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素敵な星空を見に行こう

作者：白鳥美鳥

●素敵な星空を見に行こう
「うーん、これは素敵なフェアリーランドを作れたわね！　素敵な星空を見るために、冒険に繰り出す……。中々良いんじゃないかしら？　これは、誰かに披露したいわね！」
　自らの作ったフェアリーランドに満足と行った様子のフェアリー、コルネット。彼女は、このフェアリーランドを体験してもらうべく、とあるグリモア猟兵に相談を持ち掛けた。

「という訳で、私と同じフェアリー仲間のコルネットさんからの依頼だよ。フェアリーはフェアリーランドで色々な事が出来るんだけれど、素敵な世界も作る事が出来るんだ。で、コルネットさんは、会心の出来、と思うフェアリーランドを作り上げて、是非とも他の人達に体験して欲しいって事なんだ。だから、みんな、コルネットさんのフェアリーランドに遊びに行ってみないかな？」
　そう、猟兵達に話しかけるのはフィーナ・ルリス（陽だまり・f04597）。
「コルネットさんのフェアリーランドは、二つの構成で出来ているの。辿り着いて欲しい所は、満天の星空が楽しめる場所だよ。この季節に、星空を楽しむのは最高だよね！　で、まずはその満天の星空が楽しめる場所に辿り着くために頑張って欲しいんだけど、そこは、努力して頑張って欲しいって事だよ。会心の出来って位だから、そんなに難しい物じゃないと思うし、そこまで心配しなくても良いんじゃないかな？」
　フィーナは笑う。
「折角、アックス＆ウィザーズが平和になったし、フェアリーも色々と楽しい事をやりたみたいなんだよね。元々、そういう性質があるのは私も同じだし。みんなで、コルネットさんのフェアリーランドを体験してみない？」

第1章 冒険 『目的地まで泳ごう』

POW   :    どんな困難も何のその、力強く泳いで向かう SPD   :    舟を作ったり水の上を駆け抜けたり WIZ   :    迂回路を調べる、特別な突破方を考える 👑7 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

　フェアリー、コルネットが作ったフェアリーランド。そこには素敵な星空があるという。
（「素敵な星空ですか、とても興味がありますわ。幻想的な雰囲気は大好きですので、是非とも拝見したいですわね」）
　ローズ・ベルシュタイン（夕焼けの薔薇騎士・f04715）は、待っている星空に想いを馳せる。しかし、そこに辿り着くには泳いでいかないといけない。
「まずは、泳ぐルートを確認しておかないといけませんわね」
　川の流れの様子を確認しながら、ローズは最短ルートを探していく。水辺を歩きながら、地形と流れを見て、最短と思われるルートを見つけ出した。
「最短ルートも見つけましたし、後は、一気に泳いで向かいますわ」
　ローズは飛び込むと、身につけている高速泳法で一気に泳いでいく。また、息止めも駆使して、出来るだけ息継ぎをせず、一気に力強く泳いでいく。
（「この程度の距離なら、私なら簡単に泳いで見せますわよ！」）
　流石に疲れたら、水上歩行も使って息を整えながらいくつもりだったが、ローズの泳ぎの勢いは衰える事無く、向こう側まで泳ぎ切ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「ミンナ～♪　フェアリーランドを楽しんで貰いたいそうだけれども、参加してみたい子は？　出て来て良いよ☆」
　祝聖嬢・ティファーナ（フェアリーの聖者×精霊術士【聖霊術士】・f02580）は、自らのフェアリーランドの中の精霊、聖霊、月霊、戦乙女、天使、英霊、死神に声をかける。すると、全員、呼びかけに応えて出てきた。みんなも楽しく過ごしたいようだ。
「よし、じゃあ、ミンナで行こうね☆彡」
　皆に七色こんぺいとうを配りながら、空気の泡バリアを風と水の精霊に張って貰いつつ進めて貰いながら、みんなで楽しく渡っていく。
　皆が楽しそうにしている様子をティファーナは楽しそうに見つめつつ、時々、上から方向を確認して、軌道修正をしながら進んで行く。皆の引率の保母さん＆お姉さんという感じだ。
「お菓子パワーで頑張ろう！☆」
　皆……特に頑張っている風と水の精霊が疲れてきたら、色々なお菓子を配って英気を養ってもらう。みんなで楽しく渡っていきたいから。
　戦乙女や英霊が障害物を壊したがって、うずうずしている時も、少しくらいは見逃してあげつつ、ティファーナ達は楽しく渡っていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

　空中浮遊をしながら二人で渡っていくのは、神崎・柊一（自分探し中・f27721）と楊・宵雪（狐狸精（フーリーチン）・f05725）。恋人同士かつちょっと特殊な関係でもある二人だ。
　そして、宵雪の首には何故か首輪とリードが付いている。迷子なり遭難なりしないようにという理由からだったりする。
　宵雪が着ているのは水遊び用なレースのモノキニ。セクシーなもので泳ぐには心許ないのだけれど……。
（「競泳用にしたほうがよかったかしら」）
　そうは思うものの、やっぱり愛しい彼の前ではお洒落をしたいのだ。
　実際、それは柊一にも魅力的に映っている。
「その水着、よく似合ってるよ。シャオ」
宵雪の豊満な肉体、胸の谷間や肢体の誘惑には逆らえず、結構、目が行ってしまうのだ。
　空中浮遊をしながら渡る二人の足元には、綺麗な魚が見え、水面もキラキラと輝いている。何だか、水族館デートみたいだと柊一は思った。
「きゃっ」
　大きな水しぶきが上がって、宵雪は柊一に抱き着く。それに柊一は微笑んだ。
「大丈夫だよ」
　そのまま、柊一は宵雪を抱き上げてお姫様だっこする。
「そういえばこうしてしっかり遊ぶなんてなかなか機会なかったもんね」
「あなたのものになって初めての夏だものね」
　二人はお互いに微笑みあい、魚の群れと並走したりしながら、楽しみつつ目的地に向かって行く。二人での初めての夏の大切で楽しい記憶になるものだから。
「凄い、色々なお魚がいっぱい！　あそこのお魚、凄くキラキラしていて見た事が無いわ」
「よし、じゃあ近くまで見に行ってみよう」
　色々な生き物に出会いながら、それを楽しみ二人は楽しく進んで行く。
　無事に目的地に着くと、降ろされる前に、宵雪は柊一の頬にキスする。
「こうしてたくさん思い出を作っていきたいわ」
「そうだね。これから、たくさん想い出を作ろう」
　これからも二人で沢山の思い出を心に刻んで行こう。柊一と宵雪はそう、微笑みあうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

第2章 日常 『美しく遠きミルキィ・ウェイ』

POW   :    大の字になって星空を見上げる SPD   :    星空を見上げて物思いに浸る WIZ   :    のんびりと天の川を眺める 👑5 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「天の河を眺めたり、夜のお菓子やデザートを食べたい子は出て来て良いよ♪」
　祝聖嬢・ティファーナは、ティファーナのフェアリーランドにいる精霊、聖霊、月霊、戦乙女、天使、英霊、死神達に声をかける。
　美しい星空を眺められるという事、それに夜のお菓子やデザートにつられて、精霊達も現れ、ティファーナの周りに集まる。ティファーナの七色こんぺいとうを貰って、満足しながら星空を眺めている精霊たちの様子に、ティファーナは優しく微笑み、自らも星空を眺める。
（「とっても綺麗な星空だな☆彡　このフェアリーランドを作った妖精さんに感謝だね♪」）
　綺麗なフェアリーランド、これを作ったフェアリーにティファーナは思いを馳せる。
「あ、そうだ☆彡」
　折角の綺麗な星空、他の子達にも見せてあげようと思う。小妖精達も呼び寄せた。
「いたずらはしなければ出て来て良いよ☆」
　そう、ちゃんと念を押してから。
　お菓子やデザートをティファーナも頂きつつ、わいわいと楽しむ精霊達を眺めて微笑んだ。楽しんでくれているのが、とても嬉しい。
（「あれ？」）
　その中で月霊がそわそわしている事に気が付いた。どうやら、周囲の人達にもお菓子を上げたいようだ。
「一緒に行こうか♪」
　そう、月霊に声をかけると、ティファーナはお菓子を片手に飛んでいったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

　美しい星空……その中でも天の川をリオ・ウィンディア（黄泉の国民的スタア・f24250）は、眺めていた。
　そんなリオの傍に、アン・アイデンティファイ（デザイン・ベイビー・f33394）に佇む。リオの天の川を見上げる顔を見てもその感情は読み取れない。殆どの事に無関心であるアンも、今回は別だ。ただ、リオの事をただ黙って彼女を受け止める。
　無言で眺めるリオのその頬には、つうと涙が流れた。
　その涙に気が付いて、リオはアンの方に顔を向ける。
「え、ごめん、ちょっと考え事をしてて。その……私はどこにいるのだろう、貴方はどこにいるのだろうと。この膨大な星の数から巡り会えた貴方が、こうして空を眺めているとずっと遠くにいるような気がして……ちょっと怖い」
　リオはエルフ、アンは人間。生きる年月も違う。
　永遠とも思える時間を生き輝き続けるリオ達エルフらの前では、人間である自分がひどく矮小で孤独な存在に感じるのかもしれないと、アンは思う。
　けれど――。
「怖がらないでリオ。私はいま、確かにここにいるから」
　その言葉に、リオはアンにそっと寄り添う。
（「……しばらくこうさせて」）
　そうすれば、リオは少し落ち着く気がする。そう、幼児が何かを怖がるかのようにアンにピタと身を寄せる。
（「私は私。だけれども、宿世の記憶は未だ整理されない」）
　リオの足元には亡魂のレコルダールが寂しげに揺らいでいる。リオの心を表すように。
「空を見ていると悲しくなるわ。私はまだそこまで輝けない」
「星は、遥か古代から変わらぬ標を人々に与えてきた。人々は星空のキャンパスに物語を描いた。人々が忘れないように。私達は今日という日を、2人が存在した証明をあの空に残そう」
　アンは、リオに寄り添いながら、そう言葉を紡ぐ。リオとアンの寿命は違う。だけど、変わらない事がある。人々が星空に沢山の物語を描いてきたのだから。そして、今日というこの日もリオとアンが存在した証明は、この星空に残る……いや、その証明を刻むのだ。この先、この証明が星空に輝く時、見ている誰かに孤独では無いというメッセージを伝えるために。
　その言葉に、リオは何かを感じたのだろう。アンに身を寄せたまま、歌を紡ぐ。
「ねぇ私たち、どこまで歩を進められるかしら♪　貴方はいつ心を開いてくれるかしら♪」
　それは優しい声で、アンを包み込む。
（「ああ、これは彼女の歌だ」）
　そう、アンは思う。深く息を吸い込んで夏草の匂いをかぎ、目を閉じて微かな声に耳を澄ましながら、アンはリオの歌声を聞き続けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

　神崎・柊一は、楊・宵雪に必需品の首輪とリードをつけて、デートを楽しむ。
　星空の下、原っぱに向かうと、宵雪はお弁当を広げる。
「お口に合うかしら」
　メインは３種のサンドイッチ。シンプルな茹で卵潰してマヨで和えたもの、スクランブルエッグ、目玉焼とベーコンだ。他にもおかずとして、卵焼き、茶碗蒸し、ブロッコリーとトマトと卵の中華炒め。デザートにフォンケーキとカットフルーツと、豪華な品揃えだ。
「へぇ、僕の好きなものばかりじゃないか、シャオ」
　どれもこれも、柊一の好きな物ばかり。それを選んで作ってくれた事が嬉しい。
「うん、どれも美味しいよ。サンドイッチも、おかずもどれも」
「ふふ、良かった。柊一が喜んでくれて嬉しいわ」
　美味しいと言って貰えて幸せそうな笑みを見せる宵雪。
　ちょっとした事を思い付き、デザートからさくらんぼをつまんだ。
「はいあ〜ん」
　宵雪のその行動に柊一は照れるが、それを受け入れる。だが、口に入れたけれどそのまま食べるのではない。そのまま宵雪に口付けると、さくらんぼを返した。
　宵雪は思わず真っ赤になってしまうものの、キスは好きなので口移しは嬉しかったりする。
　お弁当を食べて一息ついてから、柊一は宵雪に膝枕をしてもらって、二人は星空を眺める。
「やっぱり、シャオの膝枕でこの眺めっていうのは星を眺めるよりもいい景色だ。星っていうのは物理的にはガスなんだ。それが核融合を起こす時に光を放つ……っていう話はちょっとロマンティックじゃないか」
「ガス……？　ならどうしてひとところに固まっているのかしら。不思議ね。わたくし仙女なのに星読みは苦手なの。頭のいい男性って素敵だわ」
　柊一の話に感心しつつ、宵雪は夜空を眺める。あの星の光がガスと言われると不思議だ。そんな事を思っていると、膝の上の柊一がうとうとしている事に気が付いた。
「疲れてるならゆっくり眠るといいわ」
　馥郁たる花の香りが柊一を包み込み、優しい香りが癒しと共に柊一を眠りに誘っていく。
「おやすみなさい」
　そんな柊一の額に宵雪はキスを落とすのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「これが、フェアリーランドの星空……。この凄く綺麗な景色が見られるのは、この上なく嬉しいですわ」
　一面に広がる星空の中、ローズ・ベルシュタインは天の川を見上げて眺める。
「この季節は、とても沢山の星々が集まって、まるで星が川の様に見えて綺麗ですわね」
　天の川も星が小さなものでも輝いて真っ白に見えるくらいで、本当に星の川だと思う。
　それから、用意してきた星座の図鑑を見ながら、星座も探してみる。
「あの大きく輝いている星は、何て言う名前なのでしょうかね」
　パラパラと図鑑を見ながら、星を探して見つけ、その名前を反芻してみる。次に見る機会があれば、思い出せると嬉しいと思った。
「本当に星が沢山見えますわ……。それに明るい星座だけでなく、暗い星で形作られている星座も綺麗に見えますわね」
　普段、中々見られない、もしくは見つけにくい星座も見つかって、気持ちが上がる。
「どう？　気に入って貰えた？」
　そんなローズに話しかけてくるフェアリーが現れた。
「あなたは？」
「このフェアリーランドを作ったコルネットだよ。楽しんで貰えたら嬉しいんだけど」
　このフェアリーランドを作った張本人だった。それに、ローズは微笑みながら感謝の言葉を伝える。
「ええ、とっても素敵な星空で、いつまでも見ていて飽きませんわ。ご一緒に星を眺めてみませんか？　こちらからだととても綺麗に見えますわよ」
「うん、一緒に見よう！　後、感想も教えて欲しいな」
「ええ、勿論ですわ」
　そう笑いあい、ローズとコルネットはフェアリーランドの星空を思いっ切り楽しむのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2021年06月26日