魂縛武将の襲撃~幸せな夢への案内人・孫魯班(作者 早瀬諒
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#封神武侠界  #魂縛武将 


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 城下町を満足げに歩いていた。
 幸せそうに笑う人々、街中を元気よく走り回る子供たち。
 乱世は終わった。最後まで民を案じた父を称え、賢母たる母こそが皇后に相応しい。そう称える人々の賛辞の中を、心地よく歩いていく。
 訪れた平和を享受する人々を見て、女は嬉しそうに微笑んだ。
 政敵は居ない。世を乱す者も、既に潰えた。
「ふふ……これこそ私の望んだ世界なの」
 幸せを謳歌する人々の間をすり抜けて、女は都市の中心にある城へと歩を進める。
 堂々とそびえ立つ城門をくぐり、女は勝手知ったる城の中を進んでいく。
「父様、母様!」
 視線の先に立つ二人を見て、女は嬉しそうに声を上げ、二人に抱きついた。
「おお、魯班。今日も元気だな」
「もう少しお淑やかにね、魯班」
 抱きついた二人……若かりし頃の孫権と、その夫人・歩練師は、飛びついてきた娘の頭を撫でる。それを見ていた妹も、楽しげに笑った。
 穏やかで、優しい世界。
 魯班が父と母の腕の中から街中へと視線を移せば、そこに見えるのは最愛の故郷・建業。
 民たちが幸せそうに暮らしている姿を、孫魯班は両親の腕の中でいつまでも眺めていた。


「幸せそうだけど、放っておくわけにはいかないよなぁ……」
 グリモアが示した映像を見ながら、赤瀬・千鶴(願いを叶える千羽鶴・f20308)は呟くと、集まっていた猟兵に声を掛ける。
「封神武侠界にオブリビオンが現れたんだけど、どうやら普通のオブリビオンとは勝手が違うみたいだな」
 いつもと違う言い方に、不思議そうにする猟兵たちへ説明するように、千鶴は言葉を続けた。
「今まであまり見かけなかったんだけど、どうやら三国時代に生きた者たちもオブリビオンとして復活し始めてるみたいだ」
 けれど、普通に復活したわけではない。肉体を持たぬ「魂縛武将」として、他のオブリビオンの体を奪い、この世界に現れたようだと千鶴は告げる。
「俺が見つけたのは、孫権の娘・孫魯班。武将ではないにしても、その謀略は侮れない」
 孫呉が滅びる原因にもなった『二宮事件』は、孫魯班がきっかけとなったもの。
 皇后にならなかった母以外の夫人が、皇后になるのを阻止するために起こした事件だが、最終的には自勢力を二分させ、国の滅亡にまで至らしめたのだ。
「それで戻ってきた孫魯班だが、借り物の器たるオブリビオンの力を使って、まがい物の桃源郷を作り出したみたいだな」
 幻覚で作られたまやかしの桃源郷。その先には在りし日の建業が存在する。
 まともな統治を行っていた若かりし頃の孫権と、それを支えた歩夫人が皇后として君臨する世界。
 乱世を終え、政敵もなく、自身の手で屠ったはずの妹までもが存在する。
 孫魯班にとって、どこまでも優しい世界。
「幸せそうだけど、所詮はまやかしだ。孫呉は既に滅び、新しい時代へと進んでる。それに、もし間違えて一般人がこの桃源郷に入り込めば、孫魯班が所持している宝貝に生命力を吸われて、衰弱死してしまう。だから、犠牲者が出る前に、皆にはこの桃源郷へ向かってほしい」
 桃源郷の先には、かつての建業がある。城下に住む人々も、猟兵の姿を見れば歓迎し、城へと進ませないように引き止めてくるだろう。
「それを振り切って、城へ向かってほしい。城に入れば、幻影で生み出された者は居なくなる。そして事態を察知したオブリビオンの手下たちとの戦闘になる。戦闘が終われば、孫魯班とのご対面だ」
 かつての孫魯班に戦う力はなかったが、乗っ取ったオブリビオンの力を使い、猟兵と相まみえてくるだろう。
「加えて火計好きの孫呉勢力だからか、すべての攻撃に炎が伴われる。そうだ、体を乗っ取られたオブリビオンだが、孫魯班を倒せば一緒に骸の海に還っていくから安心してくれ」
 こんなもんかな、と言いながら説明を終えた千鶴は、転移の魔法陣を発動する。
「父と母と妹と……幸せに暮らしたかった気持ちは分からなくもないけど、それはもう叶わない願いなんだ。せめてもの慰めに、骸の海にいる家族のもとに送り返してやってくれ。この件、頼んだぜ」
 千鶴はそう言うと、準備のできた猟兵から現場へと転移させていった。


早瀬諒

 歩夫人こと練師は某ゲームでよく使ってました。どうも早瀬諒です。
 今回のシナリオは、魂縛武将となりオブリビオンの体を乗っ取った孫魯班と戦うシナリオです。
 大虎の呼び名とどっちにしようか悩んだんですよね。歩兵の大流星は使いにk……いえなんでも。

 第1章:冒険
 乱世が終わり、世は孫呉が平定した……という幻想の建業へ向かいます。城下の人々に話しかけると、そんな感じの会話が聞けます。出店もあったりするので、のんびり過ごしたい方はどうぞ。

 第2章:集団敵
 城内へと入り、集団敵との戦闘になります。

 第3章:ボス
 孫魯班との戦い。猟兵が城に入った時点で幻影の孫権たちは消滅してますので、待ち構えてるのは孫魯班だけです。

 各プレイングの受付開始や締切は、マスターページ及びタグで確認をお願いします。
 それでは、皆さんのプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『まやかしの桃源郷』

POW強い意志をもって気合いで切り抜ける
SPD取り込まれる前に足早に切り抜ける
WIZ知恵を絞って切り抜ける
👑7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 転移した猟兵たちを待ち受ける、まやかしの桃源郷。
 桃の花が咲き誇る中、示された道を進んでいけば徐々に周囲の景色が移り変わっていく。
 何もなかったはずの広場にそびえ立つ、大きな城。
 周囲に咲き誇っていた桃の花は姿を消し、代わりに建物が居並ぶ町並みへと変わった。
 呆然と立ち尽くす猟兵の近くを、何も知らぬ無邪気な子供たちが走り去っていった。
 歴史を感じる重厚な城を携えた、にぎやかな城下町。
 呉の最後の皇帝・孫晧が首都を武昌に遷都するまでの間、孫呉の首都であり続けたかつての建業が、そこにはあった。

「待って―!」
「早くおいでよ―」
 歩を進める猟兵たちの近くで、キャハハと楽しく笑いながら駆け回る子供たち。
「ええ、孫権様のおかげで……」
「歩皇后もお幸せそうで……」
「さあさあ、寄ってくれよ!」
 道の外れで井戸端会議を楽しむ夫人や、街中で客を呼ぶ行商人……誰もが笑みを浮かべ、街の中には幸せそうな笑い声が響き渡る。
 当たり前のように存在している平和を満喫する人々。

 けれども、猟兵たちは知っている。
 この幸せは、平和は、全部幻術で生み出されたものでしかないのだと。

 城下の中心に位置する城へと視線を向ける。
 あの城に、この幻影を生み出した孫魯班がいる。
 町の人達は、猟兵を進ませまいと声をかけてくるだろう。
 それでも猟兵はそれらを振り切って前に進んでいかなければ。
 決意を固めた猟兵たちは、人々の視線を感じながら町の中を進んでいくのだった。
御園・桜花
「素敵な場所で…素敵な夢ですね」
周囲見回す

「ええ、此方が平定されてとても豊かな地になったと聞いて、やって来ましたの。最近流行の歌や食べ物があったら、教えていただけます?」
「御領主さまはどんな方でしょう?どんな御功績が?」
城下の人と交流し城下の人々の幸福と望み、引いては孫魯班の願う幸福を確認

「ええ、素敵な御城下のようですから、他も回って見てきますね」
そこそこ城下を歩き回り交流も行ってからUC「蜜蜂の召喚」
監視者でもある城下の人々が居ない又は少ないルートを確認
第六感でタイミング計りながら一気に城を目指す

城内突入直前城下振返り
「とても…とても、素敵な願いだと思います。だから…貴女は転生するべきです」



 周辺の景色が変わる。桃の香りに包まれた自然あふれる広場から、人が作り出した人工物へと移ろいでゆく。
 この地へと訪れた御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)の傍らを、荷を運ぶ馬車が通リ過ぎる。
 露天に並ぶ品物を品定めする人々、町の片隅で楽しげに雑談する夫人、街中を楽しげに駆け回る子供たち。
 平和を享受する町の人たちの幸せそうな顔を見て、桜花の顔にも笑みが浮かんだ。
「素敵な場所で……素敵な夢ですね」
 幻で作られただけで現実には存在しない事は分かっている。けれども確かに、話に聞く桃源郷のように、ここで暮らす人々は幸せそうに暮らしていた。
「おや、あんた見慣れない人だねぇ。旅人か何かかい?」
 城下を進み始めた桜花に、街の老婆が声を掛ける。掛けられた声に反応して、何か話が聞けないかと思い、桜花も笑顔で相対する。
「ええ、此方が平定されてとても豊かな地になったと聞いて、やって来ましたの」
「そうかいそうかい。全部、孫権様のおかげだからねぇ」
 桜花の言葉に、話しかけてきた老婆は嬉しそうに頷いた。
「御領主さまはどんな方でしょう?」
 ここがどんな歴史を進んだのか、この地を生み出した孫魯班の願いは何なのかを探ろうと、桜花は不審に思われないように老婆に話を振ってみる。
「孫権様かい? そりゃあ良くしてくださるお方だよ。帝になられたのに洛陽に居を構えず、この地に居てくださるなんて、ありがたいことじゃ」
「どんな御功績が?」
「孫権様の武勇が聞きたいのかい? それなら……――」
 色々と聞いてくる桜花に気を良くしたのか、老婆は嬉々として語りだした。

 曹操も劉備も存命だった頃、二大勢力を前に臆することなく進言し、曹操と劉備を和睦させ、三国鼎立を実現させたこと。
 三者が当時の帝に忠義を誓うことで乱世を終えたこと。
 争いではなく話し合いで乱世を沈めた孫権に帝は大変感謝し、禅譲を行い、孫権が帝になり大陸を平定したこと。
 帝となった孫権が大陸の中心地たる洛陽ではなく、慣れ親しんだ建業において治世を執り行っていることなどを、ひたすら老婆は語り続けた。

「じゃから孫権様においては……」
「おいおいばあさん。その辺にしといてやれよ。旅人さんも困ってんだろ」
 まだまだ続きそうな老婆の話に、近くで話を聞いていたらしい男性が割り込んできた。
 まだまだ話足りないと不服そうな老婆を背に、男は桜花に頭を下げた。
「悪いねぇ旅人さん。ばあさんの話、長かっただろ?」
「いいえ、大変興味深い話が聞けましたから」
 老婆との間に割り込んできてくれた男性に、桜花は有益な情報が得られましたと笑顔で返した。
 そんな話に興味があるのか? と不思議そうに表情を変えた男に、桜花は笑顔のまま口を開く。
「ええ、色々な話を聞けるのは楽しいですから。他にも、最近流行の歌や食べ物があったら、教えていただけます?」
 話題を変えた桜花に、男は食い物は魚しか詳しくないなぁと苦笑する。
 長江の河口が近いから新鮮な川魚が手に入りやすいとか、南西にある呉に行けば海魚が美味いとか、どこまでも魚の話に盛り上がる男性に、桜花は笑顔で相槌を打っていく。
「お、食べに行くなら、裏手にある魚屋は美味いぜ。行ってみるといい」
「そうなんですね。色々なお話を聞かせてくれて、ありがとうございます」
 裏地を指差しながら男が告げた言葉に、桜花は頭を下げて礼を言う。
「裏手にあるお店の他にも、色々なお店がありそうですね。素敵な御城下のようですから、他も回って見てきますね」
 教えてくださり、ありがとうございました。そう礼を述べてから、桜花は二人に背を向けて路地裏へとゆっくり歩を進める。
 裏地へと入り、街の人の視線を感じなくなったのを確認してから、桜花はユーベルコードを発動した。
「おいで蜜蜂、花の蜜をあげましょう。私の代わりに追い駆けて、全てを見て聞いてくれるなら」
 言葉に釣られるように、桜花の頭にある桜の枝に集まった蜜蜂が、街中へと散っていく。
 街中に散った蜜蜂は、桜花の代わりに町の全貌を把握し、その全てを桜花へと届けた。
 人の少ない道筋を確認して、桜花はそっと走り出す。

 城へ向かう途中にも、桜花は走りながら周囲の話に耳を傾ける。
 誰もが孫権と、その夫人を称えていた。訪れた平和を感謝していた。
 眼前に迫る王城を前にして、桜花は進めていた歩みを止める。
 振り返れば、どこまでも穏やかな町並みが広がっていた。
 この平和こそが、孫魯班が願った世界だというのなら。
「とても……とても、素敵な願いだと思います。だから……貴女は転生するべきです」
 オブリビオンとして過去に囚われ続けるよりも、転生を果たし、新たな生を享受してほしい。
 サクラミラージュで傷ついたオブリビオン……影朧を癒やし転生させる力を持つ桜の精でもある桜花は、過去に囚われたままの孫魯班が先へ進めるようにと願いながら、城の中へと進んでいった。
大成功 🔵🔵🔵

紅・麗鳳
はあ、建業。
わたくしの故郷もその辺でしたから、縁が無いわけではないのですが。

呉が滅んで土地も商売も全部台無しにさせられてから戻っておりませんがね!

とりあえず城の方へ。
道中民衆どもに邪魔されれば、幻術ならと遠慮なく蹴飛ばしたりしつつ。

――何だか妙に苛立ちますわね。
大切なやるべき事を忘れてるような……ハッ!

閃けば馬のまーちゃん走らせて町の一角に。

昔うちの屋敷のひとつがこの辺りにありましたわね!
どこまで再現してるか分かりませんが、少しでも似通ってたら忌々しいお父様を供養する意味で砲撃しましょう。

まーちゃんに牽引させてきた火竜砲を撃ちまくり、適当に火の海に沈めたらそのまま上機嫌で再び城へ向かいますわ!



 転移した先の景色には、どこか見覚えがあった。
 汗血馬のまーちゃんに跨りながら、紅・麗鳳(梟姫・f32730)が周囲を見渡せば、やはりどこか既視感を感じていた。
「はあ、建業。わたくしの故郷もその辺でしたから、縁が無いわけではないのですが……」
 景色を見て感じる既視感の原因はそれだろう。既に無い故郷ではあるが、麗鳳にとっていい思い出など残って居ない場所だった。
 麗鳳の実家は、呉が滅んだ時に土地も商売も全部台無しにさせられた。
 挙げ句、家が没落した時に、麗鳳自身も妓楼へと売られそうになったのだから。
「ああ……嫌なことまで思い出しましたわ……」
 自分を引き渡そうとした父の顔を思い出し、ぶわりと殺気が麗鳳を覆う。
 ピリピリと苛立った空気を纏いながら、まーちゃんを駆り城へ進む麗鳳。
 殺気立った気配を撒き散らしながら、邪魔をするなら踏み潰す勢いで城へと向かう麗鳳を止めるものは居ない。
 皆が道を開け、開かれた道を悠々と進みながらも、それでも荒ぶる感情は収まる気配を見せない。

(――何だか妙に苛立ちますわね)

 苛立つのは、過去を思い出したからだけなのだろうか?
 人々の怯えるような視線が気になるわけではない。元より存在している人間ではないのだから。
「大切なやるべき事を忘れてるような……ハッ!」
 ポツリと呟いた所で思い出す。かつてのこの地には、実家の屋敷があったことを。
 思い出しすなり、かつての自身の家へ向けてまーちゃんを走らせる。
(どこまで再現してるか分かりませんが、少しでも似通ってたら忌々しいお父様を供養する意味で砲撃しましょう)
 裏路地を進んで、赤い屋根の家を背に右へ曲がる。
 庭の広い商家の屋敷、その隣に住んでいたのは城務めの兵士の家だったか。
(この分だと、わたくしの実家もありそうですわね)
 麗鳳の記憶すらも取り込んだかのように、屋敷までの道も再現されていた。
 記憶の中の家までの道のりを思い出しながら、麗鳳は進んでいく。
 路地を曲がったところが実家だったはずだ。そう思いながら、麗鳳は路地を曲がった。
「……ありましたわ」
 拓けた視界に存在する、かつての麗鳳の父が所有していた屋敷。その屋敷の庭で父親らしき男と、小さな女の子が笑いあっていた。
「……ふふふ……」
 自分を不幸にした父親と、何も知らぬ無邪気な少女。
 目の前の男が、自分を不幸のどん底に叩き落すことを知らない愚かな少女を前にして、麗鳳は笑い声をあげる。
 そこに宿る感情はどんなものだったのだろう。それを考えるまもなく、麗鳳はまーちゃんに牽引させてきた火竜砲を取り出した。
「わたくしには、する権利がありますわよね!」
 屋敷へ向けて、手にした火竜砲を撃ちまくる麗鳳。いきなり屋敷を焼かれた男は、慌てて娘を抱えて路上へと飛び出した。
「な、な、な……」
 いきなり屋敷を焼かれた男が絶句しながら麗鳳を見上げる。
 呆然としながらへたり込む男の姿に、麗鳳は満足気に笑って。
「ふう、これでスッキリしましたわ」
 屋敷が火の海に包まれるのを見届け、男の情けない姿を見て、麗鳳はやるべき事は済んだと上機嫌でまーちゃんを城へと向かわせた。
大成功 🔵🔵🔵

荒珠・檬果
三国志マニアな私、呼ばれた気がした呉編。だーいーこーさーまー。

二宮事件…あー、はい、私が呼び出せるある人も巻き込まれたというか…被害というか…。
演義だけ見てるとわからない面というか。

とにかく、この幻の中を行けばいいのですね。
店先を冷やかしつつ、少しずつ城へと近づきましょう。話は適当に合わせます。
国が統一されてるのは、本当のことですしね?
赤兎馬に乗って駆け抜けるのは、最終手段です。

ここ、本当に孫魯班にとって優しく残酷な夢ですね。彼女にとって大切な人が、誰一人欠けることなくいるんですから。

にしても、火計大好きには頷くしかありませんよ…。



「三国志マニアな私、呼ばれた気がした呉編!」
 訪れた建業で、機嫌よく声を上げたのは荒珠・檬果(アーケードに突っ伏す鳥・f02802)。
 ユーベルコードで武将を召喚してしまうほど大好きな世界を前に、檬果はあちこちときょろきょろと見渡した。
 どこまでも平和な町並み。幸せそうな人々。
 本当にあの『二宮事件』を起こした孫魯班が願った世界なのかと疑わしくなるほどに、どこまでも平和に満ちた世界。
「二宮事件……あー、はい、私が呼び出せるある人も巻き込まれたというか……被害というか……」
 それを思い出してブツブツとつぶやき出す檬果。
 二宮事件を思い浮かべる檬果の頭によぎったのは、自身のユーベルコードでも召喚できる、孫呉が誇る四大都督の一人・陸遜。
 孫魯班が与する孫覇派と対立した、孫和派の中核を担った将。
 丞相にまで上り詰めておきながらも、建業に居ない間に起きたこの事件に巻き込まれ、流刑先において命を落とした。
 二宮事件は、歴史的に見れば一国が滅ぶ程の大きな事件だったが、蜀を正義とし魏を悪とする三国志演義では、この事件はあまり取り扱われない。
 もしも三国志演義だけ見ていたのならば、この事件に関しての多くは分からなかっただろう。
 そんな事を思いながら城下を歩く檬果の前に、恰幅のいい男性が立ちはだかった。
「おや、お前さん旅人かい?」
「まあ、そんな所です」
 先へ進ませないよう引き止めているのか、にかっと笑いかけてきた男性に、檬果はこくりと頷いた。
「そうかそうか。そういや聞いたか? 魯育様が嫁ぐはずだった朱拠殿が、謎の死を遂げたって」
「ほうほう、小虎さまの夫さまになる方が……」
 先へ進もうとした檬果の気を引こうと、男は話し続ける。
 城へ向かおうかと思っていた檬果だったが、男から出てきた名前に、檬果は聞き入っていた。
 朱拠は孫和に与して孫魯班と敵対した将の一人だった。それがこの世界では死んでいたとなれば、ここはやはり孫魯班が願った世界なのだと実感する。
「皇太子の孫登様も死去し、孫和様も病から廃太子! 今じゃ孫覇様が皇太子さまだ」
「なるほどなるほど……」
 男の話から推察するに、どうやら二宮事件で孫魯班に敵対した者は、この世界では既に死亡しているのだろう。
 それもそのはず、ここは孫魯班が願った世界。彼女が必要としない将は、存在する必要がないのだから。
「ま、それでも丞相・陸遜様が居れば、孫呉も安泰だけどな! この前の山越討伐の際も、大規模な火計を以て沈めたし!」
「おおう!?」
 まさかの人物の存命を聞かされ、檬果は驚いた声を上げた。
 敵対者は全て誅殺したのかと思いきや、そうでもなかったらしい。
「皇太子と丞相の関係も良好で、この国の未来も安泰だな!」
 ガッハッハと豪快に笑う男の言葉に、檬果はああー……と妙に納得する。

 歴史の上では認められなかった孫覇の立太子。

 反対し、孫権を諌めたのはまぎれもなく陸遜だ。そんな相手に孫覇の立太子を認めさせることも、孫魯班の目的の一つだったのかと理解した。
「それからなー……」
「や、もーイイですよ。後は大虎さまに聞きますから」
 どこまでも話を続け、足止めをしようとする男にそう切り出すと、これ以上は十分だと檬果は赤兎馬へと跨った。
「おぉ!?」
 男の驚く声を振り切って、檬果は赤兎馬を走らせた。
 向かう先は、建業の城。街中を全速力で走る赤兎馬には、誰も追いつけない。
 それにしても、と馬を駆けながら檬果は思う。
(ここ、本当に孫魯班にとって優しく残酷な夢ですね。彼女にとって大切な人が、誰一人欠けることなくいるんですから……)
 かつて孫和を支持した呉丞相・陸遜が、孫覇を支持する世界。
 それ以外の政敵は死去し、夫が孫和派だったが故に誅殺した妹・孫魯育も、結婚する前に手元に残した。
 確かにここは、孫魯班の望み通りの世界なんだろう。
 赤兎馬で街中を駆け、眼前に迫る建業の城。あそこには、この世界を生み出した孫魯班が待っている。
 難しいことを考えながらも眼前に城が迫れば、その手の思考は飛び去った。
「今行きますよー。待っててねー、だーいーこーさーまー!」
 マニアを語るほど愛した三国志。そこに実在した人物に会える。それが嬉しいことには変わらない。
「にしても……」
 嬉々として城に向かう檬果の頭を、先程の男の言葉が駆け巡る。

『山越討伐の際も、大規模な火計を以て沈めたし!』

 赤壁、夷陵、そして今回。
 重要な局面において、全てを燃やし尽くす孫呉の計略は、どうやらこの世界においても健在のようだ。
「孫呉の火計大好きには頷くしかありませんよ……」
 馬を駆りながら、檬果は感心半分、呆れ半分といった感じでポツリと呟いた。
大成功 🔵🔵🔵


第2章 集団戦 『虚ろなる処刑人』

POW ●首を刎ねる
自身の【雷光を纏った剣】から、戦場の仲間が受けた【ユーベルコード】に比例した威力と攻撃範囲の【雷の一撃】を放つ。
SPD ●咎人は拘束する
【拘束マスク】【両手を封じる手枷】【鉄球の付いた足枷】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ ●罪を告白しろ
質問と共に【雷光を纏った檻】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 孫呉の中心だった建業城。
 多くの人が集まり、主君である孫権のためにと人々が働いて居たのは今や昔。
 数多の将を受け入れていた城は、もはやその器を残すのみ。

 猟兵たちが城に足を踏み入れる。
 シン……と静まり返る城内からは、全く人の気配を感じない。
 振り返れば、先程まで賑わっていた城下からの音も消え去っていた。

 城に入れば、幻影は消える。

 言われたとおり城内に居ただろう将兵たちも、城下に居た村人の幻影も消え去ったのだろう。
 ここから先、存在しているのは過去から戻った存在、オブリビオンのみ。
 どこから襲撃があるか分からない中、猟兵たちは緊張した面持ちで城の中へと進んでいった。

「わざわざこんな所まで、ご苦労なことね」
 大広間まで歩を進めた時、不意に掛けられた声に猟兵はそれぞれの武器を手に身構える。
 広々とした謁見の間に、所狭しと孫魯班へと跪く従者たち。
 見上げれば、最奥に君臨する、玉座に座った孫魯班の、猟兵を見下すような視線と絡み合う。
「こんな所まで来て、目障りな猟兵……私の邪魔をするものは、誰であろうと許さないわ」
 猟兵に向けて伸ばした手を、さっと払う孫魯班。それが合図となって、控えていた従者たちが剣を手に立ち上がった。
「私に刃向かう者は、皆殺しよ。さあ、この邪魔な猟兵たちを斬り捨てて!」
 孫魯班の指示に従い、虚ろなる処刑人たちは一斉に猟兵へと襲いかかった。
フルム・サーブル(サポート)
余裕があるときや敵に憐れみを感じる場合は基本通りの穏やかな口調
余裕がなかったり、敵がえげつなくて怒りを感じるような場合は
「敵には」の口調です

でもあまりキャラぶれは気にしないので
公序良俗に反しない限りは好きに扱ってください

技能は【力溜め】【怪力】【グラップル】【シールドバッシュ】【カウンター】など
セットされているもの(サバイバル用にばらつきがあります)
を活用し、小さい体で戦場を飛び回りながら
優雅(自称)な戦いをします
どうみてもそのスタイルは脳筋です

武器は鍵(バトルアックス)や杖(バールのようなもの)をメインに使いますが
選択されたユーベルコードによっては拳一つでの戦いも可能です


チヒローズ・イッシー(サポート)
自由都市を故郷に持ち、本人も自由を愛する女性です。
戦闘では指定したユーベルコードを状況に応じて使い、人々の自由を取り戻す為に皆さんと力を合わせて戦います。
オラトリオの聖者×プリンセスということで、もしよければキラキラっとした華やかな戦闘演出を描写していただけると嬉しいです。

口調はステータスシートの通り、「なの、よ、なのね、なのよね?」という感じの優しく人当たりのいい女の子といった感じの喋り方です。
一人称は「私」、二人称は基本的に年齢や男女を問わず「さん」付けの呼び方です。
あとはマスターさんにお任せします。よろしくお願いします!



 二宮事件を起こした時に孫魯班の指示のもと、彼女の手下となって歴史を築いてきた孫呉の将を処刑してきた処刑人たち。
 今再び、孫魯班の指示を受け邪魔者を消そうと、猟兵たちの前に立ちはだかる。
「何故邪魔をする? 勝てると思っているのか?」
 飛びかかった一人の処刑人が雷撃を纏う檻が、チヒローズ・イッシー(オラトリオの聖者・f20852)へ問い掛けと共に投げられる。
「私たちは、負けるわけには行きませんから」
 檻がチヒローズへと届く前に、ふわりとチヒローズの周囲を鈴蘭の花弁が舞い踊った。
 問い掛けの答えとともにチヒローズは、装備していた武器を鈴蘭の花びらへと変え、檻を粉砕する。
 舞い散る花弁を、檻を破壊した勢いのままに周囲を巻き込めば、鈴蘭の花弁は周囲を取り囲む処刑人たちをも飲み込んだ。
「無関係な人を巻き込むわけには行かないからな」
 鈴蘭の嵐の中を、小さな体で風をかき分けながら処刑人へと飛びかかるフルム・サーブル(森林の妖精さん・f03354)。
 鍵型のバトルアックスを振り払いながら、鈴蘭の嵐に呑まれた処刑人を確実に仕留めていく。
「ちょっと、何してるの! 早く始末なさい!」
 猟兵に好き勝手させているのが面白くないのか、玉座に座る孫魯班の罵声が室内に響く。
 それを受けた処刑人たちが、近くを飛翔していたフルムへ向けて剣を振り下ろした。
「うおっ」
 振り下ろされた剣を、咄嗟に盾で受け止めるフルム。
 けれど怪力を持ってしても体格差で振り下ろされた剣は完全に防げず、盾ごと地面へと叩きつけられる。
「ぐっ」
「フルムさん!」
 ダメージを負ったフルムに対し、チヒローズは聖痕から癒やしの光を放つ。
 足を持ち上げ小さなフルムを踏みつけようとする処刑人に、癒やしの光を受けて傷の癒えたフルムは処刑人に踏み潰される前に、その場から即座に飛び退いた。
 空中へと逃れ体勢を立て直すと、舞い踊るようにフルムは叩きつけた処刑人の元へと飛びかかった。
「やってくれたな。これはお返しだ!」
 ひらひらと踊るように、妖精演舞(フェアリーダンス)を披露するフルム。
 処刑人の懐で舞い踊るようにバトルアックスを叩きつけ、次々と斬り伏せていく。
 フルムへと向かう処刑人を包むように、鈴蘭の花びらが舞う。
「これ以上、貴女の好きにさせるわけにはいきません」
 不快感を顕に睨みつけてくる孫魯班の視線を前に、チヒローズははっきりと言い切った。
「ああもう! さっさと始末しなさい!」
 苛立ったような孫魯班の声が戦場に響き、戦場を埋め尽くす処刑人たちは猟兵たちへと飛びかかる。
 戦いはまだ、始まったばかりなのだから。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

紅・麗鳳
なぁ~~~にを鯱張っているのでしょうねぇ、この公主様は。
邪魔も何も貴女が現世を脅かしてるんでしょうが。

いや別にそれは構いませんが、わたくしとしても昔日の怨みを晴らす好機。
晋の役人が来てから賄賂が通じずどれだけ難儀したか……!

まず雑兵どもを片付けてから参りますわよ。

【国色無双】にて放たれる拘束具を華麗に回避し、方天戟の一撃で【なぎ払い】ましょう。

【空中機動】を交え、それこそ天女のように。
武というより舞と絶賛され歴史に残るくらいに!

あ、ついうっかり手枷とか嵌められましたら【怪力】で引きちぎりますわ。

……何故かまたわたくしの悪い噂が広まる気がしますが、とにかくここにいる全員始末して口封じせねば!



「ああもう! 何してるのよ! さっさと邪魔者を始末しなさいよ!」
「なぁ~~~にを鯱張っているのでしょうねぇ、この公主様は。邪魔も何も貴女が現世を脅かしてるんでしょうが」
 苛立ったように吐き捨てる孫魯班の言葉を聞きながら、紅・麗鳳(梟姫・f32730)が挑発するように言葉を投げかける。
「私の世界に勝手に入ってきておいて、何を勝手なこと言ってるのよ!」
 麗鳳の挑発の言葉に、大切な世界を壊されたのはこちらだと、孫魯班も負けじと麗鳳へと言い返す。
「いや別にそれは構いませんが、わたくしとしても昔日の怨みを晴らす好機」
「は……?」
 孫魯班の言葉ににやりと悪い顔を浮かべながら、八つ当たりのように方天戟を振り回す麗鳳。
 薙ぎ払われた処刑人が次々に襲い掛かってくるのを、麗鳳はフルスイングで方天戟を振り回した。
「晋の役人が来てから賄賂が通じずどれだけ難儀したか……!」
「そんなの自業自得でしょう!? 私に何の関係があるっていうの!」
 賄賂が通用しなかったせいで家が滅びたでしょう! と叫ぶ麗鳳の言いがかりとしか思えない言葉に対して、孫魯班も声を荒げて反論する。
 どっちが悪人なんだろう……という場の空気を無視して、ジャンプで空へと舞い上がる麗鳳。
「美なる一人あり、清揚にして婉たり――さぁ、わたくしの美しさの前に道を譲りなさい!」
「人の話を聞きなさいよ!!!」
「それこそ天女のように。武というより舞と絶賛され歴史に残るくらいに!」
 孫魯班以上のマイペースっぷりを発揮しながら、空中を舞う麗鳳。
 空中を舞うように飛び回り、上から方天戟で投げつけられた拘束具もろとも、処刑人たちを斬り捨てる。
 途中処刑人から放たれた手枷が、麗鳳の手首に絡みついた。
「あら、邪魔ねえ」
 カシャンと麗鳳の手首を拘束する手枷を見て、麗鳳は気にも留めていないように、怪力を以て手枷を引きちぎる。
「…………」
「……天女……?」
 ぽいっと捨てられた手枷だったものが、地面に捨てられる。
 それを見ていた処刑人たちは、言葉もなく宙を舞う麗鳳を見上げた。

 街中で幻影だからと住居を焼き払い、呉の役人どころか晋の役人にすら賄賂で話を纏めようとし、それを断られたことを昔日の怨みを晴らす好機と言って城内で大暴れし、あまつさえ手枷を怪力で以て引きちぎる。

 令嬢らしからぬ数々の言動を披露しておきながら天女を名乗るのかと、別の意味で歴史に名を残せそうな麗鳳に、孫魯班からじーっと冷たい眼差しが向けられる。
「……何故かまたわたくしの悪い噂が広まる気がしますが、とにかくここにいる全員始末して口封じせねば!」
 地面へと着地した麗鳳もその気配を察したようで、再び方天戟を振り回し、孫魯班もろとも抹殺せねばと処刑人たちを薙ぎ払う。

 麗鳳一族の醜聞が、これ以上世論に広まらないようにするために。
大成功 🔵🔵🔵

荒珠・檬果
おお、大虎さま。
…っと、守るための兵ですか。ここからが本番ですね。

罪といえば…そもそも、私が三国武将+αを召喚したり憑依させたり出来る理由がわからないんですよね。それが罪でしょう。
戦巫女のUC応用な気がしてますが。相手方は納得してますし。
しかし、いつか。いつかわかればいいと思ってますよ。これは本当です。

【七色の夢】(状態異常:幻)を。光と衝撃波、どちらも避けねばなりませんが…難しいでしょう?
幻で、私のいる位置を特定させませんし、何なら敵同士を誤認させますね。

そう、これは夢幻を終えるための戦いなのですから。
私が聞いた、幸せな夢の終演/終焉を。



「ちょっと、早く片付けてよ!」
 苛立ったように吐き捨てる孫魯班の姿を見て、荒珠・檬果(アーケードに突っ伏す鳥・f02802)は目を輝かせる。
「おお、大虎さま!」
 三国武将を召喚するほど好きな時代に生きた孫魯班の姿に、檬果が興奮しないわけがなかった。
 喜び勇んで孫魯班の元に向かおうとする檬果の前に、そうはさせまいと虚ろなる処刑人たちが立ちはだかる。
「……っと、守るための兵ですか。ここからが本番ですね」
 忘れていたわけではないが、それでも目当ての武将が居ればそちらに惹かれるというもの。
 全ては眼前の敵を倒してから。そう思考を切り替えて、檬果は処刑人たちへと意識を向け直した。
「お前の罪を告白しろ」 
 処刑人の問い掛けとともに放たれる雷光を纏った檻。それが檬果の元に届くまでの僅かな時間で思考する。
 罪と言われても、実際に犯罪を犯した覚えはない。謂れのない罪で斬り捨てられるなど御免である。
 それでもふと、檬果の脳裏に一つだけ浮かび上がるものがある。
「罪といえば……そもそも、私が三国武将+αを召喚したり憑依させたり出来る理由がわからないんですよね。それが罪でしょう」
 処刑人から放たれた檻は、檬果の答えとともに粉砕する。
 大好きな武将たちだからとハイテンションで召喚し、憑依させたりしているけれども、思えば本来彼らは骸の海で静かに眠っているはずの存在。
 喚び出せている直接的な理由として思い浮かぶのは、戦巫女のユーベルコードの応用な気もしなくもない。
 相手方も納得してくれている上での召喚だったからこそ、檬果も日頃は意識したことがなかった。
 それでも自身の生を終え、骸の海でゆっくりと休んでいる所を喚び出しているのだ。
 言い換えるなら死者の召喚。それは確かに、檬果にとっての罪とも言えるだろう。
 どうして喚び出せているのか、今は分からない。けれど。
「しかし、いつか。いつかわかればいいと思ってますよ。これは本当です」
 処刑人からの問い掛けには答えた。投げつけられた檻は粉砕した。
 檬果の答えによってユーベルコードの一つを封じられた処刑人たちは、手にした剣を構える。
 雷光を纏った剣を、首を落とすために振り上げられる。その剣が振り下ろされる前に、檬果もユーベルコードを発動した。
「光と衝撃波、どちらも避けねばなりませんが……難しいでしょう?」
 檬果が手にした七色竜珠から、七色の光と透明な衝撃波が放たれる。
 風が舞う。巻き起こされた衝撃波が周囲の処刑人たちを切り裂き、その身を消し去った。
 残った処刑人たちも七色の光に晒され、幻を植え付けられて同士討ちを始める。
「ちょっと何してるのよ! 敵はあっちでしょ!?」
 幻覚の中の檬果に対して攻撃をしているであろう処刑人たち。だがそれは、光を浴びていないものには通用しない。
 いきなり同士討ちを始めた処刑人たちを見て、孫魯班は声を荒げた。
「あんたたちねえ! 私の邪魔をするものを始末するんでしょ! 相手を間違えるんじゃないわよ!」
 同士討ちを続ける処刑人たちに怒鳴りつける孫魯班。それでも檬果の掛けた幻からの脱却が図れない処刑人たちは、自分たちの手で、どんどんとその数を減らしていった。
 邪魔者を始末して、幻の中で幸せになろうとしても、それは決して泡沫の夢に過ぎない。
 現実にはもうありえない夢。願う相手は既に骸の海にいるのだ。それでもその夢を追い続ける孫魯班を見て、檬果はぽつりと呟く。
「これは夢幻を終えるための戦いなのですから」
 処刑人を倒し、孫魯班を骸の海へと還らせる。処刑人との戦いは、そのための一歩に過ぎない。
 孫魯班の願った幸せな夢の終演/終焉を迎えるためにもと、檬果は決意を新たにした。
大成功 🔵🔵🔵

御園・桜花
「戦国時代の武将なら、貴女のその命令は当たり前で…私達も、邪魔しようとはしなかったと思います。けれど、貴女がオブリビオンで…どんな素敵な夢であっても、貴女が迷い混んだ命を啜るだけの存在になってしまったから。私達は、貴女の夢ごと、貴女達を骸の海に還します…ごめんなさい」

雷の精霊召喚しUC「召喚・精霊乱舞」使用
敵が投げた檻と敵自身を標的に
檻を弾き飛ばして仲間に当たらないようにするのと敵自身への攻撃を同時に行う

敵からの攻撃は第六感や見切りで躱す
UC使用後は高速・多重詠唱で銃弾に破魔と浄化の属性乗せ制圧射撃
敵の行動を阻害し仲間の攻撃補助を行う

「貴方達も、次は自分の願いと共に生きられますよう」
鎮魂歌歌う



 猟兵の活躍によって大幅に数を減らした虚ろな処刑人たち。
 それでもまだ猟兵の前に立ちはだかっていて、その攻撃は孫魯班には届かない。
 残った処刑人たちを殲滅し、玉座に座る孫魯班を早く引きずり出さなければと、御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)はユーベルコードを発動する。
「おいで精霊、数多の精霊、お前の力を貸しておくれ」
 桜花の呼びかけに応じて姿を現す雷の精霊たち。
 数が減ったとて、処刑人たちの驚異は変わらない。処刑人の一体が、桜花を捕らえるべく雷光を纏った檻を投げつけた。
「……もう、終わりにしましょう」
 桜花の言葉とともに、精霊たちが一斉に魔力弾を放つ。
 バチバチと稲光を飛ばしながら飛んでいく雷の魔法弾は容易く檻を打ち砕き、周囲に集まっていた処刑人を飲み込んだ。
「……なんでよ」
 桜花の銃に、精霊たちの魔力弾に、一体、また一体と倒れる処刑人を前にして、玉座から戦況を見ていた孫魯班の声が震えていく。
「……戦国時代の武将なら、貴女のその命令は当たり前で……私達も、邪魔しようとはしなかったと思います」
 眼前に迫る処刑人を破魔と浄化の属性を乗せた銃弾で撃ち抜きながら、桜花は孫魯班へと声を掛ける。
「だったら邪魔しないでよ! 私は、私の世界は……!」
「けれど、貴女がオブリビオンで……どんな素敵な夢であっても、貴女が迷い混んだ命を啜るだけの存在になってしまったから……」
 嘆き叫ぶ孫魯班の言葉に、苦虫を噛み潰したような表情で返答する桜花。
 生きている人間の夢であったのならば、桜花もその願いを叶えるために尽力したかもしれない。
 けれど孫魯班はオブリビオンで、この世界に生者が入り込めばその生命は失われてしまう。
 猟兵として、それだけは看過することができなかった。
 召喚した精霊たちが放つ魔力弾が処刑人を弾き飛ばし、桜花の撃ち抜いた銃弾が処刑人を貫いた。
 この場に残っているのは先程まで処刑人と戦っていた猟兵と、最後まで玉座に腰掛けていた孫魯班のみとなった。
「貴方達も、次は自分の願いと共に生きられますよう」
 骸の海へと還っていった処刑人たちを思って、桜花は鎮魂歌を歌う。
 桜花の優しい歌声が室内に響き渡る。歌いながらちらりと孫魯班に意識を傾けるも、動く気配は見えない。桜花は処刑人のために、孫魯班のためにと思うままに歌い続けた。
 桜花が歌を終えた時、ようやく玉座に座ったまま、猟兵の戦いを見ていた孫魯班が立ち上がった。
「つまり、どこまでも私の邪魔をするということね」
 殺気立った瞳で桜花を睨みつける孫魯班に、桜花は頷く。
 手にした銃の照準を孫魯班へと向け、深く息を吐いてから桜花はまっすぐに孫魯班を見つめた。
「私達は、貴女の夢ごと、貴女達を骸の海に還します……ごめんなさい」
「そう、分かったわ。それなら私も、私の夢のために戦うわ!」
 猟兵の言葉に、孫魯班も武器を取り出した。
 炎に包まれた宝具が桜花へと突き出される。

 孫魯班を倒せば、全てが終わる。
 叶わない夢を望んだ孫魯班を骸の海に還すべく、猟兵たちは武器を手に身構えた。
大成功 🔵🔵🔵


第3章 ボス戦 『九頭雉鶏精』

POW ●宝貝「山河社稷図」
対象への質問と共に、【質問の返答を題材に即興に書いた絵画】から【その絵画を現実に具現化したモノ】を召喚する。満足な答えを得るまで、その絵画を現実に具現化したモノは対象を【絵画の中に封じる結界】で攻撃する。
SPD ●宝貝「縛妖索」
【投擲した縄の宝貝】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ ●宝貝「如意羽衣」
対象の攻撃を軽減する【攻撃対象が最も会いたい愛しい相手】に変身しつつ、【相手の心を誘惑する甘い言葉】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は董・白です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「全く……どうして毎回私がやろうとすることに邪魔が入るのかしら」
 玉座を立ち、広間へとゆっくり歩を進める孫魯班。
 溜息を吐きながら吐き捨てられる言葉の裏には、眼前に立っている猟兵だけでなく生前の二宮事件のことも含まれるのだろう。
「まあいいわ。孫和に陸遜、諸葛恪、顧譚、朱拠、滕胤、朱績、丁密……今までも私の邪魔をする者は、葬ってきたんだもの。これからもそれは変わらないわ」
 殺気に満ちた瞳を猟兵へと向ける孫魯班。身に纏った宝具から炎が巻き起こる。
「貴方たちを消せば、私の世界は元に戻るでしょう。だから貴方たちも、私の邪魔をするなら消え去ってもらうわ!」
荒珠・檬果
大虎さまキタ!
おお、炎…そういや、父親の孫権殿も、張昭さんちに火計してたような…(遠い目)

七色竜珠を全て合体させて、白日珠へ。さらに水の結界張りまして。
孫呉のことは孫呉だけで片付けたい、という意見が将から聞こえまして…なので、はい。指定UC発動。現在、孫呉単独は彼なんですよ。
白日珠を剣と筮竹へ変形。筮竹は勝手に相手に向かって飛びますので。
さて、攻撃はこれで避けるとして。剣にも水を纏わせて斬りつけていきましょうか。

あなたにはあなたの望み、そして夢があるのでしょう。
ですが、それも終わりです。あなたは、もう過去なのですから。

『易剣将』というのは、契約のときにつけました。



 殺気に満ちた瞳を猟兵へと向ける孫魯班。身に纏った宝具から炎が巻き起こる。
「貴方たちを消せば、私の世界は元に戻るでしょう。だから貴方たちも、私の邪魔をするなら消え去ってもらうわ!」
 言葉と共に孫魯班の縛妖索が、荒珠・檬果(アーケードに突っ伏す鳥・f02802)目掛けて投げつけられた。
「大虎さまキタ!」
 殺意を向ける孫魯班を前にして、檬果は嬉々とした声を上げる。
 檬果の愛する三国時代を生きた孫魯班を前にして、投げつけられた炎を纏った縛妖索を躱しながら、檬果のテンションは爆上がりする。
「っ……私の邪魔をするなら、容赦はしないんだから!」
 孫魯班の手に戻った縛妖索を包み込むように、更にゴォっと燃え盛る炎。赤壁、夷陵を焼き尽くしてきた孫呉の炎が、今度は孫魯班の手によって檬果へと向けられる。
「おお、炎……そういや、父親の孫権殿も、張昭さんちに火計してたような……」
「はぁ!? あんなもの、せっかく父様が謝罪に行ったのに、逆らって立て籠もった張昭が悪いんでしょう!」
 巻き起こる炎を見て、血は争えませんねーとどこか遠い目をしながら呟いた檬果の言葉に、苛立ったように叫ぶ孫魯班。
「まあ……どっちもどっちですよねぇ……」
 晩年色々やらかした孫権もだが、主が謝罪に来たにも関わらず家に立て籠もった張昭も、十分同罪だろう。
 炎を纏った縛妖索を、檬果が予め貼っておいた水の結界が弾いた。攻撃しても避けるばかりで反撃してこない檬果を見て、クスリと笑みを浮かべる孫魯班。
「防戦一方ね、そんな状態で私に勝てると思ってるの!?」
「ああ、私がお相手してもいいのですが、孫呉のことは孫呉だけで片付けたい、という意見が将から聞こえまして……」
 孫呉単独の将は彼だけなんですよ……と言葉を続ける檬果だったが、言葉の途切れた刹那を過ぎて、檬果の纏う空気がピリッとしたものへと変わっていく。
 檬果の身に宿る古の将。かつての孫呉の将が檬果の肉体を通して、眼前に立ちはだかる孫魯班へと蔑んだような眼差しを向ける。
「……全公主」
 檬果に宿った将が、孫魯班を呼ぶ。全琮へと嫁いだ時から呼ばれだした名を呼ぶ将を前に、孫魯班はギリッと歯噛みをした。
 七色竜珠が合体し、白日珠へと姿を変える。そして白日珠は、憑依した将の使いやすい形へと変貌していった。
「……虞翻……」
 剣と筮竹へ姿を変える白日珠。易占において使われる筮竹を手にした将を前に、孫魯班はその名を呼んだ。
「……かつて中央に戻らず、南方で悠々と暮らしていたお前が、今更私に意見しようっていうの!?」
 孫魯班の縛妖索が、苛立った声とともに虞翻が憑依した檬果へと投げつけられる。
 炎を纏った縛妖索の進路を容易く見切った虞翻は、そのまま間合いを詰め孫魯班の懐へと飛び込む。
「全公主……。我等が仕えた殿も、道標となる信念も、守るべき民も、既に無い。それでも現世に固執するのなら、かつての家臣の一人として、歩夫人の元へとあなたを送り返そう」
 水の力を纏わせた剣を横薙ぎに振れば、広間に鮮血が飛び散った。
「ぐっ……。っ、お前たちさえ居なくなれば、父様も母様も、この地に戻る! お前たちさえ、居なくなれば!」
 傷を負った孫魯班だったが、その瞳からはまだ殺気は消えていない。
 忌々しげに虞翻を睨みつける孫魯班の放つ縛妖索が虞翻を襲う。
 けれど、先読みの力で容易く見切る虞翻。縛妖索とすれ違うように放たれていた筮竹が、逆に孫魯班を襲った。
「あなたにはあなたの望み、そして夢があるのでしょう」
「ちぃっ!」
 虞翻の筮竹を炎で焼き払う孫魯班。同じ時代を生き、同じ時代で命を落とした二人の睨み合うような視線が絡み合う。
「ですが、それも終わりです。あなたは、もう過去なのですから」
「私は過去じゃない! 私の願いは、まだ終わってない!」
 虞翻の言葉に、抗うように叫ぶ孫魯班。

 ……願いがあったのならば、どうしてあの時代で叶えなかったのか。
 孫権が居て、歩夫人が居て、妹の孫魯育が居て……。
 皆が生きているうちに、どうして望みを叶えなかったのだろうか。

 檬果の意識が虞翻へと語りかける。彼女を、家族のもとに還してやろうと。
 そんな檬果の意識が伝わったのか、虞翻は一つ頷くと剣を手に歩を進める。
「そこまでして会いたかったのなら、還るべきだろう」

 最愛の家族が眠る骸の海に。

「っ!」
 言外に告げた言葉と同時に。
 放たれた炎を纏った縛妖索が虞翻を捉える前に。

 振り抜かれた虞翻の剣が、孫魯班を切り裂いた。
大成功 🔵🔵🔵

エヴィレダ・ハーミ(サポート)
 人間の闇医者×サバイバルガンナー、36歳の女です。
口調 粗野で乱暴(アタシ、お前、呼び捨て、ぜ、だぜ、じゃん、じゃねぇの? )
尊敬する人には 洗練された優しさ(私、あなた、呼び捨て、です、ます、でしょう、でしょうか?)です。
 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


リーヴァルディ・カーライル(サポート)
※【限定解放・血の化身】による分身体

怪力任せな振る舞いは品が無いと感じる
吸血鬼流の礼儀作法に則り行動する高慢な人格

…ふふふ。次はどんな世界かしら?
あの娘の分まで楽しまないとね

はぁ…思いの外、煩わしいものね
太陽の光というのは…

陽光は"影精霊装"の闇に紛れるオーラで防御し、
移動は"血の翼"による空中機動を行い、
魔力を溜めた爪から血の斬撃波を乱れ撃ちつつ、
状況に応じた吸血鬼能力を使用する

・魔力を溜めた両眼で第六感に訴え魅了、暗示を行う魔眼
・無数の蝙蝠や狼等の眷族を操り攻撃する集団戦術
・残像のように存在感を消し攻撃を透過する霧化…等々

あら、もう終わり?意外と脆いのね?

それじゃあ終わりにしましょうか?



孫魯班の体勢が崩れた隙を逃さずに、エヴィレダ・ハーミ(隠者の幸運・f32150)は愛用のアサルトライフルを撃ち放つ。
「ホラホラ、よそ見してるんじゃねぇよ」
「ああもう、しつこいわねぇ!」
 攻撃する隙すら与えないとばかりに、絶え間なくアサルトライフルを乱射するエヴィレダに、孫魯班は苛立ったように縛妖索を投擲した。
「ヒャッハー! アタシにそんな攻撃は効かねぇぜ」
 投擲された縛妖索へと照準を定め、エヴィレダはアサルトライフルを撃ち放つ。
 エヴィレダに届く前に、投げられた縛妖索は蜂の巣となって地に落ちた。
 けれどもそれは、孫魯班から照準をずらすことになる。銃撃の照準がずれた隙に孫魯班は場所を移動し、再び縛妖索を投げつけ、再びそれを撃ち落とすエヴィレダ。
 それを繰り返すだけの一進一退の攻防が続く。どちらも決定打に欠ける中、城内に転移の光が満ち溢れた。
 光に包まれるようにその場にふわりと姿を見せたのは、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)。
「な……」
 新たな猟兵の到来に、孫魯班は絶句する。姿を見せたリーヴァルディが動き出す前に攻撃を仕掛けようとした孫魯班だったが、それでも銃撃がやまない以上、リーヴァルディに何かできる状況には無い。
 リーヴァルディは新たな世界に着いた事を認識すると、くすりと笑みを浮かべた。
「……ふふふ。次はどんな世界かしら? あの娘の分まで楽しまないとね」
 楽しげな言葉の通り、ここに来ているのはリーヴァルディの分身体のリーヴェ。本体であるリーヴァルディが、吸血鬼との闘争にしか興味を持たない分、分身体のリーヴェがこの地へと降り立ったようだ。
 エヴィレダと攻防を繰り広げる孫魯班を視界に捉えると、リーヴェはすっとその目を細めた。
「倒すべきは貴女ね。さあ、戯れましょう?」
 リーヴェの言葉とともに放たれる無数の蝙蝠が宙を舞い、孫魯班へと飛びかかる。
「ああもう! 猟兵は本当邪魔しかしないわね!」
 無数の銃弾に蝙蝠の軍勢。エヴィレダと互角を演じていた孫魯班だったが、リーヴェの蝙蝠に意識を取られ始め、エヴィレダの銃が孫魯班を捉え始める。
「それにしても……」
 エヴィレダの銃が孫魯班を捉え始めたのを見て、蝙蝠たちに相手をさせながらリーヴェはちらりと城の外へと視線を移す。
 人の声こそ聞こえはしないものの、幻影世界は維持されたまま。
 人々の暮らしを照らす太陽は、幻影ながら城下を燦燦と照らしていた。
「はぁ……思いの外、煩わしいものね。太陽の光というのは……」
 どこか苛立ちを含みながら言い放つリーヴェ。
 闇に包まれた世界、ダークセイヴァーを拠点とする彼女にとって、陽光など日頃目にするものでもない。
 その光が視線に入ってくるのに集中力を阻害されるのを感じたリーヴェは、影精霊装を纏って陽光を遮った。
「ぐぅっ」
 乱射する銃弾と蝙蝠の軍勢の攻撃に、ついに孫魯班が膝を付いた。
「ハハッ、これで終わりかい?」
 膝を突いた孫魯班に、ライフルの銃撃は止めずにエヴィレダが声を掛ける。
「っ……こんなもので……」
「あら、もう終わり? 意外と脆いのね?」
 陽光に意識を向けていたリーヴェも、膝を付いた孫魯班に、淡々と声を掛ける。
「それじゃあ終わりにしましょうか?」
 リーヴェの宣告と同時に放たれた血の斬撃と、エヴィレダの銃弾が孫魯班を貫いた。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

紅・麗鳳
ええい、往生際の悪い。
斯様な悪女には正義の鉄槌を下しますわ!

まず【蹇々匪躬】にて部下たちを突入させます。
野郎ども、あれが呉の力を削いで晋の侵略を許した遠因ですわ! 全員恨み言を許可します!!

え? 「いきなりそんな事言われても……」「二宮の変があった時、俺ら生まれてすらいませんでしたよ姐御」「孫晧より晋の統治下のが税は軽くなって無理な労役も無くなったって村の長老が言ってたなぁ」ですって?

(一番近くの奴を雑にぶん殴る)
分かりましたわ、全員その怨みを込めて突撃なさい!

そして宝貝に下僕どもがやられている隙に火竜砲を準備。
よっしゃ! あの絵画とついでに部下ごと【砲撃】で藻屑になって貰いますわよ孫魯班!



 剣で切られ銃で貫かれて。それでも孫魯班の瞳には、猟兵に対して猛烈な殺意が宿ったまま。
「ああもう……どうしていつもいつも邪魔ばかり入るのかしら……」
 苛立ったまま紅・麗鳳(国色無双・f32730)を睨みつける孫魯班に、麗鳳がぴしっと指をさす。
「ええい、往生際の悪い。斯様な悪女には正義の鉄槌を下しますわ!」
 フラフラな孫魯班を前に、麗鳳はユーベルコードを発動する。
 どこからともなく現れる「麗鳳ちゃんファンクラブ会員」たち。元盗賊の彼らは急に呼び出した麗鳳を前に、どこかびくびくと怯えているようだった。
「野郎ども、あれが呉の力を削いで晋の侵略を許した遠因ですわ! 全員恨み言を許可します!!」
「「「え?」」」
 麗鳳の言葉に身構える孫魯班だったが、返ってきた言葉は拍子抜けするほど困惑しきっていた。
「いきなりそんな事言われても……」
「二宮の変があった時、俺ら生まれてすらいませんでしたよ姐御」
「孫晧より晋の統治下のが税は軽くなって無理な労役も無くなったって村の長老が言ってたなぁ」
 そんな時代に生まれたくなかったし、むしろ孫呉を滅ぼしてくれて感謝だよなーと、盛り上がる麗鳳ちゃんファンクラブ会員たち。
 戦うべき相手であるはずの孫魯班ですら、どこかぽかんとしながらそのやり取りを見守っていた。
「あーんーたーたーちー!!」
 一番近くにいた麗鳳ちゃんファンクラブ会員を、全力で殴り倒す麗鳳。昏倒した部下がピクピクと痙攣しているのを見ながら、麗鳳は笑顔で他の部下へと向き直った。
「分かりましたわ、全員その怨みを込めて突撃なさい!」
 笑顔のままそう言い切れば、真っ青な顔をした部下たちはコクコクと頷いて、孫魯班へと飛びかかっていく。
「結局やり合うわけね。にしても貴方たち、そんな上司に仕えていて、幸せなわけ?」
 孫魯班の問と同時に絵画から浮かび上がった怪獣。どこか麗鳳に似ているようにも見える怪獣は、孫魯班の問に答え(られ)ない部下たちを絵画の中に閉じ込めていった。
 孫魯班の宝具が部下へと向けられている間に、麗鳳はこっそりと火竜砲の準備を進めていく。
「よっしゃ! あの絵画とついでに部下ごと藻屑になって貰いますわよ孫魯班!」
「はぁ!? ちょっと! 自分の部下ごと攻撃するなんて、主の風上にもおけな……」
 孫魯班の反論にも耳を貸さず、自分に似た怪獣を、証拠隠滅とばかりに絵画に捕らえられた部下ごと火竜砲で焼き払う麗鳳。
 全てを倒して焼き払えば、今回の事も誰にも知られないはずだから!

 ……もしこの場を誰かが見ていたのだったら、きっとこう言うだろう。
 どっちが悪人(オブリビオン)なのか分からない――と。
 でも大丈夫。目撃者は、全て抹殺しているはずだから。
大成功 🔵🔵🔵

御園・桜花
「…そうですね。そして貴女が消えても、此の世界は元に戻ります。私達の願いは両立しない…ごめんなさい」

光の精霊召喚し破魔と浄化の属性乗せUC「桜鋼扇殴打」
最前線で孫魯班と殴り会う
敵の攻撃は第六感や見切りで躱す
敵が今まで倒した影朧に見え、彼等がその在りたき願いを口にしながら襲ってくるが一切躊躇せず桜鋼扇の一撃を加えて倒す
「共存出来ぬ願いで呼び戻されるなら、約束通り何度でもそれを砕きましょう…」

「貴女が貴女である限り、貴女の望みは変わらない。何度も同じ事をして、変わらず私達に叩き潰され続けるのです」
「今、骸の海に還るのを悔しく思うなら。今の貴女ではなく、挑むことだけを願いとして転生していらっしゃい」



 猟兵との戦いで、決して軽くはないダメージを負った孫魯班。
 満身創痍になりながらも、それでもまだこの世界を諦めきれないのだろう。身体はボロボロになり、それでも瞳だけは強い意志を宿したまま御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)を睨みつけていた。
「く……ここは私の世界よ! 貴方たちさえ消せば、この世界は元に戻るの!」
「……そうですね。そして貴女が消えても、此の世界は元に戻ります。私達の願いは両立しない……ごめんなさい」
 自分が幸せでいられる世界に留まりたい孫魯班と、今生きている人々を救うためにこの世界を消したい桜花。
 相対する思いを抱えながら対峙する桜花と孫魯班。
 決着を着けなければ……満身創痍の孫魯班を骸の海へと還すため、桜花はユーベルコードを発動する。
 光の精霊を召喚し、破魔と浄化の属性を乗せた桜鋼扇で孫魯班へと殴りかかる。
「鉄扇は棍代わりに使えますの。召喚した精霊の属性を纏った桜鋼扇の一撃、お試しあれ」
「がっ……ぁ……」
 一方的な攻撃になっても、桜花は手を止めない。この世界に、彼女は存在してはいけないのだから。
 彼女が骸の海へと戻り、そして再び転生してこれるようにと願いを込めて、桜花は桜鋼扇を振り続けた。

 どれほどの時間が流れたのか、ぐらりと孫魯班の身体が地に倒れ伏した。倒れたまま肩で息をする孫魯班。
 桜花が見守る孫魯班の身体からはぐったりと力が抜け、もうこちらに長くは居れない事が桜花にも伝わったのだろう。
 桜花は倒れ伏した孫魯班へと視線を合わせるように膝を折り、そっと孫魯班に声を掛けた。
「貴女が貴女である限り、貴女の望みは変わらない。何度も同じ事をして、変わらず私達に叩き潰され続けるのです」
「冗談じゃない、私は……私は、母様が愛される世界を……」
「共存出来ぬ願いで呼び戻されるなら、約束通り何度でもそれを砕きましょう……」
 孫魯班の言葉に、桜花は首を横に振りながら優しくそれを否定する。
 何度骸の海から戻ろうと、孫魯班の願いを叶えさせるわけにはいかないのだと。
「わたしの……ねが、いは……」
 桜花が告げた言葉に、ぐっと言葉を詰まらせる孫魯班の頭を優しく撫でる。
「今、骸の海に還るのを悔しく思うなら」
 桜の精として、幾重の影朧を転生へと導いてきた桜花は、今までと同じように今度は孫魯班の転生を願いながら、その心を癒やしていく。
「今の貴女ではなく、挑むことだけを願いとして転生していらっしゃい」
 サクラミラージュと違って、この世界に形とした転生はない。それでもと桜花は願う。
 生前叶わなかった願いを叶えようとした一人の少女の魂が、安らかに眠れることを。今もなお骸の海で眠る家族のもとに、無事に戻れることを。
 桜の精の癒やしを受けて、孫魯班の瞳から一粒の涙が溢れた。
「かあ……さま……」
 静かに、眠るように目を閉じる孫魯班。
 世界の狭間を抜けていったのか。最期の言葉を残してから孫魯班の瞼は閉じられ、その姿は徐々に現世から消え去っていく。
「消えゆく貴方に最後の夢を……どうか心安らかに」
 桜花はその姿が完全に消えるまで、孫魯班の頭を撫で続けていた。

 孫魯班の姿が消えるのと同時に、孫魯班が生み出していた幻の建業も消え去った。
 景色が変わる。先程まで見ていた石造りの城内から、ピンク色に染まる広場へと。
 猟兵たちが辺りを見回せば、そこにはまやかしの建業へと向かう前に見た、桃の咲き誇る広場だった。

 猟兵が周囲を散策しても、その周囲に異変は感じ取れなかった。
 一人の少女が願った幻影は、跡形もなく消滅したのだった。
大成功 🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2021年08月17日
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