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ミディア・スターゲイザー暗殺計画

#スペースシップワールド #戦後 #ミディア・スターゲイザー

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#ミディア・スターゲイザー


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●森林船ヴィーザル
 船内の大半が森林からなるスペースシップ『ヴィーザル」。
 かつて人々が惑星で暮らしていた頃に、様々な惑星で繁殖していた植物の種の保全と研究を目的に作られたこの船に今、一人の女性が訪れていた。
 銀河皇帝唯一の血族にして、コアマシンにワープ航法を与える事ができるただ一人の存在である『ミディア・スターゲイザー』だ。
 銀河帝国攻略戦において『解放軍』の象徴的存在となった彼女は今、ワープ航法能力を与える為に、様々な宇宙船を渡り歩いている。このヴィーザルを訪れたのも、そのためだった。
 船長を始めとする船の幹部達と面会し、ヴィーザルのコアマシンにワープ航法能力を付与したミディアは、船長の許可を受けて船内の森林を一人散策していた。
 どの船にも食料生産のためや船内の人々の精神の安定のために植物は存在するが、ここまでの規模の森林を見るのはミディアも初めてだった。
 いつかクエーサービーストの脅威を乗り越え、帝国継承軍を打ち破って居住可能な惑星を見つけることができれば、このような森林を目にするのも当たり前になるのだろうか。
 そんな思索にふけるミディアはだから、気付いていなかった。
 自身を狙う、暗殺者達の存在に――。

●ミディア・スターゲイザー暗殺計画
「スペースシップワールドにおいて、とんでもない事件が起きることが分かりました」
 エルシー・ナイン(微笑の破壊兵器・f04299)は、張り付いたような笑顔のまま、焦った口調でそう告げた。
「帝国軍の残党が、ミディア・スターゲイザーを暗殺しようと目論んでいるというのです。彼女はコアマシンにワープ航法を与える事ができる唯一の存在。そのミディアを暗殺することで、帝国軍の残党はワープドライブを根絶しようとしているのでしょう。そこでみなさんには、至急スペースシップ『ヴィーザル』へと向かい、ミディアの暗殺を阻止しつつ船内に侵入した帝国軍の残党を駆逐してもらいたいのです」
 予知できたタイミングがぎりぎりだったため、今から転送しても暗殺部隊の船内への潜入は阻止できない。暗殺部隊が襲撃を始めたタイミングで交戦することになるだろう。
「敵は暗殺と電子戦に特化したウォーマシンが中心のようですが、ヴィーザルは森林船なので電子戦能力はあまり活用できないでしょうし、ウォーマシンは全長が2.8mほどあるので、植物の繁茂する船内では活動が制限されるはず。うまく森林を利用して戦えば、充分勝ち目はあるはずです」
 だが、暗殺部隊を撃退してもミディアが暗殺されてしまっては元も子もない。
「幸いミディアはフォースナイトとしての訓練を積んでいて、自分の身を守れる程度の戦力はありますが、相手は暗殺を得意とするウォーマシン。可能な限り彼女の安全にも気を配って上げてください」
 加えて、敵の中には暗殺部隊を率いる指揮官的存在もいるはずだ。ウォーマシン達を撃破した後は、その指揮官も倒さなければならない。
「暗殺を阻止しつつ、暗殺部隊を全滅させるという困難な任務ですが、みなさんならきっと成し遂げてくれると、ワタシは信じています」
 エルシーはそう言うとグリモアを取り出し、ヴィーザルへの転送を開始したのだった。


J九郎
 こんにちは、J九郎です。
 帝国継承軍やクエーサービーストに気を取られている内に、今度は帝国軍の残党が動き出したようです。

 第1章では、ミディアを守りつつ帝国製ウォーマシン軍団を撃退してください。
 森林船という特性をうまく活用できれば、有利に戦えるでしょう。
 第2章では、暗殺部隊を率いる指揮官との戦闘になります。

 それでは、みなさんの熱いプレイングをお待ちしています。
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第1章 集団戦 『暗殺・電子戦用銀河帝国製ウォーマシン』

POW   :    視えぬ黒影/索敵妨害用特殊隠蔽迷彩外套
【電子の刺客】使用後【間合いを詰める高機動】による素早い一撃を放つ。また、【視認・索敵を困難とさせる隠蔽外套を脱ぐ】等で身軽になれば、更に加速する。
SPD   :    暗がりから襲う機影/照準妨害用特殊粒子散布
【電子の刺客】使用後【近接戦敢行】【手榴弾】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【全体を煙幕(遠距離攻撃命中率減少)で覆い】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ   :    複合ユーベルコード 電子の刺客/鋼の暗殺者
【軍用艦すら掌握可能なハッキングで電子攻撃】【対象】のハッキングに【対抗】/【暗殺】【白兵戦】【破壊工作】から選ぶ【動作モード】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アリス・フェアリィハート
アドリブや連携等も歓迎です

ミディアさんを暗殺…!?
私達の気付かない間に…
そんな恐ろしい計画が
動いてたなんて…

【WIZ】

敵さん達に囲まれない様に布陣

【第六感】【早業】【残像】【見切り】【結界術】【オーラ防御】等で
敵の攻撃からの防御
及び
ミディアさんを護りつつ

自身の剣
ヴォーパルソードでの
【なぎ払い】や【切断】等の
剣戟や【斬撃波】に
【ハートのA(アリス)】達を
放っての
【誘導弾】や【衝撃波】等の
遠距離魔法攻撃等で攻撃
【地形の利用】も使い

可能なら
森の木に紛れ込ませて
UCも使い
(味方を巻き込まない様に)
戦闘

『私の攻撃は魔法系ですから…電子の影響は受けにくい筈…ミディアさんを暗殺なんて…絶対にさせません…!』


夜鳥・藍
継承軍やら残党やら。宇宙は広いというのに、そんな話を聞くと何となく狭苦しさを感じますね。

急いでミディアさんのそばに控えるようにします。いっそそばで守り迎撃したほうが良さそうなので。
なるべく耳を澄ませ、森の中の異音、つまり機械音を拾うようにし警戒します。少なくとも駆動音はどんなものであれあると思いますし。
敵が姿を現したらUC雷光で迎撃、制圧射撃にてなるべく複数人数の攻撃の手を止めるようにしましょう。
もし近くまで寄られたとしても、直接この青月で迎撃いたします。なぎ払うようにし、距離を取らせましょう。
回避はなるべくしないように。その隙にミディアさんを狙われては困りますからね。


フィロメーラ・アステール
「あのヘロドトスの戦いから幾星霜……」
ん、そんなに時間は経ってない?
まあ積もる話は後にして守るぞー!

ミディアちゃんの近くへ【ダッシュ】していって備えよう!
【第六感】が危険を察知したら【オーラ防御】バリアで防御だ!

さらに【星界式即席作業員】発動!
木製の、いわゆるウッドゴーレムを召喚する!
この世界じゃ木製のカラクリとか廃れてそうだし、機械のセンサーじゃ森林と誤認して【迷彩】効果が得られるかも!

一方、光の妖精の【視力】なら赤外線とかも見える!
敵の隠れきれない所や、隠れすぎて不自然な空白になった所とかを見つけて、仲間やゴーレム達に教えるぞ!

直接の戦闘はお任せ!
必要なら【武器改造】強化魔法とかで手伝う!



●ミディア護衛作戦
 暗殺者の存在に全く気付いていないミディア・スターゲイザーは、無防備に森林を散策していた。
 森林に潜んでいた暗殺・電子戦用の銀河帝国製ウォーマシン達にとって、それは好機以外の何物でもない。
 ミディア暗殺という目的を達成すべく、3体のウォーマシンが一斉に飛び出し、手にした大型ナイフでミディアへと斬りかかっていった。
 だがその時、ミディアとウォーマシン達の間に、流れ星のように飛び込んだ者がいた。
「あのヘロドトスの戦いから幾星霜……ん、そんなに時間は経ってない?」
 光り輝くオーラに包まれたフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)は、芝居がかった口調でそう呟きながら、バリアを展開して自身の身長よりも長大な大型ナイフを受け止めて見せた。
「ミディアさんを……傷つけさせません……!」
 アリス・フェアリィハート(不思議の国の天司姫アリス・f01939)も、ミディアの前に立ちはだかり、手にした『ヴォーパルソード』で次々と大型ナイフの斬撃を弾き返していく。
 猟兵の介入という想定外の事態に、ウォーマシン達は一端木々の影に隠れようとする。だがそれよりも速く、
「轟け!」
 夜鳥・藍(宙の瞳・f32891)の声が森に響き渡ると同時に、雷光が幾何学模様を描きながら森林を駆け巡り、ウォーマシン達を撃ち貫いていった。
「猟兵の皆さん……!? これは一体……」
 突然のウォーマシンの襲撃と猟兵の出現に、状況を掴みきれないミディアが戸惑いの表情を浮かべる。そんなミディアに、藍が手短に状況を説明していった。
「そうですか……。帝国軍の残党は、未だに帝国の復活を目論んでいるんですね」
 銀河帝国攻略戦で命を狙われることには慣れてしまったのか、ミディアは意外に落ち着いている。
「私達の気付かない間に……、そんな恐ろしい計画が動いてたなんて……」
 むしろ状況を知っていたはずのアリスの方が、未だに信じられないという表情を浮かべていた。
「継承軍やら残党やら。宇宙は広いというのに、そんな話を聞くと何となく狭苦しさを感じますね」
 藍が、場の緊張をほぐすように、あえて冗談めかしてそう口にする。
「本当に。そのことに、帝国軍も早く気付いてくれればいいんですが」
 ミディアもそう応じて、笑みを浮かべた。
「じゃ、分からず屋の帝国軍には、ちゃちゃっと退場してもらおう!」
 フィロメーラがユーベルコード【星界式即席作業員】を発動させると、ミディアと猟兵達の周囲を囲むように、100体あまりの木製の魔法人形――いわゆるウッドゴーレム達が出現する。
「なら、私も……」
 アリスも、変幻自在な空翔ぶジュエルのハート達、通称『ハートのA(アリス)』を解き放ち、暗殺者達の再度の襲来に備えた。
 帝国製ウォーマシンが得意とするのは電子戦。魔法や神秘の力によって動くゴーレムやプリンセスハートなら、その影響も受けにくいはずだ。
「さて、ウォーマシン達はどう出てきますか」
 藍は耳を澄ませ、森の中の異音に集中する。ウォーマシンの駆動する機械音のみならず、彼らの移動によって生じる些細な空気の流れの変化や木々のざわめきすら聞き逃さんとするかのように。
 と、変化は唐突に訪れた。突然、森林全体が闇に包まれたのだ。
「これは……暗殺者のユーベルコード……?」
 警戒しつつ、アリスが呟く。
「いえ。多分、この船の照明が落とされたんだと思います」
 ミディアが自らの推論を口にした。帝国製ウォーマシンの得意分野が電子戦だというのなら、船の照明を掌握することくらい、容易いことだろう。
「むう、かくれんぼのつもりかな? それならこっちも本気出すぞ!」
 光の妖精であるフィロメーラは、通常の光だけでなく、赤外線も捉えることができる。その視力を持ってすれば、森林が闇に包まれても、更にはウォーマシン達が光学的に隠れていたとしても、不自然な箇所を見つけることはできるはずだ。
「ハートのAたち、森の中に行って……」
 アリスも、ハートのAを森の中へと偵察に向かわせる。自ら光を放つハートのAなら、その周囲を照らす光源にもなる。
「むっ! そこ怪しいぞっ!」
 木々の密集する辺りに何者かの気配を感じ取ったフィロメーラが、ゴーレム達をそちらへ向かわせた。ほどなく、ゴーレム達と潜んでいたウォーマシン達が激突する音が、森に響き渡る。
 だがその乱戦をすり抜けて、数体のウォーマシンがミディアを中心に展開する猟兵達へと向かってきた。ステルス機能を持った隠蔽外套を脱ぎ捨てたことで高速機動が可能となったウォーマシン達は、暗殺者の信条を捨て、正面からミディアを殺害しようと迫る。
「やらせません……。――もの言う花たちの噂話は……あらゆる世界に広まっていくのです……」
 アリスが迫るウォーマシン達へと手を伸ばすと、森林の中を蛍のように舞っていたハートのA達が鈴蘭の花びらに変じた。その花びらは、時空をも歪ませる衝嵐を巻き起こし、ウォーマシン達を宙へと巻き上げていく。
「私の攻撃は魔法系ですから……電子の影響は受けにくい筈……ミディアさんを暗殺なんて……絶対にさせません……!」
 空中で身動きが取れなくなったウォーマシンを、アリスはヴォーパルソードから放った衝撃波で、一体一体破壊していった。
「戦闘はお任せ!」
 フィロメーラも、強化した光の魔法でアリスを援護する。
 だが、皆の注意が正面突破してきたウォーマシン達へと向けられた隙を突いて、隠蔽外套を纏った一体のウォーマシンが、ミディアの背後へと迫っていた。その手に握られた大型ナイフが高々と振り上げられ、そして、
「そこまでです!」
 藍の振るった鋒両刃造の打刀『青月』が、そのナイフの一撃を受け止めていた。皆の注意が他のウォーマシンに向けられている間も、藍はミディアの側を離れず、ずっと耳を澄ませて敵の接近の気配を探っていたのだ。
「こちらが気を取られた隙にミディアさんを狙われては困りますからね」
 青白い光の軌跡と共に横薙ぎに払われた青月が、ウォーマシンを両断する。
 こうして猟兵達の活躍により、帝国製ウォーマシン達は一体、また一体と数を減らしていったのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

雛菊・璃奈
【影竜進化】でミラ達、仔竜を影竜に進化…。

ミディアさんを影の中に隠しつつ、森林の木々や林の影を利用して影の中を逐次移動…。
時折、感知式の呪術トラップ【呪詛、高速詠唱、呪殺弾】を仕込んだ呪符を影の中から出してこちらを探してる敵に逆に痛手を与えて削って敵の様子や配置を観察…。

敵が暗殺部隊という事で物陰等に潜んでいるのを逆手に取り、敵が隠れてる物陰や足元の影を影竜の能力で操り、足首だけ影の中に引き込んで影を固定…。
敵を影空間の狭間に固定して身動きを封じ、こちらは姿を隠しながら逆に一体ずつミディアさんやミラ達と一緒に仕留めさせて貰うよ…。

ミディアさんはフォースナイトって事はサイコキネシスも使えるよね…


ヘスティア・イクテュス
まぁ、でしょうね…解放軍で唯一の能力を持つミディア
残党が狙わないわけがないってね

森林であるならスモークミサイルの煙幕と木のホログラム【迷彩+残像】で
更にミディアの元へ向かいにくいよう

アベルとわたし自身による二重の『ハッキング』
軍用艦すら掌握可能なハッキング…あぁ、なんだその程度のハッキング技術で良かったのね?電子戦に特化って聞いたからちょっとやりすぎちゃったわね

後は命令権をいじったこれと、わたしのミスティルテインで他機を倒しにいきましょうか【索敵】



ミディアを狙われてちょっとわたし怒ってるの…
あまり手加減とかそういうのには期待しないでほしいわ
徹底的にぶち壊すから



●影の中の逃避行
 猟兵達は、確実に帝国製ウォーマシンを一体一体撃退していた。だが、暗殺者が後どれだけの数いるのかは、分からない。
「このままここで籠城していても……疲弊するだけ……」
 雛菊・璃奈(魔剣の巫女・f04218)は、意を決して連れている3匹の仔竜達――ミラ、クリュウ、アイに【呪法・影竜進化】を施した。
「我が家族たる竜達……闇の衣を纏いて仮初の進化を得よ……。お願いみんな、わたしに力を貸して……」
 たちまち3匹の仔竜達の姿が膨れ上がり、影を自在に操る影竜へと進化していく。
「ミディアさん……少し移動するよ……」
 璃奈の言葉に、ミディアは頷くと影竜と化したミラの首にしがみついた。そのことを確認すると、ミラはミディアごと影の中に潜行していく。
「後は……お願い……」
 璃奈は自らも影竜達と影の中に潜りながら、ヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)にそう声をかける。
「任せて。まぁ、こうなるでしょうね……解放軍で唯一の能力を持つミディアを、帝国の残党が狙わないわけがないってね」
 ヘスティアはため息を一つ吐くと、手始めに『スモークミサイル』を撃ち放った。ミサイルは中空で炸裂し、たちまち周囲が煙幕に包まれていく。さらにヘスティアは『偽装用風船端末パックプーカ』を放って木のホログラムを作り出し、ウォーマシン達を攪乱していった。
 このようにしてヘスティアがウォーマシン達を攪乱している隙に、影の中へと潜行した璃奈とミディアは、慎重に移動を開始していた。時折、璃奈だけが浮上して偵察しつつ、感知式の呪術トラップを仕込んだ呪符を放つ。これでこちらを探しているウォーマシン達に少しでも打撃を与えることができれば、より安全にミディアを避難させることができるはずだ。
 ヘスティアは、ミディア達がある程度の距離を移動したことを確認すると、『サポートAI端末ティンク・アベル』を起動させた。その間に煙幕を突破した3体のウォーマシン達が間近まで迫ってきていたが、ヘスティアは意に介さない。
「ここから先はわたしの支配領域……さぁ! 妖精の女王に従いなさい!」
 今にもヘスティアへ攻撃を仕掛けようとしていたウォーマシン達の動きが、停止した。爛々と赤く輝いていたカメラアイの光が、明滅を始める。
「どう? アベルとわたし自身による二重のハッキングは? 軍用艦すら掌握可能なハッキング……」
 そこまで口にして、ヘスティアは拍子抜けしたようにウォーマシン達に目を向けた。先ほどまで赤く輝いていたカメラアイの輝きが、今は青く変わっている。
「あぁ、なんだその程度のハッキング技術で良かったのね? 電子戦に特化って聞いたからちょっとやりすぎちゃったわね」
 ヘスティアへ襲いかからんとしていたウォーマシン達は、今や逆に彼女を守る騎士のように直立していた。
「さあ、それじゃ暗殺者狩りといこうかしら」
 ヘスティアは手に可変型ビームライフル『ミスティルテイン』を構えると、ハッキングで命令権を得た3機のウォーマシンと共に、未だ煙幕の中にいる他のウォーマシン達へと、猛然と突撃していく。
「ミディアを狙われてちょっとわたし怒ってるの……。あまり手加減とかそういうのには期待しないでほしいわ。徹底的にぶち壊すから」
 その言葉通り、容赦のない攻撃でウォーマシン達を葬っていくヘスティア。
 こうしてヘスティアがウォーマシン達を引きつけている間に、璃奈とミディアはかなりの距離を移動することに成功していた。とはいえ、ウォーマシン達は森林中に分散しているようだ。まだまだ油断はできない。時折影の中から浮上して偵察すれば、木々の影に潜んでいるウォーマシンの姿を見かけることもあった。
「でも……物陰に潜んでいるのが命取りになる……」
 璃奈はウォーマシンに感づかれる前にその足下の影を操り、ウォーマシンの足首だけを影の中に引き込んでいく。そして影を固定し身動きの取れなくなったところを、ミディアと協力して仕留めていった。
「なんだか、こちらが暗殺者になったみたいですね」
 手にしたブラスターでウォーマシンの頭部を撃ち抜いたミディアがクスッと笑う。
「このまま……安全な場所まで移動するよ……」
 別のウォーマシンを影竜ミラと協力して撃破した璃奈は、ミディアと頷き合うと再び影の中へと潜行していったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

トリテレイア・ゼロナイン
森林船だろうと電子攻撃は密かに行われていましたね
極論、船ごと要人を殺害すれば良いのですから
(船内にハッキングし電子防壁(盾受け)構築
環境維持や気密制御システムへの攻撃を電子空間で迎撃しつつ)

護衛に付かせて頂きます、ミディア様、
先ずはこちらをどうぞ(人間用傘差し出し)
回線を繋ぎましたので船長権限で船内に『雨』を振らせるよう要請願えますか?

尤も、私には無用ですが

マルチセンサーの情報収集で移動時の風切り音に振動、微細兆候を把握し見切り
護衛として隙見せぬ挙動(かばう)で四方八方から襲う敵を切り伏せ盾で殴り砕き

かの機種と私は云わば古き帝国の矛と盾
未来を担うミディア様を背にして、後れを取る訳には参りません



●矛と盾
 安全圏と思われる地点まで達したミディアは影の中から浮上し、ほっと息を吐いた。
 だが、
「ご油断なさらずに、ミディア様。暗殺者達は、まだ潜んでいるようです」
 トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)は、そんなミディアに緊張を解かぬよう警告する。
「やはり、森林船だろうと電子攻撃は密かに行われていましたね。極論、船ごと要人を殺害すれば良いのですから」
 このスペースシップ『ヴィーザル』のメインコンピューターにアクセスしていたトリテレイアは、暗殺者達が船内のシステムに対し電子戦を仕掛けていた痕跡を確認すると、電子防壁を構築し、環境維持装置や気密制御システムへの攻撃を迎撃していった。
「さて、これで船内のシステムは安全なはず。それでは改めて護衛に付かせて頂きます、ミディア様。先ずはこちらをどうぞ」
 トリテレイアが差し出したのは、刺繍で彩られた女性用の傘だった。
「一つお願いがあります。艦橋に回線を繋ぎましたので、船長権限で船内に『雨』を振らせるよう要請願えますか?」
「雨……ですか?」
 スペースシップワールド以外の出身者には理解されにくいのだが、スペースシップ内では天候も全てコンピューター制御となっている。船長の権限があれば、天候を自由に変更することが可能なのだ。ミディアもスペースシップワールドの人間ゆえ、そのことは当然知っている。だが今敢えて雨を降らす理由が、分からない。それでもミディアはトリテレイアを信じ、船長に天候の変更を要請した。
ほどなく、森林内に大粒の雨が降り始める。
「マルチセンサー、最大稼働。姿をくらました程度で、護衛用機種の『目』を破れるとお思いですか」
 トリテレイアは、常に敵を捕捉する能力を持った要人護衛用モードにシフトし、その卓越したセンサーで、雨の中移動する敵機の風や水を切る音、振動、微細兆候を完璧に捉えていった。
「あなた方が暗殺用なら、私は式典・要人護衛用銀河帝国製ウォーマシン。決して隙など見せません」
 トリテレイアの隙を突こうとしてか背後から迫ってきていた敵ウォーマシンを、振り返りもせずに突き出した儀礼用長剣で串刺しにし、同時に正面から迫り来ていたもう一機の攻撃を、重質量大型シールドで完璧に受け止める。
「かの機種と私は云わば古き帝国の矛と盾。未来を担うミディア様を背にして、後れを取る訳には参りません」
 シールドで暗殺用ウォーマシンを殴り砕き、木を利用して上空から襲いかかってきたもう一機を儀礼用長剣で切り伏せながら。トリテレイアは高々とそう宣言したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『エージェント11』

POW   :    11式強化術
【帝国製特殊兵装】【改造植物から抽出したブーストドラッグ】【高侵食ナノマシン】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    11式戦場形成術
【遺伝子改造された樹木の種子】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【や金属を侵食して深い森を形成し】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ   :    11式拘束術
【単分子ワイヤー】【人食い蔦】【神経毒注入弾】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はグルクトゥラ・ウォータンクです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●エージェント11
 猟兵達の活躍により、森林船『ヴィーザル』へと侵入していた暗殺・電子戦用銀河帝国製ウォーマシンは、その全てが撃破された。
「これで終わり、でしょうか」
 ミディア・スターゲイザーが安堵の表情を浮かべた、その時。
 突如周囲の木々に絡まっていた蔦が、意志を持った生き物のように、ミディアに絡みついていった。
「お前の動向はこの数ヶ月、ずっと監視していた」
 木の陰から姿を現したのは、帝国工作員の特殊兵装に身を包んだ、一人の女性。
「その上で、襲撃場所としてこの船を選んだ。暗殺・電子戦用のウォーマシン達にとって決して有利とは言えないこの船を選んだ理由は、何だと思う?」
 アックス&ウィザーズに住むエルフ達によく似た外見のその女性は、表情一つ変えずに淡々と言葉を紡ぐ。
「それはこの船が、『植物支配』のサイキックを操る私にとって、最も適した環境だったからだ」
 その女性――エージェント11がそう告げると同時に、蔦がミディアの首に絡みつき、その首を締め上げていったのだった――。
トリテレイア・ゼロナイン
ミディア様の首に絡む蔦を始め、周囲の植物へ物資収納Sの投げナイフを投擲
UCのナノマシンを流し込み、植物操作サイキックの動作指令をハッキング破壊工作で機能不全にさせ蔦の脅威から解放

仰ぐ旗は嘗てと異なれど、好機を捉えた暗殺者への迎撃こそが私の製造目的
簡単に遅れはとりません
手足の植物は現在機能不全、直接戦闘と参りましょうか

ミディア様を背にかばいつつ、脚部スラスターの推力移動と走行を細やかに繰り返し接近戦
強化身体能力からの攻撃を瞬間思考力で見切り、剣と盾で銃弾防御
怪力で剣盾振るい牽制

ミディア様を優先した瞬間、装甲からワイヤーアンカーを射出し操縦●騙し討ち
UC注入し行動阻害
大盾殴打で吹き飛ばし起爆


アリス・フェアリィハート
アドリブや連携等も歓迎です

貴方が
暗殺部隊の指揮官さん…!

直ぐ様
【ハートのA(アリス)】達の
『炎』の【属性攻撃】の【誘導弾】で
周辺の蔦を焼き切ると共に
ヴォーパルソードで
【早業】で蔦を根本から【部位破壊】【切断】し
ミディアさんを捕縛している
蔦を斬り放し
彼女を
傷付けない様に解放

『大丈夫ですか!?ミディアさん…!』

【第六感】【早業】【残像】【見切り】【結界術】【オーラ防御】等で
敵の攻撃からの防御
及び
側に付き
ミディアさんを護り

ヴォーパルソードで
『炎』の【属性攻撃】や【なぎ払い】等剣戟や
【ハートのA】の【誘導弾】で
戦闘
植物等は上記に加え
UCで対処
(味方を巻き込まない様)

『ミディアさんは…私達が護ります!』



●ミディア救出
「貴方が、暗殺部隊の指揮官さん……!」
 エージェント11の奇襲に対し、真っ先に動いたのはアリス・フェアリィハート(不思議の国の天司姫アリス・f01939)だった。すぐさま炎を纏わせた『ハートのA(アリス)』達を操ってミディアに絡みついた蔦を焼き切ると共に、アリス自身も手にした『ヴォーパルソード』で蔦を根元から切断し、ミディアを救出する。その早業にも関わらず、炎でも剣撃でも、ミディアには傷一つ付けない精密さだ。
「大丈夫ですか!? ミディアさん……!」
「ええ、ありがとうございます」
 すぐさまミディアに駆け寄り、助け起こすアリス。
「やはりお前達猟兵は邪魔な存在だな。だが、私が操れる蔦はまだまだそこら中にあるぞ」
 エージェント11が手を複雑に動かせば、再びミディアの周囲の蔦が動き出し、ミディアとアリスへと襲いかかる。
「護衛機として、これ以上好きにはさせません」
 トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)が、機体各部に設けられた戦闘用物資収納スペースから取り出した投げナイフを、すかさず投じた。
「レプリカとはいえ、銀河帝国製が最も機能的に相性が良いのは複雑ですが」
 ナイフはミディアへと襲いかかっていた蔦へと突き刺さり、その内部へとナノマシンを流し込んでいく。
「何? これは……植物のコントロールが、奪われていく!?」
 エージェント11がわずかに眉をしかめた。ナノマシンの力で植物にサイキックに対する耐性を与えることで、エージェント11の植物支配のサイキックを無効化させたのだ。トリテレイアは蔦のみならず、周囲の植物へもナイフを投じ、ナノマシンを流し込んでいく。
「仰ぐ旗は嘗てと異なれど、好機を捉えた暗殺者への迎撃こそが私の製造目的。簡単に遅れはとりません。手足の植物は現在機能不全、直接戦闘と参りましょうか」
 巨大な儀礼用の剣と盾を構えたトリテレイアは、壁の如くミディアの前に立ちはだかった。
「作戦内容を変更。猟兵とミディア・スターゲイザー、双方を同時に排除する」
 エージェント11は改造植物から抽出した錠剤状のブーストドラッグを飲み込むと、常軌を逸した速度で猟兵達に攻撃を仕掛ける。
「ミディアさんは……私達が護ります!」
 放たれた単分子ワイヤーを、アリスがヴォーパルソードで受け流した。さらにエージェント11の袖口から伸びてきた人食い蔦をハートのA(アリス)が焼き払い、銃口から放たれた神経毒注入弾を、トリテレイアの重質量大型シールドが受け止める。神経毒注入弾は腐食性もあるらしく、シールドの表面を溶かしていくが、気にしてはいられない。
 全ての攻撃を防がれつつも猟兵達の至近距離に接近したエージェント11は、単分子ワイヤーを剣状に変形させ、ミディアを突き刺そうとする。だがトリテレイアは脚部スラスターの推力移動と走行を細やかに繰り返し、巧みにミディアをかばい続けた。その分、トリテレイア自身の全身に傷が広がっていく。
「それでも、ミディア様を守り切るのが騎士の使命です」
 トリテレイアはウォーマシン特有の巨体を利用して、儀礼用長剣と大型シールドを自在に振り回し、容易にエージェント11を間合いに入れさせない。
「ならばこれでどうだ」
 エージェント11の袖口から、再び人食い蔦が伸びる。しかも今回は1本ではない。計10本もの蔦が、それぞれ意志を持つもののように別々の軌道を描き、ミディアへと襲いかかっていった。
「花たちよ……ミディアさんを守って……!」
 アリスがそう叫んだ瞬間、ハートのA(アリス)が無数の鈴蘭の花びらに変じた。花びらは衝嵐を巻き起こし、人食い蔦を飲み込んで引きちぎっていく。
 だがエージェント11は時空すら歪ませるその嵐を、むしろ目くらましにするかのように潜り抜け、ミディアへと肉迫していた。ワイヤー状に戻した単分子ワイヤーが、鞭のようにしなりながらミディアへと伸びていく。
 しかしそこにも、トリテレイアが割り込んだ。盾や剣で防ぐ暇はないため、自らの身を盾代わりにするしかない。その装甲の隙間に、深々と単分子ワイヤーの先端が食い込んでいく。
「しかし、これで動きは封じましたよ」
 ダメージに耐えながら、トリテレイアは装甲内に格納されていたワイヤーアンカーを射出。咄嗟に左腕の籠手で受け止めたエージェント11に、トリテレイアは即座にナノマシンを流し込んだ。
「くっ!?」
 エージェント11は単分子ワイヤーを手元に巻き戻すと同時に、腰に差したバトルナイフを取り出してワイヤーアンカーを切断する。そのわずかな時間をトリテレイアは逃さず、重質量大型シールドを叩きつけた。そしてエージェント11が吹き飛ぶ間に先ほど流し込んだナノマシンを起爆させる。特殊爆薬と化していたナノマシンは即座に爆発し、エージェント11の左腕を破裂させたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

夜鳥・藍
なるほど貴女も捨て駒ですね。配下を大事にできない方は同じ扱いされても文句は言えないです。
ただご自身に有利な場所を選んだとして、配下の使い方もやり方も、そして安易に姿を現したのは、暗殺者としては三流では。

わざとそう声をかけ反応を見ましょう。
怒るなら隙も見つけやすくなるでしょうし、冷静であるなら相応に力のある方なのでしょう。

神器鳴神を投擲、避けられても念動力で操作し掠る程度でもいいので当てます。当たったら竜王を召喚、雷撃で蔦ごと攻撃します。可能ならミディアさんのツタも焼き切りたい所です。
さらにその隙に目立たないように木陰に隠れて動き、エージェントに近づき直接青月で攻撃します。


フィロメーラ・アステール
「なるべく戦闘に巻き込みたくなかったけど……」
そっちがその気ならしょうがない!
……誰のことかって?

植物たちのことさー!
【下天あらたむ五行の星守】を発動するぞ!
この技で植物を動物にしちゃう!
例えば蔦なら蛇とか?

植物支配の力なら、動物になれば操れない!
……って簡単にいくかはわからないけど、この技で【元気】になれば抵抗できるようになるんじゃない?
もし他の植物を操ろうとしても【カウンター】の【早業】で先んじて動物にしちゃえ!

植物支配を封じれば、敵は自ら動くしかない!
ミディアちゃんの所まで攻め込むのは難しくなる!

そしてその前に立ち塞がるのは!
【全力魔法】パワーで巨大化した蔦動物!
【捕縛】し返してやるぞ!



●攻撃は最大の防御
「左腕部のダメージ甚大……ナノマシンを用いて、応急処置をする」
 これまでの猟兵達との戦いで左腕を吹き飛ばされたエージェント11は、体内のナノマシンを利用して左腕を応急的に再生させる。だがその爆発の衝撃で、標的たるミディアとの距離は相当引き離されてしまっていた。
「なるほど貴女も捨て駒ですね。配下を大事にできない方は同じ扱いされても文句は言えないです」
 そんなエージェント11が再びミディアへと接近できないよう、行く手を塞いだのは夜鳥・藍(宙の瞳・f32891)だった。
「……邪魔だ」
 エージェント11は、そんな藍を無視するように手首に仕込んだワイヤーを伸ばして上空の木の枝に巻き付けると、そのワイヤーを巻き取る勢いを利用して飛び上がり、藍をやり過ごそうとする。
「今更逃げるのですか? ご自身に有利な場所を選んだとして、配下の使い方もやり方も、そして安易に姿を現したのは、暗殺者としては三流では」
 藍が小馬鹿にしたようにエージェント11に声をかけた。挑発し、足止めを狙っていたのだが、エージェント11は藍を無視してその頭上を飛び越えていく。
(「どうやら、安い挑発に引っかからない程度には、相応に力のある方のようですね」)
 藍が追撃に移ろうとしたその時。
「なるべく戦闘に巻き込みたくなかったけど……そっちがその気ならしょうがない!」
 フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)が、背中の薄羽根で宙を舞ってエージェント11の前方に進み出た。
「ことごとく邪魔をする。そこまでしてミディア・スターゲイザーを守りたいか」
「え? ミディアちゃんのこととは言ってないぞ? じゃあ誰のことかって?」
 フィロメーラが言い終えるのを待たず、エージェント11は植物支配のサイキックを発動させて周囲の蔦を操り、フィロメーラを絡めとろうとした。
「あたしが言ってるのは、植物たちのことさー!」
 だがそれよりも速く、フィロメーラがユーベルコード『下天あらたむ五行の星守』を発動させる。自然物を動物へと変化させるその力は、たちまちの内に蔦を蛇へと変じさせていった。
「これは……私の支配から逃れた?」
 エージェント11の能力はあくまで『植物支配』。動物に変化させてしまえば操ることはできないし、すでに支配下にあった植物もその支配が解ける道理だった。
「植物支配を封じれば、お前は自ら動くしかない! ミディアちゃんの所まで攻め込むのは難しくなる!」
 フィロメーラが得意そうに胸を張った。
 そして、エージェント11が植物支配のサイキックを破られたことに気を取られている隙をついて、藍が黒い三鈷剣『鳴神』を、エージェント11目掛けて投げつける。だが、改造植物から抽出したブーストドラッグの力で超反応能力を得ていたエージェント11は、紙一重で鳴神を回避して見せた。
「ですが、その程度はこちらも予測済みです」
 藍は念動力で鳴神の軌道を操作し、エージェント11の死角から再度鳴神を飛ばした。想定外の方位からの攻撃に、エージェント11の反応がわずかに遅れる。それでも鳴神がかすめる程度のダメージに抑えたのは、超反応能力のなせる業だろう。だが、
「掠る程度で充分です。竜王招来!」
 すかさず藍が嵐の王たる竜王を召喚した。即座に竜王は鳴神を目印に雷撃を放つ。雷撃はエージェント11の反応速度をさらに超えた速度で彼女を撃ち、その体を地面へと叩き落とした。
「くっ、想定外のダメージだ」
 全身に負った火傷と痺れを押してなんとか立ち上がったエージェント11だったが、 その彼女の前に立ちはだかったのは、人間の身の丈を優に超える巨大な蛇だった。それは、フィロメーラが先ほど蔦を変じて生み出した蛇。だが、その大きさは変じさせた時の比ではないほど巨大化している。
「ふふん。どうだ、あたしの全力魔法パワーは! さあ捕縛し返してやるぞ!」
 巨大蛇が、雷撃のショックで思うように動けないエージェント11の体に絡みつき、締め上げていった。
「こっそりと仕留めようかと思っていましたが……その必要もなかったようですね」
 さらにそこへ、木陰に隠れるように接近していた藍が、鋒両刃造の打刀『青月』を手に姿を現す。藍はエージェント11が動きを封じられている好機を逃さず、青月を振るってその体を深々と切り裂いたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ヘスティア・イクテュス
あぁ、なるほど…こんな遮蔽物の多い船でって思ったら…そういうことだったのね…

ミディアを抱えてティターニアで少し上へ【空中戦】
グレムリンズで蔦やらは『切断』を手が使えないからフェアリーで『弾幕』

あまり大きく動くこと無く種子を撃ち落とし【武器落とし】
または回避、
逆にフェアリーの『制圧射撃』にグレムリンズの四方八方からの『範囲攻撃』であまり相手を動かさせず形成された深い森に立つのを阻害


最も適したっていうかつまりこういう場でないと活躍できない工作員ってことよね…?
本当わざわざ数ヶ月唯一活躍できる戦場に訪れるなんて時間と労力の無駄お疲れ様ね

マイクロミサイルを合わせての『一斉発射』


雛菊・璃奈
成程…。
配下と違って貴女に地の利があるからここを選んだんだ…。

連れてるミラ達にはミディアさんの護衛をお願い…。
【狐九屠雛】を発動し、【呪詛】で更に強化…。

艦内の植物達には悪いけどね…。
全てを凍てつかせる絶対零度の霊火…。
この凍気の前では植物は一切の活動はできない…。

自身とミディア(&仔竜達)の周囲に10個程を防御・迎撃に残し、残りで周囲の地形(攻撃に使う植物)や地面、敵本体を攻撃…。

敵の攻撃を迎撃用の霊火と凶太刀・神太刀の二刀で【見切り、第六感】切り払い、逆に残りの霊火で逃げ道を塞ぐように仕掛け、凍結・斬り捨てるよ…。

戦闘後に【天照(限定開放)・理想郷】(非戦闘UC)で植物達を回復させたいな…



●暗殺計画の行方
 猟兵の包囲を辛うじて逃れたエージェント11は、受けた傷をナノマシンで補いつつも、ミディアを暗殺すべく再度移動を開始していた。すでに何度か『植物支配』の力は破られているが、それでもこの船の中ではこのサイキックが有効であることは疑いようがない。
「もはや手段を選んではいられない。猟兵ともども、皆殺しだ」
 エージェント11は、ミディアの周囲の全ての植物を支配下に置くと、一斉に木々を根元から引き倒した。折れ重なる木々が、ミディアを押し潰そうとしたその時。
「成程……。配下と違って貴女に地の利があるからここを選んだんだ……」
 雛菊・璃奈(魔剣の巫女・f04218)の連れている3匹の仔竜達が、ミディアを咄嗟に引きずるようにして木々の下敷きになるのを防ぎ、
「こんな遮蔽物の多い船でって思ったら……そういうことだったのね……」
 妖精の羽を象ったジェットパック『ティターニア』の力で宙を舞うヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)が、ミディアを抱きかかえて彼女を空中へと退避させる。
「逃がさん」
 宙に逃げたヘスティアとミディア目掛けて、エージェント11は手にした銃から遺伝子改造した特殊な樹木の種子を撃ち出した。同時に、操られた蔦も二人を追う。
「行きなさいグレムリンズ! 敵を切り裂いて!」
 対して、ヘスティアは円盤型ドローン『グレムリンズ』と球体状ドローン『フェアリー・改』を自身の周囲に展開。円盤部からビームチャクラムを発生させたグレムリンズで蔦を切断しつつ、フェアリー・改から放ったビームで種子を撃ち落としていく。
 だが、撃ち落とされた種子は落下するとそのまま地面へと潜り込み、即座に発芽、生長し見る見る奇怪にねじ曲がった樹木へと成長していった。
「この奇怪樹の森の中では私は最大限の力を発揮できる。お前達の命運はここで尽きた」
「最も適したっていうか、つまりこういう場でないと活躍できない工作員ってことよね……? それでよくそこまで偉そうにできるわよね」
 ヘスティアが、エージェント11の動きを封じるように、フェアリーからの一斉射を浴びせる。だが奇怪樹の枝が不気味に蠢き、盾となってエージェント11を庇った。
「なら!」
 今度はグレムリンズを四方八方から突撃させ、エージェント11を防戦一方に追い込もうとする。対するエージェント11は種子を次々に撃ち出し、グレムリンズを追い払っていった。もちろんグレムリンズに落とされた種もあったが、その種は新たな奇怪樹を増やし、結果的にエージェント11の支配領域を広げる結果となる。
「艦内の植物達には悪いけどね……。これ以上あの木を増やすわけにはいかないから……全てを凍てつかせる絶対零度の霊火……」
 戦いを見守っていた璃奈の銀色の尾の先端に、白い炎が点った。それこそは九尾炎・最終地獄【狐九屠雛(コキュートス)】。原子や分子の活動すらも停止させ、全てを凍てつかせる絶対零度の地獄の霊火だ。
「この凍気の前では植物は一切の活動はできない……」
 璃奈の尾から放たれた地獄の霊火は、次第にその数を増やしつつ、森全体を包み込むように広がっていった。その炎は、元々森に生えていた木々を凍り付かせていき、さらにエージェント11の生やした奇怪樹をも凍結させていく。
「なっ、植物が……操れない?」
 エージェント11のサイキックをもってしても、完全に凍結した植物を操ることはできなかったようだ。さらに完全凍結した大地では、遺伝子改造した樹木の種子といえど生長することもできない。
「ならば、お前を倒してこの凍結を解除する」
 エージェント11が璃奈目掛けて手首に仕込んだ単分子ワイヤーを放ち、同時に銃から神経毒注入弾を撃ち放った。
「効かないよ……」
 だが、璃奈の周囲に残っていた10個ほどの白い炎が、そのワイヤーや神経毒注入弾をも凍り付かせ無力化していく。
 そして、エージェント11の注意が璃奈に向けられている間に、ヘスティアは完全に攻撃態勢を整えていた。
「本当、わざわざ数ヶ月唯一活躍できる戦場に訪れるなんて、時間と労力の無駄お疲れ様ね」
 皮肉の言葉と共に一斉に解き放たれたのは、ティターニアに内蔵されていたマイクロミサイルだった。
「くっ」
 回避を試みるエージェント11だったが、ミサイルはあらゆる方角から飛来し、さらには一度かわしても空中で向きを変え、しつこくエージェント11を追尾し続ける。そのうえ足場が凍結しているとなれば、いつまでもかわし続けるのは不可能だった。遂に一発が着弾すると、次々と飛来したミサイルが連続でエージェント11を飲み込んでいく。
「馬鹿な……私が、ターゲットを葬る前に……」
 虫の息となりながらも、エージェント11は最後の力を振り絞り袖口から人食い蔦を伸ばし、ヘスティアが抱えているミディアを道連れにしようとした。
 だが、その蔦もミディアに届く前に璃奈が『妖刀・九尾乃凶太刀』と『妖刀・九尾乃神太刀』の二刀をもって切り捨てる。そのまま璃奈は一気にエージェント11との距離を詰めていった。
 なんとか逃れようとするエージェント11だったが、いつの間にかその周囲は地獄の霊火とグレムリンに包囲されていて、進むことも退くこともままならない。
「斬り捨てるよ……」
 璃奈が二本の刀を一閃させる。既に満身創痍だったエージェント11は、断末魔を上げる暇もなく、切り裂かれて絶命した。
 直後、まるで朝日のように、凍り付いた森林を暖かな光が照らし出す。璃奈が光を操る天照の力を限定解放したのだ。その光によって凍り付いていた森林は元の姿を取り戻し、奇怪樹は枯れ果てていった。
「さあ、全部終わったわよミディア」
 ヘスティアはすっかり元の姿を取り戻した大地へと、ミディアをそっと下ろす。
「ありがとうございます。猟兵のみなさんには助けられてばかりですね。私もせめて自分の身を守れるぐらいの力は身に付けなければいけませんね」
 ミディアはそう言って、猟兵達に深々と頭を下げたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年06月15日


挿絵イラスト