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影っぱいパラダイス~乳の章

#キマイラフューチャー #猟書家の侵攻 #猟書家 #シャドウキマイラ #キマイラ #ネタ歓迎 #アホギャグ #ノリと勢いだけでOKです

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●新たなる影っぱい
 キマイラフューチャーの、どことも知れぬ暗い場所。互いの姿も凝視せねば見えぬような一室で、何やら意味深な会話をする者達が。
「どうやら、私達の同士である『子豚・うしねこ』が、やられてしまったみたいねぇ」
「えぇ~! うしねこさん、やられちゃったの~!? 同じ牛さんだったかもしれないのに~!!」
 ほんわかマイペースで語る爆乳と、それを聞いて斜め上な驚き方をする巨乳。なんとも目のやり場に困る光景だが、そこに現れたのは屈強なる肉体を持った男の怪人。
「案ずるな、二人とも。彼女の想いに報いるためにも、我等四天王は次なる作戦を決行せねばならん!」
 そういうわけで、次は誰が作戦を実行するか。散々に語り合った上で、最終的に手を上げたのは、乳牛チックな格好をした巨乳の女怪人だった。
「それじゃ、今度は私がやってみるわね。うふふ……悪い猟兵は、お姉さんがお仕置きしちゃうわよ♪」
 かくして、猟書家幹部『シャドウキマイラ』の意思を継ぐ者として、シャドウパラダイスの新たなる刺客、『千葉・牛美』が出動することになったのだった。

●それは本当にアイスですか!?
 キマイラフューチャーの一角にある、アイスのオブジェが乗った華やかな建物。どんなアイスでも食べ放題という、アイスフェスの会場という話ではあったが……いざ、中に足を踏み入れてみれば、そこは怪人達による、阿鼻叫喚の地獄絵図が繰り広げられていた。
「おい、アイス食べ放題って聞いたのに、なんだよこれは!」
「ってか、それって本当にアイスなんだろうな! なんか臭うし、形もヤバいぞ!」
 椅子に縛り付けられたキマイラ達の前に、運ばれて来たのはソフトクリーム。だが、その形状と色からして、どうにも嫌な想像しかできず。
「失礼なこと言うなでプリ! これは僕達が丹精込めて作った、特性の『ウコンソフトクリーム』だプリ!」
 ロールペーパー片手に現れたウコンソフトクリーム怪人達が、キマイラ達の疑念に拍車をかける。そして、ウコンソフトクリーム怪人達は飛び交うブーイングもお構いなしに、目の前のアイスをキマイラ達の口へ強引に突っ込んだ。
「さあ、お望み通り、アイスを好きなだけ食べさせてやるでプリ!」
「ちょっと待っ……むぐぐぅぅぅっ!?」
 強引にアイスを押しこまれ、果てはアイスの製造機から直接チューブでクリームを口の中に流し込まれ……パンパンに膨れ上がったキマイラ達は、やがて虚ろな目をして牛乳を生産するだけの、乳牛怪人になってしまうのであった。

●今度は天然生搾り牛乳?
「なんかキマフューで、ま~たシャドパラが悪いこと企んでる感じ? 今までもやられまくってるのに、なんというか懲りないわよね」
 だが、実際に襲われるキマイラ達の身になって考えると、洒落にならない事態なので笑ってもいられない。今回のシャドウパラダイスはアイスフェスを騙ってキマイラ達を集め、彼らを怪人に改造しようとしているのだ。
「今から行けば、捕まっている人達が怪人にされる前に助けられるわよ。キマイラ達を騙している影法師怪人は、正体現すまでは普通のキマイラと見分けつかないから、襲われる直前じゃないと助けられないんだけどね」
 影法師怪人として暗躍しているのは、ウコンソフトクリーム怪人だ。もっとも、あくまで『自称』であり、本当は何の怪人なのか分からない。
「自称『ウコンソフトクリーム』怪人達は、特性のウコンソフトを無理やりに食べさせることで、キマイラ達を乳牛怪人にしちゃうみたいね。で、その乳牛怪人達を使って作らせた牛乳を使って、牛乳ソフトクリーム怪人にパワーアップしてもらえるって信じてるってわけ」
 なんというか、どこから突っ込んで良いのか分からないくらい、色々な意味で酷過ぎる話だった。ソフトクリームを食べて怪人になるとか、ウコンから牛乳へランクアップとか、もう完全に意味不明な謎理論。まあ、キマイラフューチャーのこういったノリに対して、今さら野暮な突っ込みを入れる者は少ないだろうが。
「で、この自称『ウコンソフトクリーム』怪人達を操っているのが、『千葉・牛美』っていう乳牛お姉さんよ。なんか、シャドウキマイラの意思を継いだ同士ってことで、前に私達に倒されたオブリビオンの無念を晴らそうともしているみたいだけど……」
 そんな私怨で事件を起こされた挙句、キマイラ達を乳牛怪人になど改造されては大迷惑! これは、一刻も早く現場に急行し、阻止しなければならない事件だろう。
「まあ、親玉って言っても、牛美は天然ボケなところもあるみたいだし……巨乳に見惚れなければ、なんとかなるっしょ!」
 ある意味、健全な男子にとっては最も難しいミッションをサラっと述べて、パトリシアは猟兵達を、キマイラフューチャーの偽アイスフェス会場へと転送した。


雷紋寺音弥
 こんにちは、マスターの雷紋寺音弥です。

 このシナリオは猟書家の幹部シナリオのため、2章で完結する仕様です。
 怪人に改造されそうなキマイラ達を助け出し、事件の首謀者を撃破しましょう。

 なお、設定上は以下の依頼の続きのような感じになっていますが、以前のシナリオを全く知らなくても、特に問題ありません。

『カゲっぱいパラダイス~猫の章(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=35726)』

●第一章
 『自称『ウコンソフトクリーム』怪人』との集団戦です。
 捕まったキマイラ達は、特性ソフトクリームを強引に食べさせられています。
 放っておくと、なんやかんやで乳牛怪人にされてしまいますので、その前に割り込んで阻止して下さい。

●第二章
 『近所の可愛い天然お姉さん『千葉・牛美』』との戦いになります。
 猟書家幹部『シャドウキマイラ』の意思を継ぐ者として、かつて倒された同胞の弔い合戦をするつもりのようですが……。

●プレイングボーナス
 キマイラ達に応援されると、プレイングボーナスが得られます。
 なお、彼らは現場に留まって猟兵達を応援してくれますが、ユーベルコードの類は使えず、戦力としてはカウントできません。
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第1章 集団戦 『自称『ウコンソフトクリーム』怪人』

POW   :    たべられません
【硬化させた頭部を回転させること】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    それじゃないプリ!!
【自分を排泄物扱いした相手に連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    芳醇な香り
【頭部】から【奇妙なニオイ】を放ち、【困惑】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

スプラ・プルトーイ
キマイラたちを離すんだ!ここは鮫風船の王子様スプラ・プルトーイが引き受けた!ソフトクリームをどうにかすればいいんだね?たくさんの鮫風船による物量と、僕と鮫の良く膨らむ水風船ボディによって、ソフトクリームを食べ尽くす!たとえ直接のチューブでも……大丈夫さ!(量産されていく、フグのようにまんまるな鮫風船)(スプラ自身も数倍、数十倍のまんまるに膨れ上がる)(スプラ自身は真面目ですが、ゆかいなギャグ調でお願いします)



●アイス大爆発!?
 椅子に縛り付けたキマイラ達に、情け容赦なくウコンソフトクリームを食べさせて行く怪人達。その行為は、やがてコーンに盛られたクリームを押し付けるだけでは留まらず、ついにチューブから直にクリームを流し込むまでに至っていた。
「む……ぐぐぐ……」
「も、もう……無理……うげぇ……」
 見れば、キマイラ達の身体はパンパンに膨れ上がり、このままでは完全に悪堕ちして乳牛怪人にされてしまう一歩手前だった。これはいけない。早く助けなければ、今に取り返しのつかないことになる。
「そこまでだ! キマイラたちを離すんだ!」
 見兼ねたスプラ・プルトーイ(鮫風船の王子様・f27450)が、多数のサメ型フロートを引き連れて現れた。予期せぬ乱入者の出現に、ウコンソフトクリーム怪人達の間にも動揺が走る。
「な、何者でプリ!? 僕達の邪魔をするなら、許さないでプリ!」
 どうせなら、お前も怪人に改造してやろうと、チューブを持った怪人達がスプラに迫る。だが、スプラは何ら慌てることなく、フロート達を展開し。
「ここは鮫風船の王子様、スプラ・プルトーイが引き受けた!」
 とりあえず、ソフトクリームによる攻撃を封じてしまおうと、スプラはフロート達をチューブの先端に噛み付かせる。当然、そんなことをすれば瞬く間にフロートはパンパンになってしまうが、それでもスプラは気にしない。
「よ~し、こうなったら全部食べ尽くしてやるぞ!」
 気合い十分、チューブから注ぎ込まれるソフトクリームを、スプラ自身も食べ続けた。もっとも、怪人達の用意したソフトクリームは想像以上の量があったようで、食べても食べても一向に減らない。
(「うぅ……。これ、ちょっとマズいかな……」)
 気が付けば、スプラの身体も膨れ上がってパンパンになっており、おまけにどこか薄茶色に染まっている。ソーダ水によって構築される彼女の身体の中に、ウコンソフトクリームを大量に注ぎ込み過ぎたのだ。
 一瞬でも気を抜けば、自分の身体がウコンソフトクリームとミックスされて、ウコンソーダシェイクになってしまい兼ねない大ピンチ! そしてなにより、いくらソフトクリームを食べたところで、怪人を倒さなければ全く根本的な解決になっていない!
「なかなか頑張るでプリ。でも、これ以上はやらせないでプリ」
「ソフトクリームを全部食べられる前に、お前の動きを封じてやるでプリ」
 今まで散々に好き勝手されていたウコンソフトクリーム怪人達が、ここに来て一斉に反撃へと転じて来た。その頭部から放たれるのは、なんとも言えぬ奇妙な臭い。一瞬でも、それを嗅いでしまったが最後、頭の中に焼き付けられるのは恐るべき疑念。
(「え? ちょっと、なにこの臭い!? もしかして、僕が食べていたのって……いやいや! そんなことないから! 絶対に、あっちゃダメだから!!」)
 最悪な想像が頭の中に浮かんでは消え、浮かんでは消え……困惑したスプラは、もうアイスなんて食べられない。このままでは、完全に太り損だ。捕まっているキマイラ達と一緒に、彼女もまた怪人に改造されてしまうのかと……そう、思われた時だった。

――BAAAAN!!

 なんと、限界を迎えた鮫型フロートが一斉に破裂し、周囲に溶けたソフトクリームを撒き散らしたではないか!
 スプラの鮫型フロートは、彼女の意思により表皮を任意の硬度にできる。だが、いくら堅くしたところで、限界が存在しないわけではない。意思のないフロートには臭気など関係なかったため、困惑することもなくアイスを吸引し続け、ついに破裂してしまったというわけだ。
「「「うわぁぁぁっ! な、なんじゃこりゃぁぁぁぁっ!!」」」
 溶けたクリームを直に浴びたキマイラ達が、一斉に叫び出した。まあ、そりゃそうだろう。色と臭いからしてアレなソフトクリームが溶けた液体を、頭から浴びてしまったのだから。
 もっとも、パニックになったのはウコンソフトクリーム怪人達も同じだった。なにしろ、彼らはソフトクリームの頭部とコーンのボディを持つ怪人。つまり……溶けたアイスなんぞ浴びようものなら、自分達の頭も溶けてしまい、ボディもフニャフニャになってしまうのだ!
「うぅぅ……あ、頭が溶けて力が出ないでプリ……」
「こっちは身体が……も、もうダメでプリ……」
 どこぞのパン頭したヒーローよろしく、ウコンソフトクリーム怪人達は、完全に腑抜けになってしまった。こうなっては、もう臭いなど発するだけの余裕もなく、それどころか放っておけば溶けてなくなってしまうのが関の山。
「……ぷはぁ! あ、あれ? なんだか知らないけど、いつの間にか勝ってる?」
 ソフトクリームを消化し、元の姿に戻って周囲を見渡すスプラ。だが、いったいどうやって勝てたのか、彼女には最後まで謎のままだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

百地・モユル
なんかこんなの食べさせられてたら乳牛というより別の怪人になっちゃいそうな…

とにかくあいつらをやっつけてみんなを解放しなくちゃ!
バスターフォームで遠距離から狙い撃つよ
これなら頭の巻き…ドリルも届かないよね
でも飛び散ったらごめん…

技能の属性攻撃となぎ払いものせて

防戦ならカウンターや咄嗟の一撃だね
あやしい怪人たちめ、ボクの炎で【焼却】して【浄化】してやる!

ニオイは…【覚悟】でガマンかな

怪人たちを倒せたら【救助活動】でキマイラさんたちの救護
だいじょうぶ?エチケット袋いるかな?

アドリブ絡み歓迎


夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
『アイスフェス』に惹かれる気持ちは良く判りますし、美味しい品なら『食べ尽くして対処』も有りだったかもしれませんが。

『FBS』を四肢に嵌め天井近くを飛行、【乳焔海】を発動し『乳白色の波動』を放射しますねぇ。
何しろ相手は『ソフトクリーム(自称)』ですから、『炎』を当てれは良く溶けるでしょうし、違うなら焼却処分で良いですぅ。
同時に『製造機』も纏めて焼いてしまえば、それ以上キマイラさん達が食べさせられることも有りません。
後は『FRS』『FSS』の[砲撃]を重ねて叩いて参りますねぇ。

あの、何やらキマイラさん達に勘違いされている様なのですが。
私は『乳牛のキマイラ』では無いですよぉ?


ワルルーナ・ティアーメル
竜の首からの火炎ブレスをまき散らしつつ登場するぞー
っと、連中は悪魔ほど頑丈じゃなかった。巻き込まぬよう気を付ける

連中が自由になったら我が第6の冠の力(食べたい物の材料を生み出す)と、
UCで呼び出した第6の軍勢、魔族料理人軍団の《料理・宴会・ドーピング・エネルギー充填》技能でキマイラどもにアイスを振舞ってやるぞ
その間我は敵に火炎ブレスを振舞ってやろう。主に頭狙いで。
臭いは元から断てというし、どうせなら蒸発して完全になくなるまでやればよかろ?

どうだぁ~?(怪人が燃える火で)暖まった気温の中で食べるアイスの味は~?欲しければもっとやってもよいのだぞ~?猟兵を応援さえすればな~?

※アドリブ他歓迎です



●汚物は焼却だ!
 のっけからウコンソフトクリームが周囲に撒き散らされたことで、戦場は早くも大惨事。キマイラ達が悶え苦しみ、身体の半分溶けかけた怪人達がパニックを起こして右往左往するという地獄絵図!
(「『アイスフェス』に惹かれる気持ちは良く判りますし、美味しい品なら『食べ尽くして対処』も有りだったかもしれませんが……」)
(「さすがに、アレを好んで食べる者は、悪魔にもそういないと思うぞ……」)
 遠間から様子を窺っていた夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)やワルルーナ・ティアーメル(百胎堕天竜魔王(自称)・f31435)は、早くもドン引きした様子だった。
 まあ、無理もない。アイス食べ放題な会場と聞いてやって来たら、こんな惨状を見せつけられたのであれば、彼女達の気持ちも理解はできる。
(「なんか、こんなの食べさせられてたら、乳牛というより別の怪人になっちゃいそうな……」)
 同じく、百地・モユル(ももも・f03218)もまた、既に頭の中は嫌な想像でいっぱいになっていた。あのアイスは、やはり見た目からしてヤバ過ぎる。あんなものを強引に食べさせられたら、それこそ便器とか、トイレの詰まったのを掃除するカッポン(正式名称はラバーカップと言います)とか、そっち系の怪人になってしまいそうだ。
 とりあえず、近づいて対処するのも嫌だったので、モユルは遠くから狙撃することにした。幸い、敵のボディが思っていた以上に脆いことは、先に戦いを挑んだ猟兵が身を以て証明してくれている。
「換装っ! ボクの体はこんなことだってできるんだぜ?」
 自身の義腕をバスターフレームに変形させて、モユルはウコンソフトクリーム怪人の頭部を狙い撃った。ソフトクリーム相手にオーバーキルな気もしないではないが、それはそれ。攻撃は見事に命中し、ソフトクリーム怪人の頭は、木っ端微塵に弾け飛んだ。
「うわっ、汚ねぇ!!」
「こっちに飛び散って来たぞ!!」
 もっとも、砕け散った怪人の頭部がキマイラ達に飛散したため、却って酷いことになっていた。これはいけない。やはり、多少のリスクは承知の上で、接近戦にて綺麗に退治するしかない!
「こ、今度は何処からの攻撃でプリ!?」
「気を付けるでプリ! スナイパーがいるでプリ!!」
 仲間の頭が吹っ飛んだことで、ウコンソフトクリーム怪人達も、こちらの存在に気付いたようだ。そのまま、頭部から放つ微妙な臭気で足を止め、そこへ堅質化させた頭部による頭突きを食らわせんと襲い掛かってくるものの、自分から近づいて来てくれるのであれば、むしろ好都合。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その裁きの理をここに」
 まずは、空中に浮かびあがったるこるが、全方位に強烈な波動を放った。それ自体には大した威力もないのだが……問題なのは、それを浴びた後である。
「ひぎゃぁぁぁっ! あ、熱いでプリ!」
「と、溶けるぅぅぅっ! 溶けるでプリィィィッ!!」
 この波動、浴びた対象を燃やすことができるのだ。熱に弱いウコンソフトクリーム怪人達にとっては、正に拷問にも等しい行為であり。
「フハハハ! 汚物は焼却してくれる!!」
 続けて、炎の吐息を撒き散らしながら乱入したワルルーナが、残る怪人達を焼いて行く。その一方で、自らは魔族の料理人を呼び出すと、キマイラ達に特性のアイスを振る舞い始めた。
「どうだぁ~? 暖まった気温の中で食べるアイスの味は~? 欲しければもっとやってもよいのだぞ~? 猟兵を応援さえすればな~?」
「する! します! だから、もっとアイスください! っていうか、ウコンソフトクリームじゃなければ、何でもオッケーって感じ!!」
 怪しげな味と臭いのソフトクリームを散々に食べさせられたキマイラ達には、選択肢などなかった模様。生き残った怪人達も、るこるやモユルがきっちり焼いておいたので、後には何も残ってはいない。
「だいじょうぶ? エチケット袋いるかな?」
「さあ、どうでしょうかぁ? たぶん、大丈夫だと思いますよぉ」
 キマイラ達の体調を心配するモユルに、るこるが答えた。まあ、この状況であれだけアイスを食べられるようなら、心配することもなさそうだ。
「助かりました、猟兵さん!」
「それにしても……まさか、乳牛のキマイラさんが猟兵だなんて、驚きです!」
 最後に、キマイラ達の何人かが、なにやら勘違いしつつ、るこるに頭を下げていた。確かに、体形だけ見ればそう思っても仕方ないのだが……るこるはキマイラではなく、バーチャルキャラクターである、念のため。
「あのぅ……私は『乳牛のキマイラ』では無いですよぉ?」
 苦笑しながら、るこるが告げるも、どうやらキマイラ達には聞こえていないようだ。まあ、とりあえず変な怪人達は全部焼却できたのだし、キマイラ達も助け出せたのだから、結果オーライである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『近所の可愛い天然お姉さん『千葉・牛美』』

POW   :    うふふ、お姉さんハグが好きなの!
【豊満な胸】から【温かく柔らかい感触】を放ち、【妄想や誘惑】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    あらあら、うふふ。
【お姉さんの意図せぬ天然行動】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【や空間をお姉さんの天然色に染め上げる】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ   :    ほらぁお姉さんの搾りたて生牛乳よ!(言い間違い)
【牛乳瓶】を向けた対象に、【牛乳瓶から放出した牛乳】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はピオニー・アルムガルトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●参上、乳牛お姉さん!?
 善良なキマイラ達を騙し、乳牛怪人に改造しようと企むウコンソフトクリーム怪人達は撃破された。
 だが、事件はこれで解決とはいかないのがお約束。配下の影法師怪人達を倒された『千葉・牛美』が、ついに自ら会場へ乗り込んで来たのだ。
「あらあら~? 怪人さん達、やられちゃったみたいね~」
 もっとも、生来の天然な性格が邪魔をしてか、どうにも牛美には危機感が足りていない。怪人は全部やられてしまったが、それでも自分が出てくれば、とりあえずなんとかなるだろうくらいの感覚なのだろうか。
 なんとも調子を狂わされる相手だが、それでも牛美は腐ってもシャドウキマイラの意思を継ぐオブリビオン。舐めて掛かれば、情けない形で返り討ちに遭うのが関の山。予期せぬ不足の自体で足下をすくわれないよう、気を引き締めて挑まねば。
「うふふ……あなた達が、噂の悪い猟兵さん達なのね。お姉さん、許さないわよ~」
 相変わらずの気の抜ける口調で言いながら、牛美はなんとも可愛らしいファイティングポーズを取って身構えた。こんな彼女を殴るのは気が引けるが……それでも、ここは心を鬼にして牛美を倒し、猟書家の野望を阻止するのだ!
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
先程のキマイラさん達に加え、牛美さんにも勘違いされている気がしますが。
乳牛のキマイラでは無いですよぉ?

牛美さんは組み付いてくる様ですから、此方もそれに合わせましょうかぁ。
『秘薬』を摂取し【沃貌】を発動、巨人の姿になりますねぇ。
指定する『器官』は『祭器との連動』で、これで服や『祭器』等も巨大化した体格に合わせられるのですが。
『体型の反動』で胸のサイズが倍増しているのは仕方ないとしまして、何故『器官』の形状が『牛角&尻尾』なのです?
取り敢えず『ハグ』が可能な体格差では無い上、この状態でのしかかってしまえば、仮に動きを止められてもそのまま[重量攻撃]で圧し潰せるでしょうかぁ。



●激突、爆乳ロワイアル!?
 配下が全て倒されたことで、仕方なく猟兵達の前に姿を現した千葉・牛美。そんな彼女は夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)の姿を見るなり、思わず目の色を輝かせながら叫んだ。
「あ~っ! もしかして、あなたは乳牛のキマイラさん!? よかったら、お友達になりましょうよ!」
 なんというか、のっけから斜め上な発言である。いったい、何をどう勘違いすれば、るこるが乳牛のキマイラに見えるのだろうか。
「あの……先程も勘違いされましたけど……私は、乳牛のキマイラでは無いですよぉ?」
 強いて言えば、共通するのは胸が大きなことくらい。だが、るこるの胸が大きいのは、決して彼女が妊婦だからではないぞ!
「あらあら、お姉さん、勘違いしちゃったみたいね。でも、お友達になれないなら、仕方ないわ」
 そう言って、牛美は少しばかり残念そうな表情を浮かべると、いきなりるこるに抱き着こうと突撃して来た。
「うふふ、お姉さんハグが好きなの!」
 自分の豊満な胸で相手の顔面をホールドすることで、イケない妄想に浸らせて動きを封じるという牛美の得意技。しかも、男子でなく女子にまで効果があるという、なんとも恐ろしいオマケ付き。
 もっとも、るこるとて黙ってやられるつもりはなく、彼女は牛美の動きに合わせて自らも秘薬を飲み干した。
「大いなる豊饒の女神、その偉大なる御姿の恵みを我が身へ」
 薬を飲み干した瞬間、瞬く間に肥大化して行くるこるの身体。否、これは肥大化などではない。文字通り、自らの肉体を3倍のサイズまで大きくする巨大化だ。
「あ、あらら……。こ、これじゃ、お姉さん、ハグできないわよ……」
 さすがの牛美も、これにはドン引きだった。圧倒的な体格差故に、これではハグをしようとしても、反対にるこるの身体に自分が埋まってしまいそうだ。
「とりあえず、これでハグはできませんねぇ。ですが……胸のサイズが大きくなるのは仕方ないとしまして、何故『器官』の形状が『牛角&尻尾』なのでしょうか……」
 巨大化した姿のまま、るこるが牛美を見下ろして言った。相手に合わせたと言えば聞こえはいいが、これではますます乳牛のキマイラに近づいているような気が。
「あ、あなたも牛さんだったのね。それなら、喧嘩はやめましょうよ……」
 本来、牛は争いが嫌いな動物だ。冷や汗をかきながら、なんとかるこるを言いくるめようとする牛美だったが、そんなことは関係ない。
「残念ですけどぉ……あなたを見逃すわけにはいかないのですぅ」
 そんなに喧嘩が嫌いなら、せめて殴る蹴る以外の方法で攻撃してやろう。自身の全体重をかけ、るこるは牛美に圧し掛かる。この場合は、むしろ倒れ込むと言った方が正しいかもしれない。
「あらあら、そんなことしちゃ危な……きゃぁぁぁぁっ!!」
 悲鳴と共に、何かが潰れる音がした。ユーベルコードを解除したるこるが周囲を見回すと、そこには両目を回した牛美が盛大に床へめり込んでいる姿が目に入った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ワルルーナ・ティアーメル
(……こ奴が最初から動いていれば作戦は成功していたのでは……?)
くっくっく、だが今更正統派のアイスを作れそうな乳牛が出てこようと後の祭り、
この会場は既に我が魔王軍(料理人軍団)の手に落ちた!
返してほしくば我らを倒してみるのだな!

貴様のUCが「牛乳瓶を向けた対象」への攻撃なら「我ら以外に」向けさせれば良いだけである!
……ん?貴様らな訳があるまい失礼な!(キマイラ達に)

来たれ我が分裂体!そして……(分裂体を一人捕まえる)逝ってこーい!!!
(牛乳瓶の先、射線に割り込ませるように分裂体をぶん投げて盾にする)

敵のUCを防いだらすかさずカウンターでの冷気のブレスと
残った我が分裂体達による総攻撃を食らえー!



●悪の猟兵現る!?
 猟兵達の前に、ついに姿を現した千葉・牛美。先の攻撃で床にめり込んでいる彼女を見て、ワルルーナ・ティアーメル(百胎堕天竜魔王(自称)・f31435)は思わず考えた。
(「……こ奴が最初から動いていれば、作戦は成功していたのでは……?」)
 あんなキワモノアイスで無理に改造などしなくとも、ちょっとエッチなお姉さんの誘惑で洗脳し、アイスを食べさせてしまえば良かったのではあるまいかと。
 まあ、それでも実際にそれをやられたら、阻止も難しくなるので勘弁して欲しい。それに、どちらにせよ先の怪人との戦いで、今やキマイラ達は完全にこちらの味方となっている。
「くっくっく、今更正統派のアイスを作れそうな乳牛が出てこようと後の祭り! この会場は、既に我が魔王軍(料理人軍団)の手に落ちた!」
 返して欲しければ、力づくで取り返してみろ。これ見よがしに挑発するワルルーナに対し、果たして牛美の返答は。
「うぅ……なんだか、とっても酷い目に……あらあら~? 今度は、随分と悪そうな人達がいるわね~。悪い人には、お仕置きしちゃうわよ~」
 ペチャンコに潰れていた状態から一転して復活し、ワルルーナ目掛けて牛乳瓶を向けて来る。知らない者からすれば、何の意味があるのかも不明な謎行動だが……油断したが最後、そこから発射される牛乳を浴びせられ、何故かダメージを負ってしまうというので、やってられない。
「ふん……貴様のユーベルコードなど、当に見切っておるぞ。『牛乳瓶を向けた対象』に攻撃するというなら、『我ら以外に』向けさせれば良いだけである!」
 やれるものなら、やってみろ。その場で仁王立ちするワルルーナだったが、その一方でキマイラ達の間には動揺が走り。
「おい……それって、俺達を盾にするってことか!?」
「いや、もしくは、流れ弾など気にしないで、無差別攻撃をするつもりなのかも……」
 なんとも嫌な雰囲気が蔓延し始めたが、それはそれ。ワルルーナとて、さすがに要救助者である彼らのことを、弾除け代わりに使おうとは思っていない。
「……ん? 貴様らな訳があるまい失礼な!」
 咄嗟に否定するも、その隙に牛美が牛乳瓶から牛乳を発射して来た。もう、これ以上は説明している暇もない。
「来たれ我が分裂体! そして……逝ってこーい!!!」
 斜線に割り込ませるような形で、ワルルーナは自身の小さな分身体を掴んで投げ飛ばす。一撃でも攻撃を受けたら消滅してしまう脆弱な存在だが、盾代わりにするには十分だ。
「どうじゃ! そして……そんなにアイスが好きなら、貴様がアイスになるがよいわ!」
 すかさず、冷気のブレスを浴びせれば、途端に牛美が震え出す。あんな露出度の高い格好で、正面から冷気攻撃を食らってしまえば、さぞ冷たいことだろう。
「ふははは! お次は、我が分裂体達による総攻撃だ! 食らえー!」
 続けて、ワルルーナは自らの分身の残りを操り、一斉に牛美へと嗾けた。冷気で凍っていた牛美には、避けようと思っても避けられるものではなく。
「きゃぁぁぁっ!!」
 悲鳴と共に、全身を小さなワルルーナに群がられ、抵抗空しくボコボコにされた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

藍原・蒼夜(サポート)
 人間の學徒兵×力持ち、18歳の女です。
 普段の口調は「おっとり系(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 偉い人には「敬語(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

のんびり、おっとりした性格で、多少天然ボケな面もあります。
武器は主に退魔刀を使用して戦います。
好きな物は、可愛いぬいぐるみ、綺麗な花、静かな場所。
趣味は小説等の読書。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


十文字・真(サポート)
14歳の中学生です。思春期なため女子に興味津々です
 基本の口調は「厨二(我、貴様、だ、だな、だろう、なのか?)」、素で話す時は「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」です。当て字、横文字、妙に難しい言葉が好きです
常に厨二な感じで喋りますが色々未熟な為、時折素の口調が出てしまったり、「それ厨二?」な事を言ったりもします。笑い方は「くくく…」です
 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


隣・人(サポート)
『隣人ちゃんは隣人ちゃんですよ隣人ちゃんと呼んでくd』
バーチャルキャラクターの殺人鬼 × 四天王
年齢 22歳 女
外見 158.4cm 赤い瞳 茶色の髪 色白の肌
特徴 囚われていた 実は奴隷だった ハイテンション! いつも笑顔 刺激に敏感
口調 ビハインド(自分の名前+ちゃん、あなた、~さん、ね、よ、なの、かしら?)
恋人には 収容違反(私、アンタ、ね、よ、なの、かしら?)
人型のオブリビオンが相手だと三半規管を狙います
それはもう執拗に狙います
相手が『見せられなく』なるまで

真の姿の際は『殺人』特化
普段とは違い、シリアスな感じでお願い致します


サエ・キルフィバオム(サポート)
アドリブ歓迎

基本的には情報収集が得意かな
相手が何かの組織だったら、その組織の一員になり切って潜入して、内側から根こそぎ情報を頂いちゃうよ
そうじゃなければ、無害で魅力的な少女を演じて、上手く油断させて情報を引き出したいね

戦いになったら、直接力比べの類は苦手だから、口先で丸め込んだりして相手を妨害したり、糸を利用した罠を張ったり、誘惑してだまし討ちしちゃうかな
上手く相手の技を逆に利用して、手痛いしっぺ返しが出来ると最高♪
敢えて相手の術中に陥ったふりをして、大逆転とかも良く狙うよ



●セクシーへブン!
 部下の失敗を尻拭いする形で現れた千葉・牛美。だが、実際は殆ど活躍することもできないまま、猟兵達によって情け容赦ないフルボッコ。
「うぅ……こ、こんなの、聞いてないわよぉ……」
 ボロ雑巾のようになりながらも、牛美は辛うじて立ち上がった。その巨乳がクッションとなり、攻撃を吸収して和らげてくれたのだろうか。
 ふらつく足取りで、牛美は出口を目指して駆け出した。
 冗談じゃない。こんなところで殺されて堪るか。必死に逃げる牛美だったが、それを見逃す猟兵達ではなく。
「おっと、そこまでだ! ここから先は、この十字神(クロス・ゴッド)が相手にな……っ!?」
 最初に立ちはだかったのは、神を自称する少年、十文字・真(十字神(クロス・ゴッド)・f25150)。だが、いざ牛美の前に立って見ると、真の視線は相手の胸元に釘付けとなってしまった。
(「うぉっ! ヤベェ……なんっつー胸だよ、あのお姉さん。しかも、結構美人だし……」)
 哀しいかな、そこは思春期男子特有の性でもある。もっとも、ここで胸に見惚れて牛美を逃がしたら一大事。同じく、牛美包囲網を完成させるべくグリモア猟兵により送り込まれた、サエ・キルフィバオム(突撃!社会の裏事情特派員・f01091)と藍原・蒼夜(蒼き宝刀・f23131)が、それぞれ真に激を飛ばした。
「こら! なにやってんのよ! 敵が逃げちゃうじゃない!!」
「ふふっ……男の子って、本当にしょうがないわね」
 もっとも、真にとって、これはむしろ追い討ちであった。なにしろ、サエも蒼夜も真からすれば、普段はグラビア写真でしかお目にかかれないような、スタイル抜群のお姉様なのだから。
(「なにぃっ! 敵だけでなく、味方もセクシーなお姉さんだと!? ……て、天国かよ、ここは……」)
 もはや、真の精神は完全にへブン状態。初心な男子であれば、鼻血を噴き出し卒倒間違い無しの展開であるが、さすがにそれでは格好がつかない。
「くくく……いいだろう。今こそ、我が力を見せる時……我を天国の扉(オーバーへブン)へ誘ってくれた礼をしてやらねばな!」
 なにやら勝手に盛り上がりながら、真は巨大な黒騎士を召喚した。その見た目通り、説明なしで無茶苦茶強そうである。
「あらあら……なんだか、随分と強そうな人が来ちゃったわね……」
 さすがの牛美も、これにはドン引きだった。今の状態で、この黒騎士を相手に勝てる余裕は残っていない。誘惑して動きを止めるにしても、相手が感情を持たないロボットのような存在であれば意味がない。
「ご、ごめんなさい……。お姉さん、そういう遊びはちょっと……」
 巨大な剣を振り回して襲い掛かる黒騎士の攻撃を紙一重で避けながら、牛美は今来た道とは別の方へ逃げ出そうとした。が、しかし、そこには既に彼女の行動を先読みしたサエが、鋼糸による罠と張っていた。
「あぅっ!? な、なにこれぇ!?」
「残念だったわね。目ぼしい逃走経路なんて、既に全部封鎖済み」
 サエの言う通り、見れば出口と思しき場所には、全て鋼糸のトラップが仕掛けられていた。哀れ、罠にかかった牛美の身体に糸が食いこみ、もがけばもがくほど、豊満なボディがイケない形に縛られて行く。
「あぁん! こんなのだめぇ……」
 意図せず艶っぽい声を上げて抵抗するあたり、なんというか天然なのだろう。もっとも、彼女の行動は真のハートに更なる炎を燃え上がらせるだけで、他の女性たちには全く効果のないものだったが。
「そろそろ、観念してもらうわね。……それっ!!」
 真が再び牛美を攻撃するよりも早く、糸に絡まった牛美を蒼夜が片手で持ち上げた。見た目によらず、とんでもない怪力だ。そのまま柔和な笑顔を浮かべ、しかし笑顔とは反対に、蒼夜は牛美を力任せに床へと叩き付け。
「……っ!? はぶっ!! おごっ!! ぶべらっ!!」
 悲鳴を上げる暇さえ与えずに、何度も何度も持ち上げては叩き付ける。それはまるで、牛肉を叩いて柔らかくする作業の如く。さすがの巨乳クッションも、蒼夜の怪力の前では意味を成さず。
「あぅぅ……で、でもまだ……まだ、負けないわ……」
 先程にも増してボロボロになった牛美だったが、しかしそれでも彼女は諦めていなかった。一瞬の隙を突き、牛美は真に狙いを定めてタックルをかますと……そのまま自身の豊満な胸で、彼の顔を抱き締めた。
「うふふ……お姉さん、戦いよりもハグが好きなの❤」
「なっ、なにぃっ……!?」
 だから、ここは見逃してもらえないかと、優しく真に迫る牛美。さすがにこれは刺激が強過ぎたのか、真は一瞬動きを止めてしまい。
「あっ……逃げた!」
「もう、仕方ないわね。追うわよ、二人とも」
 サエが叫ぶも、時既に遅し。苦笑交じりに告げる蒼夜と共に、三人は牛美を追って、施設の更に奥まで駆けて行った。

●エンドレス反芻地獄
「はぁ……はぁ……。な、なんとか、追手からは逃げられたかしら……」
 薄暗い地下室のような場所で、牛美は肩で息をしながら呟いた。
 あの後、自分を追って来た三人の猟兵から逃れるために、気が付けばこんな場所まで逃げてきてしまった。ここは幹部しか知らない秘密の部屋。故に、配下の怪人や一般のキマイラはおろか、猟兵でさえも発見できない場所のはず……だったのだが。
「どうも、隣人ちゃんですよ~」
 なんと、そこには既に隣・人(🌈・f13161)が待ち構えていたのである。いったい、どうやってこんな場所に忍び込んだのかは知らないが、これにて牛美は完全に詰んだも同然だ。
「あなた、人間? それとも牛さん? まあ、細かいことはどーでもいいですね」
 なぜなら、これからやることは、どちらにしても決まっているのだから。そう言って人は牛美のこめかみ辺りに、情け容赦ないパンチをお見舞いし。
「……きゃぁっ! あ、あらら……なんだか、頭がふらふらして……」
 一瞬にして三半規管を破壊するのは、彼女だけが成し得る匠の技。そのまま、今度は牛美の身体をぐるぐると回し、更に脳髄をシャッフルし始めたのだから、堪らない。
「うぅ……き、気持ち悪……おぷっ!?」
「おっと、まだ吐いたらダメですよ。牛さんなんだから、ちゃ~んと『反芻』するのですよ」
 思わずモザイクを吐きそうになった牛美の口を、人は強引に抑えて止めた。普段だったら、ここでモザイクリバースさせるはず。だが、それでは芸がないし面白くない。折角、牛が相手なのだ。可能な限り反芻させた上で、何度も往復することで熟成された、特大モザイクを噴射させるつもりなのだ。
「んんっ……ぐぅ……あぶぅ……」
 身体を回される度に、牛美はもがいた。下手に何か喋ると、それだけで大惨事になってしまい兼ねないので、もはや目眩に抗い倒れないようにするのが精一杯。
「そろそろ頃愛ですかね。それでは……最後のダメ押しなのですよ」
 そんな牛美の腹を蹴り飛ばし、反動で後ろに飛ぶ人。衝撃が腹を駆け廻り、真後ろに倒れ込んだ牛美は、そのまま今まで溜めていたモザイクの全てを噴射して、とても『お見せできない』格好になったまま気絶した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

神楽坂・神楽
人を牛へと変えて乳を搾取する――
どんな奴がそんなことを企んだのかと思えば、随分とのほほんとした奴じゃな
いや、こういった自身の邪悪に無自覚な者の方が考えが読めぬ分、恐ろしいかもしれぬ

それにしても随分と弛んだ身体をしておるな
わしが少し稽古をつけてやるとしよう

とは言ったものの、あのようななりでも敵の幹部
正面から戦いを挑むのは得策ではないか
間合いに入る前にUCで背後に転移し、連打をお見舞いしてやろう

さて、人から搾取しようとしておったのだ
自分が同じような目に遭うことは想定しておったのだろう?
おぬしの身体は全て、わしの刻印で喰らってやろう

安心せい
おぬしのように長く搾取することなどせぬ
分解も吸収も一瞬じゃ



●最後は美味しくいただきましょう
 全身に浴びた吐瀉物を拭い、フラフラの状態で地下から戻って来た千葉・牛美。
 はっきり言って、これは酷い。仲間の仇を討つはずが、蓋を開けてみれば完全に猟兵に振り回され、殆ど何もできなかった。
「うぅ……ひ、酷い目に遭ったわ。お姉さん、シャワーが浴びたくなっちゃった」
 この状況で、なにを呑気なと思うかもしれないが、これが牛美の素なので仕方がない。もっとも、彼女を追い詰めるべく施設に乗り込んだ神楽坂・神楽(武術指導員・f21330)からすれば、なんとも拍子抜けな話ではあったが。
「人を牛へと変えて乳を搾取する……どんな奴がそんなことを企んだのかと思えば、随分とのほほんとした奴じゃな」
 だが、こういう無自覚に悪事を働く者の方が真に恐ろしいのではないかと、神楽は直ぐに考えを改めた。まあ、実際は邪悪というよりも単なるド天然のアホなので、どこまで恐ろしいかは疑問なのだが。
「あらあら、また猟兵さん? お姉さん、今日はもう疲れちゃったから、勘弁して欲しいんだけどな……」
 神楽に気付いた牛美が、微笑みながら懇願して来た。この状況で、逃がしてもらえると思っているのだろうか、彼女は。……うん、思っているんでしょうね。だって、頭の中まで牛と同じな、究極ド天然お姉さんなのだから。
「それにしても、随分と弛んだ身体をしておるな。わしが少し稽古をつけてやるとしよう」
 牛美の願いなどマルっと無視し、神楽は容赦なくブチのめすことにした。そんな彼女の言葉を聞いて、さすがの牛美も怒ったようで。
「むぅ、失礼ね! 女の人に、体型の話をするなんていけないのよ!」
 頬をプウッと膨らませて抗議の言葉を述べるが、全然怖くない上に、あざと過ぎて残念極まりない。
 こんなやつの相手を、いつまでもしている時間はない。瞬間、神楽は牛美の前から消え失せると、次に姿を現した時は、相手の背後へ回っていた。
「あら? どこへ行ったのかしら? もしかして、私を逃がしてくれるのかしら?」
「そんなはずなかろう、愚か者め……」
 牛美が振り向くよりも先に、背後から怒涛のラッシュを繰り出す神楽。首筋から脊柱にかけて連打を叩き込む様は、まるで牛肉をたたきに調理して行くが如く。
「あ……あがが……が……」
 さしもの牛美も、こうなっては泡を吹いて、膝から崩れ落ちるだけだった。元より、今までの猟兵達とのダメージが蓄積していた身体では、神楽の攻撃に耐えられるはずなどなかったのである。
「さて、人から搾取しようとしておったのだ。自分が同じような目に遭うことは想定しておったのだろう?」
 既に立つこともできなくなった牛美に、神楽は静かに刻印を翳す。このまま死ぬまで殴っても良いが、それは彼女の趣味ではない。
「おぬしの身体は全て、わしの刻印で喰らってやろう。……安心せい。おぬしのように長く搾取することなどせぬ。分解も吸収も一瞬じゃ」
 お役御免となった乳牛は、最後は肉牛として食われるのが定め。神楽の刻印が一瞬輝いたかと思うと、牛美は断末魔の悲鳴さえ上げられぬまま、刻印に吸収されて消え失せた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年08月08日


挿絵イラスト