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Fall Devis

#デビルキングワールド

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#デビルキングワールド


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「ホー」
「ホーホー」
「ホー?」
 なんとも形容しがたい奇妙な声を出しながら、もみくちゃになる悪魔たち。
 彼らの立つステージの回りは針の山。落ちれば串刺しにされてしまうだろう。
 そう、普通なら死ぬ。つまり、これは危険なデスゲームなのだ!
「ホー!」
「ホー!」
「ホー」
 だが、悪魔たちは全力で楽しんでいた。
 おしくらまんじゅうみたいな感じでキャッキャしていた。
 ていうか多分、落ちてもあんまり死なない感じさえあった。

「…………なんで」
 そんなデスゲーム(?)を監視していたオブリビオンは、頭を抱えた。
「なんで、私が閉じ込めた時より、数が増えているのです、か……」
 彼女の名は、『ルビー・ジュエルシード』。
 まだデビルキング法がない頃の、はるか昔から黄泉帰ったオブリビオン。
 このトチ狂った魔界のノリに、いまだついていけない苦労人である。

●グリモアベース:予知者、クイン・クェンビー
「デスゲームってもっとこわいものかと思ってたけど、楽しそうだね!!」
 予知を見たグリモア猟兵は、いろいろ勘違いをしてしまっていた。

 猟兵たちから懇切丁寧に説明を受けたクインは、愕然とした表情になる。
「えっ!? デスゲームって本当は失敗=死のチョー危ないゲームなの!?
 じゃあなんであの悪魔たちは普通に楽しんでるの!? あっ、悪魔だからか」
 これで納得されちゃう世界、ほんとどうなってんだろうね!

 さておき。
「えーと、そんなわけでオブリビオンがデスゲームを画策したんだ。
 悪魔たちを閉鎖空間に閉じ込めて、殺し合わせるつもり……だったみたい。
 でも悪魔たちはクインたち猟兵と同じぐらい強いから、当然脱走して……」
 脱走した、そこまではいい。えっじゃあなんでゲーム続いてるの?
「…………友達をたくさん連れてきて戻ってきたんだって」

 なんて?

「いやほら、デスゲームってチョー危険で、つまりはワルいゲームでしょ?
 それでゲームってことは楽しいってことだから……みんなでやろうって、ね?」
 ね? と言われても、悪魔以外には少々、いやだいぶ飲み込みづらい理屈だ。
 無理やり飲み込むと胃袋が張り裂けるレベルのデカブツである。どうしてこうなった。
「で、でもオブリビオンの好きにさせるわけにはいかないからさ、ね!
 みんなでデスゲームに参加して、悪魔を蹴落としてゴールしてほしいんだ!
 ……あ、でも一応、デスな罠からは助けてあげてね。まあ、死なないんだけど」
 ゲームを最後まで進めていけば、オブリビオンと戦えるという。
 そしてゲームの参加者である以上、悪魔は全力でこっちを叩き落としに来る。
 つまり、いつものように、悪魔ともバトルせにゃならんというわけだ。

 問題はそのゲームの内容である。
「うーんと、アスレチックゲームっていうのかなあ……?
 こう、飛んだり跳ねたり、おしくらまんじゅうみたいに相手を押し出したり。
 あとぐるぐる回転する棒を回避したりー、
 画面に表示された絵柄を覚えてパネルを移動して落っこちないようにしたり、
 ニセモノのドアを選ばないようにダッシュしてゴールを目指したり……」
 ん? なんかどっかで聞いたことあるようなもんばっか出てくるぞ?
「とにかくそういうのがたくさんだよ! で、失敗するとペナルティがかかるの。
 最初の方は粉だらけになったりどろんこに落っこちたりするだけなんだけど、
 ゲームが進んでいくと針の山に落ちたり煮えた油に飛び込んだりするからね!」
 朗らかに言うことではない。
「なんていうかさ、ちょっと楽しそうじゃない? クインもやってみたい!
 ……まあ、今回はできないんだけどー。クインの代わりに楽しんできてねー!」
 あれ? これオブリビオン倒すちゃんとした仕事の話でしたよね?
 なのに転移術式を起動するクインの顔は、完全にアホのそれであった。


唐揚げ
 あのこれ風雲なんとか……あっいえなんでもないです。
 とにかくいつものノリで、トンチキデスゲームが開催されています。
 悪魔たちを蹴落としつつゴールして、オブリビオンと戦いましょう。

 クインが言及した以外にも、アスレチック種目はたくさんあります。
 しっぽ鬼とか、立ち止まったら落ちちゃうのでパネルを駆け抜けるのとか、
 吊橋の上を落ちないように渡るとか水鉄砲を撃ち合うとか……。
 なんかそういうのがたくさんあるので、自作してプレイングしてもOKです。
 一章ではまだ妨害もあんまりないので、クリアを最優先しましょう。
 失敗すると粉だらけになったり顔を黒く塗られたりします!

 え? わざと(アスレチック種目を)失敗したい?
 うーん、悪魔をたくさん巻き込みつつならいいかもしれませんね!
 もちろんその場合も、他の悪魔を蹴散らせてれば判定は成功になりますし、
 2章以降参加するとしてもなんかうまく不正したことになります。
 不正は悪魔的にワルいので問題なし! ……あれこれゲームの意義……。

 とにかくそんな軽い気持ちでご参加ください! そういうノリです!!
 プレイングはだいたい承認から2日後の朝まで受け付ける予定です。
 締切時点でプレイング数が完結に足りてなければ、足りるまでです。
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第1章 冒険 『ゲート突破大作戦』

POW   :    腕力、暴力、気合で強引に突破

SPD   :    偽造のチケットや身分証でスマートに突破

WIZ   :    姿を消したりしてさっさと突破

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「ホー」
「ホーホー」
「ホー?」
 悪魔ひしめく閉鎖空間に現れたのは、巨大なアスレチックステージ!
 次々落ちてくるボールに当たらないよう、急いでステージを駆け抜けたり。
 ぐるぐる回転する棒にふっ飛ばされないようにダッシュしたり。
 はたまた横に並んだパネルの中から、正解のゲートを選んでぶち抜いたり。
 あとはぐるぐる転がる玉の上を玉乗りの要領でバランス取りながら進んだり、
 逆にボールをみんなで運んだり、
 迫りくる壁の穴と同じポーズを取って穴をくぐり抜けるゲームなどもある。

 多分全部、オブリビオンが頑張って用意したアスレチックだ。
 悪魔たちは大盛りあがりである。これやっぱデスゲームじゃなくない?
 なお場外に落ちると水でびしょびしょになったり泥だらけになったり、
 顔に筆でめっちゃ落書きされたりパイまみれになるので気をつけよう!

●プレイング受付期間
 6/4の08:30前後まで。
スピカ・ネビュラスター
デスゲームって聞いたら、参加しない手は無いよね!
(デビルキングワールドの魔女なので思考が悪魔と同じ)

うーん。期待してたけど、この程度かー
ウィッチクラフトの隕石落としで障害物を吹っ飛ばしたり
魔星『アークツルス』に乗って空を飛べば簡単に突破出来ちゃうね

猟兵じゃない悪魔は脱落させた方がいいみたいだし
ちょっと障害を追加してあげようかな?

『トリニティグラビティ』で
コースから外れた場所に重力場を3ヶ所設置するよ
これで引き寄せられれば、落下してくれるよね!
(ワルいことを積極的にやります)

猟兵の仲間?
これくらいどうって事無いでしょ

●ラスボス『銀河の魔女』



●これが本場のデビキン住民の無法だ
 デスゲーム……それ、すごくワルくてカッコよくない!?
 と、本場のデビキン住民なら考える。ていうかスピカ・ネビュラスターがそう。
 なのでスピカはもうノリノリでやってきた、の、だが……。

「うーん、期待してたけどこの程度かー」
(現時点ではまだ)ショボい罰ゲームに、いまいち締まりのないアスレチック。
 銀河の魔女であるスピカにとっては、この程度お茶の子さいさいだ。
「アークツルスに乗って空を飛べば簡単に突破できちゃうしなあ~」
 しかも堂々とズルをしていた。なんてワルいんだ! と憧れる悪魔たち。
 その結果悪魔たちが蹴落とされているのだが、まあそこはお察しである。
『つ、次の種目は、ゲートクラッシュ……』
「えい(落ちてくる隕石)」
『あーっ!?』
 隕石で爆発四散する障害物。ステージにオブリビオンの悲鳴が響き渡る。
 スピカはその悲鳴を心地よさそうに聞いていた。なんて腹黒なんだ。
 彼女の種族はラスボス……だが、スピカの見た目は人間そのものの二足歩行だ。
 つまり……彼女はめちゃくちゃ根性が悪いということなのだ!(失礼)

 そんな感じで、いまいちノリきれない顔でひょうひょうと勝ち抜けるスピカ。
 スピーカー(?)からはオブリビオンの嗚咽がすんすん聞こえてくる。
 むしろそれが気分がいい。そこでスピカは妙案を思いついた。
「よーし、せっかくだしボクが障害物を追加してあげよう!」
「「「ホー!?」」」
 スピカは三重星を召喚し、局所的な超重力をステージ上に追加した。
 押し合いへし合いしていた悪魔どもが、重力に引きずられて吹っ飛ぶ!
 まるで3Dのゲームで物理演算がバグったときみたいな挙動だ!
「ふふふ、さあ頑張って星の重力を突破してゴールを目指しなよキミたち!
 そのぐらいのこと、悪魔なら当然出来るでしょう? さもないと泥だらけだよ!」
 スピカは今日イチ楽しそうな顔で、あたふたする悪魔どもを煽りまくる。
『あ、悪魔……悪魔がいます……!!』
 オブリビオン(元堕天使)は戦慄した。色々立場がおかしくなっていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

エドゥアルト・ルーデル
ホー!全員落とせば勝ちだホー!

という訳で拙者のやる種目はこれ!4×4のパネルの上で生き残るヤツでござるホー
パネルに何種類か絵柄があって正しい奴の上にいないと落とされるホー!記憶力と冷静さが問われるでござるホー
早速やってくホー!はいよーいスタート(何処からか落下しつつ)

60人前後のguy…Devisがワチャワチャと押し合う!正しいパネルの上に陣取ったら床ギリギリでブロックして遅れたやつを叩き落とすでござるホー!邪魔だホー!
んん?向こうのパネルのデカイ人影…【知らない人】だこれ!誰だ貴様は!
世界を超えて一体何度――立ちはだかってくるというのだ!
まあパネルにいる他の参加者全員落としたから許すが…



●画面が逆L字に三分割されたアレでご想像ください
「「「ホー!」」」
 なぜかどこからか落下してくる悪魔たち。こころなしか見た目もふっくらだ。
 その妙にタイツっぽい格好の中に、エドゥアルト・ルーデルも混ざっている。
 体つきはSDサイズなのに、顔だけはいつもの感じである。怖い。
「ホー! 全員落とせば勝ちでござるホー!」
 今回の種目は4×4のパネルの絵柄を覚えて移動するや……あっさっそく乱闘発生!
「ホー!」
「ホー!?」
「ホー! お前ら全員叩き落としてやるでござるホー!」
 まだ絵柄が表示されてもいねえのに、掴んで投げまくるエドゥアルト!
 なんという無法のプレイ。当然彼は孤立して他の悪魔から袋叩きにされる!
「「「ホーホーホー!!」」」
「こんなひ弱な力で押されても全然痛くないホー! オラッ上手投げでござる!!」
 エドゥアルト関、見事な投げっぷりで悪魔を奈落の底へシュウウウウ!!
「「「ホー!?」」」
 なお、パネル下には墨のプールがたぷんたぷんと波打っている。
 落ちた悪魔は全身が真っ黒けになるというペナルティだ!
 ……はたして、オブリビオンは本気でデスゲームやるつもりだったんだろうか?

『あ、あの、まだゲーム始まってません! これから、絵柄これからですから!』
 エドゥアルトがバンバン悪魔どもを蹴散らすのを見て不安視したオブリビオン。
 緊急アナウンスメントを入れつつ、大きな画面に絵柄を表示させた。
 絵柄は……「愛犬に頭をかじられながらみかんを撫でるおっさん」だ!

 え? 果物とかじゃないのかって?
 デビルキングワールドのパネルゲームは、絵柄が複雑なので高難易度なんです。
 他にも「愛犬に頭をかじられながら車を洗うおっさん」だとか、
「愛犬に頭をかじられながら貯金箱の中身を確認するおっさん」などもある。
 一体どのおっさんが表示されたのか、記憶力と冷静さと認識力が試される……!
「ホー! なんなんでござるかこのゲームの絵柄ホー!」
 とかツッコミを入れつつ、エドゥアルトは正しいパネルに陣取っていた。
 そして床ギリギリで悪魔どもをブロックし、遅れたやつをきっちり落とす!
「ホーーーー!?」
「ホー! 移動するのがおせえでござるホー!」
 こいつ、このゲームをやりなれてやがる……!

 いよいよ悪魔たちの数が減ってきたところ、エドゥアルトはあることに気付く。
(拙者と同じレベルの参加者が、ひとりだけいるでござるホー……!)
 一体それは? 悪魔の群れの中から顔を出したのは……!
「…………」
「誰!? 誰なんでござる!? 怖いよぉ!!」
 首にギブスを嵌めた知らないおっさんだ!
 たとえCIAですら、誰このおっさんと言うだろう。いやこれUCで召喚されてんじゃん!!
「世界を超えて一体何度――立ちはだかってくるというのだ!!」
 とか、エドゥアルトがキメ顔で言ってる間に、知らない人は落ちていった。
 知らない人を信用して集まった悪魔たちも、みんな落ちていった。
「だから、ここでユーベルコードを使っておく必要があったんでござるね」
 エドゥアルトは虚空のカメラ(?)に目線を合わせてうつろな目で言った。
 あまりの狂った展開に、監視室でオブリビオンは頭を抱えていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ソニア・シルヴァーヌ
ああ、なるほど…
…この世界でこの程度の障害は、確かにデスと言うにはあまりに物足りないですね…。
でもまあ折角ですし、一つお邪魔すると致しましょう。

環境適応・自己進化発動、攻撃力を犠牲に機動力を強化。
下半身に蜘蛛みたいな脚が生えます。

これで走ってゴールを目指しましょう。
勿論、触手や暗黒縛鎖を使ったズルは適宜やっていこうかと。仕掛けに絡ませたり噛み込ませたりして機能停止させる感じですね。
ただ空は飛びません。ズルするにしてもそれは面白くないので。
でも落ちそうになった時は【空中浮遊】で復帰を狙います。

流石にもう少し先に行けば危険なトラップも色々ある…はず、ですが如何でしょう…?



●デスゲームの概念がこわれる!
「ホーーーーー!」
 断末魔を上げて落ちていく悪魔! 奈落の底に揺らめくのはマグマ……!!
 ……ではなく、ただの水だ。風邪を引かないよう温度も人肌になっている。

「ホー!?」
 あっ! 今度は突き飛ばされた悪魔が酸のプールに!
 ……と思ったら、そこに溜まっているのは酸ではなくただの泥だった。

「……ああ、なるほど……」
 泥だらけになったりパイの粉だらけになったりわちゃわちゃしてる悪魔たち。
 そんな悪魔たちを見たソニア・シルヴァーヌは、納得した様子だ。
「この世界でこの程度の障害は、たしかにデスというにはあまりにも……」
 そう、物足りない。こんなのはデスゲームではなくただのバラエティ企画だ。
 多分だけど、オブリビオンが昔の人すぎて基準がおかしいんだと思う。
 いや基準がおかしいっていう意味では悪魔がそもそもおかしいんだけども!
「でもまあ、せっかくですし……私もお邪魔するといたしましょう」
 ソニアの下半身がニュッと蜘蛛の足のように変形した。
 たおやかな上半身にはあまりにも不似合い……いや、これはこれで!
 一部のフェチの方が大変に興奮しそうなアンバランス度合いである。

 ちなみに、ソニアが挑戦するのは、風車とか回転棒とか、色々ぐるぐるしている障害物をくぐりぬけていくタイプのアスレチックだ。
 タイミングをよく読まないと、棒に突き飛ばされてプールに落ちてしまう!
 もちろん、プールの中の温度は子供も安心なぬるま湯になっている。やったぜ!
「ホー!」
「ホーホー」
「ちょっと失礼いたしますね」
「「「ホー!?」」」
 ソニアは蜘蛛脚でわしゃわしゃトップに躍り出ると、触手を振り回した。
 悪魔の皆さんはビターン! と触手ビンタでふっ飛ばされたり、
 暗黒縛鎖が絡まって動かなくなった風車に激突してペラペラになったりしている。
 その気になれば空を飛べるソニアだが、彼女はあくまで走ることにこだわった。
「ふふ……これはこれでなかなか、楽しいですね……」
 悪魔たるもの、競争相手は蹴散らしズルをしてナンボである。
 プールの中でわぷわぷしてる悪魔たちを見下ろし、にっこり微笑む聖女だった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アポリト・アペルピシア
ホーホー!
い、いや、これは浮かれているのではない!
周囲の悪魔どもに溶け込む事で黒幕の目を欺く作戦よ!
断じて「何これ超ワル楽しそう〜!」などとは考えてはおらぬからな!

さて、我は悪魔よりも巨躯ゆえスピード勝負や狭い場所は若干不利であるな。
逆におしくらまんじゅうのようなゲームであれば、それが強みとなろう。
こっそりサイキックブラストで痺れさせたりもしつつ、どんどん押し返して勝ち残ってくれるわ!

フハハハハ、なかなか愉快な茶番ではないか。
これがオブリビオンの陰謀でなければ普通に愉しんだのだがな!
ホーホー!



●魔王様、大いに戯れる
「ホー! ホーホー!」
 なんとなく全身タイプっぽい、なんとも言い難い格好の悪魔たち。
 なぜかホーホーやかましいそんな中に、当然みたいな顔で混ざってるのがいた。
 それが、アポリト・アペルピシア。完全異形の恐るべき見た目のラスボスである。
 ……あれ? でもラスボスって、異形なほどいい人なんじゃ……?
「ホー……はっ! い、いかん!」
 完全に遊び呆けていたアポリトは、はっと我に返った。
 違う、遊び呆けてなどいない。これは黒幕の目を欺くための作戦なのだ。
 決して、「何これ超ワル楽しそう~!」とか子どもみたいにはしゃいでないし、
 実際やってみたらアスレチックの種類が豊富でめちゃ楽しいなんてことないし、
 ライバルを蹴落とすのもいいけどどろんこまみれになるのも楽しそうだな、
 とかそんな平和ボケしたこと考えてもいない。いないったらいないのだ。
「ふっふっふ……この魔王アペルピシアの恐ろしさを、貴様らに汝らに教えてくれる!!」
 アポリトは誰に言うでもなく叫んだ。ここからが真の地獄なのだ……!

 ところで、次のゲームは「回転足場ゲーム」らしい。
 時計回り・逆時計回りにぐるぐる回る足場を次々に飛び渡りゴールを目指すのだ。
 ゴールを目指すレース形式とはいえ、重要なのは生き残ること。
 つまり、競争相手を突き落とすことの出来るアポリトの巨体は有利に働く!
「フハハハハ! そうらそら、どうした! うかうかしていると押し潰してしまうぞ~!」
「「「ホー!?」」」
 アポリトはぐるぐる回転する足場を利用し、大岩めいて悪魔を押しつぶす!
 機敏に逃げ回る悪魔はサイキックブラストでこーっそり痺れさせてしまい、
 途中の足場に陣取って次々に後続を叩き落としていくのだ。なんという外道!
「フハハハハ、この魔王アペルピシアを畏れ讃えよ悪魔ども!
 それとも我を落としてみるか? やれるものならやってみろ、ホーホー!」
 アポリトは大いに調子に乗っていた。
「ホー! 脇をくぐり抜けてゴールすれば勝ちホー!」
「あっこら待て! もー待ってってばー! 我置いてかないでー!」
 途中ちょっと素が出ていたような気がしないでもないが、そこには目を瞑っておこう。

成功 🔵​🔵​🔴​

納・正純
【パネル】夕立/f14904
種目:正しい模様のパネルを選ぶアレ

おいおい、記憶系の問題なら俺の十八番だな……
ここは夕立の力も借りず、脱落者の大量生産といこうか!

順調に勝ち上がり、終盤に作戦開始だ
パネル配置を覚えたら、パネル表示が消えたタイミングで周りの悪魔たちに【終段真理】を発動!
ククク……パネル配置の記憶を消し去ってやろうじゃないか
更に俺は自信満々に正解から一個隣のパネルに自信満々に立つ!
こうして周りの奴らを釣りつつ、ギリギリのタイミングで俺だけは正解のパネルにジャンプして飛び乗るーードワァ夕立!
コラクソガキお前そんなパネルギリギリに立ってんじゃねぇ俺まで落ちるだろうが助けろ助けろ助けろ助けろ


矢来・夕立
【パネル】手帳さん/f01867
種目:正しい模様のパネルを選ぶアレ

二人いれば正解を覚えやすい。
協働はズル?バレなきゃいいんですよそんなもん。

周りを蹴落とすことも考えていきましょう。
そこそこ勝ち残ってマークされたあたりで不正解のパネルに立つ。堂々と。自信満々に。
そうするとどうなるか。
段々自信がなくなってきた奴らが「あいつに便乗しとけば大丈夫だろう」と、オレと同じパネルに乗ります。

ここでスッと隣(正解の模様)に移動。

バカめ。この手のゲームで信じていいのは己の精神と自ら働いた不正だけだ。
信用といえばオッサンの記憶力はともかく反射神経はちょっと…なんならアイツも用済みですよ。端に立っとこ。



●パーフェクトマッチっていうらしいですねアレ
 他人を蹴落とし、引きずり倒し、どんな手を使ってでも勝ちを掴む。
 それが、裏社会というものだ。闇の世界に法律なんてルールは存在しない。
 外道と呼ばれようが悪魔と言われようが、生き残れば勝ちである。
 慈悲だの容赦だの、甘っちょろいことを言ってるやつから死ぬ。
 アウトローとして生き残る秘訣は、どこまでも冷酷になることだ。
 そうやって生き延びてきた男たちは、まさしくアウトローの中のアウトロー。
 失敗・即・死のデスゲームなんて、奴らにとっちゃ日常同然なのさ……。

「おい夕立テメェ俺の足を掴むな引っ張るな落ちるなら一人で落ちろ!!」
「バカですかあなたオレが生き延びたほうが全世界にとって有益でしょうが」
「うるせえあんな泥まみれになるのはお前みたいなクソガキで充分だ!」
「オレみたいな美形にそんな醜態許されるわけ無いでしょう手帳さんならともかく」

「オラァアアアアア夕立死ねェエエエエエ!!」
「ウワッこっち来るな掴んで押さえるなやめろオレまで巻き込まれる」
「最悪俺様は負けてもいいがお前だけ勝ち残るのは認めねええぇええ!!」
「だからってコースの途中で足止めするんじゃないですよやめろっつってるだろこの野郎」

「オラッそっちのゲートくぐってパイまみれになれ!」
「そういうギャグキャラみたいなのはあなた向けですよオラッ」
「この正解のゲートを通っていいのは俺様だけなんだよ!!」
「クラウンがオレを呼んでいるのであなたはここで死ね」

 …………せっかく、カッコいい感じに演出してあげたのに……。
「「ぜえ、ぜえ、ぜえ……」」
 納・正純も矢来・夕立も、全力で足を引っ張り合っていた。
 一応ふたりで揃って来たくせに、あきらかに相手を陥れるつもり満々だった。
 それでいて、本当にヤバくなると手を組むんだからたちが悪い!
「ゆ、夕立……アレだ、そろそろ停戦といこう。このままだと体力を消費するだけだ」
「あいにくですが、オレはあんたみたいなおっさんと違いますので」
「さっきバテてただろうが!! あと俺はおっさんじゃねえぞクソガキ!!」
「は? オレもクソガキなんかではないんですが???」
 ぎゃあぎゃあじゃれあうふたりの前、液晶にパッと次の種目が表示される。
 それは4×4のパネルに表示される絵柄を記憶し、正しいところへ行くアレだ。
 ん? 題名でタイトル出しちゃってるだろって? なんのことかな……。
『液晶に正解のパネルが表示されるので、それを記憶しましょう!』
 という、オブリビオンからの懇切丁寧なアナウンスまで流れた。
「ククク……記憶系の問題なら俺の十八番だ。まあお前には無理だろうがな」
「は? オレたちは協力関係でしょう? そういう足並みを乱すのはやめてください」
「お前ほんといけしゃあしゃあと言うよな!! まあその通りだがよ!!!」
「ふたりいれば正解を覚えやすい、こんなの幼稚園児でもわかりますよ?」
「いちいち俺をバカにするのやめろほんと!!!」
 とかなんとか言い合いつつ、ふたりは的確にパネルの絵柄を覚えていた。
 すると自然と、他の悪魔たちは夕立と正純について回るようになる。
 絵柄を覚えるより、正解しやすいふたりについてったほうが確実だからだ。
(どうやら、オレたちがマークされはじめたようですね)
(ああ、そうみたいだな……ここで俺の出番だッ!)
 正純、正解を覚えていそうな悪魔たちに記憶消去銃を撃ち込んだ!
「「「ホー!?」」」
 正解のパネルの記憶を奪われた悪魔たちは、自信がなさそうにウロウロする。
 正純と夕立はこくりと頷きあい、正解のパネル……の、一個隣のパネルへ!
(こうして自信満々に立っておけば、他の奴らは当然こちらへ集まる)
(充分に釣ったところで、ギリギリのタイミングで正解のところへ行けば……)
((他の奴らは、全員飛び移れずに落ちていく……!!))
 完璧な作戦だ。そして、悪魔たちは彼らの思惑にまんまと乗ってしまった。
 そう、まんまと思惑に乗り、不正解のパネルに乗ってしまったのである。
 パネルだけに! パネルだけに! はいここ超おもしろギャグなので笑って!

 え? なんかありました?
 まあとにかく、ギリギリのタイミングでふたりは飛び移った……が!
「残念ながらあなたは用済みです」
「えっ」
 夕立、ギリギリのところで着地すると、また正純の足を掴んだ!
「おいバカこのクソガキやめろそんなパネルギリギリで俺を掴むなお前やめろやめろやめろやめろ!!」
「バカめ。この手のゲームで信じていいのは己の精神と自ら働いた不正だけですよ。
 あの間抜けな悪魔どもと一緒に、アンタもここで脱落しておけばいいですよ」
「お前さっきまでのチーム的な雰囲気ぶち壊しだろだからお前離せマジでお前!!!!」
 結局正純はなんとか生き残り、夕立は舌打ちしたという。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『ブギーキャンサー』

POW   :    キャンサー・パレード
【蟹脚を蠢かせながらの】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【他のブギーキャンサー】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    フィアー・キャンサー
【知恵の布】を脱ぎ、【おぞましき巨大魔蟹】に変身する。武器「【長く伸び敵を切り刻む巨大蟹の鋏】」と戦闘力増加を得るが、解除するまで毎秒理性を喪失する。
WIZ   :    キャンサー・カース
攻撃が命中した対象に【蟹型の痣】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【呪詛】による追加攻撃を与え続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「なかなか、生き延びて、いますね……いや、というか……あれ、猟兵……では?」
 コントロールルームでデスゲームを監視中の『ルビー・ジュエルシード』。
 さすがの彼女でも、猟兵が紛れ込んでいることにうすうす気づきつつあった。
「こうなったら……ここで、大量に……脱落、させたほうが、よさそうですね……」
 ルビーはにやりと陰気に笑い、なにやら機械をいじくりはじめた。

『……続きましての種目は、スーパーデビルドーム、です』
 そして、閉鎖空間にオブリビオンのアナウンスが鳴り響く。
 新たに出現したのは、サッカーというかフットボールというか、
 まあとにかくあのへんの球技のコートを思わせる空間だった。
 コートのあちこちにはゴールポストらしいものがあり、中心にはボールの山。
『ここからは……ランダムなチームに分かれ、得点勝負を、して……もらいます。
 ボールを他のチームのゴールに、叩き込めば、それがチームの得点です……。
 ……ボールで物理的に相手を叩きのめしたり、コートから除外してもOK、です」
 よくよく見れば、コート外はかなり危険な空間になっている。
 マグマ、針山、機雷まみれ、煮える油……などなど。
 常人であれば即死だが、悪魔はまあ落ちてもなんとかなるんじゃね?
「ホー! ワルすぎだホー!」
「これは燃えてきたホー」
「どんどんやっちゃうホー」
 悪魔たちは大盛りあがりだ! なんなら落ちても喜びそうである。
 まあ一応助けたほうがよさそうだし、ゲームには勝ち残りつつ落ちそうな悪魔は助けてあげよう!
 ……つっても、ほっといたって割と生きてるんですけどね!

●プレイング受付期間
 6/9 08:30前後まで。
スピカ・ネビュラスター
うんうん
場外の殺意がアップしてるね
デスゲームっていうなら、これくらいやってもらわないとね♪

ゲームはボールをゴールに入れればいいんだね
それじゃあ……フィールドをちょっとボクの得意なものに変えさせてもらおうかな?
『コズミックフィールド』を発動するよ

宇宙空間でも動ける悪魔は居なくも無いけど
ブギーキャンサーには厳しいでしょ?
ボールも無重力で浮かんでるしね
このまま大量得点だよ!

おっと、息が出来なくて苦しんでるから
そろそろ解除しないとかな……あ!
(宇宙空間の解除で場外に落ちていく悪魔を、魔法弾で吹っ飛ばして致命傷だけは回避させる)

●ラスボスなので宇宙空間でも生身で平気です



●ラスボスなので、という理屈が無敵すぎる
「ここを星の世界とするっ!!」
 スピカ・ネビュラスターがそう言って杖をかざすと……あら不思議!
 フィールド内は無重力空間と化し、あらゆるものがふわりと浮かび上がった。
 しかし、これはただの無重力空間を生み出すユーベルコードではない。
 星の世界、つまり完全なる宇宙空間へと変質させる力なのだ!
「「「ホ……!?」」」
 当然、悪魔だって呼吸できなくなる。でも死んでないからすごいね。
「ふふふ、いくら悪魔でも、宇宙空間じゃ自由には動けないよねぇ?」
 ごもっともだ。いやむしろなぜスピカは適応しているのだろうか?

 それは――ラスボスだから!!
 ラスボスなら、宇宙空間だろうがマグマだろうが深海だろうが問題なし。
 な、なんて強引な理屈だ! でも実際適応してんだからどうしようもねえ!
「よーし、このまま大量得点だ! えーい!」
 そしてスピカは、もがくブギーキャンサーをスルーしてボールを叩き込みまくった。
 こんなの完全にチートだよ! でもユーベルコードってそういうもんだわ!
 キャバァーン! キャバァーン! キャバババババァーン!
 と、電子掲示板の数字がものすごい勢いで上がっていく! 故障してんのかな?

 そんなこんなで、得点差はものすげえことになっていた。
「ふー、だいたいこのぐらいでいいかな。よし、そろそろ解除を……あ!」
 スピカは解除してから気付いた。
 重力が戻る、つまりブギーキャンサーたちは落下していく。
 そう、場外に。さすがにこのままではまずい!
 ……いやまずいって考えるの色々おそくない? 宇宙空間以上に過酷な罰ある???
「あぶなーい!!」
「「「ホーッ!?」」」
 しかもとっさにやったのが、魔法弾でふっとばすという荒々しい救助方法だ!
 こんなんでも生きてんだから、本当に悪魔って恐ろしいですね。

成功 🔵​🔵​🔴​

ソニア・シルヴァーヌ
流石にちょっと危険になってきましたね。
他の悪魔さん達は何処か安全そうな場所に放り出した方がいいでしょうか…?

ともあれ競技にはしっかり参加です。
ボールの山の傍に陣取って環境適応・自己進化発動、機動力を犠牲に攻撃回数を強化。
下半身から生やしている触手をいつもの5倍に増やし、それでボールをゴール目掛けてどんどん投げ込んでいきます。
悪魔さん達が妨害に来たら、ついでに彼らも【捕縛】してゴールに投げ込んでしまいましょう。
多分、他のところへ落ちるよりはゴールに落ちた方が安全な気がしますし。

さあ、どんどん投げ込んでいっちゃいますよ…♪
(ノってきたようです)


アポリト・アペルピシア
ホー!これはまた楽しそう…脱落した者達の絶望の表情を見るのがという意味だがな!

いかに得点するかも肝要だが、いかに得点を防ぐかも勝負を分けると見た。
ならば我は自分のチームのゴールポスト前に陣取り、
ゴールキーパーとして君臨するとしよう!さあ、点が欲しくば我に挑むが良い!
…むぅッ、我が威容をもってしても抜けて来るというのか!
面白い!では第二形態へとラスボス変身し、2倍となった腕と体躯によって全てを阻んでくれる!
受け止めたボールは相手にシュゥゥゥーッ!!
超エキサイティングホー!

コートから落ちるような者は知った事ではないが、
手が空いていれば特別に助けてやらん事もない。か、勘違いしないで(ry


エドゥアルト・ルーデル
拙者にいい考えがあるホー!

スーパーデビルドォォォォム!相手チームをゴールにシュゥゥゥゥ!超!エキサイテンッ!
それは!ボールそっちのけで敵をゴールに叩き込み再起不能する!相手は戦力低下に味方が邪魔でゴールもできねぇ…パーフェクトでござるな

チームのおみゃーら!敵は拙者がボコるんでゴールに放り込むでござるよ!
むっ【布】被った奴らが立ちふさがって…ああっ!?(中身が)出ぇたぁ!おみゃーらは…ウワーッ!蟹だッ!蟹がいるなんて聞いてねぇでござるよ困難!
近寄られる前にぶっ飛ばすんだよ!【グラビティ】で爆破!無差別に乱れ撃つべし!撃つべし!

…全員ゴールにぶち込んで立っているのは拙者だけだ!拙者の勝ちでござるな



●猟兵がバターを食べたぁ!
「スーパーデビルドォォォォォォムッ!!」
 わちゃわちゃボール飛び交うコートに響く、エドゥアルト・ルーデルの声。
 ただでさえ濃ゆい顔は、なぜかホビー漫画ナイズされていてさらに濃ゆい。
「相手チームをゴールにシュウウウウ! 超! エキサイティンッ!!」
「うむ、その通りである! ボールを相手にシュ……エッ1?」
 アポリト・アペルピシアは普通にノリかけて、エドゥアルトを二度見した。
「え? なんでござるか?」
「いま汝、何をどこにシュウウウ!!すると言った?」
「だから、相手チーム「を」ゴールにシューッ! でござるけど?」
「ええ……??」
 魔王アペルピシア、大いに困惑した。
「なるほど、悪魔の皆さんを放り投げてしまえばいいんですね~」
 それは名案だ、みたいに手をぽんと叩くソニア・シルヴァーヌ。
 彼女はアポリトと同じラスボスであり、下半身からは触手が生えていた。
 そしてその触手が、うぞうぞうねうねとボールを掴んでは投げる投げる投げる。
「ホー!」
「まずはボールを受け止め……ホーッ!?」
 ボールを入れさせまいと頑張ってディフェンスする悪魔たち。
「妨害はさせません、さあしまってしまいましょうね」
「「「ホーッ!?」」」
「どんどん投げ込んでしまいますよ♪ 逃げ場があると思わないでください♪」
 ……を、ソニアの触手が掴む! ゴールに投げる! 大惨事だ!
「ウワーッさっそく悪魔を投げておるーッ!?」
「デビルドーム出たぁ! おみゃーらこうしちゃいられねーでござるだぁ!」
「汝のその喋り方何!? その訛りは!?」
「ボールそっちのけでボコボコだぁ! 拙者はもはやデビルドラゴンでござる!」
 言語野がバグったエドゥアルトが戦列に加わり、悪魔どもを投げまくる。
「……よし! 我はゴールポスト前でキーパーでもやるか!!」
 アポリト、ビビった。いや違う、魔王らしく大局的判断をした。
 彼女も立派なラスボスなのだが、彼女は全身これ異形である。
 つまり、上半身だけ人間めいているソニアよりもずっといい人だった。
 もっとストレートにいうと、常識人だった。なので、ついていけなかった。
「我が言うのもなんだがあんだけボコられてよく死なんな悪魔ども……」
 ボールみたいに蹴っ飛ばされてるのに平然としてる悪魔たちにちょっとヒいていた。

 かくしてソニアとエドゥアルトの最強タッグが悪魔どもを蹂躙していく。
「おみゃーらだめだぁ!!」
「「「ホーッ!!」」」
 寄せては返す悪魔どもをホーホーとエドゥアルトが蹴っ飛ばしてはふっ飛ばし、
「さあ、投げ込んでしまいましょうね。ふふ、うふふ♪」
「「「ホーッ!?」」」
 頭の上に星がくるくるしてよろけているところをソニアが掴んで放り投げる。
 悪魔どもは攻撃性能は高いが防御面は柔く、ピヨリ値がかなり低い。
 なので連続攻撃でゲージを削ってやればすぐピヨってしまうのだ。
 え? 何言ってんのかわかんない? まずは基礎からやり直してください!
「これは効率がいいですね。後ろも守ってくださる方がいますし安心です。
 さすがに外側がちょっと殺意上がってきましたし、しっかり保護してあげないと」
 優しいソニアは、あくまでも救助活動として悪魔たちを救っているつもりだった。
 どうせどっかに放り投げるなら、ゴールポストに投げたほうが都合がいい。
 それはまあ間違ってないのだが、もうゲームが完全に壊れてんだよな!
『あ、あの……このゲームは、ボールを投げて、得点で競う競技、なのですが……』
 なんとかゲームを軌道修正しようとする、オブリビオンのアナウンス。
「ええ、わかっていますよ? ですから、投げ込んでいるでしょう?」
『悪魔ではなくでボール……』
「どちらもまるまると可愛らしいから同じです、うふふ♪」
 あれ? ソニアもソニアで優しいように見えて実は結構辛辣じゃねえ?
 ともあれオブリビオンの話など聞くわけもなし、触手で悪魔を投げまくる。
 普段の5倍に増えた触手でわさわさ動き回るので攻撃も難しい!

「うーむ、あの感じだと我仕事がなさそ……ん?」
 ゴール前でぽけーっとしていたアポリト、何かに気付いた。
 それは、悪魔どもを配管工めいて踏み倒してまわるエドゥアルトだ。
「あ゛ぁ゛っ!? 中身が出ぇたぁ!」
 そう、ブギーキャンサーは可愛らしい布を放り捨てて本気を出したのだ!
 問題はその中身である。おぞましい……カニ。カニであることが問題!
「ウワーッ! カニだ! カニがいるなんて聞いてねぇでござるよこんなん!!」
 特に理由はないのだが、エドゥアルトはカニに非常に弱い。
 なお、ほかにも無意味にカニに弱い猟兵はそこそこいるのだという。
 それはとある大型スペースシップに集まっているらしいが、まあ別の話。
「「「ホーッ!!」」」
「ぐえーっ!!」
「猟兵ーッ!?」
 カニ足で磔(?)にされたエドゥアルト、戦闘不能!
「おみゃーら(それは)だめだぁ! あ゛ぁ゛~!?」
 エドゥアルトが無力化(?)されたことにより、悪魔が一気に強襲!
「まあ! こ、この数はさすがにさばききれません!」
 触手ガードをすり抜けて、悪魔とボールの山がゴールポストに向かう!
「ふっふっふ……なかなか張り合いのある悪魔どもがいるではないか!」
 思わぬ出番に、アポリトはめちゃめちゃやる気になっていた。
 ズムズムとその身体が2倍に膨れ上がり、巨大な腕が一対生える!
「ボールを相手のゴールにシューッ! ホーッ!」
「馬鹿め! 超エキサイティングするのは我のホーだーッ!!」
 アポリトは巨大な腕でボールを受け止め、そして投げ返す!
 SMAAAAASH!! 命中力の高いボールが、カニめいた悪魔どもを吹き飛ばす!
「「「ホーッ!?」」」
「そうらそらそら! この我の威容を恐れぬ愚か者どもに裁きをくれてやる!
 汝! そっちでキャッチして、ゴールなり安全な場所に投げ込んでやるのだ!」
「ええ、わかりました……っ!」
 返り討ちにされた悪魔たちをソニアの触手がキャッチ! シューッ
 これぞラスボス流バケツリレーと言ったところか。魔王アペルピシア、無敵!
「ホーホー! なかなか楽しいではないか! あっこれは愉悦的な意味でな!
 というわけでどんどん来るがいい悪魔ども! ボールごと我が返り討ち」
「拙者はもうダメだぁ~!」
「ってなんで汝まで突撃してくるのだぁーっ!?」
 悪魔にもみくちゃにされたエドゥアルトがボールに混じって飛んできた!
 その顔の濃さから思わす殴ってふっ飛ばしたくなったアポリト。
 しかし魔王は心も優しい。一応衝撃を殺しつつキャッチ!
「ふう、危なかった……あ、いや違う。これは我が手が空いたからやっただけのことであり、べっ別に汝のことなんて心配してないんだからねっ!」
「いや~助かったでござる、でもキャッチの仕方がダメだぁ! でござる」
「は???」
 アポリト、キレた! エドゥアルトをぶん投げる!
「あ゛ぁ~~~!?」
「はーい、投げ込んじゃいますよ~♪」
「おみゃーらダメ……ギャ~~~~~!!」
 流れ作業(割とノリノリ)のソニアは気付かずエドゥアルト投げたぁ!
 エドゥアルトもゴールに入ったぁ! ゴール内では悪魔と猟兵が交じる!
「……あれ? 私いまとんでもないものを投げたような……?」
「気にすることはないのである! さあまだまだ投げまくるぞ、ホーホー!」
 なんだかんだいって、ラスボスもまた悪魔だったというオチでひとつ……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

矢来・夕立
オッサン/f01816

闇に紛れてボールをかすめ取りパスをすると見せかけて【梔】
オッサンをボールでぶん殴ります。
オッサンをボールでぶん殴ったものをボールと呼びます。
法律にも競技ルールにも「オッサンをボールにしてはならない」とは書かれていない。
明文化されてなきゃなんでもやっていい――これは人ならざるものの考えですがオレはとっくに人道を捨てた。残念だったな。
ボール(29・男性)をゴールめがけて投げます。
猟兵をボールで殴ると高得点。
猟兵をボールにしても高得点。
条件が重なるとすごい高得点。

早く終われば悪魔どもの健康が損なわれずに済みます。
知られざる叡智の為の尊い犠牲になれるんですよ。よかったですね。死ね


納・正純
夕立/f14904

デビルドーーム!!
こんなんチョロすぎるぜ、せっかくだから周りの悪魔どもも助けつつ、あのクソガキにさっきのお返しといこうじゃねえか……

初めから夕立を警戒しつつ、奴が闇に紛れてこちらに近づこうとする素振りを見せたら【知性有理】を発動
このクソガキに俺様への敬意という名の知性を与え、最も効率の良い方法でこのゲームを終わらせてやるッてんだよ! それはテメェが1人でボール抱えてゴールに突っ込むってこった!
喰らいやがれ! 銃は何よりも強しッてなァ!
なにっ……あの野郎、俺の弾の攻撃を耐えてやがる!? クソバカ意地っ張り野郎が、さっさと平和のための礎になりやがれ! 死ねっていうなお前が死ねアホ



●もはや「手帳さん」ですらなくなった
「オッサンは死ね」
「死ぬのはお前だクソガキャアァァ!!」
 醜い怒号が飛び交っていた。
 悪魔たちですらドン引きするほどの、醜い足の引っ張りあいである。

「いい加減俺様への敬意という名の知性を与えてやる! この猿めがァ!!」
「ならご自分のこめかみに弾丸撃ち込んだらどうですか? 大至急ですよ」
「てめぇこのクソガキィ!」
「わかりませんかオッサンの頭が空っぽだって言ってるんですよいいから死ね」
 矢来・夕立と納・正純は、もはやゲームそっちのけで殴り合っていた。
 夕立が闇に紛れボールを掠め取り、パス(物理)を叩きつける。
 正純はそれを無駄にハリウッドめいた無駄のない無駄なアクションで躱す。
 で、撃つ。夕立は無駄にカッコいい苦無ムーヴで弾く。そして消える。

「いいか! この場合の知性ってのは、もっとも効率のいいゲームの終わらせ方だ!
 それはつまり、テメェがひとりでボール抱えてゴールに突っ込むってことだよ!!」
「ボールの定義からして間違っていますね。ボールというのはお前のことだ」
 SMAAAASH!! 夕立の投げたボールが正純の土手っ腹に炸裂!
「ぐほォ!?」
「オッサンをボールでぶん殴ったものをボールと呼びます。死ね」
 ピシュイン! と無駄にどこぞのドラゴンな球のあれっぽく瞬間移動した夕立!
 正純の背後に回り、くの字に折れた正純を蹴り飛ばす!

 ――が、しかし!
「残像だ」
「!?」
 ピシュイン!(あのSE)なぜか正純も瞬間移動している!
 あれっそういうユーベルコード持っていらっしゃいましたっけ!?
「喰らいやがれ……銃は何よりも強しってなァ!!」
 BLAMBLAMBLAM!! この距離の射撃は、さすがの夕立も躱せない……!
「くっ……」
「ゲヘアハハハハ!!(29歳男性一応正義側とは思えない笑い声)
 さあ夕立ィ、テメェがゴールへ行け! お前がボールだ! ゴーアヘッド!」

「死ね(ボールで殴りつける)」
「グワーッ!?」
 夕立、特に弾丸の効果も気にせず普通にボールで正純を殴りつけた!
               ロジックボム
「ど、どういうことだ……俺様の知性有理は完全に入ったはず……ッ!」
 あまりの事態に、普段ならかからないルビまでかかる勢いだ。

「いいですか、猟兵をボールで殴ると高得点です。
 猟兵をボールにしても高得点、重なると超高得点ですよ」
「ウオオオオオッ!? て、テメェ! そいつはルール違反だぞォ!!」
 シュバババババ! 投げつけられる無数のボールを避けまくる正純!
「は? 法律にも競技ルールにも「オッサンをボールにしてはならない」とは書いてないんですが?」
「て、テメェ! 明文化されてなきゃ何をやってもいいってのか!?
 そいつは外道の考え方、悪党以下のクズのやり方だぞ! それでいいのかオメー!!」
「そうですね。しかしオレはとっくに人道を捨てた。残念だったな」
「うおおおおおこいつ説得も一切効かねぇえええ!!」
 正純は某サイバーパンク仮想現実ガンアクション映画のエージェントなんたら風に上半身の動きでフンフンとボールを避けつつ、持ち前の頭脳をフルに稼働させた。
 もしかしたらオブリビオン相手でもここまでの高速思考はなかなかないかもしれない。それほどまでに正純は"本気"だった。夕立も。
(俺の弾が外れた? いや待て、それはありえない。確実に命中したし今も知性の力はあいつを攻撃し続けているはず、ならばなぜ……!?)
 攻撃は命中し、効果も発揮している――ならば答えは、ひとつしかなかった。

「あ……あの野郎、俺の弾の攻撃を耐えてやがる!!?」
 そう、夕立はそのクッソひねくれた性悪さで知性の誘惑を耐えていたのだ!
 ……ところで敬意という名の知性って冷静に考えると何???
「クソバカ意地っ張り野郎がさっさと平和のための礎になりやがれ!!!」
「わかっていないようですね。早く終われば悪魔どもの健康が損なわれずに済むんですよその程度もわかんないんですかあなた。もしかしてRPGで回復アイテム最後まで使い切れないタイプですか? ケチくさ」
「うるせえないいだろエリクサー残しても!! そういう話じゃねえだろ1!!」
「うるさい知られざる叡智のための尊い犠牲になれ死ね」
「死ねっていうなお前が死ねアホ!!!!!」
「アホって言ったほうがアホです」
「アホって言ったほうがアホって言ったほうがアホ!!」
「アホって言ったほうがアホって言ったほうがアホって言ったほうがアホです」
「お前アホ!!」
「あなたアホ」
「アホって言うなアホ!!! アホアホアホアホアホアホアホ」
「はいあなたのほうがアホって言ったからアホです今バリアしましたんで」
「バリア禁止ー! 俺様の魔弾はバリアなんて貫通」
「もういいから死ねッ」
「(ゴガッ)グワーーーーーーッ!?」
 正純はきれいな放物線を描いてゴールに飛んでいった。
「悪は去りましたね」
「「「ホー!!」」」
「おい待てゲーム終わっただろやめろお前ら全員アホですよアホアホアホア(ブチッ」
 そして、夕立も悪魔の皆さんの怒涛のアタックを食らって潰された。悪は栄えないのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『ルビー・ジュエルシード』

POW   :    弱きを挫く三叉槍
敵より【強い】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
SPD   :    バッドアップルエリクシル
対象の【身体】に【『赤き宝石』を核とする茨】を生やし、戦闘能力を増加する。また、効果発動中は対象の[身体]を自在に操作できる。
WIZ   :    フォールダウン・アセンション
【重力を反転させ、空へと万物】を降らせる事で、戦場全体が【空中】と同じ環境に変化する。[空中]に適応した者の行動成功率が上昇する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠祭夜・晴也です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「……帰って、いいです、か」
 ルビー・ジュエルシードはとてもとてもダルそうに言った。
「一応、この私との戦いが、クライマックス、という扱い、なのですが……。
 でもあなたたちみたいな、狂った方々と戦うと、私まで狂いそう……なので……。
 大至急帰って、美味しいデリバリーでも頼んで、次の作戦を練りたいのですが……」
 あとはとっておきの入浴剤とか使ってゆったりしたかった。
 ちょっとお酒開けてもいいかもしれないとルビー・ジュエルシードは思っていた。

 だがそうはならなかった、そうはならなかったんだよルビー。
 だからこれで断章は終わりなんだ。さあバトルしよう!

 ※悪魔たちは全員安全に脱落させられたので問題ありません。

●プレイング受付期間
 6/14 08:30前後まで。
スピカ・ネビュラスター
デスゲームの運営は参加者に反逆されて倒されるまでが様式美だからね
当然キミは逃がさないよ!
だから、そんなダルそうじゃなくて、もっと邪悪な元凶のムーブをして欲しいところだね
そんなんじゃ、三叉槍の強化も入らないよ?

もっとも……強化されたそれが当たったところで、どうってこともないんだけどね
『ミューテーション・ダークマター』で全身を暗黒物質に変化させるよ
これなら物理攻撃は効かないよね

後は……ウィッチクラフトの重力操作や、隕石落としで蹂躙してあげようかな

ふふふっ、これがデスゲーム運営の末路だよ!

……あ、でも、倒しちゃうよりも、
月一くらいで開催して貰った方が良かったかな?



●悪役はやられるところまでがお仕事
「帰りたいだって? 残念だったね! 逃さないよ!!」
 めちゃくちゃウキウキした様子のスピカ・ネビュラスター。
「な、なぜ、ですか……そんなにデスゲーム、気に入ったんです、か……?」
「いやまあそれもあるんだけど、デスゲームの運営は反逆されてこそだろう?
 つまり、ゲームの参加者にやられるところまでが様式美。だから逃さない!」
「そんな俗な、理由で……なんなのですか、あなた……」
 ルビーは心の底からダルそうな顔をした。さもありなん。
「駄目だよ! もっと邪悪な元凶のムーブをしないと張り合いがないよ!!」
「なぜ……わたしが演技指導を受けているのですか……」
 ルビーのテンションはどんどん落ちていく。
 本人は真面目にデスゲームしたかったらしい。でもそれはそれでアレな話だ。
 だって、真面目にデスゲームするならあんなアトラクションやんねえし!

「ああもう、そんなんじゃ三又槍の強化も入らないよ! お手本するから!」
「お手本……?」
「フフフハハハ! このデスゲームをよくぞ生き延びたものだ、見事だね!
 キミたちにはクリアボーナスを与えよう……そう、死という褒美をねぇ!」
 スピカは全身を暗黒物質ダークマターに変え、隕石を落とした!
「そうら、受け取りたまえ! このゲームに生存者はいらないんだよ!」
「な……っ!! わ、わたしよりもデスゲームの運営っぽい……!?」
 ルビーは三又槍を振り回して隕石を受け止めようとする……が。
 この槍は、自分が敵よりも強い場合にのみ強化されるもの。
 やる気がない&ボスとしても風格が下な現状では、槍も反応なし!
「きゃああーっ!?」
「ふふふ、これが愚かな参加者の……じゃないや、デスゲーム運営の末路だよ!」
 さすがはラスボス、ボスっぽい演技は実に堂に入っている。
「……あ、でも倒しちゃうより、月イチくらいで開催してもらったほうが楽しいかも?」
「そ、そんなことのために手加減、しないでください……くっ、殺せ……っ!」
「それじゃデスゲームの運営じゃなくて女騎士だよ!」
「現在進行形で……辱められているんですよ……わたしは……!!」
 黒焦げ涙目でプルプル震えるルビーであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

矢来・夕立
【クッ敵】オッサン/f01867

※本当に同士討ちを狙ったかどうかは分からない
※帰ってほしいのかもしれないけど無視して粘る

我々のチームワークを(諍いを)恐れて(いいことに)仲間割れ(同士討ち)をさせる。
そんなところでしょう…卑劣ですね。
非常に心苦しいですが(ウソ)オレは痛いのがキライです(マジ)。
抵抗しますよ。心苦しいですがこの茨が生えたところ使って殴ります。

釘バットみたいで痛そうだから。

どうせ機動力を削ぎに来るんでしょ。自分が足腰弱ってきるからってイヤですね。
照準を合わせながらじっとり見てたんでしょう。この変態。捕まれ。死ね。

【躱身】。
身軽なんで余裕で避けます。
身軽なんで、余裕で、避けます。


納・正純
【クッ敵】
クソッ、敵のUCで体が……!
うおッ手が勝手にクソガキを狙って!
仕方ねえなオラ行くぞクソガキ!
どっちが強いか決めようじゃねえか!

敵のUCを受け、敵のせいで仲間割れを起こす
途中で効果が切れてもお構いなしに仲間割れをし続ける
【六極定理】を使用して夕立の脚を優先して狙って撃つ
弾に込めるレベルは均等にして、全て当てる気持ちで
勝敗お任せ

この勝負でテメェの鼻っ柱をブチ折ってやるッてんだよ、クソガキ!
この勝負に負けたらテメェの奢りで回らない寿司🍣な!
ハ!? 俺は狙撃が上手いから余裕でテメェに当てられますゥ~!
ハイテメェの動きなんざ全部お見通し! ピロピロ~! 第六感! 見切り! 2回攻撃衝撃波~!



●勝手に戦え!
「「くっ……!!」」
 矢来・夕立と納・正純は、戦闘が始まるなり揃って呻き声をあげた。
「え?」
「なんてこった、ユーベルコードのせいで体の自由が効かねえ……!
 まずいぞ夕立、このままじゃ俺たち、ユーベルコードのせいで殺し合いだ!」
「ええ、そのようですね。我々のチームワークを恐れて仲間割れさせるとは……。
 まったく、さすがは邪悪卑劣なオブリビオンです。しかし……これは……」
「あ、あの、まだわたし何もして」
「うおッ手が勝手にクソガキを狙って! なんてことさせやがるオブリビオン!
 俺と……俺と夕立を争わせるなんて! こんな外道がいたとは思わなかったぜ!」
「さすがのオレも、この力には抗いがたいですね……仕方ありません。
 本来のオレは品行方正なので絶対にしませんが、殺すしかないでしょう」
「いやだからわたしまだ何もユーベルコード使って……」
「オラ行くぞクソガキ! どっちが強いか決めるぞ死ねぇえええ!!」
「非常に心苦しいですがオレ痛いのがキライなのでお前が死ね」
 くるっとお互いに向き直り殴り合う夕立と正純!
 いまさら生える茨。だがもうなんもかんも手遅れであった。
「やっぱりこの人たち狂ってる……」
 ルビーは頭を抱えた。あっ彼女の出番ここまでです!

 そんなわけで邪悪なオブリビオンの陰謀[独自研究]により、致し方なく[要出典]非常に本心とは異なるけれども[だれによって?]戦うことになったふたり。
 ルビーのユーベルコードが発動しはしたが、別にそんなもの効いてる風もなく、
 それはもうノリノリで仲間割れをしていた。いやそもそも仲間なのかこいつら。
「この勝負でテメェの鼻っ柱をブチ折ってやるってんだよクソガキィイ!!」
 BLAMBLAMBLAM!! 正純はマジのマジに夕立の脚を潰そうと引き金を引いた!
「どうせそう来ると思っていましたよ。本当に陰険で根性がネジ曲がってますね。
 オレの品行方正さを見習ったらどうです? あと正直さも見習うべきですね」
 夕立、避ける! 避けられなさそうなのは茨を巻いた拳で弾く!
「テメェ悪あがきすんじゃねえクソガキ! 負けるのはテメェなんだよ!!」
「は? 勝つのはオレですが? この流れで年寄りが勝ってどうするんですか」
「いちいちオッサン扱いすんなこのガキ! 俺様まだ29歳だっつーの!!」
「それを世間ではオッサンというんですよむしろ詐称してるんじゃないですか?」
「するかボケ! テメェと違って俺様は見栄っ張りじゃねーんだよ!!」
「見栄が服着て歩いているような人間が何を言っても説得力がないですね」
「テメェみてーな格好つけに言われたくわねーわバーカ! はいテメェの動きなんざ全部お見通しだオラァアア!!(BLAMBLAMBLAM!!)」
「オレは身軽なんで余裕で避けます(ガギンガギン)」
「めちゃくちゃ当たって弾いてんじゃねーか! はい雑魚ーピロピロ~!」
「オレは、身軽なんで、余裕で、避けてます」
「ざ~こざ~こ! お前の第六感俺様以下~!(※レベル0)」
「オレのほうが見切りのセンスはありますんで(※レベル0)」
「うるせー2回攻撃(※レベル0)に衝撃波(※レベル0)だオラァア!!」
「それは残像ですよ(※レベル0)オレには逃げ足がありますので(※レベル0)」
 醜かった。
 動きはスタイリッシュでクールでむしろ洗練されている(だって戦闘能力強化されてるから)のに、やりとりがもう小学生以下のレベルであった。
「そうやって照準を合わせながらじっとり見てたんでしょうこの変態。捕まれ。死ね」
「見てねーよブワァアアアーーーーカ!! テメェこそ俺様の弾丸を喰らいたくないからチラチラこっちの様子伺ってたの丸わかりなんだよ雑魚! お前が死ね!!」
「オレは強いので死にません」
「俺様のほうが強いんだよ!!」
「オレのほうが百倍強いです」
「俺様はそこからさらに1億倍強いもんねー!!」
「は? 何子供みたいなこと言ってるんですか? 足腰が弱ってきたオッサンの分際で気持ち悪い年を考えろ」
「最初にガキみたいなこと言い出したクソガキはお前です~~~」
「うるせえこの釘バットになった拳を喰らえ」
「おいやめろバカ暴力反対! 殴ったらテメェの奢りで回らない寿司だぞ!!」
「あなたが行くところは病院ですよ。死ね」
「じゃあテメェが行くのは冥府だこのボケガキがァ!!」
 ぎゃあぎゃあ言い合いぐるぐる争いあいながらどんどん出口の方に進んでいくふたり。
「帰ってください……帰ってください……」
 ルビーの仕業だった。身体操作出来るもんね。
「バーカ! クソガキ! アホ! マヌケ!」
「オッサン。水虫。魚の目。痛風」
「微妙にしんどい病気ばっか挙げんなこのクソガキ! ●●●!」
「●●●。●●●。●●●●●●。●●●●」
「お前よくそんな台詞シラフで言えるな他人に!? こわ、やば……」
 ルビーは全能力を込めて、このアホふたりを特殊空間から追い出した。
 なんかもう不意打ちすら厭だった。そして顔を覆ってしくしく泣いた。
 勝敗? うんまあそれはなんかこうあなたの心のなかに的なそういうアレで……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

エドゥアルト・ルーデル
地の文=サンもこう申しておるので諦めなさるホー

【重力反転】!これは新しいゲームのアイデアに使えるかもしれないでござるね!
電脳魔術で世界をごちょごちょっと書き換えればなるほど床と天井とに大量の隠された地雷がスイと出た
これぞユーベルコードコラボレーション!床と天井を行き来して突破する新感覚マインスイーパーの誕生だァ!

早速いけに…Gu…Devisに試走を…Devisがいない!?しゃーなしでござるなジュエルシード氏よ帰りたいならこの未知を通るほか無いでござるよ

!掛かり
美少女の背中をじっくり見て興奮!不用意にジュエルシード氏の背後でイナズマステップ!地雷を踏んで巻き込み自爆!
こりゃ再走でござるな


御狐・稲見之守
(コントロールルームの席にふんぞり返って)
突然ながら敗者復活戦である。
今ワシが決めた。

ではルビー・ジュエルシードを蹴り出して
敗者復活戦クイズへと参加させよう。

脱落した悪魔の諸君
ヘル・ニューヨークに行きたいか――ッ!?
罰ゲームは怖くないか――ッッ!!?

勝負は気力体力時の運
では第一問(デデン!

デビルキングワールド、闇浦安市デス舞浜にある遊園地
『ディスティニーランド』
その正式名称は…
『デスヘルファナティックインフェルノアゴニィランド』である。
○か×か。

不正解者はどろんこプールに落ちることとす。



●悪は去った
「もう……本当に、帰らせてください……お願いします、お願いします……」
 もはや、ルビー・ジュエルシードは懇願していた。
「おっとそうはいかぬでござるよジュエルシード氏! だって拙者ら敵同士!
 ついでにいうと薄幸系根暗美少女とかマジ拙者好みでござるブヘヘヘ」
「ひっ……!!!」
 エドゥアルト・ルーデルのきったねえニヤケ面にぞぞぞぞと震え上がるルビー。
 負けたら何をされるかわからない。そんな不安と恐怖が彼女を襲う。
 いや別にエドゥアルトは変なことするタイプのオタクじゃないんだけども。
 そういう意味でない変なことは毎回してる? うんまあそれはそう。
「ち、近づかないで……ください……! 出来れば死んで……!」
 さすがのルビーもこれには耐えかね、ユーベルコードを発動した。
 世界がぐるんと天地逆転し、様々なアスレチックが空に「落ちて」いく!
「ぬおーっ重力反転!? これは新しいゲームのアイデアに使えるでござる!」
「な、なんで……普通に……適応しているの、ですか……!?」
「ドゥフフそんなの拙者にもわからんでござる」
「は!?」
「さてここで電脳魔術で世界をごちょごちょっと書き換えればァー!!」
 なるほど床と天井とに大量の隠された地雷がスイと出た。
 エドゥアルトの突飛すぎる行動に、ルビーは目を丸くして硬直していた。
 まあ誰だってそうなる。だって空中平泳ぎして浮かんでんだもんこいつ。
「これぞユーベルコードコラボレーション! つまり拙者とジュエルシード氏の共同作業ということですな! ブヘヘヘ!!」
「ひ……や、やめてください、可及的速やかに死んでください……できるだけ苦しんだ上で……!!」
 ルビーの全身に鳥肌が立っていた。殺意も倍増しである。
「ドゥフフ! ジュエルシード氏いいですな~その拙者にだけガチで殺意向けてくる感じ! 拙者泣きそう! だがそれもまたよし!!」
「ひぃいい……!!」
「まあそれはさておき、この床と天井を行き来して突破する新感覚マインスイーパーのいけに……テストプレイヤーとなるGuy……Devisはおらんでござ……いねえ!!!」
 そりゃそうであった。だってもう全員脱落してるから。

『――いいや、いなくなってなどいない』
「「!?」」
 その時、突如として空間に響き渡る、謎の音声。
「こ、これは、コントロールルームからのマイク音声……?
 わ、わたしはもうここにいるのに、一体誰……が……?」
「この声は! この生意気でトンチキで他人をからかいいじくり倒すことに全人生を捧げてきた、性根がぐるんぐるんにねじ曲がって変色してる声は……!!」
『ふふふ。そこまで褒めるでない。いや褒められてるのかこれ』
 それは――コントロールルームをジャックした御狐・稲見之守の声だ!
『突然ながら、いまから敗者復活戦である。いまワシが決めた』
「え?」
「ヤッターでござる! これでいけに……試走者ゲットでござる!!」
「はい!? な、なんでノッてるんです、か……!?」
 ルビーは完全に置いてけぼりになっていた。いつものパターン入った!

『脱落した悪魔の諸君! ヘル・ニューヨークへ行きたいかーッ!?』
「「「ホー!!」」」
「な、なんで、悪魔が、戻ってきて……」
「ホー!! でござる!」
「あ、あなたまで混ざるん、です、か……!?」
『罰ゲームは怖くないかーッッ!?』
「「「「ホー!!」」」」
「わ、わ、わたしのデスゲーム会場まで……乗っ取られ……」
 がくり。ルビーは崩れ落ちた。
『勝負は気力体力時の運じゃゾ。では第一問!(デデン!)』
「こ、こんなSE、用意して……ない……」
『えー……デビルキングワールド、闇浦安市デス舞浜にある遊園地……』
「(ピンポン!)はい、デスティニィランドでござる!」
『……ですが』
 ぽちり。コントロールルームになぜかついてる落とし穴ボタンを押す稲見之守。
 するとエドゥアルトの足元にある床(つまりもとは天井)ががぱりと開いて、エドゥアルトは空へ落ちていった。
「ノオオオオオオオオウ!?」
『……その正式名称は……デスヘルファナティックインフェルノアゴニィランドである! ⭕か×か!?』
「「「ホー!!」」」
 悪魔たち、せり出してきた⭕×パネルに一斉に駆け出していく!
 そしてエドゥアルトの仕掛けた地雷に引っかかり爆発! 爆発!! 大爆発!!!
「あ、あああ……大惨事に……」
『ほれ、さっさと行かんか。でないと足元爆破するゾ』
「わ、わたしまで、巻き込まれるんです、か……!?」
『いいからはよ行くんじゃヨ!! ドゥーイット!!』
「は、はいいい……!!」
 ルビー、涙目で走り出す。落ちてくる……いや浮かび上がる? 無数の地雷!
 しかしそこはオブリビオン、アホな悪魔どもと違ってなんとか躱す。

 が、その背後!
「んんんんんん!!1!!1! 美少女の背中で興奮しましたぞ~~~~!!!」
「ひいいいいいい!?」
 なぜか復帰してきた泥まみれのエドゥアルトがものすごい追い上げを見せる!
 驚異的な末脚だ! デビルキングワールドの直線は短いぞ!
「ジュエルシード氏~~~拙者と夢を賭けたりデビぴょいするでござるよ~~~!!」
 少々掛かりすぎているようですね!
「か、かえ……帰って……! いえ還って……! 原子サイズに……!!」
「デュフフフそしたらジュエルシード氏に吸引されて肉体レベルで一体(カッ)」
 エドゥアルト、わざわざルビーの至近距離で地雷を踏む。起爆!!
「「ぎゃーーーーーーーーーーーー!!」」
 哀れ、ルビーはエドゥアルトに巻き込まれて吹っ飛んだ。

「ウハハハハ! これだからオブリビオンをおちょくるのはやめられな あっ」
 そして稲見之守のほうも、無茶な改造をしたせいでコントロールルームが カ ッ と爆発した。
 こうして悪の親玉はギャグみたいに吹っ飛んでアフロヘアになったのだ。正義は勝つ!(正義はどこにもないし勝利者などいない)

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ソニア・シルヴァーヌ
あら、ご存知無かったのですか?ラスボスからは逃げられないんですよ?

ともあれ、主催者さんが途中でゲームを投げだすのは良くないですね。
ここまで来たのです、最後までお付き合いして頂きましょう♪

光と闇の希望発動、身に纏った雲で飛翔しつつ身を守りながら、ルビーさんと交戦します。
空を飛んでいれば重力を反転されても影響はありませんが、地上から降ってくるモノにだけ一応注意を。

【弾幕】を放って敵の回避機動の制約を試みつつ距離を詰め、触手で【捕縛】を試みます。この触手は全年齢向ですので猥褻は一切ありません。
捕まえて振り回している間に波動砲を【エネルギー充填】、ルビーさんを投げ飛ばすと同時に撃ち込みます。


アポリト・アペルピシア
知らなかったのか?魔王からは逃げられない…!
さあ、観念して最終ラウンドをはじめるホー!

ぬぅ?これは…重力でも操って我らを空中へと放り出したか
しかし残念だったな、我は元々空を飛ぶことができる(空中浮遊)!
自分の意思で飛ぶのと多少感覚は違うが、競技続行に大きな支障はなかろう。

クックックッ…一連のアトラクション、中々面白い余興であったぞ。
しかしこれ程のイベントを企画し、運営するのはさぞ疲れたであろう…
褒美に我が雷を見舞ってくれるわ!
ハーッハッハ!後は骸の海に還りゆっくりするがよい!ホーホー



●一体オブリビオンが何をしたというのか(A.デスゲーム)
「も、もう……もうイヤ、です……逃げなきゃ……!」
 全身ススまみれになったルビー・ジュエルシードは必死に這いずっていた。
 が、そんな彼女の前に、ズシン! と現れる二体のラスボス……!
「あら、ご存知なかったのですか?」
「知らなかったのか……?」
 ソニア・シルヴァーヌとアポリト・アペルピシアは声を揃えて言った。
「「魔王(ラスボス)からは、逃げられない……!!」」
「ひ、ひぃいい……!!」
 もうさんざっぱら猟兵の狂ったトンチキ行動で心身ともに痛めつけられたルビーは、もう涙をちょちょぎれさせながら悲鳴を上げるしかなかった。
「そもそもです、主催者さんが途中でゲームを投げ出すのはよくないですよ?」
「そうだ! さあ観念して最終ラウンドを始めるホー!」
「も、もうゲームなんて、終わりです……ていうかあなたがたがぶっ壊したんじゃ、ないですか……!」
 というご指摘に、ソニアとアポリトは顔を見合わせた。
「……いえ~? 私は徹頭徹尾ゲームに忠実にプレイしていましたが~?」
「同じくだホー、いやまあ一部やべー猟兵どもがいたのは認めるが」
「ぐっ……た、たしかにあなたたちは、その中でもまともにプレイして、いましたが……!!」
 なぜか勝手に諍いあったり、突然コントロールルーム占拠してクイズ大会始めるようなイカれた連中に比べると、このふたりははるかにマシであった。
 いやマシってなんだろう。そもそもデスゲームを忠実に遊ぶって何???

「と……とにかくっ、わたしはもう……付き合ってられません……っ!!」
 ルビーは三又槍を地面に突き刺し、天地逆転の重力反転術式を発動した。
 ぐるんと上下が入れ替わり、あらゆるものが空へと落ちていく。
 ルビーが頑張って夜なべして製作した、手作りのアスレチックパーツなども落ちていく!
「あああ……わ、わたしが頑張って用意した、電流イライラレースの骨組みがぁ……!」
「あれ全部手作りだったんですね、本当に真面目な方……まあ容赦はしませんが♪」
 ソニア、あっさりと天地逆転状態を克服! なぜなら彼女はラスボス!
 その不定形ボディなら空を飛ぶぐらいは容易だ! 触手がうねうねしているが全年齢向けであり青少年のなんかにも配慮されているのでわいせつは一切ない!
「残念だったな、我はもともと飛べる! というかこっちのほうが楽まである!
 まあ自分の意思で飛ぶのとはちょっと感覚が違うが、この程度問題ないわ!」
 アポリトもラスボスなので何も問題がなかった!
「わ、わたしのユーベルコードが、こんなにたやすく……!」
「しかしまあ汝よくもたくさんこんだけのアスレチック用意したもんであるな。
 一連のアトラクション、我としてはなかなかおもしろい余興であった。なあ?」
「ええ、とっても楽しかったです。デスゲームっていいものですね♪」
 笑顔で頷くソニア。うんまあこれがデビルキングワールド並の感想(略してデ並感)だけども。だけども!
「これほどのイベントを企画し運営するのは、さぞ疲れたであろう?」
「……そうですね……」
 ルビーは遠い目をした。
「もう、疲れました……本当に、本当に、本当に……疲れました……」
「悪魔の方々は自由ですものね、大変です……」
「いや疲れさせられた原因の大半は……あなたがたなのですが……」
「大丈夫ですよ♪しっかり楽にしてさしあげます♪」
「全身触手でギッチギチに動けないように縛り上げて言う台詞では……ないですよ……」
 ルビーはもう抵抗を諦めていた。だってソニアに完璧に拘束されているから。
 なお繰り返すが、これらの触手は全年齢向けに論理機構(?)のチェック(?)を通過した承認済み触手(???)なので、青少年のなんかにも配慮されておりわいせつは一切ない。
 だってルビーの縛り方も罪人笹巻きにして島流しする時みたいな感じだし。
「褒美に我が雷と」
「波動砲で吹き飛ばしてあげますね」
「……こんな終わりでさえ……狂った状況に比べるとマシ……ですね……」
 ルビーは虚無の顔をしていた。
 そしてぐるんぐるんと振り回された挙げ句、ルビーはぶん投げられる!
「きゃあー……!?」
「ハーハッハッハ! あとは骸の海に還りゆっくりするがよいホー!!」
 ズガガガンッ!! と迸る超能力高圧電流!
 そこへソニアの波動砲もぶちまけられ、ルビーは完璧に消し飛んだ。
 猟兵に、悪魔に振り回されたすえに完全消滅。彼女が何をした(A.デスゲーム)
「いやー、遊びに遊んでオブリビオンも倒せたのであるし、実に爽快よなあ!
 やはりいいこと……ではない、悪いことをしたあとは気分がいい!」
「ふふふ、そうですね。次のデスゲームも、楽しみです」
「いっそ我が運営側に回ってもいいか……?」
 ラスボスどもはおっかねえことを言いながら帰途についた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年06月17日


挿絵イラスト