銀河帝国攻略戦⑧~鉄壁の巡洋艦を突破せよ!
●防衛ラインを突破せよ
宇宙船にワープドライブを装備させるための作戦は順調に行われ、解放軍の戦力は整ってきている。
「現在は帝国軍との決戦の場へ戦力を集結させています」
グリモアベースに集まった猟兵たちに白金・伶奈は言った。
「しかし、銀河帝国軍もまた、それを迎え撃つべく防衛ラインを形成しています」
戦略防衛兵器『カイザー・レイ』は失ったものの、まだ帝国大要塞『エンペラーズマインド』は健在なのだ。
エンペラーズマインドは遺失技術の産物であり、ワープドライブの効果を阻害する。ゆえに、防衛ラインを艦隊戦にて突破しなければならない。
「艦隊戦の主力はあくまで解放軍のスペースシップです。しかし、解放軍の多くは一般人であり、艦隊戦の経験はありません」
ゆえに、開戦直後は充分な戦闘を行えずに被害を受けてしまうことが予測される。
被害が大きくなれば離脱する船が出てきて、戦線が崩壊するかもしれない。
「そこで、皆さんには混乱が収まり戦局が安定するまでの間、帝国の前衛部隊を撃破して時間を稼いで欲しいのです」
しばらくもたせることができれば、戦力差を生かして戦線を押し上げることができるようになるはずだ。
「わたくしがテレポートで移動できる場所にいる敵は『ディクタトル級巡洋艦』の1隻『アイアンウォール』が存在します」
内部に潜入するのは難しいので、外、つまり宇宙空間でチームを組んで叩いて欲しいと伶奈は言った。
「主砲の陽電子砲をはじめとする火器や、無数の艦載機は強力です。しかし、皆様ならば必ず打ち破れるはずです」
よろしくお願いいたしますと、伶奈は頭を下げた。
青葉桂都
こんにちは、青葉桂都(あおば・けいと)です。
●シナリオについて
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
当シナリオの戦場は⑧『エンペラーズマインド』防衛艦隊になります。
●敵
このシナリオではディクタトル級巡洋艦と、宇宙空間で戦うことになります。
ご参加いただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
第1章 ボス戦
『ディクタトル級巡洋戦艦』
|
POW : 主砲発射用意!
予め【主砲にエネルギーを充填しておく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : 航空各隊、邀撃に移れ!
【両舷カタパルト】から【直掩艦載機】を放ち、【対宙迎撃】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : オール・ウェポンズ・フリー
【兵装使用無制限状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ベモリゼ・テモワン」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ミスト・ペルメオス
(POW)
鎧装騎兵として、負けていられません。
ミスト・ペルメオス。ブラックバード、行きますッ!
自前の機械鎧を駆り、敵艦の近辺へと進出。
念動力を最大限に行使し、機体や照準の制御、敵の動きや射線の見切りに活かす。
スラスターを全力稼働させ、また時折フェイントを混ぜた回避機動によって敵艦の対空砲火をすり抜けるようにする。
こちらの射程に捉え次第【オープンファイア】。
さらに距離を詰めながら可変速ビームキャノン/対艦・対拠点モードを使用、敵艦の対空兵装や主砲に威力重視の砲撃を叩き込んでいく。
攻撃しながらも周辺の情報は常に確認。対空砲火は勿論、直掩部隊にも不覚を取らないよう注意。
※他の方との共闘等、歓迎です
アイソラ・グランホエール
「解放軍の子孫としては感慨深い光景だね。」
「だからこそ、味方の船は墜とさせないよ。」
解放軍の結集に気合が入っているようです。
戦闘モードの機械鎧姿に変身した状態で参戦。
攻撃はヴァリアブル・ウェポンの内蔵式ビーム兵器。
威力重視の単発、命中重視は念動力で弾道を変化させ、回数重視にフルオート射撃と使い分ける。(2回攻撃)
敵の砲塔やカタパルトと優先的に狙う。(情報収集)
防御は外套で敵の目を逸らし(迷彩、残像)念動のバリアで軽減(オーラ防御)又はフォースセイバーで切り払い(武器受け)して反撃(カウンター)を狙ってみる。
味方との連携はアドリブ歓迎です。
●勇気ある者たちを背に
グリモアベースからテレポートすると、ワープアウトした解放軍の艦隊が進軍を開始しているのが見えた。
整然と……とはまだ言えないが、戦う意志を持つ者たちを載せて、船は帝国大要塞『エンペラーズマインド』へと突き進む。
「解放軍の子孫としては感慨深い光景だね」
アイソラ・グランホエール(サイバーサイキックサイボーグ・f09631)はわずかの間、彼らに見入っていた。
近くにいた少年が頷く。
「そうですね。鎧装騎兵として、負けていられません。ミスト・ペルメオス。ブラックバード、行きますッ!」
猟兵用の黒い機動鎧に身を包んだミスト・ペルメオス(新米猟兵・f05377)も、帝国に立ち向かう者たちの姿に気合を入れ直している。
「うん。だからこそ、味方の船は墜とさせないよ」
アイソラは全身を機械鎧の姿へと『変身』してミストと並ぶ。
彼らが解放軍の船から視線を移した先には、銀河帝国によって建造されたディクタトル級巡洋艦が接近してきていた。
機動鎧に身を包んだ2人の猟兵は、他の猟兵たちと同様に、その巨大な姿を恐れることなく接近する。
対空砲で弾幕を張り、巨大な巡洋艦の両舷から艦載機が発進の準備をしているようだ。
だが、ミストは念動力を最大限に使い、その弾幕をすり抜ける。
無数の弧をつなぎあわせた複雑な軌道は敵の砲火を見切って進むためのもの。時折急旋回してフェイントをかけることも怠らない。
スラスターを最大でふかしたまま行う機動は少年の体に負担をかけていたけれど、敵の砲弾はミストの体をかすめることすらなかった。
接近しているのはミストだけではない。
巡洋艦の砲火が宇宙へ飛び散る中、光線が暗い宇宙空間に閃いた。
星空が反動ではためいているのが見える。いや、星空ではなく、それを映し出した外套がはためいているのだ。
明細をかけて接近したアイソラは機動鎧に内蔵したビーム兵器で巡洋艦を撃ったのだ。
「やりますね。ぼくも続かせてもらいますよ!」
ほとんど同時にミストも敵を射程内に捉えていた。
ブラックバードに装備している可変速ビームキャノンは、すでに対艦・対拠点モードに設定してある。
(「――攻撃開始」)
さらに接近しながら、ミストは対空兵装へ向けて射撃を続けた。
アイソラはフルオートで射撃しながら、同じく対空砲を狙っているようだ。
2人が駆る機動鎧はディクタトル級巡洋艦へ浅からぬ損傷を与えながら、一気に巨大な敵艦とすれちがった。
「気をつけなよ。艦載機が発進してきた」
「はい、こちらからも見えています」
カタパルトから飛び出した銀河帝国の艦載機群が、2人へと近づいてくる。
念動力でミストが加速し、アイソラはバリアを張りつつ再び迷彩のマントをまとう。
先手を取って打撃を与えたものの、戦いはまだ始まったばかりだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
春日・釉乃
【連携・アドリブ改変OK】
巨大な戦艦が相手なら、こっちも奥の手を使うしか!
鎧装騎兵姿で出撃し、背部に接続した『ヴァリアブル・エクシード・ブースター』の[ダッシュ]の力で一気に踊り出る
味方に後退指示を出してから、一撃離脱の戦法でユーベルコードの【蒼き清浄なるセカイのために】を使用
鎧装騎兵用のアトミックバズーカを発射して、[鎧無視攻撃]の破壊力で敵を一網打尽に追い込む!
「ミディア・スターゲイザーの理想を掲げる為に…! 銀河帝国攻略戦、成就の為に…! エンペラーズマインドよ!私は帰って来た!」
ある程度の損害を与えられたら、救済の炎を沈下させ…後続の友軍に残存戦力の掃討を任せて、この宙域から離脱するね
●報復の一撃
無数の艦載機が襲ってきた。
前後左右に上下、すべての方向からそれらは猟兵たちを囲み、動きを妨げる。
数で圧倒されているうちに、ディクタトル級は主砲のチャージを始めたようだった。
「させるものか! 巨大な戦艦が相手なら、こっちも奥の手を使うしか!」
叫んだ少女が、灰色の髪をなびかせて無理やり突出した。
ロケットエンジンを幾重にも重ねたような姿をした巨体ブースターがその背で火を吹いている。
ヴァリアブル・エクシード・ブースターと呼ばれるその装備が春日・釉乃(”CHIPIE”・f00006)を一気に加速して艦載機を突破させた。
「みんなは下がってなよ!」
他の猟兵たちに後退するよう呼びかけて、釉乃は鎧装騎兵用のアトミックバズーカを構えた。
「ミディア・スターゲイザーの理想を掲げる為に……! 銀河帝国攻略戦、成就の為に……!」
追撃してきた艦載機と対空砲の波状攻撃をかわせたのは、父に仕込まれた武術のたまものか、それとも先制攻撃で対空砲の数が減っていたおかげか。
いずれにせよ、巡洋艦の直上で、釉乃はバズーカを構える。
「エンペラーズマインドよ! 私は帰って来た!」
叫びと共に放った戦略級の一撃は、巡洋艦を炎上させ、多くの艦載機を爆散させる。
艦載機が減ったことで、仲間たちは自由を完全に取り戻したようだった。
装甲の薄そうな部分を狙った攻撃は、敵艦に大きなダメージを与えていた。
いつ見ても美しいその炎を見つめながら、釉乃は一時敵の近くから離脱する。
その後方を、残り少なくなった艦載機の1機が虚しく通りすぎた。
成功
🔵🔵🔴
ファイン・スタッカート
チーム【にんにん】(緋月透乃と行動します)
生身で宇宙軍艦の破壊に挑むとは、映画でも観ませんデシタネ。
これが事実は小説よりなんたらってやつデスネ。
ここで敵を撃破し、そのなんたらをより凄いものにしてやりマース!
透乃と協力して敵艦を落としマス!他にも味方がいるならその味方とも協力できるとよりいいデスネ。
まずは透乃を接近させるために、【雷術BT】でちくちく攻撃を続けマス。
艦載機が来たらそっちも【雷術BT】で撃ってやりマス。
こうして私に敵の注意をひきつけている間に、透乃には近づいてもらいたいデスネ。
順調に攻撃が進んで、敵が遠距離攻撃をやっていられなくなったら、私もカラテでの接近戦を仕掛けマース!
緋月・透乃
チーム【にんにん】(ファイン・スタッカートと共に行動)
戦争はなかなか順調みたいだね。私達の頑張りの成果がでてるんだね!
この先もこの調子でいこう!
生身で巡洋艦と戦うことになるとはね!一度やってみたかったんだよね。
ま、ドラゴンと戦うようなものなのかな。
接近しないと話にならないけれど私の回避技術ではそれまでに撃ち落されそうだねぇ。
ファインちゃんに敵をひきつけてもらって、その間に急いで接近するよ!
接近できたら敵の武装を攻撃して、ファインちゃんや他の味方が接近しやすい状態にしたいね。
みんなが攻撃できそうな状態にできたら、敵の弱そうな部分を狙った罷迅滅追昇で一気にたたみかけたいね!
●揺れる宇宙
戦略級の一撃が艦載機が大幅に数を減らしたことで、猟兵たちは自由を取り戻した。
一気に飛び出したのは、金髪と赤毛をいずれもポニーテールにした2人の女性。
髪の色は違うけれど、目を引くほど大きな胸と、戦場にあっても明るい表情は2人とも同じだった。
「生身で巡洋艦と戦うことになるとはね!」
挑みかかるような視線を巡洋艦から外さず、赤毛の緋月・透乃(もぐもぐ好戦娘・f02760)が言った。
「そんな展開、映画でも観ませんデシタネ。これが事実は小説よりなんたらってやつデスネ」
金髪のファイン・スタッカート(勘違いNinja・f02107)は、透乃よりいくらか先行しながら彼女に応じる。
「でも、一度やってみたかったんだよね。ま、ドラゴンと戦うようなものなのかな」
「透乃らしいデスネー。では、ここで敵を撃破し、そのなんたらをより凄いものにしてやりマース!」
残った艦載機が迎撃に来るのを見て、ファインはその前をあえて横切る。
「さあこっちに来てクダサイ。私のNinjutuを見せてあげマース! チョコっと痺れるデスヨー!」
怪しげな印……らしきものを胸の前で一瞬にして組むと、同時に金髪からひと房跳ねているアホ毛から黒い電撃が艦載機へ襲いかかる。
撃たれた艦載機のうち1機が火花を散らして爆散し、残った敵が機銃を撃ちながら彼女を追いかける。
ドッグファイトを繰り広げる艦載機を、戦艦も対空砲で援護してきたが、今のところかすめる程度にしか命中はない。
忍ぶ気がない忍者装束をまとって、彼女は宇宙を駆け回る。
さらに黒い電撃を放ちながら激しい機動戦を繰り広げる彼女は、さりげなく透乃の動きを確かめた。
(「敵は手はず通り私が引き付けてマース。今のうちデスヨ、透乃」)
言葉には出さずに考えながら、ファインは宙返りをして艦載機の攻撃を回避した。
透乃はファインが引き付けている間に巡洋艦へと接近していた。
(「助かるよ、ファインちゃん」)
感謝しているが口には出さない。伝えるのは戦いが終わってからだ。
(「私の回避技術じゃ近づくまでに撃ち落とされそうだからね」)
首尾よく接近した透乃は、彼女と同じ名前を持つ重くて強い戦斧でまだ残っていた対空砲を破壊していく。
最初の機動鎧による攻撃も含めてほとんどの対空兵装をつぶされた巡洋艦に、猟兵たちが接近してくる。
好機と見て、透乃は敵の機体に肩から突撃をしかけた。
巨大な船体が斜めに傾いだ瞬間、透乃はその下に潜り込む。
「くたばれ、消え去れ、あの世の果てまで飛んでいけー! 罷迅滅追昇!!」
急激な上下動で、透乃の胸が大きく揺れる。
バストサイズに対して明らかに小さいが丈夫なビキニは、その激しい動きでもしっかり胸に張り付いていた。
大斧が巡洋艦の装甲に、大きな亀裂を刻む。
「私のカラテも食らわせてやりマース!」
さらに、ファインが飛び込んできて、切り裂いたその場所に追撃を加えた。
他の猟兵たちも接近戦をしかけているようだ。
だが、巡洋艦『アイアンウォール』もまだ終わらなかった。
大破・中破した兵装を無理やり動かし、さらに隠していた兵装すらも起動する。
兵装使用無制限状態に移行したのだ。
隙間なく放たれ始めた無数の弾丸に押され、接近戦を挑んでいた者たちも一時距離を取って攻撃をかわし始めた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
フレイ・ブラッドセイバー
まさか戦艦と相手取るとは思いませんでしたが…
壊し甲斐があります
ユーベルコードの我は戦神、叛逆の魔神なりなら不意を突いて攻撃できるのではないでしょうか
というかむだにかっこいいのが癪ですね、これは
一応前衛ですので後衛の方をカバーできるようには立ち位置を調整しておきましょうか
戦闘中はクールなメイドさん
戦闘時、真剣な時の口調はステータスの通り
鼻歌
めーでー
この世を滅ぼす愛でめーばえたふんふんふんふんふんふーん
テラ・ウィンディア
今度の敵は…うん
凄いなワイバーンよりはるかにでっかいし
それに…こんな真っ暗な海をこうして飛ぶのもすげー
宇宙空間は空中戦機動で飛び回る
そして戦闘知識で戦艦の動きと反応を冷徹に分析してどのような行動をとるかの捕捉に掛かる
その上で敵の攻撃は可能な限り見切りと第六感を駆使して回避に努める
流石にあたると色々と健康上悪そうな気がするからな!
距離を詰めればメテオブラストで粉砕にかかる
そのまま張り付いて
兵装使用無制限状態に移行しているなら速さを抑え乍ら槍で串刺しを付与して何度も何度も突き刺し突き刺し粉砕する
理性を失うってのはリスクとしてはでかいもんだ
だから…こうして削られてるのに気づかない…いや、気づけない
●理性なき敵
巡洋艦に張り付いたまま、エルフの少女がは先ほどから攻撃を続けていた。
テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)はディクタトル級巡洋艦の上面に向け、宇宙空間を一気に降下した。
「星よ……世界よ……流星の力を我が身に宿せ……! 今こそ我が身、一筋の流星とならん……メテオ・ブラスト……受けろぉ!!!」
落下したのは小柄なエルフの少女ではあるが、振り下ろした踵は超重力をまとって装甲板に大きなひびを入れる。
兵装使用無制限状態が起動したのは、その直後のことだった。
一瞬前までなにもなかった装甲板がめくれ、新たな砲が姿を現す。
少女の直感が危険信号を出した。
とっさに装甲板を蹴って距離を取る。
雨のように放たれるビーム砲弾がテラの眼前を通り過ぎていく。
ディクタトル級巡洋艦の角ばった船体全体から弾丸とビームが放たれる。遠目にはまるで輝く毛が生えたように見えただろう。
明らかに、攻撃を制御できているとは思えないが攻撃力はすさまじい。
周りにあるものすべてを薙ぎ払う勢いで射撃を行う敵に対して接近戦を挑んでいた猟兵たちは皆、離れることを余儀なくされていた。
「しょうがねえ。ま、流石にあたると色々と健康上悪そうな気がするからな!」
「確かに危険な状態ですね」
声をかけてきたのは、返り血に染まった無数の剣を持つメイドだ。
「まさか戦艦と相手取るとは思いませんでしたが……壊し甲斐があります」
「確かに……うん、凄いな、ワイバーンよりはるかにでっかいし。それに……こんな真っ暗な海をこうして飛ぶのもすげー」
フレイ・ブラッドセイバー(瀟洒な血濡れのメイド・f00013)の言葉にテラは頷く。
暴走状態にある敵を前にしても、恐れることなく彼女たちは敵を観察していた。
「後退いたしますか? いちおう前衛のつもりですので、後衛に回られるならカバーさせていただきます」
「いや、いらねえ。俺も考えがあるんでな」
「了解いたしました。それでは、こちらはこちらで不意を突かせていただきましょう」
ゆっくりと移動していくテラを見送り、フレイは動き出した。
「というかむだにかっこいいのが癪ですね、これは」
クールに呟くと、フレイは再びディクタトル級へ向けて進んでいく。
「めーでー、この世を滅ぼす愛でめーばえた……♪」
鼻歌を歌いながらメイドは巡洋艦の攻撃を赤いビームブレードで防ぎつつ接近する。
敵を射程内に捕らえると、フレイは分身を出現させた。
「曲芸――『我は戦神、叛逆の魔神なり』!」
分身は十一種存在する新月の剣で周囲のすべてを薙ぎ払う。範囲内にある砲台や艦載機を切り裂き、艦そのものにも打撃を与えていた。
そして同じ頃、テラも巡洋艦に再び張り付いていた。
早く動くものを無差別に攻撃するということは、ゆっくりと動けば狙われにくくなるということだ。
「理性を失うってのはリスクとしてはでかいもんだ」
紅い龍の牙から作られた槍で巡洋艦の装甲を串刺しにする。
何度も突き刺して、しかしテラへ攻撃が向けられることはほとんどない。
「だから……こうして削られてるのに気づかない……いや、気づけない」
廣利王で幾度も突き刺し、内部まで破壊しながら、少女は呟いた。
フレイとテラだけではない。
兵装使用無制限状態となったディクタトル級に対し、猟兵たちは確実に開始していた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
紫谷・康行
デブリや岩石などの物陰に潜み戦艦の構造を観察
砲門、カタパルト、動力部など機能を持った場所を探し狙う
敵艦を機能不全にして仲間を援護するため
【無言語り】を使い虚無を放ち攻撃する
狙った場所の機能を虚無で包みその機能そのものがなかったことにしようとする
言葉は力、力は意志、意志は願い
願いは意志に、意志は言葉に、力を与える
「その眼下に眠る虚無よ。虚ろなる真実よ。
全ての確信を、真実を消したまえ。
お前達の信じる力は何も無い。
もとより無かった。」
ありったけの意志を込め
この世界の未来を願い
命を賭けて言葉を紡ぐ
今を変えられるものに希望は宿る
言葉に力を、ありったけの思いを
明日を夢見ろ、叶えるために
勇気を伝えるため戦う
●虚無へと消える反粒子
猟兵たちの攻撃は確実に『アイアンウォール』の船体を傷つけ、削っていたが、それでもなお銀河帝国が誇る巡洋艦は轟沈しなかった。
だが、ハリネズミのように放つ攻撃は猟兵たちに対応され始めていたが、その中でもアトミックバズーカで中断された主砲のチャージを再開している。
「理性を失ってるのが嘘……ってわけでもないだろうが、あれは制御可能みたいだな」
デブリの陰から敵艦を観察していた青年は、そのことにすぐ気づいた。
「他の連中もすぐに気づくだろうけど、撃たれるのはあんまり歓迎できないね」
紫谷・康行(ハローユアワールド・f04625)の声は、言葉に反していつも通りのとぼけた感じのままだった。
もっとも、そのとぼけた口調の陰には強い意志が潜んでいる。
腕輪型の端末から彼だけに見えるARスクリーンを展開し、胡桃製の杖に仕込んだ電脳チップを起動する。
(「言葉は力、力は意志、意志は願い。願いは意志に、意志は言葉に、力を与える」)
スペースノイドの魔術師は、機械の助けを得て言葉に眠る力を呼び覚ます。
「その眼下に眠る虚無よ。虚ろなる真実よ。全ての確信を、真実を消したまえ。お前達の信じる力は何も無い。もとより無かった」
言葉に込めているものは、このスペースシップワールドの未来を願う想い。
数多の言霊がディクタトル級巡洋艦の先端へと向かっていく。
最大限まで高まっていた陽電子砲のチャージが、虚無の言葉に呪縛されて霧散する。
ブリッジにいた銀河帝国の兵士たちが立ち上がり、あわただしく動き回り始めるのが見えた。必殺の主砲が機能不全に陥ってあわてているのだろう。
「今を変えられるものに希望は宿る。明日を夢見ろ、叶えるために」
猟兵たちの後方からは、世界の未来を願って前進している解放軍の者たちがいる。彼らのために命を懸けて、康行は言葉を紡ぐ。
まだ混乱を残しつつも『エンペラーズマインド』へと接近してくる解放軍の宇宙船が、遠くに見えた。
大成功
🔵🔵🔵
ミスタリア・ミスタニア
ハハッ!鎧装騎兵による対艦戦も宇宙戦争の華だな!
アイアンウォール、まんま鉄の壁かよ。いいぜ、オレがぶち抜いてやるよ!
対艦用の艦砲が鎧装騎兵にそうそう当たるもんかよ!
艦載機だってな、制宙権の取り合いで鎧装騎兵に勝てると思うなよ!
宇宙間戦争の戦場の主役は戦艦でも戦闘機でもなく、オレら鎧装騎兵なんだよ!
『空中戦、見切り、第六感』で運動性の違いを見せつけて艦に取り付くぜ。
目当てはエンジンブロックへの『捨て身の一撃』だ!
エンジンブロックに取り付いたらパイルバンカーで『鎧砕き、串刺し』だ!
どんな装甲だろうと、ってな!装甲破ったら『2回攻撃、零距離射撃』のブラスター・ランチャーを装甲の亀裂にぶっ放すぜ!
ネヴィス・マキヤーベイ
さてさて、対艦戦闘は機動兵器の檜舞台
いっちょやりますかジャイアントキリング!
J-SAA-601ネヴィス機、発進します
大漁を期待して下さい
8mの巨人がプラズマ推進の尾を引いて闇の中へ飛び込む
ダッシュと操縦と騎乗、空中戦で対空火器を振り切る高速戦闘
一斉発射と2回攻撃で高火力を維持
UC使用時
命中>攻撃>回数の順で重視
蜂の一刺しで象は死なないかもしれないけどさ
殺せる毒針持ってるんだよね、これが!
アームドフォートの多目的荷電粒子砲を収束モードにして重要区画狙い
カタパルトゲート、主推進機、エネルギー系主砲、艦橋
上手く狙える位置取りなら容赦なく打ち込こんで影も残さぬ加速で次の目標へ
美人に触りたきゃ出直しな!
●打ち砕かれた鉄壁
主砲は光を失ったが、まだ巡洋艦そのものが壊れたわけではない。
当初に比べてもう半分を大きく下回るほど数を減らしたとはいえ、対空用の砲口や機銃、艦載機はまだ残っている。
「ハハッ! 鎧装騎兵による対艦戦も宇宙戦争の華だな! アイアンウォール、まんま鉄の壁かよ。いいぜ、オレがぶち抜いてやるよ!」
ミスタリア・ミスタニア(宇宙を駆ける翠の疾風・f06878)は緑の髪をなびかせて、敵の艦載機と交錯する。
スタイルのいいボディラインがあらわになる騎兵用のスーツが、無骨な銀河帝国の艦載機と踊るように宇宙空間を飛び回る。
「制宙権の取り合いで鎧装騎兵に勝てると思うなよ! 宇宙間戦争の戦場の主役は戦艦でも戦闘機でもなく、オレら鎧装騎兵なんだよ!」
銀河帝国の艦載機の性能はけっして低くはないのだろうが、旋回半径も視認範囲も機体という邪魔者がない騎兵のほうが勝る。
周囲に浮かぶ二種のビットと大型の熱線砲が接近してきた艦載機を撃ち落としていく。
さらに大型の装甲服をまとった別の騎兵も急加速で空間戦に加わってきた。
人間の数倍ものサイズを持つ巨大装甲がプラズマ推進の尾を引いて、すれ違いざまにプラズマの光で艦載機をぶった切る。
「すごい動きでありますね。ですが、大漁を約束してきたから、負けないでありますよ」
聞こえてきたのは女性の声。ネヴィス・マキヤーベイ(刃金の箒星・f12565)はミスタリアに並ぶと、声をかけてきた。
「いいセリフだねえ。けどオレも、でかぶつに簡単には負けないよ」
不敵に笑ってミスタリアは応じる。
会話する間にも艦載機の数は減っていっている。他の猟兵たちも戦闘を続けており、もうディクタトル級は丸裸に近い。
「さてさて、対艦戦闘は機動兵器の檜舞台。いっちょやりますかジャイアントキリング!」
全身16ヶ所に装着した推進機を用い、ネヴィスはまた一気に加速した。
『アイアンウォール』に接近するとカタパルトゲートに接近し、『サザンカ』の愛称を持つ火砲の多目的荷電粒子砲を収束モードに切り替える。
「蜂の一刺しで象は死なないかもしれないけどさ。殺せる毒針持ってるんだよね、これが!」
攻撃力を重視した一撃を叩き込み、カタパルトがもう使えないように破壊する。
高速移動に反応した機銃が向けられた時には、ネヴィスはすでに再び加速していた。
「美人に触りたきゃ出直しな!」
次に向かうべき場所を確認しながら、高速でミスタリアは巡洋艦の周囲を飛ぶ。
他の猟兵たちの攻撃も、ディクタトル級の艦体を確実に削って行っている。
緑の髪をなびかせたミスタリアも巡洋艦へと肉薄していた。
狙うのはエンジンブロック。
後部スラスターの位置から目標地点を推測し、彼女は一気に敵の下へ回り込んだ。
「どんな装甲だろうと、ってな! ぶち抜いてやる!」
大型熱線砲の下部に装着した大型のパイルバンカーを装甲へと叩き込む。
「ゼロ距離、これで! いっちまえよやぁぁぁぁ!」
装甲に作った亀裂へと、大型熱線砲の先端を押し付ける。
個人携帯用のブラスター・ランチャーは巡洋艦の内部を走り抜ける。エンジンまで届くようにさらにもう一射。
高威力の熱線が艦内を走り抜ける。
すでにかなりのダメージを受けていた艦はもう、その威力を防ぐだけの耐久力を残していなかった。
爆発の炎が装甲の亀裂から吹き出してきて、ミスタリアは後方へと加速する。
スラスターからも加速のためではない炎を吹いている。
さらに、艦橋を別の猟兵が放った光線が貫いているのが見えた。
重要区画が次々に破壊された。やがてディクタトル級巡洋艦が巨大な火球と化して、スペースデブリを残して消え去っていた。
それから数分もしないうちに、巡洋艦が存在した宙域へ解放軍の宇宙船が通り過ぎる。
戦いが始まる前は足並みがバラバラだったスペースシップは、今や整然と『エンペラーズマインド』へと進んでいく。
『進め』
と、猟兵の誰かが言った。
猟兵たちの手を離れて、解放軍の船が銀河帝国の防衛部隊と戦端を開く。
それを見守りながら、猟兵たちはグリモアベースへと戻っていった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵