#封神武侠界
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封神武侠界は人界。そこは仙界とは違い全ての土地が住み良い場所という訳ではない。山もあれば谷もある、海もあれば川もある。それらは命の恵みとともに命の驚異が満ちる場所でも有る。しかし豊かな事には違いない。けれども誰もがそこに住めるというわけでもない。
いにしえに木を薪や建材にするべく切り開かれた土地がある。今では緑といえば木々ではなく草を示すような土地、そんなところにも人は住んでいた。僅かな地下水を組み上げ、砂で器を洗い、通りすがる行商人となんとか採掘できる岩塩で細々と交易をして成り立っているようなそんな貧しき土地。だが悪漢共はこんなところですら見逃しはしない。
「よし! 野郎ども! 女子供は捕まえて男共は斬り殺せ! 払った金の多寡くらいは働け!」
夜、月の出る肌寒い荒野に賊が現れる。馬に乗った陰気そうな男が雇った剣士達に指示を出し、村へと襲わせる。止めるものがいなければこの小さな村は血の海に沈むだろう。
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「そうなる前に皆にはこの悪漢……オブリビオン達を全滅させて欲しいんだ」
リアナ・トラヴェリア(ドラゴニアンの黒騎士・f04463)は猟兵達を前にこう切り出した。
「やることは単純だよ。出てくる敵を最後まで全部倒せばいいんだ。最初は剣士の群れ、その次にそのリーダーっぽい人。そして彼らを雇っているなんか偉そうな敵」
まとめてかかってこれば敵の勝率上がるのでは? という疑問が上がる。それに対してリアナは答える。
「リーダーの人は腕試しをしたいみたいで一人で戦いたいらしいよ。最後の偉そうなのは臆病みたい。自分が戦う番になったら馬に乗ってすぐ逃げるから阻止してね、退路を断てば渋々戦うから」
そもそも戦時中でもないただの村に夜襲をかけるような相手だ手心を加える必要はないだろう。
「それじゃみんな頑張ってきてね!」
西灰三
いつもお世話になっています。
西灰三です。
今回は封神武侠界のシナリオをお送りします。
奇を衒わない切り合い殴り合い。
詳しい内容はオープニングの通り。
それでは皆様の格好いいプレイングをお待ちしています。
第1章 集団戦
『刀刃拳門下生』
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POW : 刃化
【剣と拳を組み合わせた拳法、刀刃拳の技】が命中した対象を切断する。
SPD : 舞刃演武
自身の【体を一振りの剣に見立て、空を舞う剣】になり、【舞う様に攻撃する】事で回避率が10倍になり、レベル×5km/hの飛翔能力を得る。
WIZ : 鍛磨
【身を鍛え、心を研ぎ技の切れ味を磨いた】時間に応じて、攻撃や推理を含めた「次の行動」の成功率を上昇させる。
イラスト:ばんどー
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
化野・花鵺
「いぃよねぇ、改造せぇらぁ。あれってアルダワのせぇふくかなぁ…はっ?!」
狐、制服考察に忙しくて今回も話半分だった
「確か盗賊退治でぇ、今まで嗅いだことのない世界の臭いだからぁ…封神武侠?」
狐、それでも正解に辿り着いた
「確かここは挨拶さえ出来れば何でもOK、だったよぉな?みんなも殴って蹴って噛む前にコレするんだよぉ」
狐、拱手しながらUC使用
管狐に拱手モドキさせながら敵1人に対し複数匹で敵の目や首筋等急所を引っ掻き噛みつき攻撃させ効率良く倒させる(グロOKなら口内侵入体内食い破りも)
自分への攻撃は野生の勘で避けオーラ防御で防ぎ衝撃波で弾く
「悲惨な死に方の方がマネする人がでなくていいよねぇ、きっと」
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「いぃよねぇ、改造せぇらぁ、あれってアルダワのせぇふくかなぁ……はっ!?」
瞼の裏に浮かぶグリモア猟兵の服の姿に見とれていた化野・花鵺(制服フェチの妖狐・f25740)が、変化した空気の臭いに気付いて瞼を開けた。そこには煌々と光る月と、その光に照らされる荒野が広がっていた。
「えーと……確か盗賊退治でぇ、今まで嗅いだことのない世界の臭いだからぁ……封神武侠?」
ついぞうっかり制服に見とれていたものだから話もあんまり聞いていなかった、もっともその答え合わせと言わんばかりに剣士達が彼女の前に現れた。彼らの視線は獲物を見つけたといった雰囲気では有るが花鵺は意にも介さずに右拳を左手で包む。
「確かここは挨拶さえ出来れば何でもOK、だったよぉな?」
確かにその通りではある、しかし悪漢たるオブリビオン達はそれに返すこともなく七星剣を手に一斉に彼女に飛びかかる。しかしその刃が届く前に花鵺の荷にあった竹筒から管狐が溢れ出す。
「みんなも殴って蹴って噛む前にコレするんだよぉ」
不意に現れた管狐達が剣士達の前に飛び出して、主の言う通り拱手の真似事をする。明らかに目の前の相手がただの女では無い事を警戒した剣士たちは後方に飛び退くが、遅い。千里の道を超える管狐の足が彼らを逃すことはない。
「……!」
管狐達はその鋭い爪や牙で剣士達の目や腹など柔らかい部位に裂傷を与えていく。彼らの剣は人を討つには向いてはいるが獣相手には分が悪い。その内に狭い所に入り込めるという管狐の性質を生かした彼らが耳や口から剣士の中に入り込み、内側から食い破って外側に出てくる。さすがにこれには修行を重ねてきたであろう剣士達からも悲鳴が上がる。
「悲惨な死に方の方がマネする人がでなくていいよねぇ、きっと」
のほほんと管狐たちが働く姿を見ながら花鵺は呟く。彼らが手を出したのはそういう存在であった。
大成功
🔵🔵🔵
スコグル・ノルン
●心情
あなた方は力を持て余していますね
むやみに力を振るうという事は、振るわれる覚悟もあるということ
振り下ろされる剣には受ける剣が必要なのです
それが美、そして私の信仰です
信仰に従いあなた達の力に応えましょう
さあ、かもん
(自分が戦いたいだけ)
●戦闘
体力の続く限り武具と技をぶつけ合い【継戦能力】しましょう
UCにより攻撃力だけ相手に合わせます、しつこく戦います
【体勢を崩す】攻撃をしたり【吹き飛ばし】攻撃をしたりとにかく戦いを楽しみつつ、【逃亡阻止】もして逃がしません
足腰が立たなくなるまで心行くまま闘いましょう
はい。ほぼ9割ほど私の趣味です
私の武器は、斧にも槍にも大鎌にもなるので飽きさせませんよ
●
「あなた方は力を持て余していますね」
月下、少女――スコグル・ノルン(気ままな戦乙女の悪魔・f32014)が赤いドレスに長柄の武器を携えた姿で剣士達を見据えていた。
「さて、我らはまだ足りないと考えている。……その為に人を斬る術を学ばねばならぬ」
「……そう。むやみに力を振るうという事は、振るわれる覚悟もあるということ。振り下ろされる剣には受ける剣が必要なのです」
スゴクルが踏み出すと同時に剣士達も動く。
「それが美、そして私の信仰です。信仰に従いあなた達の力に応えましょう。……さあ、かもん」
鍛え抜かれた剣士達の剣戟を、まずは大鎌の背で受け止め逆に押しのけて跳ね飛ばす。その彼女の後ろから切りかかったまた別の剣士は、突如現れた大斧の刃に反応しさっと身を引く。
「驚きましたか? 私の武器は、斧にも槍にも大鎌にもなるので飽きさせませんよ」
そう言った彼女からはなんとも言えない凄みがあった。剣士達は体勢を立て直すと互いに目配せをする。そして一斉に彼女を避けて村へと急ぐ。
「悪いが剣の修業にもならぬ相手と刃を交えている暇もないのだ、仕事もあるのでな」
「いえ、そんな無体な事は言わずに私の趣味に付き合ってもらいますよ」
急に伸びてきた槍の柄がまとめて剣士たちを薙ぎ払いその場に転がせる。
「さあ足腰が立たなくなるまで心行くまま闘いましょう」
「……それがお前の仕事か」
「それは1割くらいですね。残りのほぼ9割ほどは私の趣味です」
常軌を逸したスゴクルの発言に剣士たちは初めて恐怖を覚える。彼らには知らぬ事だが、スゴクルは正真正銘の悪魔であった。
成功
🔵🔵🔴
シャムロック・ダンタリオン
ふん、こんなみすぼらしい村に、わざわざ襲撃を仕掛けようなどという理由があろうか。
――いや、理由など、奴らにとってはどうでもいいことか。
ならば僕は「サブナック」を手に構えを取ってみせようか――だがこれはあくまで、奴らの攻撃を誘うための【挑発】を含めた動作。斬りかかってきたところで【指定UC】を発動、光の波動をもって【蹂躙】してやろうか。
あとは――精神を破壊された段階で戦闘不能になっているだろうが、念のため首を【切断】してとどめといこうか。
※アドリブ・連携歓迎
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「ふん、こんなみすぼらしい村に、わざわざ襲撃を仕掛けようなどという理由があろうか」
日干し煉瓦で作られた建物が無造作に並んでいる村の遠景。月の照り返し以外には光の見えないその様子にシャムロック・ダンタリオン(図書館の悪魔・f28206)は鼻を鳴らす。その彼の元に多くの気配が近づいてくる。
「――いや、理由など、奴らにとってはどうでもいいことか」
魔剣サブナックを抜き、彼が振り返れば剣を振り下ろさんとしていた敵の姿を認める。彼は敵のそれよりも速く剣を振り抜いて弾き飛ばすと魔剣を掲げる。
「控えよ。魔神の御前であるぞ」
彼が手にした剣から溢れ出すのは光、それもただの光ではない。
「グッ……」
「ほう、少しは耐えるか。やはりただの賊ではないか」
その光には虞(おそれ)を始めとした禍々しき因子が含まれていた。これに当てられれば常人ならば即座に精神を破壊されてしまうだろう。それに耐えるというのならば、この賊はただの存在ではない。異能を扱う存在、オブリビオンという存在が故だろう。
「だが……その傷ついた精神(こころ)でこの刃を防ぐことができるか?」
魔剣サブナックが閃きうずくまる剣士の首を刎ねる。流石に残る剣士達もこのままでは行かぬと立ち上がるが、それも大した抵抗にはなりえない。
「さてこの状態からお前たちがどれだけできるか、教えてもらうとしよう」
成功
🔵🔵🔴
東天・三千六
さあさ荒事です
土地を人を害する蛮族共にはご退場願いましょうか
どうやらあちらは団体さんで来る模様
まずは【呪詛】【呪殺弾】で遠距離から牽制しつつ
向かってくる者は雷の【属性攻撃】【斬撃波】を込めた剣撃で薙ぎ払い負傷させ、群がってきたらUCを発動します
おや隣の彼が、ああ後ろから……不幸が将棋倒しに繋がっていくよう、あちらこちらに呪いをかけていきます
敵さんに不利な偶然の事故を後目に離れたところから攻撃を重ねていきます
囲まれすぎても嫌ですからね
あはは、ねえ、そんな必死に縋り付いてこないでくださいよ
君たち相手に恨みつらみなんてないですが、呪っちゃうのは僕の性分なので
ごめんなさいね、ふふ
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「さあさ粗事です、土地を人を害する蛮族共にはご退場願いましょうか」
角の生えた少年、此処人界ではなく仙界を住処とする東天・三千六(春雷・f33681)が努めてにこやかな笑みを浮かべる。彼に相対する剣士達も瑞獣の存在くらいは知っているものの、こうして目の前に現れるのも初めてだろう。だが彼らはその瑞兆である存在にも臆せず、或いは無謀にも刃を向ける。
「ひどいねえ、これでも一応瑞獣なんだよ?」
殺到する剣士たちと切り結ぶ三千六だが、実のところ純粋な剣の腕では彼らの方が上だ。瑞獣たる彼にできることは剣に雷を呼び、迫る剣士たちの肌を僅かに焦がす事くらいだ。
「さすが修練を積んでいるだけありますね、今の貴方達は瑞獣である僕を狩れると考えているんでしょうね」
圧倒的に不利なはずの三千六の表情が笑みのままに崩れない。警戒した彼らが一瞬距離を取り引くと、その最後尾から剣士が足を抑えて倒れ込む。
「おやおや毒蠍ですか、お気の毒ですね」
また別の剣士が蠍に剣を突き立てた瞬間、地面の下に硬い石でもあったのか剣が中程から折れて翻り、折れた刃が首に突き刺さる。あまりにおかしな死因が続いた剣士たちは恐れるような眼差しで三千六を見る。
「あはは、ねえ、そんな必死に縋り付いてこないでくださいよ。君たち相手に恨みつらみなんてないですが、呪っちゃうのは僕の性分なので」
微笑む彼の後ろで何処からか流れてきた黒い雲が月を隠し稲光を連れてくる。そこから生じた雷は剣を目掛けて落ち、剣士たちを焼いていく。
「ごめんなさいね、ふふ」
彼は瑞獣にして悪霊、祝ぎを呪いに変えるもの。その性質は凶事を齎すものであった。
大成功
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白峰・歌音
武術ってのは強者の暴力に対抗するためだろ!それを弱者に振るうお前達に武術を名乗る資格はないぜ!
「弱者に振るう虐待の武!このマギステック・カノンが諌めてやるぜ!」
<戦渦諌めし拳彩>のカードで変身し同時にUC発動、ヒーローの【功夫】を振るい真っ向から叩きのめす!
敵集団の適度な間合いを保ちつつ、囲まれたら【軽業】で敵を踏み台にして乗り越えたりして翻弄、時には敵の攻撃を【受け流し】て同士討ちさせたりなど、UDCで見た武侠映画のような立ち回りするぜ!
変身イメージ:https://tw6.jp/gallery/?id=137117
アドリブ共闘OK
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「武術ってのは強者の暴力に対抗するためだろ! それを弱者に振るうお前達に武術を名乗る資格はないぜ!」
「ならば我らは正しいな、なぜなら貴様ら猟兵とやらは強者なのだから。我らの修練の為、剣の錆となってもらおう」
「減らず口を! 弱者に振るう虐待の武! このマギステック・カノンが諌めてやるぜ! ……開放(リベレイション)!」
白峰・歌音(彷徨う渡り鳥のカノン・f23843)は『戦渦諌めし拳彩』のカードを掲げてチャイナドレス風の服装へと変身する。しかしその隙を剣士たちも見逃さずに一斉に囲んで突きを放つ。
「甘い!」
歌音は軽功を活かして飛び上がるが、その行動に合わせてまた別の剣士が拳を放っている。あまりに鋭いその拳は当たればその身にまとうオーラごと彼女を切り捨てるだろう。
「その力を……!」
だがそれを寸前で見切った歌音は腕を掴むとぐいとひねる。すると敵の体が一回転しそのまま下にいる敵の上へと落ちる。歌音はその上に着地しつつ踏みつけると、巻き込まれなかった敵達に向かって構えを取る。
「まとめて相手をしてやるぜ! さあ来な!」
彼女が指を招くように動かすと、残る剣士達も応えるように襲いかかってきた。
大成功
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陳・龍恩
往年の拳士も堕ちてしまえば賊と変わりなし、か。
俺はそう褒められたもんでもない邪拳士だけど、こうはなりたくないもんだねぇ。
では、その刃と拳を酔い潰してあげようか(鴆羽手を見せつけて)
多勢に無勢。となれば、「地形の利用」「フェイント」を駆使するのがいいか。酔拳は地を不規則に転がりながら戦うのも得手としていてね。地を這い、そして唐突に跳ぶ俺に剣や拳を届かせるにはある程度は無理な姿勢にならざるを得ないし、仲間の拳(剣)筋も気にしなきゃいけない。まあ、達人はその辺も克服してるし逆に利用したりもするんだけど、君達はどうかな?
ついでにUCと毒手はどちらとも虚であり実だ。
一瞬でも迷えば致命打になっちゃうよ?
土御門・泰花
あらあら……まぁ。
弱き者につけ込んで、やりたい放題とは。
弱き者を守る事こそ、強き者の責務だと申しますのに。
……さて、数には数で勝負致しましょう。
まずは早業で結界術とオーラ防御を展開、防御を固めます。
敵からの攻撃は、聞き耳を立て第六感まで研ぎ澄ませて早業と軽業にて見切り、躱しきれぬなら薙刀での武器受けの上、カウンター攻撃を。
戦闘知識と情報収集に基づき、式神使いとして黒揚羽の式神による呪詛を纏った暗殺や、薙刀にて恐怖を与える薙ぎ払い、また薙刀の一閃にて衝撃波や斬撃波を見舞う等で敵と交戦し、一瞬の隙を突いてUC発動。
怪火をバラバラに操作するか纏めて火力を上げて攻撃するかは、敵の出方次第で臨機応変に。
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「あらあら……まぁ」
自分たちを取り囲む剣士たちの前にして鍋を焦がしたような声を上げるのは土御門・泰花(風待月の菫・f10833)。しかしその声音もすぐさまに鋭いものへと切り替わる。
「弱き者につけ込んで、やりたい放題とは。弱き者を守る事こそ、強き者の責務だと申しますのに」
「その責など背負っていれば武の高みになぞ至れぬ。我らには這い上がるための糧が必要なのだ」
「往年の拳士も堕ちてしまえば賊と変わりなし、か。俺はそう褒められたもんでもない邪拳士だけど、こうはなりたくないもんだねぇ」
首をふるふると横に振った陳・龍恩(酔華酖拳伝承者・f33725)が毒鳥の異名を持つ手を構える。
「少し時間を作っていただけますか?」
「あいよ、任された。ちょいと刃と拳を酔い潰して来るさね」
泰花に頼まれた龍恩がずずいと前に出る、と同時に彼の後ろで何かの線が引かれた気配が生じる。恐らく結界の類なのだろうが頼まれた以上はそこを割られないような立ち回りが必要となるだろう。
(「ま、多勢に無勢となればね」)
術が編まれるよりは手足を動かすほうが速いし早い。後ろに走り寄る剣士たちの前で急に寝転んで意表を突き、そのまま転がって彼らの足元を崩す。
「ほらほら、寝転がってる相手との戦いは不慣れかい?」
続けて地面に指を突き立てて横薙ぎの回転蹴りを放つが、これも彼らにとっては大きく引いて避ける以上の事ができない。身体全体を間合いとした格闘には慣れてはいないようだ。
(「経験が浅くて助かったかな? 達人ならこれくらいすぐに見切ってくるけど」)
背の低い相手への攻撃は位置が同じなのに間合いは変わる、獣に人が基本勝てないのはそういう理由もある。そして彼の酔拳は人と獣、どちらの姿勢も取れる。翻弄される剣士達だが、あくまで彼は目くらましにしか過ぎない。
「さて、熱いの行きますよ〜?」
泰花を包んでいた結界が解かれ、その中から月夜を照らす怪火が飛び出して剣士たちを襲う。意思のある動物のようなその動きに、剣士たちは剣を振るい追い散らそうとするものの、炎は刃の上を滑ってそれを持つ腕へと到達する。
「残念ですが、あなた方の動きは術を練っている間に少し見させてもらいましたよ」
式神で相手の退路を断ちながらも彼女は静かに呟く、数に対しては数という単純な戦術を取ることで彼女は敵の数を減じていく。
「くっ」
しかしその猛攻からも逃れようとする敵がいる、が急に片足が動かなくなりもんどり打って倒れる。
「おっと炎に惑わされて忘れてたかい? まあどっちも虚で実だから仕方ないかね。でも判断が遅かったね?」
炎の作る影に隠れて剣士の足を掴んでいたのは龍恩。彼が手を離した後も足は動かず、炎が剣士を焼いていく。そして彼らが全ての剣士を倒した時、周りの敵も全ていなくなっていた。
大成功
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第2章 ボス戦
『『轟刃』羅豪』
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POW : 轟刃一喝
単純で重い【轟音と共に大地を切り割る剣と到った手刀】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 活性轟起
【勢い良く腕を振り、繰り出す特大の斬撃】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を切り、鼓膜を破る程の轟音が己を高揚させ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ : 轟鳴驀進
【両手を地面に突き刺し、大地】から【全方位に轟音を立てながら突き進む斬撃】を放ち、【斬撃、空気を切り裂く轟音と衝撃波】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:純志
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ビードット・ワイワイ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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「弟子たちは全て果てたか」
不意に気配のなかったところからくぐもった声が響き渡る。猟兵達が向き直ると、そこには月光に照らされた奇妙な球体を被った大男がいた。明らかな強者だが不意打ちを行うようなことはせず、むしろ猟兵達に問う。
「貴様達は『正しい』のか?」
唐突な質問に猟兵達は困惑するが男はその気配すらも気にしてはいない。
「『強い事』は『正しい』のか? 『弱い事』は『正しくない』のか? 今お前たちに殺された弟子達は『正しくなかった』から『正しい』お前たちに殺されたのか。我ら蘇りし者は『正しくない』から『弱く』なければならないのか?」
ぶつぶつと呟く男はしかし、猟兵と戦うことが本能であるかのように構えを取る。実際オブリビオンと猟兵は必ず戦う定めにある。猟兵が世界を救う事を望む限り。球体の穴から望む光は猟兵達の姿を捉えて離さず、隠れることすら許さない。
「俺は『正しく』無ければならない。そのためには貴様達に『正しくない』者になってもらう」
土御門・泰花
「左様、その認識も一理はありましょう。『正義が勝つのではなく、勝った者が正義』だと。
しかし私はその認識は実は誤りであろうと考えております。
過去より蘇生したあなた方が、人々の希望や夢を託した未来を奪い滅ぼそうとすることが『正しくない』こと、人々の希望や夢を託した未来を死力を尽くして護ることこそ『正しい』のでは無いでしょうか。」
敵へ穏やかに語りつつも目を離さず、防御策として結界術とオーラ防御を展開。
聞き耳を立て第六感も研ぎ澄ませて、敵が主張に囚われる等の隙を見せたら、または問答無用とUCを放とうとしたら、早業で私もUCを。
軽業や早業を駆使し、地形を利用したり空中浮遊をしたりと回避しつつ回避も試行。
白峰・歌音
強くたって間違えるときは間違えるし、弱くたってむしろ正しい道を歩める人がいる。それに……お前たちの基準の『弱い人』は、お前たち破壊者が決して持たない『強さ』を持っている!
「力の強弱でしか測れない偏った求道者!このマギステック・カノンが心の強さを見せてやるぜ!」
防御を固めて敵の猛攻を受けきってからの反撃を狙うぜ!
【オーラ防御】で守りを固め、UCの一撃をできるだけ【受け流し】てダメージを抑える。
動けない間の敵の攻撃を、村で平和に暮らす人達を守りぬくため、絶対に倒れない【覚悟】で【痛みに耐えきり(激痛耐性)】心の強さを示してから一気に【功夫】のコンボで反撃だぜ!
アドリブ連携OK
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「左様、その認識も一理はありましょう。『正義が勝つのではなく、勝った者が正義』だと。
しかし私はその認識は実は誤りであろうと考えております」
轟刃の二つ名を持つ大男に土御門・泰花(風待月の菫・f10833)は静かに相手の言を否定する。
「それが誤りだというのなら弱いという事か。ならば俺は弱いと戦う前から判断するのか」
「そうじゃない。強くたって間違えるときは間違えるし、弱くたってむしろ正しい道を歩める人がいる」
さらに大男……羅豪の言葉に白峰・歌音(彷徨う渡り鳥のカノン・f23843)が反論する。その彼女に対し球体の奥の光は僅かに光る。
「それに……お前たちの基準の『弱い人』は、お前たち破壊者が決して持たない『強さ』を持っている!」
「それに私はこう思います。過去より蘇生したあなた方が、人々の希望や夢を託した未来を奪い滅ぼそうとすることが『正しくない』こと、人々の希望や夢を託した未来を死力を尽くして護ることこそ『正しい』のでは無いでしょうか」
「なるほど、それがお前たちの考える強さと正しさか。……いずれにせよこれまで勝ってきたものの言葉にしか過ぎぬな。恐らく死ぬ前の俺とお前たちの考えに立場の違いはあれどもさして変わらん」
羅豪は泰花と歌音に両の腕を向けた構えを取りわずかに腰を落とす。
「弱者の持つ『強さ』も残らなければ意味はなく、望みを守る『正しさ』もその望みが別の望みを破壊する事に過ぎない。滅びを強く望むものにお前たちの答えは届かない、だから俺はこの武が最後まで残るための強さを望むのだ」
「力の強弱でしか測れない偏った求道者! このマギステック・カノンが心の強さを見せてやるぜ!」
「心の強さも力の一つに過ぎない。来るがいい、俺を否定したいのなら力を以て為せ」
羅豪が乾いた大地に両腕を突き立てるとすべてを切り裂くような衝撃が走り二人を包み込む。
「……! 参ります!」
構えから攻撃に移る動作に合わせて泰花が陰陽の力を乗せた斬撃を切り返す。相手の精神に緩みはないかと言葉で揺さぶってみたものの、存外に隙が無くむしろ対応が出遅れた。術を練る時間もなく纏った結界もどんどんと綻んでいく。
「くっ……、こんな技でオレの決意が砕けるわけがない!」
すさまじい相手の攻撃に完全に囚われる前に傷を受ける覚悟で歌音が側方に転がり出て、そのまま大男の方へと直進する。
「村で平和に暮らす人達を守るためにはこんなところで倒れられないんだ!」
彼女の拳が羅豪の腕を弾くと斬撃の嵐は止まり、逆側からの泰花の一閃が男の胸に傷をつける。
「なるほど『お前達の力』がそれなりにある事は分かった。……それでは続けよう。俺がもっと正しく強くなるために」
傷だらけの二人を前にしてこの男は未だ意気軒昂であった。
大成功
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スコグル・ノルン
あなたは相当な強者の様子
であれば、戦乙女の悪魔として戦いましょう
極限下の魂の輝きを見せてください
その美しさが私の求めるものであり、信仰です
生も死も、正も誤も、関係ありません
重要なのは今このトキ、生命が美しく輝くかです
(話が通じない)
●戦闘
UCで真っ赤な戦乙女の姿へチェンジ
そのまま飛べば有利を取れそうですが…それはつまらないので羽は移動に使うのみとし【闘争心】のままに攻めましょう
大地を引き裂く衝撃が来ましたら【体勢を崩す】知見と【吹き飛ばし】の知見で被害を最小限に抑えて【継戦能力】を高め、動きを封じる効果を軽減
相手が勝ちを確信したならそれがチャンス
【捨て身の一撃】の【カウンター】を叩き込みます
シャムロック・ダンタリオン
別に貴様らと「正しさ」について議論するつもりはない。
まあ、強いて言うならば――僕らにとっては、貴様らオブリビオンは存在自体が「正しくない」という認識だがな(と、さりげなく【挑発】)。
まずは【指定UC】で火の精霊を【武器改造】し、剣をもう一振り作り出す。
そして敵の攻撃を【見切り】回避しつつ攻撃を加える(【なぎ払い・重量攻撃・切断】)。
――さて貴様、何故「正しさ」を求めるのだ?もし自分が「正しい」という認識を求めているならば、この惨状をどう見る?(と、【精神攻撃】)
――まあ、話したところで聞く耳を持っていないだろうがな。
※アドリブ・連携歓迎
●
荒野に両の足で立ち続けている羅豪、その前には二人の猟兵が距離を置いて立っていた。その内の少女の方、スコグル・ノルン(気ままな戦乙女の悪魔・f32014)は先程の相手の技に目を輝かせていた。
「あなたは相当な強者の様子。であれば、戦乙女の悪魔として戦いましょう。極限下の魂の輝きを見せてください」
その少女の逸る気配を感じ取ったシャムロック・ダンタリオン(図書館の悪魔・f28206)はやや胡乱げな視線を彼女に向けて、すぐに敵に向け直した。
「極限下の魂の輝きを見せてください。その美しさが私の求めるものであり、信仰です。生も死も、正も誤も、関係ありません。重要なのは今このトキ、生命が美しく輝くかです」
「……だ、そうだ」
シャムロックはそう言うと肩をすくめる。
「正直彼女が何を言いたいのかはあまり理解したくもないが、貴様と「正しさ」について議論するつもりは僕にもない」
「そうか」
「まあ、強いて言うならば――僕らにとっては、貴様らオブリビオンは存在自体が「正しくない」という認識だがな」
「俺達は一度は滅んでいる、それ故にこれまではその言葉は「正しい」」
「いいや、これからもだ。貴様らが正しくなる事なぞ後にも先にも存在しない」
「とりあえず死合いましょう。話はそれからです」
赤い鎧を即座に纏ったスコグルが翼をはためかせて飛び出した。その速度は大したものだが。
「……なぜ空中を取らないんだ?」
冷静なシャムロックには理解できないが彼女には彼女の理が存在する。それは「つまらないから」。……案の定地を這う斬撃波を受けているが本人はどことなく嬉しそうだ。
「とにかく今の内か」
炎の精霊を剣にして地に手を当て続けている敵に斬りかかるシャムロック。流石にそれを無防備に受けるわけにはいかないと考えたのか手を引き抜いて手刀でそれを受け止める。
「――さて貴様、何故「正しさ」を求めるのだ?もし自分が「正しい」という認識を求めているならば、この惨状をどう見る?」
「隙ありです」
斬撃から逃れたスコグルが傷だらけにも関わらず突っ込んで槍を容赦なく突き立ててくる。逆手で彼女の攻撃をいなすものの、常に捨て身の彼女の攻撃はいつ防げなくなるか分からない。
「今はお前たちの方の「正しさ」の方がやや重いという事だろう」
「なるほど言葉は通じるようだ。聞く耳はなさそうだが」
即座にシャムロックは剣を引き後方へと逃れる。羅豪の腕から未知の力を感じ取った故に、そしてそれは正しくその手刀は大地を大きく破壊して迫っていたスコグルの動きも制する。
「これで仕切り直しだ」
「大男総身に知恵が回りかね、とはいかないか」
「やりますね。もっと楽しくなってきました」
羅豪に対してスコグルとシャムロックの二人は武器を握り直すのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
化野・花鵺
「正しいなど求めたこともないわ。ヌシは相当うつけじゃの」
狐、目を眇めた
「正しいなど、己の成したきことに比すれば無価値の概念よ。下らぬ概念に囚われ本質を見誤るゆえ、ヌシはここで消える、いや消される。そう心得よ、うつけ!」
「ヌシはつまらぬ言葉遊びで自分の弱さと想いに背を向けた!ゆえに届かぬ!ゆえにまた死ぬ!ヌシのような気狂いには妾の言葉なぞ理解できぬであろ?なればうつけのヌシにも分かるように教えてやろう」
UCで不幸連続プレゼント
手を付けた地が沈み顔面強打
突然靴の踵が取れ尻餅
避けようとしてよろけ攻撃直撃等々
「不幸の訪いに強い弱いも正しい正しくないも関係なかろ?分かったら、死ね」
狐、衝撃波を放った
陳・龍恩
やーれやれ。強さのみが正しいと信じて果てた先がオブリビオンなんて浮かばれないねぇ。
ま、寝言は寝て言えって話で……彼が信じる「強さ」で寝てもらおうかな。
あの斬撃は正面から受けたくないねー。「功夫」「フェイント」で躱し、受け流し、轟音による鼓膜破りは「化術」で頭にヘッドホンつけた姿になって凌ぐとして……後は彼が斬った地形を逆利用して自己強化に対抗するか。ついでにUCで謎の老師になって俺も自己強化。さあ、後は俺の酔華鴆拳と彼の功夫で勝負だ。「鴆羽手」の毒にどこまで耐えれかな?
正しいから強い、強いから正しい……そんな妄念に囚われてる内は正しくも強くもなれないよ。
もっと周りを見なきゃ、ね?
●
「やーれやれ。強さのみが正しいと信じて果てた先がオブリビオンなんて浮かばれないねぇ」
両手を広げて首を横に振った陳・龍恩(酔華酖拳伝承者・f33725)。そしてその隣では柳眉を逆立てる化野・花鵺(制服フェチの妖狐・f25740)がいる。
「正しいなど求めたこともないわ。ヌシは相当うつけじゃの」
「何?」
花鵺は怒気を孕んだ声にも耳を貸さず、目をすがめて話を続ける。
「正しいなど、己の成したきことに比すれば無価値の概念よ。下らぬ概念に囚われ本質を見誤るゆえ、ヌシはここで消える、いや消される。そう心得よ、うつけ!」
「ま、寝言は寝て言えって話で……君が信じる「強さ」で寝てもらおうかな」
「……ならばそうして見せるが良い」
直線距離で走り寄ってきた羅豪の前にゆらりと龍恩が前に出る。
「それじゃお手柔らかに」
そういう彼の頭上に鋭く手刀が振り下ろされる。それは大きく鋭く当たればただでは済まない一撃。
「おっと」
しかして龍恩はそれをひらりとかわす、と同時にその切っ先は荒野にまで到達し辺りに耳障りな轟音を撒き散らす。念の為ヘッドホンをしてきたけれども動き続ければ外れてしまいそうだ。
「……ちょっと本気出しますか」
彼の姿はシャーマンズゴーストから人間の老人の姿へと変化する。瓢箪を手にしたその姿は確かに酔拳の達人といった様相だ。
「さあ、後は俺の酔華鴆拳と彼の功夫で勝負だ。「鴆羽手」の毒にどこまで耐えられるかな?」
「俺の刃となった拳に毒手は通じはしない」
「やってみないと分からないだろう?」
そして再び拳を打ち合う二人、互いに必殺の一撃を持つ彼らのそれは互いに容易には届かない。しかし時が経つに連れ、なぜか羅豪の防御が徐々に遅れていく。
(「何が起きている?」)
怪訝に思った彼が距離を取ると、脹脛の辺りになにか獣に噛まれたような小さな傷があった。
「見誤ったな!」
不意に花鵺が声を発した。そして距離を詰めてきた龍恩に対して再び防御の構えを取るために足に力を入れる。するとそこは『運悪く』砂が厚く堆積しており滑ってしまう。
「これはお前の仕業か」
「そうじゃ!」
そしてその僅かに崩れた体勢を逃すほど龍恩は甘くない。彼の毒手が羅豪の脇腹に突き刺さる。
「ぐっ……」
「ヌシはつまらぬ言葉遊びで自分の弱さと想いに背を向けた! ゆえに届かぬ! ゆえにまた死ぬ! ヌシのような気狂いには妾の言葉なぞ理解できぬであろ? なればうつけのヌシにも分かるように教えてやろう!」
「黙れ」
花鵺と龍恩を巻き込むように斬撃波を放とうと荒野に刃を突き立てた瞬間、その場所からどろりとした水……臭水が吹き出して彼の足元を泥濘んだものへと変える。彼が立ち上がろうとすればするほどに毒はその身に回っていく。そんな彼を猟兵二人が見下ろす。
「正しいから強い、強いから正しい……そんな妄念に囚われてる内は正しくも強くもなれないよ。もっと周りを見なきゃ、ね?」
「そして不幸の訪いに強い弱いも正しい正しくないも関係なかろ? 分かったら、死ね」
花鵺が呪符を倒れた大男の身の上に振り下ろすと、敵の姿は散り散りとなって消えていくのであった。
大成功
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第3章 ボス戦
『蕭宝』
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POW : 昼眠夜起、――如平常!
全身を【朝に寝て、夜起きる状態】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD : ほら、潰れてしまえ!
装備中のアイテム「【騎馬】」の効果・威力・射程を3倍に増幅する。
WIZ : なんでこんな事になってんだよ! お前ら皆死ね!
自身が戦闘不能となる事で、【自分を殺そうとしている】敵1体に大ダメージを与える。【無様な命乞い】を語ると更にダメージ増。
イラスト:watakumo_yuge
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「野良・わんこ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
「……嘘だろ」
猟兵達が羅豪を下したのを見て、蕭宝は呟いた。最初は高台から雇った連中が仕事するのを楽しく眺めようとしていただけなのに、それらが猟兵達に全部倒されてしまった。
「……ここにいるとまずい」
現状を把握した彼は即座に逃げを打つ。正直な所彼自身はあの狂った大男よりも弱いし、その自覚もあった。なので逃げる。馬の扱いにだけは長けているのだ。どんなクズにでも一つくらいは取り柄があるものである。生前無意味に庭園に金かけすぎたり、それ諌める部下の首をやたら刎ねたりしたけれど、愛人には優しかったから。民に優しくなかったから討伐されたけど。一つの美徳で複数の悪徳が帳消しになるわけないのは是非もないよね。
「走れ! 追いつかれるなよ!」
そして彼にとって不幸なことに、猟兵はグリモアベースを経由すれば意外といろんな地点に行けるのであった。例えば彼の目の前とか。
スコグル・ノルン
ふう…先程は楽しいひとときでした
さて、オブリビオン退治ですね
お仕事をしましょう
幾度か武器を振り敵が逃げのびることに特化して戦う意志が低いとわかるとテンションダウン
…戦いそのものを避ける姿は趣味ではありません
さりとて逃がすわけにもいけませんし…と【逃亡阻止】を続けつつすこし考えて
…あなた、飛べませんね?
と確認したらUCで敵を強化させてみます
強化ですが、羽を含む背中の制御権は私が握っている訳でして
つまりこのままポーンと果てしない空へと飛ばしてから
ビューンと地面に叩きつけて攻撃しましょう
これなら騎馬どころではないですし、容易に回避もできないはず
このまま何回か大地に叩きつけていきましょう
●
「ふぅ……」
キラキラと光る汗を爽やかに拭うスコグル・ノルン(気ままな戦乙女の悪魔・f32014)。再転送された先にはまだ敵は至ってなかった。が。
「げえええ!? 猟兵!」
スコグルの姿を見た瞬間速攻で進路を変えた。
「は?」
大層な武器と軍馬を持っているのにこの仕打である。これには戦乙女の悪魔のテンションもクールダウンのまま再加熱されない。
「待ちなさい」
「待つものか! 俺は生きる!」
スコグル的には戦いから逃げる相手は好感度最低である。だからといって仕事上逃すわけもいかない。彼女は追いかけながらふと問う。
「……あなた、飛べませんね?」
「そりゃ馬が飛ぶわけ無いだろ!」
というか普通の二足歩行で声の届く範囲に追いつくとか悪魔ちょっとおかしい。ならばと蕭宝に向けて彼女が手を伸ばすと馬か翼が生えて大きく羽ばたく。
「はあ!?」
これは彼女の祝福である。本来なら強化として扱うものなのだが。
「ちなみにその翼の制御権は私が握っているわけでして」
「馬が飛んだぁぁぁぁ!!!?」
で馬ごと敵を空中で振り回すスコグル。
「おい頑張れ! 俺を落とすな! ああぁぁ~!?」
落っこちて大地と接触、ぐちゃって酷い音がした。まあ落馬事故って多かったらしいからこれもそういう話なんだろう。
大成功
🔵🔵🔵
陳・龍恩
親玉がただのマダオってのはまれによくあるよね。ま、遠慮なくやっていってことで……クライムファイター冥利に尽きるね。
とはいえ、強化された騎馬に乗って暴れられたらちょっと手こずるかな。
「将を射んと欲すれば先ず馬を射よ」ってことで、彼と彼の馬の真ん前でUCを使って大狸になって驚かせてあげよう。これで馬が少しでも慄いたらその隙をついて毒手を馬に打ち込む。あとは暴れるだけ暴れていいよ。俺は避けることに専念して不利を演出して調子づかせてあげようかな。その分毒が早く回るからね。
仕込みは上々、あとは仕上げ。
馬の動きが鈍ったところでジャンプ一番、蕭宝にキツイ一撃を見舞ってやろう。さあ、贖罪はお前の命で払いな!
●
意外としぶとく逃げる蕭宝が迫ってくるのを見て陳・龍恩(酔華酖拳伝承者・f33725)がぼやく。
「親玉がただのマダオってのはまれによくあるよね。ま、遠慮なくやっていってことで」
手の関節を鳴らして龍恩は軽く準備体操をする。これから行うのは彼の本業だ。
「クライムファイター冥利に尽きるね」
まずは目測を取りながら近くの岩陰に隠れる龍恩、最初に行うべきは相手の足を止めるための馬狙いだ。
「『将を射んと欲すれば先ず馬を射よ』ってね。……来た!」
これはタイミングが命の作戦だ。最も相手が驚く瞬間に飛び出して、彼は変身しながら馬と蕭宝と馬の前に飛び出した。
「な、何だ!?」
敵の目の前に現れたのは巨大な狸、しかもなんか武術らしき構えを取っている。最も今の彼らにとっては突然前触れもなく何かが飛び出してきたということこそが問題である。彼らが状況把握を終えるよりも速く狸が馬の首の付根に拳を放つ。
「こいつ何しやがる……! お前も落ち着け!」
手綱を引き馬を御し狸を馬の蹄で蹴り壊そうとするが、狸は転がって逃げ逆に馬は白い泡と鼻血を流している。
「くっ……」
「仕込みは上場、あとは仕上げ。……さあ、贖罪はお前の命で払いな!」
飛びかかった龍恩の拳が蕭宝の纏う鎧を貫いた。
大成功
🔵🔵🔵
シャムロック・ダンタリオン
ふん、この手の黒幕というのは、風向きが悪くなるとすぐ逃げ出すというのがお約束か。
だが、そうたやすく逃げおおせるとは思わないことだな――行くぞ、アスモダイX!
(召喚したキャバリアを【操縦】。【指定UC】で【世界知識・戦闘知識】を引き出し、敵の行動パターンを予測。【推力移動】で敵が逃げ込むような場所に先回りする(場合によってはグリモアベースを経由する))
――さて貴様、かような非道を繰り広げた報いを受ける【覚悟】はあろうな?――ああ、命乞いは受けぬぞ。早々に散れ(と、鉄塊剣を振りかざす(【重量攻撃・切断・恐怖を与える・傷口をえぐる】))。
※アドリブ・連携歓迎
●
蕭宝はわけも分からずに逃げていた。何が分からないかと言うと今自身を追っている怪物についてだ。ただ少なくともそれが自分に友好的なものではないということは確かだった。
「ふん、この手の黒幕というのは、風向きが悪くなるとすぐ逃げ出すというのがお約束か」
それはシャムロック・ダンタリオン(図書館の悪魔・f28206)が駆る悪魔のような姿のキャバリアであった。そういう意味で言うのなら怪物に追われているという認識は間違いではない。
「そうたやすく逃げおおせるとは思わないことだな――行くぞ、アスモダイX!」
その悪魔の操縦者であるシャムロックの指示に従い、蕭宝の後方から地面を滑るように速度を上げて距離を詰めてくる。シャムロックの知る限り、この地でキャバリアの知識や対策を立てられる者は多くはないだろう。
「――さて貴様、かような非道を繰り広げた報いを受ける覚悟はあろうな?」
「はあ!? 俺が何したっていうんだ!? 証拠も無いのに無実の人間を殺そうって言うのか!」
怪物から聞こえてくる声に対し蕭宝は否定の声を上げる。確かに彼の言う通り証拠はない、無いのだがそもそもグリモアの予知に引っかかっているオブリビオンである以上、猟兵に容赦する理由はない。
「――ああ、命乞いは受けぬぞ。早々に散れ」
シャムロックは彼の言葉を完全に無視して鉄塊剣を思い切り振り下ろす。その切っ先が大地に突き刺さり轟音を響かせると、風圧で煽られた蕭宝は半泣きになりながら手綱を握り直すのであった。
大成功
🔵🔵🔵
土御門・泰花
「鬼さん、見ぃつけた……ふふ。」
グリモアベースを経由して敵の目前へ現れ、【早業】で薙刀による一閃を馬の足へ放ち、敵へ【恐怖を与え】た上で【体勢を崩す】。
敵が動揺してる隙に【早業】と【軽業】にて攻撃を回避しつつ【結界術】【オーラ防御】を展開、守りを固めます。
「……無駄ですよ。」
【早業】で【呪詛】を纏わせた式神「黒揚羽」を放ち敵を包囲、薙刀にて【地形の利用】もしつつ【先制攻撃】を狙います。もう逃げられぬと悟るでしょうか?
【学習力】で敵の行動の傾向を把握したら、または敵がUCを放つ兆しを見せたら、無辜の民を襲おうと企んだ事への【義俠心】からの義憤を柔和な笑みの下に隠しつつ、【早業】でUCを発動。
白峰・歌音
うわ、何のためらいもなく逃げた!?
……けれど、無法をしようとした張本人が、何のお咎めもなく逃げられるなんて甘い考え、通すと思うなよ?
UCを発動、氷の迷宮の中へ閉じ込めて逃げ場を封じて追いかける!
出口はオレが入った、逃げるのとは反対方向しかないから、出たければ元の所に戻るしかないぜ?
見つけたら攻撃を見切って受け流しつつボコボコに蹴る殴る。
命乞いをしてきたら……見逃そうかな?
迷宮の出口の方向だけ教えて、当分彷徨わせて必要そうな気配を感じたら(他の方のプレイング次第で)解除するぜ。
「……オレは命だけ助けると許したとしても、他の人達が許すかどうかは別だぜ?ちょっと容赦ない気がするけど」
アドリブ連携OK
●
「うわ、何のためらいもなく逃げた!?」
あまりにあっさりとした引き際に白峰・歌音(彷徨う渡り鳥のカノン・f23843)は叫ぶ。
「そりゃ逃げるだろ! 馬鹿かお前たちは!?」
彼女の言葉を置いてきぼりにして蕭宝は走る。まあ割と勝ち目のない戦いからは逃げるのは普通といえば普通の戦術ではある。
「……けれど、無法をしようとした張本人が、何のお咎めもなく逃げられるなんて甘い考え、通すと思うなよ?」
「は。お前たちの足では俺に追いつけまい!」
「確かに単純な速度ではそうですね」
蕭宝がそういった瞬間グリモアベース経由で転送してきた土御門・泰花(風待月の菫・f10833)が敵の目の前に出現して薙刀を横一線に閃かせる。
「危ねえ!?」
「……外しましたか、ですが」
馬を翻させてその一撃を避ける蕭宝、しかし泰花の奇襲で彼らの速度は落ちた。ならば今がチャンスだと歌音が力を放つ。
「冬の乙女が誘う、惑いの氷宮! フリージング・デッド・ラビリンス!」
突如その場に氷壁で作られた迷宮が生じ、その場にいたあらゆるものをその中へと閉じ込める。
「これで閉じ込めたつもりか! クソっ!」
毒づく蕭宝だがまずは脱出せねばと迷宮の中を走り回る。どうもこの壁は容易には破壊できないらしい。そうこうしている内に迷宮内で歌音と遭遇する。
「あ」
「くそ運が悪い!」
「待て!」
「待てと言われて待つものか! 俺を見逃すのなら話は別だが!」
「……どうしようかな?」
予想外の彼女の言葉に蕭宝の動きが止まる。
「お前今なんて言った?」
「見逃そうかなって。あ、出口にはその道が繋がってるぜ?」
「そうかそれは助かる、今度俺の後宮に来てもいいぞ」
「いやそれはいいや」
そう言って彼女は逃げる敵を見送る。ついでにどこかから現れてその後をついていく黒揚羽をも。彼女はそんな彼らを歩いて追うのであった。
「……なんだこの黒いのは……ぐえっ」
歌音と別れた蕭宝だがいつのまにか黒揚羽に取り囲まれていた、しかじ風の音から察するに出口は近い。そんな希望を胸にしていた蕭宝だがある声を聞いた瞬間にそれが萎んでいく。
「鬼さん、見ぃつけた……ふふ」
蕭宝は振り返らずに逃げた。こういう声は無視するに限る、しかし行く手の壁から出てきた泰花が更に黒揚羽を呼び出して彼の進路を塞ぐ。
「……無駄ですよ」
「先回りしてやがったのか……!」
そう歯噛みする蕭宝、そしてその様子を見に来た歌音がのんびりとした言葉を放つ。
「あ、捕まえたみたいだな」
「ええ、おかげさまで」
「お前謀ったな!? 話が違うじゃねえか!」
激高する蕭宝に歌音はあっけらかんと返す。
「……オレは命だけ助けると許したとしても、他の人達が許すかどうかは別だぜ? ちょっと容赦ない気がするけど」
「クソ、人殺しを楽しみやがって! お前らは屑だ! 悪党だ!」
正直な所彼に言えた義理ではない。しかし自分だけは別なのだと本気で思っているからの発言である。その言い草に泰花の表情がこの氷壁以上に冷たい雰囲気を持った、柔和な表情に形作られる。
「……これは流石に、易々と許すわけには参りませんね。私が本気で怒ったらどうなるか、じっくり体感なさい」
彼女が合図をすると周りにいた黒揚羽が一斉に蕭宝に殺到しその姿を隠してしまう。
「おいやめろ! 俺を誰だと思ってる! 頼むからやめ……! ………!」
氷の迷宮の中に絶叫が響き渡り、その消失を表現する。全てが終わった時辺りには氷の迷宮も黒揚羽も襲撃者もおらず、ただ何事もなく夜明けを迎える町が遠くにあるだけだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵