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哀れみが欲しいのではないのです

#ダークセイヴァー #地底都市 #第五の貴族

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 弱者は滅び、強者が生き残る。
 それが世の摂理であり、我が信じる絶対の評価である。

 空を知らぬまま生きる人間も、信心を利用され続ける人形も、地の底に縛られる太陽も、全てが道理からなる結果である。

 そこに我が怒りはなく、我が恨みもない。
 大いなる法があるだけだ。

 故に。
 この身が悪逆を成すことすら、我は厭わない。

 だが。
 お前達ならば、どうだ。
 『六番目の猟兵』。


 グリモアベースの一角にて、ガラテア・オートマトン(アスタリスク・f12062)の大きな声が響き渡る。
「Hello、ハロー!ようこそおいで下さいました!今回の依頼はダークセイヴァーは地底都市。そこを支配する『第五の貴族』と呼ばれるオブリビオンの撃破が目的となります!」

 『第五の貴族』とは、忘れられた地底都市にて支配者として隠れ潜みながら「紋章」と呼ばれる寄生虫型オブリビオンを地上の吸血鬼たちにばら撒くことで、影ながらに支配を行ってきたとされる存在だ。
 言わば地上のオブリビオンたちの上位存在。彼らがいる限りダークセイヴァーに真の平和が訪れることは無いだろう。

「地上の吸血鬼たちを遥かに凌ぐ危険な敵ではありますが、少しずつでも倒していかなければこの世界に未来はありません。それで皆さんには、予知で見つかった『第五の貴族』のいる邸宅の一つへと向かってもらい、倒してきて欲しいのです」


「まず、邸宅の周辺には「番犬の紋章」と呼ばれる、強力な紋章を宿したオブリビオンの群れが徘徊しています」
 『番犬の紋章』を宿したオブリビオンは非常に強力だ。一体一体は弱い群れのオブリビオンであろうとも、その全てが「紋章」を宿しているとなると話は別だ。
「まともに戦い続けるのは難しいと思われます。ある程度の数を撃破でき次第、敵が大勢を立て直す前に速やかに『第五の貴族』がいる邸宅中央部に向かってください」
 幸い、群れのオブリビオンは邸宅内部にまでは追ってこないと予知している。倒すことが出来なくとも、中に侵入さえできればそれ以上の戦闘は起こらないだろう。

 そして、とガラテアは一泊置くと、相手にする『第五の貴族』について話し出す。
「邸宅の主はシャマシュと呼ばれる、異端の女神の一柱です。元々は太陽を司る神様だったようですが、今のダークセイヴァーの有様に引っ張られてか、大きく弱体化しているようです」
 とはいえ神は神。それも『第五の貴族』としても君臨している以上、決して弱い敵では無い。

「更にシャマシュは「吸血鬼の紋章」と呼ばれるものを宿しています」
 「吸血鬼の紋章」は宿主に怪力、再生力、肉体の霧化等…およそ吸血鬼が持ちうるであろう殆どの能力を与える効果があるようだ。
「ですが、紋章は同時に吸血鬼の弱点までも再現してしまうようで…そして、シャマシュは太陽の属性を持っています。特別、ユーベルコードを使用している間はその傾向が更に強くなるようです」
 つまり、紋章の力と本人の力は同時に使用は出来ない、ということだ。
 吸血鬼化している間はシャマシュ本来のユーベルコードを使えず、逆にユーベルコードを使用している間は紋章の力を発揮できない。
 仮に同時発動してしまった場合、シャマシュ自身ただで済むことは無いのは確かだろう。

「説明としましては以上となります。色々な意味で謎の多い敵ではありますが…『第五の貴族』として地下世界を不当に支配し、地上世界の暗躍をしていることは確かです!放置できる相手ではありません」
 そう言うと、ガラテアは手のひらのグリモアを広げ、テレポートのためのゲートを作り出す。
「それでは皆さん、どうかご武運を!」


赤黒い
 お久しぶりとなります。赤黒いです。

 今回のシナリオは「『第五の貴族』との戦い」。全編通して敵と戦う戦闘シナリオとなります。ご注意ください。

 本シナリオの目的は「『第五の貴族』の撃破」が目的となっています。

 第一章では集団戦。地下世界の『貴族』の屋敷周辺に、侵入者を警戒するように徘徊しています。彼らを掻い潜って邸宅へと侵入してください。
 「番犬の紋章」の効果は大体、集団敵一体一体をボス戦敵レベルにまで引き上げてる、と本シナリオでは解釈します。

 第二章ではボス戦。『日輪』シャマシュとの戦いです。
 オープニングにて語った「紋章の弱点」を突いた行動を取った場合、プレイングボーナスが付与されます。

 第三章はボス戦となっています。今の所秘密です。

 それでは、よろしくお願い致します。
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第1章 集団戦 『信仰し進軍する人の群れ』

POW   :    人の群れが飲み込み、蹂躙する
【槍を持ち一斉突撃を行うこと】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    全てを焼き払い、踏みつけ進軍する
【持ち帰られた弓から放たれる斉射】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【火矢】で攻撃する。
WIZ   :    守るべき信仰の為に
対象のユーベルコードに対し【集団による防御結界】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 その一群の行進は厳かに、一糸乱れず行われている。
 暗い暗い闇の中、白き群が絶え間なく同じ経路を歩み続ける。

 全ては世のため、人のため。
 いと聖なる主のために。
 …今尚、彼らはそう唱える。

 信仰は続けられている。
 立ち向かう障害も、守るべき対象も、拠り所としていた主さえも、都合のいいように書き換えられて尚。
 最早人でなくなっても尚、粛々と続けられている。
ブラミエ・トゥカーズ
人から堕ちてもその様とは、立派な事であるな
貴公等を貶めるのは余の怨敵共を貶めると同義ゆえな

この地の同胞よ
見るが良い、かつて余を焼き尽くした怨敵共の雄姿を
人の為に人を殺し尽くした《正しき》人の力を

【WIZ】
余は首魁を討ちに征く
足止めは任せるぞ

魔女狩りの騎士団を相対
この世の者ではないので【浄化】属性で攻撃
吸血鬼の眷属に騎士団は容赦しない
相殺されることも織り込み済
足止めと経路作成が主目的
ブラミエは目的地に向かう

敵及び騎士団から時折、偶然か態とか不明の火矢がブラミエに放たれる
逃げる吸血鬼だから仕方ない
敵味方問わず只の矢なら避けない

仲良いな、貴公等

使役下であっても彼等の矜持は変わらない

アドアレ絡歓迎


肆陸・ミサキ
※絡み苦戦ケガアドリブOK

敵の群れを突破して、標的を殺せばいいんだよね
わかりやすくて助かる
巡回経路がマニュアル通りって感じなら、突入しやすいタイミングもあるかもだし、存在がバレてなければそこらへんも観察してから突っ込もうか
しかしまあ……思考放棄の上に自己の正当化って、救いがないよね

UCは突撃の時に
紋章持ちと戦うのはしんどいから、黒剣を斧に変形させて、怪力で振り回しの範囲攻撃と、光熱線の焼却による範囲攻撃で一点突破を狙うよ
捨て身にはなれてるからね、倒せなくても入ることを第一に
他の仲間がいたなら、そちらの突入を援護する意味で引っ掻き回すのもいいかな




「敵の群れを突破して、標的を殺せばいいんだよね。わかりやすくて助かる」
 白の隊列を遠くから眺めながら、肆陸・ミサキ(独りの・f00415)はそう呟く。
 観察をしてみれば、個々の群れの動きは堂々とはしているが、見張りとして見ると単調で読みやすい。
 これならば突入のタイミングも図りやすい、とミサキは思いつく。
 ミサキの目線は遠くへ向けられる。人の群れの向こうには『第五の貴族』がいるだろう屋敷が薄ぼんやりと見えている。

「人から堕ちてもその様とは、立派な事であるな」
 人の群れの様子を指して、ブラミエ・トゥカーズ(《妖怪》ヴァンパイア・f27968)はそう呟いた。
「思考放棄の上に自己の正当化…救いようがないよ」
「何、だからこそ立派だ」

「彼奴等を貶めるのは余の怨敵共を貶めると同義ゆえな」
 言うが早いか、ブラミエが前へ出る。

 この地の同胞よ
 見るが良い、かつて余を焼き尽くした怨敵共の雄姿を
 人の為に人を殺し尽くした《正しき》人の力を

 【歪曲伝承・魔女狩りの灯】
 ブラミエの詠唱と共に現れ出るは正義の騎士団。幾多の魔女を焙り出した信心深き人の群れ。
「余は首魁を討ちに逝く。足止めは任せるぞ」
 召喚者の命を受けて、騎士団は速やかに行動を開始する。


 巡回をしていた白の群れに、雨のように火矢が降り注ぐ。
 吸血鬼の眷属とあって騎士団も容赦はない。始めから全霊を以て、浄化の炎は射掛けられる。

 だが矢は届かない。
 白の群れに張られた防御結界により、その命中を阻まれている。
 火矢は貫きはすれど、結界を破るにまでは至っていない。
 浄化の炎はこの世ならざる者と化した群れに、その者が張る結界に間違いなく特効として機能するだろう。その上で防がれているのだ。

 そうしている間に、白の群れは次の行動に移り始めようとする。
 侵入者の排除、自分たちに攻撃を仕掛ける者への反撃を。
 いざ槍を掲げ、進軍の時――その時だった。

 群れへと向かう、真っ白な影。
 巨大な斧を担ぎ白き灼光を纏うミサキが、群れへと強襲を仕掛ける。
「――フッ!」
 轟音、轟断。速度と怪力を載せた一撃で、火矢によってひび割れていた防御結界ごと薙ぎ払う。
 一歩間違えれば槍に迎撃されていたであろう戦法、けれどもミサキはそれを気にしない。
 間髪入れず、薙ぎ払い吹き飛ばした群れに【白夜】による日輪の光熱線が見舞われる。
 放つ光熱線は直線状を焼き尽くし、同時に屋敷侵入までの路を作り出す。
 今の強襲で群れは一網打尽と出来たが、全体のほんのごく一部。またすぐ他の群れが駆け付けてくるだろう。
 チャンスは作れたと、ミサキは直様に目の前の屋敷にへと走り出す。

 ミサキが走り去った後、少し遅れてブラミエが騎士団を引き連れてやって来る。
 騎士団は物言わず、群れが隊列を成す前に抑えつけブラミエが進むための道を維持する。
「良いな、そのまま事に当たれ」
 群れと騎士団の混戦の最中、ブラミエもまた目的地へと向かっていく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
決まったところしか動かないし入ってこない。
元々だったのか操られてかは知らないけれど、
なんか蟻みたいな連中だねえ。

さて、まずは忍び足で見つからないよう出来るだけ屋敷に近づこう。
見つかって相手が突撃してきたら、【穿伸磔爪】で先頭の何体かを串刺しにして、
串刺しにした爪を柵のように地面に何本も立てて後ろを押しとどめようか。

突撃が止まったらジャンプして相手を飛び越えて屋敷に向かうよ。
噴気孔を使えば飛距離は稼げるし、槍を投げてきたら斧で打ち払って防ごうか。

まあ、命も心も失った連中に何を思ったって意味も無いしね。
さっさと通り抜けてしまおうか。




 また別の場所でも、屋敷へと近づく影が一つ。
 ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)が、息を殺して、身を屈めて、邸宅への道を進んでいく。
 通り過ぎる群れの死角を突いて、物陰から物陰へ。ヘビのように音もなくスルスルと移動する。

 そうして屋敷の目と鼻の先にまで近づいたペト。中にさえ入ってしまえば、もう隠密の必要もなくなる。だが、
「ここまで来たなら通して欲しいものだけれどねえ」
 整列する白の一群。辺りは開け、身を隠せそうな場所も見当たらない。
「まあいいか、さっさと通り抜けてしまおう」
 命も心も失った、例えるなら蟻のような連中に何かを思うこともない。
 気合一丁、活を入れ。
 ペトは物陰より勢いよく飛び出した。


 白の群れがペトに気づくのは早かった。
 「紋章」の強化による賜物か。即座に槍を構え、迎撃の姿勢を取る。

 ペトと群れが激突する。
 本来ならば一方的にやられるだろう場面。けれども、鈍らな心とキマイラの強靭な肉体に物言わせて槍をいなし、ペトは腕を伸ばした。
 【穿伸磔爪(クルシファイ・クロウ)】。直撃した爪が伸び、群れを貫く。
 それだけに留まらず、伸びる爪は勢いを殺さずに地面にまで深く深く突き刺さり、群れの一団を縛り付けた。
「早贄の完成だね」
 跳ね退き、一度距離を取る。「紋章」がある以上致命傷では無いものの、群れの動きは封じ込めれた。
 これ以上相手にする必要もない。後はもう進むだけ。
 悠々と一群を飛び越して、ペトは屋敷内へと向かっていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

土斬・戎兵衛
信仰ねぇ
俺ちゃんが信じるのはお金ちゃんだけさ
それだって別に崇めてはいないしね

ダークセイヴァーの【闇に紛れる】ように隠れ、【暗視】で敵の動きを観察
敵が一人になるところを狙って【早業】の奇襲しようぞ

強力な敵なれば真っ向から打ち合うのは御免こうむりたい
UCで動きを【見切り】、槍や弓矢で狙いにくい近間に入り込み【切断】

宗教は金になるというが、貴殿はその"搾り取られる側"であったようだな

敵を撃破したらあの貫頭衣と覆面を奪い【変装】
観察した敵の動きを模して、さも私も信者の一人ですというフリをすることで、敵軍をやり過ごす

……さあ、邸宅に行こう
貴族なんて言うくらいだし、金目のモノがあったりするかなぁ?




 薄ぼんやりとした地下世界、その中で警戒を続ける白の群れ。

 ふと、群れの内の一人が足を止める。
 物音か何か――何にせよ、立ち止まる程度には気にすべきものを感じたのだろう。
 確認するために、一体が群れから離れた。

 その瞬間、群れから一人が姿を消す。


 暗闇に紛れていた土斬・戎兵衛("刃筋"の十・f12308)が、群れの一人を物陰へと連れ出し、取り押さえる。
 体はすでに群れの一人と密着するほどに近い。
「この距離では槍は振るえないであろう?」

 おもむろに、戎兵衛は刀を振るう。
 首を狙った一撃は、けれども骨を断つまでに至らず、相手の覆面を落とす。
 そこには顔を覆うようにうごめく紋様…すなわち「紋章」があった。

 これこそが敵を強くする原因であり、同時に急所だと悟る土斬。
「宗教は金になるというが、貴殿はその"搾り取られる側"であったようだな」
 迷いなく、刀が突き出される。


 白の群れが巡回する。その動きに変わりはない。
 その中に、白装束を身にまとう人の群れに、戎兵衛はいる。
 先程斬った相手の服装を奪い、自身の機能をフルに使い、一挙手一投足、狂いなく動きを再現する。

「(……さあ、邸宅に行こう。貴族なんて言うくらいだし、金目のモノがあったりするかなぁ?)」
 俗物的な期待を胸に。
 戎兵衛の行進は厳かに、屋敷にへと向かっていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
…この地底世界の門番とは幾度か闘った事があるけれど、
どうやらあの者達ほどの強さは無いみたいね

…それでも強敵であることに違いはない
なるべく消耗を避ける為にも以前と同じく、紋章の弱点を突くとしましょうか

"影精霊装"に魔力を溜め自身を闇に紛れるオーラで防御して覆い、
周囲の第六感に干渉し小石や残像のように存在感を消して気配を遮断しUC発動

右眼を吸血鬼化して敵の魂の波長を暗視し弱点(紋章)の位置を見切りつつ死角から切り込み、
呪詛を纏う大鎌をなぎ払い闇属性攻撃の斬擊波を放つ早業で敵陣の紋章を切断し、
敵が集団戦術を取る前に離脱して屋敷への突入を試みる

…どれだけ巧妙に隠れても無駄よ。私の眼は誤魔化せないもの




「…この地底世界の門番とは幾度か闘った事があるけれど、どうやらあの者達ほどの強さは無いみたいね」
 すでに何度か地下世界での経験があるリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は、「紋章」を持つ敵との戦いを心得ていた。
 それでも強敵であることには違いないと、油断すること無く。
 首に巻く『影精霊装』に魔力を籠めると、リーヴァルディの体が闇に包まれ、そして姿を消した。


 【限定解放・血の赫眼(リミテッド・ブラッドゲイズ)】によって、限定的に完全な吸血鬼と化し、纏う闇と共に進んでいく。
 真紅に染まった彼女の右目は、敵の魂の波長を捉える魔眼に変化しており、人の群れに取り付けられた「紋章」の位置を克明に映し出していた。
 そうなれば、後は一瞬だった。

 暗闇が大鎌を振るい、白の群れを血に染めていく。
 接近を許した群れに抵抗の猶予はなく、仄暗い暗黒によって一団は切り刻まれる。
 吸血鬼狩りの業が、無慈悲に「紋章」を切り裂いた。

 一つの群れを壊滅させたところで、リーヴァルディの瞳は屋敷に向けられる。
「…どれだけ巧妙に隠れても無駄よ。私の眼は誤魔化せないもの」
 魔眼は知らせる。あそこには”吸血鬼”がいるのだと。ならば、吸血鬼狩りが向かわずにどうするのだ。

 気づけば再度、人の群れがリーヴァルディを捉えようと集まってきている。
 奴らの追撃を振り切るためにも、彼女は屋敷にへと急いだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『『日輪』シャマシュ』

POW   :    残り火
【自身の肉体を崩壊させて噴出する炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【周囲を眩く照らす灼熱の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    真実と正義の主
【まるで全てを見通しているかのように】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    日は未だ昇らず
戦闘力のない【壊れた太陽円盤】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【太陽や救いを求める人々の信仰心】によって武器や防具がパワーアップする。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠アウル・トールフォレストです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 屋敷にへの侵入に成功した猟兵達。
 中は驚くほどに静かで、何もない。敵の気配はまだしも、調度品や家具等と言った物も無く、誰かが住んでいるようには感じない。

 そうして奥に進むと、広い空間へと辿り着く。
 道中と同じような空間の中央には玉座が一つ、そしてそこに座る人影が見えるだろう。

 あれこそ、倒すべき『第五の貴族』。
 彼女はあなた達猟兵が来たのを見ると、ゆっくりと、弱々しく立ち上がる。
 痩せた身体はあちこちにヒビが入っており、動くたびにその破片がぽろぽろと溢れていく。
 
 あなた達の様子を全く意に介さず、彼女は短い言葉を発する。
「待っていたぞ、『六番目の猟兵』。我を殺しに来たのだな」
 言うやいないや、彼女の瞳が赤く変化する
 同時に、崩れてボロボロだった彼女の痩躯が、みるみるうちに修復されていく。
 あれが「吸血鬼の紋章」による、吸血鬼化なのだろう。
 強靭な躯体となった彼女は、しっかりとした足取りであなた達の前に立つ。

「ならば示してみせよ。我を殺せる程の力を。生きるに値する強者かどうかを」
 まるで何かを試すかのように。
 『日輪』シャマシュは戦いを仕掛けてくる。
土斬・戎兵衛
貴族の癖にずいぶん質素な家に住んでるねぇ
金目のモノはなさそうだ
なに、ミニマリストなの? おねーさん

吸血鬼の力でやられないように、敵の動きをこの眼で【見切り】、【残像】残す勢いで全力で逃げ回るよ
あえて敵との間に遮蔽物は置かず、遠距離攻撃を誘うことで敵に炎のUCを使わせる

UCが飛んできたら首枷で【盾受け】……熱っ!?
やっぱり穴の空いた板じゃ防御に不便だなぁ

ともあれ、これで覚えたな、『唱い髑髏』!
UC発動、髑髏の腕輪の詠唱で敵の太陽の炎を再現し、それを分渡に纏わせる【武器改造】

太陽の炎をおびた刀……、邇速日命刀とでも名付けようか
太陽【属性攻撃】の斬撃で吸血鬼性をブッ断とう

絡み・アドリブ歓迎




「貴族の癖にずいぶん質素な家に住んでるねぇ。なに、ミニマリストなの?おねーさん」
 目の前のシャマシュに動じること無く、土斬・戎兵衛は軽い調子で相対する。
 けれど、軽薄なのは口だけ。「瞳」はジッと、シャマシュを捉えている。
「この地下世界では財に力はない、故に不要だ」
 吸血鬼と化しているシャマシュが戎兵衛目掛けて詰め寄っていく。
 スラリとした白い腕の先には、長く鋭い爪が備わっており、目の前の男を引き裂くために振るわれる。
「あっそう、
 その爪を十兵衛は躱していく。
 潜入の際にも使用した「瞳」でシャマシュの動きを見切り、とにかく逃げる。
 いなし、弾き、距離を取る。その様子にシャマシュも気づく。
「狙いはこれか」
 シャマシュの瞳が色を失い、代わりに太陽を模した円盤状の物体が召喚される。
 再び太陽神としての力を得たシャマシュは全身から炎を吹き出し、近づこうとしない戎兵衛へと放たれた。
 まるで大波のような炎が、戎兵衛ごと一帯を飲み込み、焼き尽くす。
「…!熱っ!」
 その炎を、板状の首枷を盾に戎兵衛は耐える。
 穴あきの壁ではいささか心許無いが、それでも動けさえすればいいと。

「やっぱり穴の空いた板じゃ防御に不便だなぁ…ともあれ、これで覚えた」
 炎が晴れた跡、戎兵衛の手には炎を纏った刀が握られている。
「太陽の炎をおびた刀…邇速日命刀とでも名付けようか」
 【"経験全テ殺刃ノ研鑽ト成ス"】。不慣れな防御はこの時のため。炎を奪った戎兵衛は一転、攻勢へと打って出る。
 動きは既に見切っている。近づくことは簡単だ。

「…我が火を耐えたか、良い強さだ」
「お褒めに預かり光栄、では御免」
 浄火の力を込めて、戎兵衛の刀がシャマシュの肉体を切り裂いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ブラミエ・トゥカーズ
吸血鬼に堕ちた太陽神とはまた珍しい存在であるな
そういえば、珍生物を見るために秘境に赴き悲惨な目に遭う好事家共というのはお約束であるが…余、危なくないか?

【WIZ】
異端であっても夜の恐怖を打ち払う光の信仰は万国共通
吸血鬼に挑む太陽神であれば、この世界においてはなおさらに信仰も強大
吸血鬼は日光で燃え尽きて灰になる
ブラミエにはまったくの予想外

【真の姿】
紅い霧を纏う手枷足枷をした中世風少女

残念だったなぁ、人に優しいひかりじゃあ、
ブラミエ《殻》は壊せても、わし《病》は殺せんよ
まぁ、なんだ
神のままならともかく、血吸いになったんなら
わしは十分、てめぇを殺せる

吸血鬼化していることで神の体内の血液を病で汚染する




 ブラミエ・トゥカーズは吸血鬼である。
 それもダークセイヴァーで生まれた「生物」としてではなく、カクリヨファンタズムにて成立した「妖怪」としての吸血鬼である。
 だからこそ、その「体」は伝承や信仰に大きく引っ張られる。


「…余、危なくないか?」
 吸血鬼に堕ちた太陽神。物珍しい存在に興味を惹かれたが、しかし好奇心は猫をも殺すのだ。ここに来て嫌な予感を感じ取る。

 シャマシュの背には太陽円盤が背負われている。それは信仰を力としてシャマシュにへと注ぐ象徴。

 吸血鬼が日光を浴びればどうなるか、誰しもがわかっている。
 シャマシュの全身から放つ光が、ブラミエの体を焼き尽くし、灰に変える。
 「吸血鬼を滅する太陽」だ。ダークセイヴァーにおいてはより強く作用する。
 何の抵抗も出来ずブラミエの体は崩れ、あっけなく消え去るだろう。

 ……。

「茶番はよすがいい、死神」
「ほぉ、わしの正体を見破ったつもりか?」
 灰の跡より、少女が立ち上がる。
 その体は紅い霧に包まれており、手足には枷が嵌められている…真の姿を晒したのだ。

「残念だったなぁ、ブラミエ《殻》は壊せても、わし《病》は殺せんよ」
 これこそがブラミエの本性。旧い病の具現、何万の人を死に至らしめた姿なき恐怖。

 ゴホ、とシャマシュが咳き込んだ。
「全盛期の神のままなら兎も角、血吸いになったんなら――わしは十分、てめぇを殺せる」
 【災厄流行・赤死病】。真の姿となった時点で、シャマシュへの攻撃は終えている。
 ウイルスはシャマシュの肉体を蝕み、急速に衰弱させていく。
「…舐めるな、疫病に屈するほど我は弱くはない」
 太陽円盤に残る力を全て自らに注ぎ、炎を滾らせるシャマシュ。これにより体内のウィルスを焼き尽くす。が、肉体には大きくダメージが残るだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
生きてるようには見えない奴がそれを言うかい?
アンタが相手じゃ、生存競争にもなりやしない。

さて、吸血鬼の能力と、炎か。
身体能力なら吸血鬼相手でもそう負けないし、
紋章の力を使ってるならそのまま殴り合おうか。
吸血鬼なら樹鎧殻で手を白木に変えて、
杭の代わりに爪で串刺しにしたら再生できなかったりするかな。

炎を使ってきたら、【万喰熱線】で吸収して防ごうか。
吸収した炎は吸血鬼に効くみたいだし、
紋章使ってる時に熱線として撃ち返せば大ダメージも狙えるかな。

弱い奴、運が悪い奴が死ぬのは摂理だろうけど、
そんなもの誰かが線引きするようなものじゃない。
アンタが何かしなくたって死ぬ奴は死ぬし、生きる奴は生きていくさ。




「生きてるようには見えない奴がそれを言うかい?」
 ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストードがシャマシュにへと飛びかっていく。
 硬い樹皮に覆われた腕が、吸血鬼のシャマシュの腕へと強烈に叩きつけられる。
「アンタが相手じゃ、生存競争にもなりやしない」
「神は、人を試すもの。死して尚代わりはない」
「何を偉そうに…」
 ペトとシャマシュ。至近距離にまで近づいた二人は、そのまま原始的な闘争――殴り合いを始めた。

 だがこれまでの戦闘で、特に吸血鬼としての力を傷つけられたシャマシュ。
 元より頑強な肉体を有し格闘を得意とするペトとの拳の打ち合いは不利であった。
 その隙を見逃す程ペトものんきでは無く、白木の爪をシャマシュにへと食い込ませる。
 まるで杭のように突き刺さる枝は、激しい戦闘の中で折れてもシャマシュの肉体に残り続け、傷つける。吸血鬼の肉体には致命的だろう。

 たまらず、一度距離を取るシャマシュ。瞳を戻し全身に火を点す。
 そうして【残り火】を放ち、遠隔より焼き尽くそうとする――だが、ペトはそれを予想済みだ

 【万喰熱線】。全身で炎を受けるが、焼けること無く、焦げることも無く、その熱量のみを食らい付くしていく。
「弱い奴、運が悪い奴が死ぬのは摂理だろうけど、そんなもの誰かが線引きするようなものじゃない」
 炎のエネルギーを一つ残らず吸収し、その身に溜め込むペト。その体は煌々と輝いている。
 そして、全身から放たれていた光が喉へと移動していき、
「アンタが何かしなくたって死ぬ奴は死ぬし、生きる奴は生きていくさ」
「…見事」
 圧縮されたエネルギーを熱線とし、シャマシュにへと返された。

大成功 🔵​🔵​🔵​

肆陸・ミサキ
※絡み苦戦ケガアドリブOK

忌々しい日輪だな
その力……全く、嫌になる
僕は強くないし、救いを求められたことも信用されたこともない
お前と僕で、一体、どういう違いがあるんだろうね
教えてくれよ、貴族サマ

WIZで
光には光で戦う
黒剣を斧形態で、力任せに片手振り
光熱線による範囲攻撃
こちらの攻撃を当てない事にはUCが発動しないからまずはそれを狙うよ

パワーアップして手が付けられなくなったって、捨て身であろうとキツイ一撃を見舞ってやるさ

どちらにしろ、ただの八つ当たりみたいなものだ




「その力……全く、嫌になる」
 シャマシュのいた場所が盛大に砕け散る。
 肆陸・ミサキが大斧を振り下ろしたからだ。
 片手で軽々と振り回される身の丈以上の大斧。だが力任せな大振りな一撃はシャマシュに避けられてしまう。
「怒りが見えるな、娘」
「誰かさんのおかげでね」
 言った瞬間、シャマシュへ光熱線が放たれる。
 苛立ち紛れに斧を振り回していたとは思えない攻撃に不意を疲れるシャマシュ。けれども、光熱線はシャマシュの肌を軽く焦がすだけでダメージは入っていない。
「優しい陽だ。それでは我を殺せは…む」
 焦げ跡が光り出す。光熱線が命中した箇所に、発光する印が刻まれているのだ。
 それこそ証。発動のための条件。
 そして眩しい光がシャマシュに浴びせられる。

 生まれ落ち、幾多の朝を昇り、数多の夜を見送る。
 重ねた時間を振り返り、今終わりを痛感しろ。
 空を仰げ、地に伏せろ。それを、私は灼く。

 【全生命に注がれる陽光】。
 まるで太陽の如き巨大な2つの熱球が出現し、シャマシュを挟み込む。
 先程の光熱線とは比べ物にならない熱が、シャマシュの肉体を今度こそ内まで焼き焦がしていく。
 いくら太陽神言えど力を失っている今、更に何度も戦闘を続けた身体ではこの炎は耐え難い。太陽円盤を召喚し、強化を試みる、が
「僕は強くないし、救いを求められたことも信用されたこともない」
 振り下ろされる斧が、太陽円盤を破壊する。
 自らの熱球に焼かれることも気にせずに、ミサキがシャマシュにへと肉薄し、掴みかかる。
「お前と僕で、一体、どういう違いがあるんだろうね」
 教えてくれよ、貴族サマ。

「…そうか、娘よ。お前も――」
 2つの火球が、一つに重なり合い、そして炸裂する。
 太陽の爆発は轟音を伴って辺り一帯に炎を散らし、まるで昼のように眩しい空間へと変えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

リーヴァルディ・カーライル
…言われるまでも無い。自らの光に焼かれて灰になるならまだしも、
骨の髄まで闇の眷族に成り果てたお前を見逃すわけにはいかない

今までの戦闘知識から吸血鬼化した敵の行動を暗視して見切り、
"写し身の呪詛"の残像で怪力や炎の攻撃を受け流して自身は死角から切り込みUC発動

…やがて夜が明け闇が晴れたその時、私達が戴く太陽はお前ではない

さあ、お前にも見せてあげる。吸血鬼狩りの業を…!

吸血鬼のみを浄化する陽光の魔力を溜めた光剣をなぎ払い、
光属性攻撃のオーラで防御を無視して敵を切断する斬擊波を放つ

…堕ちたとはいえ太陽を司る神ならば、この一刀をもって手向けとする

…この深い地の底に沈んだまま滅びるがいいわ、暗黒の日輪




「…力を示せ、だったかしら」
 リーヴァルディ・カーライルが静かに歩み寄る。
「…言われるまでも無い。自らの光に焼かれて灰になるならまだしも、骨の髄まで闇の眷族に成り果てたお前を見逃すわけにはいかない」
 最早形を保っているのも不思議なほどのシャマシュに、最後の一撃を与えるために。
 大鎌を構え、リーヴァルディが走り出す。

 シャマシュもまた、瞳を赤に変じさせる。
 「紋章」の力を限界まで絞り出して肉体を再修復し、吸血鬼の怪力と俊敏性を以て、リーヴァルディよりも疾く腕を振るう。
 手刀による鋭い一撃が、リーヴァルディの大鎌よりも先に届き、その身を真っ二つに引き裂いた――。
「…やがて夜が明け闇が晴れたその時、私達が戴く太陽はお前ではない」
 言葉が紡がれる。
 シャマシュが見たのは呪術によって作られた幻影。リーヴァルディ本体は既にシャマシュの死角にへと潜り込んでいたのだ。
「さあ、お前にも見せてあげる。吸血鬼狩りの業を…!」
 【吸血鬼狩りの業・破邪顕正の型(カーライル)】。
 それは吸血鬼を殺す武器。陽光の魔力によって形作られた暖かな刃。
 堕ちたとは言え太陽を司る神だった者への手向けの一撃。
 リーヴァルディの手にある光の剣が、シャマシュの肉体を、「紋章」との繋がりを切り分けた。
「…この深い地の底に沈んだまま滅びるがいいわ、暗黒の日輪」

「…これが、『六番目の猟兵』の力…確かに、これならば…」
 言葉は最後まで続かず、シャマシュはまるで割れた陶器のように崩壊し土塊へと還るだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『ミスト・ヴァーミリオン』

POW   :     ヴァーミリオンミスト
対象の攻撃を軽減する【朱き霧】に変身しつつ、【万物を犯す強酸の霧】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
SPD   :    ディアボリックウェイブ
【霧化した体より放つ瘴気の波濤】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を穢し尽くして】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ   :    トキシックミスト
見えない【猛毒の霧となった体】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠天御鏡・百々です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 『日輪』シャマシュを倒した猟兵達。
 しかし、誰かがシャマシュだった土塊の異変に気づく。

 土塊の中から何かが這い出てくる。
 うねうねと蠢く線状のナニカが土塊を集めだすと、突如として形を変え始める。
 そうして「成形」が成し終わると、ソレはあなた達と向かい合う。

「まさかまさか、俺が出張る事になるとは。やはり神とは信用ならんな」
 血の気の引いた極端な白い肌。爛々と輝く赤い瞳。
 薄ら笑う口元には鋭利な牙――間違いなく、吸血鬼だとわかる男。
「まあいいさ。役立たずを使えるように再利用するのも、真なる『貴族』の努め」
 そう言うと男の手に、青白い炎が点る。
 それは先程戦ったシャマシュが扱っていた炎と全く同じモノのように、あなた達には見えるだろう。

「この『太陽の紋章』によって、このミスト・ヴァーミリオンは弱点の無い完全にして無欠の吸血鬼に進化した…!この力で、俺手ずから殺してやろうじゃないか。侵入者共」
 朱霧と蒼炎、その二つを全身に纏わせる吸血鬼の男、ミスト・ヴァーミリオン。

 …螺旋を描く二つの色は、決して混じりきらず、互いが互いを侵食し合っているようにも見える。ミスト・ヴァーミリオンはそれに気づいていない。

 妙な違和感を感じさせつつも、この地下世界での最後の戦いは始まっていく。
土斬・戎兵衛
あっ、斬撃が効かなそうな奴、霧とか炎とか、俺ちゃんが苦手な斬撃が効かなそうな奴だ!
金目のモノもないし、もう帰って良い!?

あっダメ、逃がしてくれない……?
しゃーない、あんまりやりたくないんだけど……

UCを発動し、定切を怨霊刀に
怨念を纏う刀で敵を汚し、堕とそう
朱霧の方は元から堕ちた力って感じがあるし、狙うなら蒼炎の方かな?
敵の力の違和感も、片方を斬り堕とせば何か変化が見られるかも?

敵の攻撃も定斬で斬り払う
強酸で刃が錆び付いても、最適な角度を【見切り】、その入射角で刃を通せば、【切断】できないモノはなし

なんの実入りもないと寂しいし、紋章でも奪えたら良いけど
でもこれ、自分に使う勇気は湧かないなぁ




 力を纏い、優越感に浸っているミスト・ヴァーミリオン。
 その視界の、ほんの片隅に、逃げようとする人影が映る。
「どこに行く気だ、下等生物!」
 背を向けるその姿に、『貴族』である自分を見ない様子に、見下されたと感じたのか。怒りのままに瘴気の大波が放たれる。

「あっダメ、逃がしてくれない……?」
 逃げようとしていたのは土斬・戎兵衛だ。実入りもない。相手も手強そう。益にならない事だらけで、いい加減撤退しようとしていた所に真っ先に目をつけられるとは。
 仕方がないと、ため息一つ。

 【罰剣術・怨刀】。刀の一本、定切に怨霊を宿らせる。
 出来上がる怨霊刀が、あの世へと道連れにする呪力を以て瘴気の波濤を二分に切り分ける。

 朱と蒼、二つが混じっていた瘴気が分かれ、そして消える。
 そう消えたのだ。本来は見境なく汚し尽くす瘴気は、しかし二色に分かれたことで互いを消し合い、地形に何の影響を与えていない。
「なんだ、どうなっている…っ!?」
「さて隙あり」
 動揺を見せたミスト・ヴァーミリオンに、容赦なく一閃を見舞う戎兵衛。
 怨霊刀は、先程切り分けた瘴気と同じ効果を発揮する。つまり、
「がぁぁぁぁぁ!や、焼ける!身体が焼けるように熱いぃぃぃ!」
 ミスト・ヴァーミリオンが苦痛に悶える。制御下に置いていたと思っていた「紋章」が燃え、吸血鬼の肉体に牙を向く。
 結局の所「吸血鬼」と「太陽」は致命的に相性が悪いのだ。
 汚れを引き寄せる怨霊刀は、その均衡を崩す切っ掛けとなるのに十分だった。

「…ま、せめて見世物くらいにはなっておくれよ」
 刀を払い、鞘に収める戎兵衛。得るものがなかったと残念がりながら、再び敵に背を向ける。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ブラミエ・トゥカーズ
殻を被り直す

数多の吸血鬼が望む太陽の克服
その達成は賞賛をしよう

霧になって敵UCは回避
千日手に持ち込む
互いの霧により、地形が危険に

互いに霧であっては終わりも無かろう?

ほれ、新しく手に入れた遊具を使うがよい
自身は剣を持って対抗
地面を【浄化】する

対太陽炎
陽光と月光はほぼ同じだそうだぞ
ならばなぜ陽光が吸血鬼の天敵であるのかな?
貴公わかるか?

答えはその《光の強さ》と《ありがたさ》である
先の者は神であるが故に《ありがたさ》が篭っておった

さて、貴公のそれはどうであるかな?
吸血鬼如きに制御される日輪など、妖怪一匹も殺せぬぞ

なお、炎で焼かれたら退治or退散がルール《お約束》であるが
敵は人ではないので約束はない




「数多の吸血鬼が望む太陽の克服、その達成は賞賛をしよう」
 言葉とは裏腹に、手を叩いてケラケラと笑うブラミエ・トゥカーズ。
 完全無欠と啖呵を切った矢先に、制御を崩されてのあの無様だ。笑うなと言われても無理がある。
「黙っていろ!こんな炎、どうという事はない!」
 ミスト・ヴァーミリオンは怒りに震え、身体を霧化させる。
 対するブラミエもまた、霧となって波濤を受け流す。
 【伝承解放・悪しき風と共に来たるモノ】。穢の霧と病の霧。似通ったそれらは混じれはすれど致命打には互いにならず、不浄が辺りに立ち込めるだけだ。
「互いに霧であっては終わりも無かろう?」
 先に声を発したのはブラミエだ。霧が人形に戻り、剣を手にして相手を誘う。
「ほれ、新しく手に入れた遊具を使うがよい」

 その言葉がミスト・ヴァーミリオンのプライドに火を点けた。言われるまでも無いと、彼もまた人形へ戻る。
 霧の身体のままでは完全に消え去りかねない。それを危惧しての事だ。
 再びミスト・ヴァーミリオンに蒼白い炎が纏われる。バランスを崩されてしまった現状、行使には激痛が伴うが、目の前の《裏切り者》を焼けるのならばと、甘んじて受けるつもりだ。
 眩い太陽炎が、大波となって放たれた。

「陽光と月光はほぼ同じだそうだぞ。ならばなぜ陽光が吸血鬼の天敵であるのかな?」
 炎をかき分け、ブラミエが飛び出す。
 全身を炎に巻かれてはいるが、肉体は形を保っている。
「答えはその《光の強さ》と《ありがたさ》である。先の者は神であるが故に《ありがたさ》が篭っておった」
 振るう剣が肉を切り、骨にまで達する。生身であっても刃に負けないほどの強靭な吸血鬼の肉体は「紋章」の副作用によって脆く変質してしまっている。
「さて、貴公のそれはどうであるかな?吸血鬼如きに制御される日輪など、妖怪一匹も殺せぬぞ」

 …本来ならばルール《お約束》というものがあるが、人でなしに守ってやる約束もない。
 火に焼ける我が身も返り血も厭わずに、深く刺す刃を振り抜いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
出てこなければ戦う必要も無かったろうに、
わざわざ出てくるとはねえ。
まあ、アンタが何だろうと興味も無いし、さっさと終わらせようか。

さて、炎と酸なら対処はそう難しくないね。
知ってる?炎も酸も電荷を持ってるから、
電気で引き寄せたり出来るんだよ。

【静電引力】で床を帯電させれば、
酸の霧も青白い炎も引き寄せられて全部床に張り付くはず。
朱き霧の体も電撃で帯電させれば同じだしね。
後は放っておいても炎で霧になった体が蒸発してそのうち消えるかな。
霧から生身に戻ったら床に這いつくばってるだろうし、
樹羊蹄で踏みつけて潰そうか。
ついでに根を張って血も吸い上げよう。

どうやら、今日死ぬ弱者はアンタの方みたいだね。




「出てこなければ戦う必要も無かったろうに、わざわざ出てくるとはねえ」
 ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストードがついつい溢す。あれよあれよと落ちていく様は悲惨なものだ。
 しかし、それだけ。そして自分たちにとってはそれは望ましい状況。
「まあ、アンタが何だろうと興味も無いし、さっさと終わらせようか」
 そう言うとペトの全身に光が弾ける。
 バチバチと音を鳴らすと電流が放たれ、命中地点で爆発を起こす。
「魔術か?だがこの程度…!」
 爆発で霧散するミスト・ヴァーミリオン。咄嗟に肉体を霧化させて衝撃から逃げようとした、のだが。
「知ってる?炎も酸も電荷を持ってるから、電気で引き寄せたり出来るんだよ」
 【静電引力】。
 ペトによって電気を帯びた朱き霧が、同じように帯電させた床へと引き寄せられる。
 ”霧”に抵抗できるだけの力など無く身動きがとれないままに、帯びる電流が霧を蒸発させていく。
 堪らず実体に戻るミスト・ヴァーミリオン。しかし霧の蒸発を防いだだけで未だに床に這いつくばったままだ。
「こんなッ…『貴族』の俺が、こんな屈辱的な…!」
「どうやら、今日死ぬ弱者はアンタの方みたいだね」
 這いつくばるミスト・ヴァーミリオンを、容赦なく樹木のような蹄で踏み抜くペト。
 突き刺さる蹄は樹木のように根を張って、彼の身体から根こそぎ血液を奪っていく。

「離れろ混ざりものォ!」
 ミスト・ヴァーミリオンから蒼白い炎が爆発し、真上にいるペトを吹き飛ばす。
 だが炎は樹皮の表面を軽く炙る程度で、引き離せはすれどダメージまでに至っていない…それ程までに弱っているのだ。
 最期の時は近い。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
…完全無欠ね。果たして本当にそうかしら?

そう簡単に血の宿業を克服できるなどと思わない方が身のためよ、吸血鬼

紋章の力と吸血鬼の力が互いを侵食しているのなら、
炎と霧が混じった場所は他より威力が弱まっていても不思議ではないと予測し、
"写し身の呪詛"を乱れ撃ち無数の残像を囮に広範囲攻撃を放つように誘導する

…お前達の思考は実に読み易い。そう来ると思っていたわ

自身は全身に瞬間的に限界突破したオーラで防御して覆い、
多少の手傷は自身の生命力を吸収して強引に治癒しつつ、
炎と霧が交わる場所から敵に切り込みUCを発動
虚の魔力を溜めた大鎌を怪力任せになぎ払い、
切断面から広がる暗黒空間に敵を捕縛する虚属性攻撃を放つ




「俺は…完全なる吸血鬼に、なったはず…なのに…何故…」
「そう簡単に血の宿業を克服できるなどと思わない方が身のためよ、吸血鬼」
 決着の時と見て、リーヴァルディ・カーライルが距離を詰めていく。
 ”写し身の呪詛”による無数の幻影を伴って、包囲するように広がっていく。
「…何だと…」
 最早ボロ布のような身体から、炎が吹き出す。
「俺はミスト・ヴァーミリオン!『厄災の霧』!『第五の貴族』!貴様らの様な下種《カス》共に!ましてや滅ぼした筈の太陽なぞに!負ける筈がない!」
 最期の時まで、不出来である事を認められなかったが故に。
 肉体の限界を超えて、激昂したままに力を引き出す。
 纏う箇所を限定して片腕のみに蒼白い炎を点し、もう片方には己の元から力である朱き霧を集め、そして解き放つ。
 無数のリーヴァルディが一斉に波濤に飲まれる。
 一方は強酸性の霧に、もう一方は灼熱の蒼炎に。一人残らず捉え切って、ミスト・ヴァーミリオンが薄ら笑う。

「…お前達の思考は実に読み易い。そう来ると思っていたわ」
 霧と炎、その両方が交わる境界線よりリーヴァルディが抜け出る。
 多少の傷も、この一撃を叩き込めるのならば安いもの。己の生命力を犠牲に強引に突破して行き、
「……虚空を穿ち、虚無へと還れ」
 そして、大鎌が薙ぎ払われる。
 【吸血鬼狩りの業・虚空の型】。切り口が広がっていき、そこから暗黒空間が広がっていく。
 光の届かない地の底よりも暗い虚無へと、ミスト・ヴァーミリオンを引きずり込んでいく。
「こんなッ…こんな無様なまま終わるのか、俺は…!」
「…消えなさい、吸血鬼。この世界にお前達の居場所はない」
 朱も蒼も、関係なしに。ミスト・ヴァーミリオンの全ては黒に塗り潰されていき、一欠片も余すこと無く、この世から消滅する。


 ……
 『第五の貴族』の消滅に伴い、彼らが関わった痕跡も全て緩やかに崩壊していくだろう。
 地下世界にて囚われていた住人たちも、地上へと出て幾つかの『人類砦』へと保護される。
 跡に残るものは無し。暗闇は静寂に戻るだけ。猟兵達も地下世界を後にする。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年06月23日


挿絵イラスト