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大祓百鬼夜行㉕~盲愛Capriccio

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行

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#カクリヨファンタズム
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#大祓百鬼夜行


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●狂愛
 UDCアース・東京スカイツリー。
 其の最上部に設置された140mにも為る巨大構造物。通称・ゲイン塔。
 ゲイン塔を中心に、東京の上空が歪み、別の世界が投影される。
 其れはまるで、カクリヨファンタズムが如し。
 ゆるりと上空を見上げる 可憐な少女の様相をしたナニか。
 究極妖怪であり、大いなる邪神でもある、大祓骸魂。
 手に持つ小刀を大事そうに撫でながら、少女は―大祓骸魂は、うっそりと嗤う。

 ―嗚呼、愛しきUDCアース。あなたを思う、私の愛は揺るがない。

 ―嗚呼、愛するUDCアース。あなたは過去になり、永遠となる。

 ―嗚呼、愛しむUDCアース。あなたのために、私は此処にいる。

 ―嗚呼、愛しいUDCアース。あなたたちは、私は待っています。

 ―猟兵たちよ、私を止められますか?

 其れは、愛と呼ぶにはあまりにも―。

●偏愛
 ようやく、ようやくである。
 カクリヨファンタズムの妖怪たちが、身を呈して行った大祓百鬼夜行。其の目的たる大祓骸魂が姿を現した。
 小さく息を吐いて、神宮時・蒼(追懐の花雨・f03681)は真っ直ぐ猟兵たちを見据えた。
「……朗報、です。…大祓骸魂へ、通じる、路が、ついに、開かれました」
 たくさんの妖怪の尽力によって開かれた、道。
 此処まで力を貸してくれた妖怪たちの為にも、彼女を止めなければならない。
「……但し、大祓骸魂は、膨大な虞(おそれ)に、よって、今回の、戦争に、存在した、あらゆる手段を、行使して、遅い掛かって、きます」
 其の手段は膨大ではあるが、其れは此方も同じ。
 此れまでの手段が、其のまま此方の力となる。
 武を行使するのであれば、真の姿を駆使して戦う事が出来る。
 知を行使するのであれば、語らいの時を経て猟兵の想いを伝え、相手の戦意を削ぐ事も出来る。
 此の世界を滅ぼさせない、という強い意志を以って。
 ありとあらゆる手段を行使して、此の戦いを終焉へと導いてほしいと、蒼は祈る様に言葉を落とす。
「……彼女の言う、愛、が、正しいのか。…正直、ボクには分かり、かねます」
 愛するが故に、不変無き世界へ誘おうとする其の意志は。きっと、尊き物であるのだろう。
 けれど、だからと言って、世界を一つ殺してしまうのは。
「……皆様なら、成し遂げられる、と、信じて、います」
 今、二つの世界を救う事が出来るのは、此の場に募った猟兵たちに他ならないのだから。


幽灯
 幽灯(ゆうひ)と申します。
 戦争シナリオ最終決戦、お届けさせていただきます。
 やや難となりますので、判定は厳しめになります。

 尚、此方のシナリオには以下のプレイングボーナスが発生します。

 プレイングボーナス:全ての戦場のプレイングボーナスから好きな物を選び使用出来ます。

 プレイングの一番最初に、希望の戦場番号を入れていただけると助かります。
 選択が二つある場合は、シナリオの種別orボスの形態名を記載してください。

 プレイング受付はOP公開直後から物理的な締切まで。
 断章投稿はありません。
  複数参加は二名まで。
 全採用はお約束できませんので、ご了承いただければ幸いです。

 また、大祓骸魂を救うことは出来ません。
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第1章 ボス戦 『大祓骸魂』

POW   :    大祓百鬼夜行
【骸魂によってオブリビオン化した妖怪達】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[骸魂によってオブリビオン化した妖怪達]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
SPD   :    生と死を繋ぐもの
自身が装備する【懐刀「生と死を繋ぐもの」】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    虞神彼岸花
【神智を越えた虞(おそれ)】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を狂気じみた愛を宿すヒガンバナで満たし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。

イラスト:菱伊

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

丸越・梓
戦場:18
アドリブ、マスタリング歓迎

_

俺は猟兵であり刑事だ
誰かを傷付けるためじゃない──誰かを救い、護るために戦う

不意に子どもに攻撃が流れ弾し
俺は咄嗟に庇って、駆け寄ってきた母親らしい人物に預けながら後ろへ下がっているよう素早く指示

戦場を巡り
その過程でついた傷は未だ癒えておらず、動く度ワイシャツの下にいくつも巻かれた包帯に血が滲む
けれど自身のことはどうだっていい
苦痛を欠片たりとも面に出さない

大祓骸魂の愛を否定するわけじゃない
けれど受け入れられない
唯護りたいから
妖たちの世界もこの世界も
故に俺は一般人達を背に庇い妖怪達と相対し
彼女や妖怪達も傷付けたくないから
この一閃にてオブリビオンたる根源を、斬る




 愛するが故に、世界を壊す。愛の形なんて、それぞれであるし、大祓骸魂の愛だって一つの形。
 果てしなく歪んではいるけれど、其れだって一つの立派な理念である。
 ただ、丸越・梓(月焔・f31127)にとって、其れは受け入れられるものでは無かった。其れだけの事。
「……っ」
 じわり、じわりと傷口が開く感覚が身体を苛む。ワイシャツの下には幾重にも巻かれた包帯。
 滲むように白いワイシャツに、鮮血の赤がゆっくりと拡がる。
 けれど、今はそんな事を気にしている場合ではない。このままでは世界が二つ、終わってしまうのだから。
 ぐっと前を見据える。
 もうすぐ、―もうすぐ。
 大祓骸魂に届くまで、もう少し。
 ふと、視界の端で影が動く。感情の乗らない瞳が梓を捉えて、一斉に迫り来る。
 世界を救って欲しいと、己が身を差し出した妖怪たち。―オブリビオン化した妖怪たちが、ずらりと並んで、梓の進路を妨害せんと立ち塞がる。
「悪いが、急いでいるんでね」
 かちり、と妖刀の鯉口を切る。抜き放った刃は、其の名にふさわしく、妖しい光を放って。
 大きく踏み込んで、横薙ぎへ一閃。ぐぎゃ、と潰れたような声が響いて、募った妖怪が地へと伏せる。
 返す刀で下段から上段へと逆袈裟に切り開く。ドロッと、傷口から血が零れる感覚が止まらない。
 早く、早く―。丸越・梓は、一介の猟兵である前に、一人の刑事である。
 正義を信じ、秩序を重んじる、警察の一員。其の理念は―。
 ふと、視界の端に、小さな影が映る。新手かと視線を移せば、妖怪ではない、人間の―。
『…あっ』
 怯え、脚が竦んでいるのか動けない、人間の子供。考えるよりも先に、足が前に出た。
(俺は、誰かを救い、護る為に戦う!)
 ぎゅっと目を瞑る子供を抱きかかえ、襲い掛からんとする妖怪を一突き、絶命させる。
 遠くに、母親らしき大人が慌て駆け寄ってくる。
『ま、ママ…』
「ここは危険だ。……此の場は俺が何とかする。だから、ゆっくり後ろへ下がるんだ。―早く!」
『は、はい…!』
 半ば怒鳴る様になってしまったけれど、此れも市民の命を護る為。致し方ない。
 母子が後ろへと駆けていく様子が、目端に映ると、梓は大きく息を吐く。
 横から飛び掛かってきた妖怪へ、懐の一番星の名を冠する拳銃を抜き、弾丸を放つ。
 軽い発砲音が響いて、額を打ち抜かれた妖怪が転がり、動かなくなる。
 淡く、優しく大祓骸魂は笑っている。
「俺は、ただ護りたい。二つの世界を」
 手にした桜を、一度納刀。
「誰も傷付けたくない。それは俺のエゴかもしれない。―だが!」
 其の気持ちには、大祓骸魂も含まれていて。
 頭では分かっている。彼女は救えないのだと。
 けれど。
「この一閃。……大祓骸魂、貴女のオブリビオンたる根源を、断ち切る!」
 愛を囁く彼女の理念は、根底が歪んでしまっているけれど。
 でも、其の愛に偽りは無かった。
 だが、此方にだって護りたいものが、譲れないものがある。
 一気に距離を詰めての、一閃。振るう刃が煌いて―。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラモート・レーパー
「はいはい御隠居。わかりましたから帰って寝ましょうや」
 戦場は15番で真の姿を使用。霊魂を運ぶ死神。相手を老人扱いする。実際はシルバー世代も真っ白な老老介護状態だけども。
 UCを発動し手や鎖のようなオブリビオンを召喚して掴みただひたすら引っ張る。相手のUCはこちらがそもそも死んでるか死そのものだから効かないと思うし。
「ほら、寝床が待ってますよ。新しいのが欲しいなら用意しますから。ほら! ほら!」




 ゆらゆらと、陽炎が如く。黒い衣装が風に吹かれて、ぱたぱたと靡いた。
 一歩、また一歩と。虚ろな何かが大祓骸魂へとゆっくり近付く。
「はいはい御隠居」
 やがて、何かは、はっきりとした姿を模って。真の姿へと為った何か―ラモート・レーパー(生きた概念・f03606)は死神が如く大きな鎌をくるりと振り回す。
 霊魂を運ぶ、死神。白い髪が、ふわりと揺れて。浮かべる表情は、にこやかな笑顔。
「愛がどうとか、世界を永遠にしたいとか。わかりました。わかりましたから―」
 帰って寝ましょうや。かっと見開いた瞳は紅に染まって。只々目の前で緩く笑む大祓骸魂を睨みつける。
 大妖怪、大いなる邪神。そんな肩書がどうだと言うのだろうか。
 此方から言わせて貰えば、其方の言い分は老人の戯言にも等しい。
 とは言え、相手は見た目すら可憐な少女であるど、実際は老人も驚く最長老であるけれど。
 からん、からん。
 籠の中の骸魂が、ゆらりと青い焔を揺らす。妖しく輝く焔は、ゆらゆら揺れて、灯が消えるかのように。
 ふっ、と掻き消えた、
 刹那、ラモートの背後に、陽炎の様に虚ろう白き腕が現れる。じゃら、と手にした同色の鎖が儚く音を立てた。
「生憎、そういうのは間に合ってるんですよ」
 くるり、と大鎌を振り回せば、ラモートの動きに合わせて白き腕もまた同じ動きを齎す。
「さあさあ御隠居、おやすみの時間です」
 下肢に力を入れ、大地を踏み締める。
『わたしは目覚めたばかり。眠るならば、この世界と共に』
 小さく首を傾げた大祓骸魂の背後には、世界を滅ぼす懐刀がずらりと複製され、鈍色の光を放つ。
 幾百にも連なる刃は、彼女の意思を伴って、時間をかけてラモートを襲う。
「……ふっ」
 大きく鎌を薙ぎ払えば、澄んだ衝撃音が重なって、小さく火花が散る。
 前後左右から迫る懐刀を、追従した白き腕が叩き落とす。
 けれど、其れも全てを叩き落せず、頬に一筋の鮮血が零れ落ちる。
 幾らラモートが死の概念を顕現した存在と言えども、懐刀は生と死を繋ぐもの、と言う名を冠する。
 死すら骸の海に叩き落さんとする、大祓骸魂の愛。
 でも、そんな愛にラモートは靡かない。
 肩を懐刀が掠める。ぱっと、赤い華が地面に零れる。―痛みなんて気にも留めない。意味をなさない。
 鎖が縫い留められる。―ならば、捨ててしまおう。
 そうして、幾つもの刃を掻い潜った後に、目の前に、美しい白無垢と”封”の文字が、ラモートの瞳に映る。
 にぃ、と小さく笑って。
「ほら、寝床が待ってますよ。新しいのが欲しいなら用意しますから」
 だから、早く眠ってしまえ。
 そうして、大祓骸魂の柔らかな其の身に、白き腕の姿を模したオブリビオンの一撃を、叩き付けた。

成功 🔵​🔵​🔴​

夜鳥・藍
ボーナスは真の姿で。
真の姿は光の翼に顔をベール。

大祓さんがおっしゃることはある意味正しいでしょう。彼女の視点、立場であれば。
でも同じ事象でも視点が違えば、全く違う答えが出る事はよくある事。タロットのように。
でもそれがきっと人というものでしょう。

真の姿になり、念動力で自身を浮かし空中戦を挑みます。
占い師としての第六感に従い相手の攻撃を回避し、行動範囲を空中も視野に入れる事でさらにその確立をあげます。空中機動でさらに回避の精度も上げていけば。
雷公天絶陣を放ち咲いた彼岸花ごと焼き払います。再度UCを放ち今度は雷を収束します。

ええですが。それでもそれだけの愛をうたえるのは羨ましいと思います。




 どれ程の敵意を向けられようと、大祓骸魂の淡い笑みは消える事は無く。
 愛とは、それほどまでに強い感情であるのだろうか。
 其の背に、光翼を携え、ぽつりと夜鳥・藍(宙の瞳・f32891)は呟きを零す。
 藍晶石の象徴たる銀の髪と宙を移す瞳は、すっぽりとベールに覆われて。
 果たして、藍がどんな表情を浮かべていたのか。誰も知る由も無い。
「大祓さんがおっしゃる事は、ある意味正しいのでしょう」
 誰かを、何かを思う一途すぎる一方的な、愛。其れは、最早感情ではなく、一種の決意。
 藍の脳裏に、父と母と、弟の姿が浮かんで。そっと消えた。
 大祓骸魂は無垢な愛を詠うけれど、愛の定義だって万人によって異なる。
 家族が抱く愛と、藍が思う愛。あの人たちの愛を疑った事は無いけれど。其れでも―。
 ふるふると小さく頭を振って、浮かんだ思考を打ち消す。
 同じ事象であれど、視点が変われば、答えも変わる。其れはまるで、タロットの様に。
(でも、それがきっと人というものでしょう)
 大祓骸魂と、猟兵たちの根本的な理念が違うように。
 ふわり、と藍の姿が空に浮く。
 瞬間、ずしり、と重圧が其の身に圧し掛かる。―此れが、大祓骸魂の虞か。
 つい、とゆるゆると大祓骸魂が指先を擡げ、藍を指し示す。ぞくりとした悪寒が背筋を駆け抜ける。
 急ぎ空中へと逃れれば、地面がみしりと音を立て、陥没する。途端、ぶわりと一面に朱色が広がる。
 風が、咲き誇ったヒガンバナを揺らして、幾つか花弁が空に舞った。
 ゆるりと大祓骸魂の視線が空へ佇む藍へと向けられる。ヒガンバナが咲く誇る中、静かに佇む彼女はまるで一枚の絵のよう。
 其の瞳に宿るは慈愛と狂気。タロットにおける、隠者のようだと、ふと静かに思う。
(永遠を望み、それを得た後。…彼女はどうするのだろう)
 自らが殺した世界を想い、永遠に寄り添うのか。はたまた、別の愛を他世界へ向けるのか。
(そんなことは、させないけれど)
 だって、其れは二つの世界が滅んだ後の事。そうならないように、藍は此処にいる。
 先ほどよりも広い範囲で、虞が石を以って襲い掛かる。潰れそうな重圧を身に受け、ぎしりと骨が軋む。
 内臓が潰れそうな痛みが全身を駆け巡った。大きく息を吐いて、痛みをやり過ごす。
 ふわりと光翼を羽搏かせ、淡く青く光る打刀を抜き放つ。切っ先を空へ向ければ、雷雲立ち込め、重い雷鳴が響く。
 ぱちりと青月が雷光を帯びる。ぱちぱちと電気が弾ける、其の刃を大祓骸魂へ向けて振り下ろす。
 轟音響いて、無数の稲光がゲイン塔を照らし、落ちた。
 咄嗟に虞を拡げ、落ちる雷光を弾くけれど、抵抗は許さないとばかりに落雷は大祓骸魂の周囲を焦がす。
 咲き誇ったヒガンバナを赤く赤く燃やして、彼女の白無垢をじりじりと焦がす。
 ぴしり、と亀裂が入る音が響いて、虞が割れる。大祓骸魂の笑みが崩れて、驚愕に瞳が見開かれて。
 ドン、と雷光が一閃。彼女の身を貫いた―。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミュー・ティフィア
プレイングボーナス:襲われている人々が、妖怪に殺されないようにする。

愛の為にここまで……それでもこの世界はこの世界に生きる動物や植物のもの。
過去の存在の為に骸の海に落とすなんて受け入れるわけにはいかないんです。

とにかく怖いのは虞やヒガンバナの余波で周囲の人々に被害が出ること。

ポリフォニーとリチェルカーレを併用した全力魔法の結界術を幾重にも展開して地上の人々を護ります。
必要ならアドリビトゥムの盾受けでのカバーもします。

スピリトーゾで飛行しながらスフォルツァンドの結界で攻撃を防ぎつつ大祓骸魂に接近し攻撃しながら歌による詠唱を続け、チャンスを見つけたら零距離から絆の光を放ち続けて浄化します!




 たった一つ。ただ、世界を想い続けた女がいた。
 何が彼女を其処までさせるのか。何が、彼女を此処まで狂愛に染め上げたのか。
 もしかしたら、彼女―大祓骸魂も、永い眠りの中で忘れてしまっているかもしれない。
 けれど、其の想いをミュー・ティフィア(絆の歌姫・f07712)はただ純粋に称える。
「愛の為にここまで……」
 一条の愛を貫かんが為に、一つの世界を犠牲にする。大祓骸魂はUDC自体を個として見ているのだろうけれど、其処に含まれる生きとし生けるものの末路については―。
「きっと、見えていないのでしょう。……それは愛と言うよりは、恋に近いような」
 言葉にするだけならば、良かった。けれど、大祓骸魂には世界を滅ぼす為の力が在った。
「そんな結末を受け入れるわけにはいかないんです」
 ふわふわと世界の混沌など素知らぬように、ヒガンバナが揺れる。咲き誇るヒガンバナは、この世界への手向けの花のつもりなのだろうか。
 大量に摂取しなければ、致死量には至らぬとは言え、大祓骸魂の力を帯びた花である。
 地上の力を持たぬ人間が口にしてしまったら、どのような悲劇が起こるのか。
 考えただけで、背筋に震えが走る。
 其の身に幾多の傷を作りながらも、大祓骸魂の余裕は消えない。あと、ひと刺し―。其れで世界が終わるというのに。
 ふわりと浮かんでいた魔導書が表紙を開き、ぱらぱらと頁を捲り続ける。
 翼の意匠が美しい杖を地面へと突き立て、魔力を限界まで注ぐ。
 青い燐光煌めいて、澄んだ音と共に塔を護る多重結界が展開された。風に流れた花弁がぱちり、と何かに妨げられて、ぽとりと地へ落ちた。
「これで周囲の人々への被害はありません。……全力で、やれます」
 透き通るような光翼が大きく閃く。ふわり、とミューの足が大地から離れて、大祓骸魂へと挑む。
 巨大な槌を手にすれば、魔力障壁が四方に拡がる。
『例え、何度挑まれようと。わたしの愛は、止まらない」
 ずしりと、空気が圧し掛かるような重圧がミューを襲う。大祓骸魂が虞を収束させて、穿つ。
 重い衝撃が、ミューを覆う障壁に響くが、光翼の勢いは衰えず。
 がん、がんと衝撃音が辺りに木霊して、ぴしり、と魔力障壁に小さく皹が入る。
「この歌に―」
 ぱぁんと魔力障壁が弾ける。それでも尚、襲い来る虞は、天槌の側面で叩き落とす。
 頭上から迫る虞は横へ跳躍し、回避。
「……私の全てを」
 大きく息を吸う。其の背後に、虞が鋭く突き刺さり、背を抉る。かっと焼けつくような痛みが背に走る。
 零れた鮮血は、咲き誇るヒガンバナの赤に紛れて。横薙ぎに天槌を振り回せば、大祓骸魂の腹部を僅かに掠る。
『貴方の愛は、わたしには届かない』
 すっと伸ばされた手は、救済か、其れとも破滅か。
「……全てを、込めてっ!」
 けれど、伸ばされた手を取る事は決してなく、巨大な光の波動が、大祓骸魂を包み込むように放たれる。
「あなたの愛か、私たちの絆か!」
 凛とした光が、ミューの手により放たれ続ける。
「私たちが紡いできた絆の光は、けっして負けません」
 其の言葉を聞いた大祓骸魂は、そっと瞳を閉じた―。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夜刀神・鏡介
②超電竜撃滅形態

人と妖怪では物事に対する考え方は違うだろう
故に大祓骸魂の「愛するものを永遠にしたい」という考え方そのものは否定しない。それも一つの愛だろう
だが、限られた生命を持つ人である俺は言おう。いつか失われるからこそ、限りある今を大切に思うのだと
だが、幾ら言葉をぶつけても最後は戦うしかない

神刀の封印を解いて、参の秘剣【紫電閃】を発動。紫電を身に纏いつつ、真の姿へと変身

大祓骸魂が懐刀を操るよりも早く一瞬で切り込み、素早く離脱
敵の攻撃を高速移動で回避しながら斬撃波で懐刀を打ち砕き、道をこじ開けてから、再度斬撃
出し惜しみはなし、限界を越えて大祓骸魂へと全てを叩き込む
――変わる人の可能性、って奴だ




 例えば。目の前に困っている誰かが居たとして。
 助けたいと思う気持ちは同じでも、其の手段は異なるだろう。
 寄り添いたいと思うか、手を差し伸べて見守るか。其の考え方は、人と妖怪問わず、誰もが異なるだろう。
 だから―。
「愛する者を永遠にしたいという考え方そのものは否定しない」
 手段がどうであれ、思想が狂気に満ちていても。其れも一つの愛の形。
 愛なんて定義、広くて深くて完全に理解し得る事は無理であるし、そんな事を成し遂げるものは何処を探してもきっと、居ない。
「だが、限られた生命を持つ人である俺は言おう」
 眼前の大祓骸魂を見据えて、ただ純粋な想いを込めて、夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は言葉を続ける。
「いつか失われるからこそ、限りある今を大切に思うのだと!」
 刹那、漆黒の瞳は爛々と輝く金眼へと変じる。眼前の大祓骸魂はただ淡く笑むだけ。
 永き時を生き続けるが故に、狂愛へと身を転じたかもしれない彼女。
 どれ程言葉を尽くそうと、きっと此方の言葉の真髄は届かない。
 ならば、武を用いて。其の為に、きっと彼女は此処で、待っていた―。
 真白の鞘を抜き放ち、神刀の封印を解き放つ。抜き放たれた神刀は、静かに其の刃を煌かせる。
 すっと金色の瞳が細められて、大地を踏み締め、跳躍。
 頸を狙って、横薙ぎに刃を振るうけれど、大祓骸魂が其の身を僅かにずらして、剣の軌道を逸らす。
 ぱっと肩に赤い華が散って、ぽたぽたと地を濡らす。
 手ごたえが浅い事に、軽く舌打ちを零し、鏡介は場から離脱する。
 白無垢が赤く、紅く染まっていく。瞳に彩を宿さずに、大祓骸魂はただそれを無機質に見つめるのみ。
 一度、懐刀を振るえば、複製された数百もの小刀が現れる。斬られた肩は、だらんと動かず。
 其れに小さく息を零して、もう片方の手を降り下ろせば、鏡介目掛けて懐刀が一斉に放たれる。
 視界で認識できる懐刀は、最小限の動きで躱して。躱せぬものは、神刀を振るった斬撃波で打ち砕いた。
 けれど、数百の刃全てを降す事は出来ずに、浅からず鏡介の身を削っていく。
 きん、と神刀が懐刀を打ち振るえば、小さな火花が散った。
 腕に、肩に、大腿に。深く突き刺さった刃をそのままに、鏡介は大きく息を吐く。
 じくじくと、身体のあちこちが痛む。ぼたぼたと鮮血が散る。
「永遠ってのは、良い響きだよなあ」
 何も変わる事の無い、不変の時。何とも魅惑的な響きではある。
「だが、人は変わる。変わるから、強くなれる」
 ぐっ、と腰を落として。眼前に迫った懐刀を叩き落す。
「それが、変わる人の可能性、って奴だ」
 だん、と力強く地を蹴り、神刀を腹部へ刺し穿つ。細い喉から、赤い華が零れて。
 大祓骸魂は、かくり、と膝を付いた。
 

成功 🔵​🔵​🔴​

白峰・歌音
④:真の姿で戦う

寂しいよな、愛した相手に忘れ去られるのは。オレの記憶を無くして、それでも忘れた世界を求める気持ちと似てるかもな。
その愛を、叶えさせる訳にはいかない。
世界を終わらせないため、だけじゃない。あんたの愛も、それを見て絶望して壊れてしまうから。
永遠の過去にしたら、世界は輝きを失い、あんたの愛する世界は永遠に無くなってしまう!
「無くした記憶が叫んでる!暴走した愛を止め、愛した世界の形を守り抜けと!」

相棒に乗って、真の姿へ変身!
オーラ防御を固めて、培った戦闘知識と直感で致命的な一撃を判断、優先的に拳で迎撃しながらスカイツリーを飛びあがって相手へ突貫!ダメージを与えていくぜ!

アドリブ連携OK




 ふわりと、冷たさを含んだ風が吹き抜ける。
 今はこんなにも脅威を与えている大妖怪、大祓骸魂。けれど、其の存在は今まで忘れ去られていたのだという。
 そっと目を伏せて、白峰・歌音(彷徨う渡り鳥のカノン・f23843)は静かに大祓骸魂を思う。
「……寂しいよな」
 世界を包み込まんとする大きな愛。そんな慈愛を抱きながら、世界に忘れ去られてしまった彼女。
 其処に苦悩は無かったのだろうか。愛した世界に、愛していた相手に、忘れ去られてしまう、と言うのは―。
「オレの記憶を無くして、それでも忘れた世界を求める気持ちと似てるかもな」
 望郷―。
 例え、記憶が無くても。無意識に故郷を求めてやまない、此の想いと根本はきっと同じ。
 けれど、帰りたいと願い、忘れた世界を求めて前を向いて歩き続ける歌音と、愛するが故に世界の時を止めたいと願う大祓骸魂とでは。
 辿り着く結末が、違う。ならば、歌音が取る行動は一つ。
「けど、その愛を叶えさせる訳にはいかない」
 愛とは、育む物。世界を永遠にしてしまったら、きっと彼女の愛も潰えてしまうのではないだろうか。
 其れとも、其れすらも大祓骸魂は望んでいるのだろうか。
 白無垢を血に染めて尚、世界を殺そうと足掻く大祓骸魂を真っ直ぐに見つめながら、歌音は一枚のカードを翳す。
「無くした記憶が叫んでる!」
 ぶわり、と蒼穹のオーラが歌音の身体から吹き荒れる。
「暴走した愛を止め、愛した世界の形を守り抜けと!」
 其の意志に呼応するように、一本の箒が歌音の元へと降り立つ。
 相棒たる箒に乗って、空を駆ける。蒼穹のオーラを、身に纏う盾として、空を目指す。
 大きく息を零した大祓骸魂は、背に懐刀を無数顕現させて、箒を、歌音を打ち落とさんと放つ。
 迫る刃を、横目で見ながら相棒を操って、躱す。
 どんどん上空へ迫りながら、己が身を削る、必殺の刃は拳を振るい、其の鈍色を砕いた。
 ぱらぱらと重力に従い落ちていく刃へ、一瞬だけ視界を向けるけれど、其れもすぐにそらされる。
「行くぜ、相棒」
 心得た、とばかりに箒の先端が大きく頷く(ように見える)
 くるり、と向きを変えて、目指すは大祓骸魂の、懐。
 尚も迫る懐刀は、致命的な外傷を与えるものだけを砕いて、後はそのままに。
 こんな攻撃に、構っている暇は無いのだ。
 一本の懐刀が頬を掠めて、ぷくり、と鮮血が滲む。其れを親指の腹で払って。視界に映った大祓骸魂は最早満身創痍。
 勢いに乗って、流星の如き蹴りを叩き込む。
 軽い身体が吹き飛んで、とさりと地面に横たわる。
 からん、と大祓骸魂の手にしていた懐刀が、力無く地を滑った。

成功 🔵​🔵​🔴​

フィランサ・ロセウス
【㉓トレンディ形態】
世界を滅ぼす程の貴女の想い、妬けちゃう位に素敵よ
だからこそその目が、その心が向けられる先が私だったなら…
そう考えただけで、狂おしい程に“好き”になっちゃう!

飛んでくる懐刀を大きな鉄板、トラック、何かの彫像…
そういう大きな物を買う事で、即席の盾にして防ぐ
お返しに剣で切り刻み、ハンマーで滅多打ちにして、機関銃で蜂の巣に、火炎放射器で丸焼きにして、爆弾で吹き飛ばして、それからそれから―
とにかく思いつく限りの武器を買って、想いと共にぶつけて、壊していくの

残念だけど、この世界はまだ過去のものにはならないわ。
だって、そうなる前に私が貴女を永遠にするんだから!




 世界を過去に、永遠にしようと言うのを愛と呼ぶのであれば。
 善悪問わず、好きな物を壊したいと思う此の気持ちも、きっと愛なのだろう。
 フィランサ・ロセウス(危険な好意・f16445)の抱く愛と形は違えども、内包する狂気を肌で感じて。
 背筋がぞくぞくと震える。そう、そう!
「その目が、その心が!向けられる先が、私だったなら……」
 嗚呼!なんて素晴らしいのだろう。そう考えるだけで、フィランサの心は満たされる。
 相手が世界を滅ぼそうとする巨悪だとしても、こんなの―。
「好きになっちゃう!」
 吹き荒れる力を、想像の力にして。僅かな恐怖を感じたか、大祓骸魂が複製した懐刀をフィランサへ向けて放つ。
 どん、と大きな音を立てて、大きな鉄の塊が、謎の形をした彫像が、ちゃりーんと軽い音と共に其の場に現れる。
 きぃん、と小さな音を立てて、懐刀が弾かれて。
 其れでも向かい来る懐刀は、ごとん、と音を立てて降ってきた大型トラックに潰される。
 元は何であったのか分からぬ彫像は、刃を受けてばらばらに砕けて散った。
「あはっ、壊れちゃった❤」
 けれども、其の言葉に惜しむ感情は含まれていない。在るのは愛しむ言葉のみ。
「ふふ、私の想い、受け止めて❤」
 にこやかに、恍惚とした笑みを浮かべて、フィランサは大祓骸魂へ肉迫する。
 手にした細い剣で肩を貫いて。用は済んだとばかりに、手にした剣は投げ捨てて。
 装飾煌びやかなハンマーで、細い白魚のような指を潰して。装飾は粉々に砕けて、残念そうに手放して。
 大型の機関銃を放とうとしたけれど、距離が近いし、武骨なので好きになれなくて。其のまま銃身で殴って。
「あは…、……あはっ❤あはははははっ❤」
 思いつく限りの武器が投影されては、討ち捨てられていく。
 愉悦に染まった表情が、きらきら狂気を帯びて輝く。
 頬は染まって、息は荒く。鮮血飛んだ唇をうっそりと舐めて。
「好き、ああ、あなたが好きっ❤」
 己が狂気は可愛い方だったのかと、思わず大祓骸魂の心が冷える。
 はー、はー、と肩で息を吐きながら、蕩ける様な笑みを、フィランサは浮かべる。
 潰れた手で懐刀を掴んで、フィランサに突き立てるけれど、其れすらも愛おしそうに見つめる彼女に、恐怖が弾ける。
『……っ』
 にっこりと、場違いなほど輝く笑顔を浮かべて。
「この世界はまだ過去の物にはならないわ」
 だって。
 ―そうなる前に、私が、貴女を永遠にするんだから❤
 そうして、そっと頬を撫でて。
 ぐしゃり、と白く細い喉を潰した。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヘルガ・リープフラウ
⑧「想い人」今は亡き母と語らう

神智を超えた虞、死を齎す刃
地に咲くは狂愛を宿す彼岸花

でもわたくしがまだ幼い頃
お母様は教えてくれた
この大地に咲く花のひとつひとつに命が宿っているのよ、と

時に愛に狂い、過ちを犯すのが人ならば、
わたくしはその「弱さ」を慰めましょう
破魔と浄化の力を宿し、郷愁を誘う歌声で
狂気に負けぬ愛の歌で包みこんで
虞を祓い、この地を癒しましょう

お母様、共に歌いましょう
貴女が教えてくださった、あの懐かしく優しい歌を

浄罪の懐剣に魔力を込めて
たとえ救うことは叶わずとも
せめて永劫の苦しみに終止符を

わたくしもこの世界を愛しています
だからこそ、母が子に愛を託すように
わたくしは幸せを守り受け継ぎたいの




 薄く翳った虞が、周囲を包む。
 静かに、ヘルガ・リープフラウ(雪割草の聖歌姫・f03378)が佇んでいれば、其処には懐かしき母の姿。
 そよそよと彼岸花が揺らいで、無機質な人工物の塔が、まるで幽世の様な様相を醸し出す。
 狂愛を抱く、ヒガンバナ。其れは、大祓骸魂の愛の、なれの果てだったのかもしれない。
 揺らぐ彼岸花を見ていると、母の言葉を思い出す。
 ―この大地に咲く花のひとつひとつに命が宿っているのよ。
 人も、動物も、植物も。息を零す生き物全てが生きている。
(時に愛に狂い、過ちを犯すのが人ならば)
 過ちを犯すのが、弱い心であるならば。其れすらも包み込もうとする優しき愛をもって。
「狂愛ではなく、純愛を抱いて、虞を祓いましょう」
 地に伏せ、息も絶え絶えな大祓骸魂を、僅かに憐れみの視線を向けて。そっと目を伏せる。
 きっと、世界を永遠にしようとする其の愛は、彼女一人では荷が重かった。
「……お母様」
 柔らかく微笑んで、亡き母へと振り返れば、ヘルガと同じ雰囲気を纏った女性も淡く、慈愛を含んだ笑みを浮かべている。
 子供のころに聞いた、あの懐かしくて、切ない、優しい唄。
「……――」
 澄んだ歌声が二つ、小さく響き渡る。
 忘れ去られてしまった彼女が抱いた、果てしなき愛。
 其の根底は、もしかしたら、わたしを忘れないでくださいという、願いが歪んでしまったものなのだろうか。
 何処か狂ってしまった大祓骸魂に問いかけても、其の答えはきっと得られないだろうけれど。
 救う事は出来なくても、せめて安らかな眠りを。
 世界を差し出す事は出来ないけれど、ならば夢の中で、愛した世界と共に在れるように。
 そんな願いを込めて、ヘルガは歌う。
 きらり、とヘルガの指に輝く指輪が淡く光を放つ。愛しき人と巡り合う事が出来た、この世界を。
(わたくしもこの世界を愛しています)
 きらきらと、小さな光が降り注ぐように。世界が受けた傷を、癒す様に。
(わたくしは、幸せを守り、受け継ぎたいの)
 其れは、ヘルガが母からこの唄を受け継いだように。傍らで歌う母と同じように、いつか自分の子供にも受け継いでもらえたら、と。
 きらきら、きらきら。雪の様に、奇跡は降り積もる。
 その光を見て、大祓骸魂はふっと身体の力を抜く。ああ、瞼が、重い。
 この感覚は、一度。そう、忘れ去られる前に―。
「……おやすみなさい」
 突き立てた浄罪の懐剣は、呆気ないほど簡単に大祓骸魂の身体を貫く。
 す、っと瞼を閉じた大祓骸魂の表情は、とても安らぎに満ちていた。
 愛を謳う、狂気に満ちた笑みではなく。純粋な、笑みを浮かべて。

 ―大祓骸魂は、再び静かな眠りに就いたのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年06月01日


挿絵イラスト