超生物スナークの創造を阻止せよ
●スライムだってモテたい
ニューヨークの地下にある迷宮ダストブロンクス。汚染水に塗れたそこで今日もバイオモンスターたちは暮らしている。そしてとある区画ではスライム型バイオモンスターたちが群れで住み着いていた。
人間が落とした漫画を見ていた彼らは皆同じ事を考えた。
(僕らもこの漫画みたいに、可愛い女の子に絡みつきたい!)
やる気満々に伸び縮みするスライムたち。
その様子を天井に張り付いて眺めている者がいた。
「ふふふ……いい材料になりそうね」
姿の見えない彼女こそが幹部猟書家『ケイオス・スナーク』の遺志を継いだオブリビオンなのだ。
●グリモアベースにて
「ヒーローズアースで、幹部猟書家の、遺志を、継いだ、オブリビオンが、予知、された、です!」
アリス・トゥジュルクラルテ(白鳥兎の博愛者・f27150)は集まった猟兵たちに説明を始めた。
「オブリビオンは、ダストブロンクスで、危険な、汚染を、広げて、バイオモンスターたちを、超生物スナークの、材料に、しようと、してる、です。なので、汚染、から、生まれる、オブリビオンを、倒す、して、遺志を、継いだ、オブリビオンを、倒す、して、ください」
まず現れるのは暗黒面『空蝉のオンブレ』だ。オンブレたちは汚染の影響で汚染水に紛れ込める能力を手に入れている。汚染水の中から突然飛び出してきて攻撃してくるので気を付けなければならない。
それを倒せば幹部猟書家の遺志を継いだオブリビオンとの戦いになる。しかしこちらも厄介な相手だ。
「カメレオン、みたいに、体の、色を、変える、できる、ので、見えない、です。レーダー、とか、魔法、とかの、探知能力も、効かない、ですよ。でも、攻撃の、時に、殺気を、隠せない、です。だから、目に、頼らず、戦う、必要が、ある、ですね」
さらに通常の攻撃に加えて汚染を広げる薬品をばらまいてくる。それは猟兵にとっても毒となるだろう。
「スライムさんたちは、汚染に、耐性が、ある、ので、協力、して、もらえたら、有利に、戦う、できる、かも、しれない、です。スライムさんは、喋る、ことは、できない、みたい、です、けど、こちらの、言葉は、わかる、ので、全身で、感情を、伝えて、くれる、です」
スライムであれば汚染水に潜ることもできるためオンブレ戦でも役に立つだろう。
「皆で、ヒーローズアース、守る、ですよ! よろしく、お願い、します! ……あ! すぐ、体、洗う、できる、ように、お風呂の、用意、して、おく、ですね!」
汚れても大丈夫ですよと言ってアリスは猟兵たちをダストブロンクスへと転送したのだった。
彌厘
お色気依頼ではありませんのでスライムに絡まれることはありません。安心してご参加ください!
2章で完結する幹部シナリオになります。
プレイングボーナスは2章通して『バイオモンスターと共に戦う、もしくは猟兵組織「秘密結社スナーク」の一員であると名乗る(敵がスナークの名の元に恐怖を集める企みを妨害します)』です。
1章はオープニング公開直後からプレイング募集します。2章は断章を投稿しますので、そちらを確認後にプレイングをお送りください。受付終了はマスターページとタグでお知らせしますので、ご確認お願いします。
それでは、素敵なプレイングお待ちしています!
第1章 集団戦
『暗黒面『空蝉のオンブレ』』
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POW : 影を冠する一面
【相手の視界から外れる】事で【影から影を移動可能な暗殺状態】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
SPD : 暗黒へ誘う微睡
戦闘中に食べた【相手の「感情」や「やる気」】の量と質に応じて【相手を無気力状態に陥れ】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ : 霊と刃を断つ者
【【幽霊】と【剣や刀】に対し有利な分身】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
イラスト:夜月蓮華
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ニクロム・チタノ
汚染水に潜んでいるなんて厄介だね、ならボクは反抗の加護を頼ろうかな?
ボクは正義の猟兵組織秘密結社スナークの反抗者だよ!
でたねオブリビオン、ボクに近いた途端体の自由が利かなくなったでしょ?
ボクの周りは無重力状態になっているからね
どこからくるか分からないなら全方位に無重力化を施して置けば安心だね
動けない所悪いけど今度は重力を掛けて地面に叩き落としてあげるね!
悶絶してる隙に反抗の妖刀で切り裂いてあげる!
ボクとおんなじで半面を被っているから親近感わくけど容赦しないよ
●反抗の竜の名の元に
反抗の竜チタノの加護を受けるニクロム・チタノ(反抗者・f32208)はスライムを襲う暗黒面『空蝉のオンブレ』を見るなり叫んだ。
「ボクは正義の猟兵組織『秘密結社スナーク』の反抗者だよ!」
スナークの名を聞いた途端にオンブレたちが色めき立つ。
「スナークは我らにある!」
「スナークが正義であるはずがない!」
「スナークの名の元に!」
彼らは口々に言うと汚染水の中へと潜り込んだ。
「ボクとおんなじで半面を被っているから親近感わくけど、容赦しないよ」
ニクロムは自分の周囲を水晶の雨で囲み結界にする。どこから敵が攻撃してくるかわからないのならば全方位に結界を張ればいいだけの話だ。
それに構わずオンブレは彼女の死角の影から猛スピードで跳び出した。その勢いのままに雨ごとニクロムを鋭い爪で貫こうとする。さらに四方八方からも敵が跳び出しニクロムを八つ裂きにしようとした。
しかしそれらの攻撃はすべて彼女に命中することはない。
(かかった!)
跳び出したオンブレ全員が宙に寝転がっているような態勢で雨の中に浮いている。
この雨はただの雨ではない。無重力の雨なのだ。
ニクロムはうまく動けない敵を重力の衝撃波で地面に叩きつける。そして叩きつけた衝撃からの回復など許すはずもない。
「とどめっ!」
ニクロムは間髪入れずに反抗の妖刀でオンブレたちを斬り捨てたのだった。
成功
🔵🔵🔴
陽殿蘇・燐
配信のために、スライム様の手を煩わせるわけにもいかないわね。
事後報告動画でいいでしょう。視聴者(大半は原作ファン)はわかってくれるわよ。
さて、秘密結社スナークの一員、陽殿蘇・燐、いくわよ。
スライム様、今から盛大に炎が行くから、干上がりそうなら言ってね?加減はするわ。
【炎術:芭蕉扇】。炎纏うクロアゲハにて、汚染水ごと干上がり燃え上がりなさい。
それに、その分身。特定のものに強いみたいだけれど…私には意味ないわよ?(武器が武器してないオーラと揚羽シリーズ。芭蕉扇がぎりぎり)
単に燃やすものが増えただけよ。…ああ、鬱陶しいから、『黒揚羽』で『分身を呼んだ過去』を焼却しても良いかしら?いいわね?
●暗殺者を撃退してみた
とあるゲームの敵キャラクターとして作られたバーチャルキャラクターで動画配信者でもある陽殿蘇・燐(元悪女NPC・f33567)。彼女は『悪女NPC(ラスボス)だったけど、猟兵になってみた』という動画を配信して人気を博している。
(配信のために、スライム様の手を煩わせるわけにはいかないわね。事後報告動画でいいでしょう。視聴者はわかってくれるわよ)
この元ラスボス意外に常識人である。
ともあれ燐もスライムをかばうようにオンブレの前に立ちはだかった。
「秘密結社スナークの一員、陽殿蘇・燐、いくわよ」
「くっ……! またスナークを名乗る猟兵か」
「返り討ちにしてくれる!」
オンブレは分身を呼び出してそれと共に汚染水へと潜り込む。
それを見た燐はニヤリと笑った。正面を向いたまま背後にいるスライムに声をかける。
「スライム様、今から盛大に炎が行くから、干上がりそうなら言ってね? 加減はするわ」
彼女が芭蕉扇を振れば炎をまとったクロアゲハがヒラリと現れる。それは汚染水に触れると燐の周囲を炎上させ瞬く間に半径七十八メートル以内の汚染水を一時的に干上がらせた。
当然汚染水に潜っていたオンブレたちも炎上しないはずがない。
「ぎゃあー!」
必死に地面を転がり火を消そうとする敵を燐は微笑んで見下ろす。
「分身なんて私には意味ないわよ、燃やすものが増えただけだもの。……ああ、でもうっとうしいから、黒揚羽で分身を呼んだ過去を焼却してもいいかしら? いいわよね?」
その時の彼女の笑みはラスボスにふさわしい迫力があったという。
分身など最初からいなかった。そう歴史は修正されたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
クロム・チタノ
反抗起動これより任務を開始する
敵を確認、私は猟兵組織[秘密結社スナーク]から来た者です悪を排除します
敵UC確認分身を召喚しますかならば
モード変更ヒツギを展開
コゴエノヒツにて敵の攻撃の緩和及び反抗を開始します
周りに集まっている敵に対し凍結波を発射敵を凍結させ破壊します
あなた達の反抗は無意味ただそのまま氷なさい!
●極寒の冷気
「反抗起動。これより任務を開始する」
クロム・チタノ(反抗機械・f32170)は反抗の竜チタノソウリュウに選ばれたサイボーグの少女である。赤いサイバーアイでオンブレを視認すると他の猟兵と同じく彼女もスナークの名を口にした。
「私は猟兵組織『秘密結社スナーク』から来た者です。悪は排除します」
「おのれ、貴様もか……!」
「スナークは我らにあり!」
オンブレは分身を呼び出すとそれと共に汚染水に潜る。
(敵の分身を確認。ならば――)
「モード変更ヒツギを展開」
クロムはユーベルコードの力でその姿を氷の棺へと変えた。
オンブレはそれを取り囲むように汚染水の中から現れる。そして棺へと一斉に爪で切りかかった。
ガキン!
氷の棺の表面がほんの少しだけ削れた。クロムにとってはかすり傷程度でしかない。
「クソッ、硬い!」
だが効かないわけではない。さらに攻撃を加えようと集まるオンブレたち。
その時突然氷の棺のふたが開く。すると棺の中から凍結波が放たれた。
「ぐあっ?!」
「体が、動か、な……!」
「あなたたちの反抗は無意味。ただそのまま凍りなさい!」
クロムは敵を分身ごとまとめて氷づけにすると人型へと戻る。そして右腕のクローアームで動かぬ敵を切り裂き骸の海へと還したのだった。
成功
🔵🔵🔴
津崎・要明
スライムかぁ〜、なんかちょっと親近感が・・・?
いや、女の子がどうこうのとこじゃ無く、不定形生物的なとこだって!
コホン。
という事で宇宙からこんにちは、スナークで〜す。ぃよろしくぅ!
汚染水に耐えつつ、結界を張って不意打ちに備える
風景に紛れられるのはアンタ達だけじゃないぜ
スライム達と協力して敵集団を包囲。手つなぎフェンス作戦だ
ある程度範囲を狭めたら
みんなに跳んでもらって【エレクトリック・ハザード】+範囲攻撃、リミッター解除
水中だから電気は効くだろ!
あー、耐性あってもなんか汚染水染みてイタイし、ちょっとやる気無くなってきたわ・・・
あと、スライムさんと見比べて色違いモンスターとか言うのやめてくれ〜
●スライムとの共同戦線
ダストブロンクスに転移してきた津崎・要明(ブラックタールのUDCメカニック・f32793)はスライムを見るなり微笑んだ。
「スライムかぁー、なんかちょっと親近感が……?」
するとスライムは『えっ、君もこういうことしたいの?』と言いたげに例の漫画を見せてくる。
要明は慌てて首を横に振った。
「いや、女の子がどうこうじゃなくて、不定形生物的なとこだって!」
彼は人の形を取っているがブラックタールなのだ。スライムたちに片手を溶かして見せる。
彼らはそれを見て仲間だと喜び要明を歓迎した。
咳払いを一つして要明は気を取り直す。
「それじゃあ皆、これからここにオブリビオンが来るから協力してほしいんだ」
説明を終えた頃に疲れた様子のオンブレが分身を連れて現れた。他の猟兵から逃げてきたのだろう。こちらを見て苛立たしげに言う。
「チッ、ここにも猟兵か……!」
「だがスライムの色違いモンスター程度、我らの敵ではない!」
「誰が色違いモンスターだ! ――行くぜ、スライムさんたち!」
要明は汚染水に耐えるために環境耐性を上げる結界を張る。そして自身もスライム形状へと変化した。
オンブレたちは汚染水へと潜る。
その瞬間に要明とスライムたちは手というか体をつなげて敵の潜る汚染水を包囲。退路を断ち狭い範囲に閉じ込めた。
「クソッ!」
焦ったオンブレが汚染水から出てくる直前。
「今だ!」
要明の掛け声でスライムたちはジャンプして水から離れた。
そして要明は加利ツルガーの電撃発生装置から放射状の電撃を放つ。
当然水中にいたオンブレたちは一溜まりもなかった。
「ぎゃあー!」
オンブレたちの体は力無く水面へと浮かび上がると骸の海に還ったのだった。
大成功
🔵🔵🔵
火土金水・明
「私は猟兵組織『秘密結社スナーク』の一員、『魔法少女ブラックマルス』。」「猟書家に従う存在を滅ぼす者です。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【先制攻撃】で【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【コキュートス・ブリザード】を【範囲攻撃】にして、『暗黒面『空蝉のオンブレ』』達を纏めて【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「私の役目は少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします
●魔法少女と暗殺者の死闘
「どいつもこいつも、スナークの名を汚しおって……!」
猟兵から逃げ延び他のスライムを探す最後のオンブレたち。
その前に立ちふさがったのは火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)だ。
「私は猟兵組織『秘密結社スナーク』の一員、『魔法少女ブラックマルス』。猟書家に従う存在を滅ぼす者です」
「っ! 貴様もか!」
オンブレたちは汚染水に潜ろうとした。だが。
「我求めるは冷たき力!」
それより先に明は五百四十本もの氷の矢を生み出し放つ。
「ぐああ!」
敵が疲れていたこともありほとんどのオンブレを討ち取ることができた。
しかし一体だけ分身を盾にして水中に潜った者がいる。
明は再び七色の杖を振り氷の矢を出現させた。そして敵が出てくる時を待つ。彼女には敵が水中に潜った時の対策がないためただ待つことしかできない。いつどこから攻撃されるのだろうか。緊張で頬を冷や汗が伝う。
バシャン!
大きな水音に背後を振り返る。
オンブレが汚染水から跳び出してきたところだった。鋭い爪が眼前に迫る。
彼女はそれを寸でのところで見切った。爪が届くすれすれで横に跳んで回避する。
「残念、それは残像です」
避けながら出しておいた氷の矢を放つ。
至近距離からの攻撃だ。オンブレは避ける間もなく大量の氷の矢に貫かれた。
こうして猟兵たちはすべてのオンブレたちを討ち取ることに成功したのだ。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『ステルス・クノイチ『カメレオナ』』
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POW : サイレント・ザン
【カメレオンクロークをまとい、相手の認識外】から【ニンジャブレードの斬撃】を放ち、【四肢を斬り裂くこと】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD : シュリケン・アサシネイション
自身に【カメレオンクローク】をまとい、高速移動と【無音で相手の急所を狙うシュリケン】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : ステルス・スカウティング
【カメレオンクロークをまとって敵を観察した】時間に応じて、攻撃や推理を含めた「次の行動」の成功率を上昇させる。
イラスト:すねいる
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠鏡繰・くるる」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「私の可愛い部下たちを全員倒すなんて、ひどい人たちね」
合流した猟兵たちの前に突然褐色の肌に銀髪の女が降ってくる。天井には隠れられる場所などないというのに。
彼女が猟書家の遺志を継いだオブリビオンのステルス・クノイチ『カメレオナ』である。トカゲのように壁や天井にくっつきカメレオンのように姿を消すことができる暗殺者だ。
「でも、これ以上私の計画の邪魔はさせないわよ。そのスライムたちはスナークの材料にさせてもらうわ!」
そう言ったカメレオナは猟兵たちに瓶に入った液体を浴びせかけてくる。これが汚染を広げる薬品なのだろう。
慌てて避ければ付近の下水が途端に毒々しい紫色に変わった。刺激臭が辺りに漂う。いくら猟兵でもあれに触れれば無事では済まないのは明白だ。
だが薬品を避けずに当たったスライムは何事もなかったようにピンピンしていた。本当に彼らには効かないようだ。
カメレオナの方へ向き直れば彼女はすでに姿を消していた。
薬品を避けながら見えない敵に対処しなければならない。厄介な相手だがスライムたちと協力して猟書家の計画を阻止するのだ。
陽殿蘇・燐
まさにカメレオン。厄介な相手ね。
でも、一度でも猟兵の前に姿を現したのは間違いね。
スライム様、手をお借りしても?(作戦ゴニョゴニョ)
相手は先の戦いを見ているはずだから、同じ手は使いにくい。
でも、この『紋黄揚羽』と『麝香揚羽』の効果は知らないのよね。薫りが刺激臭に紛れちゃってるし。
推理も前提を間違ってたら意味ないのよ。
そう、『紋黄揚羽』で増幅した『麝香揚羽』での幻覚…スライム様に私の姿をかぶせたのよ。
薬品を投げてもスライム様は無事だし、その方向から場所は割り出せるのよ?
【炎術:芭蕉扇】で燃やすわね?炎ごとは隠れられないでしょう?できたとしても、煤がその場にできるのよ。
ニクロム・チタノ
透明になる敵かあ~前に一回戦ったことあるね
でも今回は暗殺者、前と違って油断は出来ないね
時間を与えたら策を練られたりしそうだね?
そうは行かないよ、ボクの真の名紅明日香の名を以てチタノヤタテを降臨させる!
八つの蒼焔の盾で全方位を護って相手の視線を遮るよ
相手は近接は得意じゃないからすぐには攻撃してこないよね?
でも考える時間は与えないよ
盾の隙間から八つの重力槍を打ち出して攻撃、見えないからヤケクソとか思うでしょ?でもね
重力槍解放八方向に重力を掛けて炙り出す
見えなくても重力で叩き落とせば居場所を突き止めるぐらい出来るよ!
落ちて地面にヒビが入ってる、そこだね?
反抗の一撃を受けてみろ
クロム・チタノ
反抗続行アナタが今回の撃破対象ですね?
透明化そして死角からの斬撃しかし死角から来るなら予測してかわせます
情報収集完了これより反抗を開始する
モード凍結に移行チタノフリージング
透明は回避力しかし逃げ場なく冷気で覆ってしまえば無意味あとは凍るのみ、サヨナラ無慈悲に砕いてあげます
津崎・要明
カメレオンスーツか・・・見えないのは厄介だな。
それにあの汚染物質だ。
環境耐性結界は維持するが、ちょっと心許ないな。
えー、俺、女の子じゃ無くって申し訳ないんだけどスライムさんたち、グルグルって巻いといてくれないか?助かるよ。
加利ツルガーを構え、
カメレオナさーん、どこに居ますか?と質問して【アクシオン・コード】
現在地を示す回答を得るまで闇が侵食する
急所を狙ってくる手裏剣は手裏剣ビットで受け流させて貰おうか
攻撃して来れば移動の方向性がある程度推測出来る
ダメージが入って姿が見えたらすかさずレーザー一斉発射
スライムのみんな、ご協力に感謝するよ!
●全員の力で
「まさにカメレオン。厄介な相手ね」
燐はそう言いながらも不敵に笑った。
「でも、一度でも猟兵の前に姿を現したのは間違いね。スライム様、手をお借りしても?」
「スライムさんたち、俺もお願いがあるんだけど」
その横で要明も環境耐性を上げる結界を維持しつつスライムたちに何やら相談を持ち掛けている。
(透明になる敵は前に一回戦ったことあるけど、今回は暗殺者か。前と違って油断はできないね)
相談中の燐と要明とスライムたちを守るようにニクロムが前に出る。
「ボクの名、紅明日香の名を以て」
彼女は真の名の元に超重力と守りの蒼焔を操る守護竜チタノヤタテの霊を召喚。自身と仲間の周りを囲むように八つの蒼焔の盾を展開した。
「これならば行けます」
クロムが盾と盾の間から跳び出す。
「モード凍結に移行」
彼女から半径七十四メートル以内に零度の凍結波が放たれる。これは無差別攻撃である。そのため仲間たちにも攻撃が当たってしまうので二の足を踏んでいた。猟兵は耐えられてもスライムたちには酷だ。だが今仲間たちは蒼焔の盾で守られている。当然カメレオナにしか凍結波は当たらない。この機会を逃す手はないだろう。
しかし手ごたえはなかった。高速移動で避けられたらしい。
(……っ殺気!)
足元からそれを感じ後方に跳ぶ。シュリケンが太ももをかすめた。予測以上の素早さだ。
クロムには汚染薬品への対策がないため薬品が飛んでくる前に盾の内側に戻った。
それと入れ違いに盾の隙間からチタノヤタテの八本の超重力槍が八方向に打ち出される。敵に観察や推理の時間を与えない攻撃だ。
「っ……!」
攻撃を放ったばかりのカメレオナの脇腹に一本の槍がかすり傷をつける。当たりが悪かったため地面に叩き落とすことはできなかったが代わりに血が地面に滴り落ちた。
「カメレオナさん、そこにいるんですかー?」
そう質問しながら盾の内側から出てきた要明は体にスライムを巻き付けていた。これで汚染の影響を受けることはない。そして質問と共に加利ツルガーから暗黒物質アクシオンを呼び出す。
血が落ちた周辺を闇が侵食する。
「……?!」
突然視界を奪われカメレオナは困惑した。だが彼女は闇夜に潜む暗殺者だ。すぐに冷静さを取り戻し音と気配を頼りに要明へとシュリケンを放つ。
「さっすがぁ!」
要明はそれを初任務の際の記念に購入して改造したお土産手裏剣で受け流す。
その間にカメレオナは闇の中から高速移動で抜け出していた。盾の内側から出てきた燐を見止めてその勢いのまま素早く接近。汚染を広げる薬品を浴びせた。
だが薬品を浴びた彼女は何事もなかったようにそこに突っ立っている。
おかしいと気づいた時視界の端に黒い何かが入り込んだ。そちらに目を向ければ自身の肩に炎をまとったクロアゲハが止まっている。次の瞬間彼女の体は炎上していた。
「ぎゃあああ!」
炎を消すために下水に飛び込むカメレオナに声が降ってくる。
「その私は幻覚よ。スライム様に私の残像をかぶせたのよ。この子たちの力でね」
カメレオナの背後にいた本物の燐。敵の姿が見えなくても薬品の飛んできた方向と血の跡から敵の位置を割り出し背後に回っていた。
彼女の周囲を紋黄揚羽と麝香(じゃこう)揚羽がヒラリヒラリと飛んでいる。紋黄揚羽で力を増幅させて麝香揚羽で幻覚を作り出したのだ。
「服が燃えてしまったのは可哀想だけど、おかげであなたの姿がよく見えるわ」
カメレオナの姿を隠していたカメレオンクロークと下着が焼け落ち全裸で大火傷を負った彼女が全員の目にさらされていた。
「……おのれえええ!」
それでもカメレオナは燐に掴みかかろうと迫る。
「させるかよっ!」
それより先に要明のAxion Laserのコロニーレーザーがカメレオナを貫いた。
「私は……また、ここで……終わる、のね……」
奇しくもカメレオナは生前もこのダストブロンクスで最期を迎えていた。彼女は塵となり骸の海へと還ったのだった。
戦いが終わった後スライムたちは女性陣に絡みつかせてほしいとお願いした。しかし当然断られた。しばらく悲しそうに地面にベチョッと崩れていた彼ら。だが猟兵たちが協力の礼を述べて帰ろうとした時にはまた元気いっぱいに伸び縮みしていた。絡みついてもいい可愛い女の子を皆で探すらしい。心も体もタフなスライムたちなのだった。
大成功
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