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エア―処刑台上の詠唱者―

#ダークセイヴァー #第五の貴族 #異端の神々

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 くすくす……くすくす……。
 見えない精霊たちが笑っている。
 さあ、おいで。
 その首を落としてあげる。
 ふふ……あははっ……!!
 見逃してほしかったら、わかっているね?
 そう、あれさ。
 身も心も踊り出さずにはいられなくなる、あれを僕らは待っているんだ。

「ダークセイヴァーの辺境には『異端の神々』と呼ばれる超越的な存在が蠢いている……そして、彼らに憑依されたオブリビオンは圧倒的な力を手に入れるのと引き換えに正気を失い、『狂えるオブリビオン』と化す」
 そのうちの一体が地底都市に侵入したのだとサク・スミノエ(花屑・f02236)は告げた。
「どうやら、何らかの手段によって『第五の貴族』の存在に気が付いたらしい。目的はその肉体を奪うこと。ただでさえ強大な力を持つ『第五の貴族』が狂えるオブリビオン化してしまったら手の付けようがない」

 無論、第五の貴族もただ手をこまねいているつもりはないようだ。
「地底都市に繋がる空洞にはさまざまな仕掛けを持つ迷宮が存在している。そのうちのひとつ、『死の罠の迷宮』を発動して狂えるオブリビオンを仕留めるつもりのようだ。しかし、これは失敗することが予知された」
 狂えるオブリビオンの力は、第五の貴族の想定をはるかに上回っていたのだ。無傷とはいかないまでも迷宮を突破したオブリビオンは第五の貴族に襲いかかり、死と引き換えに憑依を達成する――そうグリモアの予知は告げている。
「この未来を防ぐには、狂えるオブリビオンよりも先に『死の罠の迷宮』を突破して第五の貴族を倒すほかない。すまないが、手を貸してもらえるか?」

 死の罠が発動するのは、迷宮も終わりに近づいた最後の舞台。神殿のような場所に足を踏み入れた途端、見えないギロチンが侵入者の首を狙って次々と振ってくる。
「正体は精霊の類のようだな。もちろん、強引に抜ける手がないことはないが……ひとつ、彼らには弱点がある」
 音楽だ、と彼は言った。
「素晴らしい歌や曲を聴くと、精霊は踊りに興じて敵に興味を失ってしまうらしい。そうやって気を逸らせれば、無為に傷を受けることもなくなるだろう。それを覚えておいてくれ」


ツヅキ
 プレイング受付期間:常時受付中。

 タイミングや内容によっては他の参加者とまとめて判定される場合があります。
 青丸が成功数に到達した時点でシステム的に締め切られますので、共同プレイングをかけられる場合(お相手の呼び名とID、もしくは団体名をプレイング冒頭に記載)はできるだけ同時にプレイングをお送りください。

●第1章 冒険
 地下都市に繋がる迷宮に第五の貴族が死の罠を仕掛けました。迷宮の最深部にある神殿のような舞台に足を踏み入れると、精霊たちが侵入者の首を落とすギロチンに化けて襲いかかります。
 精霊を鎮めるには、彼らの好きな『音楽』の力が有効です。

●第2章 ボス戦
 『歌の紋章』を持つ第五の貴族です。
 まともに戦っては強敵ですが、紋章には弱点があります。なんらかの手段で『歌の紋章』を無効化してください。

●第3章 ボス戦
 『死の罠の迷宮』を突破してきたオブリビオンとの戦いになります。力ずくで強引に突破したため、身体の一部に小さな『傷』を負っているようです。この『傷』をうまく攻撃できると戦いを有利に運ぶことができます。
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第1章 冒険 『死の罠の迷宮』

POW   :    防御力を活かし、強引に罠を突破する

SPD   :    罠を解除しながら迷宮を踏破する

WIZ   :    迷宮の隠し通路や仕掛けを暴く

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

テケリリケテルリリ・テケリリテケリャア(サポート)
『テケリャア!!!』
バイオモンスターのラヴクラフト神拳伝承者 × 四天王
年齢 102歳 女
外見 243cm 黒い瞳 赤茶の髪 白い肌
特徴 特徴的な声 声が大きい 実は美形 虐殺を生き延びた 奴隷だった
口調 テケリャア(私、呼び捨て、言い捨て)
お腹が減ると ケテルャア(私、呼び捨て、言い捨て)
常に飢餓感に苦しんでいます
てけりゃあ叫んで捕食したり怪力任せに潰すのが得意です
不定形の化け物として描写してください
連携歓迎です


レイカ・ヴァンスタイン(サポート)
フェアリーの聖者×プリンセス、8歳の女です。

戦闘は苦手で援護や救助、支援など中心です。
武器は人間大の人形(銃火器持)ですので、運搬作業も可能です。
普段は悪戯(許せる範囲)で遊ぶ※戦闘とは別です。

普段の口調は「マイペース(ウチ、相手の名前+ちゃん、なの、なの?)」
苦しい時は「愛想笑い(ウチ、相手の名前+ちゃん、なの、なの?)」です
幼いので殆どひらがなで喋ってます。

・ユーベルコードは必要に応じて、多少の怪我は厭わず積極的に行動(支援中心)します。
・他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
・あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「――ァ」
 ひっそりと静まり返った神殿の舞台に異質な響き。ぴくりと精霊が反応する。
「なに? だれ?」
「――リャア」
「なんて言ってるの?」
「―――――――テケリャア!!!」
 おもむろに大きくなってゆく叫び声――鳴き声? 恐ろしいのは“それ”が定形を持たず、自在に形を変えて蠢きながら迫ってくることだった。
 名をテケリリケテルリリ・テケリリテケリャア(ロード・ケテル・f16871)という、不定形の化け物――ずるりと這いずるような音を立て、舞台に上がる。
「テケリャアアアアアアアッ!! テケリャ、リャリャリャァアア!!」
「なッ……」
 ――叫びが歌になっている?
 度肝を抜かれた精霊は攻撃するのも忘れて固唾を呑んだ。テケリリケテルリリは歓喜の表情を浮かべ、一気に舞台――処刑台――を走り抜ける。
「テケリャア、テケリャア!!」
 ついでとばかりに柱を抱き折り、滅茶苦茶に振り回して精霊を圧倒しながら突っ走った。
「うわ、うわっ」
 翻弄される精霊たち。
「な、なんて化け物なんだ……!!」
「もりあがっているところ、すみませんなの」
 レイカ・ヴァンスタイン(銀光精・f00419)は人形たちに銃を持たせてにっこりと微笑んだ。
「へ? ――あ、あれっ? いつの間にかボクたち姿を見せちゃってる!?」
 どうやら、精霊たちが姿を消していられるのはギロチンに偽装している時だけのようだ。歌でも曲でもなんでもいい。音楽を聞くと、彼らの偽装は解けて本来の姿になってしまうらしい。
「あの妙な叫び声も、れっきとした『音楽』だったってことか……」
「ふふ。ウチもがんばっておうえんするの!」
 レイカが合図すると、人形たちが一斉に銃を構えた。
「やっちゃえ~!」
「うわあっ!!」
 虹色の人形隊による、容赦のない一斉射撃。
「なにこれ、網!?」
「これでにげられないの。ひとのくびをきろうなんて、めっなのですよ~」
 幼いながらも、精霊たちを叱って見せるレイカである。両手を腰に当て、左右に指を振って見せる。
「ご、ごめんなさい~! これで許してくれる?」
「う~ん、どうしよっかなぁ」
 レイカは可愛らしく指先を頬に当て、小首を傾げた。
「この通り!」
「ん~。でも、もうおそいかも~?」
「えっ」
 ぬっと精霊の背後からテケリリケテルリリが姿を現した。わしっと精霊を掴み、口の中へ放り込む。
「あーーーーーーー!!!」
「ほら、ね? おそかった」
 レイカが笑った。
 とても無邪気で、ひとかけらの悪気もない笑顔であった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

エドゥアルト・ルーデル(サポート)
『ヒャッハー!頭ねじ切ってオモチャにしてやるでござる!!』

口調:拙者、名字+氏、~でござる、~ですぞ
属性:混沌・悪

弱きを困惑させ強きを嫌がらせの果に弄り倒す正義なんてどこ吹く風なゴーイング・マイ・ヒャッハー系

シリアスな空気だと破壊するか自分が爆発する
可愛い女の子を見れば興奮する変態
エンジョイ&エキサイティングをモットーに好きなように生きて好きなように死ぬギャグキャラ
オタクらしく戦闘中でも状況に有ったセリフやパロ技を適当にぶっ込みながら戦う様はイカレポンチすぎて敵味方問わず困惑と驚愕させることに定評がある
公言しないが空軍のパイロット


土御門・泰花(サポート)
※アドリブ・連携・苦戦描写・UC詠唱変更・その他お任せ

「あらあら……。ふふ、ご安心を。お手伝い致します。」

一人称:私
口調:基本的に敬語。柔和な印象を与える口ぶり。
表情:例え義憤に駆られても基本的に柔和な笑みに隠す
性格:普段はおっとりだが「陰陽師の家系の当主」という自覚があり、凛々しくみせる時も。

中衛や後衛としてUCによる猟兵の回復や後方援護、敵の妨害を行うのが得意。
前衛の時や敵からの攻撃は【早業】と【軽業】を駆使して攻撃を躱した後、【式神使い】として式神の黒揚羽で【カウンター】攻撃。至近からなら薙刀で【武器受け】し、【カウンター】攻撃。

UCは指定したものをどれでも使用可。
後はお任せ致します。


バスティオン・ヴェクターライン(サポート)
冒険の場合はそもそも敵が襲い掛かって来ないようにするため、会敵した場合には【恐怖を与える】技能を活かした威嚇やUC【テリトリー・オブ・テラー】を使用した追っ払い、UC【フォーティテュード・フォートレス】で敵を囲って封じ込め等戦闘が発生しないように動く
それ以外の捜索関係は長年の経験から得た【戦闘知識】に頼りがち



「あァん? ギロチンですと? ――ハッ、正直に言うでござる。だから何?」
 エドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)の前には約束事など意味を為さない。
 ――音楽なんて糞くらえ。
「ここは死刑台と聞いたでござるよ。とすれば、話は簡単。お前がやられるか、拙者がやられるかの二者択一ですぞ!!」
「ひぇッ……」
 問答無用でぶっ放される戦闘機の弾丸が辺り一面を嵐のように撃ち抜いた。
「強行突破でござる――――ッ!!」
 もうやりたい放題である。
 戦闘機から爆撃機までひと揃い呼び出して、“上”から降ってくるというギロチンのさらに上の制空権を確保完了。
「さて、エドゥアルト殿が機を引いてくださっている間に私も動くとしましょうか」
 土御門・泰花(風待月の菫・f10833)が瞼を伏せると、彼女の周囲を取り巻くように黒揚羽が舞い飛んだ。
 ――美しい。
 その蝶は呪詛を纏いながらも、奇妙に美しく迷宮の空を揺蕩うのであった。
「このッ……!」
「あらあら……ふふ、遅いですよ?」
 ひらり、と衣装の袖を翻して泰花はギロチンの刃を交わしきる。
「大丈夫、痛いと思う前に滅して差し上げます」
 そして相手が態勢を立て直すより早く、黒揚羽が鋭い刃のように舞った。敵の姿は見えないまま、悲鳴だけが響き渡る。
「くそ、よくも――」
 仲間をやられ、悔しそうに囁かれる精霊たちの声。彼らは仇を打つため、五月雨のように襲いかかろうとするが――。
「なッ……」
 “その”男と目があった途端、ギロチンの刃が中空で停止した。
「あぁ、悪いねぇ邪魔しちまって」
 バスティオン・ヴェクターライン(戦場の錆色城塞・f06298)は頭をかいて、飄々と笑った。
「怖くて動けないかい? 俺ぁね、できれば動きたくないのさ。だからこうして、戦う前にやる気を削いどくのよ……!」
 バスティオンが凄んだ途端、処刑台という名の舞台上を鬼気迫るほどの覇気が迸った。
「やばいよ、あいつやばいって。逃げよう」
「そ、そうだな――」
 だが、慌てて向きを変えた精霊たちの眼前に見上げるほどの城壁が出現した。
「やれやれ……」
 バスティオンはその場を一歩も動いていない。
 ただ、面倒そうに頭をかいてみせただけ。なのに、精霊たちは怯えきって右往左往するばかりだ。
「ああ、ちなみにそいつはただの城壁じゃなくてだな」
「え?」
「味方には、ちょっといい効果がある」
 にやっとバスティオンが笑った背後から、エドゥアルトの操る航空機が姿を現した。
「わあっ!!」
 まさに蜂の巣だ。
 テンションの上がったエドゥアルトはもう誰にも止められない。大盤振る舞いで全部の武装を解き放ち、斉射――!!
「ヒャッハー!! ヴェクターライン氏、面白い技を使うでござるな!?」
 バスティオンは頷き、顎で相手を示した。
「思う存分やっちまってくんな。俺はとっとと帰りたいんでね、この際遠慮はいらないさ」
「ヤー!!」
 激しい銃弾に追い込まれた精霊の背後から泰花の薙刀が襲いかかる。見えないはずの敵も、これだけ黒揚羽に憑りつかれればその居所は明白であった。
「式神だけだと思わないでくださいね? ふふ、せっかくですから踊りましょうか。ただし、勝つのは私たちのほうですけれど」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『『日輪』シャマシュ』

POW   :    残り火
【自身の肉体を崩壊させて噴出する炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【周囲を眩く照らす灼熱の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    真実と正義の主
【まるで全てを見通しているかのように】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    日は未だ昇らず
戦闘力のない【壊れた太陽円盤】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【太陽や救いを求める人々の信仰心】によって武器や防具がパワーアップする。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠アウル・トールフォレストです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「まさか、あの『死の罠の迷宮』を抜けてくるとは……それも、狂えるオブリビオンよりも、はやく」
 第五の貴族である『日輪』シャマシュは、信じられない、と呟いた。
 細い首元に紋章が浮かび上がる。
 ――『歌の紋章』。
 その歌声が戦場に響く限り、シャマシュは『歌の紋章』に守られ続ける。だが、もし、何らかの方法で歌声を封じることができれば……攻撃は、遮られることなく彼女に届くだろう。
「せっかくいらしてくださったのに申し訳ありませんが、私の狙いはあなた方ではなく、狂えるオブリビオン……引き返すのなら見逃してあげましょう。けれど、そうでないのなら……お覚悟を……」
土御門・泰花
※アドリブ・連携OK

(成程、これがかの『第五の貴族』。ならば、全力を解き放つとしましょうか。)

泰花は初めて人前で真の姿を見せた。
桜色の優雅な龍。それは居るだけで常春が如く。

まずは白揚羽の式神で【結界術】と【オーラ防御】を施し、防御を万全に。

敵の攻撃は【第六感】まで研ぎ澄ませて【早業】と【軽業】で【見切り】、【式神使い】としてどこからともなく黒白の揚羽蝶の式神を飛ばし【カウンター】攻撃を。UC発動の兆しには、【早業】で自身のUCを放ち、発動前に封印。
(さて『歌の紋章』はどこでしょう?)
【世界知識】と【戦闘知識】を元に敵を観察して【情報収集】し、位置を特定したら【暗殺】の如く【継続ダメージ】攻撃。



「……成程、『日輪』シャマシュというのですね。その姿、『第五の貴族』の中でもそれなりに力をお持ちの方とお見受けいたします」
 土御門・泰花(風待月の菫・f10833)の周囲を白揚羽の大群が覆い尽くしてゆく――まるで白無垢のような色彩はシャマシュにため息をつかせた。
「不思議な蝶……私の歌声を遮るほどの神性……?」
「お褒めを頂き光栄に存じます。では、その目でご覧くださいませ。あなたが戦おうとしている者の、真なる姿を……!」
 敵の歌う声を龍の咆哮がかき消した。
 そこにあるのは、桜めいた淡き色の鱗を持ちし一匹の龍。シャマシュの歌声が衝撃波となって押し寄せるのを、身を躍らせて避ける度に甘やかな春の風がそよいだ。
「外れた……?」
 眉をひそめるシャマシュの死角より迫るのは黒白の揚羽蝶である。とっさに、シャマシュは太陽円盤を展開してそれらを跳ね除けようと試みた。
「させませんよ」
 だが、泰花の方が早い。
 嵐のように舞い飛ぶ護符が瞬く間に敵の円盤に張り付いてその威力を封じ込める。
「『歌の紋章』は……そこですね?」
 ――敵の首元。
 まるでチョーカーのようにぐるりと喉を取り巻いているそこへ、泰花は一点突破を賭けた。
「さあ、おいきなさい」
 先を争うようにして、殺到する黒揚羽。
「これは、いけない……! あぁッ!」
 喉をやられたシャマシュの歌が途切れた。
 泰花は――まるで春の夢のように神々しき龍は目を細め、神託を述べるかの如き声色で告げる。
「例え私たちが現れなくとも、貴方が狂えるオブリビオンに勝つことは無理だったのです。もう眠りなさい。せめて最期にうつくしきゆめを……」

大成功 🔵​🔵​🔵​

新海・真琴
【炎桜】アドリブOK

異端の神々、第五の貴族か
流石にオブリビオンの強化は見過ごしておけないな
任務だ、往こう。ベルンハルト
ボクにもちょっと策があるんだ。任せて
……いやボクもそれなりに戦法とか考えるからね?

(勾玉、月季星彩を翳して)
ひふみよいむなやここのたり、ふるべゆらゆらとふるべ
(発動するのは桜の精としての浄化の力)
サクラミラージュやサムライエンパイアに伝わる、古い言葉だよ……「神と対話するため」のね
シャマシュ、貴女も神ならばこの言葉が聞こえるだろうか

(すかさず構えるのは巴板額。狙いを定めて放つのは、鎧無視と破魔を籠めた桜弧玉矢)
それから……炎なら、ボクの恋人の方が凄いんだからね!!


ベルンハルト・マッケンゼン
【炎桜】アドリブOK

(わざとらしく驚いて)
貴女が策だと? 真琴、体調は大丈夫か? 熱でも出てるんじゃ……
いや、失礼。ここは任せるよ。

(彼女の浄化の祝詞を聞いて微笑む)
見事だった! 知らない貴女の一面を知ることが出来て、嬉しい。
では私も……ヴァルトブルクを思い出しながら、歌合戦と行こう。

一礼し、豊かなヘルデンテノールで高らかに歌い上げる。
「火刑台に燃える、最期の恐ろしき炎だけが……我が魂を燃え立たせる!
邪神よ、その翳った残り火を消せ。さもなくば……私が、貴様の血で消してやる!」

ライフルにバヨネットを装着、UC“Die Walküre”を発動。
黄金の炎を纏った銃剣を構えて切り込み、捨て身の一撃へ。



 陽の光の差し込まぬ奈落へと足を踏み入れる兵たち――新海・真琴(銀爛血風・f22438)は薄っすらと微笑み、ベルンハルト・マッケンゼン(黄昏の傭兵・f01418)を手招いた。
「任務だ、ベルンハルト。準備はいいかい?」
「当然だね。いつでも構わんよ」
「実はね、策があるんだ」
 真琴がにっこりと自信ありげに笑うと、ベルンハルトは大仰な仕草で肩を竦め、驚いたように目をみはる。
「貴女が策だと? 真琴、体調は大丈夫か?」
 熱でもあるのかと、ベルンハルトの手が真琴の前髪をかき上げて額に触れた。しかし平熱である。当たり前だが、真琴は本気なのだった。
「……あのね、人のことを脳筋みたいに言うのはやめてくれないかな?」
「いや、失礼。――では、お手並み拝見といこうか」
 ふん、と真琴は軽く鼻を慣らして前へと進み出る。掲げた勾玉がシャマシュの放つ灼熱の炎に照らされ、きらりと耀いた。
「ほう……?」
 不思議な形の宝玉が珍しかったのかもしれない。吐息をついたシャマシュに真琴は教えてやる。
「勾玉というんだ。そしてこれは、『神と対話するための』古い言葉――」

 ひふみよいむなやここのたり、ふるべゆらゆらとふるべ。

 シャマシュを襲ったのは、まるで心臓を鷲掴みにされるような衝撃である。
「な、ぁ……」
 ――淡紅の花弁が目裏に焼き付いて離れない。ああ、身の内から焼かれるような、穢れを祓う浄化の理……!! 
 おもむろな拍手の音がその時、戦場に鳴り響いた。
「見事だった! 貴女にもそんな一面があったのだね。この場に立ち会えてうれしいよ。ささやかながら、私もひとつ歌を披露させてもらおう。かの城で行われたという『歌合戦』の再演だ」
 優雅なお辞儀の後、ベルンハルトは歌い出した。
 高らかに、そして――英雄的に。
「火刑台に燃える、最期の恐ろしき炎だけが……我が魂を燃え立たせる! 邪神よ、その翳った残り火を消せ。さもなくば……私が、貴様の血で消してやる!」
 一体、いつの間に彼の手にあったバヨネットとライフルはひとつの銃剣となってシャマスに狙いをつけたのだろうか。
「あ、あれは……」
 陶然と歌に聞き入っていたシャマシュが喘いだ。
 黄金の、炎――。
「……馬鹿な、私の歌が、火が、負けるというのですか」
「ふふん、ボクの恋人の方が凄いだろう?」
 真琴が目を細めるのに合わせて引き絞られた弓の弦がぎり、と鳴った。同時にベルンハルトが地を蹴り、勝利の道を往く。
「くらえ!」
 吸い込まれるように真琴の放つ玉矢がシャマシュの胸元へ突き刺さる。
「あ、」
 鎧ごと砕く力が彼女を守る太陽円盤をひび割り、引き抜こうと足掻く腕を無数の黒曜石の鋭い破片が阻んだ。傷口から噴き出した血が降り注ぐ中をベルンハルトが一路、駆ける。
「歌には歌を、炎には炎を。そして――」
 ベルンハルトは炎の残滓に焼かれようとも構わず踏み込み、銃剣を矢の真下に突き付けると引き金を引いた。
「死には死を」
 轟く銃声とともに、シャマシュの体が背中から倒れ込むように大きく傾いていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

千束・桜花(サポート)
どうやら強敵が現れたようですねっ!
私が百戦錬磨の将校を名乗るためには避けては通れぬ相手!
幻朧退魔刀を片手に挑ませて頂きます!
本来は対影朧用の剣術ではありますが、別世界のオブリビオンにも有効であることを示しましょう!
クロムキャバリアへ向かうときは専用のキャバリアにてこの剣術を再現します!

さあ、怒りや悲しみに満ちたその荒御魂、鎮めて差し上げましょう!
いざ、いざいざ!


エダ・サルファー(サポート)
アックス&ウィザーズ出身の聖職者で冒険者です。
義侠心が強く直情的な傾向があります。
一方で、冒険者としての経験から割り切るのも切り替えるのも早いです。
自分の思想や信条、信仰を押し付けることはしません。
他人のそれも基本的に否定はしません。
聖職者っぽいことはたまにします。
難しいことを考えるのが苦手で、大抵のことは力と祈りで解決できると言って憚りません。
とはいえ、必要とあらば多少は頭を使う努力をします。
戦闘スタイルは格闘で、ユーベルコードは状況とノリで指定のものをどれでも使います。
ただ、ここぞでは必殺聖拳突きを使うことが多いです。

以上を基本の傾向として、状況に応じて適当に動かしていただければ幸いです。



「――今です!」
 シャマシュの炎が弱まった隙を千束・桜花(浪漫櫻の咲く頃に・f22716)は逃さなかった。
 腰の刀に手を添えれば、桜の吹雪が乱れ舞う。
「――さあ、怒りや悲しみに満ちたその荒御魂、鎮めて差し上げましょう!」
 刃が振るわれたのは刹那の一瞬だった。
 目にも見えない速度で敵を斬り裂いた桜花は、また元のようにそれを仕舞ってにこりと微笑む。
「いかがです? 幻朧退魔刀の切れ味は!」
「こ、れは――」
 シャマシュは驚愕に目を見開き、己の体を見下ろした。傷はない。だが、“傷はある”。
「私は、いったい……?」
 力が湧いてこない。
 第五の貴族となった彼女が骸の海より甦りし糧としていた感情の全てがぽっかりとなくなってしまった。
「あらま、腑抜けもいいところね~」
 エダ・サルファー(格闘聖職者・f05398)の呆れ混じりの声がする。問題はその出所だ。
 そう、敵の背後である。
「な――」
「ちょっと、いや結構荒っぽいけど許してね……!!」
 エダはシャマシュの腰をぐっと抱きすくめ、そのままぐいっとブリッジの要領で高々と跳躍した。
「せや!」
 あまりにも速く、あまりにも高威力の脳天逆落とし――!!
「ぐはッ……」
「まだまだ!」
 相手の体に組み付いたまま、姿勢を変えて関節を極める。しかも、バックドロップからの連続技となれば致命的になるのは避けられない。
「……声、が」
 首を締められ、声が出せない。
「これじゃ歌えないでしょ? せっかくの綺麗な歌声を聞いてあげられなくてごめんね!」
「く――」
 じわりと時間が過ぎていく。エダは力を緩めぬまま、アックス&ウィザースの神に祈った。
「そろそろ決めようか?」
「ええ! 参りましょう!」
 桜花とエダは頷き合い、息を合わせて攻撃を繰り出した。
「――解放抜刀・リインカァネヱション!!」
「必殺!! 必殺聖拳突き――!!」
 エダの拳を中心に桜花の桜吹雪がまるで竜巻のように吹き荒れる。シャマシュの鳩尾を深々と抉った拳に続き、退魔刀が一閃。
「ぐッ……!」
 止めまで、もうあと少しだけ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

スフィア・レディアード(サポート)
『皆さん、頑張りましょう!』
 ミレナリィドールの妖剣士×鎧装騎兵、21歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、機嫌が悪いと「無口(私、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は元気で、楽しい祭りとかが好きな少女。
武器は剣と銃をメインに使う。
霊感が強く、霊を操って戦う事も出来る(ユーベルコード)
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


姫神・咲夜(サポート)
 桜の精の死霊術士×悪魔召喚士、女性です。
 普段の口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、
 片思いの人には「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

清楚で女流階級風の口調で、お淑やかな性格です。
基本的に平和的な解決を望みますが
戦わざるを得ない時は果敢に戦いに向かう勇敢さを持っています。

 あとはおまかせです。よろしくおねがいします!



「ふ、ふふ……そう簡単に、この私が……倒せるとでも……?」
 悪あがきのような喘ぎを漏らし、シャマシュは最後の力を振り絞ってそれを召喚した。
 壊れきった黄金の円盤。そう、太陽円盤はシャマシュが絶体絶命の危機にあればあるほど力を与えてくれるのだから……!!
「あらまあ、往生際の悪い人ね?」
 スフィア・レディアード(魔封騎士・f15947)は深紅の魔剣を構えて微笑む。同時に軌道したエンジンが周囲から魔力を取り込んで潜在能力を引き上げて行った。
 ずん、とスフィアの足元から大量の霊気が噴き上がる。
「でも、無駄よ。あなたはここで終わるの」
「なんですって……?」
 その時、地面を何かで突くような音がした。姫神・咲夜(静桜・f24808)が手にした杖の先を地面にかざし、何事かを唱えている。
「おいでませ。汝は獄炎を操りし悪魔――その名は『アスモデウス』」
 地上に描かれた魔法陣から召喚された悪魔は瞬く間にシャマシュへ襲いかかった。まさか、と彼女は目をみはる。
「私の太陽円盤が……!?」
 アスモデウスは嬉々としてそれに憑りつくなり、燃え盛る地獄の炎で無残にも焼き払ってしまったのである。
「そんな、なんてことを……!!」
「ごめんあそばせ。けれど、こうするほかないのです。狂いしオブリビオンがもうすぐここへやってくる、その前に」
「嘘よ、あの死の罠の迷宮を抜けてこられるわけが――」
 シャマシュの言葉がその時、途絶えた。
 激しい轟音とともに地下空洞が揺らぎ、新手が現れたのだ。巨大な南瓜の頭を持ちし、強大なるオブリビオンがついにここ、最深部にまで到達したのである。
「そ、んな……!」
「状況は理解できたようね? それじゃ、さよならよ」
 スフィアは大量の霊気を纏わせた退魔刀を構え、集めた霊気を自分の体を通して固定砲台へと流した。
 そして再び、もう片方の手に持つ銃へとそれを注ぎ込み――。
「いけ、霊たちよ!」
 撃ち出されたファントムの幻影がシャマシュの体の至る所を貫いた。まるで食い尽くすように、容赦なく。
「あ――」
 死を受け入れた彼女が最期に見たのは咲夜の慈愛に満ちた微笑みであった。
「どうか、ごゆるりとお休みください。願わくば来世こそは骸の海の軛より解き放たれますように」
 しゃん、と桜の枝が鳴る。
 戦場全てを包み込んだ獄炎が何もかもを焼き払い、塵一つ残すことなくシャマシュを葬り去っていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『ジャック・ザ・カーニバル』

POW   :    汝、肉に別れを告げよ
戦闘中に食べた【肉】の量と質に応じて【炎が活性化し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    ヘルファイアゴースト
レベル×1個の【髑髏】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
WIZ   :    ジャックブレイズ
対象のユーベルコードを防御すると、それを【頭頂部の炎に映し出し】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はネフラ・ノーヴァです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 さあさ、パーティのはじまりだ!!

 トリックオアトリートならぬ、トリックオアミート!
 君のお肉を僕におくれよ。
 ぺろりと食べて、お腹の中だ。

 トリックオアトリートならぬ、トリックオアユーベルコード!
 君の技を僕にかけてよ。
 そっくりまるごと頂いて、やり返してあげる。

 楽しいな、嬉しいな。
 こんなにたくさんの人と戦えるなんて久しぶりだ。
 そういえば、ここにいた人はどうしたんだろう。
 確か僕はその人を……ええと……うーんと……まあいいや!!

 トリックオアトリートならぬ、トリックオアスカル!
 君の頭蓋骨を僕にちょうだい。
 綺麗な髑髏にして、ずっと大切にするからさ。
土御門・泰花
※アドリブ・連携歓迎

(まるで西洋のお盆のようなお相手ですね。時期外れも良いところです。風情も何もない。)

常春が如き龍の姿のまま、敵と対峙します。

まずは【早業】で【結界術】と【オーラ防御】を展開。

敵が慢心など隙を見せたら、【戦闘知識】による【情報収集】で位置を割り出し、『傷』へ【恐怖を与える】【継続ダメージ】攻撃を。

「さて、十八番の『黒揚羽の呪縛』でもお受けなさい。」

指定したUCとは別のUCを装って、無数の黒揚羽の式神を仕向けます。これを私のUCと勘違いして敵がUCを放つ兆しを見せた所へ、【早業】で本物のUCを発動。

「……ふふ。素早さは少々自慢でして。」

後は引き続き『傷』へ【継続ダメージ】攻撃。



 まるで、彼だけが時も場所わきまえぬ道化にしか見えぬ有様であった。土御門・泰花(風待月の菫・f10833)はただただ呆れ、小春の息吹たるため息をこぼした。
 そのような振る舞いなど、泰花の常春が如き真の姿の前には児戯にも等しい。
「さあ、悪戯しちゃうぞ!」
「できるものなら、どうぞ」
 なりふり構わず躍りかかるジャック・ザ・カーニバル。だが、あと少しというところで泰花の紡いだ結界によって阻まれる。
「なんだよこれ!?」
「無駄な抵抗はおよしなさい。この結界は決して破れません。そして――」
 深紅の瞳が細まり、桜色の巨躯が身じろいだ。
「あなたの『傷』は、そこですね?」
 無理やりあの死の罠の迷宮を抜けてきたのだ。その体には必ず、突破の際についた傷がある。
 ――そう、ギロチンの刃を受けた首筋の傷が。
「さて、十八番の『黒揚羽の呪縛』でもお受けなさい」
 泰花の叡智はそれを見破り、無数の黒揚羽を差し向けた。それは恐怖そのものだった。
「うっ……」
 まるで、蝶の群体がそれ全体でひとつの巨大な蝶のようにすら見える。
「く、くるなよ!!」
 ジャック・ザ・カーニバルの頭部に灯る炎が蝶を象り、泰花目がけて一斉に襲いかかった。
「かかりましたね」
 恐るべき速さで、護符が舞う。
「えっ?」
「……ふふ。素早さは少々自慢でして」
 そう、“こちら”が本物だ。
 蝶は――敵の模倣させるための、偽物。
「だ、だましたな……!?」
 首元に張り付いた護符を剝がそうと搔きむしるが、後からとめどなく湧き出るそれは一向に尽きる気配がなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

チル・スケイル(サポート)
「皆さん、よろしくお願いします(お辞儀)」
「…(仕事の時間)」

「では、吉報をお待ちください」

竜派ドラゴニアンのクールな女性です。普段の口調は『私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?』誰にでも礼儀正しく接します
戦闘中は 『私、あなた、~さん、言い捨て』不要な発言はしません

戦闘スタイルは魔法による射撃が主体。氷の魔法を操ります。それ以外の属性は使いません

侮辱や暴言、報酬の踏み倒しなど、敬意に欠ける行為を嫌います

他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません
スシが大好きです

あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


睦沢・文音(サポート)
『聴こえますか?私の歌が!』
年齢 14歳 女
外見 147.1cm 黒い瞳 黒髪 色白の肌
特徴 いつも笑顔 柔和な表情 胸が大きい お尻が大きい ネットが好き
口調 清楚(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)

他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません

他の猟兵のサポートに回り、事件の解決にあたります
日常パートならば飲食や歌をうたうことをメインに行動します

他の参加者様との連携リプレイ歓迎です
最大の目的は、事件を解決に導くことです
その為なら、ある程度の怪我や些細な失敗はやむを得ないものとします



「……なるほど、炎を操るのですね」
 物陰より姿を現したのは絶対零度の気配をその身に纏った氷竜こと、チル・スケイル(氷鱗・f27327)。
「銃!?」
 チルの構えた武器を見たジャック・ザ・カーニバルが叫んだ。
「いいえ、杖です」
 氷魔法による弾幕が地底空洞内を支配する。逃げ場をなくしたジャック・ザ・カーニバルは悲鳴をあげてのたうち回るはめになった。
「いたたたた!」
「ハロウィンには早すぎますよ。さあ、ご退場くださいな」
「く、くそーっ!」
 対抗するように放たれたのは髑髏の炎。だが、チルはそれを読んでいたかの如く、両手両足で構えた銃口を次々に差し向けた。
「――」
 ダンス。
 四本の杖を繰り、華麗に炎を打ち消す様子はそれ以外に例えるべき言葉がない。
「なんて素敵な踊りなんでしょうか!」
 睦沢・文音(フォーチュンシュネルギア・f16631)は感激して両手を握り締めると、目を閉じて歌い始めた。
「少しでも、お力になれたらよいのですが……」
 即興で氷の舞に乗せる歌声はどこまでも伸びてゆく。文香の歌はチルの魔力を底上げ、撃ち出す氷弾を強化した。
「げっ!!」
 杖から放たれた氷が歌声を受けて質量を増すと、蕾を開くような形で鋭い鉤を開いた。頭を挟まれたジャック・ザ・カーニバルがたまらず叫ぶ。
「い、いたたたた!!」
 だが、文香は容赦しない。
「もっと、もっと……! ここであのオブリビオンを倒せなければ、地底都市に災厄が訪れてしまうのですから……!」
 守りたい、という心が文香に歌を紡がせる。
 それは再生を齎す歌。
 聞いたもの全ての心を癒し、生への活力を生み出す旋律。
「歌はいいですよね。食べて、歌って、食べて……それだけで文香は幸せです!」
「くっ、そんなの、僕の悪戯の方が――」
「いいえ!」
 ついに、文香の歌声が限界を突破した。
「うわあっ!!」
「歌は、負けません!」
 もはや炎は歌によってかき消され、ジャック・ザ・カーニバルは丸腰となっている。
「ありがとうございます、睦沢さん。とても……力が湧いてきます」
 チルは右手の杖をジャック・ザ・カーニバルの眼前に突きつけた。
「うっ――」
「お覚悟を」
 特大の氷魔法が敵を包み込み、辺りに結晶が舞い飛ぶ。
「うわああぁッ!!」
 ジャック・ザ・カーニバルの絶叫が響き渡った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

エダ・サルファー(サポート)
アックス&ウィザーズ出身の聖職者で冒険者です。
義侠心が強く直情的な傾向があります。
一方で、冒険者としての経験から割り切るのも切り替えるのも早いです。
自分の思想や信条、信仰を押し付けることはしません。
他人のそれも基本的に否定はしません。
聖職者っぽいことはたまにします。
難しいことを考えるのが苦手で、大抵のことは力と祈りで解決できると言って憚りません。
とはいえ、必要とあらば多少は頭を使う努力をします。
戦闘スタイルは格闘で、ユーベルコードは状況とノリで指定のものをどれでも使います。
ただ、ここぞでは必殺聖拳突きを使うことが多いです。

以上を基本の傾向として、状況に応じて適当に動かしていただければ幸いです。


杼糸・絡新婦(サポート)
関西弁口調。
とある忍者が使っていた武器・鋼糸【絡新婦】のヤドリガミ。
白い女物の着物を着用しているが、
名前沿った姿なだけで、オネエとかではなく中身はれっきとした男。

子供や親子中心に一般人には愛想よく接するが、
敵とみなしたら容赦なく叩く。
日常でも戦場でも自分のペースを崩さず、
フェイントや挑発、相手の動きを拘束するように阻害したり、
あえて誘い出してこちらに攻撃を仕向け、
自他へのすきを作り出したりする、戦闘スタイル。
また使えるものはなんでも使う。
元の持ち主の影響で、忍者らしい動きも見せる。

所持する黒い狩衣を着た狐獣人の姿をしたからくり人形は、
かつての主人が作ったものを模したもの、名前はサイギョウ。



 本命を前にして、エダ・サルファー(格闘聖職者・f05398)は気分の高まりを感じている。
 異郷の地で遭遇した愉快な敵――ジャック・ザ・カーニバル。エダは握り締めた拳をもう片方の手のひらへ押し付けると、笑みの形に唇を吊り上げた。
「それじゃ、いかせてもらうよ?」
 ドン、とエダの足元から気合の籠もったオーラのような“気”が噴き上がる。
「お前には聞こえるか、おのが内なる筋肉の声が!」
 接近は一瞬だった。
 問答無用で、その目印になる南瓜頭に拳を叩き込む。数えきれないくらいの圧倒的な乱舞であった。
「よ、よくもやったな……!」
「おっと!」
 南瓜の内部で揺らめく炎が拳の形をとってエダ目がけて振り下ろされる。これを、とっさに後方へバク転して回避。
「逃がさない!」
 釣られて猪突猛進するジャック・ザ・カーニバルだったが、杼糸・絡新婦(繰るモノ・f01494)は隙だらけの背中を見逃さなかった。
「あかんなあ、背中がお留守になっとるわ」
「え?」
 ひゅんっと音がして、ジャック・ザ・カーニバルの体に玉虫色の鋼糸が巻き付いた。
「う、動けない……!?」
「やれやれ。悪さはその辺にしときや? あんまり手加減はできんさかいな」
 絡新婦が笑うと同時に、戦場の至る所に艶めく色合いをした複雑な形の蜘蛛の巣がいくつも顕現する。
「せっかく登場しはったのに、瞬殺じゃかわいそうやろ。あんじょう遊んであげるさかいに」
「むっきー! それはこっちのセリフだ!!」
 しっかりと挑発に乗ってしまったジャック・ザ・カーニバルは絡新婦に向かってありったけの髑髏の炎を解き放った。
「さ、今や」
「おっけーい」
 絡新婦の前に割り込んだエダは、炎を潜り抜けてジャック・ザ・カーニバルに迫る。
「どいてよ!」
「そうもいかないんだな、これが。悪いけど、お前が好き勝手できるのもここまでだ!」
 エダは拳を構え、ふっと祈るようにまぶたを伏せて息をついた。
 必殺の――、
「聖拳突き!!」
「ぎゃふんッ――!!」
 くすくすと、絡新婦が笑みをこぼした。
「勇ましいのもこうなると良し悪しやね。サイギョウ、出番や」
 あっという間に巨大化した狐人のからくり人形は、振りかざした腕を無造作に薙ぎ払う。
「そ、そんなッ……」
 態勢を崩したジャック・ザ・リッパーの体を鋼糸が封じていた。馬乗りになったエダがにっこりと笑って曰く。
「首の傷跡、――狙わせてもらうぜ!」
 そして、貫き手をその喉元へ深々と突き刺した。
 ――手ごたえ、あり。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

叢雲・雨幻(サポート)
真正面から、と言うよりは掠め手で相手を惑わせて
攪乱しながらのらりくらりと追い詰める戦い方を好むよ。
ただし共闘者がいて危ない時は飛び出して守りに行くかな。

使う武器は【黒雲】【黒霧【対】】の二刀流での戦闘が主。
使うUC次第では連結してダブルセイバーにしたり、
そもそも剣を【武器受け】用として使い、影を操る攻撃で戦ったりするよ。

基本的に相手の攻撃を【見切り】、【早業】で【武器受け】をしながら動きを観察し、隙を見つけて【切り込み】もしくは【カウンター】を決めて離れる飄々とした動きのヒット&アウェイスタイル。
戦闘中も仲間やボスにも冗談を交えて話しかけたりする。
ただしあまりにも非道な相手の場合は別だがね。


イネス・オルティス(サポート)
『この鎧は一族伝統のもの、恥ずかしくなんて……』

アックス&ウィザーズ辺境のどこかにある隠れ里に住む一族の女戦士
〔一族伝統の鎧〕のビキニアーマーを愛用し主に〔巨獣槍〕という槍を使う
”ダッシュ”で近づき”なぎ払い”、”串刺し”等をよく行う

ボン・キュ・ボンのナイススタイルで、ビキニアーマーを普段使いしているため
無意識に周りを”誘惑”している事があるが本人は気づいていない
また”恥ずかしさ耐性”があるためか自分の格好より任務の達成を優先する傾向がある

アドリブ・絡み・可 ””内技能
描写はセクシーレベルまで
キャバリアには乗りません



「わあああッ!!」
 弱点を突かれたジャック・ザ・カーニバルは地面を転げ回り、悲鳴を上げながら逃げまどった。
「こいつら、強すぎ……!! もうやだ、帰る!!」
「――っとォ。悪いね、通せんぼだ」
 のらりくらりと掴みどころのない声色がした直後、ジャック・ザ・カーニバルの喉元で二本の刀が交差した。
「え?」
 動けない。
 少しでも動けば、首が斬れる。
 叢雲・雨幻(色褪せた根無し草・f29537)は脱いだ帽子を胸に抱え、飄々と煙草をふかした。
「せっかくこんな地底くんだりまで来たんだからさ、ツレないこと言わないでよ」
「い、いつのまに……」
「ああ、おいさんも年だからね。どんちゃん騒ぐのは体力もたなくて」
 とぼけた言動にジャック・ザ・カーニバルは翻弄される。
 情けなくうろたえる標的を目がけ、イネス・オルティス(隠れ里の女戦士・f06902)は巨獣槍を手に戦場を駆け抜けた。
 姿勢を低め、空気抵抗を限界まで小さくしながら速度を上げる。
「そこ……!」
 槍の先端に取り付けられた獰猛なる獣の爪牙がぎらりと光った。イネスは青い瞳を細め、一直線に敵の喉元に狙いをつける。
「うぐッ!?」
 ――一切の隙がない、まるで狩人の如き動作。
「はッ――!!」 
 裂帛の気合と共に放つ衝撃波がジャック・ザ・カーニバルの体を背後の壁まで吹き飛ばした。
「容赦ないねぇ」
 雨幻が感心したように口笛を吹いた。
 イネスは首を傾げ、「そうかしら?」と言う。
「私たちの一族では、これが普通なのだけど……」
「そりゃつおい」
 笑う雨幻の足元から影が伸びて行く。それはジャック・ザ・カーニバルの影と繋がり合い、ひとつになった。
「う……」
 呻くジャック・ザ・カーニバルは、破れかぶれで髑髏の炎を解き放つ。だが、それを見切っていた雨幻は神速の太刀筋で炎を斬り伏せた。
「――さぁて、避けられるかな?」
 遠隔操作によって敵の攻撃を切り抜けた二振りの刀はそのまま、ジャック・ザ・カーニバルの首を落としにかかった。
 スパッという音がして、血しぶきが周囲の地形を赤く染め上げる。
「あああッ!!」
「ふうん、南瓜でも痛みを感じるのね」
 イネスは呟き、巨獣槍でジャック・ザ・リッパ―の頭部を背後から串刺した。
「ぬ、抜いてよ――!!」
 暴れまくるジャック・ザ・カーニバル。
「わかったわ」
 と、イネスは素直に槍を引き抜いた。ほっとするジャック・ザ・カーニバル。だが、すぐにその真意を思い知ることになる。
「薙ぎ払いの方がお好みかしら?」
「わぷッ――」
 イネスが槍を横薙ぐと、衝撃波によって強化された穂先が敵の全身を強打していった。
「手加減はあまり上手くないの。ごめんなさいね」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

新海・真琴
【炎桜】アドリブ歓迎
ボクはあいにく業突張りでねぇ
君にやるものなんて一個もないのさ
(ナックルを嵌めた拳と拳をガキン、と突き合わせて)

最初はキラーカシオペヤでの射撃でベルンハルトの作戦を援護。撃つのは呪殺弾、弾切れもリロードもなしさ
カボチャ君、そもそも君って骸の海から来てるんだから支払う寿命なくない?

そんじゃ、ボクの出番だね!!
オーラ防御で身を包んで、桜の拳鍔を嵌めた右腕でのグラウンドクラッシャーをカボチャ君に叩き込むよ!
拳に纏わせるのは破魔と浄化、あと貫通攻撃と鎧無視攻撃ッ!!

あー、ベルンハルト。キミとの喧嘩の時はボク手加減してるから……うん、確か手加減してたはずだ(目逸らし)


ベルンハルト・マッケンゼン
【炎桜】アドリブOK

(敵の炎を見て、古の記憶がフラッシュバックする)
「たかが南瓜一つ分の炎とは、笑わせてくれる。
我が黄金の炎は、かつて一つの街を燃やし尽くしたんだぞ。そう、トロイアをな。
……さぁ、貴様も消し炭にしてやろう!」

UC発動、敵にコピーさせてわざと自分への反撃を誘い、その動きを止める。

「引っ掛かったな。知っているか? この技の代償を。毎秒、自らの寿命を削るという……ほら、貴様の寿命が一気に削り取られる、その時がやって来たぞ!」

後ろから突っ込んでくる、猪武者な恋人の邪魔をしないよう避ける。

「さらば、だ。彼女の一撃は強烈無比だぞ。私も痴話喧嘩の時によく知っているから、な。戦術的に…フッ」



 新海・真琴(銀爛血風・f22438)はいよいよ佳境となった戦いの中で、勇ましく両の拳を打ち合わせた。薄紅の鋼が乾いた音を鳴らし、その時を告げる。
 ――そう。勝負が決まる時を告げる音、だ。
「う……うう、肉……肉をちょうだい……でなきゃ、もう、もう……!!」
「おあいにくさまだねぇ。ハラペこのカボチャ君にあげるほど、ボクはお安くないのさ!!」
 何一つ、爪の一欠けらすらやるつもりはなかった。
「いけ、ベルンハルト!」
「あぁ、援護は頼んだよ」
 戦場を進み出るごとにその姿を変えゆくベルンハルト・マッケンゼン(黄昏の傭兵・f01418)の広い背中に、真琴は微笑みを返す。
「期待しておけッ!!」
 高らかなる銃声の援護を受けたベルンハルトは、いまや呪われた英雄そのものとなって黄金の銃剣を構えた。
「たかが南瓜一つ分の炎とは、笑わせてくれる」
 低く呟き、まさしくその炎を狙って攻撃を仕掛ける。
「我が黄金の炎は、かつて一つの街を燃やし尽くしたんだぞ。そう、トロイアをな。……さぁ、貴様も消し炭にしてやろう!」」
「え、ちょっと、たんま!?」
「それは却下だ、カボチャ君!」
 尽きることのない弾幕に足止められたジャック・ザ・カーニバルの輪郭が変化を始めた。
 ベルンハルトから受けた攻撃の再現である。だが、彼はしてやったりと笑みを浮かべた。
「引っ掛かったな」
「ふんだ、強がり言っちゃってさ!!」
 ジャック・ザ・カーニバルは銃剣を盾代わりにして弾幕を突っ切る。ベルンハルトは肩を竦め、道を開けながら告げるのだった。
「知っているか? この技の代償を。毎秒、自らの寿命を削るという……ほら、貴様の寿命が一気に削り取られる、その時がやって来たぞ!」
「え?」
 突如、ジャック・ザ・カーニバルの炎が勢いを失った。
「な、なんで!?」
「あらま! カボチャ君てば効果覿面? そもそも君って骸の海から来てるんだから支払う寿命なくない?」
 ベルンハルトの背後から入れ違いで現れた真琴の拳が、神々しいまでの純烈なるオーラを纏って輝いている。
 惚気るように、ベルンハルトが言った。
「さらば、だ。彼女の一撃は強烈無比だぞ。私も痴話喧嘩の時によく知っているから、な。戦術的に……フッ」
 言い終えるのと同時に、一撃必殺の拳を叩き込まれたジャック・ザ・カーニバルの頭部が周囲の地形ごと砕け散る。
「ふぅ。地下空洞をひとつ増やしてしまったな……それはそれとして」
 こほん、と咳払い。
「あー、ベルンハルト」
「なんだい、猪武者な恋人さん?」
「誰が猪武者だ! あのねぇ、キミとの喧嘩の時はボク手加減してるから……うん、確か手加減してたはずだ」
 真琴は自分に言い聞かせるように繰り返す。目を逸らし、少しだけ唇を尖らせる様子が愛らしい。
「なにをにやにやしているんだ?」
「いやぁ、別に」
「ベルンハルト!」
 ガキン、という音が地底に鳴り響く。
 なにはともあれ、第五の貴族と狂いしオブリビオンの脅威はこのようにして去ったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年06月22日


挿絵イラスト