配は、もうない。
「これで一件落着なのにゃ」
ふぃー、と、安堵する山本親分。
しかし、猟兵は知っている。まだ何も終わってはいないと……。
ぴんっ。
山本親分の髪の毛が、何かに反応し、天を衝く。
「オブリビオンの気配にゃ!」
ぶぉおん!
荒々しい排気音と共に、すすき野に現れたのは、一台のトレーラー。
運転席から颯爽登場したドライバーは、漆黒のヒーロー『黒いガンバレイ』。
夜風にマフラーをなびかせ、しゅっ、と手指でポーズを取ると、
「さあ、ОDENの時間だ」
コンテナが展開する。現れたのは座席と……おでんだ!
「うひゃあ……ほかほかにゃあ……」
ふらふらふら。
出汁の香りに、屋台に引き寄せられる山本親分。ブラック・ガンバレイ……すなわちBガンバレイの魔力に囚われているのだ!
がんも、昆布巻き、餅巾着。
ちくわにたまご、じゃがいも、うどん。
「にゃあ、お菓子まであるにゃ! どういうことにゃ!?」
「フッ、この世界は全てОDENになるためにある。さあ、世界を……喰らえ」
決めセリフと共に、おでんが増殖する。
暴走する、Bガンバレイのおもてなしパワー。月が割れたのも、まさかこの力の影響だというのか?
ОDENによる世界侵略。
これを阻止するには……おでんを食べまくるしか、ない。
ラファエラ・エヴァンジェリスタ
ふーん…
よくはわからぬが、つまり、おでんもといODENを食せば良いのであろう
大丈夫、コルセットは緩めて来た
食べ尽くすぞ
餅巾着と大根とこんにゃく、がんもどきとちくわぶというものを所望する
カラシとかいうスパイスも欲しい
うん、なかなか行けるな
はんぺんとやらと、玉子も欲しい
一通りの具材を食して、それでもまだ提供されるのか
驚いた
それにそろそろ飽きて来た
しかしこういう食べ物は我が愛馬に与える訳にも行かぬから…
…
……我が騎士よ
UC使用
…なんか、もう、何とかして
あ、山本親分とやら
貴公も宜しく
…食べられるよな?まだ?全然??
一気(食い)コールとか私は優しいのでしないが…
男気のある親分なら何とかしてくれるよな…?
トレーラー屋台からも溢れ出さん勢いの、ODEN。
異常なるこの事態に、ラファエラ・エヴァンジェリスタは、思った。
「よくはわからぬが、つまり、おでんもといODENを食せば良いのであろう」
コルセットは緩めて来た。問題ない。
先客である山本親分に一礼して席につくと、店主……すなわちBガンバレイに注文。
「まずは……餅巾着と大根とこんにゃく、がんもどきとちくわぶ」
エプロンを着けたBガンバレイが、手早くおでんだねをピックアップしていく。
「へい、お待ち」
綺麗に盛りつけられたおでんが、ラファエラに差し出される。
添えられたカラシを、ちょいとつけて。少しふうふうと冷ましたら、いよいよ、頬張る。
「……あふい」
熱い。口の中が焼けるようだ。だが、これもおでんの醍醐味。
「うん、なかなかいけるな」
ラファエラの満足げな感想を聞いて、Bガンバレイが小さく肩をすくめた。
どれも味が染みて、しかし同時に、沁み込み過ぎていない。絶妙だ。オブリビオンとなっても、料理の腕にいささかも鈍っていないようだ。
あっという間に最初のオーダーを平らげたラファエラは、追加を所望する。
「次は、はんぺんとやらと、玉子も欲しい」
「よろこんで」
ふかふかとした三角と、どっしり楕円形。
どちらも出汁との幸せな出会いにより、上品な味わいになっていた。
「さて」
一通りの具材は食した。
するとすかさず、Bガンバレイが、新たなおでんを供する。
「……頼んでいないが?」
「サービスだ。その名もODEN・ジ・エンド」
驚きつつ、一応、いただくラファエラ。
美味い。
美味いが、さすがに飽きて来た。
「かといって、こういう食べ物は我が愛馬に与える訳にも行かぬから……我が騎士よ」
ラファエラの呼び掛けに応え、現れたるは白馬の騎士。指示は1つ。
「……なんか、もう、何とかして」
騎士は、困った。
が、誇りにかけて、ODENに立ち向かうのであった……。
「あ、山本親分とやら貴公も宜しく。……食べられるよな? まだ? 全然??」
「えっ」
猫舌なのであろう。がんもに四苦八苦する山本親分に、ラファエラはやんわりと詰め寄った。
「一気コールとか私は優しいのでしないが……男気のある親分なら何とかしてくれるよな……?」
「わ、儂に任せるにゃ!」
どん、と胸を叩く山本親分。
その目元に光るものが見えたのは、ラファエラの錯覚であろう……か?
大成功
🔵🔵🔵
グレナディン・サンライズ(サポート)
『ここはこの年寄りに任せてもらおうかね?』
『こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ』
年齢3桁の婆。
スペースシップワールド出身の元宇宙海賊。
主な武装はフォースセイバーとブラスター。
戦闘スタイルは基本的には前衛遊撃。敵を翻弄するような戦いを好む。
グルメではない酒好き。
年齢なりの経験を積んでいるので、冷静さと余裕をなくすことはない。
口調(あたし、あんた、だね、だよ、~かい?)
おでん、いや、ODENを無限に振舞う、黒いガンバレイ。通称・Bガンバレイ。
かのカクリヨ4親分が1人、山本親分がおでんとの戦いに追い込まれた光景を目のにしても、グレナディン・サンライズ(永遠の挑戦者・f00626)は平然としていた。
「ま、年の功、って奴だね」
「らっしゃい。ODEN、召し上がれ」
店主・Bガンバレイが、一方的に見繕ったおでん種が、グレナディンに差し出される。
「ふうん、こいつは美味しそうじゃないか」
とりあえず、席に腰を下ろすグレナディン。
相手は、いかにもダークヒーロー然とした出で立ち。だが、この戦いは戦闘力ではなく、おでんをどれだけ食べるかが鍵のようだ。
念のため、いつでもブラスターは抜けるよう心構えだけは用意しながら、おでんに箸をつけるグレナディン。
「ふうん、いい出汁染みてるね」
「年季が違うのさ」
ふっ、と背中越しに笑うBガンバレイ。
その背中に、哀愁と年季を感じて、グレナディンは問い掛けた。
「いつからやってるんだい」
「妖怪という存在に身をやつして以来……こうして骸魂に取り込まれる前から、さ」
「そいつは随分長そうだ」
そんな店主とのやりとりが、おでんの味わいに深みを与える。これも屋台ならではの魅力であろう。
さて、とりあえず、一通り食して満足した。
「万蔵させてもらったよ。腹八分目、だね」
「いいや戦いは、終わらない。喰らえ、ODEN・パニッシュメント」
再び差し出される山盛りおでん。おもてなしの精神が暴走している。
隣の山本親分は、お腹を抱えて「もう食べられないのにゃ~」と弱音を吐いている。
それでも腕っぷしに訴えないのは、穏便なオブリビオン退治を信条とする親分ならでは、なのだろう。
もっとも、親分の姿勢に感服したからといって、グレナディンの腹に余裕が生まれるわけではない。
そこでグレナディンは、一計を案じた。
「確かにこのおでんは美味しいが、そろそろ飽きて来たね。そうさね……酒でもあれば、箸も進むってもんさね」
「あるよ」
どん。
酒瓶が次々と並べられる。
「カクリヨのあちこちで集めた酒達だ」
「こいつはいいじゃないか! おすすめなんて聞かないよ、全部自分で試してみればいいんだからねぇ」
水を得た魚、ならぬ、酒を得たグレナディン。
おでん、酒、おでん、酒、酒、酒。
グレナディンはモリモリとおでんを食べ進め、見事BガンバレイのODEN侵略を阻むのであった。
成功
🔵🔵🔴
ケイ・エルビス(サポート)
アドリブ連携歓迎
どんな依頼でもOKだが
コミカルかセクシー寄りが好みだ
迷惑行為は一切しねえよ
好きに使ってくれ
得意な技能とUCはゲットしてる
その都度自由に組み合わせて活用してくれたら助かるよ
・得意な戦闘行動
銃撃や肉弾戦によるサポート、時間稼ぎ役
(援護射撃、見切り、カウンター、オーラ防御、かばう、
部位破壊、狙い撃ち、怪力、グラップル、2回攻撃、
戦闘知識、鼓舞等)
・非戦闘時に得意な行動
(乗り物全般の操縦、運搬、
情報収集、コミュ力、優しさ、取引等)
必要があれば
そこにある乗り物全般、
手持ちの表示灯をつけタクシーにもなるスポーツカー、
宇宙バイク、トラック、キャバリア、戦術輸送機を操縦
目標達成に役立てる
ミーヤ・ロロルド(サポート)
『ご飯をくれる人には、悪い人はいないのにゃ!』
楽しいお祭りやイベント、面白そうな所に野生の勘発動させてくるのにゃ!
UCは、ショータイムの方が使うのが多いのにゃ。でもおやつのUCも使ってみたいのにゃ。
戦いの時は得意のSPDで、ジャンプや早業で、相手を翻弄させる戦い方が好きなのにゃよ。
口調だけど、基本は文末に「にゃ」が多いのにゃ。たまににゃよとか、にゃんねとかを使うのにゃ。
食べるの大好きにゃ! 食べるシナリオなら、大食い使って、沢山食べたいのにゃ♪ でも、極端に辛すぎたり、見るからに虫とかゲテモノは……泣いちゃうのにゃ。
皆と楽しく参加できると嬉しいのにゃ☆
※アドリブ、絡み大歓迎♪ エッチはNGで。
カクリヨのすすき野に漂う、美味しい食べ物の気配!
ミーヤ・ロロルド(にゃんにゃん元気っ娘・f13185)は、おでん……Bガンバレイの提供するODEN屋台を訪れた。
「わわ、色んなおでんがあるにゃ!」
「ODENこそ、全ての生ける者亡き者の活力。召し上がれ」
Bガンバレイのオススメに、ミーヤは目を輝かせた。
「全部食べてもいいにゃ? なんていい人にゃ……!」
きらきらきら。
ミーヤの、無邪気かつ食欲全開の眼差しを受けてもBガンバレイは、微動だにしない。
おもてなし欲が増大した今、むしろ大歓迎である。たとえ、いい人などと言われても。
「それじゃあ早速いただくのにゃ!」
「待つにゃ!」
割り箸を、ぱきっ、と割って、おでんを頬張ろうとするミーヤ。
待ったをかけたのは、山本親分である。
「熱々おでんだからやけどに注意にゃ!」
「はっ、そうだったにゃ! わかったにゃ!」
ふーふーふー。
ミーヤと山本親分、2人そろってふーふー冷ます。いきなり舌をやられたら、せっかくの美味しいおでんも楽しめない。
「それじゃあいただくのにゃ」
ぱくっ。
「んー! だしがしっかり染みてて美味しいのにゃー!」
ミーヤ、至福の時。
Bガンバレイの表情は、バトルマスクに覆われ、確認できない。だが、腕組みしてうなずいているので、きっと機嫌は悪くない。
Bガンバレイが、次なるおでんをよそっていると。
ODEN屋台トレーラーの隣に、一台のトラックが停車する。
運転手は、ケイ・エルビス(ミッドナイト・ラン・f06706)である。
「おっ、なんか楽しそうだな! おでん……ODEN? まあどっちにしろ美味そうだな」
「美味『そう』、じゃない。美味『い』のさ」
自信たっぷりにそう応えた、Bガンバレイ。漆黒のヒーローが、ケイを威圧する。
「俺の前に姿を見せたからには、覚悟はできてるんだろうな」
「もちろんだ。ダークヒーロー、相手にとって不足はないぜ」
満月照らす、すすき野。
猟兵とオブリビオンが出会えば、やる事は1つだ。
高まる緊張感、膨れ上がる殺気……。
「……へいお待ち」
「いただきます!」
ケイの前に出されたのは、おでんのたっぷり盛られたどんぶり。
ちくわにがんも、こんにゃくに煮卵。おでんの王道達が集結している。
これぞ、ODENバトルであった。
「まさかオブリビオン退治に来ておでんを食う事になるとはな……けど美味いな!」
「当然だ、年季が違う」
フ、と得意げに笑うBガンバレイ。その自信に偽りなし。
「上品すぎず、濃すぎない。こいつは最高の煮込み加減だぜ。なあ!」
「その通りにゃ! いくらでも食べられるにゃ」
ケイの横、ミーヤや山本親分の喰いっぷりが、ケイの賞賛が的を得ている証拠である。
「からしも、あるぞ」
「辛いのはノーサンキューにゃ!」
ミーヤに即答されて、Bガンバレイ、ちょっと残念そう。
しかし、ミーヤの食欲は底なしだ。おでんが減っていく。
その食欲に共鳴するようにして、ケイもまた、あっという間におでんを平らげた。
「はー、美味かった」
「さあ、おかわりだ」
どん。
二杯目が来た。
「え? 頼んでねえけど?」
「サービスだ」
出されたからには、食べないわけにはいかない。サービス精神を無下にするなど、粋じゃない。
これまたさらりと腹に収めるケイであったが。
「おかわりだ」
「もういらねえよ」
ケイの拒絶に、Bガンバレイの魔眼が光る。
「俺のODENが喰えないとでも?」
「そう言ってるんだ聞こえなかったか?」
またもや睨み合う、ケイとBガンバレイ。
一触即発の気配を破ったのは、ミーヤだった。
「オブリビオンになってもおでんでおもてなしし続けるなんて、よっぽど屋台が好きなにゃんね」
「俺の使命は、ただ、ODENを世界に広める事だけだ」
ニヒルに決めるBガンバレイ。
だが。
「もぐもぐもぐ」
ミーヤが相変わらずの食欲とおでんを食べ尽くしていくのに比例……反比例?……して、Bガンバレイから活力が失われていく。
骸魂が、ダメージを受けているのだ。
「こんな美味しいおでんを食べられて、しかもオブリビオンから妖怪さんを助け出せるにゃんて、こんな任務があっていいのかにゃ? 幸せにゃ~」
ODENを食いつくされ、オブリビオンとしての存在を脅かされながらも。
幸せオーラ全開のミーヤに、Bガンバレイは満足げであった。
すると突然。
爆音とともに、ODENトレーラーが煙を上げた。
「俺の愛車が……!」
「悪いな、無限におでん食べ続けるとかやっぱ無理!」
ケイが、車体の陰から顔を出す。こっそり破壊工作を仕掛けていたのだ。
「どんな美味しい物でも、無理矢理食べさせたら美味さ半減、だからな。そうだろ?」
「おのれ。貴様も戦士ならばODENから逃げるな!」
手甲に内蔵されていたブレードを展開すると、Bガンバレイは、ケイに切りかかった。
「食後の運動にはちょうどいいぜ!」
すすき野を戦場に、飛び散る火花。
ナイフで敵のブレードと切り結ぶケイをよそに、ミーヤや山本親分達は、おでんをもりもり食べ続けるのであった。
成功
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御園・桜花
「これは…私も本気を出さなければいけませんね」
ケータリングカーに駆け戻り
練り辛子
味噌だれ
生姜味噌だれ
葱醤油だれ
出汁粉(鰹節粉+青海苔
白とろろ昆布
生姜醤油だれ
を壺サイズで準備
「此で各地のODENに対応できる筈です。ODEN鍋を全制覇致しましょう」
UCで召喚したノーム達に頷く
ノームと一緒にODEN爆食
白子
餅巾着
棒点
ソーセージ
豚足
黒白半片
餃子巻
ロールキャベツ
豚足
じゃが芋
牛すじ
豆腐
厚揚げ
蒟蒻
トマト
ゆで卵
爆弾
ひろうず
鳴戸巻き
竹輪麸
椎茸
結び昆布
豚モツ
根曲がり竹
竹輪
帆立
つみれ
赤巻
筍
烏賊巻
蛸
等々
目についたODENを片っ端から練り辛子と各種たれで爆食する
「一人一鍋!さあキチンと煮込んでドンドン出して下さいまし」
ODENトレーラーからすすき野に溢れ出す、おでんの香り。
いや、香りどころか、おでんそのものが増殖しているのでは? 恐ろしい。
「これは……私も本気を出さなければいけませんね」
御園・桜花は、ケータリングカーに駆け戻ると、重装備で舞い戻った。
「それは……」
Bガンバレイが、桜花を見据える。
桜花は、ユーベルコードで呼び出したノーム達を引き連れていた。しかも、たくさんの壺を抱えたり、担ぎ上げたりしている。
中身は、対ODEN用装備。
すなわち、練り辛子に味噌だれ、生姜味噌だれ、葱醤油だれ、出汁粉(鰹節粉+青海苔)、白とろろ昆布、生姜醤油だれ……調味料のフルコースである。
「此で各地のODENに対応できる筈。ODEN鍋を全制覇致しましょう」
こくり。
ノーム達と頷き合う桜花。
「さあ、ODENの海に沈め」
決め台詞のBガンバレイ。
対するは、食欲万全の桜花&ノーム軍団。
いざ実食!
「まずはこれだ」
白子! 餅巾着! 棒点! ソーセージ!
「一人一鍋! さあキチンと煮込んでドンドン出して下さいまし」
大人げなく、ノームを出し抜き、おでん種を頬張る桜花。
「ならば喰らえ! バーニング・豚足! ブラックハンペン! ホワイトハンペン! そして……餃子巻!」
怒涛の如く繰り出されるODEN攻撃にも、桜花達は全く苦にすることなく応戦していく。
Bガンバレイのおもてなし攻撃は、もはや弾幕の域に達しているにもかかわらず。
「美味しいですね! これは箸が止まりません!」
「まだまだ行くぞ」
ロールキャベツ、豚足、じゃが芋、牛すじ、豆腐、厚揚げ、蒟蒻、からのトマト! そして、ほどよく色づいたゆで卵や爆弾。
「さすが、取り揃えは豊富ですね! ひろうずに鳴戸巻き、竹輪麸、椎茸、あ、定番の結び昆布」
間断なく提供されるおでんを、桜花は全て受け止め、そして味わう。
「く、ODENに底などない! 豚モツ、根曲がり竹、竹輪、帆立、つみれ、赤巻、筍、烏賊巻、蛸……!」
ODENを食われ、劣勢に追い込まれながらも、種類の豊富さで桜花達を攻めたて……もてなし続けるBガンバレイ。
ともすれば飽きてしまいそうなところを、持参した練り辛子や、各種たれを駆使して、胃袋に収めていく桜花。
その光景……まさに、爆食!
「さあ、次はどんなおでんですか?」
「く……俺の負けだ……! だが、我がODEN道に、一片の悔いなし!」
どおおおおん!
Bガンバレイが爆発した。
「ごちそうさまでした」
桜花とノーム達は、食後の挨拶で、Bガンバレイを見送ったのであった。
「さっすが猟兵さん達にゃ。どんな相手にも対応する力、儂も見習わねばにゃ……けぷっ」
お腹を大いに膨らませ、猟兵達を讃える山本親分。
なんやかんやで猟兵と共にODENを食べ続けていたかと思いきや……いつの間にか白旗を上げていたのだった。
大成功
🔵🔵🔵