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アイドル育成ADV~キミは誰より一番!~

#スペースシップワールド #猟書家の侵攻 #猟書家 #ドクトル・アメジスト #電脳魔術士

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●誰よりアツい愛を見せて
 スペースシップライブハウス、アルファ。
 此処から産まれた宇宙アイドルは数知れず。此処に集うのは今日もトップアイドルを目指して日夜励むアイドルの卵たち。
 そして、推しと呼ぶアイドルに会いに来た老若男女のファンたち。首にはタオル。両手にはペンライト。中には両指にペンライトを挟んで両手合わせて八本構えるファンもいる。推しであるアイドルを応援するために。今日も汗をかきながら、ペンライトを振るう。

「皆~、今日もマリーに首掛けてってネ?」
 ステージの上で両手でマイクを構えるアイドル・マリーは首を傾げてウインクを放つ。
「それじゃあいっくよ~! “マリーに首ったけ☆” 」
「ウオオオオ!!!!」
「マリーィィィィ!!!!」
「今日も可愛いよ!!!!」

 ファンのボルテージが上がって、頭上よりも掲げられたペンライトが本当の赤に染まるまで後――。

●メアリーの憂鬱
「こ、こんなのアイドルじゃないってえ……」
 めそめそしても駄目だって。何も良い方向に進みやしないのだから。
「ええんやだやだ、アイドルはもっとこうキラキラしてて、汗だって眩しくて、ペンライトの光で輝くんだってばぁ~!」
 あんなのアイドルじゃな~い! 宇宙船の制御室の中で大の字になって手足をバタバタさせるメアリーの両手には光り輝くペンライト。推しは全員。操作をしなくても段々と色が変わっていく仕様のものだった。
「推しは全員だしい、尊いけどお……でもでもあんな殺伐としちゃうのはやだあ!」
 ぽいぽい。手にしたペンライトを放り投げて、光り輝く画面を目の前にしてキーボードを叩き始める。
「もっとキラキラしたアイドルが見たいのよ! 頼んだわよ猟兵たち!」

●アイドル育成ADV
 グリモアベースで椅子に座った男は片手に収まる薄いパッケージを見つめていた。
「“キミは誰より一番! ”ってゲーム知ってる?」
 俺も初めて知ったんだけど。そう言いながら多種多様な女性キャラクターが描かれているプラスチックの薄いパッケージを見せた一年・色(彩無・f09805)は裏面に書かれている説明書を読み上げた。
「No.1アイドルになるか。それともNo.1アイドルを育てるか。だってさ」
 キミは誰より一番! とは。自身がアイドルになってもいいし、気に入ったキャラクターを育成するプロデューサーにもなれるアドベンチャーゲームだったのだが。――猟書家の意志を継いだ者が入り込んだ所為かゲーム内で死ねば死んでしまうゲームと化してしまったらしい。
「アイドルゲームなのに死ぬって何さ……。まあその中に入り込んだ奴が猟書家の意志を継いだ奴なんだが、宇宙海賊って奴は何でも一番じゃないと気が済まんらしくて。自分のカラーじゃない奴を殺しちゃうらしいんだわ。自分を推せって新参すら、こうよ」
 首をすぱん。空いた手で首を横一文字に切った仕草をした色は溜め息を零した。
「ゲームの中で無双はクソ楽しいし、一番になりてえっつう気持ちは分からんでもねえけどそれはいくらなんでもやり過ぎだとは思うんだわ」
 背中を椅子の背もたれに預けてぎしりと音を鳴らした色は膝の上にパッケージを乗せて掌の上に携帯ゲーム機型のグリモアを光らせる。
「ゲームの中では電脳魔術士のメアリーさんってのは頑張ってくれてるから、気にしないでアイドルするなり、プロデュースするなりしてくればいいんじゃないかな」
 色のグリモアが強く輝いて猟兵たちを導いていった。


さけもり
 OPをご覧下さって有難うございます。さけもりです。
 受付日時はMSページ、タグ、Twitterにてご確認下さい。

 シナリオ傾向はギャグを予定してます。

 グリモア猟兵が転送するのはステージの舞台袖、自分の出番の前となります。
 ステージでのパフォーマンス内容をプレイングに書いて下さい。
 歌唱などの場合、既存の歌のままの記載はプレイングを流させて頂きます。

 ソロ参加だとアイドルのみ、二人以上での参加の場合にはプロデューサーが選べます。
 プレイング冒頭にどんなアイドル・又はプロデューサーか書いて頂ければ幸いです。
(アイドル→ア、プロデューサー→Pと記載して頂ければ分かります。)
 勿論二人以上の参加でどちらもアイドルとしての参加も大丈夫です。
 その際衣装とかも書いて頂ければ可能な限り書かせて頂きます。

 此方のシナリオには以下のプレイングボーナスがあります。
 プレイングボーナス……チートコードを打ち込み続ける電脳魔術士を守る。
 電脳魔術士であるメアリーはペンライトを投げ捨ててチートコードを必死に打ってます。
 メアリーさんは猟兵のパフォーマンスがあれば多分大丈夫だと思います。

 1章からの参加でも大丈夫です。プレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『呪いのオンラインゲームをクリアせよ』

POW   :    困難な状況に対して正面から挑戦し、その困難を打ち砕きゲームをクリアに導く

SPD   :    裏技や抜け道を駆使する事で、ゲームの最速クリアを目指す

WIZ   :    多くのデータを検証して、ゲーム攻略の必勝法を編み出す

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●光り輝くその場所で……
 誰もがその場に居たいと願うその場所。ステージの上はスポットライトが照らしていた。光り輝いて熱いその場所の外は真っ暗で、数多の人が光から外されて去って行って、もう二度と立てない・立たなかった者が後を絶たないという。ステージの魔物に取り込まれてしまった者。血の滲む様なレッスンや努力をしても尚、天に輝く星々に届かなかった者。数多のアイドルが消えては淘汰されていったそのステージで。
 
 それでも立つというのか。立たせるというのか。
 彼女は。彼は。
 
 光り輝く、その場所を目指して。
雪丸・鳳花
とにかくよく光る男装アイドル

誰も死なせない、全てを笑顔にするアイドルを演じて見せよう!
行くよ、ミュージックスタート!

今日のボクはアイドル!
なりきっている間はUCが発動して舞台演出として上手く活躍してくれるはずさ!

さて、アイドルといえばフライング
「光るジェットブーツ」で観客の上を空中浮遊して皆を驚かせよう!
歌いながら優雅に飛びつつ、サビの部分ではアクロバティックな軽業もお見せしようかな

もしメアリーくんに危害が及ぶ事があれば、
例えば、機材を念動力で操って妨害したり、ボクがオーラ防御をまとって防ごう!
あくまでステージの演出として振る舞うことで観客を安心させよう
びっくりしたかい?
全部サプライズ演出さ!



●光よ、本物であれ
 数多のアイドルは居れど、アイドルのオーラや輝きを纏った者はそう多くは無い。けれど雪丸・鳳花(歩く独りミュージカル・f31181)は“本物”の輝きを纏ったアイドルだとファンたちは嘯く。その輝きを確かめに来た人々は、『あれは本物だった』と。誰しもがスポットライトにも負けぬ後光が見えたと目に輝きを灯して語るのだった。
 ステージ裏からヒールを鳴らして鳳花が歩けば、その姿を見たファンはペンライトの色をカチカチと変えて行く。
「鳳花様よ!」
「今日も眩しいわ……」
「馬鹿ね、此処で倒れちゃ雄姿が見れないわよ」
 ほら立って。膝から崩れ落ちそうになる女子のファンを立ち上がらせて綺麗な一人として欠ける事無いペンライトの光の海。それを鳳花は見下ろして、微笑む。
 今日の鳳花はアイドル。己の輝きを持って、人々を喜ばせて笑顔にする役を被る。男性の恰好は何ら変わらないものの、これで喜んでくれるファン(特に若い女性)がいるから鳳花は喜んで着るだけだった。
 板の上に立てば、誰もが主役。自分も輝くヒーローになれるとす、と片腕を上げた。
「行くよ、ミュージックスタート!」
 パチン! 鳳花が指を鳴らしてステージの上は真っ暗。音楽が流れても新参は何々、とざわめくが手馴れたファンは両手にペンライトを構えて待つだけ。そして歌が始まる。前へ、前へと進む歌は曲が進むにつれてスポットライトに似た後光は、鳳花の周りで輝き始める。
「電飾!? 何あれ!」
「どういう仕組み?」
「仕組みなんて何もないわよ。あれは鳳花様の本物の輝きよ……!」
 本物の輝きを目にしてはファンたちは鳳花に向かって歓声を上げる。まさか本物の輝きを目の当たりにできるだなんて!
「今会いに行くからね!」
 ステージから鳳花が飛び立てば光るジェットブーツからサイキックエナジーが放たれ、観客席にいるファンとの距離が近くなる。それを目の当たりにしたファンからは黄色い声が上がった。
「マイク越しじゃない生の声が……!」
「顔小さっ!」
 手を振りながらファンに手を振り、サビに差し当たって空中でくるりと一回転すれば更なる歓声が上がる。
「おっと!」
 管制室でキーボードを叩いているメアリーに向かって飛んできてしまったペンライトは鳳花がコードの束を念動力で動かし、ポップガード型のオーラが防いだ。
「えっ今の何?」
「やだマナー悪い。ちゃんと持ってなさいよ」
「びっくりしたかい?」
 光り輝く鳳花に対して光る物を飛ばしてもその輝きに負けない、弾いて見せる演出さ! そう鳳花が語ればメアリーによるチートコードによってファンたちはそういうこと!? と驚きながら目を丸くして鳳花を見つめていた。
「キミたちを驚かせる、全部サプライズ演出さ!」
 紫色の片目を瞑って見せればファンの歓声は素敵! 最高! と口々に言うのだった。

 ――一方、画面越しに鳳花のパフォーマンスを見ていたメアリーは。
「これよこれ~アイドルってのはこういうのを言うのよ~! 本当に光ってるししかも男装アイドルとか女の子夢中になっちゃうでしょ……はあ~推せる」
 ペンライトを持ちたい気持ちを抑えながらキーボードを叩く。今日もまた推しが増えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アス・ブリューゲルト(サポート)
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
いつもクールに、事件に参加する流れになります。
戦いや判定では、POWメインで、状況に応じてSPDの方がクリアしやすいと判断したら、そちらを使用します。
「隙を見せるとは……そこだ!」
UCも状況によって、使いやすいものを使う形です。
主に銃撃UCやヴァリアブル~を使う雰囲気です。剣術は相手が幽霊っぽい相手に使います。
他人の事は気にしない素振りを見せますが、基本、不器用なので、どう接したらいいのかわからない感じです。
ですが、合せるところは合せたり、守ってあげたりしています。
特に女性は家族の事もあり、守ってあげたい意欲が高いです。
※アドリブ・絡み大歓迎、18禁NG。


エリカ・グランドール(サポート)
 サイボーグのシャーマン×電脳魔術士のエリカ・グランドールです。
 戦闘はあまり得意ではありませんが、周囲の状況を観察して違和感のある箇所を発見したり、敵の弱点を推測して隙を作り出すといった行動で皆さんをサポートしたいです。

※セリフ例
「今、何か光りました。ここに何かあるのでは……」
「あの敵の動きには規則性があるわ。うまく狙う事が出来れば……」

 冷静沈着と言う程ではありませんが、ビックリする事はあまりありません。
 あと、笑いのツボが良くわかっておらず「今の、どこがおもしろかったのでしょうか?」と、真面目に聞き返す事もあるようです。

 ユーベルコードは、エレクトロレギオンを好んで使います。



●鋼よ、冷徹であれ
「俺が、アイドルに……?」
「えぇ、アイドルに」
 確かに煌びやかな衣装を着て、マイクを握った事もあるがそれはあくまで見た目だけの話。実際にやったことなどないとアス・ブリューゲルト(蒼銀の騎士・f13168)はゴーグルの位置調整をするエリカ・グランドール(サイボーグのシャーマン・f02103)の顔を見る。
「それならエリカ、お前も出たって良いんじゃないか?」
「私はプロデューサーよ」
 戦闘や煌びやかな舞台は得意ではないのですとハッキリ申したエリカは、周囲の状況を観察する方が得意らしい。――そうそれはつまり、プロデューサー。仲間の良い所を見つけて伸ばし、欠点を指摘して修正させて周りのサポートをする仕事の方が適しているのでは。そう言われれば仕方がない。
「それにアイドルが足りないの」
 足りない。そう言われたからには力を貸す他にない。アスは目を伏せて背筋をまっすぐに伸ばした。
 着せられた青を基調とした上着は騎士のもの。ネクタイとベストは緑色の嘗て着た衣装と似ていた。これを持って、とマイクを渡されれば。
「お似合いよ」
「そ、そうか……」
「頑張って」
 舞台袖の奥でエリカは両拳を握りしめる。彼女なりの応援の心算なのだろうが、何だか少し小恥ずかしい様な気もした。しかし、そうは言っていられない。上着の裾を靡かせて、アスは舞台へと出る。
「やだ騎士みたい!」
「アス様だって、ステキ!」
 観客に並ぶ多くの女性達。一度はたじろいだもののここは板の上。一度出たからには再び帰ることはそれは目の前にいる女性達を悲しませる事になる。
(エリカ、頼んだぞ……!)
 舞台袖にいるエリカに向かって目配せをすればエリカは任せてと首を縦に頷いた。
「隙を見せたら、そこにつけ込んでしまうぞ。……覚悟しろ!」
 もう既に準備はできていましたと一斉に黄色い悲鳴とペンライトが青色の海に変わっていく。
 ――その中でも、光を灯さないペンライトは管制室へと向けられようとしていた。暗くてよく見えないが、恐らくマリー、もしくはその一派だろうか。エリカの補助デバイスは広域感知を察知する。
 出力は最少でいい。観客に飛び火したら大変だ。きちんと当たってメアリーと観客に当たらなければいい。体内に内臓された兵器は管制室へと向かったペンライトを撃ち抜いた。
 それでも頭上から僅かな屑が落ちて来た事に気付いた観客はざわめく。それを舞台上から見ていたアスは曲の終わりにMCを入れる。
「小さな花火のつもりだったんだが、機材トラブルだったようだ」
 すまない、とアスが軽く頭を下げると。
「そんな事ないわ~!」
「綺麗な花火だったよ~!」
「もっと大きくてもいいよ~!」
 観客側から励ましの言葉が返ってきてアスは戸惑う。これでいいのか……? 横目でエリカへ目配せすれば真っ白なスケッチブックには「多分大丈夫」と返ってきたので一息ついた。
 冷徹な鋼のコンビの一幕は終わり、管制室にいたメアリーは今も尚キーボードを叩きながら呟いていた。
「敏腕女性Pとクールな男性アイドルのバディは良いわね! 女性をターゲットにするなら女性がPについてサポートするのは適してるし! アスくんは銀髪の青い目でクールな一匹狼って感じだけどグループでもソロでも人気出そう! ていうか推すわ!」
 青いペンライトが持てないのが残念だけれど! 一人また推しが増えた事に喜びを覚えていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『キャプテンラブリーマリー』

POW   :    今、乙女に対してなんて言ったオメェ?
【年齢を言われる等してガチギレモード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    ラブリー♡スレイブショット
【ウィンク♡】【投げキッス♡】【可愛いポーズ♡】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    ラブリー♡オンステージ
【渾身の自作ラブソング】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は暴星・メテオです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●MCトークの最中
 舞台袖の袖を今にも引き千切りそうな勢いだった。
「な、ん、な、の、よォ~!!!」
 自分よりも目立つ女が、目立つ男がいる! 気に食わないと手袋越しに爪を噛むマリーの姿は眉間に皺を寄せてステージ上で微笑んで愛想を振り撒いていた時とは違う。
「アタシが一番なのよ! ほらペンライトは赤以外認めないっての!!」
 それでもペンライトは赤以外の青、白、緑……様々な色になっている。そのペンライトの色は皮肉にも赤以外の色を示していた。
 先程まで自分のカラーである赤のペンライトを振っていた老若男女は何処だ? 居た!
「アイツら~……アタシ以外の色を振りやがってえ……」
 ビリ! 舞台袖のカーテンが引き千切られる。
「そんなにアイツらがすごいってんならアタシとバトってもらおうじゃんかよ!」
 ――アイドルとして、対決を申し込まれる事はこのゲームにおいて別に珍しい物ではない。
 時に勝って名声、お金、ファン、経験値が増える事がある。負けても多少減るものもあれど、それはレッスンして再び舞台に立てばいいだけのこと。しかしマリーが紛れ込んだこのゲームに負けは死を意味する。どうしても勝たなければならない。

「猟兵! このアタシと勝負して!」

 輝きを放つのはどちらだ。
ミリィ・ライジング
【ライジング兄妹】

ライブパフォーマンスでファンを驚かせるアイドル

突如暗転するステージに響く声
「私と勝負するの? いいよ。負けないから」

君に会えたから来れた 奇跡? 偶然? まさか運命?
今輝くよ 皆の為 そして君の為に……

「行くよ!」
赤のチェックが基調のベストとスカート衣装の私が
ステージ中央を照らす照明とリフトアップで登場

聞こえてる? 私の歌声 届けるよ 遠くへずっと
見えている? 煌めく私 近づこう 貴方のそばへ

【ダッシュ】で中央の踊り場へ移動して
敵のUCは【クイックドロウ・スナイパー】でUC【カウンター】

君に会えたから ここまで来れた きっと必然だったんだ
本当にありがとう もう大丈夫だから……


ビリー・ライジング
【ライジング兄妹】

アイドルの妹のプロデューサー兼スタッフ(UCの分身)

俺は舞台袖で待機して、
ミリィのライブパフォーマンスに合わせて、分身体に通信機で指示を送る。

まずはステージ暗転の為、照明スタッフ(金瞳)に指示。
「照明落とせ!」

ミリィの前奏が終わったら、リフトアップ(緑瞳)と金瞳に指示。
「照明照らせ、リフト上げろ!」

ミリィが中央の踊り場へ移動する間に、
天井裏の演出係(青瞳)に【属性攻撃】で氷塊を生ませて、
レイピアの【串刺し】で砕き、雪を降らせるように指示。
「演出係……今だ!」

敵のUC攻撃には青瞳の俺の【属性攻撃・オーラ防御】で水の膜を造り、
ステージ演出兼ミリィを守る壁を作り出す。



●輝きの兄妹
 歌。ダンス。ビジュアル。もしくはすべて。それを備えても尚、マリーという強敵には敵わない。
 ――けれど負けるわけにはいかない。きゅっと手にしたマイクをミリィ・ライジング(煌めく白銀・f05963)は握り締める。たとえゲームだとしても。ゲームの中で負けてしまえば、自分達も死んでしまうのだから。
 赤のチェックが基調のベストとスカート。普段身に着けているものよりも見栄え重視で短めの丈は何処か落ち着かない。そわそわとした様子で舞台袖からマリーの様子を見ていると……。
「ミリィ」
「お兄ちゃん」
 マイクを握り締めるミリィの手の上にビリー・ライジング(輝く黄金・f05930)は自分の手を重ねる。自慢の妹の顔色は平然としているが、それでも兄心は一人で強敵に立ち向かおうとする妹を心配した。その妹もまた、自分を心配してくれている兄心を理解しているからゆっくりと頷いた。
「準備はいいの?」
「ああ、ばっちり」
 トントンと耳にしたイヤホン、それから胸元にある通信機を叩いたビリーの指先はす、とそれぞれの配置についた分身体たちが親指を立てて準備完了の合図を送っていた。それを見たミリィは頬を軽く叩いて、笑顔を作る。
「行って来るね」
「あぁ、行って来い! 照明落とせ!」
 今だと言わんばかりに、片手を挙げて照明のスイッチの前にいる金色の瞳をしたビリーの分身体に合図を出せば辺りが暗くなる。優しさを込められた掌でビリーが背中を押すと、ミリィは駆け出す。――此処からは、私の舞台!
 パッと真っ暗になる舞台に観客がざわめく。
「何々? 停電トラブル?」
「おい運営ー、しっかりしろよー!」
 ――ミリィ・ライジングというアイドルは、けして一人で進んできたわけではない。その傍には、必ず兄であるビリー・ライジングというプロデューサー兼スタッフがいた。
 その兄に支えられ、兄のために頑張る健気な妹的アイドルとして売れ始めたところ。兄妹で考えたライブパフォーマンスは目を惹くものがあり、老若男女からの支持も厚い。
「私と勝負するの? いいよ。負けないから」
 暗いステージに響いたその声に、観客たちは歓声を上げた。
『君に会えたから来れた 奇跡? 偶然? まさか運命? 今輝くよ 皆の為に……』
「ミリィの歌だ!」
 かちかち。観客のペンライトが次第にマリーの赤からミリィのピンクがかった赤に染まる。
「照明照らせ! リフト上げろ!」
 イヤホン越しに緑の瞳をした分身体にビリーが指示すれば、パッとステージの上にはリフトアップで登場したミリィとそれを見つめながら親指を噛みしめるマリーの姿があった。
「行くよ!」
 ステージ中央に立ったミリィに観客たちは熱い歓声を送る。
「演出係……未だ!」
 ビリーもまた、天井裏に潜んだ青い瞳の分身には掌から周囲の水素を凍らせ氷塊を作り、レイピアを串刺しにして砕かせるようイヤホン越しに指示をすれば。
「――雪?」
「こんなに暑いのに?」
「熱いからこそ良いんじゃないの!」
『聞こえてる? 私の歌声 届けるよ 遠くへずっと』
「届いてるよー!」
『見えている? 煌めく私 近づこう 貴方のそばへ』
「これこそミリィのパフォーマンスよ! 今日も魅せられていくわあ」
「やば、こっちきた!」
 手を振り、観客へ手を伸ばせばミリィもまた手を伸ばす。その手はけして届かないけれど、ミリィの心には届く気持ちがあった。
「絶対、絶対あたしの方が魅力的なのにィ~! ハッ、待って……あの子をバックダンサーにしちゃえば……」
 舞台袖に追いやられて空飛ぶミリィを見つめたマリーは我に返る。ミリィを背後に、自分が目立てば。それっていいんじゃない!?
「み、ミリィちゃんこっち向いて~!」
「させないぜ!」
 舞台袖にいるビリーからは良く見えない。けれど天井裏にいた青い瞳の分身体はその舞台がよく見える。両手から水素を凍らせた薄氷のオーラはミリィを守るベールと成る。
 バチーン。ウィンクひとつ投げてもミリィ薄氷の加護を受け、跳ね除ける。ステージの中央へと足を付き、ダッシュで避けながら手にした龍雅のリボルバー銃から喚んだのは――アメリカ西部の開拓時代における悪童・ビリオンキッド。早撃ちなら誰にも負けた事が無いその悪童は、マリーのショットを早撃ちの弾によって跳ね除けた。
「あいたあ!?」
「ステージは、誰かを傷つけるものじゃないよ」
 見て。す、と指さした観客席は笑顔のファンたち。中には感動のあまり涙を零す者もいた。ミリィは面と向かって、マイクを構えて歌に、気持ちを乗せる。
『君に会えたから ここまで来れた きっと必然だったんだ 本当にありがとう もう大丈夫だから……』
 歌い上げるのは、兄に対して。ファンに対して。全部、ミリィの本当の気持ち。
 ――一方、管制室にいたメアリーはディスプレイ越しのライブステージを見て涙を流していた。
「氷の天使がいる……」
 キーボードを叩かなくていいのであれば。両手を合わせて拝んでいたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

杼糸・絡新婦(サポート)
関西弁口調。
とある忍者が使っていた武器・鋼糸【絡新婦】のヤドリガミ。
白い女物の着物を着用しているが、
名前沿った姿なだけで、オネエとかではなく中身はれっきとした男。

子供や親子中心に一般人には愛想よく接するが、
敵とみなしたら容赦なく叩く。
日常でも戦場でも自分のペースを崩さず、
フェイントや挑発、相手の動きを拘束するように阻害したり、
あえて誘い出してこちらに攻撃を仕向け、
自他へのすきを作り出したりする、戦闘スタイル。
また使えるものはなんでも使う。
元の持ち主の影響で、忍者らしい動きも見せる。

所持する黒い狩衣を着た狐獣人の姿をしたからくり人形は、
かつての主人が作ったものを模したもの、名前はサイギョウ。



●糸遊び
「なんや、賑やかやな」
 煌びやかな世界が杼糸・絡新婦(繰るモノ・f01494)の目の前に広がっていく。眩しい。けれどそこは、舞台の上。センターに坐しているマリーを見て此処がどういうところかを理解した。可愛らしい服着て、歌って踊って。にこにこ笑顔を振りまいたりするところだろうか。確かに絡新婦自身も女物の着物を着ているし笑顔を振りまくのも愛想良く接する事もできる――けれど、歌って踊ると言われると。自分よりも適した子がいるのじゃないかと思えてしまう。しかし未だ観客席には、新たなアイドルを待つファンたちの目が、ライトに照らされて輝いて見える。
「――待たせるんはあんま良く無いやろ」
 なぁ、サイギョウ? 腕の中で項垂れるからくり人形に声を掛けて、糸を引けば、そこに意思があるかのようにかくりと首を縦に振るった。
「さ、行っておいで」
 天井裏から糸を釣るし、サイギョウを上から登場させればわっと歓声が沸き上がる。
 かくり。かくり。左右に揺れながら明るいステージの中央に出てきた狐獣人の人形は、小さいながらもファンたちの目を惹いた。
「お人形さん?」
「小さくて可愛いー!」
 てれてれ。その歓声に両手で顔を隠す。マリーの前に出て、上手、下手へとてとてと走れば手を振り、ペンライトを振る観客達に向かってそれはなあに? と首を傾げていた。
「ちゃんと見てくれてるの嬉しい……!」
「偉いねえ」
「あ、あたしの方が偉いし!」
 うちわの文字だって読めるし、ファンサだって……。できるけれどこの人形に勝てないのは小ささくらいですけど!? 憤っても仕方がない。
「こいつもあたしのモノにしちゃえば……!」
「人気なんて出るわけないやろ」
 天井裏。よっ、と呟きながら降り立てば。マリーのウィンクを躱し、投げキッスを飛ばされる前にその体を自身の鋼糸【絡新婦】にて何重にも絡めて縛り付ける。
「サイギョウは自分のや。誰のもんでもあらへん」
「キイ~!!」
 突如現れた絡新婦の姿に観客はざわめく。
「顔が良い……」
「ど、どっちだろう。この際どっちでもいいかな……!」
 ちらり絡新婦が観客を見れば。頬を紅く染めている人達がいる。
「――ま。たまにはちやほやされるんも悪くないやろ」
 なあ? サイギョウ。足元に絡みついた様に見えるサイギョウは絡新婦の足元から観客に向けて小さく手を振ると可愛い、の歓声が返ってくる。
「ほな、また」
 微笑みながら絡新婦とサイギョウが舞台袖に帰るところをマリーは糸を引き千切りながら見送っていた。
「笑顔を絶やさないなんてアイドルじゃないの!」
 あんなのずるいと地団太を踏み鳴らしていた。
 ――一方。管制室でディスプレイ越しにステージを見ていたメアリーは目を見開いていた。
「大きいのと小さいのの組み合わせって、良いわね……!」
 キーボードを叩いていなければ。きっと親指を立てていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

雪丸・鳳花
対バンだね?
正々堂々受けて立とう
キミは何のためにアイドルをするんだい?
ボクはファンの笑顔が見たいんだ

バトルでもアイドルらしさは失わず、機動力重視で華麗に空中浮遊だ
ボクの得物は細身の「革命剣」
一撃に重さは無いが、身軽に動ける利点がある
「光るジェットブーツ」で宙を舞い、攻撃の的にならぬよう常に移動してヒットアンドウェイで攻撃を繰り返そう

敵のUCは3つ全てに当たるわけにはいかないから、どれか1つに集中して機材などに隠れ、地形の利用で見切りたい

UCで足に結晶体をまとい、乱反射させたビームを放射
ビームで敵の目を惹きつけ、
その間に高速移動で回り込んで華麗にキックをお見舞いだ
キミのライブはここで終わりだよ



●幕を下ろそう
「対バンだね?」
 かつり、ヒールを鳴らして正々堂々とマリーの真正面へと立てば、鳳花は微笑みを浮かべて首を縦に振った。
「ええ、そうよ!」
 マリーに指さされても尚、鳳花は笑みを崩さない。この場所に立っている以上は、アイドルであるということ。アイドル即ち――偶像である。人を楽しませ、喜ばせる。その偶像は、いつだって笑顔でいなければいけないのだから。
「キミは何のためにアイドルをするんだい?」
「何って……それは、」
 とてもではないが口が裂けても言えなかった。ましてや観客が見ている中で。ちやほやされて、色々なものを貢いでもらって、歌も踊りもそこそこに、ビジュアルだけでお金貰って生きて行きたいだなんて!
「ボクはファンの笑顔が見たいんだ」
 自分が笑顔になるからファンもまた笑顔になるのだと、その背後にある鳳花自身の輝きは一層光を放つ。その輝きに一歩後ろに引きそうになるマリーは負けじとその場に踏みとどまる。
「綺麗事を……言ってんじゃねェ!」
 努力して。血反吐いて。時には自分と言うものを捨ててまでも成ったアイドル。それを綺麗な言葉だけで言われたらマリーもたまったものではない。眉間に皺を寄せて、青筋を立てる。
「ハッ……いっけなーい! マリー、とんでもない事言っちゃってたあ~!」
 てへ。舌を出しても先程の発言を取り消せない。夢を魅せてもらっていたのに、一気に現実に引き戻された観客達の中にはぽろりと手にしたペンライトを落とす者もいた。
「此処は“ステージ”だ、綺麗事で夢を魅せるのが……アイドルだ!」
 そんな表情を見せたマリーはアイドルに相応しくないと鳳花は光るジェットブーツを機動させてマリーに向かって走り出す。
 そして空いた手には革命剣。一撃に重さは無いが、身軽に動ける利点がある。光るジェットブーツで機動力を上げ、攻撃を素早く当てては大型のスピーカーへと隠れる。素早く動く鳳花を捕らえようとマリーはウィンクを飛ばし、投げキッスを飛ばすも大型のスピーカーに隠れた鳳花には届かなかった。
「本当の輝きを、魅せてあげよう」
 スピーカーの影から飛び出し、足元に硝子を纏わせる。――超高度精神感応結晶体。その結晶は、オーロラの様に透明な虹色を纏い、高速で動く鳳花の足元からはオーロラの残像が見えていた。乱反射するオーロラのビームを空中に描けば、マリーの目が空へと向かう。
 なんて綺麗なのだろう。あの日、あの虹の様に輝こうと仲間たちと誓い合った日々が、進み続けた日々があった気がするのに。――それが今では、年月が過ぎてメンバーは自分だけ。
 虹に見惚れているマリーに向かって、光るジェットブーツの機動力も合わせて鳳花はマリーの懐へと飛び込み蹴りを横腹にお見舞いする。
「カハッ?!」
 膝から崩れ落ちるマリーを鳳花は見下ろす。
「キミのライブはここで終わりだよ」
 上がらない幕は無い。下がらない幕は無い。
「――夢は、綺麗なだけじゃできないけれど」
 時には泥に塗れたりする事だってある。だけれども。
「夢を魅せるのは、僕らの仕事だろう?」
 鳳花はそっとマリーへ手を差し出しす。顔を見上げたマリーは、目を伏せながらその手をゆっくりと取る。
「……完敗よ」
 目の前で輝きを魅せられてしまえば。自分の役は、もうおしまいなのだと。マリーは頭をゆっくりと下げて帰って行く。

 熱気の冷めない中、観客たちはゆっくりと去っていく。
 幕は下りた。けれどその幕の中で輝きはいつだって光を放つ。その輝きが芽吹く日が来るのは、何時の日か分からないけれど。
 その中で希望を願いながら、未だ芽吹くのを待つ数多の小さな輝きは大きな光になるかもしれない。
 時に濁って、汚れてしまっても。キミは誰より、一番だった。

 そして今でも、キミが一番だと。叫ぶ者がいる限り。
 走り抜け、輝きを放つ者がいることを。けして忘れないで。

「マリー、貴女も私の推しよ」
 キーボードを叩き終え、ディスプレイ越しに去っていくマリーを見ながらメアリーは呟いた。
 意地汚いところも。年老いても尚アイドルでいたこと。どんな手を使ってもアイドルでいようとしたこと。
 見つめていた日々は、けして無駄じゃなかったと。
 エンディングロールが流れて行く音を耳にしながら、メアリーは背もたれにもたれかかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年06月19日


挿絵イラスト