其れは赤銅の満月に喚ばれた災魔
●博物館襲撃
天使の涙――それは希少性の高いピンクダイヤモンドで作られたネックレス。この博物館で期間限定として展示されていたそれは強化ガラスの中で厳重に保管されていたのだが。
「この程度……守っているには値しないですね」
『断罪者』プライマル・クライムは徐に大鎌を振り上げると、強化ガラスへと叩きつけていた。ガラスのけたたましい破砕音と共に警報ベルが博物館全体に鳴り響き、館内の客達は何事かと足を止める。
そして警備用の機械人形が現場へ駆けつけるまでの僅かな間で、プライマル・クライムは目の前のピンクダイヤモンドに災魔の卵を融合させる。途端に催眠ガスが噴出して、館内は眠りに落ちていく――。
●エリーゼの悲劇
「えっ、何!? これ!?」
館内のショップで土産物を探し回っていたエリーゼは突然の警報ベルと次いで立ち込めてきたガスに驚き、慌てふためいていた。本来ならばそこで眠ってしまうはずなのだが、彼女はミレナリィドール。元々機械なので催眠ガスの影響を受けず、ショップの中で立ち往生していた。
「シュバ! どこー!?」
シュバ、とはシュヴァルツ――博物館へ一緒に来た彼氏のことだ。トイレに行ってくる、と言って別れてから、まだ合流できていない。
館内は怪しい雰囲気だが、エリーゼは意を決して探しに向かう。さすがに男性用トイレの中にいたままでは再会はままならないが……シュヴァルツは偶然にも、その外にいた。
男とも女とも取れぬ、貴族風の何物かに首根っこを掴まれて、ずるずると引きずられていく。
「何、あれ……!」
エリーゼがすぐさま声を掛けなかったのは、その何者かが金色の大鎌を手にしていたからだ。どう見ても普通の人間ではなさそうな何者かが、シュヴァルツをどこかに連れて行こうとしている。
エリーゼはそっと後をつける。物音を立てぬよう、なるべく隠れて慎重に。
そして何者かは、天使の涙というネックレスが展示されている部屋までやってきた。粉々に砕け散ったガラスの向こうでガスがもくもくと溢れ出している。
「さて、いい獲物を見つけたことですし……機械化手術といきましょう」
何者かはシュヴァルツを床に寝かせると、手にした大鎌を振り上げた。
「――――!!!」
エリーゼはそれ以上目を向けられず、ただじっとぐちゃぐちゃと潰れ、がちゃがちゃと組み上がる音だけを聞いていた。
●アルダワ魔法学園・12thラウンド
「久々ですが重大事件です!」
二つの世界を守る戦いはいよいよ決戦の時――なのだが、ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)の元には新しい予知が舞い込んでいた。猟書家の水面下での活動が、また現れるようになったのだ。
「『アルダワ魔法学園』にて、宝石に災魔の卵を融合させる事件が発生しようとしています! あまり時間がないので概要だけ手短に説明しますと、場所は博物館になります。『天使の涙』と呼ばれるネックレスに災魔の卵を融合させた『断罪者』プライマル・クライムというオブリビオンがいますので、そいつをやっつけてください! ただし、館内では警備用の機械人形が動いているようです! 見つかると犯人扱いされて追いかけ回されるので注意しましょう! また、今回はシュヴァルツさんという方が被害に遭うところまで見てしまいましたので、時間はあまりないと思います! なるべく早く館内を突破するようにしてください!」
シュヴァルツと共に博物館に来たというエリーゼという人物がいる。彼女は身を隠しながらプライマル・クライムを追っているようで、もし合流することができればプライマル・クライムへ辿り着くのも早くなるだろう。
「先日の満月を受けて、また猟書家が動き出したと思われます! こちらも解決が求められる大切な事件ですので、解決していきましょう! それでは、宜しくお願いします!」
沙雪海都
沙雪海都(さゆきかいと)です。
自分はもう戦争の結末を祈るだけです。
●フラグメント詳細
第1章:冒険『イタズラ人形達の回廊』
舞台は博物館です。
催眠ガスで見通しが悪そう。あとガスの影響もちょっとはあるかもしれない中、警備用機械人形達の目を掻い潜りながら現場となる場所まで向かいましょう。
エリーゼとの合流では必須ではありませんが、彼女を見つければプライマル・クライムがいるのはすぐ近く、ということになるでしょう。
第2章:ボス戦『『断罪者』プライマル・クライム』
ボス戦です。
男か女かわかんねーなー……とりあえず女ってことにしておきたいです。
でも一人称は「ボク」にしておきます。
獲物として拾ったシュヴァルツを連れて、災魔の卵を埋め込んだ「天使の涙」のところへ戻ろうとしています。
戦う際、もしかしたら注意が必要かもしれないです。
第1章 冒険
『イタズラ人形達の回廊』
|
POW : 力こそパワー!人形を蹴散らしながら、力づくで真正面から強行突破する
SPD : 当たらなければどうということはない!スピードにモノを言わせ、捕まる前に駆け抜ける
WIZ : こんな事もあろうかと!行動の穴を突いたり、アイテムをうまく使ったりして要領よく抜ける
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ニクロム・チタノ
うわーガスのせいで視界悪いね?
とりあえずエリーゼさんと合流しないと妹達姉様方力を貸して
警備用の人形達を小さい体を利用して素早くかわしながら姉妹のみんなと一緒に探して行くよ
この数で探せばなんとか見つかりそうだね
さあ行くよチタノの加護と導きを
●ガスの中、影を掴む
どこかに火の手が上がっているのではないか――火事現場と見紛うほどのスモークの現場は視界が悪く、せっかくの展示品が台無しだ。
「うわー、ガスのせいで視界悪いね? とりあえずエリーゼさんと合流しないと」
博物館へやってきたニクロム・チタノ(反抗者・f32208)は手でガスを払い除けてみるが、ガスが払われた場所へ他からガスが流れ込んでくるだけで解決には至っていない。幸いガスを吸い込んでも即座に寝落ちることはなかったので、ニクロムは早速姉妹達を呼び出す。
「妹達姉様方、力を貸して」
しゅん、と生じた召喚陣の中に現れたのは、「2966ナンバーズ」と呼ばれるニクロムの「姉妹達」。総勢107体の姉妹達には、一様に「1」の刻印が左頬にされていた。
「エリーゼさんを探すよ。警備用の人形達に捕まらないよう気を付けて」
今や警備用機械人形は最警戒状態。動く者は誰彼構わず捕まえに来ることだろう。見通しの利きにくいガスの中では注意しなければならない。
ニクロムは姉妹達を一斉に散らした。広い博物館を数で押し切る人海戦術。ニクロムもまた展示品の並ぶホールを抜けていく。
すると程なくしてガスの中に浮かぶ影。くるりと振り向いた頭には赤いランプが点滅し、拡散するガスに反射して存在感を放つ。
「シンニュウシャ、ハッケン」
電子音声を放つそれは車輪の向きを変えてニクロムと姉妹達の元へ向かってきた。
警備用の機械人形だ。アームを段階的に伸ばして、動くニクロム達を捕縛しにかかる。ぐわんと抱きすくめるようにスイングしたアーム。姉妹達の1体を捕らえたかのように見えたが、小さい体の小回りを利かせ、機械人形の懐から脇へと抜けていた。
「シキュウ、オウエン」
ビービー警報を鳴らす機械人形。それが呼び水となって前からも後ろからも機械人形達が集まってくる。同様にアームを伸ばしてニクロムや姉妹達を捕まえようとしていたが、素早い動きで機械人形を翻弄する彼女達は悉くアームを逃れていた。
「今の内に……先に行ける皆は行って!」
そして数で勝るニクロム達は何体かの姉妹達を囮に、集まった機械人形達を掻い潜りながら奥を目指す。その先では別ルートから博物館を捜索していた姉妹達が合流したが、どうやらエリーゼは見つからなかったようだ。
順路の掲示板に沿って進むと、目の前に三つの通路が現れる。同じ方向へ伸びる通路は特別展示場への入口と出口。もう一つは博物館を一周するための正規ルートとなっていた。
「ボク達は真っ直ぐ行こう。特別展示場のほうはよろしくね」
集団を二つに分断し、ニクロムは正規ルートへと入っていく。エリアが変わり、壁と一体化した強化ガラスのディスプレイに並ぶのは数々の宝石達。ガスを通して見るそれらは輝きが鈍っていたが。
「……あっ、皆、止まって!」
先頭を行くニクロムが姉妹達を制する。壁際に蹲る影があった。機械人形とは明らかに違う、曲線的なフォルムは通路を陰から覗き込んでいるようだった。
「あなたは……エリーゼさん?」
ニクロムがそっと声を掛けると、その人物は反射的に身を竦ませながら振り返った。
「人……? よかった……でも、なんで私の名前を……」
「ボクは猟兵だから。この先に……エリーゼさんの大切な人が、いるの?」
「えぇ……大きな鎌を持った何かが、シュバを……シュヴァルツを、連れて……」
「やっぱり……災魔になったのは、『天使の涙』だっけ……そこに辿り着く前に、追いつこう!」
無事にエリーゼと合流できたニクロムは、急ぎ足でオブリビオンを追いかけていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
御堂・伽藍
アドリブ、即席連携歓迎
みつかった。よかった
では手繰ろうか
みつからないように、みつける
災いの卵、歪みの骸、隠れた路
UC発動
地形を利用しすてぜにを迷彩
最大範囲にて展開し警備の動向や有効な経路を模索
忍び足でこっそりこっそり裏をかいて抜ける
時には念動力空中浮遊などで視界の上を越えたり…
足音が間近に迫っても落ち着いて静止
動きを見て丁寧に抜けていく
がらんどうは、ねむらない
屍の眠りは、海底有るのみ
もういいかい?もういいよ
その宝、拝ませていただく
●其れは大鎌の主を見ない
「みつかった。よかった」
御堂・伽藍(がらんどう・f33020)はエリーゼとの合流を素直に喜ぶ。しかしそれも束の間。猟兵達の目的は彼女との合流を果たすことではない。
オブリビオンの近くまで来ていることは確かだが、ガス溜まりの中にその姿は見えず。まだ先へ行かねばならぬようだ。
足跡などが明確にあればよかったが、それらしいものはなく。ならば透明な糸を手繰って辿り着くしかない。
「みつからないように、みつける」
阻むのは機械人形。彼らの動向もまた先の障害になりそうで。伽藍は静かに先手を打つ。
『かえるけれどかえない。価値あるものは価値あるものを知る』
捨てる神あれば拾うがらんどうあり。顧みられることのない一匙の価値が床の模様に紛れて飛んでいった。万が一にも発見されることのなくなったそれらは枝分かれする博物館の通路に沿って広がると、自ら情報収集と偵察をこなす伽藍の目となり、耳となり。朧げな館内を鮮明に描き始めた。
一時は侵入者を追っていた機械人形達が少しずつ戻り始めているようだった。すてぜにが張る探知網に一体、二体と引っかかってくる。端の無い経路を巡回し、新たな侵入者がいないか探している。
ただ飛び出していくだけではどこかで必ず当たってしまう。同行するエリーゼのこともある。当たらぬに越したことはない。故に伽藍は裏をかく。
敢えて追うのだ、機械人形達を。彼らは後方に視野が広いわけではない。適度に距離を保っていれば見つかることはないだろう。
音を立てぬよう忍び足。機械人形達の動向を掴んだ伽藍はタイミングを計って巡回路に乗った。車輪の駆動音が僅かに届くくらいの絶妙な距離を保ちつつ、自らは存在を悟られぬように追う。彼らは気配というものを感じない。音さえ気を付けていれば気づかれずに後を追うのは難しくなかった。
機械人形は必ず順路を遡る通路に入る。そこが別れ所。伽藍は機械人形を見送ると、また別の機械人形を追って先を目指す。
道中、すてぜにを通して感知した特設展示の小ホール。そこには複数の機械人形が器用に互いをすり抜けながら警備に当たっていた。その全ての視線から逃れるのは如何に伽藍が100cm少々と一際小柄でも至難。
「すこしだけ、うく」
短く同行する者達へ告げると、伽藍は念動力で一団を天井間際まで浮かせていった。浮遊状態を保ちながらゆっくり水平移動して、眼下の機械人形達の目を逃れていく。
機械人形達はすれ違ったところで挨拶を交わすわけでもなく、淡々と定められた経路を見張り続けていた。天井を這うが如く移動する者達まで探知するようにはできていないのだろう。何の警報も鳴らすことなく、伽藍達を素通ししていた。
近い近いと思えど、動く相手に追いつくには少々時間を要した。しかし追走劇もやがて終わりはやってくる。
ずり、ずりと何かを擦る音が聞こえ始め、伽藍は移動を止めた。それはすてぜにから届く音だが、明らかに機械人形とは異なるもの。
すてぜにを通した視界には引きずられる者が映る。引きずる者は大鎌を携え歩むが、機械人形達はどういうわけだか目もくれず。
謎だが解くほど暇でもない。接敵に備えて伽藍は一団を地上に下ろすと、最後の目を潜り抜けるための策を練る。
「もういいかい? もういいよ」
自問に自答。彼の者が待ちわびる宝の間へ、伽藍は足を向けていた。
大成功
🔵🔵🔵
弥久・銀花(サポート)
大体危険を物ともせず突っ込んで行きます、武器が痛みそうな環境の場合、武装を置いて行く事すらあります
迷宮? ユーベルコードで壁を掘れば進めますよ?
人跡未踏の大自然? 人跡を作りながら進めば只のピクニックです
壊しちゃいけない所ですか……? うーん……、とりあえず壁に手を付いて進めば良いんですかね?
大半の罠に引っ掛かりますが、華麗な力押しで攻略して行く事でしょう
地に足が着かなくて力を発揮できない、獲物を捕られる系のトラップの場合は大体抜けられなくなって為すがままです
敵が来たら迎え撃ちますが、奇襲を察知するスキルとか、毒の耐性、呪いなどの解除方法などは無いので、搦手には滅法弱いです
●剛よく剛を制す
「もう、すぐそこまで迫っているんです。多少の妨害は突破していきましょう」
敵は近いとの報があり、弥久・銀花(隻眼の人狼少女剣士・f00983)は決断する。警備用機械人形というが、ここまでの動きを見るに主な行動は対象の拘束。ならばたとえ捕まろうと、力で強引に切り抜けられるのではないか、と。
エリーゼのことは他の猟兵に任せ、銀花は道を拓く役を負った。先陣切って飛び出した吹き抜けのホールには巡回中の機械人形が4体。
「ハッケン、ハッケン」
機械人形達は一斉に銀花を感知し、車輪の回転を上げて迫ってきた。人の手ほどだったアームがガチャンと伸びて捕縛用に変化する。
「4体で……私を止められますか?」
銀花は手近な機械人形1体に向かっていくと、右腕を差し出しわざと捕らせた。捕縛を感知し機械人形はギリギリと銀花の右腕を締め上げてくるが、生憎、痛みには十分な耐性があった。
他の機械人形達も右から、左からと次々にアームを伸ばして、4体全てで銀花の両腕の自由を奪いにかかろうとしていたが、銀花も主導権は取らせまいと怪力に任せて全ての機械人形をずるずるとホールの脇へ引き摺っていく。
機械人形達の車輪のゴムが床に擦れて焦げ臭さが漂い始める中、全ての障害を背負った銀花を横目に他の猟兵達は先へ急ぐ。機械人形達は捕らえた銀花を逃すまいと必死で彼らに構っている暇はない。車輪の回転を最大まで引き上げて銀花を後方に引き倒そうとしていた。
しかし銀花は深く根を張る大木の如く、倒れない。むしろその腕は徐々に前方へ運ばれているようでもあり。
「もう……いいでしょう……」
引き付け役は十分果たした。機械人形達と釣り合いを取っていた前傾姿勢から腕を思い切り前方に振り抜いて、一気に均衡を崩していった。4体の機械人形はアームに引っ張られる形で地を離れ、遠心力で宙に放られて一か所にぐしゃがしゃんと纏め捨てられる。
銀花は横倒しになった機械人形達の車輪の空転音を後方に、猟兵達の後を追う。
そして彼らの背中を、オブリビオンとの邂逅という形で見つけるのだった。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『『断罪者』プライマル・クライム』
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POW : 断罪の大鎌
【処刑用の大鎌】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【犯した罪】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
SPD : 断罪の烙印
攻撃が命中した対象に【罪人であることを示す烙印】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【犯した罪の重さに応じた刑罰】による追加攻撃を与え続ける。
WIZ : 断罪の法廷
戦闘力のない【裁判官と十二人の陪審員】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【敵に対する刑罰を定め、判決を下す事】によって武器や防具がパワーアップする。
イラスト:ひろしお
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「シャルロッテ・ヴェイロン」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●原初の罪状
天使の涙が誘う眠りは破滅への序曲。大鎌の歯車をキチキチ鳴らしてリズムを取るのは、生命の機械化を目論む断罪者、プライマル・クライム。
自らが禁忌に足を踏み入れようとしているが、彼女は自分の罪を裁こうとはしない。
断罪者とは兎角傲慢だった。
「ボクの邪魔をしないでくれるかな。でなければボクは、キミ達の首を狩ることになる」
慈悲でも与えたつもりなのか。プライマル・クライムは引き摺っていた「獲物」を床に落とすと、弧を描くように大鎌を振り上げた。
ニクロム・チタノ
悪いけど邪魔させてもらうよ!
大鎌はリーチが長くて厄介だけど鎌はその形状から至近距離に寄られたら刃を振れない、どうにか懐に入れば
よし、反抗の加護あり
鎌を振りかぶった瞬間に周りを無重力化させる
無重力じゃ重心の悪い鎌じゃ勢いつきすぎて回っちゃうでしょ、そこに重力を掛けて動きを封じて一気に接近こう近くちゃ鎌での攻撃はムリだね?
だけど逃がさないよ反抗の雷装をくらえ
実験体のボクが言うのもなんだけど命を弄ぼうとした罰だよ!
●地に足のつかない無の境地
「悪いけど邪魔させてもらうよ!」
「やれやれ……分からない子だね!」
伏し目がちに嘆息したプライマル・クライムは大鎌を両手に持ち直すと同時に床を蹴ってきた。中性的な容姿ながら目尻を吊り上げる様は鬼にも劣らぬ怒気と威圧を放つ。気圧されそうになるところだが、ニクロムは平静を保って敵を分析していた。
(大鎌はリーチが長くて厄介だけど……その形状から至近距離では刃を振れない。どうにか懐に入れば――)
踏み込めば死線を見ることになる。しかしニクロムはそこに一筋の光を見出した。
(……よし!)
決意し、ニクロムは直線的に大鎌の正面へと突っ込んでいた。ぐんと際立って迫る大鎌。プライマル・クライムは距離を計り、肩のやや上、人の首を狩るのに最適な高さへ振りかぶる。
ニクロムが狙っていたのはまさにその瞬間だった。
「反抗の加護あり!」
叫びと共に円形に展開された重力領域が場を支配する。一瞬にして重力を零に書き換えられたプライマル・クライムは踏み出した力のままに前方へ高く浮き上がっていく。
「くっ……!」
手にした大鎌も、自分の体も。何もかもがなくなってしまったかのようだった。どこへどのように力を加えればいいのか一瞬わからなくなり、ふらついた姿勢のまま放たれた大鎌の斬撃は歪んだ軌跡を描いてニクロムの頭上を通り抜ける。
回転は止まらない。横倒しになったプライマル・クライムの体はぐるりと宙で回り続けていた。
そして次に訪れたのは超重力下。吸い込まれるようにプライマル・クライムの体は落下し、地にへばりついてしまう。
「実験体のボクが言うのもなんだけど――命を弄ぼうとした罰だよ!」
鉛のように重くなった腕で床を掻き毟り抵抗を見せるプライマル・クライムの頭上には、反抗の雷装を掲げ跳躍したニクロムがいた。
気配は感じる。だが首は人の可動域を超えられない。プライマル・クライムは恐怖しながら「それ」を待つしかなかった。
ニクロムが直下へ雷装を叩き落とした。マントに覆われたプライマル・クライムの背中へ接触すると同時に雷装は燃え滾る溶岩の色をした爆炎を引き起こし、プライマル・クライムを宙に打ち上げながらその全身を焼き焦がす。
「うああぁぁっ!!」
不本意な形で自由を得たプライマル・クライムの体は炎の海を通過して、空気中に吐き出された時にはバロック調の衣装がまだらに消失し、ジュクジュクと赤黒く煮え立つ火傷を晒していた。
大成功
🔵🔵🔵
真城・美衣子(サポート)
☆サポート&おまかせ専門
何を考えているかよくわからない猫っぽい少女
&
喋るペンダント『マキさん』
・UDCアース人や猟兵としての一般常識はある
・鋭い感覚、高い運動能力、強靭な肉体で頑張る
・ぼんやりしているけど動きは早い
・無表情で説明もないまま行動するので、奇行に見える事も多いが、本人は一生懸命
・マキさんは主に解説・交渉などの会話を担当
・PLが直接操作しない方針なので挙動はご自由に!
☆セリフ例
「にゃ」
『みーこさんは「こんにちは」と言っています』
「……すんすん」
『みーこさんはニオイを確認しているようです』
『お時間よろしいでしょうか、事件についてお話を……』
「にゃ」
『みーこさん、今は喋らないでください』
●肉球じゃない分きっと痛い
体勢低く疾駆する様はまさに猫の如く。真城・美衣子(まっしろみーこ・f12199)は火傷を負った体でよろよろと大鎌を拾い上げようとするプライマル・クライムの眼前に跳んでいた。
空中で身を丸めて前方に一回転し、伸身から丸めた手での猫パンチがプライマル・クライムの頭上に振り落とされる。
「く――ぅあっ!」
プライマル・クライムは大鎌を拾うまま振り上げて美衣子の猫パンチを止めたまではよかったが、思いの外火傷のダメージが大きく、大鎌に響いてきた衝撃で痺れるような痛みが走っていた。
後方によろけながらも大鎌で体を支え、踏み止まるプライマル・クライム。大鎌で弾かれた美衣子はまた膝を抱えて身を丸め、綺麗な着地を決めた。
『みーこさん、これを着て下さい』
美衣子が首から提げたペンダントが喋る。美衣子の言葉の翻訳や他者との交渉など幅広くコミュニケーションをサポートするマジカル電子頭脳のマキさんだ。美衣子の衣装に重なるように現れたのは社交場の装いを思わせる真紅のドレス。薄くオーラを纏ったドレスを身に付けた美衣子の手には炎が宿った。
ぐーぱーぐーぱー、美衣子は感触を確かめるとまたプライマル・クライム目掛けて飛び出す。
「何度も焼かれちゃ――たまらないね!」
動かせば悲鳴の上がる体に鞭打って、プライマル・クライムは大鎌を下段に構えていた。美衣子はまたも跳び上がって、今度は炎の猫パンチを浴びせにいく。伸びた腕に返されるのは烙印を与える斬撃だ。自身の消耗までも加味して放たれた一撃は絶妙なタイミングで美衣子を真横から狩りにきていた。
リーチでは大鎌が勝る。美衣子の喉元に迫る刃。一瞬の出来事だった。
美衣子は野生の勘でプライマル・クライムの攻撃に反応し、猫パンチの方向を変えていた。大鎌に向かわせ、斬撃に上から被せるようにその刃面を思い切り叩きつける。反動で持ち上がった美衣子の体は逆立ちながらプライマル・クライムの頭上を越えていた。
着地、からすかさず反転。プライマル・クライムの背後を取った美衣子は強烈に焼かれ露出した背中へ掌底の猫パンチを打った。
「ぐぅっ!?」
焦げた背が潰れ、みしっと音を立てながらプライマル・クライムは突き飛ばされる。急に動き出した体に足元が追いつかず、縺れて弓形の体が床へと転げ滑った。
「っ……」
またも取り落とした大鎌へと這って縋るプライマル・クライム。その動きは先の時よりも時間がかかりそうだった。
成功
🔵🔵🔴
グリュック・ケー(サポート)
「なんかよく分かんないけど、よろしくなっ」
ノリのいい兄ちゃん。旅が好きでふらふら出歩いている割には呼べば現れる。ひとりも好きだが大勢も好き。楽しそうなことには顔を突っ込みたがる。汚れ役も引き受けられる基本的にいい人。
プリンと睡眠が大好きで常にプリンを持ち歩き、少しでも時間が空けば夢の中へ。寝起きはいいほうだが寝つきがかなり良い。
普段から顔を隠しているが、「見せて」と言われれば普通に見せる。
好戦的というわけではないが、必要であれば躊躇わない。
ユーベルコードも普通に使う。正面から戦うよりかは罠をかけるほうが好き。
●行き当たりばったり世界旅
「今日もまた呼ばれましたよっと」
グリュック・ケー(なんか黒い・f32968)を呼ぶ者の導きは、彼の意志とは関係なくどこかの世界へ飛ばしてくれる。転送された世界には何が広がるのか。行先不明の冒険がグリュックの生活に混ざり始めていた。
「さて……あいつか」
大鎌の重さから少し腕を下げて身構える者がいた。プライマル・クライム、身勝手な断罪者だ。
グリュックが手に弄ぶのはダガー一本。それだけで大鎌に向かっていくのはなかなかの蛮勇に見えたが、グリュックも無策では飛び込まない。
上着を脱ぎやすく仕込んでおき、プライマル・クライムに向かって突っ込んでいく。大袈裟にダガーを振り上げてあたかも強烈な一撃を狙っているかのように装いながら、プライマル・クライムが反撃に動き出すのを待っていた。
「その程度で……ボクは、狩られない……っ!」
ダガーの斬撃を塗り潰すように振り下ろされる黄銅の刃。グリュックは待ってましたとばかりにニヤつきながら、上着を脱ぎ眼前に投げつけた。
服一枚の目眩ましなど、そのまま斬り捨てればいいだけのこと。プライマル・クライムは攻撃の手を緩めることなく大鎌を振り切る。
しかしそこにグリュックの姿はない。秒もないほどのやりとりの中で、グリュックはプライマル・クライムの前から姿を消していた。
グリュックが脱ぎ捨てた上着は単なる目眩ましに留まらず。身軽になったことで加速した動きはプライマル・クライムの視界から一気に飛び出し、側方からの不意の接近を可能にした。
見回し、気づいた時にはもう遅い。グリュックが放つ真のダガーの一撃はプライマル・クライムの左腕を肩から肘まで抉るように裂いた。
「うぐっ――あぁっ!!」
大鎌を振ろうと力めば傷口が広がる。それでも構わずプライマル・クライムはグリュックへ強引に大鎌を振りにいったが、接近も速ければ離脱も速い。グリュックは即座に大鎌の範囲から脱出し、手の中のダガーを回していた。
成功
🔵🔵🔴
燐・梟羽(サポート)
長い一つ結びの白髪で、常にメンフクロウの仮面を付けた25歳の男僵尸です。
普段の口調は「仮面の上(私、~君、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)」、独り言は「仮面の下(俺、お前、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?)」です。
ユーベルコードは戦闘時の場合発勁・四肢尸掌を主に使用します。
非戦闘時は基本的に周囲を警戒しつつ周りに合わせて行動、不測の事態等があれば仲間に知らせます。
自分が僵尸、即ち死体であると自覚しているため、多少の怪我は厭わない反面、生者が傷つくことを嫌います。
危険がない日常では楽しむべきものは満喫し、生きる喜びを堪能しようとします。
他、細部は自由に使ってください!
●機械は生者か死者か
「生者を機械へと変えるなどあってはならぬこと。猟書家とやらの意志ある限り、魔の手が生者に及び続ける、というわけですか……」
世界を渡る力を得てみれば、実に多様な現実と出会う。燐・梟羽(仮面の僵尸・f33366)は一時取り戻した平穏を脅かすオブリビオン、プライマル・クライムと相対していた。
「ボクが……ここまで、追い詰められる……なんて」
プライマル・クライムは苦しげに息を吐く。大鎌を杖代わりに立つ姿は無残なものだ。歯車をあしらったシルクハットやマントはとうの昔に焼け落ちて、スカーフとクロークは焼け焦げ、身を包む機能を半分以上失っている。
「だけど……まだ、終わってない……ボクが、いる限り……!」
宝石が放つ催眠ガスは未だ続いている。災魔の力はプライマル・クライムが骸の海へと還るその時まで尽きることはない。
「ともかく、止めるとしましょう」
災魔を止める、プライマル・クライムを止める――どちらにしても滅びに変わりはない。梟羽は左足を前に出し、腰を深く落として功夫の構えを取る。
プライマル・クライムは大鎌をゆらと動かしながら飛び出していた。動きのキレは万全の状態と比べれば程遠いが、大鎌はただ大きいというだけで強烈な一撃となる。
梟羽は構えを保ったまま、プライマル・クライムの動きを見極めんと仮面の下の瞳を光らせる。先に自身の間合いへと入ったプライマル・クライムが大鎌を引き振りかぶって、断罪の一撃を放ってきた瞬間、梟羽は強く床を蹴っていた。
大鎌目掛けて全身を飛び込ませる。自ら僵尸となった身。多少の怪我は甘んじて受ける覚悟で、生者を守る意志を貫かんとしていた。
円弧を描いて迫る刃。その有効な間合いはドーナツ状だ。故に鋭く強く踏み込めば、刃を潜り抜けて梟羽の間合いへと変わる。
威力の無い大鎌の柄を片腕で受け止めると、身を沈ませながらさらに肉薄して、
「私の間合いに入るとは、こういうことです!」
鉄山靠――肩甲骨をぶつけていくような体当たりで大鎌諸共プライマル・クライムの体を弾き飛ばした。大鎌を振るうには随分と細身の体が宙を舞い、放物線で落下して床に叩きつけられる。
「ぐ、ぅっ!?」
落下の衝撃で大鎌と分離し、プライマル・クライムは跳ねて揉みくちゃになりながら転がっていく。大打撃を受けたが、災魔はそれでも止まらぬか――しかし最早、それは虫の息にも近かった。
成功
🔵🔵🔴
リカルド・マスケラス(サポート)
『正義のヒーローの登場っすよ~』
装着者の外見 オレンジの瞳 藍色の髪
基本は宇宙バイクに乗ったお面だが、現地のNPCから身体を借りることもある
得意なのはサポートで、NPCに憑依(ダメージはリカルドが請け負う)して戦わせたりも可能
接近戦で戦う場合は鎖鎌の【薙ぎ払い】と鎖分銅の【ロープワーク】による【2回攻撃】がメイン。
遠距離戦では宇宙バイク内臓のビーム砲で【薙ぎ払い】
その他状況によって【属性攻撃】や【破魔】等使用。
猟兵や戦闘力のあるNPCには【跳梁白狐】で無敵状態を付与できる。
●影(物理)のヒーロー
倒れたプライマル・クライムに近づいていくのは、どの猟兵でもなく、恋人を連れ去られそうになったエリーゼ自身。
「ぅぐ……何の、つもり、かな……。一般人の、キミ、には……ボクは……倒せない……」
「『一般人』だったらよかったっすけどねぇ」
睨み下ろすエリーゼはニタと笑む。口調も仕草も、エリーゼとは時間をそれほど共にしていない猟兵達でさえ明らかに気付く。
エリーゼではない何者か。その正体は白狐の面、リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)だった。
「猟兵……!」
押し殺されていた気配が雪崩の如く放出されて、プライマル・クライムは身を粉砕する勢いで跳ね起きる。痛い、辛いなどと叫んでいる場合ではない。消滅の危機を脱しなければならなかった。
落ちていた大鎌の元まで辿り着いたが、酸素を取り込もうと必死になり過ぎて咳込んでしまう。その咳が体を縛る茨となっていた。
「逃がさないっすよ……さあ、行くっすよ! 影魔人!」
憑依した影がぐにゃぐにゃとゴムのように伸びだすと、影は立ち上がって憑依した体の3倍に到達する影魔人となった。リカルドを跨ぎ越えて、影魔人はプライマル・クライムに迫っていく。
「――っああぁっ!!」
気合いなどプライマル・クライムの戦闘スタイルとは程遠いのだが、体力の最後の一滴を絞り出すにはそれしかなかった。影魔人を倒し、猟兵を倒した時に己の身が無事に形を保っているかはわからない。
それでも大鎌を振り上げるしかなかった。プライマル・クライムは影魔人を速度で凌駕し太足に一閃、刈り取りにいった。
影魔人の足が千切れ、その分影魔人の体は傾いたが――千切れて溶けるだけに見えた影魔人の残骸が蠢き始め、にゅるにゅると伸びて小型の影魔人となった。
「キミの罪は――」
「影魔人に罪はあるんすかねー? まあ、あってもなくても叩き潰すだけっすけど!」
プライマル・クライムが再び鎌を振る前に。小さく分裂した影魔人がプライマル・クライムにしがみつき、羽交い絞めにする。形のない影のはずなのに、今のプライマル・クライムには鋼鉄のように硬く感じられた。
元の影魔人は自らもう片方の足を切り離して高さを揃える。そして腕を振り上げ力を溜めると、
「ジ・エンドっす」
リカルドが鳴らした指に合わせて、影魔人は腕のハンマーをプライマル・クライムの頭上へと叩きつけた。小型の影魔人ごと一気に押し潰すと、圧着された腕の下ではプライマル・クライムが過去の残滓となって災魔と共に消滅した。
成功
🔵🔵🔴