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金色の囀りは笛の音に似て(作者 桐谷羊治
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#UDCアース  #リプレイ執筆中 


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 おんなじひとになるの。それが幸せ。それがあるべき形。
 みんな一緒になって、檻の中で神様に祈るの……。
 でもみんなもうおんなじになってしまった。おんなじじゃ、おんなじになれない。
 だからおんなじではない人を神様に捧げてまたおんなじになるの。
 だから誰かを呼ぶのよ。
 おんなじではない誰かを。

 ●

「猟兵ちゃんたちは、南の島や祝祭に興味はあるであるかな」

 そう言って葛籠雄九雀が掲げたのは、煌びやかなビーチを背景に、派手なロゴとキャッチコピーが印刷された、A4サイズのチラシであった。書かれている内容はこうである。

「『二十年に一度の祝祭! エスニックな未知の島であなたも神秘体験! 綺麗なビーチと砂浜を堪能! プロによるマッサージ付きでくつろぎのひとときも!』」

 のんびりした口調で言う仮面のせいで、余計間の抜けた内容に聞こえる。そもそもチラシ自体が、旅行会社が作ったというよりは、素人が作ったような出来である。辛うじて紙には加工が施されているが、写真は若干ぼけているように見えるし、ロゴは虹色だ。

「ツアーらしいのであるよな。最少催行人数は二人であるが、まあ一般人が二人で行ったら死んで終わりのツアーである」

 さらりととんでもないことを告げた仮面は続ける。

「このチラシ、旅行会社のチラシの中に紛れて置かれていたものなのであるが、UDC組織の方で調べたところ、こんなものを出した旅行会社はどこにもなかったのであるよ。まあ、一目で分かるとは思うのであるが……」

 そうして仮面が言うところに曰く、UDC組織で調べる限り、どうやら二十年前にも実際に同じような迷惑行為があったらしい。そして同時期に失踪した人間が二人おり、行方不明として処理されていた。流石に不審なため、密かに調べるため先んじて島へと行ったが――

「何やら歓待されたそうなのであるよなあ」

 ただ、潜入した職員たちは、『お祭りの日ではないから』と帰されたのだという。

「因みに、お祭りについて詳しく聞いてみたところ、簡単に教えてくれたそうであるから、共有しておくとであるな、どうやらシェル・キナ様という神を祀っておるそうである。その神に捧げる祭りと、その生贄として、二十年に一度、外から人を呼んでいるという」

 ああ、生贄とは文字通りであるようであるよ、とは、変わらずのんびりと話す仮面の言である。

「お祭りで生贄として外部の者を殺害する、その行為に一切の罪を感じておらぬのであろうなあ。むしろ嬉々として教えてくれたそうである。百年以上続けておるらしいであるぞ。とまあ、そこで」

 UDC組織からの依頼なのであるが、と九雀は言う。

「この祝祭に参加して、実態を調べた上で、神が邪神であれば屠って欲しい……ということである。まあ殺人を繰り返している時点で司法に照らして裁きたいとのことであったから、邪神でなかったとしても、上手く順応して殺人の証拠など見つけてもらえると嬉しいらしいが」

 祝祭では皆同じ化粧をして仮面を被り、同じ食事をして、同じ酒を飲むらしいであるぞ、と、己も仮面である九雀は、つい撫でるような仕草で自分へと触れ、そのことに気付いて手を離した。

「それから、生贄を中心に歌を歌いながら一晩待つらしい。生贄は同じでないので、『同じ』ものが現れるとかなんとか。そこについては島民もよくわかっていないようである。二十年に一度しか行わぬ上、祝祭の当日の記憶は皆曖昧らしいのであるよ。代々伝わる通りに毎回実施しておるだけらしい。ただ、どうやら、島民は『同じである』ことに固執しているようだ、というのが職員ちゃんたちの調べである」

 ああそれと、と、仮面は――人の造作をよく覚えられぬ仮面は――最後に言った。

「島民は皆、『ぞっとするほど同じ顔をしておる』らしいであるから、驚かぬように、と職員ちゃんたちは言っておったであるよ。だからすぐに見つかってしまったとも言っておった」

 伝えられるのはこれくらいか、と九雀は言い、それでは、と続ける。

「すまぬが、此度もよろしく頼むである」

 仮面はそう言うと、長身を折り畳むようにお辞儀をしたのだった。
 
 
 





第3章 ボス戦 『シェル・キナ』

POW ●Reality≠Existence
全身を【視認できるが触れられない状態】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD ●Senses≠Absolutely
自身が装備する【黄金の鳥籠】から【悍ましい光を発する禍々しい声の鳥】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【精神汚染、認識歪曲】の状態異常を与える。
WIZ ●World≠Defined
【虚空より召喚した金の檻に捕らえ、檻の外】を披露した指定の全対象に【精神状態を狂わせる幻を見せ、恐怖の】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠森乃宮・小鹿です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 
 
 
 ――三百年の澱、檻の主が、そこに顕現していた。
 白と金の、鳥籠を持った――否、もしかすると、己自身でさえ鳥籠に繋がれているのかもしれない神が。
 意思ある全てを毒し、狂わせるために――誰のことさえ、何のことさえ認識せずに、ただそこにいる『意思あるもの』を檻の中へと閉じ込めんがために、かの者は現れたのだった。
 さあ。
 さあ鳥籠の中へ。
 白と金で作られた神は、高く清らかな音を発する。
 人語を理解しているわけではない。
 だから祈りを理解したわけではない。
 それでも少女の祈りは届いた。何故かは誰も知らない。ただ目的が合致しただけかもしれない。供物となったことによりシェル・キナそのものも少女の祈りの中に組み込まれただけなのかもしれない。
 どちらにせよそれは鳥籠となった。
 誰も逃がさぬ、檻となった。
 それ故に、壊してしまわねばならぬのだ。
 この島を――檻を、鳥籠を。
 シェル・キナが、再び、高らかな音を発した。
 籠の中で歌う、鳥のように。