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あの子になりたい

#UDCアース #グロテスク #イマジナリー・フレンド #プレイヤー・キャラクター

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●鉛雲の下で
 ひどく脳味噌(あたま)の重くなる作業が始まった。
 UDC組織のとある支部、その地下室で埃の被った煉獄(しょもつ)と格闘しなければならないとは。嗚呼、これも全部『UDC-Null』とかいう虚言が真実(まこと)と化した所為だ。僕等(エージェント)の忙しなさはここ数年を飛び越えて激的、もう匙を投げたくて仕方がない――はぁ、と息が漏れたと同時に一枚のひらり――これは要らない資料だろう。そっちのゴミ箱に突っ込んでくれ。
 もう嫌だ。絶たれた望みを踏み躙り、限界と悟った誰かさんが机とお友達になっている。助けてくれと嘆いたとして支部長の面も真っ蒼だ――天蓋が鉛雲に覆われていた。

●グリモアベース
「大祓百鬼夜行(せんそう)は我々の勝利だったが、その後の処理(かたづけ)が全くと言っていい程に『終わり』を見せない。貴様等にはUDCのとある支部で『UDC-Null』の件を如何にか『成して』もらいたい。骸魂(あれ)自体は未だ残っているのだよ」
 グリモア猟兵たるロバート・ブレイズは『また』曖昧な予知になるか、と呟いた。可視不可視で此処まで『厄介さ』が変わるものかとニンマリ嗤ってみせる。
「さて、勿論だが『UDC-Null』のデータに関しては『ない』と思った方が良い。それほどに重要視されなかったものであり、何よりも古かったのだ。多量に積まれた資料(かみ)をあさる事で漸く『どのような噂・話から生まれた』か判断出来る。その結果を駆使して『再現される』Nullを倒すのだ――首領格は大幅に強化されていると思い給え。最も『忠実に再現されている』故、弱点も判り易いだろうがな。宜しく頼む」
 グリモアが輝いて。


にゃあら
 にゃあらです。
 出来損ない、失敗作、諦めてはいけない。
 それはアナタだけのお友達。

 第一章。
 UDCの支部、地下倉庫にてNullの情報を探します。予知で発見する事が出来たら楽々でしたが『そうもいかない』のが現実です。
 事務作業や資料整理などが得意な場合はプレイングボーナスが入ります。

 第二章。
 第一章で見つけた資料(噂)を再現したUDC怪物が現れます。
 ポルターガイスト現象が起きてすぐ可視になるでしょう。
 蹴散らしてください。

 第三章。
 首領格(ボス)との戦闘です。
 噂話や都市伝説で大幅に強化された個体です。
 その代わり『弱点』も明確だと思われます。
 其処を突いて戦いましょう。

 宜しくお願い致します。
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第1章 日常 『電子化されてない資料を漁る憂鬱な仕事』

POW   :    気合いで黙々と資料を漁る

SPD   :    速読などを活かして迅速に資料を漁る

WIZ   :    効率の良い調査方法を考える

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 資料集その他の憂鬱はオマエと謂う友達を望んでいたのだ。UDC支部の地下倉庫、埃を被った紙束等が山を成している。此処からUDC-Nullの噂・都市伝説(はなし)を暴かねば成らない。正しく墓場を掘り返すような作業と陥(か)すだろう。頭上の鉛雲(おもり)を背負いつつ、猟兵(オマエ)は退屈と向き合った――幻想であれば良かったのに。
アト・タウィル
……ふむ、確かに普通に人には観測できないただの噂が、実体として存在しているという証拠が現れてしまった訳ですしね
大変でしょうし、お付き合いしますよ

しかし、探せと言われてもどこから見ればいいのやら……
こういう時はあれですね、資料を書いた人の感覚を信じましょう
具体的には、補遺などの書き足した部分で、嫌な予感がするなどの違和感がある物を探しましょう
多少は、手掛かりとなるはずです

……まぁ、それをしても半端ではない量ですけどね
気長にやりましょうか
幸い、私の人形の体は力は強くなくても、繰り返しの作業には向いています
じっくり見ていきますよ



 極めて微かな『臭い』だけで化け物を把握(りかい)するが如くだ、古びた触手(ねば)り気に苛まれる感覚は伽藍(がい)に相応しく、成程、オマエは捻じれた魔笛(フルート)を遊ばせる。ふむ――息と音を止める術は知られていない、内容物(ないぞう)をぐちゃぐちゃと弄ぶ心地は『あの子』を作るのに同等だろうか――人には観測出来ない噂話(でんせつ)の証明書、ブチ撒けられた色彩(にく)の方が未だマシだ。出現した超自然(カオス)を人類(めだま)で追うのは酷く困難だろう。お付き合いしますよ。渦巻いた水底(くろそこ)で潮気(かお)り、ただ友達が手を繋いでいる……どこを探せば良いと謂うのか地下倉庫(袋小路)、山勘頼りの神祈りか。
 補遺(いと)を手繰る方法は実に『汗っかき』だったのだろう。気に障った段落(こと)を只管に吐き出していく――そう言えば『ここ』の一文、ヤケに反芻した記憶が在るな――嗚呼、架空のキャラクターに何を説いたって無駄だろうに! 連ねた肉と骨はインク溜まりに違いなく、塑は顔形を整えてしまう。
 多少の手掛かりにはなるはずです。手と足を伸ばし過ぎたのだ、ならば時間を掛けて咀嚼する必要が見えた。目隠しして歩む作業ではないのだ、オマエの『いと』がキャット・ウォークを外している――? 何か間違いを犯していないか?

 じっくりと見ていた。じっくりと視ている。
 プレイヤー・キャラクターに観られている。

 気長にやりましょうか。関節部分が面白いほどに打鍵(たた)かれている。トルネンブラの戯言(えんそう)が『あの子』を気儘に描いていた。
 天啓が降りてきた、玩具箱があふれている。

成功 🔵​🔵​🔴​

露木・鬼燈
優れた戦士は頭も使う。
こーゆー頭脳労働だって余裕ですよ?
まぁ、好んでやるわけではないけど。
とゆーことで<従者召喚>
手厚いサポートの下で調査。
メイドさんは地下倉庫を整理。
僕は資料の内容を確認するですよ。
内容の確認はメイドのお仕事の範囲外らしい。
まぁ、役立つ助言はくれるんだけどね。
んん?助言できるってことは理解してるんじゃない?
ああ、ルール上ダメなのね。
なるほどなー。
それなら仕方ないね。
メイドさんのサポートで消耗を抑え、時にはお世話で回復される。
そんな感じで不眠不休で働くっぽい!
ごめん不休は嘘だったですよ。
休まないと効率悪いからね。
お世話されながら休む時はしっかりと休んでたのです。



 好みとは決して言えないものだが、画面外のお友達には丁度いい『塩梅』だろうか。グラス越しで覗き込んだ彼方側の景色はひどく歪んでおり、ちょっとした嘔気を滴らせる。粘ついた感覚(せってい)には抗えないものだと心中では察して在り、虚の命運を握られるのは『厭な汗』とも思える――こーゆー頭脳労働だって余裕ですよ? 優れた猟兵(オマエ)は額(おつむ)を垂れて、ごちゃごちゃとした資料山(じごく)に向かう。渇き切った咽喉を潤すのは簡単な事だが、時として水すらも忘れてしまう――従者召喚(メイド・イン・ヘヴン)――足元がお留守だとお辞儀した彼女等、整理整頓(ととの)えるのはお手の物だと意気込んだ。
 助言(アドバイス)どもの抱擁が漿液(えき)を活性化させた。この記述は『このような』意味ではないのか。この段落とその段落は繋がっているのではないか。内容確認は『オマエだけの』務めなのだ。ところで彼女等、解っているのではないか――ああ、規則を守らなければ過去と同じだ。なるほどなー。頷いたのか傾いたのか、字面が似ていても臓腑(い)が違う。
 不眠不休で働くっぽい! 嘘吐きは狼に食われますよと一人の従者、休まないと効率が悪いですよとティー・タイム。そのカップはジャムを融かしますか? 勿論だともお友達、もう『要らない』なんて言わせない。

 今日はすこぶる体調が良い。
 君のおかげだと空白に感謝した。

 独りあそびが大好きだなんて真っ赤な嘘だ、何者かが存在しないと戦場に花は咲かない。命尽きる刹那までも好敵手(ライバル)、想像(こころ)貫いてくれないか。死地肉林っぽい! 百足一色の蟲毒が出来上がった。

成功 🔵​🔵​🔴​

五十野・組子
WIZで判定。

憂鬱な気持ちと震える体を無理矢理抑えて調査に向かう。
怖いけど、いつまでも怯えて暮らすのも嫌だ。大丈夫、怖くない。知らなかったけど、邪神とずっと戦ってきた人達もいるんだ。私だって強くなれれば、きっとまたゆっくり眠れる様になる。

資料を紐解き調べていく。小学校の途中から不登校だった頭には辛いけど、邪神についての資料や小説は独学で色々調べてきてる。何とか頑張ろう。
自分一人の目だけじゃ追い付かない。UCで自分に取り付いた眷属の霊体を呼び出す。私はシャーマンらしい。私の意志が強ければ、こいつは私に従ってくれる。思い通りに動いて私の目や手足になってくれる。お願い、必要な資料を探すのを手伝って。



 無知と称される小さな島に身体(み)を置く事は簡単だった。恐怖と呼ばれるものと無縁で在れば人間、ただ無邪気にも暴力的を育めていたのだろう。可視の刺激(いた)みで世界が作られたならば、嗚呼、こんなにも弱々しい脳はなかったのだ――寒気が腕(かいな)を模って、頭蓋の内を掻き乱してくる――憂鬱が呼び戻したのは嘔気に違いなく、架空の誰かさんが精神(シナプス)を無理に揃えてきた。愈々煌めいたスイーツの泥濘(どろ)溜まり、助けてくださいとも散らかせない。
 大丈夫。そう、大丈夫だ。いつまでも鴉(とり)に怯えていては『最早ない』を反芻する程度(なかば)だ。私だって強くなれれば、きっとまたゆっくり眠れるようになる――瞬きした瞬間に嫌な気配、これは虚だと資料の山に踏み入れた――這い回るのは狂気なのか理性なのか、不登校(おまえ)の頭(おつむ)がひどく軋んでいる。
 憑かれた所以は未だ事件(げ)せないが、少なくとも『支配』しなければいけないと『埒外(こころ)』が警鐘(つ)げていた。意思・意志を確(しっか)りと抱けば手足を伸ばして『繰れる』だろう。お願い――縋っているのか引っ張っているのか、傍らから覗き込めば邪神(ひと)、滑稽だと嘲るのだ。
 眷属(それ)の鎖が戸口(ページ)を破り取れば明白、オマエのような人間(もの)にこそ都市伝説(このはなし)は相応しい。無口だなんて勿体ない設定(こと)を言うなよ、と、おしゃべりな君が肩に乗っかった。
 嘘よ――そんな友達(フレンド)は知らなかった。
 そんな想像(フレンド)は知りたくなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

虻須・志郎
電子化されてない資料を漁る憂鬱な仕事?
何を仰います先生
時代は電書化ですヨ猟書家じゃねえぞ

まずハッキングして地形の利用
マップを作成してから眷属を解き放ち情報収集
場所、資料、双方同時に攻めて落とすぜ
場所は眷属が這いずり回れば粗方見渡せるだろうよ
併せて紙の資料とやらを集めさせ
俺のタランチュラで裁断し
マッドネスで記録してインセインでAIを使い情報を纏める
この場所が祭壇だろうがバッサリだ
ね、簡単でしょう?

狂気も呪詛も激痛も多少は耐えられる
負荷全開にして捨て身の情報戦だ
偶には殴るだけが能じゃねえ
サイボーグらしさってのを見せてやるよ
……AIの方がな

さぁて何が出てくるやら
ま、件の戦争終結時から覚悟はしていたさ



 時代遅れもいい加減にしてくれないか。紅に染まるような機械(のう)の中、星辰(ネット・ワーク)を蔑ろにするのは愚(ばか)げた行為だ。電子化されていない憂鬱な仕事? 何を仰います――ハード・カバーに狂喜(さくらん)するのは猟書家(オブリビオン)連中で十分だ、背骨には線(コード)を入れ混んで往け。たとえば真っ暗闇の地下世界、蝋燭で探索(む)かうのは異端世界(せかいかん)を考えるべきだ。接続(ハッキング)――作るべきは地図(マップ)だ。端から端までも猟兵(おまえ)の棲家(す)だと教えてやれ。ポケットを叩けば煎餅が割れる、その程度の気軽さだ。情報も三下(てき)も蹂躙(ねぶ)り啜れば好い、放たれた眷属(くも)がおどる。
 身投げにも似た蒐集癖(くせ)は止められなかった。病み憑きとでも謂うべきか執着性、その蠢動から逃れる術(ユーベルコード)はない――タランチュラは素揚げにすると美味いぞ? なんの話かと不要な束を選択(裁)ち去った――祭壇だろうが何だろうが『簡単』な作業だ。サイボーグらしさを晒して往け。
 殴るだけが能じゃねえ――積み上げた『経験』の数が違うのだと友達(Null)に伝えるのだ――待て。何か『いと』に引っ掛かった。多少の混濁(にご)りでは猟兵(おまえ)は狂えないだろう。何が出てくるやら……。

 番号があるよ。番号があるね。
 ノンブルがあるだなんて羨ましい。

 マッドネスが『正しさ』を定めていく。詰め込まれた設定(キャラクター)どもが、組み混まれた友達(フレンド)どもが、歪な想像力に囚われている。成程、つまりは架空(Null)というワケだ。AI(め)が真贋を認めていた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『おぞましき異形の群れ』

POW   :    わかってください、わかって?
【醜い異形の姿】【狂気的思考】【奇怪な言動】を披露した指定の全対象に【恐怖】【嫌悪】【忌避】に基づく【敵対】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
SPD   :    みとめてください、みとめて?
【自分達を否定されると、暴走状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
WIZ   :    こたえてください、こたえて?
対象への質問と共に、【対象の周囲のあちこち】から【おぞましき異形の群れ】を召喚する。満足な答えを得るまで、おぞましき異形の群れは対象を【話し相手にする】が、限界に達すると【全力】で攻撃する。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ランダム作成が絶叫し、架空(イマジナリー)どもが肉(なみだ)をこぼした。設定(キャラクター)は塵箱(どこか)に放置され、ただ『要らない』と告げられている。どうして。なんで。わかってくれないの。わかっていたのは、わたしたちだけだったの――失敗作の感情(マイナス)がこたえを求めて群がってくる。暴れ狂う脳味噌(のうりょくち)は誰が吐き堕した痰(もの)と謂うのか。
 イマジナリー・フレンドが君を抱いている。
 イマジナリー・フレンドが君を愛している。
 イマジナリー・フレンドは君に創造された。

 プレイヤー・キャラクターにはなれなかった。
アト・タウィル
ふふ……
失礼、思わず笑ってしまいました
なかなか、本質を突いた姿をしていますね
であれば、私もその様にしましょうか

話をしたいのであれば、ご自由に
私も気になる事がありますからね
そう、あなたたちのことですよ
あなたは、何者なのか……それが私の一番の関心です
あなたたちの姿は、あなたたちを現しているのでしょう……どこかの誰かになりたかった、あなたたちは
ふふ……そうは言っても届かないでしょう、あなたたちの心には
であるならば……少しの対話を続けましょうか

あなたたちのように、私の姿をとるものがいます
今から呼び出しましょう……さぁ、いらっしゃい
いつものように現れましたね
では……あれらを倒すまで支援をお願いしますね



 設定(なかみ)は咀嚼すれば咀嚼(す)るほどに味わい深いもので、誰にでも理解出来るほど『単純』ではなかったのだ。惰性で噴き垂らした『無音』どもの吐息はおそらく馥郁(あま)い類だったに違いない。ふふ――真っ黒い護謨質(うず)にでも囚われたかのような微笑みだ、それが異形(かれら)を怒らせるとは思えない――失礼、思わず嘲(わら)ってしまいました。最初に舐るべきは『自ら』だろうかと猟兵(おまえ)、じくじくとつついた柘榴(にく)が腐敗していく。なかなか、本質を抉った姿をしていますね。ならば相応な貌(かたち)で問答を成せなばならない。夜鷹(ぬすっと)が魂を睨め憑けるが如く、嗚呼、変わる々わると玉座が映える。
 話をしたいのであればご自由に。再構築(つく)り厭げた声帯(のど)が、ぶくぶくと音(あわ)を遊ばせている。こたえてほしい。こたえたい。その反芻(くりかえし)がおぞましさと脆弱性を表現している――あなたは何者なのか――好奇心は猫(ひと)を殺すと謂うが、果たして人形は『息の根』を持つと証(い)うのか。あなたたちの姿は、あなたたちを表しているのでしょう。何処かの誰かに変貌(な)れやしない。記憶にも記録にも埋(うず)もれた、早贄の末路。
 少しの対話を続けましょうか――心には届かない。電気信号は半端に切れて、ただ無価値な全知全能を吼え堕(た)ける。窓を開けて戸を開けて、流水を涸らせば『簡単』な事「いらっしゃい」手招けば彼方側からのオマエどもだ。いつもと変わりのない貢物、騒々しさが脳髄を濯いでいる……気になって気になって仕方がない、その肉片は架空(Null)だと如何してダメなのか。

 あれらを倒すまで支援をお願いしますね。
 下劣だと示したのは人間だ。呪われたのは人間だ。
 そうやって『聞いた』のが人間だ。

 ひどく単調な柳の揺れ具合、あの子(キャラクター)になりたかったと魚面が塩水を吐いた。チョウチンアンコウの失敗作だ、吊るして捌くにも肉がない。コラーゲンたっぷりに罰(ばち)を打(や)れ、彼等は障り過ぎた。

成功 🔵​🔵​🔴​

露木・鬼燈
制作途中で放棄。
よくあることだよね。
それで情報が欠損してるから…
見た目にも表れているわけかな?
これも人の業…なわけないよね。
所詮情報から再現されたUDC。
気にせずぶちのめせばいいのです。
とは言え見ているだけで不安定になるフォルム。
拳をぶち込むのもなんかイヤ。
とゆーかまともな戦闘になるかどうか怪しい。
まぁ、まともな判断力があるか怪しい敵だし?
<禍祓>で結界を展開してるだけで大丈夫な気がしない?
攻性防御結界に押し寄せて勝手に滅ぶ。
あると思います!
なので敵の行動も言動も無視して結界内に引きこもる。
音を遮断し結界内で瞑想。
これで僕の精神も安定するからへーきへーき。



 文字化けどもに奇怪な付属品だ、これを解体(バラ)す事に躊躇など要らない。人の業と呼ぶべきか肉の欲と記すべきか、只管に連ねられた設定欄(シート)の束。外見すらも描かれてはいない――内臓(うちがわ)の造り方も真面ではなかったのだ、故に君達ではどうしようもない架空(Null)だろう――制作途中での放棄。ERRORを吐き散らかした機械仕掛けは文面通りにも成されず、異形(いびつ)と表される他に知れない。よくあることだよね。総ては人間が処理しきれなかった贖罪のあまりもの……いいや。そんな結果(おはなし)は在り得ないのだ。所詮は尽く『情報から再現された』怪物の集合体。足掻いても藻掻いても無辜と『つく』真は打たれない。キーボード曰く、このような戯言には付き合っていられない。気にせずぶちのめせばいいのです。
 ※と■を融合させた、おぞましい言辞(ワード)がマヨネーズを晒している。覗けば覗き込むほどに膨れ上がる嫌悪感、たとえば、サンドバッグに生臭さを塗り込んだ気分だろうか。拳をぶち込むのもなんかイヤ――何よりも。まともな戦闘で『どうにか』なるとも思えない。彼等・彼女等とは絶対に「わかりあえない」と傾斜する脳漿が囁いたのだ。チリ紙で塞ぐのが最善だろう。
 何度も散り罵めた鳴き声が、愈々『動きたくない』無意識を孕ませた。展開した結界(らちがい)に籠める想いは「飛んで火にいる夏の虫」か。押し寄せた過去(オブリビオン)が勝手に滅ぶ、そんな『すくいよう』も在るのだろうか。全くの言動(それら)を無碍にして引きこもる。双眸(むかで)の餌にもならないのだ。
 僕の精神も安定するからへーきへーき。遮断された此方側、最早『つけいる』隙間もない。壁の中から永久、肉団子は出られないのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

虻須・志郎
ああ、そうかい
解析結果からそれらが“**た可能性”である事を認識した上で
彼彼女らの話し相手になってやる

何が聞きたい?
どうして生まれたか?
どうやって形を成した?
そんなモン……どうだろうなあ
俺もお前らみたいになってたかもしれないな、確かに
ああ、そんな顔をするなよ
分かってるさ、なあ

ほら、鏡を見て見ろ
お前らだってそんなんじゃあ無い。だろう?
だってよ、そうしてここに立っている時点で
お前達は生まれたって事じゃないか
人間としてな。違うか?

時折思う事がある
この贈り物は本当は刃なんかじゃ無くて
呪いを解く光なのだろうかって
世界すら書き換える奇跡ならば
アレも救って見せろよ、なあ



違うんだったら……残念だな



ここが終いだ



 随分と長い事、嗚呼、永い事、貴様等は埃被った『書斎』で蔓延っていたのだ。それを進化と称するのか退化と称するのか、何方かと問うのは酷な現(こと)だろう。名状し難いと形容し難いが蔓延する中で失敗作(にく)の塊嘆(いわ)く、こたえてくれないと暮れる日々も来ないだろうか。ああ、そうかい――狂気を解析(ひもと)くなんて正気の沙汰ではないだろうが、そんな偏見に身を浸す事は止めてしまえ。しっかりと眼前の生物(なまもの)を認識するのだ。彼等・彼女等の話し相手を成すならばまず『あらため』るべきで、ほら、観察すれば観察するほど『十人十色』が理解出来てくる。**た可能性――枝の分かれた、元気いっぱいな木々じみていた。どうしても、間引く他にない――何が聞きたい? 生きている所以。形がある所以。この質問(はてな)に貌(オマエ)を向けられる所以。どうだろうなあ……。
 思えば・想えば、自分が『こうなっていた』可能性を嘲るほど莫迦ではなかった。紙一重の地獄の中で『活かされた』のは誰かの娯楽の所為でも在り、それが現に『すくい』で在ったのに変わりはない。ああ、そんな顔をするなよ。蒼白ではないか鏡の中の『アンタ』、世界がひどく罅割れている。

 分かってるさ、なあ。
 ――お前らだってそんなんじゃあない。
 だろう――山羊面の悪夢が死んでいた。

 生まれた証が此処に存在する。書かれた証が此処に存在する。たとえ『紙に写されなくとも』友達(フレンド)だった事に嘘は無いのだ。人間が想った人間としてな。違うか? 刃に晒された断面が時折の光(こころ)を顕現(あらわ)して魅せる――贈り物の底が底、溜まり場には浄化の泉(みず)がある――世界すら書き換える奇跡ならば、アレも救ってみせろよ。冒涜とは時に『真実を報せる』鐘と成り得る、なあ――夢幻は遂に至り、もう、手遅れすらも『ない』と謳う。
 残念だな――何もかもが違っていた。最初から『ひと』としては造られていなかった。適応できない肉質が、ぼろぼろと骸の海へ流れていく。ここが終いだ。混じり合ったインクがジュースの真似事、苦味と酸味のグラスにカラリ。
 コーヒーが毒物だと何故わからない。

成功 🔵​🔵​🔴​

五十野・組子
おしゃべりな何か達に質問されながら、おたおたと目を游がせて口ごもる。何を言ってもどうせ分かって貰えないのは私の方だ。家族や友達も信じてくれなかった、UDC組織も、信じてはくれたけど理解してはくれない。私を被害者ってテンプレートに押し込まないで。
元凶の資料を睨み付ける。世界を歪めるのがあなた達の望みなら、叶えてあげる。
魔眼の視線で現実を浸食する。資料の文字、無機物のインクが浮かび上がり、内側に牙の生えた無数の鉄の環に変化、繋がり連なり鎖になる。
異形の群れに巻き付き捕食。ガチガチと牙を鳴らして食い荒らし、喰われた肉は環の中に消えていく。
全て喰い尽くしたら忘れてしまおう。どうせ誰も信じてくれない。



 人間も怪物も皮膚(ごむ)を剥がしてしまえば本質、映り込む奇怪さは同じような心臓(もの)だ。物珍しさに群がる姿は蛆虫じみた輪郭(かたち)で、その美貌(つら)は無貌(カオス)よりもおぞましい。おしゃべりな肉の塊が一個々々、無数に開けた口から暴力(しつもん)を投げ掛ける――何を言ってもわかって貰えないのは私の方だ――位置を失った眼球がぐるぐると愉快さを求めている。絡まった舌は解け方を殺され、無意識に息を止めていた。ああ、家族や友達も信じてくれなかった。UDC組織も、信じてはくれたが理解してはくれない――誰が『磔にされた蝶々』なのだろうか。無理に広がった翅は破れ、のりづけの醜悪さを受け入れている……テンプレートに押し込まないで。架空の被害者(イマジナリー・フレンド)が触手(て)招きした。もう、言葉の欠片も認識(わか)らない――睨み付けたのは資料集、ご丁寧にも紙束(シート)だった。世界を歪めるのが望みだと謂うのなら、叶えてあげよう魔女の柘榴(かじつ)。無機物(インク)が滴って示したのは何行目か?
 全てを喰い尽くしたら忘れてしまえばいい。総てを啜り尽くしたら消してしまえばいい。現実には消しゴムと称される、とても便利な文房具(くさり)が存在するのだ。描写するならば巨大な蛆虫(ワーム)、インクをこぼした口腔だ。巻き付く姿は嫉妬と悲哀の連鎖とも視え、嗚々、失敗作が環(くち)に呑まれる。
 ギチ。ギチギチ。ギチギチギチ――どうせ誰も信じてくれない――自室へと引き摺り込んだ栄養素(たんぱく)が、頷いたとしても幻覚でしかない。繋がり列なし胃袋を模せば『心を通わせたこと』になる。鎖れ、カマキリに齧られた方がマシだ。
 言葉を交わす咽喉も潰れている。

成功 🔵​🔵​🔴​

風見・ケイ(サポート)
風見慧、探偵です
なんて格好つけてみましたが、物語の名探偵とはほど遠く
時間をかけて観察すれば、私でも真実は見えるでしょうが
依頼の多くは素行調査や人探しに……猫探し
ということで、私は主に調査担当
元警察官の経験や伝手を活かしての『情報収集・失せ物探し・追跡』などはお任せください
今は猟兵ですから、少しくらいなら法よりお仕事優先です

私も鍛えてはいるものの、身体能力は常人の域を出ず
武力担当の二人(螢や荊)にならない限り、狙撃や怪力等は使えません
『拳銃』での『援護射撃』や一般人の『救助活動』によるサポート
緊急時は、ライターの火や煙草の煙の巨大化による牽制や攪乱
……無理して、他人の前で右腕を露出したくないので



 星屑(イマジナリー・フレンド)の戯言――つきあってくれない――に、見出したのは全くが爆ぜる音だった。いつしかの星辰(シナプス)にパン粉をまぶして、卵黄掻き混ぜたらタまった事柄(もの)ではない。胃液(ジュース)を飲み干しても『この認識』、押し寄せる独り善がりが鬱陶しくて仕方がない――腕を伸ばした肢を伸ばした、嘘偽りを設定(の)ばしていく――黙る事も勤めの内だとNPC(できそこない)に伝授してしまえ、塵と化した流星群(あくむ)が肉を膨らませている……暴力的に進めよバーベキュー・ソース、その内容量は頁数(たば)に相応だろうか?
 付属品(ソースブック)と侮るなかれ、三人手を繋げば明々な事実、肺胞(あわ)ふけば誰が儲かると謂うのか――つまみ掲げた境界線上(ポケット)の中身、どうか酸欠(くら)んで暮れないか――紅にこぼれた失敗作(ごみばこ)の列挙、四角いものを長押ししてくれ――妄々、灰色の包み紙が嘲笑って魅せた。
 はねた。はねた。何がはねた。戯れに触れたならば本物の貌(かお)の並びだ。つまった咽喉(みち)は副流煙(がいあく)の所為で、否定ではなく見ないだけ。いっそ『異形でマシ』だろうか。殺し合う仲でしょう、※※さん。
 むせこんだ肉塊(かのじょ)は腕(みぎ)肥えていた。
 ――月、その踏み心地、綺麗とは思えない。

成功 🔵​🔵​🔴​

筒石・トオル(サポート)
「邪魔をしないでくれるかな」
「油断大敵ってね」
「ここは任せて」
正面切って戦うよりも、敵の動きを封じたり、属性防御を固めて盾や囮となったり、味方が倒し切れなかった敵にトドメを刺して確実に倒すなど、味方の安全性を高めるように動く。
ユーベルコード使用はお任せ。
使用しない場合は、熱線銃での援護射撃を主に行う。
人見知りではあるが人嫌いではないし、味方が傷付くのは凄く嫌。
戦うのも本当は好きではないが、誰かを守る為には戦う。
もふもふに弱い。敵がもふもふだと気が緩みがちになるが、仕事はきちんと行う……ホントだよ?



 硝子細工じみて双眸(くろ)く、架空(Null)の存在が脳髄に突き刺さった。果たして『これ』は本当に『僕・俺』なのだろうか。果たして『これ』は真実『俺・僕』なのだろうか。ぐるぐると融合(と)けた皺くちゃが、ぐちゃぐちゃと穴あき異形(チーズ)につつかれている。邪魔をしないでくれるかな――眼鏡(いちまい)重ねた現実・幻想を観察(なが)めて、逃した数体(オブリビオン)を定めていく。僕は彼等・彼女等を『認められない』――人としての当たり前、登場人物としての当たり前、役割(プレイヤー・キャラクター)としての当たり前――遊戯(ゲーム)に這入り込んだ蟲(バグ)を焼却(や)くべきだ、聞こえてくるZAPどものかごめかごめ。
 人間(いぶつ)の歯(えもの)ががばりと開けば、其処に向けた銃口(くち)がおどる。近付くな。こっちにくるな。気持ちが悪くてたまらない……想像力(おもい)に触手を突っ込まれ、ぶちゅぶちゅと手繰られる嫌な汗(もの)だ……斃す事に躊躇いはない、失敗作(それら)は零距離で死に絶える。
 誰かを守る為ならば漿液塗れになるのも構わない。とび散った文字(くず)を身に浴びて、仰いだ先には試練(そら)だろうか。金色(いろ)が頭蓋(ふた)に塗り混まれた――自分側のみ映えている、目立たない二面性。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『No-FADCE9『微睡む淡紅』』

POW   :    DreamEater:心が辛くても立ち上がれる?
自身の【周りに居る人の夢や希望等、心のエネルギー】を代償に、1〜12体の【吸った力に応じた概念を纏う見覚えある生物】を召喚する。戦闘力は高いが、召喚数に応じた量の代償が必要。
SPD   :    Nightmare:絶望が目の前でも前に進める?
自身が装備する【『夢想』の魔導書を通じ、その概念を纏って】から【夢想の魔力帯びた煙や、咲き乱れる花の花弁】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【貴方の絶望の概念が実体を伴って現出する類】の状態異常を与える。
WIZ   :    SleepingWorld:限界が来ても抗える?
【自分以外へ心体問わず傷負う毎に眠くなる術】を降らせる事で、戦場全体が【眠ると必ずダメージを負ってしまう夢想世界】と同じ環境に変化する。[眠ると必ずダメージを負ってしまう夢想世界]に適応した者の行動成功率が上昇する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は兎乃・零時です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 夢想――魔導書(ほん)を開けば、愛らしい試練(もの)が写される。希望(ゆめ)の力を吸い取れば、現れたのは概念(イマジナリー・フレンド)に違いない。絶望(ゆめ)の力を顕現(つか)ったならば概念(プレイヤー・キャラクター)苛んでいく。何方も掴めないと言うならば、ふわふわ、オマエは枕元の淡紅(いろ)を知るだろう。私は誰かで誰かは誰でもない、つまりはあの子になりたいの――どうして非情になれるのか、応えてくれないか猟兵(オマエ)ども。お友達になりませんか。
 脳味噌(あたま)の重さは拭われた、かるくてかるくて浮かんでいる。鉛はいつの間にか豆腐じみて、ただボロボロと崩れていく――ずきずきと痛んだが何も問題はない、何故かって其処は『想像地獄』なのだから。

 No-FADCE9――UDC-Nullが栞をとった。
「――忘れないで」
五十野・組子
邪神と眼を合わせて私は魔女になった。欲望具現術、使わせて貰うね。さぁ、あなたの望みはなに?
【猿の目】を使う。現実世界がふくらんで異なる現実で上書き、夢想や想像の世界を塗り潰す。現は夢、夜の夢こそ真実。本当にそうだったら良かったのにね。結局、夢は現実には敵わない。全ては現実だから恐ろしいの。
あの子になりたい。だったらならせてあげる。その代わり、あなたはいなくなる。頭の中身は自分でいたい?だってそれじゃあなたはあなたのままだもの。
自分自身を否定する子の欲望を叶えようとすればこうなるしかないの。膨れた欲望が現実となって彼女を【捕食】する。
猿の手みたいに三つの願いは叶えられない。取り消しは出来ないよ。



 具現化された脳味噌の中身は、きらきらと夜空(せかい)を覆い尽くし、ひどい眼球(かい)合わせを咀嚼させる。味わい深い現実と幻想の狭間がグミの真似事、ことことと煮込まれたザクロ・ジャムは失敗作(せかい)での出来事だったのか――邪神と視線(め)を遭わせた結果が魔女(これ)だ、最早普通に死ぬ術はなく、戯れに人と手を繋ぐ他に無い――欲望具現術(らちがい)を揮わなければ発狂(くる)うのは此方側なのだ。傷を負う前に『うしろ』を向いて知るが好い。さぁ、あなたの望みはなに……木乃伊の腕(かいな)に縋りつく事は簡単だろうが、伸ばした指先は『め』に触れるしかない。リアリティとやらが好まれる所以を魔導書(ページ)に刻み給え――そうとも誰しもが現実(リアル)と称したくないのが運命(サダメ)だ。もう『隙』は殺されている。
 現が夢だと本当に信じているのか。夜に蔓延る曖昧(もや)が真実だと本当に想っているのか。正体を表した怪物に行き場など存在せず、ただ人間道が茫々としていく――結局、夢は現実には敵わない。全ては現実だから恐ろしいの――説得力(エネルギー)を孕んだ引き籠もりの言辞(ことば)、人災が嘲っている。
 あの子になりたい。だったらならせてあげる。禁断の果実の色は何だって構わないのだ、齧り方を判断出来たならば毒素の蜜壺、魔性が掴んだ時点で『終い』だろう。その代わり――あなたはいなくなる。頭の中身は設定の儘で? なんて我儘なキャラクターだろうか、それじゃあなたはあなたのままだもの。

 満足に演技(ロールプレイ)も出来ないのか。
 膨張した欲望(けもの)が彼女(あなた)を舐った。

 願い事が三つも在るだなんて、全く欲張りな化け物だと思わないか。自分自身を否定する子の脳(おつむ)を解すには『これ』しかない。何よりもオマエが証人(あかし)なのだ。井戸に飛び込んだ色彩の種、太陽の姿に眩んでいた。
 忘れないで――心の底から喰われている。

成功 🔵​🔵​🔴​

バースト・エラー
イマジナリーだのプレイヤーだの
そんなに第四の壁を突き破りたいなら手伝ってやるニャ
お代はお前の生命ニャ

モルセデス最大戦速、ギアをトップに全速前進
プイプイうるさいニャ
黙って走れ
ニトロを注入し絶頂デッドヒート

夢だの希望だの概念だの……相手が悪かったニャ
ミャアこそが宇宙ニャ
ミャアは人じゃなくて概念
心などとうに混沌ミャ
気分次第で如何様にも染まる者
そしてモルセデスは心無き殺戮マシン
――なんか抗議の鳴き声が聞こえる気がするけど気のせいニャ
V12エンジンの爆音で(悲鳴を)掻き消して
 奴 を 轢 き 殺 す ! ! ! !

悪いけど此処は第六の猟兵の戦場
夢喰いも悪夢もお呼びじゃ無いわ
絶望はとうに喰い飽きたの、ニャ



 手と尾を違えて上下左右、遊ばせて観察(み)たならば上位存在(だれか)さんの面、見飽きて聞き飽きて言い飽きたら問題ないが、この反芻は蛇足ではないだろうか。イマジナリー・フレンドとプレイヤー・キャラクターの行進が乱れた場合は第四の壁、如何様にして突き破るのだと猫が鳴いた。そうとも此処には『猫が存在している』のだ。ニャにニャに? 心が辛くても立ち上がれるのか? 塑の蟲(バグ)を貪り尽くすのは簡単な事だ、お代はお前の生命(いのち)に決まっている。迷走するよりも直線状をブッ奔れ――モルセデス全速前進(フル・スロットル)、このまま異世界(さんじげん)に飛ばしてやるニャア――プイプイ、プイプイ、もしやクラクションの鳴き真似とでも言うのか。真っ黒いもふもふ曰く、四輪(おあし)がうまく運ばない。
 黙って走れ――注入した混沌(ニトロ)が咆哮し、方向転換など糞くらえと「プイ」ふいた。夢だの希望だの概念だの……嗚呼、眼窩に広がる『虚』は何だろうか。文字(いんく)が隅から漏れそうでたまらない――ミャアこそが宇宙ニャ、ミャアは人じゃなくて概念(バーチャル・キャラクター)。心などとうに混沌ニャ……結局『おんなじ』事じゃないの……心無き殺戮マシン、おお、マシン。

 なんか抗議の鳴き声が聞こえる気がするけど気のせいニャ。
 ――悲m(ぷi……GOOOOOUOOON!!!
 爆音(V12エンジン)! 激突せよ激突せよ!
 奴 を 轢 き 殺 し た ! ! !

 夢喰いも影(あくむ)もお呼びじゃ無いわ。第六猟兵万歳!!! ぶち取れたハンドルを振り回してサヨナラだ、絶望はとうに喰い飽きたの……ニャ。
 気分次第で如何様にも、染まったアバター箱にない猫。

成功 🔵​🔵​🔴​

アト・タウィル
あなた達は、唯一にしてただ一つの人になりたかった、と
しかし、形を取ることはできました、と
おめでとうございます……そして、さようなら

人であるなら、人として生き、人として死ぬべきです
そうしてあなたが死ぬのは、物語の結末として……それが悲劇か喜劇か、またそれ以外でも語り継がれれば、あなたは生き続けられます
ならばそのように、死に様を見せてください
私は物語のためならば、いくらでも悪になりますよ
ほら……私のフルートに併せて、古代の戦士の霊が現れます
さぁ、抗ってください
命の限り、戦ってください
私を眠らせれば、勝てるかもしれません

……残念でした
私の体はゼンマイ仕掛けです……意識が落ちても止まりませんよ



 命の在る限り背伸びしたいのだ。

 失敗作(にくづけ)を無限(つけたし)た結果が魔導書(かみたば)だと謂うならば、この願望器(うつわ)は成功に等しいだろう。唯一にしてただ一つの人(もの)に一歩一歩、近付いていけば完璧な肉(もの)で、塑は反転(てん)じて舞台上へ……拍手喝采(おめでとうございます)を告げたのはオマエ一体(ひとり)……そして、さようなら。別れの挨拶も手早く済ませ、さあ、そろそろ焚書(や)く時間だと心臓部(うそつき)が鼓動(たた)かれた――人であるなら人として生き人として死ぬべきです。猟犬(とき)が牙を剥いたならば絶えるしか『法』はない。たとえ『神々』だとしても乱打(スカール)の停滞には逆らえない――物語の結末だ。それが悲劇か喜劇か、またそれ以外か。兎も角、他者の脳に残れば『永久』継がれていく。そのように「死に様をみせてください」……最高傑作を綴るまでオマエこそが邪悪で在ろうか。過去と現在と未来の【あなた】が視える。
 魔笛(フルート)に併せて捻(ね)じり狂った戦場の花、抗え抗えと槍衾(ほのお)が荒れ往けば『かみ』に意味など失(な)い。これでは真逆じゃないかと傾げた架空(Null)、おかしい、選択したのは『あなた』でしょう。満ち満ちた睡魔のゆれ、しかし悪夢は終わらない――だから。最初から人形劇は嫌だったのだ。
 私の体はゼンマイ仕掛けです。

 蠢眩(うずま)いた暗黒、どうして落ちたと思ったのか。
 これから『あなた』を楽しみたいのに。
 燃える、燃える、栞(ほし)が尽きる。

大成功 🔵​🔵​🔵​

露木・鬼燈
実体を持ったプレイヤー・キャラクター。
それとお友達ねー。
イマジナリー・フレンドですって?
僕は年齢的にそーゆーのは卒業しているので。
目の前にいるのはただのオブリビオンなんだよなー。
うん、君と猟兵は友達にはなれないんだよね。
強敵と書いて~ぐらいはいけるかもだけどね。
まぁ、そんなのはどーでもいいか。
猟兵らしく骸の海に沈めよう。
希望も絶望も沈めてしまえば同じもの。
不確かなものを<斬祓>って捨ててしまおう。
戦いの場に必要なのは確かな現実。
ふわふわな希望や絶望では足元が不確かになるからね。
斬祓った手応えだけは確かなもの。
だったら迷う必要なんてないよね。



 架空(Null)色の絵筆を揮う腕(かいな)は、莫迦みたいに頁を汚していた。紙束(シート)に刻まれた設定の数々はデータの荒波(そこ)へと溶け込んで、嗚呼、混沌とした頭(おつむ)に囚われるのだろう。実態を持ったプレイヤー・キャラクターどもが泣きじゃくり、意思疎通を求めて触手(いんく)を孕む――それとお友達(イマジナリー・フレンド)、埒外の傍らには子供の頃『雑に描いた』人型が微笑んでいる――そーゆーのは卒業しているので。悪鬼羅刹(おとこのこ)の年齢を考えれば当たり前だ、忘れたくなくても忘れてしまう。終いには目の前の過去(オブリビオン)、何が『起きた』としても夢想(うたかた)の欠片。「君と猟兵は友達になれないんだよね」……所有者(もちぬし)は現状『見つからない』べきだ。強敵と書いてトモと呼ぶ? 否々、それにしては可愛(ヒロイン)が過ぎる。そんな事は如何でもいい。
 猟兵(おまえ)らしく超越性(えもの)を掲げろ、骸の海に還して別れれば万々歳(ハッピーエンド)だ。希望も絶望も『現れる』事を赦されない、魔性(いぶつ)は刃(破)に晒されて収束(終息)に鎖される――不確かなものは斬祓って捨ててしまおう――戦場に蔓延るのは現実だけだ、雲の上の夢魔はお呼びじゃない。不可視の斬撃(きば)が液体を啜っていく。
 足下が迷子に陥(な)ってたまらない、早々に『縁切って』サヨナラだ。絡まった糸を殺すのに躊躇いをみせると思ったのか……蟲毒に孤独に焚(も)えてくれ。大百足が最後の餌食(エサ)を――忘却(のど)が潤った。
 溺れて沈めば同じもの。

成功 🔵​🔵​🔴​

虻須・志郎
アンタが何者だろうと、ここは居ていい場所じゃねえぜ
能力全開放――悪夢は仕舞いだ
毒も呪詛も痛みも多少なら耐えられる
内蔵無限紡績兵装で投網を形成し奴を捕縛
『夢想』の魔導書を略奪しハッキング――制御する
ついでに途中までオレの視た絶望をくれてやる
テメェに耐えられるかな?

それは漆黒
虚無が支配する宇宙の黒
それは深淵
精神が侵される狂気の闇
そんな世界で生まれたかったかい?

何者でも無いという概念なら
何者にだって成れた筈
用意されたモンじゃねえ
テメェでそうなるんだよ
それすら止められたというならば……
最初からそういう設定なのさ
アンタはアンタでしかないんだ

幕を下ろそう
捨て身で奴をブン殴る
大丈夫、ちゃんとセーブしたからさ



 激突――果たして鳴声(カオス)は滓でも残るのか――して久しくも無間地獄の底無し、ただ無意識に『右上を長押ししていた』のだ。旧きを破棄して新しきを造れば好い。失敗作を無視して完璧を創れば好い。劫欲に弄られた結果がこの貌(ざま)だ、オマエ達に何が理解出来る……アンタが何者だろうと『ここ』は居ていい場所じゃねぇぜ。突き付けられた『ごみだめ』への一言、ズタボロの頁(シート)が汚物を拭っていた――悉くを解放(ひら)いたら覚悟(おもい)の塊、たとえ世界(ろくばんめ)が地獄だとしても、悪夢だとしても『閉幕』するのだ。悪夢(ドリーム・ランド)は仕舞いだと塔(くず)れて往く。天高く眩(ま)った怪鳥曰く、子供肉が美味でたまらない――煙(怨)と花(毒)が視界を塞いだとしても『多少』程度だ、この痛みは香辛料(スパイス)と見做す事も難しい……超自然(コズミック・ホラー)に轟けよ蜘蛛のいと、もう『奪われてしまって』は膝折れる他にない。
 略奪されたのは彼女の『本体』だ。接続(ハッキング)されたのは彼女の『心身』だ。途中まで覗き込んだ絶望の発信(コール)、名状し難くも惹き寄せられた。耐える耐えられないの問題ではない、溺れる、溺れる、これは海でも……。
 漆黒で在れば理解出来た。虚無が『支配』していると誤れば良かった。それは深淵の一言で判断出来れば、嗚呼、素晴らしく幸運だったろう。精神が闇に侵されて往く――そんなに形容(やさしい)ものだったのか? そんな思考で生まれたならばマシだった――何が。何が。何が自分自身だと謂うのか。
 何よりもオマエ自身がオマエだろう。何者にだってなれた筈だ。【用意されたモンじゃねえ】――厭だ。それはダメなのだ。気付きたくな――!

 最初からそういう設定なのさ。
 アンタはアンタでしかないんだ。

 終幕(ブックエンド)だ、冷えた物質が表紙を招いている。かたく握り締めた捨て身(こぶし)が『オブリビオン』の設定(すべて)を喰らう――大丈夫、ちゃんとセーブしたからな――真逆、人の力で自動的(オート)とは奇怪だろう。
 忠実に再現された『あの子』の『欄』だ。
 ――手からこぼれ消えた魔導書(もの)。

 しっかりと宿敵、刻まれている。
 架空(イマジナリー)に意図を。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年06月16日
宿敵 『No-FADCE9『微睡む淡紅』』 を撃破!


挿絵イラスト