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昼星夜影

#封神武侠界

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#封神武侠界


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●グリモアベース:予知者、白鐘・耀
「戦争も無事終わったところ悪いんだけど、封神武侠界で戦争を止めてほしいの」
 文学少女めいた装いの少女は、しかし勝ち気そうな様子で言う。
「ああ、といっても今回は人界での話。ま、小国同士の小競り合いってところね。
 それが普通の戦いなら、私たちがわざわざ介入する理由はどこにもない。
 ……って言えばわかるわよね? これ、オブリビオンが暗躍してるのよ」
 ぶつかり合う国は、それぞれ小蔡(しょうさい)と虢(かく)という名を持つ。
 中国大陸は非常に広いため、こうした諸侯の国はそこら中にあるのだ。
 耀いわく、そもそもの開戦理由自体がオブリビオンの陰謀によるものらしい。
「天下を統一する最強無敵の武術書の所在を巡って……ってとこらしいわ。
 その名も「昼星夜影(ちゅうじょうやえい)」ですって。ナメてるわねー」
 昼の星、夜の影。
 それらは見えないもの――いや、存在しないといっていいものだ。
 あえてこの名を冠したオブリビオンの底意地はなかなかのものである。
 しかし噂は悪事と同じで千里を駆けるものか、両国は完全にデマにやられた。
 互いに互いが「かの国に武術書があるはず」と盲信し、争い合っている。
「まあ、オブリビオンのなんかの力で、少なからず正気を奪われてるんでしょうね。
 だからあんたたちには実際に両国がぶつかるところへ行ってもらいたいわけよ。
 まずは立ちはだかる武侠どもを蹴散らして、オブリビオンの配下を叩きのめす。
 そうすれば向こうから出てきてくれるでしょうから、それをとっちめて頂戴」
 オブリビオンの陰謀が明らかになれば、どちらともなく手を引くことになる。
 すでに流れた血は拭えないが、そこは猟兵の関与するところではない。
「こんなバレバレな嘘を流布するような手合いだし、ロクな相手じゃないわ。
 多分だけど、武術書に惹かれて集まった強者を虐殺するつもりなんでしょ。
 てことは、総大将はそれだけの腕自慢なわけね。油断すると危ないわよ?」
 そう言って、耀は火打ち石を取り出した。
「あっちの戦争が終わればこっちで戦争。私たちって忙しいわねえ」
 送り出す立場が言えた台詞ではないが、とにかく転移は始まった。


唐揚げ
 うるち米です。大祓百鬼夜行、お疲れさまでした。
 と言いつつ新たなシナリオは人界の戦争を止めるというもの。
 デマに踊らされる武侠たちを正気に戻してあげてください。

 本シナリオはだいたい2日刻みで受付と執筆を交互にやってくつもりです。
 なのでこのシナリオが承認されてから、2日後の朝が受付期限となります。
 その時点でプレイング数が足りてなければ、足りるまでです。
 そんな感じでよろしくお願いします。カンフーしていきましょう!
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第1章 冒険 『立ち塞がる武侠達』

POW   :    圧倒的な力量差で武侠達を倒し、無力化する

SPD   :    逃走するふりをして武侠達を引き付ける

WIZ   :    説得や取引で武侠達を味方につけようと試みる

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●プレイング受付期間について
 マスターコメントにある通り、6/2の朝(9時前後ほど)まで。
 その時点でプレイング数が章完結に足りてなければ、足りるまでとなります。
●封神武侠界:永分河
 曰く、かつて小蔡と虢はひとつの国家であったという。
 だが愚かなる君主のもと国は乱れ、争いが続き、やがて国は割れた。
 それぞれの国に落ち着いた人々は、ひとつの河を境として国土を定めた。

 それが、戦場に横たわる巨大な「永分河」である。
 長い間、この河を渡るのは交易商や旅人に限られていた。
 肥沃な土地と豊富な資源ゆえに、両国は争う必要がなかったからだ。

 だが、今は違う。
「虢の者ども何するものぞ! 我らの武功見せてくれん!」
「小蔡のうつけ者どもめが……その愚行の報いを味わわせてくれる」
 両国の擁する達人武人が河を越え水を渡り、矢を剣を気を飛ばし相争う。
 これもすべてはオブリビオンの陰謀。彼らが愚昧とは言い難い。
 何処かに潜む悪漢どもを引きずり出すため、まずは戦場をかき乱すべし。
 名を轟かす武侠どもを相手に回し、いざ大立ち回りの始まりだ!
ラファエラ・エヴァンジェリスタ
嗚呼…嫌だ
ありもしないものに踊らされ、正気をなくして気の毒に
いっそ僅かに残る正気さえ手放してしまうのが良いだろう
…無論、悪いようにはしないから

愛馬Tenebrarumに騎乗し、戦場に立つ
両軍入り交じる辺りまで駆けてUC使用
「囀るな。誰の御前に居ると心得る」
悪のカリスマと誘惑の技能を発揮

さぁ、敵味方入り乱れて争うと良い、死なぬ程度に
何人かは操って私の近衛代わりを務めさせようか
此処はあまりにも物騒だし、猛り狂う人間というのは正直怖い

悠然と馬を歩かせながら、「黒薔薇忌」を振り鳴らして、怨霊たちに戦場を荒らさせる
流れ矢その他は従えた者たちに防がせたり、黒い茨の様に顕現させたオーラ防御を用いて身を守る



●音量、跳梁跋扈す
 武侠達人ひしめく戦場に、とても似つかわしからぬ黒い影がひとつ。
「女だと……?」
 然り。それは、葬送の如き黒衣とヴェールを纏う美女であった。
 互いに憎み合う武侠どもをして、つかの間心奪われるほどの色香。
 ラファエラ・エヴァンジェリスタはそんな両軍を見渡し、悩ましげに嘆息する。
「嗚呼――厭だ」
 ラファエラは嫌悪と呆れの入り混じった声音で、頭を振った。
「ありもしないものに踊らされ、正気を失くして気の毒に……」
「何を? 我らを誰と心得るか、女ッ!」
 何気ないその呟きと高慢な態度――彼女は馬上にある――に、達人が憤った。
 するとラファエラはふん、と鼻を鳴らし、こう言い返す。
「囀るな。誰の御前に居ると心得る」
「な……!?」
 あまりの不遜な物言いに、口答えした達人は言葉を失うほど。

 そしてすぐに、すべての武侠たちが、同じようになった。
 その色気とカリスマが、彼らを電撃めいて打ち据え、黙らせたのだ。
「拝謁を許す――面を上げよ」
 たまらず叩頭した面々に、ラファエラは魅惑的な声音で言った。
 男たちは顔を上げ、女王の慈悲を待つ。もはや一片の正気もなし。
「何、悪いようにはしない……さあ、敵味方入り乱れて、争うがいい」
 ラファエラは何人か腕のタチそうな武侠を見繕い、近衛の代わりとした。
 その実、彼女は軍がぶつかり合う戦場の物騒さに辟易していたし、恐怖もしていた。
 だが、もはやあたりの武侠どもは、その一声に従い命すらも投げ出すだろう。
「怨霊どもよ。存分に戦場を荒らせ」
 鳴り響く鈴の音がこの世ならぬ者どもを呼ばい、たちまち跳梁が始まる。
 そのなかを、ラファエラを乗せた青鹿毛の名馬は悠然と歩く。
 まさしく、女王の行進。あるいは、この世ならぬ亡霊の戦列か。
「言うまでもないが、死なぬ程度にな。貴殿らには、死なれては困るのだ」
 もはやどちらの軍もない。男どもは倒れるまで戦い続けるだろう。
 蹄のあとには黒い茨がはびこり、ここが誰の領土かを教えていた。
 これこそまさに、死せる魔女の美貌と魅惑がもたらす、跳梁跋扈である。

成功 🔵​🔵​🔴​

夜鳥・藍
武術とかあまり興味はないんです。
確かに一騎当千とは言いますが、戦争はただ一人ですべてをひっくり返せるものではないでしょう?それがいくら超弩級戦力と言えども。
それに最強無敵の武術書を得て、複数の最強無敵が生まれたとしても、それは矛盾を生むのではないのかしら。

念動力で自身を浮かし空を飛び、上空から鳴神をそれぞれの川岸に飛ばし、それぞれその場に竜王召喚、雷撃を落とし適度に威嚇して貰いましょう。
真の姿(光の翼と顔を覆うベール)であればもう少し威嚇できたでしょうか?
小競り合いがあるとはいえ、帝の名のもとの平安を過ごしてきた私にはあまりこの争いの意味が解らないのですが。



●争いの意味
 サクラミラージュという世界において、「戦争」は遠い過去となって久しい。
 700年という平穏の月日は、民から戦争の記憶を忘れるに充分すぎた。
 その裏で小競り合いが起きていたとしても、世界統一の意味は大きいのだ。

 ゆえに夜鳥・藍には、武侠達人たちの争う意味がとんとわからない。
 そも武術にも疎い彼女からすれば、最強無敵の武名の魅力も見当がつかぬ。
「戦争は、ただひとりですべてをひっくり返せるものではないでしょうに……」
 冷静な声音には呆れがあった。その身体が、ふわりと浮かび上がる。
「そんな理解できない行いで、民草の血を流すというのは見過ごせません。
 なによりこれはすべてオブリビオンの謀……少し、脅かすとしましょうか」
 ちょうど永分河の上空に浮かんだ藍は、当然両軍の注目を惹く。
「何者か!?」
「貴様、どちらの軍の味方だ? 我々か、あちらか!」
 双方の軍から、同時にこういった声が上がるのもむべなるかな。
 敵意と猜疑心に満ちた様子を、藍は冷たく見下ろし嘆息した。
「どちらの味方でもありません。が、敵でもありませんよ」
「何をわけのわからぬことを……」
「あなたがたの争いを止めに参りました。もしも従わぬというなら――」
 ――ガガァン!! と、天を揺るがす壮絶な稲妻が、地を割った。
 藍の念動力で浮かぶ三鈷剣に、嵐の王たる竜王の雷撃が炸裂したのである。
「「「こ、これはっ!?」」」
 オブリビオンの企みに目がくらんでいるとは言え、彼らはれっきとした達人だ。
 満ち満ちる竜王の力の凄まじさは、その一撃だけで理解できた。
「正直、私はあなたがたがそこまで一騎当千、最強無敵に憧れる理由が解りません。
 それでもなお戦うというのであれば、私が今この場で相手をします。
 痛い目を見たくないのであれば、どちらも兵を退けてください。……答えは?」
 達人たちは唸りつつも、力の差を理解し、その言葉通りにした。
(真の姿であれば、もう少しスムーズにできたかもしれないけれど……)
 ひとまず彼らが意を汲んでくれたことはたしかだ。
 無用な戦いによる流血は、ここでまたひとつ避けられたのである。

成功 🔵​🔵​🔴​

ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
本当に無敵の武術書なんて相手の国にあったら、
そもそも戦って勝てるわけないと思うんだけどねえ。
まあ、さっさとオブリビオンを倒して、正気に戻すとしようか。

さて、戦場は川の上か。
移動は水の上を走ればいいとして、
まあ適当に殴って気絶させていけばいいかなあ。

【無影瞬撃】で格闘能力を強化、飛び道具は見切って避けながら突っ込んで、
一応拱手で挨拶しつつ手あたり次第殴り倒していこうか。
倒した相手が気絶して川に落っこちそうだったら、
岸かその辺の船に投げつけて救助しよう。

強い相手と戦いたいなら、最初から猟兵の前に現れればいいのにねえ。
まったく、面倒な話だよ。



●その一撃、影さえ見せず
 武侠たちが気を込めて矢を放つと、それは空中で無数の鏃に分裂する。
 まさしく雨あられ、本物以外は気で作られた矢に過ぎぬが、威力はもちろんある。
 ストトト! と地面に突き刺さる矢を軽功で駆け抜け、達人がぶつかり合う!
「あーあ、派手にやっちゃってまぁ。どっちの武侠もろくでもないねぇ」
 ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストードは嘆息し、両軍のど真ん中に飛び込んだ。
 強化された格闘能力でもってすれば、河の水面を蹴り渡ることなど容易い。
「ぬうっ! 小蔡の新手か!? なかなかの内功と見た!」
 矢と気剣と秘刄飛び交う戦場、ペトニアロトゥシカの前に割って入る男あり。
「ん? いや、あたしはどっちってわけでもないんだけど、まあいいか」
「この戦場に立つ、すなわち昼星夜影を求める強者と見たり。ならば敵よ!
 我こそは天凌拳が免許皆伝、人呼んで"血咲梅花"劉・孟明! いざ、勝負!!」
「あーはいはい、自分から二つ名名乗るなんてまたフラグ立てるねえ」
 ペトニアロトゥシカはけだるげに拱手で挨拶をし、一応の礼を払った。
 そこへ襲いかかる血咲梅花。その名の由来は、槍で串刺しにされた獲物の最期だ。
「シャアアッ!!」
 巧みな短槍さばきから繰り出される刺突は、狙い過たず獲物の心臓を貫く。
 あまりの鋭さに、まるで銃弾で撃たれたかのように血肉は背中から爆ぜる。
 そのさまが「血の梅花が咲いたかのようだ」ということでついた二つ名である。
「なるほど、槍使いか――まあ、そこそこ強いんだろうけどさ」
 その刺突を、ペトニアロトゥシカは見切り、手の甲を柄に添わせいなした。
「なッ!?」
「オブリビオンなんかに操られて、こんなとこで無駄骨折ってるんじゃあ、ねッ!」
 そして柄に添わせた拳をまっすぐ突き出し、血咲梅花の顔面を殴り飛ばす!
「ぐふぉっ!?」
「はい、もう一丁」
 敵がのけぞったぶん半歩踏み込み、もう片方の拳を腹部に叩き込む。
 当然力加減は調節されている。本気で殴っていれば一撃目で死んでいるはずだ。
 みぞおちに拳を叩き込まれた武侠は、くの字に折れ曲がって吹っ飛んだ!
「なっ、あの"血咲梅花"が、たったの一合で!?」
「あの女、何者だ……さては武術書を簒奪せんとする盗人か!」
 両軍の武侠はいろめきだち、狙いをペトニアロトゥシカに絞る。
 降り注ぐ飛び道具をかいくぐり、ペトニアロトゥシカは乱戦に突入した。
「本当に無敵の武術書があったら、相手の国に勝てるわけないだろうにさぁ。
 まあでも、強い相手と戦いたいっていうなら、面倒だけと相手してあげるよ」
 矢を手折り気剣を砕き、ペトニアロトゥシカの剛拳が唸りを上げる。
 その疾さ、まさしく無影瞬撃。韋駄天めいた勢いで武侠は蹴散らされていく!
「な、なんという素早さ……! 影さえも、見せぬ、とは……ッ」
 いずれも名のある武侠とて、修羅場をくぐり抜けた猟兵の敵ではない。
 一通り片付け終えると、ペトニアロトゥシカは首を鳴らして次へと向かった。

成功 🔵​🔵​🔴​

陽殿蘇・燐
ああ、なんということ。こんなことならば、悪女をする甲斐も価値もないわ。
私が悪女をするなら、健全なる国があってこそだもの。オブリビオンは好きではないしね。

さて、武侠の皆様は騙されているだけとのこと。
目指すは不殺ね。…私を倒した主人公みたいだけれど、まあいいでしょう。

『芭蕉扇』以外、目立った武器がないと油断を?ふふ、その目は節穴ね。
主人公の方がよっぽど…いえ、何も。
『烏揚羽』で高速移動を可能に。『紋黄揚羽』で『麝香揚羽』の幻惑属性増幅させて惑わしいくわ。
それでも向かってくるのならば、『紅紋揚羽』で超重力発生させて押さえつけるわね。

以上、UCによって全て生配信よ。見てるかしら?(大半は原作ファン)



●悪女の出番
「ああ、なんということ……これでは悪女をする甲斐も価値もないわ」
 名のある達人武侠が相争うさまを見て、陽殿蘇・燐は悩ましげに嘆息した。
 悪女というキャラクターを付与された電脳存在である燐にとって、
 悪女であるということは生き様そのもの、いわばアイデンティティである。
 健全なる国と良識ある民がいてこそ、悪女は映えるというもの。
 オブリビオンに国を乱されては、せっかくの毒婦の出番もなくなるのだ。

「目指すは不殺……だなんて、私を倒した主人公みたいだけれど」
 いよいよ悪女らしからぬ仕事に嘆息しつつ、燐は芭蕉扇を取り出した。
 風雨雷雲を呼ぶ力ある器物……が、それだけでは達人相手にはいささか心もとない。
「なんだあの女は、たかが扇ひとつで我らと戦うつもりか?」
「ずいぶんと見くびってくれる。我らを甘く見るなよ!」
 どちらの軍も燐をせせら笑い、完全にナメきっていた。増上慢というやつだ。
 そんな嘲りの言葉にも、燐は不敵で美しい笑みを浮かべるばかり。
「ふふ、その目は節穴ね――こういうことも出来るのよ」
 燐の背中から揚羽の羽根が生え、ふわりと風に乗って空を飛んだ。
 さらに空から芭蕉扇を振るうと、二つの色持つ揚羽たちが羽ばたき現れた!
「ぬうっ!? なんと、妖術使いか……これ、は……」
 気付いたときにはもう遅い。風に乗って撒かれた薫りは麝香である。
 紋黄揚羽の輝きで強化された麝香の幻惑は、たちまち武侠どもを虜にした。
「主人公のほうがよっぽど……いえ、これは仕事に関係ないわね」
 燐は嘆息し、まさに天女のように空を舞って幻惑の薫香を振りまく。
 あれだけ勇んでいた達人どもが、病人めいてよろめき片膝を突く始末!
「おのれ惑わしの妖女め、その手は喰わぬわ!」
「ふうん、少しは骨がありそうなのもいるのね……」
 薫香を吸わぬよう風上に立ち回る達人を見て、燐は妖しげに笑った。
「けれど、私の揚羽の力がこの程度だと思わないことね」
 指先にゆらりと現れた紅紋揚羽の羽ばたきが、超重力を発生させる。
「なあっ!?」
 達人の周囲数メートルが、見えないハンマーで殴られたようにめきりと歪んだ。
 地面を陥没させるほどの超重力を浴びては、戦うどころの話ではない。
「――とまあ、この通り鎧袖一触よ。みんな見てるかしら?」
 燐は揚羽型撮影ドローンに、ふりふりと手を振ってみせる。
 コメントは一気に加速! 燐は満足げに微笑み、羽根を羽ばたかせて次の戦場へと飛んでいった。

成功 🔵​🔵​🔴​

劉・涼鈴
なんとか真経を巡って色んな勢力が~ってやつだね!

【覇気】に満ちた【大声】で【存在感】を示すぞ!
私は涼鈴! 劉家の涼鈴!!
有象無象が最強無敵の武術書を欲しがるなんて、ちゃんちゃら可笑しいったらないね!
悔しかったらどっからでもかかってこーい!(挑発・パフォーマンス)

覇王方天戟をぶん回して突撃だー!
【なぎ払って】【蹂躙】だ! おりゃー!

【怪力】で戟を地面に叩き付けて【グラウンドクラッシャー】!!
【ぶっ飛べ】ー! どっせぇーい!!

それなりに腕の立つやつは戟で打ち合って【見切って】【受け流し】!
鍔迫り合いの至近距離から拳を叩き込んで【鎧砕き】!
まだまだだね! 【功夫】が足りてないよ!



●その戦い、まさしく無双
 ――ズシン!!
「「「ぬうっ!?」」」
 突如として戦場に響き渡った轟音に、どちらの軍の武侠たちも目を奪われた。
 すわ巨人が足踏みしたかと思わせられるほどの地響きは、その実少女のものだ。
 つまり、劉・涼鈴が力を込めて覇王方天戟を地面に突き刺したのである。
「私は涼鈴! 劉家の涼鈴! 人呼んで"鉄拳公主"、聞くがいいよ有象無象ども!」
 有象無象呼ばわりに、武人どもの殺気が膨れ上がった。
 だが涼鈴は少しも臆さない。小さな体に自信とオーラを漲らせ、彼女は言う。
「あなたたちが最強無敵の武術書を欲しがるなんて、ちゃんちゃらおかしいったらないね! 悔しかったら、どっからでもかかってこーい!!」
「ほざいたな、小娘ェッ!!」
 このような物言いを見逃していては、およそ達人など名乗れまい。
 両軍の武侠どもは挑発に我を忘れ、敵も味方もなく涼鈴に飛びかかる!
「私の力、見せてあげるよ! おりゃーっ!!」
「「「ウオオオッ!?」」」
 そして蹂躙! 覇王方天戟を振り回せば、つかの間嵐が渦巻き男どもを吹き飛ばす。
 涼鈴はそのまま龍もかくやに暴れ、言葉通り有象無象をふっ飛ばした!

「あの小娘、名乗るだけはある……!」
「だが、あのような振る舞い、黙って許しては武侠の名折れぞ!」
「いかにもその通りよ。我ら鉄砕三兄弟の底意地、見せてくれるわ!」
 はたして嵐の只中に飛び込んだるは、どうやら一味違う三人衆だ。
 覇王方天戟の力を恐れぬ達人の登場に、涼鈴はにやりと不敵に笑う。
「いいね! どいつもこいつも一発でのされちゃうんじゃ手応えがないもん!」
「抜かせ小娘。小蔡一の大強者、鉄砕三兄弟を知らぬてか!」
「そんな名前負けの雑魚のことなんて、知らないよーだっ!」
「おのれ餓鬼めが……珂(ケイ)、路(ロー)、仕掛けるぞ!」
「「おうさ、洙(シュ)兄貴!」」
 鉄砕三兄弟は涼鈴を囲むように三角形の陣形を作り、各々武器を構えた。
 長兄・洙は両手に飛刀。
 次男・珂は仕込み刃入りの多節棍。
 三男・路は大鎚である。いずれも厄介この上なし!
「「「いざッ!!」」」
 そして三兄弟は仕掛けた! 死角なし、逃れる隙なしの三方同時攻撃!
 大鎚を避けようとすれば長兄の飛刀が空中を狙い、それを受ければ棍が来る。
 さりとて多節棍に注意を払うと大鎚の餌食である。いかにして逃れるか!?
「ぶっとべぇっ!!」
「「「な、何ぃっ!?」」」
 答えは単純。さきほどよりもはるかに強烈な外気功を込めた振り下ろし!
 ドゴォン!! と轟雷めいた炸裂音とともに、地面が爆ぜて土煙が巻き上がった!
「な、なんという剛力無双……うおおおっ!!」
「この娘、巨人か何かかぁっ!?」
 次男三男、ともに吹き飛ばされ再起不能。残るは長兄・洙のみだ。
「へえ、いまのを躱すんだね。いいよ、かかってきなよ!」
「おのれぇっ!!」
 すさまじい速度の飛刀連撃が涼鈴を襲う。だが涼しい顔で受け流していく!
「鉄砕三兄弟破れたり、ってね! 功夫が足りてないよ!」
「な――」
 一瞬の隙に涼鈴は攻勢に転じ、戟の打ち下ろしを受けさせると同時踏み込み!
 鋼の如き硬度を得た拳の一撃が、三兄弟長兄を砲弾めいて吹っ飛ばす!
「がはっ!!」
「ふふーん、どんなもんだい! さあ、次は誰が私の相手かな!?」
 方天戟をぐるぐる頭上で回し、涼鈴は莞爾と笑う。
 鉄拳公主、ここにあり。その戦い、まさしく無双!

成功 🔵​🔵​🔴​

張・西嘉
アドリブ歓迎

そもそもだ。武に自信があると言うのなら最強無敵の武術書など必要も無かろう。
そんな物に頼ろうとするところからして間違っている。
もし、相手の国にそれがあったとしてそれを修められる者が何人いようか。
最終的には己が鍛えてきた技がものをいう。
武とはそう言うものだろう。

【義侠心】をもってそう説くとして俺はそう言う事には向いていないからな…結局は【威圧】にしかならんだろが。

さて行っても聞かん者には体で分からせるしかあるまい。
青龍偃月刀を【怪力】で【なぎ払い】
UC【乱戦遊戯】で使える物はなんでも使うぞ



●武の真髄
 ぶおんぶおんと、肉厚の青龍偃月刀が空気を切り裂いた。
 戦場に空いた空白は、たったひとりの男を警戒して生まれた人垣だ。
「どうした、さっきまでの勇ましさはどこへ消えた? まるで蝋燭の灯火だな」
 空白の中心……青龍偃月刀を構えた張・西嘉は皮肉げに笑う。
 すでに足元には、手加減されて倒れた達人が何人も呻き転がっている。
「おのれ貴様、何者だ! 名を名乗れ!」
「姓は張、名は西嘉。あいにくだが、御大層な二つ名なんぞ持った覚えはない。
 そういうものは自ら誇るものじゃあないんでな。つけられても覚えてないのさ」
 剽げた物言いに、達人武侠たちは歯噛みした。
 対峙してまた数分、されどこの男の武功たるや誰もが舌を巻く。
 なまじ武の鍛錬を重ねてきたからこそ、力量差がわかってしまうのだ。
 とはいえ、彼らがまったくの自惚れ屋というわけでもない。
 西嘉の力量を、その一端でも判じて警戒できているだけ、一流と言えよう。
 真に恐るべきは、それほどの武侠どもをして尻込みさせる西嘉の内功か。
「……お前たちは、最強無敵の武術書とやらを求めて戦っているのだろう?」
 西嘉はふと言った。
「妙な話じゃないか。武に自信があるというなら、そんなもの必要なかろう。
 そんなものに頼ろうとするところからして間違っている……そうは思わないか?」
「……だ、黙れ! 昼星夜影こそは無敵無双、秘中の秘。まさしく魔書よ」
「そうだ! あれさえあれば、我らはこの戦いに勝てるのだ……!」
 両軍の物言いに、西嘉は嘆息した。
「考えてもみろ、そんなものがあったとして、修められる者がどれだけいる?
 最終的には己が鍛えてきた技がものをいう。武とはそういうものだろう?」
「ええい……問答無用! 貴様とて書を求めてきた緑林(盗賊)であろうが!」
「挙句の果てに盗賊呼ばわりときたか。まったく、取り付く島もない」
 なれていないことはするものではないな、と西嘉は口の中でひとりごちた。
「「「覚悟ォッ!!」」」
 そこへ四方八方から襲いかかる無数の武技! はたしていかにする、宿星武侠!

「――ならば、身体でわからせてもらうぞッ!」
 おお、見よ。西嘉は青龍偃月刀をおもいきり振り、円月を描いた。
 すると血風逆巻き、地を削るほどの刃風がたちまち達人どもを吹き飛ばす!
「「「ぐわあああっ!?」」
 まさしく鎧袖一触。これこそが武の真髄を知る者の内功か。
 外周で怯んでいた達人どもは、吹き飛ばされた連中を乗り越え新たに襲いかかった!
「こなくそぉっ!!」
「少し頭を冷やすんだな。ちょうどいいところに河があるぞ!」
 西嘉は偃月刀を振るいに振るい、かと思えば達人どもが手から溢れ落とした武具を足で拾い、あるいは蹴り上げ、流れるように乱戦を渡り歩いた。
 まさしく遊戯のごとき見事な立ち回り、これこそが真の武侠というもの。
 武の本懐を知る男の前には、いかな達人武名とて児戯も同然である!

成功 🔵​🔵​🔴​

牙・虎鉄
◆白と

武を火種に戦禍が起きる……嘆かわしい諍いだな。
心在りて初めて技冴え体充つ……武とはそう云うモノ。渦中にある者らに届くかはさておき
君の言葉は正しいと思うぞ、白

さて
袖触れ合うも何とやら
是も何かの縁だろう、うまく共闘すると――

……いや 触れ合うは言葉の綾だ
俺が苦手なのを知って揶揄っているだろう、君
(咳払いしつつ)……行くとしよう

虎らしく前門は任されよう。
背は任せて良いだろう?

では
いざ、尋常に――
【毀鋼拳】牙・虎鉄、参る。

真正面から向かって来る益荒男共の攻手を
右腕"捉月"の誘手にて受け流し
間合いに入った者から
左腕"破山"にて怪力と功夫以て打破る。(攻撃力特化)

武欲に濁った腕で破れる虎と思うなよ。


御門・白
◆牙(虎さん)と
何処の世界へ行っても争いごとの火種は転がっているものですね
技を修め、体を磨けば自ずと力を試したくなる
それに見合った心がない拳は侠ではない、と私は思うけれど……などと兵士に説かれても困りますか

足音もなく近づいていって虎さんの袖をつい、と引く

そういうのは袖が触れるほどの距離に来てから言ってください
―――ええ、勿論冗談です

ではその背は私が守りましょう
軽い足取りでとん、と地を蹴って

捉えがたい月の光かそれとも妖のように軽く舞う様な足さばき
飛翔するような歩法で敵の死角へ入りこみながら
拳法、掌法ときには敵から奪い取った武器で叩き伏せながら(暴力)

女なら与しやすいと思いました?
そう。未熟者



●孤影、双つ
「……どこの世界へ行っても、争いごとの火種は転がっているものですね」
 御門・白は乱戦乱闘の有様を前にして、はあ、と嘆息した。
「技を修め、身体を磨けば、おのずと力を試したくなるのは道理でしょう。
 けれど、それに見合った心がない拳は、侠と呼ぶことは出来ないでしょうに」
 そう言って、白はちらりと男を――牙・虎鉄を一瞥した。
「女の戯言、気に障ってしまったならお詫びします」
「否(いや)」
 虎鉄は瞑目したまま、わずかに首を傾げるように顔を向けた。
「事実、その通りだ。そも、武に男も女も老いも若いもないと俺は思う。
 心在りてはじめて技冴え身体克つ……武とはそういうモノ。君の言葉は正しい」
「であれば、よかったのですが」
 虎鉄は白の笑うでもない表情を、瞼越しに見てわずかに唸った。
 もともと、虎鉄はそこまで人付き合いが上手いタイプというわけでもない。
 そこに輪をかけて、この白という少女は……なんというか、やりづらいのだ。
 まっすぐな言葉を吐いたと思えば、まるでこちらを試すようなことを言う。
 肩を並べるにはずいぶん困惑する手合いだが……しかし、腕前は充分である。
「……武を火種に戦禍が起きる。それは、俺にとっても嘆かわしい諍いだ」
 虎鉄は言った。
「袖触れ合うもなんとやら、これも何かの縁だろう。うまく共闘すると――」
 だが、その言葉は途中で切れる。
 それというのも、白がじぃっと、開かぬ虎鉄の瞼を見つめていたからだ。
「…………何か、気に障ったか?」
 今度は虎鉄が伺う番である。白はぱちぱちと瞬きしたあと、呟いた。
「いえ。そういうのは、袖が触れるほどの距離に来てから言ってほしいなと」
「は……何を」
「冗談です」
 一瞬にして白は虎鉄のそばに近づき、袖をつい、と引いていた。
 未熟。なんたる未熟。いや、それもあるが、なんだろうかこの距離感の詰め方。
「い、いや……触れ合うのは、言葉の綾だ。その、なんだ」
 虎鉄はううむ、と唸り、絞り出すように言った。
「……俺が苦手なのを知って、からかっているだろう、君」
「ええ。気に障りました?」
「…………いや」
 虎鉄は無礼でない程度に袖を払うと、おほん、と咳払いした。
 影がくつくつ揺れているのを感じる。それがなおさらに苛立たしい。
「……行くとしよう。仕事だ」
「ええ。では、その背は私が守りましょう」
 言って、とんっと地を蹴った白の姿に、虎鉄はまた唸る。
「どうにもやりづらい……いや、違うな。ならば俺は虎らしく前門だ」
 かくてふたりは戦禍に突入す。
 その雰囲気は、いささか戦場には不似合いなものだったが。

 ――とはいえ、そんな甘酸っぱいやりとりを、達人どもは斟酌してくれぬ。
「またも新手か! 武術書を狙う不逞の輩め、覚悟するがいい!!」
 殺気立った武侠どもが、まっすぐ攻め込んでくる虎鉄に殺到した。
「その書を求めて争いを起こしておきながら、よくもまあ囀るものだ。
 だが、それはどうでもいい――来るというのならば、痛い目を見てもらうぞ」
 虎鉄から噴出した闘気を浴びた達人どもは、ぐ、と息を呑んだ。
 ……虎である。猛虎だ。身の丈天を衝かんばかりの、猛虎が視えた。
 そんな益体もない幻を視てしまうほどに、虎鉄の闘気は"巨"きかった。
 さもありなん。なぜなら彼は、独立独歩、徒手空拳にて機人を相手取る無双。
 いわんや生身の武侠をや、そも戦いに立つ位階というものが違うのだ。
「セ、せよォオオッ!!」
 さりとて、気圧されて尻尾を巻いたのでは武名も廃れよう。
 半ば捨て鉢に、達人どもは各々武器を構えて虎鉄に襲いかかる。
「――ぬるいな。その武功、常であればもっとマシであろうに」
 虎鉄は嘆息めいて言い、よどみなき動きで刀を、槍を、棍をいなした。
 そして間合いを違えた者から順に、怪力無双の拳を食らわせ吹き飛ばす!
「がはぁっ!?」
「武欲に濁った腕で、破れる虎(おれ)と思うなよ」
 さすがの波濤も、この苛烈ぶりにはつかの間足を止めた。
「名乗りが遅れたな。――"毀鋼拳"が牙・虎鉄。いざ尋常に、参る」
「か、かかれえええっ!!」
 もはや敵も味方もない。これは一対多でなくば勝てぬ戦いだ。

 だが、おお――達人どもの目はたしかに濁っていたか。
 否、おそらくはそれ以上に、白の無音無影ぶりが優れていたのだろう。
「虎に目を奪われてばかりでは、月の光に魅入られてしまいますよ」
 死角に潜むは白である! 見た目のたおやかさにそぐわぬ鋭い掌法!
「何っ、ここにも敵か!? ええい、だが女ならば!」
 ひとりの達人がそう揶揄し、巨大な蛮刀を振るって首を獲ろうとした。
 だが白は月光さもなくば妖めいて、軽く舞うような足取りで刃を躱す。
 そしてするりと間合いに入り込み、刃を奪うとその柄で達人を殴りつけた!
「ぐはっ!?」
 顎を下からすくいあげられるように叩かれ、達人は仰向けに昏倒する。
「女なら与しやすいと思いました? ――未熟者」
 冷たい瞳にぎらついた敵意を光らせ、白は周囲の敵を威嚇する。
 彼女もまたれっきとした戦士。その武功、けして虎に劣りはしない……!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

秋山・軍犬
う~ん、武術書の為に戦争…
武狭にとっては大切な事なんだろうけど
国の民まで巻き込むのはイカンでしょ

それはそれとして、黒幕の目的考えたら
傷ついた武狭達を放置はマズくね? ここ戦場だし

という訳で【指定UC】の『星月 夜』と
98人の超級料理塾の面々に協力を要請

結界術属性の能力で簡易的な野戦病院(防護結界)を設置
超級料理人属性の能力で負傷した武狭達の肉体と精神の
治療をしていく

治療を邪魔してくる武狭は軍犬が
フードファイターとして、食事と鍛錬(冒険)で
作りこんできた肉体と強敵との戦いで
培ってきた肉弾戦闘系アーティストとしての力で
ブチのめして病院に放り込んで治療、オブリビオンの
影響を浄化して正気に戻します。



●乱戦乱闘の影で
「うーん、さすがに国の民まで巻き込むのはイカンでしょ……っと、いけない」
 そこらじゅうで鬨の声が上がる戦場を、秋山・軍犬はせわしなく飛び回る。
 彼の目的は、武侠を倒すこと……ではなく、むしろその逆である。
「傷ついた武侠を放っておくのは、絶対マズいもんなあ」
 そう、軍犬が警戒していたのは、オブリビオンの手の者による「とどめ」だ。
 最終的に武侠を抹殺しようとしているならば、この機を逃すはずがない。
 軍犬の読みは見事と言える。もしも放置していたならば、血が流れていた可能性は想像に難くない。
「てなわけで、みんな! 超級料理よろしくっす!」
「「「好(ハオ)!!」」」
 ユーベルコードで呼び出された料理人たちは、手を止めずに声を返した。
 さながら野戦病院めいて生まれた結界のなかを、せわしなく行き交う料理人たち。
 彼らの超級料理はまさしく妙薬。そうやって武侠たちを癒やしていくのだ。

 そして、見よ!
「おのれ貴様……さては猟兵か! 味な真似をッ!」
 軍犬の予測通り、あきらかに類の違う凶漢がずらずらと現れた。
「やっぱり来たっすね、邪魔はさせないっすよ!」
 邪悪な闘気を放つ操られた武侠どもを、軍犬は真っ向迎え撃つ。
 これまでの戦いで鍛え上げた肉体と技巧をもってすれば、返り討ちだ!
「あんたたちも要救助者っす! 今は痛い目見といてもらうっすよ!」
「「「ぐわぁっ!?」」」
 いかな武器を振り上げようと、超級戦力に敵うはずもなし。
 のされた連中は料理人たちが看護師よろしく運び込み、口に料理を突っ込んでいく。
 いささか珍妙な光景ではあるが、その効果はたしかに大きかった!

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『虎』

POW   :    虎視眈眈
予め【敵を睨みつけて唸る】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    猛虎幻翼
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ   :    三回攻撃
【爪・爪・牙の連続攻撃】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちの活躍によって、名だたる達人武侠たちは蹴散らされた。
 すると予想通り、オブリビオンの配下がその正体を表したのである。
 何食わぬ顔で兵士に混ざっていた奴らは、人化の術を解き変化した!
「おのれ目障りな……貴様らの横槍さえなければよ!」
「今頃、達人どもの暖かい血で我らの喉を潤せていたろうなあ」
 牙を剥き出し吠えるその怪人どもの足には、踵がない。
 すなわち人虎――ある国では「マガン・ガドゥンガン」という名でも呼ばれる妖怪どもが、ひそかに両軍の兵士に紛れ込んでいたのだ。
「こうなれば、貴様らの血で我らの腹を満たさせてもらうぞ!」
 人虎は吠え、完全形態たる四足の猛虎に姿を変えて爪を尖らせた。
 四足だからといって、油断してはならない。
 空をも駆けるその俊敏さは、囲まれれば猟兵とて危険である。
 混乱する達人たちを背中に回し、猛虎の爪牙を叩き折ってやれ!

●プレイング受付期間
 6/8 08:30前後まで。
秋山・軍犬
はい、動揺してる武狭達は気を静めて防衛に徹して~
そうすれば君らの功夫なら安々とは倒されはせんっすよ

【指定UC】の疑似的な不老不死を発現する程に
鍛え上げた肉体強度に覇気を纏い
攻・防・速などの基礎能力を向上すると共に
武狭達に爪牙を向ける余裕を奪う様に
敵集団に圧をかけておく

武術書とかは無いけど
フードファイターとして鍛え上げた肉体と戦闘技術は
理外の虎にも負けない所を武狭達に見せてやるっす
…だから武術書の為に堅気を巻き込むのはNGな?

相手の俊敏さと数による連携を
野生の勘で見切り、敵の攻撃を捌きながら
囲まれない様に動き回り(怪力+グラップル+早業)
動きの見破りやすい虎視眈眈を使用してる個体を
撃破していく。



●食で鍛えたこの力
 グルルルル……と唸り声を上げ、虎の群れが秋山・軍犬を取り囲む。
 いつ、どの方向から襲いかかってきてもおかしくない。油断ならぬ状況だ。
「武術書とかはないけど、自分の鍛え上げた「食」の力を見せてやるっすよ!」
 軍犬の身体から、オーラが揺らめく。虎は、その威圧感に怯んだ。
 彼の身体が、数倍にも膨れ上がって見えるほどの、強烈なプレッシャー!
「武侠の皆さんは、よーく見ておくっすよ」
 軍犬は、肩越しに達人たちを振り返った。
「あんたたちとはまったく別の技術で鍛え上げた自分も、これだけやれるってことを。
 最強無敵の武術書なんかなくたって、ここまで強くなれるんだってことを!」
 軍犬は全身から黄金めいらオーラを噴き出し、虎に戦いを挑んだ。
 先手必勝。包囲網を抜けるなら、こちらから攻め込んだほうが手っ取り早い。
 先の先を取られた虎の群れは、咄嗟に散開しようとするが……!
「逃さないっすよ!!」
 軍犬は大地を蹴り、握りしめた拳を虎の喉に叩き込んだ。
 大地をえぐるようなアッパーカットを喰らい、虎はぐるんと縦回転して吹っ飛ぶ。
「「グ……グゥオォオオオッ!!」」
 左右から別の個体が襲いかかる。その爪は鋼をも切り裂くだろう。
 軍犬は左右同時攻撃を見切り、跳躍回避。空中で一回転し頭部をストンプした!
「「ギャウゥッ!?」」
「その動き、見切りやすいっすよ。どこから来るのか分かってれば問題ないっす!」
 虎の頭を踏み台に、軍犬はさらに高く跳躍。
 一体、また一体と、キマイラの身体能力を生かして虎を狩る。
 これが、フードファイターの鍛え上げた力なのだ!

成功 🔵​🔵​🔴​

張・西嘉
アドリブ歓迎

ほう、虎が相手か。
確かにその辺の武侠なんかよりは強かろう。
相手にとって不足なしだ。

さすがに自分達に紛れていたモノの本性が分かれば正気なくしていた武将達も目が覚めるだろうさ。
虎を倒せば武勇伝の一つにでもなるだろうが…まぁその辺は流石に弁えてくれると信じよう。

はは、なかなか迫力のある睨みだが。
それでたじろぐような俺ではないさ。
逆に【威圧】をして受ける攻撃を【武器受け】して【カウンター】
間合いに入った虎は体の一部を掴んで振り回し他の虎に投げつける。
UC【力で解決】



●武侠、虎を下す
「あ、あんなものが、我々の中に潜んでいたのか……ッ」
 さしもの武侠たちも、人虎が正体を表せば戦いどころではなくなったようだ。
 困惑する彼らを一瞥し、張・西嘉は虎の群れに意識を集中する。
「猛虎も猛虎、人に化けて血を求める人虎の類か。相手にとって不足なしだ」
 達人ですら震え上がるほどの殺気を浴びても、西嘉の不敵な笑みは崩れない。
 むしろ、血が騒いでいた。虎殺しは武侠の誉れである。
 それが妖物となればなおのこと腕が鳴る。西嘉の瞳が鷹のように鋭い。
「グルルルル……」
 対する虎の群れは口から涎を垂らし、じりじりと西嘉を包囲する。
 地の底から響くような唸り声と、心の臓を鷲掴みにするような恐ろしい眼光。
 獲物が怯え竦んだところを、爪と牙で狩る……これが奴らの十八番だ。

 ……しかし。
「はは、なかなか迫力ある睨みだ。だが、唸ってばかりでは腹は満たされんぞ?」
 西嘉は涼しげに笑う。虎ごときの殺気で揺れるほど、やわな男ではない。
「どうした、かかってこい。……でなくば、俺から行くぞ!」
 西嘉は殺意を放射した。殺気立った虎の群れをして気圧されるほど。
 びくりと群れが身を硬くした瞬間、西嘉は青龍偃月刀を構え、一陣の風となる!
「隙ありだッ!!」
 ごうっ!! と刃風が唸りをあげ、愚かにも西嘉の正面に立った虎を両断した。
「キッ、キサマァアアアッ!!」
 虎は不明瞭な人語を喉から漏らし、怒り狂って西嘉の背中に飛びかかる。
 西嘉は斬撃の勢いで偃月刀を背中に回すと、柄で爪を受けた。
「動きが見え見えだ。食い意地を張りすぎたな」
 逃れようとする虎の喉笛を掴み、ぐいと引く。
 まるで漁師が網を引くようだ。虎の巨体が、怪力で釣り上げられてしまった!
「そうら、お仲間のところへ帰してやる!」
「待――グォオッ!?」
 背負い投げめいて、西嘉は虎の巨体を別の個体に叩きつけた。
 ドォン!! と地面が爆ぜて、直撃を受けた虎は全身があべこべに折れ曲がり即死。
 びくびくと痙攣する虎の身体を、西嘉は布か何かのように振り回す!
「とりあえず、掴んで振り回しときゃ解決するもんさ。さて、次に行くぞ!」
 囲まれていたはずの西嘉が、逃げ惑う虎を追いかけていた。
 その膂力、まさしく怪力無双なり!

成功 🔵​🔵​🔴​

ラファエラ・エヴァンジェリスタ
…獣くさい
それ以上私に近寄るな
私の血は安くないのだよ

引き続きTenebrarumに騎乗
達人たちを背にかばう位置に立つ
「貴公ら、先程はご苦労であった。後は任せよ」
…怖くて今すぐ帰りたいのだが引っ込みがつかぬ
明らかに私が守られるべき側なのに…

距離を詰められすぎぬ内に指定UCを使用
発狂した敵の影から「茨の抱擁」を喚び、纏わりつかせて吸血を
近づくものには「黒薔薇忌」で怨霊を嗾けて、尚近づくならTenebrarumに蹴散らし踏みつけさせる
もしUCを封じられたら、逃げ回るフリをしておびき寄せ後肢で蹴らせたり

基本牙や爪の届かぬ位置で立ち回りたいが、届くならオーラ防御を
もし血を流すなら百倍の量を吸血する心持ち



●茨は獣血を啜る
「……獣くさい」
 ラファエラ・エヴァンジェリスタの端正な口元が、嫌悪の吐息を漏らした。
「それ以上私に近寄るな、けだもの。私の血は安くないのだよ」
 不思議な話だが、彼女に腕っぷしで勝るはずの達人たちが背中にかばわれていた。
「……貴公ら、さきほどはご苦労であった。あとは任せよ」
「お、お待ちを! よろしいのですか? 我らこの身を盾としてあなた様を……1」
「よい、下がれ。貴公らがいくら束になろうと邪魔なだけだ」
 魅了された武侠たちは、ラファエラに返す言葉を持たなかった。
 ……実際のところ、ラファエラはもう引っ込みがつかなくなっているのが真相だ。
(ここで要救助者である彼らを前に出すわけにもいかぬし、うう……)
 普通に考えれば、どう見てもラファエラのほうが守られる側である。
 唸り声をあげる虎の眼はぎらぎらと獣欲に湿っており、震えるほど恐ろしい。
 怖くて今すぐに帰りたい。が、ここで逃げ帰るのもおかしな話だ。
(もしも血を流させられたら、百倍の血を吸ってやる……!)
 ラファエラは気丈にも恐怖を押し殺し、女王めいて傲然と虎を待ち受ける。

「貴様ノ! 血ヲ! 啜ラセロッ!!」
 人語が混じった不明瞭な咆哮をあげ、虎がラファエラに襲いかかる。
「本当に醜い……けだものには似合いの最期をくれてやる」
 ラファエラは手振鈴を鳴らす。すると、いびつな鈴の音が虎の脳髄を侵した。
 魔女に敵対する者の精神を破壊し、発狂させる呪いの旋律だ。
「グォ!? オゴオオオッ!?」
 虎は前肢で頭を抑えてのたうち回り、他の個体に襲いかかる。
 もみ合いになった虎どもの身体に茨が絡みついて、毛皮を貫き血を啜った。
「……怨霊どもよ、私を守れ。あれらを近づけさせるな……!」
 馬上にラファエラを守るようにして怨霊どもが出現し、虎の爪を受け止める。
 Tenebrarumのたくましい蹄が、茨に血を啜られる虎の頭を踏み潰す。
 血肉と脳漿とがぶちまけられる凄惨な有様の中で、彼女だけが無傷で、無事だ。
「不遜にも私の血を求めたけだものは、地のシミになってしまえ」
 ヴェールの下から、ラファエラは侮蔑的な眼差しを投げる。
 虎どもの血で穢された地面は、邪悪なレッドカーペットにも思えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

陽殿蘇・燐
(高性能スマホ利用で生配信続行中)

さっき、『虎に気を付けて』ってコメントが流れたのだけれど、まさにその通りだったわ。
この世界に似合う敵だと思うし。

ただ…完全に虎になったら、その本能に抗えるのかしら?例えば、【炎術:催眠蝶】でもたらされる炎への恐怖に。
まあ、遠慮なく燃やすけどね。
ああ、催眠は『麝香揚羽』の幻覚と合わせて同士討ちしてするように誘導するわ。

その睨みと唸り。今私が遠目からの攻撃をしているから、やれると思ったのでしょうけれど。
残念、『黒揚羽』(ラスボスとしてのレベルダウンデバフ再現武器)でその睨んで唸った過去を焼いてあげるわ。
つまり、戦闘力は戻り、ただ見破られやすくなっただけよ。



●ラスボス無双、配信中
 ひらひらと、焼け焦げたような黒の揚羽が舞い踊る。
 炭の如き黒の中から、ぽつりぽつりと炎の赤が漏れて、やがて燃え上がった。
 炎纏う無数の黒揚羽は、何事もなく空を飛ぶ――恐ろしくも幻惑的な光景。
「人化の術は偽装のためでしょう? なら、炎への恐怖には抗えないわよね」
 揺らめく炎の奥で、陽殿蘇・燐は嫣然と、邪悪に微笑んだ。
 そして事実、虎の群れは、黒揚羽を包む炎を恐れてじりじりと距離を取る。
「そうね、できるだけ距離を取ったほうがいいわ……これが普通の攻撃なら、ね」
 これがただの燃える蝶の群れなら、切り裂くなり吹き消すなりすればいい。
 だが燐の炎術は、燃やすだけでなく視認した敵を催眠術で絡め取ってしまう。
 揺らめく炎それ自体が、幻覚を効きやすくする効果を有しているのである。
「さあ、味方同士襲い合い喰らい合い、炎に包まれてしまいなさい……!」
 麝香揚羽のはばたきが幻を生み出す。虎どもには他の群れが敵に見えていた。
 怯えた悲鳴をあげ、虎どもは互いに爪と牙で傷つけ合う。凄絶な光景だ。
 燃え盛る黒揚羽の群れが、まるで黒い死骸布めいて虎どもを包みこむ。
 たちまち内側は炎の荒れ狂う地獄と化し、虎どもの毛皮を、肉を、焼き尽くす。
 悲鳴と苦悶、慟哭と断末魔……残酷な焚火の出来上がりだ。
「いくら強くても、頭の中が獣じゃ搦手には弱いわよね。
 この悪女である私とは、相性が悪かったということかしら。残念だったわね」
 燐は燃え盛る邪悪な焚火を背景に、カメラ目線でふぁさっと髪をかきあげた。
 配信映えを忘れない、デキる悪女しぐさだ。コメント速度が急加速!
「ふふふ、エキセントリックでしょう? 気に入ったら高評価、よろしくね」
 こんなかっこいいゴシックでダークな攻撃をしておいて、やることがこれである。
 そのへんいまいち格好がつかないというか、キマイラフューチャーらしいというか。
「あ、それとさっき、コメントで「虎に気をつけて」って教えてくれた人。
 おかげで助かったわ。これからも何か見つけたら、コメントで教えてね」
 うなぎのぼりの同時接続数とチャンネル登録数を確認し、燐は妖しく笑う。
 動画配信しているところさえ除けば、いかにも悪女らしい表情だった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
最初から自分でやればいいだろうに、
わざわざ人に化けてまで死肉漁り狙いとは、
随分とまあ牙の鈍った虎だねえ。

さて、空を跳びまわる相手に囲まれるのは面倒だし、
こっちから動いて数を減らしていこうかね。
【飛天襲爪】で飛んでる虎を蹴り飛ばしつつ蹴った反動で更に跳んで、
どんどん虎を倒すとしようか。
うまく虎を足場にできなかったり、跳んでる途中で襲い掛かられた時は、
噴気孔から空気を噴射して軌道を変えたり体勢を立て直したりするよ。

ま、獣相手なら慣れたものだしね。
獣の理に従って、全部暴力で叩き伏せるとしようか。



●虎が空を跳ぶのなら
 虎は地を這うもの……という常識は、ユーベルコードがたやすく碎く。
 武侠が軽気功で空を舞うのなら、虎だって跳ねてもおかしくないというわけだ。
「女ァ! 貴様ノ肉ヲ食ッテヤルゥウウ!!」
 三次元的な包囲網を作り上げた虎が、ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストードに飛びかかる。
 ペトニアロトゥシカは……呆れ顔で見上げた。
「最初から自分でやればいいものを、わざわざ人に化けてまで死肉漁りしようとする連中に……あたしが食われるとでも?」
 ペトニアロトゥシカはどんっ!! と大地を蹴り、頭上の虎を蹴り飛ばした。
 しかも攻撃は終わりではない……蹴り上げた足が後頭部を踏みつける!
「ガボッ!?」
 一瞬のうちに顎下と後頭部を同時に足蹴にされ、虎の頭部はひしゃげた。
 ペトニアロトゥシカはストンプの勢いでさらに高く跳び、虎どもを睥睨する。
「鈍らな牙を全部踏み潰してあげるよ。おいで」
「「「グ、グォオオオッ!!」」」
 たちまち、驚天動地の空中戦が幕を開けた。
 だが戦いは一方的だ――ペトニアロトゥシカの空中移動は、軽やかで合理的。
 攻撃と移動が一体となったことで、機動力と火力を同時に発揮している。
 これぞ飛天襲爪(レイダース・リープ)。
 ペトニアロトゥシカの驚異的な脚力が可能とする、まさしく絶地の技!
「悪いけど、獣相手ならむしろ人相手よりも慣れてるんだよねぇ」
 背後に回り込んだ虎の頬っ面を蹴り飛ばし、ペトニアロトゥシカは笑った。
 自然の中で猛獣魔獣を相手に生き延びてきたバーバリアンは、たくましい。
「先に食い気を出したのはそっち。なら、弱肉強食ってのがあるじゃん?
 てなわけで、獣の理に従って、残さず暴力させてもらうよぉっ!!」
 技巧・技量・技術のレベルにすら達していない。
 それ以前――純粋な力の差。つまりは、ペトニアロトゥシカが圧倒的に「強い」。
 虎は、ペトニアロトゥシカと技比べをするステージにすら昇れていない。
 結果として血の雨が降り注ぎ、怒号はたちまち悲鳴に変わった。
「と、虎など物の数ではない……あれほどの魔物が居ようとは……ッッ」
 ただ見上げるしかない武侠が、そう呟いた。
 純然たる力は、時として一切の小細工も抵抗も許さないものだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

夜鳥・藍
食欲を満たすためだけに諍いを争いを起こしたのですか?
馬鹿ですか?それってすごく無駄な動きをしてません?馬鹿ですか、馬鹿ですね。
……。
いけませんね、無意識とはいえ怒りを感じていたようです。
ええですね。
空腹を満たすだけではないのでしょうね。だからあのような、食欲を満たすには無意味な行動をしたのでしょう。

引き続き念動力で空中を飛び続けます。空を駆けるとはいっても予備動作があるのであれば避けるのは難しくないでしょう。
睨めつけられてもいいです、こちらの攻撃を当てやすくなるだけなので。
空中を飛びながら鳴神を投擲し竜王を再び呼びます。

本音を言うとこんな簡単な罠に乗る方々を守ろうとも思えないのですが。



●鳴神、怒りを撒き散らす
 端的に言えば、夜鳥・藍は怒っていた。
 無意識の怒りは、表情に出ずとも稲妻となって降り注ぐ。

 怒りといっても、藍が苛立っている対象はひとつきりではない。
 こんな簡単な罠にハメられ、戦火を野放図に広げていた武侠どもへの怒り。
 そして、食欲を満たすためだけにこんなことをしでかした連中への怒り。
 彼女の無意識の怒りを感じた竜王の攻撃は、嵐めいて激しくなるばかりだ。
「どこまでも無駄で、無意味で、無価値な愚行。馬鹿ですか、馬鹿ですね」
 藍の瞳は絶対零度の如く凍てついて、逃げ惑う虎の群れを見つめていた。
 本音を言えば、こんな連中に出し抜かれる奴らを守りたくないところだ。
 しかし、オブリビオンの企みが達成されるのは、それ以上に苛立つ。
 見かけに似合わず、彼女は激情の人であった。降り注ぐ雷が証明している。
「……ええ、もしかしたら、食欲以外にも何か目的があったのかもしれません。
 ですがそんなことはどうでもいいです。あなたたちは、残らず消し去ります」
 嵐の王が吠えた。雨のごとく降り注ぐ稲妻は、それ自体が致命的である。
 黒い三鈷剣が荒れ狂う大気を切り裂いて跳び、虎どもの毛皮と肉を裂いた。
 まさに、王だ。竜王の力も壮絶だが、なにより恐るべきはそれを従える藍の霊力。
 彼女の怒りもむべなるかな――この場に存在する有象無象とは圧倒的な隔絶があった。
 つまり、彼女が上だ。敵も、武侠たちも、それを痛感せざるを得ない。
「……本当に、くだらない。苛立ってしまいますね……」
 藍は深く呼吸して、怒りを鎮めた。
 反比例して、稲妻と三鈷剣の攻撃は激しくなるばかりだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

劉・涼鈴
虎退治は武侠や武将の基本だよね!
漲る【覇気】! いざ打虎将!

振り下ろされる爪を覇王方天戟で【受け流し】!
鉤爪を引っ掛けて、体勢を崩させたところで腹を蹴っ飛ばす! おらァ!
数が多いから【野生の勘】で囲まれないように位置取るよ!
戟で【なぎ払って】ぶっ飛ばして、地面ぶっ叩いて石礫を打ち据える!
岩盤ホームランだ!

空中に跳び上がったら……虎に匹敵するっつったら、これだよね!! 龍!!
【ジャンプ】して【怪力】の【劉家奥義・飛龍轟天撃】!! どっせーい!!
ぶん殴ったら、そいつを足場にして【ジャンプ】!
次のやつをぶっ叩く!! おらおらおらおらァ! 次はお前だー!



●いざや、打虎将襲名
 猛虎退治と来れば、江湖の強者の証明、古今に共通する英雄譚のひとつだ。
 劉・涼鈴は燃えていた。血肉求める人虎の群れ、相手にとって不足なし!
「くぅ~っ、漲ってきたぁ~! いざ打虎将、やっちゃうよっ!」
 頭上でぐるぐると振り回していた覇王方天戟を、ぶんっと構える。
 すでに四方を囲まれているが、涼鈴の不敵な微笑みにゆらぎはない。
 虎どももいつ、どこから攻めるかを決めあぐねて、ぐるぐると唸るばかり。
「生意気ナ小娘メ……ソノ柔ラカナ肉ハサゾカシ美味イダロウナァ」
 虎は下賤な表情で舌なめずりする。涼鈴はその名のように、涼しげに一笑した。
「それ、脅しのつもり? だったら無駄だよ、私は気圧されないからね。
 御託を並べる暇があるなら、さっさとかかってきなよ。うずうずしてるんだ!」
「……ホザイタナ、小娘ェッ!!」
 虎どもが怒りと殺意を煮えたぎらせ、涼鈴に襲いかかった!

 前後左右からの、同時攻撃。
 俊敏な虎の飛びかかりは、達人の振るう剣よりも疾く、鋭い。
「おらァ!」
「グッ!?」
 だが、見よ! 涼鈴は鉤爪を戟で引っ掛け、ぐるりと四方の虎を振り払う。
 そしてがら空きの腹にミドルキックを叩き込むと、強引に突破口を開いた!
「ガハ……ッ」
「カ、囲メ! サッキヨリモ密ニシロッ!」
「残念でしたーっ、さっきのはサービスタイムだったんだよ!」
 涼鈴は敵の包囲を許さず、水銀のようによどみなく素早く立ち回った。
 敵の群れを薙ぎ払い、吹き飛ばし、地面を殴りつけて飛礫をばらまく!
「岩盤ホームランだ、おりゃあっ!!」
「グ……ウ、上ダッ! 上ニ昇レッ!」
 虎どもは飛礫による壊滅を避け、空中を蹴って上空アドバンテージを得る。
 涼鈴からすれば、すべて見え透いた動きである――拳を握りしめ、地に伏せた!
「劉家奥義! 飛龍……轟天撃ィッ!!」
 龍が現れた。涼鈴が拳に纏う闘気が、そのような形を取ったのだ。
 あくまで見かけだけだが、そのアッパーカットの威力は龍も恐れをなす!
「「「グォオオオッ!?」」」
「どっせーい!!」
 まるで袋が内側の圧力で爆ぜたかのように、龍の群れは吹っ飛んだ。
 涼鈴は手近な虎の足を蹴り、ぐるぐると回転するとハンマーめいた打ち下ろし!
「おらおらおらおらァ! 次は、お前だーッ!!」
 これには、元祖打虎将もひっくり返ることだろう。
 まさしく快刀乱麻を断つが如し、一気呵成・猛烈怒涛の無双ぶり!

成功 🔵​🔵​🔴​

御門・白
◆虎さんと

出てくる気になった?
これだけ獣のにおいが満ちてれば嫌でも気づく

すん、と鼻を鳴らしてくつり、と笑って
……大丈夫。
虎さんからはケダモノのにおいはしないから

謀を巡らせ、己よりも強いものに従い、労せず獲物を狩ろうと考え始めた‟狐”を恐れる理由がない
「地雲薙剣」を抜いて

こちらはお気になさらず
まことの爪牙、見せてくださるでしょう?
ええ、後ほど

虎さんの邪魔にならぬよう少し離れて
敵の爪牙を剣でいなし足を止めずに口訣を唱え続けて

此れは妖怪が懼れる太陽……よりもっと畏るべきもの
あなた達が侮る人間が造った、暗黒の炎

妖怪が人を化かし喰らうことを咎めはしないけど
お前達と同類に見られるのは不愉快
纏めて塵へ帰す


牙・虎鉄
◆白と
(瞑目の侭)
流石は"猫(マオ)"というべきか?気配に聡いな

処で俺も獣だと云いはすまいな?

(微かに笑み)ならばいい
これらと同列に見做されては困る

自由にやらせて貰えるならば有難い
では 其方のは任せよう
また後程

――そう
お前らと同列に見做されては困る

(開眼。)
黙れ、喚くな畜生風情
貴様らのような軟弱者が
虎を名乗るなぞ烏滸がましい

冥途の土産だ
真の"虎"が如何なるものか見せてやる――来い

【竹藪】。
飛び交う畜生共を足場に見立てる
蹴足で"足場"を踏み蹴り殺しては跳躍し
次の足場を同じく使い捨ての踏み台にしつつ
両腕でも間合いにいる畜生共を裂き潰す
(空中戦×功夫×怪力×決闘)

――貴様らは藪にも劣る



●虎の威
 ぐるぐると、地の底から響くような恐ろしい唸り声、無数。
 虎の群れに囲まれて、それでも御門・白と牙・虎鉄は普段通りの様相だ。
「……隠れられていたつもりだったんですね」
 白の平然とした声音には、少なからぬ嘲りの色がある。
「これだけ獣のにおいが満ちてれば、嫌でも気付くというのに」
「……獣のにおい、か」
 その言葉に、虎鉄が瞑目したまま顔を向けた。
「何か、気になったことでも?」
「いや。斯様な"猫(マオ)"どもを獣扱いとは、なかなか優しいものだ、とな」
 虎鉄もまた、虎どもへの嘲りと侮蔑を込めて、戯れてみせた。
「それと、もうひとつ――俺も獣だと、云いはすまいな?」
「……」
 白はわざとらしく、すん、と鼻を鳴らしてみせた。
 口元には、笑み。くつりと、妖しのものが人を化かすときの表情。
「……大丈夫。虎さんからは、ケダモノのにおいはしないから」
「ならば、いい」
 珍しいことに、虎鉄の口元にも同じような笑みが生まれた。
「"これら"と同列に見做されては困る。もののふの沽券、というやつだ」
 ごきりと、虎鉄の拳から物々しい音がした。
 殺気と殺気がぶつかりあい、どろりと空気が濁るような錯視。
 両者の間はゼラチンが凝るように、歪み混ざりあった。
「こちらはお気になさらず」
 高まる臨戦の気配に、白が言った。
「まことの爪牙、見せてくださるのでしょう?」
「……自由にやらせてもらえるなら、ありがたい」
 虎鉄は微笑んだままうなずく。
「では、のちほど」
「ああ。のちほど」
 その言葉が、戦いの合図となった。

 虎の群れは人語を解する。人に化けていたのだから当然と言えよう。
 ふたりもそれを承知の上で、あのような戯れ言を弄んだのだ。
 つまり、連中は怒り狂っていた。このふたりをバラバラに引き裂いてやろうと。
 さもありなん。プライドだけは高い連中だ……獣だというのに。

 しかし。
「――そう」
 虎鉄は彼奴らを、"猫"と呼んだ。
「お前らと同列に見做されては、困る」
 そして事実、彼我には、そう言って差し支えないほどの「開き」がある。
「グルォッ……」
「黙れ」
 虎鉄が、目を開いた。
「喚くな、畜生風情が。虎の名を穢す"猫"ども。虎を名乗るなど烏滸がましい」
 まるで金縛りにでもあったかのように、虎の群れはびくりと動けなくなった。
 ユーベルコードではない――虎鉄はただ目を開いて凄んだだけである。
 つまりは強烈な殺気。積み上げた武功から来る圧倒的な差が、獣を射止めた。
「冥土の土産だ。真の"虎"がいかなるものか、見せてやる。――来い」
 虎どもの拘束が解けた。波濤の如く、身の程知らずの獣どもがふたりに迫る!
 まるで鳥のように空舞う獣のとびかかりは、防げば守りごと引き裂かれよう。
「数に任せた軟弱者どもめ」
 虎鉄は吐き捨て、拳で爪をいなすと喉元に抉るような蹴りを突き刺した。
 一撃で獣は絶命する。だが、虎鉄の「攻撃」はそこで終わりではない。
「ただちょこまかと跳ねるだけなら、虫でも出来るぞ」
 跳んだのだ。虎鉄は槍めいて串刺しになった屍肉を足場に、蹴った。
 血のしずくを引いて、虎鉄は獣を「足蹴」にしてさらに上へ。
 別の獣の頭を蹴り殺し、同時に両腕は刃めいて畜生どもを引き裂き潰す。
「――貴様らは、藪にも劣る」
 もはや、相対する敵としてすら見ていない。
 そして事実、虎鉄の武功は、畜生どもを草葉の如く引き裂いた。

 一方で、白は。
「お見事です。そうでなくては」
 感嘆か、はたまた憤る虎鉄を幼子めいてくすりと面白がってのものか。
 どちらとも取れぬ、どちらとも取れる笑みを浮かべ、そして口訣を唱える。
「これは妖怪が懼れる太陽――よりも、もっと畏るべきもの。
 すなわち、あなたたちが侮る人間が作った、暗黒の炎……百鬼夜行を終わらすもの」
 空亡。
 光さえも捻じ曲げ飲み込む暗黒の太陽が、空に君臨していた。
「妖怪が人を化かし、喰らう。それは獣が草を、肉を食むようなもの。
 だから、私はそれ自体は咎めない……けれども、お前たちは話が違う」
 冷たい瞳が、畜生どもを見下ろした。
「お前たちと同類に見られるのは、私にとっても不愉快。だから――」
 ぱちん、と指を鳴らした。それが終幕の合図だ。
「まとめて、塵に還す」

 はたして、その言葉は現実となった。
 暗黒の太陽から迸るオーラは畜生どもを飲み込み、引き裂き、そして無に帰す。
 何も……屍すらも野に晒すことを許さぬ、究極的な混沌、終焉。
 愚かな畜生どもには似合いの最期が、ふたりの手で降り注いだのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『緋車』

POW   :    鎖爆牢
【拳】が命中した対象を爆破し、更に互いを【闘気の鎖】で繋ぐ。
SPD   :    転穿天
【闘気による加速と縮地歩方】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【拳】で攻撃する。
WIZ   :    城崩落
【拳】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠秋茶瑪・流です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「あーあ、やっぱこの程度の仕掛けじゃ長続きしねえよなぁ」
 虎の死骸が転がる無残な野に、飄々と男が現れた。
 己の仕業が起こしたことなど欠片も気に留めず、肩をすくめる。
「でもまぁ、武侠どもよか生きの良い連中が来てくれたのは僥倖じゃねえか。
 こういうの、塞翁が馬っつーのか? ま、なんでもいいけどよ……」
 これまでの雑魚とは比較にならぬ内功が、湯気のごとく男から立ち上った。
「お前らもいい加減飽き飽きしてんだろ? こんなみみっちい戦いに煩わされてよ。
 詫びといっちゃなんだが、退屈はさせねえぜ――だから、お前らも退屈させないでくれ」
 口調は軽々しいが、この男の秘めた武功は並のものではない。
 あの児戯じみた仕掛けは、この男の頭が足りないという話だけではないだろう。

 必要がないのだ。
 深謀遠慮を巡らせ地道に謀の糸を張り巡らせる必要が。
 それだけの力を有している。そして、猟兵の力を見抜き、買っている。

 問題は、この男が戦い以外に何も求めていないということ。
 斯様な手合いを見逃せば、いつまた何処で無益な戦禍が起きるかわからぬ。
 ここで、確実に、完膚なきなまでに、叩き潰すほかあるまい。

●プレイング受付期間
 6/13 08:30前後まで。
ユーフィ・バウム
戦い以外に何も求めていないというならば、
存分に戦いで応えます

【斬撃波】【なぎ払い】でのディアボロスの攻撃を
打ち込みますが、こちらは牽制

懐に【ダッシュ】で飛び込み
いざ!得意の間合い――至近距離で、格闘戦で勝負です
拳に氷炎の【属性攻撃】を纏う《戦士の手》と共に!

【功夫】を生かした打撃を見舞い、
あるいは組み付いた後で【怪力】を生かし投げを打つ
倒したなら、【踏みつけ】での追撃も忘れない

緋車からの反撃は【見切り】、【カウンター】を打ち込む
できなくても、【オーラ防御】で凌ぎつつ
姿勢を崩せれば尚いいですかね!

最後は【限界突破】してのラッシュを。
拳を、蹴りを、臀部を、肩を、頭を叩き込み
荒々しく倒し切りましょう



●激突
 先手を打ったのは緋車だ。
 縮地法によってあえて遠ざかることで、ユーフィ・バウムの視界から消失、
 大きく回り込むようにして死角を取った。敵の位置は7時の方向。
「……見えていますよ、オブリビオンッ!」
 ユーフィは優れた動体視力で敵の移動先を読み、そちらを向く。
 身体を流しながら『ディアボロス』を振るい、牽制の斬撃を放った。
 緋車は突撃を諦め、短い横方向跳躍で斬撃の波動を躱す。
「へえ、目がいいじゃねえか。それとも山勘が当たったか? ま、どちらでもいい」
 緋車はにたりと笑った。
「この一撃で終わったんじゃ、相手してやる意味がねえもんなぁ!」
「――今度は、こちらの番ですっ!」
 二度三度と斬撃波を放ちながら、ユーフィは緋車の懐へ踏み込んだ。
 緋車は斬撃を躱すのではなく外気功で「破壊」し、ユーフィを迎え撃つ。
 互いに最適な距離の間合いだ。繰り出されるユーフィの拳!
「組み付きたいってか? そうはいかねえよ」
 緋車は、ユーフィの狙いが打撃からのグラップリングであることを察した。
 氷と炎の魔力を纏う拳を、手首を手刀で叩くという形で「そらす」。
 ユーフィは弾かれた拳を開いて掴みかかろうとするが、そこへ加速した拳。
「ぐ……っ!」
 みぞおちにいいのを食らったユーフィはくの字に折れて吹き飛んだ。
 瞬間的にオーラを腹部に集めたことで、内部へのダメージは防いでいる。
「そぉら、おかわりだッ!」
 緋車は縮地法で急加速、吹き飛ぶユーフィに追いつきさらなる連打!
 今度はユーフィが打撃を受ける番だ。しかも打撃は疾く、つかみを許さない。
(受けに回っていたら疾さで押し切られる……なら!)
 ユーフィは顔面狙いのストレートに対し、あえてガードせず蹴りを放った。
「がッ!?」
 緋車の拳がユーフィの顔面にめり込んだのと同時、つま先が胸板に突き刺さる。
 双方ダメージを受けて吹き飛ぶ……いや、覚悟していたぶんユーフィの復帰が早い。
「逃しません!」
 へし折れた鼻から血を噴き出しつつ、ユーフィが果敢に攻めた。
 被弾の影響を思わせないラッシュを叩き込み、緋車にダメージを押し付ける!
「ガキが……味な真似、しやがる……ッ!」
 ダメージを恐れぬカウンターが、拮抗の潮目を変えた。
 これが、己が斃れることすら厭わぬバーバリアンの恐ろしさだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

夜鳥・藍
ああ本当に冷静にならなければ。
どうにも感情の揺らぎを抑えきれなくなるのは悪い癖だわ。

……。
強者と戦いたいって気持ち私にはまったくわからない。ましてそれで戦を引き起こすなんて。
国と国の戦争なんて本来は食料を領土を得るためだったりしたのにね。……あとは権威かしら。
でもやっぱり武術書を得るための戦争なんてやっぱり馬鹿らしいわ。

体勢を崩す事もないように、引き続き念動力で自身の体を浮かし空中を飛ぶようにします。
まずは全力で相手の攻撃を第六感で回避します。第六感は占い師としての天啓です。
回避後はすぐさま雷公鞭・青月を振りかざし雷公天絶陣を放ちます。
雷は収束させなるべくダメージを纏めて与えるようにします。



●己を御する
 空へ逃れようとする夜鳥・藍を、緋車が追う。軽功による滑空だ。
「浮かんでれば問題ないってか? 甘ぇな、猟兵!」
 藍は顔を顰める……己をナメられたことと、敵の野卑な性格が彼女を苛立たせた。
(いけない……さっきみたいに激昂しては駄目。己を律しなければ)
 藍は怒りを面に出さないよう心の奥深くに沈め、雷公鞭・青月を振るった。
 打刀からガガァン!! と膨大な雷のエネルギーが迸る。
 緋車は、これを躱すために追撃を諦めざるを得ない。
「チッ……!」
 宝具から放たれた雷のエネルギーたるや、緋車ですら無視出来ないほどだ。
 並の攻撃は気の力で弾くなり相殺するなり出来てしまうのが、この男の内功。
 それをすら許さぬ青月の仙力は、藍にとって大きな有利である。
「――やっぱり、私にはまったくわからない」
 藍は呟いた。
「何?」
「強者と戦いたい。そのために戦を起こす。そして、罠を仕掛けて皆殺しにする。
 そんな考えも、そこに生まれる喜びも、あなたのことは何一つわからない」
「……」
 ぴくり、と緋車の眉が動いた。
「国と国の戦争なんて、本来は食料や領土、あるいは権威を得るためのもの。
 ……それもくだらないけれど、あなたのやっていることはどれにも劣ります」
「言うじゃねえか……その吠え面をブチ砕いてやりたくなってきたぜ!!」
 緋車が恐るべき速度で襲いかかる。藍は青月を盾代わりに打撃を受けた!
「く――!」
 攻撃を読んでいたとはいえ、やはり破壊力は折り紙つきだ。
 続けざまの連撃が、身を躱そうとした藍の身体をかすめ、切り裂く。
 彼女ほどの占い師でなければ、直撃を受けて全身が砕かれていただろう。
「……今度は、外しません」
 再び青月が稲妻を放つ。緋車は横にステップして躱そうとするが……!
「――何!?」
 一撃目は囮! 二度目の稲妻は、これまでに見たことがない熱量の大雷!
 極太の柱じみた雷が、周囲の地形ごと緋車を飲み込み、焼き焦がした……!

成功 🔵​🔵​🔴​

秋山・軍犬
…成程、強いっすね
これ程の功夫…大技を入れる難易度は高いっすね

ならば、ガードを固め相手の放つ鎖爆牢に
狙いを定め(見切り+スナイパー)あえて当たりに行く…
全身を拳に見立てた拳撃(体当たり)での圧力拳でな!
(覇気+気合い+限界突破+圧力拳)

相対するUCの鎖爆牢は、拳も爆破も普通に死ねる
威力だろうが鎖で繋ぐ追加効果がある辺り
単純な破壊力による一撃必殺系ではないと見た

対する圧力拳は力の集約とその運用を突き詰めた破壊技
余計な効果の無い分、パワーには自信があるし
自分にはそのパワーを運用できるだけの
肉体の強さと技術がある!

さあ、後は全身全霊の圧力拳で
あんたの拳、爆破、鎖を圧する事が出来るか…勝負だッ!!



●拳と拳
 単純なパワーは、時としてありとあらゆる理屈をねじ伏せる。
 それがユーベルコードというものだ。秋山・軍犬はよくよく理解していた。
「……なるほど、強いっすね」
 称賛や弱音ではない。
 純粋な理解であり、確認のようなもの――口にした言葉の意図はそんなところ。
「自分は武侠ではないっすが、あんたの功夫とやらは大したもんっす。
 オブリビオンになる前は、さぞかし鍛錬を積んだんでしょうに、勿体ないっすね」
「勿体ない、ねぇ」
 緋車は、こきこきと首を鳴らした。
「どこが勿体ないってんだ? 俺は、俺が築き上げた力を有効活用してるぜ?」
「……そういうところっすよ。まあ、言ってもわからないとは思うっすが」
 軍犬はそれ以上取り合わず、オーラを練り、全身に循環させた。
 目に見えた変化はないが、軍犬の質量がぐっと濃密になったような圧力がある。
 緋車の笑みから余裕と嘲りが消え、瞳が殺意にぎらつく。

 両者はオーラを高め、必殺の一撃に身構えた。
(これほどの相手に大技を入れることは出来ない……となれば、一撃に尽くす)
 軍犬の狙いは、一種のカウンターだ。
 緋車の攻撃にあえて当たりに行くことで、拳に見立てた己の身体の力をぶつける。
 力の集約とその運用を突き詰めた破壊技ならば、けして見劣りはしないはず。
 緋車も、軍犬の捨て身の一撃をあえて味わいたいという欲求を抱いていた。
 あとは、奴の拳を砕くことが出来るか……すべては出たとこ勝負だ。

「……その自信を、肉体ごとバラバラに砕いてやるよォ!!」
 緋車が、恐るべきスピードで踏み込んだ!
 膨大な外気功を纏った拳が、ミサイルのような勢いで繰り出される。
「これが、俺の鍛えた技術とパワーの集大成……さあ、勝負だッ!!」
 軍犬は文字通りの全身全霊で、巨大にすら見える拳にぶつかりにいった。
 高まったオーラが真正面からぶつかり合うことで、衝撃が外部に炸裂する。
 雲は吹き飛び、地面は割れて砕け、猛烈な風が吹き荒れた!

 勝負は一瞬、衝撃も一瞬。そして、決着も一瞬だ。
「がはぁっ!?」
 吹き飛んだのは――緋車だ!
 拳を起点に半身におびただしい亀裂めいた傷が走り、血を噴き出している。
 立ち尽くす軍犬とて無傷ではない。だが、立っているのは彼の方だ。
 己の技術と力に命を賭けた、誇りある戦士の貌で、軍犬は緋車を見下ろした。

成功 🔵​🔵​🔴​

ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
みみっちい戦いに煩わされて面倒だってのは確かだけど、
あたしは退屈なくらいで丁度いいよ。
まあ、言っても仕方ないし、相手になろうか。

さて、相手の速さと戦い方を考えたら、確実に近距離での殴り合いになるね。
真っ当な武芸では相手が上だろうし、【鋭敏感覚】で攻撃を見切れる様にしようか。

拳を避けたり外骨格で受けたりしながら何度か打ち合ったら、
相手の拳が当たる瞬間に雷電尾を使って体から放電して一瞬マヒさせるよ。
動きが止まったらカウンターで思いっきりぶん殴ろうか。

まったく、戦うのなんて疲れるだけだと思うんだがねえ。



●退屈の価値
「……今、なんて言った?」
 ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストードは、面倒そうな顔で首を傾げた。
「だから、"あたしは退屈なくらいでちょうどいい"って言ったんだよ」
「……」
「みみっちい戦いに煩わされて、面倒だってのは確かだけどね」
 言葉の意味を判じかねる緋車に、ペトロニアロトゥシカは続ける。
「戦いで退屈を紛らわすなんて、それこそ「面倒」だし、あたしは面白くない。
 ……って言葉で説いたところで理解できないだろ? だから、別にいいさ」
 ペトニアロトゥシカには、わかっていた。
 緋車は、闘争と殺戮を第一とする破綻者だと。
 だから「闘争」よりも「退屈」を是とする価値観は、理解すら出来まい……と。
「相手になるよ。かかっておいで」
 まるで、仕方なく子供をあやすような物言いは、奴の逆鱗に触れた。
「――女ァ!!」
 怒号がびりびりと大気を震わせる。直後、緋車の姿が消えた。
 ペトニアロトゥシカは振り返りざまに蹴り足を放つ。……拳と激突!
「だったらよォ、二度と退屈を感じられないようにしてやるぜッ!」
「そういうのが御免だから、暇な方がマシって言ったんだけどねぇ」
 両者は反発力で弾かれ、そして食らいつくように再び間合いを詰める。
 闘争しか知らぬ男と、闘争の愚かさを知る女。
 戦いによってしか決着をつけるしかないのは、なんとも皮肉な話だ。

 一撃を重ねるごとに、ペトニアロトゥシカは緋車の攻撃を学んでいく。
 どのように拳を繰り出すのか、
 どこを狙って攻撃するのか、
 どうやって相手を殺そうとするのか。
 剥き出しの殺意は獣と同じだ。だから、彼女には手にとるようにわかる。
(やっぱり、戦うのなんて疲れるだけだよ)
 高揚などない。
 もっとマシな時間の過ごし方があるはずだという、呆れと残念さだけがある。
 弱敵だから退屈していると? いいや、"そういう話"ではないのだ。
 ペトニアロトゥシカは、闘争そのものに価値を見いだせない。
 緋車は、闘争にしか価値を見いだすことが出来ない。
「――哀れなもんだね」
 空気が渦を巻く。捻りから放たれた手刀がペトニアロトゥシカの喉を狙った。
 ペトニアロトゥシカは体をそらして胸を突き出し、胸骨でこれを受ける。
 ドリルめいた手刀が肉を突き破ろうとした瞬間、ばちりという破裂音。
「ぐ――!?」
 全身を電流が駆け抜け、指を伝い、緋車の身体を麻痺させた。
 手刀は肉を抉ったところで止まる。ペトニアロトゥシカを貫くことはない。
「ひとつ言っておこうか」
 ペトニアロトゥシカは金色の瞳を細めた。
「あたしはアンタほど戦いを楽しんじゃいないけど……」
 ハンマーのような重さと威力を秘めた拳が、鳩尾をぶち抜く。
 緋車は血反吐を撒き散らして、すさまじい速度で吹き飛び、地を舐めた。
「が……ぐ、ァ……!? お、俺が、テメェみたいな女に……!!」
「――戦いそのものは、少しは真面目にやってるつもりだよ?」
 ペトニアロトゥシカは、闘争に価値を見いださない。
 だがそれは、彼女が弱者であることを意味しない。
 強さの意味を知るからこそ、彼女は退屈を是とするのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​

劉・涼鈴
武侠モノによくいる魔教って連中みたいなやつだ!

ぃよっしゃああああ!! 【気合い】入れて行くぞぉ!!
全身に【覇気】を漲らせて全力全開!!
劉家の涼鈴! いざ参る!!

地面踏み砕く勢いで【ダッシュ】!
間合いを詰めて拳と蹴りの応酬だ!
鍛え上げた【功夫】は岩を砕き大地を揺るがす!!
豪快精緻! ガンガン攻めていくよ!

当然、向こうの攻撃も喰らうから、爆発が起こって闘気の鎖で繋がれちゃうね!
でも、条件は対等だ! むしろ更に間合いを詰めて至近距離へ!
爆発を起こす拳へ頭突きだッ! おらぁ!!(限界突破・捨て身の一撃)
ほぼ密着距離からの! 【怪力】で! 【劉家奥義・神獣撃】!!
ぶちかます!!



●カンフー・チェーン・デスマッチ!
 緋車と劉・涼鈴は、口元に笑みを浮かべて睨み合う。
 目に見えない気の力が張り詰めて、今にも爆発しそうな緊張感が漂っていた。
「いいな、お前……いい武功をしてやがる」
 緋車は目を細めた。涼鈴のただならぬ功夫を感じ取り、愉悦を覚えたようだ。
「そっちこそ中々やるみたいだね……よぉし」
 涼鈴はズシン!! と両足で大地を踏みしめ、気合を入れた。
「ぃよっしゃぁあああ!! 劉家の涼鈴! 全力全開で!! いざ参るッ!!!」
「緋車が相手になってやるよ、ガキィ!」

 両者はほぼ同時に地面を踏み砕き、猛スピードで間合いを詰めた。
 砕けた地面の破片は舞い上がり、張り詰めた気によって砂塵に変わる。
 渦巻く砂煙は、ふたりの拳がぶつかりあって生じた衝撃波に吹き飛ばされた!
「おぉおおりゃああああ!!」
 涼鈴はあえての素拳で緋車に戦いを挑む。方天戟ではリーチの死角があるためだ。
 卓越した武功を持つ戦士との戦いでは、長柄よりも徒手空拳が勝ることも多い。
 事実ふたりの打撃の応酬は、武侠でさえ目視できぬほどに……疾い!
「ハッ! 生きがいいなガキィ、テメェのような奴を縊り殺すのはたまらねぇぜ!」
 緋車は掌で涼鈴の鉄拳をいなし、胸骨を砕く威力を秘めた縦拳を繰り出した。
 涼鈴はそこであえて一歩踏み込み、拳の威力を殺すことでダメージを減らす。
 いなされた拳の圧力で地面は割れ、蹴りを放つたびに大地が揺らぐ。
 豪快にして精緻。涼鈴は多少のダメージを受けても攻め手を緩めない!
「まだまだ、私の功夫はこんなもんじゃないよッ!!」
「いいねぇ……だが、ここまでだッ!」
 緋車の拳が、涼鈴の脇腹にめり込んだ。
 闘気が爆発し、超至近距離にいた涼鈴を大きく吹き飛ばす。
「ぐぁ……ッ」
 脇腹からは闘気の鎖が生え、涼鈴が逃れることを許さない。
 緋車は吹き飛んで体勢を崩した涼鈴を引っ張り込み、頭部を踏み砕くつもりだ。

 ――しかし!
「これで、条件は対等……!!」
「――!」
 涼鈴が浮かべた表情は苦悶ではなく、笑み。
 涼鈴は空中で体勢を取り直し、緋車が鎖を引くより疾く地を蹴った。
「こいつ……わざと食らったってのか!?」
 鎖が繋がれているということは、緋車も不用意に離れられないということ。
 緋車は咄嗟に空いた拳で涼鈴を撃ち落とそうとするが、涼鈴のほうが疾い!
「おらぁ!!!」
「ッ!?」
 頭突きである。拳は強烈な頭突きで砕け、血が噴き出した。
 たたらを踏むのは緋車のほうだ。毬めいてくるくる回転しながら、涼鈴は必殺の一撃を放つ!
「奥義、神獣撃――ぶちかますッッ!!」
 鉄拳公主の所以ここにあり!
 体格で遥かに劣るはずの涼鈴の拳は、緋車のいかなる技をも超えていた。
 爆発的な内功が、向こうに聳える山にまで到達し、山の頂が砕けたほどだ!
「ごぼ……ッ」
 緋車は内臓に打撃を受けたことを意味する大量の血を吐き、吹き飛んだ。
 裂け目が生まれてズタズタになった地面を転がり、立ち上がろうとしてよろける。
「これが、劉家の奥義だよ! 次はもっとキツいの味わわせてあげる!」
 溌剌と笑う少女の瞳は、闘志にめらめらと紅く燃えていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

牙・虎鉄
◆白と

成る程、武を競う相手として申し分ないが……

――ふむ。
助太刀を申し出されて断っては仁に背く。では、初手の攻防は君に任せよう。決着は俺が担う。

音を聞くだけで判る。
申し分なく鍛えられた武技、神域の縮地歩法。だが悲しい哉、一つ足りぬ物がある。

白、後は俺がやる。

毀鋼拳、牙・虎鉄。
お前の武を喰らわせて貰う――行くぞ。

空気の動き、音
そして何より彼奴の闘気と殺気を読み最小の動きで攻撃を躱す。
独りよがりの武求に溺れ心忘れた拳、何とも読易い。
(野性の勘×索敵×受け流し)

躱せば其即ち俺の間合――
【炸雷】。寸勁、肘打、鉄山靠を瞬きの間無く連続で見舞う。(功夫×決闘)

貴様の武には心が無い。
其が貴様の敗因だ。


御門・白
◆虎さんと

確かに大した武ですね。
秘めた気がこの距離でもわかるくらい
でも……それだけです
武を競うにしても。相手は侠ではないから、助太刀くらいは赦してくださるでしょう?
と、虎さんへ小さく笑って

速いですね
でも……あなたの余計な仕掛けで、ここには縁ができている
……私はそれを辿っていく
手にした劔を敵の攻撃に合わせるようにぶつけて

どれほど速くても、あなたの濁った心根はよく視える
敵の攻撃に【カウンター】気味に剣を。拳を、蹴りを合わせて、防ぎ、止め、目論見を砕いていく
あなたの望みと、あなたの縁を切り離していくように
でも、私はここまで。
あなたを否定する牙は。虎さんだから
お願いします



●妖牙双侠
「――なるほど」
 牙・虎鉄は瞑目したまま、ひとつ頷いた。
「武を競う相手としては申し分ない。あの武功はたしかなものだ」
「……そうですね。でも、それだけです」
 御門・白は薄く微笑む。
 秘めた気が、これほどの距離を保っていても感じられるほどの強者とて、白は恐れはしなかった。
 負けるつもりはなかったし……隣には、虎鉄という"侠"がいるのだ。
「ねえ、虎さん。相手は侠ではないのです、助太刀くらいは赦してくださるでしょう?」
「……――ふむ」
 虎鉄は思案するように間を置いた。
 武を競うのならば、一対一、互いに正々堂々と同じ条件で相対してこそ。
 それは虎鉄としても望むところだ……だが、助太刀を申し出されたならば。
「……断るのは仁に背く。では、初手の攻防は君に任せよう、白」
 微笑みを浮かべて、白は頷いた。
「話は済んだかよ? 猟兵ども」
 猛獣めいたぎらついた殺意が、ふたりを射抜く。
「ひとりだろうがふたりだろうが、何人居たって勝つのは俺様だ、好きにしな。
 この緋車がお前らの命を貪ってやる。さあ、名乗れよ。侠ならば」
「――毀鋼拳、牙・虎鉄。お前の武を喰らうのは、俺だ」
 緋車が愉快げに目を細め、虎鉄を睨み……次いで白を見た。
 だが白は、ふるふると首を横に振った。
「名乗りません。だって決着をつけるのは、私ではないもの」
「……餓鬼が」
 どろりと濁った殺意が吹きすさぶ。白の怜悧な面持ちは変わらない。
「いいぜ……ならその生意気な面から引き裂いてやらァッ!!」
 緋車が仕掛けた。迎え撃つ白の手には劔が一振り……!

 単純な技量、そして速度ならば、白が緋車に劣るのは明白だった。
 そもそも彼女は、虎鉄ほど武功を積み重ねた侠というわけではない。
 しかしだ。目や耳では捉えきれぬ速度とて、捕らえる方法はひとつではない。
「あなたの濁った心根が、よく視えます」
 頭蓋を割って脳漿をすくいとるはずの鉤爪を、劔が弾いた。
 ならばと繰り出された脊髄狙いの縦拳を、白は丁寧にそらしてしまう。
「ガキィ、てめえ……ッ!!」
 めくるめくような連続攻撃。蹴り、蹴り、拳、蹴り、蹴り――フェイント、拳。
 一撃ごとに風が斬り裂かれて悲鳴のような音が吹きすさぶ。
 白はそのことごとくをいなし、弾き、あるいは繰り出される前に止めた。
 返す刀で華奢な拳が急所をしたたかに打ち据える。苦悶するのは緋車の側だ!
「ぐッ!?」
「あなたの余計な仕掛けで、ここには縁が出来ています」
 趨勢が逆転する。攻めるのが白で、防ぐのが緋車だ。
 技巧でも膂力でも速度でも勝るはずの緋車が、一方的に打撃を受けている!
「私はただ、それを辿るだけ。目でも耳でもなく、縁であなたを捉える」
 緋車の打撃が、猛り狂った獣のそれであるならば。
 白の丁寧な攻撃は、計算され尽くした巨大な機械のようだ。
 一撃は軽い――だがその一撃一撃が、因果を、因業を解きほぐしていく。
 目でも耳でもなく、縁を辿り、そして断ち切る妖しの劔である。
「あなたの望みを、意志を、縁を断ち切り、否定します」
 殺戮を求めるその欲望自体を、振り下ろされた劔が断ち切った。
 袈裟の傷は浅い。しかして緋車は、不思議と白の攻撃を防ぎ躱せない……!

「――けれど、私はここまで」
 す、と白が退いた。
「あなたを否定する牙は、此処にあるから――虎さん」
「応」
 静かな、地を揺るがすようなたしかな声。
 入れ替わりに攻め込むのは虎鉄だ。鋭く窄まった殺気が、緋車の心臓を貫く。
(こいつ……まずいッ!)
 緋車は半ば恐怖めいた悪寒を覚え、たたらを踏みながら牽制打を撃った。
 苦し紛れの攻撃だ。垂れ流される殺気と闘気を読み取るのは赤子の手をひねるより容易い。
「技が、乱れているな」
 虎鉄は瞑目したまま手刀を膝を弾き、そのぶんだけ短打を叩き込んだ。
「がふッ」
 緋車は吐血する。打撃ははたから見ると肌に触れたようにしか見えないが、実際は練り上げた内功が体内を貫通している。内気功だ。
「逃さん」
 虎鉄はよろける緋車の襟を掴み、引き戻し、寸勁を撃ち込んだ。
 ドウン!! と大気がたわむ。緋車の目・鼻・口、そして傷跡から噴血!
「――ッッッ」
「貴様は武を辱め、喜悦に溺れ、そして他を蔑ろにした」
 肘打、連拳、腿・脇腹・頭部への三連襲撃。
 嵐のような打撃が緋車を襲う。

 躱せぬ。
 防げぬ。
 何故だ? 緋車は朦朧とする意識の中で考えた。

「何故と惑っていよう。ならば、教えてやる」
 ぴたりと、虎鉄の半身が緋車に密着していた。
 ドウン――再びの衝撃音。鉄山靠。緋車は撥条仕掛けめいて吹き飛ぶ。
「がはァアアッ!!」
「貴様の武には、心が無い」
 瞑目の侠は、静かに言った。
「それが、貴様の敗因だ」
 その武、冴え渡るは夜の月が如し。
 紛れもなく、研ぎ澄ませ練り上げた武功のなし得る技であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

陽殿蘇・燐
(生配信続行中)

わかりやすい手合が来たわね。
それにしても、拳を極めたオブリビオン…やりにくいったら。
そう、コメントにある『主人公の仲間、一人だけ武を極めすぎて幻覚効かなかったよね』を思い出すのよ。
でも、やれるとこはやらないとね?今は猟兵なのだし。

間合いをとって【炎術:芭蕉扇】。おそらく、暗闇にしても音で気づかれる。
ならば、それすらも撹乱すればいい。
『音を聴いて位置を特定した』という過去を焼却するわ。
UCによるクロアゲハと、武器の『黒揚羽』…そうそう区別はつかないわよ。『黒揚羽』の効能は、気づかれにくいからね。

あ、生配信は不定期だから、チャンネル登録して、通知ONにね。



●暗闇を纏う
 ふよふよと、幻もたらす麝香揚羽が戦場に舞う。
 芳しい香りは、たとえ万軍でさえも終わらない幻に取り込んでしまうだろう。
「くだらねえな」
 しかし……ある一定のラインを「超えて」しまった武術家に、それは通じない。
 緋車は邪悪だが、武の位階だけで言えば尋常ならざる領域に突入している。
 拳圧が麝香を吹き飛ばし、幻の残滓は風に吹かれて消えていった。
「……やりにくいったらないわね」
 流れるコメントをちらりと確認して、陽殿蘇・燐はため息をついた。
 幻は効かないという現実を、認めざるを得ないようだ。
 ではどう攻めるか――燐は思案し、距離を取ろうとした。

 次の瞬間、緋車は目の前に居た!
「下がって次の搦手をしようってか? そうはいかねえな!」
「く……!」
 とんでもないスピードだ。これでは距離を取って攻撃する暇もない。
 燐を守ろうと揚羽の群れが集まり、拳を受け止め、衝撃でばちばちと散っていく。
 拳圧は殺しきれず、燐は衝撃波めいた一撃で吹き飛ばされた!
「やってくれるわね……けれど、泥に塗れたくらいで諦める私じゃないわ」
 緋車が追撃を仕掛ける前に、燐は芭蕉扇を振るった。
 すると風の中から、燃えるクロアゲハの群れが荒々しく舞い出る。
 それは、緋車の攻撃で散っていった、同じ揚羽の怨みを晴らさんばかりだ。
「おいおい、そいつはもう食わないって先刻わかったはずだろうが!」
 おびただしい数のクロアゲハたちの羽根から炭めいた黒が溢れ、緋車を包んだ。
 暗闇の中、緋車はぱちぱちと燃える音を頼りに拳を振るい、揚羽を撃ち落とす。
 触れれば炎上して大ダメージを受けるなら、触れずに落としてしまえばいい。
 こんな暗闇で、達人の目を曇らせることは出来ないのだ。

 緋車に誤算があったとすれば、それは黒揚羽が「過去を燃やせる」ということか。
「音を聴いて、位置を特定した……そんな過去は、燃やしてしまえばいい」
 芭蕉扇から生み出されたクロアゲハたちは、脆くも微塵に散ってしまった。
 だが、燐には、ユーベルコードなしに操れる黒揚羽たちがいる。
 暗闇を構成する炭が、もうひとつの揚羽たちの炎によって燃え上がる!
「ぐ、ぁあああ……!? な、なぜだ、俺はたしかに……!」
「策ってのはね、二手三手と布石を置いてこそ効果を発揮するものなのよ」
 火だるまになったオブリビオンに、燐はとびきりの悪い笑みを送ってやる。
 するとコメントの速度が倍増した。悪女の面目躍如、である。
「……生配信は不定期だから、チャンネル登録して通知をオンにしておいてね」
 ついでに動画の宣伝もこなす燐の笑みは、達成感に溢れていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラファエラ・エヴァンジェリスタ
…我が騎士よ
あの男は好敵手を求めているそうだ
私には解せぬことであり、私では彼の期待に応えることも叶わぬ
ゆえに、貴公、行っておいで

指定UCを使用
召喚した騎士を彼へと差し向ける
自身は引き続き愛馬に騎乗したまま敵と距離をとる
此方への攻撃は騎士がかばうか馬に避けさせ
いずれも叶わねばオーラ防御で防ぐ
近寄られたら
「斯様なたおやめに手を挙げようなどと、恥ずかしくないのかね」
焦りは隠し「茨の抱擁」で絡め取り、足止めしつつ吸血を
「騎士よ。この狼藉者を誅せよ」
Tenebrarumに踏みつけさせるか後肢で蹴りでも入れさせてから距離を取る
安全圏に至ったら「黒薔薇忌」を振り鳴らして騎士の援護を
後は彼の戦いを見守るのみ



●我がための献身
「……私は、貴公が求める武勇など持ち合わせてはおらぬ」
 馬上より、ラファエラ・エヴァンジェリスタは言った。
「そもそも理解出来ぬし、期待に応えようというつもりも一切ない。
 ……だが、私には、貴公よりも優れた武勇を持つ騎士が居るのだ」
「へえ、言うじゃねえか」
 緋車は身構えたまま、ラファエラの出方を待っている。
 ラファエラは内心、心臓がはちきれそうなほどに怯えていたが。
「――我が騎士よ」
 影から滲み出るようにして、うつろなる半透明の騎士と白馬が顕れた。
 その名をパーシヴァル。あるじのために生き、あるじのために死んだ忠義のひと。
「行っておいで。そして貴公の武を、忠を、あれなるものに見せてやれ」
 騎士はこくりと言葉なく頷き、踵で馬の腹を蹴って、韋駄天の如く飛び出した。
 掲げた剣だけがはっきりと輪郭を持ち、太陽のようにぎらりと輝く。

「どんな手品が飛び出すかと思えば、死んだ亡者ひとりを喚び出すだけか?」
 緋車はあざ笑った。
「くだらねえ! 忠義なんてモンは、強さに何の関係もありゃしねえぞ!」
 武とはわがままを貫き通す力であり、緋車は傲慢であることをよしとする。
 だからこそ、存在しない武術書の噂を喧伝し、達人たちを集めた。
 己と同じ武を志すものなら、そうせずにはいられないと知っていたからだ。

 ――しかし。
「……!!」
 騎士の声なき裂帛の気合が響き渡る。
 鬱陶しげに振るわれた拳を、光り輝く剣は真っ向受け止め、そして弾いた。
「何ッ!?」
 たたらを踏む緋車の身体を、返す刀で振るわれた剣がざくりと裂いた。
 驚愕する。他者のために築き上げられた武を、緋車は知らぬゆえに。
「クソが……! てめえの相手は面倒そうだ、だったら女を殺してやる!」
 緋車は追撃を潜り抜け、後ろで見守るラファエラに襲いかかった。
「斯様なたおやめに手を挙げようなどと――」
 茨の抱擁が無礼者の足を絡め取る。流れる血を茨が吸った。
「女も男も、戦場で関係ねえなあ! ましてやテメエは血を吸う化け物だろうが!
 礼節なんぞくだらねえ、その高みの見物決め込んだ顔を吹き飛ばしてやるよ……!!」
 妄執と殺意がラファエラを襲う。黒衣の魔女は悲鳴をかろうじて押し殺した。
 ラファエラに、武はない。しかし矜持と意地はある。恐れを押し殺せるだけの意地が。
「騎士よ! この狼藉者を誅せよ!!」
 ラファエラは叫び、愛馬の蹄で愚か者を蹴り飛ばし、距離を取った。
 手振鈴が怨霊を呼ばい、緋車に纏わりつく。騎士が拍車をかける!
「女ァ……!!」
「――貴公が見るべきは、私ではないぞ」
 いまや騎士の剣は光のあまりに二倍近くに膨れ上がっていた。
 藪をつついたと言わざるを得まい。緋車の狼藉は騎士を憤らせただけだ。
「こんな力を……俺が、認められるか……!!」
 他者のために、命さえも賭ける覚悟。
 それが今、己のためだけに生きた愚か者を、槍のように串刺しにした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

張・西嘉
アドリブ歓迎

なるほど小細工など必要ない、か。
餌をばら撒いておびき寄せただけのようなもの。
雑だがまんまと俺達は釣られたのわけだ。

わかりやすく闘いだけを求めているようだが…
そうだな不謹慎かもしれんが俺も強いものと戦うのは好きだからな
だがまた戦禍を起こされればたまったもんじゃないんでね。倒させてもらう。

【聞き耳】で拳の音を聞き攻撃を回避
【カウンター】で【功夫】【怪力】を込めてUC【地砕撃】



●昼星夜影
 餌をばらまき、強者を集める。
 そこだけ見れば、緋車は見事に猟兵たちを「釣り上げた」と言えよう。
 ……もっとも猟兵は、言うがままに贄となるほど惰弱ではないが。
「ふ、へははは……楽しいねえ、戦いってのはよ!」
 血まみれの有様で、緋車は子供のように無邪気に嗤った。
「なあ、テメエもそう思うだろう? 同じ武を追い求める者ならば」
「……そうだな」
 張・西嘉は意外にも、否定ではなく肯定を返した。
「不謹慎かもしれんが、俺も強いものと戦うのは好きだ。そこ"は"同意する」
「だったら――」
「しかしだ」
 西嘉はぴしゃりと言葉を遮った。
「そのために戦禍を起こすってのは、また別の話だ。それは認められんよ」
 緋車の顔から、笑顔が消えた。
「強いものと戦うために、罪もない誰かに血を流させるのは、武侠と言えまい。
 俺としても、そのたびに戦いが起こるのはたまったもんじゃないんでね」
 西嘉の双眸には、揺らぐことなき、まっすぐとした侠気が燃えていた。
「ここで、倒させてもらう」
「……くだらねえ。侠だのなんだのと! 強さだけを求め殺し合いだけを楽しめよ! それ以外のもんなんざ、俺らには不要だろうがッ!!」
「見解の相違だな。御託は充分だろう?」
「…………」
 ぞっとするような殺意が、西嘉を襲った。
 だが、西嘉は不敵に笑っている。雨のあとの晴れ渡る空のように。

 先手は緋車が取った。
「だったらよぉ! その雑念が強さには無関係であることを教えてやるぜ!!」
 あまりの速度に、指先を纏う空気が焦げてあかあかと燃えていた。
 それほどの疾さの連撃を、西嘉は五感を冴え渡らせて見切り、いなす。
「ああ、たしかにこりゃ大した強さだ。しかし――」
 まるで、風に吹かれる柳のように、緋車の武功が西嘉を害することはない。
 それでいて、西嘉の動きは大地にしっかりと根ざし、泰然自若としていた。
「どうやら、俺のほうが強いらしい」
 ぎしりと、武侠の口元に力強い笑みが浮かんだ。
「が……ッ!?」
 青龍偃月刀が、緋車の両肩を切り裂いた。
 深々と刻まれた傷は、もはや奴が攻めるも守るも出来なくしてしまう。
 緋車には、一瞬の斬撃がまったく見えなかった。
 昼の星のように。
 夜の影のように。
 異能を用いたわけではない。純粋な、圧倒的な武功による力量の差。
 他者を踏みにじることなく、血を流させることなく、たどり着いた境地。
 偽りの境地で慢心していた緋車には、見えず感じることも出来ぬ。
 その事実自体が、緋車の精神を砕くまったき一撃となった。
「お、俺は……戦いだけを求めた……なのに、なぜ……」
「戦いしか求められなかったから、だろうよ」
 西嘉は瞑目し、決然と瞼を開いた。
「引導を渡してやる――砕け散りな!!」
 練り上げた内功を込めた一撃が、緋車の五体をバラバラに砕いた。
「バカな――!!」
 驕慢も、自負も、何もかもを肉体とともに砕き、骸の海へと還す。
 あるいはそれは、西嘉なりの手向けだったのやもしれぬ。

「……武の境地なんてのは、そう簡単にたどり着けるものじゃないのさ」
 残心を終えた西嘉は、静かに呟いた。
 認めることも相容れることもなかれど、西嘉も緋車も同じ武の輩。
 影さえ遺さず滅んだ仇敵を包む静寂は、ある種の哀悼にも似ていた。 

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年06月23日


挿絵イラスト