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銀河帝国攻略戦⑧〜帝国艦隊を撃ちやぶれ！

作者：夢月

「みんな！ブリーフィングを始めるわよ！」
　グリモアベースの一角に集った猟兵達に声をかけるカナタ・アマガ。
「ウチら『解放軍』はいよいよ帝国との本格的な戦いに乗り出すことになったわ」
　皆が注目する前方に、大きく現在の戦況を表す宙域図が投影される。
「みんなの活躍のおかげで、スペースシップワールド中から、ウチらに味方してくれる艦が続々と駆けつけてくれているの」
　それだけ、銀河帝国の打倒は、人々の悲願であるということだ。
「戦力が整った今から開始されるのは、帝国の要塞、エンペラーズマインドの攻略よ」
　「いよいよだな」と猟兵の一人が呟く。エンペラーズマインドは、今回の作戦において、銀河皇帝を倒すためには避けて通れない防衛線だ。
「その為にもまず、エンペラーズマインド防衛艦隊を叩くわ！ウチらの目標は、ディクタトル級巡洋戦艦ね」
　ホログラムにかなり大型の宇宙戦艦が映し出される。
「この戦艦はかなりの強力な武装を持っていて、『解放軍』の艦隊に対する大きな脅威なの。みんなは、『解放軍』から先行してこの戦艦を撃破してもらうわ」
　「戦艦相手…」と不安げな者もいる。
「接近するまでは、確かに危険な相手だけど、取り付いてしまえばこっちのものよ。各武装を破壊したり、艦橋を直接叩いたり、エンジンを攻撃すれば、戦艦を倒すのも難しくないわ」
　カナタは具体的な戦術を示す。大型故に、接近してしまえば、こちらから攻撃し放題というわけだ。
「今回の作戦には、『マケドニア号』のスターライダー達が協力してくれるの。戦艦までの移動手段は彼らが担ってくれるわ。それじゃ、みんなの健闘を祈っているわ！」
　猟兵達に激励の言葉を送って、カナタはテレポートを始めた。

第1章 ボス戦 『ディクタトル級巡洋戦艦』

POW   :    主砲発射用意！ 予め【主砲にエネルギーを充填しておく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。 SPD   :    航空各隊、邀撃に移れ！ 【両舷カタパルト】から【直掩艦載機】を放ち、【対宙迎撃】により対象の動きを一時的に封じる。 WIZ   :    オール・ウェポンズ・フリー 【兵装使用無制限状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

「これなるは艦隊戦、ならば戦艦たる私の出番！戦艦同士の戦闘なら任せるのである！」
　自らの本体であるエンドア級13番艦、アネモイの艦橋でアネモイ・エンドア（エンドア級戦艦13番艦・f00797）は、味方に呼びかける。
「艦隊戦ならボクも混ぜてもらうよ！オリュンポス機動遊撃艦隊『パナケイア』出撃☆」
　蒼汁之人・ごにゃーぽさん（戦慄の蒼汁（アジュール）・f10447）の喚び掛けに応じ、高速機動を誇る艦隊が続々と戦場に馳せ参じる。艦隊対艦隊。ディクタトル級巡洋戦艦の砲撃により艦隊戦の幕が切って下された。
「エンドア級戦艦13番艦アネモイ、これより敵戦艦への砲撃を開始する！目標！敵主砲及び両舷のカタパルト！照準合わせ……撃てー！！！」
　エンドアの意志に合わせて、宇宙戦艦は銀河帝国艦に狙いを定めて撃つ。轟音とともに、ビームがとんでいく。着弾。高熱に耐えられなくなった着弾部が爆発、炎上する。今頃帝国艦内は消火活動に追われているだろう。そうこうしているうちに、敵艦のカタパルトから出撃した艦載機が襲来する。
「ここはボクらにお任せだよ☆」
　ごにゃーぽさん指揮の特別高速機動船団が前に出る。その機動力を活かした陣形により、艦載機を効率よく迎撃できるように展開し、砲撃を加えていく。巧みに位置どりを変えていくので巡洋戦艦からの援護射撃を意味をなさない。
「ふふふっ、さぁ、ごにゃーぽ神☆ごずなり様の加護で放つアジュール砲、とくと召し上がれ☆」
　艦載機を片付けた高速機動艦隊が、巡洋戦艦に迫り、一斉放火。着弾し、確実にダメージを与えていく。そして、敵が照準を合わせる前に、引き上げる。敵艦は、アネモイを目標に切り替え集中砲火を行う。アネモイは、回避運動をとるが、いくつかは着弾する。
「ダメージコントロール急げ！砲撃しつつ回避運動を！このまま敵を引き付ける！」
　アネモイは、素早く指示をだす。
　ここまでは作戦通り。後は、頼んだぞ…。
　彼女は、心の中で作戦行動中の味方に祈る。宇宙戦艦同士の戦いは激しい砲撃の応酬で、拮坑し始める。そして、側面から、敵艦に迫る一団が、行動を始めようとしていた…。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

　アネモイ・エンドアと蒼汁之人・ごにゃーぽさんが帝国艦と激しい艦隊戦を繰り広げている頃、数名の猟兵と宇宙バイクを操るスターライダー、『マケドニア号』所属のマケドニア騎兵達が側面から帝国戦艦を叩くべく忍び寄っていた。
「対象捕捉！距離！六千！」
「よおし、いいかぁ野郎ども！猟兵の方々をきっちり送り届けるぞ！マケドニアの力を見せつけてやれ！」
　 マケドニアの戦士長、アレックスの檄に雄叫びをあげて答える戦士達。
「今までは陸戦がメインだったが宇宙戦までやる事になるとはな。ま、傭兵としての経験にはなるからいいんだがな」
　 何処か余裕のある様子の佐之上・権左衛門（トレンチコートのバーバリアン・f00239）。煙をふかしつつ、「宇宙でも煙草吸えるんだな」などとつぶやいている。
「い、いつも通りで大丈夫なのよね…？この宇宙服破れたりしないわよね…？あぁ、そもそもあんな戦艦に近づけるのかしら…？」
　権左衛門とは対照的に、初めての宇宙空間に戸惑いっぱなしなのは、パティ・チャン（月下の妖精騎士・f12424）だ。
「心配いらねぇよ、妖精の嬢ちゃん！オレ達がきっちり送り届けてやるさ！」
「だ、大丈夫よ！私は、騎士なんだから！」
　 自分を奮い立たせるように、乗せてくれているマケドニアの戦士に返事をする。周りの戦士達は、そんな様子をみて「可愛い」などと囁き合っている。
「すごーい！おっきいー！アレを落とすんだね！」
　 宇宙バイクの後ろから身を乗り出して宇宙戦艦の姿をみて、興奮するのは、ユーキ・スズル（野生のナイト・f03208）だ。
「おいおい、坊主！あんまりはしゃぐと落ちるぞ」
「ボクは坊主じゃないよー！」
「ははは、子ども扱いして悪かったな」
　豪快なマケドニアの戦士には、乙女心は伝わらないようだ。
「いよいよ戦艦との対決ね…！」
　ルミナール・セピアネス（クレイジートリガー・f13615）は目標を見据えて、呟く。
「お！ねぇちゃん、燃えてるねぇ！」
「勿論よ！あんなデカい獲物を撃ち抜けるんだから！」
「ヒュー！イカすぜ！俺も全力でいかせてもらうぜ」
　ルミナールを運ぶマケドニア騎兵が更に加速する。
「距離、三千！」
「行くぞ！こっからは奴の射程圏内だ！気ぃ入れていけ！」
　アレックスの言葉通り、激しい迎撃兵器の砲火に向かって、一行は飛び込んでいく。
「どうか当たりませんように！当たりませんように！」
「あんなのに当たるようなヘマはしないさ！」
　パティが祈るように目を閉じている間に、スターライダー達は右へ、左へ、旋回して弾丸を回避する。が、あと一歩のところで近づけない。
「ここまできたら、充分さぁ」
　権左衛門は、「よっ」と宇宙バイクを蹴って身を躍らせる。
「お、おい、あんた！」
　慌てる戦士の前で、権左衛門は、次々と宙をまるで足場があるかのように蹴って飛んでいく。
「私もっ行こうっと！」
「おう、気を付けていってこい！」
「うん！ここまでありがと！」
　ルミナールは礼を言って、宇宙バイクを降り、
「高機動モードに移行。さぁ、行くよ！」
　即座に転送されてきたユニットを装着。バーニアを点火し、一気に突っ込む。権左衛門とルミナールは、あっという間に、戦艦のもとへとたどり着く。
「さてお仕事といこうか！」
　権左衛門は、両足で宙を踏み切ると、戦艦へ向けて突っ込む。その手には愛用のギガントアクス。
「おらぁ！」
　手近にあった機関砲をぶった切る。
「どんどんいくぜ！」
　戦艦の装甲を足場にして、駆けあがり、次々とミサイル発射口や機関砲にギガントアクスの一撃を叩きこんでいく。
「やるねぇ！私も！」
　ルミナールが、手をかざすと、その手に転送されてきた狙撃用対超重装甲ライフルが握られる。狙うは、主砲。
「狙い撃つよ！」
　引き金をひく。エネルギーを充電していた砲塔が撃ち抜かれる。やや遅れて、砲塔は爆発を起こし、使い物にならなくなる。
「ううぅん！やっぱり火薬式は最高だね！」
　ルミナールは満足そうに笑みを浮かべる。二人により、迎撃兵器の弾幕に穴が出る。
「いくぞぉ！」
　マケドニア騎兵達はその隙間に、すぐさま潜り込む。
「嬢ちゃん、今だ！」
「うん！妖精騎士の力、みせてあげるわ！」
　宇宙バイクが戦艦に接近した瞬間を狙って、パティは、戦艦に飛び移る。
「ボクもいってくるね！」
「おう！いってこい！坊主！」
「だから坊主じゃないって！」
　ユーキも続く。二人は戦艦の装甲を足場に駆け回る。その手に持つ武器は、光の剣フォースセイバーだ。手当たり次第に斬りつけながら、移動する。装甲の弱いところを探しているのだ。
「やはり装甲は中々抜けませんね…ですが！砲台の可動部分なら！そこです！」
　パティは、素早く、砲台の脆弱な部分に剣を突き入れる。スパークを放つ砲塔。彼女が離脱するとほぼ同時に爆発が起きる。
「あ、あそこなら！」
　ユーキは、頭上に見えるアンテナ部に目をつける。
「いっけぇえええ！」
　フォースセイバーを念動力で飛ばす。飛翔する刃が、アンテナ部分を見事切断する。
「時間だ！ひくぞ！」
　マケドニアの戦士達が寄せてくれた宇宙バイクに飛び移り、四人の猟兵は離脱する。次の攻撃に巻き込まれないように。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

　猟兵達の攻撃により、ディクタトル級巡洋戦艦の戦力は大きく削られている。決定的な一撃を与える時がきた。
「いよいよあたし達の出番ね！いくわよ！」
　待ちくたびれたと言わんばかりにはりきっている春日・釉乃（”CHIPIE”・f00006）。彼女は鎧装騎兵の鎧を纏い、プラズマジェットで宇宙空間を飛翔していた。
「任務了解。作戦を遂行する」
　釉乃の言葉に応えるクリューラ・センティファ（Ｑ・Ｕ・Ａ・Ｌ・Ｌ･・f12129）。その姿は、無人の宇宙バイクのようだが、コックピットに見える黒いものは紛れもなく彼女自身だ。二人はこれから、帝国の宇宙戦艦を落としにかかるのだ。
「いくわよ！」
　釉乃は背部のヴァリアブル・エクシード・ブースターに接続、点火、急加速。それまでとは違う圧倒的な速さで戦艦に迫る。速すぎて迎撃も追いつかない。
「『質点操作』起動。目標に接近する」
　クリューラが淡々と言いながら、宇宙バイクを加速される。彼女の目の前には、いくつもの「体積をもたない質量」が浮かぶ。それに引き寄せられるように宇宙バイクは有り得ない角度での移動を繰り返しながら戦艦へと近づいていく。螺旋状に、あるいは、急制動からの予期できない方向への急発進。迎撃兵器は、彼女を捉えることが出来ない。傷ついた戦艦は、易々と接近を許してしまう。
「ミディア・スターゲイザーの理想を掲げる為に…！ 銀河帝国攻略戦、成就の為に…！ エンペラーズマインドよ！！私は帰って来たぁあああああ！！」
　釉乃が咆哮とともに、アトミックバズーカを発射。着弾。瞬間、帝国戦艦は、美しいとも思える青い炎に包まれ炎上する。それは、人類救済のための炎だった。
「目標を射程圏内に捕捉、ファイア」
　戦艦のエンジン部へと回り込んだクリューラは、宇宙バイクに搭載されていた全兵装を一斉に放つ。次々と着弾する。そして、それらの弾頭に仕込まれていたマイクロブラックホールは一つに集まり、空間ごとエンジン部を抉り取る。動力部を損傷した戦艦は、しばしの時を置いて爆沈した。

　こうして、猟兵達は、一つの脅威を排除した。しかし、銀河皇帝の前に辿り着くにはまだまだ道は長い。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

最終結果：成功 完成日:2019年02月08日