9
孤高なる蜀将、仙界にて荒ぶる

#封神武侠界 #三国志武将編

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#封神武侠界
#三国志武将編


0




●猛将の野望
 仙界は、『鬼角山(きかくさん)』。
 仙人の修行場でもあったこの地は、今や邪仙の巣窟と成り果てていた。
「ここが仙界! でもって、この肉体と力がオブリビオンってわけだ!」
 洞穴の奥、呵々大笑する男が1人。
 宝貝の武具まといしは、オブリビオンの邪仙。面妖なる事に、その声は、異なる2人のものが重なって響いている。
「みなぎるこの力があれば、誰にも俺のやり方に口出しはさせねえ。そこでだ!」
 邪仙が振り返った先、配下のオブリビオン達が控える。
「いくぞテメェら、目指すは人界! まどろっこしい事は抜きだ、俺が覇王になってやる!」
 邪仙の覇気に満ちた宣言に、配下の面々は、粛々と頭を垂れたのであった。

●グリモアベース
 猟兵を招集したヴェルタール・バトラー(ウォーマシンの鎧装騎兵・f05099)。
 その背後に浮かぶ景色は、封神武侠界の霊山であった。
「現在の封神武侠界は、晋の皇帝・司馬炎さまによって統一されておりますが、それ以前は、魏・呉・蜀の三国が争っておりました。あまたの勇将が、戦の中、落命していったのでございます」
 しかし、時代がさほど経過していなかったためか、三国時代の武将達がオブリビオンとなる事はあまりなかった。
「ですがここにきて、オブリビオン化の事例が確認されたのでございます。もっとも、オブリビオンとなって日が浅いゆえ、肉体を持たぬ『魂縛武将』として他のオブリビオンを乗っ取り、活動を始めたようでございまして」

 ヴェルタールが虚空に表示したのは、光熱操るオブリビオン『太阳上帝』 。宝貝を操る強大な仙人のようだ。
「このオブリビオンに乗り移ったのは、蜀の武将『魏延(ぎえん)』。猛将として知られる一方、プライドの高さゆえ周囲から孤立する事も多く、その性分が仇となり命を落としたと伝えられております」
 オブリビオン化によって、魏延の元々のパーソナリティはゆがめられているが、その誇り高さと武勇、反骨の心は失われていない。

 魏延・太阳上帝は、『鬼角山』と呼ばれる仙界の霊山にこもり、部下と共に人界征服に乗り出すつもりのようだ。
「これを阻止すべく、皆様は『鬼角山』に向かい、魏延を討伐してくださいませ」
 だが、道中の地形は、非常に険しい。
 待ち受けるのは、異常に高い木々や巨岩、激流の川に、高低差のある滝、そして断崖絶壁。
「ですがこれはチャンス。戦いに備え、プチ修行していくのもよいかと存じます」
 というのも、元々この地は、仙人達の心身の修行場だったというのだ。
 その関係で、バーベル的グッズなど、バリエーションに富んだ鍛錬用宝貝が、あちこちに放置されている。それを使わせてもらうのもいいだろう。

 そして鬼角山の奥深く、闘技場の如く仕立てられた場所にて待ち受けるのは、魏延と、彼に率いられたオブリビオン達。
「これらをズバッと蹴散らし、首魁たる魏延の首をとってくださいませ」
 ヴェルタールは、いつの間にか着替えた軍師的衣装で、猟兵達を鼓舞したのであった。


七尾マサムネ
 三国時代の武将達が、いよいよオブリビオンとして復活です!

●一章
 オブリビオン達が潜む、仙界の『鬼角山』を踏破します。
 せっかくなので、道すがら、修行に励みましょう。
 トレーニングジムにありそうな、各種筋肉グッズなど、修行に使えそうな宝貝があちこちに置いてあるので、それを使っていただいても構いません。
 ※断章の追加は、特にありません。

●二章
 敵のアジト、洞穴に突入します。
 魏延の部下が、お出迎えしてくれます。戦闘です。

●三章
 『魂縛武将』である魏延が乗り移った『太阳上帝』との決戦です。
 使用ユーベルコードは、太阳上帝のものと同じですが、魏延の力で『先制攻撃に成功した時、威力をアップする』能力が加わっています。
 そのため、猟兵が『相手の先制攻撃を封じる=自分が先制攻撃する』方法を実行した場合、プレイングボーナスが発生します。

 それでは、皆様のご参加、おまちしております~!
122




第1章 冒険 『修行の時間』

POW   :    腕立て伏せや重量上げなど、身体を使った苦行を行う

SPD   :    走り込みや型稽古など、技量を高める訓練を行う

WIZ   :    滝行や座禅・瞑想など、精神鍛錬を行う

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

雨咲・ケイ
今回の相手はUDCアースでも有名な
あの魏延殿ですか。
中々興味深い相手ですねえ。
そして、その前にこの山で修行
というわけすね。

では、呼吸を乱さずに動く系の修行を
しながら進みましょう。
なんかそういうのに丁度いいマスクのような
宝貝を探して使いましょう。

むむむ、さすがにこの状態で崖やら川やらを
超えていくのはキツイですね……。

足場を踏み外して川に落ちたり
巨石に潰されそうになったり
針のような山に刺さりそうになったり
散々ですねえ……。
私もまだまだ未熟という事ですね。
気合い入れていきましょう。
……オブリビオンと戦う前に
ボロボロになりそうですけど。

アドリブ等歓迎です。



 雨咲・ケイ(人間の宿星武侠・f00882)は、鬼角山の各所から、邪なる気を感じ取っていた。
「今回の相手はUDCアースでも有名なあの魏延殿ですか。中々興味深い相手ですねえ」
 折角ならば、道行を修行に用いようと、ケイが周囲の気を探る。
 トレーニングツール。それが宝貝というならば、多少なりとも仙気的なものを帯びているはず……。
「あ、ありましたね」
 簡素な造りの木箱。
 それ自体が宝貝のようで、中の道具類の保存状態は良好だった。自浄・殺菌作用があるのかもしれない。便利。
 ケイは、その中から、マスク風のものを拝借。呼吸を乱さぬよう運動する修行の一助とした。
 呼吸は、武術の基本だ。

 崖を踏破し、山を越える。
 罠などは一切ない。森羅万象のあるがままの状態が、既に人にとっては試練であった。
 容赦ない地形の洗礼を浴びたケイの表情が、次第に険しさを帯びていく。
「さすがにこの状態ではキツイですね……」
しかし、これがザ・修行。
 新たにケイの前に立ちはだかったのは、小さな湖かと見まがう川であった。流れも急で、もはや川の範疇ではない気もする。
 ただ、幾つかの岩が水面から顔を出しており、足場とするにはおあつらえ向き。
「いきましょう」
 慎重にタイミングを計りつつ、テンポよく岩を渡っていく。
 が。
「あ」
 つるり。
 どぼん。
 背の低い岩を踏み外し、ケイが水柱を上げた。

 ケイが流された先は、洞窟であった。
 妙に寂しく、小動物の気配もない。魏延達の邪気を恐れて逃げたのであろうか?
「ここで一休みするとしましょうか。……?」
 ケイが、手近な岩に腰を下ろした瞬間。
 暗闇の向こう、轟音と震動を引き連れ、巨岩が転がって来た。
「これはさすがに仙人のトラップですよね」
 ケイは逃げた。三十六計逃げるに如かずともいう。
 洞窟を抜けた先は、山の中。ただし、針、あるいは槍の如き鋭利な山が待ち構えていた。
「散々ですねえ……」
 だがこれくらいの苦難、易々切り抜けられるようでなければ。
 私もまだまだ功夫が足りないという事ですね、自戒するケイ。
 反面、伸びしろがあるという証でもある。
「道のりはまだ半ば。気合い入れていきましょう」
 もっとも、オブリビオンと一戦交える頃には、ボロボロになっている予感もしたけれど。

成功 🔵​🔵​🔴​

エゼルミア・トリストラム
杖を魔法の箒に変身させて、乗って移動しよう
(意思持つ箒の無言の圧力に対して)…なんだよ、修行なのに飛んで進むのはズルだって言いたいのかい?そうはいってもね、こんな場所を生身で登るなんて無理だって…えっ、ちょ、うわっ!?(箒によって鬼角山の道中に振り落とされる)
…自力で頑張れってことか。は、薄情者…
けど仕方ない…よし、それじゃあ頑張って進んでみようかな。案外やればなんとかなるかもしれないからね

〜数十秒後〜
ゼェ…ゼェ……も、もう限界。やっぱり魔法を使おう…
UCで自分に翼を生やし、飛んで進むよ
でもまあ我ながら頑張った方だよね、うんうん。前よりも体力もついてる気がするし、多分。



 鬼角山は、天然の修行場である。
 そんな厳しい地形を、空から観光気分で見おろしているのは、エゼルミア・トリストラム(ハーフエルフの魔法使い・f33365)。
『…………』
 無言の圧力を感じる。
 魔法の箒に変じ、エゼルミアを空の人に変えた杖からだ。
「……なんだよ、修行なのに飛んで進むのはズルだって言いたいのかい? そうはいってもね」
 ちら、とエゼルミアが眼下に目をやれば、断崖絶壁があちこちにそびえている。
「こんな場所を生身で登るなんて無理だって」
 スポーツクライミング、というには、あまりにもハード。仙人となるには、よほど自分を鍛え抜かねばならないらしい。脳筋過ぎる。
「この先には強いオブリビオンが待ってるわけだから、体力を温存した方がいいと私は思うんだよ……えっ、ちょ、うわっ!?」
 エゼルミアがそれらしい事を語っていると、箒が突然傾いた。
 そのまま、エゼルミアは森へと墜落した。

 木の枝葉がクッションとなり、地面との直撃だけは避けたエゼルミアは、ずるずると木を降りた。
「……自力で頑張れってことか。は、薄情者……」
 ご丁寧にも試練を与えてくれた杖を恨みがましく睨みつつ、エゼルミアは、ローブに付きまとう葉を払う。
 不幸中の幸いというべきか。落ちたのは、グリモア猟兵の示した目的地に程近い場所のようだった。
「仕方ない……よし、それじゃあ頑張って進んでみようかな。案外やればなんとかなるかもしれないからね」

~数十秒後~

「ゼェ……ゼェ……も、もう限界」
 がくーっ。
 エゼルミアは、膝を屈していた。
 顔を上げれば、木々の向こう、先ほど空から眺めた崖がこちらを見下ろしている。
「やっぱり魔法を使おう……」
 背中に翼を生やすと、エゼルミアは、重力と苦行から解放された。
 崖を越える。一瞬で。
 よくない。無駄な体力使うのよくない。まして敵の首魁は、オブリビオンに宿った武将だと言うではないか……。
「でもまあ我ながら頑張った方だよね、うんうん。前よりも体力もついてる気がするし」
 しみじみ頷くエゼルミア。
 ふと、気配めいたものを感じて杖に目をやると、やんわり光を帯びていた。「全部見ているぞ」と言わんばかりに。
「……こわっ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

鏡島・嵐
……これが、修行用の宝貝?
思ってたとの全然違ぇな。普通の筋トレグッズじゃねえか。
仙人さんの修行用だから、もっとこう……不思議な力が込められてそうなのを想像してたのにさ。
……とりあえず、ちょっと使ってみていいかな。

ランニングマシーンみてえな宝貝を見つけて、ちょっと走り込みをしがてら、使い心地を確かめてみる。
クゥも一緒に走るか? ちっこいままなら、一緒に乗れるだろ。

ベルトのスクロール速度が自動で切り替わったり、本物の山登りを想定したような勾配になったり、最新鋭機器にも負けない高機能ぶりにただただ吃驚。
……繰り返すけど、これホントに宝貝なんだよな?
仙人さんって皆、逞しくないと務まんねえのかも?



 鏡島・嵐(星読みの渡り鳥・f03812)が訪れたのは、岩に囲まれた場所。修行場としては、実におあつらえ向きである。
 嵐は、思わせぶりにあちらこちらに置かれた道具に視線をやる。
「……これが、修行用の宝貝?」
 中身を確認して、嵐は首を傾げた。
「思ってたとの全然違ぇな。普通の筋トレグッズじゃねえか。仙人さんの修行用だから、もっとこう……不思議な力が込められてそうなのを想像してたのにさ」
 まあ時代的、世界的にはオーパーツな感じなので、そういう意味では不思議道具の範疇かもしれない。
「……とりあえず、ちょっと使ってみていいかな」
 嵐は、ランニングマシーン風の宝貝に目を付けた。
 幸い、操作も、嵐の知るそれとほぼ変わりなかった。
『ようこそ これより基本水準にて 鍛錬を開始します』
「喋った」
 喋った。
 AI的な何やらが搭載されているのか。
 思わぬ機能にあっけにとられる嵐をよそに、ランニングマシン宝貝はトレーニングを始めようとする。
『それでは いざゆかん』
「じゃ、じゃあ、お願いするかな」
 試しに、軽く走り込み。
 何を動力にしているのかは不明だが、使用感は、嵐の想像通りであった。
「ん、クゥも一緒に走るか?」
 嵐の特訓風景を見守っていた仔ライオンが、がおっ、と吠えた。
 基底形態なので、嵐と2人乗りしても大丈夫。
 仲良くランニング宝貝上で走っていた嵐達だったが、不意に趣が変わる。
 嵐の身体能力に対応したのか、ベルトのスクロール速度が上がったのだ。
 実際の山登りを想定したかのように、急こう配まで再現する。宝貝の名は伊達ではないようだ。
 この性能、最新鋭機器にだって引けを取らないだろう。嵐も、ただただ吃驚するしかない。
「……繰り返すけど、これホントに宝貝なんだよな?」
『宝貝です』
 ランニング人工知能が回答した。
『使用した仙人の8割が 当修練装置に ご満足いただいております』
「そうなのか……仙人さんって皆、逞しくないと務まんねえのかも?」
 ゆったりした着物をまとった髭の長い老人。笑い声は、ふぉっふぉっふぉっ。
 嵐のそんなイメージは、マッシブな武道家へとアップデートされたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

荒珠・檬果
私が黙ってるわけないんですよねぇ(三国志マニア)
そう、呼ばれた気がした蜀編というやつです。

ふむふむ、修行がてらの登山。パワーアンクルあります?できれば手足両用の。
こう、鍛えておかないと、このあと使うかもしれないユーベルコードについていけない可能性が。
重さは、無理のない範囲にしますけれど。

飲み水も持ちましたし。さーて、山登りすっぞ!
…断崖絶壁って、蜀の桟道ですかこれ…。
(なお、檬果は『鐙のない赤兎馬』に乗れるほど鍛えられてはいる)



「ふっふっふ」
 意気揚々と鬼角山に転移を果たしたのは、荒珠・檬果(アーケードに突っ伏す鳥・f02802)。
「かの魏延がオブリビオン化したと。そう聞いて私が黙ってるわけないんですよねぇ」
 呼ばれた気がした蜀編。
 しかし、かの武将への道行は、仙人風味。修行がてらの登山。
 檬果が、何となしに周囲を見渡すと、つづらのような箱を見つけた。何やら、アイテムボックス感がする。
 持ってみた。ずっしり重い。
 開けてみた。すると中には、パワーアンクルめいた、手足両用のウエイトが入っていた。
 取り急ぎ目指すべき高みがあるわけではないが、鍛えておかないと、このあと使うかもしれないユーベルコードについていけない可能性が危惧された。

 パワーアンクル装着、よし。
 飲み水、よし。
 気合、よし。
「さーて、山登りすっぞ!」
 意気込んで、檬果が見上げた断崖絶壁。
 そこには、岩肌伝いに道が備えられていた。道、と言っても、棚やベランダのように張り出した木製のもので、幅も、人ひとりが通れる最低限のものしかない。
「蜀の桟道ですかこれ……」
 見上げた檬果の知識が、最も近似のものを即座に弾きだす。
 傍から見ている分には「すごいなー」で済む話だが、高所恐怖症ならかなりの恐怖がダイレクトに襲って来るであろう。
 パワーアンクルを付けた状態で、進む。速足ないし、疾走で。
 仙人謹製の桟道だ。ちょっとやそっとで壊れる心配はなさそうだが、ぎしぎし鳴る音が不穏を掻き立てる。
 もっとも、身体能力自体は、鐙のない赤兎馬に乗れるほど鍛えられた檬果だ。このくらいわけない。
 道なき道に比べれば、大層親切であるともいえる。
 思いのほか、檬果のフットワークが軽かったためであろうか。
 ずしっ。アンクルが、突然重さを増した。
「なるほど、重力操作系宝貝の応用でしたかコレ」
 装着者の身体能力を自動で計測し、適度な負荷をかけてくれるらしい。確かに、修行道具としては優秀だ。
 ここにいたのは、健全な肉体にこそ健全な精神は宿る、を地で行く仙人一派らしい。
「それならそれで」
 ぴょいーん。
 上から転がって来る岩を、ジャンプでかわしながら。
 檬果の修行は、順調に進んだのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

大豪傑・麗刃
今回の相手、魏延といえば蜀有数の名将にして悲運の将。実に強敵なのだ。なのでここは敵の弱点を的確に突くために、実戦的な修行でいくべきだろう。

まずは一般兵を装い、影を薄くする修行。わたしみたいな個性の塊には困難な事だが、これも修行。次につなぐために必要な事なのだ。
で、その次とはこんな感じ。敵が隙を見せた瞬間!ジャーンジャーンジャーン「ここにいるぞ!!」と叫んだのち一刀のもとに斬り伏せる。

ということで。
スパルタ苦行ここにいるぞ千本だ!
ここにいるぞ!
ここにいるぞ!!
ここにいるぞ!!!

さすがにプレイング手抜きすぎかもしれない。
ともあれこれでいつでも魏延殿がおれを殺せるものがあるかと言っても大丈夫なのだ。



 結った髪を、仙界の風になびかせ。
 大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)は、鬼角山の小槍に立ち、それっぽい雰囲気を醸し出していた。
「魏延といえば蜀有数の名将にして悲運の将。実に強敵なのだ」
 となれば、ここは敵の弱点を的確に突くために、実戦的な修行でいくべきだろう。
 麗刃は自ら出した結論に従い、修行を開始したのである。

 まずは一般兵を装い、影を薄くする修行。
「わたしみたいな個性の塊には困難な事だが、これも修行」
 心を無にする。
 わたしは影。わたしはイカの、のした奴。わたしは習字の半紙……。
 ぺらっぺらで薄いものを、片っ端からイメージする麗刃。
 ちなみにそこらへんには、アイテム的な箱が落ちていた。だが、麗刃の『修行』には役に立たなそうだったので、そっとフタを閉じた。
「いい感じにできているのだ」
 通りすがる野ウサギとかが完全に麗刃をスルーしているので間違いない。
 単に、気配を殺すとはまた違う。存在感を薄くする。「お前いたの?」と聞かれるくらいがちょうどいい。
 これも、次につなぐために必要な事なのだ。少なくとも麗刃は確信している。
 『次』として、麗刃は、敵をイメージする。仮想魏延。魏延は概念だった。
 敵が、何やかんやで隙を見せた瞬間!
 ジャーンジャーンジャーン!
「ここにいるぞ!!」
 伏兵現る!
 きっちり叫んだ後、一刀のもと、敵を斬り伏せる麗刃。
「ふっ、完璧なのだ」
 シミュレーションで、一連の流れはばっちりつかんだ。後は、いかに決めの台詞の精度を高めるか、だ。
 ということで。
「ここにいるぞ! ここにいるぞ!! ここにいるぞ!!!」
 仙境に響き渡る、ここにいるぞコール。
 これぞ、スパルタ苦行・ここにいるぞ千本ノック。
 魏延との戦いにおいて、斬る者斬られる者、どちらにとっても正念場だ。万が一にもこの台詞を噛んでしまう事は、失礼に値する。
 なので麗刃は、諸葛亮の遺命を果たす馬岱の心持で、ひたすら連呼した。
 敵は山の奥の方にいるとグリモア猟兵が言ってた気がするので、多分聞こえてない。
「ふう……これでいつでも魏延殿がおれを殺せるものがあるかと言っても大丈夫なのだ」
 持参したドリンクで、酷使した喉を潤しながら。
 麗刃は額の汗をぬぐうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

卜一・アンリ
使うのは毒が刷り込まれた羽衣の宝具。常日頃身につけ毒への耐性を持て、というところかしら。
その羽衣を首にでなく顔に、包帯のように口と鼻を塞ぐように巻く。
毒を直接吸い込む以上修行とも言えない危険な行為だけれど、すぐ後に戦うのだもの。悠長なことはしてられない。

魂縛武将。他者に憑かれて強い個体になったオブリビオン。
良いこと聞いたわ。召喚ばかりでそんなの考えたことなかった。

悪魔の召喚ではなく憑依。
それなら危険過ぎてまだ呼べてないあの悪魔も扱えるかもしれない。
その為にも今、毒に耐性を得ないと。

顔面蒼白で吐血しながら獣道だなんて、ただの『アリス』だった頃を思い出すわ。
えぇ、これぐらいどうってことなくてよ。



 卜一・アンリ(今も帰らぬ大正桜のアリス・f23623)は、鬼角山の竹林にて、不思議な箱と出会っていた。
 オブリビオンの罠? いやこれは、この地で修行していた仙人達の、いわば置き宝貝。
 アンリが開封した中身は、羽衣だった。神秘の糸で編まれたそれには、ドクロの印が刺繍されている。不穏極まりないそれが示すところは、すぐにわかった。
 羽衣に触れたアンリの手に、痺れの感覚が来る。
「なるほど。これを常日頃身につけ毒への耐性を持て、というところかしら」
 しゅるり。
 アンリは、宝貝・毒羽衣(仮称)を、首でなく顔に巻いた。包帯のように、口と鼻を 塞ぐように。
 毒を直接吸い込むという、修行の域を越えた危険な行為ではある。だが、じっくり、などという悠長な事をしている余裕はない。
 既にオブリビオン・魏延は、動き出そうとしている。戦闘をすぐ後に控えている以上、時間が惜しい。
 そして、魏延の存在は、アンリにとって一つ、光明を見出すきっかけともなっていた。
「魂縛武将。他者に憑かれて強い個体になったオブリビオン。良いこと聞いたわ。召喚ばかりでそんなの考えたことなかった」
 悪魔の召喚ではなく、憑依。
 その方法ならば、危険すぎるがゆえ、まだ呼ぶことの出来ていないあの悪魔も扱えるかもしれない。アンリはそう考えた。
 だが、その実現のためには、毒への耐性を得る事が必須条件と言える。依り代たる自身が強くなくては、力を得ても宝の持ち腐れだ。

 山中を進むアンリ。
 道はとにかく険しい。地形は全て敵。ある意味、オブリビオン相手の方がやりやすいかもしれない。
 阻む岩を乗り越え、立ちはだかる崖を登る。
 艱難辛苦に挑むアンリの顔からは、次第に血の気が失われ、吐血で地が濡れる。
 さしもの仙人達も、ここまでハードな鍛錬はしていなかったはずだ。
自分を虐め抜く修行の中、アンリの脳裏に、ただの『アリス』だった頃が思い出される。
 だからこそ、アンリは笑う。口もとを汚した血をぬぐいながら、
「えぇ、これぐらいどうってことなくてよ」
 心なしか、毒の影響が弱くなってきた。克服しつつある、兆しのようだ。
 高みを目指すアンリの先に待つのは、オブリビオン。
 修行の成果を示す時は、近い。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御園・桜花
「…あら?あらあらあら、まあぁぁぁ」
鉄下駄うさぎ跳をしていて転び、坂道を転がり落ちていく

「修行をしないと辿り着けないなんて…なんて恐ろしい。さすが仙里の道も一歩から…」※違います

普段純戦以外で運動らしい運動をしていなかったので修行に対応できず
壊れそうなもの(多分宝貝以外)は壊し、何故此処で?と思われるところで失敗しボロボロに

「…慣れた動作なら此処まで失敗しませんから」
目を逸らす

「別に私、不器用ではないのです…人混みでもお客様に当たらず給仕できますもの。そう、慣れないことがちょっと不得手なだけなのです」

ボロボロになりすぎたので水垢離場所でみ水浴びしてから進む
「私…絶対仙人にはなれないです…」



「……あら?」
 ごろごろごろ。
「あらあらあら、まあぁぁぁ」
 ごろごろごろごろごろ。
 各所で、猟兵達が修行に勤しむ鬼角山。
 その中の1人、御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)は、坂道を転がり落ちていた。
 足には鉄下駄。トレーニング宝貝の一種だ。重量が自動で調整される優れものである。
 うさぎ跳びに勤しんでいた桜花だったが、バランスを崩して、ごろごろと振出しに戻る羽目になっていた。
 あちこちぶつけた箇所をさすりながら、起き上がる桜花。
「修行をしないと辿り着けないなんて……なんて恐ろしい。さすが仙里の道も一歩から……」
 上手い事を言っているが違う。

 さて、猟兵は、オブリビオンとも互角以上に立ち回る存在。
 だが、肉体が特別強じんであるとは限らない。
 当の桜花も、普段純戦以外で運動らしい運動をしていなかったのが祟ったようで、今回の修行に体がついていっていない様子。
 めげずに走り込みを再開した桜花の行く手に現れたのは、橋。つり橋だ。
 はた目には頑丈そうで、簡単には壊れない……と期待したい。
 なので、橋を渡る。下は見ないという決意を胸に。
 ぶちっ。
「えっ」
 桜花の後方、橋をつなぎとめていた縄が、不穏な音ともに千切れた。
「そんな、絵に描いたようなトラブルが何故……!」
 己の不運を嘆いている暇はない。慌てて反対側に逃れる。
 その時。
 遙か下に、川が見えてしまう。急流だ。水に叩きつけられれば、桜花も青あざ打撲程度では済むまい。
 ずざーっ。
 スライディングで渡り切る桜花。直後、橋が全て落ち切った。セーフ。
「……慣れた動作なら此処まで失敗しませんから」
 目を逸らすと、ぱたぱたと土埃を払いながら、立ち上がる。

 なんやかんやで、ボロボロになりすぎた。
 断崖絶壁は恐ろしい。川は激熱温泉だった。
 見つけた水垢離場所で、水浴びさせてもらう事にする。
「別に私、不器用ではないのです……人混みでもお客様に当たらず給仕できますもの。そう、慣れないことがちょっと不得手なだけなのです」
 言い訳する。
 とは言え、トラブル耐性は幾分付いた気がする。修行の成果だろう。
 それでも桜花は、はあ、と深いため息をついて、
「私……絶対仙人にはなれないです……」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『虚ろなる処刑人』

POW   :    首を刎ねる
自身の【雷光を纏った剣】から、戦場の仲間が受けた【ユーベルコード】に比例した威力と攻撃範囲の【雷の一撃】を放つ。
SPD   :    咎人は拘束する
【拘束マスク】【両手を封じる手枷】【鉄球の付いた足枷】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    罪を告白しろ
質問と共に【雷光を纏った檻】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達が足を踏み入れた、鬼角山、深部。
 人為的に作られた岩の階段の先、決戦場への扉が待っていた。
 門だ。
 もはや巨人すら通れそうな高さの門の前に、複数の影が立ちはだかる。
「この先は、魏延様の領域」
「許可なく足を踏み入れんとする事は、すなわち罪である」
 口々に宣告するのは、揃いの衣装に身を包んだオブリビオン達……『虚ろなる処刑人』。
 今や、魏延配下の従順なる兵だ。
「ま、そう言うわけだ。一戦交えてもらおうか」
 門の上、声と共に現れたのは、1人の邪仙。
 処刑人達を統べる『太阳上帝』。否、この場に在っては、『魂縛武将』魏延。
 魏延が、宝貝の槍を巧みに回してみせると、虚空を炎熱が焼く。
「正直、俺もこの力を試してみてえ。が、そこらの雑魚じゃ物足りねえ」
 さすが、記憶を失っていても、かつての勇猛さは、魂に刻まれているようだ。
 だからよ、と魏延は続ける。
「この処刑人どもをぶっ倒せたなら相手してやってもいいぜ。……やれ!」
「お任せを!」
 魏延の命を受けた処刑人達が、猟兵達に刃を向ける。
「魏延様を満足させられぬ武力など、罪に値する!」
「弱き者は、疾く去れ。さもなければ、我らが処断してくれよう!」
 ここに、戦端は開かれた。
荒珠・檬果
理由あって真の姿へ。

はてはて、よき修行になったの。
魏延殿への特攻は二つほどあるが。まあ、今は出さずにおこう。

相手の攻撃は結界術で弾き、さらには第六感を活用して避ける。
今はアンクルがないゆえ、かなり身軽よ(抑え目)。岩の方が歯応えあるわ。

来よやオレンジライト・スピードキャバリア(O.L.S.C.)。その手に妾を乗せておくれ。
そして…七色竜珠を全てまとめて白日珠へ変化。

【箭、休むことなし】は魂縛や、サムエン猟書家の憑装の応用よな。
うむ、生前に姿近き方がやりやすかろ?『袁紹』殿。
さあ、逃げられぬよ。妾の有効射程は100^2mなのよ。
お主ら、基本は門の前におるしな?

ちなみに、『××将』は妾が考えた。



 殺気満ちたる門前にて、敵軍と相対する荒珠・檬果。
 その変貌は、処刑人達を驚嘆させた。
 シャーマンズゴーストから、彼らに至極近い姿に変じたのだから無理からぬ事。
「はてはて、よき修行になったの。魏延殿への特攻は二つほどあるが」
 まあ、今は出さずにおこう。
 こちらを油断なくうかがう魏延をちらりと見遣って、檬果は技を秘した。
 まずは、処刑人達を処する時。
「弱さは罪。魏延様を満足させられぬゆえに」
「強さは罪。魏延様を脅かすゆえに」
「お主ら、いささか自分勝手が過ぎるのぅ」
 苦笑の檬果に、拘束具が襲来した。
 手枷、足枷、そして覆面。
 五体の要を封じんとする、敵の呪縛。しかして檬果は動じず。
 涼しい顔で手枷を弾くと……結界の発動である……身を華麗に翻して、鉄球を回避する。
 その身のこなしは、天女の羽衣の如く軽やかであった。パワーアンクル修行の成果が、早くも表れたようである。
「その程度か? これでも抑え目なのであるが……岩の方が千倍歯応えあるわ」
 鉄球の直撃を側転でかわしながら、檬果が上品に破顔する。
「来よやオレンジライト・スピードキャバリア」
 檬果の招来に応え、橙色のキャバリアが降臨した。その巨大なる手に飛び移る檬果。
「巨人など」
「何するものぞ」
 臆することなくO.L.S.C.へと追撃を試みた処刑人達を、光輝が照らす。檬果が、飛び交う七色の光を1つに束ね、白日珠へ変化させたのである。
 神々しき輝きは、英傑の輪郭を形作る。
「うむ、生前に姿近き方がやりやすかろ? 『袁紹』殿」
 檬果の背に顕現せしその正体は、名門袁家の出にしてかの曹操が幼馴染。『袁紹』であった。
「霊体を呼び寄せるとは」
「そう驚く事もあるまい。この『絹芳将』はおぬしらの主と同じ、魂縛や、憑装の応用よ。ちなみに呼び名は妾が付けた」
 強い霊気に当てられる処刑人らに、こともなげに告げる檬果。
「さあ、逃げられぬよ。妾の有効射程は100^2m。何よりお主ら、基本は門の前におるしな?」
 魏延への忠義と、断罪という使命に縛り付けられた処刑人達が、敵前逃亡などできようはずもない。
 ゆえに、無謀ともいえる戦いを挑み……袁紹を宿した檬果の放った無数の矢に射抜かれ、骸の海へと敗走したのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳴上・冬季
「罪…罪ですか。邪仙を封神せんとする我々を、阻む貴様らこそが罪と知れ!」

「迅雷公たる我を、雷光の檻で捕らえようとするか。雑兵が、よくぞここまで思い上がった!その罪、消し炭となって贖え!」
雷属性の仙人に仙人未満が雷を以て当たろうとしたことにブチキレ
雷光鞭振り回しUCで術範囲内の敵が消し炭と化すまで雷を連続で打ち当てる
敵からの攻撃は黄巾力士にオーラ防御で庇わせる
なお防御時以外の時は黄巾力士に鎧無視攻撃や無差別攻撃で敵を蹂躙させる

「今時の豊葦原では、バカと煙は高い所が好き、と言うそうですよ。わざわざ門の上に居る貴方、言い得て妙だと思いませんか」
「洞門でない仙に、取り繕う必要はありませんから」
鼻で嗤う



「罪……罪ですか」
 鳴上・冬季(野狐上がりの妖仙・f32734)は、己に断罪の刃を向ける処刑人達を一喝した。
「邪仙を封神せんとする我々を、阻む貴様らこそが罪と知れ!」
 だが。
 処刑人達もまた、使命を放棄することはない。
「罪人よ、汝の罪を告白せよ!」
 処刑人の1人が、冬季への問いと同時、雷光が駆け抜ける。冬季を収める檻を組み上げるべく。
 果たして、冬季の答えは。
「迅雷公たる我を、雷光の檻で捕らえようとするか。雑兵が、よくぞここまで思い上がった! その罪、消し炭となって贖え!」
 怒髪天を衝く。
 雷を従えし仙人に、仙人未満が同じ雷を以て当たろうとしたという事実は、冬季の逆鱗に触れたようである。
 八卦天陣……迸る雷が、戦場を蹂躙する。
 雷の檻が、はじけ飛ぶ。
 続く雷光鞭が処刑人達をまとめて薙ぎ払えば、天より降り注ぎし裁きの雷群が、処刑人達を消し炭へと変えていく。
 雷光の災禍より逃れ出た処刑人達は、渾身にて雷檻を放つ。
「おのれ」
「ならば汝に問う。汝の本性や如何に?」
 だが、オブリビオンの悪意は、もはや冬季に届く事すらない。
「答えるにも値しないが答えよう。我、迅雷公也!」
 冬季自身が手掛けた宝貝・黄巾力士が、壁の如くそそり立ち、雷光を弾き飛ばした。
 弱体化した檻を引きちぎると、処刑人達の中に飛び込み、敵の蹂躙にかかる。
 迅雷と剛力が、敵軍を駆逐していく。
「今時の豊葦原では、バカと煙は高い所が好き、と言うそうですよ。わざわざ門の上に居る貴方、言い得て妙だと思いませんか」
 もはや、冬季を阻む者はないに等しい。言葉と視線を向けた先、魏延がいる。
 怒りの形相をした猛将が。
「てめえ……俺が煙みてえに頼りない存在だと言いたいのか! しかも馬鹿だと!?」
「反応する順番というか、着眼点が独特な気もしますが……まあ、事実を言ったまでですよ。洞門でない仙に、取り繕う必要はありませんから」
 冬季に鼻で嗤われた魏延は、一層顔を赤く染めた。
「いいぜ、すぐに吠え面かかせてやる」
 魏延の怒気のこもった眼差しを、冬季はその胆力にて、正面から受け止めたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エゼルミア・トリストラム
UCをオブリビオン達に命中させたら、おっかないからさっさと魔法の箒で退避。弱き者は疾く去るべしだからね

次に氷と火属性を操って水蒸気の煙を起こすよ
目くらまししてる隙に、箒で空中移動しつつもっと属性魔法を使おう。地面を凍らせて滑らせたり、つむじ風でバランスを崩させたり、目潰しの魔法の閃光弾を放ったりして敵を妨害するよ

…少ししたらUCの魔法も意味があるものになるはず
魔法のせいで仲間同士のまともな意思疎通はできないから、妨害の内容や敵の位置を教えあうことはできない。その混乱に乗じてどんどん妨害しよう

正面から戦うのは向いてないからあとは他の猟兵の皆に任せるよ。それに道中のせいでまだ体が痛いし…



 新たに戦場を駆け巡ったのは、エゼルミア・トリストラムの魔法だった。
 それも、ただの魔法ではない。ユーベルコードだ。
 だが、魔法の洗礼を受けた処刑人達は、何ら異変に見舞われる事はない。
「今のは……」
「不発か? いや……」
 処刑人達が警戒心をあらわにしている隙に、当のエゼルミアは魔法の箒で退避していた。
「弱き者は疾く去るべしだからね」
「待て!」
 待てというなら待とうではないか。ただし、新たな魔法を伴って。
 処刑人達の眼鏡が、曇る。
 次にエゼルミアが繰り出したのは、水蒸気の煙だった。氷と火のエレメントの複合だ。
 処刑人達が視界不良に見舞われている間に、エゼルミアは新たな魔法の準備に取り掛かっている。
 水蒸気が鎮まる兆しを捉えた処刑人達が、抜剣。一挙に反撃に打って出る。
 そして、彼らは転んだ。
 エゼルミアが、周囲の地面を凍結させていたのだ。
 一瞬の変化に、処刑人達が冷気の予兆を感じ取る暇もなかった。
 同朋の無様を知れば、同じ轍は踏まない。別の処刑人が凍結領域から跳躍で脱しようとしたところ、今度はつむじ風が襲った。
 また別の処刑人は、突然の閃光弾の炸裂をまともに受け、視界を完全に失った。
「一発芸が得意なのかと思ったが、なかなかどうして、やるじゃねえか」
 戦いの趨勢を見守っていた魏延が、エゼルミアの手並みを称賛する。
 エゼルミアの千変万化の妨害魔法。
 だが、処刑人達最大の強みは、数の多さ。いくら魔法が多彩と言っても、エゼルミアは単騎。複数人をもってあたれば、その動きを征する事も、さしたる難儀ではない。
「右だ」
 仲間の言葉を信じ、右に回避した処刑人は、またもや閃光弾の餌食となった。
「後ろだ、旋風が来る」
 また別の仲間の助言に従い、反転した先、待っていたのはアイスバーン。
 処刑人の連携が断たれている。これこそ、エゼルミアが初手で披露したユーベルコードの効果だ。すなわち、正確なる意思疎通の遮断。
 本心を封じる魔法の絡繰りを見破れず、やがて雷剣にて、同士討ちまで始める始末。
 これもエゼルミアの戦法だ。正面から戦わずとも、相手を翻弄する事は出来る。
「やれやれ、あとは他の皆に任せるよ」
 何より、エゼルミアの体の節々は、先ほどの道中で酷使されて痛かった。
「しんどい」

成功 🔵​🔵​🔴​

雨咲・ケイ
やれやれ、なんとか辿り着けたと思ったら
また盛大なお出迎えですね……。
(這う這うの体で)
疲弊した体では少々厳しいですが……、
逆に考えましょう、これも修行だと。

【SPD】で行動。

初手で【天霊回宝輪】を使用。
敵の拘束具は手足から放つ【衝撃波】で
撃ち落としていきます。

疲労はありますが、なんか感覚が
冴えてる気がしますね。
修行の成果でしょうか?

敵の攻撃を凌いだら、そのまま間合いを詰めて
【功夫】による接近戦で攻めていきます。
敵が密集している箇所には【グラップル】で
【捕縛】した敵を【投擲】でブン投げてやりましょう。

アドリブ等歓迎です。



 魏延が待ち受ける門へとたどりついた雨咲・ケイは、既に満身創痍であった。戦の前にも関わらず。
「そこの手負い。テメエの首なんざもらっても箔なんざつかねえぞ」
 這う這うの体のケイを見下ろし、嘆息する魏延。
 ハードな修行の影響だ。想定以上の。
 ケイは息を整え、何とか顔を上げる。
「苦言もごもっともですが、また盛大なお出迎えですね……」
 ずらりならんだ断罪者。魏延配下の処刑人達。
 個々の武力は、猛将魏延に及ぶべくもないが、数の多さは戦の大きな要だ。
「疲弊した体では少々厳しいですが……逆に考えましょう、これも修行だと」
 乱れた気を、ようやく整え直したケイを、処刑人達が襲った。
「咎人は拘束する!」
 術にて操られた手枷や足枷が、ケイを縛らんと飛来する。
 それを弾き返したのは、戦場に立ち昇る覇気。すなわち、ケイのオーラであった。
「何ッ!?」
 処刑人達の眼鏡を照らす、『天霊』の輝き。
 既に、ケイの体は温まっている。むしろ熱された状態である。
 肉体のみならず精神も摩耗しているが、それでもケイは果敢に立ち向かった。衝撃波を発し、敵を打ち払っていく。
 処刑人の繰り出す体術、そして拘束具の乱舞を切り抜けるケイの勇姿は、まさに一騎当千の様相。
「おいおい、やるじゃねえか!」
 魏延の喜悦と拍手の音が、ケイの耳朶を打つ。
 あらゆる感覚が、今までになく冴えているように感じる。
 疲労ゆえに無駄な動作が削ぎ落され、精度が増しているのか。だとすれば、これも修行の成果という事であろう。
 相対の時に見られた処刑人の優勢は、今や覆され、その攻撃は一度たりともケイに傷を与える事は叶わぬ。
 敵の士気低下を感じ取り、ケイが攻勢に転じる。またたく間に相手の間合いを征圧し、接近戦へ。
 鍛え上げた功夫を駆使して、処刑人達の体術を凌駕していく。
 掌打が敵を宙に飛ばし、蹴撃が敵を地に沈める。
「弱者を装い、我らをたばかったというのか」
「ならばそれも罪状に加えよう!」
 殺到する処刑人の1人を捕縛すると、そのまま投げ技を決めた。
 狙うは、処刑人密集地。
 勢いよく投じられた処刑人は、同朋を薙ぎ払う武器として機能したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

大豪傑・麗刃
罪を告白しろと?

わたしはお笑いとまじめな剣士の二足の草鞋をやっているのだ。罪というのは、お笑いの方の話なのだ。
はっきり言って剣士の方がずーっと楽なのだ。ただ刀もって斬ればいいわけだし。それに比べてお笑いはつらいよ。いろいろとねえ苦労もあるのだよ。それでもなおお客さんを笑わせたり、敵を笑わせて隙を作ったりした時の喜びは何物にも代えがたいものがある。

が。
最近はわざとつまらないギャグで敵を白けさせて隙を作る事ばっかりやっている!
これはお笑いを旨とするものとしては邪道なのだ!我ながら情けないのだ!
これがわたしの罪なごや!!

でたぶん相手よりおもしろいような気がしたので能力あげてあとは二刀流で斬る流れで。



 大豪傑・麗刃を取り囲む、処刑人の軍勢。
 実際は、軍勢というほどではないかもしれないが、やたら多いので大ざっぱにいってそんなものだろう。
「やあやあ我こそは……」
「さあ、汝の罪を告白せよ!」
 武人たる麗刃の名乗りをスルーして、処刑人達が、雷光帯びた檻を招来した。
「ノリが悪い奴等なのだ」
 檻に収監された麗刃は、しかし、動じる素振りなど微塵も見せぬ。器の大きさを感じさせる。多分。
「罪を告白しろと? わたしはお笑いとまじめな剣士の二足の草鞋をやっているのだ。罪というのは、お笑いの方の話なのだ」
 語る麗刃。
「はっきり言って剣士の方がずーっと楽なのだ。ただ刀もって斬ればいいわけだし」
 耳を傾ける処刑人。
 一応、問い掛けた者としての責任は果たすらしい。
「それに比べてお笑いはつらいよ。いろいろとねえ苦労もあるのだよ。それでもなおお客さんを笑わせたり、敵を笑わせて隙を作ったりした時の喜びは何物にも代えがたいものがある」
 が。
「最近はわざとつまらないギャグで敵を白けさせて隙を作る事ばっかりやっている! これはお笑いを旨とするものとしては邪道なのだ! 我ながら情けないのだ! これがわたしの罪なごや!!」
「はあ」
 ぱりぃん!!
 疑うところの特にない真実だと判断されたのであろう。
 雷の檻は、光の塵となって四散し、麗刃を解放した。
「ああ、娑婆の空気は美味い」
 麗刃は、ただ処刑人に対して、真実で応じただけではない。処刑人より格段に面白い事を言ったので、強さが3倍になった。
 というか、処刑人はそもそもお笑いバトルフィールドに立っていなかったので、実質、麗刃の不戦勝。
「んじゃ楽な方の仕事でいくのだ」
 麗刃は、持ち刀の中から二振りを適当に選ぶと、二刀流。『適当』とはその場に適したという意味なのだから、プラス表現だ。
 麗刃は敵陣に切り込むと、華麗なる剣技を披露する。
 一騎当千、天下無双、問答無用。
「なぜだ、いきなり達人のように」
「力を隠していたのか」
 ざわっ。敵陣に動揺が走る。
 不可思議な原理で突然強さを増した麗刃に、処刑人達は、有象無象の如く蹴散らされていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

卜一・アンリ
(宝具を顔に巻いたまま、口許から垂れる血を袖で拭って)
……まだね。あともう少しだけ必要。
かかってきなさい。このままお相手して差し上げるわ。

UC【悪魔憑きのアリス】で強化したスピードと反応速度で
敵UCを【逃げ足】ないし拳銃の【クイックドロウ】で【武器落とし】。
そのまま銃撃の【乱れ撃ち】による【弾幕】、埒が明かないようなら【ダッシュ】で接敵し【零距離射撃】で始末しましょう。

役者不足よ、弱きを罪とするならば手始めに貴人方から消えてみせるべきだわ。
そもそも、悪魔憑きのアリスに罪を問うなんてナンセンスではなくて?



 卜一・アンリは、門上の魏延と、そして、目前に対する処刑人達を睨んだ。
 未だ、宝具を顔に巻いたままだ。口許から垂れる血を袖で拭い、呟くアンリ。
「……まだね。あともう少しだけ必要」
「罪人よ。手負いと見受けるが、温情など与えん」
 処刑人の眼鏡が、陽光を反射する。
 そして飛来する、種々の拘束具。それを見据えるアンリの眼光は、普段以上に鋭利なものであった。
「かかってきなさい。このままお相手して差し上げるわ」
 ぞわっ。
 アンリの体から、気が膨れ上がる。処刑人達をもひるませる圧力。
「こりゃあ……面白い!」
 魏延が笑う。
 オブリビオンと化した魏延さえも喜悦するその気は、清浄なるものとは程遠い。
 むしろ、邪仙と同質……悪魔の気配だ。
 異質なるものへと変じたアンリが、地を蹴る。
「消えた!?」
 初手から、トップスピードだ。【悪魔憑きのアリス】……まさに悪魔的に強化された速力が、拘束具の魔手を回避し、拳銃の早撃ちにて、撃墜せしむる。
「なんという絶技……はっ」
「そんなもの、二重にしたところで私には何の効果もないわ」
 すかさず手にした拘束マスクさえも撃ち落され、驚愕する処刑人。
 リロードするアンリを、別の処刑人が襲う。足枷に付いた鉄球を振り回し、接近戦を挑む。
「この間合いでは、その飛び道具も使えまい」
「それはどうかしら」
 ひたっ。
 アンリの銃口が、処刑人の胸へと押し当てられた。
 零距離射撃。
 くぐもった銃声と共に、処刑人が地に伏した。
「おのれ」
 消滅する同朋を悼む暇もない。処刑人が殺到する。
 アンリの得物は、拳銃一つ。物量をもってして取り囲めば、反撃など恐れるに足らず。
 そんな処刑人の考えを甘いと一蹴するように、アンリが披露したのは、弾幕であった。
 魔弾が、仮初の命を一挙に狩りとった。
 円陣を為す処刑人が、一斉に倒れる。
「役者不足よ、弱きを罪とするならば手始めに貴人方から消えてみせるべきだわ。そもそも、悪魔憑きのアリスに罪を問うなんてナンセンスではなくて?」
 アンリのその言葉。
 最後まで聞き届ける事の出来た処刑人が、どれだけいたであろうか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鏡島・嵐
さて、こっからが本番だな。
正直戦うんは怖ぇけど、やるしかねえか。
クゥと一緒に鍛えた成果を見せる時だ……!

クゥの機動力を活かした〈逃げ足〉と、〈第六感〉で相手の攻撃を〈見切り〉ながら躱したり、〈スナイパー〉ばりの精度の射撃で〈武器落とし〉
や〈目潰し〉〈マヒ攻撃〉を仕掛けて無力化したり。
チャンスがあれば〈ダッシュ〉で一気に接近して、クゥにパンチを繰り出させる。
もし他の味方が近くにいるんなら、タイミングを合わせて〈援護射撃〉を撃って支援もする。

ああ……言っとくけど、おれは別に強くなんかねえぞ。
逃げて後悔するんがヤだから、弱くても怖くても戦ってる。そんだけだ。

※連携・アドリブは適当に


御園・桜花
「あら。倒すのは、此の方達だけで宜しいのです?」
煽る

UC「召喚・精霊乱舞」
敵と敵の使う檻の両方狙い弾き飛ばす
敵の攻撃は第六感や見切りで躱す
召喚後は高速・多重詠唱で銃弾に破魔の属性乗せ制圧射撃
魔力球や仲間の攻撃が当たりやすくなるよう補助する

「貴方達の願いは、誰かの夢に乗ることだったのでしょうか…貴方達の願いは、叶いましたか?」
「在る事は願う事と同じです。貴方達の有り様を思い出されたら、何度でも此の世にお戻りを。そして、叶う事なら、それが共存できる願いでありますよう」
鎮魂歌歌い送る

「それで?次は此の門を壊しましょうか?それとも…みっともなく突き落とされる前に、其方から降りて来られます?」
更に煽る



 魏延の門に辿り付いた鏡島・嵐を取り囲む、敵、敵、敵。
「さて、こっからが本番だな」
 嵐に敵意を向けるのは、魏延配下の処刑人達。
 眼鏡の奥の瞳は、容赦ない殺気を溢れさせている。目に映る全てを罪人とみなして。
「咎人達よ。汝らの罪を罰する」
「正直戦うんは怖ぇけど、やるしかねえか。クゥと一緒に鍛えた成果を見せる時だ……!」
 ぐっ、と拳を固める嵐。今こそ、トレーニング宝貝の鍛錬の成果を発揮するときだ。
 そんな嵐や、御園・桜花を断罪すべく、処刑人達が構えをとる。
 自分達を罪人と断ずる敵群に対し、桜花の表情は、穏やかな笑みであった。
「あら。倒すのは、此の方達だけで宜しいのです?」
 あたかもここがカフェーの店内であるかのような桜花の平然に、魏延が、けっ、と吐き捨てた。
「言ってくれるじゃねえか。増援が所望なら、いつでも準備は出来てるぜ」
 一触即発、視線をぶつけ合う桜花と魏延。
 だが、処刑人達の方は、一足先に動き出していた。
「魏延様のみならず、我らをも愚弄するか」
「それもまた罪。さあ、己の罪を悔いよ!」
 嵐らへ飛来する、拘束具の群れ。
 武力はおろか、戦意さえも削ごうとする、処刑人の封印だ。
 だが。
 勇ましき吠声が、処刑人による歓待を拒絶した。
 拘束具を吹き飛ばしたのは、炎熱の輪をくぐり現れた金色の獅子……クゥである。
 先ほどの小さき姿ではない。霊獣もかくや、という雄々しき体躯が、処刑人を圧倒する。
「獣など、我ら知恵ある者にはかなわぬ」
「さあ、罪ある者はすべからく拘束する!」
「舐めてもらっちゃ困る……な!」
 クゥに騎乗した嵐が、戦場を駆ける。
 念動力によるものか、空中を自在に浮遊する拘束具群から逃れるクゥ。
 拘束具は無機物。しかして、処刑人の意志を受けている以上、その視線や意図を見切れば、かわすことは不可能ではない。
「やるじゃねえか。いいぜ、その調子だ」
 嵐達の奮戦を、楽し気に観戦する魏延。
 クゥの機動力で敵の攻撃をかわしながら、スリングショットで反撃する嵐。あちこちの木の実や石……弾なら、いくらでも調達できる。
 加えて嵐の狙いは的確で、拘束具を構えた処刑人の手を打ち、取り落とさせる。
 或いは、相手の目や足を狙って、視界を封じ、あるいは動きを止める。
 体勢を立て直す暇も与えない。クゥが一気に相手に接近すると、容赦ないパンチを浴びせた。
 門へと叩きつけられる処刑人。
 だが、味方の事など構っている余裕はなく、嵐とクゥの次なる連携攻撃に備えねばならなかった。
 一方、桜花にも敵が差し向けられる。
「汝の罪は既に明らかであるが、改めて問う、汝の罪を告白せよ!」
 処刑人の言霊に応え、桜花を、雷迸る檻が封じ込めた。
「さあ、逃れるには問いに応えねばならぬ」
「ただし、偽り、もしくは我らが認めぬ回答であったならば、断罪の雷が汝を裁くであろう」
 処刑人の一方的な宣告に、桜花は、ひとたびまぶたを閉じた後……破顔した。
「召喚・精霊乱舞」
 檻が、内側から吹き飛んだ。
 雷光の破片を越えて飛び出したのは、精霊。
 その勢いは、桜花に自由を取り戻すだけでは飽き足らず、檻の主であった処刑人をも弾き飛ばす。
「おのれ、魏延様の御前で無様は見せられぬ」
 捲土重来、処刑人達が、一斉に檻を放つ。
 だが、飛び交う精霊が、その狙いを翻弄。反対に、千里の果てまで追う魔力球が、処刑人達を逃しはしない。
 そして桜花は、破魔の力乗せた銃弾を連射、処刑人達を処断していく。
 仮に逃れられたとしても、精霊の繰り出す魔力球が、あるいは嵐の射撃が、その息の根を止めるのだ。
 こうした嵐達の奮戦ぶりに、処刑人もその実力を認めざるをえない。
「前言撤回、こ奴等、あなどりがたし……!」
「ああ……言っとくけど、おれは別に強くなんかねえぞ」
 クゥが敵を組み伏せながら、嵐が言った。
「逃げて後悔するんがヤだから、弱くても怖くても戦ってる。そんだけだ」
 仮初の命を砕かれ、消えゆく処刑人達に、桜花が問い返す。
「貴方達の願いは、誰かの夢に乗ることだったのでしょうか……貴方達の願いは、叶いましたか?」
「我ら、は……」
「在る事は願う事と同じです。貴方達の有り様を思い出されたら、何度でも此の世にお戻りを。そして、叶う事なら、それが共存できる願いでありますよう」
 鎮魂歌にて、葬送する桜花。
 それから、桜花と嵐は共に、此度の首魁……こちらを睥睨する魏延を見上げた。
「それで? 次は此の門を壊しましょうか? それとも……みっともなく突き落とされる前に、其方から降りて来られます?」
「ちぃっとばかし褒めれば図に乗りやがって……いいだろう、俺が引導を渡してやる! 光栄に思え!」
 桜花の挑発を受けた魏延が、地上に降り立つ。
 怒りと猛りに化粧されたその形相は、鬼神がごとく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『太阳上帝』

POW   :    宝貝「神火尖鎗」
自身が装備する【神火尖鎗】から【高熱線による大爆発】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【火傷】の状態異常を与える。
SPD   :    宝貝「火鴉」
自身の【戦闘力】を代償に、1〜12体の【宝貝「火鴉」】を召喚する。戦闘力は高いが、召喚数に応じた量の代償が必要。
WIZ   :    宝貝「十金光」
攻撃が命中した対象に【十の太陽のうち一つ】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【高温の光と渇き】による追加攻撃を与え続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は雨・萱です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「良いぜ、ここで相手してやる……!」
 門下に降り立った魏延の傍ら、処刑人の残党が現れる。
「洞穴が地下、闘技場の支度は済んでおります故、そちらに……」
「俺はここで相手すると言ったぜ」
 進言を一顧だにせず、魏延は、部下を槍で貫いた。
 一瞬に炎に包まれ、焼滅する処刑人。
「邪魔が入ったが、俺は速えぞ」
 宝貝『神火尖鎗』を構え直す魏延。肩に留まる霊鳥は、宝貝『火鴉』。そして、その身を照らす十の灯りは、宝貝『十金光』。
 オブリビオンの体に、武将の魂。
 元々、二者は性質が似ていたのかもしれない。太阳上帝と魏延は、齟齬を生じる事なく、高い武力を有していた。
 魏延が先制攻撃を仕掛けた時こそ、その真価は発揮され、力は倍化する。
 ならば、猟兵が速さを制する手立てがあれば、魏延の白眉を封じる事も出来るに違いない。
「前の俺がどんな奴で、どんな死に方したかなんざ、覚えちゃいねえし、興味もねえ。けどな、魂に刻まれた言葉があるのよ」
 魏延が、息を吸う。
 そして。
「俺を殺せるものはあるか!!!!」
 その大音声は、鬼角山じゅうに響き渡る勢いであった。
大豪傑・麗刃
今こそ第1章でやった特訓の成果を見せる時。大声で叫ぼう。

ここにいるぞ!!

今回は戦闘前にユーベルコードを使用、『仕込み』を行っていたのだ。前もって使っておくはダメってルールないよね?うん、ダメだったら、その、なんだ、スマン。

ということで。
きみに是非とも物申したい人がいるので連れてきたのだ。この方々なのだ。

諸葛亮!
楊儀!

お二方には、やはり魏延殿は乱を起こす人物であり処断したのは正しかった的な内容の罵倒をしていただく。そして魏延殿がふたりに気を取られたところで潜ませておいた伏兵を。

(ジャーンジャーン)『ここにいるぞ!』

馬岱殿のアンブッシュ!
馬岱殿の攻撃にあわせてわたしも二刀流構えダッシュで斬り込む。



「ここにいるぞ!!」
 門前に木霊するレスポンス。
 大豪傑・麗刃の高らかな応答が、魏延の踏み込みを制した。
 せっかくの特訓の成果、ここで見せずしていつ見せる。
「せっかく人が攻撃しようとしたってのに……」
「まあ、機先を制するのが兵法の基本なのだ。多分。それよりきみに是非とも物申したい人がいるので連れてきたのだ。この方々なのだ」
 諸葛亮!
 楊儀!
 御存じ蜀のえらい人。
「誰だテメエら」
 口ではそう言いつつも、魏延には若干焦りというか苦手意識的なものがにじむ。骸の海の力をもってしても、色々あった記憶は消しきれないと言うのか……。
 麗刃の紹介を受けた諸葛亮は、さっそく魏延に説き始めた。
「やはりあなたには反骨の相がありましたか。私の懸念はやはり正しかった……」
「丞相のおっしゃる通り!」
 楊儀も、びしっ、と魏延を示す。
「やはり貴様は遅かれ早かれ混乱の元となったのだ。丞相が健在なうちに首をはねておけば……!」
「黙って聞いてりゃ……よくわかんねえが、今俺は無性に腹が立っている!」
 すると魏延は、宝貝が一つを発動。炎の翼持つ鴉を招来した。
 自身の武力を削って呼び出したその数、三羽。
 怒り心頭の様子の魏延は、麗刃の存在も忘れ、今にも諸葛亮達を焼き殺さん勢いである。
 一方、楊儀は楊儀で、ユーベルコードで呼ばれた客将状態という事もあり、調子に乗って来た。
 そういうところだぞ。隣の諸葛亮の視線には気づいていない模様。
「ふふん、魏延よ、『わしを殺せるものがあるか』と三度言うことが出来たら……」
「皆まで言うな! 俺を殺せるものがあるか! 俺を……!」
『ここにいるぞ!』
 ジャーンジャーン!
 何処ぞより銅鑼が響き、現れたのは、第三の関係者……馬岱! 
「なんだ、この既視感は……!」
 魏延絶対殺すマンたる馬岱を回避することは、魂縛武将と化した今の魏延にも不可能であった。
 そこに、すっかり存在を忘れ去られていた(そういう狙いだったけど)麗刃も、二刀流で加勢する。
 直接の相対より前から、仕立て上げられた流れ。
 かくして魏延は、麗刃・馬岱の合体攻撃をまともに食らったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

荒珠・檬果
魏延殿、その言葉はフラグぞ?

まあよい、フラグを積み立てる。水結界を形成し、白日珠を『光線放つ木簡』へ変形
修行で得た、本気の速度よ
足りぬならば、O.L.S.C.も加速させる。先を制しUC発動。光線を放ちて条件を整える
ルールは『「誰敢殺我」を三回連続で言え』に。さっき言っておった『「魂に刻まれた言葉」を三回連続』でもよい。意味合い的には一緒なのでな
連続なので、さっき(断章)のはカウント外になる

言えぬか?ほほー、魏延殿とあろうものが、たかが特定の言葉を連続三度発する、ということができぬと?とても簡単でノーダメになるのに?(めっちゃ煽る)

すまぬ、憑依しておる『楊儀殿』が表に出た。超絶不仲だったからのう



「魏延殿、その言葉はフラグぞ?」
 荒珠・檬果が、魏延を諫めた。
「ふらぐ? 南蛮の言葉か? まあいい」
 魏延の構える宝貝・神火尖鎗に対抗すべく、檬果は、水結界を形成。そして、白日珠を、光線放つ木簡へと変形させた。
 そして、檬果が駆ける。
「これぞ、修行で得た、本気の速度よ」
 魏延にさえ匹敵せんとする、戦闘速度。
 檬果の背に、霊体が現れる。錦嚢将『楊儀』……武官ではない。文官だ。だが魏延に対してはこれ以上ない天敵である。
「誰だ、そいつは。無性に苛つくぜ……!」
 記憶が無くとも覚えている、これはもはや、魂に刻まれたものとしか言いようがない。
 突然の乱入者に集中を乱され、上帝譲りの尖鎗を繰り出す暇もない。魏延へと、木簡からの光線が命中する。
 門前にまで追いやられるが、光を弾き飛ばした魏延は、不敵な笑みを返してみせた。
「ふん、こんなもの、喰らったうちに入らねえ」
「逸るでない。真価はこれからぞ」
 そして檬果は、魏延にルールを貸した。
「慈悲をやろう、『「誰敢殺我」を三回連続で言え』」
 さっき言っておった『「魂に刻まれた言葉」を三回連続』でもよい、と追加する。意味合い的には変わらない、と。
「連続ゆえ、先刻のものはノーカウントじゃ」
「む……!」
 魏延が言いよどむ。
 つい先刻、この言葉を発した直後、痛い目にあったためか。そもそも前世の体験によるものか。
 楊儀・檬果の口車に乗るのを躊躇する魏延。
 もちろん、檬果が、その逡巡をいつまでも赦しておく道理もない。
「言えぬか? ほほー、魏延殿とあろうものが、たかが特定の言葉を連続三度発する、ということができぬと? とても簡単でノーダメになるのに?」
「ぐぐ……途轍もなく嫌な予感がするが……!」
 煽る。めっちゃ煽る。
 脂汗さえにじませだした魏延。挑発に余念のない檬果。
「すまぬ、憑依しておる『楊儀殿』が表に出た。超絶不仲だったからのう」
「けっ、言ってやる。言ってやるぜ……!」
 しかし、宣言とは裏腹に、魏延の口は、紡ぐことを拒絶していた。
 ゆえに。
「時間切れじゃ」
「な」
 尖鎗が暴発した。
 檬果のユーベルコードが起爆剤。
 尖鎗に蓄えられていたエネルギーまでもが合一した大爆発が、魏延を呑みこんだのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

雨咲・ケイ
そう問われたならば
「ここにいるぞッ!」
と答えないのは無粋ですね。

「私は雨咲ケイといいます。
お相手願います」
と拱手で一礼しますが、
「闘う前にひとつ……、
孔明殿の事もお忘れですか?
私をここに導いたのは
彼の大軍師孔明殿です。
流石は孔明殿。
未来を予見されていたのですね(勿論嘘)」
と揺さぶりをかけて敵の先制を阻止。
そのまま間合いを詰めて【功夫】と
【グラップル】による接近戦を仕掛けます。

敵の攻撃による爆発は【盾受け】と【オーラ防御】を
展開した上で【衝撃波】を放ち、
相殺してダメージを抑えましょう。
敵の攻撃を凌いだら、そのまま【シールドバッシュ】で
反撃し、怯んだ所で【魔斬りの刃】を放ちます。



「ここにいるぞッ!」
 魏延の魂さえ揺るがす声の主は、雨咲・ケイであった。
 この猛将に対しこう答えないのは、無粋に値するだろう。ケイもこれが礼儀であると直感していた。
「という訳で、私は雨咲ケイといいます。お相手願います」
 拱手で一礼。
 唯我独尊の趣さえ感じさせる魏延も、その気質は武人。大人しく拱手を返す。
「闘う前にひとつ……孔明殿の事もお忘れですか?」
「こうめい」
「私をここに導いたのは、彼の大軍師孔明殿です。流石は孔明殿。未来を予見されていたのですね」
 もちろん嘘である。
 だが、ケイの仕掛けた揺さぶりは、魏延の、記憶とも呼べない曖昧模糊とした過去を掘り起こしたようであった。
「孔明……どうにも嫌な名だ……」
 頭に手を当て、突然の痛みをこらえる魏延。
 さしもの猛将も、その隙が仇となった。
「!?」
 驚愕の魏延。ただ一瞬呆けていた間に、眼前にケイが接近していたからである。
「ちっ、小細工しやがって!」
 ケイの功夫を、かろうじて尖鎗で受け止める魏延。
 宝貝の武具で抗する魏延だが、ケイの格闘術はそれに引けを取るものではなかった。
 何より、ケイに先手を譲った事で、魏延の本領、先制は封殺された。
「なら、肉を切らせて骨を断つ、ってな!」
「!」
 ケイの本能が、危険を告げる。
 直感に身を委ね退避した直後。
 爆破が生じた。神火尖鎗から放たれた熱線が、周囲を焼き払ったのである。
 目前のケイを標的としていたため、爆発には魏延自身も巻き込まれている。もっとも、我が身の負傷などどこ吹く風。再び槍の先で、ケイを狙う。
「ほうら、もう一丁!」
 圧倒的な熱量と衝撃に対し、ケイはオーラで自身を護る。
「これだけで足りないのなら……」
 ケイは、新たな爆風に対し、衝撃波を発した。二つの衝撃がぶつかり合い、相殺する。
 ケイはそのまま、煙を突き破り、シールドバッシュ。相手は、常にまばゆき光の加護を受けている。居場所を特定するのは容易い事だ。
「おおっ!? テメエの何処にこんな力が……ッ」
 突然の反撃に、後退する魏延。
 その胸に、ケイの手刀……破邪の光刃が突きこまれた。鮮やかに。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳴上・冬季
「私自身が使う宝貝が2つ、宝貝である黄巾力士が使う宝貝が3つ。使う宝貝の数は、貴方の2倍です。遠慮せずここで封神されては如何でしょう」
爽やかに嗤う

「確かに貴方は速い。だが速い分軽すぎて、私達の命を奪うには不足している。それだけの話です」
「庇え、黄巾力士」
UCで黄巾力士を20m級まで巨大化
敵の自分を含めた仲間への初擊をオーラ防御で庇わせる
「さあ、今度はこちらの番ですね。蹂躙しろ、黄巾力士」
庇わせた後は鎧無視攻撃・無差別攻撃で門ごと蹂躙する
自分は仲間の射線を邪魔しないよう風火輪で空中から雷光鞭振るい雷属性の攻撃

「1度封神された仙には死に癖がつきます。ですから、何度でも貴方を殺して差し上げます」
嗤う


鏡島・嵐
最後の奴は手強いって相場は決まってんだよな。
まして宝貝で武装した武将ってなりゃ、どんだけ強いのか想像もつかねえ。
……怖くて堪んねえけど、やるしかねえ……!

素早さでも火力でも向こうが上。おれが勝てるとしたら、頭の回転・勘の良さくらいだろうな。
《忘れられし十三番目の贈り物》を併用しつつ〈第六感〉で相手の動きを〈見切り〉先読みして、〈武器落とし〉〈マヒ攻撃〉を仕掛けて好きにやらせねえようにする。
上手く向こうの隙を作ったら〈スナイパー〉ばりに精度を高めた射撃を撃ち込んで、ダメージを稼ぐようにする。

もし近くに他の仲間が居るんなら、状況を見ながら〈援護射撃〉を飛ばして支援する。

※連携・アドリブは適当に



 強者を渇望する魏延。
 かの猛将に対し、鳴上・冬季は、己が姿を現す事で回答とした。
「貴方も複数の宝貝を使うようですね。それもいずれも強力の様子」
「当然よ。俺の器となるのに相応しいオブリビオンを選んだんだからな」
 三種の宝貝を振るう時を、今や遅しと待ちわびる魏延。
 だが、冬季の余裕は崩れない。
「私自身が使う宝貝が2つ、宝貝である黄巾力士が使う宝貝が3つ。使う宝貝の数は、貴方の2倍です。遠慮せずここで封神されては如何でしょう」
 嗤う。いっそ、爽やかな程である。
 そんな冬季の姿勢は、鏡島・嵐の戦意を奮い起こさせつつあった。
 同じ猟兵として、負けていられない。魏延の放つ覇気にも、何とか堪えてみせる。
 とはいえ相手は、処刑人達を率いた一軍の将。となれば、手強いというのは相場が決まっている。
 まして、強力な宝貝で武装した武将。その強さは、嵐の想像以上やもしれぬ。
「どうした小僧? 足が震えてるぞ」
「わかってるよ! ……怖くて堪んねえけど、やるしかねえ……!」
 魏延の挑発を真正面から返すと、嵐は戦の構えをとった。
 素早さでも火力でも、向こうが上。
 自分が勝機を見出せるとすれば、頭の回転や勘の良さくらいだと、嵐は読んだ。
「ふん、封神と言ったか。また昏い所に戻されるなんざお断りだ! 行け『火鴉』ッ!」
 魏延の命に応えて増殖した炎翼の鴉が、冬季達を狙う。
 眷属に任せるだけではない。槍を携え、魏延自身も前に出る。
「確かに貴方は速い。だが速い分軽すぎて、私達の命を奪うには不足している。それだけの話です」
 敵の起こす風を浴びつつ、冬季は、手を掲げた。
「庇え、黄巾力士」
 冬季の眼前、地面が陥没した。
 重量の正体は、黄巾力士。冬季の力を受け、真なる姿、20m超過の巨人と化したのである。門すら凌駕する程の。
「なんだこいつは! 発明か!?」
 神速の火鴉の群れ、その悉くが打ち払われる。
 火の粉一粒たりとも、冬季や嵐へ通さない。
「さあ、今度はこちらの番ですね。蹂躙しろ、黄巾力士」
 冬季の命に、宝貝巨人は、実に忠実であった。
 その巨体をもって、魏延、そしてその背後の門ごと、破壊を開始する。
 魏延が、自らの武力を削って呼び出した援軍、新たな火鴉を、その手でつかみ、握りつぶし、あるいは、門の残骸へと叩きつける。
 剛力無双の黄巾力士の前に、魏延の、そしてその依り代となったオブリビオンの仙力も形無しである。
「すげえ……」
「さあ行け『火鴉』どもッ!」
 冬季と黄巾力士の威容に見惚れていた嵐へと、飛翔する宝貝の鴉達。
 魏延の武力を受け継いだ眷属が、嵐を翻弄する。
 その炎の嘴が、嵐を貫く寸前、その体が掻き消えた。
「なんだとッ!?」
 《忘れられし十三番目の贈り物》……危機に瀕した嵐が発動した超・速力が、死の運命からの回避を実現させたのだ。
「危ないとこだった……!!」
「けっ、猟兵って奴は、どいつもこいつも、やればできるんじゃねえか」
 魏延も言葉では称賛しつつも、まさか嵐に避ける事は出来まいと高をくくっていたのが丸わかりである。その証拠に、口もとが怒りに痙攣しているのがわかった。
 やれる。そう確信した嵐が、攻勢を継続する。
 新たに召喚された火鴉達の飛来を見切りつつ、狙うは、火鴉のオリジナル。魏延の肩のそれを狙い撃ちし、更には、魏延自身の動きを止める。
「頼む!」
 嵐が、声を投げたのは、空だ。
 それに応え、飛来する影。宝貝・風火輪にて空を舞う冬季が、雷光鞭を振るった。
「1度封神された仙には死に癖がつきます。ですから、何度でも貴方を殺して差し上げます」
 再び嗤いながら、魏延を追いつめる冬季。
 空を征服された魏延には、抗う術はない。
 頼みの火鴉も、共同戦線によって次々狩り取られ、冬季の雷撃を自身で受けるよりほかない。
 閃く雷光の間隙を埋めるように、嵐の射撃が続く。魏延に息つく暇も与えない。
「ち……!」
 とっさに槍を握り、嵐への反撃を試みる魏延だが、その腕が止まった。
 嵐に叩きこまれた麻痺の効果が現れたのだ。
 その隙に、距離を取った嵐の射撃が、魏延に叩きこまれる。
 狙いは確かだ。魏延の五体全てをあまねく撃ち抜き、次々とダメージをぶち込んでいくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

卜一・アンリ
敵が行動する前に【フェイント】。
さっきの戦いで唯一使っていた武器である拳銃を敵に【投擲】。
当たらなくとも結構、敵の注意を一瞬逸らした隙に退魔刀を居合抜き(【クイックドロウ】)、【斬撃波】【乱れ撃ち】で放つはずだった敵UCの霊鳥を【除霊】することで先制攻撃を阻止。

(巻いていた宝具を剥いて)
確信があるわ。今なら使える。
もう拳銃(ダイモンデバイス)すらいらないわ。

UC【悪魔憑依「アスタロト」】!
【限界突破】した身体能力で【ダッシュ】、変化した右腕で【早業】【捕縛】。
一度掴めば離さない、【怪力】任せに皮膚を破り爪から滴る【毒使い】【マヒ攻撃】!

殺して差し上げるわ、武将さん。悪魔の毒を呷って死になさい。



 卜一・アンリは、見た。
 魏延が、宝貝『火鴉』を空に放とうと、両手を天に掲げたのを。
 それに対し、アンリが取ったのは、魏延にとって想定外のアクションであった。
「武器を手放した、だと!?」
 魏延に投じられたのは、拳銃。
 アンリの得意武器、同時に唯一の武器である事は、先ほどの戦いをうかがっていた魏延なら百も承知。
 アンリの意図を図りかねた魏延の、火鴉の召喚が遅れた。その隙に、アンリは本命の攻撃を繰り出す。
「刀使いか!」
 二度目の驚愕が、魏延を襲う。
 アンリの披露した技は、抜刀術。退魔刀による居合。
 魏延に届く距離ではない。だが、抜刀によって生じた衝撃波、その乱舞が、火鴉……となって顕現するはずだったエネルギー体を祓った。
 火の粉となって散る鴉を見届けながら、アンリは巻いていた宝貝を取り去る。封印の解放……体の奥から溢れ出す力を感じる。
「今なら使える。もうデバイスすらいらないわ」
 アンリの気配の変容を、魏延も察知した。
「先刻と同じ……いや、それよりずっと濃いじゃねえか……!」
「来なさい、『アスタロト!!』」
 アンリの声に応え、降臨せしは、悪魔。魔の領域に属するその力が、アンリの体を駆け巡る。
『望み通りその身に与えよう、愚かなアリスよ』
 悪魔アスタロトの力を掌握したアンリが、地を駆ける。
 限界を越えた脚力で、魏延の間合いを征圧。
 魏延もすかさず後退を試みるが、アンリの速力の前に、距離を空けることは叶わない。
 禍々しくも強大なるアスタロトの力。
 気を緩めれば制御を外れてしまいそうであるが、今は確かに抑えこめている。これこそ、修行の成果だ。
 そして新たな武器、変化を遂げた右腕にて、魏延の体を掴みあげるアンリ。
「ぐぐ……離しやがれ!」
「いいえ、一度こうなったからにはもう逃れられないわ」
 魏延の仙衣、そしてその皮膚までもが破れる。
 しかし、この力の真骨頂は、単なるりょ力の強化だけではない。
 禍々しき悪魔の爪より滴る毒が、魏延の肉体を蝕む。
「殺して差し上げるわ、武将さん。悪魔の毒を呷って死になさい」
「がはッ……!」
 アンリを振解く事もかなわず、魏延は、ただ死の運命を受け入れるしかないのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御園・桜花
「貴方の望みが死に至るほどの闘争なら、差し上げましょう。それしか今の貴方にはないのでしょうから」

桜鋼扇と盾構え吶喊
第六感と見切り使用し盾受けながらUC使用
攻撃を効率良く受ける事で戦闘力増強と生命力吸収能力得て継戦能力高める

「私は貴方と逆…受け続けることでより強くなるのです」
最前線に張り付き、第六感や見切りで敵の攻撃に効率良く盾受けやカウンター、シールドバッシュを合わせていく
敵を撹乱すべく首筋等の急所狙い桜鋼扇での殴打や桜鋼扇を広げての切り裂きを織り混ぜる
止めの一撃を与えるまで最前線で奮戦する

「戦い足りぬなら、また戻れば良いでしょう?私は転生でのお還りを推奨しますけれど」
敵が倒れたら鎮魂歌で送る



「貴方の望みが死に至るほどの闘争なら、差し上げましょう。それしか今の貴方にはないのでしょうから」
 魏延の宣言に、御園・桜花は静かに、淑やかに応えた。
「そうだ! 闘争と勝利! 誰も俺の強さは邪魔させねえ! もう二度とな!」
 吠えた魏延の頭上、輝く十の光球。
 太陽を閉じ込めた宝貝『十金光』を起動させつつ、槍で突撃を仕掛ける魏延。
 対する桜花は、待ちの姿勢……ではなく、遅れること僅か、桜鋼扇と盾を構え、自ら吶喊。
「喰らえ怒涛!」
 宝貝の力を用いずとも、その技量は折紙付。
 驟雨の如く降り注ぐ槍撃を、かわし続ける桜花。一挙手一投足より、こぼれ出る桜の花弁。
 『十金光』は、槍自体に強大な威力を付与するものではない。ならば、槍の軌道さえ読み切る事さえできれば、十金光に囚われる事は、ない。
 勢いの落ちぬ魏延に対し、桜花は抗った。それどころか、攻撃を受けるたび、その力は増していく。
 敵の宝貝の輝きさえも自らの活力に変え、魏延との死闘を継続する。
 花びらはいつしか花吹雪となって、桜花を彩っていた。
「なんだ? どんどん腕を上げてやがる……ッ!?」
「私は貴方と逆……受け続けることでより強くなるのです」
 オブリビオンとなり、人の域などとうに越えた魏延の槍さばきも、桜花は見切る。
 避けられぬと分かれば、致命を避けて盾で受け、反撃に出る。
「……ッ!」
 桜鋼扇に首筋を切り裂かれる寸前、すんでの所で退避する魏延。
 だが直後、シールドバッシュがその体を襲う。更に、身体を回す間に開いた扇が、守りの緩んだ魏延を切り裂く。
 猛将に対しても、一歩も退かぬばかりか、むしろ一歩も二歩も踏み込む胆力。桜花の猛攻に、さしもの猛将魏延も、怯まざるを得なかった。
 そしてその心持ちの差が、2人の運命を決定的に分ける因子となった。
 躊躇いを捨てた桜花の扇一閃が、魏延の胸を深々と切り裂いたのである。
「戦い足りぬなら、また戻れば良いでしょう? 私は転生でのお還りを推奨しますけれど」
「ケッ、マトモな戦いの中で死ねたなら、いくらかマシってもんさ……」
 前のめりに倒れた魏延の魂が、桜花の鎮魂歌に乗って、天へと昇る。
 否、骸の海へと沈んでいくのであろうか。
 その魂の行き付く先は、果たして……。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年06月15日


挿絵イラスト