「お集まりいただきありがとうございます」
君達に頭を下げたフェリクス・フォルクエイン(人間の天馬聖騎士・f00171)は、皆さんにはヒーローズアースの世界に向かって欲しいんですと切り出した。
「ヒーローズアースでは、ミストレス・バンダースナッチの目論む『超生物スナークの創造』を実現すべく複数の幹部が活動していたのですが――」
このうちの一人、カーネル・スコルピオは1999年に発生した善悪の決戦『ジャスティス・ウォー』で心に傷を受けたスピリットヒーローをユーベルコードによって覚めない眠りへと誘い、悪夢を見せてその力を暴走させることを企んでいた。
「そのカーネル・スコルピオは討たれたのですが、意志をついで行動を開始したオブリビオンが居るようなんです」
その名は、怒りに震えて引き籠る者・ニートヘッグ。金色の樹の扉を解して現れる蒼い竜のような何かであり。
「引きこもりのオブリビオンが何故遺志を継いで行動してるかに関してはちょっと謎なんですが……ともかく、このままでは狙われたスピリットヒーローの力の暴走によって現実と悪夢の世界が繋がり、悪夢に登場する存在が無敵の怪物『スナーク』として現実に具現化してしまいます」
オブリビオンの動機はどうあれ、これは見過ごせない。
「現実と夢を繋げるってことはこちらから悪夢の世界へ侵入することも可能なので、皆さんにはまず覚めない眠りについてしまったスピリットヒーローの元へと赴いていただきます」
現実で病院に収容されたスピリットヒーローに触れることで悪夢の世界に赴くことができるそうで、病室まではまずフェリクスが君達を転送するという。
「悪夢の中でスピリットヒーローにトラウマを打破させれば、スピリットヒーローを目覚めさせることが叶う筈です。もっとも、ニートヘッグはそれを阻止すべくトラウマが打開されたところで乱入してくるでしょうが」
ある意味ちょうど良いとも言える、黒幕が自分から倒されるため出てきてくれるのだから。
「ええと、それで今回狙われるスピリットヒーロー何ですが」
決戦当時まだ10代前半だった吹雪や氷を操る少女は、その戦いで親友を失ったのだと言う。
「危ういところをビキニアーマーを着た老人に助けられたとかで、その老人の流派であるビキニアーマー格闘術、だったかな? そう言うのにのめり込んでいって人が変わってしまったらしく」
目をそらしつつフェリクスが言うには悪夢の中では少女の親友が老人に心酔し自分の元を去ってゆく光景を繰り返し見せつけられているのだとか。
「本来なら直接危害を与えてはこない訳ですけど、皆さんは招かれざる客ということもあってか、その老人ことマスター・ビキニアーマーは皆さんを認識すれば襲いかかって来ます」
しかもこの老人はスピリットヒーローの恐怖心により超強化されておりそのまま倒すのは難しいという。
「夢の中にいるスピリットヒーローにトラウマと向き合う勇気を与えてください。こう『まだ正道に引き戻せるから説得しよう』とか『一緒にあの老人を倒して僕たちの方が強いとわかれば彼女も』とか、説得方法は色々あるでしょうし内容はお任せします」
彼女の恐怖心が力を与えている以上、逆に勇気を持てたなら敵は弱体化する。
「悪夢にとらわれてる方の為にも」
よろしくお願いしますねとフェリクスは君達に頭を下げるのだった。
聖山 葵
こう暑いと涼しい格好とかいいなぁって思いませんか?
それはさておき、今回は幹部の意志を継いだオブリビオンの企みを打ち砕いていただくお話となっております。
また、このシナリオフレームには下記の特別な「プレイングボーナス」があり、これにのっとった行動をすることで、戦いに有利になります。
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プレイングボーナス(全章共通)……スピリットヒーローにトラウマを克服させる、もしくは共に戦う。
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では、ご参加お待ちしておりますね。
第1章 ボス戦
『マスター・ビキニアーマー』
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POW : ワシにうぬらの強さを見せてみせい!
【後の先の構えを取る自分 】に変形し、自身の【背の武器を使わないこと】を代償に、自身の【防御力と回避率およびカウンター攻撃】を強化する。
SPD : 堅牢鉄壁・真・アーマー・ビット
自身が装備する【ビキニアーマーのパーツ 】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ : ビキニアーマー格闘術最終奥義『鎧包解脱求道拳』
【カウンター攻撃 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【光り輝く拳型のオーラ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
イラスト:しゃかむに
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ミュリエル・フォルクエイン」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
津崎・要明
戦いに赴けば命が危険に晒される事もある
自分より強い者に憧れる気持ちは、もっと強くなりたいという願いから生まれる。
君の親友は向上心の旺盛な人なんだね。
訊いていいか分からないが敢えて尋ねよう、アレと自分を秤にかけてアレを選んだ友を君は許せるかい?
もし心に怒りの炎が宿るなら、その全てをアレにぶつけてやろうじゃあないか!
君の友はきっと帰ってくる。その時は絶対アレを超えてくる。そいつをギャフンと言わせる為に先ずアレを倒せなければ!
敵の攻撃は受け流す
UCを使用 水流をカッターにして攻撃
さらにヒーローさんに放った水を凍らせて貰い足止めと成そう
(怒っててくれたら助かるよ、俺ならマジ凹むわ・・・。喀血しつつ)
「ここが、そうなんだな」
転送され病室に降り立った津崎・要明(ブラックタールのUDCメカニック・f32793)が周囲を見回せば、ベッドに顔をしかめ横たわって身じろぎする女性が一人。迷う必要などどこにもなかった、要明は女性に触れ。
「ぬははははっ、安心せい。敵はワシが、ぬっ?!」
次に目にしたのは、一人の少女の前に立ったビキニアーマーを身に纏う老人ことマスター・ビキニアーマーが少女に向けて振り返ろうとしたところだった。振り向く途中で老人の動きが止まっているのは、マスター・ビキニアーマーが要明の存在を認識したからか。
「戦いに赴けば命が危険に晒される事もある。自分より強い者に憧れる気持ちは、もっと強くなりたいという願いから生まれる」
老人の側の少女に先ほど触れた女性の面影が全くないことを見て取った要明は周囲を見回し、老人の側の少女へ手を伸そうとしながら尻もちをついた別の少女へ言う。
「君の親友は向上心の旺盛な人なんだね」
と。要明の目に移るその少女の面影が、病室で見た女性にあり。
「ナタリー……」
ポツリと少女の零した名は、おそらく浅黒い肌にビキニアーマーを纏う老人に助けられた少女のもので、グリモア猟兵の情報通りなら口を開いた少女の親友の名の筈だ。少女は、これがきっかけで変わってしまうのだという。
「訊いていいか分からないが敢えて尋ねよう、アレと自分を秤にかけてアレを選んだ友を君は許せるかい?」
だから、要明は問うた、ただ。
「戦場に軽々しく踏み込むでないわぁっ!」
少女が何か言うよりも早く、老人が夢への乱入者である要明への排除に出た。
「うおっと」
まずは説得を止めさせようというのであろう、けん制と思われる拳の一撃をはとっさに受流し。
「まぁ、それもそうか。何時の世にか何処にか 水に満ちたる惑星あり そは真なりや夢幻なりや? さざめくは青」
黙って説得を続けさせてくれない敵の様子に要明はウォータートルネードを纏うと、水流を細くし触れるモノを切断する刃の様に放出する。
「ぬっ。小賢しい」
強化されているとはいえ、まともに受けるつもりもないのかマスター・ビキニアーマーは身体を傾けてこれを躱し。
「どうやらやる気みたいだし、やられるつもりはないからね。俺は戦うけど、君はどうする? もし心に怒りの炎が宿るなら、その全てをアレにぶつけてやろうじゃあないか!」
老人が回避したことで生じた間を使い、要明は少女に尋ねた。
「わた……わたしは……」
「君の友はきっと帰ってくる。その時は絶対アレを超えてくる。そいつをギャフンと言わせる為に先ずアレを倒せなければ!」
迷いがあるのか視線を揺らす少女へ要明は尚も声をかけ。
「ええい、うら若き娘をたぶらかすでないわぁ! 堅牢鉄壁・真・アーマー・ビットォ!」
「それはこっちのセリフだ!」
説得を妨害しようとマスター・ビキニアーマーが大量に複製し飛ばしてくるビキニアーマーのパーツへ、要明は直撃するモノは受流そうとしつつ水流の放出で応戦する。どこかの肌触りがいいタオルならともかく、同じ黒でも老人が股間に着けていた防具の直撃など余程特殊な趣味でもなければ御免の筈であり。
(「怒っててくれたら助かるよ、俺ならマジ凹むわ……」)
攻防を繰り広げながらも一瞬できた間を使って要明は少女の様子を窺いつつ、もし自分が少女の立場だったらを想像し口元からごふりと喀血したかのように黒いナニカを垂らす。
「そう、よね」
「なっ」
その直後だった。複製されたビキニアーマーのパーツとぶつかって散った水流の飛沫、老人にかかったソレが音を立てて凍てつき始めたのは。
大成功
🔵🔵🔵
月凪・ハルマ
なんというか……とにかく見た目が酷いなオイ(心底)
◆SPD
……まぁ、それはひとまず置いといて、と
真面目な話、今ここであの変態を越える事ができなければ
今後その親友に会う機会すら失う事になりますよ
――覚悟があるなら手を貸します。俺は、その為に来ました
敵のUCを含めた攻撃は【瞬身】を発動して能力を強化した上で
【見切り】【残像】【武器受け】【第六感】で回避
ヒーローさんには隙を見て敵とその周囲に吹雪を、
できるだけ長い時間発生させ続けて欲しい
そうすれば寒さで動きを鈍らせたり、敵UCの複製ビキニアーマーの
操作の妨害など、複数の効果が見込める筈だ
後は隙を見て、エンジンを起動した破砕錨・天墜を叩き込む
できるだけ
「なんというか……とにかく見た目が酷いなオイ」
悪夢の中へと侵入を果たした月凪・ハルマ(天津甕星・f05346)は、心の底からそう思った。浅黒い肌で筋骨隆々の老人がビキニアーマーのみを身に着けている、それだけでも充分視覚への暴力だが、攻防の直後でもあって水流に弾かれたいくつものビキニアーマーのパーツが周囲には散乱しているのだ。笑顔を作りつつも口の端から一筋血が流れていても無理はない光景なのかもしれない。
「……まぁ、それはひとまず置いといて、と」
ビジュアル面での酷さを判定するために足を運んだわけではないハルマはマスター・ビキニアーマーも視界の端っこに追いやると、夢の主である少女に向き直り。
「真面目な話、今ここであの変態を越える事ができなければ、今後その親友に会う機会すら失う事になりますよ」
「……超える、か」
自身の言葉を反芻する少女を見つめたまま、更に切り出す。
「――覚悟があるなら手を貸します。俺は、その為に来ました」
と。
「大丈夫」
氷雪が舞ったのは言葉と同時であった。
「前の人にも、言われたもの」
説得は実を結んでいたのだろう。
「隙を見て敵とその周囲に吹雪を」
何をすればいいかしらと言う少女の問いに、ハルマは要望を口にし。
「できるだけ長い時間発生させ続けて欲しい」
そう付け加える。
「そうすれば寒さで動きを鈍らせ」
「いつまでくっ喋っておるかぁ!」
ただ、理由を最後まで口にすることはかなわなかった。悪夢への侵入者へマスター・ビキニアーマーが殴りかかってきたのだ。
「っと」
迫る拳を躱せたことを自身の第六感へ秘かに感謝しつつ、ハルマは意識を研ぎ澄ます
「―集中しろ。もっと、深く……!」
「堅牢鉄壁・真・アーマー・ビットォ!」
次は拳打では済まない本格的な攻勢があると踏んで目をやれば、前方の空間を埋めるように広がるビキニアーマーのパーツ群。
「な」
それを含むマスター・ビキニアーマーを突如吹雪が包み込んだ。
「ああ、そっか」
それはハルマが少女に依頼した事、ならば。
「それじゃ、いきますか」
驚き生じた隙を逃さず、ハルマは大型のチェーンアンカーを振りかぶる。
「しま、ぐはっ」
エンジン音を響かせながら、残像を帯びて間合いを詰めるとそのままマスター・ビキニアーマーを叩き伏せたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
クリミネル・ルプス
「…強さってヒトによって認識が異なるモンやね。」
見た目や性癖の相違による嫌悪感はこの際置いておこうと思う。
「友人は『アレ』になりたいと思うたワケなんよね…。でも、強さを求めた故にかもしれんよね」
かつて復讐に燃えた自分は今は共に生きる良人(ヒト)が居る。
「ヒーロー!アンタが負けたら、過去の友達との思い出も無くなるんや!!ウチも手伝ったる!!」
戦闘方針
糖質の硬化、流動性、粘着性を用いての受け流しからの攻撃がメイン。
嫌悪感はあるものの肉体派戦闘は一向に構わず。
糖質でくっついてからのキャッチアズハンズ的なレスリング戦でカウンター封じをしようかと。
密着の際に凍らせて貰ってくっつき強化もアリかも。
山梨・玄信
ふむ、説得か…。苦手分野じゃが頑張るしかないのう。
【SPD】
少女には後悔の無い行動をするよう諭した後、ビキニには褌で対抗するぞ(ヌギヌギランド理論)
少女をオーラ防御で守りつつ、パーツは気の放出(範囲攻撃)で迎撃するのじゃ。
一気に距離を詰めたら、少女の炎を敵顔目がけて撃って牽制してもらい、確実にUCの一発目当てるぞ。そして、間髪入れずに二発目をお見舞いじゃ。
「月凪殿も言っておったが、あれはお主が越えるべき試練じゃ。あれに親友を取られたまま尻尾を巻いて逃げたら、一生後悔する事になるぞ」
「脱衣には脱衣じゃ!あ、お主はやらんで良いぞ。…布面積の多いビキニに褌が負ける要素は無いのじゃ」
アドリブ歓迎じゃ
「ふむ、説得か……。苦手分野じゃが」
ちらりと少女の方を見て山梨・玄信(3-Eの迷宮主・f06912)が頑張るしかないのうと続ける一方、クリミネル・ルプス(人狼のバーバリアン・f02572)は呻きつつ身を起こそうとする筋骨隆々の老人へと視線を向けていた。
「……強さってヒトによって認識が異なるモンやね」
見た目や性癖の相違による嫌悪感をこそっとクリミネルは脇に置き。
「友人は『アレ』になりたいと思うたワケなんよね……。でも、強さを求めた故にかもしれんよね」
復讐に燃えた過去と大切な良人と共に生きる今を思う。
「月凪殿も言っておったが、あれはお主が越えるべき試練じゃ。あれに親友を取られたまま尻尾を巻いて逃げたら、一生後悔する事になるぞ」
そんな中、玄信は少女を諭し。
「ヒーロー! アンタが負けたら、過去の友達との思い出も無くなるんや!! ウチも手伝ったる!!」
一人に説得を任せて置く気はクリミネルにはなかった。
「ありがと」
二人分の声援に少女が零したのは感謝の言葉、そして。
「ぬうっ、小癪な」
少女の作り出した吹雪がマスター・ビキニアーマーへと容赦なく吹き付け。
「ビキニには褌、脱衣には脱衣じゃ! あ、お主はやらんで良いぞ。……布面積の多いビキニに褌が負ける要素は無いのじゃ」
いかにも寒そうな光景にも構わず玄信はヌギヌギランド理論に従い、服に手をかけ脱ぎ始めながら少女の方を振り返って釘を刺し。
「……やんないわよ!」
少し貯めてから少女がツッコミを入れるところまでがある意味様式美だろうか。
「ぐううっ、おのれ黙っておれば好き勝手なことを、うぬら纏めて叩きのめしてくれる! 堅牢鉄壁・真・アーマー・ビットォ!」
「ふむ、やはりそう来たか――」
コントめいたやり取りの裏で身体のあちこちを雪で覆われながらも老人がビキニアーマーのパーツを夥しい数に複製し放つが、玄信からすれば想定した流れ。
「お主の動き、見切ったぞ!」
褌以外のすべてを脱ぎ捨てながら放出した気が群れて飛来するビキニアーマーのパーツを弾き散らし。
「ゆくぞ!」
生じた隙間に飛び込むようにして玄信は一気に距離を詰めた。
「今じゃ、炎を」
「私は氷系専も、ああ、もういいわよ!」
玄信の要請にツッコミで応じかけながらも少女が飛ばしたのは氷の塊。
「ぬっ、狙いが甘いわ」
「いや、リクエスト通りじゃ」
飛来した氷を老人は顔を逸らして躱すが、次の瞬間翻った玄信の右足がその顔面に炸裂するのだった。
「ごっ」
「もう一撃っ」
玄信が望んだのは一撃目を確実に入れるための牽制。マスター・ビキニアーマーの気と動きの癖を覚えた玄信はそのまま連撃を老人の身体へ叩き込み。
「ぶへああっ、がっ」
吹き飛ばされたマスター・ビキニアーマーの身体が知を跳ね転がり、大岩にぶつかって止まる。
「ぐ、おのれぇ……まだ」
顔を歪めそれでも老人は立たんとするが、そこへ影が差した。
「それで終わりやと思っとったんか? 甘い!砂糖菓子みたいに甘いでー!」
「うぬは……うぬにもビキニアーマーは差し向けた筈――」
「それならあそこや」
目を見張るマスター・ビキニアーマーの言葉にクリミネルが示したのは糖源物質塗れになって転がるいくつものビキニアーマーのパーツ。
「なんと、ワシのビキニアーマーが黒豆の糖衣がけのよう、に゛」
黒豆に謝れと言いたくなるようなことをのたまった老人の言葉が最後で濁ったのは、クリミネルがぶちかましをかけたから。
「ようやく捕まえたで」
「ぬ、ぐっ」
糖質を用いてくっつきながら両手を掴みカウンターを封じたクリミネルは顔を歪めた老人とは対照的に物騒に笑み。
「援護して貰えへん? 冷やせばコレは更に固くなるし」
「わかったわ」
クリミネルのリクエストに少女が応じた時点でおそらく勝負は決まっていた。
「ぬう、う、動けん」
無視できないダメージを受けているところを糖質で固められ、攻撃することも攻撃を躱すこともままならなくなったマスター・ビキニアーマーには少女を含めれば三人分の攻撃を受けきる耐久力は残されていなかったのだ。
「ではトドメと行くかの」
「やね」
「ばかな、ワシがこん」
身動きならぬところからの袋叩きでマスター・ビキニアーマーはサクッと倒されたのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『怒りに震えて引き籠る者・ニートヘッグ』
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POW : ひきこもる
全身を【扉の内側へのひきこもりモード】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD : 激昂の蹂躙
【牙、爪、細長い巨体を用いた連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : 収奪の舌
小さな【舌先】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【ニートヘッグの巣】で、いつでも外に出られる。
イラスト:小日向 マキナ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ファリシア・グレイスフェーン」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「フシュオアアアッ」
咆哮とともに夢の中へ出現したのは一枚の黄金の扉だった。マスター・ビキニアーマーが破れたのを察したのだろう。微かに開き始めた扉の隙間から青い竜のようなナニカが外界を、悪夢の世界を覗き込んだ。
ユイナキ・オーヴァゲイン(サポート)
ジャイアントキャバリア『オーヴァゲイン』に乗る元実験体で、16歳の少女。
普段の口調はやや機械的で丁寧(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)
独り言は淡々と(私、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?)
研究所と戦場しか知らないため日常生活に疎い。自分の意思より他者の命令を優先し、対応も機械的。
ぬいぐるみなど、もふもふした物に触れると安心する人間らしい一面も持つ。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
クレア・フォースフェンサー(サポート)
なるほどのう。
おぬしが言わんとすることも分からぬではない。
じゃが、だからと言って、今を生きる者達を虐げてよいことにはなるまい。
過去の者がしでかしたことは過去の者がただすのが道理じゃ。
わしが骸の海に還してやるゆえ、覚悟するがよい。
――とかそんな感じで、相手の主張や立場を一旦は受け止めながらも受け入れはせず、最終的には斬ります。
遠間の際には《光弓》を、それ以外の場合は《光剣》を用います。
敵の攻撃を見切って躱し、また、UCの力を込めた《光剣》で捌きながら間合いを詰め、両断するのが基本的な戦い方です。
遥かに格上の敵と対峙する際には《光紋》を全開にし、完全戦闘形態に変身します。
「この世界に現れた猟書家の内、過去を悪夢として見せる者は滅びたと聞いておったが……なるほどのう」
何かに納得したようにクレア・フォースフェンサー(UDCのエージェント・f09175)は、一つ頷くと手にした光弓に光で出来た矢をつがえた。
「目論見を阻止されて立腹する感情はわかる。じゃが、そもそもがおぬしの企みは他の者を傷つけて成り立つモノ。過ごすことは出来ぬ、それに」
過去の者がしでかしたことは過去の者がただすのが道理じゃ、そう続けるやクレアは弓を引き絞り。
「猟兵が標的と戦闘を開始。これより、私もグリモア猟兵のオーダーに従い、作戦行動へ移行します」
ジャイアントキャバリアを駆るユイナキ・オーヴァゲイン(ヒト型兵器接続者/唯無・f31873)はクレアが弓を構えたのを認め、巨大な刀を乗機に振りかぶらせる。悪夢の世界にキャバリアが音を立てて走り。
「シュギュッ?!」
僅かに空いた扉の隙間にクレアの光撃ち込んだ矢が入り込めば、鮮血が散って悲鳴が上がる。扉の隙間を狙われるとは思ってもいなかったのだろう。竜のようなナニカは痛みを感じながらも仰天し。
「フシュ」
「わしが骸の海に還してやるゆえ、覚悟するがよい」
ニートヘッグは反射的に扉を閉めようとするが、まだ微かに開いていた隙間にオブリビオンやオブリビオンが振るう力を骸の海に還す力が放たれ、差し込んだ。
「シュギャアアッ」
大半は樹木のレリーフのある黄金の扉に遮られたが、再び悲鳴が上がったということは、ニートヘッグの存在や力のいくらかは骸の海へ持っていかれたのか。
「攻撃を、実行」
「グギャアッ」
さらに隙間をねじ込むように肉薄したユイナキとそのキャバリアが巨大な刀を突き立てる。刀身は返り血で斑に汚れた。
「ダメージを確認」
扉の隙間から血が流れ出したのをユイナキは認め。
「試験型OVRカタナ、回収します」
黄金の扉に刀が挟まれるより早くキャバリアは隙間から獲物を引き抜くのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
高嶋・梓(サポート)
『高嶋梓です。宜しくお願いします。』
スペースノイドのサイキッカー×電脳魔術士、21歳の女です。
普段の口調は「女性的(私、~様、です、ます、でしょう、でしょうか?)」、戦闘中は「無口(私、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
「フシュウゥ……」
扉は閉まり、微かに唸り声が漏れたのはニートヘッグが手傷を負ったからだろうか。
「あれが敵ですね」
悪夢の中へと訪れた高嶋・梓(スペースノイドのサイキッカー・f06493)は樹木のレリーフの扉を見つめながら腕に嵌めた増幅器にもう一方の手で触れる。戦場に踏み込んだにもかかわらず、すぐに戦いは始まらなかった。
「警戒しているのでしょうか?」
手傷を負わされ扉の内に引きこもったところで新手が現れたのだ。安易に手を出して更に手傷を負うのを厭うたのかもしれない。ニートヘッグが顔を出さない手前睨み合いと言う言葉が正しいかは微妙だが、膠着状態は続き。
「フシュオオ!」
先にしびれを切らしたのは青い竜のようなナニカの方だった。手傷を負っているのだ、梓をさっさと追い払うなりなんなりして休息し、傷を癒そうと考えたのだろう。
「っ」
ニートヘッグが襲い掛かってきたところで梓の言葉は途絶え、かわりに近くに合った岩を盾代わりにして影に隠れれば、ニートヘッグの舌先に触れた岩は瞬時に姿を消し。
「フシュアアアアッ」
障害物はなくなったとばかりに襲い来る竜のようなナニカへ梓は両手を向けた。
「シュギョオオオッ」
両掌から迸る高圧電流にニートヘッグの身体は跳ね、動きは止まり。
「シィギャアアアッ」
何か口にするでもなかった。ただ、増幅器を嵌めた腕を固まった竜のようなナニカへサイキックエナジーを用いた一撃を叩き込めば、悲鳴を上げたニートヘッグはずるずると身体を扉の内に引き込み。再び扉を閉めたのだった。
成功
🔵🔵🔴
クリミネル・ルプス
「引き篭ブリオン……」
ニートヘッグという名を聞いてボソリ。
「まぁ、厄介やねぇ…」
引き篭もれば攻撃は通らないし、蛇の様に攻撃し巣に引き込む業まである。
コチラも投打極メインなので厄介この上ない。
ならば搦手を使おう。
扉への打撃で拳から、高速の連続攻撃で全身からの流血。焦りから冷や汗なのか消耗の汗か…。
蛇にはきっと弱った獲物に観えるだろう。
それこそがコチラの狙い。
【弱ったと擬態し汗血などは膨張せし小針をたっぷりと含ませてある。付着したり舐めたとこから刺してく】
全身から針を突き出した格好は金平糖…もといヤマアラシである。逃れようとするなら更に密着。
「引き篭ブリビオン……」
ぼそりとクリミネル・ルプスが漏らしたのは、ニートヘッグという名を聞いた時口にしたのとほぼ同じ内容であった。
「まぁ、厄介やねぇ……」
閉ざされた扉を眺めて嘆息するが、ある意味無理もない。現状の様に引き篭もれば攻撃は通らないし、蛇の様に攻撃し巣に引き込む業まであるのだ。にもかかわらず、クリミネルの戦い方は、投打極がメインである。
「ならば搦手を使おう」
相性の悪さに閉口とまではいかずともどうすべきか悩んだクリミネルがそう決断に至って尚扉は閉ざされたままであり。
「いくで」
実際には拳を握り固めると一向に扉が開く気配を見せぬにもかかわらず地を蹴って殴りかかる。
「ぐっ」
クリミネルの顔が痛みに歪んだ。攻撃を通さない黄金の扉を殴れば、ダメージを受けるのは殴った側の拳であり、構わず振るい続ける拳が扉を乱打すれば、傷めた拳からの血が黄金の扉を汚してゆく。
「はぁっ、はぁっ」
はたから見れば無謀な攻撃に息は上がり、じっとりとした汗が肌に浮かんで衣服の染みとなる。
「フシュオオオッ」
消耗し、弱った姿にこれなら勝てると踏んだのか。それでも他の猟兵が乱入してくることも恐れたのか、突然扉を開けて顔を出したニートヘッグは舌を伸ばし、先端で触れてクリミネルを引き込もうとし。
「シュギャアアッ」
絶叫をあげて地面をのたうった。
「上手くいったようやね」
クリミネルの血と汗には付着したモノを刺す罠が仕掛けられていたのだ。
「せっかくや、もうちょっとサービスしよか」
全身から針を突き出し金平糖もといヤマアラシと化したクリミネルはそのままニートヘッグに密着し、更なる悲鳴をあげさせるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
津崎・要明
黒幕のお出ましか
他人の辛い過去を掘り返して悪夢を繰り返すなんて、良い趣味とは言えないな。
攻撃をバリア(結界)で、回避・受け流し
ヒーローさんが攻撃される場合は連続攻撃を食らう覚悟で庇う
くっ、このままじゃ保たない!結界に君の氷を重ねてくれないか?
氷の盾なら連続攻撃を凌げるかも・・・
盾が砕かれると同時に、
カウンターでリミッター解除した【エレクトリック・ハザード】
同時に、加利ツルガーから手裏剣ビットを打ち込み零距離からの一斉発射
近付くので暴れる敵に当たるかも
ニートヘッグに
オマエも引き篭もる程嫌な思いをしたのなら、人を困らせたりしてないで、何のしがらみも無い宇宙に来いよ。俺と可住惑星探しに行こうぜ!
「黒幕のお出ましか」
黄金の扉を見た時はそう思った津崎・要明だったが、他の猟兵達との戦闘によって満身創痍となった竜のようなナニカは無残な姿で、それでも緩慢な動きで鎌首をもたげる。
「他人の辛い過去を掘り返して悪夢を繰り返すなんて、良い趣味とは言えないな」
とも要明は思ったわけだが、ボロボロになったのはその趣味の報いとでも言おうか。
「フシャアアアッ」
滴る血を悪夢の大地に降らせながらニートヘッグは吼え、行く手を遮るモノは舌で触れて消しながら結界を張る要明めがけ迫りくる。
「うわっ」
両者の距離が限りなくゼロに近づき、結界の表面を使って受流そうとした要明は突き抜ける衝撃に思わず声を漏らした。
「くっ、このままじゃ保たない! 結界に君の氷を重ねてくれないか?」
続ければ防御はどこかで破綻すると見た要明は、氷の盾なら連続攻撃を凌げるかもと考えて助けを求め。
「わかったわ」
夢の主である少女が、これに応じた。結界の表面に吹き付けた吹雪が堆積し、やがて凍り付いて即席の氷の盾を作り出し。
「フシュウウウウッ」
ニートヘッグの二度目の突撃、繰り出す体当たりに氷の盾は砕けるが、それでよかった。
「メカニックの朋友たる、汝デンキなる者よ。我が力となり敵を打て!」
砕けたソレを目くらましに、要明は自作UDCマシンの雷撃発生装置を動かし、放射状の雷撃を放つと同時にUDCを加工して造り上げた加利ツルガーが手裏剣ビットを射出。
「シュギイイイッ」
カウンターの形で限界以上に稼働させたマシンの雷撃をモロに喰らった竜のようなナニカだがほぼゼロ距離からの一斉射まで喰らっては、氷の盾で難を逃れた要明を追うどころではなかった。
「オマエも引き篭もる程嫌な思いをしたのなら、人を困らせたりしてないで、何のしがらみも無い宇宙に来いよ。俺と可住惑星探しに行こうぜ!」
傾ぎ崩れるニートヘッグに要明はつい誘いの言葉を投げるが、おそらく、きっとどこかでわかっていた。オブリビオンからすれば猟兵は天敵、手を差し伸べてもその手が握り返されることはないであろうことは。
「フ、シャ……」
ヨタヨタと身を起こす竜のようなナニカ、その瞳に宿るのは敵意の色のみだった。
大成功
🔵🔵🔵
月凪・ハルマ
……趣味の悪いやり方しやがって
相応の報いは受けてもらうぞ
◆SPD
敵の攻撃は【見切り】【残像】【武器受け】【第六感】で回避しつつ
【武器改造】で爆破機能を付与した手裏剣を【投擲】して牽制
ヒーローさんにも引き続き支援要請
一時的にでも構わない。オブリビオンが出てきた扉を凍り付かせて
開閉出来ない状態にしてもらいたい
奴の防御の要でもあるあの扉が開きっ放しになれば
こっちも攻撃しやすくなるんで
後はひたすら敵の攻撃を回避しつつ手裏剣で攻め、
相手に隙が出来たら【破天剛砕錨】を発動
天墜は当然エンジン全開、さらに【リミッター解除】で
破壊力増強した上で、そいつを【早業】で叩き込んでやる
※アドリブ・連携歓迎
「……趣味の悪いやり方しやがって。相応の報いは受けてもらうぞ」
もはや勝負は決した。断言してもいいほどに傷つきながらも闘志を絶やさぬ竜のようなナニカへ、月凪・ハルマは告げると取り出した手裏剣の冷たさを指先に感じつつ短くステップするように横へ飛ぶ。
「フシュアアアアアアッ」
僅かに遅れて残像がついてくる中、更に右手前方へと移動するハルマの視界に咆哮をあげて動き始めたニートヘッグの姿が見えた。いや、見えたどころではない。一気に迫ってくると牙、爪、そして巨体まで用いた連続攻撃が先ほどまでハルマの居た場所を薙ぎ払い。
「シュギュッ」
牽制にハルマの投じていた手裏剣が竜のようなナニカの巨体に刺さり、数秒後爆ぜて体表で炎の花を咲かせる。
「一度繰り出すと止まれないんだったか」
牽制のはずの手裏剣をモロに喰らって悲鳴を漏らすニートヘッグからある程度の距離をとったまま、ハルマは一瞬だけ振り返るとこの場に居る少女に引き続き支援を乞うた。
「一時的にでも構わない。オブリビオンが出てきた扉を凍り付かせて開閉出来ない状態にしてもらいたい」
と。
「あれね」
「ああ。奴の防御の要でもあるあの扉が開きっ放しになれば、こっちも攻撃しやすくなるんで」
わかったわと少女が応じて力を行使し始める間、ニートヘッグが会話に割り込んでこれなかったのは、爆破に煤けた身体を伏せ、何とか起き上がろうとしていたからだろう。
「傷ついているからこそ、な」
そのまま扉の中に逃れられるわけにはいかない。
「ふぅ、ざっとこんなものよ?」
幸いにも敵の逃げ場はすぐに少女が黄金の扉を凍てつかせることで断つことに成功し。
「ありがとう」
感謝の言葉を残し視線を扉と少女から青い竜のようなナニカに戻したハルマは、手裏剣を投じつつもう一方の腕で担いだチェーンアンカーの加速用ブーストエンジンに点火する。
「伊達に大仰な名前を付けてる訳じゃあないんだな、コレが!」
攻防を繰り広げつつ敵の隙を狙う必要もなかった。消耗し退路を断たれた竜のようなナニカの動きはもはや緩慢で。
「ショギョッ」
目にもとまらぬ早業で撃ち出された破砕錨・天墜はニートヘッグを押しつぶすと骸の海へと還したのだった。
「……世話になったわね」
元凶も倒され、終わり始めた悪夢の世界で少女はポツリと言った。過去の夢の中の少女は現実ではもはや少女といった年齢ではないし、夢の内容も過去のことではあるのだが。
「連絡、取ってみるわ。あなたたちが勇気をくれたものね」
離れていった親友に、と言うことなのであろう。年齢不相応に年を積み重ねてきた者の苦笑を浮かべつつ少女は猟兵達に告げると、とうとう夢は終わりを迎える。猟兵達によって一人のスピリットヒーローがこうして救われ、事件は最悪の事態を迎えずに解決を見ることとなるのだった。
大成功
🔵🔵🔵