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地底に響く、剣の舞い

#ダークセイヴァー #第五の貴族 #異端の神々

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#ダークセイヴァー
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 ダークセイヴァーの地底に広がる、第五の貴族の領域。
 その一つを支配する吸血鬼『黒銀伯クリストフェル』が、自身のレイピアを鞘払った時……自身の仕掛けた罠の道に、招かれざる敵が現れた事を察した。
「ふむ、あの道は久しく使われていなかったが……。」
 特に気にせず、黒銀の剣身を鋭く構える。
 しかし、吸血鬼の仕掛けた罠の道から伝わる気配に、自然と笑みが浮かんできた。
「……なかなかの使い手ではないか、面白い。」
 吸血鬼の剣術には劣るものの、並の剣士では耐えられぬ程の鋭さで斬りつけてくる剣が仕掛けられた罠の道を、敵は易々と進んでくるのが解る。
「ならば……私も全力で答えるとしよう。」
 紋章の浮かぶ右手で鋭く斬り込んだ先では、空気が白く凍りつく。
 剣の技は今日も冴えている……そう確信した吸血鬼の笑みが深くなっていた。

「……みんな、戦争、お疲れ様。
 でも、早速だけど……別の事件が起きそうなんだ、ダークセイヴァーで。」
 グリモアベースに集まった猟兵たちを前に、編堵は黒猫のぬいぐるみを抱きながら話し始めていた。
「第五の貴族って、知ってるよね?
 それが、地下の城にいるのが解ったんだけど……そこに、別の敵が、向かってるんだ。
 その敵は、狂った異端の神に操られて、第五の貴族のところに行って……普通だったら、第五の貴族は強いから負けないんだけど、今回は負けそうなんだよね。
 ……そうすると、狂った異端の神が、その強い第五の貴族の身体を、手に入れちゃう。
 それは駄目、だよね。」
 編堵が首に付けられたグリモアでもある首輪に手をかけると、1人の吸血鬼の姿が壁に映る。
 レイピアを握る手に、冷たい氷を抱く手のような意匠の青い紋章が浮かんでいた。
「だから、先に第五の貴族を倒して欲しいんだ。
 『黒銀伯クリストフェル』って言う名前の吸血鬼で、レイピアと氷の魔力を操る強敵、だよ。
 右手の甲に、凍撃の紋章っていう紋章を付けてるんだけど……これがあるから、剣を振るのが早くなったりしてるんだ。
 でも、なんとかしてこれを潰せば、少しは弱くなるはず。
 ……氷だから、溶かしてみたりすると、いいかも?」
 次に首輪に手をかけると、吸血鬼が仕掛けた罠の道へとゲートが繋がった。
「本当は、吸血鬼の居るところにゲートをつなげられれば良かったんだけど……それはできなかったんだ。
 だから、吸血鬼の所に行くには、この罠の道を通るしかないの。
 色んな所に仕掛けられた剣が斬りかかってくるから、なんとか避けて進んでね。
 ……でも、狂った異端の神より早く着かなきゃいけないから、なるべく早くね?
 よろしく、お願いします。」


ヨグ
 ヨグです、ダークセイヴァーの新しいシナリオフレームになります。
 狂った異端の神が、第五の貴族の身体を狙っています。
 もし、このシナリオの結果が失敗に終わった場合、狂える第五の貴族が1体生まれてしまいますので、ご注意を。
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第1章 冒険 『死の罠の迷宮』

POW   :    防御力を活かし、強引に罠を突破する

SPD   :    罠を解除しながら迷宮を踏破する

WIZ   :    迷宮の隠し通路や仕掛けを暴く

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

七那原・望
一体何が起きてるのでしょうね。
本来負けないはずの相手に第五の貴族が負けそうになるなんて。
操られた敵側が強くなったわけではないのですよね。多分。

敵が強くなったとしても勝てないくらいの絶対的な力を持つ第五の貴族がその戦いに限って本来の実力を発揮できなくなってるのですか。

と、早く迷宮を抜けないとですね。
考え事をしてる内に先を越されるなんてあってはならないですから。

第六感と野生の勘と聞き耳で迷宮の構造や大まかな罠の配置を見切り、剣を躱しながらなるべく迅速に進みましょう。

必要に応じて絶・蘇威禍割を咄嗟の一撃で放ち即座に粉砕したり、多重詠唱で展開した結界術で防いだりして回避が困難な剣は切り抜けましょうか。



「一体何が起きてるのでしょうね。本来負けないはずの相手に、第五の貴族が負けそうになるなんて。」
 暗い洞窟の中、呟きながら歩みを進める七那原・望(封印されし果実・f04836)。
 元々視界に頼らず生きてきた七那原にとって、光の差さない洞窟の暗さは障害にならなかった。
「操られた敵側が強くなったわけではないのですよね。多分……と。」
 ヒュン! と風を斬る音が、咄嗟にかがんだ七那原の上で響く。
 そのまま進めば首を断たれる所だが、
「ふむ、これくらいならなんとかなるです。急ぐのです。」
 冷たい機械の様な殺気を感じ取りながら、七那原は駆けだした。

「はぁ!」
 ガキン! と刃を断ち切る音が響く。
 一撃で粉砕された刃を尻目に、黒い妖刀を腰に収めて七那原は先を急ぐ。
「ここの吸血鬼は、剣に自信があるって話しだったのですが……。」
 少なくとも、この剣の罠を越えることは、七那原にとってはそれほど難しくはない。
 異端の神が宿る敵も、おそらく同じくらいの……。
「わたしと同じくらいの技量で、ここの吸血鬼を1人で倒すなんて、出来るのですか?」
 疑問が続けて出てくる。
「敵が強くなったとしても勝てないくらいの、絶対的な力を持つ第五の貴族が、その戦いに限って本来の実力を発揮できなくなってるのですか……それとも、」
 はたと気がつく……と同時に、七那原の両脇から刃が振り下ろされる。
 詠唱と共に両手を広げ……展開された結界で刃を受け止め、その勢いで前に転がり出て避ける。
「そもそも……異端の神は、吸血鬼を倒さなくても身体を奪うことが出来るのですか?」
 それならば、納得がいく。
 グリモア猟兵は第五の貴族が負けたと表現したが、それは最終的な勝敗であって、
「異端の神が操る敵を吸血鬼が斬り殺して、そのまま吸血鬼の身体へと乗り移るのなら……確かに、異端の神の勝利なのです。」
 急がないといけないのです。
 刃の張り巡らされた罠の道を、七那原は駆けていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

御剣・刀也
POW行動

罠?
は、上等だ。罠があるってんなら正面から噛み砕き、突き進むのみ!
それが俺の生き方だ。今さら変えようとも、変えられるとも思っちゃい無い。最短距離を突き進む!

罠の位置を第六感と見切りで感じとり、罠が発動しても勇気で躊躇わず残像を残すほどのダッシュで発動するより早く駆け抜ける
「狂った神に第五の貴族か。この先にどんな戦いが待っているのか。ふふ。俺もまだまだ未熟だな。この先の戦いを楽しみと感じているんだから」


アレクシア・アークライト
第五の貴族が張り巡らせた罠。
そんなものを用意しなきゃいけない相手がこの世界に存在したってことかしら。

それにしても、第五の貴族を一人で倒しうる奴よりも早く道を通り抜けろ、しかも、第五の貴族を倒せる力を保ったままの状態で、だなんて随分と注文の多いミッションね。ま、戦闘一辺倒の奴よりは速く通り抜けてみせるわ。

・UCを発動。「千里眼」で仕掛けられている剣の位置を確認。
・「予知」で剣の動きを察知。周囲に展開した力場でそれらを捌き、又は弾きながら、念動力で一気に駆け抜ける。

異端の神に操られている奴と共闘しろ、って訳じゃないのよね。
そいつが私より後ろにいるようなら、通路を崩してしまうのも一つの手ね。



「第五の貴族が張り巡らせた罠、ね。そんなものを用意しなきゃいけない相手が、この世界に存在したってことかしら。」
 洞窟を駆けながらそう口にしたのは、アレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)。
 持ち前のESPで仕掛けられた刃の位置を把握し、的確に力場を展開して躱しながら、
「それにしても……第五の貴族を一人で倒しうる奴よりも早く道を通り抜けろ、しかも第五の貴族を倒せる力を保ったままの状態で、だなんて随分と注文の多いミッションね。」
「は、上等だ。罠があるってんなら正面から噛み砕き、突き進むのみ!」
 気合いと共に、自身へと斬りつけてくる刃の下を駆け抜ける、御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)。
 ほんの少しでも躊躇すれば、間違いなく斬りつけられていた……それを後ろで見ていたアレクシアがふわりと念動力で近づき、
「さすがに無謀じゃない? さっきのは。」
「いいんだよ、それが俺の生き方だ。今さら変えようとも、変えられるとも思っちゃい無い。最短距離を突き進む!」
「……なるほど。」
 御剣も、気配を頼りに刃の位置をある程度把握はしている。
 しかし、その対処は刃が振り下ろされるよりも早く駆け抜けてしまえば良い、というもの……確かに正しいが、
「脳筋ね。」
「はっ、何とでも言うが良い。この程度じゃ、俺の生き方を曲げられないぜ。」
 そう言い切る背後で、刃が地面を斬りつける音が聞こえる。
 高速で駆けながら息も切らさぬ御剣の隣で、アレクシアは軽く頭を抱えていた。
「ついて行けそうにないわ。」
「そう言ってるが、しっかりついてきてるじゃないか。アレクシアも。」
「……まぁね。」
 身体能力でいえば、御剣ほどの力は無い。
 しかし、アレクシアが操るのは超能力……浮遊しながら高速で飛翔する事くらい朝飯前だ。
「ま、後ろから来てるっていう戦闘一辺倒の奴よりは、速く通り抜けてみせるわ。」
「おう、行くぜ!」
 そう言い合いながら、2人は洞窟を駆けていった。

 御剣の駆け抜けた後、横薙ぎに振払われた刃をアレクシアが力場で受け止めて上を飛んで抜け……前に見えるのは、洞窟の終わりを示す明かり。
「罠はこれで最後ね。」
「そうか、やっと戦えるな。」
 腰に差した刀を無意識に触れながら、御剣は言葉を続けていた。
「狂った神に第五の貴族か、この先にどんな戦いが待っているのか。ふふ……俺もまだまだ未熟だな、この先の戦いを楽しみと感じているんだから。」
「そうでもないでしょ。強い敵と戦うために生涯を捧げた剣豪の話なんて、掃いて捨てるほどあるわ。」
「はは、なら俺もそれに名を連ねなきゃな。」
 その時……2人の背後で、土砂が崩れる音が響く。
「異端の神に操られている奴と共闘しろ、って訳じゃないのよね?」
「ああ。むしろ、第五の貴族と顔を合わせちゃまずいらしい。」
「だったらこれでいいでしょう、時間稼ぎにはなるわ。……行きましょ。」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『黒銀伯クリストフェル』

POW   :    凍てつく斬撃
自身が装備する【黒銀のレイピア】から【冷気を纏う斬撃】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【氷結】の状態異常を与える。
SPD   :    鮮血の宴
全身を【自身の魔力】で覆い、自身の【吸った血の量】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ   :    求めるは強者の血
【吸血の牙】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【血の味】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠マナセ・ブランチフラワーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「やぁいらっしゃい、侵入者たち。」
 洞窟を抜けた先、開けた広場に立っていた青年が一礼とともに語りかけてきた。
「私の仕掛けた罠程度では満足できなかったと見える。もっとも……最初の者よりも君らの方が、数段腕が上だったようだがね。」
 柔らかな語り口だが、その奥底にあるのは氷のような冷気。
 それは日の当たらぬ所の支配者、第五の貴族である吸血鬼の証。
「まぁ、私としてはどちらでも構わない。強き者との戦いほど、心躍る物はないからね。」
 青年がすらりと黒銀のレイピアを引き抜き構えると、周囲の温度が一気に下がるのを感じた。
 レイピアを持つ右手の甲で、凍撃の紋章の紋章が青い光を湛えている。
「では手合わせ願おうか。……来たまえ、猟兵たちよ。」
七那原・望
そうですか。では、こんなくだらない時間は手早く終わらせましょう。
ごっこ遊びに付き合うほど暇ではないので。

煽りで冷静さを欠いてくれればいいのですけどね。

果実変性・ウィッシーズガーディアンを発動したら近距離戦です。
第六感と野生の勘で相手の動きを見切り、的確に防御しつつカウンターのチャンスを狙いましょう。
牙で攻撃しようとしたらすかさず口にスタッカートやオラトリオを刺し込むのです。
また、近接戦闘中に相手の手の甲の紋章を炎属性全力魔法零距離射撃で燃やしちゃいましょう。

相手が周囲を見る余裕を失ってたらオラトリオでアマービレを振ってねこさんを呼び、不意打ちの炎属性多重詠唱全力魔法をお願いしましょうか。



「そうですか。」
 静かに……本当に静かに、すらりと刀と剣を引き抜く七那原。
 吸血鬼の放つ冷たい殺気にも揺るがず、軽いため息すらつきながら、
「では、こんなくだらない時間は手早く終わらせましょう。」
「ほう……私との戦いをくだらないと。」
「ええ。だってそうじゃないですか。」
 かかった……僅かに吸血鬼の言葉が揺れるのを感じ、七那原はトドメの言葉を放つ。
「あなたのごっこ遊びに付き合うほど、暇ではないので。」
「……その言葉、後悔するなよ?」
 さすがに怒りにまかせて斬りつけてくる事は無かったが、周囲の空気が凍てついていくのを感じる。
 来たら刺し貫く、と言いたげな吸血鬼の待ちの構えに向け、
「わたしは望む……ウィッシーズガーディアン!」
 呟きとともにひらりと黒いスカートが翻り、一瞬の踏み込みで七那原は吸血鬼へ剣を突き出していた。

「……遅い!」
「くっ……。」
 超高速戦闘に適した姿へと変わった七那原の白い剣を躱し、黒銀のレイピアで突いてくる吸血鬼。
 肩を狙う刺突を咄嗟に黒い刀で逸らす……が、違和感に七那原が身を捩れば、先ほどのまま立っていれば正確に心臓を貫く、突き出されたレイピア。
「思ったより、鋭いです。」
「褒め言葉と受け取ろう。」
 七那原の前に居たはずの吸血鬼の声が、背後から聞こえた。
「……えっ?」
「だが、君の腕では私には勝てんよ。」
 ガシリと背後から肩を掴まれ、七那原の肩に喰らいつこうと吸血鬼が大口を開け、
「アッ……ガッ……!?」
「これを、狙っていました。」
 吸血鬼の口に突き刺さる、二振りの刃。
 格下と思わせ、わざと隙を見せ……油断した吸血鬼の舌を貫く、白き聖剣と黒き妖刀。
「ギザ、マ……!」
「あなたが素直で助かりました。」
 チリン……と七那原の持つタクトについた鈴から音が響けば、周囲に現れる白いねこさんたち。
 引き抜こうと剣と刀に手をかけた吸血鬼の右手の甲をタクトで指し示し、
「さぁ、やってください。」
「がっ……!?」
 至近距離から放たれる、ねこさんたちの炎属性多重詠唱全力魔法に、凍撃の紋章が焼かれていた。
 苦しむ吸血鬼の口から七那原は一気に剣と刀を引き抜き、距離をとる。
「みんな、ありがとうです。……それにしても、」
 ねこさんたちが帰って行き、視線を吸血鬼へと戻せば……右手の袖が焦げてはいるが、先ほどと変わらずレイピアを構えていた。
「意外と頑丈なのですね。」
「ふふ……この程度で死ぬと思わないことだ、私はただの吸血鬼ではないのだよ?」
 軽いため息と共に、七那原は武器を構えて対峙した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御剣・刀也
ほう。レイピア使いか
なるほど、半身の構えに長いリーチの刺突。が、逆に言えばリーチを潰せば俺の間合い
ふふ。楽しい死合になりそうだ

凍てつく斬撃でレイピアのリーチを生かした攻撃をして来ると思うので、第六感、見切り、残像で避けつつ、グラップルで前進すると見せて後退する足運びで限界まで腕を伸ばし、戻り際にダッシュで距離を詰め、捨て身の一撃で防御ごと斬り捨てる
「生憎だったな。こちとら五百年以上強くなることしか考えてない人でなしの一族だ。レイピア使いとも闘ったことがある。今度は地獄、修羅道の果てでやろう。先に行って待ってるといい」



「ほう、レイピア使いか。」
 黒銀のレイピアを構えた吸血鬼に対し、御剣が抜いたのは日本刀。
 その不屈の獅子の様に煌く刀身に、吸血鬼も興味を示したようだ。
「なるほど……貴様、なかなかやるようだな。」
「てめぇもな。ふふ、楽しい死合になりそうだ。」
 少ないながらも楽しげな言葉と共にお互いの視線がぶつかり合い、周囲の気温が下がり始める。
 それも、ほんの少しの間だけ……吸血鬼の右手に刻まれた紋章が青く揺らめいた瞬間、御剣が一気に駆けだした。

「……正面、か。」
 ぽつりと呟きを残し、一歩の踏み込みとともに吸血鬼はレイピアを突き出す。
 御剣の駆ける挙動を正確に刺し貫くように、突き出された鋭く冷たい刃は、
「なっ……!」
 しかし、貫いたのは残像。
 一瞬だけ勢いを殺した御剣の、後退する足運びに惑わされた結果……さらに距離を詰めた御剣の刀が、大上段に振り上げられていた。
「生憎だったな。」
「くっ! ぐあっ!?」
 レイピアを引き、受け止めようと構えるが……全力で振り下ろされた御剣の刀が、細身の刃ごと吸血鬼を袈裟斬りにしていた。
「……こちとら、五百年以上強くなることしか考えてない人でなしの一族だ。もちろん、レイピア使いとも闘ったことがある。」
 刀に付いた血を振り払いながら、崩れ落ちる吸血鬼の亡骸へと言葉をかける。
「今度は地獄、修羅道の果てでやろう。先に行って待ってるといい。」
 そして御剣は刀を鞘に……収めずに跳び退り、再び構えていた。
 その前では、先ほどまで亡骸と化していた吸血鬼が……またその姿で、レイピアを手にしている。
「……さすがは吸血鬼、というところか。」
「ふっ、そういうことだ。だがしかし、貴様の刃は効いたぞ。」
 油断なく構えながらそう語る吸血鬼をよく見れば、ほんの少しだが吸血鬼の影が薄くなっている。
「私に一太刀浴びせられる者は、そうは居ないからな。」
「はっ、余裕だな。……もう一度、といこうか!」
「何度でも来るがいい、人間よ!」
 こうして……しばらくの間、剣戟の音が鳴り止むことはなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

片桐・公明(サポート)
快活な女性ですが知的な一面もあり、依頼に参加する際事件の背景について思考を巡らせ考察します。感情的な行動は滅多にしません。

主に二挺拳銃『Mathem842』『臥龍炎』を使用した遠近問わない戦闘を行います。時折、または接近戦を重視する場合は妖刀『血吸』を使用します。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、積極的に行動します。ただし敵の攻撃に対しては回避を主体にして、なるべく負傷しないように立ち回ります。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「剣術の腕は確かに高い。しかも、斬り捨てた程度じゃすぐに元の姿で戻ってくる、か。」
 今までの戦いから、対峙した吸血鬼の能力を分析していた、片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)。
 レイピアを持つ右手に青く浮かぶ、凍撃の紋章を見据え、
「紋章を砕くしかない、のかしら。」
「ふっ、言葉だけなら誰でも出来る。君にできるかね?」
「さぁね……でも、」
 無骨な二挺の拳銃を引き抜く片桐が時折見せるどこか冷たい瞳は、相手の息の根を確実に止めるために。
「できるかどうか、試してみるわ。」
「やってみるといい。……こちらから行かせてもらおう。」
 突如、紋章から吹き出す冷気の魔力が吸血鬼を包み込む。
 冷たい風が吹き付けた瞬間、目の前には突き出された黒銀のレイピア。
「早い……けど、」
 一瞬の出来事ではあったが、片桐の瞳は吸血鬼の挙動から動きを読んでいた。
 レイピアの刃を躱し、なおかつその右手の紋章を撃ち抜ける、殺戮経路を。
「予測はできたわ。」
「くっ、があああ!?」
 片桐の撃ち放った弾丸は正確に、吸血鬼の紋章を撃ち抜いていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

アレクシア・アークライト
戦うことが好きなくせに、こんな地下深くに引き籠もって罠まで仕掛ける……。
妙ね……。

――なんて、オブリビオンの考えを理解しようとすること自体、時間の無駄かしらね。
後ろから怖い人は近付いているみたいだし、その辺りのことは後でゆっくり調べさせてもらうわ。

・周囲に展開した力場で空間に干渉し、斬撃を防御。
・UCにより超高熱の炎を発生させ、冷気を相殺。
・念動力で敵の行動を阻害しつつ、炎で攻撃。

・こちらの炎に対抗して敵が紋章の力を強めたなら、UCの力を逆転。
・リミッターを解放。敵の冷気を取り込んで一気に凍結する。

死体を異端の神に利用されたりなんかしたら、かなわないわね。
粉々に……粒子レベルに砕いてあげるわ。



「くっ……貴様、ら。」
「苦しそうね。相当やられたのかしら?」
 アレクシアが見た限りでは、吸血鬼の姿は最初に見たままだが……よく見れば、その足下に伸びる影が消えかけていた。
 そんな吸血鬼に対し、一つの疑問が浮かぶ。
「それにしても……戦うことが好きなくせに、こんな地下深くに引き籠もって罠まで仕掛けるなんて、妙ね。」
「……簡単なことだ。」
 ふと口をついた疑問だが、律儀にも吸血鬼はレイピアを構えながら答えてきた。
「私は……強き者と戦いたいのであって、雑魚の相手をする気は無い。」
「なるほどね、篩いにかけてたと。まぁ、そんなことはどうでもいいわ。」
「どうでもいい、だと? ……その言葉、あの世で後悔するがいい。」
 余裕の笑みを浮かべるアレクシアの態度に、吸血鬼の怒りが冷気として吹き付けられる。
 そのまま踏み込み、黒銀のレイピアを突き出すが、
「なに!?」
「……私が、ただ無防備に立ってるとでも思ったのかしら?」
 超能力で生み出された力場に刃は阻まれ、アレクシアの身を傷つけることはなかった。
 それでも、紋章から吹き出る冷気が浴びせかけられるが、アレクシアの周囲に揺らめく炎がそれを打ち消している。
「この世界にも、魔法くらいはあるでしょう?」
「ちっ、なめるな!」
 刃が届かないのであればと、叫びと共にアレクシアへと冷気の魔力を叩きつける。
「かかったわね。」
「が……な、にを……。」
 しかし、凍り付くのは吸血鬼の方だった。
 アレクシアの操る超能力は、炎を生み出すものではなく……。
「その冷気、使わせてもらうわ。」
 吸血鬼の放出する冷気を操り、力場で覆われた吸血鬼の周囲の空気から熱を奪う。
 アレクシアの周りに揺らめく炎は副産物に過ぎない……すっかり凍り、身動きのとれない吸血鬼から奪いとった熱を逃がしただけ。
「これでもいいけど……死体を異端の神に利用されたりなんかしたら、かなわないわね。」
 氷像と化した吸血鬼を見上げながら、パチンと指を鳴らす。
「粉々に……粒子レベルに砕いてあげるわ。」
 その瞬間……氷像は粉々に砕け、地面に塵となって消えていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『裏切りの吸血聖剣『ダリアード』』

POW   :    救世主の悲劇に引き立て役の仲間と敵は必要だろう?
対象への質問と共に、【操る少女の命を糧に再生する己が出す魔法陣】から【支配下の少女の仲間とやられ役オブリビオン】を召喚する。満足な答えを得るまで、支配下の少女の仲間とやられ役オブリビオンは対象を【同士討ち前提の連携と本命の少女の攻撃補助】で攻撃する。
SPD   :    私が見初めた娘には及ばぬだろうが…味見してやろう
【転移魔術で血を吸収し常に少女の手に戻る己】を向けた対象に、【転移で接近し血を吸収。弱らせて少女の斬撃】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    予定外だが…貴様達を傷つけ苦しむ感情の血も一興か
【猟兵にすら聖なる武器と誤認させるオーラ】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【少女の癒しの力を反転。剣から放つ魔術光線】に変化させ、殺傷力を増す。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はトリテレイア・ゼロナインです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちが第五の貴族である吸血鬼を倒した後、背後の洞窟から物音が響いた。
 そちらを見れば……赤黒く輝く聖剣を持つ、1人の少女が立っている。
「……遅かった、か。」
 虚ろな目をした少女の口から途切れ途切れに漏れる言葉は、しわがれた老人のもの。
 少女の中に宿る、異端の神のものだった。
「だが……それ、ならば……お前たち、を。」
「……ちっ、ここまでか。」
 突然、別の声が猟兵たちの脳裏に響く。
 見れば、声に合わせて少女の持つ聖剣が、脈動するように輝いていた。
「吸血聖剣『ダリアード』と呼ばれた私の力も、すでに異端の神に奪われた。貴様ら、頼む……。」
 言葉と共にピシリと、聖剣にひびが入る。
「私を、砕け……それで、こやつは……。」
 聖剣の鈍い輝きが消えると共に、少女は聖剣を手に襲いかかってきた。
七那原・望
はぁ……その少女、異端の神に支配される前はお前が無理矢理使役していたのでしょう?
そんな相手の望みに応じるのは癪なのですけど、仕方ないですか。

果実変性・ウィッシーズガーディアンを発動して、全力魔法による強化で自身の限界を超え、第六感と野生の勘を駆使して相手の行動を見切り、最小の動きで魔術光線を回避しながら素早く接近。
スタッカートの双剣でダリアードを挟み、身体を捻りつつ一気に力を加えてへし折りましょう。

さて、これでいいのですかね?

少女自体がオブリビオンならなるべく苦しませずに迅速に介錯を。
そうでなければ心身のケアをした後に少女の村か受け入れてくれる村に送りましょう。

あ、何か食べますか?


御剣・刀也
なんと言うか、謎かけみたいなことをしてくるオブリビオンだな
生憎俺はお前が満足するよう答えは持ってない。自分が納得する答えは、自分で見つけるしかないんだよ

救世主の悲劇に引き立て役の仲間と敵は必要だろう?救世主が出てくるなら悲劇じゃなくて喜劇じゃなかろうか?と、胸にわいた疑問を素直に口に出し、それで満足するわけはないよな。と攻撃を第六感、見切り、残像で避け、避けきれないものは武器受けでさばき、邪魔な相手を斬りながらダッシュで懐に飛び込み、勇気で反撃を恐れず、捨て身の一撃で剣を斬り捨てる
「お前さんが弱かったとは思わない。ただ、巡り合わせが不味かっただけさ」



「はぁ……その少女、異端の神に支配される前はお前が無理矢理使役していたのでしょう?」
 脳裏に響いた声にため息で返す七那原だが、剣からの返事はなかった。
 意識ごと取り込まれたか、もしくは答えたくないのか……。
「全く、そんな相手の望みに応じるのは癪なのですけど、仕方ないですか。」
「ああ。あいつの言葉が無くても、俺たちのやることは変わらない。」
 御剣も七那原と共に刀を抜く。
 対峙する、異端の神に操られた少女の持つ剣を見据え、
「あいつを砕く……それだけだ。」
「そうですね。」
「お前、たちに……できる、か?」
 しわがれた声とともに少女が剣を一振りすると、足下に広がる魔方陣から現れたのは生ける屍と化した魔狼と、少女の仲間と思わしき者たち。
 唸り声と共に濁った瞳で2人を見た狼がまず御剣へ襲いかかり、後から少女の仲間たちが駆けてくる。
「救世主である、此奴の悲劇に……引き立て役の仲間と、敵は、必要……だろう?」

「……救世主であるお前が、引き立て役の仲間と敵を呼び出すのなら、」
 魔狼の爪が御剣を捉えるが、そこにあったのは残像と言葉だけ。
 直前に踏み込み、真横に薙ぎ払われた刀によって、魔狼の身体が胴から二つに断たれて崩れ落ちていた。
「それは悲劇じゃなくて、喜劇じゃなかろうか?」
「ふ……そう、だろうな。」
「分かっているなら、無駄なことはやめてください。」
 翼を広げて浮かび上がる七那原の手にした黒き妖刀と白き聖剣に、紅き雷光が走る。
 次の瞬間、仲間たちと思わしき人々の間を雷光が走り……七那原の後ろに残る人々は、一瞬で斬り捨てられていた。
「ただただ、不愉快です。」
「で、あれば……問題は、ない。」
 ほんの一時、呟きとともに動きを止めた七那原に少女の剣が向けられる。
 その姿が赤黒い、本来の吸血剣の姿へと変わると共に、魔術光線が襲いかかった。
「お前たちを、倒すため、ならば……。」
「……そう簡単にいくと思われては、心外です。」
 その声は、少女のすぐ前からかけられていた。
「な、」
 気付けば、七那原は吸血剣を夢奏・スタッカートと名付けられた双剣で挟み込んでいる。
「さて、このまま、」
「へし折ってやる!」
 七那原が力を込めるのと同時に、勢いよく駆けてきた御剣の渾身の一撃が剣に振り下ろされ……ひびが広がり、中程からへし折れた。
「お前さんが弱かったとは思わない。ただ、巡り合わせが不味かっただけさ。」
「ぐ、あああああ!?」
 途端に響いた異端の神の叫びと共に、へし折られた剣から魔術の光線が放たれる。
 持つ者の魂を削るように途切れなく……苦しむ少女の手の中から無軌道に。
「ちっ、あの剣が言っていたのはそういうことかよ!」
「いずれ、殺せるのは確かですが……これは迷惑ですね。」
 急いで跳び退った2人の前で、少女が苦しみながら剣を握っている。
 しかし、何故か手から剣を手放す様子はない。
「吸血聖剣とか言っていたが、あいつの意趣返しか。」
「あのまま、異端の神の力だけを放たせられれば……あの子を救えるかもしれませんね。」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クレア・フォースフェンサー(サポート)
なるほどのう。
おぬしが言わんとすることも分からぬではない。
じゃが、だからと言って、今を生きる者達を虐げてよいことにはなるまい。
過去の者がしでかしたことは過去の者がただすのが道理じゃ。
わしが骸の海に還してやるゆえ、覚悟するがよい。

――とかそんな感じで、相手の主張や立場を一旦は受け止めながらも受け入れはせず、最終的には斬ります。

遠間の際には《光弓》を、それ以外の場合は《光剣》を用います。
敵の攻撃を見切って躱し、また、UCの力を込めた《光剣》で捌きながら間合いを詰め、両断するのが基本的な戦い方です。
遥かに格上の敵と対峙する際には《光紋》を全開にし、完全戦闘形態に変身します。



「ぐ、くぅ……。」
 少女の持つ折れた吸血剣は手を離れず、異端の神の力を奪い続けている。
 その様を見下ろすように呟くのは、クレア・フォースフェンサー(UDCのエージェント・f09175)。
「哀れなものじゃな。望むモノは得られず、自らの武器にまで裏切られるとはのう。」
「き、さま……!」
 少女は振り払うように剣を振るい、漏れ出すエネルギーが刃となって襲い来る。
 しかし、抜く手も見せずに振るわれたクレアの光剣にあっさりと切り裂かれ、クレアの体を傷つけることはなかった。
「使い慣れぬ武器でわしを斬れると思わぬことじゃ。次は、こちらから行くとするかのう?」
「なめ、るな!」
 駆け出すクレアの邪魔をするように、少女の足元に広がった魔法陣から現れる骨の竜、そして背丈ほどの大剣を構えた剣士。
「なめているのはどちらかのう? ……と、」
 そのまま突進してくる骨の竜をクレアが軽く躱したとみるや、剣士が骨の竜の背後で大剣を振るう。
 勢い良く振られた分厚い鉄板のようなそれは軽々と竜の骨を砕き、破片となった骨が襲いかかった。
「ふふ、仲間を壊してでもわしを倒そうという気概は買おう。だが、」
「な、に……!」
 空中で振るわれた光剣によって、クレアへと当たる破片を弾かれる。
 さらに振るわれたもう一閃により、骨の竜ごと剣士も縦に切り裂かれ、骸の海へと還されていた。
「あとはおぬしじゃ!」
「くっ!」
 鋭く踏み込み、大きく振りかぶったクレアの光剣を受け止めるように、少女は吸血剣を構える。
「そう……そうするのが普通じゃよな!」
「な、に……!?」
 少女の手にした吸血剣へ向け、全力で振り降ろされる光剣。
 その勢いにひびの入った吸血剣はさらに砕かれ、剣から漏れ出すエネルギーがさらに増していく。
「ぐ、うぅぅ!?」
「おぬしもここまでじゃな。……あとは任せたぞ。」

成功 🔵​🔵​🔴​

アレクシア・アークライト
これは癒しの力を持つ少女。
これは癒しの力を持つ少女の身体を奪った魔剣。
これは癒しの力を持つ少女の身体を奪った魔剣に憑りついている異端の神。
これは癒しの力を持つ少女の身体を奪った魔剣に憑りついている異端の神が狙っている第五の貴族。

って、なんかそんな感じの児童文学があったわね。
とりあえず、あの剣ごと異端の神を倒せば、あの少女を救えるってわけね。
少しやりがいが出てきたわ。

・念動力で空中へと移動し、接近戦を回避。敵の光線は力場で防御。
・念動力で敵の動きを阻害しつつ、剣に対し光珠で全方位攻撃。
・UCで完全消滅を狙う。

貴方達、自分を倒した者の身体を奪ったりするのよね?
そんな余力、欠片も与えないわ。



「くっ……お前、の身体、だけでも!」
「っと、危ないわね。」
 ふわりと浮かんで、吸血剣から漏れるエネルギーの光線を避けたアレクシア。
 念動力でそのまま浮かんで剣の間合いから離れ、追撃に浴びせられる光線を広げた手に張った力場で弾く。
「……これは、癒やしの力を持つ少女。」
「な……お、まえ……。」
 そのまま展開した力場を少女に向けて縮小し、その身体を拘束していく。
 身動きの出来なくなった少女の周囲に浮かび上がるのは、念動力で生み出された高エネルギー体である光の珠。
「これは、癒しの力を持つ少女の身体を奪った、魔剣。」
「くっ……ぐあああああ!?」
 吸血剣も自身だけでは動けないのか、周囲から押し寄せる光珠に為す術なく包まれていく。
 叩きつけられたエネルギーはプラズマとなり、揺らめく光に包まれた中で異端の神の絶叫が響き渡っていた。
「これは、癒しの力を持つ少女の身体を奪った魔剣に憑りついている、異端の神。それで、」
「や、やめ……!」
 懇願するような言葉には耳を貸さず、残る光珠を一斉に吸血剣に叩きつけた。
「貴方達、自分を倒した者の身体を奪ったりするのよね? そんな余力、欠片も与えないわ。」
「わた、し……が……。」
 揺らめく光の中、ピシリとひびが入る音が響き、
「消え……る……。」
 そう言葉を残し、異端の神ごと吸血剣は粉々に砕けて塵と化していく。
 風に溶けて消える塵を見届けたアレクシアは、念動力を解いて降り立ち、
「ふぅ……これで、癒しの力を持つ少女の身体を奪った魔剣に憑りついている異端の神が狙っている、第五の貴族の体が奪われなくて済んだ訳ね。って、なんかそんな感じの児童文学があったわね。」
 後に残るのは、剣の持ち主だった少女の姿。
 今は気を失っているが、静かな寝息が聞こえる。
「さて、これで一安心ね。」

 こうして、猟兵たちによって異端の神の野望は断たれた。
 目を覚ました少女は、剣を持つ間の記憶が失われて不安になっていたものの、猟兵たちによる心身のケアにより、少女を受け入れてくれる村にたどり着く頃には元気になっていた。
 しかし……今もなお、異端の神は力ある吸血鬼の身体を狙っている。
 ダークセイヴァーの新たな動きに、猟兵たちは次の戦場へと向かうのだった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年06月29日


挿絵イラスト