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聖教皇国編纂史・空虚なる奪還者

#クロムキャバリア #メリアグレース聖教皇国 #聖教皇国編纂史

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#クロムキャバリア
#メリアグレース聖教皇国
#聖教皇国編纂史


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「フレスベルク猊下は確かに素晴らしい統治者だ!しかし、だからこそ彼女に頼らず『空』を取り戻すのだ!」
 そう豪語するのはメリアグレース聖教皇国騎士団第三軍団の若き副団長、セルゲイ・アッカドール。彼は若き叩き上げとして騎士団に入り、僅か21歳で騎士団第三軍団の副団長に上り詰めた民衆の人気高きカリスマだ。
「これはクーデターではない!教皇だけに頼らない新たなメリアグレースを提唱するだけの話!」
 そんな彼は、事実上の一斉蜂起を開始。
 オブリビオンマシンに支配された彼は首都近辺を包囲し、その占領地で演説を唱えているのだ。
 そして、その第一歩は――
「繰り返す!我がクロムキャバリアの新兵器によって『殲禍炎剣』を破壊する!」
 ――そんな、狂気の沙汰だった。
「……演説はこれで終わりか。猊下派の動きは?」
「それが……五月中は最低限の執務をこなしたら何処かへと行方を眩ませていたようで……5月31日には帰還したようですが」
「……本来、今年で高等部に入る筈の年齢の娘では活かし方あるまい。だからこそ、猊下も含めて解き放つのだ」
「お供いたします」
 そう言って側近と共にキャバリアが保管されているガレージへと向かうセルゲイ。
 ……彼らは知らない。その憂国の心が、メリアグレース聖教皇国を崩壊させてしまうのだと。

「故郷として、国家元首として治める領土の主として介入したいのはやまやまなのですが……ここは、グリモア猟兵として徹しましょうか」
 そう呟くのは白き神聖なる聖職者の服装を身に纏う琥珀の長髪に翡翠の双眸が麗しい少女――件のメリアグレース聖教皇国の若き教皇、フレスベルク・メリアグレース(メリアグレース第十六代教皇にして神子代理・f32263)その人だ。
「オブリビオンマシンに洗脳されたアッカドール卿が、わたくしが『大祓百鬼夜行』の対処で聖教皇国を離れている間、武装蜂起を起こした様で……何でも、彼らのキャバリアに搭載した「新兵器」で『殲禍炎剣』を破壊し、空を取り戻そうというのです」
 本当に、かの暴走衛星を破壊できるというならフレスベルクは国家元首の座を明け渡すこともやぶさかではない。だが、グリモア猟兵として猟兵達に依頼を頼むというのは、そういう事だ。
「オブリビオンマシンに洗脳されたアッカドール卿に次いでその部下もカリスマにのまれてしまい、そこから武装蜂起の影響が広がったようです」
 そうして暴走衛星に攻撃を加え、メリアグレース聖教皇国に甚大ではない被害を加える。それが今回のオブリビオンマシンの目的なのだろう。
「今回、アッカドール卿は民商の支持を受けて作戦に移ろうとします。ですのでただアッカドール卿を撃破して「新兵器」を破壊してしまえば、このクロムキャバリアにおいての猟兵の支持に問題が出ます。そこで、『アッカドール卿の立案が不可能であること』か『現在のアッカドール卿が正気を失っている状態であること』等を証明して今回の作戦に挑んでください」
 例えば、技術的に「新兵器」で『殲禍炎剣』の破壊が不可能であること。
 例えば、アッカドール卿の精神状態が喪失状態にあること。
 そうすれば此度の作戦が不可能、あるいは問題があるとして作戦の続行は阻止されるだろう。
「ですが、相手もここまで来ては止められない筈。覚悟して迎撃に当たってください」
 そう言ってフレスベルクは自身のグリモアであるメリアグレース聖教のありふれた聖書……そのページをめくって、帰天の異能を用いて猟兵をクロムキャバリアへと送っていった。


黒代朝希
 第一章
 武装蜂起の核となる『殲禍炎剣』の破壊が不可能、あるいはセルゲイ・アッカドールが正気を失っている事の証拠を集める章となります。

 第二章
 フレームとしては集団戦になりますが、主体となるのはセルゲイの立案が不可能だという事を追求することになります。
 セルゲイの部下を凌ぎながら民衆に『殲禍炎剣』が不可能であることを突き付け、正気に戻してください。

 第三章
 後に引けなくなったセルゲイがオブリビオンマシンに乗り込んで襲ってきます。
 これを撃破し、セルゲイを確保してください。
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第1章 日常 『開催!キャバリアレース!』

POW   :    正面突破だ!罠も壁もパワーと火力で粉砕!

SPD   :    早さこそ王道!スピードとテクニックでぶっちぎるぜ!

WIZ   :    叡知こそ最強!罠を仕掛けたり他の参加者を妨害するぞ!

👑7
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

支倉・錫華
有力者の武装蜂起か。
まぁ、よくある話ではあるね。

アッカドール郷とかいうのが正気かどうかは解らないけど、
君主が何の策もなく1ヶ月いなかったのに、
武装蜂起程度しかできないなら、
「新兵器」で『殲禍炎剣』の破壊とかもあやしい感じだね。
権力を握るための口実なんじゃないのかな?

久しぶりに『諜報員』として潜入しよう。

どうせ碌でもない武器商人あたりが絡んでそうだし、
その手の店に雇ってもらって【ダンス】と【誘惑】で、
ハニートラップをしかけてみることにしようかな。

軍事的なことはわかりません、って顔をして、
「新兵器って、かっこよさそうだね」
とかいいながら、情報を引き出そう。

男は寝床がいちばん口が軽くなる、ってね。


緋薙・冬香
ええー…離れていたって自国にも帰らずどこにいたのやら
有り得ないことしてるわね
グリモアの予知って切羽詰まった時に来るものだと思うけど
それに頼らざるを得ない状況になっているというのも困った話ね

アッカドール側もこのひと月で動いたなら
こき使われて愚痴りたくもなってる配下もいるでしょう
そういうのを狙いましょう

配下がたむろってそうな裏路地の酒場を狙い撃ち
中にそれらしき人物がいたら、お酒持って接近
「一緒に飲まない?」
コミュ力を使って警戒心を解いたら
まずは全力で飲ませないとね
後は誘惑しつつ耳元で囁きましょう
「ね?アッカドール卿の計画のこと教えて?」
思う存分愚痴ってもらって、卿が正気じゃない証拠を集めるわ



「ええー……離れていたって自国にも帰らずどこにいたのやら。有り得ないことしてるわね……」
 と、フレスベルクに辛辣な言葉をかけるのは緋薙・冬香(針入り水晶・f05538)。
 しかし、ある程度メリアグレースの猊下派の聖職者や聖騎士に話を聞くと何も無策ではなかったようだ。
 カクリヨファンタズムの戦争『大祓百鬼夜行』の発生時にフレスベルクはカクリヨとUDCアースを守るべく参戦し、その際に聖教皇国を離れる際に最低限の執務を行い、側近達に国を任せたようだ。
「ああ、流石にそこまでの無能じゃなかったか。それじゃあ、改めて調査に入りまして……」
 そうして、フレスベルクの統治によって整備されたメリアグレースの街並み……その裏路地に冬香は入り込む。
「アッカドール側もこのひと月で動いたなら、こき使われて愚痴りたくもなってる配下もいるでしょう。そういうのを狙いましょう」
 すると、騎士としての礼服を崩した青年がバーからほろ酔い状態で出てくる。
 冬香が注意深く観察すると、アッカドール家の従者の紋章が胸元に飾られている。
「一緒に飲まない?」
「ん……おお、眼鏡美人からの誘いか。表通りの近くに鶏肉のグリルがうまい店があるんだ」
「じゃあそこで」
 従者の騎士に連れられた店、そこで冬香はモデルとして培った誘惑の技能を切り出す為に持ち込み可故にUDCアースから持ってきた度数の高いウィスキーをしこたま飲ませていた。
「ほら、美味しいでしょう。ナポレオンっていう等級のウィスキーなの」
「ハハハ……こりゃ旨い。上質だと分かるぜ」
 話を聞くとアッカドールの従者はとある男爵の家督を継がない息子だそうだ。
「アッカドール卿は平民のだったわよね?」
「ああ、だけど……知っての通り、あのカリスマだからなぁ……」
 どうやらそのカリスマでアッカドール卿は下級貴族の家督を相続しない子息令嬢を配下としているらしい。
「気になって来たわ、アッカドール卿の事……その計画の事も、ね?」
 そう言って、更にナポレオンを冬香はグラスに注いでいく――

「流石に教皇側も何の策も無しじゃあないか。それはそれでアッカドール卿とやらが厄介という事になるんだけど」
 メリアグレース聖教皇国は節度を持った風俗店には寛容な姿勢を見せる。
 そこでアッカドール卿の陣営に最近接触を図った武器商人の男。彼が良く通うポールダンスの店に潜入したのは、支倉・錫華(Gambenero・f29951)。
 店の煽情的ながら気品のある服装のポールダンサーの衣装に身を包み、一対一の広い個室で武器商人にダンスを披露していく。
「いやぁ、君は本当に新人かい?いい子だなぁ……」
「ううん、他の店員さんに比べたらまだまだですよ」
 そう四十代半場ながら若々しさを保つ武器商人に品を作る錫華。
「そうかいそうかい……いやぁ、最近の子は猊下に感化されたのか品が良くなったなぁ……良い事だ」
「(……クーデターを起こした割には、旧体制の象徴たる教皇には肯定的な面があるね)」
 それは同時進行して従者騎士から情報を引き出していた冬香も感じていたことだ。
「猊下と言えば……アッカドール卿が新兵器を用いてあの暴走衛星を撃ち落とすって言ってますけど……新兵器って、かっこよさそうだね」
「ああ、それなんだがね……」
 と、ふと不安げな表情を浮かべる武器商人。
 これは釣れたと心の中で口元を緩ませながら錫華は話題を切り込んでいく。
「新兵器について、何か不安な点があるんですか?」
「ああ……弾道や射程については理論上問題ないし、仮装演算においても成功するとされているんだ」
 ただ、と呟く武器商人。
「肝心の弾頭の威力が幾ら検索しても出てこないんだよ。まぁ、私は外部関係者だから肝心な弾道に関するデータを見せられないのはある程度分かるが……」
「もし、失敗したらどうなります?」
 放たれた錫華の言葉に思いを馳せ……顔を蒼白にする武器商人。
「……『殲禍炎剣』からの報復攻撃が……なぜ、私はこんな企てに協力を……?リスクが高すぎるではないか……」
「(洗脳が解けたみたいね)」
 正気に戻った武器商人の心に沸き起こる混乱。それを突いて錫華は武器商人を掌握していく――

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ワタツミ・ラジアータ
目的を果たせない機械でも壊してしてはいけないとは他に使い道があるのでしょうかね

その新兵器とやらがオブリビオンマシン自身であれば楽なお話でしたのに
ま、只のジャンク屋風情には無縁のお話でございますわね

民商のジャンク屋として潜り込む
キャバリアは荷物持ち
外装は一般的なコンテナタイプ

民商から武器屋や同じジャンク屋に渡りをつけ、新兵器の情報を収集
集めた部品情報や規模から目的達成は不可という結果を作り、
民商のネットワークを利用して話を広める
そうして、アッカドール卿を支持する者達に不和と疑いを発生させる

答えが先にあるのですから楽は話ですわね

あら、そちらの電子基板はおいしそうですわね
どちらで製造された物かしら?


フィオナ・ウンベカント
そもそも彼らの言う「新兵器」とは何だろう?確かめないといけないな。
まずはどうにかしてその新兵器が置いてある拠点に潜り込もう
「アッカドール卿の志に感銘を受け馳せ参じた義勇兵にございます!」
なんて言ったら入れて貰えないだろうか。
ダメなら抜け道でも探す。
上手く潜入できたら、まずは開発や整備の責任者クラスの人物を探そう
話通りのキャバリア用の新兵器ならば、何かしらの情報を持っているはずだ。
ああ、手荒な真似はしないよ。サイキックによる催眠術をかけて、知ってる事を正直に話してもらうだけさ。
情報を得る事が出来たら現物の確認と、幾つか資料を失敬して撤収しよう

UCは途中で正体がバレてしまった場合などの非常手段に。


鍋島・小百合子
SPD重視

落ち着きつつあろう国の中に無用な争いの種を持ち込まんとするは感心せぬな
武を弁えぬのであれば壊すまでぞ

その渦中にいる人物を見張ればぼろが出るであろうか?
UC「無明瞑想術」で姿を隠しては隠密(目立たない、忍び足、闇に紛れる併用)にて彼奴のいる騎士団の詰所へ潜入
忍んでは彼奴について話をしている者らの声に耳を傾けて証拠になり得そうな要素を整理・回収す
身内の懐を知るのは身内が一番であるからの
余力があれば彼奴のいそうな部屋からも声を拾うていくか
人知れず狂気を発露しておるやもしれんしな

整理・回収した情報は他の猟兵と共有し、次の段階での行動の糧とす


セレーネ・ジルコニウム
「なるほど。若い軍人の暴走ですか。
我々がどう思われようと構いませんが、民衆を戦いに巻き込みたくないですね」

セルゲイ・アッカドールとの戦闘に巻き込まないよう、拡声器を持った【特殊部隊】たちを使って民衆に事実を公表しましょう。

『よく聞け、メリアグリース聖教皇国の国民たちよ。
これはメリアグリース第十六代教皇たるフレスベルク猊下のお言葉だ。
殲禍炎剣の破壊――そんなことは猊下は望んでいない。
反逆者セルゲイ・アッカドールは猊下の指示の下、厳罰に処する。
諸君もよく知っているであろう、猊下の神子代理としてのお力――その予言の力を』

若くして教皇に就任した猊下のお言葉なら、セルゲイに従う国民もいなくなるでしょう。


カシム・ディーン
えーと…キャバリアレースするんじゃないんですか…!?
「レースしながら情報収集すればいいのかな?」(銀髪少女

とりあえずやってみますか
適度にレースに参加しつつ
【情報収集・視力・戦闘知識】
新兵器とやらについて調査
噂を聞き込みしつつ
搭載されてる兵器の性質やどういうものかを徹底的に確認

【属性攻撃・迷彩・盗み】
水光属性を己とメルシーに付与
光学迷彩と熱源隠蔽により侵入し実際にどういう兵器なのかを確認

そしてその兵器の問題点を徹底的に確認し
証拠写真も撮り
可能なら一部兵器を盗み取る

後はこの情報と兵器を存分にリークしますか

後は有識者がそれを指摘すれば…アッカドールとやらもまともな反応を返さず…不信も発生するでしょう



「その新兵器とやらがオブリビオンマシン自身であれば楽なお話でしたのに……それにしても、このジャンクの基盤、美味しいですわね」
「十四代目の教皇猊下の時代からメリアグレースは電子基板を食するレプリカント系の住人の為に食用電子基板のノウハウを取り入れているんだよ」
 パリパリと電子基板をスナックのように口に入れるのはワタツミ・ラジアータ(Radiation ScrapSea・f31308)、その様子を屋台の商人は微笑ましそうに見つめている。
 ワタツミがいるのは民商のジャンク屋が規則正しく商業を営んでいる城下町。そこに民商のジャンク屋として潜り込んだのだ。
「それにしてもアッカドール卿の『革命』……」
「ああ、俺はフレスベルク猊下も含めての『猊下派』さ。他の若手は『改革派』とやらに傾倒しているが……」
「ま、只のジャンク屋風情には無縁のお話でございますわね」
「違いない」
 そう笑い合うジャンク屋とワタツミ……だが、そこにふとワタツミは険しい顔をする。
「どうしたよ?」
「いえ……戯れに新兵器の情報を他のジャンク屋から収集してみたのですが……」
 ジャンク屋のおやじにレポートが映し出されたPADを差し出すワタツミ。
 そこには『火力不足で撃墜不可能の可能性。否定できず』と書かれていた。
「……お、おい」
「あくまで私が算出した結果ですわ」
「……コピーしても、良いか?」
 その言葉に応用に頷くワタツミ。やがて、親父が他のジャンク屋の元へレポートの内容を届けていくのを見て、ほくそ笑む。
「ちゃんと事実のみを算出しての結果ですからね……答えが先にあるのですから楽は話ですわ」
 そう言って、優雅に残りの食用電子基板を口に運ぶのであった。

「そもそも彼らの言う「新兵器」とは何だろう?確かめないといけないな」
 アッカドール卿の拠点の一つとなっている配下の子爵令嬢の邸宅、そこに志願して潜り込んだのはアリス適合者のフィオナ・ウンベカント(マスター・オブ・ジークヴァルト・f21922)。
「まずはどうにかしてその新兵器が置いてある拠点に潜り込もうとしたわけだが……思ったより入り込むのは骨が折れたな」
 流石に事実上はクーデターを起こした勢力。この時点での加盟者を現体制の使者ではないかを疑うのは聡明以前に当然だと言えるだろう。
「まぁ、結果として上手く潜入できた。まずは開発や整備の責任者クラスの人物を探そう」
 とはいえ、つい先日から加盟した身である以上はそう行ける場所には権限不足だ。
 そこで、自身が滞在できる地点に現れた新兵器の担当者にアプローチをかける作戦に切り替えることにした。
 狙ったのは邸宅のロビーに現れた担当者の一人。彼に『新人』として挨拶する機会を活かして自然と人気のない場所に誘導し、催眠術をかけるフィオナ。
「(話通りのキャバリア用の新兵器ならば、何かしらの情報を持っているはずだ……)」
「ああ、詳しくは言えないが……あの忌々しい暴走衛星を対象とした終末誘導を以て正確な着弾を行える代物さ」
「成程……あの暴走衛星そのものをビーコンとするわけだね」
「(けど、肝心の撃墜するための火力については引き出せない、か)」
 精神力が強固なわけでも洗脳が強固なわけでもない。
 単に、担当者でも『弾道の火力』については知らされていないのだ。
「これは決定的だね。ついでに自然な様子で新兵器についてのファイルを持ち出せないかな?」
 そう言って担当者を研究所に向かわせ、フィオナ自身は何食わぬ顔でロビーを警護するだけ。
 戻って来た担当者からUSBメモリを受け取り、巡回の為と言って外へと逃げだしたのであった。

「落ち着きつつあろう国の中に無用な争いの種を持ち込まんとするは感心せぬな」
 毅然として、憮然として騎士団の居城を見上げるのは、長い黒髪が特徴的な女武者の猟兵鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)。
 かつて、オブリビオンによって滅ぼされた故郷肥前鍋島藩の息女としての過去を持つ故か、今回の依頼に対しては憤慨の念を隠そうともしない。
「武を弁えぬのであれば壊すまでぞ――『無明瞑想術』」
 ユーベルコードの名が世界に響き渡った瞬間、小百合子の姿――否、気配……存在感そのものがほぼ皆無な位敵から察知され難くなっていく。
「その渦中にいる人物を見張ればぼろが出るであろうかな?」
 そうして実質的な透明人間となった小百合子は騎士団へと潜入していく。
「忍んでは彼奴について話をしている者らの声に耳を傾けて証拠になり得そうな要素を整理・回収すれば……」
 懐から取り出すのはメリアグレース産のボイスレコーダー。
 これを用いれば言質を取ることなど容易いだろう。
「身内の懐を知るのは身内が一番であるからの」
 そうして、かの空虚なる奪還者の配下の言葉をレコーダーで拾っていく小百合子。
「……ふん、威厳はあるようじゃな」
 彼女が捜査した限り、配下の意見は急な制圧に苦労はしている旨はあってもアッカドール卿の不満を漏らす者は少ない。
 息女として在った小百合子からも、そのカリスマ性には舌を巻く物があった。
「とはいえ、他の猟兵の言う通り不自然に迎撃の為の兵器自体の火力には言及していない。これは証拠となるじゃろうて」
 そうして、最後に向かうのは『副団長室』と書かれたドアの前。
「ヒトを払っている場所ならば、人知れず狂気を発露しておるやもしれんしな」
 そうして、集めたレコーダーの音声ファイルを他の猟兵に送信した後、気配を更に殺しながら『副団長室』に小百合子は忍び寄るのであった。

「しかし、どうするかねぇ……」
 貴族や成功した商人などが入りびたる高級サロン。
 そこで此度のクーデターに対して中立を決め込んでいた貴族の諸侯達が顔を見合わせていた。
 臆病や日和見と言うには、彼らは背負った立場が大きい。
 故に、どちらが勝利するかを見極めるのは当然と言えた。
『あー、テステス』
「ん?何だ」
 そこに、公共放送用のラジオから急遽幼いと言える少女の声が漏れだしていく。
 諸侯の内、軍事に関わる辺境伯はその声色に聞き覚えがあった。
「ジルコニウム大佐……!?」
 セレーネ・ジルコニウム(私設軍事組織ガルヴォルン大佐・f30072)、私設軍事組織ガルヴォルンを率いる少女に。
『よく聞け、メリアグリース聖教皇国の国民たちよ。これはメリアグリース第十六代教皇たるフレスベルク猊下のお言葉だ。殲禍炎剣の破壊――そんなことは猊下は望んでいない』
 その爆弾の投下に、サロン内は騒然とする。
「ど、どう見る?」
「分からん。だが、あのガルヴォルンを率いる大佐殿のお言葉だ……」
『反逆者セルゲイ・アッカドールは猊下の指示の下、厳罰に処する』
「これが、猊下派のプロパガンダではない保証もあるまいよ……」
『そして、件の反逆者は正気ではない』
 そうして、流し出されたのは小百合子が拾ったセルゲイの声。
 それは、明らかに支離滅裂となっており、正気を失っているのは自明と言えた。
「……私は、猊下に着くと決めたよ。少なくとも、あの心身を喪失しているアッカドール卿にメリアグレースを壊滅させるわけにはいかん」
「そうだな……これは決定的だ」
 そうして猊下派との合流に動き出す中立派の諸侯。それを隠し撮りしていたカメラで確認するガルヴォルンを率いる大佐。
「しかし、若い軍人の暴走ですか……我々がどう思われようと構いませんが、民衆を戦いに巻き込みたくないですね」
 そう言って、セレーネは音声マイクから離れて件のステージへと向かうのであった。

「えーと……キャバリアレースするんじゃないんですか……!?」
『レースしながら情報収集すればいいのかな?』
 そうお馴染みカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)とそのサイキックキャバリアであるメルシーこと【界導神機『メルクリウス』】は現在開催されているメリアグレースのキャバリアレース大会に参加する。
「ええと、一応セルゲイの配下もレースに参加しているみたいですね」
『なら、メルシー達も参加しよう!』
 そして、カシムとメルシーも飛び入り枠で参加して開催されることとなったキャバリアレース大会。
 そのスタート前に、各選手などから世間話としてアッカドール卿の『新兵器』について情報を仕入れていくカシム。
「成程成程、弾道着弾に纏わる性能を押し出して『新兵器』自体の火力などに関しては濁してあるな……」
『着眼点のすり替えならぬ押し出しって言うヤツだね』
 そう言って他の猟兵と情報を交換した後、レースに参戦するカシムとメルシー。
「(これ終わったら、他の猟兵が集めた情報も纏めて心ある有識者に提出するとしますか)」

「いや、あのサイキックキャバリアの選手の動きはすさまじかったな……」
 そう言って、メリアグレース騎士団元技官長の老紳士はレースを見物し終えた後、大学の研究室に戻っていく。
 クーデターこそ起こったが、アッカドール卿はあくまで紳士的だ。
 なので、クーデター下にあっても大学で研究を進めたりレースを見物したりは出来た。
「ん?これは……研究資料が詰め込まれたUSBメモリ?」
 普通なら、無言でデスクの上に置かれたそんなものを自身のPCに取り込みはしない。
 しかし、技官の長であった老紳士は鮮やかに安全を確保した後、内包されているデータを解析していく。
 悪戯なら度合いによっては自身が捜査し、犯人を叱責しなければと思っての事だったが。
「何だこれは……これでは、あの衛星を撃破することなど出来はしない……」
 何が納められていたかは、語るまでもないだろう。
「後は有識者がそれを指摘すれば……アッカドールとやらもまともな反応を返さず……不信も発生するでしょう」
 大学の敷地内に隠れて老紳士の行動を観察していたカシムは、次の戦場へと移っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

土御門・泰花
【ワンダレイ】の仲間と参戦
(アドリブOK)

「何と、日頃お世話になっている御方の国で大変な事が!」
即座にお助けに参上致します。独りでは心許ない為、旅団の方々のお力も拝借します。
迅さん、凌牙さん、リーゼさん、感謝します。

まずは「新兵器」の情報収集を。
技術的に「殲禍炎剣」を破壊できないと証明できれば、民心も離れて行きましょう。

【情報収集】と【学習力】を用い、民衆から「新兵器」について聞き出し、記録して参ります。噂しか知らぬ人が多いでしょうが、中には「新兵器」の開発や技術に関して知っている人もいましょう。
もし密かに去ろうとする人がいたなら、UCで逃亡阻止を図ります。鍵を握ってるかも知れませんゆえ。


地籠・凌牙
【ワンダレイ】アドリブ歓迎
リーゼロッテはリリー先生、他は下の名前呼び捨て

故郷を火の海にされちゃたまったもんじゃねえもんな。何としてでも止めねえと……けど情報収集で俺が役に立てることって少ねえんだよな。
ボディガードならできんだけど……

んー、そうだな。ここは確実に情報が手に入れられるよう"運の左右"をなくしちまうか。
みんなに【指定UC】で吉兆の刻印を渡して、何も情報を得られなかった、感づかれたという"不運"を全部俺が引き受けるんだ。
そうすりゃもし敵が狙ってきても自然と矛先は俺に【おびき寄せ】られるし、【カウンター】で返り討ちにできるし。
ついでに全員とっ捕まえて然るべきところにしょっぴいてやろうか。


知富・迅
【ワンダレイ】の皆と参加

『可愛い女の子の故郷が大変になるのを見過ごす訳には行かないぜ。泰花の頼みでもあるし全力で挑むよ。』

調査は新兵器に関するものを重点的に調べるぜ

【風の囁き】で風の聖霊たちから情報収集してみるよ

『聖教皇国と言うだけあって聖霊たちの力が満ちているな。』

聖霊が阻まれる場所はエアシューズで急行して軽業や念動力を駆使して侵入を試みてみるな

凌牙の方で一悶着あるようなら手助けにいくぜ

捕まえた奴らからも確り情報を聞き出してな

『凌牙が引き付けてくれた分、助かったぜ。』

集めた情報はリリー先生に流して解析をお願いするよ

『材料は揃えたよ。リリー先生、後はヨロシク頼むぜ。』

アドリブ歓迎


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【ワンダレイ】
※アドリブ絡み連携歓迎
※キャバリア駐機中
※『リリー先生』等別称を好む

お家騒動と言うにはちょっとヤバいね
変に『殲禍炎剣』刺激して暴走悪化もあり得るし

まずは泰花さんの意向に沿って『新兵器』の秘密を探るよ
【アーバン・ディスクローズ】発動、第三軍団のサーバへ潜入
『新兵器』関連機密書類や『殲禍炎剣』の資料を取得・複製

後は情報の確度向上と使い方が問題
前者は調査の優先順位を決めた上で仲間に期待
アタシは後者…集めた情報で『新兵器』解析
ん、迅さんもお疲れ様

多分『殲禍炎剣』に届く高度・速度・威力…後は安定性
それらの半分位は裏があると思うんだけどね
凌牙さんのお陰かノイズは少ないし、何か引き出せるはず…



「なーるほどね、こりゃ失敗するわけだよ。だって火力が無いんだから」
 そう呆れたようにリーゼロッテ・ローデンヴァルト(リリー先生って呼んでよ・f30386)は情報収集の結果を口に出す。
「そもそも失敗することが目的とはいえ……そこにいるオブリビオンマシンも吹っ飛ぶわけなんだがなぁ……」
 オブリビオンに生者の理屈は通用しないとはいえ、苦い顔をするしかないのは地籠・凌牙(黒き竜の報讐者・f26317)。
「けど、この様子ならアッカドールとやらの尻尾も他の国民が勝手に掴んでくれそうだな」
 そう飄々とした様子で呟くのは知富・迅(破邪の疾風・f33576)。風を印象付けるのは、彼が風に由来するサイキックキャバリアを使役する故か。
「しかし、日頃お世話になっている御方の国で大変な事があるというのは心苦しいですね……」
 土御門・泰花(風待月の菫・f10833)はそう顔を俯かせる。
 彼らは【飛空戦艦ワンダレイ】のメンバー。そして、今回舞台となるメリアグレース聖教皇国の国家元首にして今回の依頼のグリモア猟兵であるフレスベルクは、かの戦艦のメンバーなのである。

「けどリリー先生、これはもうステージに行って待機するだけで良いんじゃないか?」
「アタシもそう思ってたんだけどねぇ……」
 そう苦笑しながら凌牙を見つめるリーゼロッテ。
「そうだなぁ……」
 同じく口元を緩ませる迅。そこへ、土御門が告げる。
「五名です」
 瞬間、ワンダレイメンバーが待機所としていたホテルの一室に騎士がなだれ込んでくる。
「気取られたわけか!」
「そう言う事だな」
 凌牙の言葉に頷き返す迅。リーゼロッテと土御門もそれぞれ闇医者と陰陽師として動き出していく。
「さて……聞きたいんだけど、アンタらの新兵器ポンコツだよ?これじゃこのメリアグレースを焼け野原にするだけさ」
 人を食ったかのような笑み――リーゼロッテが浮かべると、途端に恐ろし気な雰囲気を醸し出す。
「悪戯に功を焦っても自他共に不幸になるだけです。ここはご自重した方が良いかと」
 その言葉に、騎士達は斟酌しない。
 やがて、警棒やスタンガンを取り出してワンダレイメンバーを制圧しにかかる。
「悪いが、そうはさせないぜ!」
 だが、そこに凌牙のユーベルコード『【喰穢】祝福の標(ファウルネシヴォア・セレブラール)』が発動する。
「このユーベルコードは皆に吉兆の刻印を渡し、"運の左右"をなくしちまうんだ。分かりやすく言えば……」
 瞬間、戦闘にいた騎士がリーゼロッテの私物に躓いて後続の騎士達も多々良を踏む。
 そうして、警棒やスタンガンは『凌牙のみ』に迫っていく。
「――皆の不運を、俺に集中させる」
「連携戦でやられると厄介だねぇ」
 にこやかな顔でドラゴニアンの少年に迫り来る警棒やスタンガンを見つめるリーゼロッテ。
 その左手には、金の端子のUSBメモリらしき存在が在る。
『マトリクス!!』
 瞬間、警棒とスタンガンのみがこの世界から消失する。
「『マトリクス・メモリ』は『物理現象を再現』することが能力。故に……そういう結果になる『現象』を『再現』出来るってわけ」
 そう小悪魔な笑みを浮かべるリーゼロッテ。
 騎士たちはその絶大な能力に圧倒されている。そこに、迅と土御門が畳みかけていく。
「よッと……俺のユーベルコードはどれも、こんなホテルの一室では発動しちゃいかん物でね」
 即座にテンプシーロールで三人の騎士の意識を刈り取る迅の拳。
「『黒揚羽の呪縛』――これで、動けませんよ」
 土御門がユーベルコードで召喚した無数の黒揚羽蝶が、残る二人の騎士を麻痺毒で行動不能にしていく。
「さて……ここまで乱暴な手段をとるってことは……」
「なりふり構ってられないようだねぇ?」
 リーゼロッテが見やるのはメリアグレースの公共テレビ放送。
 そこでは、撃墜セレモニーの準備が進められているのが分かる。
 一見するとつつがなく進めているようだが、アッカドール卿を洗脳したオブリビオンマシンの焦りが歴戦の猟兵であるワンダレイメンバーにはテレビ越しでも伝わっていった。
「俺は先にステージに行っておく。他の皆は?」
「私はこの人たちを憲兵に」
「突き出しておけば、アッカドールの側も派手な動きは出来なくなるだろ」
「OK、アタシは襲撃が受けたことを猊下派の面々に連絡しておくよ」
 そう言って、散開していくワンダレイメンバー。
 もう、守勢に回る必要はない。

 後は、アッカドール卿――その背後にいるオブリビオンマシンの野望を、本体ごと砕くまでだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ハルピュイア』

POW   :    タロン・クロー
【猛禽類の爪を思わせる鋭いクローアーム】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    マルチプル・コンバット
【対キャバリア用三連装チェーンガン】が命中した対象に対し、高威力高命中の【無誘導式ロケット弾】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    ツインローター・アングルチェンジ
自身の【二基のティルトローター・ユニット】を【戦闘中に角度を垂直と水平のどちらかへ同時】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ――『殲禍炎剣』撃墜式典。
 セルゲイ・アッカドール率いる『改革派』の面々は、『殲禍炎剣』を撃墜する『希望』たる『新兵器』。
 そのキャバリアへの装着を公共の民衆へと披露する。
 ――それが、オブリビオンマシンに狂わされた、偽りの希望とも知らずに。

 猟兵よ。
 この偽りの希望を砕き、あえて『絶望』という名の『希望』を齎すのだ。
セレーネ・ジルコニウム
【ガルヴォルン】
「殲禍炎剣に焼かれる前にセルゲイ派を殲滅することがフレスベルク猊下からの依頼です」

機動戦艦ストライダーを発進させ、ミサイルによる爆撃用意をおこないます。

「民衆に向かって先の放送をもう一度流してください。
これが最終警告です」

『これがフレスベルク猊下の意志である』ことを民衆に訴え会場からの避難を促します。
それでも避難しない民衆や軍人は――セルゲイ派とみなします。
殲禍炎剣によって国が滅ぶよりは、多少の犠牲は仕方ないという猊下の覚悟、無駄には出来ません!

「ストライダー、式典会場を【機動戦艦全力攻撃】で無差別広域爆撃!
街への被害は気にせず会場ごとセルゲイ派を完膚なきまでに叩き潰します!」


支倉・錫華
【ガルヴォルン】

最善の方法とは言いがたいけど、クライアントオーダーだし、
この放送を聞いてもまだセルゲイを支持するならしかたないね。

大佐がストライダーで式典会場を爆撃していくから、
わたしは着弾直後のポイントに突撃、生き残っている敵を叩くよ。

キャバリアはストライダーにある『ナズグル』をレンタル。
チューンは移動力5倍、装甲半分でいくね。

アミシア、ミスランディアとのリンクよろしく。
タイミングがズレて大佐のミサイルに巻き込まれるとか、ぞっとしないからね。

猊下に従わないなら反乱軍ってことだし、容赦しなくていいかな。
スネイル・レーザーを掃射して、セルゲイ派を殲滅していこう。
「obey or resist?」


フィオナ・ウンベカント
自分や近くの味方を襲う敵はサイコキネシスで叩き落す

他の猟兵や有識者の活動によって、
例の新兵器が衛星を破壊できない可能性の高い怪しい代物である事は白日の下に晒されるだろう。ぼくから言える事はほとんどなさそうだ。

その上でひとつだけ言わせてもらうぞ、『改革派が失敗すれば、代償はこの聖教皇国の領土と君たちの命である』と。
いかに民の信頼篤きアッカドール卿と言えど、これは大博打どころか自殺行為だ。
何度でも言うが、この狂気の沙汰の代償は君たちの命――君だけじゃない、家族や友人、恋人といった君の大切な人たちも巻き込んでしまうという事を忘れないでくれ。


カシム・ディーン
中々に面倒くせー状況です

「大丈夫だよご主人サマ!もうピースは揃ってるよ!」

式典に突入
ちょっとまったぁ!
質問があります!
第一
まず新兵器の捕捉性能は素晴らしい!だが…火力自体は衛星を破壊するには足りない!
その問題点の解決策は?
第二!
子の問題点は随分と初期から提示された案件ですが解決法について未だ返答がありません!
解決法について僕らや専門家!今この式典に参列しているお歴々に納得のいく説明をして下さい!

この問題点を解決せずにやるのですか!しっぱいすればこの都市に甚大な被害が出るのになぜここで!?

【二回攻撃・切断】
大鎌での連続斬撃で敵軍は粉砕
【属性攻撃・念動力】
心属性の念動光弾乱射
精神だけ攻撃して気絶狙


緋薙・冬香
結局私が聞けたことって
アッカドール卿が平民の出でカリスマ持ちってことだけか
そのカリスマと正気を失っている証拠の関連は掴めず、と

この状態で
『偽りの希望を砕き、あえて『絶望』という名の『希望』を齎すのだ』と
いうのが依頼なら真正面から計画を潰すわ

元々猟兵って傭兵みたいな扱いだし
支持が下がったら用なしになるだけでしょ

戦闘力を持たない民衆まで巻き込むつもりはないけれども
アッカドール卿とその配下には手加減無しよ

『ラヴィーネ』を携帯して式典の最中に乱入
挨拶は言葉じゃなくて【美女の花言葉】で
敵の反撃にはシュピーゲルの障壁で防御
「ごめんなさいね。見逃すわけにはいかないの。教皇に頼まれた身としてはね」



「中々に面倒くせー状況です……」
 そうぼやきながらカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は自身のキャバリアたるメルシーこと界導神機『メルクリウス』に騎乗し、アッカドール卿の撃墜式典に突入する。
『大丈夫だよご主人サマ!もうピースは揃ってるよ!』
 そんなカシムを励ますかのように、コックピット内の通信機から激励を飛ばすメルシー。
 そんな二人の様子を遠目で見ながら、もう一体のサイキックキャバリア……ある古城に封じられていた、謎めいた古代の魔導キャバリア【ジークヴァルト】に騎乗しているのはフィオナ・ウンベカント(マスター・オブ・ジークヴァルト・f21922)。
「他の猟兵や有識者の活動によって、例の新兵器が衛星を破壊できない可能性の高い怪しい代物である事は白日の下に晒されるだろう。ぼくから言える事はほとんどなさそうだ」
 その上で、あえて何か一言を言うとするならば……
「『殲禍炎剣』に焼かれる前にセルゲイ派を殲滅することがフレスベルク猊下からの依頼……つまりは、セルゲイ派の行動が明確に『大逆』……『偽りの希望』に手を伸ばそうとしたツケというものがどれだけ大きいかを民衆に知れ渡らせること、ですね」
「そうだね、そこら辺を考慮しても尚『殲禍炎剣』を撃墜しようというなら……死なない程度に痛い目に合う位はある程度許容は出来るか」
 そんなフィオナの答えを聞いて深く頷くのはガルヴォルンを率いる若き大佐、セレーネ・ジルコニウム(私設軍事組織ガルヴォルン大佐・f30072)。
「最善の方法とは言いがたいけど……クライアントオーダーだし、この放送を聞いてもまだセルゲイを支持するならしかたないね」
「結局私が聞けたことってアッカドール卿が平民の出でカリスマ持ちってことだけなのよね」
 そこにガルヴォルンに所属している騎士兼諜報員の少女支倉・錫華(Gambenero・f29951)と初動調査でアッカドール卿の従者に近づいた緋薙・冬香(針入り水晶・f05538)が会話に入ってくる……

 ちなみに、この会話がどこで行われているかはまだ記述していなかっただろう。
 セレーネが所有している機動戦艦ストライダー……『ワダツミ級』と称される、機械工学に長けた稀代の技師猟兵が開発した規格の空海宇宙対応済みの機動戦艦にて行われているのだ。
「しかし、凄まじくデカいですが……これ、僕らがあのボケ衛星の撃墜対象になりません?」
「『殲禍炎剣』が撃墜しているのはあくまで『高度空中』を『高速』で『飛翔』する物体よ。つまり、超低空飛行でゆっくり進めば問題ないらしいのよね」
「そう言うものなのか……」
 カシムが感じた疑問に答えた冬香の言葉に感心するフィオナ。
 その光景をみてガルヴォルンの二名は微笑まし気に見つめた後、表情を切り替えて三人に告げる。
「では、これより『殲禍炎剣』撃墜式典強襲作戦を行います。民衆への説得はカシムさんが担当し、フィオナさんがその補佐を。冬香さんと我々ガルヴォルンはセルゲイ派の妨害を阻止します」
「あーい、まぁ大分信頼度は高いですし……ある程度は皮算用ですが、助っ人にも心当たりはありますからね」
「ああ、一つだけなら伝えなければならないことがある」
 セレーネの言葉にカシムとフィオナはそう答え、冬香はウィンクで返答の代わりとした。
「それじゃあ、行こうか?」
 そう錫華が告げた直後、殲禍炎剣』撃墜式典会場の近辺に鎮座させていたストライダーは、艦を一切察知されないよう展開させた高精度の迷彩を解いた。

「何だ……あの巨大な宙を浮く戦艦は……?」
「!!アッカドール卿!あの空中戦艦は……私設軍事組織ガルヴォルンを率いるセレーネ・ジルコニウム大佐の所有艦、ワダツミ級強襲揚陸艦ストライダーです!」
 その言葉が記念式典の会場に響き渡ると民衆に不安が広がっていく。
「アッカドール卿、ちょっとまったぁ!質問があります!」
 そこに、カシムの声がストライダーから響き渡る。
「第一!まず新兵器の捕捉性能は素晴らしい!だが…火力自体は衛星を破壊するには足りない!その問題点の解決策は?」
 投げつけられた爆弾と同時、セレーネがジャミングを応用したデータ干渉により、専門的な知識が無い物でも理解しやすいよう書式が整えられた情報がモニターに映し出される。
 それを止めようとアッカドールの従者達がモニターに躍り出る。
「ごめんなさいね?これは必要な事だから」
 しかし、蒼く輝く炎を纏ったニードル弾を放って従者達の動きを封じたのは冬香。
 その間にも、民衆には『新兵器には撃墜するための火力が致命的に足らない』という情報が伝播されていく。
「猊下に従わないなら反乱軍ってことだし、容赦しなくていいかな」
 そこに、錫華が自身の駆る『ナズグル』……ストライダーに配備されているキャバリアに騎乗して、従者達を牽制していく。
「第二!この問題点は随分と初期から提示された案件ですが解決法について未だ返答がありません!解決法について僕らや専門家!今この式典に参列しているお歴々に納得のいく説明をして下さい!」
 そうして二の言霊が放たれる。
 それは、あえてこの致命的な問題をアッカドール卿が放置していたことを示唆するものであり……
「馬鹿な、アッカドール卿がそんな事……」
「いや、俺は猟兵と関わった事があるんだが……高潔な人物が不具合を起こしたキャバリアに騎乗して暴挙を始めるという事例がその猟兵から聞いたことがあるんだ」
 そうして、広がるのはアッカドール卿に対する不信の芽。
 それは、毒のように……死に至る病の如く、民衆から熱気を奪っていく。
「改革派が失敗すれば、代償はこの聖教皇国の領土と君たちの命である」
 そこにフィオナがカシムからマイクを借り、民衆に言葉を伝えていく。
「いかに民の信頼篤きアッカドール卿と言えど、これは大博打どころか自殺行為だ。何度でも言うが、この狂気の沙汰の代償は君たちの命――君だけじゃない、家族や友人、恋人といった君の大切な人たちも巻き込んでしまうという事を忘れないでくれ」
 そうした、美しき地獄たるアリスラビリンスに転移したアリス適合者の重みを伴う言葉が民衆の心に響いていく。
「それでも避難しない民衆や軍人は――セルゲイ派とみなします」
 そうした、セレーネからの最終通告が放たれる。
「ある意味、ここまで言ってセルゲイ派に準じるというなら……それはそれで感心しますけどね」
「まぁ、そんな人は出ていないようだしね」
 錫華の言葉に冬香がある方向に指を指す。
 それは、カシム達の言葉によって目が覚めた民衆たちが、これから繰り広げられるだろう『鎮圧』に備えて避難していく姿であった――

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

鍋島・小百合子
SPD重視
他の猟兵との絡み可

その新兵器とやらを積んだきゃばりあを破壊してみせれば
彼奴等の掲げし希望も潰えようぞ

「一撃必中・・・心眼を持って射抜くべし」
隠密(闇に紛れる、忍び足、目立たない併用)式典の場より少し離れた建物の屋上より長弓での狙撃態勢を整え
UC「魔弓神狙射」発動にて彼奴等の従えしきゃばりあの武装を長弓で狙いを定めた一矢で射抜いては使えなくさせる(視力、スナイパー、部位破壊、制圧射撃、鎧無視攻撃併用)
他の猟兵と行動を合わせる場合は高台より援護射撃と遊撃を担い、セルゲイの部下の足止めを重点的に立ち回る
わらわ達の義に倣った行いをなんぴとたりとも邪魔立てさせぬわ!


ワタツミ・ラジアータ
只のジャンク屋に国の盛衰などどうでも良い話ではございますが、
あら、滅んだ方は良い様な気もしますわね。商売的に。

その様に行かないのが渡世の義理という物でございますわね。

【POW】
説得
私共の様な邪魔者を説得したければ、こんな雑兵をだすより、さっさと秘密兵器の力を見せつければ良いのですわ。

キャバリアの外装全てと自身の左腕を贄に敵集団を巻き込む大口径砲を創造

属性:重力

近づくのは構いませんけども、
この重力の鎖からは逃げられませんわ。

接近してきた敵を重力砲に巻き込む圧縮自壊に追い込む

敵攻撃を受けそうならば先のその場所を破壊、砲作成の材料とする

区切りがついたら敵残骸などを食べて補充
質が良い部品なら喜ぶ


知富・迅
【ワンダレイ】の皆と参加

アドリブ歓迎

最初に【風の囁き】で改革派の情報収集を行い、仲間に情報を流したら離れた場所での危険な動きに対処するぜ

『泰花とリリー先生の護衛は任せたぜ。』

凌牙に一声かけてからエアシューズで風のように駆け出す

優先順位は街中でスナイパーみたいな遠距離から妨害しようとする動きを潰して行くよ

『こんな街中で物騒なことするなよ。女の子たちの悲鳴なんて聞きたくないからな。』

制圧には残像を残すほどのスピードと軽業からのエアシューズでの蹴りで行う

放送を中断するような動きも阻止するぜ

キャバリアで暴れるような動きを見せるようなら、避難誘導などの救助活動を行うよ


土御門・泰花
【ワンダレイ】※アドリブ歓迎

私はリーゼさんと連携して、「猊下派」の皆さんの保護に当たります。男性陣(迅さんと凌牙さん)には、期待してます、ふふ。

「……とのことで、皆さん。もうお分かりいただけましたでしょう?」

リーゼさんの舌戦に呼応するよう、微笑みながら猊下派の皆さんへ声を掛けます。

リーゼさんが会場へ乗り込み、交戦することになりましたら、私もUCを展開。猊下派の皆さんを召喚した揚羽蝶たちに技能を駆使して庇ってもらいながら、私自身も【早業】と【軽業】を活かした軽やかな身のこなしをもって、薙刀による【カウンター】攻撃で迎撃します。

「あらあら、傷ひとつつけさせませんよ?」


地籠・凌牙
【ワンダレイ】アドリブ歓迎
リーゼロッテはリリー先生、あとは名前呼び捨て

さーて、男性陣の役目はリリー先生と泰花が民衆を説得してる間に鎮圧にくるだろう改革派連中の牽制だ。
フレスベルクたち猊下派に根回しした上でだが、襲われたのは事実なんだから正当防衛だよなァ?
つってももちろんガチで攻撃するワケじゃねえよ。【見切り】で相手の動きを見極めながら【フェイント】で揺さぶりをかけて【挑発】、
攻撃しにきたところで【カウンター】で【指定UC】を一人ずつお見舞いだ!
安心しな、肉体は一切傷つかねえし洗脳が解けて元通りになるだけだからよ。
俺は口は上手くねえんだ、だからこうして一人ひとりぶつかるしかねえのさ!


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【ワンダレイ】
※アドリブ歓迎
※別称を好む

さて、予定通り「賊の襲撃」と「新兵器のポンコツぶり」を
『猊下派』に各種資料できっちり報告(襲撃も電脳で録画♪)
折角だし舌戦担当として何人かお出まし頂くよ(ユベコ起動)
ヌカ喜びさせた『改革派』を糾弾したり民衆にも演説を…ね?

会場には『ナインス・ライン』に乗って駆けつけるけど
コッチに洗脳された人が居ないか機内から選別・監視
男性陣がハッスルしてるから大丈夫だと思うけど、
あちらのキャバリアが襲ってきたら容赦なく迎撃さっ
個人火器にはメモリで対処かな♪

後は無事な『猊下派』を泰花さんと(機体を盾に)守り、
必要な資料をオーダーされたら、ホロで拡大投影♪
…さ、どーすんの?



「その新兵器とやらを積んだきゃばりあを破壊してみせれば、彼奴等の掲げし希望も潰えようぞ」
 長弓を構え、鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)は凛とした様子でアッカドール卿の派閥を睨みつけている。
 カシムの大演説とストライダーからの威嚇砲撃も行われ、『革命派』は一転して窮地に追いやられている。
「クソ……せめて、『殲禍炎剣』の撃墜だけでも!」
 そうして、アッカドール卿のキャバリアに搭載された『新兵器』を護衛するべく自らキャバリアを翻してアッカドール卿のクロムキャバリアの盾となる従者達。
「一撃必中……心眼を持って射抜くべし」
 そのアッカドール卿の従者の献身に対して小百合子は鼻を鳴らすと同時、弓の弦を引き絞る。
「『『我はつがえる祝福の矢。確実に…狙い射抜く!』」
 唱えられた詠唱は狙撃系ユーベルコードの起動準備完了の証。
 指から離れ、弦によって飛翔する早矢。
 それはアッカドール卿のキャバリアに搭載されている新兵器。
 ではなく。
「!?」
「きゃばりあの両手足を潰されては、文字通り手出しできまい。悪いが、おとなしくするのじゃな」
 既にほかの猟兵によってアッカドール卿の民衆の支持は砕かれ、『革命派』の鎮圧部隊も逆に制圧されている。
 故に、小百合子は敵の足止めを担う事に決めたのだ。
「ほーりーぐれいる、とやらだったか。確かにアレが無ければこの世界の住民は自由になれるであろう」
 しかし、その『殲禍炎剣』が『どのような存在』なのかが分かっていないのだ。
 もしかしたら複数機存在するのかもしれないし、超技術による堅硬な装甲で身を守っているのかもしれない。
 いずれにせよ、時期尚早だ。
「故に止める。わらわ達の義に倣った行いをなんぴとたりとも邪魔立てさせぬわ!」
 そう、あえて『改革派』を刺激するような言葉を投げかけながら小百合子は矢を解き放って行く。

「只のジャンク屋に国の盛衰などどうでも良い話ではございますが……あら、滅んだ方は良い様な気もしますわね。商売的に」
 そう、クスリと上品に微笑みながらブラックジョークを口にするのはワタツミ・ラジアータ(Radiation ScrapSea・f31308)。
 情報収集の際に知己となったメリアグレースのジャンク屋が有していたジャンクパーツ商同士のネットワーク……それを活かして民衆の避難を彼らに頼んでいたのだ。
「しかし……嬢ちゃんに俺は猊下派だとは行ったが、どこかでアッカドール卿があの忌々しい衛星を撃ち落としてくれることを祈っていたんだが……」
「その様に行かないのが渡世の義理という物でございますわね」
「違いねぇ……そろそろ避難し終えた頃だ。鎮圧は任せたぜ」
 その言葉に頷いたワタツミは浸食拡張機構”歯車機関”たるクロムキャバリア【 "Heart of GearOrgan"】を呼び寄せ、騎乗する。
「私共の様な邪魔者を説得したければ、こんな雑兵をだすより、さっさと秘密兵器の力を見せつければ良いのですわ」
 式典会場に乗り込んだ後、【 "Heart of GearOrgan"】に群がってくるハルピュイアをコックピット内で睥睨しながらキャバリアの外装全てと自身の左腕を使い捨ての砲台に変換していくワタツミ。
「『見捨てられた残骸達よ。私が命じましょう。―謳いなさい。叫びなさい。ただ々々有る儘を示しなさい』――『Song of SteelBorne(ゲドウサイモンテツホネノウタ)』」
 瞬間、使い捨ての砲台から放たれた様々な属性に変換可能な超々質量……今回は重力属性を込めた一撃がハルピュイアのコックピット内にいるアッカドール卿の従者を死なせない程度にキャバリアを薙ぎ払っていく。
「区切りがついたようですね……あら、下級貴族用の機体だからでしょうか。基板などは上質のレアメタルを使っていますわね」
 そうして、回収したキャバリアの残骸から摘出した電子基盤を上機嫌に口にしていった――

「『世界を巡る風たちよ……俺の問いに答えておくれ』――『風の囁き(シルフィード・ヴォイス)』」
 式典会場から離れた場所、そこで床に片膝を立てて情報収集の技能を異能の域にまで高めて状況を把握しているのは知富・迅(破邪の疾風・f33576)。
「成程な。まだ残っている『改革派』の護衛を全滅させれば、アッカドールを支配したキャバリアとの対決に移行するわけか」
「ですが、その為にもまずは無辜の民を保護しなければ」
 そう毅然とした表情で土御門・泰花(風待月の菫・f10833)は蒼き量産型キャバリア『ナインス・ライン』の機体に足をかけ、薙刀を構える。
「私はリーゼさんと連携して、「猊下派」の皆さんの保護に当たります」
「おう、任せた!」
『ほんじゃ、行きますか』
 そこに地籠・凌牙(黒き竜の報讐者・f26317)と『ナインス・ライン』の操縦者リーゼロッテ・ローデンヴァルト(リリー先生って呼んでよ・f30386)が土御門の声に応じ、式典会場へと突撃していく。
『コッチに洗脳された人が居ないか機内から選別・監視、っと』
「どうですか?」
『ちょっとジワジワ精神汚染は広がっているね。ただ、アタシ達の強襲もあって軽くになっているけれど』
 リーゼロッテと土御門が確認しているのは保護した『猊下派』の要人がアッカドール卿を洗脳したオブリビオンマシンの精神汚染が広がっていないかについて。
『この程度なら、ちょっとした心療用ミームエージェントを見せればすぐに根治出来るよ』
「そうですか、良かった……」
 そう呟き、土御門は式典会場の中央へと視線を向ける。
 そこには、今回のメリアグレース改革派蜂起事件に介入したワンダレイメンバーの内の男性陣が陽動を行っている。
「迅!そっちに行ったぞ!」
「応!助かったぜ!」
 あらかじめ迅のユーベルコードで改革派の護衛が式典会場にどのように配備されているかを把握しているのだ。
 そこから推察すれば護衛達がどのように連携を取ってこちらを追い詰めに来るかはある程度は掴めるというものであった。
「『【喰穢】希望を齎す黒き竜手(ファウルネシヴォア・サルヴァシオン)』」
 繰り出されるは穢れを喰らう黒き竜性を込めた一撃。
 それを以て『改革派』の精神汚染を凌牙は引き受けていく。
「おっと、言っておくがフレスベルクたち猊下派に根回しした上でこの撃墜式典を執り行ったそうだが……襲われたのは事実なんだから正当防衛だよなァ?」
「こんな街中で物騒なことするなよ。女の子たちの悲鳴なんて聞きたくないからな」
 睨みを利かせる凌牙と気障な言い回しの迅の言葉。それは『新兵器の火力不足による撃墜の失敗、及びそれによるメリアグレースの崩壊』と言う可能性を与えられた『改革派』の精神を焦りで炙っていく。
 その『改革派』が出した隙を狙って迅は残像を残すほどのスピードと軽業からのエアシューズでの蹴りで意識を落としていき、凌牙は穢れを引き受けるユーベルコードで浄化と同時に昏倒させていく。
『おーおー、派手だねぇ』
「頼もしい限りです」
 そうして二人の戦いぶりに感嘆の声を漏らすリーゼロッテと土御門。彼女たちは『猊下派』の精神汚染を取り除き、土御門のユーベルコード『召喚術『揚羽蝶』』によって呼び出した眉目秀麗に擬人化された揚羽蝶を護衛として避難を続けている。
「……これが、猟兵……フレスベルク猊下の他にもこのような埒外の異能を振るう存在がいるとは……」
『(ま、そんな奴らが最低でも数千人はいるんだけどね)』
 『猊下派』の要人が漏らした言葉に内心苦笑しながら、『ナインス・ライン』に保存した『アッカドール卿の域が掛かった賊の襲撃』と『新兵器の致命的な不備』をその要人へと渡すリーゼロッテ。
「これは……」
「その資料があればメリアグレースに点在する『改革派』の人々も離反し、『猊下派』に合流するでしょう」
『そういう事、火消しは火種を適切に消しながらやるものだしね』
「感謝する。これがあればメリアグレースの『改革派』を黙らせるのに十分だろう……どうか、お気をつけて」
 そう言ってリーゼロッテと土御門に敬礼をして『猊下派』の要人は退避していく。
 彼に任せておけば鎮圧後のメリアグレーズに内憂が生じることはないだろう。
『と、終わったようだねぇ』
「ええ、後は……」

 そう、後は――セルゲイ・アッカドールを狂わせたオブリビオンマシンを撃破するだけだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『アークレイズ・ディナ』

POW   :    孔壊処刑
【ドリルソードランス】が命中した対象に対し、高威力高命中の【防御を無視或いは破壊する掘削攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    ガンホリック
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【デュアルアサルトライフルとテールアンカー】から【実体弾の速射とプラズマキャノン】を放つ。
WIZ   :    パワーオブザ・シール
命中した【テールアンカー又は両肩部のアンカークロー】の【刃】が【生命力やエネルギーを吸収し続けるスパイク】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠リジューム・レコーズです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

カシム・ディーン
さて…ついに決戦か
「スピード勝負ができそうだね☆頑張るぞ☆」
高度には気を付けるぞ
殲禍炎剣で此処を燃やすわけにはいかねーしな

【情報収集・視力・戦闘知識】
その動きと構造から攻撃の動作と癖
戦い方の方向性を分析し把握

【属性攻撃・迷彩】
水光属性を機体に付与して光学迷彩で隠れ
水の障壁で熱源も隠蔽

UC起動
【空中戦】
殲禍炎剣の影響外の高度維持
【スナイパー・念動力】
念動障壁を展開しつつ念動光弾を砲撃兵装から乱射して蹂躙

更に三倍加速して
【二回攻撃・切断・盗み・盗み攻撃】
神速で距離を詰めてその勢いのまま鎌剣で切り刻み切断しプラズマライフルなどの武装の強奪を狙

之でも僕達
「手癖が悪いんだよ☆」

基本搭乗席は避けて不殺徹底



「さて……ついに決戦か」
 セルゲイ・アッカドールが乗り込んだオブリビオンマシン『アークレイズ・ディナ』を見上げ、自身もサイキックキャバリア『界導神機『メルクリウス』』に騎乗したのはカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)。
『スピード勝負ができそうだね☆頑張るぞ☆』
 『界導神機『メルクリウス』』――自我を持つサイキックキャバリアが暢気と愉悦を滲ませながらコックピット内に自身の音声を響かせる。
 それだけではなく、『アークレイズ・ディナ』は加速系ユーベルコードを有しているからか同じく加速系ユーベルコードを有しているメルシーには対抗心もあるようだ。
「高度には気を付けるぞ。殲禍炎剣で此処を燃やすわけにはいかねーしな」
『それは本末転倒だね☆』
 そうして、メルシーと『アークレイズ・ディナ』は加速系ユーベルコード――『神速戦闘機構『速足で駆ける者』(ブーツオブヘルメース)』と『ガンホリック』を起動させ、互いに迫っていく。
「セルゲイ、アンタも祖国は滅ぼしたくねーでしょう。『速度』は全力だが『高度』は地上スレスレ、で大丈夫ですね」
『……無論だ。メリアグレースを焼くわけにはいかんからな』
 瞬間、メルシーの不死者殺しの大鎌『BX鎌剣『ハルペー』』と『アークレイズ・ディナ』のドリルソードランスが鍔迫り合う!
 鋼と鋼がぶつかり合うと同時に舞い散る火花。それは音速を越えた速度によるソニックブームをも伴って式場を蹂躙していく。
「全く、住民を避難していて正解ですね」
『遺憾だがな。だが、ここで貴様らを無力化すれば更なる被害を抑えることが出来る』
「最初に言っておきますが、僕たちは無抵抗主義者じゃねーですよ?」
 そうコックピット越しににらみ合って、大鎌とランスがそれぞれの鋼の巨人の手によって振るわれる。
 刹那、デュアルアサルトライフルとテールアンカーからの実体弾とプラズマキャノンの速射と更なる三倍加速による超高速機動攻撃が繰り広げられていくのであった――

大成功 🔵​🔵​🔵​

緋薙・冬香
【生身の為ソロ希望】
あーもう面倒くさい
アレで終わりでしょ?
いいわ最後に暴れるとしましょ
条件は揃った、真の姿開放よ!

全力で叩きのめす!
【血統覚醒】で戦闘力強化
【スカイステッパー】で空中を蹴って
敵機体の周辺を高速立体機動
からの
脚にオーラ防御を纏って対衝撃対策
&高点からの飛び蹴り!
まだまだ!
敵機体と空を足場に四方八方から
攻撃回数重視の【魅せる脚】を叩き込んであげる!

ドリルソードランスなんてデカブツが私に当たるわけないでしょ?

トドメよ!
本邦初公開、まだ猟兵の誰にも見せたことのない
【血筋に刻む断ち切る氷】
巨大な氷の刃でコクピットブロックを狙い撃ち!
直撃させるわ!

あなたに私の動きが処理できるかしら!?



「あーもう面倒くさい。アレ……セルゲイの乗ったオブリビオンマシンで終わりでしょ?」
 そう気怠そうに呟くと同時、妖狐の如き金色の狐の獣人の姿……『真の姿』に変貌したのは緋薙・冬香(針入り水晶・f05538)。
「いいわ、最後に暴れるとしましょ……条件は揃った、真の姿開放よ!」
 全力で叩きのめす、と叫び迫り来るドリルソードランスに対して冬香が放つのは——虚実を交えてのフェイントを主体とした乱舞。
 敵機体の周辺を高速立体機動し、何の策もなく触れたら生命の埒外たる猟兵でも戦闘不能にはなるだろう鋼の質量を躱していく。
「ドリルソードランスなんてデカブツが私に当たるわけないでしょ?」
 それはまるで、かの七大海嘯『邪剣』ピサロ将軍の『八艘飛び』の如く高速機動を見せ、魅せる冬香。
「まだまだ!これからが本領発揮よ!」
 そこに更なるダメ押しを入れる冬香。莫大な加速によって威力を高めた蹴撃――360度前方から百を超える数叩きつけていくその攻撃が『アークレイズ・ディナ』の機体に罅を入れていく。
「『緋は氷なりて、私はカタチあるを薙ぎ、伏せるモノなり。顕現せよ……!』」
 止めとして自身の新たなる異界法則(ユーベルコード)の詠唱を黄金の狐は唱えていく。
「本邦初公開、まだ猟兵の誰にも見せたことのないユーベルコード……あなたに私の動きが処理できるかしら?」
 あふれ出すは、命無き万有を凍結させ、斬滅していく絶対の冷気――それで形作られた刃。
「――『血筋に刻む断ち斬る氷(ヒナギ)』」
 そのユーベルコードは『無機物だけを斬り裂く絶対零度の氷の刃』で敵を切り裂く切断系ユーベルコード。
 それは、キャバリアと対峙する戦闘――現在において絶対の相性差をここに魅せる事になる。
「フィナーレ、という事ね」
 巨大な氷の刃がコクピットブロックを狙い撃ちし、オブリビオンマシンの動きを止めるのであった——

大成功 🔵​🔵​🔵​

土御門・泰花
【ワンダレイ】※アドリブ歓迎

(いよいよ最終局面ですね。アッカドール卿を生かしたままでの撃破ですか……。)

仲間たちの後方、敵からの死角に入るように【忍び足】で位置取り、UCを矢継ぎ早に皆さんへ放ってまずは攻撃力強化を。
リーゼさんと迅さんの乗るキャバリアにも攻撃力強化の為に放ちます。
その後、皆さんの負傷具合や敵との戦力差に応じてUCを使用。

敵からの攻撃は【早業】と【軽業】を活かしてふわりとかわし、【式神使い】として式神の白揚羽や黒揚羽で【カウンター】攻撃。
至近からなら薙刀にて【武器受け】で受け流し【カウンター】攻撃。
死角に潜む敵を見つけたら式神の黒揚羽で【暗殺】を試行。


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【ワンダレイ】【POW】
※アドリブ歓迎、別称を好む
※『ナインス・ライン』搭乗中

アレのパイロットは卿だっけ?部下?
ま、誰にせよココで殺すと後々のツッコミ所だし
極力中身は傷つけないように叩き潰さないとね

そこで凌牙さんの竜が惹きつけてくれてる間に、
【ロゴスイグニッション・ウィザード】の準備を…
お、キャバリアの調整も可能な護符?
泰花さん、活用させてもらうよっ

肩のミサイルで牽制攻撃しつつ
一挺の『スカベンジャー』を機体の両手で構えて
『マトリクス・メモリ』の力をフルチャージ
後は迅さんのアシストに合わせて撃つっ

コイツがぶち抜くのは「悪事の発生源」
…今回はオブリビオンマシンの中枢だけさ
さぁ、アンタの咎を示しなっ


地籠・凌牙
【ワンダレイ】アドリブ歓迎
リーゼロッテはリリー先生、あとは名前呼び捨て

破壊するのはまず中のパイロットを救出してからだが、ちょいと攻撃が激しいな。
キャバリアでも直撃したらヤバそうだ……ここは俺が何とかするか!
【指定UC】で黒竜を召喚して盾にしながら攻撃を【おびき寄せ】るぜ!
こいつは"穢れ"の温床だ、不運に直結する事象を自然と集中させる。
当然俺にも攻撃が及ぶが、それは最悪致命傷だけ【見切り】で回避できりゃいい。他は【武器受け】か【激痛耐性・継戦能力】でやり過ごす。

で!
俺への攻撃に気を取られている間を狙い回避と見せかけた【フェイント】からの【怪力】任せに【スライディング】!
その足下掬ってやるぜ!


知富・迅
【ワンダレイ】の皆と参加

『過去の亡霊が暴れ回られても困るンでね。女性達に被害が出る前に大人しく眠りにつきな!』

聖霊起動で天嵐葬覇は聖霊《ジン》に任せて、敵の上空から仲間と連携しつつ牽制を頼むぜ。

泰花から天嵐葬覇への強化は有難く頂くよ。

俺は念の為、逃げ遅れが居ないかをエアシューズで駆け抜けて確認するな。

その後は天嵐葬覇の聖霊兵器と、俺の高速詠唱から全力魔法による風の属性攻撃による連携を行うぜ。

防御は天嵐葬覇はオーラ防御と、俺は瞬間思考力で思考を加速して残像を残すようなスピードで回避する。

凌牙が足を掬ったタイミングに攻撃をあわせて、リリー先生のフルチャージ攻撃へのアシストするよ。

アドリブ歓迎


セレーネ・ジルコニウム
「いよいよ逆賊セルゲイが姿を現しましたね。
すでに避難勧告と威嚇砲撃はおこなっています。
あとは――殲滅するだけです。
ストライダー、超重力波砲発射準備!」
『超重力波砲、発射シーケンス。本作戦に対する正当性を検証。第十六代教皇フレスベルク・メリアグレースからの正式な依頼であること、および、放置した場合『メリアグレース聖教皇国に甚大ではない被害を加える』という予知を確認。超重力波砲の発射を許可する』

ストライダーのAIの認証を経て、街一つを消し去る威力を持つ超重力波砲をセルゲイに向かって発射します。

「メリアグレース聖教皇国にも被害が出るのは避けられませんが――
これもフレスベルク猊下の意志による依頼です」


鍋島・小百合子
WIZ重視

国を屠らんとする悪を許さぬ心に天運が味方した!
今こそ勝鬨を上げるときぞ!

「爪に当たらねばよいだけの事・・・懐より押して参る!」
UC「煙人間変化」発動にて己の体を煙状に変えていき、
煙体の姿で縦横無尽に動き回っては敵きゃばりあの懐を攻め入るように立ち回り
敵にこちらの攻撃意図を察せられないように一撃おきに攻撃方向を変えていく
煙体を利用して敵の攻撃を見切りつつ、薙刀で敵きゃばりあの肩と尻尾に付いた爪を切り落としていく(なぎ払い、乱れ撃ち、鎧砕き、部位破壊併用)
爪を全て落とせれば次は腕→脚の順で敵きゃばりあの攻撃能力を完全に奪うようにし、中の者に降伏を勧告す
裁きを下すはこの地を治める者のみぞ



「(いよいよ最終局面ですね。アッカドール卿を生かしたままでの撃破ですか……)」
 緊張した顔つきで土御門・泰花(風待月の菫・f10833)はアッカドール卿が騎乗している『アークレイズ・ディナ』へと視線を向ける。
「アレのパイロットは卿本人か。ま、どっちにしろココで殺すと後々のツッコミ所だし、極力中身は傷つけないように叩き潰さないとね」
 そこへ声をかけたのは、蒼き量産型キャバリア『ナインス・ライン』の主たるリーゼロッテ・ローデンヴァルト(リリー先生って呼んでよ・f30386)。
「リーゼさん、これを……」
「お、キャバリアの調整も可能な護符?泰花さん、活用させてもらうよっ」
 量産型キャバリアに施されるは、無機物と生命体を治癒し攻撃力も強化する符。
 それを張られた『ナインス・ライン』は量産型の枠を超えた機体性能を発現させていく。
「リリー先生。破壊するのはまず中のパイロットを救出してからだが、ちょいと攻撃が激しいな」
 そんな能力が上昇した『ナインス・ライン』の兵器を起動させようとするリーゼロッテに地籠・凌牙(黒き竜の報讐者・f26317)が注意の言葉を向ける。
「キャバリアでも直撃したらヤバそうだ……ここは俺が何とかするか!」
 彼が発現させるユーベルコードは自身の身長の二倍の体躯を誇る『喰らった穢れを固めて作られた黒竜』。
 そして、素体となる穢れは先程の戦況で十分に補充してある。
「成程、これなら一先ずは何とかなりそうだ。過去の亡霊が暴れ回られても困るンでね。女性達に被害が出る前に大人しく眠りにつきな!」
 最後に、気障に知富・迅(破邪の疾風・f33576)が告げると同時にワンダレイメンバーはアッカドール卿との闘いに挑む。

「いよいよ逆賊セルゲイが姿を現しましたね。すでに避難勧告と威嚇砲撃はおこなっています。あとは――殲滅するだけです」
 毅然とした表情で機動戦艦ストライダー【ワダツミ級強襲揚陸艦】に搭載された兵装を用いるユーベルコードの準備を整えるのは、セレーネ・ジルコニウム(私設軍事組織ガルヴォルン大佐・f30072)。
「国を屠らんとする悪を許さぬ心に天運が味方した!今こそ勝鬨を上げるときぞ!」
 その【ストライダー】の甲板に立つは、肉体変容ユーベルコードを使って自身の肉体を煙へと変換させた鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)の姿。
「セルゲイ・アッカドールを放置した場合、メリアグレース聖教皇国に甚大でない被害が及ぼされるとの事は既に証明されています。後は、それを阻止するだけです!」
「その通り、敵の力は爪に当たらねばよいだけの事……懐より押して参る!」
 そうして、最終調整の完了と共に放たれる戦略級の威力をもつ超重力波砲の全力射撃と共に、薙刀を構えた小百合子が時速500㎞を超える煙の体で突貫していった。

「うわ、すっげー攻撃……」
「凄いのは威力より精密制御性さ。射撃の被害を式典内だけに納めているのさ」
 放たれた『超重力波砲(グラビティ・キャノン)』の掃射に放心する凌牙に声をかけるはリーゼロッテ。
『ワンダレイの皆さん、超重力波砲の余波には気を付けて下さい。精密な調整を行って放射を行っていますが弾道が外れないとも限らないので』
「分かりました。近距離戦においてはこちらに任せてください」
「ああ、頼りにしているぜ!」
 セレーネの通信に土御門と迅が応え、超重力波砲の援護射撃を利用しながら合流した小百合子と共にアッカドール卿が乗り込んでいる『アークレイズ・ディナ』の対応にワンダレイメンバーは移る。
「先ほども言った通り防御は俺に任せろ!」
 そう叫んで黒竜と共に仲間の盾となるのは凌牙。彼のユーベルコードは仲間を助ける事に特化しているモノが多い。
 つまりは『護り』に長けた猟兵と言え、所謂タンク役を担うのは当然と言えるだろう。
「『聖霊起動(アクティベーション)』!!」
 そこへ、迅が召喚型ユーベルコードを用いて契約した聖霊を呼び出していく。
 彼のキャバリア【天嵐葬覇】は件の暴走衛星の撃墜コマンドを起動させないよう慎重に立ち回りながら上空から仲間の支援を行っている。
「俺は念のため逃げ遅れた人がいないか見回ってくる……その人がカワイ子ちゃんの可能性も否定できないだろ?」
 そう伊達男の雰囲気を醸し出し、エアシューズで式場の周辺を駆け抜けていく。
「さーて、アタシ達レディの動きにもご注目♪」
「リーゼさん、お供します」
 そこに、肩に土御門を載せて『ナインス・ライン』が突撃していく。
 構えるのはキャバリア主腕・左手用大型ビームマシンガン『BS-804LW-LEX スカベンジャー』。
「こいつに、泰花さんのユーベルコードの効果を適用させる……」
「――『治癒符・荒療治【改】』」
 瞬間、銃口から放たれるビームはオブリビオンマシンの堅牢な装甲をいとも容易く撃ち抜いていく。
「さて、追撃しますか」
『マトリクス!!』
 コックピット内で機動するのは、『発生源』の記憶を内包する『マトリクス・メモリ』。
「コイツがぶち抜くのは「悪事の発生源」……今回はオブリビオンマシンの中枢だけさ」
 そこに、煙と化して速度を上昇させた肉体を以て突貫する小百合子が攻撃を合わせていく。
「わらわが【爪】を切り落とす!本丸は任せて貰っても良いな!?」
「OK、あの騎士さんに最も効果的な攻撃は準備してあるからね」
 瞬間、小百合子の愛刀たる薙刀【竜王御前】の一閃が奔ると同時、『アークレイズ・ディナ』のテールアンカー及び両肩部のアンカークローが切断される。
 それを受け、アッカドール卿は一旦体勢を整えるべく退こうとするが——
「逃がしませんよ、セルゲイ・アッカドール。この式典会場の上空は、私が支配している事をお忘れなきよう」
 それを封じるべく、ストライダーから超重力波砲の全力射撃がオブリビオンマシンを打ち据えていく。
「さぁ、アンタの咎を示しなっ」
『マトリクス!マトリクス・ロゴスイグニッション!』
 そこを逃さないと言わんばかりに放たれる「悪事の発生源」……即ち、オブリビオンマシンの中枢のみを破壊する『マトリクス・メモリ』を用いたリーゼロッテの特殊光弾が『アークレイズ・ディナ』を貫く。
「……ブレイクできなかったか。まぁ、あれだけボロボロなら誰かが止めを刺すのに問題は起きないか」
 ……左腕を盾としてリーゼロッテの一撃を逃れたアッカドール卿。
 彼は掴んだ隙を活用し、オブリビオンマシンのブースターを吹かして戦線から離脱していく。
「最後に一つ言っておく」
 その背後に語りかけるのは小百合子。
「裁きを下すはこの地を治める者のみぞ。それを心得るのだな」
 言葉を投げつけた後、小百合子は踵を返して他の五人の猟兵と共に撤収していくのであった——

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フィオナ・ウンベカント
おっと、ようやく主役の登場かな?はじめまして、アッカドール卿。
けれど式典はもうお開きだ、おとなしく投降…と言って聞き入れる雰囲気じゃあなさそうだね。
こちらもジークヴァルトに搭乗し迎え撃つとしよう。

ホーミングレーザーとカーバンクルで牽制しながら、接近戦に持ち込むとしよう。
そしてあの機体、もしくはランスを持つ腕にサイコキネシスを放って拘束し、腕とランスを切り落とす。
ランスがなければこっちの物。反撃はオーラ防御で防ぎつつ畳み掛けてやろう。

アッカドール卿、貴方はこの戦いで一度死にました。
これからは生まれ変わったと思い、真に国の為に尽くして下さい。
教皇はそう仰せになるんじゃないかな。知らないけど。


ワタツミ・ラジアータ
敵に話しかける
とある世界に伝わる玉座の上に髪の毛で吊るされた剣のお話をご存知ですか?
殲禍炎剣に似ておりますわね

【WIZ】
耐久戦
UCにより土地を浸食
アンカーで自身と敵を固定
土地から鉱物、エネルギーを吸収
鉱物は敵と土地にばらまくミサイル
エネルギーは吸収対策
時間をかけるほど浸食領域は拡がる

【抜けなくなる】為、相手を浸食し尽くすのが先か、土地が枯れるのが先かの耐久戦

土地の損壊はオブリビオンの目的に合致、
土地を護る乗り手の意思が反発で正気に戻るかもしれない
目的は敵の打倒、彼等の正気はどうでもいい

先程の逸話ですが、ダモクレスの剣と言うそうですわね
だからなんだ、ではありますけれど

残骸蒐めて冥府に創る侵略機海



 ――退避していくアッカドール卿のオブリビオンマシン。
 その前に立ちふさがる猟兵は二人。
「おっと、ようやく主役の登場かな?はじめまして、アッカドール卿」
 丁寧に礼をしてサイキックキャバリア『ジークヴァルト』のマスターたるフィオナ・ウンベカント(マスター・オブ・ジークヴァルト・f21922)はアッカドール卿に語り掛け、
「とある世界に伝わる玉座の上に髪の毛で吊るされた剣のお話をご存知ですか?殲禍炎剣に似ておりますわね」
 ワタツミ・ラジアータ(Radiation ScrapSea・f31308)は異世界の知識を以て皮肉を告げる。
「式典はもうお開きだ、おとなしく投降……と言って聞き入れる雰囲気じゃあなさそうだね」
「先程の逸話ですが、ダモクレスの剣と言うそうですわね。だからなんだ、ではありますけれど」
 その言葉に、アッカドール卿は応えを返さない。
 ただ、ドリルソードランスを二人に差し向けるのみだ。
「――『GearOrgan・ScrapSea(ハグルマキコウ・シンリャクキカイ)』」
 最初に切り込んだのはワタツミ。全て物質を金属材料化させる金魚型ミサイルを撃ち込み、それを回避したオブリビオンマシンを地形を食らう白銀の浸食金属で覆い尽くしていく。
「(土地の損壊はオブリビオンの目的に合致、土地を護る乗り手の意思が反発で正気に戻るかもしれない……)」
 あくまで最優先はオブリビオンマシンの操縦者の鎮圧。正気自体は二の次だが、それに訴えかける事で鎮圧がスムーズに進むというなら試さない手はない。
「相手を浸食し尽くすのが先か、土地が枯れるのが先かの耐久戦。さて、どうしますの?」
 その言葉を聞いて、アッカドール卿の乗るオブリビオンマシンは震えて――
「アッカドール卿、貴方はこの戦いで一度死にました」
 そこを、『ジークヴァルト』の一閃が『アークレイズ・ディナ』のコックピットを除いた中枢部を切り裂いていく。
「これからは生まれ変わったと思い、真に国の為に尽くして下さい。教皇はそう仰せになるんじゃないかな。知らないけど」
 そうして、コックピットから這い出てきたアッカドール卿は呆然自失としながらもただ、空を見上げて立ち尽くしていた——

「……アッカドール卿の処置は?」
「謹慎で済んだようだ。手に入れたクロムキャバリアに悪性の洗脳プログラムが仕込まれていたらしい」
「成程な……しかし、なんでそんなキャバリアがこの国の副団長に宛がわれたのだ?」
 そう呟くは、猊下派の大司教と騎士長の二名。
 心神喪失が認められたアッカドール卿。その事実が告げられた結果、彼を非難するものは少なかった。

 しかし、最後の謎としてあのオブリビオンマシンはどうやってアッカドール卿の手元へとやって来たのか。
 それを語るのは今ではない……

 今は、一つの国が偽りの希望で滅ぼされなかった事。
 それを喜ぼう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年06月16日


挿絵イラスト